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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-25
(45)【発行日】2024-07-03
(54)【発明の名称】点灯装置及び照明器具
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/155 20200101AFI20240626BHJP
   H05B 45/355 20200101ALI20240626BHJP
   H05B 45/325 20200101ALI20240626BHJP
   H05B 45/14 20200101ALI20240626BHJP
【FI】
H05B47/155
H05B45/355
H05B45/325
H05B45/14
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020163019
(22)【出願日】2020-09-29
(65)【公開番号】P2022055547
(43)【公開日】2022-04-08
【審査請求日】2023-05-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100146592
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 浩
(74)【代理人】
【氏名又は名称】白井 達哲
(74)【代理人】
【識別番号】100176751
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 耕平
(72)【発明者】
【氏名】小西 達也
(72)【発明者】
【氏名】加藤 聖
(72)【発明者】
【氏名】菊田 紗耶香
(72)【発明者】
【氏名】岩井 直子
【審査官】野木 新治
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-021952(JP,A)
【文献】特表2007-533168(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 47/155
H05B 45/355
H05B 45/325
H05B 45/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1光源と、前記第1光源と異なる色の光を照射する第2光源と、を有し、前記第1光源及び前記第2光源のそれぞれから照射される光を混光させる光源部と接続され、前記第1光源及び前記第2光源のそれぞれに電力を供給し、前記第1光源及び前記第2光源を点灯させる点灯装置であって、
前記第1光源と電気的に接続され、供給された電力の変換を行い、変換後の電力を前記第1光源に供給することにより、前記第1光源の調光制御を可能にする第1変換回路と、
前記第2光源と電気的に接続され、供給された電力の変換を行い、変換後の電力を前記第2光源に供給することにより、前記第2光源の調光制御を可能にする第2変換回路と、
前記第1光源の調光度を表す第1信号と、前記第2光源の調光度を表す第2信号と、を含む調光信号の入力を受け、前記第1信号を基に、前記第1変換回路による電力の変換を制御することにより、前記第1光源に供給される電力の大きさを制御し、前記第1信号に応じた明るさで前記第1光源を点灯させ、前記第2信号を基に、前記第2変換回路による電力の変換を制御することにより、前記第2光源に供給される電力の大きさを制御し、前記第2信号に応じた明るさで前記第2光源を点灯させ、前記調光信号に応じて、前記第1光源から照射される光の明るさ、及び前記第2光源から照射される光の明るさを個別に制御することにより、前記調光信号に応じて、前記光源部から照射される光の調光制御及び調色制御を行う制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記第1光源の調光制御と前記第2光源の調光制御とを同時に行う際に、前記第2光源の調光開始のタイミングを、前記第1光源の調光開始のタイミングと実質的に同じとし、前記第1光源の調光度の変化量と前記第2光源の調光度の変化量とが異なる場合においても、前記第1光源の調光開始から調光終了までの時間を所定時間とするとともに、前記第2光源の調光開始から調光終了までの時間を前記所定時間とすることにより、前記第1光源の調光度の変化量と前記第2光源の調光度の変化量とが異なる場合においても、前記第2光源の調光終了のタイミングを、前記第1光源の調光終了のタイミングと実質的に同じとすることを特徴とする点灯装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記調光信号の受信を完了したタイミングから所定の待機時間の計時を開始し、前記所定の待機時間が経過したタイミングにおいて前記第1光源に対する調光制御及び前記第2光源に対する調光制御を開始することを特徴とする請求項1記載の点灯装置。
【請求項3】
第1光源と、前記第1光源と異なる色の光を照射する第2光源と、を有し、前記第1光源及び前記第2光源のそれぞれから照射される光を混光させる光源部と、
請求項1又は2に記載の点灯装置と、
を備えた照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、点灯装置及び照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
第1光源と、第1光源と異なる色の光を照射する第2光源と、第1光源及び第2光源のそれぞれに電力を供給し、第1光源及び第2光源を点灯させる点灯装置と、を備えた照明器具が知られている。
【0003】
