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特許7510268スラスト荷重抑制部を備えた単段コンプレッサ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-25
(45)【発行日】2024-07-03
(54)【発明の名称】スラスト荷重抑制部を備えた単段コンプレッサ
(51)【国際特許分類】
   F04D 29/051 20060101AFI20240626BHJP
   F04D 29/08 20060101ALI20240626BHJP
   F04D 29/62 20060101ALI20240626BHJP
   F04D 29/44 20060101ALI20240626BHJP
   F04D 29/057 20060101ALI20240626BHJP
【FI】
F04D29/051
F04D29/08 D
F04D29/62 D
F04D29/44 P
F04D29/44 R
F04D29/057 A
【請求項の数】 12
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020068786
(22)【出願日】2020-04-07
(65)【公開番号】P2020183752
(43)【公開日】2020-11-12
【審査請求日】2023-04-07
(31)【優先権主張番号】16/400,469
(32)【優先日】2019-05-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518264217
【氏名又は名称】ギャレット・トランスポーテーション・ワン・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【氏名又は名称】竹内 茂雄
(72)【発明者】
【氏名】ミラン・ネジェドリー
(72)【発明者】
【氏名】松▲崎▼ 良建
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー・ロッターマン
【審査官】大瀬 円
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-086395(JP,A)
【文献】特開2009-257165(JP,A)
【文献】米国特許第03359731(US,A)
【文献】特開昭57-079295(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04D 29/051
F04D 29/08
F04D 29/62
F04D 29/44
F04D 29/057
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、
前記ハウジング内で回転するように支持されるシャフトと、
前記シャフトと共に回転するように前記シャフトへ固定されているコンプレッサホイールを有するコンプレッサ部と、
チャンバ及び前記チャンバ内に配置されたスラスト釣合体を有するスラスト抑制部であって、前記スラスト釣合体は前記シャフトと共に回転するように前記シャフトへ固定されている、スラスト抑制部と、
前記シャフト、前記コンプレッサホイール、及び前記スラスト釣合体を駆動回転させるように構成されているモータと、
前記チャンバを第1サブチャンバと第2サブチャンバへ分けている前記スラスト釣合体と、
前記コンプレッサ部と前記スラスト抑制部を流体接続している抽気システムであって、前記コンプレッサ部から前記第1サブチャンバを通して前記第2サブチャンバへ空気をブリードして、前記第1サブチャンバを加圧し、前記シャフトへのコンプレッサスラスト荷重を相殺する相殺性スラスト荷重を生成するように構成された抽気システムと、
を備えるコンプレッサデバイスであって、
前記抽気システムは、前記スラスト抑制部の前記第2サブチャンバを前記コンプレッサ部へ流体接続する戻りラインを含んでおり、
前記コンプレッサデバイスは、前記第2サブチャンバからの、前記コンプレッサ部へ戻る前記ブリード空気の流れを調整する弁、を更に備え、
前記弁は、閉位置に向けて付勢される一方向弁であり、
前記一方向弁は、前記第2サブチャンバが既定レベルへ加圧されると、前記閉位置から開位置へ向けて動くように構成されており、
前記スラスト抑制部は、前記スラスト釣合体を収納するスラスト抑制ハウジングを含んでおり、
前記コンプレッサデバイスは、前記スラスト釣合体の外側表面と前記スラスト抑制ハウジングの内側表面の間のラビリンスシールを更に備え、
前記スラスト釣合体は、前記第1サブチャンバを部分的に画定する第1面及び前記第2サブチャンバを部分的に画定する第2面を有する釣り合いディスクを含んでおり、
前記ラビリンスシールは、前記釣り合いディスクの前記第2面に対して封止し、
前記一方向弁および前記ラビリンスシールは、前記第2サブチャンバ上に設置されているコンプレッサデバイス。
【請求項2】
前記モータは前記コンプレッサデバイスのモータ部に含まれており、前記モータ部は前記コンプレッサ部と前記スラスト抑制部の間に配置されている、請求項1に記載のコンプレッサデバイス。
【請求項3】
前記抽気システムは、前記コンプレッサ部を前記スラスト抑制部の前記第1サブチャンバへ流体接続するように前記モータ部を通って延びる送りラインを含んでいる、請求項2に記載のコンプレッサデバイス。
