(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-25
(45)【発行日】2024-07-03
(54)【発明の名称】エレベータ用巻上機ユニット、巻上機及びエレベータ
(51)【国際特許分類】
B66B 11/08 20060101AFI20240626BHJP
B66B 5/02 20060101ALI20240626BHJP
【FI】
B66B11/08 A
B66B5/02 Z
(21)【出願番号】P 2023110106
(22)【出願日】2023-07-04
【審査請求日】2023-07-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000112705
【氏名又は名称】フジテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】脇坂 和樹
【審査官】八板 直人
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/186222(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第109911746(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第101712432(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 11/08
B66B 5/00-5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
かごロープが外周部に巻き掛けられる綱車を有する巻上機と、
前記綱車を手動で回転させるためのハンドル具と、を備える、エレベータ用巻上機ユニットであって、
前記巻上機は、
軸方向へ延びる固定軸を有する固定体と、
前記固定軸に回転可能に接続され、前記綱車が外周部に固定される回転体と、を備え、
前記ハンドル具は、
回転操作されるハンドルと、
前記ハンドルと一体となって回転するハンドル歯車と、を備え、
前記回転体は、前記ハンドル歯車が回転することによって回転するように、前記ハンドル歯車と噛み合う回転歯車を備える、エレベータ用巻上機ユニット
であって、
前記回転体は、
前記綱車が外周部に固定される第1筒部と、
前記第1筒部よりも前記軸方向の一方側に配置され、前記第1筒部と一体となって回転する第2筒部と、
前記第2筒部の外周部及び内周部のうち、一方に固定される永久磁石と、を備え、
前記固定体は、前記永久磁石と隙間を有して径方向で対面して配置されるコイル部を備え、
前記回転歯車は、前記第2筒部に固定され、
前記回転歯車は、径方向視にて前記永久磁石と重なるように、前記第2筒部の外周部及び内周部のうち、他方に固定される、エレベータ用巻上機ユニット。
【請求項2】
かごロープが外周部に巻き掛けられる綱車を有する巻上機と、
前記綱車を手動で回転させるためのハンドル具と、を備える、エレベータ用巻上機ユニットであって、
前記巻上機は、
軸方向へ延びる固定軸を有する固定体と、
前記固定軸に回転可能に接続され、前記綱車が外周部に固定される回転体と、を備え、
前記ハンドル具は、
回転操作されるハンドルと、
前記ハンドルと一体となって回転するハンドル歯車と、を備え、
前記回転体は、前記ハンドル歯車が回転することによって回転するように、前記ハンドル歯車と噛み合う回転歯車を備える、エレベータ用巻上機ユニットであって、
前記回転体は、
前記綱車が外周部に固定される第1筒部と、
前記第1筒部よりも前記軸方向の一方側に配置され、前記第1筒部と一体となって回転する第2筒部と、
前記第2筒部の外周部及び内周部のうち、一方に固定される永久磁石と、を備え、
前記固定体は、前記永久磁石と隙間を有して径方向で対面して配置されるコイル部を備え、
前記第2筒部の内径は、前記第1筒部の内径よりも、大きく、
前記回転歯車は、前記第2筒部
の内周部に固定される
、エレベータ用巻上機ユニット。
【請求項3】
前記巻上機は、前記第1筒部の内周部と前記固定軸の外周部とを接続する軸受をさらに備え
、
前記永久磁石は、前記第2筒部の外周部に固定され、
前記回転体は、前記第1筒部の内周部から前記第2筒部の内周部まで連続する連続面を備え、
前記回転歯車は
、前記第2筒部の内周部から径方向の内側へ向けて突出する、請求項
2に記載のエレベータ用巻上機ユニット。
【請求項4】
前記第1筒部は、前記固定軸が挿入され、
前記固定軸は、筒状に形成され、
前記回転体は、
前記固定軸に挿入される回転軸と、
前記回転軸と前記第1筒部とを接続する軸接続部と、を備え、
前記巻上機は、前記回転軸の外周部と前記固定軸の内周部とを接続する軸受をさらに備え
、
前記永久磁石は、前記第2筒部の外周部に固定され、
