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特許7510209ヘルパーT細胞TGF-βシグナルを特異的に中和する二重特異性抗体、その薬物組成物およびその使用
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-25
(45)【発行日】2024-07-03
(54)【発明の名称】ヘルパーT細胞TGF-βシグナルを特異的に中和する二重特異性抗体、その薬物組成物およびその使用
(51)【国際特許分類】
   C07K 16/46 20060101AFI20240626BHJP
   C07K 16/28 20060101ALI20240626BHJP
   C07K 16/22 20060101ALI20240626BHJP
   C12N 15/13 20060101ALI20240626BHJP
   C12N 15/62 20060101ALI20240626BHJP
   C12N 15/63 20060101ALI20240626BHJP
   C12N 1/15 20060101ALI20240626BHJP
   C12N 1/19 20060101ALI20240626BHJP
   C12N 1/21 20060101ALI20240626BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20240626BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20240626BHJP
   A61K 47/65 20170101ALI20240626BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20240626BHJP
   A61P 37/02 20060101ALI20240626BHJP
   A61P 31/12 20060101ALI20240626BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20240626BHJP
   A61P 19/00 20060101ALI20240626BHJP
   A61P 13/12 20060101ALI20240626BHJP
   C12P 21/08 20060101ALN20240626BHJP
【FI】
C07K16/46 ZNA
C07K16/28
C07K16/22
C12N15/13
C12N15/62 Z
C12N15/63 Z
C12N1/15
C12N1/19
C12N1/21
C12N5/10
A61K39/395 V
A61K39/395 D
A61K39/395 N
A61K47/65
A61P35/00
A61P37/02
A61P31/12
A61P25/00
A61P19/00
A61P13/12
C12P21/08
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2022578626
(86)(22)【出願日】2021-06-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-05
(86)【国際出願番号】 CN2021102428
(87)【国際公開番号】W WO2022127066
(87)【国際公開日】2022-06-23
【審査請求日】2023-06-16
(31)【優先権主張番号】202011502521.9
(32)【優先日】2020-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522490011
【氏名又は名称】深▲セン▼市▲邁▼加瑞生物技▲術▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100196117
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 利恵
(72)【発明者】
【氏名】程▲漢▼兵
【審査官】上村 直子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/076969(WO,A2)
【文献】特表2019-500012(JP,A)
【文献】特表2018-508218(JP,A)
【文献】Nature,2020年,Vol.587,pp.121-125, Methods, Extended Data,Published online: 21 October 2020
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N 15/00-15/90
C07K 16/00-19/00
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
高い親和力および長い半減期を持つ抗CD4/抗TGFβ1の二重特異性抗体であって、少なくとも第1タンパク質鎖と第2タンパク質鎖とを含み、
前記二重特異性抗体はIgG-ScFv形態で存在し、IgGとScFvと、を含み、
(i)前記IgGが、第1タンパク質機能領域であるSEQ ID NO:53-SEQ ID NO:55で示されるHCDR1-HCDR3と、SEQ ID NO:56-SEQ ID NO:58で示されるLCDR1-LCDR3と、含み
(ii)前記ScFvが、第2タンパク質機能領域であるSEQ ID NO:59で示されるHCDR1と、SEQ ID NO:60で示されるHCDR2と、SEQ ID NO:61で示されるHCDR3と、SEQ ID NO:65-SEQ ID NO:67で示されるLCDR1-LCDR3と、を含み
記ScFvは、連結フラグメントを介してIgG軽鎖のC端またはIgG重鎖のC端に連結され
記連結フラグメントは(GGGGS)mであり、mは、正の整数であり、
前記IgGは抗CD4の免疫グロブリンであり、前記ScFvは抗TGFβ1の一本鎖抗体であり、
前記第1タンパク質鎖は、前記第1タンパク質機能領域の一部または全部の構造、および/または、前記第2タンパク質機能領域の一部または全部の構造を含み、
前記第1タンパク質機能領域はCD4を標的とし、前記第1タンパク質機能領域は抗CD4の抗体またはその抗原結合フラグメントであり、
前記第2タンパク質機能領域はTGFβ1を標的とし、前記第2タンパク質機能領域は抗TGFβ1の抗体またはその抗原結合フラグメントであることを特徴とする二重特異性抗体。
【請求項2】
記IgGの重鎖可変領域はSEQ ID NO:1で示されるアミノ酸配列であり、前記IgGの軽鎖可変領域はSEQ ID NO:2で示されるアミノ酸配列であり
記ScFvの重鎖可変領域はSEQ ID NO:3で示されるアミノ酸配列であり、前記ScFvの軽鎖可変領域はSEQ ID NO:6で示されるアミノ酸配列あることを特徴とする請求項1に記載の二重特異性抗体。
【請求項3】
前記第1タンパク質鎖はSEQ ID NO:15で示されるアミノ酸配列であり、前記第2タンパク質鎖はSEQ ID NO:16で示されるアミノ酸配列である、
または、
前記第1タンパク質鎖はSEQ ID NO:13で示されるアミノ酸配列であり、前記第2タンパク質鎖はSEQ ID NO:14で示されるアミノ酸配列である
ことを特徴とする請求項1または2に記載の二重特異性抗体。
【請求項4】
前記IgGの定常領域はヒト抗体由来であることを特徴とする請求項1または2に記載の二重特異性抗体。
【請求項5】
前記免疫グロブリンの定常領域は、ヒトIgG1、IgG2、IgG3またはIgG4の定常領域から選択されることを特徴とする請求項4に記載の二重特異性抗体。
【請求項6】
前記抗体は、ヒトCD4およびTGF-β1分子を選択的に結合することができることを特徴とする請求項1または2に記載の二重特異性抗体。
【請求項7】
前記抗体は10-9M未満またはそれより小さいKdでCD4タンパク質および/またはTGF-β1タンパク質を結合し、前記Kdは、Biacore分子間相互作用解析装置によって測定されることを特徴とする請求項1または2に記載の二重特異性抗体。
【請求項8】
前記抗体は、TGF-β1レポーター遺伝子ルシフェラーゼ活性測定においてヒトTGF-β1に対する0.5nM未満のIC50を有することを特徴とする請求項1または2に記載の二重特異性抗体。
【請求項9】
前記抗体は、TGF-β1レポーター遺伝子ルシフェラーゼ活性測定においてヒトTGF-β1に対する5pM未満のIC50を有することを特徴とする請求項8に記載の二重特異性抗体。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の二重特異性抗体をコードするヌクレオチド配列を含む単離された核酸分子。
【請求項11】
請求項10に記載の単離された核酸分子を含むことを特徴とするベクター。
【請求項12】
請求項10に記載の単離された核酸分子、または請求項11に記載のベクターを含むことを特徴とする宿主細胞。
【請求項13】
請求項12に記載の宿主細胞を適切な条件下で培養し、細胞培養物から前記二重特異性抗体を回収するステップを含むことを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の二重特異性抗体の製造方法。
【請求項14】
二重特異性抗体および複合剤を含む複合体であって、前記二重特異性抗体は請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の二重特異性抗体であり、前記複合剤は検出可能なマーカであることを特徴とする複合体。
【請求項15】
前記複合剤は、小分子化合物、蛍光物質、発光物質、有色物質または酵素であることを特徴とする請求項14に記載の複合体。
【請求項16】
請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の二重特異性抗体を含むか、請求項14または15に記載の複合体を含み、薬学的に許容される添加剤も含む薬物組成物。
【請求項17】
請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の二重特異性抗体、または、請求項14または15に記載の複合体の、結腸癌である悪性腫瘍を予防および/または治療するための薬物の製造における使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生物技術分野に関し、特にヘルパーT細胞TGF-βシグナルを特異的に中和する二重特異性抗体、その薬物組成物およびその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
腫瘍、特に悪性腫瘍は、人類の健康に深刻な危害を及ぼす疾患であり、各種疾患による死亡の中では第2位を占めている。近年、環境汚染が年々深刻化し、人々の生活上のストレスが大きくなり、悪性腫瘍の発病率は年々上昇傾向にある。また、悪性腫瘍の治療効果が悪く、特に後期転移率が高く、予後がよくないものである。現在、臨床で採用されている通常の治療法、例えば放射線治療、化学療法、標的治療または手術治療はある程度病状を緩和し、生存時間を延長したが、これらの方法にはまだ大きな限界があり、治療効果だけでなく、多くの悪性腫瘍患者は依然として有効な治療方法がない現状である、例えば膵癌など。
【0003】
TGF-βは、1981年に初めて鑑別された(Robertら、PNAS、78:5339-5343.(1981))。トランスフォーミング増殖因子-β(TGF-β)は、最初に正常線維芽細胞を足場非依存的な細胞に変換することから命名された多機能サイトカインである。
【0004】
TGF-βファミリーのメンバーとして、一般的にTGF-β1、TGF-β2とTGF-β3がある。そのうち、ヒトTGF-βとマウスTGF-βの保守性が非常に高い:ヒトTGF-β1とマウスTGF-β1との違いは1つのアミノ酸のみであり、ヒトTGF-β2とマウスTGF-β2との違いは3つのアミノ酸のみであり、ヒトTGF-β3とマウスTGF-β3とが同じである。
【0005】
生物学的活性を有するTGF-βは、一般的には二量体の形で存在し、細胞表面のTGF-β Type II受容体(TGF-βRII)と結合すると、隣接するTGF-β type I受容体(TGF-βRI)と結合し、共に六量体を形成する。その後、TGF-βの結合により、TGF-βRIIセリン/トレオニンキナーゼが活性化される。このとき、TGF-βRIIはTGF-βMRI上の重要なセリンの一部をリン酸化させ、さらにそのセリン/トレオニンキナーゼを活性化する。このリン酸化過程は、下流に向かって進み、隣接するregulatory SMAD(R-SMAD)をリン酸化させ、主にSMAD2、3、9などが含まれる(通常、R-SMADはSARAタンパク質によって細胞膜の内部に固定される)。リン酸化されたR-SMADは細胞質遊離のCo-SMAD(例えばSMAD4)に対して極めて高い親和力を持つので、R-SAMD-Co-SMDポリマーを形成する。これが細胞核に入り、転写因子とともにDNAに結合し、下流遺伝子の発現を開始する(Spornら、Science、233:532(1986))。
【0006】
しかしながら、TGF-βは、細胞表面の受容体に直接作用することができない。通常、受容体と結合する遊離状態のTGF-βがわずかであり、ほとんどのTGF-βは、latency-associated
peptide(LAP)と結合しており、活性がないものである。TGF-βは4つの形態があり、TGF-β-LAPポリマーが腫瘍微小環境中のプロテアーゼ(腫瘍細胞から分泌)によって切り取られて遊離状態になった場合にのみTGF-βを活性化することができる。TGF-βおよびその役割の一般的な総説について、対応する文献(Joan Massague,TGF-β in Cancer. Cell,134(2):215-230(2008))を参照されたい。
【0007】
TGF-βは重要なサイトカインである。TGF-βシグナル経路は細胞の成長、分化およびアポトーシスを制御することができ、細胞が正常な機能を維持するために不可欠なものである。しかし、TGF-βは腫瘍の微小環境を制御でき、発がん性がある。悪性腫瘍細胞はTGF-βタンパク質を大量に分泌する、それががん細胞の成長と拡散を加速させる一方で、がん細胞を免疫系からの攻撃を回避させることができる。
【0008】
TGF-βは、腫瘍の発生、進展に二重役割を果たす。最初の研究では、TGF-βは造血細胞と上皮細胞との増殖を阻害し、アポトーシスを促進することができると発見した。その後の実験では、TGF-βは複数種の上皮性腫瘍細胞(例えば胃癌、肺癌、結腸癌、肝臓癌、腎臓癌および前立腺癌)の体外増殖に対して負の制御作用を発揮し、そのシグナル伝達経路中のいかなるタンパク質の突然変異が腫瘍細胞に選択的成長優位を持たせ、腫瘍の発生を招くことを証明した。この増殖阻害特性により、TGF-βは、最も潜在的ながん治療薬の標的とされていた。しかし、研究が進むにつれて、TGF-βは、腫瘍進展期には腫瘍侵襲と転移を促進することができると判明した。そのため、TGF-βは、腫瘍の発生、進展の中で「両刃の剣」であるとある学者が指摘した(兪清翔、トランスフォーミング増殖因子-βと腫瘍転移との研究進展、世界華人消化雑誌、14(25):2538-2541(2016))。
【0009】
TGF-βによる腫瘍成長への影響は腫瘍細胞への直接作用だけでなく、TGF-βはがん細胞に対する免疫系の殺傷力を抑制することもできる。TGF-βは、制御性T細胞(Treg)を誘導し、エフェクターT細胞(effector T cell)に抑制作用を与えることができる。また、TGF-βは、ヘルパーT細胞(helper T cell)、B細胞、NK細胞、マクロファージおよび樹状細胞(dendritic cell,DC)に直接作用し、それらの免疫活性を抑制することができる(Eduard Battle
& Joan Massague,Transformating Growth Factor-β Signaling in Immunity and Cancer.Immunity,50(4):924-940(2019))。
【0010】
TGF-βが腫瘍成長における作用に基づいて、TGF-βシグナル経路を抑制する多くの抗体や小分子化合物を開発したが、ここ20年以上経っても、TGF-βを標的とした臨床的有効な薬物がなかなか開発されなかった。TGF-β経路を標的とした化学低分子阻害剤自体には大きな毒性があり、例えば、一部のTGF-βRI化学低分子阻害剤は、心臓に毒性が強い。TGF-β活性を中和する抗体分子は、化学低分子に比べて細胞内に浸透しにくいため、安全性に大きな利点があるが、臨床的有効性が示されていない。
【0011】
CAT192はヒトIgG4モノクローナル抗体であり、主にTGF-β1の活性を中和するものであり、TGF-β2とTGF-β3に対しては中和能力がない。これは最初、米国ケンブリッジ抗体会社(Cambridge Antibody Technology,CAT)がァージディスプレイ技術を利用して分離して得られた抗体である。2000年、CAT社は米Genzyme社と連携契約を締結し、TGF-β抗体を共同開発した。2004年、CATとGenzyme社は共同で、CAT192は強皮症(scleroderma)のI/II期臨床試験において、各用量の使用上安全であるが、有効性が示されていないと発表した。臨床有効性試験に失敗されたので、Genzyme社がCAT192を放棄し、TGF-βを中和する抗体であるfresolimumabの開発を開始した。現在、fresolimumabは悪性腫瘍の治療の臨床的有効性の面で依然として進展が遅い。
【0012】
TGF-β経路制御の多様性と複雑性は、TGF-β経路阻害剤の薬物開発に失敗した主因であると考えられる。TGF-βの腫瘍細胞に対する二重作用、そして腫瘍細胞自体の異質性により、TGF-βを阻害しても腫瘍の成長にはあまり効果がないと思われる。一方、TGF-βは免疫細胞に対しても阻害的役割を果たし、腫瘍細胞が免疫系の監視から逃れるのを助ける。TGF-βを阻害する薬物は、TGF-βの免疫細胞に対する阻害的役割をある程度解除して腫瘍を抑制することができるが、その効果は、大量の抗腫瘍薬によって希釈される可能性がある。
【0013】
遺伝子工学的方法によってTGF-β1抗体を改造し、ヘルパーT細胞(CD4陽性T細胞)上のTGF-βシグナル経路を特異的に抑制し、それによりTGF-βの免疫細胞に対する阻害的役割を解除し、抗腫瘍効果を発揮させる。
二重機能性抗体は、二重特異性抗体(Bispecific Antibody)とも呼ばれ、免疫選別精製により生成できる同時に2つの異なる抗原を標的とする特異性抗体である。また、遺伝子工学により得ることもできる。遺伝子工学は結合部位で最適化され、合成形態の考慮および生産量などの面で対応する柔軟性と優位性がある。現在、その存在形態は45種類を超えることが証明されている。現在開発されている複数の二重特異性抗体はIgG-ScFv形態、すなわちMorrisonモデルであり、天然に存在するような当該IgG形態により、抗体工学、発現、精製における優位性は、二重機能性抗体の理想的な存在形態であることが証明されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0014】
【文献】Robert et.al.、PNAS、78:5339-5343.(1981)
【文献】Sporn et.al.、Science、233:532(1986)
【文献】Joan Massague,TGF-β in Cancer. Cell,134(2):215-230(2008)
【文献】兪清翔、トランスフォーミング増殖因子-βと腫瘍転移との研究進展、世界華人消化雑誌、14(25):2538-2541(2016)
【文献】Eduard Battle & Joan Massague,Transformating Growth Factor-β Signaling in Immunity and Cancer.Immunity,50(4):924-940(2019)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
上述した従来技術の欠点に鑑みて、本発明者は、過去TGF-β抗体の臨床上の失敗経験をまとめ、抗CD4/抗TGF-β1二重機能性抗体を設計し、TGF-β1を中和する抗体をヘルパーT細胞(CD4陽性T細胞)に特異的に標的化し、従来のTGF-β1抗体では実現できない抗腫瘍機能を実現した。
【0016】
本発明の目的は、従来技術に存在する課題を解決するために、ヘルパーT細胞TGF-βシグナルを特異的に中和する二重特異性抗体、その薬物組成物およびその使用を提供することである。遺伝子工学技術により、TGF-β1を中和する抗体と免疫細胞を標的とする抗体を二重機能性抗体に統合し、免疫細胞上のTGF-βシグナルを特異的に中和する。このような二重機能性抗体はTGF-βの免疫細胞の機能への阻害的役割を十分に解除し、その抗がん機能をより最大化することができる。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記の目的およびその他の関連目的を実現するために、本発明は二重特異性抗体を提供し、前記二重特異性抗体は、少なくとも第1タンパク質鎖と第2タンパク質鎖とを含み、
前記第1タンパク質鎖は、第1タンパク質機能領域の一部または全部の構造、および/または、第2タンパク質機能領域の一部または全部の構造を含み、
前記第1タンパク質機能領域はCD4を標的とし、前記第1タンパク質機能領域は抗CD4の抗体またはその抗原結合フラグメントであり、
前記第2タンパク質機能領域はTGFβ1を標的とし、前記第2タンパク質機能領域は抗TGFβ1の抗体またはその抗原結合フラグメントである。
【0018】
本発明の第2の態様は、前記二重特異性抗体をコードする単離された核酸分子を提供する。
【0019】
本発明の第3の態様は、前記単離された核酸分子を含むベクターを提供する。
【0020】
本発明の第4の態様は、宿主細胞を提供し、前記宿主細胞は前記単離された核酸分子を含むか、前記ベクターを含む。
【0021】
本発明の第5の態様は、前記二重特異性抗体の発現に適した条件下で、前記宿主細胞を培養し、および細胞培養物から前記二重特異性抗体を回収する手順を含む、前記二重特異性抗体の製造方法を提供する。
【0022】
本発明の第6の態様は、二重特異性抗体および複合剤を含み、前記二重特異性抗体は前記二重特異性抗体であり、前記複合剤は検出可能なマーカである。好ましくは、複合剤は、小分子化合物、蛍光物質、発光物質、有色物質または酵素である。
【0023】
本発明の第7の態様は、治療有効量の前記二重特異性抗体、宿主細胞または複合体を含む薬物組成物を提供する。選択的に、前記薬物組成物は、薬学的に許容される添加剤も含む。
【0024】
本発明の第8の態様は、前記二重特異性抗体または複合体の、疾病を予防および/または治療するための薬物の製造における使用を提供する。前記疾病または病状は、がん、免疫介在疾患、線維化疾病、ウイルス感染性疾病、神経退行性疾病、骨再形成、腎症疾病、およびそれらの組み合わせから選択される。
【0025】
本発明の第9の態様は、前記二重特異性抗体又は複合体の、悪性腫瘍を予防および/又は治療するための薬物の製造における使用を提供する。好ましくは、前記悪性腫瘍は、結腸癌、直腸癌、肺癌、腎癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、膀胱癌、膵臓癌、胃腸癌、脳癌、肝臓癌、黒色腫および白血病のうちの1種または複数種から選択される。
【0026】
上記のように、本発明のヘルパーT細胞TGF-βシグナルを特異的に中和する二重特異性抗体、その薬物組成物およびその使用は、以下の有益な効果を有する。
【0027】
本発明の二重特異性抗体は、異なる二重特異性抗体組み合わせ形態および対応する親和力(affinity)、親和性(avidity)、中和効果、および抗腫瘍効果を有する。本発明に記載されたTGF-β1を高親和性、親和力および特異的に結合して中和する二機能性抗体は、より低い血清濃度でヘルパーT細胞のTGF-βシグナルを効率的に結合して中和し、より高い腫瘍抑制効果を得ることができる。
【0028】
本発明の二重機能性抗体CT101、CT102、CT103、CT104、CT105、CT106、CT107、CT108、CT109、CT110、CT111およびCT112はCD4によく特異的に結合することができ、TGF-β1と結合することもでき、TGF-β1とTGF-βRIIとの結合を効果的に遮断し、TGF-βのヘルパーT細胞に対する免疫抑制を特異的に解除することができる。
【0029】
そのうち、CT102は、ヘルパーT細胞TGF-β1シグナルの活性化への阻害効果が最も強く、そのIC50値は2pMに達し、その次はCT101で、IC50値は15pMに達する。
【0030】
本発明のCT102は、TGF-β1の活性を中和する最も強い二重特異性抗体形態であり、IgG-(L)-ScFvという形態の抗CD4/抗TGF-βI二重機能性抗体のIC50はpMレベルに達することができ、他の形態の二重特異性抗体の10倍ないし100倍以上である。
【0031】
MC38結腸癌移植腫瘍モデルにより、本発明者は、非常に低い投与濃度でも、このIgG-(L)-ScFv形態の抗CD4/抗TGF-β1二重機能性抗体CT102は最適な抗がん効果を達成することができると発見した。
【0032】
CT102は次の役割を果たすことができる。
【0033】
ヒトヘルパーT細胞表面のCD4分子を効果的に結合し、TGF-βのヘルパーT細胞への免疫抑制を解除する。
【0034】
ヘルパーT細胞を効果的に活性化させ、それによって一連の免疫細胞を活性化させ、腫瘍の成長を阻害する。
【0035】
肝癌、肺癌、乳癌、膵臓癌、腎癌、子宮頸癌、卵巣癌、リンパ腫、胃癌、結腸癌、直腸癌などの悪性腫瘍を予防・治療するための薬物の製造に用いる可能性が期待される。
【0036】
本発明の二重特異性抗体CT101は、CD4に特異的に結合し、ヘルパーT細胞に特異的に結合することができる。同時に、CT101はTGFβ1と結合し、TGFβ1とTGFβRIIとの結合を効果的に遮断し、さらにTGFβのヘルパーT細胞への免疫抑制を特異的に解除することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1図1は、二重機能性抗体CT102のIgG-(L)-ScFv形態の構造を概略的に示す図である。
図2図2は、二重機能性抗体の抗CD4/抗TGF-β1の各種特異性抗体の組み合わせ形態の構造を概略的に示す図である。
図3図3は、二価抗TGF-β1二重機能性抗体CT101および一価抗TGF-β1二重機能性抗体CT110、CT111、およびCT112のHEK293細胞TGF-βシグナル経路への阻害的役割を示す図である。
図4図4は、二価抗TGF-β1二重機能性抗体CT101および一価抗TGF-β1二重機能性抗体CT110、CT111、およびCT112のヒトCD4分子を安定発現するHEK293細胞TGF-βシグナル経路への阻害的役割を示す図である。
図5図5は、各種二価抗TGF-β1二重機能性抗体のヒトCD4分子を安定発現するHEK293細胞TGF-βシグナル経路への阻害的役割を示す図である。
図6図6は、二価抗TGF-β1二重機能性抗体CT101、CT102および一価抗TGF-β1二重機能性抗体CT111、TC112がCD4と結合する場合の動特性パラメータ試験結果を示す図である。
図7図7は、二価抗TGF-β1二重機能性抗体CT101、CT102および一価抗TGF-β1二重機能性抗体CT111、TC112がTGF-β1と結合する場合の動特性パラメータ試験結果を示す図である。