照明器具は、第1光源及び第2光源のそれぞれから照射される光を混光させるとともに、第1光源及び第2光源のそれぞれに供給する電力の大きさを個別に調整する。これにより、照明器具では、照射する光の明るさを変化させることができるとともに、照射する光の色を変化させることができる。照射する光の明るさの制御は、調光制御と呼ばれている。照射する光の色の制御は、調色制御と呼ばれている。
【0004】
こうした照明器具では、調光制御や調色制御の際に、照射する光の色の変化が不自然になってしまう場合がある。例えば、第1光源が100%の明るさで点灯し、第2光源が50%の明るさで点灯している状態から、第1光源及び第2光源を0%の明るさまで変化させる場合がある。この場合に、第1光源及び第2光源の明るさを同じ変化率で変化させると、第2光源の明るさが先に0%に到達し、第1光源の明るさのみが変化しているように見えてしまう。このため、第1光源及び第2光源のそれぞれの明るさが変化している期間と、第2光源の明るさが0%に到達し、第1光源の明るさのみが変化している期間と、で色の変化が異なるように見えてしまい、照明器具の使用者などに対して違和感を与えてしまう可能性がある。
【0005】
このため、点灯装置及び照明器具では、調光制御及び調色制御の際の、照射する光の色の不自然な変化を抑制できるようにすることが望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2012-104453号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の実施形態は、調光制御及び調色制御の際の、照射する光の色の不自然な変化を抑制した点灯装置及び照明器具を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態によれば、第1光源と、前記第1光源と異なる色の光を照射する第2光源と、を有し、前記第1光源及び前記第2光源のそれぞれから照射される光を混光させる光源部と接続され、前記第1光源及び前記第2光源のそれぞれに電力を供給し、前記第1光源及び前記第2光源を点灯させる点灯装置であって、前記第1光源と電気的に接続され、供給された電力の変換を行い、変換後の電力を前記第1光源に供給することにより、前記第1光源の調光制御を可能にする第1変換回路と、前記第2光源と電気的に接続され、供給された電力の変換を行い、変換後の電力を前記第2光源に供給することにより、前記第2光源の調光制御を可能にする第2変換回路と、前記第1光源の調光度を表す第1信号と、前記第2光源の調光度を表す第2信号と、を含む調光信号の入力を受け、前記第1信号を基に、前記第1変換回路による電力の変換を制御することにより、前記第1光源に供給される電力の大きさを制御し、前記第1信号に応じた明るさで前記第1光源を点灯させ、前記第2信号を基に、前記第2変換回路による電力の変換を制御することにより、前記第2光源に供給される電力の大きさを制御し、前記第2信号に応じた明るさで前記第2光源を点灯させ、前記調光信号に応じて、前記第1光源から照射される光の明るさ、及び前記第2光源から照射される光の明るさを個別に制御することにより、前記調光信号に応じて、前記光源部から照射される光の調光制御及び調色制御を行う制御部と、を備え、前記制御部は、前記第1光源の調光制御と前記第2光源の調光制御とを同時に行う際に、前記第2光源の調光開始のタイミングを、前記第1光源の調光開始のタイミングと実質的に同じとし、前記第1光源の調光度の変化量と前記第2光源の調光度の変化量とが異なる場合においても、前記第1光源の調光開始から調光終了までの時間を所定時間とするとともに、前記第2光源の調光開始から調光終了までの時間を前記所定時間とすることにより、前記第1光源の調光度の変化量と前記第2光源の調光度の変化量とが異なる場合においても、前記第2光源の調光終了のタイミングを、前記第1光源の調光終了のタイミングと実質的に同じとすることを特徴とする点灯装置が提供される。
【発明の効果】
【0009】
調光制御及び調色制御の際の、照射する光の色の不自然な変化を抑制した点灯装置及び照明器具が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態に係る点灯装置及び照明器具を模式的に表すブロック図である。
図2】制御部の動作の一例を模式的に表すグラフである。
図3】制御部の参考の動作の一例を模式的に表すグラフである。
図4図4(a)~図4(c)は、制御部の動作の一例を模式的に表すグラフである。
図5図5(a)~図5(c)は、制御部の別の動作の一例を模式的に表すグラフである。
図6図6(a)~図6(c)は、制御部の別の動作の一例を模式的に表すグラフである。
図7図7(a)~図7(c)は、制御部の別の動作の一例を模式的に表すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
なお、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0012】
図1は、実施形態に係る点灯装置及び照明器具を模式的に表すブロック図である。
図1に表したように、照明器具2は、点灯装置10と、光源部12と、を備える。光源部12は、第1光源21と、第2光源22と、を有する。
【0013】
第2光源22は、第1光源21と異なる色の光を照射する。第1光源21は、例えば、昼白色の光を照射する。第2光源22は、例えば、電球色の光を照射する。但し、第1光源21及び第2光源22の照射する光の色は、上記に限ることなく、任意の色でよい。第2光源22の照射する光の色は、第1光源21の照射する光の色と異なる任意の色でよい。
【0014】
