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特許7510047決済システムおよび決済アプリケーションプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-25
(45)【発行日】2024-07-03
(54)【発明の名称】決済システムおよび決済アプリケーションプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/32 20120101AFI20240626BHJP
   G06Q 30/06 20230101ALI20240626BHJP
   G07G 1/00 20060101ALI20240626BHJP
   G07G 1/01 20060101ALI20240626BHJP
   G07G 1/12 20060101ALI20240626BHJP
【FI】
G06Q20/32 300
G06Q30/06
G06Q20/32 320
G07G1/00 301D
G07G1/00 311D
G07G1/01 301D
G07G1/12 321L
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020073644
(22)【出願日】2020-04-16
(65)【公開番号】P2021170274
(43)【公開日】2021-10-28
【審査請求日】2023-03-27
(73)【特許権者】
【識別番号】501428545
【氏名又は名称】株式会社デンソーウェーブ
(74)【代理人】
【氏名又は名称】矢作 和行
(74)【代理人】
【識別番号】100121991
【弁理士】
【氏名又は名称】野々部 泰平
(74)【代理人】
【識別番号】100145595
【弁理士】
【氏名又は名称】久保 貴則
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 史典
【審査官】大野 朋也
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-541107(JP,A)
【文献】特開2019-197332(JP,A)
【文献】特開2012-194959(JP,A)
【文献】特開2019-153157(JP,A)
【文献】特開2010-061544(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第03109838(EP,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0110678(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0097915(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0379297(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G07G 1/00
G07G 1/01
G07G 1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが携帯する携帯端末(20)とサーバ(30)とを備えた決済システムであって、
前記携帯端末は、カメラ(22)と、表示部(21)と、前記サーバと通信するための無線通信部(24)と、ユーザが操作する操作部(25)と、それらを制御する制御部(27)とを備え、
前記携帯端末の制御部は、
前記カメラから、商品の少なくとも一部を撮影した商品画像を取得する商品画像取得部(S5)と、
前記商品画像に基づいて前記商品を特定できる商品特定情報を決定し、決定した商品特定情報を、前記無線通信部から、前記サーバに送信する商品特定部(S8)と、を備え、
前記サーバは、前記携帯端末から送信された前記商品特定情報を受信し、前記商品特定情報をもとに前記商品を特定し、かつ、特定した商品と商品別に価格が定まる関係とに基づいて商品の価格を決定し、決定した価格と前記商品の商品名を前記携帯端末に送信し、
前記携帯端末の制御部は、さらに、
前記サーバが送信した前記価格を取得し、取得した前記価格をもとに、未決済の商品に対する価格の合計である合計金額を、前記表示部に表示する表示処理部(S9、S11)と、
前記操作部に対して決済操作が行われたことに基づいて、前記合計金額で決済することを指示する決済指示信号を、前記無線通信部から前記サーバに送信する決済指示部(S12)と
前記サーバから、前記商品の商品名と価格とを受信した場合、前記表示部の一部に、前記商品名と価格を含むプッシュ通知画像を一時的に表示する処理であるプッシュ通知処理を行うプッシュ通知部(S10)とを備える、決済システム。
【請求項2】
請求項1に記載の決済システムであって、
前記サーバは、前記商品の価格を決定した後、未決済の商品の価格を合計した合計金額を算出して記憶しており、
前記決済指示部は、決済用光学コード(41)が前記カメラで読み取られた場合に、決済確認ボタンを前記表示部に表示し、前記決済確認ボタンが操作された場合に前記決済指示信号を送信し、
前記サーバは、前記決済指示信号を受信した場合に、前記サーバに記憶している前記合計金額での決済処理を行う、決済システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の決済システムであって、
