(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-24
(45)【発行日】2024-07-02
(54)【発明の名称】輸送用治具および輸送用治具セット
(51)【国際特許分類】
B25J 19/00 20060101AFI20240625BHJP
【FI】
B25J19/00 Z
(21)【出願番号】P 2024508492
(86)(22)【出願日】2023-10-17
(86)【国際出願番号】 JP2023037520
【審査請求日】2024-02-09
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】390008235
【氏名又は名称】ファナック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100118913
【氏名又は名称】上田 邦生
(74)【代理人】
【識別番号】100142789
【氏名又は名称】柳 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100201466
【氏名又は名称】竹内 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】江 航杰
【審査官】神山 貴行
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-290725(JP,A)
【文献】実開昭62-029292(JP,U)
【文献】特開昭63-267188(JP,A)
【文献】特開昭63-180699(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 1/00-21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボットの機構部品の外面に備えられた鉛直な座面に、着脱可能に取り付けられる金属製平板からなる輸送用治具であって、
板厚方向に貫通し、前記座面に設けられたネジ孔に対応する位置に設けられ、前記ネジ孔に締結されるボルトを貫通可能な1以上のボルト孔と、
該ボルト孔を通した前記ボルトの前記ネジ孔への締結により前記座面に固定されたときに、前記座面に沿う水平方向に前記機構部品の外方に向かって片持ち梁状に延びる延出部とを備え、
該延出部に、板厚方向に延び、前記座面に固定されたときに、前記ロボットの被設置面からフォークリフトの爪の厚さよりも高い位置に下向きに水平に配置される1以上の被支持面が設けられている輸送用治具。
【請求項2】
前記機構部品が、前記被設置面に設置されるベースである請求項1に記載の輸送用治具。
【請求項3】
前記被支持面が、板厚方向に貫通して形成された貫通孔の内面である請求項1または請求項2に記載の輸送用治具。
【請求項4】
前記被支持面が、前記座面に固定されたときに前記被設置面に直接対向する面である請求項1または請求項2に記載の輸送用治具。
【請求項5】
前記
延出部の長手方向の先端側に、前記被支持面よりも下方に突出する凸部を備える請求項4に記載の輸送用治具。
【請求項6】
請求項1または請求項2に記載の輸送用治具を4つ備える輸送用治具セットであって、
2対の前記輸送用治具が、前記機構部品を水平方向に挟んだ平行な前記座面にそれぞれ固定されることにより、4つの前記輸送用治具の前記被支持面を同一平面上に配置可能である輸送用治具セット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、輸送用治具および輸送用治具セットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
フォークリフトを用いた輸送を可能にするために、旋回ベースの外表面に、フォークリフトの爪を刺すための爪受け部材が取り付けられたロボットが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
フォークリフトを用いてロボットを輸送する際には、高重量の大きな爪受け部材を旋回ベースの位置まで持ち上げて取り付ける必要があり、クレーン等の設備が必要である。また、人手により持ち上げる場合には、作業者に大きな負担が掛かる。