光源部12は、第1光源21及び第2光源22のそれぞれから照射される光を混光させる。換言すれば、第2光源22は、第1光源21から照射された光と混光するように光を照射する。第2光源22は、例えば、第1光源21に近接して配置され、第1光源21と同じ方向に光を照射する。これにより、第2光源22から照射された光を、第1光源21から照射された光と混光させることができる。但し、第2光源22の構成は、第1光源21から照射された光と混光するように光を照射することができる任意の構成でよい。
【0015】
点灯装置10は、光源部12と接続され、第1光源21及び第2光源22のそれぞれに電力を供給し、第1光源21及び第2光源22を点灯させる。また、点灯装置10は、第1光源21及び第2光源22のそれぞれに供給する電力の大きさを個別に調整する。
【0016】
これにより、照明器具2では、光源部12から照射される光の明るさを変化させることができるとともに、光源部12から照射される光の色を変化させることができる。例えば、昼白色の光を照射する第1光源11の明るさと、電球色の光を照射する第2光源12の明るさと、を個別に変化させることにより、光源部12から照射される光の色温度を変化させることができる。
【0017】
このように、照明器具2では、光源部12から照射される光の調光制御及び調色制御を行うことができる。点灯装置10は、第1光源21及び第2光源22のそれぞれに供給する電力の大きさを個別に調整することにより、光源部12から照射される光の調光制御及び調色制御を行う。
【0018】
第1光源21及び第2光源22には、例えば、発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)が用いられる。第1光源21及び第2光源22は、例えば、直列に接続された複数の発光ダイオードからなる。但し、第1光源21及び第2光源22は、例えば、有機発光ダイオード(Organic Light Emitting Diode:OLED)、無機エレクトロルミネッセンス(Inorganic ElectroLuminescence)発光素子、有機エレクトロルミネッセンス(Organic ElectroLuminescence)発光素子、または、その他の電界発光型の発光素子などでもよい。第1光源21及び第2光源22は、例えば、電球などでもよい。
【0019】
第1光源21及び第2光源22は、例えば、点灯装置10に対して着脱可能に設けられる。換言すれば、第1光源21及び第2光源22は、例えば、点灯装置10に対して交換可能に設けられる。但し、第1光源21及び第2光源22は、点灯装置10と一体的に設けられていてもよい。
【0020】
第1光源21及び第2光源22が点灯装置10に対して着脱可能である場合、第2光源22は、第1光源21と一体的に設けられていてもよいし、第1光源21と別体として設けられていてもよい。換言すれば、光源部12は、第1光源21と第2光源22とを一体にした1つのモジュールで構成してもよいし、第1光源21と第2光源22とを別にした2つのモジュールで構成してもよい。第1光源21及び第2光源22の構成は、点灯装置10からの電力の供給に応じて光を照射可能な任意の構成でよい。
【0021】
点灯装置10は、電源PSと電気的に接続される。点灯装置10は、例えば、電源PSから交流電力の供給を受ける。電源PSは、例えば、商用電源である。電源PSから供給される交流電力の交流電圧は、例えば、100V~242V(実効値)である。電源PSは、例えば、自家発電機などでもよい。なお、点灯装置10に供給される電力は、交流電力に限ることなく、直流電力などでもよい。
【0022】
点灯装置10は、光源部12と電気的に接続される。点灯装置10は、電源PSから供給される交流電力を第1光源21及び第2光源22に応じた電力に変換して第1光源21及び第2光源22に供給する。これにより、点灯装置10は、第1光源21及び第2光源22を点灯させる。第1光源21及び第2光源22に供給する電力は、例えば、直流電力である。点灯装置10は、交流電力を直流電力に変換して第1光源21及び第2光源22に供給する。但し、第1光源21及び第2光源22に供給する電力は、直流電力に限ることなく、交流電力などでもよい。
【0023】
点灯装置10は、電源部30と、第1変換回路31と、第2変換回路32と、制御部34と、を有する。
【0024】
電源部30は、電源PSと接続される。電源部30は、電源PSから供給された交流電力を直流電力に変換する。電源部30は、例えば、AC-DC変換回路である。電源部30は、変換後の直流電力を第1変換回路31及び第2変換回路32に供給する。例えば、電源PSから直流電力が供給される場合などには、電源部30を省略してもよい。例えば、電源PSから供給された電力を直接的に第1変換回路31及び第2変換回路32に入力してもよい。
【0025】
第1変換回路31は、第1光源21と電気的に接続される。第1変換回路31は、供給された電力の変換を行い、変換後の電力を第1光源21に供給することにより、第1光源21の調光制御を可能にする。第1変換回路31は、例えば、電源部30と電気的に接続され、電源部30から供給された直流電力を第1光源21に応じた大きさの直流電力に変換し、変換後の直流電力を第1光源21に供給する。
【0026】
第2変換回路32は、第2光源22と電気的に接続される。第2変換回路32は、供給された電力の変換を行い、変換後の電力を第2光源22に供給することにより、第2光源22の調光制御を可能にする。第2変換回路32は、例えば、電源部30と電気的に接続され、電源部30から供給された直流電力を第2光源22に応じた大きさの直流電力に変換し、変換後の直流電力を第2光源22に供給する。
【0027】