前記回転体は、前記回転軸の外周部から、前記軸接続部の内側部及び前記第1筒部の内周部を経由して、前記第2筒部の内周部まで連続する連続面を備え、
前記回転歯車は
、前記第2筒部の内周部から径方向の内側へ向けて突出する、請求項
2に記載のエレベータ用巻上機ユニット。
【請求項5】
請求項1~
4の何れか1項に記載のエレベータ用巻上機ユニットに用いられる、巻上機。
【請求項6】
請求項
5に記載の巻上機を備える、エレベータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、エレベータ用巻上機ユニット、巻上機及びエレベータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、エレベータの巻上機は、軸方向へ延びる固定軸を有する固定体と、固定軸に回転可能に接続され、綱車が外周部に固定される回転体とを備えている(例えば、特許文献1)。ところで、例えば、停電時に、綱車が回転できないため、綱車を手動で回転させる必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、課題は、綱車を手動で回転させることができるエレベータ用巻上機ユニット、巻上機及びエレベータを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[1]
エレベータ用巻上機ユニットは、
かごロープが外周部に巻き掛けられる綱車を有する巻上機と、
前記綱車を手動で回転させるためのハンドル具と、を備える、エレベータ用巻上機ユニットであって、
前記巻上機は、
軸方向へ延びる固定軸を有する固定体と、
前記固定軸に回転可能に接続され、前記綱車が外周部に固定される回転体と、を備え、
前記ハンドル具は、
回転操作されるハンドルと、
前記ハンドルと一体となって回転するハンドル歯車と、を備え、
前記回転体は、前記ハンドル歯車が回転することによって回転するように、前記ハンドル歯車と噛み合う回転歯車を備える。
【0006】
[2]
また、上記[1]のエレベータ用巻上機ユニットにおいては、
前記回転体は、
前記綱車が外周部に固定される第1筒部と、
前記第1筒部よりも前記軸方向の一方側に配置され、前記第1筒部と一体となって回転する第2筒部と、
前記第2筒部の外周部及び内周部のうち、一方に固定される永久磁石と、を備え、
前記固定体は、前記永久磁石と隙間を有して径方向で対面して配置されるコイル部を備え、
前記回転歯車は、前記第2筒部に固定される、
という構成でもよい。
【0007】
[3]
また、上記[2]のエレベータ用巻上機ユニットにおいては、
前記回転歯車は、径方向視にて前記永久磁石と重なるように、前記第2筒部の外周部及び内周部のうち、他方に固定される、
という構成でもよい。
【0008】
[4]
また、上記[2]又は[3]のエレベータ用巻上機ユニットにおいては、
前記巻上機は、前記第1筒部の内周部と前記固定軸の外周部とを接続する軸受をさらに備え、
前記第2筒部の内径は、前記第1筒部の内径よりも、大きく、
前記永久磁石は、前記第2筒部の外周部に固定され、
前記回転体は、前記第1筒部の内周部から前記第2筒部の内周部まで連続する連続面を備え、
前記回転歯車は、前記第2筒部の内周部に固定され、前記第2筒部の内周部から径方向の内側へ向けて突出する、
という構成でもよい。
【0009】
[5]
また、上記[2]又は[3]のエレベータ用巻上機ユニットにおいては、
前記第1筒部は、前記固定軸が挿入され、
前記固定軸は、筒状に形成され、
前記回転体は、
前記固定軸に挿入される回転軸と、
前記回転軸と前記第1筒部とを接続する軸接続部と、を備え、
前記巻上機は、前記回転軸の外周部と前記固定軸の内周部とを接続する軸受をさらに備え、
前記第2筒部の内径は、前記第1筒部の内径よりも、大きく、
前記永久磁石は、前記第2筒部の外周部に固定され、
前記回転体は、前記回転軸の外周部から、前記軸接続部の内側部及び前記第1筒部の内周部を経由して、前記第2筒部の内周部まで連続する連続面を備え、
前記回転歯車は、前記第2筒部の内周部に固定され、前記第2筒部の内周部から径方向の内側へ向けて突出する、
という構成でもよい。
【0010】
[6]
また、巻上機は、上記[1]~[5]の何れか一つのエレベータ用巻上機ユニットに用いられる、という構成でもよい。
【0011】
[7]
また、エレベータは、上記[6]の巻上機を備える、という構成でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図6】同実施形態に係る巻上機ユニットの図であって、巻上機の縦断面図及びハンドル具の側面図
【
図7】同実施形態に係る巻上機の縦断面図及びハンドル具の側面図であって、巻上機の回転歯車とハンドル具のハンドル歯車とが噛み合った状態を示す図
【発明を実施するための形態】
【0013】
