(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-25
(45)【発行日】2024-07-03
(54)【発明の名称】ドア開閉装置
(51)【国際特許分類】
B60J 5/04 20060101AFI20240626BHJP
E05F 15/75 20150101ALI20240626BHJP
E05F 15/76 20150101ALI20240626BHJP
E05F 15/611 20150101ALI20240626BHJP
【FI】
B60J5/04 C
E05F15/75
E05F15/76
E05F15/611
(21)【出願番号】P 2020147508
(22)【出願日】2020-09-02
【審査請求日】2023-08-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000006286
【氏名又は名称】三菱自動車工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002664
【氏名又は名称】弁理士法人相原国際知財事務所
(72)【発明者】
【氏名】川島 直樹
(72)【発明者】
【氏名】吉田 章悟
(72)【発明者】
【氏名】牧野 浩樹
【審査官】池田 晃一
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-001088(JP,A)
【文献】特開2008-208639(JP,A)
【文献】特開平03-139450(JP,A)
【文献】特開2014-201968(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0024421(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60J 5/00 - 5/14
E05F 15/00 - 15/79
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のドアの
うちの動作対象ドアの外面に設けられた閉操作用スイッチと、
前記
動作対象ドア以外の前記車両の外面に設けられた開操作用スイッチと、
前記閉操作用スイッチの操作に基づいて、前記
動作対象ドアの閉動作を制御し、且つ、前記開操作用スイッチの操作に基づいて、前記
動作対象ドアの開動作を制御するように構成されている制御装置と、を備えることを特徴とするドア開閉装置。
【請求項2】
前記閉操作用スイッチ及び前記開操作用スイッチはそれぞれ表示部を有し、
前記制御装置は、前記
動作対象ドアが開放されている状態において、前記
動作対象ドアの閉動作が可能であることを示す閉動作許可表示を前記閉操作用スイッチに表示し、且つ、前記
動作対象ドアが閉鎖されている状態において、前記
動作対象ドアの開動作が可能であることを示す開動作許可表示を前記開操作用スイッチに表示するように構成されている、請求項1記載のドア開閉装置。
【請求項3】
前記制御装置は、正当なユーザであることを識別する識別信号に基づいて、前記開動作許可表示を表示するように構成されている、請求項2記載のドア開閉装置。
【請求項4】
前記制御装置は、前記
動作対象ドアが閉動作を行っている間、前記閉動作を停止することが可能であることを示す閉動作停止表示を前記閉操作用スイッチに表示し、且つ、前記
動作対象ドアが開動作を行っている間、前記開動作を停止することが可能であることを示す開動作停止表示を前記開操作用スイッチに表示するように構成されている、請求項1から3までのいずれか1項記載のドア開閉装置。
【請求項5】
前記制御装置は、正当なユーザであることを識別する識別信号に基づいて、前記
動作対象ドアが閉鎖されている状態且つ前記
動作対象ドアが施錠されていない状態において、前記
動作対象ドアの施錠が可能であることを示す施錠許可表示を前記閉操作用スイッチに表示するように構成されている、請求項1から4までのいずれか1項記載のドア開閉装置。
【請求項6】
前記制御装置は、前記
動作対象ドアの開動作中及び閉動作中、前記開操作用スイッチ及び前記閉操作用スイッチの表示部に停止状態表示を行うように構成されている、請求項2から5のいずれか1項記載のドア開閉装置。
【請求項7】
前記閉操作用スイッチと前記開操作用スイッチは、車両前後方向に並んで配設されている、請求項1から5のいずれか1項記載のドア開閉装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はドア開閉装置、特に車両のスイングドアの自動開閉を可能にするドア開閉装置に関する。
【背景技術】
【0002】
乗用自動車等の車両には、車両のドアを自動開閉するドア開閉装置を備えたものがある。当該ドア開閉装置は、ユーザによる開閉用スイッチの操作に応じて、アクチュエータを駆動して対象ドアの自動開閉を行うように構成されている。
例えば、特許文献1に記載のドア開閉装置は、室外側開閉スイッチを、ドアアウタハンドル付近に若しくはドアアウタハンドルと一体に設けた構成を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載のドア開閉装置では、1つの室外側開閉スイッチでドアの開閉操作を行うため、ユーザの誤操作が生じることがあった。例えば動作対象のドアが僅かに空いている(いわゆる半ドアの)状態で、ユーザの誤操作によって当該ドアの閉操作を行ってしまうと、当該ドアに物等を挟みこんでしまう可能性があった。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、車両のドアの開閉操作を安全且つ確実に行うことのできるドア開閉装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明に係るドア開閉装置は、車両のドアのうちの動作対象ドアの外面に設けられた閉操作用スイッチと、前記動作対象ドア以外の前記車両の外面に設けられた開操作用スイッチと、前記閉操作用スイッチの操作に基づいて、前記動作対象ドアの閉動作を制御し、且つ、前記開操作用スイッチの操作に基づいて、前記動作対象ドアの開動作を制御するように構成されている制御装置と、を備えることを特徴とする。