このように、第1変換回路31及び第2変換回路32は、1つの電源部30に共に接続され、1つの電源部30から共に電力の供給を受ける。換言すれば、第2変換回路32は、電源部30の出力に対して第1変換回路31と並列に接続される。これにより、例えば、第1変換回路31用の電源部30(AC-DC変換回路)と、第2変換回路32用の電源部30と、の2つの電源部30を設ける場合と比べて、点灯装置10の部品点数を削減することができる。例えば、点灯装置10の製造コストを抑えることができる。但し、点灯装置10は、第1変換回路31用の電源部30と、第2変換回路32用の電源部30と、を有する構成としてもよい。
【0028】
制御部34は、調光信号の入力を受ける。調光信号は、第1光源21の調光度(明るさ)を表す第1信号と、第2光源22の調光度を表す第2信号と、を含む信号である。調光度は、例えば、最も明るい状態を100%とした百分率で表される。調光度の100%は、換言すれば、第1変換回路31及び第2変換回路32の供給可能な最大の電力である。調光度の0%は、換言すれば、消灯状態である。
【0029】
制御部34は、調光信号に含まれる第1信号を基に、第1変換回路31による電力の変換を制御する。これにより、制御部34は、第1光源21に供給される電力の大きさを制御し、第1信号に応じた明るさで第1光源21を点灯させる。
【0030】
同様に、制御部34は、調光信号に含まれる第2信号を基に、第2変換回路32による電力の変換を制御することにより、第2光源22に供給される電力の大きさを制御し、第2信号に応じた明るさで第2光源22を点灯させる。
【0031】
このように、制御部34は、外部から入力される調光信号に応じて、第1光源21及び第2光源22の調光制御を行う。制御部34は、調光信号に応じて、第1光源21から照射される光の明るさ、及び第2光源22から照射される光の明るさを個別に制御する。制御部34は、調光信号に応じて、光源部12から照射される光の調光制御及び調色制御を行う。
【0032】
調光信号は、例えば、外部の壁スイッチやリモコンなどから制御部34に入力される。点灯装置10は、例えば、外部の装置から送信された調光信号を受信して制御部34に入力するための受信部などをさらに備えてもよい。調光信号は、例えば、点灯装置10に設けられた操作部などから制御部34に入力してもよい。点灯装置10は、例えば、使用者などの操作に基づいて第1光源21の調光度及び第2光源22の調光度を設定可能とし、設定された各調光度に応じた調光信号を制御部34に入力する操作部などをさらに備えてもよい。制御部34への調光信号の入力方法は、これらに限ることなく、調光信号を適切に制御部34に入力することが可能な任意の方法でよい。
【0033】
電源部30は、フィルタ回路40、整流回路42、突入防止回路44、力率改善回路46、及び平滑コンデンサ48を有する。
【0034】
フィルタ回路40は、電源PSと電気的に接続される。フィルタ回路40は、電源PSから供給される交流電力に含まれるノイズを抑制する。
【0035】
整流回路42は、フィルタ回路40に電気的に接続される。整流回路42は、フィルタ回路40を介して入力された交流電圧を整流して整流電圧に変換する。整流回路42には、例えば、4つの整流素子を組み合わせたダイオードブリッジが用いられる。すなわち、整流回路42は、全波整流器である。整流電圧は、例えば、脈流電圧である。
【0036】
整流回路42は、半波整流器などでもよい。整流電圧は、全波整流された脈流でもよいし、半波整流された脈流でもよい。整流回路42には、例えば、ショットキーバリアダイオードが用いられる。これにより、例えば、良好な応答性を得ることができる。
【0037】
突入防止回路44は、整流回路42と電気的に接続されている。突入防止回路44は、電源投入時に生じる突入電流を抑制する。
【0038】
力率改善回路46は、突入防止回路44の出力に接続される。力率改善回路46は、整流電圧において、電源周波数の整数倍の高調波の発生を抑制する。これにより、力率改善回路36は、整流電圧の力率を改善する。
【0039】
力率改善回路46は、例えば、スイッチング素子と、インダクタと、ダイオードと、を有する。力率改善回路46は、例えば、昇圧チョッパ回路である。力率改善回路46は、例えば、100V~242V(実効値)の電源PSの交流電圧を420Vの直流電圧に変換する。力率改善回路46は、例えば、スイッチング素子をスイッチングさせ、入力電流を正弦波の半端波形に近づけることにより、力率を改善する。但し、力率改善回路46は、これに限ることなく、整流電圧の力率を改善することができる任意の回路でよい。
【0040】
平滑コンデンサ48は、力率改善回路46の出力に接続されている。平滑コンデンサ48は、力率改善後の脈流電圧を平滑化することにより、脈流電圧を直流電圧に変換する。これにより、電源部30において、電源PSから供給された交流電力を直流電力に変換することができる。但し、電源部30の構成は、これに限ることなく、交流電力を直流電力に変換可能な任意の構成でよい。
【0041】
第1変換回路31は、例えば、スイッチング素子と、ダイオードと、インダクタと、を有する。第1変換回路31は、例えば、降圧チョッパ回路である。第1変換回路31は、例えば、スイッチング素子のスイッチングにより、420Vの力率改善回路46の直流電圧を50V~300Vの直流電圧に変換する。また、第1変換回路31は、換言すれば、定電流回路である。第1変換回路31は、第1光源21に流れる電流が実質的に一定になるようにする。
【0042】
第1変換回路31及び制御部34による第1光源21の調光制御は、例えば、第1光源21に流れる直流電流の大きさを変化させることによって第1光源21の明るさを変化させる、いわゆる波高値制御である。制御部34は、調光信号に含まれる第1信号を基に、第1変換回路31のスイッチング素子のスイッチングを制御し、第1光源21に流れる直流電流の大きさを変化させることにより、第1信号に応じた明るさで第1光源21を点灯させる。
【0043】
