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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-25
(45)【発行日】2024-07-03
(54)【発明の名称】情報処理装置および情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0251 20230101AFI20240626BHJP
【FI】
G06Q30/0251
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020075606
(22)【出願日】2020-04-21
(65)【公開番号】P2021174109
(43)【公開日】2021-11-01
【審査請求日】2023-04-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森 太省
【審査官】山田 倍司
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-215667(JP,A)
【文献】特開2015-082134(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0348122(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0267537(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0249865(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第110062030(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
位置が既知である撮像装置から得られる映像データを解析し、予め登録された物品を検出する検出手段と、
前記検出された物品を撮影した撮像装置の位置情報と、予め登録された物品保持者それぞれの位置情報とに基づいて、前記検出された物品が予め登録された物品保持者のいずれかの所有物であるか否かを判定する判定手段と、
前記検出された物品が、予め登録された物品保持者の所有物であると判定された場合、前記物品を興味のある物品として登録している広告閲覧者のうち、前記物品保持者から所定距離の範囲内に存在する広告閲覧者を探索する探索手段と、
前記探索手段によって探索された広告閲覧者に、前記物品の位置情報を通知する通知手段と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記物品を所有する物品保持者の位置情報を前記物品の位置情報として送信することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記物品が広告依頼者によって予め登録された物品である場合、前記物品保持者に対して対価を付与することを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記物品が広告依頼者によって予め登録された物品である場合、前記広告依頼者に対して広告料を請求することを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記検出された物品の所有者と判定された物品保持者に対し、前記検出された物品を所有していることを確認するメッセージを送信することを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記検出された物品の所有者と判定された物品保持者に対し、位置情報の提供可否を問い合わせるメッセージを送信することを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記通知手段は、
前記位置情報の提供可否を問い合わせるメッセージに対して位置情報の提供を行うとの回答があった場合に、前記探索手段によって探索された広告閲覧者に前記物品の位置情報を通知し、
前記位置情報の提供可否を問い合わせるメッセージに対して位置情報の提供を行わないの回答があった場合に、前記探索手段によって探索された広告閲覧者に前記物品の位置情報を通知しない、
ことを特徴とする請求項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記検出手段は、前記予め登録された物品が車両である場合、自動車登録番号に基づいて前記検出を行うことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記通知手段は、前記物品の位置情報に加え、前記物品が写った映像データを通知することを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
位置が既知である撮像装置から得られる映像データを解析し、予め登録された物品を検出する検出工程と、
前記検出された物品を撮影した撮像装置の位置情報と、予め登録された物品保持者それぞれの位置情報とに基づいて、前記検出された物品が予め登録された物品保持者のいずれかの所有物であるか否かを判定する判定工程と、
前記検出された物品が、予め登録された物品保持者の所有物であると判定された場合、前記物品を興味のある物品として登録している広告閲覧者のうち、前記物品保持者から所定距離の範囲内に存在する広告閲覧者を探索する探索工程と、
前記探索工程において探索された広告閲覧者に、前記物品の位置情報を通知する通知工程と、
を有することを特徴とする情報処理方法。
【請求項11】
コンピュータを、請求項1からのいずれか1項に記載の情報処理装置が有する各手段として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は情報処理装置および情報処理方法に関し、特には物品の情報を提供する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、興味のある商品の情報を収集する場合、テレビ、雑誌、インターネットなどで企業が提供している広告映像を鑑賞したり、小売店やショールームなどに出向いて実物を見たり触ったりするのが一般的である。
【0003】
しかしながら、企業が提供する広告映像は視聴者の目を引くために様々な装飾や加工が施されていることが多い。そのため、広告映像から実物の大きさ、色、質感などを把握することは困難である。また、近くの小売店やショールームに所望の商品が常に存在するとは限らない。また、店舗に存在する商品であっても、陳列されている場所がすぐに把握できるとは限らない。
【0004】
特許文献1には、店舗内を回遊している顧客に対し、顧客が来店前に登録した物品に近づいたことを検出すると、陳列棚に配置された告知部制御し、音声や光などによって顧客に通知するシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2010-9566号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載されたシステムを用いることにより、顧客が所望の商品を店舗内で探す手間を軽減することができる。しかし、事前登録していない商品や、店舗に陳列していない商品については情報が提供できない。また、来店しない顧客には情報が提供されない。さらに、耐久消費財のような商品に関して、色の経年変化など、実際に使用された商品についての情報を提供することはできない。
【0007】
本発明はこのような従来技術の課題の1つ以上を軽減することを目的とする。具体的には、本発明はユーザが物品に関する情報を収集することを支援する情報処理装置および情報処理方法の提供を目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
また、上述の目的は、位置が既知である撮像装置から得られる映像データを解析し、予め登録された物品を検出する検出手段と、検出された物品を撮影した撮像装置の位置情報と、予め登録された物品保持者それぞれの位置情報とに基づいて、検出された物品が予め登録された物品保持者のいずれかの所有物であるか否かを判定する判定手段と、検出された物品が、予め登録された物品保持者の所有物であると判定された場合、物品を興味のある物品として登録している広告閲覧者のうち、物品保持者から所定距離の範囲内に存在する広告閲覧者を探索する探索手段と、探索手段によって探索された広告閲覧者に、物品の位置情報を通知する通知手段と、を有することを特徴とする情報処理装置によって達成される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ユーザが物品に関する情報を収集することを支援する情報処理装置および情報処理方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態に係る宣伝システムの概要を示す模式図
