(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-25
(45)【発行日】2024-07-03
(54)【発明の名称】画像処理装置、画像処理方法、撮像装置、プログラム、記憶媒体
(51)【国際特許分類】
H04N 23/76 20230101AFI20240626BHJP
G06T 5/92 20240101ALI20240626BHJP
【FI】
H04N23/76
G06T5/92
(21)【出願番号】P 2020028363
(22)【出願日】2020-02-21
【審査請求日】2023-02-13
(31)【優先権主張番号】P 2019098808
(32)【優先日】2019-05-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大森 広崇
(72)【発明者】
【氏名】浦上 博行
【審査官】吉田 千裕
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第104463816(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第107481202(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第105574830(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第106548463(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第107767353(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第103700079(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第107277299(CN,A)
【文献】特開2010-062920(JP,A)
【文献】国際公開第2019/064825(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 23/76
G06T 5/92
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データを取得する取得手段と、
前記画像データの領域毎のダークチャネル値を取得して透過率を推定し、階調を補正する第1の階調補正手段と、
トーンカーブを用いて前記画像データの階調を補正する第2の階調補正手段と、
どの階調補正手段を用いて階調補正を行うかを制御する制御手段と、
を備え
、
前記制御手段は、前記第1の階調補正手段に、徐々に補正効果を得るように階調補正を行わせ、前記画像データにおける被写体の輪郭部に白領域が抽出された場合に、前記第1の階調補正手段による前記階調補正を停止させることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記第1の階調補正手段と前記第2の階調補正手段の一方に前記画像データの第1段の階調補正を行わせ、該第1段の階調補正を行った後の画像データの補正結果に基づいて、前記第1の階調補正手段と前記第2の階調補正手段の他方に、前記第1段の階調補正を行った後の画像データに対する第2段の階調補正を行わせることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記第1段の階調補正を行った後の画像データのコントラストが所定値より低い場合に、前記第1の階調補正手段と前記第2の階調補正手段の他方に、前記第1段の階調補正を行った後の画像データに対する前記第2段の階調補正を行わせることを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記コントラストは、前記第1段の階調補正を行った後の画像データの輝度ヒストグラムに基づいて算出されることを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記第1の階調補正手段と前記第2の階調補正手段の他方に、前記コントラストが目標とする値に達するまで、前記第2段の階調補正を行わせることを特徴とする請求項3または4に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記第1の階調補正手段に、前記第1段の階調補正を行わせることを特徴とする請求項2乃至5のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記第2の階調補正手段に、前記第1段の階調補正を行わせることを特徴とする請求項2乃至5のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記画像データを用いて解析を行う解析手段をさらに備え、前記解析手段の解析の結果に基づいて、前記第1の階調補正手段の階調補正動作と、前記第2の階調補正手段の階調補正動作とを制御することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項9】