【0006】
本発明の一態様に係るドア開閉装置において、前記閉操作用スイッチ及び前記開操作用スイッチはそれぞれ表示部を有し、前記制御装置は、前記動作対象ドアが開放されている状態において、前記動作対象ドアの閉動作が可能であることを示す閉動作許可表示を前記閉操作用スイッチに表示し、且つ、前記動作対象ドアが閉鎖されている状態において、前記動作対象ドアの開動作が可能であることを示す開動作許可表示を前記開操作用スイッチに表示するように構成されている。
【0007】
本発明の一態様に係るドア開閉装置において、前記制御装置は、正当なユーザであることを識別する識別信号に基づいて、前記開動作許可表示を表示するように構成されている。
本発明の一態様に係るドア開閉装置において、前記制御装置は、前記動作対象ドアが閉動作を行っている間、前記閉動作を停止することが可能であることを示す閉動作停止表示を前記閉操作用スイッチに表示し、且つ、前記動作対象ドアが開動作を行っている間、前記開動作を停止することが可能であることを示す開動作停止表示を前記開操作用スイッチに表示するように構成されている。
【0008】
本発明の一態様に係るドア開閉装置において、前記制御装置は、正当なユーザであることを識別する識別信号に基づいて、前記動作対象ドアが閉鎖されている状態且つ前記動作対象ドアが施錠されていない状態において、前記動作対象ドアの施錠が可能であることを示す施錠許可表示を前記閉操作用スイッチに表示するように構成されている。
本発明の一態様に係るドア開閉装置において、前記制御装置は、前記動作対象ドアの開動作中及び閉動作中、前記開操作用スイッチ及び前記閉操作用スイッチの表示部に停止状態表示を行うように構成されている。
【0009】
本発明の一態様に係るドア開閉装置において、前記閉操作用スイッチと前記開操作用スイッチは、車両前後方向に並んで配設されている。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るドア開閉装置によれば、閉操作用スイッチが、車両のドアのうちの動作対象ドアの外面に設けられ、開操作用スイッチが、前記動作対象ドア以外の前記車両の外面に設けられている。このように、閉操作用スイッチと開操作用スイッチが別々の位置に設けられるため、動作対象のドアが僅かに空いている(いわゆる半ドアの)状態であっても、ユーザによる上記スイッチの誤操作を確実に回避することができ、当該動作対象のドアへの物等の挟み込みを回避することができる。このようにして、車両のドアの開閉操作を安全且つ確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施形態に係るドア開閉装置が設けられた車両の右側面図である。
【
図2】本発明の実施形態に係るドア開閉装置のシステム構成図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る開操作用スイッチを拡大して示す拡大図である。
【
図4】本発明の実施形態に係るドア開閉装置により実現されるドアの開動作処理を示すフローチャートである。
【
図5】本発明の実施形態に係るドア開閉装置により実現されるドアの開動作処理を示すフローチャートであり、
図4のフローチャートの続きを示す。
【
図6】本発明の実施形態に係る閉操作用スイッチを拡大して示す拡大図である。
【
図7】本発明の実施形態に係るドア開閉装置により実現されるドアの閉動作処理を示すフローチャートである。
【
図8】本発明の実施形態に係るドア開閉装置により実現されるドアの閉動作処理を示すフローチャートであり、
図7のフローチャートの続きを示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面に基づき本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るドア開閉装置1が設けられた車両100の右側面図である。
図2は、本発明の実施形態に係るドア開閉装置1のシステム構成図である。なお、説明の便宜上、車両100の進行方向を基準に着座乗員から見て「前」、「後」、「左」、「右」をそれぞれ定義し、重力を基準に「上」、「下」を定義する。即ち、各図に示される矢印「前」及び「後」は、車両の前進方向及び後進方向を示し、矢印「上」及び「下」は車両の上下方向を示している。なお、図示されていないが、左右方向とは、各図に示される前後方向及び上下方向に垂直な方向であり、車両100の車幅方向を示すものである。本実施形態の説明では、車両100は右ハンドルを備えており、ドア開閉装置1が当該車両100の右フロントドア102の開閉を制御する場合について説明する。
[ドア開閉装置1の構成]
本発明の実施形態に係るドア開閉装置1は、
図1及び
図2に示すように、閉操作用スイッチ2と、開操作用スイッチ3と、障害物検知センサ4と、ドア角度センサ5と、接触センサ6と、識別センサ7と、ドア開閉状態検知センサ8と、ドアロック状態検知センサ9と、制御装置としてのECU10と、ドア開閉アクチュエータ11と、表示部としての操作許可表示装置12と、を備えている。
【0013】
ECU(Electronic Control Unit)10は、マイクロコンピュータを含む計算機であり、車両100に取付けられている。ECU10は、CPU、記憶器(ROM及びRAM等)、タイマ、入出力装置(A/D変換器やD/A変換器等)を有しており、CPUがROMに記録されているプログラムを読み出し実行することで所定の制御を行うように構成されている。