したがって、フォークリフトを用いてロボットを輸送する際の作業性を向上することが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様は、ロボットの機構部品の外面に備えられた鉛直な座面に、着脱可能に取り付けられる金属製平板からなる輸送用治具であって、板厚方向に貫通し、前記座面に設けられたネジ孔に対応する位置に設けられ、前記ネジ孔に締結されるボルトを貫通可能な1以上のボルト孔と、該ボルト孔を通した前記ボルトの前記ネジ孔への締結により前記座面に固定されたときに、前記座面に沿う水平方向に前記機構部品の外方に向かって片持ち梁状に延びる延出部とを備え、該延出部に、板厚方向に延び、前記座面に固定されたときに、前記ロボットの被設置面からフォークリフトの爪の厚さよりも高い位置に下向きに水平に配置される1以上の被支持面が設けられている輸送用治具である。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】本開示の第1の実施形態に係る輸送用治具セットが取り付けられたロボットの一部を示す斜視図である。
【
図2】本開示の第1の実施形態に係る輸送用治具を示す斜視図である。
【
図3】
図1のロボットの他の輸送方法を説明する図である。
【
図4】
図2の輸送用治具の第1の変形例を示す斜視図である。
【
図5】
図2の輸送用治具の第2の変形例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本開示の一実施形態に係る輸送用治具1および輸送用治具セット10について、図面を参照して以下に説明する。
本実施形態に係る輸送用治具1は、例えば、
図1に示すように、フォークリフトを使用して、ロボット100を輸送する際に用いる治具である。また、本実施形態に係る輸送用治具セット10は、4つの輸送用治具1によって構成される。
【0008】
まず、本実施形態に係る輸送用治具1および輸送用治具セット10を用いて輸送されるロボット100の構成について説明する。
ロボット100は、例えば、垂直6軸多関節型ロボットである。ロボット100は、
図1に示すように、水平な床面等の被設置面に設置されるベース110と、鉛直な第1軸線J1回りに、ベース110に対して回転可能に支持された旋回胴120とを備える。また、ロボット100は、水平な第2軸線J2回りに、旋回胴120に対して回転可能に支持された第1アーム130を備える。さらに、ロボット100は、第1アーム130の先端に対して回転可能に支持された第2アーム(図示略)と、第2アームの先端に取り付けられた3軸の手首ユニット(図示略)とを備える。
【0009】
ベース110は、箱状に形成された部材であって、床面等の水平な被設置面に密着して固定される底面111を備える。また、ベース110は、底面111を水平方向(ここでは、ロボット100の前後方向)に挟んだ両側に、側壁面(外面)112を備える。各側壁面112の水平方向(ロボット100の左右方向)の両端部には、鉛直方向に延び、それぞれ3つのネジ孔(図示略)が形成された座面113が設けられている。
【0010】
本実施形態に係る輸送用治具1は、フォークリフトを用いてロボット100を輸送する際に、ロボット100のベース110の座面113に取り付けられて使用される治具である。輸送用治具1は、
図2に示すように、平板状の鋼材を切削加工または溶断等により切り出すことにより形成された横長の長方形平板状の部材である。
【0011】
輸送用治具1は、板厚方向に貫通する長方形状の貫通孔2と、同じく板厚方向に貫通する3つのボルト孔3とを備える。貫通孔2は、フォークリフトの爪Fの幅寸法よりも十分に長い長辺と、爪Fの厚さ寸法よりも十分に長い短辺とを備える。
【0012】
3つのボルト孔3は、貫通孔2の長辺方向の一側に配置されている。3つのボルト孔3は、それぞれベース110の各座面113のネジ孔に締結されるボルトSを貫通可能な内径寸法を備える。本実施形態に示す例では、各座面113のネジ孔は、鉛直方向に一定間隔で一列に並んで設けられている。したがって、輸送用治具1のボルト孔3も各座面113のネジ孔と同じ一定間隔で、長方形状の貫通孔2の短辺に平行に一列に並んで設けられている。
【0013】
また、本実施形態においては、3つのボルト孔3は、長方形状の貫通孔2に対して、短辺方向の一側に偏った位置に配置されている。
図2に示す例では、輸送用治具1は、長方形状の外形の一部を貫通孔2の短辺に沿う方向に突出させた突出部4を備えている。3つのボルト孔3は、その少なくとも1つが突出部4に配置される位置に形成されている。
【0014】