被写体を撮像する撮像手段と、
請求項1乃至
8のいずれか1項に記載の画像処理装置と、
を備えることを特徴とする撮像装置。
【請求項10】
画像データを取得する取得工程と、
前記画像データの領域毎のダークチャネル値を取得して透過率を推定し、階調を補正する第1の階調補正工程と、
トーンカーブを用いて前記画像データの階調を補正する第2の階調補正工程と、
どの階調補正工程を用いて階調補正を行うかを制御する制御工程と、
を有
し、
前記制御工程では、前記第1の階調補正工程において徐々に補正効果を得るように階調補正を行わせ、前記画像データにおける被写体の輪郭部に白領域が抽出された場合に、前記第1の階調補正工程における前記階調補正を停止させることを特徴とする画像処理方法。
【請求項11】
コンピュータを、請求項1乃至
8のいずれか1項に記載の画像処理装置の各手段として機能させるためのプログラム。
【請求項12】
コンピュータを、請求項1乃至
8のいずれか1項に記載の画像処理装置の各手段として機能させるためのプログラムを記憶したコンピュータが読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、霧霞が発生している状況で撮影した画像の霧霞を除去して視認性を向上させる技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の監視等の用途で使用されるカメラにおいては、屋外を撮影する際に霧霞が発生して視認性が低下する場合がある。このような画像を救済するため、霧霞が発生した場合にそれらを除去する補正処理を行う技術が知られている。補正処理には、全画面に対してトーンカーブを用いてコントラストを補正する方法、大気モデルにおいてミー散乱とレイリー散乱を分離し、霧霞など波長に依存しないミー散乱成分を除去する散乱分離方式を採用する方法とがある。
【0003】
散乱分離方式は、画像の領域毎のダークチャネル値を用いて透過率を推定し、階調を制御して霧霞を除去する方式である。具体的には、大気モデルにおける霧霞の濃度に起因する透過率を推定し、階調制御を行う技術が提案されている。
【0004】
特許文献1では、空領域または逆光領域を算出し、その領域におけるダークチャネル値を補正し、ダークチャネル値から透過率を算出し、その透過率を用いて入力画像から霧霞成分の除去を行う。
【0005】
特許文献2では、カラー画像で散乱光の基準強度の導出に用いる画素を選択し、散乱光の第1の色成分に対応する第1の基準強度と、第2の色成分に対応する第2の基準強度を導出する。第1の基準強度と重み値を用いてカラー画像の第1の色成分の画素値を補正するとともに、第2の基準強度と重み値を用いて第2の色成分の画素値を補正し、補正画像を生成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2017-138647号公報
【文献】特開2015-103167号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に開示された従来技術では、ダークチャネル値を用いて散乱光に対する補正は可能であるが、画像内の輪郭部にハローノイズが発生してしまい、そのノイズを抑制することができない。
【0008】
また、特許文献2に開示された従来技術でも同様に、大気モデルにおける散乱光を用いて霧霞の濃度に起因する成分を除去して補正することはできるが、やはり画像内の輪郭部にハローノイズが発生してしまい、そのノイズを抑制することができない。
【0009】
本発明は上述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、画像内の霧霞を良好に除去することができる画像処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係わる画像処理装置は、 画像データを取得する取得手段と、前記画像データの領域毎のダークチャネル値を取得して透過率を推定し、階調を補正する第1の階調補正手段と、トーンカーブを用いて前記画像データの階調を補正する第2の階調補正手段と、どの階調補正手段を用いて階調補正を行うかを制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記第1の階調補正手段に、徐々に補正効果を得るように階調補正を行わせ、前記画像データにおける被写体の輪郭部に白領域が抽出された場合に、前記第1の階調補正手段による前記階調補正を停止させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、画像内の霧霞を良好に除去することができる画像処理装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の画像処理装置の第1の実施形態であるデジタルカメラの構成を示す図。
【
図2】第1の実施形態における画像処理回路120の構成を示すブロック図。