図2】実施形態に係る宣伝システムを構成する装置の機能構成例を示すブロック図
図3】実施形態に係る宣伝方法に関するフローチャート
図4】実施形態に係る情報端末における表示例を示す図
図5】実施形態に係る物品保持者の情報端末と情報処理装置の機能構成例を示すブロック図
図6】実施形態における物品保持者の登録処理に関するフローチャート
図7】実施形態における物品保持者の登録処理に関する図
図8】実施形態における物品保持者の登録処理に関する図
図9】実施形態における物品保持者の登録処理に関する図
図10】実施形態における物品保持者の登録処理に関する図
図11】実施形態における物品保持者への対価付与処理に関するフローチャート
図12】実施形態における物品保持者への対価付与処理に関する図
図13】実施形態における広告閲覧者の登録処理に関するフローチャート
図14】実施形態における広告閲覧者の登録処理に関する図
図15】実施形態における広告閲覧者の登録処理に関する図
図16】実施形態に係る広告依頼者の情報端末と情報処理装置の機能構成例を示すブロック図
図17】実施形態における広告依頼者の登録処理に関するフローチャート
図18】実施形態における広告依頼者の登録処理に関する図
図19】実施形態における広告料請求処理に関するフローチャート
図20】実施形態における広告料請求処理に関する図
図21】第2実施形態に係る宣伝システムを実装した車輌の内部の模式図
図22】第2実施形態に係る宣伝システムを構成する装置の機能構成例を示すブロック図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して本発明をその例示的な実施形態に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定しない。また、実施形態には複数の特徴が記載されているが、その全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0012】
●(第1実施形態)
図1は、本発明の実施形態に係る宣伝システムの概要を示す模式図である。広告事業者100は例えば企業や官公庁などであり、宣伝システムの運営者である。物品保持者108は、広告の対象物品106の所有者であり、個人であっても団体であってもよい。広告閲覧者107は広告の対象者であり、一般ユーザ(消費者)である。広告依頼者109は宣伝システムを利用して広告閲覧者107に対象物品106を宣伝する個人もしくは団体であり、一般的には対象物品106のメーカーや小売店であろう。
【0013】
<宣伝システムの概要>
物品保持者108は広告事業者100に対する登録手続114において、自身の位置情報を広告事業者100が広告閲覧者107に提供することや、自身の顔の画像を被写体認識処理に用いることを許諾する。物品保持者108は位置情報の提供の許諾に対する対価117を広告事業者100から受け取る。なお、物品保持者108は、許諾に対する対価の代わりに、あるいはそれに追加して、位置情報の実際の提供に対して対価117を受け取ってもよい。
【0014】
広告事業者100が提供する広告サービスの利用(広告の閲覧)を希望する広告閲覧者107は、登録手続113によって広告事業者100と広告の閲覧に関する契約を行う。登録手続113において広告閲覧者107は、興味のある物品や購入検討中の物品について、物品の種類や具体的な製品名などを登録することができる。また、広告閲覧者107は、自身がパソコンや携帯端末などを通じて利用した検索サービスの検索履歴情報の利用を広告事業者100に許諾してもよい。
【0015】
なお、広告事業者100が提供する閲覧者向けの広告サービスが有料サービスであれば、登録手続113における広告閲覧者107と広告事業者100との契約にサービス利用料などの対価を支払いに関する契約が含まれてもよい。
【0016】
広告事業者100が提供する広告サービスの利用(広告の提供)を希望する広告依頼者109は、登録手続115によって広告事業者100と広告の提供に関する契約を行う。登録手続115において広告依頼者109は、広告の対象となる物品の登録と、広告料の支払いに関する契約を行う。物品の登録時には、物品の写真など、撮像画像から物品を認識するための情報を登録することができる。なお、広告料は広告を行った回数に基づいて算出されてもよいし、定額であってもよい。
【0017】
広告事業者100は、施設内や屋外に設置されたビデオカメラのような、設置位置が既知である撮像装置101がリアルタイムに撮影する映像を取得し、広告の提供に利用する。撮像装置101は広告事業者100が管理するものであってもよいし、他の組織が管理するものであってもよい。後者の場合、例えば撮像装置101の管理組織と広告事業者100との間で、映像提供に関する契約が締結されているものとする。
【0018】
次に、宣伝システムによる、広告閲覧者107に対する広告の提供方法について説明する。広告事業者100が管理する情報処理装置102(実際には多数の情報処理装置であるが、便宜上1つの構成要素として記載する)には、撮像装置101から映像信号がリアルタイムで提供されている。また、広告閲覧者107および物品保持者108の位置情報についても例えば携帯電話会社を通じて所定の時間間隔で提供されている。
【0019】
情報処理装置102は、撮像装置101から提供される映像を解析し、広告依頼者109が登録した対象物品106を検出する。また、情報処理装置102は、撮像装置101の位置情報と物品保持者108の位置情報との関係や、物品保持者108の顔領域の検出結果などに基づいて、映像に物品保持者108が映っているか否かを判定する。なお、この判定において、撮像装置101の位置情報に加え、撮影方向や撮影画角に関する情報を用いてもよい。
【0020】
情報処理装置102は、予め定められた判定条件にしたがって、対象物品106を持っている物品保持者108を特定する。なお、情報処理装置102は、対象物品106を持っていると思われる物品保持者108の情報端末104などに対象物品106の記述を含んだSMS等を送信して、物品保持者108が実際に対象物品106を持っていることを確認してもよい。なお、図1では物品保持者108が対象物品106を携帯して移動している状態を記載しているが、物品保持者108が対象物品106を携帯していなくてもよい。ただし、物品保持者108の位置情報を対象物品106の位置情報として通知する場合、対象物品106と物品保持者108との距離が大きく離れていないことが前提である。
【0021】
また、情報処理装置102は、特定した物品保持者108が持っている対象物品106を興味のある物品として登録している広告閲覧者107が、物品保持者108の近くに存在するか否かを判定する。情報処理装置102は例えば、物品保持者108と広告閲覧者107の位置情報から算出される距離が閾値以下である場合、両者が近くに存在すると判定することができる。
【0022】
物品保持者108の近くに、その物品保持者108が持っている物品を興味のある物品として登録している広告閲覧者107が存在すると判定された場合、情報処理装置102は、その広告閲覧者107に物品保持者108(対象物品106)の位置を通知する。情報処理装置102は例えば、広告閲覧者107の情報端末103にメッセージを送信するなどして、対象物品106の位置を通知することができる。
【0023】
図2には、撮像装置101、情報処理装置102、および広告閲覧者107が有する情報端末103の機能構成例を示すブロック図である。
撮像装置101は、例えば定点カメラなどであり、撮像部201、演算部202、伝送部203、記憶部204を有する。撮像部201はレンズと撮像素子を有する。レンズは被写体の光学像を撮像素子の撮像面に形成する。レンズの画角や撮影方向は固定であっても可変であってもよい。撮像素子は例えばCMOSイメージセンサであり、光電変換部を有する複数の画素が設けられている。撮像素子は被写体光学像を画素により電気信号群(アナログ画像信号)に変換する。ここでは撮像素子がA/D変換器を有し、アナログ画像信号をA/D変換した画像データを出力するものとする。
