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特許7510164仮想ゴルフ装置及び仮想ゴルフ装置の動作方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-25
(45)【発行日】2024-07-03
(54)【発明の名称】仮想ゴルフ装置及び仮想ゴルフ装置の動作方法
(51)【国際特許分類】
   A63B 69/36 20060101AFI20240626BHJP
   A63F 13/812 20140101ALI20240626BHJP
   A63F 13/213 20140101ALI20240626BHJP
【FI】
A63B69/36 541W
A63B69/36 511Z
A63F13/812 C
A63F13/213
【請求項の数】 5
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020164755
(22)【出願日】2020-09-30
(65)【公開番号】P2021065693
(43)【公開日】2021-04-30
【審査請求日】2023-02-06
(31)【優先権主張番号】10-2019-0130630
(32)【優先日】2019-10-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】520330571
【氏名又は名称】エスジーエム・カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SGM Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【氏名又は名称】松島 鉄男
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100170379
【弁理士】
【氏名又は名称】徳本 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100180231
【弁理士】
【氏名又は名称】水島 亜希子
(74)【代理人】
【氏名又は名称】有原 幸一
(72)【発明者】
【氏名】イ,ウィボム
(72)【発明者】
【氏名】キム,ガプス
【審査官】田中 洋行
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-502546(JP,A)
【文献】特開2013-233191(JP,A)
【文献】特開2019-084413(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2019-0104909(KR,A)
【文献】米国特許第05655974(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 69/00-69/40
A63F 9/24
A63F 13/00-13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザーが打撃する実際のゴルフボールが置かれる打撃マットと、
ユーザーが打撃した前記実際のゴルフボールの状態を感知する感知部と、
前記感知部での感知結果に基づいて、仮想のゴルフコースで仮想のゴルフボールの動きを算出する制御部と、
前記仮想のゴルフコースと前記仮想のゴルフボールに対する映像を表示する表示部
を含み、
前記打撃マットは、第1打撃領域と第2打撃領域を含み、
前記仮想のゴルフコースは、前記第1打撃領域に相応する第1仮想領域と前記第2打撃領域に相応する第2仮想領域を含み、
前記制御部は、ユーザーが打撃した実際のゴルフボールの状態に基づいて、前記仮想ゴルフボールの動きを算出する算出過程を行った後、前記算出された軌跡による飛距離を調整する調整過程をさらに行うことができ
前記制御部は、前記調整過程で前記算出された軌跡による飛距離を減少させたり又は増加させ、
前記調整過程で、ユーザーのレベルにより飛距離の減少/増加の可否、飛距離減少量/増加量が決定される、
仮想ゴルフ装置。
【請求項2】
前記制御部は、ユーザーの打撃時に前記実際のゴルフボールと前記仮想のゴルフボールとが互いに相応しない領域に位置する場合に、前記調整過程をさらに行う、請求項1に記載の仮想ゴルフ装置。
【請求項3】
ユーザのレベルは、ユーザのプレイ回数、プレイ時間、プレイ記録のうちの少なくともいずれか一つに基づいて算定される、請求項1に記載の仮想ゴルフ装置。
【請求項4】
前記第1打撃領域はフェアウェイ領域であり、前記第2打撃領域は非フェアウェイ領域であり、前記第1仮想領域は仮想フェアウェイ領域であり、前記第2仮想領域は仮想非フェアウェイ領域であり、
前記制御部は、ユーザーの打撃時に前記仮想のゴルフボールが前記仮想非フェアウェイ領域に位置し、前記実際のゴルフボールが前記フェアウェイ領域に位置する場合に、前記調整過程をさらに行う、請求項1乃至請求項のうちのいずれか一つに記載の仮想ゴルフ装置。
【請求項5】
仮想ゴルフ装置の動作方法であって、
前記仮想ゴルフ装置は、
ーザーが打撃する実際のゴルフボールが置かれる打撃マットと、
ーザーが打撃した前記実際のゴルフボールの状態を感知する感知部と、
記感知部での感知結果に基づいて、仮想のゴルフコースで仮想のゴルフボールの動きを算出する制御部と、
記仮想のゴルフコースと前記仮想のゴルフボールに対する映像を表示する表示部
を含み、
た、前記打撃マットは、第1打撃領域と第2打撃領域を含み、前記仮想のゴルフコースは、前記第1打撃領域に相応する第1仮想領域と前記第2打撃領域に相応する第2仮想領域を含み、
ユーザーの打撃時に前記実際のゴルフボールと前記仮想のゴルフボールが互いに相応する領域に位置するかどうかを感知するステップと、
ユーザーの打撃時に前記実際のゴルフボールと前記仮想のゴルフボールが互いに相応しない領域に位置する場合に、ユーザーが打撃した実際のゴルフボールの状態に基づいて、前記仮想ゴルフボールの動きを算出する算出過程を行って、前記算出された軌跡による距離を調整する調整過程をさらに行うステップ
を含み、
前記制御部は、前記調整過程で前記算出された軌跡による飛距離を減少させたり又は増加させ、
前記調整過程で、ユーザーのレベルにより飛距離の減少/増加の可否、飛距離減少量/増加量が決定される、
仮想ゴルフ装置の動作方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仮想ゴルフ装置及び仮想ゴルフ装置の動作方法に関する。より詳細には、ユーザーが打撃したゴルフボールに基づいて、仮想のゴルフコースで仮想のゴルフボールの軌跡を算出しながら、追加的に前記軌跡による飛距離を調整することができる仮想ゴルフ装置及び仮想ゴルフ装置の動作方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近3次元立体映像とコンピュータシミュレーション技術を用いて、現場に行かずにスポーツ試合を楽しむことができるシミュレーション装置が開発されて、ゴルフや野球などのような仮想の屋内スポーツが広く普及されている。特に、室内で行われるスクリーンゴルフの場合に、スクリーンを通じてゴルフ場の映像が表示されて、まるで屋外で実際のゴルフ試合をしているような感じを与えながらも、屋外のフィールドで試合することに比べて時間と費用がセーブされるので、時間や経済的な理由などでゴルフをプレイするのが難しい現代人に非常に人気が高い。
【0003】
