IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社平和の特許一覧

<>
  • 特許-遊技機 図1
  • 特許-遊技機 図2
  • 特許-遊技機 図3
  • 特許-遊技機 図4
  • 特許-遊技機 図5
  • 特許-遊技機 図6
  • 特許-遊技機 図7
  • 特許-遊技機 図8
  • 特許-遊技機 図9
  • 特許-遊技機 図10
  • 特許-遊技機 図11
  • 特許-遊技機 図12
  • 特許-遊技機 図13
  • 特許-遊技機 図14
  • 特許-遊技機 図15
  • 特許-遊技機 図16
  • 特許-遊技機 図17
  • 特許-遊技機 図18
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-25
(45)【発行日】2024-07-03
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20240626BHJP
【FI】
A63F7/02 320
A63F7/02 317
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2020064568
(22)【出願日】2020-03-31
(65)【公開番号】P2021159343
(43)【公開日】2021-10-11
【審査請求日】2022-12-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000154679
【氏名又は名称】株式会社平和
(74)【代理人】
【識別番号】100135666
【弁理士】
【氏名又は名称】原 弘晃
(74)【代理人】
【識別番号】100131680
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 健一
(72)【発明者】
【氏名】久保田 悟史
(72)【発明者】
【氏名】柳田 修平
(72)【発明者】
【氏名】門屋 亮二郎
(72)【発明者】
【氏名】西川 勝
(72)【発明者】
【氏名】伊庭 博之
(72)【発明者】
【氏名】逆井 亮太
(72)【発明者】
【氏名】田中 将人
【審査官】永田 美佐
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-187756(JP,A)
【文献】特開2019-041783(JP,A)
【文献】特開2019-180440(JP,A)
【文献】特開2013-085782(JP,A)
【文献】特開2013-052193(JP,A)
【文献】特開2018-140119(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技媒体が移動する遊技領域を備えた遊技機であって、
前記遊技領域に設けられた所定領域と、
前記所定領域に遊技媒体が進入可能な第1状態と前記所定領域に遊技媒体が進入不可能な第2状態の間で動作する可動部と、
抽選を行う抽選手段と、
前記抽選の結果が大当たりとは異なる特定の結果になると、前記所定領域に遊技媒体が進入可能となる特定遊技を実行する特定遊技実行手段と、
演出を制御する演出制御手段を備え、
前記演出制御手段は、
前記特定遊技において前記所定領域に遊技媒体が進入すると、前記所定領域に進入した遊技媒体の数に対応するように特定表示を制御し、
前記特定遊技において所定条件下で前記特定遊技が終了するまでの残り期間を示唆する残り期間表示を開始させ、
前記特定遊技において前記可動部が前記第1状態となる動作が終了する前に残り期間がなくなることを示唆するように前記残り期間表示を更新することを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、遊技球(遊技媒体)が移動する遊技領域を備え、遊技者の操作に応じて遊技領域に遊技球を発射する遊技機(ぱちんこ遊技機)が知られている。この種の遊技機は、遊技領域において遊技球を検出する検出領域として始動入賞口を設け、始動入賞口への遊技球の進入を検出したことを契機として乱数値を取得して記憶手段において保留し、記憶手段に保留された乱数値を予め定められた順序で用いて大当たりまたは小当たりの当否を決定する遊技抽選を行う。そして遊技抽選の結果が大当たりである場合には、予め定められた複数回の大当たり遊技を実行し、遊技抽選の結果が小当たりである場合には、1回の小当たり遊技を実行し、大当たり遊技あるいは小当たり遊技では、遊技領域に設けられている大入賞口を開状態に動作させ、大入賞口に遊技球が進入するごとに遊技球を払い出す。
【0003】
そしてこの種の遊技機では、小当たり遊技が頻繁に実行されるようにしつつ、所定の遊技状態において遊技球が大入賞口まで到達できるようにすることにより、所定の遊技状態では小当たり遊技が実行されると大入賞口に遊技球が進入して多くの遊技球が払い出されるようにしたものがある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-83980号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしこの種の遊技機では、1回の小当たり遊技において大入賞口を開状態にすることができる時間が所定の短時間に制限されているため、小当たり遊技において大入賞口に進入させることができる遊技球の数を遊技者が意識していないことが多く、小当たり遊技により得られる利益を遊技者が逸失してしまうおそれがある。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、遊技の興趣を向上させることができる遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明は、遊技媒体が移動する遊技領域を備えた遊技機であって、前記遊技領域に設けられた所定領域と、抽選を行う抽選手段と、前記抽選の結果が大当たり以外の特定の結果になると、前記所定領域に遊技媒体が進入可能となる特定遊技を実行する特定遊技実行手段と、演出を制御する演出制御手段を備え、前記特定遊技において前記所定領域に遊技媒体が進入すると、前記所定領域に進入した遊技媒体の数に対応するように特定表示が特定の表示態様となることを特徴とする遊技機に関するものである。
【0008】
本発明では、特定遊技において所定領域に遊技媒体が進入すると特定表示が変化することにより、所定領域に進入した遊技媒体の数を遊技者に認識させて、特定遊技により得られる利益を遊技者が逸失しないようにすることができる。
【0009】
(2)また本発明の遊技機では、前記所定領域に進入した遊技媒体が進入可能な特定領域と、前記特定遊技において前記特定領域に遊技媒体が進入すると、特別遊技を実行する特別遊技実行手段を更に備え、前記特定遊技において遊技媒体が前記特定領域に進入した後であっても、前記所定領域に遊技媒体が進入すると、前記所定領域に進入した遊技媒体の数に対応するように前記特定表示が特定の表示態様となるようにしてもよい。
【0010】
このようにすれば、特定遊技において遊技媒体が特定領域に進入した後における特定遊技により得られる利益を遊技者が逸失しないようにすることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、遊技の興趣を向上させることができる遊技機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施形態の遊技機の外観構成を示す斜視図である。
図2】本発明の実施形態の遊技機の遊技盤の外観構成を示す正面図である。
図3】本発明の実施形態の遊技機の大入賞口の外観を示す斜視図である。
図4】本発明の実施形態の遊技機の状態表示部の外観構成を示す正面図である。
図5】本発明の実施形態の遊技機の機能ブロックを説明する図である。
図6】本発明の実施形態の遊技機における抽選テーブルの構成を示す図である。
図7】本発明の実施形態の遊技機における抽選テーブルの構成を示す図である。
図8】本発明の実施形態の遊技機における抽選テーブルの構成を示す図である。
図9】本発明の実施形態の遊技機における抽選テーブルの構成を示す図である。
図10】本発明の実施形態の遊技機における抽選テーブルの構成を示す図である。
図11】本発明の実施形態の遊技機における抽選テーブルの構成を示す図である。
図12】本発明の実施形態の遊技機における遊技状態の状態遷移図である。
図13】本発明の実施形態の遊技機において表示される画像を示す図である。
図14】本発明の実施形態の遊技機において表示される画像を示す図である。
図15】本発明の実施形態の遊技機において表示される画像を示す図である。
図16】本発明の実施形態の遊技機における小当たりを説明するための図である。
図17】本発明の実施形態の遊技機において表示される画像を示す図である。
図18】本発明の実施形態の遊技機において表示される画像を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0014】
1.遊技機の構成
図1は、本実施形態に係る遊技機の外観構成を示す斜視図である。本実施形態の遊技機は、遊技場から貸し出された遊技球(遊技媒体)を用いて遊技を行うものであり、遊技機の外側面を形成する外枠2と、遊技機の内部に設けられ、遊技球が移動する遊技領域4を形成する遊技盤6と、遊技盤6を遊技者が視認可能かつ接触不可能にするガラスユニット8と、ガラスユニット8が取り付けられている前枠10を備えている。
【0015】
そして前枠10のうちガラスユニット8を取り囲む部分は、光を透過する半透明の素材により構成されており、半透明の素材により構成されている部分の内部には、遊技を盛り上げるための演出光などを出力する複数の前枠ランプ12が設けられている。また、前枠10の上部の左右および下部の左右には、遊技を盛り上げるための演出音などを出力するスピーカー14が設けられている。
【0016】
また前枠10の下部中央には、遊技球を貯留するための上皿16が設けられており、上皿16の内側側面の左部には、遊技機から遊技者に遊技球を払い出すための払出口18が設けられている。また前枠10の下部右側には、グリップユニット20が設けられており、遊技者がグリップユニット20を遊技機に向かって右回りに回転させる操作を行うと、遊技機内部に設けられた図示しない発射装置が作動して、遊技領域4内に遊技球が発射されるようになっている。なお本実施形態の発射装置は、1分間に99個(1秒間に1.65個)の遊技球を発射することができる。
【0017】
そして上皿16の内側側面の右部には、上皿16から遊技球を発射装置に供給するための供給口22が設けられている。また上皿16の下方には、上皿16に遊技球を貯留しきれなくなった場合に余剰の遊技球を貯留しておく下皿24が設けられている。
【0018】
また上皿16の縁部手前側には、演出ボタン26(演出操作手段)が設けられており、遊技者が演出ボタン26を操作すると、遊技機で行われる演出が変化する。
【0019】
図2は、図1で示した遊技盤6の外観構成を示す正面図である。図2に示すように遊技盤6には、円形状に外レール28が設けられており、外レール28に囲まれた領域が、遊技球が移動する遊技領域4となっている。また遊技領域4の左端部には、外レール28に沿うように円弧状に内レール30が設けられており、外レール28と内レール30は、遊技盤6の下方に設けられた図示しない発射装置から発射された遊技球を遊技領域4に誘導する。
【0020】
また遊技盤6の中央部には、遊技を盛り上げるための演出画像などを表示する液晶ディスプレイ32(演出表示部)と、液晶ディスプレイ32を取り囲むように形成されたディスプレイ枠34を備える演出ユニット36が設けられている。このディスプレイ枠34は、光を透過する半透明の素材により構成された部分を有しており、半透明の素材により構成されている部分の内部には、遊技を盛り上げるための演出光などを出力する複数のディスプレイ枠ランプ38が設けられている。
【0021】
そして本実施形態では、液晶ディスプレイ32の手前側を遊技球が通過できないようになっており、発射装置から発射された遊技球は、液晶ディスプレイ32の左側の遊技領域4(第1遊技領域)または右側の遊技領域4(第2遊技領域)を落下するようになっている。そして遊技領域4には、遊技盤6の表面に交差するように図示しない多数の遊技釘が打ち付けられており、遊技領域4を移動する遊技球の移動方向がランダムに変化するようになっている。
【0022】
またディスプレイ枠34の左部には、液晶ディスプレイ32の左側の遊技領域4を落下する遊技球が通過できる開口40が形成されており、この開口40を通過した遊技球はディスプレイ枠34に設けられている通路42を通過して、液晶ディスプレイ32の下方に設けられたステージ44に落下するようになっている。このステージ44の上面は滑らかな曲面となっているとともに、ステージ44とガラスユニット8との間に遊技球がステージ44から下方に落下できる隙間が形成されており、通路42からステージ44上に落下した遊技球がステージ44上を左右に往復移動した後にステージ44の中央部付近から下方に落下するようになっている。
【0023】
そしてステージ44の中央部の下方には、ステージ44の中央部付近から下方に落下した遊技球が進入可能な第1始動入賞口46(第1領域)が設けられている。この第1始動入賞口46は、遊技球が進入したことを検出するセンサを内蔵し、遊技球が進入すると遊技球が遊技機内部に回収されるように構成されており、第1始動入賞口46に遊技球が進入するたびに、遊技者に対して所定個数(1個以上の規定数、例えば4個)の遊技球が払い出されるとともに、乱数値を取得して大当たりの当否を決定する特別抽選が行われる。
【0024】
また液晶ディスプレイ32の左側の遊技領域4の下部には、遊技球が進入すると遊技球が遊技機内部に回収される第1一般入賞口47-1、第2一般入賞口47-2および第3一般入賞口47-3が設けられている。そして第1一般入賞口47-1、第2一般入賞口47-2および第3一般入賞口47-3は、第1一般入賞口47-1、第2一般入賞口47-2または第3一般入賞口47-3に進入した遊技球を1個ずつ検出するセンサを内蔵し、遊技球が進入すると遊技球が遊技機内部に回収されるように構成されており、第1一般入賞口47-1、第2一般入賞口47-2または第3一般入賞口47-3に1個の遊技球が進入するごとに、遊技者に対して所定個数(1個以上の規定数、例えば4個または7個)の遊技球が払い出されるが、特別抽選は行われない。
【0025】
詳細には本実施形態では、第1一般入賞口47-1に進入した遊技球が通過する経路には、第1一般入賞口47-1に進入した遊技球を1個ずつ検出するセンサが設けられている。そして、第1一般入賞口47-1に進入した遊技球が検出されるごとに、遊技者に対して4個の遊技球が払い出される。
【0026】
一方、第2一般入賞口47-2に進入した遊技球が通過する経路と、第3一般入賞口47-3に進入した遊技球が通過する経路は、内部で1つの経路にまとめられるように合流(接続)しており、合流した経路に、第2一般入賞口47-2または第3一般入賞口47-3に進入した遊技球を1個ずつ検出するセンサが設けられている。そして、第2一般入賞口47-1または第3一般入賞口47-2に進入した遊技球が検出されるごとに、遊技者に対して7個の遊技球が払い出される。
【0027】
また液晶ディスプレイ32の右側の遊技領域4には、遊技球が遊技機内部に回収されずに通過する通過ゲート48が設けられている。この通過ゲート48は、遊技球が通過したことを検出するセンサを内蔵し、通過ゲート48を遊技球が通過するたびに、乱数値を取得して普通当たりの当否を決定する普通抽選が行われる。
【0028】
また液晶ディスプレイ32の右側の遊技領域4の下部には、遊技球が進入すると遊技球が遊技機内部に回収される第2始動入賞口50(所定領域、第3領域)が設けられている。この第2始動入賞口50は、第2始動入賞口50に進入した遊技球を1個ずつ検出するセンサを内蔵するとともに、第2始動入賞口50に遊技球が進入しにくい縮小状態(進入を補助しない状態・非補助状態)と遊技球が進入しやすい拡大状態(進入を補助する状態・補助状態)との間で動作可能な補助部材を備える普通役物52(補助手段)が設けられている。そして普通役物52は、補助部材を動作させるソレノイドなどの駆動装置を内蔵しており、普通抽選で普通当たりが当選すると所定条件下で拡大状態となるように制御される。そして第2始動入賞口50に1個の遊技球が進入するごとに、遊技者に対して所定個数(1個以上の規定数、例えば1個)の遊技球が払い出されるとともに、乱数値を取得して大当たりまたは小当たりの当否を決定する特別抽選が行われる。
【0029】
また液晶ディスプレイ32の右側の遊技領域4には、第2始動入賞口50の左上方に、遊技球が進入すると遊技球が遊技機内部に回収される第4一般入賞口47-4が設けられている。そして第4一般入賞口47-4は、第4一般入賞口47-4に進入した遊技球を1個ずつ検出するセンサを内蔵し、遊技球が進入すると遊技球が遊技機内部に回収されるように構成されており、第4一般入賞口47-4に1個の遊技球が進入するごとに、遊技者に対して所定個数(1個以上の規定数、例えば3個)の遊技球が払い出されるが、特別抽選は行われない。
【0030】
また液晶ディスプレイ32の右側の遊技領域4には、通過ゲート48の下方に、遊技球が進入すると遊技球が遊技機内部に回収される第1大入賞口54が設けられている。この第1大入賞口54は、第1大入賞口54に進入した遊技球を1個ずつ検出するセンサを内蔵するとともに、第1大入賞口54を塞ぐ板状部材を備える第1特別役物56が設けられており、第1特別役物56は、第1大入賞口54に遊技球が進入不可能な閉状態(第2状態、進入不可状態)と遊技球が進入可能な開状態(第1状態、進入可能状態)との間で動作可能に構成されている。そして第1特別役物56は、板状部材を動作させるソレノイドなどの駆動装置を内蔵しており、特別抽選で小当たりが当選すると開始される小当たり遊技において所定条件下で開状態となるように制御される。そして第1大入賞口54に1個の遊技球が進入するごとに、遊技者に対して所定個数(例えば9個)の遊技球が払い出される。
【0031】
また液晶ディスプレイ32の右側の遊技領域4には、第1大入賞口54の下方に、遊技球が進入すると遊技球が遊技機内部に回収される第2大入賞口58が設けられている。この第2大入賞口58は、第2大入賞口58に進入した遊技球を1個ずつ検出するセンサを内蔵するとともに、第2大入賞口58を塞ぐ板状部材を備える第2特別役物60が設けられており、第2特別役物60は、第2大入賞口58に遊技球が進入不可能な閉状態(第2状態、進入不可状態)と遊技球が進入可能な開状態(第1状態、進入可能状態)との間で動作可能に構成されている。そして第2特別役物60は、板状部材を動作させるソレノイドなどの駆動装置を内蔵しており、特別抽選で大当たりが当選すると開始される大当たり遊技において所定条件下で開状態となるように制御される。そして第2大入賞口58に1個の遊技球が進入するごとに、遊技者に対して所定個数(例えば9個)の遊技球が払い出される。