この場合においては、輸送用治具1の貫通孔2が形成されている部分が延出部5となる。また、貫通孔2を構成する2つの長辺の内面のうち、突出部4とは反対側の内面がフォークリフトの爪Fを受ける被支持面2iとなる。
【0015】
このように構成された本実施形態に係る輸送用治具1および輸送用治具セット10の作用について、以下に説明する。
本実施形態に係る輸送用治具1および輸送用治具セット10を用いてロボット100を輸送する場合には、ベース110に設けられた4か所の座面113にそれぞれ輸送用治具1を固定する。
【0016】
輸送用治具1をベース110に固定するには、輸送用治具1を貫通孔2の斜め下方に3つのボルト孔3が配置される姿勢に支持し、輸送用治具1をベース110の座面113に近接させる。輸送用治具1は、平板状の鋼材を切り出しただけの平板状の部材であるため、板厚方向のいずれの表面も座面113に密着させることができる取付面になり得る。したがって、本実施形態に係る輸送用治具セット10としては、同一形状の4つの輸送用治具1を用いて、2つは板厚方向の一側の表面を、他の2つは板厚方向の他側の表面を取付面として利用する。
【0017】
具体的には、3つのボルト孔3を座面113の3つのネジ孔に一致させたときに、貫通孔2が、ベース110に対して水平方向(ロボット100の左右方向)の外側に配置される側の表面を取付面として選択する。そして、
図1に示すように、各ボルト孔3に挿入したボルトSを、座面113のネジ孔に締結する。これにより、輸送用治具1がベース110に固定される。
【0018】
ベース110の4か所の座面113に固定された各輸送用治具1は、それぞれ座面113に沿う水平方向(ロボット100の左右方向)にベース110の外方に向かって延出部5を片持ち梁状に延ばして配置される。また、延出部5に設けられている長方形状の貫通孔2は、長辺を構成する内面が水平に延びるように配置される。
【0019】
このとき、ベース110を挟んで反対側に対応する2つの座面113に固定された2つの輸送用治具1は、それぞれ、貫通孔2をロボット100の前後方向に所定の間隔をあけて整列させた位置に配置される。また、同一平面上に配置される2つの座面113に固定された2つの輸送用治具1は、それぞれ、貫通孔2をロボット100の左右方向に、フォークリフトの2つの爪Fを挿通可能な所定間隔をあけて配置される。
【0020】
次に、作業者は、ベース110が設置されている床面と、ベース110の底面111とを固定しているボルトを取り外す。これにより、ロボット100は、床面に移動可能に載置された状態となる。
【0021】
作業者はフォークリフトを操作し、フォークリフトの2つの爪Fの先端を、例えば、ロボット100の後方から、ベース110の背面側の座面113に取り付けられた2つの輸送用治具1の貫通孔2に近接させる。そして、爪Fの高さを、貫通孔2の高さ位置に合わせた後に、フォークリフトをゆっくり前進させて、2つの爪Fを、それぞれベース110の背面側の座面113に取り付けられた貫通孔2に挿入する。
【0022】
そして、フォークリフトをさらに前進させることにより、2つの爪Fの先端を、それぞれベース110の前面側の座面113に取り付けられた2つの輸送用治具1の貫通孔2に挿入する。これにより、ベース110の背面側の座面113に固定された2つの輸送用治具1の貫通孔2には各爪Fの基端側が貫通し、前面側の座面113に固定された2つの輸送用治具1の貫通孔2には各爪Fの先端側が貫通する。
【0023】
次いで、この状態からフォークリフトの爪Fを鉛直上方に上昇させることにより、2つの爪Fの基端側および先端側の上面が、それぞれ4つの輸送用治具1の貫通孔2の上側の内面に位置する被支持面2iに押し当てられる。そして、2つの爪Fをさらに上昇させることにより、4つの輸送用治具1の被支持面2iが2つの爪Fによって押し上げられ、ベース110が床面から持ち上げられる。
【0024】
このようにして、ロボット100は、ベース110に取り付けられた4つの輸送用治具1を介在させて、フォークリフトの2つの爪Fに持ち上げられる。そして、ロボット100を持ち上げた状態のまま、フォークリフトを移動させることにより、ロボット100を所望の位置に移動させることができる。
【0025】
この場合において、フォークリフトの爪Fの上面を接触させる被支持面2iは、輸送用治具1の板厚方向に貫通して形成された貫通孔2の内面である。したがって、ロボット100を持ち上げた際に、各爪Fの上面から付与される上向きの大きな力を、板厚方向に延びる平面で受けることができる。