【
図3】霧霞発生有無における輝度ヒストグラムを示す図。
【
図4】霧霞発生度合いに応じたトーカーブ補正の例を示す図。
【
図5】第1の実施形態における霧霞の除去動作を示したフローチャート。
【
図6】第2の実施形態における霧霞の除去動作を示したフローチャート。
【
図7】第3の実施形態における画像処理回路121の構成を示すブロック図。
【
図8】第3の実施形態における霧霞の除去動作を示したフローチャート。
【
図9】第4の実施形態における霧霞の除去動作を示したフローチャート。
【
図10】第5の実施形態における撮像システムの構成を示す図。
【
図11】第5の実施形態における霧霞の除去動作を示したフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0014】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の画像処理装置の第1の実施形態であるデジタルカメラ100の構成を示す図である。
【0015】
図1において、レンズ部102は、被写体の光学像を、CCDやCMOSセンサなどからなる撮像素子を有する撮像部101に結像させる。また、レンズ駆動装置103によってズーム制御、フォーカス制御、絞り制御などが行われる。撮像信号処理回路104は、撮像部101から出力される画像信号に各種の補正処理やデータ圧縮処理等を行う。また、撮像信号処理回路104は、内部に画像の霧霞を除去するための画像処理回路120を有する。撮像素子駆動回路105は撮像部101内の撮像素子に各種電源や撮影モードの指示信号、各種タイミング信号を出力する。
【0016】
メモリ部106は、画像データを一時的に記憶するためのメモリとして機能し、全体制御演算部107は各種演算とデジタルカメラ100全体の制御を行う。記録媒体制御I/F部108は記録媒体へのデータの記録または記録媒体からのデータの読み出しを行うためのインターフェースである。記録媒体109は、画像データの記録または読み出しを行うための着脱可能な半導体メモリである。さらに、表示部110は、各種情報や撮影画像を表示する液晶表示装置などの表示デバイスである。
【0017】
図2は、
図1における画像処理回路120の構成を示すブロック図である。画像処理回路120は、画像の輪郭部に発生するハローノイズを抑制しつつ霧霞を除去する機能を備える。
【0018】
図2において、画像処理回路120は、第1の画像処理部11、第1のかすみ補正部12、第2のかすみ補正部14、第2の画像処理部15、画像出力部16、ヒストグラム取得・解析部13を備える。
【0019】
撮像部101により撮像された画像データは、画像処理回路120に入力される。第1の画像処理部11は、画像データの1段目の画像処理部である。具体的には撮像部101から取得した画像データに対して、センサ補正処理、キズ補正処理、ベイヤー型のRGB信号からYC信号に変換する変換処理、輪郭強調処理、ノイズリダクション処理、ホワイトバランス処理などを行う。第1のかすみ補正部12は、画像の領域毎のダークチャネル値を用いて透過率(濃度マップ)を推定し、階調を制御する第1の階調補正処理(階調補正動作)を行う第1段の階調補正部である。ヒストグラム取得・解析部13は第1の階調補正処理を行った後の補正画像において、輝度成分のヒストグラムを取得し、その分散値を算出することにより画像のコントラストを検出する。第2のかすみ補正部14はトーンカーブを用いてコントラストや中間階調の制御を行う第2の階調補正処理(階調補正動作)を行う第2段の階調補正部である。
【0020】
以下、第1の階調補正処理の詳細について説明する。まず、霧霞が発生している画像Iと、霧霞除去後の画像Jは式(1)のような大気モデルで関係づけられる。
【0021】
I(x,y)=J(x,y)・t(x,y)+A(1-t(x,y) 式(1)
x,yは画像内における水平方向と垂直方向の2次元座標位置、tは霧霞の濃度マップ、Aは環境光を示す。ここで、濃度マップt(x,y)は大気による減衰を意味しており、カメラからの被写体距離が長いほど減衰量(画素値)が大きく、近いほど減衰量(画素値)は小さくなる。式(1)において、環境光Aおよび、濃度マップt(x,y)を推定することで、霧霞除去後のJ(x,y)を求めることが可能になる。
【0022】
まず、環境光Aの推定方法について数式を用いて説明する。環境光Aは、空領域のRGB成分の平均画素値であり、式(2)のようにして算出される。
【0023】
【0024】
ave関数は引数内の平均値を算出する関数を表し、cは色成分を表し、Ωskyは空領域内の局所領域を示す。ここで、空領域は、例えば、ヒストグラムの分布に基づき算出する方法や、予め指定した座標位置を用いる方法、ユーザーからの指示位置を用いる方法等により特定することができる。
【0025】
続いて、濃度マップt(x,y)の推定方法について説明する。本実施形態における第1の階調処理は、ダークチャネル値に基づき濃度マップt(x,y)を推定する処理であり、霧霞が発生していない屋外画像において、RGB成分の少なくとも1つの成分の画素値が局所的に非常に小さいことを前提にしている。ダークチャネル値Idrkは、式(3)のようにして算出される。