【0032】
図3(A)および図3(B)は、第1特別役物56が開状態となっている第1大入賞口54を示す斜視図である。本実施形態の第1大入賞口54は、図3(A)に示すように、第1大入賞口54の内部の左側に設けられ遊技球が進入可能な特定領域64と、第1大入賞口54の内部の右側に設けられ遊技球が進入可能な通常領域66から構成されている。このうち特定領域64は、遊技球が進入したことを検出するセンサを内蔵するとともに、特定領域64を塞ぐ板状部材を備える特定役物68が設けられており、特定役物68は、図3(A)に示すように特定領域64に遊技球が進入可能な開状態(進入可能状態)と、図3(B)に示すように特定領域64に遊技球が進入不可能な閉状態(進入不可状態)との間で動作可能に構成されている。そして特定役物68は、板状部材を動作させるソレノイドなどの駆動装置を内蔵しており、小当たり遊技において所定条件下で開状態となるように制御される。そして、第1特別役物56が開状態となることにより遊技球が第1大入賞口54に進入したときに、特定役物68が開状態となっていれば特定領域64に遊技球が進入することができ、特定役物68が開状態となっていなければ特定領域64に遊技球が進入することができないようになっている。
【0033】
また通常領域66は、遊技球が進入したことを検出するセンサを内蔵するが、通常領域66を塞ぐ板状部材は設けられておらず、第1特別役物56が開状態となれば遊技球が進入することができるようになっている。
【0034】
従って、第1特別役物56が開状態となることにより遊技球が第1大入賞口54に進入したときに、特定役物68が開状態となっている場合には、遊技球が特定領域64または通常領域66に進入するようになっており、特定役物68が閉状態となっている場合には、遊技球が特定領域64に進入せずに通常領域66に進入するようになっている。
【0035】
また図2に示すように、遊技領域4の最下部には、いずれの入賞口にも進入せずに遊技領域4を落下した遊技球を遊技機内部に回収するアウト口69が設けられている。
【0036】
そして遊技球の発射装置は、図1で示したグリップユニット20の回転量を調整することにより遊技球の射出力が変化するように構成されており、グリップユニット20の回転量が少ない場合には液晶ディスプレイ32の左側の遊技領域4を遊技球が落下するように遊技球が発射され、グリップユニット20の回転量が多い場合には液晶ディスプレイ32の右側の遊技領域40を遊技球が落下するように遊技球が発射される。
【0037】
従って遊技者は、遊技状況に応じてグリップユニット20の回転量を調整し、遊技球が左側の遊技領域40を落下して、開口40と通路42とステージ44を通過して第1始動入賞口46に進入するように、あるいは第1一般入賞口47-1、第2一般入賞口47-2、第3一般入賞口47-3に進入するように遊技球を発射させたり(左打ち)、遊技球が右側の遊技領域4を落下して、通過ゲート48を遊技球が通過するように、あるいは第4一般入賞口47-4、第2始動入賞口50、第1大入賞口54、第2大入賞口58に遊技球が進入するように遊技球を発射させたりする(右打ち)。
【0038】
ここで本実施形態の遊技機では、遊技球が左側の遊技領域4を落下する場合には、通過ゲート48を遊技球が通過することがなく、第4一般入賞口47-4、第2始動入賞口50、第1大入賞口54、第2大入賞口58に遊技球が進入することがなく、また遊技球が右側の遊技領域4を落下する場合には、第1始動入賞口46、第1一般入賞口47-1、第2一般入賞口47-2、第3一般入賞口47-3に遊技球が進入することがないようになっている。
【0039】
なお図2では、第1始動入賞口46、第1一般入賞口47-1、第2一般入賞口47-2、第3一般入賞口47-3および第4一般入賞口47-4の直上に、第1始動入賞口46、第1一般入賞口47-1、第2一般入賞口47-2、第3一般入賞口47-3および第4一般入賞口47-4のそれぞれへの遊技球の進入を調整する2本の遊技釘が描かれているが、遊技盤6の表面にはこの他にも多数の遊技釘が打ち付けられている。
【0040】
また遊技盤6の右下部であって、遊技領域4の外側には、遊技者が右打ちを行うべきことを報知する右打ちランプ70が設けられている。また右打ちランプ70の下方には、遊技機の各種状態をランプ等の点灯および消灯により示す状態表示部71が設けられている。
【0041】
図4は、状態表示部71の外観構成を示す正面図である。状態表示部71は、図4に示すように、普通図柄表示部72、普通保留表示部74、第1特別図柄表示部76、第1特別保留表示部78、第2特別図柄表示部80、第2特別保留表示部82、遊技状態表示部84が設けられている。
【0042】
普通図柄表示部72は、2つのランプにより構成され、普通抽選が行われる場合に2つのランプを点滅させることにより普通図柄を変動表示し、2つのランプを点灯または消灯させることにより普通図柄を停止表示して、普通抽選の結果を表示する。
【0043】
普通保留表示部74は、2つのランプにより構成され、通過ゲート48を遊技球が通過した時点で既に普通図柄が変動表示中または停止表示中である場合など、普通抽選用乱数値を取得しても普通抽選を行うことができないことにより普通抽選用乱数値が保留された場合に、保留されている普通抽選用乱数値の数に対応する普通保留数を表示するものであり、2つのランプを点灯または消灯または点滅させることの組み合わせによって、0~4個の普通保留数を表示する。
【0044】
第1特別図柄表示部76は、7セグメントディスプレイにより構成され、第1始動入賞口46に遊技球が進入することにより特別抽選が行われる場合に、7セグメントディスプレイを点滅させることにより第1特別図柄を変動表示し、7セグメントディスプレイを複数種類の態様のうちいずれかの態様で点灯させることにより第1特別図柄を停止表示して、特別抽選の結果を表示する。
【0045】
第1特別保留表示部78は、2つのランプにより構成され、第1始動入賞口46に遊技球が進入した時点で既に第1特別図柄または第2特別図柄が変動表示中または停止表示中である場合など、特別抽選用乱数値を取得しても特別抽選を行うことができないことにより特別抽選用乱数値が第1特別乱数値として保留された場合に、保留されている第1特別乱数値の数に対応する第1特別保留数を表示するものであり、2つのランプを点灯または消灯または点滅させることの組み合わせによって、0~4個の第1特別保留数を表示する。
【0046】
第2特別図柄表示部80は、7セグメントディスプレイにより構成され、第2始動入賞口50に遊技球が進入することにより特別抽選が行われる場合に、7セグメントディスプレイを点滅させることにより第2特別図柄を変動表示し、7セグメントディスプレイを複数種類の態様のうちいずれかの態様で点灯させることにより第2特別図柄を停止表示して、特別抽選の結果を表示する。
【0047】
第2特別保留表示部82は、2つのランプにより構成され、第2始動入賞口50に遊技球が進入した時点で既に第1特別図柄または第2特別図柄が変動表示中または停止表示中である場合など、特別抽選用乱数値を取得しても特別抽選を行うことができないことにより特別抽選用乱数値が第2特別乱数値として保留された場合に、保留されている第2特別乱数値の数に対応する第2特別保留数を表示するものであり、2つのランプを点灯または消灯または点滅させることの組み合わせによって、0~4個の第2特別保留数を表示する。
【0048】
遊技状態表示部84は、6つのランプにより構成され、6つのランプを点灯または消灯または点滅させることの組み合わせによって、現在設定されている遊技状態の種類を表示する。本実施形態では、通常状態(第2制御状態)と、特別抽選で大当たりが当選すると開始される特別遊技状態と、第1特別図柄あるいは第2特別図柄の変動時間を短縮させて特別抽選の実行契機を頻繁に到来させる時短状態(第1制御状態)の3種類の遊技状態が設定可能となっており、6つのランプを点灯または消灯または点滅させることの組み合わせによって、いずれの遊技状態に設定されているかを表示する。
【0049】
図5は、本実施形態の遊技機の機能ブロック図である。本実施形態の遊技機は、メイン基板100(遊技制御手段)およびサブ基板102を含む制御基板によって制御される。そしてメイン基板100やサブ基板102等の各基板の機能は、各種のプロセッサ(CPU、DSPなど)、ASIC(ゲートアレイなど)、ROM(情報記憶媒体の一例)、あるいはRAMなどのハードウェアや、ROMなどに予め記憶されている所与のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。
【0050】
メイン基板100は、通過ゲート48を通過する遊技球を1個ずつ検出する通過ゲートセンサ104、第1始動入賞口46に進入した遊技球を1個ずつ検出する第1始動入賞口センサ106、第2始動入賞口50に進入した遊技球を1個ずつ検出する第2始動入賞口センサ107、第1大入賞口54に進入した遊技球を1個ずつ検出する第1大入賞口センサ108、第2大入賞口58に進入した遊技球を1個ずつ検出する第2大入賞口センサ109、特定領域64に進入した遊技球を1個ずつ検出する特定領域センサ110、第1一般入賞口47-1に進入した遊技球を1個ずつ検出する第1一般入賞口センサ111、第2一般入賞口47-2または第3一般入賞口47-3に進入した遊技球を1個ずつ検出する第2一般入賞口センサ112、第4一般入賞口47-4に進入した遊技球を1個ずつ検出する第3一般入賞口センサ113、遊技球を1個払い出すごとに作動する払出センサ116等の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて、状態表示駆動装置120、普通役物駆動装置122、第1特別役物駆動装置124、第2特別役物駆動装置126、特定役物駆動装置128、払出装置130等の出力手段の動作制御を行う。
【0051】
またサブ基板102は、メイン基板100から送られてくる信号や、演出ボタンスイッチ150からの入力信号を受けて、遊技の進行状況に合わせた演出を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて、演出表示装置170、音響装置172、演出物駆動装置174等の演出装置176の動作制御を行う。
【0052】
そしてメイン基板100は、乱数発生手段210、普通抽選手段220、普通表示制御手段222、普通役物制御手段224、特別抽選手段230、特別表示制御手段240、小当たり遊技実行手段250、大当たり遊技実行手段252、遊技状態移行制御手段260、払出制御手段270、通信制御手段280、メインメモリ290とを含んで構成されている。
【0053】
乱数発生手段210は、抽選用の乱数値を発生させる手段であり、ハードウェア乱数を発生させる乱数発生器や、ソフトウェア乱数を発生させるプログラムにより実現される。ソフトウェア乱数は、例えば、インクリメントカウンタ(所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ)のカウント値に基づいて発生させることができる。なお本実施形態において「乱数値」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、その発生自体は規則的であっても、その取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
【0054】
普通抽選手段220は、通過ゲート48を通過する遊技球を1個ずつ検出する通過ゲートセンサ104から検出信号が入力されたことに基づいて、乱数発生手段210から普通抽選用乱数値(抽選情報)を取得してメインメモリ290の普通乱数記憶手段2912に格納し、普通乱数記憶手段2912から読み出した普通抽選用乱数値について普通当たりの当否などを決定する普通抽選を行う。
【0055】
詳細には普通乱数記憶手段2912には、取得した普通抽選用乱数値を格納する記憶領域として、普通保留記憶領域1~普通保留記憶領域4の4つの普通保留記憶領域が設けられている。そして、普通乱数記憶手段2912とは別に、普通乱数記憶手段2912の普通保留記憶領域1から読み出して普通抽選を行った普通抽選用乱数値を普通図柄の変動表示および停止表示が終了するまで格納する記憶領域として、1つの当該普通保留記憶領域が設けられている。そして普通抽選手段220は、乱数発生手段210から普通抽選用乱数値を取得すると、普通保留記憶領域1~普通保留記憶領域4のいずれにも普通抽選用乱数値が格納されていない状態では、取得した普通抽選用乱数値をまずは普通保留記憶領域1に格納する。そして普通保留記憶領域1に普通抽選用乱数値が格納された時点で、普通図柄が変動表示中または停止表示中でない場合には、すなわち当該普通保留記憶領域に普通抽選用乱数値が格納されていない場合には、直ちに普通保留記憶領域1から普通抽選用乱数値を読み出して普通抽選を行い、普通抽選を行った普通抽選用乱数値を当該普通保留記憶領域に格納する。一方、普通図柄が変動表示中または停止表示中である場合には、すなわち当該普通保留記憶領域に普通抽選用乱数値が格納されている場合には、普通保留記憶領域1において普通抽選用乱数値を保留する。
【0056】
そして、普通保留記憶領域1において普通抽選用乱数値が保留されている状態で更に通過ゲートセンサ104から検出信号が入力されて普通抽選用乱数値が取得された場合には、普通抽選手段220は、普通保留記憶領域1~普通保留記憶領域4において保留されている普通抽選用乱数値の数が4個未満であることを条件に、すなわち普通保留数が4個未満であることを条件に、普通保留記憶領域1~普通保留記憶領域4のうち普通抽選用乱数値が保留されていない普通保留記憶領域であって序数が最小である普通保留記憶領域に普通抽選用乱数値を格納する。
【0057】
そして普通抽選手段220は、普通図柄の変動表示および停止表示が終了すると、当該普通保留記憶領域に格納されている普通抽選用乱数値を消去し、普通保留記憶領域1において普通抽選用乱数値が保留されている場合には、普通保留記憶領域1から普通抽選用乱数値を読み出して普通抽選を行い、普通抽選を行った普通抽選用乱数値を当該普通保留記憶領域に格納する。ここで、普通保留記憶領域2以降に普通抽選用乱数値が残存している場合には、残存している普通抽選用乱数値を元の普通保留記憶領域から序数が1つ小さい普通保留記憶領域に移動させる。例えば、普通保留記憶領域2~普通保留記憶領域3に普通抽選用乱数値が残存している場合には、普通保留記憶領域1~普通保留記憶領域2に移動させる。
【0058】
こうして普通乱数記憶手段2912では、普通抽選が行われた普通抽選用乱数値が当該普通保留記憶領域において1個を上限として保留され、普通抽選が行われていない普通抽選用乱数値が普通保留記憶領域1~普通保留記憶領域4において4個を上限として保留される。
【0059】
以下では、普通抽選の詳細について説明する。普通抽選手段220は、普通抽選として、普通当たり決定処理、普通変動パターン決定処理などを行う。
【0060】
普通当たり決定処理は、普通当たりの当否を決定する処理である。普通当たり決定処理では、普通抽選手段220は、メインメモリ290の抽選テーブル記憶手段2910に記憶されている複数種類の普通抽選テーブルのうち、いずれの普通抽選テーブルを参照して乱数判定処理を行うかを遊技状態に応じて決定する。
【0061】
本実施形態の遊技機では、抽選テーブル記憶手段2910に普通抽選テーブルAおよび普通抽選テーブルBが記憶されており、各普通抽選テーブルでは、0~99の100個の普通抽選用乱数値のそれぞれに対して、普通当たりまたはハズレが対応づけられている。詳細には普通抽選テーブルAでは、約1/20の確率で普通当たりが当選するように、普通当たりまたはハズレと複数の乱数値との対応関係が設定され、普通抽選テーブルBでは、約19/20の確率で普通当たりが当選するように、普通当たりまたはハズレと0~99の普通抽選用乱数値との対応関係が設定されている。そして普通抽選手段220は、遊技状態が時短状態でない場合には、普通抽選テーブルAを選択し、遊技状態が時短状態である場合には、普通抽選テーブルBを選択する。
【0062】
そして普通抽選手段220は、選択した普通抽選テーブルを参照して、普通乱数記憶手段2912の普通保留記憶領域1から読み出した1つの普通抽選用乱数値が普通当たりに対応づけられているか否かを判定することにより、普通当たりが当選したか否かを判定する。
【0063】
そして普通抽選手段220は、普通当たりが当選した場合には、メインメモリ290のフラグ記憶手段2916において、普通当たりの当選フラグをON状態に設定し、ハズレとなった場合には、普通当たりの当選フラグをOFF状態に設定する。
【0064】
普通変動パターン決定処理は、遊技状態に応じて普通図柄の変動パターンを複数の変動パターンのいずれにするかを決定する処理である。普通変動パターン決定処理では、普通抽選手段220は、遊技状態が時短状態でない場合には、普通図柄の変動パターンを普通変動パターン1に決定し、遊技状態が時短状態である場合には、普通図柄の変動パターンを普通変動パターン2に決定する。
【0065】
普通表示制御手段222は、普通抽選の抽選結果に基づいて状態表示駆動装置120を制御する手段であって、普通図柄表示制御処理、普通保留表示制御処理を行う。
【0066】
普通図柄表示制御処理では、普通表示制御手段222は、普通変動パターン決定処理において決定された普通図柄の変動パターンに応じた変動時間が経過するまで、普通図柄表示部72の2つのランプを点滅させることにより普通図柄を変動表示させ、普通当たり決定処理において普通当たりが当選したか否かに応じて、普通図柄表示部72の2つのランプを点灯または消灯させることにより普通図柄を停止表示させることにより、普通図柄表示部72に普通抽選の結果を表示させる。
【0067】
詳細には本実施形態では、普通図柄の変動パターンが普通変動パターン1である場合には普通図柄の変動時間が20秒に設定され、普通図柄の変動パターンが普通変動パターン2である場合には普通図柄の変動時間が1秒に設定される。従って本実施形態では、普通抽選が行われた時点の遊技状態が時短状態でない場合には、普通図柄の変動パターンが普通変動パターン1に決定されることにより普通図柄の変動時間が20秒に設定され、普通抽選が行われた時点の遊技状態が時短状態である場合には、普通図柄の変動パターンが普通変動パターン2に決定されることにより普通図柄の変動時間が1秒に設定されるため、遊技状態が時短状態でない場合の方が、普通抽選の実行契機が頻繁に到来するようになっている。
【0068】
普通保留表示制御処理では、普通表示制御手段222は、普通乱数記憶手段2912に格納されている普通抽選用乱数値の数に応じて、普通保留表示部74の2つのランプを点灯または消灯または点滅させることの組み合わせによって、0~4個の普通保留数を表示する。
【0069】