実際のゴルフコースには、フェアウェイ、ラフ、バンカー、ウォーターハザードなどのような様々な属性の領域が存在し、これらの領域により、ユーザーがゴルフボールを打撃するときの打撃感や難易度が変わる。例えば、芝が短いフェアウェイ領域では、打撃が容易で打撃難易度が低い反面、フェアウェイ領域に比べて芝が長いラフ領域では、打撃難易度が相対的に高い。しかし、スクリーンゴルフの場合、スクリーンに表示される仮想のゴルフコースには実際のゴルフコースと対応するようにフェアウェイ、ラフなどの様々な領域が表示されるが、実際のプレイにおいて、ユーザーは室内の打撃マットの上に置かれたゴルフボールを打撃するだけであり、ユーザーの立場では、領域による打撃難易度の違いを体験することができないので、スクリーンゴルフは実際のゴルフ場でプレイをすることに比べてリアリティが不足である。また、スクリーンゴルフのリアリティを向上しようとする場合には、プレイ難易度が増加することができて初心者がスクリーンゴルフに進入する障壁が高くなるという問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、前記のような事情を勘案して発明されたものであり、複数領域の打撃マットを利用することにより、ゴルフコースの様々な領域での打撃感を体感することができ、ユーザーの能力を考慮して打撃後に算出される飛距離を適切に調整することにより、初心者も容易にスクリーンゴルフを楽しむことができるように構成された仮想ゴルフ装置を提供することをその目的とする。
【0005】
また、本発明は、上記の仮想ゴルフ装置の動作方法を提供することをその目的とする。
【0006】
また、本発明の他の目的は、以下の説明と添付した図面から明確に理解することができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の目的を達成するのために、本発明の実施例による仮想ゴルフ装置は、ユーザーが打撃する実際のゴルフボールが置かれる打撃マットと、ユーザーが打撃した前記実際のゴルフボールの状態を感知する感知部と、前記感知部での感知結果に基づいて、仮想のゴルフコースで仮想のゴルフボールの動きを算出する制御部と、前記仮想のゴルフコースと前記仮想のゴルフボールに対する映像を表示する表示部とを含む。前記打撃マットは、第1打撃領域と第2打撃領域を含み、前記仮想のゴルフコースは、前記第1打撃領域に相応する第1仮想領域と前記第2打撃領域に相応する第2仮想領域を含み、前記制御部は、ユーザーが打撃した実際のゴルフボールの状態に基づいて、前記仮想ゴルフボールの動きを算出する算出過程を行った後、前記算出された軌跡による飛距離を調整する調整過程をさらに行うことができる。
【0008】
上記仮想ゴルフ装置において、前記制御部は、ユーザーの打撃時に前記実際のゴルフボールと前記仮想のゴルフボールとが互いに相応しない領域に位置する場合に、前記調整過程をさらに行う。
【0009】
上記仮想ゴルフ装置において、前記制御部は、前記調整過程で前記算出された軌跡による飛距離を減少させたり又は増加させる。前記調整過程で、ユーザーのレベルにより飛距離の減少/増加の可否、飛距離減少量/増加量が決定される。又は、前記調整過程での飛距離の減少/増加可否、飛距離減少量/増加量は、ユーザー自分で設定することができる。
【0010】
上記仮想ゴルフ装置において、前記第1打撃領域はフェアウェイ領域であり、前記第2打撃領域は非フェアウェイ領域であり、前記第1仮想領域は仮想フェアウェイ領域であり、前記第2仮想領域は仮想非フェアウェイ領域である。前記制御部は、ユーザーの打撃時に前記仮想のゴルフボールが前記仮想非フェアウェイ領域に位置し、前記実際のゴルフボールが前記フェアウェイ領域に位置する場合に、前記調整過程をさらに行う。
【0011】
本発明の実施例による仮想ゴルフ装置の動作方法は、上記仮想ゴルフ装置が、ユーザーが打撃する実際のゴルフボールが置かれる打撃マットと、ユーザーが打撃した前記実際のゴルフボールの状態を感知する感知部と、前記感知部での感知結果に基づいて、仮想のゴルフコースで仮想のゴルフボールの動きを算出する制御部と、前記仮想のゴルフコースと前記仮想のゴルフボールに対する映像を表示する表示部とを含み、また、前記打撃マットは、第1打撃領域と第2打撃領域を含み、前記仮想のゴルフコースは、前記第1打撃領域に相応する第1仮想領域と前記第2打撃領域に相応する第2仮想領域を含み、ユーザーの打撃時に前記実際のゴルフボールと前記仮想のゴルフボールが互いに相応する領域に位置するかどうかを感知するステップと、ユーザーの打撃時に前記実際のゴルフボールと前記仮想のゴルフボールが互いに相応しない領域に位置する場合に、ユーザーが打撃した実際のゴルフボールの状態に基づいて、前記仮想ゴルフボールの動きを算出する算出過程を行って、前記算出された軌跡による非距離を調整する調整過程をさらに行うステップとを含む。
【発明の効果】
【0012】
本発明の仮想ゴルフ装置及び仮想ゴルフ装置の動作方法によれば、複数領域の打撃マットを利用することにより、ゴルフコースの様々な領域での打撃感を体感することができ、ユーザーの能力を考慮して打撃後に算出される飛距離を適切に調整することにより、初心者も容易にスクリーンゴルフを楽しむことができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施例による仮想ゴルフ装置の概略的な構造を示す図である。
図2図1の仮想ゴルフ装置の主要構成に対するブロック構成図である。
図3図1の仮想ゴルフ装置において打撃マットを詳細に示す図である。
図4図1の仮想ゴルフ装置のスクリーンで表示されることができる仮想ゴルフコースを示す図である。
図5図1の仮想ゴールプ装置に適用されることができる動作方法を示すフローチャートである。
図6図5の算出過程を説明するための図である。
図7図5の算出過程を説明するための図である。
図8図5の調整過程を説明するための図である。
図9図5の調整過程を説明するための図である。
図10図2のデータベースの様々な細部構造を示す図である。
図11図2のデータベースの様々な細部構造を示す図である。
図12図2のデータベースの様々な細部構造を示す図である。
図13図2のデータベースの様々な細部構造を示す図である。
図14】本発明の他の実施例による仮想ゴルフ装置の概略的な構造を示す図である。
図15図14の仮想ゴルフ装置に適用されることができる動作方法を示すフローチャートである。
図16図14の仮想ゴルフ装置に適用されることができる動作方法を示すフローチャートである。
図17図14の仮想ゴルフ装置のスクリーンに表示される画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明する。本発明の目的、特徴、利点は以下の実施例から容易に理解できるであろう。本発明は、ここで説明される実施例に限定されず、他の形態に具体化されることもできる。ここで紹介される実施例は、開示された内容が徹底的で完全なものとなるように、かつ本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に本発明の思想が十分に伝達されるようにするために提供されるものである。よって、以下の実施例により本発明が限定されてはならない。
【0015】
本明細書において、第1、第2などの用語が様々な要素(elements)を記述するために使用されたが、前記要素がこのような用語によって限定されてはならない。この用語は、単に前記要素を相互に区別するために使用されただけである。また、とある層(膜)が他の層(膜)または基板上にあると言及されている場合に、それは、他の層(膜)または基板上に直接形成されること、またはそれらの間に第3の層(膜)が介在することもできることを意味する。
【0016】
図面において、要素の大きさ、または要素間の相対的な大きさは、本発明に対するさらに明確な理解のために多少誇張して図示できる。また、図示した要素の形状が製造工程上の変異などによって多少変更できるであろう。したがって、本明細書で開示した実施例は、特別な記載がない限り、図示した形状に限定されてはならず、ある程度の変形を含むものと理解されるべきである。
【0017】
図1は、本発明の実施例による仮想ゴルフ装置の概略的な構造を示す図であり、図2は、図1の仮想ゴルフ装置の主要構成に対するブロック構成図である。
【0018】
図1及び図2を参照すると、仮想ゴルフ装置は打撃プレート(P)、感知部(10)、入力部(20)、シミュレータ(30)、表示部(40)を含む。打撃プレート(P)には、打撃用ゴルフボールが置かれている打撃マット(M)が具備され、前記ゴルフボールは、オートティーなどのような別の手段によって打撃マット(M)上に自動的に提供されることができる。
【0019】
