(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-25
(45)【発行日】2024-07-03
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
H01L 29/12 20060101AFI20240626BHJP
H01L 29/78 20060101ALI20240626BHJP
C30B 25/04 20060101ALI20240626BHJP
C30B 29/16 20060101ALI20240626BHJP
H01L 29/24 20060101ALI20240626BHJP
H01L 29/739 20060101ALI20240626BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20240626BHJP
H01L 29/872 20060101ALI20240626BHJP
H01L 21/329 20060101ALI20240626BHJP
H01L 21/365 20060101ALI20240626BHJP
H01L 21/368 20060101ALI20240626BHJP
【FI】
H01L29/78 652T
C30B25/04
C30B29/16
H01L29/24
H01L29/78 652C
H01L29/78 655A
H01L29/78 658E
H01L29/86 301D
H01L29/86 301P
H01L21/365
H01L21/368 Z
(21)【出願番号】P 2020010928
(22)【出願日】2020-01-27
【審査請求日】2023-01-24
(73)【特許権者】
【識別番号】511187214
【氏名又は名称】株式会社FLOSFIA
(72)【発明者】
【氏名】大島 孝仁
【審査官】石塚 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-100592(JP,A)
【文献】特開2018-002544(JP,A)
【文献】特開2000-164891(JP,A)
【文献】特開2001-230410(JP,A)
【文献】特開2008-288461(JP,A)
【文献】国際公開第2020/004250(WO,A1)
【文献】特開2004-349509(JP,A)
【文献】特開2008-243843(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 29/78
H01L 29/12
C30B 25/04
C30B 29/16
H01L 29/24
H01L 29/739
H01L 21/336
H01L 29/872
H01L 21/329
H01L 21/365
H01L 21/368
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁体基板と、誘電体膜と、半導体層とを含む縦型半導体装置であって、前記絶縁体基板上に、前記誘電体膜及び前記半導体層が積層されており、前記絶縁体基板が、前記半導体層と同じ結晶構造を有する結晶基板であ
り、前記誘電体膜がc軸方向に延びていることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
絶縁体基板と、誘電体膜と、半導体層とを含む縦型半導体装置であって、前記絶縁体基板上に、前記誘電体膜及び前記半導体層が積層されており、前記絶縁体基板が、前記半導体層と同じ結晶構造を有する結晶基板であり、前記誘電体膜がゲート絶縁膜であることを特徴とする半導体装置。
【請求項3】
前記半導体層が、横方向成長層である請求項1
または2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記半導体層が、第1の半導体領域と第2の半導体領域とを含み、前記第1の半導体領域が、前記誘電体膜と接合しており、前記第2の半導体領域が前記第1の半導体領域よりも転位を多く含む請求項1
~3のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項5】
前記半導体層の厚さが1μm以上である、請求項1~4のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項6】
前記半導体層がコランダム構造を有する、請求項1~5のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項7】
前記半導体層が少なくともガリウムを含む、請求項1~6のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項8】
絶縁体基板と、誘電体膜と、第1の半導体層と、第2の半導体層とを含む縦型半導体装置であって、前記絶縁体基板上に、前記誘電体膜と、前記第1の半導体層と、前記第2の半導体層とが積層されており、前記絶縁体基板が、前記第1の半導体層と同じ結晶構造を有する結晶基板であ
り、前記第1の半導体層はc軸を含む結晶構造を有しており、前記誘電体膜が前記c軸方向に延びていることを特徴とする半導体装置。
【請求項9】
絶縁体基板と、誘電体膜と、第1の半導体層と、第2の半導体層とを含む縦型半導体装置であって、前記絶縁体基板上に、前記誘電体膜と、前記第1の半導体層と、前記第2の半導体層とが積層されており、前記絶縁体基板が、前記第1の半導体層と同じ結晶構造を有する結晶基板であり、前記誘電体膜がゲート絶縁膜であることを特徴とする半導体装置。
【請求項10】
前記第1の半導体層が第1の半導体領域と第2の半導体領域とを含み、前記第2の半導体層が第1の半導体領域と第2の半導体領域とを含み、前記第1の半導体層の前記第1の半導体領域が前記誘電体膜と接合されており、前記第1の半導体層において前記第1の半導体領域が前記第2の半導体領域よりも転位が少ないことを特徴とする請求項
8または
9に記載の半導体装置。
【請求項11】
MOSFETである請求項1~
10のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項12】
パワーデバイスである請求項1~
11のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項13】
半導体装置を備える半導体システムであって、前記半導体装置が、請求項1~
12のいずれかに記載の半導体装置であることを特徴とする半導体システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パワーデバイス等に有用な半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
高耐圧、低損失および高耐熱を実現できる次世代のスイッチング素子として、バンドギャップの大きな酸化ガリウム(Ga2O3)を用いた半導体装置が注目されており、インバータなどの電力用半導体装置への適用が期待されている。また、広いバンドギャップからLEDやセンサー等の受発光装置としての幅広い応用も期待されている。特に、酸化ガリウムの中でもコランダム構造を有するα―Ga2O3等は、非特許文献1によると、インジウムやアルミニウムをそれぞれ、あるいは組み合わせて混晶とすることによりバンドギャップ制御することが可能であり、InAlGaO系半導体として極めて魅力的な材料系統を構成している。ここでInAlGaO系半導体とはInXAlYGaZO3(0≦X≦2、0≦Y≦2、0≦Z≦2、X+Y+Z=1.5~2.5)を示し(特許文献9等)、酸化ガリウムを内包する同一材料系統として俯瞰することができる。