前記表示処理部は、前記合計金額に加えて、未決済の前記商品の商品名と価格とを対応付けた表示が含まれる未決済リスト(81)を前記表示部に表示する、決済システム。
【請求項4】
請求項3に記載の決済システムであって、
前記携帯端末の制御部は、前記商品と前記価格とが対応付けられた表示がされている状態で、前記操作部に対して取り消し操作が行われた場合に、前記取り消し操作に基づいて定まる前記商品の購入を取り消すことを前記サーバに通知する取り消し処理部(S20)を備え、
前記サーバは、前記商品の購入を取り消すことが通知された場合には、前記未決済リストから前記商品を削除する更新を行い、更新後の前記未決済リストを前記携帯端末に送信し、
前記表示処理部が表示する前記未決済リストは、更新後の前記未決済リストである、決済システム。
【請求項5】
請求項4に記載の決済システムであって、
前記表示処理部は、前記未決済リストとともに、前記未決済リストに含まれている商品について前記商品画像取得部が取得した前記商品画像を、前記商品に対応付けて表示する、決済システム。
【請求項6】
請求項2~5のいずれか1項に記載の決済システムであって、
前記携帯端末の前記制御部は、
前記携帯端末の位置が店舗内になった後に、前記店舗の外になったか否かを判断する店舗外判断部(S3)と、
前記店舗外判断部が、前記携帯端末の位置が前記店舗の外になったと判断したことに基づいて、未決済の商品があるか否かを判断し、未決済の商品があると判断した場合、未決済の商品がある場合に対して予め設定された処理を実行する未決済処理部(S30)とを備える、決済システム。
【請求項7】
請求項1~のいずれか1項に記載の決済システムであって、
前記携帯端末の位置が店舗内になっていれば、前記商品画像取得部、前記商品特定部、前記表示処理部、前記決済指示部を自動的に実行する、決済システム。
【請求項8】
カメラ(22)と、表示部(21)と、サーバと通信するための無線通信部(24)と、ユーザが操作する操作部(25)と、それらを制御する制御部(27)とを備えた携帯端末にインストールされる決済アプリケーションプログラムであって、
前記携帯端末の制御部を、
前記カメラから、商品の少なくとも一部を撮影した商品画像を取得する商品画像取得部(S5)と、
前記商品画像に基づいて前記商品を特定できる商品特定情報を決定し、決定した商品特定情報を、前記無線通信部から、前記サーバに送信する商品特定部(S8)と、
前記サーバから前記商品の価格と前記商品の商品名を取得し、取得した前記価格をもとに、未決済の商品に対する価格の合計である合計金額を、前記表示部に表示する表示処理部(S9、S11)と、
前記操作部に対して決済操作が行われたことに基づいて、前記合計金額で決済することを指示する決済指示信号を、前記無線通信部から前記サーバに送信する決済指示部(S12)と、
前記サーバから前記商品の商品名と価格とを受信したことを受けて、前記表示部の一部に、前記商品名と価格を含むプッシュ通知画像を一時的に表示する処理であるプッシュ通知処理を行うプッシュ通知部(S10)と、
して動作させる決済アプリケーションプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
携帯端末とサーバを備える決済システム、および、携帯端末が実行する決済アプリケーションプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
光学コードを、スマートフォンなどの携帯端末で読み取り、決済をする方式が知られている(たとえば特許文献1)。この方式はMPM(Merchant Presented Mode)方式と呼ばれることもある。MPM方式で決済する場合、まず、レジにある精算機にて商品の合計金額を計算する。また、スマートフォンにインストールされている決済用のアプリケーションを起動して、レジに設置してある光学コードを読み取る。その後、精算機に表示された合計金額をスマートフォンに入力し、スライド操作などの支払い確定操作を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-197332号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
MPM方式でも、支払いの合計金額を算出するためにレジにある精算機が必要である。レジにある精算機を不要にしつつ、携帯端末で合計金額の決済が可能な決済システムが望まれる。
【0005】
本開示は、この事情に基づいて成されたものであり、その目的とするところは、レジにある精算機を不要にしつつ、携帯端末で合計金額の決済が可能な決済システムおよび決済アプリケーションプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的は独立請求項に記載の特徴の組み合わせにより達成され、また、下位請求項は更なる有利な具体例を規定する。特許請求の範囲に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、開示した技術的範囲を限定するものではない。
【0007】
上記目的を達成するための決済システムに係る1つの開示は、
ユーザが携帯する携帯端末(20)とサーバ(30)とを備えた決済システムであって、
携帯端末は、カメラ(22)と、表示部(21)と、サーバと通信するための無線通信部(24)と、ユーザが操作する操作部(25)と、それらを制御する制御部(27)とを備え、
携帯端末の制御部は、