図8図8は、二価抗TGF-β1二重機能性抗体CT101、CT102および一価抗TGF-β1二重機能性抗体CT111、TC112がCD4とTGF-β1と結合する場合の概略図である。
図9図9は、CT101、TC102、TGF-β1抗体および対照抗体の構造を示す概略図である。
図10図10は、FACSフローサイトメトリーによって検出されたCT101、CT102、TGF-β1抗体と対照抗体のヒト化CD4マウス体内でのCD4T細胞との結合状態を示す図である。
図11図11は、二重機能性抗体CT101、CT102の単用量200μg尾静脈注射後の半減期を確認するための薬物動態試験の結果を示す図である。
図12図12は、二重機能性抗体CT101、CT102の単用量20μg尾静脈注射後の半減期を確認するための薬物動態試験の結果を示す図である。
図13図13は、MC38結腸癌移植腫瘍に対する単用量200μg(合計4用量、5日/回)の抗体治療の抑制効果を示す。治療抗体として、対照抗体、TGF-β1抗体および二重機能性抗体CT101とCT102がある。
図14図14は、MC38結腸癌移植腫瘍に対する単用量20μg(合計4用量、5日/回)の抗体治療の抑制効果を示す。治療抗体として、対照抗体、TGF-β1抗体および二重機能性抗体CT101とCT102がある。
図15図15は、EMT-6乳癌移植腫瘍に対する異なる抗体治療の抑制効果を示す。治療抗体として、対照IgG、抗TGFβ抗体、抗CD8/抗TGFβ二機能性抗体、抗CD64/抗TGFβ二重機能性抗体および抗CD4/抗TGFβ二重機能性抗体がある。
図16図16は、二重機能性抗体CT101のIgG-ScFv形態(Morrisonモデル)の構造を示す概略図である。
図17図17は、二重機能性抗体CT101のIgG-ScFv形態(Morrisonモデル)のアミノ酸配列を示す。そのうち、下線部分のアミノ酸は、抗体の重鎖または軽鎖CDR領域である。
図18図18は、二重機能性抗体CT101(IgG-ScFv形態)のSDS-PAGE試験結果を示す。左図は還元型タンパク質電気泳動結果であり、右図は非還元型タンパク質電気泳動結果である。
図19図19は、二重機能性抗体CT101(IgG-ScFv形態)がモレキュラーシーブを流れる場合の高速液体クロマトグラフィーである。
図20図20は、二重機能性抗体CT101がCD4と結合する場合の動特性パラメータ試験結果を示す図である。
図21図21は、二重機能性抗体CT101がTGFβ1と結合する場合の動特性パラメータ試験結果を示す図である。
図22図22は、間接ELISA法によって測定した二重機能性抗体CT101、抗TGFβ1抗体CAT192がTGFβ1タンパク質と結合する定数EC50を示す図である。
図23図23は、間接ELISA法によって測定した二重機能性抗体CT101、抗CD4抗体IbalizumabがCD4タンパク質と結合する定数EC50を示す図である。
図24図24は、競合ELISA法によって測定した二重機能性抗体CT101、抗TGFβ1抗体CAT192がTGFβRIIと競合してTGFβ1と結合する活性を示す図である。
図25図25は、FACSフローサイトメトリーによって測定された二重機能性抗体CT101、抗CD4抗体IbalizumabがHEK293-CD4細胞表面のCD4タンパク質と結合する定数EC50を示す図である。
図26図26は、二重機能性抗体CT101と抗TGFβ1抗体CAT192のHEK293細胞TGFβシグナル経路への阻害的役割を示す図である。
図27図27は、二重機能性抗体CT101と抗TGFβ1抗体CAT192のヒトCD4分子を安定発現するHEK293細胞TGFβシグナル経路への阻害的役割を示す図である。
図28図28は、MC38結腸癌移植腫瘍に対する異なる抗体治療の抑制効果を示す。治療抗体として、対照IgG、抗TGFβ1抗体CAT192、抗PD-L1抗体atezolizumab、atezolizumab結合CAT192および二重機能性抗体CT101がある。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、特定の実施例を用いて本発明の実施形態を説明する。当業者は、本明細書に記載されている内容から、本発明の他の利点および効果を簡単に理解することができる。本発明はさらに異なる具体的な実施形態によって実施または応用することができ、本明細書の詳細内容はまた、異なる観点と応用に基づいて、本発明の精神から逸脱することなく様々な修正または変更を行うことができる。
【0039】
本発明の具体的な実施形態をさらに説明する前に、本発明の保護範囲は以下の特定の具体的な実施形態に限定するものではないと理解されたい。また、本発明の実施例で使用される用語は、本発明の保護範囲を限定するものではなく、特定の具体的な実施形態を記述するために使用されることも理解されたい。本発明の明細書および特許請求の範囲において、特に明記されていない限り、単数形「1つ」、「1」および「これ」には複数形が含まれる。
【0040】
実施例が数値範囲を示す場合、本発明に別途の説明がない限り、各数値範囲の2つの端点および2つの端点間のいずれかの数値を選択して使用することができると理解されたい。実施例で使用される具体的な方法、設備、材料に加えて、当業者は、従来技術への理解および本発明の内容に基づき、本発明の実施例で述べた方法、設備、材料と類似又は同等の従来技術のいずれかの方法、設備および材料を用いて本発明を実現することができる。
【0041】
本発明の一実施例の二重特異性抗体であって、前記二重特異性抗体は少なくとも第1タンパク質鎖と第2タンパク質鎖とを含み、
前記第1タンパク質鎖は、第1タンパク質機能領域の一部または全部の構造、および/または、第2タンパク質機能領域の一部または全部の構造を含む。
【0042】
前記第1タンパク質機能領域はCD4を標的とし、前記第1タンパク質機能領域は抗CD4の抗体またはその抗原結合フラグメントであり、
前記第2タンパク質機能領域はTGFβ1を標的とし、前記第2タンパク質機能領域は抗TGFβ1の抗体またはその抗原結合フラグメントである。
【0043】
前記抗CD4の抗体の重鎖可変領域(VH)は、可変重鎖相補決定領域1(HCDR1)と、可変重鎖相補決定領域2(HCDR2)と、可変重鎖相補決定領域3(HCDR3)とを含む。前記抗CD4の抗体の軽鎖可変領域(VL)は、可変軽鎖相補決定領域1(LCDR1)と、可変軽鎖相補決定領域2(LCDR2)と、可変軽鎖相補決定領域3(LCDR3)とを含む。
【0044】
前記第1タンパク質機能領域の重鎖可変領域(VH)はそれぞれSEQ ID NO:53~SEQ ID NO:55で示されるアミノ酸配列を有するHCDR1-HCDR3を含み、その軽鎖可変領域はそれぞれSEQ ID NO:56~SEQ ID NO:58で示されるアミノ酸配列を有するLCDR1-LCDR3を含み、
前記抗TGFβ1の抗体の軽鎖可変領域(VL)は、可変軽鎖相補決定領域1(LCDR1)と、可変軽鎖相補決定領域2(LCDR2)と、可変軽鎖相補決定領域3(LCDR3)とを含み、
前記抗TGFβ1の抗体の重鎖可変領域(VH)は、可変重鎖相補決定領域1(HCDR1)と、可変重鎖相補決定領域2(HCDR2)と、可変重鎖相補決定領域3(HCDR3)とを含み、
前記第2タンパク質機能領域の重鎖可変領域(VH)はSEQ ID NO:59で示されるアミノ酸配列を有するHCDR1と、SEQ ID NO:60で示されるアミノ酸配列を有するHCDR2と、SEQ ID NO:61~SEQ ID NO:63のいずれか1つまたは複数で示されるアミノ酸配列を有するHCDR3とを含み、その軽鎖可変領域(VL)はそれぞれSEQ ID NO:65~SEQ ID NO:67で示されるアミノ酸配列を有するLCDR1-LCDR3を含む。
【0045】
本発明のいくつかの実施形態において、前記二重特異性抗体では、そのうち、前記抗CD4の抗体またはその抗原結合フラグメントは、Fab、Fab’、F(ab’)2、Fd、Fv、dAb、相補決定領域フラグメント、一本鎖抗体(ScFv)、ヒト化抗体、キメラ抗体または二抗体から選択される。
【0046】
本発明のいくつかの実施形態において、前記二重特異性抗体では、そのうち、前記抗TGFβ1の抗体またはその抗原結合フラグメントは、Fab、Fab’、F(ab’)2、Fd、Fv、dAb、相補決定領域フラグメント、一本鎖抗体(ScFv)、ヒト化抗体、キメラ抗体または二抗体から選択される。
【0047】
本発明のいくつかの実施形態において、前記二重特異性抗体では、そのうち、前記第1タンパク質機能領域は免疫グロブリン(IgG)であり、その重鎖可変領域(VH)はSEQ ID NO:1に示すVHドメインアミノ酸配列を含み、かつ、その軽鎖可変領域(VL)はSEQ ID NO:2で示されるVLドメインアミノ酸配列を含む。
【0048】
本発明のいくつかの実施形態において、前記二重特異性抗体では、そのうち、前記第2タンパク質機能領域は一本鎖抗体またはFabであり、その重鎖可変領域(VH)はSEQ ID NO:3、SEQ ID NO:4またはSEQ ID NO:5のいずれかで示されるVHアミノ酸配列を含み、かつ、その軽鎖可変領域(VL)はSEQ ID NO:6で示されるVLアミノ酸配列を含む。
【0049】
本発明のいくつかの実施形態において、前記第1タンパク質機能領域は免疫グロブリンであり、前記第1タンパク質機能領域の重鎖可変領域のアミノ酸配列はSEQ ID NO:76で示され、前記第1タンパク質機能領域の軽鎖可変領域のアミノ酸配列はSEQ ID NO:78で示され、
および、前記第2タンパク質機能領域は一本鎖抗体またはFabであり、前記第2タンパク質機能領域の重鎖可変領域のアミノ酸配列はSEQ ID
NO:80で示され、前記第2タンパク質機能領域の軽鎖可変領域のアミノ酸配列はSEQ ID NO:82で示される。
【0050】
本発明のいくつかの実施形態において、前記二重特異性抗体では、その存在形態はIgG-ScFv/Fab形態に限らず、他の二重特異性抗体の存在形態であってもよい。
【0051】
本発明のいくつかの実施形態において、前記二重特異性抗体では、そのうち、前記第1タンパク質機能領域および第2タンパク質機能領域は、独立して1つ、2つまたは2つ以上である。
【0052】
本発明のいくつかの実施形態において、前記二重特異性抗体では、そのうち、前記第1タンパク質機能領域と第2タンパク質機能領域とが直接連結するか、連結フラグメントを介して連結する。好ましくは、前記連結フラグメントは(GGGGS)mであり、mは、例えば、1、2、3、4、5または6の正の整数である。具体的には、SEQ
ID NO:7で示される連結フラグメントであってもよい。
【0053】
本発明のいくつかの実施形態において、前記二重特異性抗体では、そのうち、前記免疫グロブリンの定常領域はヒト抗体由来である。好ましくは、前記免疫グロブリンの定常領域は、ヒトIgG1、IgG2、IgG3またはIgG4の定常領域から選択される。
【0054】
本発明のいくつかの実施形態において、前記第1タンパク質鎖は、N末端からC末端にかけて、次の式を有し、
軽鎖可変領域-軽鎖定常領域-(連結フラグメント)m-重鎖可変領域-(連結フラグメント)n-軽鎖可変領域、
前記第2タンパク質鎖は、N末端からC末端にかけて、次の式を有し、
重鎖可変領域-重鎖定常領域-ヒンジ-Fc領域、
好ましくは、前記連結フラグメントはGGGGSであり、mは0または正の整数、nは0または正の整数である。
【0055】
本発明のいくつかの実施形態において、前記第1タンパク質鎖の軽鎖可変領域-軽鎖定常領域と第2タンパク質鎖の重鎖可変領域-重鎖定常領域が互いに結合してタンパク鎖群を形成し、2本のタンパク質鎖群は二量体を形成する。
【0056】
本発明のいくつかの実施形態において、前記第1タンパク質鎖のN末端の軽鎖可変領域はSEQ ID NO:2のアミノ酸配列を含み、前記第1タンパク質鎖の重鎖可変領域はSEQ ID NO:3、SEQ ID NO:4またはSEQ ID NO:5のいずれかで示されるアミノ酸配列を含み、前記第1タンパク質鎖のC末端の軽鎖可変領域はSEQ ID NO:6で示されるアミノ酸配列を含み、かつ、前記第2タンパク質鎖の重鎖可変領域は、SEQ ID NO:1のアミノ酸配列を含む。
【0057】
本発明のいくつかの実施形態において、前記二重特異性抗体では、前記第1タンパク質鎖はSEQ ID NO:15で示されるアミノ酸配列を含み、かつ、前記第2タンパク質鎖はSEQ ID NO:16で示されるアミノ酸配列を含む。
【0058】
本発明のいくつかの実施形態において、前記二重特異性抗体では、前記第1タンパク質鎖のアミノ酸配列はSEQ ID NO:13で示され、前記第2タンパク質鎖のアミノ酸配列はSEQ ID NO:14で示される。
【0059】
本発明のいくつかの実施形態において、前記二重特異性抗体では、前記第1タンパク質鎖のアミノ酸配列はSEQ ID NO:17で示され、前記第2タンパク質鎖のアミノ酸配列はSEQ ID NO:18で示される。
【0060】
本発明のいくつかの実施形態において、前記二重特異性抗体では、前記第1タンパク質鎖のアミノ酸配列はSEQ ID NO:19で示され、前記第2タンパク質鎖のアミノ酸配列はSEQ ID NO:20で示される。
【0061】
本発明のいくつかの実施形態において、前記二重特異性抗体では、前記第1タンパク質鎖のアミノ酸配列はSEQ ID NO:21で示され、前記第2タンパク質鎖のアミノ酸配列はSEQ ID NO:22で示される。
【0062】
本発明のいくつかの実施形態において、前記二重特異性抗体では、前記第1タンパク質鎖のアミノ酸配列はSEQ ID NO:23で示され、前記第2タンパク質鎖のアミノ酸配列はSEQ ID NO:24で示され、前記二重特異性抗体はさらに、第3タンパク質鎖と第4タンパク質鎖とを含み、前記第3タンパク質鎖のアミノ酸配列はSEQ ID NO:25で示され、前記第4タンパク質鎖のアミノ酸配列はSEQ ID NO:26で示される。
【0063】
本発明のいくつかの実施形態において、前記二重特異性抗体では、前記第1タンパク質鎖のアミノ酸配列はSEQ ID NO:27で示され、前記第2タンパク質鎖のアミノ酸配列はSEQ ID NO:28で示され、前記二重特異性抗体はさらに、第3タンパク質鎖と第4タンパク質鎖とを含み、前記第3タンパク質鎖のアミノ酸配列はSEQ ID NO:29で示され、前記第4タンパク質鎖のアミノ酸配列はSEQ ID NO:30で示される。
【0064】
本発明のいくつかの実施形態において、前記二重特異性抗体では、前記第1タンパク質鎖のアミノ酸配列はSEQ ID NO:31で示され、前記第2タンパク質鎖のアミノ酸配列はSEQ ID NO:32で示され、前記二重特異性抗体はさらに、第3タンパク質鎖を含み、前記第3タンパク質鎖のアミノ酸配列はSEQ ID NO:33で示される。
【0065】
本発明のいくつかの実施形態において、前記二重特異性抗体では、前記第1タンパク質鎖のアミノ酸配列はSEQ ID NO:34で示され、前記第2タンパク質鎖のアミノ酸配列はSEQ ID NO:35で示され、前記二重特異性抗体はさらに、第3タンパク質鎖を含み、前記第3タンパク質鎖のアミノ酸配列はSEQ ID NO:36で示される。
【0066】
本発明のいくつかの実施形態において、前記二重特異性抗体では、前記第1タンパク質鎖のアミノ酸配列はSEQ ID NO:37で示され、前記第2タンパク質鎖のアミノ酸配列はSEQ ID NO:38で示され、前記二重特異性抗体はさらに、第3タンパク質鎖を含み、前記第3タンパク質鎖のアミノ酸配列はSEQ ID NO:39で示される。
【0067】
本発明のいくつかの実施形態において、前記二重特異性抗体では、前記第1タンパク質鎖のアミノ酸配列はSEQ ID NO:40で示され、前記第2タンパク質鎖のアミノ酸配列はSEQ ID NO:41で示され、前記二重特異性抗体はさらに、第3タンパク質鎖を含み、前記第3タンパク質鎖のアミノ酸配列はSEQ ID NO:42で示される。
【0068】
本発明のいくつかの実施形態において、前記二重特異性抗体では、前記第1タンパク質鎖のアミノ酸配列はSEQ ID NO:43で示され、前記第2タンパク質鎖のアミノ酸配列はSEQ ID NO:44で示され、前記二重特異性抗体はさらに、第3タンパク質鎖と第4タンパク質鎖とを含み、前記第3タンパク質鎖のアミノ酸配列はSEQ ID NO:45で示され、前記第4タンパク質鎖のアミノ酸配列はSEQ ID NO:46で示される。
【0069】
本発明のいくつかの実施形態において、前記二重特異性抗体では、前記抗体は、ヒトCD4およびTGF-β1分子を選択的に結合することができる。
【0070】
本発明のいくつかの実施形態において、前記二重特異性抗体では、そのうち、
前記免疫グロブリンの定常領域はヒト抗体由来であり、
好ましくは、前記免疫グロブリンの定常領域は、ヒトIgG1、IgG2、IgG3またはIgG4の定常領域から選択される。
【0071】
本発明のいくつかの実施形態において、前記二重特異性抗体では、そのうち、
前記免疫グロブリンの重鎖定常領域は、ヒトIgG1 chain C regionまたはヒトIgG4 chain C regionであり、かつ、その軽鎖定常領域はヒトIg kappa chain C regionである。
【0072】
本発明のいくつかの実施形態において、前記免疫グロブリンの定常領域はヒト化されており、例えば、重鎖定常領域はすべてIgG4 chain C region、ACCESSION:P01861、軽鎖定常領域はすべてIg kappa chain C region,ACCESSION:P01834を採用する。
【0073】
本発明のいくつかの実施形態において、前記軽鎖定常領域は、SEQ ID NO:9で示されるアミノ酸配列を含む。
【0074】
本発明のいくつかの実施形態において、前記重鎖定常領域は、SEQ ID NO:10で示されるアミノ酸配列を含む。
【0075】
本発明のいくつかの実施形態において、前記ヒンジ領域は、SEQ ID NO:11で示されるアミノ酸配列を含む。
【0076】
本発明のいくつかの実施形態において、前記Fe領域は、SEQ ID NO:12で示されるアミノ酸配列を含む。
【0077】
本発明のいくつかの実施形態において、前記二重特異性抗体では、そのうち、前記第1タンパク質機能領域と第2タンパク質機能領域とが直接連結するか、または連結フラグメントを介して連結する。
【0078】
好ましくは、前記連結フラグメントは(GGGGS)mであり、mは、例えば1、2、3、4、5または6の正の整数である。GGGGS(SEQ ID NO:8)はLinkerの構成要素である。
【0079】
本発明のいくつかの実施形態において、前記二重特異性抗体では、そのうち、前記第1タンパク質機能領域および第2タンパク質機能領域は、独立して1つ、2つまたは2以上である。
【0080】
本発明のいくつかの実施形態において、前記二重特異性抗体では、そのうち、前記免疫グロブリンは1つであり、前記一本鎖抗体は2つであり、好ましくは2つの同じ一本鎖抗体である。
【0081】
本発明のいくつかの実施形態において、前記二重特異性抗体では、そのうち、前記免疫グロブリンはIgG、IgA、IgD、IgEまたはIgMであり、好ましくは、IgG、例えばIgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4である。
【0082】
本発明のいくつかの実施形態において、前記二重特異性抗体では、そのうち、前記一本鎖抗体は免疫グロブリンの重鎖のC末端に連結される。免疫グロブリンには2つの重鎖があるため、1つの免疫グロブリン分子には2つの一本鎖抗体分子が連結される。好ましくは、2つの一本鎖抗体分子が同じである。
【0083】
本発明のいくつかの実施形態において、前記二重特異性抗体では、そのうち、前記一本鎖抗体は2本であり、各一本鎖抗体の一端はそれぞれ免疫グロブリンの2本の重鎖のC末端またはN末端に連結される。
【0084】
本発明のいくつかの実施形態において、前記一本鎖抗体のVHとVLとの間にジスルフィド結合が存在する。抗体のVHとVLとの間にジスルフィド結合を導入する方法は当技術分野で熟知であり、例えば、米国特許出願US5747654、Rajagopalら、Prot.Engin.10(1997)1453-1459、Reiterら、Nature Biotechnology 14(1996)1239-1245、Webberら、Molecular Immunology32(1995)249-258、Reiterら、Immunity 2(1995)281-287、Reiterら、JBC269(1994)18327-18331、Reiterら、Inter.J.of Cancer 58(1994)142-149、または、Reiterら、Cancer Res.54(1994)2714-2718、それが引用によって本明細書に組み込まれる。
【0085】
本発明のいくつかの実施形態において、前記二重特異性抗体では、そのうち、前記二重特異性抗体は10-9M未満またはそれより小さいKdでCD4タンパク質および/またはTGF-β1タンパク質と結合し、好ましくは、前記Kdは、Biacore分子間相互作用解析装置によって測定される。
【0086】
本発明のいくつかの実施形態において、前記二重特異性抗体では、前記抗体は、TGF-β1レポーター遺伝子ルシフェラーゼ活性測定においてヒトTGF-β1に対する5nM未満のIC50を有する。
【0087】
本発明のいくつかの実施形態において、前記二重特異性抗体では、前記抗体は、TGF-β1レポーター遺伝子ルシフェラーゼ活性測定においてヒトTGF-β1に対する5pM未満のIC50を有する。
【0088】
本発明の別の態様は、本発明のいずれかに記載の二重特異性抗体をコードする単離された核酸分子に関する。
【0089】
本発明はまた、本発明の単離された核酸分子を含むベクターに関する。
【0090】
本発明はまた、本発明の単離された核酸分子、または本発明のベクターを含む宿主細胞に関する。
【0091】
本発明のもう1つの態様は、本発明のいずれか1項に記載の二重特異性抗体の方法に関し、適切な条件下で本発明の宿主細胞を培養し、細胞培養物から前記二重特異性抗体を回収するステップを含む。
【0092】
本発明のもう1つの態様は、二重特異性抗体および複合剤を含む複合体に関し、そのうち、前記二重特異性抗体は本発明のいずれか1項に記載の二重特異性抗体であり、前記複合剤は検出可能なマーカであり、好ましくは、前記複合剤は、小分子化合物、蛍光物質、発光物質、有色物質または酵素である。
【0093】
本発明のもう1つの態様は、本発明のいずれか1項に記載の二重特異性抗体を含むか、本発明の複合体を含む薬物組成物であり、選択的に、薬学的に許容される添加剤も含む。
【0094】
本発明の二重特異性抗体または本発明の薬物組成物は、錠剤、丸剤、懸濁剤、乳剤、溶液、ゲル剤、カプセル剤、粉剤、顆粒剤、エリキシル剤、錠剤、座薬、注射剤(注射液、注射用無菌粉末と注射用濃溶液を含む)、吸入剤、噴霧剤などの薬学分野で知られている任意の剤形に製剤することができる。好ましい剤形は、意図された投与方法および治療使用に依存する。本発明の薬物組成物は無菌であり、製造および貯蔵条件下で安定であるべきである。好ましい剤形は注射剤である。このような注射剤は、無菌注射溶液であってもよい。例えば、以下の方法により無菌注射溶液を調製することができる。適切な溶媒に必要な量の本発明の二重特異性抗体を加え、必要に応じて、他の所望の成分(pH調整剤、界面活性剤、アジュバント、イオン強度増強剤、等張剤、防腐剤、希釈剤、またはそれらの任意の組み合わせを含むがこれらに限定されない)を同時に加え、その後に濾過して除菌する。さらに、保存および使用を容易にするために、無菌注射溶液を無菌凍結乾燥粉末として(例えば、真空乾燥または凍結乾燥)調製することができる。このような無菌凍結乾燥粉末は、使用前に適切なベクター、例えば無菌無熱原水中に分散させることができる。さらに、本発明の二重特異性抗体は、投与を容易にするために、単位用量形態で薬物組成物中に存在することができる。特定の実施形態では、前記単位用量は、少なくとも1mg、少なくとも5mg、少なくとも10mg、少なくとも15mg、少なくとも20mg、少なくとも25mg、少なくとも30mg、少なくとも45mg、少なくとも50mg、少なくとも75mg、または少なくとも100mgである。前記薬物組成物が液体(例えば、注射剤)剤形である場合、少なくとも濃度0.1mg/mlの本発明の二重特異性抗体、例えば少なくとも0.25mg/ml、少なくとも0.5mg/ml、少なくとも1mg/ml、少なくとも2.5mg/ml、少なくとも5mg/ml、少なくとも8mg/ml、少なくとも10mg/ml、少なくとも15mg/ml、少なくとも25mg/ml、少なくとも50mg/ml、少なくとも75mg/ml、または少なくとも100mg/mlの本発明の二重特異性抗体を含むことができる。
【0095】
本発明の二重特異性抗体または薬物組成物は、当技術分野で周知する任意の適切な方法によって投与することができ、経口、口腔、舌下、眼球、局所、胃腸外、直腸、葉鞘内、シスターン内、鼠径溝、膀胱内、局所(例えば、粉剤、軟膏または滴下剤)、または鼻腔を含むが、これらに限定されない。しかし、多くの治療使用に対して、胃腸外投与(例えば、静脈注射、皮下注射、腹膜内注射、筋肉内注射)のほうが好ましい投与経路/方法である。当業者は、投与経路および/または方法が意図された目的に応じて変化することを理解されたい。好ましい実施形態において、本発明の二重特異性抗体または薬物組成物は静脈注入または注射によって投与される。
【0096】
本発明が提供する二重特異性抗体または薬物組成物は、単独でまたは併用することができ、また、別の薬学的活性剤(腫瘍化学療法薬など)と併用することもできる。この薬学的活性剤は、本発明の二重特異性抗体または本発明の薬物組成物の投与前、同時、または投与後に投与することができる。
【0097】
本発明において、最適な目的反応(例えば、治療または予防反応)を得るために投与計画を調整することができる。例えば、単回投与するか、一定期間に複数回投与するか、治療状況の緊急度に応じて用量を減少または増加することができる。
【0098】
本発明のもう1つの態様は、本発明のいずれか1項に記載の二重特異性抗体または本発 明の複合体の、疾病を予防および/又は治療するための薬物の製造における使用に関し、前記疾病又は病状は、がん、免疫介在疾患、線維化疾病、ウイルス感染性疾病、神経退行性疾病、骨再形成、腎症疾病、およびそれらの組み合わせから選択される。
【0099】
本発明のもう1つの態様は、本発明のいずれか1項に記載の二重特異性抗体または本発明の複合体の、悪性腫瘍を予防および/または治療するための薬物の製造における使用に関し、好ましくは、前記悪性腫瘍は、結腸癌、直腸癌、肺癌、例えば非小細胞性肺癌、肝臓癌、卵巣癌、皮膚癌、膠腫、黒色腫、腎腫瘍、前立腺癌、膵臓癌、膀胱癌、胃腸癌、乳癌、脳癌、白血病から選択される。
【0100】
本発明のもう1つの態様は、悪性腫瘍の予防及び/又は治療方法に関し、被験者に有効量の本発明のいずれか1項に記載の二重特異性抗体又は本発明の複合体を投与するステップを含み、好ましくは、前記腫瘍は、結腸癌、直腸癌、肺癌、肝臓癌、卵巣癌、皮膚癌、膠質腫、黒色腫、腎癌、前立腺癌、膀胱癌、胃腸癌、乳癌、脳癌と白血病から選択される。
【0101】
本発明の二重特異性抗体の治療または予防有効量の典型的な非限界範囲は0.02-50mg/kgであり、例えば0.1-50mg/kg、0.1-25mg/kg、または1-10mg/kgである。この用量は、治療する症状のタイプおよび重症度に応じて変化することができることに留意すべきである。また、いずれの特定の患者に対しても、特定の投与計画は患者のニーズと医師の専門的評価に基づいて時間に応じて調整すべきであることは、当業者が理解できる。本明細書で提示される用量範囲は、例示して説明するためのものにすぎず、本発明の薬物組成物の使用または範囲を限定するものではない。