【0026】
これにより、平板状の輸送用治具1の板厚を十分に厚く形成しておけば、被支持面2iが、爪Fの上面から受ける力を分散させて支持することができ、十分な強度を確保することができる。この場合において、輸送用治具1は平板状の鋼材を切り出しただけの部材であるため、十分な強度を確保し得る板厚であっても、作業者が片手で持ち上げることができる程度の質量となる。
したがって、輸送用治具1の軽量化を図ることができ、フォークリフトを使用してロボット100を輸送する際の作業性を向上することができるという利点がある。
【0027】
また、本実施形態においては、フォークリフトの2つの爪Fを、それぞれ輸送用治具1の貫通孔2に貫通させている。したがって、輸送中に、爪Fは輸送用治具1の貫通孔2内に保持され、爪Fが輸送用治具1から外れることを防止できる。
すなわち、フォークリフトによるロボット100の輸送中に、路面の凹凸等によって、爪Fに大きな振動あるいは衝撃が加わっても、ロボット100を落下させずに持ち上げた状態に保持することができる。
【0028】
また、本実施形態においては、輸送用治具1の3つのボルト孔3を、貫通孔2に対して短辺に沿う一方向に偏らせて配置した。そして、貫通孔2の斜め下方に3つのボルト孔3が配置される姿勢で、輸送用治具1をベース110に固定することにより、輸送用治具1を床面から上方に間隔を空けた位置に配置することができる。
【0029】
その結果、
図3に示すように、2本の爪Fの上面を押し当てる被支持面5bとして、4つの輸送用治具1の延出部5の下面を採用することもできる。また、延出部5の下面は、貫通孔2よりも低い位置に配置されるので、フォークリフトに代えて、電動リフトあるいはハンドリフトのように、比較的低い位置において昇降可能な装置を用いることが可能である。また、この場合には、爪Fを4つの輸送用治具1の被支持面5bの下方に配置する際に、爪Fの高さ位置を調整する必要がなく、単に最低位置に降ろしておくだけで済む。
【0030】
なお、本実施形態においては、ボルト孔3の位置を貫通孔2に対して短辺に沿う方向の一側に偏らせて配置したが、ボルト孔3を短辺の中心振り分けで配置してもよい。これにより、突出部4を設けることなく、より単純な長方形状の輸送用治具1を構成することができる。
【0031】
このように構成しても、ベース110の座面113の位置によっては、貫通孔2の内面および延出部5の下面の両方を被支持面として選択可能な位置に輸送用治具1を固定することができる。
また、本実施形態においては、3つのボルト孔3を貫通孔2の短辺に沿う方向に一列に配列したが、これに限定されるものではなく、他の任意の配列で形成してもよい。
【0032】
また、本実施形態においては、輸送用治具1をボルトSによってベース110に固定する場合を例示した。これに加えて、輸送用治具1をボルトSによってベース110に固定した状態で、輸送用治具1の一部を突き当てる突当面をベース110に設けてもよい。突当面としては、座面113の一部に段差を設け、輸送用治具1の端面を突き当てることにしてもよい。また、輸送用治具1とベース110とをピンによって位置決め状態に固定してもよい。
【0033】
この場合において、ボルト孔の内径は、通常、ボルトの外形よりも大きいので、ボルトSとボルト孔3との隙間の範囲で、輸送用治具1の貫通孔2の位置が変動する。しかし、輸送用治具1の一部を突当面に突き当て、あるいはピンによって位置決めすることにより、輸送用治具1の位置の変動を防止し、4つの輸送用治具1の被支持面2i,5bを精度よく同一平面内に維持することができる。
【0034】
また、本実施形態においては、長方形状の貫通孔2を例示したがフォークリフトの爪Fを挿入することができ、かつ、爪Fの上面を押し当てる被支持面を有する形状であれば、他の任意の形状の貫通孔2を採用してもよい。
【0035】
また、本実施形態においては、
図4に示すように、輸送用治具1の貫通孔2を省略してもよい。この場合には、輸送用治具1を対応する座面113に取り付けたときに、ベース110の左右方向外方に突出する延出部5の下面を被支持面5bとすればよい。これにより、輸送用治具1をより簡素な形状、かつ、よりコンパクトにすることができる。したがって、輸送用治具1のさらなる軽量化が図れるとともに、輸送用治具1の製造性を向上することができる。
【0036】
また、この場合においては、