【0024】
演算部202は例えばCPUであり、記憶部204のROMに記憶されたプログラムを記憶部204のRAMにロードして実行する。プログラムを実行することにより演算部202は、撮像装置101内の各部を制御したり外部装置と通信したりして、撮像装置101の様々な動作を実現する。なお、演算部202は画像データを処理するための専用ハードウェアなどを有し、画像処理に用いてもよい。演算部202は、撮像装置から所定のフレームレートで画像データを読み出し、公知の画像処理(例えば現像処理や符号化処理など)を適用して動画データ(映像データ)を生成する。また、演算部202は映像データに基づいてレンズの自動焦点調節(AF)や自動露出制御(AE)を継続的に行ってもよい。また、演算部202は画像処理の一部として解析処理を実行することもできる。演算部202は外部装置から受信したコマンドに応じて撮像装置101の設定値を変更したり、レンズの画角、合焦距離、撮影方向を変更したりすることができる。
【0025】
伝送部203は、外部装置と撮像装置101との通信インタフェースであり、有線および/または無線の通信規格の1つ以上に準拠している。なお、図1および図2では撮像装置101と情報処理装置102とが直接通信するような記載となっているが、ネットワークを介して通信してもよい。演算部202は、伝送部203を通じて映像データを情報処理装置102にストリーミングする。なお、広告事業者100以外が管理する撮像装置101の映像データは、管理者を経由して情報処理装置102に提供されてもよい。
【0026】
記憶部204は、ROM、RAM、ハードディスクドライブなどを有する。ROMには演算部202が実行するプログラムや撮像装置101の各種設定値などが記憶される。RAMは演算部202がプログラムを実行する際に用いられたり、映像データなどのバッファメモリとして用いられたりする。ハードディスクドライブ(あるいは他の大容量記憶装置)には、例えば直近の所定時間分の映像データが記録される。
【0027】
情報処理装置102はコンピュータ機器であり、伝送部205、演算部206、記憶部207を有する。図2では1台の装置として記載しているが、実際には複数のコンピュータ機器の集合体であってもよい。伝送部205は、外部装置と情報処理装置102との通信インタフェースであり、有線および/または無線の通信規格の1つ以上に準拠している。図2では1つの伝送部205が撮像装置101および情報端末103と通信するように記載しているが、通信方法に応じて異なる伝送部205が設けられてもよい。また、撮像装置101および情報端末103との通信は、ネットワーク経由で行われてもよい。
【0028】
演算部206は例えばCPUであり、記憶部207のROMに記憶されたプログラムを記憶部207のRAMにロードして実行する。プログラムを実行することにより演算部206は、情報処理装置102内の各部を制御したり外部装置と通信したりして、情報処理装置102を広告提供装置として機能させる。
【0029】
演算部206は物品保持者108、広告閲覧者107、広告依頼者109といった広告提供システムのユーザについての登録処理を実行したり、登録処理で得られるユーザや物品に関する情報や、ユーザの位置情報などの保護および管理を行う。また、演算部206は、撮像装置101から得られる映像データを解析したり、物品保持者108の近くに特定の広告閲覧者107が存在するか否かを判定したりする。また、条件に該当する物品保持者108と広告閲覧者107が存在すると判定された場合、演算部206は広告閲覧者107に物品保持者108の情報を送信する。
【0030】
記憶部207はROM、RAM、ハードディスクドライブなどを有する。ROMには演算部206が実行するプログラムや情報処理装置102の各種設定値などが記憶される。RAMは演算部206がプログラムを実行する際に用いられたり、各種データのバッファメモリとして用いられたりする。ハードディスクドライブ(あるいは他の大容量記憶装置)には、ユーザ(広告閲覧者107、物品保持者108、および広告依頼者109)の登録情報が記録される。また、広告の対象物品106に関する情報、広告閲覧者107および物品保持者108の現在の位置情報および撮像装置101の情報などもハードディスクドライブに記憶され、演算部206が必要に応じて更新する。
【0031】
情報端末103は例えばスマートフォン、タブレットコンピュータ、ノート型パソコンなどの小型コンピュータ機器である。情報端末103は、伝送部208、演算部209、表示部210、位置計測部211、記憶部212、入力部213を有する。
【0032】
演算部209は例えばCPUであり、記憶部212のROMに記憶されたプログラムを記憶部212のRAMにロードして実行する。プログラムを実行することにより演算部209は、情報端末103内の各部を制御したり外部装置と通信したりして、情報端末103の様々な動作を実現する。
【0033】
伝送部208は、外部装置と情報端末103との通信インタフェースであり、有線および/または無線の通信規格の1つ以上に準拠している。一般には伝送部208は、3G、LTEといった移動体通信の規格に準拠した通信インタフェースと、無線LANやブルートゥース(登録商標)といった汎用的な無線通信規格に準拠した通信インタフェースを有している。なお、図1および図2では情報端末103と情報処理装置102とが直接通信するような記載となっているが、ネットワークを介して通信してもよい。演算部209は、伝送部208を通じて情報処理装置102から広告に関する通知を受信する。
【0034】
記憶部212は、ROM、RAM、SSDなどを有する。ROMには演算部209が実行するプログラムや情報端末103の各種設定値などが記憶される。RAMは演算部209がプログラムを実行する際に用いられたり、各種データのバッファメモリとして用いられたりする。SSD(あるいは他の大容量記憶装置)には、広告閲覧者107の情報、ユーザデータ、アプリケーションなどが記録される。
【0035】
表示部210は、例えば液晶ディスプレイなどであり、演算部209が実行するプログラムに応じてさまざまな表示がなされる。表示部210はタッチディスプレイであってもよい。
【0036】
位置計測部211は、例えばGPS(Global Positioning System)受信機を有し、受信信号に基づいて情報端末103の地理的な位置を示す位置情報を算出する。なお、情報端末103は広告閲覧者107が携帯しているため、情報処理装置102は情報端末103の位置情報を広告閲覧者107の位置情報として取り扱う。なお、位置計測部211は無線LANのアクセスポイントの位置情報や基地局で受信したGPS信号などを補助情報として用いて情報端末103の位置を計測してもよい。
【0037】
入力部213は例えばタッチパネルやキーボードなど、広告閲覧者107が操作する入力デバイスである。
【0038】
<広告提供動作の概要>
図3は情報処理装置102の動作に関するフローチャートである。図3(a)に示すように、情報処理装置102は、S301で映像取得を開始したのち、S302の認識処理およびS303の追跡処理を継続的に実施する。S301で演算部206は、伝送部205を通じて撮像装置101のそれぞれから映像データの取得を開始する。演算部206は取得した映像データを記憶部207に一時的に記憶する。なお、撮像装置101が出力する映像データには撮像装置101の固有情報が含まれており、情報処理装置102は固有情報に基づいて個々の映像データを撮影した撮像装置101およびその位置を特定することができる。
【0039】
S302で演算部206(検出手段)は、取得した映像データに対して対象物品106の認識処理を適用する。演算部206は、認識処理の結果と、物品保持者108および広告閲覧者107の位置情報および登録情報とから、特定の条件を満たす物品保持者108および広告閲覧者107の追跡処理を適用する映像データを特定する。
【0040】
S303で演算部206は、S302において追跡処理の対象と判定された映像データについて、物品保持者108および広告閲覧者107の追跡処理を行う。なお、演算部206は、全ての映像データについてS302およびS303の処理を継続的に実行することにより、対象物品106の検出状況の変化に追従する。