【0026】
【0027】
cは色成分を表し、Ωは注目座標(x,y)を含む局所領域を示す。式(3)に示されるように、ダークチャネル値は、注目画素を含む局所領域内におけるRGB成分の最小値となる。式(1)の大気モデルに、式(3)のダークチャネルの算出式を代入すると、大気モデルからダークチャネル値を算出する式(4)が得られる。
【0028】
Idrk=Jdrk(x,y)・t(x,y)+A(1-t(x,y)) 式(4)
ここで、霧霞が発生していない画像において、RGB成分の少なくとも1つの成分の画素値は局所的に小さいという前提を考慮すると、式(4)における霧霞除去画像のダークチャネル値Jdrk(x,y)は0に限りなく近い値となる。従って、式(4)は式(5)のように近似することができる。
【0029】
Idrk(x,y)≒A(1-t(x,y)) 式(5)
式(5)の近似式を変形することで、式(6)のようにして濃度マップt(x,y)を推定することができる。
【0030】
t(x,y)≒1-{ω×Idrk(x,y)/A} 式(6)
ここで、ωは霧霞の補正度合いを制御するパラメータであり、0.0から1.0の範囲で定義され、値が大きいほど霧霞の補正効果を強く設定することができる。以上説明した式(2)~(6)によって算出される大気光A、濃度マップt(x,y)を式(7)に代入することで、霧霞除去後のJ(x,y)を求めることができる。
【0031】
J(x,y)={(I(x,y)-A)/t(x,y)}+A 式(7)
式(1)に示されるように、ダークチャネルに基づく第1の階調補正処理は、環境光Aに加えて、カメラからの被写体距離に応じて変化する濃度マップも考慮して、画素毎に補正量を算出する。従って、近景の被写体だけでなく、遠景の被写体に対しても、霧霞を効果的に除去できる。しかしながら、式(3)で示されるように、ダークチャネル値の算出がエッジ情報を考慮していない点や、式(4)で示されるように、濃度マップを近似で求めている点があるため、エッジ部周辺で誤補正、具体的には、白く浮きあがってしまう現象(以降、この現象をハローノイズ(白領域)と呼ぶ)が発生してしまう。
【0032】
続いて、第2のかすみ補正部14の詳細について説明する。まず、ヒストグラム取得・解析部13では、入力画像のヒストグラムを生成し、生成したヒストグラムの分布密度を表す統計値を算出する。例えば、式(8)のようにして、ヒストグラムの分散σ2を求める。
【0033】
σ2={(x1-μ)2・f1+(x2-μ)2・f2+…+(xN-μ)2}/n 式(8)
ここで、xiは入力輝度レベル、xNは入力輝度レベルの最大値、fは頻度、nはデータの合計(総画素数)、μは平均を示す。なお、本実施形態では、分布密度を表す統計値として、ヒストグラムの分散を用いたが、これに限るものではない。
【0034】
更に、ヒストグラム取得・解析部13では、前述のヒストグラムおよび、統計値に基づき、霧霞の発生度合いを算出する。一般的に霧霞が発生している画像は、
図3(a)に示すように、ヒストグラムの分布が一部領域に集中し、コントラストの低い映像になっている。従って、霧霞が発生している場合は、分散値は比較的小さな値になる。そこで、霧霞補正部2は、任意の閾値Thと分散値σ
2を比較することで、霧霞の発生度合いHを算出する。例えば、式(9)のようにして算出する。
【0035】
0.0 (if σ2<0)
H= (Th-σ2)/Th (if 0≦σ2≦Th)
1.0 (if Th<σ2) 式(9)
ここで、式(9)で表される霧霞の発生度合いHは、0.0から1.0の範囲で正規化され、値が大きいほど霧霞の発生度合いが強い指標となる。
【0036】
続いて、第2のかすみ補正部14は、ヒストグラム取得・解析部13で算出される霧霞の発生度合いに応じて、トーカーブを調整する。具体的には、
図4に示されるように、霧霞の発生度合いが強いほど、暗部を下げ、明部を持ち上げるトーンカーブを適用する。前述のトーンカーブを適用することで、
図3(b)に示すように、ヒストグラムが滑らかに分布することになり、霧霞を除去することができる。
【0037】
従って、第2のかすみ補正部14は、ヒストグラムの分布(霧霞の発生度合い)に応じて、画面全体のコントラストを向上させることで、弊害を抑えつつ、霧霞を除去することが可能になる。しかしながら、被写体距離を考慮した補正量を算出してないため、遠景の被写体に対して効果が弱い手法となる。
【0038】
なお、上記では第1のかすみ補正部12(一方のかすみ補正部)で第1の階調補正処理を行った後に第2のかすみ補正部14(他方のかすみ補正部)で第2の階調補正処理を行っているが、その順番は逆にしてもよい。つまり、第1のかすみ補正部12で第2の階調補正処理を行った後に第2のかすみ補正部14で第1の階調補正処理を行っても同様な霧霞除去効果が得られる。
【0039】