カメラから、商品の少なくとも一部を撮影した商品画像を取得する商品画像取得部(S5)と、
商品画像に基づいて商品を特定できる商品特定情報を決定し、決定した商品特定情報を、無線通信部から、サーバに送信する商品特定部(S8)と、を備え、
サーバは、携帯端末から送信された商品特定情報を受信し、商品特定情報をもとに商品を特定し、かつ、特定した商品と商品別に価格が定まる関係とに基づいて商品の価格を決定し、決定した価格と商品の商品名を携帯端末に送信し、
携帯端末の制御部は、さらに、
サーバが送信した価格を取得し、取得した価格をもとに、未決済の商品に対する価格の合計である合計金額を、表示部に表示する表示処理部(S9、S11)と、
操作部に対して決済操作が行われたことに基づいて、合計金額で決済することを指示する決済指示信号を、無線通信部からサーバに送信する決済指示部(S12)と、
サーバから、商品の商品名と価格とを受信した場合、表示部の一部に、商品名と価格を含むプッシュ通知画像を一時的に表示するプッシュ通知処理を行うプッシュ通知部(S10)と、を備える。
【0008】
この携帯端末は、カメラにより商品の少なくとも一部を撮影した画像を取得して、商品を特定できる商品特定情報を決定し、サーバに送る。
【0009】
サーバは、商品特定情報をもとに商品を特定する。さらに、商品と価格とを対応付けた対応関係と、特定した商品とをもとに、商品の価格を決定する。その後、サーバは、決定した商品の価格を携帯端末に送信する。
【0010】
携帯端末は、サーバから商品の価格を取得し、未決済商品の合計金額を携帯端末の表示部に表示する。決済指示部は、決済操作が行われた場合、表示された合計金額で決済することを指示する決済指示信号をサーバに送信する。
【0011】
携帯端末がこのように動作するので、レジにある精算機を不要として、ユーザが所持する携帯端末により、合計金額の決済をすることができる。
【0012】
上記決済システムにおいて、
サーバは、商品の価格を決定した後、未決済の商品の価格を合計した合計金額を算出して記憶しており、
決済指示部は、決済用光学コード(41)がカメラで読み取られた場合に、決済確認ボタンを表示部に表示し、決済確認ボタンが操作された場合に決済指示信号を送信し、
サーバは、決済指示信号を受信した場合に、サーバに記憶している合計金額での決済処理を行うようにしてもよい。
【0013】
このようにすると、支払い金額である合計金額はサーバが管理している。サーバは、携帯端末から決済指示信号を受信した場合に、サーバが記憶している合計金額での決済処理を行う。したがって、店舗に、悪意の光学コード、すなわち、本来の支払い口座とは異なる入金口座が格納された光学コードが設置され、本来入金すべきではない口座に入金してしまうことが抑制される。加えて、合計金額もサーバが管理しているので、ユーザによる金額入力ミスも抑制できる。
【0014】
表示処理部は、合計金額に加えて、未決済商品の商品名と価格とを対応付けた表示が含まれる未決済リスト(81)を表示部に表示するようにしてもよい。
【0015】
商品名とその価格が表示されることで、携帯端末を所持したユーザは、合計金額が正しいかどうか、および、自分が購入しようとしている商品が決済されるかを確認することができる。
【0016】
上記決済システムにおいて、
携帯端末の制御部は、商品と価格とが対応付けられた表示がされている状態で、操作部に対して取り消し操作が行われた場合に、取り消し操作に基づいて定まる商品の購入を取り消すことをサーバに通知する取り消し処理部(S20)を備え、
サーバは、商品の購入を取り消すことが通知された場合には、未決済リストから商品を削除する更新を行い、更新後の未決済リストを携帯端末に送信し、
表示処理部が表示する未決済リストは、更新後の未決済リストである、とすることができる。
【0017】
このようにすれば、サーバが決済リストを管理するようにしつつ、ユーザは、商品の購入を取り消すことができる。
【0018】
さらに、上記決済システムにおいて、
表示処理部は、未決済リストとともに、未決済リストに含まれている商品について商品画像取得部が取得した商品画像を、商品に対応付けて表示するようにしてもよい。
【0019】
このようにすれば、傷があるなど、購入予定である実際の商品の状態も確認して、購入するか、取り消すかを判断することができる。
【0020】
また、上記決済システムにおいて、
携帯端末の制御部は、
携帯端末の位置が店舗内になった後に、店舗の外になったか否かを判断する店舗外判断部(S3)と、
店舗外判断部が、携帯端末の位置が店舗の外になったと判断したことに基づいて、未決済の商品があるか否かを判断し、未決済の商品があると判断した場合、未決済の商品がある場合に対して予め設定された処理を実行する未決済処理部(S30)とを備えるようにしてもよい。
【0021】
店舗外判断部と未決済処理部とを備えることで、未決済の商品がある状態で携帯端末が店舗の外に出たにも関わらず、何らの処置もされないことが抑制される。
【0024】
また、上記決済システムにおいて、
携帯端末の位置が店舗内になっていれば、商品画像取得部、商品特定部、表示処理部、決済指示部を自動的に実行するようにしてもよい。このようにすれば、決済処理ためのアプリケーションを起動させる手間を省略できる。
【0025】
上記目的を達成するための決済アプリケーションプログラムに係る1つの開示は、