感知部(10)は、ユーザーが打撃したゴルフボールの動きなどを感知して、打撃されたゴルフボールに関する全体的な状態情報を把握するためのものであり、ゴルフボールの動きを撮影することができるカメラやゴルフボールの動きを感知することができる感知センサーなどのような感知手段が使用されることができる。前記感知手段には、イメージセンシング、発光/受光センシング、レーザーセンシングなどの様々なセンシング方式が適用されることができ、このようなセンシング方法によってユーザーが打撃したゴルフボールの状態情報を把握することができる。前記カメラや感知センサーなどは単独に使用されたり、又は一緒に使用されることができる。また、一個のみが使用されたり、又は複数個が使用されることもできる。
【0020】
入力部(20)は、ユーザーから各種の情報を受けるためのものであり、キーボードやマウスなどが使用されることができる。スクリーンゴルフでは、ユーザーが自分のIDやパスワードを入力する場合、ユーザーがプレイしたいゴルフコースやプレイ難易度を選択する場合などのように、ユーザーから情報の入力が必要な場合があり得、このような場合のために入力部(20)が具備される。
【0021】
入力部(20)からの入力データは、シミュレータ(30)に伝達されて処理される。例えば、ユーザーが、自分がプレイしたいゴルフコースを入力した場合に、入力した仮想のゴルフコースが表示部(40)を通じてユーザーに表示されるようにシミュレータ(30)が作動する。このようにシミュレータ(30)は、仮想ゴルフ装置の全体的な動作をコントロールしながら、ユーザー等からの様々な要求を処理する。図2に図示されたように、シミュレータ(30)は、制御部(31)、映像部(32)、データベース(33)を含む。制御部(31)は、各種の制御動作とともにユーザーが打撃したゴルフボールの動きを算出する役割などをし、映像部(32)は、ユーザーに表示される映像を生成する役割などをし、データベース(33)は制御部(31)と映像部(32)などの動作に必要なデータを貯蔵する。
【0022】
表示部(40)は、ビームプロジェクター(41)とスクリーン(42)を含む。ビームプロジェクター(41)はゴルフ関連映像データをスクリーン(42)に投射し、スクリーン(42)は投射された映像を表示してユーザーに提供する。スクリーン(42)で表示れるゴルフボールやゴルフコースなどは、映像のうちの仮想のゴルフボール、仮想のゴルフコースを示す。これを、本明細書では「仮想の」という用語を付けて命名する。実際にユーザーが打撃プレート(P)に置いて打撃する実際のゴルフボール(Real Ball)と映像に表示される仮想のゴルフボール(Virtual Ball)と混同されないように、映像に表示されるゴルフボールは「仮想のゴルフボール」と命名する。「仮想のゴルフボール」と同様に、ある対象物に「仮想」という修飾語を付けて映像の中の対象物であるという点を示す。例えば、「仮想のゴルフコース」とは、実際のゴルフ場のゴルフコースを示すものではなく、ゴルフ場のゴルフコースがスクリーンの中の映像で表現されたものを意味する。打撃対象である実際のゴルフボールについても、映像の中の仮想のゴルフボールとの混同を防止するために必要であれば「実際の」という修飾語を付けて「実際のゴルフボール」と命名することができる。
【0023】
本実施例による仮想ゴルフ装置は、スクリーンゴルフ場に設置されてユーザーがスクリーンゴルフをプレイできるようにする装置であり、ユーザーがスクリーンゴルフをプレイするときの概略的な動作は次の通りである。ユーザーがゴルフボールを打撃すると、感知部(10)がユーザーが打撃したゴルフボールの速度や移動方向などのような物理的な状態をセンシングする。感知部(10)によってセンシングされたセンシングデータはシミュレータ(30)に伝達され、シミュレータ(30)は伝達されたセンシングデータに基づく算出過程を経て、ユーザーが実際の屋外のゴルフ場でゴルフボールを打撃したと仮定した時にゴルフボールがどのような軌跡を示すかを算出する。前記算出過程は制御部(31)によって行われ、これをために、制御部(31)はシミュレータ(30)に設置される算出プログラムなどを含むことができる。算出過程が終わると、映像部(32)で前記算出された結果のとおり仮想のゴルフボールが動く映像データを生成し、前記映像データは表示部(40)に伝達されて表示される。
【0024】
図3は、図1の仮想ゴルフ装置において打撃マットを詳細に示す図であり、図4は、図1の仮想ゴルフ装置のスクリーンで表示されることができる仮想ゴルフコースを示す図である。
【0025】
図3を参照すると、本実施例による仮想ゴルフ装置に使用される打撃マット(M)は、複数の領域に区分されている。具体的に、打撃マット(M)は第1打撃領域(1)と第2打撃領域(2)に区分され、第1及び第2打撃領域(1、2)での打撃感難易度及び/または打撃感が互いに異なる。また、第2領域(2)は互いに打撃難易度及び/または打撃感が異なる2つのサブ領域(2a、2b)に区分されている。したがって、全体的に打撃マット(M)は、打撃難易度及び/または打撃感が異なる3つの領域に区分されている。打撃マット(M)の複数の区分領域は、実際のゴルフ場での様々な属性や様々な打撃難易度を有する地形に対応するように形成されることができる。
【0026】
実際のゴルフ場には、フェアウェイ、ラフ、バンカー、ウォーターハザードなどの様々な属性の地形がある。前記ラフはフェアウェイに比べて芝の長さが長くなっている地域であり、このように芝が長いラフでは芝が短いフェアウェイより打撃し難くて、打撃感が異なり打撃難易度も高い。また、前記バンカーは砂の地域であり、砂のために打撃することがさらに難しく、芝の地域(フェアウェイ、ラフ)に比べて打撃感が異なり打撃難易度も高い。打撃マット(M)の第1打撃領域(1)は、実際のゴルフで打撃難易度が最も低いフェアウェイに対応し、第2打撃領域(2)は、フェアウェイに比べて打撃難易度が高い非フェアウェイ(本明細書では、ラフ、バンカーなどのようにフェアウェイに比べて打撃難易度が高い領域を「非フェアウェイ」とする)に対応し、第2打撃領域(2)の2つのサブ領域(2a、2b)は、互いに打撃難易度が異なるラフとバンカーに対応するように形成されることができる。例えば、打撃マット(M)の第1打撃領域(1)と第2打撃領域(2)のうち一つのサブ領域(2a)とをフェアウェイとラフに対応するように長さが互いに異なる人工芝で形成し、打撃マット(M)において第2打撃領域(2)のうちの他のサブ領域(2b)を砂で打撃するのような打撃感を与えることができる材料で形成することができる。
【0027】
実際のゴルフでは、ウォーターハザードのようにフェアウェイ、ラフ、バンカー以外の他の地形があり、ラフやバンカーもライトラフ、ヘビーラフ、フェアウェイバンカー、グリーンバンカーのように細分化されるので、打撃マット(M)は実際のゴルフ場の様々な地形属性を反映するように様々な構造で形成されることができ、必ずしも図3に図示された構造に限定されるものではない。ただし、実際のゴルフ場において、非フェアウェイの中では他の領域よりもラフやバンカーが概ね広い領域を占めるので、以下では、第2打撃領域(2)の2つのサブ領域(2a、2b)はそれぞれラフ領域、バンカー領域と命名され、また第1及び第2打撃領域(1、2)はそれぞれフェアウェイ領域、非フェアウェイ領域と命名される。
【0028】
図4を参照すると、スクリーン(42)には仮想のゴルフコースが表示され、仮想のゴルフコースは実際のゴルフコースをそのまま表現した映像で提供される。したがって、実際のゴルフコースにフェアウェイ、ラフ、バンカーなどのような様々な属性を持つ地形があるように、スクリーン(42)の仮想のゴルフコースにも仮想フェアウェイ、仮想ラフ、仮想バンカーなどのような様々な属性を持つ地形が表示される。
【0029】