図2に示すように、ECU10には、閉操作用スイッチ2、開操作用スイッチ3、障害物検知センサ4、ドア角度センサ5、接触センサ6、識別センサ7、ドア開閉状態検知センサ8、及びドアロック状態検知センサ9が有線又は無線で接続されており、これらのセンサから所定の情報が入力される。また、ECU10には、ドア開閉アクチュエータ11及び操作許可表示装置12が有線又は無線で接続されている。ECU10は、入力された所定の情報に基づいて所定の演算を行い、ドア開閉アクチュエータ11及び操作許可表示装置12に所定の情報を出力する。具体的には、ECU10は、ユーザによる閉操作用スイッチ2の操作に基づいて、動作対象のドアとしての右フロントドア102の閉動作を制御し、且つ、ユーザによる開操作用スイッチ3の操作に基づいて、右フロントドア102の開動作を制御するように構成されている。ECU10を中心としたドア開閉装置1により実現される右フロントドア102の開動作処理及び閉動作処理については後述する。
【0014】
閉操作用スイッチ2は、右フロントドア102の閉動作を開始するためのスイッチであり、車両100の右フロントドア102の外面に設けられている。具体的には、閉操作用スイッチ2は、車両100の外部に面するように、右フロントドア102を構成する部品である右フロントドアパネル102aの後方部分102cに埋設されている。右フロントドアパネル102aの後方部分102cは、車両100のBピラー(図示せず)の右側に配置されている。右フロントドア102は、当該右フロントドア102の前側に設けられた旋回軸(図示せず)を中心に旋回可能なスイング式のドアであり、閉操作用スイッチ2を使用して閉鎖することもできるし、ユーザが当該右フロントドア102を直接押すなどして閉鎖することもできる。
【0015】
開操作用スイッチ3は、右フロントドア102の開動作を開始するためのスイッチであり、右フロントドア102以外の車両100の外面に設けられている。具体的には、開操作用スイッチ3は、右リアドア103の外面に設けられている。より具体的には、開操作用スイッチ3は、車両100の外部に面するように、右リアドア103を構成する部品である右リアドアパネル103aの前方部分103cに埋設されている。右リアドアパネル103aの前方部分103cは、車両100のBピラー(図示せず)の右側に配置されていて、右フロントドアパネル102aの後方部分102cの後側に隣接して配置されている。このように、閉操作用スイッチ2及び開操作用スイッチ3は、車両前後方向において並んで配置されている。なお、閉操作用スイッチ2及び開操作用スイッチ3は、上下方向にオフセットして配置されていてもよい。右フロントドア102は、開操作用スイッチ3を使用して開放することもできるし、ユーザが当該右フロントドア102を直接引くなどして開放することもできる。
【0016】
障害物検知センサ4は、例えば右フロントドア102に設けられた超音波センサである。障害物検知センサ4は、右フロントドア102の開動作及び閉動作の際に障害物を検知し、当該障害物情報をECU10に送信するように構成されている。
ドア角度センサ5は、右フロントドア102の角度、即ち閉鎖状態を基準とした右フロントドア102の旋回角度を検知するセンサであり、例えば右フロントドア102に設けられている。ドア角度センサ5は、右フロントドア102の開動作及び閉動作の際に当該右フロントドア102の旋回角度を検知し、当該旋回角度情報をECU10に送信するように構成されている。
【0017】
接触センサ6は、右フロントドア102と対象物との接触を検知するセンサであり、例えば右フロントドア102に設けられている。接触センサ6は、右フロントドア102の開動作及び閉動作の際に当該右フロントドア102に対する対象物の接触を検知し、当該接触情報をECU10に送信するように構成されている。
識別センサ7は、ユーザが保有するリモコンキー等に記憶された認証IDを検知するセンサであり、例えば右フロントドア102に設けられている。識別センサ7は、右フロントドア102の開動作及び閉動作の前に当該認証IDを検知し、当該認証ID情報をECU10に送信するように構成されている。
【0018】
ドア開閉状態検知センサ8は、右フロントドア102が開放されているか又は閉鎖されているかを検知するセンサであり、例えば右フロントドア102に設けられている。ドア開閉状態検知センサ8は、右フロントドア102の開閉状態を検知し、当該右フロントドア102が開放されている場合のドア開放情報、及び右フロントドア102が閉鎖されている場合のドア閉鎖情報をECU10に送信するように構成されている。
【0019】
ドアロック状態検知センサ9は、右フロントドア102がロックされているか又はアンロックであるかを検知するセンサであり、例えば右フロントドア102に設けられている。ドアロック状態検知センサ9は、右フロントドア102のロック状態を検知し、当該右フロントドア102がロックされている場合のロック情報、及び右フロントドア102がアンロックである場合のアンロック情報をECU10に送信するように構成されている。
【0020】
ドア開閉アクチュエータ11は、右フロントドア102を開閉するための駆動手段であり、例えば電気モータ(図示せず)と、当該電気モータの回転を減速させる減速機(図示せず)とを有している。電気モータは、車両100に搭載されたバッテリ(図示せず)から電力の供給を受け、所定の回転動力を出力する。ドア開閉アクチュエータ11は、例えば右フロントドア102に設けられており、ECU10から所定のドア開閉情報を受信し、当該ドア開閉情報に基づいて、所定の動作即ち右フロントドア102の開閉動作を実現する。
【0021】
操作許可表示装置12は、閉操作用スイッチ2及び開操作用スイッチ3に設けられた例えば液晶表示装置であり、当該閉操作用スイッチ2及び開操作用スイッチ3に、右フロントドア102に対する所定の操作を許可する情報(例えば「OPEN」(
図3参照)、「CLOSE」(
図6参照)等)を表示する。操作許可表示装置12は、ECU10から所定の操作許可情報を受信し、当該操作許可情報に基づいて、閉操作用スイッチ2及び開操作用スイッチ3に対して所定の表示を行う。ドア開閉アクチュエータ11及び操作許可表示装置12に対するECU10の制御については後述する。
【0022】
なお、障害物検知センサ4、ドア角度センサ5、接触センサ6、識別センサ7、ドア開閉状態検知センサ8、ドアロック状態検知センサ9、ECU10、ドア開閉アクチュエータ11、及び操作許可表示装置12の構成自体は公知であるため、これらの詳細な説明は省略する。