カメラ(22)と、表示部(21)と、サーバと通信するための無線通信部(24)と、ユーザが操作する操作部(25)と、それらを制御する制御部(27)とを備えた携帯端末にインストールされる決済アプリケーションプログラムであって、
携帯端末の制御部を、
カメラから、商品の少なくとも一部を撮影した商品画像を取得する商品画像取得部(S5)と、
商品画像に基づいて商品を特定できる商品特定情報を決定し、決定した商品特定情報を、無線通信部から、サーバに送信する商品特定部(S8)と、
サーバから商品の価格と商品名を取得し、取得した価格をもとに、未決済の商品に対する価格の合計である合計金額を、表示部に表示する表示処理部(S9、S11)と、
操作部に対して決済操作が行われたことに基づいて、合計金額で決済することを指示する決済指示信号を、無線通信部からサーバに送信する決済指示部(S12)と、
サーバから商品の商品名と価格とを受信したことを受けて、表示部の一部に、商品名と価格を含むプッシュ通知画像を一時的に表示する処理であるプッシュ通知処理を行うプッシュ通知部(S10)と
して動作させる決済アプリケーションプログラムである。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】実施形態の決済システム10の全体構成を説明する図
図2】スマートフォン20のハードウェア構成を示す図
図3】商品管理サーバ30のハードウェア構成を示す図
図4】スマートフォン20の制御部27が実行する処理を示す図
図5】プッシュ通知画像80を例示する図
図6】取り消し処理S20を示す図
図7】未決済リスト81を例示する図
図8】終了処理S30を示す図
図9】商品管理サーバ30の制御部33が実行する処理を示す図
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態の決済システム10の全体構成を説明する図である。図1に示すように、決済システム10は、携帯端末であるスマートフォン20と、商品管理サーバ30とを備えている。
【0028】
スマートフォン20は、店舗40内にある商品50を、店舗40の中で決済する端末として使用する。店舗40では複数の商品50が販売されている。図示の都合上、図1には、2つの商品50a、商品50bのみを示しているが、もちろん、店舗40にて販売される商品50の数に制限はない。
【0029】
また、店舗40には、決済用光学コード41が配置されている。図1の例では、コード読み取り台42の上面に決済用光学コード41が貼り付けられている。決済用光学コード41は、二次元コードであって、後述する図4のS11を実行するトリガとなる情報が格納されている。
【0030】
また、店舗40には、近距離無線通信装置43が設置されている。近距離無線通信装置43の通信方式は、一例としてはWi-Fi(登録商標)である。近距離無線通信装置43の通信エリアは、店舗40の内部全部を含む範囲であって、かつ、店舗40の外をできるだけ含まない範囲になっている。近距離無線通信装置43の送信電力および受信ゲインを調整することで、このような通信エリアに調整される。また、複数の近距離無線通信装置43を適宜配置することで、このような通信エリアになるように調整されていてもよい。
【0031】
スマートフォン20は、公衆通信回線網60を介して商品管理サーバ30と通信する。また、商品管理サーバ30は、決済サーバ70と接続されている。決済サーバ70は、ユーザの銀行口座やクレジットカード情報を記憶しており、商品管理サーバ30から通知された金額を決済する処理を行う。
【0032】
〔スマートフォン20のハードウェア構成〕
図2にスマートフォン20のハードウェア構成を示す。スマートフォン20のハードウェア構成は一般的な構成である。図2に示すように、スマートフォン20は、表示部21、カメラ22、近距離無線通信部23、広域無線通信部24、操作部25、記憶部26、制御部27を備える。
【0033】
表示部21は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイであって、制御部27が作成した画像データをもとに種々の画像を表示する。カメラ22は、デジタルカメラであり、本実施形態では、商品50の撮影に用いる。近距離無線通信部23は、近距離無線通信装置43と同じ通信方式での通信が可能な通信部である。広域無線通信部24は、公衆通信回線網60に接続して、商品管理サーバ30と通信可能な通信部である。広域無線通信部24が用いる通信方式は、たとえば、4G、5Gなどと呼ばれる移動通信システムが用いる通信方式である。
【0034】
操作部25は、表示部21に重畳されたタッチパネルを主体とする。その他に、表示部21の周囲に配置されたメカニカルスイッチを備えていてもよい。また、スマートフォン20は通常、加速度センサを内蔵しており、スマートフォン20全体を振る操作を検出できる。加速度センサを備えている場合、スマートフォン20の筐体が、振る操作を受け付ける操作部と言える。
【0035】
記憶部26は書き込み可能な不揮発性メモリである。記憶部26には、フラッシュメモリを用いることができる。記憶部26には、制御部27が実行する種々のアプリケーションプログラム(以下、アプリケーション)が記憶されている。記憶部26に記憶されているアプリケーションとして、決済アプリケーション28すなわち決済アプリケーションプログラムがある。
【0036】