【0003】
しかしながら、酸化ガリウムは、最安定相がβガリア構造であるので、特殊な成膜法を用いなければ、準安定相であるコランダム構造の結晶膜を成膜することが困難であり、例えば、ヘテロエピタキシャル成長等に結晶成長条件が制約されることも多く、そのため、転位密度が高くなる傾向がある。また、コランダム構造の結晶膜に限らず、成膜レートや結晶品質の向上、クラックや異常成長の抑制、ツイン抑制、反りによる基板の割れ等においてもまだまだ課題が数多く存在している。このような状況下、現在、コランダム構造を有する結晶性半導体の成膜について、いくつか検討がなされている。
【0004】
特許文献1には、ガリウム又はインジウムの臭化物又はヨウ化物を用いて、ミストCVD法により、酸化物結晶薄膜を製造する方法が記載されている。特許文献2~4には、コランダム型結晶構造を有する下地基板上に、コランダム型結晶構造を有する半導体層と、コランダム型結晶構造を有する絶縁膜とが積層された多層構造体が記載されている。また、特許文献5~7のように、ELO基板やボイド形成を用いて、ミストCVDによる成膜も検討されている。
特許文献8には、少なくとも、ガリウム原料と酸素原料とを用いて、ハライド気相成長法(HVPE法)により、コランダム構造を有する酸化ガリウムを成膜することが記載されている。また、特許文献10および11には、PSS基板を用いて、ELO結晶成長を行い、表面積は9μm2以上であり、転移密度が5×106cm-2の結晶膜を得ることが記載されている。しかしながら、酸化ガリウムは放熱性に課題があり、放熱性の課題を解消するには、例えば酸化ガリウムの膜厚を30μm以下に薄くする必要があるが、研磨工程が煩雑となり、コストが高くなるという問題があり、また、そもそも、電極と半導体層との密着性が良好ではないという問題を抱えていた。また、縦型デバイスとした場合の直列抵抗においても、十分に満足できるものではなかった。そのため、パワーデバイスとして酸化ガリウムの性能を存分に発揮するには、さらに良質な結晶品質を有する酸化ガリウム膜を得ることが望ましく、新規な半導体装置が待ち望まれていた。
なお、特許文献1~11はいずれも本出願人らによる特許または特許出願に関する公報であり、現在も検討が進められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第5397794号
【文献】特許第5343224号
【文献】特許第5397795号
【文献】特開2014-72533号公報
【文献】特開2016-100592号公報
【文献】特開2016-98166号公報
【文献】特開2016-100593号公報
【文献】特開2016-155714号公報
【文献】国際公開第2014/050793号公報
【文献】米国公開第2019/0057865号公報
【文献】特開2019-034883号公報
【非特許文献】
【0006】
【文献】金子健太郎、「コランダム構造酸化ガリウム系混晶薄膜の成長と物性」、京都大学博士論文、平成25年3月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、耐圧等の半導体特性に優れた半導体装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、特定の条件下でELOを実施することにより、耐圧等に優れた半導体装置を容易に得られることを知見し、このような半導体装置が上記した従来の問題を一挙に解決し得ることを見出した。
【0009】
また、本発明者らは、上記知見を得た後、さらに検討を重ねて本発明を完成させるに至った。
【0010】
すなわち、本発明は、以下の発明に関する。
絶縁体基板と、誘電体膜と、半導体層とを含む縦型半導体装置であって、前記絶縁体基板上に、前記誘電体膜及び前記半導体層が積層されており、前記絶縁体基板が、前記半導体層と同じ結晶構造を有する結晶基板であることを特徴とする半導体装置。
前記半導体層が、横方向成長層である前記の半導体装置。
前記半導体層が、第1の半導体領域と第2の半導体領域とを含み、前記第1の半導体領域が、前記誘電体と接合しており、前記第2の半導体領域が前記第1の半導体領域よりも転位を多く含む前記の半導体装置。
前記半導体層の厚さが1μm以上である、前記の半導体装置。
前記半導体層がコランダム構造を有する、前記の半導体装置。
前記誘電体膜がc軸方向に延びている前記の半導体装置。
前記半導体層が少なくともガリウムを含む、前記の半導体装置。
前記誘電体膜がゲート絶縁膜である前記の半導体装置。
絶縁体基板と、誘電体膜と、第1の半導体層と、第2の半導体層とを含む縦型半導体装置であって、前記絶縁体基板上に、前記誘電体膜と、前記第1の半導体層と、前記第2の半導体層とが積層されており、前記絶縁体基板が、前記第1の半導体層と同じ結晶構造を有する結晶基板であることを特徴とする半導体装置。
前記第1の半導体層はc軸を含む結晶構造を有しており、前記誘電体膜が前記c軸方向に延びていることを特徴とする前記の半導体装置。
前記第1の半導体層が第1の半導体領域と第2の半導体領域とを含み、前記第2の半導体層が第1の半導体領域と第2の半導体領域とを含み、前記第1の半導体層の第1の半導体領域が前記誘電体膜と接合されており、前記第1の半導体層において前記第1の半導体領域が前記第2の半導体領域よりも転位が少ないことを特徴とする前記の半導体装置。
前記誘電体膜がゲート絶縁膜である前記の半導体装置。
MOSFETである前記の半導体装置。
パワーデバイスである前記の半導体装置。
前記半導体装置を備える半導体システム。
【発明の効果】
【0011】
本発明の半導体装置は、耐圧等の半導体特性に優れている。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の半導体装置の好適な製造工程の一部を説明する模式図である。
【
図2】本発明において好適に用いられるハライド気相成長(HVPE)装置を説明する図である。
【
図3】本発明において好適に用いられる基板の表面上に形成された凹凸部の一態様を示す模式図である。
【
図4】本発明において好適に用いられるミストCVD装置を説明する図である。
【
図5】電源システムの好適な一例を模式的に示す図である。
【
図6】システム装置の好適な一例を模式的に示す図である。
【
図7】電源装置の電源回路図の好適な一例を模式的に示す図である。
【
図8】リードフレーム、回路基板、または放熱基板と接合された半導体装置の好適な一例を模式的に示す図である。
【
図9】パワーカードの好適な一例を模式的に示す図である。
【
図11】本発明の実施態様として、半導体装置の一例の要部を示す。
【