[ドア開閉装置1による開動作]
次いで、
図3~
図5を用いて、本発明の実施形態に係るドア開閉装置1による右フロントドア102の開動作処理について説明する。
図3は、本発明の実施形態に係る開操作用スイッチ3を拡大して示す拡大図である。
図4は、本発明の実施形態に係るドア開閉装置1により実現される右フロントドア102の開動作処理を示すフローチャートである。
図5は、本発明の実施形態に係るドア開閉装置1により実現される右フロントドア102の開動作処理を示すフローチャートであり、
図4のフローチャートの続きを示す。
【0023】
ドア開閉装置1は、ユーザが車両100の外部から右フロントドア102を開放する場合に使用されるものである。先ず、ECU10は、識別センサ7から送信された認証ID情報を受信し、自身に記憶された認証IDと一致するか否かの判断を行う(S300)。具体的には、ユーザが保有するリモコンキーには所定の認証IDが記憶されており、ECU10にも当該認証IDと同一のIDが予め記憶されている。ユーザがリモコンキーを携帯した状態で車両100に接近すると、識別センサ7は当該リモコンキーと無線通信を行い、認証IDを検知して当該認証ID情報をECU10に送信する。ECU10によって認証IDが不一致であると判断された場合(S300のNo)、以後何ら処理されることなくドア開閉装置1の開動作処理は終了する。
【0024】
他方、ECU10によって認証IDが一致していると判断された場合(S300のYes)、ECU10は、ドア開閉状態検知センサ8からドア開放情報又はドア閉鎖情報を受信し、右フロントドア102が閉鎖されているか否かの判断を行う(S310)。ECU10によって右フロントドア102が閉鎖されていない、即ち開放されていると判断された場合(S310のNo)、以後何ら処理されることなくドア開閉装置1の開動作処理は終了する。
【0025】
他方、ECU10によって右フロントドア102が閉鎖されていると判断された場合(S310のYes)、ECU10は、操作許可表示装置12に対し、開操作用スイッチ3に、右フロントドア102の開動作が可能であることを示す「OPEN」(
図3参照)を表示する制御を行う(S320)。この「OPEN」表示により、ユーザは、右フロントドア102の開動作が可能であることを認識する。このように、ECU10は、右フロントドア102が閉鎖されている状態において、当該右フロントドア102の開動作が可能であることを示す開動作許可表示である「OPEN」を開操作用スイッチ3に表示する制御をする(
図3)。また、ECU10は、正当なユーザであることを識別する識別信号に基づいて、開動作許可表示である「OPEN」を表示する制御をする(
図3)。
【0026】
次いで、ECU10は、ユーザによって開操作用スイッチ3の操作が行われたか否かの判断を行う(S330)。ECU10によって開操作用スイッチ3の操作が行われてないと判断された場合(S330のNo)、ECU10は、タイマに設定された待機時間を計測し、当該待機時間(所定時間)が経過したか否かの判断を行う(S340)。ECU10によって、待機時間を経過していないと判断された場合(S340のNo)、ECU10は、操作許可表示装置12に対し、開操作用スイッチ3における「OPEN」表示を持続するように制御する(S320)。他方、ECU10によって待機時間を経過したと判断された場合(S340のYes)、ECU10は、操作許可表示装置12に対し、開操作用スイッチ3における「OPEN」表示を消去する制御を行う(S350)。その後、ドア開閉装置1の動作処理は、リモコンキーの認証IDとECU10に記憶されたIDとが一致するか否かの判断を行うステップ(S300)に戻る。
【0027】
他方、ECU10によって開操作用スイッチ3の操作が行われたと判断された場合(S330のYes)、ECU10は、ドアロック状態検知センサ9から右フロントドア102のロック情報又はアンロック情報を受信し、右フロントドア102がロックされているか否かの判断を行う(S360)。ECU10によって右フロントドア102がロックされていると判断された場合(S360のYes)、ECU10は、ドア開閉アクチュエータ11に対し、右フロントドア102のロックを解除するように制御する(S370)。例えば、ECU10は、ドアラッチからストライカを解除するような制御を行う。更に、ECU10は、ドア開閉アクチュエータ11に対し、右フロントドア102の開動作を行うよう制御する(S380)。具体的には、ECU10は、電気モータ(図示せず)を駆動して右フロントドア102の開動作を行う。
【0028】
他方、ECU10によって右フロントドア102がロックされていない、即ちアンロックであると判断された場合(S360のNo)、ECU10は、ドアロックを解除するステップ(S370)をスキップし、ドア開閉アクチュエータ11に対し、右フロントドア102の開動作を行うよう制御する(S380)。
次いで、ECU10は、右フロントドア102が開動作を行っている間、当該開動作を停止することが可能であることを示す開動作停止表示(停止状態表示)である「STOP」を開操作用スイッチ3に表示する制御をする(S390)。具体的には、ECU10は、操作許可表示装置12に対し、開操作用スイッチ3に、右フロントドア102の開動作を停止することが可能であることを示す「STOP」(
図3参照)を表示する制御を行う。この「STOP」表示により、ユーザは、右フロントドア102の開動作を即座に停止することが可能であることを認識する。
【0029】
次いで、ECU10は、右フロントドア102が開動作を行っている間、障害物検知センサ4から障害物情報を受信し、右フロントドア102の旋回範囲に障害物が存在するか否かの判断を行う(S400)。ECU10によって右フロントドア102の旋回範囲に障害物が存在すると判断された場合(S400のYes)、ECU10は、ドア開閉アクチュエータ11に対し、右フロントドア102の開動作を停止するように制御する(S430)。
【0030】