制御部27は、少なくとも1つのプロセッサを備えた構成により実現できる。たとえば、制御部27は、プロセッサ、RAM、I/O、およびこれらの構成を接続するバスラインなどを備えたコンピュータにより実現できる。プロセッサが、RAMの一時記憶機能を利用しつつ、記憶部26に記憶された決済アプリケーション28を実行することで、制御部27は、後述する図4に示す処理を実行する。制御部27が図4に示す処理を実行することは、プログラムに対応する方法が実行されることを意味する。
【0037】
〔商品管理サーバ30のハードウェア構成〕
図3に商品管理サーバ30のハードウェア構成を示す。図3に示すように、商品管理サーバ30は、通信部31、記憶部32、制御部33を備える。通信部31は、公衆通信回線網60に接続してスマートフォン20と通信可能であるとともに、決済サーバ70と通信する。
【0038】
記憶部32は、書き込み可能な記憶部であり、商品50の商品名と商品特定情報と価格との対応関係リストが記憶されている。商品特定情報は、商品50を特定することができる情報である。たとえば、商品特定情報は、商品50の全体形状、商品50の一部形状、商品コードなどである。商品50の全体形状と、商品50の一部形状と、商品コードとが1つの商品50に対する商品特定情報が記憶されていてもよいし、また、商品コードのみなど、1種類の商品特定情報のみが1つの商品50に対して記憶されていてもよい。また、商品特定情報は、逐次、更新される。
【0039】
制御部33は、スマートフォン20の制御部27と同様、少なくとも1つのプロセッサを備えた構成により実現できる。制御部33が実行する機能は、図9を用いて後述する。
【0040】
〔スマートフォン20の制御部27が実行する処理〕
次に、スマートフォン20の制御部27が実行する処理を説明する。制御部27は、近距離無線通信装置43が逐次送信している電波を近距離無線通信部23が受信した場合に、図4に示す処理を開始する。
【0041】
ステップ(以下、ステップを省略)S1では、決済アプリケーション28を起動する。なお、このS1を実行する部分のみは、常駐アプリケーションとすることで、S1を実現することができる。
【0042】
決済アプリケーション28が起動されても、表示部21のほぼ全面が、この決済アプリケーション28に関する画像が表示された状態になるわけではない。決済アプリケーション28を起動しても、他のアプリケーションによる画像が表示可能である。たとえば、決済アプリケーション28を起動していることを示す小アイコンが表示部21の上端などに表示されるのみである。ただし、決済アプリケーション28が起動された状態では、S2以下が実行される。
【0043】
S2では、店舗40に入店したこと、および、ユーザIDを、商品管理サーバ30に通知する。S3では、店舗40が備える近距離無線通信装置43の通信エリア内かどうかを判断する。初回のS3の実行時は、当然、S3の判断結果はYESになる。しかし、時間が経過すれば、いずれは、スマートフォン20を携帯したユーザが店舗40から出る。このS3の処理は、ユーザがまだ店舗40にいるかどうか、および、すでに店舗40から出たかどうかを判断するための処理であり、店舗外判断部に相当する。
【0044】
S3の判断結果がYESであればS4に進む。S4では、カメラ22により撮影がされたか否かを判断する。S4の判断結果がYESであればS5に進む。S5では、撮影された画像を取得する。ユーザは、店舗40の商品50を購入する場合、カメラ22により商品50の一部または全部を撮影する。したがって、取得する画像には、商品50の少なくとも一部が撮影されていることがある。商品50の少なくとも一部が撮影されている画像を商品画像とする。このS5は、商品画像取得部に相当する処理である。
【0045】
ただし、ユーザは、商品50ではなく決済用光学コード41を撮影することもある。そこで、S6では、S5で取得した画像に決済用光学コード41が含まれているか否かを判断する。この判断結果がNOであればS7に進む。
【0046】
S7では、撮影された画像に、商品特定情報を生成可能な態様で、商品50の一部または全部が含まれているか否かを判断する。ここで商品特定情報について説明する。商品特定情報の一例として、商品50の全体画像がある。商品50の全体を見れば、どの商品50であるかが特定できることが通常だからである。
【0047】
また、商品特定情報の他の例には、商品50の特徴的な形状がある。商品50の特徴的な形状は種々考えられるため、実際には、S5で取得した画像に、特徴形状データベースに格納されている形状が含まれているか否かにより判断する。特徴形状データベースは、商品50の特徴的な形状をデータベース化したものである。特徴形状データベースは、記憶部26に記憶することができる。また、商品管理サーバ30が備える記憶部32に記憶されていてもよい。その場合には、S5で取得した画像を、商品管理サーバ30に送信し、商品管理サーバ30がS7の実質的判断を行う。商品管理サーバ30は判断結果をスマートフォン20に返信し、スマートフォン20は、その判断結果をもとにS7を判断する。
【0048】
また、商品特定情報のさらに他の例には、商品50に表示されたバーコードがある。全部の商品50にバーコードが表示されているわけではないが、バーコードが表示されている商品50が多い。商品50bは、バーコードが表示されている商品50の一例である。一方、商品50aは、バーコードが表示されていない商品50の一例である。
【0049】
S7の判断結果がNOであれば、直接、S3に戻る。一方、S7の判断結果がYESであればS8に進む。S8は商品特定部としての処理である。S8では、画像から商品特定情報を決定し、決定した商品特定情報を商品管理サーバ30に送信する。