各図面において、構成要素の寸法は、例えば、理解を容易にするために、実際の寸法に対して拡大、縮小して示す場合があり、また、各図面の間での寸法比は、一致していない場合がある。なお、各図面において、例えば、理解を容易にするために、構成要素の一部を省略して示す場合がある。
【0014】
第1、第2等の序数を含む用語は、多様な構成要素を説明するために用いられるが、この用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ用いられ、構成要素は、この用語によって特に限定されるものではない。なお、序数を含む構成要素の個数は、特に限定されず、例えば、一つでもよい場合がある。また、以下の明細書及び図面で用いられる序数は、特許請求の範囲に記載された序数と異なる場合がある。
【0015】
以下、エレベータ、巻上機及びエレベータ用巻上機ユニットにおける一実施形態について、
図1~
図7を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、エレベータ、巻上機及びエレベータ用巻上機ユニットの構成等の理解を助けるために例示するものであり、エレベータ、巻上機及びエレベータ用巻上機ユニットの構成を限定するものではない。
【0016】
図1に示すように、エレベータ1は、例えば、人(乗客)が乗るためのかご2と、かご2に接続されるかごロープ3と、かごロープ3に接続される釣合錘4と、かごロープ3を駆動してかご2及び釣合錘4を上下方向D3へ走行させる巻上機10と、かご2を案内するかごレール5と、釣合錘4を案内する錘レール6と、エレベータ1の各部を制御する処理部7とを備えていてもよい。
【0017】
なお、本実施形態に係るエレベータ1は、巻上機10を機械室X2の内部に配置する、という構成であるが、斯かる構成に限られない。例えば、機械室X2が備えられておらず、エレベータ1は、巻上機10を昇降路X1の内部に配置する、という構成でもよい。
【0018】
また、本実施形態においては、かごロープ3の第1端部がかご2に接続され、かごロープ3の第2端部が釣合錘4に接続されている、という構成であるが、斯かる構成に限られない。例えば、かごロープ3の両端部がそれぞれ昇降路X1の上部又は下部に固定され、かごロープ3がかご2のシーブ及び釣合錘4のシーブにそれぞれ巻き掛けられることによって、かごロープ3がかご2及び釣合錘4にそれぞれ接続されている、という構成でもよい。
【0019】
なお、各図において、第1方向D1は、第1横方向D1であり、第2方向D2は、第1横方向D1と直交する横方向である第2横方向D2であり、第3方向D3は、各横方向D1,D2とそれぞれ直交する上下方向D3であり、かご2及び釣合錘4が昇降する昇降方向である。
【0020】
エレベータ1は、例えば、本実施形態のように、かご2の走行速度を検出する調速機8を備えていてもよい。また、かご2は、例えば、本実施形態のように、人が乗るかご室2aと、かご室2aの周囲に配置され、かご室2aに固定されるかご枠2bと、かごレール5にかご2を停止させる停止装置2cとを備えていてもよい。
【0021】
調速機8は、例えば、本実施形態のように、かご2に接続される無端環状のガバナロープ8aと、かご2の速度を検出するために、ガバナロープ8aが巻き掛けられるガバナ車8bと、ガバナロープ8aに張力を付与するために、ガバナロープ8aに吊り下げられる張り車8cと、ガバナロープ8aを把持する把持部8dとを備えていてもよい。これにより、調速機8は、ガバナ車8bの回転速度に基づいて、かご2の走行速度を検出する。
【0022】
図2及び
図3に示すように、巻上機10は、例えば、かごロープ3が巻き掛けられる綱車11と、綱車11を回転させる電動機12と、綱車11を制動する制動部13とを備えていてもよい。制動部13の個数は、特に限定されず、例えば、本実施形態のように、複数(
図2においては、三つ)備えていてもよい。
【0023】
電動機12は、例えば、本実施形態のように、昇降路X1や機械室X2(
図1参照)の躯体に固定される固定体20と、軸方向D1へ延びる軸心12aを中心に回転する回転体30と、回転体30が固定体20に対して回転可能となるように、回転体30を固定体20に接続する軸受14とを備えていてもよい。
【0024】
図3及び
図4に示すように、回転体30は、綱車11が外周部に固定される筒体31と、筒体31の外周部から径方向の外側へ向けて突出し、制動部13に制動される環状のディスク32とを備えていてもよい。そして、例えば、制動部13がディスク32に加圧して接し、制動部13とディスク32との間に摩擦力が発生することによって、制動部13は、綱車11を制動する、という構成でもよい。
【0025】
筒体31は、例えば、本実施形態のように、綱車11が外周部33aに固定される円筒状の第1筒部33と、第1筒部33よりも軸方向D1の一方側(
図3~