【0041】
図3(b)のフローチャートを用いて、S302の認識処理の詳細について説明する。S306で演算部206は、S301で取得した映像データ(映像ストリーム)ごとに認識処理を適用して、登録されている対象物品106が写っているか否かを判定する。演算部206は、例えば広告依頼者109が対象物品106の登録時に提供する対象物品106の情報(例えば対象物品106の画像)を用いて、公知の認識方法を映像データに適用することができる。例えば対象物品106の画像をテンプレートとして用いたテンプレートマッチング法や、対象物品106の画像を用いて学習させたニューラルネットワークを用いる方法などが考えられる。
【0042】
S307で演算部206は、認識処理の結果、1種類以上の対象物品106が写っているか否かを映像データごとに判定する。演算部206は、対象物品106が全く写っていないと判定された映像データについては追跡処理の対象となる物品保持者108および広告閲覧者107が存在しないと判定し、以降の処理をスキップする。一方、演算部206
は、対象物品106が写っていると判定された映像データについて、S308の処理を実行する。
【0043】
S308で演算部206(判定手段)は、検出された対象物品が、登録されている物品保持者108の所有物であるか否かを判定する。演算部206は、映像データに対する画像認識処理や位置情報に基づいて判定を行うことができる。例えば演算部206は、検出された対象物品106を所有している物品保持者108が登録時に提供した顔情報を用いた画像認識処理を行う。そして、画像中で対象物品106から閾値未満の距離に物品保持者108の顔領域が検出された場合、演算部206は対象物品106がその物品保持者108の所有物であると判定する。あるいは、演算部206は、映像データを撮影した撮像装置101の位置情報と、検出された対象物品106を所有している物品保持者108の位置情報とから、撮像装置101との距離が閾値未満である物品保持者108が存在するか否かを判定する。そして、撮像装置101から閾値未満の距離に、検出された対象物品106を所有している物品保持者108が存在すると判定された場合、演算部206は対象物品106がその物品保持者108の所有物であると判定する。なお、これら2つの方法を併用してもよいし、他の方法を用いてもよい。
【0044】
なお、位置情報を用いる場合、撮像装置101の位置情報に加え、撮影方向の情報やレンズの焦点距離の情報を用いてもよい。この場合、撮像装置101から距離だけでなく、物品保持者108が撮影方向(または撮影範囲)に存在することを確認することで、判定精度が向上する。なお、演算部206は、検出された対象物品106を所有していると判定された物品保持者108の携帯端末に、演算部206の判定が正しいことを確認するためのメッセージを送信するなどして本人の確認を取るようにしてもよい。そして、演算部206は本人の確認がとれた場合のみ、検出された対象物品106が特定の物品保持者108の所有物であるとして取り扱う。
【0045】
また、確認メッセージは、物品保持者108に対して自身の位置情報の提供可否を問い合わせることもできる。物品保持者108は確認メッセージに対して位置情報の提供を行わないと回答することにより、位置情報の提供を一時的に拒否することができる。情報処理装置102は、位置情報の提供を行うとの回答があった場合にのみ位置情報を広告閲覧者107に通知する。これにより、物品保持者108が位置情報の提供を望まない状況において位置情報が提供されることを防止でき、物品保持者108のプライバシーを保護することができる。
【0046】
なお、S306およびS308において画像認識処理に用いる対象物品106や物品保持者108の情報は、情報処理装置102の記憶部207から取得する代わりに、あるいは記憶部207から取得することに加えて、外部装置から取得してもよい。
【0047】
演算部206は、対象物品106を所有する物品保持者108が存在しないと判定された映像データについては、追跡処理の対象が存在しないと判定し、以降の処理をスキップする。一方、演算部206は、対象物品106を所有すると判定された物品保持者108が存在すると判定された場合、S309の処理を実行する。
【0048】
S309で演算部206(探索手段)は、対象物品106を所有すると判定された物品保持者108から所定距離の範囲内に、対象物品106を登録している広告閲覧者107が存在するか否かを判定する。演算部206はこの判定を、対象物品106を所有すると判定された物品保持者108の位置情報と、対象物品106を登録している広告閲覧者107の位置情報とを用いて行うことができる。なお、演算部206は、対象物品106と同じ画像に写っている広告閲覧者107は、対象物品106を所有すると判定された物品保持者108から所定距離未満に存在すると判定してもよい。演算部206は、広告閲覧者107の登録時に取得した顔情報を用いた被写体検出処理を映像データに適用することで、広告閲覧者107が写っているか否かを判別することができる。
【0049】
なお、対象物品106を登録していないが、対象物品106を見ている広告閲覧者107についても、対象物品106を登録している広告閲覧者107と同様に取り扱ってもよい。演算部206は、被写体検出処理により検出された広告閲覧者107の顔の向きと対象物品106の位置との関係から、対象物品106を見ていると思われる広告閲覧者107を検出することができる。
【0050】
S310で演算部206は、対象物品106を所有すると判定された物品保持者108から所定距離の範囲内に、当該対象物品106を登録している広告閲覧者107が存在しないと判定された場合、追跡処理の対象が存在しないと判定する。一方、演算部206は、対象物品106を所有すると判定された物品保持者108から所定距離未満に、当該対象物品106を登録している広告閲覧者107が存在すると判定された場合、この物品保持者108と広告閲覧者107を追跡処理の対象とする。なお、追跡対象となる物品保持者108と広告閲覧者107は1対1とは限らず、1対多、多対1にもなり得る。
【0051】
演算部206は、以上の処理により、映像データから検出された対象物品106のそれぞれについて、追跡対象の有無を判定する。演算部206は、追跡対象とする物品保持者108と広告閲覧者107を特定する情報を記憶部207のRAMに記憶する。
【0052】
図3(c)のフローチャートを用いて、S303の追跡処理の詳細について説明する。情報処理装置102は、S302の認識処理において追跡処理の対象とされた物品保持者108と広告閲覧者107との組み合わせごとに、図3(c)に示す追跡処理を実行する。
【0053】
S313で演算部206は、追跡対象の物品保持者108と広告閲覧者107の位置情報に基づいて両者の位置を把握する。広告閲覧者107の位置情報は、情報端末103から取得した、位置計測部211が計測した位置情報とすることができる。また、物品保持者108の位置情報は、物品保持者108の情報端末104の位置情報とすることができる。演算部206は、情報端末104の位置情報を情報端末104から直接、あるいは携帯電話会社を通じて取得することができる。
【0054】
なお、物品保持者108と広告閲覧者107との位置は、情報端末104および103が計測する位置情報を用いずに特定してもよい。例えば、物品保持者108を撮影している撮像装置101の位置情報から物品保持者108の位置を、広告閲覧者107を撮影している撮像装置101の位置情報から広告閲覧者107の位置を特定することができる。この場合、撮影方向や画角の情報を用いることで、位置の精度を向上させることができる。また、同一の物品保持者108(または広告閲覧者107)を複数の撮像装置101が同時に撮影している場合にも、位置の精度を向上させることができる。情報端末103、104や携帯電話会社から得られる位置情報の利用と、撮像装置101の位置情報の利用とを併用したり切り替えて用いたりしてもよい。例えば、携帯端末や携帯電話会社から位置情報が得られない場合には撮像装置101の位置情報を用いるようにしてもよい。
【0055】