他方、ECU10によって右フロントドア102の旋回範囲に障害物が存在しないと判断された場合(S400のNo)、ECU10は、接触センサ6から接触情報を受信し、右フロントドア102が対象物に接触したか否かを判断する(S410)。ECU10によって右フロントドア102が対象物に接触したと判断された場合(S410のYes)、ECU10は、ドア開閉アクチュエータ11に対し、右フロントドア102の開動作を停止するように制御する(S430)。
【0031】
他方、ECU10によって右フロントドア102が対象物に接触していないと判断された場合(S410のNo)、ECU10は、ユーザによって開操作用スイッチ3の操作が行われたか否かの判断を行う(S420)。具体的には、ECU10は、ユーザによって開操作用スイッチ3の「STOP」が操作されたか否かの判断を行う。ECU10によって開操作用スイッチ3の操作が行われたと判断された場合(S420のYes)、ECU10は、ドア開閉アクチュエータ11に対し、右フロントドア102の開動作を停止するように制御する(S430)。
【0032】
他方、ECU10によって開操作用スイッチ3の操作が行われていないと判断された場合(S420のNo)、ECU10は、ユーザが右フロントドア102の開動作を停止する意図を有しないと判断して右フロントドア102の開動作を続け、右フロントドア102の開放角度が所定角度以上か否かを判断する(S500)。右フロントドア102の開放角度が所定角度以上か否かの判断ステップ(S500)については後述する。
【0033】
右フロントドア102の開動作を停止するステップ(S430)を実行した後、ECU10は、ドア角度センサ5から右フロントドア102の旋回角度情報を受信し、右フロントドア102の旋回角度が所定角度以上か否かの判断を行う(S440)。当該所定角度はユーザが車両100に乗り込むのに必要な旋回角度であり、例えば45度であってよい。当該角度は、予めECU10に記憶されている。ECU10によって右フロントドア102の旋回角度が所定角度以上であると判断された場合(S440のYes)、ユーザが車両100に乗り込むことが可能であると判断し、ドア開閉装置1の開動作処理は停止する(S510)。その後、ECU10は、操作許可表示装置12に対し、開操作用スイッチ3における表示を消去する制御を行い(S520)、開動作処理は終了する。
【0034】
他方、ECU10によって右フロントドア102の旋回角度が所定角度以上ではないと判断された場合(S440のNo)、ECU10は、操作許可表示装置12に対し、開操作用スイッチ3に、右フロントドア102の更なる開動作が可能であることを示す「OPEN」(
図3参照)を表示する制御を行う(S450)。この「OPEN」表示により、ユーザは、右フロントドア102の更なる開動作が可能であることを認識する。
【0035】
次いで、ECU10は、ユーザによって、開操作用スイッチ3の更なる操作が行われたか否かの判断を行う(S460)。ECU10によって開操作用スイッチ3の操作が行われてないと判断された場合(S460のNo)、ECU10は、タイマに設定された待機時間を計測し、当該待機時間(所定時間)が経過したか否かの判断を行う(S470)。ECU10によって、待機時間を経過していないと判断された場合(S470のNo)、ECU10は、操作許可表示装置12に対し、開操作用スイッチ3における「OPEN」表示を持続するように制御する(S450)。他方、ECU10によって待機時間を経過したと判断された場合(S470のYes)、ECU10は、ドア開閉装置1の開動作処理を停止し(S510)、操作許可表示装置12に対し開操作用スイッチ3における表示を消去する制御を行い(S520)、開動作処理は終了する。
【0036】
他方、ECU10によって開操作用スイッチ3の操作が行われたと判断された場合(S460のYes)、ECU10は、ドア開閉アクチュエータ11に対し、右フロントドア102の更なる開動作を行うよう制御する(S490)。
次いで、ECU10は、ドア角度センサ5から受信する右フロントドア102の旋回角度情報に基づいて、右フロントドア102の旋回角度が所定角度以上か否かの判断を行う(S500)。当該所定角度はユーザが車両100に乗り込むのに必要な旋回角度であり、例えば45度であってよい。当該角度は、予めECU10に記憶されている。ECU10によって右フロントドア102の旋回角度が所定角度以上ではないと判断された場合(S500のNo)、ECU10は、ドア開閉アクチュエータ11に対し、引き続き、右フロントドア102の更なる開動作を行うよう制御する(S490)。
【0037】
他方、ECU10によって右フロントドア102の旋回角度が所定角度以上であると判断された場合(S500のYes)、ユーザが車両100に乗り込むことが可能であると判断し、ドア開閉装置1の開動作処理は停止する(S510)。その後、ECU10は、操作許可表示装置12に対し、開操作用スイッチ3における表示を消去する制御を行い(S520)、開動作処理は終了する。ドア開閉装置1による右フロントドア102の開動作処理が終了した後、ユーザは当該右フロントドア102を手動で開放することができる。
[ドア開閉装置1による閉動作]
次いで、
図6~
図8を用いて、本発明の実施形態に係るドア開閉装置1による右フロントドア102の閉動作処理について説明する。
図6は、本発明の実施形態に係る閉操作用スイッチ2を拡大して示す拡大図である。
図7は、本発明の実施形態に係るドア開閉装置1により実現される右フロントドア102の閉動作処理を示すフローチャートである。
図8は、本発明の実施形態に係るドア開閉装置1により実現される右フロントドア102の閉動作処理を示すフローチャートであり、
図7のフローチャートの続きを示す。
【0038】
ドア開閉装置1は、ユーザが車両100の外部から右フロントドア102を閉鎖する場合に使用されるものである。まず、ECU10は、識別センサ7から送信された認証ID情報を受信し、自身に記憶された認証IDと一致するか否かの判断を行う(S600)。具体的には、ユーザがリモコンキーを携帯した状態で車両100に接近すると、識別センサ7は当該リモコンキーと無線通信を行い、認証IDを検知して当該認証ID情報をECU10に送信する。ECU10によって認証IDが不一致であると判断された場合(S600のNo)、以後何ら処理されることなくドア開閉装置1の閉動作処理は終了する。