図7において、右方側)に配置される円筒状の第2筒部34と、第1筒部33と第2筒部34とを接続する環状の回転接続部35とを備えていてもよい。これにより、第1筒部33、第2筒部34及び回転接続部35は、一体となって、軸心12aを軸にして回転する。
【0026】
第1筒部33は、例えば、本実施形態のように、回転体30(筒体31)のうち、軸方向D1の他方側(
図3~
図7において、左方側)の端部に配置されていてもよい。また、第2筒部34は、例えば、本実施形態のように、回転体30(筒体31)のうち、軸方向D1の一方側の端部に配置されていてもよい。
【0027】
第2筒部34の外径は、例えば、本実施形態のように、第1筒部33の外径よりも、大きくてもよい。また、第2筒部34の内径は、例えば、本実施形態のように、第1筒部33の内径よりも、大きくてもよい。
【0028】
そして、例えば、本実施形態のように、第1筒部33の内周部33b及び回転接続部35の内側部35aは、連続しており、回転接続部35の内側部35a及び第2筒部34の内周部34bは、連続している、という構成でもよい。これにより、回転体30(筒体31)は、第1筒部33の内周部33bから、回転接続部35の内側部35aを経由して、第2筒部34の内周部34bまで連続する連続面30aを備えている。
【0029】
固定体20は、例えば、本実施形態のように、軸方向D1へ延びる筒状の固定軸21と、固定軸21よりも軸方向D1の一方側に配置され、軸方向D1へ延びる筒状の軸ベース部22と、固定軸21と軸ベース部22とを接続する環状の固定接続部23と、軸方向D1視にて回転体30を覆う環状の軸カバー部24と、径方向(回転体30、筒体31及び各筒部33,34の半径方向)視にて回転体30を覆う筒状の径カバー部25とを備えていてもよい。
【0030】
固定軸21は、例えば、本実施形態のように、第1筒部33の内部に挿入されていてもよい。そして、軸受14は、例えば、本実施形態のように、第1筒部33の内周部33bと固定軸21の外周部21aとを接続していてもよい。特に限定されないが、軸受14は、例えば、本実施形態のように、油(例えば、潤滑油)が封入された軸受(例えば、ベアリング)であってもよい。
【0031】
軸ベース部22は、例えば、本実施形態のように、第2筒部34の内部に挿入されていてもよい。これにより、電動機12は、軸受14から第2筒部34の内周部34bまで連続した空間(隙間)を有している。なお、当該空間は、電動機12の外部まで連続している。また、軸ベース部22の外径は、例えば、本実施形態のように、固定軸21の外径よりも、大きくてもよい。
【0032】
軸カバー部24は、例えば、本実施形態のように、軸ベース部22に連結されていてもよい。そして、軸カバー部24は、例えば、本実施形態のように、第2筒部34よりも、軸方向D1の一方側に配置されていてもよい。これにより、軸カバー部24は、軸方向D1の一方側から、第2筒部34を覆っている。
【0033】
径カバー部25は、例えば、本実施形態のように、軸カバー部24に連結されていてもよい。そして、径カバー部25は、例えば、本実施形態のように、第2筒部34よりも、径方向の外側に配置されていてもよい。これにより、径カバー部25は、径方向の外側から、第2筒部34を覆っている。
【0034】
また、例えば、本実施形態のように、回転体30は、第2筒部34の外周部34aに固定される永久磁石36を備えており、固定体20は、永久磁石36と隙間を有して径方向で対面して配置されるコイル部26とを備えている、という構成でもよい。これにより、コイル部26に電流が流れることによって、永久磁石36がコイル部26から力を受けるため、回転体30は、回転する。
【0035】
ところで、このとき、コイル部26から熱が発生し、当該熱は、隙間を介して、回転体30の第2筒部34に伝導される。その後、例えば、コイル部26への電流が停止したときに、当該熱は、主に、回転体30の第2筒部34から放出される。それに対して、回転体30は、例えば、本実施形態のように、第2筒部34の内周部34bに固定される歯車(以下、「回転歯車」ともいう)37を備えていてもよい。
【0036】
これにより、回転歯車37が、平坦な円周曲面と比較して、大きい表面積を有するため、コイル部26から回転体30に伝導された熱を放出する部分(放熱部)の表面積は、大きくなる。したがって、コイル部26から回転体30に伝導された熱を、第2筒部34及び回転歯車37から効果的に放出することができる。
【0037】
また、回転歯車37は、例えば、本実施形態のように、径方向視にて永久磁石36と重なるように、配置されていてもよい。これにより、永久磁石36だけでなく、回転歯車37が、第2筒部34に固定されていても、第2筒部34の軸方向D1の長さが長くなることを抑制することができる。
【0038】
ところで、
図5に示すように、軸受14から油が漏れる場合がある。斯かる場合には、回転体30の連続面30aが、第1筒部33の内周部33bから第2筒部34の内周部34bまで連続しているため、油は、連続面30aを流れて、第2筒部34の内周部34bまで流れる(