ユーザーがゴルフボールを打撃する際に、実際には打撃マット(M)上の実際のゴルフボールを打撃するが、スクリーンゴルフのプレイにおける設定では、スクリーン(42)の仮想のゴルフボールが置かれている地点でゴルフボールを打撃すると仮定する。例えば、スクリーン(42)の中の仮想のゴルフボールが仮想フェアウェイに置かれている場合、フェアウェイの領域に置かれているゴルフボールを打撃すると仮定し、スクリーン(42)の中の仮想のゴルフボールが仮想ラフに置かれている場合、ラフに置かれているゴルフボールを打撃すると仮定する。実際のゴルフでフェアウェイと非フェアウェイ(ラフやバンカーなど)で打撃する際の打撃難易度や打撃感が異なり、実際のゴルフでの打撃難易度や打撃感の差異をスクリーンゴルフで再現するために、本実施例による仮想ゴルフ装置の打撃マット(M)は複数の領域に区分されている。したがって、ユーザーは実際のゴルフでの領域による打撃難易度や打撃感の違いをそのまま体感するために、スクリーン(42)の中の仮想のゴルフボールが仮想フェアウェイに置かれている場合には、打撃マット(M)のフェアウェイ領域(第1領域(1))にゴルフボールを置いて打撃し、スクリーン(42)の中の仮想のゴルフボールが仮想非フェアウェイに置かれている場合には、打撃マット(M)の非フェアウェイに対応する領域(第2領域(2))にゴルフボールを置いて打撃する必要がある。要するに、ユーザーはスクリーン(42)の中の仮想ゴルフボールが置かれている領域と打撃マット(M)の実際のゴルフボールが置かれている領域が互いに対応するように実際のゴルフボールを配置した後、プレイする必要がある。しかし、ユーザーの故意又はミスのために、実際のゴルフボールを打撃マット(M)の間違った位置に置いて打撃することがありえる。本発明では、このような場合を考慮した特有の動作方法が適用されることができる。
【0030】
図5は、図1の仮想ゴールプ装置に適用されることができる動作方法を示すフローチャートであり、図6及び図7は、図5の算出過程を説明するための図であり、図8及び図9は、図5の調整過程を説明するための図であり、図10乃至図13は、図2のデータベースの様々な細部構造を示す図である。
【0031】
図5を参照すると、仮想ゴルフ装置に適用可能な動作方法は、感知ステップ(S10)、算出ステップ(S20)、表示ステップ(S30)を含む。本動作方法は図1の仮想ゴルフ装置に適用されることができるので、以下の説明では前記仮想ゴルフ装置に関する図1乃至図4で使用された図面参照符号が使用される。
【0032】
感知ステップ(S10)では、感知部(10)がユーザーが打撃する実際のゴルフボールが打撃マット(M)のどこに置かれているかとユーザーが打撃したゴルフボールの物理的な状態などとを感知する。算出ステップ(S20)では、感知ステップ(S10)での感知結果に基づいて、制御部(31)が仮想ゴルフコースでの仮想ゴルフボールの動きを算出する。表示ステップ(S30)では、算出ステップ(S20)での算出結果に基づいて、表示部(40)が前記仮想ゴルフコースと前記仮想ゴルフボールに対する映像を表示する。
【0033】
上記ステップにおいて、算出ステップ(S20)は複数のサブステップを含む。具体的に、算出ステップ(S20)は、第1サブステップ(S21)で打撃マット(M)に実際のゴルフボールが置かれている領域とスクリーン(42)の仮想ゴルフコースに仮想ゴルフボールが置かれている領域とが相応するかをチェックし、前記チェックの結果がYESである場合に第2サブステップ(S22)で算出過程を行い、NOである場合に第3及び第4サブステップ (S23、S24)でそれぞれ算出過程と調整過程を行う。
【0034】
図6は、第1サブステップ(S21)でのチェックの結果、打撃マットに実際のゴルフボール(RB)が置かれている領域とスクリーンの仮想ゴルフコースに仮想ゴルフボール(VB)が位置する領域が相応する例を示す。図6の(a)を参照すると、スクリーンの仮想ゴルフコースにおいて仮想ゴルフボール(VB)が仮想フェアウェイに位置する場合、実際のゴルフボール(RB)が打撃マットのフェアウェイ領域に置かれていると、仮想ゴルフボール(VB)と実際のゴルフボール(RB)は互いに対応する領域に位置することである。また、スクリーンの仮想ゴルフコースにおいて仮想ゴルフボール(VB)が仮想ラフに位置し、実際のゴルフボール(RB)が打撃マットのラフ領域に置かれている場合(図6の(b))と、スクリーンの仮想ゴルフコースにおいて仮想ゴルフボール(VB)が仮想バンカーに位置し、実際のゴルフボール(RB)が打撃マットのバンカー領域に置かれている場合と(図6の(c))にも、仮想のゴルフボール(VB)と実際のゴルフボール(RB)は互いに対応する領域に位置することである。つまり、図6に図示された3つの場合は、スクリーンの仮想ゴルフコースに仮想ゴルフボール(VB)が位置している地形の属性や打撃難易度に附合するように、実際のゴルフボール(RB)を打撃マットの対応領域に置いて打撃する場合を示す。
【0035】
上記のように、打撃マットに実際のゴルフボール(RB)が置かれている領域とスクリーンの仮想ゴルフコースに仮想ゴルフボール(VB)が位置する領域が対応する場合には、通常の算出過程が行われる。通常の算出過程では、ユーザーが打撃した実際のゴルフボールの状態に基づいて仮想ゴルフボールの動きを算出する。具体的に、図7を参照すると、ユーザーが打撃した実際のゴルフボールをチェックして打撃後のボール(B1)の物理的な状態を示すパラメータを感知する。前記パラメータとして、ボール(B1)の速度(V1)、ボール(B1)の回転を示すスピン(S1)、打撃によって飛行するボール(B1)の水平面での方向を示す方位角(φ1)とボール(B1)が水平面について傾いた角度を示す上下角(θ1)などを挙げることができる。速度(V1)、スピン(S1)、方位角(φ1)、上下角(θ1)などのようなパラメータを根拠にして物理法則を利用した計算モデルを適用すると、ボール(B1)の軌跡(T1)を算出することができ、このようにボール(B1)の物理的な状態から仮想ゴルフボールの軌跡(T1)を算出する過程が通常の算出過程である。
【0036】
上記算出過程において、前述の速度(V1)、スピン(S1)、方位角(φ1)、上下角(θ1)などのパラメータは例を挙げたものであり、ここで記載されたものにのみ限定されない。つまり、より精密に軌跡(T1)を算出するために他のパラメータがさらに追加されることも可能であり、または一部のパラメータを省略して簡単かつ迅速に算出過程を行うことも可能である。
【0037】
図8は、第1サブステップ(S21)でのチェックの結果、打撃マットに実際のゴルフボール(RB)が置かれている領域とスクリーンの仮想ゴルフコースに仮想ゴルフボール(VB)が位置する領域が相応しない例を示す。図8の(a)、(b)に図示されたように、スクリーンの仮想ゴルフコースにおいて仮想ゴルフボール(VB)が仮想ラフや仮想バンカーに位置する場合、実際のゴルフボール(RB)が打撃マットのフェアウェイ領域に置かれていると、仮想ゴルフボール(VB)と実際のゴルフボール(RB)は互いに対応しない領域に位置することである。また、図8の(c)に図示されたように、スクリーンの仮想コースにおいて仮想ゴルフボール(VB)が仮想バンカーに位置し、実際のゴルフボール(RB)が打撃マットのラフ領域に置かれている場合も、仮想ゴルフボール(VB)と実際のゴルフボール(RB)は互いに対応しない領域に位置することである。
【0038】
フェアウェイ、ラフ、バンカーでの打撃感や打撃難易度が異なるため、仮想ゴルフコースに仮想ゴルフボール(VB)が置かれている領域の打撃難易度と対応する打撃難易度を持つ打撃マット上の領域に、ユーザーが実際のゴルフボール(RB)を置いて打撃することが公正なプレイとすることができる。例えば、図8の(a)に図示されたケースを参照すると、スクリーンに仮想ゴルフボール(VB)が仮想ラフに置かれているので、ユーザーはこれに対応するように打撃マットのラフ領域に実際のゴルフボール(RB)を置いて打撃しなければならないが、実際にはラフ領域よりも打撃難易度が低いフェアウェイ領域に実際のゴルフボール(RB)を置いて打撃しているので、仮想のゴルフコースを基準にする場合よりも打撃難易度が低い状態で打撃することであって、これは不公正であるとすることができる。ユーザーが一人でプレイする場合には、本人の希望によりどのような方法でプレイしても問題がないが、複数のユーザーが一緒にプレイする場合には、一部のユーザーが不公正な方式でプレイするときには問題があり得る。このように不公正なプレイ方式については、様々な立場があり得る。例えば、特定のユーザーのみが他のユーザーと異なる方式により打撃難易度が低くなった状態でプレイしながら不当な利得を得ることを許容できず、このような場合には該当ユーザーにペナルティを課す必要があるという立場があり得る。または、該当ユーザーが初心者であれば、初心者である点を勘案してある程度のアドバンテージを与えても構わないという立場があり得る。上記の様々な立場が反映されるように、本動作方法では、第3ステップ(S23)で通常の算出過程を行った後、第4ステップ(S24)で追加的に調整過程を行うことができる。