第2の画像処理部15では第1のかすみ補正部12、第2のかすみ補正部14で霧霞を除去した画像に対して2段目の画像処理を行う。具体的には輪郭強調処理、ノイズリダクション処理、色補正処理、解像度変換処理などを行う。ここで、輪郭強調処理、ノイズリダクション処理、色補正処理等は、第1の画像処理部11で行ってもよいし、第2の画像処理部15で行ってもよい。画像出力部16は、画像処理や霧霞除去処理を行った画像を画像圧縮処理等を行う別の画像処理部や表示部110等に出力する。
【0040】
なお、第1の階調補正処理においては、時間をかけて徐々に補正効果を得るように補正処理を実行する。具体的には、式(6)のωの値を小さな値から徐々に大きく設定する。そして、輪郭部にハローノイズを抽出した場合、第1の階調補正処理を中止(停止)する。そうすることにより、第1の階調補正処理で発生しうる輪郭部のハローノイズを抑制することが可能となる。
【0041】
また、上記で説明したように、第1のかすみ補正部12で第1の階調補正処理を行い、第2のかすみ補正部14で第2の階調補正処理を行う場合と、階調補正処理の順番をその逆とする場合とが考えられる。それぞれの場合について、以下のような方法で階調補正処理が行われる。
【0042】
まず、第1のかすみ補正部12で第1の階調補正処理を行い、第2のかすみ補正部14で第2の階調補正処理を行う場合は、次のような方法をとる。すなわち、第1のかすみ補正部12で上記のようにハローノイズの出方を見ながら、徐々に第1の階調補正処理を行い、その階調補正処理が止まってから画像の統計量、具体的には輝度ヒストグラムをみて階調制御の効果(補正結果)を判断する。もし階調制御の効果が不十分な場合には、第2のかすみ補正部14で、時間をかけて十分な効果が得られる階調補正量(目標とする階調)に達するまで第2の階調補正処理を行う。ただし、第2の階調補正処理は、ハローノイズを考慮する必要がないので、必ずしもゆっくり行う必要はない。
【0043】
また、第1のかすみ補正部12で第2の階調補正処理を行い、第2のかすみ補正部14で第1の階調補正処理を行う場合は、次のような方法をとる。すなわち、第1のかすみ補正部12で、第2の階調補正処理の効果を見ながら、時間をかけて徐々に第2の階調補正処理を行う。第2の階調補正処理では、遠景部分には霧霞除去の大きな効果が得られないので、その効果の程度を見ながら処理を行う。ただし、第2の階調補正処理は、時間をかけて行った方が効果の変化を見やすいというメリットがあるが、上記で述べたようにハローノイズを考慮する必要がないので、必ずしもゆっくり行う必要はない。そして、第2の階調補正処理が止まってから、もし階調制御の効果が不十分な場合には、第2のかすみ補正部14で、時間をかけて十分な効果が得られる階調補正に達するまで第1の階調補正処理を行う。この場合も、第1の階調補正処理では、輪郭部にハローノイズを抽出したら、処理を中止する。
【0044】
以上のような方法により、ハローノイズの発生を抑制した良好な霧霞除去処理を行うことができる。
【0045】
図3は、画像の輪郭部にハローノイズが発生しないように霧霞の除去を行う動作を示したフローチャートである。なお、
図3は、第1のかすみ補正部12で第1の階調補正処理を行い、第2のかすみ補正部14で第2の階調補正処理を行う場合の例を示している。
【0046】
霧霞除去処理のフローが開始されると、ステップS31では、撮像部101により取得された画像が画像処理部120に入力される。ステップS32では、第1のかすみ補正部12が、第1の階調補正処理を行う。ここでは、前述したように画像の輪郭部にハローノイズが発生しない範囲で補正処理を行う。
【0047】
ステップS33では、全体制御演算部107は、ステップS32において第1の階調補正処理を行った結果の画像に対して、コントラストの大きさを判断する。コントラストが所定の値より小さい場合には、ステップS34に進み、コントラストが所定の値以上の場合には階調補正処理を終了する。
【0048】
ステップS34では、ステップS32において実行した第1の階調補正処理で取りきれなかった霧霞を除去するために、第2の階調補正処理を実行し、階調補正処理を終了する。
【0049】
なお、
図3では、ステップS32において第1の階調補正処理を行い、ステップS34において第2の階調補正処理を行う例を示した。しかし、既に説明したように、ステップS32において第2の階調補正処理を行い、ステップS34において第1の階調補正処理を行うようにしてもよい。どちらの場合でも、第1の階調補正処理では、ハローノイズが発生しない範囲で補正処理を行う。
【0050】
以上説明したように、第1の実施形態によれば、ハローノイズが発生しない範囲で、効果的な霧霞除去処理を行うことが可能となる。
【0051】
(第2の実施形態)
以下、本発明の画像処理装置の第2の実施形態であるデジタルカメラについて説明する。第2の実施形態におけるデジタルカメラの全体構成は、
図1に示した第1の実施形態の構成と同様であるので、その説明を省略する。この第2の実施形態では、第1の実施形態で説明した第1の階調補正処理と第2の階調補正処理に重みをつけて実施する。