【0039】
他方、ECU10によって認証IDが一致していると判断された場合(S600のYes)、ECU10は、ドア開閉状態検知センサ8からドア開放情報又はドア閉鎖情報を受信し、右フロントドア102が開放されているか否かの判断を行う(S610)。ECU10によって右フロントドア102が開放されていない、即ち閉鎖されていると判断された場合(S610のNo)、以後何ら処理されることなくドア開閉装置1の閉動作処理は終了する。
【0040】
他方、ECU10によって右フロントドア102が開放されていると判断された場合(S610のYes)、ECU10は、操作許可表示装置12に対し、閉操作用スイッチ2に、右フロントドア102の閉動作が可能であることを示す「CLOSE」(
図3参照)を表示する制御を行う(S620)。このように、ECU10は、右フロントドア102が開放されている状態において、右フロントドア102の閉鎖が可能であることを示す閉動作許可表示である「CLOSE」を閉操作用スイッチ2に表示する制御をする(
図6)。この「CLOSE」表示により、ユーザは、右フロントドア102の閉動作が可能であることを認識する。
【0041】
次いで、ECU10は、ユーザによって閉操作用スイッチ2の操作が行われたか否かの判断を行う(S630)。ECU10によって閉操作用スイッチ2の操作が行われてないと判断された場合(S630のNo)、ECU10は、タイマに設定された待機時間を計測し、当該待機時間(所定時間)が経過したか否かの判断を行う(S640)。ECU10によって、待機時間を経過していないと判断された場合(S640のNo)、ECU10は、操作許可表示装置12に対し、閉操作用スイッチ2における「CLOSE」表示を持続するように制御する(S620)。他方、ECU10によって待機時間を経過したと判断された場合(S640のYes)、ECU10は、操作許可表示装置12に対し、閉操作用スイッチ2における「CLOSE」表示を消去する制御を行う(S650)。その後、ドア開閉装置1の閉動作処理は、リモコンキーの認証IDとECU10に記憶されたIDとが一致するか否かの判断を行うステップ(S600)に戻る。
【0042】
他方、ECU10によって閉操作用スイッチ2の操作が行われたと判断された場合(S630のYes)、ECU10は、ドア開閉アクチュエータ11に対し、右フロントドア102の閉動作を行うよう制御する(S670)。具体的には、ECU10は、電気モータ(図示せず)を駆動して右フロントドア102の閉動作を行う。
次いで、ECU10は、右フロントドア102が閉動作を行っている間、当該閉動作を停止することが可能であることを示す閉動作停止表示(停止状態表示)である「STOP」を閉操作用スイッチ2に表示する制御をする(S680)。具体的には、ECU10は、操作許可表示装置12に対し、閉操作用スイッチ2に、右フロントドア102の閉動作を停止することが可能であることを示す「STOP」(
図6参照)を表示する制御を行う。この「STOP」表示により、ユーザは、右フロントドア102の閉動作を即座に停止することが可能であることを認識する。
【0043】
次いで、ECU10は、右フロントドア102が閉動作を行っている間、障害物検知センサ4から受信する障害物情報に基づいて、右フロントドア102の旋回範囲に障害物が存在するか否かの判断を行う(S690)。ECU10によって右フロントドア102の旋回範囲に障害物が存在すると判断された場合(S690のYes)、ECU10は、ドア開閉アクチュエータ11に対し、右フロントドア102の閉動作を停止するように制御する(S720)。
【0044】
他方、ECU10によって右フロントドア102の旋回範囲に障害物が存在しないと判断された場合(S690のNo)、ECU10は、接触センサ6からの接触情報を受信し、右フロントドア102が対象物に接触したか否かを判断する(S700)。ECU10によって右フロントドア102が対象物に接触したと判断された場合(S700のYes)、ECU10は、ドア開閉アクチュエータ11に対し、右フロントドア102の閉動作を停止するように制御する(S720)。
【0045】
他方、ECU10によって右フロントドア102が対象物に接触していないと判断された場合(S700のNo)、ECU10は、ユーザによって閉操作用スイッチ2の操作が行われたか否かの判断を行う(S710)。具体的には、ECU10は、ユーザによって閉操作用スイッチ2の「STOP」が操作されたか否かの判断を行う。ECU10によって閉操作用スイッチ2の操作が行われたと判断された場合(S710のYes)、ECU10は、ドア開閉アクチュエータ11に対し、右フロントドア102の閉動作を停止するように制御する(S720)。
【0046】
他方、ECU10によって閉操作用スイッチ2の操作が行われていないと判断された場合(S710のNo)、ECU10は、ユーザが右フロントドア102の閉動作を停止する意図を有しないと判断して右フロントドア102の閉動作を続け(S770)、右フロントドア102が完全に閉鎖されているか否かの判断を行う(S780)。右フロントドア102が完全に閉鎖されているか否かの判断ステップ(S780)については後述する。
【0047】
右フロントドア102の閉動作を停止するステップ(S720)を実行した後、ECU10は、操作許可表示装置12に対し、閉操作用スイッチ2に、右フロントドア102の更なる閉動作が可能であることを示す「CLOSE」(
図6参照)を表示する制御を行う(S730)。この「CLOSE」表示により、ユーザは、右フロントドア102の更なる閉動作が可能であることを認識する。
【0048】