なお、第1変換回路31及び制御部34による第1光源21の調光制御は、例えば、パルス幅変調した電流を第1光源21に供給するとともに、電流のパルス幅を変化させることによって第1光源21の明るさを変化させる、いわゆるパルス幅変調制御などでもよい。例えば、第1光源21に脈流電流や交流電流を供給する場合には、脈流電流や交流電流の振幅を変化させることによって、第1光源21の明るさを変化させてもよい。
【0044】
第2変換回路32の構成は、第1変換回路31の構成と実質的に同じであるから、詳細な説明は、省略する。第2変換回路32及び制御部34は、例えば、第2光源22に流れる直流電流の大きさを変化させることによって第2光源22の明るさを変化させる。制御部34は、調光信号に含まれる第2信号を基に、第2変換回路32のスイッチング素子のスイッチングを制御し、第2光源22に流れる直流電流の大きさを変化させることにより、第2信号に応じた明るさで第2光源22を点灯させる。
【0045】
点灯装置10は、例えば、制御用電源回路50、降圧回路51、駆動回路52~54、出力コンデンサ55、56、及び検出抵抗57、58などをさらに有する。
【0046】
制御用電源回路50は、例えば、平滑コンデンサ48の高電位側の一端と電気的に接続される。これにより、制御用電源回路50には、平滑コンデンサ48によって平滑された直流電圧が入力される。制御用電源回路50は、平滑コンデンサ48によって平滑された直流電圧を、駆動回路52~54の駆動電圧に変換して、駆動回路52~54に供給する。駆動回路52~54は、制御用電源回路50からの電力供給に応じて駆動する。
【0047】
降圧回路51は、制御用電源回路50と電気的に接続されている。降圧回路51は、例えば、制御用電源回路50によって生成された駆動回路52~54用の駆動電圧を、制御部34用の駆動電圧に降圧し、降圧後の駆動電圧を制御部34に供給する。制御部34は、降圧回路51からの電力供給に応じて駆動する。
【0048】
駆動回路52は、制御部34及び力率改善回路46と電気的に接続されている。駆動回路52は、制御部34の制御に基づいて、力率改善回路46のスイッチング素子のスイッチングを駆動する。換言すれば、駆動回路52は、力率改善回路46のスイッチング素子をスイッチングさせ、力率改善回路46における整流電圧の力率の改善を駆動する。
【0049】
駆動回路53は、制御部34及び第1変換回路31と電気的に接続されている。駆動回路53は、制御部34の制御に基づいて、第1変換回路31のスイッチング素子のスイッチングを駆動する。換言すれば、駆動回路53は、第1変換回路31のスイッチング素子をスイッチングさせ、第1変換回路31による電力の変換を駆動する。駆動回路53は、例えば、第1変換回路31のスイッチング素子のオン・オフの周期(デューティ比)を変化させることにより、第1光源21に供給する直流電力の電圧値や電流値を変化させる。
【0050】
駆動回路54は、制御部34及び第2変換回路32と電気的に接続されている。駆動回路54は、制御部34の制御に基づいて、第2変換回路32のスイッチング素子のスイッチングを駆動する。換言すれば、駆動回路54は、第2変換回路32のスイッチング素子をスイッチングさせ、第2変換回路32による電力の変換を駆動する。駆動回路54は、例えば、第2変換回路32のスイッチング素子のオン・オフの周期(デューティ比)を変化させることにより、第2光源22に供給する直流電力の電圧値や電流値を変化させる。
【0051】
出力コンデンサ55は、第1変換回路31の出力側に設けられ、第1変換回路31から第1光源21に供給される直流電力を平滑化する。出力コンデンサ56は、第2変換回路32の出力側に設けられ、第2変換回路32から第2光源22に供給される直流電力を平滑化する。
【0052】
検出抵抗57は、第1変換回路31と第1光源21との間に設けられる。検出抵抗57は、第1光源21に流れる電流を検出する。検出抵抗57は、制御部34と電気的に接続されている。制御部34は、検出抵抗57の検出結果を基に、第1信号に応じた実質的に一定の直流電流が第1光源21に流れるように、第1変換回路31のスイッチング素子のスイッチングを制御する。これにより、第1信号に応じた実質的に一定の明るさで第1光源21を点灯させることができる。
【0053】
検出抵抗58は、第2変換回路32と第2光源22との間に設けられる。検出抵抗58は、第2光源22に流れる電流を検出する。検出抵抗58は、制御部34と電気的に接続されている。制御部34は、検出抵抗58の検出結果を基に、第2信号に応じた実質的に一定の直流電流が第2光源22に流れるように、第2変換回路32のスイッチング素子のスイッチングを制御する。これにより、第2信号に応じた実質的に一定の明るさで第2光源22を点灯させることができる。
【0054】
図2は、制御部の動作の一例を模式的に表すグラフである。
図2に表したように、制御部34は、第1光源21の調光制御と第2光源22の調光制御とを同時に行う際に、第1光源21の調光度の変化量と第2光源22の調光度の変化量とが異なる場合においても、第1光源21の調光開始から調光終了までの時間を所定時間Tpとするとともに、第2光源22の調光開始から調光終了までの時間を所定時間Tpとする。ここで、「第1光源21の調光制御と第2光源22の調光制御とを同時に行う」とは、第2光源22の明るさの変化の期間の少なくとも一部が、第1光源21の明るさの変化の期間の少なくとも一部と重なることをいう。
【0055】
換言すれば、制御部34は、第1光源21の調光制御と第2光源22の調光制御とを同時に行う際に、調光度の変化量によらず、第2光源22の調光開始から調光終了までの時間を、第1光源21の調光開始から調光終了までの時間と実質的に同じ時間にする。ここで、実質的に同じ時間とは、例えば、第1光源21の調光開始から調光終了までの時間と、第2光源22の調光開始から調光終了までの時間と、の差が、1ms以下であることをいう。