【0039】
図9の(I)を参照すると、第3ステップ(S23)による算出過程では、ユーザーが打撃した実際のゴルフボールをチェックして打撃後のボール(B1)の物理的な状態を示すパラメータ(速度(V1)、スピン(S1)、方位角(φ1)、上下角(θ1)など)を検出し、検出結果を根拠にしてボール(B1)の軌跡(T1)を計算し、その結果、前記軌跡によるボール(B1)の着地位置は第1位置(P1)になる。図9の(II)を参照すると、第4ステップ(S24)による調整過程では、上記前記算出過程による軌跡(T1)の飛距離を所定距離(Δ1)だけ減少させることができる。その結果、調整過程後のボール(B1)の着地位置は第2位置(P2)になり、それに応じてボール(B1)の軌跡(T2)も変更されることができる。または、図9の(III)を参照すると、第4ステップ(S24)による調整過程では、上記算出過程による軌跡(T1)の飛距離を所定距離(Δ2)だけ増加させることができる。その結果、調整過程後のボール(B1)の着地位置は第3位置(P3)になり、それに応じてボール(B1)の軌跡(T3)も変更されることができる。
【0040】
上記のように、調整過程では、算出過程で算出された飛距離を減少させたり増加させることができる。調整過程で飛距離を減少させることは、ユーザーに対するペナルティとすることができ、調整過程で飛距離を増加させることは、ユーザーに対するアドバンテージとすることができる。ゴルフはホールカップにゴルフボールをホールインするまでの合計打数が少ないゴルファーが勝者となるスポーツであり、飛距離が増加するにつれてゴルフボールがホールカップに近接するために、打数を減らすことができる可能性が高くなる。したがって、飛距離を減少させるほどユーザーに不利であるため、これはペナルティとなり、飛距離を増加させるほどユーザーに有利であるため、これはアドバンテージとなる。本動作方式によると、実際のゴルフボールが位置する打撃マット上の領域と仮想ゴルフボールが着地している仮想ゴルフコース上の地形が互いに対応しない時に、このような状態での打撃は不公正なプレイとすることができるが、不公正なプレイに対する対策として調整過程を通じてユーザーに飛距離を減少させるペナルティを与えたり、飛距離を増加させるアドバンテージを与える。ここで調整過程を省略することも可能であり、これは飛距離を減少させたり又は増加させたりすることではないが、一種のアドバンテージである。なぜなら、仮想ゴルフボールが着地されている仮想ゴルフコース上の地形がラフやバンカーである場合に、前記ラフやバンカーより打撃難易度が低い打撃マットのフェアウェイ領域にゴルフボールを置いて打撃することが、それのみでもユーザーに有利に作用するからである。
【0041】
飛距離を増加/減少させるかの可否、飛距離をいくら増加/減少させるか、または飛距離の調整過程を省略するかどうかを決定する方法ついては、いろいろな方法が有り得る。一例として、ユーザーのレベルにより上記の事項を決定するようにすることができる。ここで、ユーザーのレベルはユーザーのプレイ情報を根拠にして算定されることができる。スクリーンゴルフ場は通常会員制運営であるために、スクリーンゴルフのサービスを提供する前に、会員の身元を確認するためにログイン過程を行う。ログイン過程を行った後、ユーザーの身元が確認された状態でスクリーンゴルフのサービスが提供され、身元が確認されたユーザーがスクリーンゴルフのプレイをする間に、そのユーザーのプレイ記録がデータベース(33)に保存されることができる。データベース(33)に保存されたプレイ記録などを活用すれば、ユーザーのレベルを判定することができる。データベース(33)にはさまざまな方法でユーザーの情報が保存され、いくつかの例を図面を参照して説明する。
【0042】
図10を参照すると、データベースには、複数のユーザーに対してユーザーごとに異なるストレージが割り当てられ、各ユーザに割り当てられたストレージには様々な情報が貯蔵される。例えば、ユーザA、Bがあるとすれば、データベースにはユーザーAの情報を貯蔵するストレージ(P1)とユーザーBの情報を貯蔵するストレージ(P2)が互いに区分されており、各ユーザーのための領域にはユーザーの個人情報DB、ユーザーのプレイ情報DB、ユーザーのレベル情報DBなどが具備されている。ユーザーの個人情報DBは、ユーザーの個人情報を貯蔵するものであり、ログイン過程などに利用することができる。ユーザーのプレイ情報DBは、ユーザーがプレイした記録を貯蔵するものであり、ユーザーが閲覧するように提供されることができる。ユーザーのレベル情報DBは、ユーザーに対して評価したレベルを記録するものであり、ユーザーが閲覧するように提供されることができる。ユーザーのレベルは固定されているものではなく、ユーザーのプレイ記録が更新されるとそれに合わせて変更されることができる。
【0043】
ユーザーのレベルは、ユーザーのプレイ情報DBに保存されたデータに基づいて算定することができる。ユーザーのプレイ情報DBには、プレイ回数、プレイ時間、プレイ記録などがありえる。プレイ回数やプレイ時間が大きければ、それだけ他のユーザーよりも多くプレイしたことを意味し、一般的により多くプレイするほどその実力が向上されてレベルが高くなることができる。また、ユーザーのプレイ記録と関連しては、例えば、平均打数、ドライバ飛距離、フェアウェイ安着率、グリーン正確度、平均パッティング数などがユーザーの過去の記録から算出されて貯蔵されていることができ、これらのうちの少なくともいずれかがレベル算定に使用されることができる。
【0044】
平均打数は、ユーザーが記録した打数を加えた後、これをホール数により分けるものの平均値を意味する。一般的に総18ホールで構成されるゴルフコースにおいて、規定打数をすべて足すと72打になり、プロゴルファーは60代後半や70代前半の打数を記録し、一般人は80打以内にあれば上級者と認められる。平均打数は、総合的な観点からゴルファーの能力を示すものであると見ることができる。
【0045】
平均打数以外にも、ドライバーの飛距離、フェアウェイ安着率、グリーン正確度、平均パッティング数などをレベル算定に使用することができる。ドライバ飛距離はドライバーショットによってゴルフボールが飛行する距離を示す。ゴルフでは打数を減らすことが最終的な目標であるため、飛距離が他人に比べて長いと打数を減らす可能性が高くなる。飛距離は、単に力がいいとして増加するのではなく、スイングの姿勢やゴルフボールのインパクト時のスイングの精度などの技術的な側面に影響を受けるため、飛距離が長ければ長いほど、ユーザーレベルが高いと見ることができる。フェアウェイ安着率は、ドライバによるティーショットがどの程度の割合で(ラフやバンカーに陥ることなく)フェアウェイに安着されるかを数値で示すものである。グリーン正確度は、グリーンにゴルフボールを規定打数の以下で安着した回数を「パーセント(%)」で示すものである。平均パッティング数は、オングリーンの状態でホールインまでパッティングした回数の平均値を示す。ドライバ飛距離はドライバーショットの長打能力を示し、フェアウェイ安着率やグリーン正確度はショットの精度を示し、平均パッティング数はパッティングの精度を示すので、これらのうちの少なくともいずれか一つを利用してユーザーのレベルを算定することができる。
【0046】
平均打数は、総合的な観点でゴルファーの能力を示し、ドライバー飛距離、フェアウェイ安着率、グリーン正確度、平均パッティング数などは、細部的な特定側面でゴルファーの能力を示すので、これらを適切に組み合わせてユーザーのレベルを正確に算定することができる。
【0047】