図12】本発明の実施態様として、半導体装置の一例の要部を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の半導体装置は、絶縁体基板(以下、「結晶基板」または「結晶成長用基板」ともいう)と、誘電体膜と、半導体層とを含む縦型半導体装置であって、前記絶縁体基板上に、前記誘電体膜及び前記半導体層が積層されており、前記絶縁体基板が、前記半導体層と同じ結晶構造を有する結晶基板であることを特長とする。このような半導体装置を得るには、好適には例えば、コランダム構造を有する絶縁体基板上に、前記絶縁体基板のc軸方向に延びているELOマスクを形成させて、横方向成長させて結晶膜からなる半導体層を形成する方法などが挙げられる。なお、「縦型半導体装置」とは、縦型デバイスともいい、電流の流れる方向が縦方向の半導体装置をいう。また、「c軸方向に延びている」とは、前記ELOマスクの全体が前記c軸方向に延びていてもよいし、前記ELOマスクの一部が前記c軸方向に延びていてもよい。また、「c軸方向」は、本実施態様において、c面に垂直な方向であれば、特に限定されない。前記c軸を含む結晶構造としては、例えば、コランダム構造等が挙げられる。このような構造とすることで、本発明においては、半導体層との界面の接合状態が良好であって、チャネル層の結晶性も良好であり、半導体特性に優れている半導体装置を得ることができる。本発明の実施態様の一つとして、前記ELOマスクとして前記電極を用い、前記電極がショットキー電極であるのが好ましい。また、前記ELOマスクとして前記ゲート絶縁膜を用い、前記ゲート絶縁膜が前記結晶基板上にゲート電極を覆うように形成されているのも好ましい。また、前記半導体層の厚さが1μm以上であるのも好ましい。また、前記半導体層が1μm
2以上の断面積を有する無転位半導体領域を含むのも好ましい。また、前記半導体層が混合転位を含んでいてもよい。また、前記半導体層がコランダム構造を有するのも好ましく、前記半導体層が少なくともガリウムを含むのも好ましい。上記した好ましい半導体装置の例としては、
図11または
図12に示す半導体装置が挙げられる。このような半導体装置によれば、より良質な界面を形成することができ、より優れたチャネル層またはドリフト層といった半導体特性を発揮することができる。なお、より具体的には、
図11はMOSFETの要部を示す図であり、
図11のMOSFETは、基板11、電極(ゲート電極)14、誘電体膜(ゲート絶縁膜)15、半導体層(チャネル層)18、n-型半導体層18aおよびn+型半導体層18bを少なくとも備えている。本発明においては、ELOマスクにゲート絶縁膜を用いることにより、好適にはチャネル層を無転位層とすることができ、より優れた半導体特性を発揮することができる。また、
図12はSBDの要部を示す図であり、
図12のSBDは、基板11、電極(ショットキー電極)14、半絶縁体層16およびn-型半導体層18aを少なくとも備えている。基板11は絶縁体基板であり、ショットキー電極まで続くスルーホール電極(図示せず)が設けられている。本発明においては、ショットキー電極としてELOマスクに前記ショットキー電極材料を用いることにより、ショットキー接合を良好なものとするのみならず、好適には、ショットキー界面付近の例えばドリフト層を無転位層とすることができ、より優れた半導体特性を発揮することができる。
【0014】
本発明の半導体装置は、縦型デバイスであるが、絶縁体基板を備えているので、例えばレーザドリル、ドリリング、パンチまたはレーザー等の常法に基づき、貫通孔を設けて、ついで、例えば湿式めっきやミストCVD等の常法に基づき、スルーホール電極を形成するのが望ましい。このような絶縁体基板にスルーホール電極が設けられているものも本発明に包含される。
【0015】
前記誘電体膜は、特に限定されず、公知の誘電体膜であってよい。前記誘電体膜の比誘電率等も特に限定されないが、比誘電率が5以下であるのが好ましい。「比誘電率」とは、膜の誘電率と、真空の誘電率との比である。誘電体膜の例として、酸化膜やリン酸化物膜や窒化膜等が挙げられるが、本発明においては、前記誘電体膜がSiを含む膜であるのが好ましい。前記のSiを含む膜としては、酸化シリコン系の膜が好適な例として挙げられる。前記酸化シリコン系膜としては、例えば、SiO2膜、リン添加SiO2(PSG)膜、ボロン添加SiO2膜、リンーボロン添加SiO2膜(BPSG膜)、SiOC膜、SiOF膜等が挙げられる。前記誘電体膜の形成手段としては、特に限定されないが、例えば、CVD法、大気圧CVD法、プラズマCVD法、ミストCVD法、熱酸化法等が挙げられる。本発明においては、前記誘電体膜の形成手段が、ミストCVD法または大気圧CVD法であるのが好ましい。また、前記誘電体膜の膜厚も、特に限定されないが、前記絶縁体膜の少なくとも一部の膜厚が1μm以上であるのが好ましい。本発明によれば、このような厚い誘電体膜を前記半導体層上に積層した場合であっても、半導体層内の応力集中による結晶欠陥がないものをより好適に得ることができる。
【0016】
前記半導体層(以下、単に「酸化物半導体膜」または「半導体膜」ともいう)は、コランダム構造を有する酸化物であるのが好ましい。また、本発明においては、前記酸化物が、周期律表第9族(例えば、コバルト、ロジウムまたはイリジウム等)および第13族(例えば、アルミニウム、ガリウムまたはインジウム等)から選ばれる1種または2種以上の金属を含有するのが好ましく、アルミニウム、インジウム、ガリウムおよびイリジウムから選ばれる少なくとも1種の金属を含有するのがより好ましく、少なくともガリウムまたはイリジウムを含有するのがさらにより好ましく、少なくともガリウムを含有するのが最も好ましい。本発明においては、前記酸化物半導体膜の主面がm面であるのが、より酸素等の拡散を抑制し、さらに電気特性をより優れたものとすることができるのでより好ましい。また、前記酸化物半導体膜はオフ角を有していてもよい。また、本発明においては、前記酸化物がα-Ga2O3またはその混晶であるのが好ましい。なお、「主成分」とは、前記酸化物が、原子比で、半導体層の全成分に対し、好ましくは50%以上、より好ましくは70%以上、さらにより好ましくは90%以上含まれることを意味し、100%であってもよいことを意味する。また、前記半導体層の厚さは、特に限定されず、1μm以下であってもよいし、1μm以上であってもよいが、本発明においては、1μm以上であるのが好ましく、10μm以上であるのがより好ましい。前記半導体膜の表面積は特に限定されないが、1mm2以上であってもよいし、1mm2以下であってもよいが、10mm2~300cm2であるのが好ましく、100mm2~100cm2であるのがより好ましい。また、前記半導体膜は、単結晶膜が好ましいが、多結晶膜または多結晶を含む結晶膜であってもよい。
【0017】
前記半導体層は、ドーパントが含まれているのが好ましい。前記ドーパントは、特に限定されず、公知のものであってよい。前記ドーパントとしては、例えば、スズ、ゲルマニウム、ケイ素、チタン、ジルコニウム、バナジウムまたはニオブ等のn型ドーパント、またはマグネシウム、カルシウム、亜鉛等のp型ドーパントなどが挙げられる。本発明においては、前記半導体層がn型ドーパントを含むのが好ましく、n型酸化物半導体層であるのがより好ましい。また、本発明においては、前記n型ドーパントが、Sn、GeまたはSiであるのが好ましい。ドーパントの含有量は、前記半導体層の組成中、0.00001原子%以上であるのが好ましく、0.00001原子%~20原子%であるのがより好ましく、0.00001原子%~10原子%であるのが最も好ましい。より具体的には、ドーパントの濃度は、通常、約1×1016/cm3~1×1022/cm3であってもよいし、また、ドーパントの濃度を例えば約1×1017/cm3以下の低濃度にしてもよい。また、本発明の一態様によれば、ドーパントを約1×1020/cm3以上の高濃度で含有させてもよい。また、前記半導体層の固定電荷の濃度も、特に限定されないが、本発明においては、1×1017/cm3以下であるのが、前記半導体層により良好に空乏層を形成することができるので、好ましい。
【0018】
前記半導体層は、公知の手段を用いて形成されてよい。前記半導体層の形成手段としては、例えば、CVD法、MOCVD法、MOVPE法、ミストCVD法、ミスト・エピタキシー法、MBE法、HVPE法、パルス成長法またはALD法などが挙げられる。