【0102】
本発明において、げっ歯類、例えばマウス、または霊長類、例えばヒト、カニクイザルを被験者として利用することができる。
【0103】
本発明のいずれか1項に記載の二重特異性抗体又は複合体であって、悪性腫瘍の予防及び/又は治療に使用される。好ましくは、前記腫瘍は、結腸癌、直腸癌、肺癌、肝臓癌、卵巣癌、黒色腫、腎癌、膵臓癌、皮膚癌、膠腫、前立腺癌、膀胱癌、胃腸癌、乳癌、脳癌、白血病から選択される。
【0104】
抗体治療薬、特にモノクローナル抗体(Monoclonal Antibody, mAb)は、様々な疾患の治療において良好な治療効果を得ている。これらの治療用抗体を取得する従来の実験方法には、抗原免疫動物を用い、免疫動物体内で抗原を標的とする抗体を取得するか、親和性成熟の方法によって抗原との親和性が低い抗体を高める方法がある。しかし、これらの方法はかなり時間と気力を必要とし、ほとんどの場合にも、抗原上の特定のエピトープに対応できない。
【0105】
軽鎖と重鎖の可変領域が抗原の結合を決定する。各鎖の可変領域は3つの高可変領域を含み、相補決定領域(CDR)(重鎖(H)のCDRはHCDR1、HCDR2、HCDR3を含み、軽鎖(L)のCDRはLCDR1、LCDR2、LCDR3を含み、それがKabatらによって命名される。Sequences
of Proteins of Immunological Interest,Fifth Edition(1991),第1-3卷,NIH Publication
91-3242,Bethesda Md)を参照。
【0106】
以下の(1)-(13)項におけるモノクローナル抗体配列のCDR領域のアミノ酸配列を、当業者が熟知している技術的手段、例えばVBASE2データベースを用いて分析した結果は次の通りである。
【0107】
(1)二重機能性抗体抗CD4/抗TGF-β1の第1タンパク質機能領域:
重鎖可変領域(VH)のアミノ酸配列はSEQ ID NO:1で示され、軽鎖可変領域(VL)のアミノ酸配列はSEQ ID NO:2で示される。
【0108】
その重鎖可変領域の3つのCDR領域のアミノ酸配列は次の通りである。
【0109】
HCDR1:GYTFTSYVIH(SEQ ID NO:53)
HCDR2:YINPYNDGTDYDEKFKG(SEQ ID NO:54)
HCDR3:EKDNYATGAWFA(SEQ ID NO:55)
【0110】
その軽鎖可変領域の3つのCDR領域のアミノ酸配列は次の通りである。
【0111】
LCDR1:KSSQSLLYSTNQKNYLA(SEQ ID NO:56)
LCDR2:WASTRES(SEQ ID NO:57)
LCDR3:QQYYSYRT(SEQ ID NO:58)
【0112】
(2)二重機能性抗体抗CD4/抗TGF-β1の第2タンパク質機能領域:
重鎖可変領域のアミノ酸配列はSEQ ID NO:3、SEQ ID NO:4、およびSEQ ID NO:5で示され、軽鎖可変領域のアミノ酸配列はSEQ ID NO:6で示される。
【0113】
その重鎖可変領域の3つのCDR領域のアミノ酸配列は次の通りである。
【0114】
HCDR1:SYGMH(SEQ ID NO:59)
HCDR2:VISYDGSIKYYADSVKG(SEQ ID NO:60)
HCDR3:TGEYSGYDTDPQYS(SEQ ID NO:61)又はTGEYSGYDTSGVEL(SEQ ID NO:62)又はTGFYSGYDTPASPD(SEQ ID NO:63)
HCDR3共有配列:TGXYSGYDTX(SEQ ID NO:64)
【0115】
そのうち、X1は任意のアミノ酸(好ましいはE又はF)であってもよい。
【0116】
その軽鎖可変領域の3つのCDR領域のアミノ酸配列は次の通りである。
【0117】
LCDR1:RSQGIGDDLG(SEQ ID NO:65)
LCDR2:GTSTLQS(SEQ ID NO:66)
LCDR3:LQDSNYPLT(SEQ ID NO:67)
【0118】
本発明において、別途の説明がない限り、本明細書で使用される科学的および技術的名詞は、当業者に一般的に理解される意味を有する。また、本明細書で用いた細胞培養、分子遺伝学、核酸化学、免疫学実験室の操作手順はすべて対応する分野で広く使用されている通常の手順である。同時に、本発明をよりよく理解するために、以下に関連用語の定義と説明を記載する。
【0119】
本明細書で記載されているTGF-β1タンパク質(GenBank ID:NP_000651.3)のアミノ酸配列は、TGF-β1タンパク質の全長を含む。しかしながら、TGF-β1タンパク質のアミノ酸配列において、その生物学的機能に影響を与えることなく、突然変異または変異(置換、欠失、および/または添加を含むがこれらに限定されない)を自然発生または人工的に導入することができることは、当業者が理解できる。したがって、本発明において、「TGF-β1タンパク質」という用語は、天然または人工の変異体を含むすべてのそのような配列を含むべきである。本発明の一実施形態において、TGF-β1タンパク質のアミノ酸配列は、SEQ
ID NO:51の下線部分で示される。
【0120】
本明細書で使用されているCD4タンパク質(cluster differentiation 4,NCBIGenBank:NP_000607.1)のアミノ酸配列は、CD4タンパク質の全長を含み、CD4の細胞外フラグメント、可溶性CD4分子(soluble CD4、sCD4)も含む。しかしながら、CD4タンパク質のアミノ酸配列において、その生物学的機能に影響を与えることなく、突然変異または変異(置換、欠失、および/または添加を含むがこれらに限定されない)を自然発生または人工的に導入することができることは、当業者が理解できる。したがって、本発明において、「CD4タンパク質」という用語は、天然または人工の変異体を含むすべてのそのような配列を含むべきである。本発明の一実施形態において、CD4細胞外フラグメントsCD4のアミノ酸配列は、SEQ ID NO:49の下線部分で示される。
【0121】
本明細書で使用されているEC50という用語は、半数効果濃度(concentration for 50% of maximal effect)を指し、50%の効果を示す濃度である。
【0122】
本明細書で使用されているIC50という用語は、半数阻害濃度(concentration for 50% of maximal inhibition)、50%の効果を示す濃度である。
【0123】
本明細書で使用されている「抗体」という用語は、一般に2対のポリペプチド鎖(1対につき1本の「軽」(L)鎖と1本の「重」(H)鎖を有する)からなる免疫グロブリン分子を指す。一般的に、重鎖は抗体中の分子量が大きいポリペプチド鎖、軽鎖は抗体中の分子量が小さいポリペプチド鎖であると理解できる。軽鎖はκとλ軽鎖、重鎖は通常、μ、δ、γ、αまたはεに分けられ、また、同種抗体をそれぞれIgM、IgD、IgG、IgAとIgEと定義される。軽鎖及び重鎖内では、可変領域及び定常領域は、約12又はそれ以上のアミノ酸の「J」領域を介して連結され、重鎖はまた、約3又はそれ以上のアミノ酸の「D」領域を含む。各重鎖は重鎖可変領域(VH)と重鎖定常領域(CH)からなる。重鎖定常領域は3つの構造ドメイン(CH1、CH2和CH3)からなる。各軽鎖は軽鎖可変領域(VL)と軽鎖定常領域(CL)からなる。軽鎖定常領域は1つの構造ドメインCLからなる。抗体の定常領域は、免疫系の様々な細胞(例えば、エフェクター細胞)と補体系の第1成分(C1q)との結合を含み、免疫グロブリンと宿主組織または因子を仲介することができる。VHおよびVL領域は、より保守的なフレーム領域(FR)と呼ばれる領域が点在する高い変性を有する領域(相補決定領域(CDR)と呼ばれる)に細分化することもできる。各VHとVLは次の順序で、FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4がアミノ末端からカルボキシル末端にかけて配列された3つのCDRと4つのFRからなる。各重鎖/軽鎖の可変領域(VHとVL)はそれぞれ抗体結合部位を形成する。アミノ酸の各領域または構造ドメインへの分配は、Kabat Sequences of Proteins of Immunological Interest(National Institutes of Health,Bethesda,Md.(1987 and 1991))、またはChothia&Lesk(1987)J.Mol.Biol.196:901-917;Chothiaら(1989)Nature 342:878-883の定義に準拠する。特に、重鎖はまた、6、9、または12など、3つ以上のCDRを含むことができる。例えば、本発明の二重機能性抗体において、重鎖はIgG抗体の重鎖のC端が別の抗体を連結するScFvであってもよく、この場合、重鎖は9つのCDRを含む。「抗体」という用語は、任意の特定の抗体生成方法によって制限されない。例えば、それは、特に、組換え抗体、モノクローナル抗体、およびポリクローナル抗体を含む。抗体は、異なる同種抗体、例えば、IgG(例えば、IgG1、IgG2、IgG3またはIgG4サブクラス)、IgA1、IgA2、IgD、IgEまたはIgM抗体であってもよい。
【0124】
本明細書で使用されている「抗原結合フラグメント」という用語は、「抗原結合フラグメント」という用語は、全長抗体のフラグメントを含むポリペプチドを指し、それが全長抗体に結合された同じ抗原を特異的に結合する能力を保持し、および/または全長抗体と競合して抗原を特異的に結合し、「抗原結合部分」とも呼ばれる。一般的に、Fundamental Immunology,Ch.7(Paul,W.,ed.,第2版、Raven Press,N.Y.(1989)を参照し、これは引用によって本明細書に組み込まれ、すべての目的に用いる。抗体の抗原結合フラグメントは、組換えDNA技術または完全抗体の酵素触媒または化学的破断によって生成することができる。場合によっては、抗原結合フラグメントは、Fabと、Fab'と、F(ab')2と、Fdと、Fvと、dAbと相補決定領域(CDR)フラグメントと、一本鎖抗体(例えば、scFv)、キメラ抗体と、二重機能性抗体(diabody)とを含み、ポリペプチドに特異的抗原結合能力を付与するのに十分な抗体の少なくとも一部を含む。
【0125】
本明細書で使用されている「Fdフラグメント」という用語は、「Fdフラグメント」という用語は、VHおよびCH1構造ドメインからなる抗体フラグメント、「Fvフラグメント」という用語は、抗体のシングルアームVLおよびVH構造ドメインからなる抗体フラグメント、「dAbフラグメント」という用語は、VH構造ドメインからなる抗体フラグメント(Wardら、Nature 341:544-546(1989))、「Fabフラグメント」という用語は、VL、VH、CLおよびCH1構造ドメインからなる抗体フラグメント、用語「F(ab')2フラグメント」は、ヒンジ領域上のジスルフィドブリッジを介して接続された2つのFabフラグメントを含む抗体フラグメントを意味する。
【0126】
場合によっては、抗体の抗原結合フラグメントは一本鎖抗体(例えば、scFv)であり、そのうち、VL及びVH構造ドメインが単一ポリペプチド鎖として生成可能なリンカー対により一価分子を形成する(例えば、Birdら、Science 242:423-426(1988)およびHustonら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:5879-5883(1988)を参照。)。このようなscFv分子は、NH-VL-リンカー-VH-COOHまたはNH-VH-リンカー-VL-COOHの一般的な構造を有することができる。好適な従来技術のリンカーは、繰り返しGGGGSアミノ酸配列またはその変異体からなる。例えば、アミノ酸配列(GGGGS)を有するリンカーを用いてもよいが、その変異体(Holligerら(1993)、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:6444-6448)を用いてもよい。本発明で使用できる他のリンカーは、Alfthanら(1995),Protein Eng.8:725-731,Choiら(2001)、Eur.J.Immunol.31:94-106、Huら(1996),Cancer
Res.56:3055-3061、Kipriyanovら(1999),J.Mol.Biol.293:41-56とRooversら(2001),Cancer Immunol.に記述する。
【0127】
場合によっては、抗体の抗原結合フラグメントは、二重抗体、すなわち2価抗体であり、そのうち、VHおよびVL構造ドメインは単一のポリペプチド鎖上で発現される。しかし、短いリンカーを使用することで同じ鎖の2つの構造ドメイン間のペアができないので、構造ドメインと別の鎖の相補構造ドメインとのペアを強制し、さらに2つの抗原結合部位を生成する(例えば、Holliger P.ら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA
90:6444-6448(1993),とPoljak R.J.ら,Structure 2:1121-1123(1994)を参照)。
【0128】
抗体の抗原結合フラグメント(例えば、上述の抗体フラグメント)は、当業者に知られている従来技術(例えば、組換えDNA技術又は酵素触媒又は化学的破断法)を用いて所定の抗体から得られ、かつ、完全抗体に用いるのと同じ方法で抗原結合フラグメントを特異的にスクリーニングすることができる。
【0129】
本明細書では、文脈で明示されない限り、「抗体」という用語が言及される場合、それは完全抗体だけでなく、抗体の抗原結合フラグメントも含む。
【0130】
本明細書で使用されるように、「単クローン抗体」および「モノクローナル抗体」は、高相同性抗体分子集団からの1つの抗体または抗体のフラグメント、すなわち自発的に出現する可能性のある自然突然変異を除き、全く同じ抗体分子の集団を指す。単クローン抗体は、抗原上の単一エピトープに対して高い特異性を持っている。単クローン抗体は、抗原上の単一エピトープに対して高い特異性を持っている。モノクローナル抗体に対するポリクローナル抗体は通常、2つ以上の異なる抗体を含み、これらの異なる抗体は通常、抗原上の異なるエピトープを識別する。モノクローナル抗体は通常、Kohlerなどが最初に報告したハイブリドーマ技術(Nature,256:495,1975)によって得られる、また、組換えDNA技術によっても得られる(US 4,816,567を参照)。
【0131】
本明細書で使用されるように、「キメラ抗体」という用語は、軽鎖または/および重鎖の一部が1つの抗体(特定の種に由来するか、特定の抗体類またはサブクラスに属する)に由来し、軽鎖または/および重鎖の別の一部が別の抗体(同じまたは異なる種に由来するか、同じまたは異なる抗体類またはサブクラスに属する)に由来する抗体を指すが、いずれにしても、標的抗原への結合活性は保持する(Cabillyら、US 4,816,567;Morrison et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,81:6851-6855(1984))。
【0132】
本明細書で使用されるように、「ヒト化抗体」という用語は、ヒト由来免疫グロブリン(受容体抗体)の全部または一部CDRが非ヒト由来抗体(ドナー抗体)のCDR領域に置換されて得られる抗体または抗体フラグメントを指し、そのうち、ドナー抗体は、所望の特異性、親和性、または反応性を有する非ヒト由来(例えば、マウス、ラット、ウサギ)抗体であり得る。さらに、受容体抗体のフレームワーク領域(FR)のいくつかのアミノ酸残基も、対応する非ヒト抗体のアミノ酸残基に置換されてもよく、または他の抗体のアミノ酸残基に置換されて、抗体の性能をさらに改善または最適化することができる。ヒト化抗体の詳細については、例えば、Jones et al.,Nature,321:522-525(1986);Reichmann
etal.,Nature,332:323-329(1988);Presta,Curr.Op.Struct.Biol.,2:593-596(1992);およびClark,Immunol.Today 21:397-402(2000)を参照することができる。
【0133】
本明細書で使用される「エピトープ」という用語は、抗原上で免疫グロブリンまたは抗体に特異的に結合される部位を指す。「エピトープ」は、当技術分野では「抗原決定基」とも呼ばれる。エピトープまたは抗原決定基は通常、アミノ酸または炭水化物または糖側鎖など、分子の化学活性表面基から構成され、通常、特定の三次元構造特徴および特定の電荷特徴を有する。例えば、エピトープは一般に、独特の空間立体配座で少なくとも3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14または15の連続または非連続アミノ酸を含み、「線形」または「立体配座」であってもよい。例えば、Epitope Mapping Protocols in Methods in Molecular Biology、第66巻、G.E.Morris、Ed.(1996)を参照。線形エピトープにおいて、タンパク質と相互作用分子(例えば抗体)との間のすべての相互作用点は、タンパク質の一級アミノ酸配列に沿って線形に存在する。立体配座エピトープにおいて、相互作用点は、互いに分離されたタンパク質アミノ酸残基を跨って存在する。
【0134】
本明細書で使用されている「単離的」または「単離され」という用語は、天然状態から人工的に得られたものを指す。自然界に「単離」された物質や成分が存在する場合は、その自然環境が変化したか、自然環境から単離されたか、その両方も発生した可能性がある。例えば、ある生体動物の体内には単離されていないポリヌクレオチドやポリペプチドが自然に存在し、この自然状態から単離された高純度の同じポリヌクレオチドやポリペプチドは単離されたものと呼ばれる。「単離的」または「単離され」という用語は、人工または合成物質が混在しているか、物質活性に影響を与えない他の不純物が存在しているかもしれない。
【0135】
本明細書で使用されている「ベクター(vector)」という用語は、ポリヌクレオチドを挿入することができる核酸運搬具を指す。ベクターが挿入されたポリヌクレオチドでコードされたタンパク質を発現させることができる場合、ベクターは発現ベクターと呼ばれる。ベクターは、形質転換、形質導入またはトランスフェクションによって宿主細胞に導入し、それにより、運ぶ遺伝物質要素を宿主細胞中で発現させることができる。ベクターは当業者に公知であり、プラスミド、バクテリオファージ、コスプラスミド、例えば酵母人工染色体(YAC)、細菌人工染色体(BAC)またはP1由来の人工染色体(PAC)などの人工染色体、λファージまたはM13ファージおよび動物ウイルスなどのファージを含むがこれらに限定されない。ベクターとして有用な動物ウイルスには、逆転写酵素ウイルス(スローウイルスを含む)、アデノウイルス、アデノ関連ウイルス、ヘルペスウイルス(単純ヘルペスウイルスなど)、ニキビウイルス、ロッド様ウイルス、乳頭腫ウイルス、パポーバウイルス(SV40など)を含むがこれらに限定されない。1つのベクターには、プロモーター配列、転写開始配列、エンハンサー配列、選択要素、およびレポーター遺伝子を含むがこれらに限定されない複数種の発現制御要素を含むことができる。また、ベクターは、複製開始部位を含むこともできる。
【0136】
本明細書で使用されている「宿主細胞」という用語は、大腸菌や枯草菌などの原核細胞、酵母細胞や麹菌などの真菌細胞、S2ショウジョウバエ細胞やSf9などの昆虫細胞、またはフィブリン細胞、CHO細胞、COS細胞、NSO細胞、HeLa細胞、BHK細胞、HEK
293細胞、またはヒト細胞などの動物細胞を含むが、これらに限定されないベクター導入に使用される細胞を指す。
【0137】
本明細書で使用されている「特異的に結合」という用語は、抗体とそれが標的とする抗原との反応など、2分子間の非ランダムな結合反応。一部の実施形態では、ある抗原に特異的に結合する抗体(またはある抗原に特異性を持つ抗体)は、約10-5M未満、例えば約10-6M、10-7M、10-8M、10-9Mまたは10-10M未満またはそれより低い親和力(Kd)で該抗原を結合する抗体を指す。本発明のいくつかの実施形態において、「標的」という用語は特異的に結合するという意味である。
【0138】
本明細書で使用されている「Kd」という用語は、抗体と抗原との結合親和力を記述するために使用される特定の抗体-抗原相互作用の解離平衡定数を意味する。平衡解離定数が小さいほど、抗体-抗原結合が緊密になり、抗体と抗原間の親和力が高くなる。一般に、例えば、Biacore装置において表面プラズモン共鳴法(SPR)で測定されるように、抗体は、約10-5M未満、例えば約10-6M、10-7M、10-8M、10-9Mまたは10-10M未満またはそれより低い解離平衡定数(Kd)で抗原を結合する、例えば、Biacore解析装置において表面プラズモン共鳴法(SPR)を用いて測定する。
【0139】
本明細書で使用されている「モノクローナル抗体」と「単クローン抗体」という用語は同じ意味を有し、相互に交換して使用することができる。「ポリクローナル抗体」と「多クローン抗体」は同じ意味を有し、相互に交換して使用することができる。また、本発明において、アミノ酸は通常、当技術分野で公知の単文字と三文字の略語で表される。例えば、グリシンはGまたはGly、アラニンはAまたはAlaで表される。
【0140】
本明細書で使用されている「薬学的に許容される添加剤」という用語は、薬理学的および/または生理学的に被験者および活性成分と適合するベクターおよび/または賦形剤を指し、当技術分野で公知する(例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences.Edited by Gennaro AR,19th ed.Pennsylvania:MackPublishing Company,1995を参照)pH調整剤、界面活性剤、アジュバント、イオン強度増強剤が挙げられるがこれらに限定されない。そのうち、pH調整剤としては、リン酸塩緩衝液、界面活性剤としては、カチオン性、アニオン性または非イオン性界面活性剤、例えばTween-80、イオン強度増強剤としては、塩化ナトリウムが挙げられるがこれらに限定されない。
【0141】
本明細書で使用されている「アジュバント」という用語は、抗原と共にまたは予め生体に送達されたときに生体の抗原に対する免疫応答を増強したり、免疫応答タイプを変化させたりすることができる非特異性免疫増強剤を指す。アジュバントとして、アルミニウムアジュバント(例えば、水酸化アルミニウム)、Freundアジュバント(例えば、完全型フロイントアジュバント及び不完全型フロイントアジュバント)、短桿菌、リポ多糖、サイトカインなどが挙げられるが、これらに限定されない。フロイントアジュバントは現在の動物実験で最も一般的に使用されているアジュバントである。水酸化アルミニウムアジュバントは臨床実験で多く使用されている。
【0142】
本明細書で使用されている「有効量」という用語は、所望の効果を得るまたは少なくとも部分的に得るのに十分な量を意味する。疾患の治療に有効な量とは、患者の疾患及びその合併症を治癒又は少なくとも部分的に阻止するのに十分な量を意味する。このような有効量の測定は、当業者にとって実行可能である。例えば、治療使用に有効な量は、治療する疾患の重症度、患者自身の免疫系の全体的な状態、患者の一般的な状況、例えば年齢、体重及び性別、薬物の投与方法、及び同時に投与される他の治療などに依存する。
【0143】
<調製例1:組換えタンパク質CD4-Hisの発現と精製>
1.pCMV-CD4-Hisプラスミドの構築
CD4 human cDNA(Genewiz社合成)をテンプレートとしてPCR増幅を行い、CD4-Hisフラグメントを通常のDNA産物精製キットで精製回収する。回収後のCD4-Hisフラグメントと発現ベクターpCMVをNheIとXbaI酵素を用いて切断し、標的遺伝子フラグメントと線形発現ベクターをゲル抽出し、T4リガーゼで連結し、DH5α化学感受性細胞に対してすべての連結生成物の形質転換を実施した後、Ampを有するAgarプレートに塗布し、よく分離された単コロニーを選択してPCR鑑定を行い、PCR鑑定結果が陽性であるクローンをLB培地に接種して培養し、菌液を採取して広州英俊公司に送ってシーケンシングを行った。シーケンシング結果を比較すると、陽性組換え挿入配列が完全に正しいことを示した。
【0144】
2.組換えタンパク質CD4-Hisの発現と精製
lipofectaminトランスフェクションキット(Invitrogen社から購入)でHEK293F細胞(Invitrogen社から購入)に組換えプラスミドpCMV-CD4-hisをトランスフェクションした5日後、培養液に対して高速遠心分離及び上清濃縮を行い、Binding
Buffer A(20 mM HEPES、150 mM NaCl、pH 7.4)に置き換え、HisTrapカラムに試料を添加し、Elution Buffer(20mM HEPES、150mM NaCl、0.5M Immidazole、pH7.4)でタンパク質を線形溶出し、最初の精製試料をHiTrap DesaltingカラムでBinding Buffer B(20mM Tris-HCl、pH9.0)に置き換え、HiTrap Qカラムに試料を添加し、Elution Buffer B (50 mM Tris-HCl、1M NaCl、pH9.0)を用いてタンパク質を線形溶出し、標的試料を回収し、PBS溶液に交換する。精製後の試料に還元型タンパク質電気泳動のローディングバッファーを加え、SDS-PAGE電気泳動試験を行う。
【0145】
融合タンパク質CD4-Hisを得る。
【0146】
CD4-Hisのアミノ酸配列は次のとおりである(371aa):
KKVVLGKKGDTVELTCTASQKKSIQFHWKNSNQIKILGNQGSFLTKGPSKLNDRADSRRSLWDQGNFPLIIKNLKIEDSDTYICEVEDQKEEVQLLVFGLTANSDTHLLQGQSLTLTLESPPGSSPSVQCRSPRGKNIQGGKTLSVSQLELQDSGTWTCTVLQNQKKVEFKIDIVVLAFQKASSIVYKKEGEQVEFSFPLAFTVEKLTGSGELWWQAERASSSKSWITFDLKNKEVSVKRVTQDPKLQMGKKLPLHLTLPQALPQYAGSGNLTLALEAKTGKLHQEVNLVVMRATQLQKNLTCEVWGPTSPKLMLSLKLENKEAKVSKREKAVWVLNPEAGMWQCLLSDSGQVLLESNIKVLPTWHHHHHH(SEQ ID NO:49)
【0147】
組換えCD4-Hisタンパク質をコードするヌクレオチド配列はSEQ ID NO:50で示される。
【0148】
<調製例2:組換えTGF-β1の調製>
1.pCMV-TGF-β1-Hisプラスミドの構築
TGF-β1 human cDNA(Genewiz社合成)をテンプレートとしてPCR増幅を行い、TGF-β1-Hisフラグメントを通常のDNA産物精製キットで精製回収する。回収されたTGF-β1-Hisフラグメントと発現ベクターpCMVをNheIとXbaI酵素を用いて切断し、標的遺伝子フラグメントと線形発現ベクターをゲル抽出し、T4リガーゼで連結し、DH5α化学感受性細胞にすべての連結生成物の形質転換を実施した後、Ampを有するAgarプレートに塗布し、よく分離された単コロニーを選択してPCR鑑定を行い、PCR鑑定結果が陽性であるクローンをLB培地に接種して培養し、菌液を採取して広州英俊公司に送ってシーケンシングを行った。シーケンシング結果を比較すると、陽性組換え挿入配列が完全に正しいことを示した。