上記のように、ユーザーのレベルを算定すれば、これをユーザのレベル情報DBに保存することができる。また、ユーザーのレベル情報DBには、ユーザーのレベルに基づいて調整過程でどのような方法で処理するかのデータが貯蔵されていることができる。即ち、図10に図示されたように、特定のユーザー(ユーザーA)はレベルが低くてアドバンテージを与える必要があると判断される場合には、調整過程でどの程度の飛距離を増加させるかに対するデータがユーザーのレベル情報DBに保存されていることができる(例えば、図10に図示されたように、20%飛距離増加)。また、特定のユーザー(ユーザーB)はレベルが高くてアドバンテージを与える必要がなく、不公正なプレイ時にペナルティを与える必要があると判断される場合には、調整過程でどの程度の飛距離を減少させるかに対するデータがユーザーのレベル情報DBに保存されていることができる(例えば、図10に図示されたように、10%飛距離減少)。また、図10に図示されていないが、アドバンテージを与える方式の一例として、特定のユーザーに調整過程を省略する内容のデータがユーザーのレベル情報DBに保存されていることもできる。第3及び/または第4ステップ(S23、S24)で、制御部(31)は、データベースのユーザーのレベル情報DBを参照して特定のユーザーに対して非距離を増加/減少させるかどうかを判断し、また所定の飛距離増加量/減少量を適用して特定の打撃における最終的な飛距離を算定することができる。
【0048】
図11を参照すると、データベースは前述の方法と異なる方法でユーザーの情報を保存することができる。すなわち、図10に図示されたようにユーザーのレベル情報DBを別に形成せずに、ユーザーのレベルによりストレージが区分されるようにすることができる。例えば、ユーザA、B、C、Dがあり、ユーザーA、Bはレベル1に属し、ユーザーC、Dはレベル2に属するとすれば、データベースにはレベル1に属するユーザーのための領域(N1)とレベル2に属するユーザーのための領域(N2)が互いに区分されており、ユーザーAの情報を貯蔵する領域(P1)とユーザーBの情報を貯蔵する領域(P2)は前記レベル1の領域(N1)にともに形成され、ユーザーCの情報を貯蔵する領域(P3)とユーザーDの情報を貯蔵する領域(P4)は前記レベル2の領域(N2)にともに形成される。レベル1が最下位レベルであり数字が大きいほど高レベルであるとすれば、レベル1、2に属するユーザーには、調整過程で飛距離が増加するように設定することができる。具体的に、図11に図示されたように、レベル1に属するユーザーのための領域(N1)には、そのレベルのユーザーに最大どの程度に飛距離を増加させるかに関する情報が保存されており、レベル2に属するユーザーのための領域(N2)には、そのレベルのユーザーにレベル1のユーザーに比べて飛距離の増加量が小さい条件下で飛距離をどの程度に増加させるかに関する情報が保存されていることができる。
【0049】
飛距離の増加/減少の可否、飛距離をどの程度に増加/減少させるか、または飛距離の調整過程実施の省略の可否を、ユーザーが自分でセッティングするように構成することもできる。図12を参照すると、データベースには、複数のユーザーに対して、ユーザーごとに別のストレージが割り当てられる。各ユーザーに割り当てられた領域に様々な情報が保存されている。例えば、ユーザA、Bがあるとすれば、データベースには、ユーザーAの情報を貯蔵する領域(P1)とユーザーBの情報を貯蔵する領域(P2)が互いに区分されており、各ユーザーのための領域には、ユーザーの個人情報DB、ユーザーのプレイ情報DB、飛距離の設定情報DBなどが具備されている。図10を参照して説明したデータベースの構造と比較すると、ユーザーの個人情報DBとユーザーのプレイ情報DBは互いに同一であるが、ユーザーのレベル情報DBの代わりに飛距離設定情報DBが備えられる点で違いがある。飛距離設定情報DBには、ユーザーが自分で入力部(20)を通じて、調整過程での飛距離の増加/減少の可否とそれによる飛距離の増加量/減少量を入力することができ、前記入力データは飛距離設定情報DBに貯蔵される。この場合、ユーザーのレベルを評価するユーザーのレベル情報DBは不必要であり、第3及び/または第4ステップ(S23、S24)で、制御部(31)は飛距離設定情報DBを参照して該当ユーザーが入力した増加量/減少量により飛距離を増加/減少させて最終的な飛距離を算定する。
【0050】
飛距離の増加/減少の可否、飛距離をどの程度に増加/減少させるか、または飛距離の調整過程実施の省略の可否を、ユーザーが自分でセッティングするようにしたり、又はユーザーのレベルにより決定されるようにすることもできる。図13を参照すると、データベースには、複数のユーザーに対してユーザーごとにストレージが割り当てられており、各ユーザに割り当てられたストレージには様々な情報が貯蔵される。すなわち、各ユーザーのための領域には、ユーザーの個人情報DB、ユーザーのプレイ情報DB、ユーザーのレベル情報DB、飛距離設定情報DBなどが具備されている。図10を参照して説明したデータベースの構造と比較すると、ユーザーの個人情報DB、ユーザーのプレイ情報DB、ユーザーのレベル情報DBは互いに同一であり、飛距離設定情報DBがさらに備えられる点で違いがある。飛距離設定情報DBには、ユーザーが自分で入力部(20)を通じて、調整過程で飛距離の増加/減少の可否及びそれによる飛距離の増加量/減少量を入力することができ、前記入力データは飛距離設定情報DBに保存される。この場合、第3及び/または第4ステップ(S23、S24)で、制御部(31)は飛距離設定情報DBの内容を参照して該当ユーザーが入力した増加量/減少量により飛距離を増加/減少させて最終的な飛距離を算定することができる。また、ユーザーが別に調整過程での飛距離の増加/減少の可否及び飛距離の増加量/減少量を入力しなかったときに、制御部(31)はユーザーのレベル情報DBを参照して、そのユーザーにに対して飛距離を増加/減少させるかどうかを判断し所定の飛距離増加量/減少量を適用して、特定の打撃に対する最終的な飛距離を算定することができる。
【0051】
上記のように、本動作方式によると、ユーザーのレベルによる調整過程を通じて、高レベルのユーザーには不公正プレイに対して飛距離を減少させるペナルティを適用し、低レベルのユーザーには不公正プレイでも飛距離を減少させないか又はむしろ飛距離を増加させるアドバンテージを適用することで、上級者には公正プレイを誘導し、初心者には不公正な側面があってもゴルフの進入障壁を下げてプレイを楽しむことができるようにする効果がある。また、調整方式をユーザー自分でセッティングできるようにすることで、ユーザーが好む任意の方式でプレイすることができる機会を提供する。
【0052】
図14は、本発明の他の実施例による仮想ゴルフ装置の概略的な構造を示し、図15及び図16は、図14の仮想ゴルフ装置に適用されることができる動作方法を示すフローチャートであり、図17は、図14の仮想ゴルフ装置のスクリーンに表示される画面の一例を示す。
【0053】
図14を参照すると、本実施例による仮想ゴルフ装置は、複数のスクリーンゴルフ場(100)、中央サーバ(200)、中央サーバ(200)に具備されるデータベース(210)を含む。スクリーンゴルフ場(100)は、中央サーバ(200)と有無線通信網などを通じて連結されている。スクリーンゴルフ場(100)の内部には、打撃プレート(P)、打撃マット(M)、感知部(110)、入力部(120)、シミュレータ(130)、表示部(140)が具備されている。シミュレータ(130)は制御部と映像部を含み、表示部(140)はビームプロジェクター(141)とスクリーン(142)を含む。これら構成は、図1及び図2を参照して説明した前述の実施例における仮想ゴルフ装置の構成と類似に動作するので、これらの詳細な説明は省略する。前述の実施例では、シミュレータがデータベースを含むが、本実施例において、前記データベースはシミュレータ(130)に備えられることも可能であるが、これは中央サーバ(200)に具備されるデータベース(210)によって代替することができる。中央サーバ(200)は、複数のスクリーンゴルフ場(100)を運営するサービス業者が複数のスクリーンゴルフ場(100)を効率的に管理するために使用するものである。スクリーンゴルフのサービスを利用しようとするユーザーは、前記サービスの提供を受けるために、まずログインを行う。中央サーバ(200)は、ログインをする際に、ユーザーの身元を確認してログインの承認可否を決定する役割をする。中央サーバ(200)のデータベース(210)には、ログイン過程においてユーザーの身元を確認するための情報などが保存されている。このように、中央サーバ(200)のデータベース(210)に各種の情報が保存されていれば、ユーザーが複数のスクリーンゴルフ場(100)のどちらを利用しても、中央サーバ(200)を通じてデータベース(210)に保存されている情報を活用できる。