【0056】
また、制御部34は、図2に表したように、第1光源21の調光制御と第2光源22の調光制御とを同時に行う際に、第2光源22の調光開始のタイミングを、第1光源21の調光開始のタイミングと実質的に同じとする。これにより、第2光源22の調光終了のタイミングも、第1光源21の調光終了のタイミングと実質的に同じとすることができる。ここで、実質的に同じタイミングとは、例えば、第1光源21の調光開始のタイミングと、第2光源22の調光開始のタイミングと、の差が、1ms以下であることをいう。
【0057】
図2では、第1光源21の調光度を100%から0%まで変化させ、第2光源22の調光度を50%から0%まで変化させる場合を例示している。この場合、第1光源21の調光度の変化量は、100%であり、第2光源22の調光度の変化量は、50%である。このように、調光度の変化量が異なる場合でも、調光開始から調光終了までの時間を所定時間Tpとし、かつ調光開始のタイミングを実質的に同じとすることで、第1光源21及び第2光源22のそれぞれの調光制御において、調光開始から調光終了までのタイミングを揃えることができる。
【0058】
所定時間Tpは、例えば、調光度を0%から100%まで所定の変化率で変化させる場合の時間に設定される。例えば、調光度の変化率が、1ms当たりに1%である場合、所定時間Tpは、100msに設定される。所定時間Tpは、例えば、100msの固定値に設定される。
【0059】
所定時間Tpは、例えば、第1光源21の調光度の変化量及び第2光源22の調光度の変化量のうちの大きい方の変化量に合わせて設定してもよい。例えば、第1光源21の調光度の変化量が、50%であり、第2光源22の調光度の変化量は、30%であるとする。この場合には、第1光源21の調光度の変化量に合わせて所定時間Tpを設定する。例えば、調光度の変化率が、1ms当たりに1%である場合には、第1光源21の調光度の50%の変化量に合わせて所定時間Tpを50msに設定する。これにより、調光度の変化量が小さい場合に、調光制御に必要となる時間が長くなってしまうことを抑制することができる。
【0060】
図3は、制御部の参考の動作の一例を模式的に表すグラフである。
図3では、第1光源21が100%の明るさで点灯し、第2光源22が50%の明るさで点灯している状態から、第1光源21及び第2光源22を0%の明るさまで変化させる場合に、第1光源21及び第2光源22の明るさを同じ変化率で変化させた例を模式的に表している。
【0061】
図3に表したように、この場合には、第2光源22の明るさが先に0%に到達し、第1光源21の明るさのみが変化しているように見えてしまう。このため、第1光源21及び第2光源22のそれぞれの明るさが変化している期間と、第2光源22の明るさが0%に到達し、第1光源21の明るさのみが変化している期間と、で光源部12から照射される光の色の変化が異なるように見えてしまい、照明器具の使用者などに対して違和感を与えてしまう可能性がある。換言すれば、第1光源21及び第2光源22のそれぞれの明るさが変化している期間と、第2光源22の明るさが0%に到達し、第1光源21の明るさのみが変化している期間と、で光源部12から照射される光の色の変化が不連続に見えて可能性がある。
【0062】
これに対して、本実施形態に係る照明器具2及び点灯装置10では、制御部34が、第1光源21の調光制御と第2光源22の調光制御とを同時に行う際に、第1光源21の調光度の変化量と第2光源22の調光度の変化量とが異なる場合においても、第1光源21の調光開始から調光終了までの時間を所定時間Tpとするとともに、第2光源22の調光開始から調光終了までの時間を所定時間Tpとする。
【0063】
これにより、本実施形態に係る照明器具2及び点灯装置10では、第1光源21及び第2光源22の一方の明るさのみが変化する期間が生じることを抑制することができる。光源部12から照射される光の色の変化が異なるように見え、照明器具2の使用者などに対して違和感を与えてしまうことを抑制することができる。従って、調光制御及び調色制御の際の、光源部12から照射する光の色の不自然な変化を抑制した照明器具2及び点灯装置10を提供することができる。
【0064】
また、本実施形態に係る照明器具2及び点灯装置10では、制御部34が、第1光源21の調光制御と第2光源22の調光制御とを同時に行う際に、第2光源22の調光開始のタイミングを、第1光源21の調光開始のタイミングと実質的に同じとする。これにより、第1光源21及び第2光源22の一方の明るさのみが変化する期間が生じることをより確実に抑制することができる。調光制御及び調色制御の際の、光源部12から照射する光の色の不自然な変化をより確実に抑制することができる。
【0065】
図4(a)~図4(c)は、制御部の動作の一例を模式的に表すグラフである。
図4(a)は、調光信号の一例を模式的に表す。
図4(b)は、制御部34から駆動回路53に入力される第1変換回路31の制御信号の一例を模式的に表す。
図4(c)は、制御部34から駆動回路54に入力される第2変換回路32の制御信号の一例を模式的に表す。
なお、図4(b)及び図4(c)では、図示を簡略化しているが、第1変換回路31の制御信号及び第2変換回路32の制御信号は、例えば、調光信号の表す調光度に応じてデューティ比を変化させるPWM信号である。
【0066】
図4(a)に表したように、調光信号は、第1信号と第2信号とを時系列的に並べた信号として制御部34に入力される。従って、制御部34は、調光信号を受信する場合、第1信号及び第2信号の一方を先に受信した後、第1信号及び第2信号の他方を受信する。この例では、制御部34は、第1信号を受信した後に、第2信号を受信する。これとは反対に、制御部34は、第2信号を受信した後に、第1信号を受信してもよい。