普通役物制御手段224は、普通抽選の抽選結果に基づいて普通役物駆動装置122を制御する手段であって、普通役物制御処理1、普通役物制御処理2などを行う。
【0070】
普通役物制御処理1では、遊技状態が時短状態でない場合に、普通図柄が普通当たりの当選を示す態様で停止表示されたことを契機として、0.1秒が経過するまで普通役物52が拡大状態となってから縮小状態に復帰するように普通役物駆動装置122の駆動制御が行われる。
【0071】
普通役物制御処理2では、遊技状態が時短状態である場合に、普通図柄が普通当たりの当選を示す態様で停止表示されたことを契機として、2秒が経過するまで普通役物52が拡大状態となってから縮小状態に復帰するように普通役物駆動装置122の駆動制御が行われる。
【0072】
従って普通役物制御処理1では、第2始動入賞口50への遊技球の進入しやすさがほとんど増加しないように普通役物52が動作するが、普通役物制御処理2では、第2始動入賞口50への遊技球の進入しやすさが増加するように普通役物52が動作する。
【0073】
特別抽選手段230は、第1始動入賞口46に進入する遊技球を1個ずつ検出する第1始動入賞口センサ106から検出信号が入力されたことに基づいて、乱数発生手段210から特別抽選用乱数値(抽選情報)を取得して、メインメモリ290の特別乱数記憶手段2914に第1特別乱数値(第1抽選情報)として格納する。また特別抽選手段230は、第2始動入賞口50に進入する遊技球を1個ずつ検出する第2始動入賞口センサ107から検出信号が入力されたことに基づいて、乱数発生手段210から特別抽選用乱数値(抽選情報)を取得して、特別乱数記憶手段2914に第2特別乱数値(第2抽選情報)として格納する。そして特別抽選手段230は、特別乱数記憶手段2914から読み出した第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値を用いて、大当たりまたは小当たりの当否などを決定する特別抽選を行う。
【0074】
詳細には特別乱数記憶手段2914には、取得した第1特別乱数値を格納する記憶領域として第1特別保留記憶領域1~第1特別保留記憶領域4の4つの第1特別保留記憶領域が設けられ、取得した第2特別乱数値を格納する記憶領域として第2特別保留記憶領域1~第2特別保留記憶領域4の4つの第2特別保留記憶領域が設けられ、第1特別保留記憶領域1あるいは第2特別保留記憶領域1から読み出して特別抽選を行った第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値を第1特別図柄あるいは第2特別図柄の変動表示および停止表示が終了するまで格納する記憶領域として、1つの当該特別保留記憶領域が設けられている。
【0075】
そして特別抽選手段230は、第1始動入賞口センサ106から検出信号が入力されたことに基づいて特別抽選用乱数値を取得すると、第1特別保留記憶領域1~第1特別保留記憶領域4のいずれにも第1特別乱数値が格納されていない状態では、取得した特別抽選用乱数値をまずは第1特別保留記憶領域1に第1特別乱数値として格納する。そして第1特別保留記憶領域1に第1特別乱数値が格納された時点で、第1特別図柄あるいは第2特別図柄が変動表示中または停止表示中でなく、すなわち当該特別保留記憶領域に第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値が格納されておらず、第2特別保留記憶領域1~第2特別保留記憶領域4のいずれにも第2特別乱数値が格納されておらず、かつ遊技状態が特別遊技状態でない場合には、直ちに第1特別保留記憶領域1から第1特別乱数値を読み出して特別抽選を行い、特別抽選を行った第1特別乱数値を当該特別保留記憶領域に格納する。一方、第1特別図柄あるいは第2特別図柄が変動表示中または停止表示中であるか、すなわち当該特別保留記憶領域に第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値が格納されているか、第2特別保留記憶領域1~第2特別保留記憶領域4のいずれかに第2特別乱数値が格納されているか、または遊技状態が特別遊技状態である場合には、第1特別保留記憶領域1において第1特別乱数値を保留する。
【0076】
そして、第1特別保留記憶領域1において第1特別乱数値が保留されている状態で更に第1始動入賞口センサ106から検出信号が入力されて特別抽選用乱数値が取得された場合には、特別抽選手段230は、第1特別保留記憶領域1~第1特別保留記憶領域4において保留されている第1特別乱数値の数が4個未満であることを条件に、すなわち第1特別保留数が4個未満であることを条件に、第1特別保留記憶領域1~第1特別保留記憶領域4のうち第1特別乱数値が保留されていない保留記憶領域であって序数が最小である第1特別保留記憶領域に第1特別乱数値として格納する。
【0077】
また特別抽選手段230は、第2始動入賞口センサ107から検出信号が入力されたことに基づいて特別抽選用乱数値を取得すると、第2特別保留記憶領域1~第2特別保留記憶領域4のいずれにも第2特別乱数値が格納されていない状態では、取得した特別抽選用乱数値をまずは第2特別保留記憶領域1に第2特別乱数値として格納する。そして第2特別保留記憶領域1に第2特別乱数値が格納された時点で、第1特別図柄あるいは第2特別図柄が変動表示中または停止表示中でなく、すなわち当該特別保留記憶領域に第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値が格納されておらず、かつ遊技状態が特別遊技状態でない場合には、直ちに第2特別保留記憶領域1から第2特別乱数値を読み出して特別抽選を行い、特別抽選を行った第2特別乱数値を当該特別保留記憶領域に格納する。一方、第1特別図柄あるいは第2特別図柄が変動表示中または停止表示中であるか、すなわち当該特別保留記憶領域に第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値が格納されているか、または遊技状態が特別遊技状態である場合には、第2特別保留記憶領域1において第2特別乱数値を保留する。
【0078】
そして、第2特別保留記憶領域1において第2特別乱数値が保留されている状態で更に第2始動入賞口センサ107から検出信号が入力されて特別抽選用乱数値が取得された場合には、特別抽選手段230は、第2特別保留記憶領域1~第2特別保留記憶領域4において保留されている第2特別乱数値の数が4個未満であることを条件に、すなわち第2特別保留数が4個未満であることを条件に、第2特別保留記憶領域1~第2特別保留記憶領域4のうち第2特別乱数値が保留されていない第2特別保留記憶領域であって序数が最小である第2特別保留記憶領域に第2特別乱数値として格納する。
【0079】
そして特別抽選手段230は、第1特別図柄あるいは第2特別図柄の変動表示および停止表示が終了すると、当該特別保留記憶領域に格納されている第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値を消去する。そして、第1特別保留記憶領域1に第1特別乱数値が格納されている場合には、第2特別保留記憶領域1~第2特別保留記憶領域4のいずれにも第2特別乱数値が格納されておらず、かつ遊技状態が特別遊技状態でないことを条件に、第1特別保留記憶領域1から第1特別乱数値を読み出して特別抽選を行い、特別抽選を行った第1特別乱数値を当該特別保留記憶領域に格納する。一方、第2特別保留記憶領域1~第2特別保留記憶領域4のいずれかに第2特別乱数値が格納されている場合には、第1特別保留記憶領域1~第1特別保留記憶領域4のいずれかに第1特別乱数値が格納されていたとしても、遊技状態が特別遊技状態でないことを条件に、第2特別保留記憶領域1から第2特別乱数値を読み出して特別抽選を行い、特別抽選を行った第2特別乱数値を当該特別保留記憶領域に格納する。すなわち本実施形態では、第1特別乱数値よりも第2特別乱数値を優先して消化する。なお、第1特別乱数値であるか第2特別乱数値であるかに関わらず、特別乱数記憶手段2914に格納された順序で第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値を読み出して特別抽選を行うようにしてもよい。すなわち第1始動入賞口46あるいは第2始動入賞口50に遊技球が進入した順序で第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値を読み出して特別抽選を行うようにしてもよい。
【0080】
そして、第1特別保留記憶領域1から第1特別乱数値を読み出した時点で、第1特別保留記憶領域2以降に第1特別乱数値が残存している場合には、あるいは第2特別保留記憶領域1から第2特別乱数値を読み出した時点で、第2特別保留記憶領域2以降に第2特別乱数値が残存している場合には、残存している第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値を元の特別保留記憶領域から序数が1つ小さい特別保留記憶領域に移動させる。例えば、第1特別保留記憶領域1から第1特別乱数値を読み出した時点で、第1特別保留記憶領域2~第1特別保留記憶領域4のそれぞれに第1特別乱数値が残存している場合には、第1特別保留記憶領域2~第1特別保留記憶領域4のそれぞれに格納されている第1特別乱数値を、第1特別保留記憶領域1~第1特別保留記憶領域3のそれぞれに移動させ、第2特別保留記憶領域1から第2特別乱数値を読み出した時点で、第2特別保留記憶領域2~第2特別保留記憶領域3のそれぞれに第2特別乱数値が残存している場合には、第2特別保留記憶領域2~第2特別保留記憶領域3のそれぞれに格納されている第2特別乱数値を、第2特別保留記憶領域1~第2特別保留記憶領域2のそれぞれに移動させる。
【0081】
こうして特別乱数記憶手段2914では、特別抽選が行われた第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値が当該特別保留記憶領域において1個を上限として保留され、特別抽選が行われていない第1特別乱数値が第1特別保留記憶領域1~第1特別保留記憶領域4において4個を上限として保留され、特別抽選が行われていない第2特別乱数値が第2特別保留記憶領域1~第2特別保留記憶領域4において4個を上限として保留される。
【0082】
以下では、特別抽選の詳細について説明する。特別抽選手段230は、第1始動入賞口センサ106あるいは第2始動入賞口センサ107から検出信号が入力されたことに基づいて、特別抽選用乱数値として、大当たり決定乱数値、図柄決定乱数値、変動グループ決定乱数値、第1変動パターン決定乱数値および第2変動パターン決定乱数値などの複数種類の乱数値を取得し、これらの複数種類の乱数値を特別乱数記憶手段2914に第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値として格納する。そして特別抽選手段230は、特別抽選として、大当たり決定処理、図柄決定処理、変動グループ決定処理、第1変動パターン決定処理および第2変動パターン決定処理などを行う。
【0083】
大当たり決定処理は、特別乱数記憶手段2914の第1特別保留記憶領域1あるいは第2特別保留記憶領域1に格納されている第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値に含まれる1つの大当たり決定乱数値を読み出して、大当たりまたは小当たりの当否を決定する処理である。ここで1つの大当たり決定乱数値は、第1始動入賞口センサ106あるいは第2始動入賞口107から検出信号が入力されたことに基づいて、0~65535の65536個の大当たり決定乱数値から取得され、特別乱数記憶手段2914に第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値として格納されたものである。
【0084】
そして大当たり決定処理では、特別抽選手段230は、メインメモリ290の抽選テーブル記憶手段2910に記憶されている複数種類の大当たり抽選テーブルのうちいずれを参照して乱数判定処理を行うかを、読み出した1つの大当たり決定乱数値が第1特別乱数値として格納されていたか第2特別乱数値として格納されていたかに応じて選択する。
【0085】
本実施形態の遊技機では、抽選テーブル記憶手段2910に、図6に示すような大当たり抽選テーブルAおよび大当たり抽選テーブルBが記憶されている。そして各大当たり抽選テーブルでは、0~65535の65536個の大当たり決定乱数値のそれぞれに対して、大当たりまたは小当たりが対応づけられている。詳細には大当たり抽選テーブルAでは、約1/199の確率で大当たりが当選するように、大当たりまたはハズレと0~65535の大当たり決定乱数値との対応関係が設定され、大当たり抽選テーブルBでは、約1/199の確率で大当たりが当選するように、また約1/7の確率で小当たりが当選するように、大当たり、小当たりまたはハズレと0~65535の大当たり決定乱数値との対応関係が設定されている。そして特別抽選手段230は、読み出した1つの大当たり決定乱数値が第1特別乱数値として格納されていた場合には、大当たり抽選テーブルAを選択し、読み出した1つの大当たり決定乱数値が第2特別乱数値として格納されていた場合には、大当たり抽選テーブルBを選択する。
【0086】
そして特別抽選手段230は、選択した大当たり抽選テーブルを参照して、読み出した1つの大当たり決定乱数値が大当たりまたは小当たりに対応づけられているか否かを判定することにより、大当たりまたは小当たりが当選したか否かを決定する。
【0087】
そして特別抽選手段230は、大当たりが当選した場合には、フラグ記憶手段2916において、大当たりの当選フラグをON状態に設定し、小当たりが当選した場合には、フラグ記憶手段2916において、小当たりの当選フラグをON状態に設定し、ハズレとなった場合には、大当たりの当選フラグおよび小当たりの当選フラグをOFF状態に設定する。
【0088】
図柄決定処理は、大当たり決定処理で大当たりまたは小当たりが当選した場合に行われる処理であり、特別乱数記憶手段2914の第1特別保留記憶領域1あるいは第2特別保留記憶領域1に格納されている第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値に含まれる1つの図柄決定乱数値を読み出して、大当たりに当選した場合には、大当たり図柄(大当たりの種別)を、5ラウンド図柄Aおよび5ラウンド図柄Bのうちいずれにするかを決定し、小当たりに当選した場合には、小当たり図柄(小当たりの種別)を小当たり図柄Aおよび小当たり図柄Bのうちいずれにするかを決定する処理である。ここで1つの図柄決定乱数値は、第1始動入賞口センサ106あるいは第2始動入賞口センサ107から検出信号が入力されたことに基づいて、0~99の100個の図柄決定乱数値から取得され、特別乱数記憶手段2914に第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値として格納されたものである。
【0089】
そして図柄決定処理では、特別抽選手段230は、抽選テーブル記憶手段2910に記憶されている複数種類の図柄抽選テーブルのうちいずれを参照して乱数判定処理を行うかを、読み出した1つの図柄決定乱数値が第1特別乱数値として格納されていたか第2特別乱数値として格納されていたかに応じて選択する。本実施形態の遊技機では、抽選テーブル記憶手段2910に、図6に示すような図柄抽選テーブルA~図柄抽選テーブルCが記憶されている。
【0090】
詳細には図柄抽選テーブルAは、大当たりに当選した場合であって、読み出した1つの図柄決定乱数値が第1特別乱数値として格納されていた場合に選択され、約10/100の確率で5ラウンド図柄Aが当選し、約90/100の確率で5ラウンド図柄Bが当選するように、5ラウンド図柄Aまたは5ラウンド図柄Bと0~99の乱数値との対応関係が設定されている。
【0091】
また図柄抽選テーブルBは、大当たりに当選した場合であって、読み出した1つの図柄決定乱数値が第2特別乱数値として格納されていた場合に選択され、100/100の確率で2ラウンド図柄が当選するように、2ラウンド図柄と0~99の乱数値との対応関係が設定されている。
【0092】
また図柄抽選テーブルCは、小当たりに当選した場合に選択され、約25/100の確率で小当たり図柄Aが当選し、約75/100の確率で小当たり図柄Bが当選するように、小当たり図柄Aまたは小当たり図柄Bと0~99の乱数値との対応関係が設定されている。
【0093】
そして特別抽選手段230は、選択した図柄抽選テーブルを参照して、読み出した1つの図柄決定乱数値が複数種類の大当たり図柄あるいは複数種類の小当たり図柄のいずれに対応づけられているかを判定することにより、複数種類の大当たり図柄あるいは複数種類の小当たり図柄のいずれが当選したかを決定する。
【0094】
そして特別抽選手段230は、フラグ記憶手段2916において、当選した大当たり図柄あるいは小当たり図柄に対応する当選フラグをON状態に設定する。
【0095】
変動グループ決定処理は、大当たり決定処理でハズレであった場合に行われる処理であり、特別乱数記憶手段2914の第1特別保留記憶領域1あるいは第2特別保留記憶領域1に格納されている第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値に含まれる1つの変動グループ決定乱数値を読み出して、第1特別図柄あるいは第2特別図柄の変動パターンが属する変動グループをグループ0~グループ5のいずれにするかを決定する処理である。ここで1つの変動グループ決定乱数値は、第1始動入賞口センサ106あるいは第2始動入賞口センサ107から検出信号が入力されたことに基づいて、0~99の100個の変動グループ決定乱数値から取得され、特別乱数記憶手段2914に第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値として格納されたものである。
【0096】
そして変動グループ決定処理では、特別抽選手段230は、抽選テーブル記憶手段2910に記憶されている複数種類の変動グループ抽選テーブルのうちいずれを参照して乱数判定処理を行うかを、変動グループ決定処理を行う時点における第1特別保留数と第2特別保留数の合計である保留数および遊技状態に応じて選択する。
【0097】
本実施形態の遊技機では、抽選テーブル記憶手段2910に、図7に示すような変動グループ抽選テーブルA~変動グループ抽選テーブルDが記憶されている。そして各変動グループ抽選テーブルでは、0~99の100個の変動グループ決定乱数値のそれぞれに対して、グループ0~グループ5のいずれかが対応づけられている。そして特別抽選手段230は、変動グループ決定処理を行う時点における遊技状態が通常状態であって保留数が0~1個である場合には、変動グループ抽選テーブルAを選択し、遊技状態が通常状態であって保留数が2~3個である場合には、変動グループ抽選テーブルBを選択し、遊技状態が通常状態であって保留数が4~7個である場合には、変動グループ抽選テーブルCを選択し、遊技状態が時短状態である場合には、所定条件下で変動グループ抽選テーブルDを選択する。