【0019】
以下、HVPE法を用いて、前記半導体層(以下、「結晶成長層」または「結晶膜」ともいう。)を形成して、前記半導体装置の製造方法の一例を説明する。
【0020】
前記HVPE法の実施形態の一つとして、例えば、
図2に示すHVPE装置を用いて、金属を含む金属源をガス化して金属含有原料ガスとし、ついで、前記金属含有原料ガスと、酸素含有原料ガスとを反応室内の基板上に供給して成膜する際に、表面に例えば前記電極からなるELOマスクを含む結晶基板を用いて、反応性ガスを前記基板上に供給し、前記成膜を、前記反応性ガスの流通下で行うことが挙げられる。
【0021】
(金属源)
前記金属源は、金属を含んでおり、ガス化が可能なものであれば、特に限定されず、金属単体であってもよいし、金属化合物であってもよい。前記金属としては、例えば、ガリウム、アルミニウム、インジウム、鉄、クロム、バナジウム、チタン、ロジウム、ニッケル、コバルトおよびイリジウム等から選ばれる1種または2種以上の金属等が挙げられる。本発明においては、前記金属が、ガリウム、アルミニウムおよびインジウムから選ばれる1種または2種以上の金属であるのが好ましく、ガリウムであるのがより好ましく、前記金属源が、ガリウム単体であるのが最も好ましい。また、前記金属源は、気体であってもよいし、液体であってもよいし、固体であってもよいが、本発明においては、例えば、前記金属としてガリウムを用いる場合には、前記金属源が液体であるのが好ましい。
【0022】
前記ガス化の手段は、本発明の目的を阻害しない限り、特に限定されず、公知の手段であってよい。本発明においては、前記ガス化の手段が、前記金属源をハロゲン化することにより行われるのが好ましい。前記ハロゲン化に用いるハロゲン化剤は、前記金属源をハロゲン化できさえすれば、特に限定されず、公知のハロゲン化剤であってよい。前記ハロゲン化剤としては、例えば、ハロゲンまたはハロゲン化水素等が挙げられる。前記ハロゲンとしては、例えば、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素等が挙げられる。また、前記ハロゲン化水素としては、例えば、フッ化水素、塩化水素、臭化水素、ヨウ化水素等が挙げられる。本発明においては、前記ハロゲン化に、ハロゲン化水素を用いるのが好ましく、塩化水素を用いるのがより好ましい。本発明においては、前記ガス化を、前記金属源に、ハロゲン化剤として、ハロゲンまたはハロゲン化水素を供給して、前記金属源とハロゲンまたはハロゲン化水素とをハロゲン化金属の気化温度以上で反応させてハロゲン化金属とすることにより行うのが好ましい。前記ハロゲン化反応温度は、特に限定されないが、本発明においては、例えば、前記金属源の金属がガリウムであり、前記ハロゲン化剤が、HClである場合には、900℃以下が好ましく、700℃以下がより好ましく、400℃~700℃であるのが最も好ましい。前記金属含有原料ガスは、前記金属源の金属を含むガスであれば、特に限定されない。前記金属含有原料ガスとしては、例えば、前記金属のハロゲン化物(フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物など)等が挙げられる。
【0023】
本発明の実施形態においては、金属を含む金属源をガス化して金属含有原料ガスとした後、前記金属含有原料ガスと、前記酸素含有原料ガスとを、前記反応室内の基板上に供給する。また、本発明の実施態様においては、反応性ガスを前記基板上に供給する。前記酸素含有原料ガスとしては、例えば、O2ガス、CO2ガス、NOガス、NO2ガス、N2Oガス、H2OガスまたはO3ガス等が挙げられる。本発明においては、前記酸素含有原料ガスが、O2、H2OおよびN2Oからなる群から選ばれる1種または2種以上のガスであるのが好ましく、O2を含むのがより好ましい。なお、実施形態の一つとして、前記酸素含有原料ガスはCO2を含んでいてもよい。前記反応性ガスは、通常、金属含有原料ガスおよび酸素含有原料ガスとは異なる反応性のガスであり、不活性ガスは含まれない。前記反応性ガスとしては、特に限定されないが、例えば、エッチングガス等が挙げられる。前記エッチングガスは、本発明の目的を阻害しない限り、特に限定されず、公知のエッチングガスであってよい。本発明においては、前記反応性ガスが、ハロゲンガス(例えば、フッ素ガス、塩素ガス、臭素ガスまたはヨウ素ガス等)、ハロゲン化水素ガス(例えば、フッ酸ガス、塩酸ガス、臭化水素ガス、ヨウ化水素ガス等)、水素ガスまたはこれら2種以上の混合ガス等であるのが好ましく、ハロゲン化水素ガスを含むのが好ましく、塩化水素を含むのが最も好ましい。なお、前記金属含有原料ガス、前記酸素含有原料ガス、前記反応性ガスは、キャリアガスを含んでいてもよい。前記キャリアガスとしては、例えば、窒素やアルゴン等の不活性ガス等が挙げられる。また、前記金属含有原料ガスの分圧は特に限定されないが、本発明においては、0.5Pa~1kPaであるのが好ましく、5Pa~0.5kPaであるのがより好ましい。前記酸素含有原料ガスの分圧は、特に限定されないが、本発明においては、前記金属含有原料ガスの分圧の0.5倍~100倍であるのが好ましく、1倍~20倍であるのがより好ましい。前記反応性ガスの分圧も、特に限定されないが、本発明の実施形態においては、前記金属含有原料ガスの分圧の0.1倍~5倍であるのが好ましく、0.2倍~3倍であるのがより好ましい。
【0024】
本発明の実施形態においては、さらに、ドーパント含有原料ガスを前記基板に供給するのも好ましい。前記ドーパント含有原料ガスは、ドーパントを含んでいれば、特に限定されない。前記ドーパントも、特に限定されないが、本発明においては、前記ドーパントが、ゲルマニウム、ケイ素、チタン、ジルコニウム、バナジウム、ニオブおよびスズから選ばれる1種または2種以上の元素を含むのが好ましく、ゲルマニウム、ケイ素、またはスズを含むのがより好ましく、ゲルマニウムを含むのが最も好ましい。このようにドーパント含有原料ガスを用いることにより、得られる膜の導電率を容易に制御することができる。前記ドーパント含有原料ガスは、前記ドーパントを化合物(例えば、ハロゲン化物、酸化物等)の形態で有するのが好ましく、ハロゲン化物の形態で有するのがより好ましい。前記ドーパント含有原料ガスの分圧は、特に限定されないが、本発明においては、前記金属含有原料ガスの分圧の1×10-7倍~0.1倍であるのが好ましく、2.5×10-6倍~7.5×10-2倍であるのがより好ましい。なお、本発明においては、前記ドーパント含有原料ガスを、前記反応性ガスとともに前記基板上に供給するのが好ましい。
【0025】
(結晶基板)
本発明においては、前記基板が結晶基板であるのが好ましい。前記結晶基板は、絶縁体基板であり、結晶物を主成分として含む基板であれば特に限定されず、公知の基板であってよい。単結晶基板であってもよいし、多結晶基板であってもよい。前記結晶基板としては、例えば、コランダム構造を有する結晶物を主成分として含む基板などが挙げられる。なお、前記「主成分」とは、基板中の組成比で、前記結晶物を50%以上含むものをいい、好ましくは70%以上含むものであり、より好ましくは90%以上含むものである。
【0026】
前記コランダム構造を有する結晶物を主成分として含む基板としては、例えば、サファイア基板、アンドープのα型酸化ガリウム基板などが挙げられる。
【0027】