【0149】
2.融合タンパク質TGF-β1-Hisの発現と精製
lipofectaminトランスフェクションキット(Invitrogen社から購入)でHEK293F細胞(Invitrogen社から購入)に組換えプラスミドpCMV-CD4-hisをトランスフェクションした5日後、培養液を高速遠心分離、上清濃縮をしてBinding Buffer A(20 mM HEPES、150mM NaCl、pH7.4)に置き換え、HisTrapカラムに試料を添加し、Elution Buffer(20mM HEPES、150 mM NaCl、0.5M Immidazole、pH7.4)でタンパク質を線形溶出し、最初の精製試料をHiTrap DesaltingカラムでBinding Buffer B(20mM Tris-HCl、pH9.0)に置き換え、HiTrap
Qカラムに試料を添加し、Elution Buffer B(50mM Tris-HCl、1M NaCl、pH9.0)を用いてタンパク質を線形溶出し、標的試料を回収し、PBS溶液に交換する。精製後の試料に還元型タンパク質電気泳動のローディングバッファーを加え、SDS-PAGE電気泳動試験を行う。
【0150】
融合タンパク質TGF-β1-Hisを得る。
【0151】
TGF-β1-Hisのアミノ酸配列は次のとおりである(118aa):
ALDTNYCFSSTEKNCCVRQLYIDFRKDLGWKWIHEPKGYHANFCLGPCPYIWSLDTQYSKVLALYNQHNPGASAAPCCVPQALEPLPIVYYVGRKPKVEQLSNMIVRSCKCSHHHHHH(SEQ ID NO:51)
【0152】
組換えTGF-β1-Hisタンパク質をコードするヌクレオチド配列はSEQ ID NO:52で示される。
【0153】
<調製例3:TGF-β1抗体(ScFv-IgG4)の調製>
TGF-β1抗体の重鎖可変領域と軽鎖可変領域(metelimumab由来)を(GGGGS)リンカーを介して連結してScFv形態を構成し、そして、ヒンジを介してFc定常領域と連結し、ScFv-IgGを構成する。Fc定常領域はIg gamma-4 chain C region,ACCESSION:P01861を採用する。抗TGF-β1抗体をコードするヌクレオチド配列は上海生工によって合成される。
【0154】
TGF-β1をコードするヌクレオチド配列をpCMVベクターにクローニングし、TGF-β1抗体の組換え発現プラスミドを得る。
【0155】
HEK293F細胞(Invitrogen社から購入)に組換えプラスミドをトランスフェクションした5日後、培養液を高速遠心分離、上清濃縮をして1xBinding Buffer(20mM NaPO、pH7.0)
に置き換え、Protein Gカラムに試料を添加し、Elution Buffer(10mM Tris-Glycine、pH2.7)でタンパク質をNeutralization buffer(1M Tris-HCl、pH9.0)に溶出し、標的試料を回収してPBS溶液に交換する。精製後の試料に還元型タンパク質電気泳動のローディングバッファーを加え、SDS-PAGE電気泳動試験を行う。
【0156】
TGF-β1抗体(ScFv-IgG4)を得る。
【0157】
TGF-β1抗体をコードするアミノ酸配列:(475bp)
EVQLVESGGGVVQPGRSLRLSCAASGFTFSSYGMHWVRQAPGKELEWVAVISYDGSIKYYADSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCARTGEYSGYDTDPQYSWGQGTTVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSEIVLTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQGIGDDLGWYQQKPGKAPILLIYGTSTLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTINSLQPEDFATYYCLQDSNYPLTFGGGTRLEIKSGSKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK(SEQ ID NO:68)
【0158】
<調製例4:対照抗体(ScFv-IgG4)の調製>
対照抗体の重鎖可変領域と軽鎖可変領域を(GGGGS)リンカーを介して連結してScFv形態を構成し、そして、ヒンジを介してFc定常領域と連結し、ScFv-IgGを構成する。Fc定常領域はIg gamma-4 chain C region,ACCESSION:P01861を採用する。対照抗体のヌクレオチド配列は上海生工によって合成される。
【0159】
対照抗体をコードするヌクレオチド配列をpCMVベクターにクローニングし、対照抗体の組換え発現プラスミドを得る。
【0160】
HEK293F細胞(Invitrogen社から購入)に組換えプラスミドをトランスフェクションした5日後、培養液を高速遠心分離、上清濃縮をして1xBinding Buffer(20mM NaPO、pH7.0)
に置き換え、Protein Gカラムに試料を添加し、Elution Buffer(10mM Tris-Glycine、pH2.7)でタンパク質をNeutralization buffer(1M Tris-HCl、pH9.0)に溶出し、標的試料を回収してPBS溶液に交換する。精製後の試料に還元型タンパク質電気泳動のローディングバッファーを加え、SDS-PAGE電気泳動試験を行う。
【0161】
対照抗体をコードするアミノ酸配列:(475aa)
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGYTFTNYGMNWVRQAPGKGLEWVGWINTYTGEPTYAADFKRRFTFSLDTSKSTAYLQMNSLRAEDTAVYYCAKYPHYYGSSHWYFDVWGQGTLVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSDIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCSASQDISNYLNWYQQKPGKAPKVLIYFTSSLHSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQYSTVPWTFGQGTKVEIKSGSKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK(SEQ ID NO:69)
【0162】
対照抗体(ScFv-IgG4)を得る。
【0163】
<調製例5:二重機能性抗体CT101の調製>
二重機能性抗体CT101の第1タンパク質鎖はIbalizumabの軽鎖からなり、その第2タンパク質鎖は(GGGGS)リンカーを介して抗TGF-β1
ScFvに連結したIbalizumabの重鎖からなり、最終的に2つのタンパク質鎖がIgG-(H)-ScFv形態を構成する。
【0164】
二重機能性抗体CT101をコードするヌクレオチド配列をpCMVベクターにクローニングし、CT101抗体の組換え発現プラスミドを得る。
【0165】
HEK293F細胞(Invitrogen社から購入)に組換えプラスミドをトランスフェクションした5日後、培養液を高速遠心分離、上清濃縮をして1xBinding Buffer(20mM NaPO、pH7.0)に置き換え、Protein Gカラムに試料を添加し、Elution Buffer(10mM Tris-Glycine、pH2.7)でタンパク質をNeutralization buffer(1M Tris-HCl、pH9.0)に溶出し、標的試料を回収してPBS溶液に交換する。精製後の試料に還元型タンパク質電気泳動のローディングバッファーを加え、SDS-PAGE電気泳動試験を行う。
【0166】
二重機能性抗体CT101の第1タンパク質鎖をコードするアミノ酸配列:(219aa)
DIVMTQSPDSLAVSLGERVTMNCKSSQSLLYSTNQKNYLAWYQQKPGQSPKLLIYWASTRESGVPDRFSGSGSGTDFTLTISSVQAEDVAVYYCQQYYSYRTFGGGTKLEIKGTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(SEQ ID NO:13)
【0167】
二重機能性抗体CT101の第2タンパク質鎖をコードするアミノ酸配列:(709aa)
QVQLQQSGPEVVKPGASVKMSCKASGYTFTSYVIHWVRQKPGQGLDWIGYINPYNDGTDYDEKFKGKATLTSDTSTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCAREKDNYATGAWFAYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVD
KRVESKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGKGGGGSGGGGSGGGGSEVQLVESGGGVVQPGRSLRLSCAASGFTFSSYGMHWVRQAPGKELEWVAVISYDGSIKYYADSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCARTGEYSGYDTDPQYSWGQGTTVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSEIVLTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQGIGDDLGWYQQKPGKAPILLIYGTSTLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTINSLQPEDFATYYCLQDSNYPLTFGGGTRLEIK(SEQ ID NO:14)
【0168】
二重機能性抗体CT101を得る。
【0169】
<調製例6:二重機能性抗体CT102の調製>
二重機能性抗体CT102の第1タンパク質鎖は(GGGGS)リンカーを介して抗TGF-β1 ScFvに連結したIbalizumabの軽鎖からなり、その第2タンパク質鎖はIbalizumabの重鎖からなり、最終的に2つのタンパク質鎖がIgG-(L)-ScFv形態を構成する。
【0170】
二重機能性抗体CT102をコードするヌクレオチド配列をpCMVベクターにクローニングし、CT102抗体の組換え発現プラスミドを得る。
【0171】
HEK293F細胞(Invitrogen社から購入)に組換えプラスミドをトランスフェクションした5日後、培養液を高速遠心分離、上清濃縮をして1xBinding Buffer(20mM NaPO、pH7.0)に置き換え、Protein Gカラムに試料を添加し、Elution Buffer(10mM Tris-Glycine、pH2.7)でタンパク質をNeutralization buffer(1M Tris-HCl、pH9.0)に溶出し、標的試料を回収してPBS溶液に交換する。精製後の試料に還元型タンパク質電気泳動のローディングバッファーを加え、SDS-PAGE電気泳動試験を行う。
【0172】
二重機能性抗体CT102の第1タンパク質鎖をコードするアミノ酸配列:(479aa)
DIVMTQSPDSLAVSLGERVTMNCKSSQSLLYSTNQKNYLAWYQQKPGQSPKLLIYWASTRESGVPDRFSGSGSGTDFTLTISSVQAEDVAVYYCQQYYSYRTFGGGTKLEIKGTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGECGGGGSGGGGSGGGGSEVQLVESGGGVVQPGRSLRLSCAASGFTFSSYGMHWVRQAPGKELEWVAVISYDGSIKYYADSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCARTGEYSGYDTDPQYSWGQGTTVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSEIVLTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQGIGDDLGWYQQKPGKAPILLIYGTSTLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTINSLQPEDFATYYCLQDSNYPLTFGGGTRLEIK(SEQ ID NO:15)
【0173】
二重機能性抗体CT102の第2タンパク質鎖をコードするアミノ酸配列:(449aa)
QVQLQQSGPEVVKPGASVKMSCKASGYTFTSYVIHWVRQKPGQGLDWIGYINPYNDGTDYDEKFKGKATLTSDTSTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCAREKDNYATGAWFAYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVD
KRVESKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK(SEQ ID NO:16)
【0174】
二重機能性抗体CT102を得る。
【0175】
<調製例7:二重機能性抗体CT103の調製>
二重機能性抗体CT103の第1タンパク質鎖はIbalizumabの軽鎖からなり、その第2タンパク質鎖は(GGGGS)リンカーを介して抗TGF-β1 ScFvに連結したIbalizumabの重鎖からなり、最終的に2つのタンパク質鎖がScFv-(H)-IgG形態を構成する。
【0176】
二重機能性抗体CT103をコードするヌクレオチド配列をpCMVベクターにクローニングし、CT103抗体の組換え発現プラスミドを得る。
【0177】
HEK293F細胞(Invitrogen社から購入)に組換えプラスミドをトランスフェクションした5日後、培養液を高速遠心分離、上清濃縮をして1xBinding Buffer(20mM NaPO、pH7.0)に置き換え、Protein
Gカラムに試料を添加し、Elution Buffer(10mM Tris-Glycine、pH2.7)でタンパク質をNeutralization buffer(1M Tris-HCl、pH9.0)に溶出し、標的試料を回収してPBS溶液に交換する。精製後の試料に還元型タンパク質電気泳動のローディングバッファーを加え、SDS-PAGE電気泳動試験を行う。
【0178】
二重機能性抗体CT103の第1タンパク質鎖をコードするアミノ酸配列:(219aa)
DIVMTQSPDSLAVSLGERVTMNCKSSQSLLYSTNQKNYLAWYQQKPGQSPKLLIYWASTRESGVPDRFSGSGSGTDFTLTISSVQAEDVAVYYCQQYYSYRTFGGGTKLEIKGTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(SEQ ID NO:17)
【0179】
二重機能性抗体CT103の第2タンパク質鎖をコードするアミノ酸配列:(709aa)
EVQLVESGGGVVQPGRSLRLSCAASGFTFSSYGMHWVRQAPGKELEWVAVISYDGSIKYYADSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCARTGEYSGYDTDPQYSWGQGTTVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSEIVLTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQGIGDDLGWYQQKPGKAPILLIYGTSTLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTINSLQPEDFATYYCLQDSNYPLTFGGGTRLEIKGGGGSGGGGSGGGGSQVQLQQSGPEVVKPGASVKMSCKASGYTFTSYVIHWVRQKPGQGLDWIGYINPYNDGTDYDEKFKGKATLTSDTSTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCAREKDNYATGAWFAYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVDKRVESKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK(SEQ ID NO:18)
【0180】
二重機能性抗体CT103を得る。
【0181】
<調製例8:二重機能性抗体CT104の調製>
二重機能性抗体CT104の第1タンパク質鎖は(GGGGS)リンカーを介してTGF-β1 ScFvに連結したIbalizumabの軽鎖からなり、その第2タンパク質鎖はIbalizumabの重鎖からなり、最終的に2つのタンパク質鎖がScFv-(L)-IgG形態を構成する。
【0182】
二重機能性抗体CT104をコードするヌクレオチド配列をpCMVベクターにクローニングし、CT104抗体の組換え発現プラスミドを得る。
【0183】
HEK293F細胞(Invitrogen社から購入)に組換えプラスミドをトランスフェクションした5日後、培養液を高速遠心分離、上清濃縮をして1xBinding Buffer(20
mM NaPO、pH7.0)に置き換え、Protein Gカラムに試料を添加し、Elution Buffer(10mM Tris-Glycine、pH
2.7)でタンパク質をNeutralization buffer(1M Tris-HCl、pH9.0)に溶出し、標的試料を回収してPBS溶液に交換する。精製後の試料に還元型タンパク質電気泳動のローディングバッファーを加え、SDS-PAGE電気泳動試験を行う。
【0184】
二重機能性抗体CT104の第1タンパク質鎖をコードするアミノ酸配列:(479aa)
EVQLVESGGGVVQPGRSLRLSCAASGFTFSSYGMHWVRQAPGKELEWVAVISYDGSIKYYADSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCARTGEYSGYDTDPQYSWGQGTTVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSEIVLTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQGIGDDLGWYQQKPGKAPILLIYGTSTLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTINSLQPEDFATYYCLQDSNYPLTFGGGTRLEIKGGGGSGGGGSGGGGSDIVMTQSPDSLAVSLGERVTMNCKSSQSLLYSTNQKNYLAWYQQKPGQSPKLLIYWASTRESGVPDRFSGSGSGTDFTLTISSVQAEDVAVYYCQQYYSYRTFGGGTKLEIKGTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(SEQ ID NO:19)
【0185】
二重機能性抗体CT104の第2タンパク質鎖をコードするアミノ酸配列:(449aa)
QVQLQQSGPEVVKPGASVKMSCKASGYTFTSYVIHWVRQKPGQGLDWIGYINPYNDGTDYDEKFKGKATLTSDTSTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCAREKDNYATGAWFAYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVD
KRVESKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK(SEQ ID NO:20)
【0186】
二重機能性抗体CT104を得る。
【0187】
<調製例9:二重機能性抗体CT105の調製>
二重機能性抗体CT105の第1タンパク質鎖は(GGGGS)リンカーを介してTGF-β1抗体の軽鎖可変領域に連結したIbalizumabの軽鎖からなり、その第2タンパク質鎖は抗TGF-β1抗体の重鎖可変領域とIbalizumabの重鎖からなり、最終的に2つのタンパク質鎖がDVD-IgG形態を構成する。
【0188】
二重機能性抗体CT105をコードするヌクレオチド配列をpCMVベクターにクローニングし、CT105抗体の組換え発現プラスミドを得る。
【0189】
HEK293F細胞(Invitrogen社から購入)に組換えプラスミドをトランスフェクションした5日後、培養液を高速遠心分離、上清濃縮をして1xBinding Buffer(20mM NaPO、pH7.0)に置き換え、Protein Gカラムに試料を添加し、Elution Buffer(10mM Tris-Glycine、pH2.7)でタンパク質をNeutralization
buffer(1M Tris-HCl、pH9.0)に溶出し、標的試料を回収してPBS溶液に交換する。精製後の試料に還元型タンパク質電気泳動のローディングバッファーを加え、SDS-PAGE電気泳動試験を行う。
【0190】
二重機能性抗体CT105の第1タンパク質鎖をコードするアミノ酸配列:(331aa)
EIVLTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQGIGDDLGWYQQKPGKAPILLIYGTSTLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTINSLQPEDFATYYCLQDSNYPLTFGGGTRLEIKGGGGSDIVMTQSPDSLAVSLGERVTMNCKSSQSLLYSTNQKNYLAWYQQKPGQSPKLLIYWASTRESGVPDRFSGSGSGTDFTLTISSVQAEDVAVYYCQQYYSYRTFGGGTKLEIKGTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(SEQ ID NO:21)
【0191】
二重機能性抗体CT105の第2タンパク質鎖をコードするアミノ酸配列:(449aa)
EVQLVESGGGVVQPGRSLRLSCAASGFTFSSYGMHWVRQAPGKELEWVAVISYDGSIKYYADSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCARTGEYSGYDTDPQYSWGQGTTVTVSSGGGGSQVQLQQSGPEVVKPGASVKMSCKASGYTFTSYVIHWVRQKPGQGLDWIGYINPYNDGTDYDEKFKGKATLTSDTSTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCAREKDNYATGAWFAYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVDKRVESKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK(SEQ ID NO:22)
【0192】
二重機能性抗体CT105を得る。
【0193】
<調製例10:二重機能性抗体CT106の調製>
二重機能性抗体CT106の第1タンパク質鎖はIbalizumabの軽鎖からなり、その第2タンパク質鎖はIbalizumabの重鎖からなり(Fc領域にS354C/T366W/R409A Knob突然変異を導入)、その第3タンパク質鎖は、直列接続された抗TGF-β1抗体の重鎖可変領域と軽鎖定常領域の組み合わせ(crossmab形態)、およびFc定常領域IgG4(Y349C/T366S/L368A/F405K/Y407V Hole突然変異を導入)から構成され、その第4タンパク質鎖は、抗TGF-β1抗体の軽鎖可変領域と重鎖定常領域CHからcrossmab形態で構成され、最終的に4つのタンパク質鎖がsFab-IgG形態を構成する。
【0194】
二重機能性抗体CT106をコードするヌクレオチド配列をpCMVベクターにクローニングし、CT106抗体の組換え発現プラスミドを得る。
【0195】
HEK293F細胞(Invitrogen社から購入)に組換えプラスミドをトランスフェクションした5日後、培養液を高速遠心分離、上清濃縮をして1xBinding Buffer(20mM NaPO、pH7.0)に置き換え、Protein Gカラムに試料を添加し、Elution Buffer(10mM Tris-Glycine、pH2.7)でタンパク質をNeutralization buffer(1M Tris-HCl、pH9.0)に溶出し、標的試料を回収してPBS溶液に交換する。精製後の試料に還元型タンパク質電気泳動のローディングバッファーを加え、SDS-PAGE電気泳動試験を行う。
【0196】
二重機能性抗体CT106の第1タンパク質鎖をコードするアミノ酸配列:(219aa)
DIVMTQSPDSLAVSLGERVTMNCKSSQSLLYSTNQKNYLAWYQQKPGQSPKLLIYWASTRESGVPDRFSGSGSGTDFTLTISSVQAEDVAVYYCQQYYSYRTFGGGTKLEIKGTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(SEQ ID NO:23)
【0197】
二重機能性抗体CT106の第2タンパク質鎖をコードするアミノ酸配列:(449aa)
QVQLQQSGPEVVKPGASVKMSCKASGYTFTSYVIHWVRQKPGQGLDWIGYINPYNDGTDYDEKFKGKATLTSDTSTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCAREKDNYATGAWFAYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVD
KRVESKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPCQEEMTKNQVSLWCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSALTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK(SEQ ID NO:24)
【0198】
二重機能性抗体CT106の第3タンパク質鎖をコードするアミノ酸配列:(698aa)
EVQLVESGGGVVQPGRSLRLSCAASGFTFSSYGMHWVRQAPGKELEWVAVISYDGSIKYYADSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCARTGEYSGYDTDPQYSWGQGTTVTVSGGSGTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQ
GLSSPVTKSFNRGECSGGGGSEVQLVESGGGVVQPGRSLRLSCAASGFTFSSYGMHWVRQAPGKELEWVAVISYDGSIKYYADSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCARTGEYSGYDTDPQYSWGQGTTVTVSGGSGTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGECSKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVCTLPPSQEEMTKNQVSLSCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFKLVSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK(SEQ ID NO:25)
【0199】
二重機能性抗体CT106の第4タンパク質鎖をコードするアミノ酸配列:(210aa)
EIVLTQSPSSLSASVGDRVTITCRSSQGIGDDLGWYQQKPGKAPILLIYGTSTLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTINSLQPEDFATYYCLQDSNYPLTFGGGTRLEIKGSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVDKRVES(SEQ ID NO:26)
【0200】
二重機能性抗体CT106を得る。
【0201】
<調製例11:二重機能性抗体CT107の調製>
二重機能性抗体CT107の第1タンパク質鎖は抗TGF-β1抗体の軽鎖可変領域と重鎖定常領域CH1からcrossmab形態で構成され、その第2タンパク質鎖は抗TGF-β1抗体の重鎖可変領域と軽鎖定常領域の組み合わせ(crossmab形態)、およびFc定常領域IgG4(Fc領域にS354C/T366W/R409A
Knob突然変異を導入)から構成され、その第3タンパク質鎖は、Ibalizumab重鎖可変領域と重鎖定常領域CH1の組み合わせ、抗TGF-β1抗体の重鎖可変領域と軽鎖定常領域の組み合わせ(crossmab形態)、およびFc定常領域IgG4(Fc領域にY349C/T366S/L368A/F405K/Y407V Hole突然変異を導入)から構成され、その第4タンパク質鎖はIbalizumabの軽鎖から構成され、最終的に4つのタンパク質鎖がFab-IgG形態を構成する。
【0202】
二重機能性抗体CT107をコードするヌクレオチド配列をpCMVベクターにクローニングし、CT107抗体の組換え発現プラスミドを得る。
【0203】
HEK293F細胞(Invitrogen社から購入)に組換えプラスミドをトランスフェクションした5日後、培養液を高速遠心分離、上清濃縮をして1xBinding Buffer(20mM NaPO、pH7.0)に置き換え、Protein Gカラムに試料を添加し、Elution Buffer(10mM Tris-Glycine、pH2.7)でタンパク質をNeutralization buffer(1
M Tris-HCl、pH 9.0)に溶出し、標的試料を回収してPBS溶液に交換する。精製後の試料に還元型タンパク質電気泳動のローディングバッファーを加え、SDS-PAGE電気泳動試験を行う。
【0204】
二重機能性抗体CT107の第1タンパク質鎖をコードするアミノ酸配列:(210aa)
EIVLTQSPSSLSASVGDRVTITCRSSQGIGDDLGWYQQKPGKAPILLIYGTSTLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTINSLQPEDFATYYCLQDSNYPLTFGGGTRLEIKGSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVDKRVES(SEQ ID NO:27)
【0205】
二重機能性抗体CT107の第2タンパク質鎖をコードするアミノ酸配列:(460aa)
EVQLVESGGGVVQPGRSLRLSCAASGFTFSSYGMHWVRQAPGKELEWVAVISYDGSIKYYADSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCARTGEYSGYDTDPQYSWGQGTTVTVSGGSGTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQ
GLSSPVTKSFNRGECSKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPCQEEMTKNQVSLWCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSALTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK(SEQ ID NO:28)
【0206】
二重機能性抗体CT107の第3タンパク質鎖をコードするアミノ酸配列:(687aa)
QVQLQQSGPEVVKPGASVKMSCKASGYTFTSYVIHWVRQKPGQGLDWIGYINPYNDGTDYDEKFKGKATLTSDTSTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCAREKDNYATGAWFAYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVD
KRVESGGGGSEVQLVESGGGVVQPGRSLRLSCAASGFTFSSYGMHWVRQAPGKELEWVAVISYDGSIKYYADSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCARTGEYSGYDTDPQYSWGQGTTVTVSGGSGTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGECSKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVCTLPPSQEEMTKNQVSLSCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFKLVSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK(SEQ ID NO:29)
【0207】
二重機能性抗体CT107の第4タンパク質鎖をコードするアミノ酸配列:(219aa)
DIVMTQSPDSLAVSLGERVTMNCKSSQSLLYSTNQKNYLAWYQQKPGQSPKLLIYWASTRESGVPDRFSGSGSGTDFTLTISSVQAEDVAVYYCQQYYSYRTFGGGTKLEIKGTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(SEQ ID NO:30)
【0208】
二重機能性抗体CT107を得る。
【0209】
<調製例12:二重機能性抗体CT108の調製>
二重機能性抗体CT108の第1タンパク質鎖はIbalizumabの軽鎖からなり、その第2タンパク質鎖は抗TGF-β1抗体の軽鎖可変領域と重鎖定常領域CH1からcrossmab形態で構成され、その第3タンパク質鎖はIbalizumabの重鎖可変領域と重鎖定常領域CH1の組み合わせ、抗TGF-β1抗体の重鎖可変領域と軽鎖定常領域の組み合わせ(crossmab形態)、およびFc定常領域IgG4から構成され、最終的に3つのタンパク質鎖がFab-IgG形態を構成する。
【0210】
二重機能性抗体CT108をコードするヌクレオチド配列をpCMVベクターにクローニングし、CT108抗体の組換え発現プラスミドを得る。
【0211】
HEK293F細胞(Invitrogen社から購入)に組換えプラスミドをトランスフェクションした5日後、培養液を高速遠心分離、上清濃縮をして1xBinding Buffer(20mM NaPO、pH7.0)に置き換え、Protein Gカラムに試料を添加し、Elution Buffer(10mM Tris-Glycine、pH2.7)でタンパク質をNeutralization buffer(1M Tris-HCl、pH9.0)に溶出し、標的試料を回収してPBS溶液に交換する。精製後の試料に還元型タンパク質電気泳動のローディングバッファーを加え、SDS-PAGE電気泳動試験を行う。
【0212】
二重機能性抗体CT108の第1タンパク質鎖をコードするアミノ酸配列:(219aa)
DIVMTQSPDSLAVSLGERVTMNCKSSQSLLYSTNQKNYLAWYQQKPGQSPKLLIYWASTRESGVPDRFSGSGSGTDFTLTISSVQAEDVAVYYCQQYYSYRTFGGGTKLEIKGTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(SEQ ID NO:31)
【0213】
二重機能性抗体CT108の第2タンパク質鎖をコードするアミノ酸配列:(210aa)
EIVLTQSPSSLSASVGDRVTITCRSSQGIGDDLGWYQQKPGKAPILLIYGTSTLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTINSLQPEDFATYYCLQDSNYPLTFGGGTRLEIKGSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVDKRVES(SEQ ID NO:32)
【0214】
二重機能性抗体CT108の第3タンパク質鎖をコードするアミノ酸配列:(687aa)
QVQLQQSGPEVVKPGASVKMSCKASGYTFTSYVIHWVRQKPGQGLDWIGYINPYNDGTDYDEKFKGKATLTSDTSTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCAREKDNYATGAWFAYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVD
KRVESGGGGSEVQLVESGGGVVQPGRSLRLSCAASGFTFSSYGMHWVRQAPGKELEWVAVISYDGSIKYYADSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCARTGEYSGYDTDPQYSWGQGTTVTVSGGSGTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGECSKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK(SEQ ID NO:33)
【0215】
二重機能性抗体CT108を得る。
【0216】
<調製例13:二重機能性抗体CT109の調製>
二重機能性抗体CT109の第1タンパク質鎖はIbalizumabの軽鎖からなり、その第2タンパク質鎖は抗TGF-β1抗体の軽鎖可変領域と重鎖定常領域CH1からcrossmab形態で構成され、その第3タンパク質鎖はIbalizumabの重鎖、および抗TGF-β1抗体の重鎖可変領域と軽鎖定常領域の組み合わせ(crossmab形態)から構成され、最終的に3つのタンパク質鎖がIgG-Fab形態を構成する。
【0217】
二重機能性抗体CT109をコードするヌクレオチド配列をpCMVベクターにクローニングし、CT109抗体の組換え発現プラスミドを得る。
【0218】
HEK293F細胞(Invitrogen社から購入)に組換えプラスミドをトランスフェクションした5日後、培養液を高速遠心分離、上清濃縮をして1xBinding Buffer(20mM NaPO、pH7.0)に置き換え、Protein
Gカラムに試料を添加し、Elution Buffer(10mM Tris-Glycine、pH2.7)でタンパク質をNeutralization buffer(1M Tris-HCl、pH9.0)に溶出し、標的試料を回収してPBS溶液に交換する。精製後の試料に還元型タンパク質電気泳動のローディングバッファーを加え、SDS-PAGE電気泳動試験を行う。
【0219】
二重機能性抗体CT109の第1タンパク質鎖をコードするアミノ酸配列:(219aa)
DIVMTQSPDSLAVSLGERVTMNCKSSQSLLYSTNQKNYLAWYQQKPGQSPKLLIYWASTRESGVPDRFSGSGSGTDFTLTISSVQAEDVAVYYCQQYYSYRTFGGGTKLEIKGTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(SEQ ID NO:34)
【0220】
二重機能性抗体CT109の第2タンパク質鎖をコードするアミノ酸配列:(210aa)
EIVLTQSPSSLSASVGDRVTITCRSSQGIGDDLGWYQQKPGKAPILLIYGTSTLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTINSLQPEDFATYYCLQDSNYPLTFGGGTRLEIKGSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVDKRVES(SEQ ID NO:35)
【0221】
二重機能性抗体CT109の第3タンパク質鎖をコードするアミノ酸配列:(696aa)
QVQLQQSGPEVVKPGASVKMSCKASGYTFTSYVIHWVRQKPGQGLDWIGYINPYNDGTDYDEKFKGKATLTSDTSTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCAREKDNYATGAWFAYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVD
KRVESKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTK
PREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGKGGGGSGGGGSGGGGSEVQLVESGGGVVQPGRSLRLSCAASGFTFSSYGMHWVRQAPGKELEWVAVISYDGSIKYYADSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCARTGEYSGYDTDPQYSWGQGTTVTVSGGSGTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(SEQ ID NO:36)
【0222】
二重機能性抗体CT109を得る。
【0223】
<調製例14:二重機能性抗体CT110の調製>
二重機能性抗体CT110の第1タンパク質鎖はIbalizumabの軽鎖からなり、その第2タンパク質鎖は(GGGGS)リンカーを介して抗TGF-β1抗体の重鎖可変領域に連結したIbalizumabの重鎖(Fc領域にS354C/T366W/R409A
Knob突然変異を導入)から構成され、その第3タンパク質鎖は(GGGGS)リンカーを介して抗TGF-β1抗体の軽鎖可変領域に連結したIbalizumabの重鎖(Fc領域にY349C/T366S/L368A/F405K/Y407V Hole突然変異を導入)から構成され、最終的に3つのタンパク質鎖がIgG-Fv形態を構成する。
【0224】
二重機能性抗体CT110をコードするヌクレオチド配列をpCMVベクターにクローニングし、CT110抗体の組換え発現プラスミドを得る。
【0225】
HEK293F細胞(Invitrogen社から購入)に組換えプラスミドをトランスフェクションした5日後、培養液を高速遠心分離、上清濃縮をして1xBinding Buffer(20mM NaPO、pH7.0)に置き換え、Protein Gカラムに試料を添加し、Elution Buffer(10mM Tris-Glycine、pH2.7)でタンパク質をNeutralization buffer(1M Tris-HCl、pH9.0)に溶出し、標的試料を回収してPBS溶液に交換する。精製後の試料に還元型タンパク質電気泳動のローディングバッファーを加え、SDS-PAGE電気泳動試験を行う。
【0226】
二重機能性抗体CT110の第1タンパク質鎖をコードするアミノ酸配列:(219aa)
DIVMTQSPDSLAVSLGERVTMNCKSSQSLLYSTNQKNYLAWYQQKPGQSPKLLIYWASTRESGVPDRFSGSGSGTDFTLTISSVQAEDVAVYYCQQYYSYRTFGGGTKLEIKGTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(SEQ ID NO:37)
【0227】
二重機能性抗体CT110の第2タンパク質鎖をコードするアミノ酸配列:(577aa)
QVQLQQSGPEVVKPGASVKMSCKASGYTFTSYVIHWVRQKPGQGLDWIGYINPYNDGTDYDEKFKGKATLTSDTSTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCAREKDNYATGAWFAYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVD
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【0228】
二重機能性抗体CT110の第3タンパク質鎖をコードするアミノ酸配列:(561aa)
QVQLQQSGPEVVKPGASVKMSCKASGYTFTSYVIHWVRQKPGQGLDWIGYINPYNDGTDYDEKFKGKATLTSDTSTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCAREKDNYATGAWFAYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVD
KRVESKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVCTLPPSQEEMTKNQVSLSCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFKLVSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGKGGGGSEIVLTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQGIGDDLGWYQQKPGKAPILLIYGTSTLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTINSLQPEDFATYYCLQDSNYPLTFGGGTRLEIK(SEQ ID NO:39)
【0229】
二重機能性抗体CT110を得る。
【0230】
<調製例15:二重機能性抗体TC111の調製>
二重機能性抗体CT111の第1タンパク質鎖はIbalizumabの軽鎖からなり、その第2タンパク質鎖はIbalizumabの重鎖(Fc領域にS354C/T366W/R409A
Knob突然変異を導入)からなり、その第3タンパク質鎖はヒンジを介してFc定常領域IgG4(Fc領域にY349C/T366S/L368A/F405K/Y407V Hole突然変異を導入)に連結した抗TGF-β1
ScFvからなり、最終的に3つのタンパク質鎖がFab-Fc-ScFv形態を構成する。
【0231】
二重機能性抗体CT111をコードするヌクレオチド配列をpCMVベクターにクローニングし、CT111抗体の組換え発現プラスミドを得る。
【0232】
HEK293F細胞(Invitrogen社から購入)に組換えプラスミドをトランスフェクションした5日後、培養液を高速遠心分離、上清濃縮をして1xBinding Buffer(20mM NaPO、pH7.0)に置き換え、Protein Gカラムに試料を添加し、Elution Buffer(10mM Tris-Glycine、pH2.7)でタンパク質をNeutralization buffer(1M Tris-HCl、pH9.0)に溶出し、標的試料を回収してPBS溶液に交換する。精製後の試料に還元型タンパク質電気泳動のローディングバッファーを加え、SDS-PAGE電気泳動試験を行う。
【0233】
二重機能性抗体CT111の第1タンパク質鎖をコードするアミノ酸配列:(219aa)
DIVMTQSPDSLAVSLGERVTMNCKSSQSLLYSTNQKNYLAWYQQKPGQSPKLLIYWASTRESGVPDRFSGSGSGTDFTLTISSVQAEDVAVYYCQQYYSYRTFGGGTKLEIKGTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(SEQ ID NO:40)
【0234】
二重機能性抗体CT111の第2タンパク質鎖をコードするアミノ酸配列:(449aa)
QVQLQQSGPEVVKPGASVKMSCKASGYTFTSYVIHWVRQKPGQGLDWIGYINPYNDGTDYDEKFKGKATLTSDTSTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCAREKDNYATGAWFAYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVD
KRVESKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPCQEEMTKNQVSLWCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSALTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK(SEQ ID NO:41)
【0235】
二重機能性抗体CT111の第3タンパク質鎖をコードするアミノ酸配列:(471aa)
EVQLVESGGGVVQPGRSLRLSCAASGFTFSSYGMHWVRQAPGKELEWVAVISYDGSIKYYADSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCARTGEYSGYDTDPQYSWGQGTTVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSEIVLTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQGIGDDLGWYQQKPGKAPILLIYGTSTLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTINSLQPEDFATYYCLQDSNYPLTFGGGTRLEIKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVCTLPPSQEEMTKNQVSLSCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFKLVSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK(SEQ ID NO:42)
【0236】
二重機能性抗体CT111を得る。
【0237】
<調製例16:二重機能性抗体CT112の調製>
二重機能性抗体CT112の第1タンパク質鎖はIbalizumabの軽鎖からなり、その第2タンパク質鎖はIbalizumabの重鎖(Fc領域にS354C/T366W/R409A
Knob突然変異を導入)からなり、その第3タンパク質鎖は抗TGF-β1抗体の重鎖可変領域と軽鎖定常領域の組み合わせ(crossmab形態)、およびFc定常領域IgG4(Fc領域にS354C/T366W/R409A
Knob突然変異を導入)から構成され、その第4タンパク質鎖は抗TGF-β1抗体の軽鎖可変領域と重鎖定常領域CH1の組み合わせ(crossmab形態)から構成され、最終的に4つのタンパク質鎖がIgG Crossmab形態を構成する。
【0238】
二重機能性抗体CT112をコードするヌクレオチド配列をpCMVベクターにクローニングし、CT112抗体の組換え発現プラスミドを得る。
【0239】
HEK293F細胞(Invitrogen社から購入)に組換えプラスミドをトランスフェクションした5日後、培養液を高速遠心分離、上清濃縮をして1xBinding Buffer(20mM NaPO、pH7.0)に置き換え、Protein
Gカラムに試料を添加し、Elution Buffer(10mM Tris-Glycine、pH2.7)でタンパク質をNeutralization buffer(1M Tris-HCl、pH9.0)に溶出し、標的試料を回収してPBS溶液に交換する。精製後の試料に還元型タンパク質電気泳動のローディングバッファーを加え、SDS-PAGE電気泳動試験を行う。
【0240】
二重機能性抗体CT112の第1タンパク質鎖をコードするアミノ酸配列:(219aa)
DIVMTQSPDSLAVSLGERVTMNCKSSQSLLYSTNQKNYLAWYQQKPGQSPKLLIYWASTRESGVPDRFSGSGSGTDFTLTISSVQAEDVAVYYCQQYYSYRTFGGGTKLEIKGTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(SEQ ID NO:43)
【0241】
二重機能性抗体CT112の第2タンパク質鎖をコードするアミノ酸配列:(449aa)
QVQLQQSGPEVVKPGASVKMSCKASGYTFTSYVIHWVRQKPGQGLDWIGYINPYNDGTDYDEKFKGKATLTSDTSTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCAREKDNYATGAWFAYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVD
KRVESKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPCQEEMTKNQVSLWCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSALTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK(SEQ ID NO:44)
【0242】
二重機能性抗体CT112の第3タンパク質鎖をコードするアミノ酸配列:(460aa)
EVQLVESGGGVVQPGRSLRLSCAASGFTFSSYGMHWVRQAPGKELEWVAVISYDGSIKYYADSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCARTGEYSGYDTDPQYSWGQGTTVTVSGGSGTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQ
GLSSPVTKSFNRGECSKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVCTLPPSQEEMTKNQVSLSCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFKLVSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK(SEQ ID NO:45)
【0243】
二重機能性抗体CT112の第4タンパク質鎖をコードするアミノ酸配列:(210aa)