図5の二点鎖線参照)。特に、回転体30の回転が停止している場合に、油は、第2筒部34の内周部34bの下方側へ流れる。
【0039】
それに対して、回転歯車37は、例えば、本実施形態のように、第2筒部34の周方向(軸心12a(軸方向D1)回りの方向)の全域に亘って、第2筒部34の内周部34bから径方向の内側へ向けて突出していてもよい。これにより、回転歯車37が油の流れを止めるため、例えば、油が永久磁石36、コイル部26及びディスク32まで流れることを抑制することができる。
【0040】
なお、回転歯車37と第2筒部34(回転体30)とを固定する構成は、特に限定されない。例えば、回転歯車37は、第2筒部34と別部材であって、回転歯車37及び第2筒部34は、固定手段(例えば、ボルト及びナット等による締結手段、溶接による接合手段)によって、固定されている、という構成でもよい。また、例えば、回転歯車37及び第2筒部34は、一体成形され、回転歯車37は、第2筒部34と一部材(同じ部材)である、という構成でもよい。
【0041】
そして、
図6及び
図7に示すように、巻上機10は、例えば、エレベータ用巻上機ユニット(以下、単に、「巻上機ユニット」ともいう)50を構成していてもよい。そして、巻上機ユニット50は、例えば、本実施形態のように、巻上機10と、巻上機10と分離可能であって、巻上機10の綱車11を手動で回転させるためのハンドル具51とを備えていてもよい。
【0042】
ハンドル具51は、例えば、本実施形態のように、回転するように操作されるハンドル52と、ハンドル52に固定されるハンドル軸部53と、ハンドル軸部53に固定され、巻上機10の回転歯車37と噛み合う歯車(以下、「ハンドル歯車」という)54とを備えていてもよい。これにより、ハンドル52、ハンドル軸部53及びハンドル歯車54は、軸方向D1を軸にして、一体となって回転する。
【0043】
ハンドル52の構成は、特に限定されない。ハンドル52は、例えば、棒状に形成されていてもよく、また、例えば、環状に形成されていてもよい。
【0044】
ハンドル軸部53は、例えば、本実施形態のように、円柱状又は円筒状に形成されていてもよい。そして、ハンドル軸部53の外径は、例えば、本実施形態のように、ハンドル歯車54の外径(具体的には、最大外径)よりも、大きくてもよい。
【0045】
巻上機10は、例えば、本実施形態のように、ハンドル具51を回転可能に支持するハンドル支持部27を備えていてもよい。ハンドル支持部27は、例えば、本実施形態のように、固定体20の軸カバー部24を、軸方向D1へ貫通する貫通孔であってもよい。
【0046】
特に限定されないが、ハンドル支持部27は、例えば、本実施形態のように、ハンドル軸部53の外径よりも僅かに大きい内径である円孔であってもよい。そして、回転歯車37は、例えば、本実施形態のように、軸方向D1視にて、ハンドル支持部27の内周から一部が突出するように、配置されていてもよい。
【0047】
次に、本実施形態の巻上機ユニット50における手動による綱車11の回転方法について、説明する。なお、以下の方法は、巻上機ユニット50における手動による綱車11の回転方法の理解を助けるために例示するものであり、巻上機ユニット50における手動による綱車11の回転方法を限定するものではない。
【0048】
まず、巻上機10が通常の運転を行っている場合には、
図6に示すように、ハンドル具51は、巻上機10から分離されている。そして、例えば、停電になった場合には、ハンドル歯車54が、ハンドル支持部27を通過し、ハンドル軸部53が、ハンドル支持部27に挿入される。これにより、
図7に示すように、ハンドル軸部53は、ハンドル支持部27に回転可能に支持され、ハンドル歯車54は、回転歯車37と噛み合う。
【0049】
そして、例えば、制動部13(
図2及び
図3参照)の制動が解除され、ハンドル52が手動で回転されることによって、ハンドル軸部53及びハンドル歯車54が回転し、それに伴って、回転体30は、回転する。これにより、綱車11が回転するため、例えば、停電時でも、綱車11を手動で適切に回転させることができる。
【0050】
以上より、エレベータ用巻上機ユニット50は、本実施形態のように、
かごロープ3が外周部に巻き掛けられる綱車11を有する巻上機10と、
前記綱車11を手動で回転させるためのハンドル具51と、を備える、エレベータ用巻上機ユニット50であって、
前記巻上機10は、
軸方向D1へ延びる固定軸21を有する固定体20と、
前記固定軸21に回転可能に接続され、前記綱車11が外周部に固定される回転体30と、を備え、
前記ハンドル具51は、
回転操作されるハンドル52と、
前記ハンドル52と一体となって回転するハンドル歯車54と、を備え、