【請求項4】
前記送りラインは、第1の長手方向区分、第2の長手方向区分、及び前記第1の長手方向区分と前記第2の長手方向区分を流体接続する半径方向区分を含んでいる、請求項3に記載のコンプレッサデバイス。
【請求項5】
前記戻りラインは、前記コンプレッサ部の吸込口へ流体接続される吸込マニホールドへ接続されており、
前記吸込口は、前記吸込マニホールドからの戻り空気流れを前記コンプレッサ部の前記吸込口へ方向決めするように構成された複数のノズルを含んでいる、請求項に記載のコンプレッサデバイス。
【請求項6】
前記抽気システムは、前記コンプレッサ部のディフューザー区域を前記第1サブチャンバへ流体接続する送りラインを含んでいる、請求項1に記載のコンプレッサデバイス。
【請求項7】
前記抽気システムは、前記コンプレッサ部を前記スラスト抑制部の前記第1サブチャンバへ流体接続する複数の送りラインを含んでおり、
前記複数の送りラインは、前記シャフトの回転軸の周りに周方向に間隔を空けて配置されている、請求項1に記載のコンプレッサデバイス。
【請求項8】
前記ハウジング内の前記シャフトの回転を支持する空気ベアリング、を更に備えている請求項1に記載のコンプレッサデバイス。
【請求項9】
前記コンプレッサ部は、前記コンプレッサデバイスの唯一のコンプレッサ部である、請求項に記載のコンプレッサデバイス。
【請求項10】
ハウジングと、
シャフト、前記シャフトへ固定されたコンプレッサホイール、及び前記シャフトへ固定されたスラスト釣合体、を含む回転群と、
前記ハウジング内の前記回転群の回転を支持する空気ベアリングと、
前記ハウジング内の前記回転群の回転を駆動するモータと、
抽気システムと、
を備える単段電動式コンプレッサデバイスであって、
前記ハウジングと前記コンプレッサホイールは、協働的に前記コンプレッサデバイスのコンプレッサ部を画定しており、
前記ハウジングと前記スラスト釣合体は、協働的に前記コンプレッサデバイスのスラスト抑制部を画定し、協働的に前記スラスト抑制部内のチャンバを画定しており、
前記抽気システムは、前記コンプレッサ部と前記スラスト抑制部の前記チャンバを流体接続し、前記抽気システムは、前記コンプレッサ部から空気をブリードし、前記チャンバを加圧し、前記スラスト釣合体へ相殺性スラスト荷重を加えるように構成されており、前記相殺性スラスト荷重は、前記回転群へのコンプレッサスラスト荷重を相殺し、
前記スラスト釣合体は前記チャンバを第1サブチャンバと第2サブチャンバへ分けており、
前記抽気システムは、前記コンプレッサ部と前記スラスト抑制部の前記第1サブチャンバを流体接続し、前記抽気システムは、前記コンプレッサ部から空気をブリードし、前記第1サブチャンバを加圧し、前記スラスト釣合体へ前記相殺性スラスト荷重を加えるように構成されており、前記第2サブチャンバは前記第1サブチャンバからのブリードされた空気を受け入れるように構成されており、
前記抽気システムは、前記スラスト抑制部の前記第2サブチャンバを前記コンプレッサ部へ流体接続する戻りラインを含んでおり、
前記コンプレッサデバイスは、前記第2サブチャンバからの、前記コンプレッサ部へ戻る前記ブリード空気の流れを調整する弁、を更に備え、
前記弁は、閉位置に向けて付勢される一方向弁であり、
前記一方向弁は、前記第2サブチャンバが既定レベルへ加圧されると、前記閉位置から開位置へ向けて動くように構成されており、
前記スラスト抑制部は、前記スラスト釣合体を収納するスラスト抑制ハウジングを含んでおり、
前記コンプレッサデバイスは、前記スラスト釣合体の外側表面と前記スラスト抑制ハウジングの内側表面の間のラビリンスシールを更に備え、
前記スラスト釣合体は、前記第1サブチャンバを部分的に画定する第1面及び前記第2サブチャンバを部分的に画定する第2面を有する釣り合いディスクを含んでおり、
前記ラビリンスシールは、前記釣り合いディスクの前記第2面に対して封止し、
前記ラビリンスシールは前記第1サブチャンバと前記第2サブチャンバの間の境界に配置されており、前記一方向弁は前記第2サブチャンバ上に設置されている単段電動式コンプレッサデバイス。
【請求項11】
前記モータは前記コンプレッサデバイスのモータ部に含まれ、前記モータ部は前記コンプレッサ部と前記スラスト抑制部の間に配置されており、
前記抽気システムは、前記コンプレッサ部を前記スラスト抑制部の前記第1サブチャンバへ流体接続するように前記モータ部を通って延びる送りラインを含んでいる、請求項10に記載のコンプレッサデバイス。
【請求項12】
前記送りラインは、第1の長手方向区分、第2の長手方向区分、及び前記第1の長手方向区分と前記第2の長手方向区分を流体接続する半径方向区分を含んでいる、請求項11に記載のコンプレッサデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示は、概括的には、単段コンプレッサに関するものであり、より厳密には、スラスト荷重補償部を備えた単段コンプレッサに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]様々なシステムが、圧縮流体を供給するためのコンプレッサを含んでいる。例えば、燃料電池システムは、空気を燃料電池スタックへ送られる前に圧縮するための燃料電池コンプレッサを含んでいることが多い。これは、燃料電池システムの運転効率を高めることができる。