EIVLTQSPSSLSASVGDRVTITCRSSQGIGDDLGWYQQKPGKAPILLIYGTSTLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTINSLQPEDFATYYCLQDSNYPLTFGGGTRLEIKGSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVDKRVES(SEQ ID NO:46)
【0244】
二重機能性抗体CT112を得る。
【0245】
<調製例17:組換えTGFβ1の調製>
1.pCMV-TGFβ1-Hisプラスミドの構築TGFβ1 human cDNA(Genewiz社合成)をテンプレートとしてPCR増幅を行い、TGFβ1-Hisフラグメントを通常のDNA産物精製キットで精製回収する。回収後のTGFβ1-Hisフラグメントと発現ベクターpCMVをNheIとXbaI酵素を用いて切断し、標的遺伝子フラグメントと線形発現ベクターをゲル抽出し、T4リガーゼで連結し、DH5α化学感受性細胞にすべての連結生成物の形質転換を実施した後、Ampを有するAgarプレートに塗布し、よく分離された単コロニーを選択してPCR鑑定を行い、PCR鑑定結果が陽性であるクローンをLB培地に接種して培養し、菌液を採取して広州英俊公司に送ってシーケンシングを行った。シーケンシング結果を比較すると、陽性組換え挿入配列が完全に正しいことを示した。
【0246】
2.融合タンパク質TGFβ1-Hisの発現と精製
lipofectaminトランスフェクションキット(Invitrogen社から購入)でHEK293F細胞(Invitrogen社から購入)に組換えプラスミドpCMV-TGFβ1-hisをトランスフェクションした5日後、培養液を高速遠心分離、上清濃縮をしてBinding
Buffer A(20mM HEPES、150mM NaCl、pH7.4)に置き換え、HisTrapカラムに試料を添加し、Elution Buffer(20mM HEPES、150mM NaCl、0.5M Immidazole、pH7.4)でタンパク質を線形溶出し、最初の精製試料をHiTrap DesaltingカラムでBinding Buffer B(20mM Tris-HCl、pH9.0)に置き換え、HiTrap Qカラムに試料を添加し、Elution Buffer B(50mM Tris-HCl、1M NaCl、pH9.0)を用いてタンパク質を線形溶出し、標的試料を回収し、PBS溶液に交換する。精製後の試料に還元型タンパク質電気泳動のローディングバッファーを加え、SDS-PAGE電気泳動試験を行う。
【0247】
融合タンパク質TGFβ1-Hisを得る。
【0248】
TGFβ1-Hisのアミノ酸配列は次のとおりである(118aa):
ALDTNYCFSSTEKNCCVRQLYIDFRKDLGWKWIHEPKGYHANFCLGPCPYIWSLDTQYSKVLALYNQHNPGASAAPCCVPQALEPLPIVYYVGRKPKVEQLSNMIVRSCKCSHHHHHH(SEQ ID NO:70)
【0249】
そのうち、下線部分はTGFβ1のアミノ酸配列である。
【0250】
TGFβ1-Hisをコードする核酸配列
GCCCTGGATACCAACTATTGCTTCAGCTCCACAGAGAAGAACTGCTGTGTGCGGCAGCTGTACATTGACTTTAGGAAGGACCTGGGTTGGAAGTGGATCCACGAGCCCAAGGGCTACCATGCCAACTTCTGCCTCGGGCCCTGCCCCTACATTTGGAGCCTGGACACGCAGTACAGCAAGGTCCTGGCCCTGTACAACCAGCATAACCCGGGCGCCTCGGCGGCGCCGTGCTGCGTGCCGCAGGCGCTGGAGCCGCTGCCCATCGTGTACTACGTGGGCCGCAAGCCCAAGGTGGAGCAGCTGTCCAACATGATCGTGCGCTCCTGCAAGTGCAGCCATCATCATCATCATCAT(SEQ ID NO:71)
【0251】
<調製例18:組換えタンパク質CD4-Hisの発現と精製>
1.pCMV-CD4-Hisプラスミドの構築
CD4 human cDNA(Genewiz社合成)をテンプレートとしてPCR増幅を行い、CD4-Hisフラグメントを通常のDNA産物精製キットで精製回収する。回収後のCD4-Hisフラグメントと発現ベクターpCMVをNheIとXbaI酵素を用いて切断し、目的の遺伝子フラグメントと線形発現ベクターをゲル抽出し、T4リガーゼで連結し、DH5α化学感受性細胞にすべての連結生成物の形質転換を実施した後、Ampを有するAgarプレートに塗布し、よく分離された単コロニーを選択してPCR鑑定を行い、PCR鑑定結果が陽性であるクローンをLB培地に接種して培養し、菌液を採取して広州英俊公司に送ってシーケンシングを行った。シーケンシング結果を比較すると、陽性組換え挿入配列が完全に正しいことを示した。
【0252】
2.組換えタンパク質CD4-Hisの発現と精製
lipofectaminトランスフェクションキット(Invitrogen社から購入)でHEK293F細胞(Invitrogen社から購入)に組換えプラスミドpCMV-CD4-hisをトランスフェクションした5日後、培養液を高速遠心分離、上清濃縮をしてBinding Buffer A(20mM HEPES、150mM NaCl、pH 7.4)に置き換え、HisTrapカラムに試料を添加し、Elution Buffer(20mM HEPES、150mM NaCl、0.5M Immidazole、pH7.4)でタンパク質を線形溶出し、最初の精製試料をHiTrap DesaltingカラムでBinding Buffer B(20mM Tris-HCl、pH9.0)に置き換え、HiTrap Qカラムに試料を添加し、Elution Buffer B(50mM Tris-HCl、1M NaCl、pH9.0)を用いてタンパク質を線形溶出し、標的試料を回収し、PBS溶液に交換する。精製後の試料に還元型タンパク質電気泳動のローディングバッファーを加え、SDS-PAGE電気泳動試験を行う。
【0253】
融合タンパク質CD4-Hisを得る。
【0254】
CD4-Hisのアミノ酸配列は次のとおりである(371aa):
KKVVLGKKGDTVELTCTASQKKSIQFHWKNSNQIKILGNQGSFLTKGPSKLNDRADSRRSLWDQGNFPLIIKNLKIEDSDTYICEVEDQKEEVQLLVFGLTANSDTHLLQGQSLTLTLESPPGSSPSVQCRSPRGKNIQGGKTLSVSQLELQDSGTWTCTVLQNQKKVEFKIDIVVLAFQKASSIVYKKEGEQVEFSFPLAFTVEKLTGSGELWWQAERASSSKSWITFDLKNKEVSVKRVTQDPKLQMGKKLPLHLTLPQALPQYAGSGNLTLALEAKTGKLHQEVNLVVMRATQLQKNLTCEVWGPTSPKLMLSLKLENKEAKVSKREKAVWVLNPEAGMWQCLLSDSGQVLLESNIKVLPTWHHHHHH(SEQ ID NO:72)
【0255】
そのうち、下線部分はCD4のアミノ酸配列である。
【0256】
CD4-Hisをコードする核酸配列
AAGAAAGTGGTGCTGGGCAAAAAAGGGGATACAGTGGAACTGACCTGTACAGCTTCCCAGAAGAAGAGCATACAATTCCACTGGAAAAACTCCAACCAGATAAAGATTCTGGGAAATCAGGGCTCCTTCTTAACTAAAGGTCCATCCAAGCTGAATGATCGCGCTGACTCAAGAAGAAGCCTTTGGGACCAAGGAAACTTTCCCCTGATCATCAAGAATCTTAAGATAGAAGACTCAGATACTTACATCTGTGAAGTGGAGGACCAGAAGGAGGAGGTGCAATTGCTAGTGTTCGGATTGACTGCCAACTCTGACACCCACCTGCTTCAGGGGCAGAGCCTGACCCTGACCTTGGAGAGCCCCCCTGGTAGTAGCCCCTCAGTGCAATGTAGGAGTCCAAGGGGTAAAAACATACAGGGGGGGAAGACCCTCTCCGTGTCTCAGCTGGAGCTCCAGGATAGTGGCACCTGGACATGCACTGTCTTGCAGAACCAGAAGAAGGTGGAGTTCAAAATAGACATCGTGGTGCTAGCTTTCCAGAAGGCCTCCAGCATAGTCTATAAGAAAGAGGGGGAACAGGTGGAGTTCTCCTTCCCACTCGCCTTTACAGTTGAAAAGCTGACGGGCAGTGGCGAGCTGTGGTGGCAGGCGGAGAGGGCTTCCTCCTCCAAGTCTTGGATCACCTTTGACCTGAAGAACAAGGAAGTGTCTGTAAAACGGGTTACCCAGGACCCTAAGCTCCAGATGGGCAAGAAGCTCCCGCTCCACCTCACCCTGCCCCAGGCCTTGCCTCAGTATGCTGGCTCTGGAAACCTCACCCTGGCCCTTGAAGCGAAAACAGGAAAGTTGCATCAGGAAGTGAACCTGGTGGTGATGAGAGCCACTCAGCTCCAGAAAAATTTGACCTGTGAGGTGTGGGGACCCACCTCCCCTAAGCTGATGCTGAGTTTGAAACTGGAGAACAAGGAGGCAAAGGTCTCGAAGCGGGAGAAGGCGGTGTGGGTGCTGAACCCTGAGGCGGGGATGTGGCAGTGTCTGCTGAGTGACTCGGGACAGGTCCTGCTGGAATCCAACATCAAGGTTCTGCCCACATGGCATCATCATCATCATCAT(SEQ ID NO:73)
【0257】
<調製例19:融合タンパク質TGFβRII-hFcの発現と精製>
1.遺伝子TGFβRII-hFcの合成
遺伝子TGFβRII(Transforming Growth Factor Beta Receptor II,NCBIGenBank:NP_001020018.1)の細胞外フラグメントTGFβRII-ECDに対応するアミノ酸は、それぞれThrombin酵素切断部位及びヒトIgGのFcタンパク質フラグメント(hFc)と融合設計を行い(SEQ ID NO:74)、金唯智会社に対応するコード化核酸配列(SEQ ID NO:75)の合成を依頼した。
【0258】
TGFβRII:Transforming Growth Factor Beta Receptor II,NCBIGenBank:NP_001020018.1;
hFc:Ig gamma-1 chain C region,ACCESSION:P01857,106-330;
融合タンパク質TGFβRII-hFcのアミノ酸配列:(370aa)
TIPPHVQKSVNNDMIVTDNNGAVKFPQLCKFCDVRFSTCDNQKSCMSNCSITSICEKPQEVCVAVWRKNDENITLETVCHDPKLPYHDFILEDAASPKCIMKEKKKPGETFFMCSCSSDECNDNIIFSEEYNTSNPDLVPRGSDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK(SEQ ID NO:74)
【0259】
そのうち、二重下線を付けたのはTGFβRIIのECD部分、波線を付けたのはThrombin酵素切断部位、単一下線を付けたのはhFc部分である。
【0260】
融合タンパクTGFβRII-hFcをコードする核酸配列:(1110bP)
ACGATCCCACCGCACGTTCAGAAGTCGGTTAATAACGACATGATAGTCACTGACAACAACGGTGCAGTCAAGTTTCCACAACTGTGTAAATTTTGTGATGTGAGATTTTCCACCTGTGACAACCAGAAATCCTGCATGAGCAACTGCAGCATCACCTCCATCTGTGAGAAGCCACAGGAAGTCTGTGTGGCTGTATGGAGAAAGAATGACGAGAACATAACACTAGAGACAGTTTGCCATGACCCCAAGCTCCCCTACCATGACTTTATTCTGGAAGATGCTGCTTCTCCAAAGTGCATTATGAAGGAAAAAAAAAAGCCTGGTGAGACTTTCTTCATGTGTTCCTGTAGCTCTGATGAGTGCAATGACAACATCATCTTCTCAGAAGAATATAACACCAGCAATCCTGACCTGGTGCCGAGGGGAAGCGACAAAACTCACACATGCCCACCGTGCCCAGCACCTGAACTCCTGGGGGGACCGTCAGTCTTCCTCTTCCCCCCAAAACCCAAGGACACCCTCATGATCTCCCGGACCCCTGAGGTCACATGCGTGGTGGTGGACGTGAGCCACGAAGACCCTGAGGTCAAGTTCAACTGGTACGTGGACGGCGTGGAGGTGCATAATGCCAAGACAAAGCCGCGGGAGGAGCAGTACAACAGCACGTACCGTGTGGTCAGCGTCCTCACCGTCCTGCACCAGGACTGGCTGAATGGCAAGGAGTACAAGTGCAAGGTCTCCAACAAAGCCCTCCCAGCCCCCATCGAGAAAACCATCTCCAAAGCCAAAGGGCAGCCCCGAGAACCACAGGTGTACACCCTGCCCCCATCCCGGGAGGAGATGACCAAGAACCAGGTCAGCCTGACCTGCCTGGTCAAAGGCTTCTATCCCAGCGACATCGCCGTGGAGTGGGAGAGCAATGGGCAGCCGGAGAACAACTACAAGACCACGCCTCCCGTGCTGGACTCCGACGGCTCCTTCTTCCTCTACAGCAAGCTCACCGTGGACAAGAGCAGGTGGCAGCAGGGGAACGTCTTCTCATGCTCCGTGATGCATGAGGCTCTGCACAACCACTACACGCAGAAGAGCCTCTCCCTGTCTCCGGGTAAA(SEQ ID NO:75)
【0261】
2.pCMV-TGFβRII-hFcプラスミドの構築
金唯智会社が合成したTGFβRII-hFcコード遺伝子をpCMV(当社所有)発現ベクターにクローニングし、pCMV-TGFβRII-hFcプラスミドを得る。
【0262】
3.HEK293F細胞に組換えプラスミドpCMV-TGFβRII-hFcをトランスフェクションする
lipofectaminトランスフェクションキット(Invitrogen社から購入)でHEK293F細胞(ThermoFisher Scientific社より購入)に組換えプラスミドpCMV-TGFβRII-hFcをトランスフェクションする。
【0263】
4.TGFβRII-hFcタンパク質のSDS-PAGE電気泳動試験
HEK293F細胞に組換えプラスミドpCMV-TGFβRII-hFcをトランスフェクションした5日後、培養液を高速遠心分離、微孔ろ過膜による真空ろ過およびProteinA/Gカラムの精製によりTGFβRII-hFc融合タンパク質試料を取得し、一部の試料を取って還元型タンパク質電気泳動ローディングバッファーに加え、SDS-PAGE電気泳動試験を行う。
【0264】
融合タンパク質TGFβRII-hFcを得る。
【0265】
<調製例20:抗CD4の抗体Ibalizumabの調製>
市販されているCD4単クローン抗体Trogarzo(Ibalizumab)の重鎖可変領域および軽鎖可変領域のアミノ酸配列は、米国特許公開第US005871732号を参照する。重鎖可変領域と軽鎖可変領域をコードする核酸配列は、金斯瑞会社に合成を依頼した。
【0266】
Ibalizumab重鎖可変領域のアミノ酸配列:(122aa)
QVQLQQSGPEVVKPGASVKMSCKASGYTFTSYVIHWVRQKPGQGLDWIGYINPYNDGTDYDEKFKGKATLTSDTSTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCAREKDNYATGAWFAYWGQGTLVTVSS(SEQ ID NO:76)
【0267】
Bevacizumab重鎖可変領域をコードする核酸配列:(366bp)
CAGGTGCAACTGCAACAGTCCGGACCCGAAGTCGTGAAACCAGGAGCTTCCGTGAAGATGAGCTGCAAAGCATCCGGATACACCTTCACCAGCTACGTGATCCACTGGGTGAGGCAGAAACCTGGCCAGGGCCTGGACTGGATCGGCTACATCAACCCTTACAACGACGGAACCGACTACGACGAGAAATTCAAAGGCAAAGCTACCCTGACCAGCGACACCAGCACCTCCACTGCTTACATGGAGCTGTCCAGCCTGAGGTCCGAAGACACCGCTGTGTACTACTGCGCTAGGGAGAAGGACAACTACGCTACCGGCGCTTGGTTCGCCTACTGGGGCCAGGGAACCCTGGTGACCGTGTCCAGC(SEQ ID NO:77)
【0268】
Ibalizumab軽鎖可変領域のアミノ酸配列:(112aa)
DIVMTQSPDSLAVSLGERVTMNCKSSQSLLYSTNQKNYLAWYQQKPGQSPKLLIYWASTRESGVPDRFSGSGSGTDFTLTISSVQAEDVAVYYCQQYYSYRTFGGGTKLEIK(SEQ ID NO:78)
【0269】
Ibalizumab軽鎖可変領域をコードする核酸配列:(336bp)
GACATCGTGATGACCCAGTCCCCTGACTCCCTGGCTGTGTCCCTGGGCGAACGGGTCACCATGAACTGCAAATCTTCCCAGTCCCTGCTGTACTCCACCAACCAGAAGAACTACCTGGCTTGGTACCAGCAGAAACCTGGCCAGTCCCCCAAACTGCTCATCTACTGGGCTTCCACCAGGGAAAGCGGCGTGCCTGACAGATTCTCCGGAAGCGGCAGCGGAACCGACTTCACCCTGACCATCTCCAGCGTGCAGGCTGAAGACGTGGCTGTCTACTACTGCCAGCAGTACTACAGCTACAGGACCTTCGGCGGAGGCACCAAGCTGGAGATCAAG(SEQ ID NO:79)
【0270】
重鎖定常領域はIg gamma-4 chain C region,ACCESSION:P01861を採用し、軽鎖定常領域はIg kappa chain C region,ACCESSION:P01834を採用する。
【0271】
Ibalizumabの重鎖cDNAと軽鎖cDNAをそれぞれpCMVベクターにクローニングし、抗体Ibalizumabの組換え発現プラスミドを得る。
【0272】
HEK293F細胞に組換え発現プラスミドをトランスフェクションする。HEK293F細胞培養液を精製して測定する。
【0273】
抗CD4単クローン抗体Trogarzo(Ibalizumab)を得る。
【0274】
<調製例21:抗TGFβ1の抗体CAT192の調製と試験>
抗体CAT192重鎖可変領域のアミノ酸配列:(123aa)
EVQLVESGGGVVQPGRSLRLSCAASGFTFSSYGMHWVRQAPGKELEWVAVISYDGSIKYYADSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCARTGEYSGYDTDPQYSWGQGTTVTVSS(SEQ ID NO:80)
【0275】
抗体CAT192重鎖可変領域の核酸配列:(369bp)
GAGGTCCAGCTGGTGGAGTCTGGGGGAGGCGTGGTCCAGCCTGGGAGGTCCCTGAGACTCTCCTGTGCAGCCTCTGGATTCACCTTCAGTAGCTATGGCATGCACTGGGTCCGCCAGGCTCCAGGCAAGGAGCTGGAGTGGGTGGCAGTTATATCATATGATGGAAGTATTAAATACTATGCAGACTCCGTGAAGGGCCGATTCACCATCTCCAGAGACAATTCCAAGAACACGCTGTATCTGCAAATGAACAGCCTGAGAGCTGAGGACACGGCTGTGTATTACTGTGCGCGAACTGGTGAATATAGTGGCTACGATACGGACCCCCAGTACTCCTGGGGGCAAGGGACCACGGTCACCGTCTCCTCA(SEQ ID NO:81)
【0276】
抗体CAT192軽鎖可変領域のアミノ酸配列:(107aa)
EIVLTQSPSSLSASVGDRVTITCRSSQGIGDDLGWYQQKPGKAPILLIYGTSTLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTINSLQPEDFATYYCLQDSNYPLTFGGGTRLEIK(SEQ ID NO:82)
【0277】
抗体CAT192軽鎖可変領域の核酸配列:(321bp)
GAAATTGTGCTGACTCAGTCTCCATCCTCCCTGTCTGCATCTGTAGGAGACAGAGTCACCATCACTTGCCGGTCAAGTCAGGGCATTGGAGATGATTTGGGCTGGTATCAGCAGAAGCCAGGGAAAGCCCCTATCCTCCTGATCTATGGTACATCCACTTTACAAAGTGGGGTCCCGTCAAGGTTCAGCGGCAGTGGATCTGGCACAGATTTCACTCTCACCATCAACAGCCTGCAGCCTGAAGATTTTGCAACTTATTACTGTCTACAAGATTCCAATTACCCGCTCACTTTCGGCGGAGGGACACGACTGGAGATTAAA(SEQ ID NO:83)
【0278】
抗TGFβ1の抗体CAT192を得る。
【0279】
<実施例1:2価二重抗体CT101と1価二重抗体CT110、CT111、CT112のTGF-β1が誘導するHEK293細胞のTGF-β/Smadシグナル活性化への抑制効果の比較>
HEK293細胞を1×10/mlの濃度で24ウェルプレートに500μL/ウェルずつ接種し、37℃、5%COインキュベーターで24h培養した後、TGF-β/Smadプロモーター活性ルシフェラーゼレポータープラスミドpSMAD-Lucおよびレニラルシフェラーゼの内部参照プラスミドpRL-TKをトランスフェクションする。トランスフェクション24時間後、濃度が異なるCT101、CT110、CT111およびCT112抗体を加えて12時間培養し続ける。12時間後、培地を捨て、1ウェル当たりの細胞に対して100μLの1xPassive Lysis Buffer(Promega社から購入)を使用して分解する。70μL分解液を取ってELISAプレートに入れ、基質1溶液を30μL加え、直ちにELISAプレートをマイクロプレートリーダに入れ、Luminescenceを選択してELISAプレートの各ウェルの数値をAnとして読み取る。さらに基質2溶液を30μL加え、直ちにELISAプレートをマイクロプレートリーダに入れ、Luminescenceを選択してELISAプレートの各ウェルの数値をBnとして読み取る。SoftMax Proソフトウェアを用いてデータを解析処理する。An/Bnの比はTGF-β/Smadシグナル経路の活性化倍数である。
【0280】
結果を図3に示す。その結果からわかるように、抗体CT101、CT110、CT111およびCT112のいずれもTGF-β1が誘導するTGF-β/Smadシグナル経路の活性化を効果的に抑制することができ、用量依存関係を呈している。また、同じ用量下で、TGF-β1が誘導するTGF-β/Smadシグナル経路の活性化を抑制するCT101の薬理的活性はCT110、CT111およびCT112よりやや優れており、そのIC50はそれぞれ250、750、800および1000pMである。
【0281】
<実施例2:2価二重抗体CT101と1価二重抗体CT110、CT111、CT112のTGF-β1が誘導するHEK293-CD4細胞のTGF-β/Smadシグナル活性化への抑制効果の比較>
HEK293-CD4細胞を1×10/mlの濃度で24ウェルプレートに500μL/ウェルずつ接種し、37℃、5%COインキュベーターで24h培養した後、TGF-β/Smadプロモーター活性ルシフェラーゼレポータープラスミドpSMAD-Lucおよびレニラルシフェラーゼの内部参照プラスミドpRL-TKをトランスフェクションする。トランスフェクション24時間後、濃度が異なるCT101、CT110、CT111およびCT112抗体を加えて12時間培養し続ける。12時間後、培地を捨て、1ウェル当たりの細胞に対して100μLの1xPassive Lysis Buffer(Promega社から購入)を使用して分解する。70μL分解液を取ってELISAプレートに入れ、基質1溶液を30μL加え、直ちにELISAプレートをマイクロプレートリーダに入れ、Luminescenceを選択してELISAプレートの各ウェルの数値をAnとして読み取る。さらに基質2溶液を30μL加え、直ちにELISAプレートをマイクロプレートリーダに入れ、Luminescenceを選択してELISAプレートの各ウェルの数値をBnとして読み取る。SoftMax
Proソフトウェアを用いてデータを解析処理する。An/Bnの比はTGF-β/Smadシグナル経路の活性化倍数である。
【0282】
結果を図4に示す。その結果からわかるように、抗体CT101のみがTGF-β1が誘導するTGF-β/Smadシグナル経路の活性化を効果的に抑制することができ、用量依存関係を呈している。一方、一価二重抗CT110、CT111及びCT112は、0.1~1000pMの濃度範囲に用量依存的にTGF-β1の活性を部分的に抑制することができ、1000pM濃度以上になると、TGF-β1活性への抑制が用量依存的に増強する。TGF-β1が誘導するHEK93-CD4細胞のTGF-β/Smadシグナル経路の活性化を効果的に抑制するCT101のIC50値は15pMである。
【0283】
<実施例3:二重抗体CT101、CT102、CT103、CT104、CT105、CT106、CT107、CT108およびCT109のTGF-β1が誘導するHEK293-CD4細胞のTGF-β/Smadシグナル活性化への抑制効果の比較>
HEK293-CD4細胞を1×10/mlの濃度で24ウェルプレートに500μL/ウェルずつ接種し、37℃、5%COインキュベーターで24h培養した後、TGF-β/Smadプロモーター活性ルシフェラーゼレポータープラスミドpSMAD-Lucおよびレニラルシフェラーゼの内部参照プラスミドpRL-TKをトランスフェクションする。トランスフェクション24時間後、濃度が異なるCT101、CT102、CT103、CT104、CT105、CT106、CT107、CT108およびCT109抗体を加えて12時間培養し続けた。12時間後、培地を捨て、1ウェル当たりの細胞に対して100μLの1xPassive Lysis Buffer(Promega社から購入)を使用して分解する。70μL分解液を取ってELISAプレートに入れ、基質1溶液を30μL加え、直ちにELISAプレートをマイクロプレートリーダに入れ、Luminescenceを選択してELISAプレートの各ウェルの数値をAnとして読み取る。さらに基質2溶液を30μL加え、直ちにELISAプレートをマイクロプレートリーダに入れ、Luminescenceを選択してELISAプレートの各ウェルの数値をBnとして読み取る。SoftMax
Proソフトウェアを用いてデータを解析処理する。An/Bnの比はTGF-β/Smadシグナル経路の活性化倍数である。
【0284】