次いで、ECU10は、ユーザによって閉操作用スイッチ2の更なる操作が行われたか否かの判断を行う(S740)。ECU10によって閉操作用スイッチ2の操作が行われてないと判断された場合(S740のNo)、ECU10は、タイマに設定された待機時間を計測し、当該待機時間(所定時間)が経過したか否かの判断を行う(S750)。ECU10によって、待機時間を経過していないと判断された場合(S750のNo)、ECU10は、操作許可表示装置12に対し、閉操作用スイッチ2における「CLOSE」表示を持続するように制御する(S730)。他方、ECU10によって待機時間を経過したと判断された場合(S750のYes)、ECU10は、操作許可表示装置12に対し閉操作用スイッチ2における表示を消去する制御を行い(S840)、ドア開閉装置1の閉動作処理は終了する。ドア開閉装置1による右フロントドア102の閉動作処理が終了した後、ユーザは当該右フロントドア102を手動で閉鎖することができる。
【0049】
他方、ECU10によって閉操作用スイッチ2の操作が行われたと判断された場合(S740のYes)、ECU10は、ドア開閉アクチュエータ11に対し、右フロントドア102の更なる閉動作を行うよう制御する(S770)。
次いで、ECU10は、ドア開閉状態検知センサ8からドア開放情報又はドア閉鎖情報を受信し、右フロントドア102が閉鎖されているか否かの判断を行う(S780)。ECU10によって右フロントドア102が閉鎖されていない、即ち開放されていると判断された場合(S780のNo)、ECU10は、ドア開閉アクチュエータ11に対し、引き続き、右フロントドア102の更なる閉動作を行うよう制御する(S770)。
【0050】
他方、ECU10によって右フロントドア102が閉鎖されていると判断された場合(S780のYes)、ECU10は、識別センサ7から送信された認証ID情報を受信し、自身に記憶された認証IDと一致するか否かの判断を行う(S790)。ECU10によって認証IDが不一致であると判断された場合(S790のNo)、ECU10は、操作許可表示装置12に対し閉操作用スイッチ2における表示を消去する制御を行い(S840)、ドア開閉装置1の閉動作処理は終了する。
【0051】
他方、ECU10によって認証IDが一致していると判断された場合(S790のYes)、ECU10は、操作許可表示装置12に対し、閉操作用スイッチ2に、右フロントドア102の施錠が可能であることを示す「LOCK」(
図6参照)を表示する制御を行う(S800)。この「LOCK」表示により、ユーザは、右フロントドア102の施錠操作が可能であることを認識する。このように、ECU10は、正当なユーザであることを識別する識別信号に基づいて、右フロントドア102が閉鎖されている状態且つ右フロントドア102が施錠されていない状態において、右フロントドア102の施錠が可能であることを示す施錠許可表示である「LOCK」を閉操作用スイッチ2に表示する制御をする(
図6)。
【0052】
次いで、ECU10は、ユーザによって閉操作用スイッチ2の操作が行われたか否かの判断を行う(S810)。ECU10によって閉操作用スイッチ2の操作が行われてないと判断された場合(S810のNo)、ECU10は、タイマに設定された待機時間を計測し、当該待機時間(所定時間)が経過したか否かの判断を行う(S820)。ECU10によって、待機時間を経過していないと判断された場合(S820のNo)、ECU10は、操作許可表示装置12に対し、閉操作用スイッチ2における「LOCK」表示を持続するように制御する(S800)。他方、ECU10によって待機時間を経過したと判断された場合(S820のYes)、ECU10は、ドア開閉アクチュエータ11に対し、右フロントドア102の施錠を行うように制御する(S830)。
【0053】
他方、ECU10によって閉操作用スイッチ2の操作が行われた判断された場合(S810のYes)、ECU10は、ドア開閉アクチュエータ11に対し、右フロントドア102の施錠を行うよう制御する(S830)。その後、ECU10は、操作許可表示装置12に対し閉操作用スイッチ2における表示を消去する制御を行い(S840)、ドア開閉装置1の閉動作処理は終了する。
[ドア開閉装置1による作用効果]
次いで、本発明の実施形態に係るドア開閉装置1の作用、効果について説明する。上述したように、本発明の実施形態に係るドア開閉装置1によれば、閉操作用スイッチ2が、車両100の右フロントドア102の外面に設けられ、開操作用スイッチ3が、車両100の右フロントドア102とは別の右リアドア103の外面に設けられている。このため、車両100の外部から右フロントドア102を開ける際、ユーザは右フロントドア102の前に立つことなく、右フロントドア102から離れた位置(例えば右リアドア103の右側の位置)で当該右フロントドア102の開操作を行うことができ、右フロントドア102の開放動作に伴い当該右フロントドア102がユーザの手などに接触することを回避できる。また、閉操作用スイッチ2と開操作用スイッチ3を別々の位置に設けたため、右フロントドア102が僅かに空いている(いわゆる半ドアの)状態であっても、ユーザによる閉操作用スイッチ2及び開操作用スイッチ3の誤操作を確実に回避することができ、右フロントドア102への物等の挟み込みを回避することができる。このようにして、車両100の右フロントドア102の開閉操作を安全且つ確実に行うことができる。
【0054】
また、本発明の実施形態に係るドア開閉装置1によれば、ECU10は、右フロントドア102が開放されている状態において、右フロントドア102の閉動作が可能であることを示す閉動作許可表示である「CLOSE」を閉操作用スイッチ2に表示する制御をする(
図6)。また、ECU10は、右フロントドア102が閉鎖されている状態において、当該右フロントドア102の開動作が可能であることを示す開動作許可表示である「OPEN」を開操作用スイッチ3に表示する制御をする(
図3)。このため、ユーザは、右フロントドア102に対して可能な操作が閉動作処理なのか開動作処理なのかを明確に認識することができる。よって、ユーザによる閉操作用スイッチ2及び開操作用スイッチ3の誤操作を確実に回避することができ、車両100の右フロントドア102の開閉操作を安全且つ確実に行うことができる。
【0055】