本発明の実施形態においては、前記結晶基板が、サファイア基板であるのが好ましい。前記サファイア基板としては、例えば、m面サファイア基板、a面サファイア基板などが挙げられる。本発明においては、前記サファイア基板が、m面サファイア基板であるのが好ましい。また、前記サファイア基板はオフ角を有していてもよい。前記オフ角は、特に限定されないが、好ましくは0°~15°である。なお、前記結晶基板の厚さは、特に限定されないが、好ましくは、50~2000μmであり、より好ましくは200~800μmである。また、前記結晶基板の面積は、特に限定されないが、15cm2以上であるのが好ましく、100cm2以上であるのがより好ましい。
【0028】
また、本発明の実施形態の一つにおいては、前記結晶基板が、例えば前記誘電体膜からなるELOマスクを含むのが好ましい。このような誘電体膜を用いることにより、本発明においては、ゲート絶縁膜として用いることができる。なお、この場合、前記ELOマスクは通常、ゲート電極を含む。前記ゲート電極の電極材料としては、下記電極材料などが挙げられる。前記ゲート電極を前記ELOマスクで覆うことにより、より結晶品質の高いチャネル層を有する半導体装置、特にMOSFETを容易に得ることができる。前記ELOマスクの構成材料は、特に限定されず、公知のマスク材料であってよい。絶縁体材料であってもよいし、導電体材料であってもよいし、半導体材料であってもよい。また、前記構成材料は、非晶であってもよいし、単結晶であってもよいし、多結晶であってもよい。前記凸部の構成材料としては、例えば、Si、Ge、Ti、Zr、Hf、Ta、Sn等の酸化物、窒化物または炭化物、カーボン、ダイヤモンド、金属、これらの混合物などが挙げられる。より具体的には、SiO2、SiNまたは多結晶シリコンを主成分として含むSi含有化合物、前記結晶性酸化物半導体の結晶成長温度よりも高い融点を有する金属(例えば、白金、金、銀、パラジウム、ロジウム、イリジウム、ルテニウムなどの貴金属等)などが挙げられる。なお、前記構成材料の含有量は、凸部中、組成比で、50%以上が好ましく、70%以上がより好ましく、90%以上が最も好ましい。なお、前記ゲート絶縁膜は本発明の目的を阻害しない限り特に限定されず、公知のゲート絶縁膜であってよい。前記ゲート絶縁膜としては、例えば、SiO2、Si3N4、Al2O3、GaO、AlGaO、InAlGaO、AlInZnGaO4、AlN、Hf2O3、SiN、SiON、MgO、GdO、リンを少なくとも含む酸化膜等の酸化膜が好適な例として挙げられる。
【0029】
前記ELOマスクの形成手段としては、公知の手段であってよく、例えば、フォトリソグラフィー、電子ビームリソグラフィー、レーザーパターニング、その後のエッチング(例えばドライエッチングまたはウェットエッチング等)などの公知のパターニング加工手段などが挙げられる。また、前記パターン形状のピッチ間隔も、特に限定されないが、本発明の実施態様においては、100μm以下であるのが好ましく、0.5μm~50μmであるのがより好ましく、0.5μm~10μmであるのが最も好ましい。
【0030】
また、本発明の実施形態の一つにおいては、前記結晶基板が、例えば前記電極からなるELOマスクを含むのも好ましい。このようなELOマスクの構成材料は、特に限定されないが通常電極材料である。また、前記電極材料としては、導電性を有していれば、電極の種類等は特に限定されないが、本発明においては、オーミック電極およびショットキー電極としてそれぞれ用いるのが好ましい。前記電極材料は、公知の金属であってよい。前記金属としては、好適には、例えば、周期律表第4族~第11族から選ばれる少なくとも1種の金属等が挙げられる。周期律表第4族の金属としては、例えば、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)などが挙げられる。周期律表第5族の金属としては、例えば、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)などが挙げられる。周期律表第6族の金属としては、例えば、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)およびタングステン(W)などが挙げられる。周期律表第7族の金属としては、例えば、マンガン(Mn)、テクネチウム(Tc)、レニウム(Re)などが挙げられる。周期律表第8族の金属としては、例えば、鉄(Fe)、ルテニウム(Ru)、オスミウム(Os)などが挙げられる。周期律表第9族の金属としては、例えば、コバルト(Co)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)などが挙げられる。周期律表第10族の金属としては、例えば、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)などが挙げられる。周期律表第11族の金属としては、例えば、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)などが挙げられる。前記の各金属層の層厚は、特に限定されないが、0.1nm~10μmが好ましく、5nm~500nmがより好ましく、10nm~200nmが最も好ましい。
【0031】
前記電極形成手段は特に限定されず、公知の手段であってよい。前記形成手段としては、具体的には例えば、ドライ法やウェット法などが挙げられる。ドライ法としては、例えば、スパッタ、真空蒸着、CVD等が挙げられる。ウェット法としては、例えば、スクリーン印刷やダイコート等が挙げられる。
【0032】
以下、本発明において好適に用いられる結晶成長用基板(結晶基板)の実施態様の一例を、図面を用いて説明する。
【0033】
図3は、本発明において好適に用いられる結晶基板の結晶成長面上に設けられた前記ELOマスクからなる凸部の一態様を示す。
図3の前記ELOマスクを含む結晶基板は、結晶基板1と、結晶成長面1a上の凸部2aとから形成されている。凸部2aは結晶成長面1aに対してストライプ状であり、c軸方向に延びている。結晶基板1の結晶成長面1a上には、ストライプ状の凸部2aが周期的に配列されている。なお、凸部2aは、例えば、SiO
2等のシリコン含有化合物からなり、ゲート電極形成後、フォトリソグラフィー等の公知の手段を用いてゲート電極を被覆し、形成することができる。
【0034】
前記凸部の幅および高さ、間隔などが特に限定されないが、本発明においては、それぞれが例えば約10nm~約1mmの範囲内であり、好ましくは約10nm~約300μmであり、より好ましくは約10nm~約10μmである。
【0035】
本発明の実施形態においては、前記結晶基板上に応力緩和層等を含むバッファ層を設けてもよい。また、本発明の実施形態においては、前記基板が、表面の一部または全部に、前記バッファ層を介して前記ELOマスクを有していてもよいし、前記ELOマスクを介して前記バッファ層を有していてもよい。前記バッファ層の形成手段は、特に限定されず、公知の手段であってよい。前記形成手段としては、例えば、スプレー法、ミストCVD法、HVPE法、MBE法、MOCVD法、スパッタリング法等が挙げられる。以下、前記バッファ層をミストCVD法により形成する好適な態様を、より詳細に説明する。
【0036】
前記バッファ層は、好適には、例えば、
図4に示すミストCVD装置を用いて、原料溶液を霧化または液滴化し(霧化工程)、得られた霧化液滴をキャリアガスを用いて前記基板まで搬送し(搬送工程)、ついで、前記基板の表面の一部または全部で、前記霧化液滴を熱反応させる(バッファ層形成工程)ことにより形成することができる。なお、本発明においては、同様にして前記結晶成長層を形成することもできる。