前記回転体30は、前記ハンドル歯車54が回転することによって回転するように、前記ハンドル歯車54と噛み合う回転歯車37を備える、
という構成が好ましい。
【0051】
斯かる構成によれば、ハンドル52が手動で回転されることによって、ハンドル歯車54は、ハンドル52と一体となって回転する。そして、ハンドル歯車54が、回転歯車37と噛み合うため、回転体30は、回転する。これにより、綱車11が回転するため、綱車11を手動で回転させることができる。
【0052】
また、エレベータ用巻上機ユニット50においては、本実施形態のように、
前記回転体30は、
前記綱車11が外周部33aに固定される第1筒部33と、
前記第1筒部33よりも前記軸方向D1の一方側に配置され、前記第1筒部33と一体となって回転する第2筒部34と、
前記第2筒部34の外周部34a及び内周部34bのうち、一方(本実施形態においては、外周部34a)に固定される永久磁石36と、を備え、
前記固定体20は、前記永久磁石36と隙間を有して径方向で対面して配置されるコイル部26を備え、
前記回転歯車37は、前記第2筒部34に固定される、
という構成が好ましい。
【0053】
斯かる構成によれば、永久磁石36が、第2筒部34の外周部34a及び内周部34bのうち、一方(本実施形態においては、外周部34a)に固定され、コイル部26は、永久磁石36と隙間を有して、径方向で対面して配置されている。これにより、コイル部26に電流が流れることによって、永久磁石36がコイル部26から力を受けるため、回転体30は、回転する。
【0054】
このとき、コイル部26から発生した熱が、回転体30の第2筒部34に伝導され、その後、当該熱は、主に、回転体30の第2筒部34から放出される。それに対して、大きい表面積を有する回転歯車37が、第2筒部34に固定されているため、コイル部26から回転体30に伝導された熱を放出する部分の表面積を、大きくすることができる。
【0055】
また、エレベータ用巻上機ユニット50においては、本実施形態のように、
前記回転歯車37は、径方向視にて前記永久磁石36と重なるように、前記第2筒部34の外周部34a及び内周部34bのうち、他方(本実施形態においては、内周部34b)に固定される、
という構成が好ましい。
【0056】
斯かる構成によれば、回転歯車37が、第2筒部34の外周部34a及び内周部34bのうち、他方(本実施形態においては、内周部34b)に固定されているため、回転歯車37は、径方向視にて永久磁石36と重なっている。これにより、永久磁石36だけでなく回転歯車37も第2筒部34に固定されていても、第2筒部の軸方向D1の長さが長くなることを抑制することができる。
【0057】
また、エレベータ用巻上機ユニット50においては、本実施形態のように、
前記巻上機10は、前記第1筒部33の内周部33bと前記固定軸21の外周部21aとを接続する軸受14をさらに備え、
前記第2筒部34の内径は、前記第1筒部33の内径よりも、大きく、
前記永久磁石36は、前記第2筒部34の外周部34aに固定され、
前記回転体30は、前記第1筒部33の内周部33bから前記第2筒部34の内周部34bまで連続する連続面30aを備え、
前記回転歯車37は、前記第2筒部34の内周部34bに固定され、前記第2筒部34の内周部34bから径方向の内側へ向けて突出する、
という構成が好ましい。
【0058】
斯かる構成によれば、回転体30の連続面30aが、第1筒部33の内周部33bから第2筒部34の内周部34bまで連続しているため、軸受14から漏れた油は、連続面30aを流れて、第2筒部34の内周部34bまで流れる。それに対して、回転歯車37が、第2筒部34の内周部34bから径方向の内側へ向けて突出している。これにより、回転歯車37によって油の流れを止めることができる。
【0059】
また、巻上機10は、本実施形態のように、前記のエレベータ用巻上機ユニット50に用いられる、という構成が好ましい。
【0060】
斯かる構成によれば、綱車11を手動で回転させることができる。
【0061】
また、エレベータ1は、本実施形態のように、前記の巻上機10を備える、という構成が好ましい。
【0062】
斯かる構成によれば、綱車11を手動で回転させることができる。
【0063】
なお、エレベータ1、巻上機10及びエレベータ用巻上機ユニット50は、上記した実施形態の構成に限定されるものではなく、また、上記した作用効果に限定されるものではない。また、エレベータ1、巻上機10及びエレベータ用巻上機ユニット50は、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、下記する各種の変更例に係る構成や方法等を任意に一つ又は複数選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
【0064】