なお、演算部206は、物品保持者108と広告閲覧者107との位置関係から得られる距離が一定時間継続して閾値(例えばS309で用いる閾値)を超えた場合には、その物品保持者108と広告閲覧者107とを追跡対象から除外してもよい。なお、この時点では既に広告閲覧者107の情報端末103に物品保持者108の位置情報を提供している。そのため、演算部206は、物品保持者108の位置情報の提供を終了するまえに、終了してよいか広告閲覧者107に確認するようにしてもよい。演算部206は例えば、広告閲覧者107の情報端末103に確認メッセージを送信し、了承が得られたら物品保持者108と広告閲覧者107とを追跡対象から除外する。これにより、広告閲覧者107への物品保持者108の位置情報の提供が終了する。一方、確認メッセージに対して位置情報の提供継続が指示された場合、演算部206はさらに一定時間継続して広告閲覧者107と物品保持者108の距離が閾値を超えるまでは位置情報の提供を継続する。
【0056】
S315で演算部206(通知手段)は、伝送部205を通じて、広告閲覧者107の情報端末103に物品保持者108の位置情報を送信する。情報端末103の演算部209は、位置情報を受信すると、ユーザ(広告閲覧者107)に通知する。ユーザが位置情報を表示を指示すると、演算部209は、例えば情報端末103にインストールされている地図アプリケーションを用いて、物品保持者108の位置を表示部210に表示する。また、演算部209は、地図アプリケーションのナビゲーション機能を用いて、広告閲覧者107から物品保持者108までのルートを表示したり、ナビゲーションを行ってもよい。なお、演算部209は、物品保持者108の位置とともに、対象物品106の情報(例えば映像データから抽出した画像、予め用意された画像、物品名など)も合わせて表示することができる。また、情報端末103がジャイロセンサなどを有し、端末の向きを検出可能である場合、演算部209は地図上に位置を示す代わりに、あるいはそれに加えて、どの方向に物品保持者108がいるかを通知してもよい。
【0057】
S316で演算部206は、広告閲覧者107の情報端末103から、伝送部205を通じて閲覧終了指示を受信したか否かを判定する。演算部206は、閲覧終了指示を受信していなければ、再びS313からの処理を繰り返し実行する。また、演算部206は、閲覧終了指示を受信していれば、物品保持者108と広告閲覧者107との組み合わせを追跡対象から除外する。
【0058】
上述したように、演算部206は、新たな追跡対象の検出を行うためにS302を継続的に実行しながら、個々の追跡対象について、S303の追跡処理を継続的に実行する。
【0059】
図4は、S315で情報処理装置102から物品保持者108の位置情報(図1における情報通知112)を受信した情報端末103における表示例を示す。図4に示す例では、表示部210に物品保持者108の存在する方向を示すメッセージ401を表示することにより、広告閲覧者107に物品保持者108の位置を通知している。また、メッセージ401には対象物品106の情報も含めている。先に説明したように、方向だけでなく、地図上に物品保持者108の位置を表示したり、広告閲覧者107から物品保持者108へのルートを表示したり案内したりしてもよい。
【0060】
また、図4に示す例では、メッセージ401とともに終了ボタン402が表示されている。終了ボタン402が操作(タッチ)されると、演算部209は、情報処理装置102に閲覧終了指示を送信するとともに、物品保持者108の位置情報の表示を終了する。
【0061】
なお、S315で物品保持者108の位置情報を通知する代わりに、あるいはそれに加えて、物品保持者108の映像を広告閲覧者107の情報端末103に提供してもよい。例えば物品保持者108が人の多い場所にいる場合など、物品保持者108を特定するのが容易でない場合がある。物品保持者108の映像を提供することで、物品保持者108を見つけやすくなるほか、物品保持者108に近づかなくても、映像から対象物品106の実使用状態の情報を得ることができる。
【0062】
本実施形態の宣伝システムによれば、広告閲覧者107は興味のある物品を通知の対象物品106として登録しておくことで、対象物品106の実物が近くに存在することを知ることができる。そのため、たまたま近くに対象物品106が存在する機会を利用して、対象物品106の実物を確認することができる。そのため、CMや店舗で陳列されている状態からは得られない情報を容易に得ることができる。また、対象物品106を物品保持者108が携帯もしくは使用している場合には、使用者の年齢や性別などの傾向を知ることができるため、対象物品106の購入における判断材料とすることができる。
【0063】
ここまで、本実施形態の宣伝システムについて、システムの中核をなす情報処理装置102の動作について主に広告閲覧者107への情報提供という観点から説明した。以下では、情報処理装置102の他の動作について説明する。
【0064】
<物品保持者の登録ならびに対価支払い処理>
まず、図1における物品保持者108の登録手続114と対価117に関する情報処理装置102の動作について説明する。図5は、物品保持者108の情報端末104と情報処理装置102において登録手続114および対価117に関係する機能構成を示したブロック図である。
情報端末104は物品保持者108が所有するコンピュータ機器であり、ここではスマートフォン、タブレット端末、ノートパソコンといった可搬型のコンピュータ機器であるものとするが、デスクトップパソコンなど据置型のコンピュータ機器であってもよい。
【0065】
情報端末104と情報処理装置102とは、それぞれが有する伝送部501および205を通じて双方向に通信可能である。なお、情報端末104と情報処理装置102とのあいだにネットワークが存在していてもよい。伝送部501および205は、双方が対応する有線または無線通信プロトコルに従った通信を行う。例えば情報端末104がスマートフォンである場合には、情報端末104と情報処理装置102とは移動体通信ネットワークを介して、あるいは無線LANやBluetooth(登録商標)により直接、双方向に通信する。
【0066】
演算部502は例えばCPUであり、記憶部505のROMに記憶されたプログラムを記憶部505のRAMにロードして実行する。プログラムを実行することにより演算部502は、情報端末104内の各部を制御したり外部装置と通信したりして、情報端末104に様々な動作を実行させる。記憶部505のROMに記憶されるプログラムには、ウエブブラウザ、カメラアプリケーションなど、一般的なコンピュータ機器にインストールされている様々なアプリケーションプログラムが含まれうる。
【0067】
入力部503は例えばタッチパネルやキーボードなど、物品保持者108が操作する入力デバイスである。表示部504は例えば液晶ディスプレイや有機ELディスプレイであり、タッチディスプレイであってもよい。
【0068】
情報処理装置102の構成は図2で説明した通りである。個々の物品保持者108の情報は、記憶部207のROMまたはSSDなどの不揮発性記憶装置に記憶される。物品保持者108の情報には例えば登録時に入力された情報(個人情報、物品情報、パスワードなど)、対価情報などが含まれてよいが、これらに限定されない。
【0069】
演算部206はプログラムを実行することにより情報処理装置102をWebサーバとして機能させ、Webサーバにアクセスしてきたウェブブラウザに対し、各種入力フォームなどを表示するための情報を提供する。
【0070】
図6は、物品保持者108の登録(図1の登録手続114)に関する情報処理装置102の動作に関するフローチャートである。
S602で演算部206は、情報端末104で稼働するウェブブラウザアプリケーションから物品保持者の登録用ウェブサイト(URL)へのアクセスに応答して、個人情報入力画面のデータを情報端末104に送信する。演算部502はウェブブラウザアプリケーションを用いて、表示部504に個人情報入力画面を表示させる。
【0071】
図7は、個人情報入力画面の例である。ここではウェブブラウザアプリケーションが表示部504の全体を用いているものとする。また、表示部504がタッチディスプレイであり、入力部503を兼ねているものとする。物品保持者108が表示部504のタッチ操作によって各入力項目に個人情報を入力し、登録ボタン701をタッチすることにより、個人情報の入力が完了する。演算部502は、登録ボタン701のタッチ操作が確認されると、画面に入力された項目を情報処理装置102に送信する。演算部206は、個人情報を受信すると、固有のユーザIDを有する物品保持者レコードを生成し、受信した個人情報をレコード内の所定のフィールドに格納して記憶部207に記憶する。なお、図7の例では記載していないが、個人情報として物品保持者108の顔情報を登録させてもよい。この場合、情報端末104が有するカメラを用いるなどして撮影した物品保持者108の顔写真のデータを登録情報に含める。また、登録者用のウェブサイトにログインするためのパスワードなども登録情報に含めることができる。