結果を図5に示す。その結果からわかるように、抗体CT101、CT102、CT103、CT104、CT105、CT106、CT107、CT108およびCT109のいずれもTGF-β1が誘導するTGF-β/Smadシグナル経路の活性化を効果的に抑制することができ、用量依存関係を呈している。また、同じ用量下で、TGF-β1が誘導するTGF-β/Smadシグナル経路の活性化を抑制するCT102の薬理的活性は他の抗体よりもはるかに優れており、そのIC50は2pMである。TGF-β1が誘導するTGF-β/Smadシグナル経路の活性化を効果的に抑制する他の二重抗体CT101、CT103、CT104、CT105、CT106、CT107、CT108およびCT109のIC50はそれぞれ15pM、2500pM、2400pM、2500pM、300pM、2600pM、2700pMおよび50pMである。
【0285】
<実施例4:抗体CT101、CT102、CT111およびCT112の動力学パラメータ測定>
1.二重機能性抗体CT101、CT102、CT111およびCT112がCD4と結合する場合の動力学パラメータ測定
Biacore分子間相互作用解析装置を用いて抗体CT101、CT102、CT111及びCT112とヒトCD4の親和力定数を測定する。HBS-EPを緩衝液とし、Bicaore標準アミンカップリング法でヒトCD4をCM5チップの表面に固定化する。抗体CT101、CT102、CT111及びCT112がヒトCD4と結合し、抗体CT101、CT102、CT111及びCT112の濃度は250nM、流速は30μl/min、結合時間は120s、解離時間は880sである。チップは10mMグリシンであり、pH2.7で再生し、流速は30μl/min、時間は120sである。1:1モデルでデータのフィッティング解析を行い、親和力定数を得る。データの収集はBiacore Control 2.0ソフトウェアを用い、データの解析はBiacore T200 Evaluation 2.0ソフトウェアを用いる。抗体CT101、CT102、CT111およびCT112がヒトCD4と結合する場合の動力学パラメータを表1に示し、抗体CT101、CT102、CT111およびCT112がヒトCD4と結合する場合の動特性パラメータの測定結果をそれぞれ図6に示す。
【0286】
【表1】
【0287】
結果からわかるように、2価抗体CT101、CT102は抗原CD4と比較的高い親和力を有し、その親和力は、1価抗体CT111、抗体CT112よりやや優れる。
【0288】
2.抗体CT101、CT102、CT111およびCT112がTGF-β1と結合する場合の動力学パラメータ測定
Biacore分子間相互作用解析装置を用いて抗体CT101、CT102、CT111及びCT112とTGF-β1の親和力定数を測定する。HBS-EPを緩衝液とし、Bicaore標準アミンカップリング法でヒトTGF-β1をCM5チップの表面に固定化する。抗体CT101、CT102、CT111及びCT112がヒトTGF-β1と結合し、抗体CT101、CT102、CT111及びCT112の濃度は250nM、流速は30μl/min、結合時間は120s、解離時間は880sである。チップは10mMグリシンであり、pH2.7で再生し、流速は30μl/min、時間は120s。1:1モデルでデータのフィッティング解析を行い、親和力定数を得る。データの収集はBiacore Control 2.0ソフトウェアを用い、データの解析はBiacore T200 Evaluation 2.0ソフトウェアを用いる。抗体CT101、CT102、CT111およびCT112がヒトTGF-β1と結合する場合の動力学パラメータを表2に示し、抗体CT101、CT102、CT111およびCT112がヒトTGF-β1と結合する場合の動特性パラメータの測定結果をそれぞれ図7に示す。
【0289】
【表2】
【0290】
結果からわかるように、2価抗体CT101、CT102のいずれも抗原TGF-β1と比較的高い親和力を有し、その親和力は、1価抗体CT111、CT112よりやや優れている。
【0291】
<実施例5:CT101、CT102、TGF-β1抗体および対照抗体のヒト化CD4マウスヘルパーT細胞への結合>
ヒト化CD4マウスは、CD4ヘルパーT細胞上でヒトCD4分子を特異的に発現し、フローサイトメトリー分析法を用いて体内でのCD4ヘルパーT細胞に対する抗体の特異的結合能力を検証する。
【0292】
200μgのCT101、CT102、TGF-β1抗体及び対照抗体をヒト化CD4マウスに尾静脈注射した。4時間後、マウスを安楽殺処分し、マウスのリンパ節を取り出し、ホモジナイザで粉砕した後、組織の破片を濾過し、細胞を収集して氷の上に置いて抗体混合液と30分インキュベートする。抗体混合液は、FITC標識ラット抗マウスCD45 IgG(1:400)、APC標識ラット抗マウスTCRβ IgG(1:200)、APC-Cy7標識ラット抗マウスCD4 IgG(1:200)、PE-Cy7標識ラット抗マウスCD8 IgG(1:200)、PE標識ヒツジ抗ヒトFc IgG(1:400)であり、1xFACS buffer(1%BSA、2mM EDTA、0.1%アジドナトリウム)で希釈する。PBSで洗浄し、PBS再懸濁細胞を200μL加え、フローサイトメータ上で蛍光信号(MFI,mean fluorescent intensity)を検出する。
【0293】
その結果を図10に示す、抗体CT101、CT102のいずれもCD4分子と結合することによりヘルパーT細胞に効果的に付着することができるため、ヘルパーT細胞上のTGF-βシグナル経路の活性化を特異的に抑制することができる。一方、TGF-β1抗体および対照抗体はCD4分子と結合できないため、ヘルパーT細胞に付着することはできない。
【0294】
<実施例6:高用量静脈注射の場合のヒト化CD4マウスにおけるCT101、CT102の薬物代謝>
ヒト化CD4マウスの体内におけるCT101およびCT102の高用量尾静脈注射下の薬物代謝を測定するために、尾静脈を介して200μgのCT101またはCT102抗体を8~10週齢のヒト化CD4マウスに注射し、血液を採取して抗体の血清濃度を測定し、かつ24時間間隔で血液を採取して抗体の血清濃度を測定する。
【0295】
ELISA法で血清中の抗体CT101、CT102の濃度を測定する方法は、具体的には以下のとおりである。
【0296】
CD4-HisでELISAプレートをコーティングし、37℃で3時間インキュベートする。プレートを洗浄した後、1%BSAで1時間密封する。プレートを洗浄した後、希釈した血清を加え、37℃で60分間インキュベートする。プレートを洗浄した後、酵素標識のロバ抗ヒトIgG二次抗体希釈剤を加え、37℃で30分間インキュベートする。プレートを洗浄した後、TMB発色液を加え、光を避けて5min発色し、停止液を加えて発色反応を停止させる。直ちにELISAプレートをマイクロプレートリーダに入れ、450nm光波長を選択してELISAプレートの各ウェルのOD数値を読み取る。SoftMax Proソフトウェアを用いてデータを解析処理する。
【0297】
抗体CT101とCT102を高用量で静脈注射した場合の薬物代謝結果を図11に示す。抗体注射後時間を横軸とし、血清濃度を縦軸として曲線フィッティングを行い、抗体CT101およびCT102の半減期t1/2はいずれも60時間であると算出した。
【0298】
<実施例7:低用量静脈注射の場合のヒト化CD4マウスの体内におけるCT101、CT102の薬物代謝>
ヒト化CD4マウスの体内におけるCT101およびCT102の低用量尾静脈注射下の薬物代謝を測定するために、尾静脈を介して20μgのCT101またはCT102抗体を8~10週齢ヒト化CD4マウスに注射し、血液を採取して抗体の血清濃度を測定し、24時間間隔で血液を採取して抗体の血清濃度を測定する。
【0299】
ELISA法で血清中の抗体CT101、CT102の濃度を測定する方法は、具体的には以下のとおりである。
【0300】
CD4-HisでELISAプレートをコーティングし、37℃で3時間インキュベートする。プレートを洗浄した後、1%BSAで1時間密封する。プレートを洗浄した後、希釈した血清を加え、37℃で60分間インキュベートする。プレートを洗浄した後、酵素標識のロバ抗ヒトIgG二次抗体希釈剤を加え、37℃で30分間インキュベートする。プレートを洗浄した後、TMB発色液を加え、光を避けて5min発色し、停止液を加えて発色反応を停止させる。直ちにELISAプレートをマイクロプレートリーダに入れ、450nm光波長を選択してELISAプレートの各ウェルのOD数値を読み取る。SoftMax Proソフトウェアを用いてデータを解析処理する。
【0301】
抗体CT101とCT102を低用量で静脈注射した場合の薬物代謝結果を図12に示す。抗体注射後時間を横軸とし、血清濃度を縦軸として曲線フィッティングを行い、抗体CT101およびCT102の半減期t1/2はそれぞれ30、32時間であると算出した。
【0302】
<実施例8:高用量抗体治療による体内腫瘍成長の抑制試験>
高用量CT101、CT102、TGF-β1抗体及び対照抗体の体内腫瘍抑制活性を測定するため、まずMC38結腸癌細胞を用いて、8~10週齢の雌性ヒト化CD4マウス皮下に接種する。その後5日に1回投与し、毎回尾静脈に200μg注射し、合計4回投与する。投与後に各群の腫瘍の長さと幅を測定し、腫瘍体積を算出する。
【0303】
その結果を図13に示す。試験結果からわかるように、高用量の場合、対照抗体とTGF-β1抗体と比較して、CT101、CT102はいずれもマウス腫瘍の成長に対して抑制効果があり、両者の腫瘍抑制効果は同等である。
【0304】
<実施例9:低用量抗体治療による体内腫瘍成長の抑制試験>
低用量CT101、CT102、TGF-β1抗体及び対照抗体の体内腫瘍抑制活性を測定するため、まずMC38結腸癌細胞を用いて、8~10週齢の雌性ヒト化CD4マウス皮下に接種する。その後5日に1回投与し、毎回尾静脈に20μg注射し、合計4回投与する。投与後に各群の腫瘍の長さと幅を測定し、腫瘍体積を算出する。
【0305】
その結果を図14に示す。試験結果からわかるように、低用量の場合、対照抗体とTGF-β1抗体と比較して、CT101、CT102はいずれもマウス腫瘍の成長に対して抑制効果があるが、CT102の腫瘍抑制効果は、CT101より優れている。
【0306】
<実施例9:異なる二重機能性抗体による体内腫瘍成長抑制試験>
異なる二重機能性抗体および対照抗体の体内腫瘍抑制活性を測定するため、まずEMT-6乳癌細胞を用いて、6-8週齢の雌性BALB/cマウス皮下に接種する。その後、5日に1回投与し、毎回尾静脈に50μg注射し、合計5回投与する。投与後に各群の腫瘍の長さと幅を測定し、腫瘍体積を算出する。
【0307】
結果を図15に示す。試験結果からわかるように、対照抗体IgGおよび抗TGFβ(クローン1D11)抗体と比較して、抗CD4/抗TGFβはマウス腫瘍に対して最も強い抑制効果があり、その次は抗CD64/抗TGFβであり、抗CD8/抗TGFβはTGFβ抗体と比較して、明らかな効果はない。
【0308】
<実施例2:二重機能性抗体CT101の重鎖及び軽鎖の配列設計、調製及び測定>
1.配列設計
本発明の二重機能性抗体CT101の構造パターンは、Morrisonパターン(IgG-scFv)に属し、すなわち、1つのIgG抗体の2つの重鎖のC端に別の抗体のscFvフラグメントを連結し、その重鎖と軽鎖の主要な組成設計及び配列情報を図16図17に示す。
【0309】
2.抗体CT101の発現と精製
CT101の重鎖cDNA配列と軽鎖のcDNA配列をそれぞれpCMVベクターにクローニングし、組換えプラスミドを抽出してトランスフェクションHEK293F細胞にトランスフェクションした。細胞を5日培養した後、培養液を高速遠心分離、上清濃縮をしてProteinA/Gカラムに試料を添加し、Elution
Bufferを用いてタンパク質を一歩で溶出し、標的試料抗体CT101を回収し、PBS溶液に交換する。
【0310】
2.抗体CT101の測定
精製後の抗体CT101をそれぞれ還元型タンパク質電気泳動ローディングバッファーと非還元型タンパク質電気泳動ローディングバッファーに加え、煮沸後にSDS-PAGE電気泳動試験を行う。CT101の電気泳動図は図18に示すように、還元型タンパク質試料の標的タンパク質は75kDと25kDにあり、非還元型タンパク質試料(単一抗体)の標的タンパク質は200kDにある。
【0311】
3.抗体CT101の高速液体クロマトグラフィー分析
精製後の抗体CT101をAKTA精製装置上のSuperdex S200 10/300GLカラム(通用会社)に流し、PBS溶液を用いてシステムを0.5 mL/分で流す。抗体CT101の高速液体クロマトグラフィーは図19に示すように、CT101は主に単量体の形で存在し(90%)、また、10%は多量体の形で存在する。
【0312】
以下の試験で用いたヒト化抗体CT101は、特に説明していない限り、本実施例の方法を参照して調製する。
【0313】
<実施例10:抗体CT101の動力学パラメータ測定>
1.二重機能性抗体CT101がCD4と結合する場合の動力学パラメータ測定
Biacore分子間相互作用解析装置を用いて抗体CT101とヒトCD4の親和力定数を測定する。HBS-EPを緩衝液とし、Bicaore標準アミンカップリング法でヒトCD4をCM5チップの表面に固定化する。抗体CT101がヒトCD4と結合し、抗体CT101の濃度は8-250nM(2倍希釈)、流速は30μl/min、結合時間は120s、解離時間は880sである。チップは10mMグリシンであり、pH2.7で再生し、流速は30μl/min、時間は120sである。1:1モデルでデータのフィッティング解析を行い、親和力定数を得る。データの収集はBiacore Control 2.0ソフトウェアを用い、データの解析はBiacore T200 Evaluation 2.0ソフトウェアを用いる。抗体CT101、IbalizumabがヒトCD4と結合する場合の動力学パラメータを表3に示し、抗体CT101がヒトCD4と結合する場合の動特性パラメータの測定結果をそれぞれ図20に示す。
【0314】
【表3】
【0315】
結果からわかるように、抗体CT101は抗原と比較的高い親和力を有し、その親和力は、対照抗体Ibalizumabよりやや優れる。
【0316】
2.二重機能性抗体CT101がTGFβ1と結合する場合の動力学パラメータ測定
Biacore分子間相互作用解析装置を用いて抗体CT101とTGFβ1の親和力定数を測定する。HBS-EPを緩衝液とし、Bicaore標準アミンカップリング法でヒトTGF-β1をCM5チップの表面に固定化する。抗体CT101がヒトTGF-β1と結合し、抗体CT101の濃度は8-250nM(2倍希釈)、流速は30μl/min、結合時間は120s、解離時間は880sである。チップは10mMグリシンであり、pH2.7で再生し、流速は30μl/min、時間は120sである。1:1モデルでデータのフィッティング解析を行い、親和力定数を得る。データの収集はBiacore Control 2.0ソフトウェアを用い、データの解析はBiacore T200 Evaluation 2.0ソフトウェアを用いる。抗体CT101、CAT192がヒトTGFβ1と結合する場合の動力学パラメータを表4に示し、抗体CT101がヒトTGFβ1と結合する場合の動特性パラメータの測定結果をそれぞれ図21に示す。
【0317】
【表4】
【0318】
結果からわかるように、抗体CT101、CAT192のいずれも抗原TGFβ1と比較的高い親和力を有する。
【0319】
<実施例11:ELISA法による抗体CT101と抗原との結合活性の測定>
1.間接ELISA法による抗体CT101、CAT192と抗原TGFβ1-Ηisとの結合活性の測定
その測定方法は具体的には以下の通りである。
【0320】
TGFβ1-HisでELISAプレートをコーティングし、37℃で3時間インキュベートする。プレートを洗浄した後、1%BSAで1時間密封する。プレートを洗浄した後、連続希釈した抗体を加え、37℃で60分間インキュベートする。プレートを洗浄した後、酵素標識のロバ抗ヒトIgG二次抗体希釈剤を加え、37℃で30分間インキュベートする。プレートを洗浄した後、TMB発色液を加え、光を避けて5min発色し、停止液を加えて発色反応を停止させる。直ちにELISAプレートをマイクロプレートリーダに入れ、450nm光波長を選択してELISAプレートの各ウェルのOD数値を読み取る。SoftMax
Proソフトウェアを用いてデータを解析処理する。
【0321】
抗体CT101と抗原TGFβ1-Ηisとの結合の測定結果を図22に示す。抗体濃度を横座標、吸光度値を縦座標として曲線フィッティングを行い、抗体の結合EC50を算出する。その結果を表5に示す。
【0322】
【表5】
【0323】
結果からわかるように、抗体CT101とCAT192のいずれもTGFβ1タンパク質と効果的に結合でき、かつ結合効率は用量依存関係を呈している。
【0324】
2.間接ELISA法による抗体CT101、ibalizumabとCD4との結合活性の測定
その方法は具体的には以下の通りである:
CD4-HisでELISAプレートをコーティングし、37℃で3時間インキュベートする。プレートを洗浄した後、1%BSAで1時間密封する。プレートを洗浄した後、連続希釈した抗体を加え、37℃で60分間インキュベートする。プレートを洗浄した後、酵素標識のロバ抗ヒトIgG二次抗体希釈剤を加え、37℃で30分間インキュベートする。プレートを洗浄した後、TMB発色液を加え、光を避けて5min発色し、停止液を加えて発色反応を停止させる。直ちにELISAプレートをマイクロプレートリーダに入れ、450nm光波長を選択してELISAプレートの各ウェルのOD数値を読み取る。SoftMax Proソフトウェアを用いてデータを解析処理する。
【0325】
抗体CT101と抗原CD4との結合の測定結果を図23に示す。抗体濃度を横座標、吸光度値を縦座標として曲線フィッティングを行い、抗体の結合EC50を算出する。その結果を表6に示す。
【0326】
【表6】
【0327】
結果からわかるように、抗体CT101とibalizumabのいずれもCD4タンパク質と効果的に結合でき、結合数量は用量依存関係を呈している。
【0328】
3.競合ELISA法による抗体CT101、CA192はTGFBRIIと競合して抗原TGFβ1と結合する活性の測定
その方法は具体的には以下の通りである。
【0329】
TGFβ1-HisでELISAプレートをコーティングし、37℃で3時間インキュベートする。プレートを洗浄した後、1%BSAで1時間密封する。プレートを洗浄した後、連続希釈した抗体とヒトTGFβRII-ECD-Fc-biotin(最終濃度0.1μg/ml)を加え、室温で2時間インキュベートする。プレートを洗浄した後、HRP標識ストレプトアビジンSA-HRP(1:2000)希釈剤を加え、37℃で30分間インキュベートする。プレートを洗浄した後、TMB発色液を加え、光を避けて5min発色し、停止液を加えて発色反応を停止させる。直ちにELISAプレートをマイクロプレートリーダに入れ、450nm光波長を選択してELISAプレートの各ウェルのOD数値を読み取る。SoftMax
Proソフトウェアを用いてデータを解析処理する。
【0330】
測定結果を図24に示す。結合した抗体CT101に対して吸光強度の定量分析を行い、抗体の結合効率を曲線でシミュレーションして結合EC50を得る(表7)。
【0331】
【表7】
【0332】
結果からわかるように、抗体CT101とCAT192のいずれもTGFβ1と効果的に結合でき、TGFβRIIとTGFβ1との結合を抑制し、TGFβRIIとTGFβ1との結合を抑制する抗体の効率は用量依存関係を呈している。
【0333】
<実施例12:抗体CT101の細胞膜表面抗原CD4に対する結合>
まずヒトCD4抗原を発現するHEK293を構築し、その後、フローサイトメトリー分析を用いて細胞膜表面抗原CD4に対する抗体の特異的結合能力を検証する。
【0334】
1.ヒトCD4抗原を発現するHEK293細胞の構築
スローウイルスベクターpHAGE-CD4-IRES-EGFPおよびヘルパープラスミドpSPAX2、pMD2.GをHEK293細胞にトランスフェクションし、48時間後、上清を収集し、0.45μmのろ過膜を使用してろ過した後、新たなHEK293細胞に感染させる。感染48時間後、フローサイトメータでEGFPを検出し、CD4を安定的に発現するクローン集団HEK293-CD4細胞を選別する。
【0335】
2.抗体CT101の細胞膜表面抗原に対する結合の測定
上記の手順で得られたCD4抗原を発現するHEK293-CD4細胞を通常の膵酵素消化法を用いて消化し、各収集管内の細胞数を2×10にし、PBS(1%BSA含有)を用いて抗体濃度の連続希釈液を調製し、氷上でHEK293-CD4細胞と30分間インキュベートし、各管にFITC標識ヒツジ抗ヒトIgG(1:200)を100μL加え、氷上で30分インキュベートし、PBSで洗浄し、PBS再懸濁細胞を200μL加え、フローサイトメータでFITCチャネルを用いて蛍光信号(MFI,mean fluorescent intensity)を検出する。
【0336】
結果を図25に示す。結合したCT101抗体とIbalizumabに対して蛍光定量分析と曲線フィッティングを行い、CT101抗体とibalizumabの結合EC50を算出して表8に示す。
【0337】
【表8】
【0338】
その結果からわかるように、CT101抗体はHEK293-CD4細胞表面のCD4抗原を効果的に結合することができ、その結合効率は用量依存関係を呈し、IbalizumabのHEK293-CD4細胞表面のCD4抗原に対する結合活性はCT101と類似し、二重機能抗体CT101の抗CD4機能は抗体改質による影響を受けていないことが示された。
【0339】
<実施例13:CT101抗体のTGFβ1が誘導するHEK293細胞のTGFβ/Smadシグナル経路の活性化への抑制>
HEK293細胞を1×10/mlの濃度で24ウェルプレートに500μL/ウェルずつ接種し、37℃、5%COインキュベーターで24h培養した後、TGFβ/Smadプロモーター活性ルシフェラーゼレポータープラスミドpSMAD-Lucおよびレニラルシフェラーゼの内部参照プラスミドpRL-TKをトランスフェクションする。トランスフェクション24時間後、濃度が異なるCT101抗体とCAT192抗体を加えて12時間培養し続ける。12時間後、培地を捨て、1ウェル当たりの細胞に対して100μL 1xPassive Lysis Buffer(Promega社から購入)を使用して分解する。70μL分解液を取ってELISAプレートに入れ、基質1溶液を30μL加え、直ちにELISAプレートをマイクロプレートリーダに入れ、Luminescenceを選択してELISAプレートの各ウェルの数値をAnとして読み取る。さらに基質2溶液を30μL加え、直ちにELISAプレートをマイクロプレートリーダに入れ、Luminescenceを選択してELISAプレートの各ウェルの数値をBnとして読み取る。SoftMax
Proソフトウェアを用いてデータを解析処理する。An/Bnの比はTGFβ/Smadシグナル経路の活性化倍数である。
【0340】
結果を図26に示す。その結果からわかるように、抗体CT101、CAT192のいずれもTGFβ1が誘導するTGFβ/Smadシグナル経路の活性化を効果的に抑制することができ、かつ用量依存関係を呈している。同じ用量下で、TGFβ1が誘導するTGFβ/Smadシグナル経路の活性化を効果的に抑制するCT101の薬理的活性はCAT192と類似しており、そのIC50は、いずれも約250pMである。
【0341】
<実施例14:CT101抗体のTGFβ1が誘導するHEK293-CD4細胞のTGFβ/Smadシグナル経路の活性化への抑制>
HEK293-CD4細胞を1×10/mlの濃度で24ウェルプレートに500μL/ウェルずつ接種し、37℃、5%COインキュベーターで24h培養した後、TGFβ/Smadプロモーター活性ルシフェラーゼレポータープラスミドpSMAD-Lucおよびレニラルシフェラーゼの内部参照プラスミドpRL-TKをトランスフェクションする。トランスフェクション24時間後、濃度が異なるCT101抗体とCAT192抗体を加えて12時間培養し続ける。12時間後、培地を捨て、1ウェル当たりの細胞に対して100μLの1xPassive Lysis Buffer(Promega社から購入)を使用して分解する。70μLの分解液を取ってELISAプレートに入れ、基質1溶液を30μL加え、直ちにELISAプレートをマイクロプレートリーダに入れ、Luminescenceを選択してELISAプレートの各ウェルの数値をAnとして読み取る。さらに基質2溶液を30μL加え、直ちにELISAプレートをマイクロプレートリーダに入れ、Luminescenceを選択してELISAプレートの各ウェルの数値をBnとして読み取る。SoftMax
Proソフトウェアを用いてデータを解析処理する。An/Bnの比はTGFβ/Smadシグナル経路の活性化倍数である。
【0342】
結果を図27に示す。その結果からわかるように、抗体CT101、CAT192のいずれもTGFβ1が誘導するTGFβ/Smadシグナル経路の活性化を効果的に抑制することができ、かつ用量依存関係を呈している。同じ用量下で、TGFβ1が誘導するEK293-CD4細胞のTGFβ/Smadシグナル経路の活性化を効果的に抑制するCT101の薬理的活性はCAT192よりはるかに優れており、そのIC50は、それぞれ15pMと250pMである。
【0343】
<実施例15:CT101による体内腫瘍成長の抑制試験>
抗体CT101の体内腫瘍抑制活性を測定するため、まずMC38結腸癌細胞を用いて、6~8週齢の雌性ヒト化CD4トランスジェニックマウス皮下に接種する。その後5日に1回投与し、毎回尾静脈に50μg注射し、合計4回投与する。投与後に各群の腫瘍の長さと幅を測定し、腫瘍体積を算出する。
【0344】
結果を図28に示す。結果からわかるように、同種対照抗体IgG、CAT192、atezolizumab(抗PDL1抗体)、またはatezolizumab結合CAT192と比較して、CT101はマウス腫瘍に対してより強い抑制効果があることが示された。
【0345】
本発明に係る配列は以下の通りである
第1タンパク質機能領域VHドメイン(SEQ ID NO:1)
QVQLQQSGPEVVKPGASVKMSCKASGYTFTSYVIHWVRQKPGQGLDWIGYINPYNDGTDYDEKFKGKATLTSDTSTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCAREKDNYATGAWFAYWGQGTLVTVSS
【0346】
第1タンパク質機能領域VLドメイン(SEQ ID NO:2)
DIVMTQSPDSLAVSLGERVTMNCKSSQSLLYSTNQKNYLAWYQQKPGQSPKLLIYWASTRESGVPDRFSGSGSGTDFTLTISSVQAEDVAVYYCQQYYSYRTFGGGTKLEIK
【0347】
第2タンパク質機能領域VHドメイン1型(SEQ ID NO:3)
EVQLVESGGGVVQPGRSLRLSCAASGFTFSSYGMHWVRQAPGKELEWVAVISYDGSIKYYADSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCARTGEYSGYDTDPQYSWGQGTTVTVSS
【0348】
第2タンパク質機能領域VHドメイン2型(SEQ ID NO:4)
EVQLVESGGGVVQPGRSLRLSCAASGFTFSSYGMHWVRQAPGKELEWVAVISYDGSIKYYADSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCARTGEYSGYDTSGVELWGQGTTVTVSS
