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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-25
(45)【発行日】2024-07-03
(54)【発明の名称】電子レンジ用容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 81/34 20060101AFI20240626BHJP
【FI】
B65D81/34 U
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020113576
(22)【出願日】2020-06-30
(65)【公開番号】P2022012044
(43)【公開日】2022-01-17
【審査請求日】2023-04-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000104674
【氏名又は名称】キョーラク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】片山 亮
【審査官】家城 雅美
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-020780(JP,A)
【文献】特開2016-069004(JP,A)
【文献】特開2013-043678(JP,A)
【文献】特開2016-040176(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0297308(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 81/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルム状の蓋部と、
上部に開口を有し、凹状に形成され内容物を収容可能な容器本体と、
前記開口から外側に延出するように形成されたフランジ部を備え、
前記フランジ部の上面には、前記蓋部の裏面に融着される融着部が形成され、
前記融着部は、前記容器本体の内部から発生する蒸気を排出するための蒸気排出部を含み、
前記蒸気排出部は、外側に向かって拡開するV字部を有し、
前記蓋部は、基材層とシーラント層を備え、
前記基材層は、シュリンクフィルムで構成されている、電子レンジ用容器(但し、前記基材層と前記シーラント層との間に設けられた層に欠膠部分が設けられているものを除く)
【請求項2】
請求項1に記載の電子レンジ用容器であって、
前記フランジ部は、前記容器本体の周囲に亘って形成され、
前記蒸気排出部は、前記周囲における隅部に形成されている、電子レンジ用容器。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の電子レンジ用容器であって、
前記融着部は、前記フランジ部の上面側において凸状となるリブ状に形成されている、電子レンジ用容器。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の電子レンジ用容器であって、
前記フランジ部は、平坦に形成されている、電子レンジ用容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子レンジ用容器に関する。
【背景技術】
【0002】
電子レンジ用容器は、たとえば下記特許文献1に開示されているように、開口から外側に延出するフランジ部を有し、このフランジ部の上面に全周にわたってリブ状の熱融着部が形成されている。この熱融着部は、当該容器の開口を塞ぐフィルム状の蓋部を熱融着する部分となっている。そして、熱融着部の一部には、いわゆる蒸気抜きのための蒸気排出部が形成され、この蒸気排出部は外側に向かって拡開するパターンからなるV字部によって構成されている。このように構成される蒸気排出部は、容器内に発生した蒸気が所定の圧力に達したときに、そのV字部の内側の先鋭部に応力が集中し、蓋部の熱融着を破断させるようになっている。
【0003】
しかし、このように構成される蒸気排出部において、排出される蒸気が水分となり蓋と蒸気排出部を密着させ、蒸気排出口が塞がれてしまうという事象が生じていた。この場合、容器が冷えるにつれて内部が減圧され、容器が変形するという不具合が引き起こされていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2008-290738号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、蒸気排出後に容器の変形を引き起こさない電子レンジ容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、フィルム状の蓋部と、上部に開口を有し、凹状に形成され内容物を収容可能な容器本体と、前記開口から外側に延出するように形成されたフランジ部を備え、前記フランジ部の上面には、前記蓋部の裏面に融着される融着部が形成され、前記融着部は、前記容器本体の内部から発生する蒸気を排出するための蒸気排出部を含み、前記蓋部はシュリンクフィルムで構成されている、電子レンジ用容器が提供される。
【0007】
このように蓋部がシュリンクフィルムで構成されていることにより、容器の加熱によって収縮するため、蒸気排出口近傍で上方へ巻き上がり、蒸気排出口を塞がない。これにより、容器が冷えた場合にも内部が減圧されることはなく、容器の変形を防止することが可能となる。