【0003】
[0003]しかしながら、従来のコンプレッサは様々な不備に悩まされることがある。例えば、一部のコンプレッサは、幾つかの用途について嵩高すぎる、重すぎる、又は複雑すぎることもある。更に、一部の従来のコンプレッサで使用されているベアリングは、汚染源となる可能性もある。また、一部のコンプレッサは、その有用性及び/又は運転効率を制限する荷重支承容量を有していることもある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
[0004]ゆえに、従来のコンプレッサよりもコンパクトで複雑性の低いコンプレッサを提供するのが望ましい。更に、コンプレッサを汚染しにくいコンプレッサベアリングを提供するのが望ましい。また、従来のコンプレッサよりも高い荷重支承容量を備えたコンプレッサを提供するのが望ましい。本開示の他の望ましい特徴及び特性は、後続の詳細な説明と付随の特許請求の範囲が添付図面及びこの背景技術の論考と併せて考察されることにより明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[0005]1つの実施形態では、ハウジングと、ハウジング内で回転するように支持されるシャフトと、を含むコンプレッサデバイスが開示されている。コンプレッサデバイスは、更に、シャフトと共に回転するようにシャフトへ固定されたコンプレッサホイールを有するコンプレッサ部を含んでいる。また、コンプレッサデバイスは、チャンバ及びチャンバ内に配置されたスラスト釣合体を有するスラスト抑制部を含んでいる。スラスト釣合体は、シャフトと共に回転するようにシャフトへ固定されている。加えて、コンプレッサデバイスは、シャフト、コンプレッサホイール、及びスラスト釣合体を駆動回転させるように構成されたモータを含んでいる。スラスト釣合体は、チャンバを第1サブチャンバと第2サブチャンバへ分ける。また、コンプレッサデバイスは、コンプレッサ部とスラスト抑制部を流体接続している抽気システムであって、コンプレッサ部から第1サブチャンバを通して第2サブチャンバへ空気をブリードして、第1サブチャンバを加圧し、シャフトへのコンプレッサスラスト荷重を相殺する相殺性スラスト荷重(balancing thrust load)を生成するように構成された抽気システムを含んでいる。
【0006】
[0006]別の実施形態では、ハウジングと、シャフト、シャフトへ固定されたコンプレッサホイールス、及びシャフトへ固定されたスラスト釣合体、を含んでいる回転群と、を有する単段電動式コンプレッサデバイスが開示されている。コンプレッサデバイスは、更に、ハウジング内の回転群の回転を支持する空気ベアリングを含んでいる。また、コンプレッサデバイスは、ハウジング内の回転群の回転を駆動するモータと、抽気システムと、を含んでいる。ハウジングとコンプレッサホイールは、協働的にコンプレッサデバイスのコンプレッサ部を画定している。ハウジングとスラスト釣合体は、協働的にコンプレッサデバイスのスラスト抑制部を画定し、協働的にスラスト抑制部内のチャンバを画定している。抽気システムは、コンプレッサ部とスラスト抑制部のチャンバを流体接続している。抽気システムは、コンプレッサ部から空気をブリードし、チャンバを加圧し、スラスト釣合体へ相殺性スラスト荷重を加えるように構成されている。相殺性スラスト荷重は、回転群へのコンプレッサスラスト荷重を相殺する。
【0007】
[0007]本開示は、これ以降、以下の図面と関連付けて説明されるものであり、図面中、同様の符号は同様の要素を表す。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】[0008]本開示の例示としての実施形態による充電デバイスを有する燃料電池システムの概略図である。
図2】[0009]図1の2-2線に沿って取られた充電デバイスの端面断面図である。
図3】[0010]図2の3-3線に沿って取られた充電デバイスの軸方向断面図である。
図4】[0011]図1の充電デバイスの細部断面図である。
図5】[0012]図1の充電デバイスの細部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[0013]以下の詳細な説明は、本質的に例示にすぎず、本開示又は本開示の適用及び使用を限定しようとするものではない。また、先述の背景技術又は以下の詳細な説明に提示されている何れかの理論によって拘束される意図はない。
【0010】
[0014]広範には、本明細書に開示されている例示としての実施形態は、スラスト荷重補償配設を備えたコンプレッサを含んでいる。スラスト補償配設は、コンプレッサ空気流れ経路からブリード空気を受け入れるように構成された空気ブリード通路を含んでいてもよい。ブリード空気は、回転群へのコンプレッサホイールのスラスト荷重を補償するためにスラスト荷重補償配設を通って方向決めされることができる。言い換えれば、スラスト補償配設は、これらの荷重を軽減し又は相殺することができる。その結果、コンプレッサは、空気ベアリングの様な比較的単純なベアリングを含むことができる。これは、性能に悪影響を及ぼすことなく、コスト節減と効率性をもたらすことができる。また、コンプレッサは、コンパクトで設計及び組立が複雑ではない単段コンプレッサとして構成されることができる。
【0011】