【0052】
図4は、第2の実施形態における画像の輪郭部にハローノイズが発生しないように霧霞除去を行う動作を示したフローチャートである。
【0053】
霧霞除去処理のフローが開始されると、ステップS41では、撮像部101により取得された画像が画像処理部120に入力される。ステップS42では、第1の画像処理部11は、入力された画像の輝度値の統計量、具体的には輝度ヒストグラムを取得する。
【0054】
ステップS43では、全体制御演算部107は、ステップS42において取得した輝度ヒストグラムからコントラストの大きさを判断する。コントラストが所定値よりも小さければ、霧霞が強くかかっていると判断してステップS44へ進み、コントラストが所定値以上であれば、霧霞がそれほど強くはないと判断してステップS46へ進む。
【0055】
ステップS44では、第1の実施形態で説明した第1の階調補正処理の重みを大きくする。ここでは、画像の輪郭部に発生するハローノイズを多少許容してでも、霧霞の除去度合いを強くする。また、ステップS45では、ステップS44で取り切れなかった霧霞を除去するために、第1の実施形態で説明した第2の階調補正処理を行う。そして、霧霞除去処理を終了する。なお、ステップS44とステップS45の順序は逆でも同様な効果が得られる。
【0056】
ステップS46では、コントラストがそれほど小さくはなく霧霞が強くはかかっていないため、画像の輪郭部のハローノイズが発生しないように、第1の階調補正処理の重みを小さくする。ステップS47では、ステップS46で取りきれなかった霧霞を除去するために、第2の階調補正処理の重みを大きくする。そして、霧霞除去処理を終了する。なお、ステップS46とステップS47の順序は逆でも同様な効果が得られる。
【0057】
以上説明したように、第2の実施形態によれば、霧霞の強さに応じて、効果的な霧霞除去処理を行うことが可能となる。
【0058】
(第3の実施形態)
以下、本発明の画像処理装置の第3の実施形態であるデジタルカメラについて説明する。第3の実施形態におけるデジタルカメラの全体構成も、
図1に示した第1の実施形態の構成と同様である。ただし、本実施形態では、画像処理回路121の構成が、第1の実施形態の画像処理回路120の構成とは異なる。この第3の実施形態では、注目領域に応じて、霧霞除去の方式を切り換えて実行する。
【0059】
図5は、第3の実施形態における画像処理回路121の構成を示す図である。画像処理回路121は、注目領域を指定(設定)し、その領域の被写体距離を測定し、被写体距離に応じて階調制御の方式を切り換え、霧霞の除去を行う。
【0060】
図5において、画像処理回路121は、第1の画像処理部21、注目領域指定部22、距離情報取得部23、第1のかすみ補正部24、第2のかすみ補正部25、第2の画像処理部26、画像出力部27を備える。
【0061】
撮像部101により撮像された画像データは、画像処理回路121に入力される。第1の画像処理部21は、画像データの1段目の画像処理部であり、第1の実施形態で説明した第1の画像処理部11と同様である。注目領域指定部22は、画像データ内で注目したい領域を指定する機能を有し、注目したい領域をユーザーが指定するGUI等を備える。距離情報取得部23は、注目領域指定部22によって指定された注目領域までの距離を測定する。ここで注目領域までの距離は、レンズ部102に配置されたフォーカスレンズやズームレンズの制御情報等を用いて測定する。
【0062】
第1のかすみ補正部24は、第1の実施形態で説明した第1の階調補正処理を実行する。第2のかすみ補正部25は、第1の実施形態で説明した第2の階調補正処理を実行する。第2の画像処理部26は、第1のかすみ補正部24で補正された画像と第2のかすみ補正部25で補正された画像の選択処理もしくは混合処理、及び2段目の画像処理を行う。第1のかすみ補正部24は、遠い距離にある注目領域の霧霞を除去するのに効果があるため、距離情報取得部23で取得した距離情報が第1の所定距離より遠い場合に、第1のかすみ補正部24が選択される。第2のかすみ補正部25は、近い距離にある注目領域の霧霞を除去するのに効果があるために、距離情報取得部23で取得した距離情報が第2の所定距離より近い場合に、第2のかすみ補正部25が選択される。距離情報取得部23により取得された距離情報が第1の所定距離以下で、第2の所定距離以上の場合には、第1のかすみ補正部24で補正された画像と第2のかすみ補正部25で補正された画像の混合処理(合成処理)を行う。
【0063】
ここで、画像の合成比率は、領域ごとに被写体のエッジ情報を用いて決定する。具体的には、エッジであると考えられる領域に関しては、第1の実施形態で説明した第2の階調補正処理の比率を大きく設定する。一方、平坦であると考えられる領域に関しては、第1の実施形態で説明した第1の階調補正処理の比率を大きく設定する。このような比率で合成することで、エッジ部のハローノイズを抑制しつつ、霧霞除去を効果的に実行することができる。具体的な手順を以下で述べる。
【0064】