【0037】
(霧化工程)
霧化工程は、前記原料溶液を霧化して前記霧化液滴を得る。前記原料溶液の霧化手段は、前記原料溶液を霧化できさえすれば特に限定されず、公知の手段であってよいが、本発明の前記実施形態においては、超音波を用いる霧化手段が好ましい。超音波を用いて得られた霧化液滴は、初速度がゼロであり、空中に浮遊するので好ましく、例えば、スプレーのように吹き付けるのではなく、空間に浮遊してガスとして搬送することが可能なミストであるので衝突エネルギーによる損傷がないため、非常に好適である。前記霧化液滴の液滴サイズは、特に限定されず、数mm程度の液滴であってもよいが、好ましくは50μm以下であり、より好ましくは0.1~10μmである。
【0038】
(原料溶液)
前記原料溶液は、霧化が可能なものであって、ミストCVDにより、前記バッファ層が得られる溶液であれば特に限定されない。前記原料溶液としては、例えば、霧化用金属の有機金属錯体(例えばアセチルアセトナート錯体等)やハロゲン化物(例えばフッ化物、塩化物、臭化物またはヨウ化物等)の水溶液などが挙げられる。前記霧化用金属は、特に限定されず、このような霧化用金属としては、例えば、アルミニウム、ガリウム、インジウム、鉄、クロム、バナジウム、チタン、ロジウム、ニッケル、コバルトおよびイリジウム等から選ばれる1種または2種以上の金属等が挙げられる。本発明においては、前記霧化用金属が、ガリウム、インジウムまたはアルミニウムを少なくとも含むのが好ましく、ガリウムを少なくとも含むのがより好ましい。原料溶液中の霧化用金属の含有量は、本発明の目的を阻害しない限り特に限定されないが、好ましくは、0.001モル%~50モル%であり、より好ましくは0.01モル%~50モル%である。
【0039】
また、原料溶液には、ドーパントが含まれているのも好ましい。原料溶液にドーパントを含ませることにより、イオン注入等を行わずに、結晶構造を壊すことなく、バッファ層の導電性を容易に制御することができる。本発明においては、前記ドーパントがスズ、ゲルマニウム、またはケイ素であるのが好ましく、スズ、またはゲルマニウムであるのがより好ましく、スズであるのが最も好ましい。前記ドーパントの濃度は、通常、約1×1016/cm3~1×1022/cm3であってもよいし、また、ドーパントの濃度を例えば約1×1017/cm3以下の低濃度にしてもよいし、ドーパントを約1×1020/cm3以上の高濃度で含有させてもよい。
【0040】
原料溶液の溶媒は、特に限定されず、水等の無機溶媒であってもよいし、アルコール等の有機溶媒であってもよいし、無機溶媒と有機溶媒との混合溶媒であってもよい。本発明においては、前記溶媒が水を含むのが好ましく、水または水とアルコールとの混合溶媒であるのがより好ましく、水であるのが最も好ましい。前記水としては、より具体的には、例えば、純水、超純水、水道水、井戸水、鉱泉水、鉱水、温泉水、湧水、淡水、海水などが挙げられるが、本発明においては、超純水が好ましい。
【0041】
(搬送工程)
搬送工程では、キャリアガスでもって前記霧化液滴を成膜室内に搬送する。前記キャリアガスは、本発明の目的を阻害しない限り特に限定されず、例えば、酸素、オゾン、窒素やアルゴン等の不活性ガス、または水素ガスやフォーミングガス等の還元ガスが好適な例として挙げられる。また、キャリアガスの種類は1種類であってよいが、2種類以上であってもよく、流量を下げた希釈ガス(例えば10倍希釈ガス等)などを、第2のキャリアガスとしてさらに用いてもよい。また、キャリアガスの供給箇所も1箇所だけでなく、2箇所以上あってもよい。キャリアガスの流量は、特に限定されないが、0.01~20L/分であるのが好ましく、1~10L/分であるのがより好ましい。希釈ガスの場合には、希釈ガスの流量が、0.001~2L/分であるのが好ましく、0.1~1L/分であるのがより好ましい。
【0042】
(バッファ層形成工程)
バッファ層形成工程では、成膜室内で前記霧化液滴を熱反応させることによって、基板上に、前記バッファ層を形成する。熱反応は、熱でもって前記霧化液滴が反応すればそれでよく、反応条件等も本発明の目的を阻害しない限り特に限定されない。本工程においては、前記熱反応を、通常、溶媒の蒸発温度以上の温度で行うが、高すぎない温度(例えば1000℃)以下が好ましく、650℃以下がより好ましく、400℃~650℃が最も好ましい。また、熱反応は、本発明の目的を阻害しない限り、真空下、非酸素雰囲気下、還元ガス雰囲気下および酸素雰囲気下のいずれの雰囲気下で行われてもよく、また、大気圧下、加圧下および減圧下のいずれの条件下で行われてもよいが、本発明においては、大気圧下で行われるのが好ましい。なお、バッファ層の厚みは、形成時間を調整することにより、設定することができる。
【0043】
上記のようにして、バッファ層を形成した後、該バッファ層上に、上記した方法により、前記結晶成長層を形成することにより、前記結晶成長層におけるチルト等の欠陥をより低減することができ、膜質をより優れたものとすることができる。
【0044】
また、前記バッファ層は、特に限定されないが、本発明においては、金属酸化物を主成分として含んでいるのが好ましい。前記金属酸化物としては、例えば、アルミニウム、ガリウム、インジウム、鉄、クロム、バナジウム、チタン、ロジウム、ニッケル、コバルトおよびイリジウム等から選ばれる1種または2種以上の金属を含む金属酸化物などが挙げられる。発明においては、前記金属酸化物が、インジウム、アルミニウムおよびガリウムから選ばれる1種または2種以上の元素を含有するのが好ましく、少なくともインジウムまたは/およびガリウムを含んでいるのがより好ましく、少なくともガリウムを含んでいるのが最も好ましい。本発明の実施形態の一つとして、バッファ層が金属酸化物を主成分として含み、バッファ層が含む金属酸化物がガリウムと、ガリウムよりも少ない量のアルミニウムを含んでいてもよい。ガリウムよりも少ない量のアルミニウムを含むバッファ層を用いることで、結晶成長を良好なものにするだけでなく、さらに、良好な高温成長も実現することができる。また、本発明の実施形態の一つとして、バッファ層が超格子構造を含んでいてもよい。超格子構造を含むバッファ層を用いることで、良好な結晶成長を実現するだけでなく、結晶成長時の反り等を抑制することもより容易になる。なお、ここで、「主成分」とは、前記金属酸化物が、原子比で、前記バッファ層の全成分に対し、好ましくは50%以上、より好ましくは70%以上、更に好ましくは90%以上含まれることを意味し、100%であってもよいことを意味する。前記結晶性酸化物半導体の結晶構造は、特に限定されないが、本発明においては、コランダム構造であるのが好ましい。また、前記第1の横方向結晶成長層と前記バッファ層とは、本発明の目的を阻害しない限り、それぞれ互いに主成分が同一であってもよいし、異なっていてもよいが、本発明においては、同一であるのが好ましい。
【0045】
本発明の前記実施形態においては、前記バッファ層が設けられていてもよい前記基板上に金属含有原料ガス、酸素含有原料ガス、反応性ガスおよび所望によりドーパント含有原料ガスを供給し、反応性ガスの流通下で成膜する。本発明においては、前記成膜が、加熱されている基板上で行われるのが好ましい。前記成膜温度は、本発明の目的を阻害しない限り、特に限定されないが、900℃以下が好ましく、700℃以下がより好ましく、400℃~700℃であるのが最も好ましい。また、前記成膜は、本発明の目的を阻害しない限り、真空下、非真空下、還元ガス雰囲気下、不活性ガス雰囲気下および酸化ガス雰囲気下のいずれの雰囲気下で行われてもよく、また、常圧下、大気圧下、加圧下および減圧下のいずれの条件下で行われてもよいが、本発明の前記実施形態においては、常圧下または大気圧下で行われるのが好ましい。なお、膜厚は成膜時間を調整することにより、設定することができる。