【0349】
第2タンパク質機能領域VHドメイン3型(SEQ ID NO:5)
EVQLVESGGGVVQPGRSLRLSCAASGFTFSSYGMHWVRQAPGKELEWVAVISYDGSIKYYADSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCARTGFYSGYDTPASPDWGQGTTVTVSS
【0350】
第2タンパク質機能領域VLドメイン(SEQ ID NO:6)
EIVLTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQGIGDDLGWYQQKPGKAPILLIYGTSTLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTINSLQPEDFATYYCLQDSNYPLTFGGGTRLEIK
【0351】
連結フラグメント(SEQ ID NO:7)
GGGGSGGGGSGGGGS
【0352】
連結フラグメント構成要素(SEQ ID NO:8)
GGGGS
【0353】
ヒトIgG4 κ軽鎖CLドメイン(SEQ ID NO:9)
GTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
【0354】
ヒトIgG4 CH1ドメイン(SEQ ID NO:10)
ASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVDKRVES
【0355】
ヒトIgG4 ヒンジ領域(S228P)(SEQ ID NO:11)
KYGPPCPPCPAPEFLGGP
【0356】
ヒトIgG4 Fc領域(SEQ ID NO:12)
SVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK
【0357】
二重機能性抗体CT101の第1タンパク質鎖(SEQ ID NO:13)
DIVMTQSPDSLAVSLGERVTMNCKSSQSLLYSTNQKNYLAWYQQKPGQSPKLLIYWASTRESGVPDRFSGSGSGTDFTLTISSVQAEDVAVYYCQQYYSYRTFGGGTKLEIKGTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
【0358】
二重機能性抗体CT101の第2タンパク質鎖(SEQ ID NO:14)
QVQLQQSGPEVVKPGASVKMSCKASGYTFTSYVIHWVRQKPGQGLDWIGYINPYNDGTDYDEKFKGKATLTSDTSTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCAREKDNYATGAWFAYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVD
KRVESKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGKGGGGSGGGGSGGGGSEVQLVESGGGVVQPGRSLRLSCAASGFTFSSYGMHWVRQAPGKELEWVAVISYDGSIKYYADSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCARTGEYSGYDTDPQYSWGQGTTVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSEIVLTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQGIGDDLGWYQQKPGKAPILLIYGTSTLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTINSLQPEDFATYYCLQDSNYPLTFGGGTRLEIK
【0359】
二重機能性抗体CT102の第1タンパク質鎖(SEQ ID NO:15)
DIVMTQSPDSLAVSLGERVTMNCKSSQSLLYSTNQKNYLAWYQQKPGQSPKLLIYWASTRESGVPDRFSGSGSGTDFTLTISSVQAEDVAVYYCQQYYSYRTFGGGTKLEIKGTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGECGGGGSGGGGSGGGGSEVQLVESGGGVVQPGRSLRLSCAASGFTFSSYGMHWVRQAPGKELEWVAVISYDGSIKYYADSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCARTGEYSGYDTDPQYSWGQGTTVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSEIVLTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQGIGDDLGWYQQKPGKAPILLIYGTSTLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTINSLQPEDFATYYCLQDSNYPLTFGGGTRLEIK
【0360】
二重機能性抗体CT102の第2タンパク質鎖(SEQ ID NO:16)
QVQLQQSGPEVVKPGASVKMSCKASGYTFTSYVIHWVRQKPGQGLDWIGYINPYNDGTDYDEKFKGKATLTSDTSTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCAREKDNYATGAWFAYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVD
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【0361】
二重機能性抗体CT103の第1タンパク質鎖(SEQ ID NO:17)
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【0362】
二重機能性抗体CT103の第2タンパク質鎖(SEQ ID NO:18)
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【0363】
二重機能性抗体CT104の第1タンパク質鎖(SEQ ID NO:19)
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【0364】
二重機能性抗体CT104の第2タンパク質鎖(SEQ ID NO:20)
QVQLQQSGPEVVKPGASVKMSCKASGYTFTSYVIHWVRQKPGQGLDWIGYINPYNDGTDYDEKFKGKATLTSDTSTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCAREKDNYATGAWFAYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVD
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【0365】
二重機能性抗体CT105の第1タンパク質鎖(SEQ ID NO:21)
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【0366】
二重機能性抗体CT105の第2タンパク質鎖(SEQ ID NO:22)
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【0367】
二重機能性抗体CT106の第1タンパク質鎖(SEQ ID NO:23)
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【0368】
二重機能性抗体CT106の第2タンパク質鎖(SEQ ID NO:24)
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【0369】
二重機能性抗体CT106の第3タンパク質鎖(SEQ ID NO:25)
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【0370】
二重機能性抗体CT106の第4タンパク質鎖(SEQ ID NO:26)
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【0371】
二重機能性抗体CT107の第1タンパク質鎖(SEQ ID NO:27)
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【0372】
二重機能性抗体CT107の第2タンパク質鎖(SEQ ID NO:28)
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【0373】
二重機能性抗体CT107の第3タンパク質鎖(SEQ ID NO:29)
QVQLQQSGPEVVKPGASVKMSCKASGYTFTSYVIHWVRQKPGQGLDWIGYINPYNDGTDYDEKFKGKATLTSDTSTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCAREKDNYATGAWFAYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVD
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【0374】
二重機能性抗体CT107の第4タンパク質鎖(SEQ ID NO:30)
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【0375】
二重機能性抗体CT108の第1タンパク質鎖(SEQ ID NO:31)
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【0376】
二重機能性抗体CT108の第2タンパク質鎖(SEQ ID NO:32)
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【0377】
二重機能性抗体CT108の第3タンパク質鎖(SEQ ID NO:33)
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【0378】
二重機能性抗体CT109の第1タンパク質鎖(SEQ ID NO:34)
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【0379】
二重機能性抗体CT109の第2タンパク質鎖(SEQ ID NO:35)
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【0380】
二重機能性抗体CT109の第3タンパク質鎖(SEQ ID NO:36)
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【0381】
二重機能性抗体CT110の第1タンパク質鎖(SEQ ID NO:37)
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【0382】
二重機能性抗体CT110の第2タンパク質鎖(SEQ ID NO:38)
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【0383】
二重機能性抗体CT110の第3タンパク質鎖(SEQ ID NO:39)
QVQLQQSGPEVVKPGASVKMSCKASGYTFTSYVIHWVRQKPGQGLDWIGYINPYNDGTDYDEKFKGKATLTSDTSTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCAREKDNYATGAWFAYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVDKRVESKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVCTLPPSQEEMTKNQVSLSCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFKLVSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGKGGGGSEIVLTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQGIGDDLGWYQQKPGKAPILLIYGTSTLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTINSLQPEDFATYYCLQDSNYPLTFGGGTRLEIK
【0384】
二重機能性抗体CT111の第1タンパク質鎖(SEQ ID NO:40)
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【0385】
二重機能性抗体CT111の第2タンパク質鎖(SEQ ID NO:41)
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【0386】
二重機能性抗体CT111の第3タンパク質鎖(SEQ ID NO:42)
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【0387】
二重機能性抗体CT112の第1タンパク質鎖(SEQ ID NO:43)
DIVMTQSPDSLAVSLGERVTMNCKSSQSLLYSTNQKNYLAWYQQKPGQSPKLLIYWASTRESGVPDRFSGSGSGTDFTLTISSVQAEDVAVYYCQQYYSYRTFGGGTKLEIKGTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
【0388】
二重機能性抗体CT112の第2タンパク質鎖(SEQ ID NO:44)
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KRVESKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPCQEEMTKNQVSLWCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSALTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK
【0389】
二重機能性抗体CT112の第3タンパク質鎖(SEQ ID NO:45)
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GLSSPVTKSFNRGECSKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVCTLPPSQEEMTKNQVSLSCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFKLVSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK
【0390】
二重機能性抗体CT112の第4タンパク質鎖(SEQ ID NO:46)
EIVLTQSPSSLSASVGDRVTITCRSSQGIGDDLGWYQQKPGKAPILLIYGTSTLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTINSLQPEDFATYYCLQDSNYPLTFGGGTRLEIKGSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVDKRVES
【0391】
TGF-β1抗体(ScFv-IgG4)のタンパク質鎖(SEQ ID NO:47)
EVQLVESGGGVVQPGRSLRLSCAASGFTFSSYGMHWVRQAPGKELEWVAVISYDGSIKYYADSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCARTGEYSGYDTDPQYSWGQGTTVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSEIVLTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQGIGDDLGWYQQKPGKAPILLIYGTSTLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTINSLQPEDFATYYCLQDSNYPLTFGGGTRLEIKSGSKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDK
SRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK
【0392】
対照抗体(ScFv-IgG4)のタンパク質鎖(SEQ ID NO:48)
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGYTFTNYGMNWVRQAPGKGLEWVGWINTYTGEPTYAADFKRRFTFSLDTSKSTAYLQMNSLRAEDTAVYYCAKYPHYYGSSHWYFDVWGQGTLVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSDIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCSASQDISNYLNWYQQKPGKAPKVLIYFTSSLHSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQ
PEDFATYYCQQYSTVPWTFGQGTKVEIKSGSKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK
【0393】
組換えCD4-Hisのタンパク質配列(SEQ ID NO:49)
KKVVLGKKGDTVELTCTASQKKSIQFHWKNSNQIKILGNQGSFLTKGPSKLNDRADSRRSLWDQGNFPLIIKNLKIEDSDTYICEVEDQKEEVQLLVFGLTANSDTHLLQGQSLTLTLESPPGSSPSVQCRSPRGKNIQGGKTLSVSQLELQDSGTWTCTVLQNQKKVEFKIDIVVLAFQKASSIVYKKEGEQVEFSFPLAFTVEKLTGSGELWWQAERASSSKSWITFDLKNKEVSVKRVTQDPKLQMGKKLPLHLTLPQALPQYAGSGNLTLALEAKTGKLHQEVNLVVMRATQLQKNLTCEVWGPTSPKLMLSLKLENKEAKVSKREKAVWVLNPEAGMWQCLLSDSGQVLLESNIKVLPTWHHHHHH
【0394】
組換えCD4-Hisタンパク質をコードするヌクレオチド配列(SEQ ID NO:50)
AAGAAAGTGGTGCTGGGCAAAAAAGGGGATACAGTGGAACTGACCTGTACAGCTTCCCAGAAGAAGAGCATACAATTCCACTGGAAAAACTCCAACCAGATAAAGATTCTGGGAAATCAGGGCTCCTTCTTAACTAAAGGTCCATCCAAGCTGAATGATCGCGCTGACTCAAGAAGAAGCCTTTGGGACCAAGGAAACTTTCCCCTGATCATCAAGAATCTTAAGATAGAAGACTCAGATACTTACATCTGTGAAGTGGAGGACCAGAAGGAGGAGGTGCAATTGCTAGTGTTCGGATTGACTGCCAACTCTGACACCCACCTGCTTCAGGGGCAGAGCCTGACCCTGACCTTGGAGAGCCCCCCTGGTAGTAGCCCCTCAGTGCAATGTAGGAGTCCAAGGGGTAAAAACATACAGGGGGGGAAGACCCTCTCCGTGTCTCAGCTGGAGCTCCAGGATAGTGGCACCTGGACATGCACTGTCTTGCAGAACCAGAAGAAGGTGGAGTTCAAAATAGACATCGTGGTGCTAGCTTTCCAGAAGGCCTCCAGCATAGTCTATAAGAAAGAGGGGGAACAGGTGGAGTTCTCCTTCCCACTCGCCTTTACAGTTGAAAAGCTGACGGGCAGTGGCGAGCTGTGGTGGCAGGCGGAGAGGGCTTCCTCCTCCAAGTCTTGGATCACCTTTGACCTGAAGAACAAGGAAGTGTCTGTAAAACGGGTTACCCAGGACCCTAAGCTCCAGATGGGCAAGAAGCTCCCGCTCCACCTCACCCTGCCCCAGGCCTTGCCTCAGTATGCTGGCTCTGGAAACCTCACCCTGGCCCTTGAAGCGAAAACAGGAAAGTTGCATCAGGAAGTGAACCTGGTGGTGATGAGAGCCACTCAGCTCCAGAAAAATTTGACCTGTGAGGTGTGGGGACCCACCTCCCCTAAGCTGATGCTGAGTTTGAAACTGGAGAACAAGGAGGCAAAGGTCTCGAAGCGGGAGAAGGCGGTGTGGGTGCTGAACCCTGAGGCGGGGATGTGGCAGTGTCTGCTGAGTGACTCGGGACAGGTCCTGCTGGAATCCAACATCAAGGTTCTGCCCACATGGCATCATCATCATCATCAT
【0395】
TGF-β1-Hisタンパク質配列(SEQ ID NO:51)
ALDTNYCFSSTEKNCCVRQLYIDFRKDLGWKWIHEPKGYHANFCLGPCPYIWSLDTQYSKVLALYNQHNPGASAAPCCVPQALEPLPIVYYVGRKPKVEQLSNMIVRSCKCSHHHHHH
【0396】
組換えTGF-β1-Hisタンパク質をコードするヌクレオチド配列(SEQ ID NO:52)
GCCCTGGATACCAACTATTGCTTCAGCTCCACAGAGAAGAACTGCTGTGTGCGGCAGCTGTACATTGACTTTAGGAAGGACCTGGGTTGGAAGTGGATCCACGAGCCCAAGGGCTACCATGCCAACTTCTGCCTCGGGCCCTGCCCCTACATTTGGAGCCTGGACACGCAGTACAGCAAGGTCCTGGCCCTGTACAACCAGCATAACCCGGGCGCCTCGGCGGCGCCGTGCTGCGTGCCGCAGGCGCTGGAGCCGCTGCCCATCGTGTACTACGTGGGCCGCAAGCCCAAGGTGGAGCAGCTGTCCAACATGATCGTGCGCTCCTGCAAGTGCAGCCATCATCATCATCATCAT
【0397】
第1タンパク質機能領域HCDR1:(SEQ ID NO:53)
GYTFTSYVIH
【0398】
第1タンパク質機能領域HCDR2:(SEQ ID NO:54)
YINPYNDGTDYDEKFKG
【0399】
第1タンパク質機能領域HCDR3:(SEQ ID NO:55)
EKDNYATGAWFA
【0400】
第1タンパク質機能領域LCDR1:(SEQ ID NO:56)
KSSQSLLYSTNQKNYLA
【0401】
第1タンパク質機能領域LCDR2:WASTRES(SEQ ID NO:57)
WASTRES
【0402】
第1タンパク質機能領域LCDR3:(SEQ ID NO:58)
QQYYSYRT
【0403】
第2タンパク質機能領域HCDR1:(SEQ ID NO:59)
SYGMH
【0404】
第2タンパク質機能領域HCDR2:(SEQ ID NO:60)
VISYDGSIKYYADSVKG
【0405】
第2タンパク質機能領域HCDR3(1型):(SEQ ID NO:61)
TGEYSGYDTDPQYS
【0406】
第2タンパク質機能領域HCDR3(2型):(SEQ ID NO:62)
TGEYSGYDTSGVEL
【0407】
第2タンパク質機能領域HCDR3(3型):(SEQ ID NO:63)
TGFYSGYDTPASPD
【0408】
第2タンパク質機能領域HCDR3共有配列:(SEQ ID NO:64)
TGXYSGYDTX
【0409】
第2タンパク質機能領域LCDR1:(SEQ ID NO:65)
SQGIGDDLG
【0410】
第2タンパク質機能領域LCDR2:(SEQ ID NO:66)
GTSTLQS
【0411】
第2タンパク質機能領域LCDR3:(SEQ ID NO:67)
LQDSNYPLT
【0412】
TGF-β1抗体をコードするアミノ酸配列:(475aa)
EVQLVESGGGVVQPGRSLRLSCAASGFTFSSYGMHWVRQAPGKELEWVAVISYDGSIKYYADSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCARTGEYSGYDTDPQYSWGQGTTVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSEIVLTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQGIGDDLGWYQQKPGKAPILLIYGTSTLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTINSLQPEDFATYYCLQDSNYPLTFGGGTRLEIKSGSKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK(SEQ ID NO:68)
【0413】
対照抗体をコードするアミノ酸配列:(475aa)
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGYTFTNYGMNWVRQAPGKGLEWVGWINTYTGEPTYAADFKRRFTFSLDTSKSTAYLQMNSLRAEDTAVYYCAKYPHYYGSSHWYFDVWGQGTLVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSDIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCSASQDISNYLNWYQQKPGKAPKVLIYFTSSLHSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQYSTVPWTFGQGTKVEIKSGSKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK(SEQ ID NO:69)
【0414】
本発明の内容は、記載された特定の実施形態について完全かつ明確に説明しているが、これに限定されるものではない。当業者は、これらの記述の指導下で本発明を修正し、置き換えることができ、これらの修正と置換は本発明の保護範囲内に含まれる。本発明のすべての範囲は、添付の特許請求の範囲およびその任意の同等物によって決められる。
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【配列表】
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