【0008】
好ましくは、前記フランジ部は、前記容器本体の周囲に亘って形成され、前記蒸気排出部は、前記周囲における隅部に形成されている。
好ましくは、前記融着部は、前記フランジ部の上面側において凸状となるリブ状に形成されている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第1実施形態に係る電子レンジ用容器1の全体を示す斜視図である。
図2図2Aは容器本体2の平面図である。図2Bは容器本体2の側面図である。
図3図2AにおけるIII-IIIにおける断面図である。
図4図4Aは蓋開封部24と蒸気排出部25を示す斜視図である。図4Bは、図4AにおけるIVb-IVb線における断面図である。
図5】電子レンジで加熱した直後の幅広部22A付近を示す模式図である。
図6】第2実施形態に係る電子レンジ用容器1における図3相当図である。
図7図7Aは、第2実施形態に係る電子レンジ用容器1における図4A相当図である。図7B図7AにおけるVIIb-VIIb線における断面図である。
図8】第3実施形態に係る電子レンジ用容器1の平面図である。
図9】第3実施形態における電子レンジ用容器1を電子レンジで加熱した直後の一例を示す模式図である。
図10図10Aは第4実施形態に係る容器本体2の平面図である。図10Bは、図10AにおけるXb-Xb線における断面図である。
図11図11Aはシールバー30の平面図である。図11Bは、図11Aにおける領域Dの拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。また、各特徴事項について独立して発明が成立する。
【0011】
<1.第1実施形態>
図1は、本発明の電子レンジ用容器の全体を示す斜視図である。図1に示す電子レンジ用容器1は、容器本体2と蓋部3とで構成されている。
【0012】
容器本体2は、例えばポリプロピレン等を含む1層または多層の樹脂材によって形成されており、平面視で隅部に丸みを有するほぼ長方形をなし、上部に開口21を有して凹状に形成され、内容物を収容可能に構成されている。容器本体2には、開口21から外方に延出するようにしてフランジ部22が形成されている。フランジ部22は、平面視でほぼ長方形をなし、隅部において、他の部分より幅の広い幅広部22Aを有するようになっている。なお、平面視とは、電子レンジ用容器1を垂直方向上方から見ることを意味する。
【0013】
フランジ部22には、その上面側において凸状となるリブ状の熱融着部23が形成されている。熱融着部23はフランジ部22の全周にわたって形成されている。換言すれば、熱融着部23はフランジ部22の上面において容器本体2の開口21を囲むようにして形成されている。
【0014】
蓋部3は、フランジ部22の外周とほぼ同じ大きさの外周をもつフィルムであり、基材層とシーラント層を備える。基材層は、シュリンクフィルム(熱収縮性フィルム)で構成されている。シュリンクフィルムは、たとえば延伸処理(一軸延伸または二軸延伸)を行うことで熱収縮性を備えた樹脂製のフィルムであり、材質としては、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂、ナイロン6などのポリアミド系樹脂、ポリエチレンやポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂などの樹脂を用いることができる。なお、蓋部3は基材層の外側に、印刷層などの外層を積層してもよい。
【0015】
シーラント層は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-プロピレンブロック共重合体などのポリオレフィン系樹脂で形成することができ、より具体的には、無延伸ポリプロピレンや直鎖状低密度ポリエチレンを用いることができる。より好ましくは、ポチエチレンとポリプロピレンとを所定の比率で混合したイージーピールシーラントとしてもよい。このようにすることで、蓋部3を容器本体2から剥がすのが容易となる。
【0016】
ここで、混合する樹脂の比率を変えることで、剥離強度を調整することも可能である。例えば、容器本体2がポリプロピレンである場合、混合樹脂に含まれるポリプロピレンの割合を多くすれば接着力を大きくすることができ、逆に少なくすれば剥離性を高めることができる。
【0017】
蓋部3は、容器本体2に内容物(図示せず)を収納した後に、熱融着部23に熱融着(シール)されることによって、容器本体2の開口21を塞ぐようになっている。なお、図1では、蓋部3をフランジ部22の一つの幅広部22Aから一部剥離している状態を示している。
【0018】
また、蓋部3の剥離の出発点となるフランジ部22の幅広部22Aには、熱融着部23が'M'字状のパターンとなった蒸気排出部25が形成されている。
【0019】
図2Aは容器本体2の平面図であり、図2Bは容器本体2の側面図である。図2Aに示すように、熱融着部23の一部として形成された'M'字状の蒸気排出部25において、その中央に'V'字状パターン(外側に向かって拡開するV字部)が形成され、その両脇の逆'V'字状パターン(内側に向かって拡開するV字部)によって蓋開封部24が形成されている。蒸気排出部25の右側の部分は右側に隣接する蓋開封部24の一部と一体化し、蒸気排出部25の左側の部分は左側に隣接する蓋開封部24の一部と一体化されて形成されている。