【0050】
商品管理サーバ30は、この商品特定情報を受信した場合、その商品特定情報に対応する商品名と価格、および、未決済リスト81をスマートフォン20に送信する。未決済リスト81は、図7に示すように、未決済の商品50についての商品名と金額、および、合計金額が示されているリストである。なお、図7は、未決済リスト81がスマートフォン20に表示された状態を示す図である。
【0051】
S9では、商品管理サーバ30が送信するその商品名と価格、および、更新された未決済リスト81を受信する。
【0052】
プッシュ通知部としての処理であるS10では、S9で受信した商品名と価格とを、一定時間、プッシュ通知する。決済アプリケーション28が起動されただけでは、表示部21の一部に、決済アプリケーション28が起動中であることを示すアイコンが表示されるだけである。表示部21の多くの領域は、他に起動中のアプリケーションあるいは複数のアプリアイコンが並んだ画像が表示されている。つまり、決済アプリケーション28が起動されただけでは、決済アプリケーション28に割り当てられている表示領域は小さい。したがって、プッシュ通知により、商品名と価格を表示するのである。図5にプッシュ通知により表示されるプッシュ通知画像80を示す。S10を実行した場合にはS3に戻る。
【0053】
次に、S4の判断結果がNOである場合に進むS20を説明する。S20は取り消し処理部に相当し、取り消し処理を実行する。取り消し処理S20の詳細は図6に示す。取り消し処理では、S21において、商品名と価格とを表示している状態であるか否かを判断する。商品名と価格とを表示している状態の1つとして、S10を実行してプッシュ通知している状態がある。また、後述するS11にて未決済リスト81を表示している状態も、商品名と価格とを表示している状態である。
【0054】
S21の判断結果がNOであればS22に進む。S22では、未決済リスト81を表示する表示指示があったか否かを判断する。スマートフォン20を所持しているユーザは、操作部25に対して所定の操作を行うことにより、この表示指示をすることができる。
【0055】
S22の判断結果がNOであればS20の処理を終了する。S20の処理を終了した場合にはS3に戻る。S22の判断結果がYESであればS23に進む。S23では、最新の未決済リスト81を表示部21に表示する。
【0056】
S24では、ユーザによる取り消し操作があったか否かを判断する。具体的な取り消し操作は予め決められている。一例としては、表示部21に表示されたプッシュ通知画像80をスワイプする操作、および、表示部21に表示された未決済リスト81から取り消したい商品名および価格をスワイプする操作が取り消し操作である。
【0057】
取り消し操作がなかったと判断した場合には図6に示す処理を終了する。取り消し操作があったと判断した場合にはS25に進む。S25では、取り消し操作により取り消された商品50の購入を取り消すことを商品管理サーバ30に通知する。このとき、その商品名を商品特定情報として送信する。
【0058】
商品50の購入を取り消すことを商品管理サーバ30に通知した場合にも、商品管理サーバ30は、未決済リスト81を更新してスマートフォン20に送信してくる。S26では、商品管理サーバ30から送信された更新後の未決済リスト81を表示部21に表示する。
【0059】
説明を図4に戻し、次に、S6の判断結果がYESとなる場合を説明する。S6において、S5で取得した画像に決済用光学コード41が含まれていると判断した場合にはS6の判断結果がYESとなる。S6の判断結果がYESになるとS11に進む。
【0060】
S11では、最も新しく受信した未決済リスト81と、決済確認ボタンを表示部21に表示する。S9およびこのS11が表示処理部としての処理である。
【0061】
S12は決済指示部としての処理であり、決済操作がされた後に決済指示信号を広域無線通信部24から商品管理サーバ30に送信する。決済操作は、決済確認ボタンをユーザが押す操作である。決済指示信号は、未決済リスト81に示された合計金額で決済することを指示する信号である。なお、S11を実行した後の一定時間内に決済操作が行われなかった場合にはS3に戻る。
【0062】
商品管理サーバ30は、決済指示信号を受信すると、決済サーバ70と通信して合計金額を決済する処理を実行する。その処理が完了した後、決済完了信号をスマートフォン20に送信する。
【0063】
S13では、その決済完了信号を受信する。S14では、表示部21に決済が完了したことを表示する。S15では、未決済リスト81を削除するなどのリセット処理を行う。その後、S3に戻る。
【0064】
次に、スマートフォン20が近距離無線通信装置43の通信エリアの外に出た場合を説明する。この場合、S3の判断結果がNOになりS30に進む。S30では終了処理を実行する。終了処理は図8に示している。終了処理では未決済の商品50があるかどうかを確認し、未決済の商品50がある場合には、所定の処理を実行する。したがって、S30は未決済処理部に相当する。
【0065】
図8において、S31では、未決済の商品50があるかないかを、商品管理サーバ30に問い合わせて確認する処理である。S32では、S31での確認の結果、未決済の商品50があったか否かを判断する。未決済の商品50がない場合には後述するS39に進む。一方、未決済の商品50があった場合にはS33に進む。