【0072】
S603で演算部206は、対象物品の情報入力画面のデータを情報端末104に送信する。図8は対象物品106の入力画面の例を示す。ここでは、一例として、メーカーと製品の品名または型番をプルダウンメニューから指定することによって対象物品を登録する入力画面を示しているが、対象物品を特定可能な他の任意の情報を用いて対象物品を登録することができる。例えば対象物品の写真を送信し、情報処理装置102が対象物品を認識する方法であってもよい。演算部502は、登録ボタン801のタッチ操作が確認されると、プルダウンメニューで指定された内容を情報処理装置102に送信する。演算部206は、対象物品情報を受信すると、記憶部207内の物品保持者レコードに登録する。
【0073】
S604で演算部206は、情報端末104の位置情報の利用を広告事業者および広告閲覧者に許諾するための同意入力画面のデータを情報端末104に送信する。図9は位置情報の同意入力画面の例を示す。同意入力画面は、許諾内容を説明する文章901と、同意(許諾)ボタン902、不同意(許諾せず)ボタン903とを有する。演算部502は、同意ボタン902のタッチ操作が確認されると、情報処理装置102に同意が得られたことを通知する。演算部206は、同意が得られたとの通知に応答して、物品保持者108を正式に登録する。一方、演算部502は、不同意ボタン903のタッチ操作が確認されると、情報処理装置102に同意が得られないことを通知する。演算部206は、同意が得られないとの通知に応答して、物品保持者108の登録を破棄する。この場合、S605を実行しなくてもよい。
【0074】
S605で演算部206は、情報端末104の位置情報の通知を有効とするか無効とするかを設定するための、通知設定画面のデータを情報端末104に送信する。図10は、位置情報の通知設定画面の例である。通知設定画面は、設定の趣旨を説明する文章1001と、有効ボタン1002、無効ボタン1003とを有する。演算部502は、有効ボタン1002のタッチ操作が確認されると、情報処理装置102に通知の有効化を指示する。また、演算部502は、無効ボタン1003のタッチ操作が確認されると、情報処理装置102に通知の無効化を指示する。演算部206は、通知の有効・無効を示す情報を物品保持者108のレコードに登録する。演算部206は、通知が有効に設定されている物品保持者108(情報端末104)のみを、位置情報を広告閲覧者107に通知する対象とする。
【0075】
上述した各画面を通じて登録した物品保持者108の情報は、情報処理装置102が提供する広告サービスのウェブサイトに情報端末104からログインすることにより、物品保持者108がいつでも変更可能である。また、上述したように、物品保持者108(情報端末104)の位置情報を実際に広告閲覧者107に通知する前に、情報処理装置102から情報端末104に通知設定画面のデータを送信してもよい。これにより、物品保持者108の了解(通知を有効とする)が得られた場合だけ、位置情報を通知するように構成することができる。
【0076】
なお、ここでは情報端末104がブラウザアプリケーションを用いて情報処理装置102と通信しながら入力画面の受信と登録情報の送信とを繰り返すものとした。しかし、個々の入力画面を有する専用アプリケーションを情報端末104にインストールさせて、全ての情報が入力完了した時点で情報端末104から情報処理装置102に登録情報をまとめて送信してもよい。
【0077】
図11は、物品保持者108への対価提供(図1の対価117)に関する情報処理装置102の動作に関するフローチャートである。この処理は例えば特定の周期で、例えば1ヶ月に1回の周期で実行することができる。
S1101で演算部206は、物品保持者108を特定する。演算部206は例えば、記憶部207に記憶されている物品保持者レコードについて、ユーザID順に順次特定することができる。
【0078】
S1102で演算部206は、特定した物品保持者について、位置情報を広告閲覧者107に通知した回数を調べる。なお、この回数は特定した物品保持者108についてS315における位置情報の通知を行った回数であってもよいし、位置情報の通知を行った広告閲覧者107の延べ人数であってもよい。いずれの場合も、演算部206は、追跡処理の実行時に、物品保持者108ごとに回数を計測して記憶しておく。
【0079】
S1103で演算部206は、回数に応じた対価を決定する。ここでは、対価が特定の企業で利用可能なポイントであるものとし、回数とポイントとの関係は予め定められているものとする。
【0080】
S1104で演算部206は、S1011で特定した物品保持者108の情報端末104にポイント付与通知を送信する。情報端末104の演算部502は、ポイント付与通知を受信すると、表示部504にポイント付与通知画面を表示して物品保持者108に知らせる。図12はポイント付与通知画面の例を示し、付与内容を説明する文章1201と閉じるボタン1202を有する。演算部502は、閉じるボタン1202のタッチ操作が確認されると、ポイント付与通知画面を閉じる。
【0081】
次に、図1における広告閲覧者107の登録手続113に関する情報処理装置102の動作について説明する。なお、広告閲覧者107の情報端末103と情報処理装置102の機能構成は、図2で説明した通りである。上述の通り演算部206はプログラムを実行することにより情報処理装置102をWebサーバとして機能させ、Webサーバにアクセスしてきたウェブブラウザに対し、各種入力フォームなどを表示するための情報を提供する。
【0082】
<広告閲覧者の登録処理>
図13は、広告閲覧者107の登録(図1の登録手続113)に関する情報処理装置102の動作に関するフローチャートである。
S1403で演算部206は、情報端末103で稼働するウェブブラウザアプリケーションから広告閲覧者の登録用ウェブサイト(URL)へのアクセスに応答して、個人情報入力画面のデータを情報端末103に送信する。演算部209はウェブブラウザアプリケーションを用いて、表示部210に個人情報入力画面を表示させる。個人情報入力画面は、図7で説明したものと同じであってよい。
【0083】
情報処理装置102の演算部206は、情報端末103から個人情報を受信すると、固有のユーザIDを有する広告閲覧者レコードを生成し、受信した個人情報をレコード内の所定のフィールドに格納して記憶部207に記憶する。なお、広告閲覧者についても物品保持者と同様に、個人情報として顔情報を登録させてもよい。この場合、情報端末103が有するカメラを用いるなどして撮影した広告閲覧者107の顔写真のデータを登録情報に含める。また、登録者用のウェブサイトにログインするためのパスワードなども登録情報に含めることができる。
【0084】
S1404で演算部206は、対象物品の情報入力画面のデータを情報端末103に送信する。図14は対象物品106の入力画面の例を示す。基本的には物品保持者が対象物品106を登録する画面と同じであってよい。図14ではメーカーと製品の品名または型番をプルダウンメニュー1501から指定することによって対象物品を登録する入力画面を示しているが、対象物品を特定可能な他の任意の情報を用いて対象物品を登録することができる。例えば対象物品の写真を送信し、情報処理装置102が対象物品を認識する方法であってもよい。演算部209は、登録ボタン1502のタッチ操作が確認されると、プルダウンメニューで指定された内容を情報処理装置102に送信する。演算部206は、対象物品情報を受信すると、記憶部207内の広告閲覧者レコードに登録する。
【0085】
S1405で演算部206は、情報端末103に対する位置情報の通知を有効とするか無効とするかを設定するための、通知設定画面のデータを情報端末103に送信する。図15は、位置情報の通知設定画面の例である。通知設定画面は、設定の趣旨を説明する文章1601と、有効ボタン1602、無効ボタン1603とを有する。演算部209は、有効ボタン1602のタッチ操作が確認されると、情報処理装置102に通知の有効化を指示する。また、演算部209は、無効ボタン1603のタッチ操作が確認されると、情報処理装置102に通知の無効化を指示する。演算部206は、通知の有効・無効を示す情報を広告閲覧者107のレコードに登録する。演算部206は、通知が有効に設定されている広告閲覧者107(情報端末103)に対してのみ、物品保持者108の位置情報を通知する。