[0015]図1は、本開示の例示としての充電デバイス102を備えた燃料電池システム100の概略図である。幾つかの実施形態では、燃料電池システム100は、乗用車、トラック、スポーツ用多目的車、バン、オートバイなどの様な車両に含まれることができる。しかしながら、燃料電池システム100は、本開示の範囲から逸脱することなく異なる用途向けに構成され得ることが理解されるであろう。
【0012】
[0016]燃料電池システム100は、複数の燃料電池を内包する燃料電池スタック104を含んでいてもよい。既知の化学反応によって電気を生成するために、水素が充電デバイス10から燃料電池スタック104へタンク106から供給され、酸素が燃料電池スタック104へ供給されることになる。燃料電池スタック104は、電気モータ105の様な電気デバイスのための電気を生成することができる。述べられている様に、燃料電池システム100は車両に含まれることができるとされ、ゆえに幾つかの実施形態では、電気モータ105は電気パワーを、車両の車軸(ひいては1つ又はそれ以上の車輪)を駆動し回転させるための機械的パワーへ変換することができる。
【0013】
[0017]酸素は、少なくとも一部には充電デバイス102によって、燃料電池スタック104へ提供されることができる。充電デバイス102は、幾つかの実施形態では単段コンプレッサを備えた電気コンプレッサデバイス(すなわち、電気スーパーチャージャー)として構成されることができる。
【0014】
[0018]図1に示されている様に、充電デバイス102は概して回転群118とハウジング119を含むものとすることができる。回転群118は、シャフト150と、ハウジング119内で回転するように1つ又はそれ以上のベアリング121によってシャフト150上に固定的に支持される様々な他の構成要素と、を含んでいてもよい。幾つかの実施形態では、(単数又は複数の)ベアリング121は、プレーンベアリング、空気ベアリング、及び/又はオイルレスベアリングとして構成されることができる。
【0015】
[0019]充電デバイス102は、モータ部112を画定していてもよい。モータ部112、ステータ146とロータ148を含む電気モータ199を含んでいてもよい。ロータ148はシャフト150へ固定されていてもよい。ステータ146はハウジング119内に支持、収容されていて、ロータ148及び回転群118の他の要素を軸120周りに駆動回転させるようになっていてもよい。
【0016】
[0020]充電デバイス102は、更に、コンプレッサ部110を含むことができる。幾つかの実施形態では、コンプレッサ部110は充電デバイス102のたった1つの(唯一の)コンプレッサ部となり得る。そうすると充電デバイス102は比較的コンパクトになり得る。コンプレッサ部110は、シャフト150の長手方向端へ固定されるコンプレッサホイール130を含んでいてもよい。論じられる様に、コンプレッサホイール130とハウジング119の諸部分は、協働してコンプレッサ部110を画定する。モータ199は、コンプレッサホイール130をコンプレッサ部110のハウジング119内で軸120周りに駆動回転させるようになっていてもよい。その結果、吸込空気流(矢印122によって表現)がコンプレッサ部110によって圧縮され、圧縮空気流(矢印124によって表現)がインタークーラー128へ方向決めされ、次いで燃料電池システム100の運転効率を高めるように燃料電池スタック104へ方向決めされることになる。
【0017】
[0021]また、燃料電池スタック104からの排気ガス流(矢印132で表現)は、図1に表現されているように大気へ排気されてもよい。別の言い方をするなら、排気ガス流132は充電デバイス102から離れるように方向決めされることになる。ゆえに、充電デバイス102は、幾つかの実施形態では、電気モータ199だけで駆動されるタービンレスコンプレッサデバイスとなり得る。他の実施形態では、排気ガス流132は充電デバイス102へ向かって戻るように方向決めされて、例えばシャフト150へ固定されるタービンホイールの回転を駆動するようになっていてもよい。これが今度はコンプレッサホイール130の回転を駆動して、例えば電気モータ199を支援するようになっていてもよい。
【0018】
[0022]燃料電池システム100の様々な構成要素は制御システム134によって制御されてもよい。制御システム134は、プロセッサと、各種センサと、燃料電池スタック104、モータ199、及び/又はシステム100の他の機構の動作を電気的に制御するための他の構成要素と、を有するコンピュータ化されたシステムであってもよい。幾つかの実施形態では、制御システム134は、車両の電気制御ユニット(ECU)の一部を画定しているか又は一部であってもよい。
【0019】
[0023]運転中は、コンプレッサ部100にて空気力学的荷重が生成され得ることが理解されるだろう。例えば、コンプレッサホイール130によって生成されるスラスト荷重は、回転群118を軸120に沿って軸方向に(図1の紙面の右側へ)シフトさせる傾向があるだろう。しかし、(単数又は複数の)ベアリング121は、回転群118を支持し、スラスト荷重に起因する軸方向シフトに抵抗し、軸方向シフトを制限することができる。
【0020】