また、本発明の実施形態に係るドア開閉装置1によれば、ECU10は、正当なユーザであることを識別する識別信号に基づいて、開動作許可表示である「OPEN」を表示する制御をする(
図3)。このため、正当なユーザだけが右フロントドア102の開動作処理を開始することができ、車両100の防犯性能を向上させることができる。
また、本発明の実施形態に係るドア開閉装置1によれば、ECU10は、右フロントドア102が閉動作を行っている間、当該閉動作を停止することが可能であることを示す閉動作停止表示(停止状態表示)である「STOP」を閉操作用スイッチ2に表示する制御をする(
図6)。又、ECU10は、右フロントドア102が開動作を行っている間、当該開動作を停止することが可能であることを示す開動作停止表示(停止状態表示)である「STOP」を開操作用スイッチ3に表示する制御をする(
図3)。このため、ユーザは右フロントドア102の開閉動作を即座に停止可能であることを明確に認識することができる。また、右フロントドア102の開閉動作中にいつでも閉操作用スイッチ2及び開操作用スイッチ3を操作することで、右フロントドア102の開閉動作を停止することができる。よって、ユーザによる閉操作用スイッチ2及び開操作用スイッチ3の誤操作を確実に回避することができ、車両100の右フロントドア102の開閉操作を安全且つ確実に行うことができる。
【0056】
また、本発明の実施形態に係るドア開閉装置1によれば、ECU10は、正当なユーザであることを識別する識別信号に基づいて、右フロントドア102が閉鎖されている状態且つ右フロントドア102が施錠されていない状態において、右フロントドア102の施錠が可能であることを示す施錠許可表示である「LOCK」を閉操作用スイッチ2に表示する制御をする(
図6)。このため、ユーザは右フロントドア102の閉鎖後に当該ドアの施錠が可能であることを明確に認識することができる。よって、ユーザによる施錠忘れの状態を確実に回避することができ、車両100の防犯性能を向上させることができる。
【0057】
更に、本発明の実施形態に係るドア開閉装置1によれば、閉操作用スイッチ2及び開操作用スイッチ3は、車両100の前後方向に並んで配置されている。このため、ユーザの目線移動を最小にすることで、閉操作用スイッチ2及び開操作用スイッチ3自体、当該スイッチ2,3における表示内容を一目で認識することができる。これにより、車両100の右フロントドア102の開閉操作を確実に行うことができる。
【0058】
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に係るドア開閉装置1に限定されるものではなく、本発明の概念及び特許請求の範囲に含まれるあらゆる態様を含み、各構成を適宜選択的に組み合わせても良い。例えば、上記実施の形態における各構成要素の形状、材料、配置、サイズ等は、本発明の具体的態様によって適宜変更され得る。
【0059】
例えば、上記実施形態では、ドア開閉装置1が車両100の右フロントドア102の開閉動作処理を行う場合について説明したが、ドア開閉装置は、別のドア、例えば右リアドア103の開閉動作を制御するものであってもよい。この場合、閉操作用スイッチは右リアドアに、開操作用スイッチは右リアドアより後側に位置する車体部材(例えばCピラー)に取付けられている。また、ドア開閉装置は、車両100の左フロントドアの開閉動作処理を行うものであってもよく、この場合、閉操作用スイッチは左フロントドアに、開操作用スイッチは左リアドアに取付けられている。更に、ドア開閉装置は、車両100の左リアドアの開閉動作処理を行うものであってもよい。この場合、閉操作用スイッチは左リアドアに、開操作用スイッチは左リアドアより後側に位置する車体部材(例えばCピラー)に取付けられている。更に、ドア開閉装置は、車両100の後方ドア(跳ね上げ式のバックドア、観音開きのバックドア等)の開閉動作処理を行うものであってもよい。この場合、閉操作用スイッチは後方ドア自体に、開操作用スイッチは後方ドアとは別の車体部材(例えばリアバンパー近傍)に取付けられていてもよい。
【0060】
また、上記実施形態では、
図4に示すように、右フロントドア102の開動作処理において、ECU10によって右フロントドア102が閉鎖されていると判断された場合(S310のYes)、ECU10は、操作許可表示装置12に対し、開操作用スイッチ3に、右フロントドア102の開動作が可能であることを示す「OPEN」(
図3参照)を表示する制御を行っていた(S320)。しかし、ECU10によって右フロントドア102が閉鎖されていると判断された場合(S310のYes)、ECU10は、ドアロック状態検知センサ9から右フロントドア102のロック情報又はアンロック情報を受信し、右フロントドア102がロックされているか否かの判断を行ってもよい(S360)。そして、ECU10によって右フロントドア102がロックされていると判断された場合(S360のYes)、ECU10は、操作許可表示装置12に対し、開操作用スイッチ3に、右フロントドア102のアンロックが可能であることを示す「UNLOCK」を表示する制御を行ってもよい(図示せず)。そして、ECU10によって、ユーザによる開操作用スイッチ3の操作即ち「UNLOCK」スイッチの操作が行われたと判断された場合、ECU10は、ドア開閉アクチュエータ11に対し、右フロントドア102のロックを解除するように制御する(S370)。次いで、ECU10は、操作許可表示装置12に対し、開操作用スイッチ3に、右フロントドア102の開動作が可能であることを示す「OPEN」(
図3参照)を表示する制御を行ってもよい(S320)。以後、ユーザによる開操作用スイッチ3の操作即ち「OPEN」スイッチの操作が行われたと判断された場合(S330のYes)、ECU10は、ドア開閉アクチュエータ11に対し、右フロントドア102の開動作を行うよう制御する(S380)。以後の開動作処理は、上記実施形態の内容と同様であるため省略する。
【符号の説明】
【0061】
1 ドア開閉装置
2 閉操作用スイッチ
3 開操作用スイッチ
10 ECU(制御装置)
100 車両
102 右フロントドア(ドア)
103 右リアドア