(A)上記実施形態に係る巻上機10においては、軸受14は、第1筒部33の内周部33bと固定軸21の外周部21aとを接続している、という構成である。しかしながら、巻上機10は、斯かる構成に限られない。
【0065】
例えば、
図8及び
図9に示すように、第1筒部33は、固定軸21が挿入され、固定軸21は、筒状に形成され、回転体30は、固定軸21に挿入される回転軸38と、固定軸21よりも軸方向D1の他方側(
図8及び
図9の左方側)に配置され、回転軸38及び第1筒部33のそれぞれの軸方向D1の他方側端部同士を接続する軸接続部39と、を備え、軸受14は、回転軸38の外周部38aと固定軸21の内周部21bとを接続する、という構成でもよい。
【0066】
(A-1)ここで、
図8及び
図9に示す巻上機10について、以下に説明する。
【0067】
図8及び
図9に示すように、例えば、回転軸38の外周部38a及び軸接続部39の内側部39aは、連続しており、軸接続部39の内側部39a及び第1筒部33の内周部33bは、連続しており、第1筒部33の内周部33b及び回転接続部35の内側部35aは、連続しており、回転接続部35の内側部35a及び第2筒部34の内周部34bは、連続している、という構成でもよい。
【0068】
これにより、回転体30(筒体31)は、回転軸38の外周部38aから、軸接続部39の内側部39a、第1筒部33の内周部33b及び回転接続部35の内側部35aを経由して、第2筒部34の内周部34bまで連続する連続面30aを備えている。また、例えば、
図8及び
図9に示すように、第2筒部34の外径は、第1筒部33の外径よりも、大きくなっていてもよい。
【0069】
そして、
図9に示すように、軸受14から油が漏れる場合がある。斯かる場合には、回転体30の連続面30aが、回転軸38の外周部38aから第2筒部34の内周部34bまで連続しているため、油は、連続面30aを流れて、第2筒部34の内周部34bまで流れる(
図9の二点鎖線参照)。特に、回転体30の回転が停止している場合に、油は、第2筒部34の内周部34bの下方側へ流れる。
【0070】
それに対して、例えば、
図9に示すように、回転歯車37は、第2筒部34の周方向の全域に亘って、第2筒部34の内周部34bから径方向の内側へ向けて突出していてもよい。これにより、回転歯車37が油の流れを止めるため、例えば、油が永久磁石36、コイル部26及びディスク32まで流れることを抑制することができる。
【0071】
このように、エレベータ用巻上機ユニット50においては、
図8及び
図9のように、
前記第1筒部33は、前記固定軸21が挿入され、
前記固定軸21は、筒状に形成され、
前記回転体30は、
前記固定軸21に挿入される回転軸38と、
前記回転軸38と前記第1筒部33とを接続する軸接続部39と、を備え、
前記巻上機10は、前記回転軸38の外周部38aと前記固定軸21の内周部21bとを接続する軸受14をさらに備え、
前記第2筒部34の内径は、前記第1筒部33の内径よりも、大きく、
前記永久磁石36は、前記第2筒部34の外周部34aに固定され、
前記回転体30は、前記回転軸38の外周部38aから、前記軸接続部39の内側部39a及び前記第1筒部33の内周部33bを経由して、前記第2筒部34の内周部34bまで連続する連続面30aを備え、
前記回転歯車37は、前記第2筒部34の内周部34bに固定され、前記第2筒部34の内周部34bから径方向の内側へ向けて突出する、
という構成が好ましい。
【0072】
斯かる構成によれば、回転体30の連続面30aが、回転軸38の外周部38aから、軸接続部39の内側部39a及び第1筒部33の内周部33bを経由して、第2筒部34の内周部34bまで連続しているため、軸受14から漏れた油は、連続面30aを流れて、第2筒部34の内周部34bまで流れる。それに対して、回転歯車37が、第2筒部34の内周部34bから径方向の内側へ向けて突出している。これにより、回転歯車37によって油の流れを止めることができる。
【0073】
(B)また、上記実施形態に係る巻上機10においては、永久磁石36は、第2筒部34の外周部34aに固定され、コイル部26は、永久磁石36よりも径方向の外側に配置されている、という構成である。しかしながら、巻上機10は、斯かる構成に限られない。例えば、永久磁石36は、第2筒部34の内周部34bに固定され、コイル部26は、永久磁石36よりも径方向の内側に配置されている、という構成でもよい。
【0074】
(C)また、上記実施形態に係る巻上機10においては、回転体30は、永久磁石36を備えており、固定体20は、コイル部26を備えている、という構成である。しかしながら、巻上機10は、斯かる構成に限られない。例えば、固定体20は、永久磁石を備えており、回転体30は、コイル部を備えている、という構成でもよい。
【0075】