[0024]また、充電デバイス102は、幾つかの実施形態では、荷重抑制部160を含んでいてもよい。モータ部112は、幾つかの実施形態では、軸方向に、荷重抑制部160とコンプレッサ部110の間に配置されることができる。荷重抑制部160は、コンプレッサ部110にて生成されるシャフト150へのスラスト荷重を補償するように構成されることができる。例えば、詳細に論じられる様に、荷重抑制部160は、コンプレッサ部110でのシャフト150へのスラスト荷重を相殺する相殺性スラスト力を生成することができるだろう。荷重抑制部160の諸特徴は、論じられる様にコンプレッサ部110にて生成されるラジアル荷重を補償することもできるだろう。ゆえに、荷重抑制部160は、充電デバイス102が、高速で動作することを可能にし、充電デバイス102の高効率動作をもたらすことができるだろう。更に、含まれる(単数又は複数の)ベアリング121は、荷重抑制部160によって提供される荷重補償に因り、充電デバイス102の性能に悪影響を及ぼすことなく、軽量、安価、且つ複雑性の低いベアリングとすることができる。
【0021】
[0025]充電デバイス102は、追加的に、抽気システム162を含んでいてもよい。抽気システム162は、コンプレッサ部110と荷重抑制部160を流体接続していてもよい。幾つかの実施形態では、抽気システム162は、コンプレッサ部110を荷重抑制部160へ流体接続する1つ又はそれ以上の送りライン164(図3)を含んでいてもよい。したがって、コンプレッサ部110からのブリード空気は、論じられる様に、荷重抑制部160へ流れ、荷重抑制部160を加圧して、釣合せ荷重を生成させることができる。また、幾つかの実施形態では、抽気システム162は、荷重抑制部160をコンプレッサ部110へ流体接続する戻りライン166(図1)を含んでいてもよい。したがって、幾つかの実施形態では、抽気システム162は、コンプレッサ部110から荷重抑制部160へ空気をブリードし、ブリード空気をコンプレッサ部110へ戻すことができる。こうして、抽気システム162は、幾つかの実施形態では、閉システムであってもよい。また一方、他の実施形態では、抽気システム162は、荷重抑制部160からのブリード空気を大気又は別の目的地へ排気する開システムであってもよい。加えて、幾つかの実施形態では、抽気システム162は、回転群118でのスラスト荷重を自動的に釣り合わせるように動作する受動システムであってもよい。
【0022】
[0026]荷重抑制部160と抽気システム162は、集合的に、いわゆるスラスト荷重補償配設を画定していることが理解されるであろう。これらの特徴は、本開示の範囲から逸脱することなしに図示された実施形態とは異なっていてもよい。更に、これらの特徴は、(単数又は複数の)ベアリング121が単純化されることを可能にする。例えば、1つ又はそれ以上のベアリング121は、幾つかの実施形態では、空気ベアリングであってもよい。そうすると、充電デバイス102は強力運転を長い運転寿命に亘って維持することができるだろう。更に、充電デバイス102は、本開示の諸特徴に因り、安価に且つ時間効率の良いやり方で製造及び補修されることができる。
【0023】
[0027]これより図1図3を参照して、回転群118のコンプレッサホイール130が、例示としての実施形態に従ってよりいっそう詳細に論じられる。コンプレッサホイール130は、実質的に、軸120に中心合わせされ、シャフト150の一端へ固定されることができる。コンプレッサホイール130は、前面167と後面168を含むものとすることができる。コンプレッサホイール130の嵩は支持体構造182によって画定されることができる。支持体構造182は、円錐形状をしているか又はそれ以外に前面166から後面168に向けて軸120に沿ってテーパ状をしていて、後面168は実質的に軸120に垂直に配置されていてもよい。前面167は、複数のブレード184(図2)を含んでいてもよい。ブレード184は、前面167から突出する比較的薄い部材であってもよい。ブレード184は、軸120から半径方向に離れるように突出していてもよい。ブレード184は、更に、軸120の周りに螺旋状に延びていてもよい。コンプレッサホイール130は、シャフト150の一方の終端へ固定されるようにシャフト150を受け入れる内腔169を含んでいてもよい。前面167は、モータ部112から見て外方を向いていてもよい。支持体構造182は、軸120周りに滑らかに回転するように寸法設定され釣り合わされていてもよい。
【0024】
[0028]回転群118は、更に、スラスト釣合体170を含んでいてもよい。スラスト釣合体170は、実質的に軸120に中心合わせされていて、コンプレッサホイール130とは反対側になるシャフト150の端へ固定されることができる。スラスト釣合体170は、丸くて平らな釣り合いディスク165を含んでいてもよい。釣り合いディスク165は、前面172と半径区域173と後面174を有する外側表面171を含んでいてもよい。釣り合いディスク165は、荷重抑制部160内で前面172をモータ部112の方に向けてシャフト150を受け入れ固定させる内腔175を含んでいてもよい。釣り合いディスク165をシャフト150上に固定するナット205が含まれていてもよい。釣り合いディスク165は、軸120周りに滑らかに回転するように寸法設定され釣り合わされている。更に、釣り合いディスク165は、シャフト150及びコンプレッサホイール130と共に一体として回転するように支持されていてもよい。論じられる様に、釣り合いディスク165とコンプレッサホイール130は、その様な回転の間、互いに釣り合って、充電デバイス102の全体としてのスラスト荷重及び/又はラジアル荷重を軽減させることができる。