【0066】
S33では、未決済の商品50があることを表示部21に表示する。この表示を見たユーザは、エリア内に戻り、決済用光学コード41を撮影して決済操作を行うことが期待できる。そこで、S34では、スマートフォン20が近距離無線通信装置43の通信エリア内に戻ったか否かを判断する。S34の判断結果がYESであれば図4のS4へ進む。
【0067】
また、未決済リストに商品50が残っていても、ユーザはすでにその商品50を購入しないことは決めており、取り消し操作を忘れていただけという場合も考えられる。そこで、S34の判断結果がNOであれば、すでに説明した取り消し処理(S20)を実行する。取り消し処理を実行することで、ユーザは、取り消し操作を忘れていた商品50を取り消すことができる。図8における取り消し処理が終了した場合にはS32に戻る。
【0068】
S32の判断結果において未決済の商品50がなかったと判断した場合にはS35に進む。S35では、終了通知を商品管理サーバ30に送信する。その後、S36にて、決済アプリケーション28を終了する。
【0069】
〔商品管理サーバ30の制御部33が実行する処理〕
次に、商品管理サーバ30の制御部33が実行する処理を説明する。制御部33は、商品管理サーバ30の通信部31が、スマートフォン20から、店舗40に入店したこと、および、ユーザIDが通知された場合に、図9に示す処理を開始する。
【0070】
S41では、通信部31から、スマートフォン20が送信したユーザIDを取得する。S42では、そのスマートフォン20が存在している店舗40を特定する。スマートフォン20が存在している店舗40を特定するできるようにするために、スマートフォン20から現在位置を取得し、地図情報と照らし合わせて、スマートフォン20が存在している店舗40を特定することができる。また、スマートフォン20が近距離無線通信装置43との通信により店舗40を特定する情報を取得し、その情報をS2にて送信するようにしてもよい。スマートフォン20が存在している店舗40を特定することで、商品50と商品特定情報と価格との対応関係リストを、その店舗40のものに絞り込むことができる。
【0071】
S43では、スマートフォン20から商品特定情報を受信したか否かを判断する。S43の判断結果がYESであればS44に進む。
【0072】
S44では、スマートフォン20から受信した商品特定情報と、記憶部32に記憶されている対応関係リストとをもとに、商品名と価格を決定する。S45では、S44で特定した商品名と価格をもとに、S41で取得したユーザに対する未決済リスト81を更新する。スマートフォン20からの情報が商品50の取り消しである場合には、未決済リスト81からその商品50を削除する。スマートフォン20からの情報が商品50の取り消しでない場合には、S44で決定した商品名と価格を未決済リスト81に追加する。S46では、S44で決定した商品名と価格、およびS45で更新した未決済リスト81を、スマートフォン20に送信する。S46を実行後はS43に戻る。
【0073】
S43の判断結果がNOであった場合にはS47に進む。S47では、決済指示信号を受信したか否かを判断する。S47の判断結果がYESであればS48に進む。S48では合計金額を決済する。具体的には、決済対象となるユーザと決済金額と入金する企業を特定する情報を決済サーバ70に通知する。決済対象となるユーザを示す情報は、S41で取得したユーザIDである。決済金額は、商品管理サーバ30が記憶している未決済リスト81を参照して決定できる合計金額である。入金する企業を特定する情報は、S42で特定した店舗40をもとに決定する。
【0074】
S49では、スマートフォン20に決済完了信号を送信する。S50では、決済が完了した未決済リスト81を削除する。
【0075】
S47の判断結果がNOであればS51に進む。S51では、未決済商品の有無の問い合わせがあったか否かを判断する。この問い合わせがあったと判断した場合にはS52に進む。S52では、未決済リスト81を参照して、未決済商品の有無をスマートフォン20に送信する。また、未決済商品がある場合には、具体的な商品名と価格もスマートフォン20に送信する。
【0076】
S50を実行した後、S52を実行後、および、S51において未決済商品の問い合わせがなかったと判断した場合にはS53を実行する。S53では、終了通知を受信したか否かを判断する。S53の判断結果がNOであればS43に戻り、S53の判断結果がYESであれば図9の処理を終了する。
【0077】
〔実施形態のまとめ〕
以上、説明した本実施形態では、スマートフォン20は、カメラ22により商品50の少なくとも一部を撮影した画像を取得して(S5)、商品特定情報を商品管理サーバ30に送る(S8)。
【0078】
商品管理サーバ30は、商品特定情報をもとに商品50を特定し、さらに、商品50と価格とを対応付けた対応関係と、特定した商品50とをもとに、商品50の価格を決定する(S44)。その後、商品管理サーバ30は、決定した商品50の価格をスマートフォン20に送信する(S46)。
【0079】
スマートフォン20は、商品管理サーバ30から商品50の価格を取得し(S9)、未決済の商品50の合計金額をスマートフォン20の表示部21に表示する(S11)。そして、決済操作が行われた場合、表示された合計金額で決済することを指示する決済指示信号を商品管理サーバ30に送信する(S12)。
【0080】