【0098】
そして特別抽選手段230は、選択した変動グループ抽選テーブルを参照して、読み出した1つの変動グループ決定乱数値が複数種類の変動グループのいずれに対応づけられているかを判定することにより、複数種類の変動グループから1つの変動グループを決定する。
【0099】
従って変動グループ決定処理では、遊技状態が通常状態であって保留数が0~1個である場合には、グループ2、グループ3、グループ4およびグループ5のうちのいずれか1つが決定され、遊技状態が通常状態であって保留数が2~3個である場合には、グループ1、グループ2、グループ4およびグループ5のうちのいずれか1つが決定され、遊技状態が通常状態であって保留数が4~7個である場合には、グループ1、グループ2、グループ4およびグループ5のうちのいずれか1つが決定され、遊技状態が時短状態である場合には、保留数に関わらずグループ0、グループ4およびグループ5のうちのいずれか1つが決定される。
【0100】
第1変動パターン決定処理は、特別乱数記憶手段2914の第1特別保留記憶領域1あるいは第2特別保留記憶領域1に格納されている第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値に含まれる1つの第1変動パターン決定乱数値を読み出して、第1特別図柄あるいは第2特別図柄の変動表示のうちの前半部分(第1部分)に対応する前半変動パターンを、複数種類の前半変動パターンのいずれにするかを決定する処理である。ここで1つの第1変動パターン決定乱数値は、第1始動入賞口センサ106あるいは第2始動入賞口センサ107から検出信号が入力されたことに基づいて、0~99の100個の第1変動パターン決定乱数値から取得され、特別乱数記憶手段2914に第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値として格納されたものである。
【0101】
そして第1変動パターン決定処理では、特別抽選手段230は、抽選テーブル記憶手段2910に記憶されている複数種類の第1変動パターン抽選テーブルのうちいずれを参照して乱数判定処理を行うかを、大当たり決定処理でハズレとなった場合には変動グループ決定処理で決定された変動グループに応じて選択し、大当たり決定処理で大当たりまたは小当たりが決定された場合にはその時点の遊技状態と図柄決定処理で決定された図柄に応じて選択する。
【0102】
本実施形態の遊技機では、抽選テーブル記憶手段2910に、図8および図9に示すような第1変動パターン抽選テーブルA~第1変動パターン抽選テーブルJが記憶されている。そして各第1変動パターン抽選テーブルでは、0~99の100個の第1変動パターン決定乱数値のそれぞれに対して、複数種類の前半変動パターンとして前半変動パターンなし、前半変動パターン1~前半変動パターン7のいずれかが対応づけられている。
【0103】
そして特別抽選手段230は、図8に示すように、ハズレとなった場合であってグループ1が決定された場合には、第1変動パターン抽選テーブルAを選択し、ハズレとなった場合であってグループ2が決定された場合には、第1変動パターン抽選テーブルBを選択し、ハズレとなった場合であってグループ3が決定された場合には、第1変動パターン抽選テーブルCを選択し、ハズレとなった場合であってグループ4が決定された場合には、第1変動パターン抽選テーブルDを選択し、ハズレとなった場合であってグループ5が決定された場合には、第1変動パターン抽選テーブルEを選択し、ハズレとなった場合であってグループ0が決定された場合には、第1変動パターン抽選テーブルFを選択する。
【0104】
また、図9に示すように、通常状態において大当たりが当選し5ラウンド図柄A(特定図柄)または2ラウンド図柄(特定図柄)が決定されるか、小当たりが当選し小当たり図柄A(特定図柄)が決定された場合には、第1変動パターン抽選テーブルGを選択し、通常状態において大当たりが当選し5ラウンド図柄B(通常図柄)が決定されるか、小当たりが当選し小当たり図柄B(通常図柄)が決定された場合には、第1変動パターン抽選テーブルHを選択し、時短状態において大当たりが当選し5ラウンド図柄A(特定図柄)または2ラウンド図柄(特定図柄)が決定されるか、小当たりが当選し小当たり図柄A(特定図柄)が決定された場合には、第1変動パターン抽選テーブルIを選択し、時短状態において大当たりが当選し5ラウンド図柄B(通常図柄)が決定されるか、小当たりが当選し小当たり図柄B(通常図柄)が決定された場合には、第1変動パターン抽選テーブルJを選択する。
【0105】
そして特別抽選手段230は、選択した第1変動パターン抽選テーブルを参照して、読み出した1つの第1変動パターン決定乱数値が複数種類の前半変動パターンのいずれに対応づけられているかを判定することにより、複数種類の前半変動パターンから1つの前半変動パターンを決定する。
【0106】
従って第1変動パターン決定処理では、大当たり決定処理でハズレとなった場合には、図8に示す前半変動パターンなし、前半変動パターン1~前半変動パターン7のうちのいずれか1つが決定され、大当たりまたは小当たりが決定された場合には、図9に示す前半変動パターン5~前半変動パターン7のうちのいずれか1つが決定される。
【0107】
第2変動パターン決定処理は、特別乱数記憶手段2914の第1特別保留記憶領域1あるいは第2特別保留記憶領域1に格納されている第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値に含まれる1つの第2変動パターン決定乱数値を読み出して、第1特別図柄あるいは第2特別図柄の変動表示のうちの後半部分(第2部分)に対応する後半変動パターンを、複数種類の後半変動パターンのいずれにするかを決定する処理である。ここで1つの第2変動パターン決定乱数値は、第1始動入賞口センサ106あるいは第2始動入賞口センサ107から検出信号が入力されたことに基づいて、0~99の100個の第2変動パターン決定乱数値から取得され、特別乱数記憶手段2914に第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値として格納されたものである。
【0108】
そして第2変動パターン決定処理では、特別抽選手段230は、抽選テーブル記憶手段2910に記憶されている複数種類の第2変動パターン抽選テーブルのうちいずれを参照して乱数判定処理を行うかを、第1変動パターン決定処理で決定された前半変動パターンに応じて選択する。
【0109】
本実施形態の遊技機では、抽選テーブル記憶手段2910に、図10および図11に示すような第2変動パターン抽選テーブルA~第2変動パターン抽選テーブルHが記憶されている。そして各第2変動パターン抽選テーブルでは、0~99の100個の変動グループ決定乱数値のそれぞれに対して、リーチなし変動パターン1~リーチなし変動パターン3およびリーチ変動パターン1~リーチ変動パターン5のいずれかが対応づけられている。
【0110】
そして特別抽選手段230は、図10に示すように、ハズレとなった場合であって前半変動パターンなしが決定された場合には、第2変動パターン抽選テーブルAを選択し、ハズレとなった場合であって前半変動パターン1が決定された場合には、第2変動パターン抽選テーブルBを選択し、ハズレとなった場合であって前半変動パターン2~前半変動パターン4のいずれかが決定された場合には、第2変動パターン抽選テーブルCを選択し、ハズレとなった場合であって前半変動パターン5または前半変動パターン6が決定された場合には、第2変動パターン抽選テーブルDを選択し、ハズレとなった場合であって前半変動パターン6または前半変動パターン7が決定された場合には、第2変動パターン抽選テーブルEを選択する。
【0111】
また、図11に示すように、大当たりまたは小当たりが当選した場合であって前半変動パターン5が決定された場合には、第2変動パターン抽選テーブルFを選択し、大当たりまたは小当たりが決定された場合であって前半変動パターン6が決定された場合には、第2変動パターン抽選テーブルGを選択し、大当たりまたは小当たりが決定された場合であって前半変動パターン7が決定された場合には、第2変動パターン抽選テーブルHを選択する。
【0112】
なお、第1変動パターン抽選テーブルと第2変動パターン抽選テーブルとの対応関係は、1対1の関係でなくてもよく、決定された変動グループに応じて、第1変動パターン抽選テーブルと第2変動パターン抽選テーブルとの対応関係が変化するようにしてもよい。
【0113】
そして特別抽選手段230は、選択した第2変動パターン抽選テーブルを参照して、読み出した1つの第2変動パターン決定乱数値が複数種類のリーチなし変動パターンおよび複数種類のリーチ変動パターンのいずれに対応づけられているかを判定することにより、複数種類のリーチなし変動パターンおよび複数種類のリーチ変動パターンから1つの後半変動パターンを決定する。
【0114】
従って第2変動パターン決定処理では、ハズレとなった場合には、図10に示すリーチなし変動パターン1~リーチなし変動パターン3およびリーチ変動パターン1~リーチ変動パターン5のうちのいずれか1つが決定され、大当たりまたは小当たりが決定された場合には、図11に示すリーチ変動パターン1~リーチ変動パターン5のうちのいずれか1つが決定される。
【0115】
ここで本実施形態では、図8図11に示すように、複数種類の前半変動パターンと複数種類の後半変動パターンのそれぞれに変動時間が設定されている。詳細には、図8および図9に示すように、ハズレとなった場合の第1変動パターン決定処理で決定され得る前半変動パターンなし~前半変動パターン4には、0秒から10.5秒の比較的短い変動時間が設定され、ハズレとなった場合と大当たりまたは小当たりが決定された場合の双方で第1変動パターン決定処理で決定され得る前半変動パターン5~前半変動パターン7には、6秒から20秒の比較的長い変動時間が設定されている。
【0116】
また図10に示すように、ハズレとなった場合の第2変動パターン決定処理で決定され得るリーチなし変動パターン1~リーチなし変動パターン3には、1秒から3秒の比較的短い変動時間が設定され、ハズレとなった場合と大当たりまたは小当たりが決定された場合の双方の第2変動パターン決定処理で決定され得るリーチ変動パターン1~リーチ変動パターン5には、10秒から50秒の比較的長い変動時間が設定されている。
【0117】
従って、ハズレとなった場合であっても、第2変動パターン決定処理において、比較的長い変動時間が設定されているリーチ変動パターン1~リーチ変動パターン5が決定された場合には、大当たりまたは小当たりが決定されることに対する期待感を遊技者に抱かせることができる。
【0118】
また本実施形態では、ハズレとなり、遊技状態が通常状態であって保留数が0~1個である場合には、変動グループ決定処理では、図7に示す変動グループ抽選テーブルAが参照され、グループ3が決定されることがありつつグループ2が決定されやすくなることにより、第1変動パターン決定処理では、図8に示す第1変動パターン抽選テーブルBが参照されて、変動時間が1秒に設定されている前半変動パターン1や、変動時間が3秒に設定されている前半変動パターン2が決定されやすくなり、第2変動パターン決定処理では、図10に示す第2変動パターン抽選テーブルBまたは第2変動パターン抽選テーブルCが参照されて、変動時間が2秒に設定されているリーチなし変動パターン2あるいは変動時間が3秒に設定されているリーチなし変動パターン3が決定されやすくなる。
【0119】
また、ハズレとなり、遊技状態が通常状態であって保留数が2~3個である場合には、変動グループ決定処理では、図7に示す変動グループ抽選テーブルBが参照され、グループ2またはグループ3が決定されることがありつつグループ1が決定されやすくなることにより、第1変動パターン決定処理では、図8に示す第1変動パターン抽選テーブルAが参照されて、変動時間が1秒に設定されている前半変動パターン1が決定されやすくなり、第2変動パターン決定処理では、図10に示す第2変動パターン抽選テーブルBが参照されて、変動時間が2秒に設定されているリーチなし変動パターン2が決定されやすくなる。
【0120】
また、ハズレとなり、遊技状態が通常状態であって保留数が4~7個である場合には、変動グループ決定処理では、図7に示す変動グループ抽選テーブルCが参照され、グループ3が決定されることがなくグループ1が更に決定されやすくなることにより、第1変動パターン決定処理では、図8に示す第1変動パターン抽選テーブルAが参照されて、変動時間が1秒に設定されている前半変動パターン1が決定されやすくなり、第2変動パターン決定処理では、図10に示す第2変動パターン抽選テーブルBが参照されて、変動時間が2秒に設定されているリーチなし変動パターン2が決定されやすくなる。
【0121】
また、ハズレとなり、遊技状態が時短状態である場合には、保留数に関わらず、変動グループ決定処理では、図7に示す変動グループ抽選テーブルDが参照され、グループ0が決定されやすくなることにより、第1変動パターン決定処理では、図8に示す第1変動パターン抽選テーブルFが参照されて、変動時間が0秒に設定されている前半変動パターンなしが決定されやすくなり、第2変動パターン決定処理では、図10に示す第2変動パターン抽選テーブルAが参照されて、変動時間が1秒に設定されているリーチなし変動パターン1が決定されやすくなる。
【0122】
従って、ハズレとなった場合には、通常状態では保留数が多くなるほど、第1特別図柄あるいは第2特別図柄の変動時間として短い変動時間が設定されることが多くなるため、特別抽選の実行契機が到来する頻度を高くすることができる。更に、時短状態では保留数に関わらず、第1特別図柄あるいは第2特別図柄の変動時間としてより短い変動時間が設定されることが多くなるため、特別抽選の実行契機が到来する頻度をより高くすることができる。
【0123】
また特別抽選手段230は、上述したように、第1特別図柄あるいは第2特別図柄が変動表示中でなく、かつ遊技状態が特別遊技状態でなく、小当たり遊技の実行中でない場合に、特別乱数記憶手段2914から第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値を読み出して、特別抽選として大当たり決定処理、図柄決定処理、変動グループ決定処理、第1変動パターン決定処理および第2変動パターン決定処理などを行うが、特別乱数記憶手段2914に第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値を格納する際にも、事前判定処理として大当たり決定処理、図柄決定処理、変動グループ決定処理、第1変動パターン決定処理および第2変動パターン決定処理などを行う(事前判定手段)。
【0124】
詳細には特別抽選手段230(事前判定手段)は、第1始動入賞口センサ106あるいは第2始動入賞口センサ107から検出信号が入力されたことに基づいて、乱数発生手段210から特別抽選用乱数値を取得すると、第1特別保留記憶領域1~第1特別保留記憶領域4のいずれかに第1特別乱数値として格納する前に、あるいは第2特別保留記憶領域1~第2特別保留記憶領域4のいずれかに第2特別乱数値として格納する前に、その時点における遊技状態および保留数に応じて、第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値について事前判定処理として大当たり決定処理、図柄決定処理、変動グループ決定処理、第1変動パターン決定処理および第2変動パターン決定処理などを行う。
【0125】
すると特別抽選手段230は、事前判定処理としての大当たり決定処理、図柄決定処理、変動グループ決定処理、第1変動パターン決定処理および第2変動パターン決定処理のそれぞれの結果を含む事前判定結果を、事前判定処理の対象となった第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値に対応づけて、第1特別保留記憶領域1~第1特別保留記憶領域4のいずれか、あるいは第2特別保留記憶領域1~第2特別保留記憶領域4のいずれかに格納する。
【0126】
特別表示制御手段240は、特別抽選の抽選結果に基づいて状態表示駆動装置120を制御する手段であって、第1特別図柄表示制御処理、第2特別図柄表示制御処理、第1特別保留表示制御処理、第2特別保留表示制御処理を行う。
【0127】
第1特別図柄表示制御処理は、第1特別保留記憶領域1から第1特別乱数値が読み出されて特別抽選が行われた場合に行われる処理であり、特別表示制御手段240は、第1変動パターン決定処理で決定された前半変動パターンに応じた変動時間と、第2変動パターン決定処理で決定された後半変動パターンに応じた変動時間の合計の変動時間が経過するまで、第1特別図柄表示部76の7セグメントディスプレイを点滅させることにより第1特別図柄を変動表示させた後に、第1特別図柄表示部76の7セグメントディスプレイを所定の態様で点灯させることにより第1特別図柄を停止表示させる。
【0128】
本実施形態では、3種類の大当たり図柄、2種類の小当たり図柄およびハズレのそれぞれに対応して7セグメントディスプレイの表示態様が予め定められており、特別表示制御手段240は、大当たり決定処理で大当たりが当選したか否かに応じた態様で、そして大当たり決定処理で大当たりが当選した場合には図柄決定処理で決定された大当たり図柄に応じた態様で、第1特別図柄表示部76の7セグメントディスプレイを点灯させることにより第1特別図柄を停止表示させ、第1特別図柄表示部76に特別抽選の結果を表示させる。
【0129】
第2特別図柄表示制御処理は、第2特別保留記憶領域1から第2特別乱数値が読み出されて特別抽選が行われた場合に行われる処理であり、特別表示制御手段240は、第1変動パターン決定処理で決定された前半変動パターンに応じた変動時間と、第2変動パターン決定処理で決定された後半変動パターンに応じた変動時間の合計の変動時間が経過するまで、第2特別図柄表示部80の7セグメントディスプレイを点滅させることにより第2特別図柄を変動表示させた後に、第2特別図柄表示部80の7セグメントディスプレイを所定の態様で点灯させることにより第2特別図柄を停止表示させる。
【0130】
そして特別表示制御手段240は、大当たり決定処理で大当たりまたは小当たりが当選したか否かに応じた態様で、そして大当たり決定処理で大当たりまたは小当たりが当選した場合には図柄決定処理で決定された大当たり図柄または小当たり図柄に応じた態様で、第2特別図柄表示部80の7セグメントディスプレイを点灯させることにより第2特別図柄を停止表示させ、第2特別図柄表示部80に特別抽選の結果を表示させる。
【0131】
第1特別保留表示制御処理では、特別表示制御手段240は、特別乱数記憶手段2914に格納されている第1特別乱数値の数に応じて、第1特別保留表示部78の2つのランプを点灯または消灯または点滅させることの組み合わせによって、0~4個の第1特別保留数を表示させる。