【0067】
制御部34は、第1信号と第2信号とを含む調光信号の受信を完了したタイミング(図4のタイミングt1)から所定の待機時間の計時を開始する。換言すれば、制御部34は、後から入力される第2信号の受信を完了したタイミングから所定の待機時間の計時を開始する。
【0068】
制御部34は、第1信号を受信した後、待機時間中に、第1信号の表す第1光源21の調光度を識別し、識別した調光度に応じた制御信号の生成を準備する。制御部34は、例えば、受信した第1信号の表す第1光源21の調光度と、現在の第1光源21の調光度と、の変化量(差分)から所定時間Tpで調光制御を行うための調光度の変化率などを待機時間中に演算する。同様に、制御部34は、第2信号を受信した後、待機時間中に、第2信号の表す第2光源22の調光度を識別し、識別した調光度に応じた制御信号の生成を準備する。
【0069】
制御部34は、所定の待機時間が経過したタイミング(図4のタイミングt2)において、入力された第1信号に基づく制御信号を駆動回路53に入力することにより、第1光源21に対する調光制御を開始し、入力された第1信号の表す調光度に応じた明るさに、第1光源21の明るさを変化させる。
【0070】
同様に、制御部34は、所定の待機時間が経過したタイミングにおいて、入力された第2信号に基づく制御信号を駆動回路54に入力することにより、第2光源22に対する調光制御を開始し、入力された第2信号の表す調光度に応じた明るさに、第2光源22の明るさを変化させる。
【0071】
このように、制御部34は、調光信号の受信を完了したタイミングから所定の待機時間の計時を開始し、所定の待機時間が経過したタイミングにおいて第1光源21に対する調光制御及び第2光源22に対する調光制御を開始することにより、第1光源21の明るさ及び第2光源22の明るさを調光信号に応じた明るさに変化させる。
【0072】
このように、調光信号の受信の完了から調光制御の開始までの間に待機時間を設定することにより、制御部34において制御信号の生成などの準備をし易くすることができる。例えば、調光信号の受信の直後に調光制御を開始する場合などと比べて、制御部34の動作を安定させることができる。
【0073】
なお、待機時間を長くし過ぎると、調光信号の入力から第1光源21及び第2光源22の明るさが切り替わるまでの時間が長くなり、使用者などに違和感を与えてしまう可能性がある。一方で、待機時間を短くし過ぎると、制御信号を適切に設定できない可能性が生じるなど、制御部34の動作が不安定になってしまうことが懸念される。このため、待機時間は、例えば、1ms以上5ms以下程度に設定されることが好ましい。これにより、制御部34の動作を安定させることができ、使用者などに違和感を与えてしまうことも抑制することができる。
【0074】
また、調光信号の受信を完了したタイミングから第2光源22に対する調光制御を開始するまでの待機時間は、調光信号の受信を完了したタイミングから第1光源21に対する調光制御を開始するまでの待機時間と実質的に同じである。これにより、上記のように、第2光源22の調光開始のタイミングを、第1光源21の調光開始のタイミングと実質的に同じとすることができる。
【0075】
但し、調光信号の受信を完了したタイミングから第2光源22に対する調光制御を開始するまでの待機時間は、調光信号の受信を完了したタイミングから第1光源21に対する調光制御を開始するまでの待機時間と必ずしも同じでなくてもよい。例えば、先に第1信号が受信される第1光源21に対する待機時間を、後に第2信号が受信される第2光源22に対する待機時間よりも僅かに短くしてもよい。このように、先に受信される側の待機時間を短くすることにより、制御部34の準備の期間が短くなり、制御部34の動作が不安定になってしまうことを抑制することができる。この場合、第1光源21に対する待機時間と第2光源22に対する待機時間との差は、例えば、5ms以下であることが好ましい。これにより、第1光源21及び第2光源22の一方の明るさのみが変化する期間が生じ、使用者などに違和感を与えてしまうことを抑制することができる。
【0076】
また、例えば、第1変換回路31の動作の開始のタイミングと、第2変換回路32の動作の開始のタイミングと、を同時にすると、第1変換回路31によるスイッチングノイズと第2変換回路32によるスイッチングノイズとが重なり、ノイズが大きくなってしまう可能性がある。従って、このような場合には、上記のように、待機時間の長さを変化させることなどにより、第2光源22の調光開始のタイミングを、第1光源21の調光開始のタイミングに対して僅かにずらすようにすることが好ましい。
【0077】
このように、第1光源21の調光開始のタイミングと、第2光源22の調光開始のタイミングと、を実質的に同時にした場合には、使用者などに違和感を与えてしまうことを抑制することができる。そして、第1光源21の調光開始のタイミングと、第2光源22の調光開始のタイミングと、を僅かにずらした場合には、スイッチングノイズが大きくなり、第1光源21及び第2光源22の明るさなどに影響を与えてしまうことを抑制することができる。
【0078】
図5(a)~図5(c)は、制御部の別の動作の一例を模式的に表すグラフである。
図5(a)~図5(c)は、図4(a)~図4(c)と同様に、調光信号、第1変換回路31の制御信号、及び第2変換回路32の制御信号の一例を模式的に表す。
【0079】
図5(a)~図5(c)に表したように、この例において、制御部34は、第1信号の受信を完了したタイミング(図5のタイミングt11)から第1待機時間の計時を開始する。制御部34は、第1待機時間が経過したタイミング(図5のタイミングt12)において、入力された第1信号に基づく制御信号を駆動回路53に入力することにより、第1光源21に対する調光制御を開始し、入力された第1信号の表す調光度に応じた明るさに、第1光源21の明るさを変化させる。