図5に示すように、輸送用治具1の延出部5の長手方向の先端に、被支持面5bよりも下方に突出する凸部5pを設けてもよい。これにより、2つの爪Fの上面を、4つの輸送用治具1の被支持面5bに接触させたときに、各爪Fの長手軸に直交する水平方向外側に、凸部5pが配置される。したがって、輸送中における爪Fの上面と被支持面5bとのずれを抑えることができ、持ち上げたロボット100の落下を防止することができる。
【0037】
また、本実施形態においては、4つの輸送用治具1をベース110に取り付ける場合を例に説明したが、輸送用治具1を取り付けるロボット100の機構部品は、ベース110に限定されない。例えば、旋回胴120に設けた座面113に輸送用治具1を固定してもよい。
【0038】
また、本実施形態においては、4つの同一形状の輸送用治具1を備えた輸送用治具セット10を例示したが、輸送用治具セット10が備える4つの輸送用治具1が、互いに異なる形状を有していてもよい。
例えば、ベース110に設けられる座面113の位置、座面113に形成されるネジ孔の位置あるいはピッチに応じて、輸送用治具1の形状を異ならせてもよい。
【0039】
以上、本開示の実施形態について詳述したが、本開示は上述した個々の実施形態に限定されるものではない。これらの実施形態は、発明の要旨を逸脱しない範囲で、または、特許請求の範囲に記載された内容とその均等物から導き出される本発明の思想および趣旨を逸脱しない範囲で、種々の追加、置き換え、変更、部分的削除等が可能である。例えば、上述した実施形態において、各動作の順序や各処理の順序は、一例として示したものであり、これらに限定されるものではない。
【0040】
上記実施形態および変形例に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)
ロボットの機構部品の外面に備えられた鉛直な座面に、着脱可能に取り付けられる金属製平板からなる輸送用治具であって、板厚方向に貫通し、前記座面に設けられたネジ孔に対応する位置に設けられ、前記ネジ孔に締結されるボルトを貫通可能な1以上のボルト孔と、該ボルト孔を通した前記ボルトの前記ネジ孔への締結により前記座面に固定されたときに、前記座面に沿う水平方向に前記機構部品の外方に向かって片持ち梁状に延びる延出部とを備え、該延出部に、板厚方向に延び、前記座面に固定されたときに、前記ロボットの被設置面からフォークリフトの爪の厚さよりも高い位置に下向きに水平に配置される1以上の被支持面が設けられている輸送用治具。
(付記2)
前記機構部品が、前記被設置面に設置されるベースである付記1に記載の輸送用治具。
(付記3)
前記被支持面が、板厚方向に貫通して形成された貫通孔の内面である付記1または付記2に記載の輸送用治具。
(付記4)
前記被支持面が、前記座面に固定されたときに前記被設置面に直接対向する面である付記1から付記3のいずれかに記載の輸送用治具。
(付記5)
前記被支持面の先端側に、前記被支持面よりも下方に突出する凸部を備える付記4に記載の輸送用治具。
(付記6)
付記1から付記4のいずれかに記載の輸送用治具を4つ備える輸送用治具セットであって、
2対の前記輸送用治具が、前記機構部品を水平方向に挟んだ平行な前記座面にそれぞれ固定されることにより、4つの前記輸送用治具の前記被支持面を同一平面上に配置可能である輸送用治具セット。
【符号の説明】
【0041】
1 輸送用治具
2 貫通孔
2i 被支持面
3 ボルト孔
5 延出部
5p 凸部
5b 被支持面
100 ロボット
110 ベース(構成部品)
112 側壁面(外面)
113 座面
F 爪
S ボルト
【要約】
ロボット(100)の機構部品(111)の外面(112)に備えられた鉛直な座面(113)に、着脱可能に取り付けられる金属製平板からなる輸送用治具(1)であって、板厚方向に貫通し、座面(113)に設けられたネジ孔に対応する位置に設けられ、ネジ孔に締結されるボルトを貫通可能な1以上のボルト孔と、ボルト孔を通したボルトのネジ孔への締結により座面(113)に固定されたときに、座面(113)に沿う水平方向に機構部品(111)の外方に向かって片持ち梁状に延びる延出部(5)とを備え、延出部(5)に、板厚方向に延び、座面(113)に固定されたときに、ロボット(100)の被設置面からフォークリフトの爪(F)の厚さよりも高い位置に下向きに水平に配置される1以上の被支持面(2i),(5b)が設けられている輸送用治具(1)である。