【0054】
本実施例による仮想ゴルフ装置にも、前述の動作方式(図5を参照)が適用されることができる。つまり、スクリーンの中の仮想ゴルフボールが置かれている地形と打撃マット上の実際のゴルフボールが置かれている領域が互いに対応する場合には、通常の算出過程を行い、互いに対応しない場合には、通常の算出過程後に調整過程を追加することができる。上記調整過程の進行可否と調整過程時の飛距離の減少量/増加量などは、ユーザーのレベルにより決定されることができる。または、本実施例による仮想ゴルフ装置には、前述の動作方式を若干変形した動作方式が適用されることができる(この変形動作方式は前述の仮想ゴルフ装置に適用されることもできる)。この変形動作方式で、ユーザーは仮想ゴルフボールが仮想非フェアウェイ領域に着地した際に、実際のゴルフボールを常に打撃マットの非フェアウェイ領域に置いて打撃するプレイ方式(これを「第1モード」とする)と、実際のゴルフボールを常に打撃マットのフェアウェイ領域に置いて打撃するプレイ方式(これを「第2モード」とする)のうちいずれかを予め選択した後、前記選択された方式によるプレイする。
【0055】
第1モードの要旨は、仮想のゴルフコース上に仮想のゴルフボールがどのような仮想領域に置かれているかを見て、仮想のゴルフボールが置かれている仮想領域に対応する打撃マット(M)上の領域にゴルフボールを置いて打撃するものである。図15を参照すると、第1モードにおいて、まずシミュレータ(130)の制御部は、仮想のゴルフコースで現在仮想ゴルフボールが置かれている領域(これを便宜上「A」とする)を確認する(S110)。また、感知部(110)は、打撃マット(M)で実際のゴルフボールが置かれている領域(これを便宜上「B」とする)を感知(S120)して前記制御部に伝達する。制御部は前記AとBが対応するかをチェックする(S130)。
【0056】
ここで、AとBが対応する例として、打撃マット(M)で実際のゴルフボールがフェアウェイ領域に位置し、仮想のゴルフコースで仮想のゴルフボールが仮想フェアウェイに位置する場合(図6の(a)を参照)、打撃マット(M)で実際のゴルフボールがラフ領域に位置し、仮想のゴルフコースで仮想のゴルフボールが仮想ラフに位置する場合(図6の(b)を参照)、打撃マット(M)で実際のゴルフボールがバンカー領域に位置し、仮想のゴルフコースで仮想のゴルフボールが仮想バンカーに位置する場合(図6の(c)を参照)があり得る。
【0057】
第1モードでは、上記のようにAとBが相応する場合に、ユーザーがゴルフボールを打撃すると(S141)、制御部は打撃されたゴルフボールの物理的状態を把握してこれを根拠にして仮想のゴルフコースでの仮想のゴルフボールの軌跡を算出し(S142)、算出された結果の映像を表示部(130)に表示する(S143)。
【0058】
AとBが相応しない場合に、AとBが相応することになるように誘導するために、制御部は打撃マット(M)におけるゴルフボールの位置を変更するようにユーザーにアドバイスする。例えば、仮想のゴルフボールが仮想バンカーにあり実際のゴルフボールが打撃マット(M)のフェアウェイ領域に置かれていれば、「ゴルフボールを打撃マットのバンカー領域に移動した後に、打撃してください。」というアドバイスを表示部(140)に表示したり、又は「ゴルフボールを打撃マットのバンカー領域に移動した後に打撃しない場合には、打撃が無効になります。」という警告メッセージを表示する(S151)。制御部は、このようなアドバイスが1回または数回繰り返して表示されるようにし、アドバイスを表示した後にはAとBの相応可否を継続してチェックする(S130)。しかし、上記アドバイにもかかわらず、AとBが相応しない状態でユーザーがゴルフボールを打撃する場合(S152)、制御部はユーザの打撃を無効に処理(S153)する。したがって、ユーザーが打撃したにもかかわらず、前記打撃結果に基づいて仮想ゴルフボールの軌跡を算出せず、表示部(140)にも仮想ゴルフボールが動く映像が表示されない。
【0059】
第2モードの要旨は、仮想のゴルフコース上に仮想のゴルフボールがどのような仮想領域に置かれているかに関係なく、常に打撃マット上のフェアウェイ領域にのゴルフボールを置いて打撃するものである。一般的に、打撃マット(M)のフェアウェイ領域にオートティーが具備されていて、これを通して打撃用ゴルフボールがフェアウェイ領域に自動的に提供される。したがって、ユーザーが非フェアウェイ領域にゴルフボールを置いて打撃するためには、ユーザーがフェアウェイ領域に自動的に提供されているゴルフボールを直接非フェアウェイ領域に移動させなければならない。ユーザーの立場では、ゴルフボールを移動させることは煩い仕事であると思って、ゴルフボールを移動させずに常にフェアウェイ領域でのみ打撃することを希望する場合があり得る。または、ユーザーが非フェアウェイ領域は打撃難易度が高くて打撃感が良くないと思って、常にフェアウェイ領域でのみ打撃することを希望する場合が有り得る。このようなユーザーのために、本発明では、第1モードと別個に第2モードを提供する。第2モードでは、仮想のゴルフコースに仮想のゴルフボールが置かれている領域が打撃マット(M)に実際のゴルフボールが置かれている領域と一致しなくてもその打撃を有効に認め、このように認める代わりに、仮想ゴルフボールの軌跡を算出することにおいてその飛距離を元来飛距離と異なるように調整することができる。
【0060】
図16を参照すると、第2モード下において、まずシミュレータ(130)の制御部は、仮想のゴルフコースで現在仮想ゴルフボールが置かれている領域(これを便宜上「A」とする)を確認する(2110)。また、感知部(110)は、打撃マット(M)で実際のゴルフボールが置かれている領域(これを便宜上「B」とする)を感知(S220)して前記制御部に伝達する。続いて、前記制御部は、実際のゴルフボールが打撃マット(M)のフェアウェイ領域に位置するかをチェックする(S230)。
【0061】
ここで、実際のゴルフボールが打撃マット(M)のフェアウェイ領域に位置する際に、仮想のゴルフボールの位置することができる場合の数は3つがあり得る。つまり、[1]打撃マット(M)で実際のゴルフボールがフェアウェイ領域に位置し、仮想のゴルフコースで仮想のゴルフボールが仮想フェアウェイに位置する場合(図6の(a)を参照)、[2]打撃マット(M)で実際のゴルフボールがフェアウェイ領域に位置し、仮想のゴルフコースで仮想のゴルフボールが仮想ラフに位置する場合(図8の(a)を参照)、[3]打撃マット(M)で実際のゴルフボールがフェアウェイ領域に位置し、仮想のゴルフコースで仮想のゴルフボールが仮想バンカーに位置する場合(図8の(b)を参照)である。[1]は、仮想のゴルフコースで仮想ゴルフボールが置かれている領域の属性(フェアウェイ)に合わせて、実際のゴルフボールも同一の属性を有する打撃マット(M)の領域で打撃することであるが、これに比べて、[2]、[3]は、仮想のゴルフコースで仮想ゴルフボールが置かれている領域の属性(非フェアウェイ)に附合せず、実際のゴルフボールは他の属性を有する打撃マット(M)の領域で打撃することである。非フェアウェイがフェアウェイに比べて打撃難易度が高い点を勘案すれば、[1]は公平なプレイとすることができ、[2]、[3]は不公正なプレイとすることができる。
【0062】
第2モードで、実際のゴルフボールが打撃マット(M)のフェアウェイ領域に位置しない場合に、制御部は打撃マット(M)のフェアウェイ領域に実際のゴルフボールを移動するようにユーザーにアドバイスする(S251)。ただし、オートティーが設置されると、大概実際のゴルフボールはフェアウェイの領域に提供されるため、ユーザーが実際のゴルフボールを移動させない場合には、実際のゴルフボールがフェアウェイ領域以外の領域に置かれている可能性は低い。しかし、ユーザーのミス(例ば、最初に第2モードを選択したユーザーが、第1モードでプレイしていると間違えて、オートティーで提供されたゴルフボールの位置を変更させる場合)などにより、ゴルフボールがフェアウェイ領域以外の領域に置かれていることが有り得る。