(D)また、上記実施形態に係る巻上機10においては、回転歯車37は、径方向視にて永久磁石36と重なるように、第2筒部34に固定されている、という構成である。しかしながら、巻上機10は、斯かる構成に限られない。
【0076】
例えば、回転歯車37は、径方向視にて、永久磁石36から軸方向D1で離れるように、第2筒部34に固定されている、という構成でもよい。斯かる構成においては、例えば、回転歯車37及び永久磁石36は、それぞれ第2筒部34の外周部34aに固定されていてもよく、また、例えば、回転歯車37及び永久磁石36は、それぞれ第2筒部34の内周部34bに固定されていてもよい。
【0077】
(E)また、上記実施形態に係る巻上機10においては、回転歯車37は、第2筒部34の内周部34bに固定され、第2筒部34の内周部34bから径方向の内側へ向けて突出する、という構成である。しかしながら、巻上機10は、斯かる構成に限られない。
【0078】
例えば、回転歯車37は、第2筒部34の内周部34bに固定され、第2筒部34の内周部34bから径方向の外側へ向けて凹む、という構成でもよい。また、回転歯車37は、例えば、第2筒部34の外周部34aに固定されていてもよく、また、例えば、第1筒部33の内周部33bに固定されていてもよく、また、例えば、ディスク32の外周部に固定されていてもよい。
【0079】
(F)また、上記実施形態に係る巻上機10においては、回転体30は、第1筒部33の内周部33bから第2筒部34の内周部34bまで連続する連続面30aを備えている、、という構成である。しかしながら、巻上機10は、斯かる構成に限られない。例えば、回転体30は、第1筒部33の内周部33bと第2筒部34の内周部34bとを分断している、という構成でもよい。
【0080】
(G)また、上記実施形態に係るエレベータ用巻上機ユニット50においては、ハンドル具51は、巻上機10に分離可能である、即ち、巻上機10に着脱可能である、という構成である。しかしながら、エレベータ用巻上機ユニット50は、斯かる構成に限られない。
【0081】
例えば、ハンドル具51は、巻上機10に分離不能に接続されている、という構成でもよい。斯かる構成においては、例えば、巻上機10が通常の運転を行っている場合に、綱車11が回転することに伴って、ハンドル具51も回転する、という構成でもよい。
【0082】
また、例えば、ハンドル具51が巻上機10から完全に離すことはできない一方で、ハンドル具51は、巻上機10に対して移動可能である、という構成でもよい。斯かる構成においては、ハンドル具51が、巻上機10に対して移動することによって、回転歯車37とハンドル歯車54とは、噛み合う状態と離れる状態とに切り替え可能である、という構成でもよい。
【0083】
(H)なお、例えば、特許請求の範囲、明細書及び図面において示した方法及び装置における動作、手順、ステップ、及び段階等の各工程の実行順序は、前の工程の結果物を後の工程で用いるものでない限り、任意の順序で実現できる。例えば、便宜上、「まず」、「次に」等を用いて説明したとしても、この順で実行することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0084】
1…エレベータ、2…かご、2a…かご室、2b…かご枠、2c…停止装置、3…かごロープ、4…釣合錘、5…かごレール、6…錘レール、7…処理部、8…調速機、8a…ガバナロープ、8b…ガバナ車、8c…張り車、8d…把持部、10…巻上機、11…綱車、12…電動機、12a…軸心、13…制動部、14…軸受、20…固定体、21…固定軸、21a…外周部、21b…内周部、22…軸ベース部、23…固定接続部、24…軸カバー部、25…径カバー部、26…コイル部、27…ハンドル支持部、30…回転体、30a…連続面、31…筒体、32…ディスク、33…第1筒部、33a…外周部、33b…内周部、34…第2筒部、34a…外周部、34b…内周部、35…回転接続部、35a…内側部、36…永久磁石、37…回転歯車、38…回転軸、38a…外周部、39…軸接続部、39a…内側部、50…エレベータ用巻上機ユニット、51…ハンドル具、52…ハンドル、53…ハンドル軸部、54…ハンドル歯車、D1…第1横方向(軸方向)、D2…第2横方向、D3…上下方向、X1…昇降路、X2…機械室
【要約】
【課題】 綱車を手動で回転させることができるエレベータ用巻上機ユニットを提供する。
【解決手段】 エレベータ用巻上機ユニットは、かごロープが外周部に巻き掛けられる綱車を有する巻上機と、綱車を手動で回転させるためのハンドル具と、を備える、エレベータ用巻上機ユニットであって、巻上機は、軸方向へ延びる固定軸を有する固定体と、固定軸に回転可能に接続され、綱車が外周部に固定される回転体と、を備え、ハンドル具は、回転操作されるハンドルと、ハンドルと一体となって回転するハンドル歯車と、を備え、回転体は、ハンドル歯車が回転することによって回転するように、ハンドル歯車と噛み合う回転歯車を備える。
【選択図】
図7