まず始めに、画像からエッジを検出する。エッジ検出の方法として、霧霞が発生している入力画像Iに対して、ソーベルフィルタを実行することで、エッジ情報を濃淡画像として抽出することができる。
【0065】
続いて、生成されたエッジ情報(濃度値 F(x,y))に基づき、例えば、式(10)のようにして、混合比率Blend(x,y)を求める。
【0066】
Blend(x,y)=F(x,y)/Fmax 式(10)
ここで、Fmaxは濃度値の最大値を示し、混合比率は0.0から1.0の値で正規化される。
【0067】
最後に、式(10)の混合比率に基づき、第1のかすみ補正部24で補正された画像Dehaze1(x,y)と、第2のかすみ補正部25で補正された画像Dehaze2(x,y)を式(11)のようにして合成する。
【0068】
DehazeBlend(x,y)
=(1.0-Blend(x,y))×Dehaze1(x,y)+Blend(x,y)×Dehaze2(x,y)
式(11)
以上のような手順を踏むことで、エッジ部のハローノイズを抑制しつつ、霧霞除去を効果的に実行された混合画像DehazeBlend(x,y)が得られる。
【0069】
なお、第2の画像処理部26は、第1の実施形態で説明した第2の画像処理部15と同様である。各画像処理機能は第1の画像処理部21で行ってもよいし、第2の画像処理部26で行ってもよい。画像出力部27は、画像処理や霧霞除去処理を行った画像を、画像圧縮処理等を行う別の画像処理部や表示部110等に出力する。
【0070】
図6は、指定した注目領域の距離に応じて階調制御の方式を切り換えて霧霞の除去を行う動作を示すフローチャートである。
【0071】
霧霞除去処理のフローが開始されると、ステップS61では、撮像部101により取得された画像が画像処理部121に入力される。ステップS62では、ユーザーが注目したい領域をGUI等で指定する。ステップS63では、距離情報取得部23が、ユーザーが指定した注目領域までの距離を測定する。注目領域までの距離は、レンズ部102に配置されたフォーカスレンズやズームレンズの制御情報等を用いて測定される。
【0072】
ステップS64では、全体制御演算部107は、注目領域に含まれる被写体までの距離が第1の所定距離より遠いか否かを判別する。被写体までの距離が第1の所定距離より遠い場合には、ステップS65に進む。被写体までの距離が第1の所定距離より遠くない場合には、ステップS66に進む。
【0073】
ステップS65では、遠い被写体にかかっている霧霞を除去するのに効果的な第1の実施形態で説明した第1の階調補正処理を実行する。
【0074】
ステップS66では、注目領域に含まれる被写体までの距離が第2の所定距離より近いか否かを判別する。被写体までの距離が第2の所定距離より近い場合には、ステップS67に進む。被写体までの距離が第2の所定距離より近くない場合には、ステップS68に進む。
【0075】
ステップS67では、近い被写体にかかっている霧霞を除去するのに効果的な第1の実施形態で説明した第2の階調補正処理を実行する。ステップS68では、式(10)で求められる合成比率に基づき。第1の実施形態で説明した第1の階調補正処理で得られた画像と第2の階調補正処理で得られた画像を式(11)に示されるように混合処理を行う。このステップS68は、注目領域に含まれる被写体までの距離が第1の所定距離以下で、第2の所定距離以上の場合に実行される。ステップS65、またはS67、またはS68を実行後、霧霞の除去動作を終了する。
【0076】
以上説明したように、第3の実施形態によれば、被写体の距離に応じて、効果的な霧霞除去処理を行うことが可能となる。
【0077】
(第4の実施形態)
以下、本発明の画像処理装置の第4の実施形態であるデジタルカメラについて説明する。第4の実施形態における画像処理回路の構成は、
図5に示した第3の実施形態の構成と同様である。ただし、本実施形態では、注目領域指定部22は、注目したい被写体を検出して、その被写体が存在する領域を自動で指定する。
【0078】
図7は、注目被写体を検出して、注目被写体までの距離に基づいて階調制御の方式を切り換えて霧霞の除去を行う動作を示すフローチャートである。
【0079】
霧霞除去処理のフローが開始されると、ステップS71では、撮像部101により取得された画像が画像処理部121に入力される。ステップS72では、注目したい被写体を検出し、その被写体が存在する領域を自動的に指定する。注目したい被写体を検出するためには、例えばユーザーが注目したい物体や人を指定する。そしてオブジェクト検出やAI技術等を用いて注目したい物体や人を検知し、それらを含む領域を指定する。あるいは動体検知などを用いて動いている物体や人を検知して、それらを含む領域を指定してもよい。
【0080】
ステップS73では、距離情報取得部23は、指定された注目被写体を含む領域までの距離を測定する。注目領域までの距離は、レンズ部102に配置されたフォーカスレンズやズームレンズの制御情報等を用いて測定される。
【0081】