【0086】
上述した各画面を通じて登録した広告閲覧者107の情報は、情報処理装置102が提供する広告サービスのウェブサイトに情報端末103からログインすることにより、広告閲覧者107がいつでも変更可能である。また、物品保持者108(情報端末104)の位置情報を実際に広告閲覧者107の情報端末103に通知する前に、情報処理装置102から情報端末103に通知設定画面のデータを送信してもよい。これにより、広告閲覧者107の了解(通知を有効とする)が得られた場合だけ、物品保持者108の位置情報を通知するように構成することができる。
【0087】
なお、ここでは情報端末103がブラウザアプリケーションを用いて情報処理装置102と通信しながら入力画面の受信と登録情報の送信とを繰り返すものとした。しかし、個々の入力画面を有する専用アプリケーションを情報端末103にインストールさせて、全ての情報が入力完了した時点で情報端末103から情報処理装置102に登録情報をまとめて送信してもよい。
【0088】
<広告依頼者の登録ならびに広告費の請求処理>
次に、図1における広告依頼者109の登録手続115および広告依頼者109への請求手続116に関する情報処理装置102の動作について説明する。図16は、広告依頼者109の情報端末105と情報処理装置102において依頼手続115および請求手続116に関係する機能構成を示したブロック図である。情報処理装置102の機能構成は、図2を用いて説明した通りである。
【0089】
情報端末105は例えば据置型パソコンなどのコンピュータ機器である。情報端末105はスマートフォン、タブレットコンピュータ、ノート型パソコンなどの小型コンピュータ機器であってもよい。情報端末105は、伝送部1701、演算部1702、入力部1703、表示部1704、記憶部1705を有する。
【0090】
演算部1702は例えばCPUであり、記憶部1705のROMに記憶されたプログラムを記憶部1705のRAMにロードして実行する。プログラムを実行することにより演算部1702は、情報端末105内の各部を制御したり外部装置と通信したりして、情報端末105の様々な動作を実現する。
【0091】
伝送部1701は、外部装置と情報端末105との通信インタフェースであり、有線および/または無線の通信規格の1つ以上に準拠している。一般には伝送部1701は、イーサネット(登録商標)に準拠した有線通信インタフェースと、無線LANやブルートゥース(登録商標)といった汎用的な無線通信規格に準拠した通信インタフェースを有している。なお、図16では情報端末105と情報処理装置102とが直接通信するような記載となっているが、ネットワークを介して通信してもよい。
【0092】
記憶部1705は、ROM、RAM、HDDなどを有する。ROMには演算部1702が実行するプログラムや情報端末105の各種設定値などが記憶される。RAMは演算部1702がプログラムを実行する際に用いられたり、各種データのバッファメモリとして用いられたりする。HDD(あるいは他の大容量記憶装置)には、広告依頼者109の情報、ユーザデータ、アプリケーションなどが記録される。
【0093】
表示部1704は、例えば液晶ディスプレイなどであり、演算部1702が実行するプログラムに応じてさまざまな表示がなされる。表示部1704はタッチディスプレイであってもよい。また、表示部1704は情報端末105の外部装置であってもよい。
【0094】
入力部1703は例えばタッチパネル、キーボード、マウスなど、広告依頼者109が操作する入力デバイスである。
【0095】
上述の通り、情報処理装置102の演算部206はプログラムを実行することにより情報処理装置102をWebサーバとして機能させ、Webサーバにアクセスしてきたウェブブラウザに対し、各種入力フォームなどを表示するための情報を提供する。
【0096】
。記憶部207は、登録手続115や請求手続116に関する情報を記録している。また、記憶部207はウェブサーバーとしても機能し、情報端末105でアクセスすることで、登録手続115や請求手続116に関する情報を入力したり表示したりするためのウェブサイトを記録している。
【0097】
図17は、広告依頼者109の登録(図1の登録手続115)に関する情報処理装置102の動作に関するフローチャートである。
S1802で演算部206は、情報端末105で稼働するウェブブラウザアプリケーションから広告依頼者の登録用ウェブサイト(URL)へのアクセスに応答して、広告依頼者情報の入力画面のデータを情報端末105に送信する。演算部1702はウェブブラウザアプリケーションを用いて、表示部1704に依頼者情報の入力画面を表示させる。
【0098】
図18(a)は、依頼者情報の入力画面を表示した状態の情報端末105の外観を模式的に示した図である。
ここではウェブブラウザアプリケーションが表示部1704の全体を用いているものとする。また、広告依頼者は基本的に個人ではなく企業を想定しているため、依頼者情報として企業情報を登録する入力画面を図示しているが、個人登録も可能である。
【0099】
広告依頼者109は、入力部1703の操作によって各入力項目に依頼者情報を入力する。また、ここでは図示していないが、登録者用のウェブサイトにログインするためのパスワードなども入力することができる。そして、登録ボタン1902をクリックするなどの操作により、依頼者情報の入力を情報端末105に通知する。演算部1702は、登録ボタン1902の操作が確認されると、画面に入力された項目を情報処理装置102に送信する。演算部206は、依頼者情報を受信すると、固有のユーザIDを有する広告依頼者レコードを生成し、受信した依頼者情報をレコード内の所定のフィールドに格納して記憶部207に記憶する。なお、キャンセルボタン1903の操作が検出された場合、演算部1702は登録処理を中止することをユーザ(広告依頼者)に確認する。登録処理の中止が確認できた場合、演算部1702は情報処理装置102に登録処理のキャンセルを指示し、ブラウザアプリケーションに表示された入力画面を閉じる。登録処理の中止が取り消された場合、演算部1702は入力画面の表示を継続する。情報処理装置102の演算部206は、情報端末105から登録処理のキャンセルが指示されると、登録処理を終了する。
【0100】
S1803で演算部206は、対象物品の情報入力画面のデータを情報端末105に送信する。図18(b)は対象物品106の情報入力画面2001の例を示す。物品保持者が対象物品106を登録する画面と同じであってもよいが、ここではより詳細な情報を登録できるように構成されている。情報処理装置102における被写体認識精度を高めるため、対象物品の画像の入力を必須としてもよい。なお、対象物品の情報は図示したものに限定されない。演算部1702は、登録ボタン2202の操作が確認されると、入力された対象物品情報を情報処理装置102に送信する。演算部206は、対象物品情報を受信すると、記憶部207内の広告依頼者レコードに登録する。以上が広告依頼者109の登録処理である。なお、登録済みの広告依頼者109は、情報処理装置102が提供する登録者用のウェブサイトにアクセスすることにより、依頼者情報の変更、対象物品の追加、削除、情報の変更などが可能である。
【0101】
なお、説明及び理解を容易にするためここでは説明を省略したが、実際には広告依頼者と広告事業者との間でサービス提供に関する契約の締結や、費用の支払い方法などの登録といった手順が含まれてよい。
【0102】
図19は、広告料の請求(図1の請求116)に関する情報処理装置102の動作に関するフローチャートである。なお、本実施形態では広告依頼者109が広告料の支払いを銀行振り込みで行うものとし、広告料の請求処理として支払いが必要な広告料の閲覧サービスの提供を行うものとする。
【0103】
S2102で演算部206は、情報端末105で稼働するウェブブラウザアプリケーションから登録済み広告依頼者用ウェブサイト(URL)へのアクセスに応答して、広告依頼者のログイン画面のデータを情報端末105に送信する。演算部1702はウェブブラウザアプリケーションを用いて、表示部1704にログイン画面を表示させる。
【0104】