【0046】
前記結晶成長層は、通常、結晶性金属酸化物を主成分として含む。前記結晶性金属酸化物としては、例えば、アルミニウム、ガリウム、インジウム、鉄、クロム、バナジウム、チタン、ロジウム、ニッケル、コバルトおよびイリジウム等から選ばれる1種または2種以上の金属を含む金属酸化物などが挙げられる。本発明においては、前記結晶性金属酸化物が、インジウム、アルミニウムおよびガリウムから選ばれる1種または2種以上の元素を含有するのが好ましく、少なくともインジウムまたは/およびガリウムを含んでいるのがより好ましく、結晶性酸化ガリウムまたはその混晶であるのが最も好ましい。なお、本発明の実施形態における結晶成長層において、「主成分」とは、前記結晶性金属酸化物が、原子比で、前記第1の横方向結晶成長層の全成分に対し、好ましくは50%以上、より好ましくは70%以上、更に好ましくは90%以上含まれることを意味し、100%であってもよいことを意味する。本発明の実施形態においては、前記基板として、コランダム構造を含む基板を用いて、前記成膜を行うことにより、コランダム構造を有する結晶成長膜を得ることができる。前記結晶性金属酸化物は、単結晶であってもよいし、多結晶であってもよいが、本発明の実施形態においては、単結晶であるのが好ましい。また、前記第1の横方向結晶成長層の厚さの上限は特に限定されないが、例えば100μmであり、前記結晶成長層の厚さの下限も特に限定されないが、1μmであるのが好ましく、10μmであるのがより好ましく、20μmであるのが最も好ましい。本発明においては、前記第1の横方向結晶成長層の厚さが3μm~100μmであるのが好ましく、10μm~100μmであるのがより好ましく、20μm~100μmであるのが最も好ましい。
【0047】
以下、図面を用いて、本発明の好適な製造方法をより詳細に説明する。
【0048】
結晶成長用基板として、表面にc軸方向に延びているELOマスクを形成する。なお、結晶成長用基板には、サファイア基板を用いるのが好ましい。本発明においては、前記サファイア基板として、m面またはa面を主面とするサファイア基板を用いるのが好ましい。
図1(a)は、サファイア基板1を示す。
図1(b)に示すとおり、サファイア基板1の結晶成長面上にELOマスク5を形成する。ELOマスク5は、c軸方向に延びていれば特に限定されないが、結晶成長面に対してストライプ状を有する。
図1(b)の結晶成長用基板を用いて、結晶成長層を形成し、
図1(c)の積層構造体を得る。積層構造体(c)は、ELOマスク5を表面に有しているサファイア基板1上に結晶成長層8が形成されており、チャネル層またはドリフト層に対応する領域が例えば無転位領域となっており、優れた半導体特性を発現できる。
【0049】
また、本発明においては、前記ELOマスクが、ショットキー電極を含むのも好ましい。前記ショットキー電極を前記ELOマスクとして用いることにより、より良質なドリフト層やショットキー界面等を有する半導体装置、特にSBDを容易に得ることができる。なお、ショットキー電極を含む前記電極における電極材料としては、例えば、金属または2種以上の前記金属の合金、酸化錫、酸化亜鉛、酸化レニウム、酸化インジウム、酸化インジウム錫(ITO)、酸化亜鉛インジウム(IZO)等の金属酸化物導電膜、ポリアニリン、ポリチオフェン又はポリピロ-ルなどの有機導電性化合物、またはこれらの混合物などが挙げられるが、本発明においては、金属が好ましい。前記金属としては、好適には、例えば、周期律表第4族~第10族から選ばれる少なくとも1種の金属等が挙げられる。周期律表第4族の金属としては、例えば、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)などが挙げられる。周期律表第5族の金属としては、例えば、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)などが挙げられる。周期律表第6族の金属としては、例えば、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)およびタングステン(W)などが挙げられる。周期律表第7族の金属としては、例えば、マンガン(Mn)、テクネチウム(Tc)、レニウム(Re)などが挙げられる。周期律表第8族の金属としては、例えば、鉄(Fe)、ルテニウム(Ru)、オスミウム(Os)などが挙げられる。周期律表第9族の金属としては、例えば、コバルト(Co)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)などが挙げられる。周期律表第10族の金属としては、例えば、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)などが挙げられる。電極の形成方法は特に限定されることはなく、印刷方式、スプレー法、コ-ティング方式等の湿式方式、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレ-ティング法等の物理的方式、CVD、プラズマCVD法等の化学的方式、などの中から前記材料との適性を考慮して適宜選択した方法に従って前記基板上に形成することができる。
【0050】
前記積層構造体は、特に、電極と半導体層とを少なくとも含む半導体装置に好適に用いることができ、とりわけ、パワーデバイスに有用である。前記半導体装置としては、MOSFET、MISやHEMT等のトランジスタやTFT、半導体‐金属接合を利用したショットキーバリアダイオード、他のP層と組み合わせたPN又はPINダイオード、受発光素子が挙げられる。
【0051】
本発明の半導体装置は、上記した事項に加え、さらに常法に基づき、リードフレーム、回路基板または放熱基板等に接合部材によって接合して半導体装置として好適に用いられ、とりわけ、パワーモジュール、インバータまたはコンバータとして好適に用いられ、さらには、例えば電源装置を用いた半導体システム等に好適に用いられる。リードフレーム、回路基板または放熱基板と接合された前記半導体装置の好適な一例を
図8に示す。
図8の半導体装置は、半導体素子500の両面が、それぞれ半田501によってリードフレーム、回路基板または放熱基板502と接合されている。このように構成することにより、放熱性に優れた半導体装置とすることができる。なお、本発明においては、半田等の接合部材の周囲が樹脂で封止されているのが好ましい。
【0052】
また、前記電源装置は、公知の方法を用いて、配線パターン等に接続するなどすることにより、前記半導体装置からまたは前記半導体装置を含む電源装置として作製することができる。
図5は、複数の前記電源装置171、172と制御回路173を用いて電源システム170を構成している。前記電源システムは、
図6に示すように、電子回路181と電源システム182とを組み合わせてシステム装置180に用いることができる。なお、電源装置の電源回路図の一例を
図7に示す。