【0132】
第2特別保留表示制御処理では、特別表示制御手段240は、特別乱数記憶手段2914に格納されている第2特別乱数値の数に応じて、第2特別保留表示部82の2つのランプを点灯または消灯または点滅させることの組み合わせによって、0~4個の第2特別保留数を表示させる。
【0133】
小当たり遊技実行手段250は、特別抽選の抽選結果に基づいて小当たり遊技を実行する。
【0134】
小当たり遊技は、特別抽選において小当たり図柄Aまたは小当たり図柄Bが当選したことに基づいて実行され、小当たり遊技実行手段250は、ラウンドカウンタ2933の上限値として小当たり図柄Aおよび小当たり図柄Bについて予め定められたラウンド数である1回に相当する値(例えば、1)を設定し、1ラウンドの小当たり遊技において予め定められた態様で第1特別役物56および特定役物68が動作を行うと、ラウンドカウンタ2933の記憶値に1回分のラウンド数に相当する値(例えば、1)を加算するインクリメント更新を行う。そしてラウンドカウンタ2933の記憶値が上限値(例えば、1)に達すると、小当たり遊技が終了する。
【0135】
詳細には小当たり遊技では、予め定められた態様の動作として、11.5秒間のオープニング期間が経過した後に、第1特別役物56が開状態となってから開放タイマー2934が0.072秒をカウントすると閉状態となる動作を0.6秒間隔で12回繰り返すとともに、特定役物68が開状態となってから開放タイマー2934が14.192秒をカウントすると閉状態となる動作を1回行うように第1特別役物駆動装置124および特定役物駆動装置128の駆動制御が行われる。
【0136】
そして、1ラウンドの小当たり遊技において、第1特別役物56が予め定められた態様の動作を行うか、大入賞数カウンタ2936の値が上限値(例えば、10)に達することにより、第1特別役物56および特定役物68が閉状態となるように第1特別役物駆動装置124および特定役物駆動装置128の駆動制御が行われると、1回分のラウンドの終了条件が満たされたとして、ラウンドカウンタ2933の値に「1」が加算される。
【0137】
このように本実施形態では、小当たり遊技では、第1特別役物56が0.072秒間にわたって開状態となる動作が12回繰り返し行われるとともに、特定役物68が14.192秒間にわたって開状態となる動作が1回行われるため、第1大入賞口54に遊技球が入賞するように遊技球を連続して発射させていれば、特定領域64あるいは通常領域66に遊技球を進入させることができるようになっている。
【0138】
大当たり遊技実行手段252は、特別抽選の抽選結果に基づいて大当たり遊技A~大当たり遊技Cのいずれかを実行する。
【0139】
大当たり遊技Aは、特別抽選において5ラウンド図柄Aまたは5ラウンド図柄Bが当選したことに基づいて実行され、大当たり遊技実行手段252は、ラウンドカウンタ2933の上限値として5ラウンド図柄Aまたは5ラウンド図柄Bについて予め定められたラウンド数である5回に相当する値(例えば、5)を設定し、各ラウンドにおいて予め定められた態様で第2特別役物60が動作を行うごとに、ラウンドカウンタ2933の記憶値に1回分のラウンド数に相当する値(例えば、1)を加算するインクリメント更新を行う。そしてラウンドカウンタ2933の記憶値が上限値(例えば、5)に達すると、大当たり遊技Aが終了する。
【0140】
詳細には大当たり遊技Aでは、第1ラウンド~第5ラウンドの各ラウンドの大当たり遊技において、第2特別役物60が開状態となってから開放タイマー2934が29秒をカウントするか、大入賞数カウンタ2936の値が上限値(例えば、10)に達すると第2特別役物60が閉状態となるように第2特別役物駆動装置126の駆動制御が行われる。すると、1回分のラウンドの終了条件が満たされたとして、ラウンドカウンタ2933の値に「1」が加算される。
【0141】
大当たり遊技Bは、特別抽選において2ラウンド図柄が当選したことに基づいて実行され、大当たり遊技実行手段252は、ラウンドカウンタ2933の上限値として2ラウンド図柄について予め定められたラウンド数である2回に相当する値(例えば、2)を設定し、各ラウンドにおいて予め定められた態様で第2特別役物60が動作を行うごとに、ラウンドカウンタ2933の記憶値に1回分のラウンド数に相当する値(例えば、1)を加算するインクリメント更新を行う。そしてラウンドカウンタ2933の記憶値が上限値(例えば、2)に達すると、大当たり遊技Bが終了する。
【0142】
詳細には大当たり遊技Bでは、第1ラウンド~第2ラウンドの各ラウンドの大当たり遊技において、第2特別役物60が開状態となってから開放タイマー2934が29秒をカウントするか、大入賞数カウンタ2936の値が上限値(例えば、10)に達すると第2特別役物60が閉状態となるように第2特別役物駆動装置126の駆動制御が行われる。すると、1回分のラウンドの終了条件が満たされたとして、ラウンドカウンタ2933の値に「1」が加算される。
【0143】
大当たり遊技Cは、特別抽選において小当たり図柄Aまたは小当たり図柄Bが当選したことに基づく小当たり遊技において、特定領域64への遊技球の進入が検出されたことに基づいて実行され、大当たり遊技実行手段252は、ラウンドカウンタ2933の上限値として小当たり図柄Aまたは小当たり図柄Bについて予め定められたラウンド数である9回に相当する値(例えば、9)を設定し、各ラウンドにおいて予め定められた態様で第2特別役物60が動作を行うごとに、ラウンドカウンタ2933の記憶値に1回分のラウンド数に相当する値(例えば、1)を加算するインクリメント更新を行う。そしてラウンドカウンタ2933の記憶値が上限値(例えば、9)に達すると、大当たり遊技Cが終了する。
【0144】
詳細には大当たり遊技Cでは、小当たり遊技を第1ラウンドとして、それに続く第2ラウンド~第10ラウンドの各ラウンドの大当たり遊技において、第2特別役物60が開状態となってから開放タイマー2934が29秒をカウントするか、大入賞数カウンタ2936の値が上限値(例えば、10)に達すると第2特別役物60が閉状態となるように第2特別役物駆動装置126の駆動制御が行われる。すると、1回分のラウンドの終了条件が満たされたとして、ラウンドカウンタ2933の値に「1」が加算される。
【0145】
遊技状態移行制御手段260(状態制御手段)は、図12に示すように、所定の移行条件の成立に基づいて、通常状態、特別遊技状態、時短状態の間で遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理を行う。遊技状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の予め定められた条件のうち1の条件が成立したこと、あるいは複数の予め定められた条件の全てが成立したことに基づいて、遊技状態を別の遊技状態へ移行させることができる。
【0146】
通常状態は、複数種類の遊技状態の中で初期状態に相当する遊技状態で、通常状態からは特別遊技状態への移行が可能となっている。そして通常状態では、普通当たりの当選確率が約1/20に設定された普通抽選テーブルAを参照して普通抽選が行われ、大当たりの当選確率が約1/199に設定され、小当たりが抽選対象に設定されていない大当たり抽選テーブルAを参照して特別抽選が行われる。
【0147】
そして通常状態では、普通抽選における普通当たりの当選確率が約1/20と低い上に、普通図柄の変動時間が20秒と長く、普通役物52が拡大状態となる期間が0.1秒と短くなっているため、第2始動入賞口50に遊技球を進入させにくくなっている。すなわち通常状態は、遊技者が左打ちを行った方が有利になる遊技状態となっている。
【0148】
特別遊技状態は、特別抽選で大当たりが当選したことに基づいて開始され、大当たり図柄の種類に応じて予め定められたラウンド数(実行回数)の大当たり遊技が実行されると終了する。また特別遊技状態は、特別抽選で小当たりが当選したことに基づく小当たり遊技において特定領域64への遊技球の進入が検出されたことに基づいて開始され、小当たり図柄の種類に応じて予め定められたラウンド数の大当たり遊技が実行されると終了する。
【0149】
詳細には、特別抽選において5ラウンド図柄Aまたは5ラウンド図柄Bが当選したことに基づいて特別遊技状態が開始された場合には、第1ラウンド~第5ラウンドの5ラウンドの大当たり遊技が終了すると、特別遊技状態が終了する。
【0150】
また、特別抽選において2ラウンド図柄が当選したことに基づいて特別遊技状態が開始された場合には、第1ラウンド~第2ラウンドの2ラウンドの大当たり遊技が終了すると、特別遊技状態が終了する。
【0151】
また、特別抽選において小当たり図柄Aまたは小当たり図柄Bが当選したことに基づく小当たり遊技(第1ラウンド)において特定領域64への遊技球の進入が検出されたことに基づいて特別遊技状態が開始された場合には、第2ラウンド~第10ラウンドの9ラウンドの大当たり遊技が終了すると、特別遊技状態が終了する。
【0152】
時短状態は、特別遊技状態が終了したことを契機として開始され、時短状態からは特別遊技状態または通常状態への移行が可能となっている。そして時短状態では、通常状態と同様に大当たりの当選確率が約1/199に設定されているが、小当たりの当選確率が約1/7に設定された大当たり抽選テーブルBを参照して特別抽選が行われ、普通当たりの当選確率が約19/20に設定された普通抽選テーブルBを参照して普通抽選が行われる。
【0153】
そして時短状態では、普通抽選における普通当たりの当選確率が約19/20と高い上に、普通図柄の変動時間が1秒と短く、普通役物52が拡大状態となる期間が2秒と長くなっているため、通常状態よりも第2始動入賞口50に遊技球を進入させやすくなっている点で遊技者に有利になっている。すなわち時短状態は、遊技者が右打ちを行った方が有利になる遊技状態となっている。
【0154】
また時短状態では、第1特別図柄あるいは第2特別図柄の変動時間として通常状態よりも短い変動時間が設定されることが多くなるため、通常状態よりも特別抽選の実行契機が頻繁に到来するようになっている。
【0155】
そして時短状態は、時短状態において第2特別乱数値について特別抽選が行われた回数が予め定められた規定回数に達したことを条件に終了し、通常状態に移行される。詳細には本実施形態では、5ラウンド図柄Aおよび2ラウンド図柄に対して規定回数が100回に定められ、5ラウンド図柄B、小当たり図柄Aおよび小当たり図柄Bに対して規定回数が12回に定められている。そして、特別遊技状態が終了して時短状態が開始される際に、遊技状態移行制御手段250が、終了した特別遊技状態の開始の契機となった大当たり図柄または小当たり図柄に対応する規定回数に相当する値(例えば、100)をメインメモリ290の時短終了判定カウンタ2932に書き込む。そして、時短状態において第2特別乱数値について特別抽選が行われるごとに、時短終了判定カウンタ2932の記憶値から1回分の遊技回数に相当する値(例えば、1)を減算するデクリメント更新を行い、時短終了判定カウンタ2932の記憶値が閾値(例えば、0)に達すると、時短状態を終了させて通常状態を開始させる。
【0156】
払出制御手段270は、第1始動入賞口センサ106からの検出信号、第2始動入賞口センサ107からの検出信号、第1大入賞口センサ108からの検出信号、第2大入賞口センサ109からの検出信号、第1一般入賞口センサ111からの検出信号、第2一般入賞口センサ112からの検出信号、第3一般入賞口センサ113からの検出信号が入力されたことに基づいて、検出信号ごとに予め定められている賞球数に相当する数の遊技球を払出装置130に払い出させる制御を行う。詳細には払出制御手段270は、第1始動入賞口センサ106が1個の遊技球の入賞を検出するごとに、払出装置130に4個の遊技球を払い出させる指示コマンドを送信し、第2始動入賞口センサ107が1個の遊技球の入賞を検出するごとに、払出装置130に1個の遊技球を払い出させる指示コマンドを送信し、第1大入賞口センサ108または第2大入賞口センサ109が1個の遊技球の入賞を検出するごとに、払出装置130に9個の遊技球を払い出させる指示コマンドを送信し、第1一般入賞口センサ111が1個の遊技球の入賞を検出するごとに、払出装置130に4個の遊技球を払い出させる指示コマンドを送信し、第2一般入賞口センサ112(第2一般入賞口47-2および第3一般入賞口47-3に対応)が1個の遊技球の入賞を検出するごとに、払出装置130に7個の遊技球を払い出させる指示コマンドを送信し、第3一般入賞口センサ113(第4一般入賞口47-4に対応)が1個の遊技球の入賞を検出するごとに、払出装置130に3個の遊技球を払い出させる指示コマンドを送信する。
【0157】
払出装置130は、払出制御手段270によって指示された払出数の遊技球を払い出す動作を行う。この払出装置130には、遊技球を貯めておく遊技球タンクに払出モーターが設けられており、払出制御手段270は、払出モーターの回転角度を制御することにより、指示通りの数の遊技球を遊技球タンクから払い出させる。また払出装置130には、遊技球を1個払い出すごとに作動する払出センサ116が備えられており、払出制御手段270は、払出センサ116からの払出信号に基づいて払出装置130から実際に払い出された遊技球の数を管理することができる。
【0158】
通信制御手段280は、メイン基板100における各種の演算結果に応じて生成された各種のコマンドをサブ基板102に送信する制御を行っている。なお本実施形態の遊技機では、メイン基板100とサブ基板102との間では、メイン基板100からサブ基板102への単方向通信のみが可能となっており、サブ基板102からはメイン基板100へ情報を送信することができないように通信接続されている。
【0159】
また通信制御手段280(外部信号出力手段)は、遊技場に設置されている遊技機を集中管理するコンピュータであるホールコンピュータ140や、遊技機に個別に接続され、遊技機の遊技履歴に関する情報を表示するデータカウンタ142などの外部装置144に対して出力される外部信号(特定信号)の出力状態を制御する処理を行う。具体的には通信制御手段280は、ホールコンピュータ140やデータカウンタ142に対して、第1特別図柄または第2特別図柄が変動表示中または停止表示中であることを通知する図柄表示中信号の出力状態をオン状態(第1状態)とオフ状態(第2状態)の間で制御したり、特別遊技状態に設定されるごとに特別遊技状態に設定されていることを通知する特別遊技中信号の出力状態をオン状態とオフ状態の間で制御したりする。
【0160】
そして図柄表示中信号が出力されるごとに、ホールコンピュータ140およびデータカウンタ142において、当該遊技機における特別抽選の回数を示す遊技回数が更新されて表示され、特別遊技中信号が出力されるごとに、ホールコンピュータ140およびデータカウンタ142において、当該遊技機における特別遊技状態に設定された回数を示す大当たり回数が更新されて表示される。
【0161】
続いて、サブ基板102について説明する。サブ基板102は、演出制御手段300と、サブメモリ310とを含んで構成されている。
【0162】
演出制御手段300は、メイン基板100から送信される各種のコマンドや、演出ボタンスイッチ150からの入力信号や、サブメモリ310の演出データ記憶手段3110に記憶されている演出データに基づいて、演出表示装置170を制御して前枠ランプ12やディスプレイ枠ランプ38や右打ちランプ70を点灯あるいは点滅させたり、液晶ディスプレイ32に演出画像を表示させたり、音響装置172を制御してスピーカー14から演出音を出力させたり、演出物駆動装置174を駆動して演出物を動作させたりするなど、演出装置176を制御することにより、遊技を盛り上げたり、遊技を補助したりするための演出を演出装置176に実行させる。
【0163】
特に演出データ記憶手段3110には、液晶ディスプレイ32に画像を表示させるための動画データ(アニメーションデータ)や静止画データなどの多数の演出画像データが記憶されており、演出制御手段300は、これらの演出画像データに基づいて、1フレーム(1/30秒)ごとにサブメモリ310のフレームバッファ3114に画像を描画して、描画した画像を液晶ディスプレイ32に表示させることにより、液晶ディスプレイ32に演出画像を表示させる。
【0164】
そして演出制御手段300は、演出装置176に演出を実行させる処理として、状態演出処理、特別抽選演出処理、保留表示演出処理などを行う。
【0165】
状態演出処理では、演出制御手段300は、メイン基板100における遊技状態やカウンタの値に応じたコマンドに基づいて、現在の遊技状態に応じて液晶ディスプレイ32においてキャラクター画像を動作させたり、背景画像を変化させたり、スピーカー14から出力させる演出音を変化させたりすることにより、現在の遊技状態を遊技者に示唆する演出を実行する。
【0166】
例えば、演出制御手段300は、現在の遊技状態が特別遊技状態である場合には、液晶ディスプレイ32に現在の遊技状態が特別遊技状態であることを示すとともに、第何回目のラウンドの大当たり遊技が実行中であるかを示す特別遊技状態画像(特別遊技演出)を表示させ、現在の遊技状態が時短状態である場合には、液晶ディスプレイ32に現在の遊技状態が時短状態であることを示す時短状態画像を表示させる。
【0167】
また演出制御手段300は、大当たり遊技または小当たり遊技の実行中や、遊技状態が時短状態である場合に、右打ちランプ70を点灯させ、大当たり遊技、小当たり遊技あるいは時短状態が終了すると、右打ちランプ70を消灯させる。
【0168】
特別抽選演出処理では、演出制御手段300は、メイン基板100において事前判定処理が行われると、事前判定結果に応じたコマンドに基づいて、特別抽選演出の演出内容を仮に決定する演出抽選を行い、メイン基板100において特別抽選が行われると、特別抽選の結果に応じたコマンドに基づいて、特別抽選演出の演出内容を最終的に決定する演出抽選を行う。そして、第1特別図柄表示部76における第1特別図柄の変動表示および停止表示に合わせるように、あるいは第2特別図柄表示部80における第2特別図柄の変動表示および停止表示に合わせるように、特別抽選演出を演出装置176に実行させる。
【0169】
具体的には特別抽選演出処理では、演出制御手段300は、図13(A)に示すように、液晶ディスプレイ32の表示領域の全体において背景画像(図示省略)を表示させ、背景画像の手前側に、左演出図柄350、中演出図柄352および右演出図柄354を表示させる。ここで、左演出図柄350、中演出図柄352および右演出図柄354のそれぞれは、予め定められた複数種類の数字のうちのいずれかが示される数字部分(識別部分)と、数字部分の周囲の矩形部分のように、数字部分を装飾する装飾部分を含んでいる。
【0170】