ステップS74では、全体制御演算部107は、注目被写体までの距離が第1の所定距離より遠いか否かを判別する。被写体までの距離が第1の所定距離より遠い場合には、ステップS75に進む。被写体までの距離が第1の所定距離より遠くない場合には、ステップS76に進む。
【0082】
ステップS75では、遠い被写体にかかっている霧霞を除去するのに効果的な第1の実施形態で説明した第1の階調補正処理を実行する。
【0083】
ステップS76では、注目被写体までの距離が第2の所定距離より近いか否かを判別する。被写体までの距離が第2の所定距離より近い場合には、ステップS77に進む。被写体までの距離が第2の所定距離より近くない場合には、ステップS78に進む。
【0084】
ステップS77では、近い被写体にかかっている霧霞を除去するのに効果的な第1の実施形態で説明した第2の階調補正処理を実行する。ステップS78では、第1の実施形態で説明した第1の階調補正処理で得られた画像と第2の階調補正処理で得られた画像の混合処理を行う。このステップS78は、注目被写体までの距離が第1の所定距離以下で、第2の所定距離以上の場合に実行される。ステップS75、またはS77、またはS78を実行後、霧霞の除去動作を終了する。
【0085】
以上説明したように、第4の実施形態によれば、検出された注目被写体の距離に応じて、効果的な霧霞除去処理を行うことが可能となる。
【0086】
(第5の実施形態)
以下、本発明の画像処理装置の第5の実施形態であるネットワークカメラについて説明する。第5の実施形態における画像処理回路の構成は、
図10に示されるように、ネットワークカメラと、ネットワーク、クライアント装置から構成されている。
【0087】
この第5の実施形態では、クライアント装置で実行される認識・解析アプリに応じて、霧霞除去の方式を切り替えて実行する。本実施形態では、人の顔の識別を行う顔識別アプリ、および、画面内に存在する被写体をカウントする人数カウントアプリを用いて例示的に説明する。
【0088】
それぞれのアプリの特徴として、顔識別アプリは、顔の細かな特徴をベースに識別を行うため、前述のハローノイズに代表されるアーチファクトの発生をなるべく抑える必要がある。一方、人数カウントアプリは、細かな構造をベースに検出を行う和ではなく、顔識別アプリと比較すると、より大雑把な構造、形状の検出を行い、人数をカウントする。そのため、人数カウントアプリを実行時に、霧霞を除去する場合、ハローノイズを抑えるよりは、霧霞の除去効果を優先した方が被写体の検出精度が向上する。なお、認識・解析アプリはこれに限るものではなく、例えば、人の動線をヒートマップ化する解析アプリ、特定人物を追尾するアプリ、被写体の属性を解析するアプリ等でもよい。
【0089】
図11は、本実施形態において霧霞除去を行う動作を示すフローチャートである。
【0090】
霧霞除去処理のフローが開始されると、ステップS111では、撮像部101により取得された画像が画像処理部121に入力される。ステップS112では、クライアント装置で実行される認識・解析アプリの情報を取得する。
【0091】
ステップS113では、全体制御演算部107は、取得された認識・解析アプリの種類が顔識別アプリであるか否かを判別する。顔識別アプリである場合には、ステップS114に進む。顔識別アプリでない場合には、ステップS115に進む。
【0092】
ステップS114では、弊害を抑えつつ、霧霞を除去するのに効果的な第1の実施形態で説明した第2の階調補正処理を実行する。
【0093】
ステップS115では、取得された認識・解析アプリの種類が人数カウントアプリであるか否かを判別する。人数カウントアプリである場合には、ステップS116に進む。顔識別アプリでも人数カウントアプリでもない場合は、ステップS117に進む。
【0094】
ステップS116では、遠い被写体にかかっている霧霞を除去するのに効果的な第1の実施形態で説明した第1の階調補正処理を実行する。
【0095】
ステップS117では、第3の実施形態で説明したステップS68と同様に、エッジ情報に基づき、第1の階調補正処理で得られた画像と第2の階調補正処理で得られた画像の混合処理を行う。ステップS114、またはステップS116、またはステップS117を実行後、霧霞の除去動作を終了する。
【0096】
以上説明したように、第5の実施形態によれば、クライアント装置で実行される認識・解析アプリに応じて、効果的な霧霞除去処理を行うことが可能となる。
【0097】
(他の実施形態)
また本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現できる。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現できる。
【0098】
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
【符号の説明】
【0099】
100:デジタルカメラ、101:撮像部、102:レンズ部、104:撮像信号処理回路、107:全体制御演算部、120,121:画像処理回路