スマートフォン20がこのように動作するので、レジにある精算機を不要として、ユーザが所持するスマートフォン20により、合計金額の決済をすることができる。
【0081】
また、本実施形態の決済システム10では、支払い金額である合計金額は商品管理サーバ30が管理している。商品管理サーバ30は、スマートフォン20から決済指示信号を受信した場合に(S47:YES)、商品管理サーバ30が記憶している合計金額での決済処理を行う(S48)。したがって、店舗40に、悪意の光学コード、すなわち、本来の支払い口座とは異なる入金口座が格納された光学コードが設置されており、本来入金すべきではない口座に入金してしまうことが抑制される。加えて、合計金額も商品管理サーバ30が管理しているので、ユーザによる金額入力ミスも抑制できる。
【0082】
また、本実施形態では、決済操作前に未決済リスト81を表示部21に表示する(S11)。この未決済リスト81は、合計金額だけでなく、未決済商品の商品名と金額とが対応付けられたリストである。ユーザは、この未決済リスト81を見ることで、合計金額が正しいかどうか、および、自分が購入しようとしている商品50が決済されるかを確認することができる。
【0083】
また、本実施形態では、ユーザによる取り消し操作が可能である。ユーザによる取り消し操作があった場合、取り消し操作に基づいて定まる商品50の購入を取り消すことを商品管理サーバ30へ通知する(S25)。商品管理サーバ30は、通知された商品50を未決済リスト81から削除し(S45)、削除後の未決済リスト81をスマートフォン20に送信する(S46)。これにより、スマートフォン20には、更新後の未決済リスト81が表示される(S26)。このように、本実施形態では、商品管理サーバ30が未決済リスト81を管理しつつ、ユーザは、商品50の購入を取り消すことができる。
【0084】
また、本実施形態では、スマートフォン20が店舗40にある近距離無線通信装置43の通信エリアの外に出たと判断した場合、終了処理(S30)を実行する。終了処理(S30)では、未決済の商品50があるかどかを判断する。そして、未決済の商品50がある場合には、未決済の商品50があることを通知し(S33)、また、取り消し処理(S20)も実行する。よって、未決済の商品50がある状態でスマートフォン20が店舗40の外に出たにも関わらず、何らの処置もされないことが抑制される。
【0085】
また、本実施形態では、スマートフォン20は、商品管理サーバ30から、商品50の商品名と価格とを受信した場合、商品名と価格を表示部21からプッシュ通知する。このようにすることで、プッシュ通知の前は、検索アプリケーションなど、決済アプリケーション28以外のアプリケーションが描画する画像を表示部21に表示することができる。
【0086】
また、スマートフォン20は、近距離無線通信装置43との通信により、位置が店舗40内になったと判断できた場合に、自動的に決済アプリケーション28を起動する(S1)。よって、決済アプリケーション28を起動させる手間を省略できる。
【0087】
以上、実施形態を説明したが、開示した技術は上述の実施形態に限定されるものではなく、次の変形例も開示した範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施できる。なお、以下の説明において、それまでに使用した符号と同一番号の符号を有する要素は、特に言及する場合を除き、それ以前の実施形態における同一符号の要素と同一である。また、構成の一部のみを説明している場合、構成の他の部分については先に説明した実施形態を適用できる。
【0088】
<変形例1>
実施形態では、2つのサーバ30、70すなわち商品管理サーバ30と決済サーバ70を備えていた。しかし、2つのサーバ30、70を備えた1つのサーバを備えていてもよい。
【0089】
<変形例2>
実施形態では、未決済の商品50がある場合の予め設定された処理は、未決済商品があることを通知する処理(S33)と、スマートフォン20が店舗40内に戻った場合の取り消し処理(S20)であった。しかし、未決済の商品50がある場合の予め設定された処理は、これに限られない。たとえば、未決済の商品50が、配送が必要な大型商品であれば、その商品50を自動的に取り消し扱いとしてもよい。
【0090】
<変形例3>
未決済リスト81を表示する場合、未決済リスト81に含まれている商品名に対応した商品画像を、その商品名に対応付けて表示してもよい。この商品画像はS5で取得した画像である。このようにすれば、傷があるなど、購入予定である実際の商品50の状態も確認して、購入するか、取り消すかを判断することができる。
【符号の説明】
【0091】
10:決済システム 20:スマートフォン 21:表示部 22:カメラ 23:近距離無線通信部 24:広域無線通信部 25:操作部 26:記憶部 27:制御部 28:決済アプリケーション 30:商品管理サーバ 31:通信部 32:記憶部 33:制御部 40:店舗 41:決済用光学コード 42:コード読み取り台 43:近距離無線通信装置 50:商品 60:公衆通信回線網 70:決済サーバ 80:プッシュ通知画像 81:未決済リスト S3:店舗外判断部 S5:商品画像取得部 S8:商品特定部 S9、S11:表示処理部 S10:プッシュ通知部 S12:決済指示部 S20:取り消し処理部 S30:未決済処理部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9