【0080】
制御部34は、第2信号の受信を完了したタイミング(図5のタイミングt13)から第2待機時間の計時を開始する。そして、制御部34は、第2待機時間が経過したタイミング(図5のタイミングt14)において、入力された第2信号に基づく制御信号を駆動回路54に入力することにより、第2光源22に対する調光制御を開始し、入力された第2信号の表す調光度に応じた明るさに、第2光源22の明るさを変化させる。
【0081】
このように、待機時間の計時を開始するタイミングは、調光信号の受信を完了したタイミングに限ることなく、第1信号の受信を完了したタイミングで第1光源21の調光制御に対する第1待機時間の計時を開始し、第2信号の受信を完了したタイミングで第2光源22の調光制御に対する第2待機時間の計時を開始してもよい。この場合、第2光源22の調光制御に対する第2待機時間の長さは、第1光源21の調光制御に対する第1待機時間の長さと同じでもよいし、異なってもよい。
【0082】
図6(a)~図6(c)は、制御部の別の動作の一例を模式的に表すグラフである。
図6(a)~図6(c)は、図4(a)~図4(c)及び図5(a)~図5(c)と同様に、調光信号、第1変換回路31の制御信号、及び第2変換回路32の制御信号の一例を模式的に表す。
【0083】
図6(a)~図6(c)に表したように、この例において、制御部34は、調光信号の受信を完了したタイミング(図6のタイミングt21)において、入力された第1信号に基づく制御信号を駆動回路53に入力することにより、第1光源21に対する調光制御を開始し、入力された第1信号の表す調光度に応じた明るさに、第1光源21の明るさを変化させる。
【0084】
また、制御部34は、調光信号の受信を完了したタイミングにおいて、第1光源21に対する調光制御を開始するとともに、所定の待機時間の計時を開始する。そして、制御部34は、所定の待機時間が経過したタイミング(図6のタイミングt22)において、入力された第2信号に基づく制御信号を駆動回路54に入力することにより、第2光源22に対する調光制御を開始し、入力された第2信号の表す調光度に応じた明るさに、第2光源22の明るさを変化させる。
【0085】
先に入力される第1信号に基づく制御信号などの準備は、後に入力される第2信号の受信の期間において行うことができる可能性がある。従って、このような場合には、第1信号及び第2信号のうちの後から入力される信号に対してのみ待機時間を設定し、先に入力される信号については、調光信号の受信を完了したタイミングで調光制御を開始してもよい。これにより、例えば、待機時間の計時にともなう制御部34の演算負荷などを抑制することができる。
【0086】
図7(a)~図7(c)は、制御部の別の動作の一例を模式的に表すグラフである。
図7(a)~図7(c)は、図4図6と同様に、調光信号、第1変換回路31の制御信号、及び第2変換回路32の制御信号の一例を模式的に表す。
【0087】
図7(a)~図7(c)に表したように、この例において、制御部34は、第1信号の受信を完了したタイミング(図7のタイミングt31)から所定の待機時間の計時を開始する。制御部34は、待機時間が経過したタイミング(図7のタイミングt32)において、入力された第1信号に基づく制御信号を駆動回路53に入力することにより、第1光源21に対する調光制御を開始し、入力された第1信号の表す調光度に応じた明るさに、第1光源21の明るさを変化させる。
【0088】
制御部34は、第2信号の受信を完了したタイミング(図5のタイミングt33)において、入力された第2信号に基づく制御信号を駆動回路54に入力することにより、第2光源22に対する調光制御を開始し、入力された第2信号の表す調光度に応じた明るさに、第2光源22の明るさを変化させる。
【0089】
このように、待機時間は、第1信号及び第2信号のうちの先に入力される信号に対してのみ設定し、後から入力される信号については、調光信号の受信を完了したタイミングで調光制御を開始してもよい。これにより、例えば、第2信号が第1信号の後に入力される場合にも、第2光源22の調光開始のタイミングを、第1光源21の調光開始のタイミングと近づけることができる。例えば、第2光源22の調光開始のタイミングを、第1光源21の調光開始のタイミングと実質的に同じとすることができる。従って、第1光源21及び第2光源22の一方の明るさのみが変化する期間が生じることをより確実に抑制することができる。調光制御及び調色制御の際の、光源部12から照射する光の色の不自然な変化をより確実に抑制することができる。
【0090】
なお、上記実施形態では、第1光源21及び第2光源22の2つの光源を有する照明器具2を示している。照明器具2は、これに限ることなく、3つ以上の光源を有していてもよい。例えば、赤色の光を照射する光源と、緑色の光を照射する光源と、青色の光を照射する光源と、を有し、3つの色の光を混光させて様々な色の光を照射する構成において、3つの光源のそれぞれの調光開始から調光終了までの時間を所定時間Tpとしてもよい。
【0091】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0092】
2…照明器具、10…点灯装置、12…光源部、21…第1光源、22…第2光源、30…電源部、31…第1変換回路、32…第2変換回路、34…制御部、40…フィルタ回路、42…整流回路、44…突入防止回路、46…力率改善回路、48…平滑コンデンサ、50…制御用電源回路、51…降圧回路、52~54…駆動回路、55、56…出力コンデンサ、57、58…検出抵抗
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7