【0025】
[0029]充電デバイス102のハウジング119の例示としての実施形態が、これより図1図3を参照して、いっそう詳細に論じられる。図示されている様に、ハウジング119は、中空円筒状のモータケーシング144を含んでいてもよい。モータケーシング144は、コンプレッサ段110と荷重抑制部160の間を軸120に沿って長さ方向に延びていてもよい。モータケーシング144はステータ146を収納することができる。こうして、ステータ146はモータケーシング144の内部に固定されるのに対し、ロータ148は回転群118のシャフト150上に固定され、ステータ146内に受け入れられることができる。
【0026】
[0030]また、ハウジング119は、軸方向吸込口138とシュラウド部材139とボリュート部材140を画定するコンプレッサハウジング部材136を含んでいてもよい。軸方向吸込口138とシュラウド部材139とボリュート部材140は、一体型単体コンプレッサハウジング部材136として一体に付着されていてもよい。ボリュート部材140は、モータケーシング144の一方の端に又はモータ部112の他の部分へ固定的に取り付けられていてもよい。軸方向吸込口138は、管状、直線状であって、軸120に中心合わせされていてもよい。シュラウド部材139は、コンプレッサホイール130とコンプレッサハウジング部材136が協働してコンプレッサ部110を画定するように、コンプレッサホイール130の前面167をなぞって逆の形状をしていてもよい。シュラウド部材139は、コンプレッサ部110のディフューザー区域179を集合的に画定するようにコンプレッサホイール130のブレード184に対向していてもよい。ディフューザー区域179は、吸込空気流122を半径方向外方へボリュート通路142の中へと方向転換させることができる。ボリュート部材140は、その中に軸120周りに延びるボリュート通路142を画定していてもよい。論じられる様に、充電デバイス102の運転中、吸込空気流122は、吸込口138の中へ流入し、ディフューザー区域179を通って流れ、ボリュート通路142の中へ流入することになる。ボリュート部材140は吐出口143(図1)を画定していてもよい。ボリュート通路142の吐出口143から、空気流124はインタークーラー128へ流れ、次いで燃料電池スタック104へ流れてゆく。
【0027】
[0031]ハウジング119は、更に、スラスト抑制ハウジング180を含んでいてもよい。スラスト抑制ハウジング180は、内側表面181と外側表面183を有する薄肉壁で剛性のある一体型単体部材とすることができる。釣り合いディスク165とスラスト抑制ハウジング180が協働して荷重抑制部160を画定するように、スラスト抑制ハウジング180の諸部分は釣り合いディスク165の半径区域173及び後面174とは実質的に逆になっていてもよい。スラスト抑制ハウジング180は、モータケーシング144のエンドフランジ156を覆って固定的に取り付けられることができる。こうして、スラスト抑制ハウジング180は、軸方向に、コンプレッサ部110とは反対側に配置されることになる。スラスト抑制ハウジング180とモータケーシング144(ならびに充電デバイス102の1つ又はそれ以上の内部構成要素)は、集合的に、荷重抑制部160内に1つ又はそれ以上のチャンバ190を画定していてもよい。チャンバ190は、論じられる様に抽気システム162の一部を画定していてもよい。
【0028】
[0032]上述の通り、図1図3に示されている様に、充電デバイス102の(単数又は複数の)ベアリング121は空気ベアリングを含んでいてもよい。したがって、ベアリング121は、コンプレッサ部110に近接して第1ベアリングハウジング186を含んでいてもよい。ベアリング121は、更に、荷重抑制部160に近接して第2ベアリングハウジング196を含んでいてもよい。第1ベアリングハウジング186は、キャップ形状をしていて、回転群118のハウジング119に対する回転を支持する第1ジャーナルベアリング188、スラストベアリング187、スラストディスク189を支持するようになっていてもよい。第2ベアリングハウジング197は、モータケーシング144から半径方向内方に延びていて、回転群118のハウジング119に対する回転を更に支持する第2ジャーナルベアリング197を支持するようになっていてもよい。
【0029】
[0033]加えて、充電デバイス102は、更に、第1エンドプレート191を含んでいてもよい。第1エンドプレート191は、モータケーシング144のエンドフランジ156内に受け入れられる薄肉壁部材であってもよい。第1エンドプレート191は、更に、ステータ146の軸方向端、モータケーシング144、及び/又は第2ベアリングハウジング196を上から覆っていてもよい。
【0030】
[0034]また、充電デバイス102は、第2エンドプレート198を含んでいてもよい。第2エンドプレート198は、モータケーシング144のエンドフランジ156内に受け入れられる薄肉壁部材であってもよい。第2エンドプレート198は、第1エンドプレート191を上から覆っていてもよい。
【0031】