そして演出制御手段300は、第1特別保留記憶領域1から第1特別乱数値を読み出して特別抽選が行われるごとに、第1特別図柄表示部76における第1特別図柄の変動表示の開始にともなって、あるいは第2特別保留記憶領域1から第2特別乱数値を読み出して特別抽選が行われるごとに、第2特別図柄表示部80における第2特別図柄の変動表示の開始にともなって、図13(B)に示すように、左演出図柄350、中演出図柄352および右演出図柄354を変動表示させた後に、第1特別抽選あるいは第2特別抽選における大当たり決定処理で大当たりまたは小当たりが当選したか否かに応じた態様で、そして大当たりまたは小当たりが当選した場合には図柄決定処理で決定された大当たり図柄または小当たり図柄に応じた態様で、左演出図柄350、中演出図柄352および右演出図柄354を停止表示させるとともに、複数種類の演出パターンのそれぞれに応じた態様で、液晶ディスプレイ32において背景画像を変化させたり、キャラクター画像が動作する演出動画を再生表示させたりすることにより、演出パターンの種類に応じた特別抽選演出を液晶ディスプレイ32において実行する。なお図中下向きの矢印は、左演出図柄350、中演出図柄352および右演出図柄354のそれぞれが高速で変動表示中であることを示している。
【0171】
詳細には特別抽選演出処理では、演出制御手段300は、メイン基板100から事前判定結果に応じたコマンドあるいは特別抽選の結果に応じたコマンドが入力されたことに基づいて、演出抽選用乱数値として、第1演出パターン決定乱数値および第2演出パターン決定乱数値などの複数種類の乱数値を取得し、演出抽選として、第1演出パターン決定処理および第2演出パターン決定処理などを行う。
【0172】
第1演出パターン決定処理は、取得した1つの第1演出パターン決定乱数値に基づいて、特別抽選演出のうちの前半部分に対応する前半演出パターンを、複数種類の前半演出パターンのいずれにするかを決定する処理である。そして第1演出パターン決定処理では、演出制御手段300は、サブメモリ310の演出抽選テーブル記憶手段3112に記憶されている複数種類の第1演出パターン抽選テーブルのうちいずれを参照して乱数判定処理を行うかを、第1変動パターン決定処理で決定された前半変動パターンに応じて選択する。
【0173】
本実施形態の遊技機では、メイン基板100における第1変動パターン決定処理の結果が前半変動パターン1~前半変動パターン7のそれぞれである場合に対応して、演出抽選テーブル記憶手段3112に、第1演出パターン抽選テーブルA~第1演出パターン抽選テーブルGの7種類の第1演出パターン抽選テーブルが記憶されている(図示省略)。そして各第1演出パターン抽選テーブルでは、0~99の100個の第1演出パターン決定乱数値のそれぞれに対して、複数種類の前半演出パターンとして複数種類の前半演出パターンのいずれかが対応づけられている。そして演出制御手段300は、第1変動パターン決定処理の結果が前半変動パターン1である場合には、第1演出パターン抽選テーブルAを選択し、第1変動パターン決定処理の結果が前半変動パターン2である場合には、第1演出パターン抽選テーブルBを選択し、というように、第1変動パターン決定処理で決定された前半変動パターンに対応する第1演出パターン抽選テーブルを選択する。
【0174】
そして演出制御手段300は、選択した第1演出パターン抽選テーブルを参照して、1つの第1演出パターン決定乱数値が複数種類の前半演出パターンのいずれに対応づけられているかを判定することにより、複数種類の前半演出パターンから1つの前半演出パターンを決定する。
【0175】
第2演出パターン決定処理は、取得した1つの第2演出パターン決定乱数値に基づいて、特別抽選演出のうちの後半部分に対応する後半演出パターンを、複数種類の後半演出パターンのいずれにするかを決定する処理である。そして第2演出パターン決定処理では、演出制御手段300は、サブメモリ310の演出抽選テーブル記憶手段3112に記憶されている複数種類の第2演出パターン抽選テーブルのうちいずれを参照して乱数判定処理を行うかを、第2変動パターン決定処理で決定された後半変動パターンに応じて選択する。
【0176】
本実施形態の遊技機では、メイン基板100における第2変動パターン決定処理の結果がリーチなし変動パターン1~リーチなし変動パターン3およびリーチ変動パターン1~リーチ変動パターン5のそれぞれである場合に対応して、演出抽選テーブル記憶手段3112に、第2演出パターン抽選テーブルA~第2演出パターン抽選テーブルHの8種類の第2演出パターン抽選テーブルが記憶されている(図示省略)。そして各第2演出パターン抽選テーブルでは、0~99の100個の第2演出パターン決定乱数値のそれぞれに対して、複数種類の後半演出パターンとして複数種類のリーチなし演出パターンおよび複数種類のリーチ演出パターンのいずれかが対応づけられている。そして演出制御手段300は、第2変動パターン決定処理の結果がリーチなし変動パターン1である場合には、第2演出パターン抽選テーブルAを選択し、第2変動パターン決定処理の結果がリーチ変動パターン1である場合には、第2演出パターン抽選テーブルDを選択し、というように、第2変動パターン決定処理で決定された後半変動パターンに対応する第2演出パターン抽選テーブルを選択する。
【0177】
そして演出制御手段300は、選択した第2演出パターン抽選テーブルを参照して、1つの第2演出パターン決定乱数値が複数種類のリーチなし演出パターンおよび複数種類のリーチ演出パターンのいずれに対応づけられているかを判定することにより、複数種類のリーチなし演出パターンおよび複数種類のリーチ演出パターンから1つのリーチなし演出パターンあるいは1つのリーチ演出パターンを決定する。
【0178】
ここで、複数種類の前半演出パターンのそれぞれには演出時間が設定されており、第1演出パターン抽選テーブルAによって決定され得る前半演出パターンの演出時間は、いずれも前半変動パターン1の変動時間と同一の1秒に設定され、第1演出パターン抽選テーブルBによって決定され得る前半演出パターンの演出時間は、いずれも前半変動パターン2の変動時間と同一の2秒に設定され、というように、各第1演出パターン抽選テーブルによって決定され得る前半演出パターンの演出時間は、各第1演出パターン抽選テーブルに対応する前半変動パターンの変動時間と同一に設定されている。
【0179】
また、複数種類のリーチなし演出パターンおよび複数種類のリーチ演出パターンのそれぞれにも演出時間が設定されてり、第2演出パターン抽選テーブルAによって決定され得る複数種類のリーチなし演出パターンの演出時間は、いずれもリーチなし変動パターン1の変動時間と同一の1秒に設定され、第2演出パターン抽選テーブルDによって決定され得る複数種類のリーチ演出パターンの演出時間は、いずれもリーチ変動パターン1の変動時間と同一の10秒に設定され、というように、各第2演出パターン抽選テーブルによって決定され得る複数種類のリーチなし演出パターンあるいは複数種類のリーチ演出パターンの演出時間は、各第2演出パターン抽選テーブルに対応するリーチなし変動パターンあるいはリーチ変動パターンの変動時間と同一に設定されている。
【0180】
そして特別抽選演出処理では、演出制御手段300は、第1特別図柄表示部76における第1特別図柄あるいは第2特別図柄表示部80における第2特別図柄の変動表示の開始に合わせて特別抽選演出の実行を開始させ、第1演出パターン決定処理で決定された前半演出パターンに応じた演出時間と、第2演出パターン決定処理で決定された後半演出パターンに応じた演出時間の合計の演出時間で、特別抽選演出を実行する。これにより、第1特別図柄表示部76における第1特別図柄あるいは第2特別図柄表示部80における第2特別図柄の変動時間と、特別抽選演出の演出時間が同期される。
【0181】
例えば、大当たり決定処理で大当たりまたは小当たりが当選しなかった場合に、第2演出パターン決定処理でリーチなし演出パターンが決定された場合には、第1特別図柄表示部76における第1特別図柄あるいは第2特別図柄表示部80における第2特別図柄の変動表示の開始にともなって、図13(B)に示すように、左演出図柄350、中演出図柄352および右演出図柄354の変動表示が開始され、図13(C)に示すように、まずは左演出図柄350が、いずれかの態様(図13(C)では「5」を示す態様)で完全に停止されずにわずかに揺れるように仮停止表示され、その後、図13(D)に示すように、右演出図柄354が左演出図柄350とは異なる態様(非リーチ態様)で仮停止表示される。
【0182】
そして、第1特別図柄表示部76における第1特別図柄あるいは第2特別図柄表示部80における第2特別図柄が停止表示される前に、図13(E)に示すように、中演出図柄352が左演出図柄350および右演出図柄354とは異なる態様(バラケハズレ態様)で仮停止表示され、第1特別図柄表示部76における第1特別図柄あるいは第2特別図柄表示部80における第2特別図柄が停止表示されるのとほぼ同じタイミングで、図13(F)に示すように、中演出図柄352が左演出図柄350および右演出図柄354とは異なる態様(バラケハズレ態様)で完全に停止されるように確定停止表示される。
【0183】
また例えば、大当たり決定処理で大当たりまたは小当たりが当選した場合、または大当たり決定処理で大当たりまたは小当たりが当選しなかった場合であって、第2演出パターン決定処理でリーチ演出パターンが決定された場合には、第1特別図柄表示部76における第1特別図柄あるいは第2特別図柄表示部80における第2特別図柄の変動表示の開始にともなって、図14(A)に示すように、左演出図柄350、中演出図柄352および右演出図柄354の変動表示が開始され、図14(B)に示すように、まずは左演出図柄350が仮停止表示され、その後、図14(C)に示すように、中演出図柄352が変動表示されたまま、右演出図柄354が左演出図柄350と同一の態様(リーチ態様)で仮停止表示される。すると、図14(D)に示すように、決定されたリーチ演出パターンに対応する演出動画の再生表示が開始され、第1特別図柄表示部76における第1特別図柄あるいは第2特別図柄表示部80における第2特別図柄の変動時間内に演出動画の再生表示が終了される。
【0184】
詳細には、図14(D)の例では、液晶ディスプレイ32の表示領域の中央において、キャラクターAがキャラクターBと戦う演出動画が再生表示されており、この演出動画が再生表示されている場合には、液晶ディスプレイ32の表示領域の中央において表示される左演出図柄350、中演出図柄352および右演出図柄354の代わりに、液晶ディスプレイ32の表示領域の右上において、左演出図柄350に対応する縮小左演出図柄360、中演出図柄352に対応する縮小中演出図柄362および右演出図柄354に対応する縮小右演出図柄364が表示される。すなわち図14(D)に示すように、縮小左演出図柄360と縮小右演出図柄364が同一の態様(リーチ態様)で仮停止表示されつつ縮小中演出図柄362が変動表示される。
【0185】
そして大当たりまたは小当たりが当選していた場合には、図14(E)に示すように、液晶ディスプレイ32の表示領域の中央において、キャラクターAがキャラクターBに勝利する演出動画が再生表示されるとともに、液晶ディスプレイ32の表示領域の右上において、縮小中演出図柄362が縮小左演出図柄360および縮小右演出図柄364と同一の態様(当たり態様)で仮停止表示されることにより、大当たりまたは小当たりが当選したことが遊技者に仮に報知される。
【0186】
すると、キャラクターAがキャラクターBに勝利する演出動画が終了し、図14(F)に示すように、液晶ディスプレイ32の表示領域の中央において、仮停止表示された左演出図柄350、中演出図柄352および右演出図柄354が表示された後、図14(G)に示すように、液晶ディスプレイ32の表示領域の中央において、左演出図柄350、中演出図柄352および右演出図柄354が確定停止表示されるとともに、スピーカー14から、大当たりまたは小当たりが当選したことを遊技者に報知する効果音が出力されることにより、大当たりまたは小当たりが当選したことが遊技者に確定的に報知される。
【0187】
一方、大当たりまたは小当たりが当選していなかった場合には、図14(H)に示すように、液晶ディスプレイ32の表示領域の中央において、キャラクターAがキャラクターBに敗北する演出動画が再生されるとともに、液晶ディスプレイ32の表示領域の右上において、縮小中演出図柄362が縮小左演出図柄360および縮小右演出図柄364と異なる態様(リーチハズレ態様)で仮停止表示されることにより、大当たりまたは小当たりが当選しなかったことが遊技者に仮に報知される。
【0188】
すると、キャラクターAがキャラクターBに敗北する動画が終了し、図14(I)に示すように、液晶ディスプレイ32の表示領域の中央において、仮停止表示された左演出図柄350、中演出図柄352および右演出図柄354が表示された後、図14(J)に示すように、液晶ディスプレイ32の表示領域の中央において、左演出図柄350、中演出図柄352および右演出図柄354が確定停止表示されることにより、大当たりまたは小当たりが当選しなかったことが遊技者に確定的に報知される。
【0189】
ここで特別抽選演出処理では、大当たりまたは小当たりが当選した場合と大当たりまたは小当たりが当選しなかった場合の双方で、共通の演出動画が再生表示されることがあるため、共通の演出動画が再生表示される場合には、大当たりまたは小当たりの当選に対する遊技者の期待感を大いに高めることができる。
【0190】
そして本実施形態では、複数種類の演出のそれぞれについて、各演出が実行された場合に特別抽選で大当たりまたは小当たりが当選する可能性の度合いとして大当たりまたは小当たりの当選の期待度が予め定められており、期待度が低い演出よりも期待度が高い演出の方が、特別抽選で大当たりまたは小当たりが当選した場合に実行される確率が高くなるように、特別抽選で大当たりまたは小当たりが当選した場合に参照される演出抽選テーブルと、特別抽選で大当たりまたは小当たりが当選しなかった場合に参照される演出抽選テーブルのそれぞれにおいて、複数種類の演出のそれぞれの選択率が設定されている。
【0191】
こうして本実施形態では、状態表示装置71における第1特別図柄あるいは第2特別図柄の変動種別に応じた演出パターンで、液晶ディスプレイ32に左演出図柄350、中演出図柄352および右演出図柄354を変動表示させることにより、大当たりまたは小当たりが当選することに対する遊技者の期待感を高めるようにしつつ、特別抽選の結果に応じた態様で左演出図柄350、中演出図柄352および右演出図柄354を仮停止表示させてから確定停止表示させることにより、遊技者に特別抽選の結果を報知している。
【0192】
保留表示演出処理では、演出制御手段300は、メイン基板100における第1特別保留数あるいは第2特別保留数に応じたコマンドに基づいて、メインメモリ290の特別乱数記憶手段2914において保留されている第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値の状況を示す画像を液晶ディスプレイ32に表示させる。本実施形態では、図15(A)に示すように、液晶ディスプレイ32の表示領域の下部に、特別乱数記憶手段2914の第1特別保留記憶領域1~第1特別保留記憶領域4、あるいは第2特別保留記憶領域1~第2特別保留記憶領域4に対応させて、第1保留表示領域411~第4保留表示領域414の4つの保留表示領域(表示領域)が設けられており、各保留表示領域には、図15(A)に示すように、第1特別保留記憶領域1~第1特別保留記憶領域4のいずれに第1特別乱数値が格納されているかを示す第1保留画像420、あるいは図15(B)に示すように、第2特別保留記憶領域1~第2特別保留記憶領域4のいずれに第2特別乱数値が格納されているかを示す第2保留画像422が表示可能となっている。
【0193】
詳細には演出制御手段300は、第2特別保留記憶領域1~第2特別保留記憶領域4のいずれにも第2特別乱数値が格納されていない場合であって、第1特別保留記憶領域1に第1特別乱数値が格納されている場合には、第1保留表示領域411に第1保留画像420を表示させ、第1特別保留記憶領域1と第1特別保留記憶領域2のそれぞれに第1特別乱数値が保留されている場合には、第1保留表示領域411および第2保留表示領域412のそれぞれに第1保留画像420を表示させ、というように、第2特別保留記憶領域1~第2特別保留記憶領域4のいずれにも第2特別乱数値が格納されていない場合には、第1特別保留記憶領域1~第1特別保留記憶領域4において保留されている第1特別乱数値の数に応じて、第1保留表示領域411~第4保留表示領域414のそれぞれに第1保留画像420を表示させる。図15(A)の例では、第2特別保留記憶領域1~第2特別保留記憶領域4のいずれにも第2特別乱数値が格納されておらず、第1特別保留記憶領域1~第1特別保留記憶領域3のそれぞれに第1特別乱数値が保留されていることにより、第1保留表示領域411~第3保留表示領域413のそれぞれにおいて第1保留画像420が表示されている。
【0194】
また演出制御手段300は、第1特別保留記憶領域1~第1特別保留記憶領域4のいずれに第1特別乱数値が格納されているか否かに関わらず、第2特別保留記憶領域1に第2特別乱数値が保留されている場合には、第1保留表示領域411に第2保留画像422を表示させ、第2特別保留記憶領域1と第2特別保留記憶領域2のそれぞれに第2特別乱数値が保留されている場合には、第1保留表示領域411および第2保留表示領域412のそれぞれに第2保留画像422を表示させ、というように、第2特別保留記憶領域1~第2特別保留記憶領域4のいずれかに第2特別乱数値が格納されている場合には、第2特別保留記憶領域1~第2特別保留記憶領域4において保留されている第2特別乱数値の数に応じて、第1保留表示領域411~第4保留表示領域414のそれぞれに第2保留画像422を表示させる。図15(B)の例では、第2特別保留記憶領域1~第2特別保留記憶領域2のそれぞれに第2特別乱数値が保留されていることにより、第1保留表示領域411~第2保留表示領域412のそれぞれにおいて第2保留画像422が表示されている。
【0195】
また本実施形態では、液晶ディスプレイ32の表示領域の下部のうち第1保留表示領域411の左方の領域に、特別乱数記憶手段2914の当該特別保留記憶領域に対応させて、1つの当該保留表示領域430が設けられており、当該保留表示領域430には、第1特別保留記憶領域1から第1特別乱数値が読み出されて当該特別保留記憶領域に格納された場合には第1保留画像420が表示され、第2特別保留記憶領域1から第2特別乱数値が読み出されて当該特別保留記憶領域に格納された場合には第2保留画像422が表示されるようになっている。
【0196】