【0020】
蓋部3をフランジ部22の蓋開封部24が形成された幅広部22Aから剥がす場合、蓋開封部24の逆'V'字状パターンの先鋭部に応力が集中して蓋部3を容易に剥がせる効果を奏する。また、レンジで加熱する際は、容器本体2内に発生する蒸気圧は蒸気排出部25の'V'字状パターンの先鋭部に応力が集中し、該蒸気圧が所定の圧力に達したときに蓋部3との熱融着を容易に破断させる効果を奏する。
【0021】
図3は、図2AのIII-IIIにおける断面図である。図3に示すように、熱融着部23は、その上面がほぼ水平になるように形成され、蓋部3との熱融着の信頼性を確保している。熱融着部23は、内周側のフランジ部22に対する高さt1が外周側のフランジ部22に対する高さt2よりも小さく形成されている。
【0022】
容器本体2の側面には、その周方向に沿って下方が小径となる段差27が形成されている。そして、段差27より開口21側の側面28が鉛直方向(図中点線Pで示す)よりも外側に傾斜するように形成されている。このような容器本体2の側面の段差27は、複数の容器本体2を積み重ねた場合に、上段の容器本体2が下段の容器本体2に深く収納されることを防ぐストッパとしての機能を有し、段差27より開口21側の側面28が鉛直方向よりも外側に傾斜させることによって、上段の容器本体2を下段の容器本体2から容易に抜き出すことができる効果を奏する。
【0023】
図4Aは、フランジ部22の幅広部22Aに形成された蓋開封部24と蒸気排出部25を示す斜視図である。図4Bは、図4AのIVb-IVb線における断面図である。図4Bに示すように、蒸気排出部25は、V字部の内側に位置する先端が開口に向かって低くなるように傾斜されている。
【0024】
このように、蒸気排出部25をV字部の内側に位置する先端が開口21に向かって低くなるように傾斜させることにより、蒸気排出部25の開口21側のシール強度を弱めることができ、蒸気抜きがし易くなる効果を奏するようになる。したがって、蒸気が所定の圧力に達したときに確実に蓋部3の熱融着を破断させるように制御できるようになる。
【0025】
ここで、蒸気排出部25をV字部の内側に位置する先端が開口21に向かって低くなるように傾斜させる場合の好ましい態様について、説明する。図4Bにおいて、蒸気排出部25の拡開する側の端部(図中、左端)外縁のフランジ部22からの高さt7は、電子レンジ用容器として備えるべき部材の厚みを確保する関係から、好ましくは1mm~5mm、さらに好ましくは1mm~3mmに設けられる。より具体的には、高さt7は、1mm、1.5mm、2mm、2.5mm、3mm、3.5mm、4mm、4.5mm、5mmのいずれかの値、またはこれらの数値の範囲の値とすることができ、たとえば、1.37mmとすることができる。
【0026】
また、蓋開封部24とつながる熱融着部23におけるフランジ部22からの高さt8は、左端外縁の高さt7よりも高くなるように形成されている。高さt8は、高さt7よりも0.1mm~1.0mm高くなるように設定され、たとえば1.5mmとすることができる。
【0027】
右端外縁の高さt6は、左端外縁の高さt7の40%~90%に相当することが好ましい。また、右端内縁の高さt5は、高さt7の5%~60%に相当することが好ましく、たとえば、0.8mmとすることができる。高さt5は、高さt6よりも低くするのがより好ましい。
【0028】
さらに、フランジ部22からの熱融着部23における高さt8と左端外縁の高さt7との差(t8-t7)は、左端外縁の高さt7と右端内縁の高さt5との差(t7-t5)よりも小さいことが好ましい。
【0029】
このようにすることで、蒸気排出部25のV字部の先端は拡開する端部よりも低いと同時に、先端自体の内縁がその外縁よりも低いことにより、容器本体2の開口21に遠い側から近い側にいくにつれて、蒸気排出部25をシール強度が相対的に強い部分から弱い部分へと変化させることができる。
【0030】
図5は、電子レンジで加熱した直後の幅広部22A付近を示す模式図である。上述したように、電子レンジ用容器1では、蓋部3をシュリンクフィルムで構成しているため、加熱によって容器内部に発生した蒸気を排出する際に、蓋部3が収縮することで上向きに反る形となる。これにより、蓋部3が蒸気排出部25を塞ぐことがないため、容器内部の減圧による容器の変形を防ぐことができる。さらに、加熱後に蓋部3の中央部分が収縮するため、蓋部3のしわやたるみがなくなり見栄えがよくなる。ここで、蒸気排出部25が容器本体2の周囲における隅部に形成されていることで、容器本体2も蓋部3に引っ張られて反ることになる。そのため、蒸気排出部25のV字部の角度が急となり、蒸気排出部25がより塞がりにくくなるという効果を奏する。また、蒸気排出部25および蓋開封部24がフランジ部22の上面に凸状となるリブ状に形成されていることにより、容器本体2が反ることによって蒸気排出口が形成されやすくなるといった効果を奏する。
【0031】
<2.第2実施形態>
【0032】
第2実施形態に係る電子レンジ用容器1では、容器本体2のフランジ部22が傾斜されて形成されている点で第1実施形態と異なる。以下、差異点を中心に説明する。
【0033】
図6に示すように、容器本体2のフランジ部22は、その延出端を下向きにして角度θ(例えば、6°~10°)で傾斜されて形成されている。フランジ部22のこのような傾斜はフランジ部22の全周に及んでほぼ同様になっている。
【0034】