[0035]充電デバイス102は、更に、コンプレッサ部110に近接して第1シールプレート152を含んでいてもよい。第1シールプレート152は、シャフト150を受け入れる内腔を含んでいてもよい。第1シールプレート152は、更に、スラストベアリング187の内腔内に受け入れられていてもよい。第1シールプレート152は、更に、軸方向に、コンプレッサホイール130の後面168とスラストディスク189の間に配置されていてもよい。また、充電デバイス102は、荷重抑制部160に近接して第2シールプレート154を含んでいてもよい。第2シールプレート154は、シャフト150を受け入れる内腔を含んでいてもよい。第2シールプレート154は、更に、第2エンドプレート198の内腔内に受け入れられていてもよい。
【0032】
[0036]図4に示されている様に、釣り合いディスク165は、実質的にチャンバ190を第1サブチャンバ192と第2サブチャンバ194へ分けていてもよい。具体的には、図4に示されている様に、ディスク165の半径区域173と後面174は、直接隣接していて、スラスト抑制ハウジング180の内側表面181の一部分に対向していてもよい。また、充電デバイス102は、第1サブチャンバ192と第2サブチャンバ194の間の境界を実質的に封止する少なくとも1つのシーリング部材200を含んでいてもよい。シーリング部材200は、幾つかの実施形態では内側表面181とディスク165の外側表面171の間のラビリンスシールを含んでいてもよい。シーリング部材200はリッジ202を含み、釣り合いディスク165の後面174は対応するリッジ204を含んでいてもよい。シーリング部材200は、後面174に対して封止し、リッジ202とリッジ204が相互作用して、論じられる様に第1サブチャンバ192から第2サブチャンバ194へのブリード空気流れのための蛇行経路を画定するようになっていてもよい。したがって、ディスク165の前面172と第2エンドプレート198とスラスト抑制ハウジング180の内側表面181は、集合的に、第1サブチャンバ192を画定することができる。ディスク165の後面174とシーリング部材200とスラスト抑制ハウジング180の内側表面181とナット205は、集合的に、第2サブチャンバ194を画定することができる。
【0033】
[0037]ハウジング119及び/又は充電デバイス102の他の部分は詳細に説明されていないが多数の追加の構成要素を含んでいてもよい、ということが理解されるだろう。例えば、ハウジング119は、多数の締結具、流体シール、熱遮蔽材、及び/又は充電デバイス102の効率的効果的運転を維持するための他の構成要素を含んでいてもよい。
【0034】
[0038]これより図2及び図3を参照して、抽気システム162の送りライン164が例示としての実施形態に従って論じられる。図2に表現されている様に、軸120の周りに周方向に均等に間隔を空けて複数(例えば8つ)の送りライン164が配置されていてもよい。送りライン164は、第1ベアリングハウジング186(図2及び図3)の厚さを貫いて延びる貫通穴210又は他の開口によって個々に画定されていてもよい。送りライン164は、更に、貫通穴210の1つと整列されていてモータケーシング144を通って軸方向に延びている長手方向通路212(図3)によって個々に画定されていてもよい。また、送りライン164は、第2ベアリングハウジング196と第1エンドプレート191の間に画定される細い半径方向ギャップ214によって画定されていてもよい。加えて、送りライン164は、第1エンドプレート191を貫く第1エンド通路216及び第2エンドプレート198を貫く整列された第2エンド通路218によって個々に画定されていてもよい。したがって、図3に表現されている様に、送りライン164の少なくとも1つは、流体的に連続していて、コンプレッサ部110のディフューザー区域179から、長手方向に孔210及び長手方向通路212を通り、半径方向にギャップ214を通り、長手方向に第1エンド通路216及び第2エンド通路218を通って、荷重抑制部160の第1サブチャンバ192まで延びていてもよい。言い換えるなら、送りライン164は、第1の長手方向区分(孔210及び長手方向通路212)、半径方向区分(ギャップ214)、及び第2の長手方向区分(整列された第1エンド通路216と第2エンド通路218)を含むこととなり、半径方向区分は第1の長手方向区分と第2の長手方向区分を流体接続する。
【0035】
[0039]これより図1を参照して、抽気システム162の戻りライン166が例示としての実施形態に従って論じられる。図示されている様に、戻りライン166は、モータケーシング144とコンプレッサハウジング部材136の外部に沿って曲がり延びている管221を含んでいてもよい。戻りライン166は、更に、第2サブチャンバ194からコンプッサ部110へ戻るブリード空気の流れを調整する弁部材220を含んでいてもよい。図5に示されている様に、弁部材220は、軸120に中心合わせされスラスト抑制ハウジング180へ取り付けられている一方向弁であってもよい。したがって、弁部材220は、第2サブチャンバ194へ流体接続されていてもよい。弁部材220は、付勢部材219によって閉位置(図5に仮想線で図示)へ向けて付勢されていてもよい。弁部材220は、第2サブチャンバ194内の圧力の力を受けて、付勢部材219からの付勢力に逆らって閉位置から開位置(図5に実線で図示)へ動くことができる。論じられる様に、弁部材220は、第2サブチャンバ194が既定レベルへ加圧されると、閉位置から開位置に向かって動くことができる。