例えば、図15(A)に示す状態で、第1特別保留記憶領域1から第1特別乱数値を読み出して特別抽選が行われて当該特別保留記憶領域に第1特別乱数値が格納されると、演出制御手段300は、図15(C)に示すように、第1保留表示領域411に表示されている第1保留画像420を当該保留表示領域430に移動させるとともに、左演出図柄350、中演出図柄352および右演出図柄354の変動表示を開始させ、第2保留表示領域412以降の保留表示領域において表示されている第1保留画像420を、元の保留表示領域から序数が1つ小さい保留表示領域に移動させる表示制御を行う。これにより、当該保留表示領域430に表示される第1保留画像420が、今回の特別抽選の対象となる第1特別乱数値に対応し、第1保留表示領域411以降に表示される第1保留画像420が、次回以降の特別抽選の対象となる第1特別乱数値に対応していることを示すことができる。
【0197】
そして図15(D)に示すように、左演出図柄350、中演出図柄352および右演出図柄354を確定停止表示させて今回の特別抽選の結果を表示すると、当該特別保留記憶領域に格納されている第1特別乱数値が消去されることにともなって、当該保留表示領域430に表示されている第1保留画像420を消去する。そして、更に第1特別保留記憶領域1から第1特別乱数値を読み出して特別抽選が行われると、演出制御手段300は、図示しないが、第1保留表示領域411に表示されている第1保留画像420を当該保留表示領域430に移動させるとともに、左演出図柄350、中演出図柄352および右演出図柄354の変動表示を開始させ、第2保留表示領域412以降の保留表示領域において表示されている第1保留画像420を、元の保留表示領域から序数が1つ小さい保留表示領域に移動させる表示制御を行う。
【0198】
また図示しないが、第2特別保留記憶領域1~第2特別保留記憶領域4において複数個の第2特別乱数値が保留されている状態で、第2特別保留記憶領域1から第2特別乱数値を読み出して特別抽選が行われて当該特別保留記憶領域に第2特別乱数値が格納されると、演出制御手段300は、第1保留表示領域411に表示されている第2保留画像422を当該保留表示領域430に移動させるとともに、左演出図柄350、中演出図柄352および右演出図柄354の変動表示を開始させ、第2保留表示領域412以降の保留表示領域において表示されている第2保留画像422を、元の保留表示領域から序数が1つ小さい保留表示領域に移動させる表示制御を行う。これにより、当該保留表示領域430に表示される第2保留画像422が、今回の特別抽選の対象となる第2特別乱数値に対応し、第1保留表示領域411以降に表示される第2保留画像422が、次回以降の特別抽選の対象となる第2特別乱数値に対応していることを示すことができる。
【0199】
また演出制御手段300は、第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値に対応する事前判定結果に応じて、第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値が取得されてからその第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値について第1特別図柄あるいは第2特別図柄の変動表示が終了するまでの間において、あるいは第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値が取得されてからその第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値の直前に取得された第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値について第1特別図柄あるいは第2特別図柄の変動表示が終了するまでの間において、先読み演出を演出装置176に実行させる。本実施形態では、先読み演出としては、例えば、先読み演出の実行が決定された第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値に対応する第1保留画像420あるいは第2保留画像422の色や形状を変化させたり、第1保留画像420あるいは第2保留画像422の周囲にエフェクト画像を表示させたり、キャラクター画像などのオブジェクト画像を表示させたり、通常の背景画像とは異なる特殊な背景画像を表示させたりする。
【0200】
ここで演出制御手段300は、第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値に対応する事前判定結果が、大当たりまたは小当たりが決定されたものである場合、またはハズレとなった場合であってリーチ演出パターンで特別抽選演出が行われる場合に限って、その第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値について先読み演出を行うようにしている。
【0201】
詳細には本実施形態では、図7で示した変動グループ抽選テーブルA~変動グループ抽選テーブルDのそれぞれでは、0~99個の変動グループ決定乱数値のうち、0~89の90個の変動グループ決定乱数値のそれぞれに対しては、グループ4およびグループ5を除くグループ0~グループ3のいずれかが対応づけられ、90~97の8個の変動グループ決定乱数値のそれぞれに対しては、グループ4が対応づけられ、98~99の2個の変動グループ決定乱数値のそれぞれに対しては、グループ5が対応づけられているため、変動グループ決定乱数値が0~89のいずれかである場合には、保留数あるいは遊技状態に応じて、リーチなし変動パターンが決定される場合と、リーチ変動パターンが決定される場合が存在し、変動グループ決定乱数値が90~99のいずれかである場合には、保留数あるいは遊技状態に関わらず、必ずリーチ変動パターンが決定され、リーチなし変動パターンが決定されることがないようになっている。
【0202】
そこで本実施形態では、特別抽選手段230が、事前判定処理でハズレとなった場合であって、第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値に含まれる変動グループ決定乱数値が、0~89のいずれかである場合には、リーチ変動パターンが決定されることが不定であることを示す不定値情報を事前判定結果として設定し、90~99のいずれかである場合には、リーチ変動パターンが必ず決定されることを示す固定値情報を事前判定結果として設定する。
【0203】
そして演出制御手段300は、事前判定結果が大当たりまたは小当たりが決定されたものである場合には、第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値について先読み演出の実行可否を決定する先読演出抽選を行うが、ハズレとなったものである場合には、事前判定結果に固定値情報が含まれているか否かを判断し、固定値情報が含まれている場合に、先読演出抽選を行うようにしている。
【0204】
これにより本実施形態では、第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値について事前判定処理を行った時点と、同一の第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値について特別抽選を行った時点とで、保留数が変化していても、先読み演出の実行が決定された第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値について特別抽選が行われると、大当たりまたは小当たりが決定された場合であっても、ハズレとなった場合であっても、特別抽選演出がリーチ演出パターンで実行されるようにすることができる。
【0205】
そして演出制御手段300は、第1特別乱数値について先読演出抽選で先読み演出の実行を決定した場合には、当該特別保留記憶領域および第1特別保留記憶領域1~第1特別保留記憶領域4において保留されている第1特別乱数値であって、先読み演出の実行が決定された第1特別乱数値よりも先に取得された第1特別乱数値の中に、事前判定結果が大当たりまたは小当たりが決定されたものである第1特別乱数値、または事前判定結果がハズレであるが事前判定結果に固定値情報が含まれている第1特別乱数値が存在しない場合に、先読み演出の開始条件が満たされているとして先読み演出を開始する。
【0206】
また、第2特別乱数値について先読演出抽選で先読み演出の実行を決定した場合には、当該特別保留記憶領域および第2特別保留記憶領域1~第2特別保留記憶領域4において保留されている第2特別乱数値であって、先読み演出の実行が決定された第2特別乱数値よりも先に取得された第2特別乱数値の中に、事前判定結果が大当たりまたは小当たりが決定されたものである第2特別乱数値、または事前判定結果がハズレであるが事前判定結果に固定値情報が含まれている第2特別乱数値が存在しない場合に、先読み演出の開始条件が満たされているとして先読み演出を開始する。
【0207】
これにより本実施形態では、第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値について先読み演出の実行を決定した時点において、既に保留されている第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値について大当たりまたは小当たりの当選が確定している場合、リーチ演出パターンで特別抽選演出が実行されている場合、およびリーチ演出パターンで特別抽選演出が実行されることが確定している場合には、確定している大当たりまたは小当たりにより実行される特別遊技状態が終了してから、あるいは実行されているまたは実行されることが確定しているリーチ演出パターンによる特別抽選演出が終了してから、先読み演出が開始されるようにすることができる。
【0208】
3.本実施形態の制御手法
以下では、本実施形態の制御手法について詳細に説明する。図16は、小当たり遊技(特定遊技)における第1特別役物56(可動部)および特定役物68の動作の関係を示すタイミングチャートである。本実施形態では、第1特別図柄または第2特別図柄が小当たり図柄Aまたは小当たり図柄Bの当選(特定の結果)を示す態様で停止表示されると、図16に示すように、まずは11.5秒間のオープニング期間が開始されるが、オープニング期間では、第1特別役物56および特定役物68は閉状態に維持される。
【0209】
そして、オープニング期間が終了すると、第1特別役物56が開状態(第1状態)となり小当たり遊技が開始され、第1特別役物56が0.072秒間(第1期間)にわたって開状態となった後に0.6秒間(第2期間)にわたって閉状態(第2状態)となる動作が繰り返される。
【0210】
また、小当たり遊技が開始されても、第1特別役物56が1回目に0.072秒間にわたって開状態となり0.6秒間(他の第2期間)にわたって閉状態となっている間は、特定役物68は閉状態に維持され、第1特別役物56が2回目に0.072秒間にわたって開状態となるとともに、特定役物68も開状態となり、その後は14.192秒間にわたって開状態に維持される。
【0211】
ここで本実施形態では、小当たり遊技において、第1特別役物56に遊技球が到達するように遊技者が右打ちを継続的に行っていれば、第1大入賞口54(所定領域)に進入した遊技球が特定領域64に進入して、上述した大当たり遊技Cが実行されるようになっている。
【0212】
しかし、小当たり遊技では、第1特別役物56を開状態にすることができる時間が所定の短時間に制限されているため、小当たり遊技において遊技者が右打ちを行わなかったり、右打ちの開始が遅れたりすることにより、遊技球が特定領域64に進入せずに小当たり遊技が終了してしまうおそれがある。そして、遊技球が特定領域64に進入せずに小当たり遊技が終了した場合には、大当たり遊技Cが実行されずに遊技状態が通常状態に設定されてしまい、遊技者が利益を逸失してしまう。
【0213】
そこで本実施形態では、図16に示すように、第1特別役物56が6回目に0.072秒間にわたって開状態となった後は、第1特別役物56が5秒間にわたって閉状態となるインターバル期間(他の第2期間よりも期間が長い特定第2期間)が開始される。ここで本実施形態では、インターバル期間であっても、特定役物68は開状態に維持される。
【0214】
そして5秒間のインターバル期間が終了すると、第1特別役物56が0.072秒間にわたって開状態となった後に0.6秒間にわたって閉状態となる動作が繰り返される。そして、第1特別役物56が12回目に0.072秒間にわたって開状態となった後に第1特別役物56が閉状態となると、1回の小当たり遊技が終了する。
【0215】
すなわち本実施形態では、1回の小当たり遊技において、第1特別役物56が0.072秒間にわたって開状態となった後に閉状態となる動作が6回行われると、5秒間のインターバル期間において第1特別役物56が閉状態に維持され、5秒間のインターバル期間が終了すると、再び第1特別役物56が0.072秒間にわたって開状態となった後に閉状態となる動作が6回行われるようにしている。
【0216】
このように本実施形態では、インターバル期間によって小当たり遊技の終了が先延ばしされるため、仮に遊技者がインターバル期間の前の前半の小当たり遊技において右打ちを行わなかったり、右打ちの開始が遅れたりしても、少なくともインターバル期間の後の後半の小当たり遊技において、遊技球が特定領域64に進入して大当たり遊技Cが実行されるようにすることができる。
【0217】
更に本実施形態では、図16に示すように、第1特別役物56が11回目に0.072秒間にわたって開状態となるまでの残り時間が5秒となると、すなわちインターバル期間が開始されてから2.688秒が経過すると(所定タイミング)、特定領域64に遊技球が進入していない場合に、スピーカー14から警告音が出力されるとともに、液晶ディスプレイ32において特定領域64に遊技球が進入するように右打ちを行うべきことを警告する警告画像(特定領域に遊技球を進入させるための演出)が表示される5秒間の警告期間が開始される。
【0218】
これにより本実施形態では、仮に遊技者が小当たり遊技の開始に気付かなかったり、小当たり遊技において遊技球を特定領域64に進入させるべきことを知らなかったりしたとしても、少なくともインターバル期間の後の後半の小当たり遊技において、遊技球が特定領域64に進入して大当たり遊技Cが実行されるようにすることができる。
【0219】
なお本実施形態では、図16に示すように、警告期間は、第1特別役物56が11回目に0.072秒間にわたって開状態となる直前に、すなわち小当たり遊技が終了する0.744秒前に終了し、警告期間が終了するとともに警告音の出力および警告画像の表示も終了する。
【0220】
また本実施形態では、図16に示すように、1回の小当たり遊技が終了すると、小当たり遊技の終了後であっても特定領域センサ110の検出を3秒間にわたって有効とする終了後有効期間が開始される。
【0221】
そして、小当たり遊技の終了間際に第1大入賞口54に進入した遊技球が、小当たり遊技の終了後に特定領域64に進入した場合や、第1大入賞口54に進入したが特定領域64に到達していなかった遊技球が、小当たり遊技の終了後に特定領域64に進入した場合であっても、3秒間の終了後有効期間中であれば特定領域センサ110による遊技球の検出が有効なものとされ、大当たり遊技Cが実行される。
【0222】
そして、小当たり遊技中あるいは終了後有効期間中において、特定領域センサ110が遊技球の進入を検出した場合には、終了後有効期間が終了すると、第2特別役物60が開状態となり大当たり遊技Cが開始され、第2特別役物60が29秒間にわたって開状態となった後に閉状態となる動作が繰り返される。
【0223】
図17および図18は、特別抽選において小当たりが当選した場合に液晶ディスプレイ32の表示領域に表示される演出画像の一例を示す図である。
【0224】
まず図17(A)の例では、特別抽選において小当たり図柄Aまたは小当たり図柄Bが当選したことにより、液晶ディスプレイ32において左演出図柄350、中演出図柄352および右演出図柄354のそれぞれが同一の態様で仮停止表示されている。すると本実施形態では、図17(B)に示すように、縮小左演出図柄360、縮小中演出図柄362および縮小右演出図柄364のそれぞれが同一の態様で6.5秒間にわたって確定停止表示される確定停止期間が開始され、確定停止期間では、「チャンスタイム!」との文字により、小当たり遊技が開始されることを報知する演出画像が表示される。
【0225】
そして、確定停止期間が終了すると、図16で示したオープニング期間が開始され、オープニング期間では、図17(C)に示すように、右打ちしたときの遊技球の軌道を示す矢印と「右打ちしてVを狙え!」との文字により、遊技球が特定領域64に進入するように右打ちすべきことを遊技者に指示する演出画像が表示される。
【0226】
そして、オープニング期間が開始されてから6.5秒が経過すると、すなわち小当たり遊技の開始の4秒前から、図17(D)に示すように、「Vを狙え!」との文字により、遊技球が特定領域64に進入するように右打ちすべきことを遊技者に指示する指示文字400と、特定領域64の位置を指す指示矢印402が表示されつつ、10個の宝箱により、小当たり遊技において第1大入賞口54に10個の遊技球を進入させるように誘導する入賞数表示404(特定表示)が表示される。
【0227】
詳細には本実施形態では、小当たり遊技が開始される数秒前から、すなわちオープニング期間中から、第1特別役物56に遊技球が到達するように遊技者が右打ちを継続的に行っていれば、1回の小当たり遊技において約10個の遊技球が第1大入賞口54に進入することができるようになっている。そして本実施形態では、1個の遊技球が第1大入賞口54に進入するごとに9個の遊技球が払い出されるため、1回の小当たり遊技において90個の遊技球が払い出されるようにすることができる。
【0228】
そして本実施形態では、1回の小当たり遊技において2~3個の遊技球が第1大入賞口54に進入するうちに、いずれかの遊技球が特定領域64に進入して、上述した大当たり遊技Cが実行されるようになっている。
【0229】
ここでこの種の遊技機では、小当たり遊技の役割は、遊技球を特定領域64に進入させて大当たり遊技が実行されるようにすることが中心となっており、小当たり遊技において多くの遊技球が払い出されるようにすることは意図されていなかった。従って、この種の遊技機では、遊技球が特定領域64に進入すると、液晶ディスプレイ32の表示領域の全体において、大当たり遊技が実行されることを遊技者に報知する画像が表示され、遊技者は小当たり遊技の役割が果たされたとして大当たり遊技が開始されるまで遊技球を発射させないようにすることが多かった。
【0230】
しかし本実施形態では、小当たり遊技の役割が、遊技球を特定領域64に進入させて大当たり遊技が実行されるようにすることのみならず、小当たり遊技において多くの遊技球が払い出されるようにすることも意図されているため、小当たり遊技において遊技球が特定領域64に進入したからといって遊技者が遊技球を発射させないようにすると、小当たり遊技において設計上の遊技球が払い出されないまま小当たり遊技が終了してしまい、遊技者が利益を逸失してしまう。
【0231】