図7Bに示すように、フランジ部22は、その延出端を下向きにして角度θで傾斜されて形成されているため、蒸気排出部25の外側の水平面Qに対する高さt3が外側の水平面Qに対する高さt4よりも低く形成されている。この場合、蒸気排出部25以外の熱融着部23の上面は、水平になるように形成されている。
【0035】
図7Bにおいて、蒸気排出部25の拡開する側の端部(図中、左端)外縁のフランジ部22からの高さt7は、電子レンジ用容器として備えるべき部材の厚みを確保する関係から、好ましくは1mm~5mm、さらに好ましくは1mm~3mmに設けられる。より具体的には、高さt7は、1mm、1.5mm、2mm、2.5mm、3mm、3.5mm、4mm、4.5mm、5mmのいずれかの値、またはこれらの数値の範囲の値とすることができ、たとえば、1.2mmとすることができる。
【0036】
さらに、右端外縁の高さt6は、左端外縁の高さt7の40%~90%に相当することが好ましい。また、右端内縁の高さt5は、高さt7の5%~50%に相当することが好ましい。さらに、高さt5は、高さt6よりも低くするのがより好ましい。さらに、蒸気排出部25の右端内縁から開口21の端部までの長さt9は、10mm以内とするのが好ましく、好ましくは5mm以内、より好ましくは0mmであり、10,9,8,7,6,5,4,3,2,1,0mmのいずれかの値、またはこれらの数値の範囲の値とすることができる(このことは、上記実施形態1についても同様である)。このような態様のフランジ部22を備える電子レンジ用容器1においても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0037】
<3.第3実施形態>
上述した実施形態では、電子レンジ用容器1は、容器本体2が平面視で隅部に丸みを有するほぼ長方形をなし、隅部において幅広部22Aを有している。しかし、この態様に限定されることはない。たとえば、図8に示すように、容器本体2が平面視でほぼ楕円形をなし、長径方向の両端に1対の幅広部22Aおよび蒸気排出部25を備える構成であってもよい。この場合、基本的にはいずれか一方の蒸気排出部25から蒸気が排出されることになるが、蒸気の量と蒸気口の大きさ次第では、図9に示すように、長径方向の両端から蒸気排出され、蓋部3が上向きに反る形となる場合も生じ得る。
【0038】
<4.第4実施形態>
上述した実施形態では、容器本体2のフランジ部22に凸状となるリブ状の熱融着部23が形成されていたが、第4実施形態では、フランジ部22が平坦に形成されている点で上記実施形態と異なる。以下、相違点を中心に説明する。
【0039】
図10Aおよび図10Bに示すように、第4実施形態における容器本体2では、フランジ部22は平坦に形成されており、フランジ部22は熱融着部23を備える。容器本体2と蓋部3の熱融着を行うシールバー30には、平坦なフランジ部22上に熱融着部23を形成するための凸部31が形成されている。本実施形態では、シールバー30に形成された凸部31により熱融着時の圧力を高めることにより、熱融着部23が形成されている。
【0040】
図11Aおよび図11Bに示すように、凸部31は、容器本体2と蓋部3の熱溶着の際に容器本体2のフランジ部22に対向するように、シールバー30上に環状に形成されている。容器本体2の幅広部22Aに対向する位置には、蓋開封部24を形成するための開封部形成部32A、および蒸気排出部25を形成するための排出部形成部32Bが形成されている。
【0041】
開封部形成部32Aの高さT11は、蒸気排出部25の高さT12より大きくなるように形成されている。このような構成とすることにより、熱融着時における平坦なフランジ部22に対する開封部形成部32Aによる圧力を、排出部形成部32Bによる圧力よりも高めることができる。これにより、蒸気排出部25のシール強度を蓋開封部24に対して弱めることができ、蒸気抜きがし易くなる効果を奏することができる。
【0042】
このような構成を備える電子レンジ用容器1においても、蓋部3をシュリンクフィルムで構成することにより、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0043】
<5.他の実施形態>
以上、実施形態について説明してきたが、本開示における技術的思想は、以下の態様においても採用することができる。
・上記実施形態では、蒸気排出部25において、拡開する側のフランジ部22からの高さt7と、その反対側の高さt6は異なる高さとしているが、この態様に限定されることはない。蒸気排出部25(および一体化している蓋開封部24)においてフランジ部22からの高さを一定としてもよい。
・上記実施形態では、蒸気排出部25は'M'字状に形成されているが、この形状に限定されることはない。
・蒸気実施形態では、蓋開封部24と蒸気排出部25は一体化して形成されていたが、この態様に限定されることはなく、それぞれを別個に設けてもよい。
・蒸気排出部の数は、上記実施形態に限定されない。
【符号の説明】
【0044】
1 :電子レンジ用容器
2 :容器本体
3 :蓋部
21 :開口
22 :フランジ部
22A :幅広部
23 :熱融着部
24 :蓋開封部
25 :蒸気排出部
27 :段差
28 :側面
30 :シールバー
31 :凸部
32A :開封部形成部
32B :排出部形成部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11