【0036】
[0040]管221は、コンプレッサ部吸込口138に近接してコンプレッサ部110の吸込口取付具223(図1)へ固定されていてもよい。吸込口取付具223は、コンプレッサハウジング部材136の吸込口138を包囲していて吸込口138へ流体接続されている環状チャンバである吸込マニホールド225へ接続されていてもよい。加えて、吸込口138は、戻りブリード空気流れを吸込マニホールド225からコンプレッサ部110の吸込口138の中へ戻るよう方向決めする1つ又はそれ以上のノズル227を含んでいてもよい。
【0037】
[0041]こうして、充電デバイス102の運転中、吸込空気流122は吸込口138の中へ方向決めされることになる。コンプレッサ部110は、空気流122を圧縮し、圧縮空気流124をインタークーラー128へ、そして燃料電池スタック104へ送ることができる。その間に、ディフューザー領域179からのブリード空気は、貫通穴210及び長手方向通路212を通ってギャップ214の中へブリードされる。ギャップ214のブリード空気は、第1エンド通路216及び第2エンド通路218を通って荷重抑制部160の第1サブチャンバ192の中へ流入することになる。
【0038】
[0042]このブリード空気は、シーリング部材200での封止に因り、第1サブチャンバ192(即ち、高圧チャンバ)を加圧することになる。ブリード空気は、ゆくゆくは、ラビリンスシーリング部材200を通って第2サブチャンバ194(即ち、低圧チャンバ)へと流れてゆく。最終的に、第2サブチャンバ194内の圧力が弁部材220を開くのに十分に高く上昇し、弁が開くことによりブリード空気が管221を通ってコンプレッサ部110の吸込口138へ流れ戻れるようになる。
【0039】
[0043]第1サブチャンバ192と第2サブチャンバ194の間には圧力勾配が存在し得る、ということが理解されるだろう。第1サブチャンバ192は、第2サブチャンバ194よりも高く加圧されるように構成されることができる。また、第1サブチャンバ192の圧力は、釣り合いディスク165に荷重を加えモータ部112から離れる軸方向の向き(図1及び図3では左側)へ方向決めされるスラスト荷重を生成する傾向がある。このスラスト荷重は、コンプレッサホイール130にて生成されるスラスト荷重を相殺し、釣り合わせる。こうして、回転群118は、顕著な全体スラスト荷重なしに釣り合いのとれた回転を維持することができる。そういうわけで、(単数又は複数の)ベアリング121を、充電デバイス102の運転を危うくすることなく空気ベアリングの様な比較的軽量のベアリングとすることができるのである。
【0040】
[0044]以上の詳細な説明では少なくとも1つの例示的な実施形態が提示されたが、膨大な数の変形型が存在するものと理解されたい。更に、単数又は複数の例示的な実施形態は一例にすぎず、本開示の範囲、適用可能性、又は構成を如何様にも限定する意図のないことを理解されたい。むしろ、以上の詳細な説明は、当業者に本開示の例示的な実施形態を実施するのに都合の良いロードマップを提供しようとしているのである。例示的実施形態に説明されている諸要素の機能及び配置には、付随の特許請求の範囲に示される本開示の範囲から逸脱することなく様々な変更がなされ得るものと理解される。
【符号の説明】
【0041】
100 燃料電池システム
102 充電デバイス
104 燃料電池スタック
105 電気モータ
106 タンク
110 コンプレッサ部
112 モータ部
118 回転群
119 ハウジング
120 軸
121 ベアリング
122 吸込空気流
124 圧縮空気流
128 インタークーラー
130 コンプレッサホイール
132 排気ガス流
134 制御システム
136 コンプレッサハウジング部材
138 吸込口
139 シュラウド部材
140 ボリュート部材
142 ボリュート通路
143 吐出口
144 モータケーシング
146 ステータ
148 ロータ
150 シャフト
152 第1シールプレート
154 第2シールプレート
156 エンドフランジ
160 荷重抑制部
162 抽気システム
164 送りライン
165 釣り合いディスク
166 戻りライン
167 コンプレッサホイールの前面
168 コンプレッサホイールの後面
169 内腔
170 スラスト釣合体
171 外側表面
172 前面
173 半径区域
174 後面
175 内腔
179 ディフューザー区域
180 スラスト抑制ハウジング
181 内側表面
182 支持体構造
183 外側表面
184 ブレード
186 第1ベアリングハウジング
187 スラストベアリング
188 第1ジャーナルベアリング
189 スラストディスク
190 チャンバ
191 第1エンドプレート
192 第1サブチャンバ
194 第2サブチャンバ
196 第2ベアリングハウジング
197 第2ジャーナルベアリング
198 第2エンドプレート
199 電気モータ
200 シーリング部材
202 シーリング部材のリッジ
204 釣り合いディスクのリッジ
205 ナット
210 貫通穴
212 長手方向通路
214 半径方向ギャップ
216 第1エンド通路
218 第2エンド通路
219 付勢部材
220 弁部材
221 管
223 吸込口取付具
225 吸込マニホールド
227 ノズル
図1
図2
図3
図4
図5