そこで本実施形態では、図17(D)に示すように、オープニング期間において入賞数表示404の表示が開始され、入賞数表示404では、1回の小当たり遊技において第1大入賞口54に進入可能な10個の遊技球に対応させて10個の宝箱が表示されることにより、1回の小当たり遊技において第1大入賞口54に10個の遊技球が進入可能であることが示唆されるようにしている。
【0232】
そして、小当たり遊技が開始されても、指示文字400、指示矢印402および入賞数表示404の表示が継続される。そして、第1大入賞口54に今回の小当たり遊技における1個目の遊技球が進入すると、特定領域64に進入したか通常領域66に進入したかに関わらず、図17(E)に示すように、入賞数表示404において1個目の宝箱が開いて1個目のダイヤモンドが表示される。そして、その後も第1大入賞口54に1個の遊技球が進入するごとに、特定領域64に進入したか通常領域66に進入したかに関わらず、入賞数表示404において次の1個の宝箱が開いて次の1個のダイヤモンドが表示される。
【0233】
これにより本実施形態では、表示されたダイヤモンドの数によって今回の小当たり遊技において第1大入賞口54に進入した遊技球の数を示すとともに、未だに開いていない宝箱の数によって今回の小当たり遊技において第1大入賞口54に進入させることができる残りの遊技球の数を示すことができ、遊技者が右打ちを継続させて今回の小当たり遊技において第1大入賞口54に10個の遊技球を進入させるように誘導することができる。
【0234】
そして本実施形態では、第1大入賞口54に進入した遊技球が特定領域64に進入すると、図17(F)に示すように、入賞数表示404において1個の宝箱が開いて1個のダイヤモンドが表示されるとともに、指示文字400および入賞数表示404の表示は継続されつつ、指示矢印402は表示されなくなり、指示矢印402が表示されていた領域に、「V」との文字により、遊技球が特定領域64に進入したことを報知する第1報知表示406が表示される。
【0235】
図17(F)の例では、1回の小当たり遊技において第1大入賞口54に進入した2個目の遊技球が特定領域64に進入することにより、入賞数表示404において2個目の宝箱が開いて2個目のダイヤモンドが表示されるとともに、第1報知表示406が表示されている。
【0236】
ここで本実施形態では、小当たり遊技において遊技球が特定領域64に進入しても、液晶ディスプレイ32の表示領域の全体において、大当たり遊技が実行されることを遊技者に報知する画像が表示されるようにするのではなく、指示文字400や入賞数表示404の表示が継続されつつ、液晶ディスプレイ32の表示領域の一部において、第1報知表示406が表示されるようにしている。
【0237】
そして本実施形態では、小当たり遊技において遊技球が特定領域64に進入した後も、小当たり遊技が終了するまで、第1報知表示406の表示が継続されつつ、指示文字400および入賞数表示404の表示が継続され、第1大入賞口54に1個の遊技球が進入するごとに、特定領域64に進入したか通常領域66に進入したかに関わらず、入賞数表示404において次の1個の宝箱が開いて次の1個のダイヤモンドが表示される。
【0238】
このように本実施形態では、オープニング期間である小当たり遊技の開始の4秒前から、図16に示したインターバル期間を含め小当たり遊技が終了するまで、指示文字400および入賞数表示404の表示が継続されつつ、未だ遊技球が特定領域64に進入していない状態では、指示矢印402が表示され、既に遊技球が特定領域64に進入した状態では、第1報知表示406が表示される。
【0239】
これにより本実施形態では、今回の小当たり遊技において遊技球が特定領域64に進入しても、遊技者が右打ちを継続させて今回の小当たり遊技において第1大入賞口54に10個の遊技球を進入させるように誘導することができる。
【0240】
また本実施形態では、小当たり遊技において遊技球が特定領域64に進入し、第1報知表示406が表示されている状態では、第1大入賞口54に遊技球が進入すると、図17(G)に示すように、入賞数表示404において1個の宝箱が開いて1個のダイヤモンドが表示される代わりに、1個のキャラクターが表示される場合があるようになっている。
【0241】
詳細には本実施形態では、今回の小当たり遊技において既に遊技球が特定領域64に進入している状態で、第1大入賞口54に1個の遊技球が進入すると、その時点で特別乱数記憶手段2914において保留されている第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値に対応する事前判定結果に、大当たりまたは小当たりが決定されたものが存在する場合に、その第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値について、小当たり遊技中の先読演出抽選が行われる。そして、小当たり遊技中の先読演出抽選で先読み演出を行うことが決定された場合に、入賞数表示404においてキャラクターが表示されるようにしている。なお、キャラクターが表示された以降は、第1大入賞口54に遊技球が進入するごとに、1個の宝箱が開いて1個のダイヤモンドが表示される。
【0242】
すなわち本実施形態では、小当たり遊技において遊技球が特定領域64に進入しても、遊技者が右打ちを継続的に行うことにより第1大入賞口54に遊技球を進入させると、今後の遊技の展開を示唆する演出が実行されることがあるようにしている。
【0243】
これにより本実施形態では、今回の小当たり遊技において遊技球が特定領域64に進入しても、遊技者が右打ちを継続させて今回の小当たり遊技において第1大入賞口54に10個の遊技球を進入させるように更に誘導することができる。
【0244】
そして本実施形態では、今回の小当たり遊技において、第1特別役物56が0.072秒間にわたって開状態となる動作が12回行われるか、第1大入賞口54に10個の遊技球が進入すると、今回の小当たり遊技が終了する。そして、今回の小当たり遊技において遊技球が特定領域64に進入した場合には、図16に示した終了後有効期間において、図17(H)に示すように、第1報知表示406の表示が継続されつつ、「ボーナス!」との文字により、大当たり遊技Cが開始されることを報知する第2報知表示407が表示される。
【0245】
一方、図16に示した警告期間が開始されるタイミングまでに遊技球が特定領域64に進入しない場合には、警告期間が開始されるとともに、図18(A)に示すように、入賞数表示404は表示されないが、指示文字400および指示矢印402の表示が継続されつつ、警告画像として、残り時間を表示して遊技球が特定領域64に進入可能な期間が終了してしまうことを警告する残り時間表示408が表示される。
【0246】
なお本実施形態では、残り時間表示408において表示される残り時間である5秒は、警告期間の残り時間となっており、図16に示したように、小当たり遊技が終了する0.744秒前に残り時間が0秒となるようにカウントダウン表示される。
【0247】
そして、残り時間表示408が表示されている状態で、すなわち警告期間において遊技球が特定領域64に進入すると、残り時間表示408と指示矢印402は表示されなくなり、図17(F)で示したように、指示文字400の表示が継続されつつ、第1報知表示406が表示され、入賞数表示404も表示される。
【0248】
しかし、遊技球が特定領域64に進入しないまま警告期間が経過すると、残り時間表示408の残り時間が0秒となり、図18(B)に示すように、扉が閉じられる画像と「チャンスタイム終了」との文字により、小当たり遊技が終了するが大当たり遊技Cが開始されないことを報知するパンク表示410が表示される。そして、遊技球が特定領域64に進入しないまま終了後有効期間が経過すると、図18(C)に示すように、通常状態の背景画像が表示されつつ、左演出図柄350、中演出図柄352および右演出図柄354の変動表示が開始される。
【0249】
なお本実施形態では、パンク表示410が表示された場合であっても、警告期間が終了してから小当たり遊技が終了するまでの0.744秒間において、特定領域センサ110が遊技球を検出すると、パンク表示410は表示されなくなり、図18(D)に示すように、第1報知表示406が表示されつつ第2報知表示407が表示される。
【0250】
また、パンク表示410が表示された場合であっても、終了後有効期間において、特定領域センサ110が遊技球を検出すると、図18(E)に示すように、表示される期間が極めて短くなることもあるため第1報知表示406は表示されずに第2報知表示407が表示される。
【0251】
こうして本実施形態では、警告期間が開始されるまでに遊技球が特定領域64に進入しない場合には、指示文字400および指示矢印402の表示が継続されつつ、入賞数表示404に代えて残り時間表示408が表示されることにより、遊技球が特定領域64に進入するように右打ちすべきことを遊技者に警告して、遊技球が特定領域64に進入せずに小当たり遊技が終了してしまわないようにしている。
【0252】
そして本実施形態では、パンク表示410が表示された後に、特定領域センサ110が遊技球を検出した場合には、特定領域センサ110が遊技球を検出したタイミングに応じて、第1報知表示406が表示される場合と第1報知表示406が表示されない場合があるようにすることにより、適切な態様で大当たり遊技Cが開始されることを報知するようにしている。
【0253】
4.変形例
本発明は、上記の実施形態で説明したものに限らず、種々の変形実施が可能であり、以下に変形例を紹介する。なお、上記実施形態や、以下において変形例として説明する各種の手法は、本発明を実現する制御手法として適宜組み合わせて採用することができる。
【0254】
まず上記実施形態では、入賞数表示404において、1回の小当たり遊技において第1大入賞口54に進入可能な10個の遊技球に対応させて10個の宝箱が表示され、第1大入賞口54に1個の遊技球が進入するごとに、1個の宝箱が開いて1個のダイヤモンドが表示される例を挙げて説明したが、例えば、1回の小当たり遊技において第1大入賞口54に進入可能な10個の遊技球に対応させて10個の目盛りを備えるメーターが表示され、第1大入賞口54に1個の遊技球が進入するごとに、メーターの針が次の目盛りを指すように移動する表示が行われるようにしてもよいし、「残りX個」という文字や「X/10個」という文字が表示され、第1大入賞口54に1個の遊技球が進入するごとに、Xの値が更新されて表示されるようにしてもよい。
【0255】
すなわち入賞数表示404は、今回の小当たり遊技において第1大入賞口54に進入可能な遊技球の数と、今回の小当たり遊技において第1大入賞口54に進入した遊技球の数の関係が表示されるものであって、第1大入賞口54に遊技球が進入するごとに更新されるものであればよい。
【0256】
また上記実施形態では、小当たり遊技が実行されている際に保留されている第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値に対応する事前判定結果に、大当たりまたは小当たりが決定されたものが存在する場合に、その第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値について小当たり遊技中の先読演出抽選が行われる例を挙げて説明したが、小当たり遊技が実行されている際に保留されている第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値に対応する事前判定結果に、大当たりまたは小当たりが決定されたものか、ハズレであるが固定値情報が含まれているものが存在する場合に、小当たり遊技中の先読演出抽選が行われるようにしてもよい。
【0257】
また、小当たり遊技が開始される際には、小当たり図柄Aが当選したのか小当たり図柄Bが当選したのかを演出画像からでは遊技者が判別できないようにしつつ、今回の小当たり遊技において既に遊技球が特定領域64に進入している状態で、第1大入賞口54に1個の遊技球が進入すると、時短状態の規定回数が100回に定められた小当たり図柄Aの当選に基づいて小当たり遊技が実行されている場合に所定の演出抽選が行われ、所定の演出抽選の結果に応じて、図17(G)に示したように入賞数表示404において1個のキャラクターが表示される場合があるなど、今後の遊技の展開を示唆する演出が実行される場合があるようにしてもよい。
【0258】
また上記実施形態では、1回の小当たり遊技において、1回のインターバル期間が設けられている例を挙げて説明したが、1回の小当たり遊技において、複数回のインターバル期間が設けられているようにしてもよい。例えば、1回の小当たり遊技において、第1特別役物56が0.072秒間にわたって開状態となった後に閉状態となる動作が4回行われると、1回目の3秒間のインターバル期間において第1特別役物56が閉状態に維持され、更に第1特別役物56が0.072秒間にわたって開状態となった後に閉状態となる動作が4回行われると、2回目の5秒間のインターバル期間において第1特別役物56が閉状態に維持され、更に第1特別役物56が0.072秒間にわたって開状態となった後に閉状態となる動作が4回行われると、1回の小当たり遊技が終了するようにしてもよい。そしてこの場合には、各回のインターバル期間は同一の時間となるようにしてもよいし、異なる時間となるようにしてもよい。
【0259】
また上記実施形態では、第1特別役物56が11回目に0.072秒間にわたって開状態となるまでの残り時間が5秒となったタイミング(所定タイミング)で、特定領域64に遊技球が進入していない場合に、警告画像が表示される例を挙げて説明したが、例えば、小当たり遊技が終了するまでの残り時間が5秒となったタイミング(所定タイミング)で、特定領域64に遊技球が進入していない場合に、警告画像が表示されるようにしてもよいし、インターバル期間が開始されてから2秒が経過したタイミング(所定タイミング)で、特定領域64に遊技球が進入していない場合に、警告画像が表示されるようにしてもよいし、インターバル期間が開始されるタイミング(所定タイミング)で、特定領域64に遊技球が進入していない場合に、警告画像が表示されるようにしてもよい。
【0260】
また上記実施形態では、パンク表示410が表示された場合には、警告期間が終了してから小当たり遊技が終了するまでの0.744秒間において、特定領域センサ110が遊技球を検出すると、第1報知表示406が表示されつつ第2報知表示407が表示され、終了後有効期間において、特定領域センサ110が遊技球を検出すると、第1報知表示406は表示されずに第2報知表示407が表示される例を挙げて説明したが、例えば、終了後有効期間が開始されてから1秒が経過するまでにおいて、特定領域センサ110が遊技球を検出すると、第1報知表示406が表示されつつ第2報知表示407が表示され、終了後有効期間が開始されて1秒が経過してから終了後有効期間が終了するまでにおいて、特定領域センサ110が遊技球を検出すると、第1報知表示406は表示されずに第2報知表示407が表示されるようにしてもよい。
【0261】
また上記実施形態では、第1大入賞口54と第2大入賞口58が遊技領域4に設けられ、小当たり遊技では第1特別役物56が開状態となり、大当たり遊技では第2特別役物60が開状態となる例を挙げて説明したが、特定領域64が設けられた1つの大入賞口が遊技領域4に設けられ、小当たり遊技でも大当たり遊技でも1つの大入賞口に設けられた特別役物が開状態となるようにしてもよい。
【0262】
また上記実施形態では、第2特別乱数値について特別抽選が行われる場合に参照される大当たり抽選テーブルBでは、約1/199の確率で大当たりが当選し、約1/7の確率で小当たりが当選し、また、5ラウンド図柄A、2ラウンド図柄および小当たり図柄Aに対して時短状態の規定回数が100回に定められ、5ラウンド図柄Bおよび小当たり図柄Bに対して時短状態の規定回数が12回に定められている例を挙げて説明したが、大当たり抽選テーブルBでは、約1/199の確率で大当たりが当選し、約198/199の確率で小当たりが当選し、すなわち必ず大当たりまたは小当たりが当選し、また、5ラウンド図柄A、2ラウンド図柄および小当たり図柄Aに対して時短状態の規定回数が1回に定められ、5ラウンド図柄Bおよび小当たり図柄Bに対して時短状態の規定回数が0回に定められているようにしてもよい。
【0263】
この場合には、5ラウンド図柄A、2ラウンド図柄または小当たり図柄Aが当選した場合には、特別遊技状態の終了後の時短状態における1回の特別抽選において必ず大当たりまたは小当たりが当選するが、5ラウンド図柄Bまたは小当たり図柄Bが当選した場合には、特別遊技状態が終了すると時短状態を経由せずに通常状態に移行されるようにすることができる。
【符号の説明】
【0264】
2 外枠、4 遊技領域、6 遊技盤、8 ガラスユニット、10 前枠、
12 前枠ランプ、14 スピーカー、16 上皿、18 払出口、
20 グリップユニット、22 供給口、24 下皿、26 演出ボタン、
28 外レール、30 内レール、32 液晶ディスプレイ、34 ディスプレイ枠、
36 演出ユニット、38 ディスプレイ枠ランプ、40 開口、42 通路、
44 ステージ、46 第1始動入賞口、48 通過ゲート、50 第2始動入賞口、
52 普通役物、54 大入賞口、56 特別役物、64 特定領域、66 通常領域、68 特定役物、69 アウト口、
71 状態表示部、72 普通図柄表示部、74 普通保留表示部、
76 第1特別図柄表示部、78 第1特別保留表示部、80 第2特別図柄表示部、
82 第2特別保留表示部、84 遊技状態表示部、100 メイン基板、
102 サブ基板、104 通過ゲートセンサ、106 第1始動入賞口センサ、
108 第2始動入賞口センサ、110 大入賞口センサ、116 払出センサ、
120 状態表示駆動装置、122 普通役物駆動装置、124 特別役物駆動装置
130 払出装置、150 演出ボタンスイッチ、170 演出表示装置、
172 音響装置、174 演出物駆動装置、176 演出装置、
210 乱数発生手段、220 普通抽選手段、222 普通表示制御手段、
224 普通役物制御手段、230 特別抽選手段、240 特別表示制御手段、
250 小当たり遊技実行手段、252 大当たり遊技実行手段、
260 遊技状態移行制御手段、270 払出制御手段、280 通信制御手段、
290 メインメモリ、2910 抽選テーブル記憶手段、
2912 普通乱数記憶手段、2914 特別乱数記憶手段、
2916 フラグ記憶手段、2932 時短終了判定カウンタ、
2933 ラウンドカウンタ、2934 開放タイマー、2936 大入賞数カウンタ、
300 演出制御手段、310 サブメモリ、3110 演出データ記憶手段、
3112 演出抽選テーブル記憶手段、3114 フレームバッファ、
350 左演出図柄、352 中演出図柄、354 右演出図柄
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18