【0063】
とにかく、ゴルフボールが打撃マット(M)のフェアウェイ領域に位置しない場合に、「ゴルフボールを打撃マットのフェアウェイ領域に移動した後に、打撃してください。」というアドバイスを表示部(140)に表示したり、又は「ゴルフボールを打撃マットのフェアウェイ領域に移動した後に打撃しない場合には、打撃が無効になります。」という警告メッセージを表示する(S251)。制御部は、このようなアドバイスが1回または数回繰り返して表示されるようにし、上記アドバイにもかかわらず、ユーザーがゴルフボールを打撃する場合(S252)、制御部はユーザの打撃を無効に処理(S253)する。無効に処理するときには、ユーザーが打撃したにもかかわらず、前記打撃結果に基づいて仮想ゴルフボールの軌跡を算出せず、表示部(140)にも仮想ゴルフボールが動く映像が表示されない。
【0064】
ユーザーがフェアウェイ領域に置かれている実際のゴルフボールを打撃すると(S241)、制御部は打撃されたゴルフボールの物理的状態を把握してこれを根拠にして仮想のゴルフコースでの仮想のゴルフボールの軌跡を算出しまた算出された軌跡の飛距離を調整することができ(S242)、以後算出された軌跡又は算出した後の調整された軌跡に沿って動く仮想のゴルフボールを表示部(140)に表示する(S243)。
【0065】
飛距離の調整過程では、算出された飛距離を減少させたり、または算出された飛距離をそのまま維持したり、または算出された飛距離を増加させたりすることができる。前記[1]のようにAとBが対応する場合には、算出された軌跡の飛距離をそのまま維持することができ、前記[2]、[3]のようにAとBが対応しない場合には、ユーザーの不公正なプレイに対する一種のペナルティとして算出された軌跡の飛距離を減少させることができる。またはユーザーが初心者である場合には、調整過程で飛距離を増加させることができる。飛距離を増加/減少させるか、飛距離をいくら増加/減少させるか、または飛距離の調整過程を省略するかどうかを決定する方法については、いろいろな方法が有り得る。例えば、ユーザーのレベルにより上記事項を決定するか又はユーザーが自分で上記事項に対する処理を決定してセッティングするようにすることができる。こと時に、図10乃至図13を参照して説明した方法が適用されることができる。
【0066】
図17を参照すると、複数のユーザーが自分で選択したさまざまなプレイモードでプレイする際に、表示部(140)のスクリーンには仮想ゴルフコースと仮想ゴルフボールに対する映像が表示され、ここで複数のユーザーそれぞれに対するウィンドウ(W1、W2)が別々に表示される。具体的に、図17の(a)に図示されたように、複数のユーザーに対するウィンドウ(W1、W2)が一緒にスクリーンに表示されることができる。または図17の(b)に図示されたように、複数のユーザーのうち特定のユーザーのウィンドウのみが交互に表示されるようすることができる。例えば、「金プロ」というニックネームのユーザーと「李プロ」というニックネームのユーザーとが一緒にプレイしている時に、「金プロ」というニックネームのユーザーが打撃しなければならない順序には、「金プロ」というニックネームのユーザーに対するウィンドウ(W1)のみが表示され、「李プロ」というニックネームのユーザーが打撃しなければならない順序には、「李プロ」というニックネームのユーザーに対するウィンドウ(W2)のみが表示されるようにすることができる。前記ユーザーウィンドウ(W1、W2)には、各ユーザーに対する簡単な情報(ID、ニックネーム、個人記録など)が表示され、また、各ユーザーが選択したプレイモードが表示される。したがって、各ユーザは、自分のウィンドウ(W1、W2)を参照して自分がプレイしているモードをいつでも確認しながら、各モードで定められたルールに違反しないようにプレイすることができる。
【0067】
本実施例によれば、ユーザーが自分でプレイモードを選択することができるので、自分が希望するプレイモードでさまざまな方式でスクリーンゴルフをプレイしながら楽しむことができる効果がある。
【0068】
以上、本発明の具体的な実施例について考察した。本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明が本発明の本質的な特性から逸脱しない範囲で変形した形態で具現できることを理解することができるであろう。したがって、開示された実施例は限定的な観点ではなく、説明的な観点で考慮されるべきである。本発明の範囲は前述した説明ではなく、特許請求の範囲に示されており、それと同等の範囲内にあるすべての差異点は本発明に含まれるものと解釈されるべきである。
なお、出願当初の特許請求の範囲の記載は以下の通りである。
請求項1:
ユーザーが打撃する実際のゴルフボールが置かれる打撃マットと、
ユーザーが打撃した前記実際のゴルフボールの状態を感知する感知部と、
前記感知部での感知結果に基づいて、仮想のゴルフコースで仮想のゴルフボールの動きを算出する制御部と、
前記仮想のゴルフコースと前記仮想のゴルフボールに対する映像を表示する表示部と、
を含み、
前記打撃マットは、第1打撃領域と第2打撃領域を含み、
前記仮想のゴルフコースは、前記第1打撃領域に相応する第1仮想領域と前記第2打撃領域に相応する第2仮想領域を含み、
前記制御部は、ユーザーが打撃した実際のゴルフボールの状態に基づいて、前記仮想ゴルフボールの動きを算出する算出過程を行った後、前記算出された軌跡による飛距離を調整する調整過程をさらに行うことができる
仮想ゴルフ装置。
請求項2:
前記制御部は、ユーザーの打撃時に前記実際のゴルフボールと前記仮想のゴルフボールとが互いに相応しない領域に位置する場合に、前記調整過程をさらに行う、請求項1に記載の仮想ゴルフ装置。
請求項3:
前記制御部は、前記調整過程で前記算出された軌跡による飛距離を減少させたり又は増加させる、請求項1に記載の仮想ゴルフ装置。
請求項4:
前記調整過程で、ユーザーのレベルにより飛距離の減少/増加の可否、飛距離減少量/増加量が決定される、請求項3に記載の仮想ゴルフ装置。
請求項5:
前記調整過程での飛距離の減少/増加可否、飛距離減少量/増加量は、ユーザー自分で設定することができる、請求項3に記載の仮想ゴルフ装置。
請求項6:
前記第1打撃領域はフェアウェイ領域であり、前記第2打撃領域は非フェアウェイ領域であり、前記第1仮想領域は仮想フェアウェイ領域であり、前記第2仮想領域は仮想非フェアウェイ領域であり、
前記制御部は、ユーザーの打撃時に前記仮想のゴルフボールが前記仮想非フェアウェイ領域に位置し、前記実際のゴルフボールが前記フェアウェイ領域に位置する場合に、前記調整過程をさらに行う、請求項1乃至請求項5のうちのいずれか一つに記載の仮想ゴルフ装置。
請求項7:
仮想ゴルフ装置の動作方法であって、
前記仮想ゴルフ装置は、
ユーザーが打撃する実際のゴルフボールが置かれる打撃マットと、
ユーザーが打撃した前記実際のゴルフボールの状態を感知する感知部と、
前記感知部での感知結果に基づいて、仮想のゴルフコースで仮想のゴルフボールの動きを算出する制御部と、
前記仮想のゴルフコースと前記仮想のゴルフボールに対する映像を表示する表示部と、
を含み、
また、前記打撃マットは、第1打撃領域と第2打撃領域を含み、前記仮想のゴルフコースは、前記第1打撃領域に相応する第1仮想領域と前記第2打撃領域に相応する第2仮想領域を含み、
ユーザーの打撃時に前記実際のゴルフボールと前記仮想のゴルフボールが互いに相応する領域に位置するかどうかを感知するステップと、
ユーザーの打撃時に前記実際のゴルフボールと前記仮想のゴルフボールが互いに相応しない領域に位置する場合に、ユーザーが打撃した実際のゴルフボールの状態に基づいて、前記仮想ゴルフボールの動きを算出する算出過程を行って、前記算出された軌跡による非距離を調整する調整過程をさらに行うステップと、
を含む
仮想ゴルフ装置の動作方法。
【符号の説明】
【0069】
10:感知部
20:入力部
30:シミュレータ
40:表示部
100:スクリーンゴルフ場
200:中央サーバー
M:打撃マット
P:打撃プレート
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