図7は、パワー回路と制御回路からなる電源装置の電源回路を示しており、インバータ192(MOSFETA~Dで構成)によりDC電圧を高周波でスイッチングしACへ変換後、トランス193で絶縁及び変圧を実施し、整流MOSFET194で整流後、DCL195(平滑用コイルL1,L2)とコンデンサにて平滑し、直流電圧を出力する。この時に電圧比較器197で出力電圧を基準電圧と比較し、所望の出力電圧となるようPWM制御回路196でインバータ192及び整流MOSFET194を制御する。
【0053】
本発明においては、前記半導体装置が、パワーカードであるのが好ましく、冷却器および絶縁部材を含んでおり、前記半導体層の両側に前記冷却器がそれぞれ少なくとも前記絶縁部材を介して設けられているのがより好ましく、前記半導体層の両側にそれぞれ放熱層が設けられており、放熱層の外側に少なくとも前記絶縁部材を介して前記冷却器がそれぞれ設けられているのが最も好ましい。
図9は、本発明の好適な実施態様の一つであるパワーカードを示す。
図9のパワーカードは、両面冷却型パワーカード201となっており、冷媒チューブ202、スペーサ203、絶縁板(絶縁スペーサ)208、封止樹脂部209、半導体チップ301a、金属伝熱板(突出端子部)302b、ヒートシンク及び電極303、金属伝熱板(突出端子部)303b、はんだ層304、制御電極端子305、ボンディングワイヤ308を備える。冷媒チューブ202の厚さ方向断面は、互いに所定間隔を隔てて流路方向に延在する多数の隔壁221で区画された流路222を多数有している。このような好適なパワーカードによればより高い放熱性を実現することができ、より高い信頼性を満たすことができる。
【0054】
半導体チップ301aは、金属伝熱板302bの内側の主面上にはんだ層304で接合され、半導体チップ301aの残余の主面には、金属伝熱板(突出端子部)302bがはんだ層304で接合され、これによりIGBTのコレクタ電極面及びエミッタ電極面にフライホイルダイオードのアノード電極面及びカソード電極面がいわゆる逆並列に接続されている。金属伝熱板(突出端子部)302bおよび303bの材料としては、例えば、MoまたはW等が挙げられる。金属伝熱板(突出端子部)302bおよび303bは、半導体チップ301aの厚さの差を吸収する厚さの差をもち、これにより金属伝熱板302bおよび303bの外表面は平面となっている。
【0055】
樹脂封止部209は例えばエポキシ樹脂からなり、これら金属伝熱板302bおよび303bの側面を覆ってモールドされており、半導体チップ301aは樹脂封止部209でモールドされている。但し、金属伝熱板302bおよび303bの外主面すなわち接触受熱面は完全に露出している。金属伝熱板(突出端子部)302bおよび303bは樹脂封止部209から
図9中、右方に突出し、いわゆるリードフレーム端子である制御電極端子305は、例えばIGBTが形成された半導体チップ301aのゲート(制御)電極面と制御電極端子305とを接続している。
【0056】
絶縁スペーサである絶縁板208は、例えば、窒化アルミニウムフィルムで構成されているが、他の絶縁フィルムであってもよい。絶縁板208は金属伝熱板302bおよび303bを完全に覆って密着しているが、絶縁板208と金属伝熱板302bおよび303bとは、単に接触するだけでもよいし、シリコングリスなどの良熱伝熱材を塗布してもよいし、それらを種々の方法で接合させてもよい。また、セラミック溶射などで絶縁層を形成してもよく、絶縁板208を金属伝熱板上に接合してもよく、冷媒チューブ上に接合または形成してもよい。
【0057】
冷媒チューブ202は、アルミニウム合金を引き抜き成形法あるいは押し出し成形法で成形された板材を必要な長さに切断して作製されている。冷媒チューブ202の厚さ方向断面は、互いに所定間隔を隔てて流路方向に延在する多数の隔壁221で区画された流路222を多数有している。スペーサ203は、例えば、はんだ合金などの軟質の金属板であってよいが、金属伝熱板302bおよび303bの接触面に塗布等によって形成したフィルム(膜)としてもよい。この軟質のスペーサ203の表面は、容易に変形して、絶縁板208の微小凹凸や反り、冷媒チューブ202の微小凹凸や反りになじんで熱抵抗を低減する。なお、スペーサ203の表面等に公知の良熱伝導性グリスなどを塗布してもよく、スペーサ203を省略してもよい。
【実施例】
【0058】
(実施例)
1.半導体装置の作製
結晶成長用基板としてm面サファイア基板を用い、表面にc軸方向に延びたELOマスクをストライプ状に形成する。
図1(a)は、サファイア基板1を示す。
図1(b)に示すとおり、サファイア基板1の結晶成長面上にストライプ状のパターンを有するELOマスク5を形成する。
図1(b)の結晶成長用基板を用いて、ミストCVD法でもって、α―Ga
2O
3からなる結晶成長層を形成し、
図1(c)の積層構造体を得る。積層構造体(c)は、ELOマスク5を表面に有しているサファイア基板1上に結晶成長層8が形成されている。積層構造体(c)を得た後、電極等を公知の手段を用いて形成し、半導体装置を得る。このようにして得られた半導体装置は、ELOマスクと結晶成長層(半導体層)との密着性に優れており、チャネル層において良質な結晶領域が形成されるので、半導体特性に優れたものとなる。
【0059】
2.評価
上記1.で得られた半導体装置につき、TEM観察を行った。結果を
図10に示す。
図10から、ELOマスクと結晶成長層(半導体層)との間に空隙等もなく、密着性に優れていることがわかる。また、
図10から、ELOマスク上に良質な結晶領域が形成されていることもわかる。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明の半導体装置は、半導体(例えば化合物半導体電子デバイス等)、電子部品・電気機器部品、光学・電子写真関連装置、工業部材などあらゆる分野に用いることができるが、特に、パワーデバイス等に有用である。
【符号の説明】
【0061】
1 基板(サファイア基板)
1a 基板の表面(結晶成長面)
2a 凸部
5 マスク(基板上)
8 結晶成長層(半導体層)
11 基板
14 電極
15 誘電体膜
16 半絶縁体層
18 半導体層
18a n-型半導体層
18b n+型半導体層
19 ミストCVD装置
20 被成膜試料
21 試料台
22a キャリアガス源
22b キャリアガス(希釈)源
23a 流量調節弁
23b 流量調節弁
24 ミスト発生源
24a 原料溶液
24b ミスト
25 容器
25a 水
26 超音波振動子
27 成膜室
28 ヒータ
50 ハライド気相成長(HVPE)装置
51 反応室
52a ヒータ
52b ヒータ
53a ハロゲン含有原料ガス供給源
53b 金属含有原料ガス供給管
54a 反応性ガス供給源
54b 反応性ガス供給管
55a 酸素含有原料ガス供給源
55b 酸素含有原料ガス供給管
56 基板ホルダ
57 金属源
58 保護シート
59 ガス排出部
170 電源システム
171 電源装置
172 電源装置
173 制御回路
180 システム装置
181 電子回路
182 電源システム
192 インバータ
193 トランス
194 整流MOSFET
195 DCL
196 PWM制御回路
197 電圧比較器
201 両面冷却型パワーカード
202 冷媒チューブ
203 スペーサ
208 絶縁板(絶縁スペーサ)
209 封止樹脂部
221 隔壁
222 流路
301a 半導体チップ
302b 金属伝熱板(突出端子部)
303 ヒートシンク及び電極
303b 金属伝熱板(突出端子部)
304 はんだ層
305 制御電極端子
308 ボンディングワイヤ
500 半導体素子
501 半田
502 リードフレーム、回路基板または放熱基板