図20(a)は、広告依頼者のログイン画面2201を表示した状態の情報端末105の外観を模式的に示した図である。
ここでは依頼者名とパスワードとの組み合わせによってログインを受け付けるものとするが、ユーザIDとパスワードとの組み合わせや、生体情報の利用など、公知の任意の方法を用いることができる。
【0105】
広告依頼者109は、入力部1703の操作によって依頼者名とパスワードを入力する。そして、ログインボタン202をクリックするなどの操作により、ログイン情報の入力を情報端末105に通知する。演算部1702は、ログインボタン202の操作が確認されると、画面に入力された項目を情報処理装置102に送信する。演算部206は、ログイン情報を受信すると、広告依頼者レコードを探索し、ログイン情報が正しいか否かを判別する。ログイン情報が正しいと判別されると、演算部206は登録済みの広告依頼者用のサービスメニュー画面のデータを情報端末105に送信する。演算部1702はサービスメニュー画面を表示部1704に表示させる。
【0106】
ここでは、広告依頼者109がサービスメニュー画面から請求額の閲覧を選択したものとする。演算部1702は選択に応じて請求額の閲覧要求を情報処理装置102に送信する。演算部206は、請求額の閲覧要求を受信すると、広告依頼者レコードを参照して、所定の累積期間に発生した課金情報を取得し、情報端末105に送信する。
【0107】
なお、広告料は例えば、広告依頼者109が登録した対象物品について、広告閲覧者に広告(物品保持者108の位置情報)を提供した回数に応じて算出することができる。なお、具体的な広告料の算出方法は契約に応じて変化しうる。例えば定額制や、広告提供回数の増加に従って1回あたりの広告料が安くなるような料金体系など、さまざまな形態が考えられる。また、物品の単価や大きさなどによって1回あたりの料金が異なってもよい。図20(b)に示している回数と料金との関係は単なる例示である。上述したように、演算部206は追跡処理の過程で、位置情報を広告閲覧者107に通知した回数を対象物品106ごとに計数し、記憶している。したがって、演算部206は、対象物品106に対応する広告依頼者109について、広告料を集計した課金情報を生成することができる。
【0108】
図20(b)は、課金情報の表示画面2301を表示した状態の情報端末105の外観を模式的に示した図である。広告依頼者109は、表示画面2301により、請求される広告料の内訳と金額を確認することができる。演算部1702は、ログアウトボタン2302の操作が確認されると、ログアウト要求を情報処理装置102に送信する。演算部206は、ログアウト要求を受信すると、ログアウト処理を実行する。その後、広告依頼者109は指定された金額を広告事業者100の銀行口座に振り込むなどして、広告料118の支払いを完了する。
【0109】
本実施形態の宣伝システムによれば、広告閲覧者は興味のある物品を通知の対象物品として登録しておくことで、対象物品の実物が近くに存在することを知ることができる。そのため、たまたま近くに対象物品が存在する機会を利用して、対象物品の実物を確認することができる。そのため、CMや店舗で陳列されている状態からは得られない情報を容易に得ることができる。また、対象物品を物品保持者が携帯もしくは使用している場合には、使用者の年齢や性別などの傾向を知ることができるため、対象物品の購入における判断材料とすることができる。
【0110】
また、物品保持者は、自身の所有する物品を登録することにより、特に意識することなく日常生活を送る中で対価を得ることができる。また、一時的に位置情報を提供しないように設定することで、望まない状況で位置情報が提供されることを回避できる。
【0111】
また、広告依頼者は、広告したい物品を登録することで、その物品に興味を持つ広告閲覧者に対し、実際の所有者を通じて広告することが可能になるため、より効果的な広告効果を得られるというメリットがある。
【0112】
●(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第1実施形態では、撮像装置101が屋外の固定位置に設置され、移動する広告閲覧者107の情報端末103に対象物品106の位置情報を通知していた。本実施形態では、撮像装置も移動する環境を対象とする。
【0113】
図21は、宣伝システムの撮像装置と、広告閲覧者の有する情報端末の両方を有する乗用車の室内の模式図である。図21(a)と図21(b)は撮像装置と情報端末の位置が配置が異なる例をそれぞれ示している。ここでは乗用車が自動運転可能であるものとするが、自動運転が可能でなくてもよい。本実施形態の宣伝システムは、第1実施形態で説明した情報処理装置102、情報端末103~105によって実施可能であるため、機器の構成に関する説明は省略する。
【0114】
撮像装置2401は車輌の左右側方を含む車両外の範囲を撮影し、映像データを宣伝システムの情報処理装置102に送信する。撮像装置2401は図21(b)に示すように複数の撮像装置から構成されていてもよい。撮像装置2402は乗車している人物を撮影するために設けられている。情報処理装置102は、撮像装置2402が撮影する映像から、登録された広告閲覧者が内に存在するか否かを判別することができる。
【0115】
表示部2403は、図21(a)ではサイドウィンドウを兼ねた過型表示装置、図21(b)はシートバックに設けられた表示装置であり、第1実施形態における広告閲覧者107の情報端末103の表示部210に相当する。図21では、車両に乗車している広告閲覧者107が対象物品106として登録した車両が近くに存在する場合の対象物品情報としてメッセージ401が表示されている例を示している。
【0116】
図21(a)の例では、透過型表示装置である表示部2403の、対象物品106の領域の周囲に枠状の指標を表示することにより、表示部2403を透かして見える景色に枠状の指標が重畳したAR表示を行っている。例えば、広告閲覧者107が車輌内で作業中の場合であっても、対象物品106の実物を見る機会を増やすことができる。
【0117】
また、図21(b)は、後部座席用の表示装置である表示部2403における対象物品情報の表示例である。ここでは、対象物品が車両の左右どちら側に存在するのかのメッセージ401を対象物品情報として表示している。なお、撮像装置2401で撮影された対象物品の映像も併せて表示するようにしてもよい。また、左側の座席の表示部2403には対象物品106が左側に存在する場合だけ対象物品情報を表示するようにしてもよい。右側の座席用の表示部2403についても同様である。また、図21(b)に示すように、撮像装置2402によって、広告閲覧者107が座っている座席用の表示部2403にのみ対象物品情報を表示するようにしてもよい。対象物品情報を表示する表示部2403を特定の表示部に限定するこれらの制御は組み合わせて実施してもよいし、まったく行わなくてもよい。
【0118】
後部座席用の表示装置はタッチディスプレイであり、終了ボタン402のタッチ操作が検出されると、演算部209はメッセージ401の表示を終了する。
【0119】
図22は、本実施形態の宣伝システムにおける情報処理装置102と車両に設けられる要素の構成例とを示したブロック図である。情報処理装置102の構成は第1実施形態と同じである。また、撮像装置2401、2402と、情報端末103とは車両2601に設けられている。撮像装置2401、2402の構成は第1実施形態の撮像装置101と同じである。また、情報端末103の構成は第1実施形態と同じである。なお、図21(b)に示す形態では、情報端末103の表示部が2つになり、それぞれ独立した表示を行えるように構成される。物品保持者108の情報端末104と、広告依頼者109の情報端末105は図示していないが、第1実施形態と同様である。
【0120】
本実施形態の宣伝システムにおける情報処理装置102の動作は第1実施形態で図3を用いて説明した動作と基本的に同じであるため、説明を省略する。ただし、本実施形態のように撮像装置101が移動する場合、認識処理において映像データから物品保持者108を認識することが難しくなる。そのため、対象物品情報が車両である場合には、自動車登録番号(ナンバープレートに刻印されている番号)を対象物品情報として登録させておき、演算部206はS307においてナンバープレートの認識に基づいて対象物品106の有無を判定する。なお、登録および認識に用いる自動車登録番号は指定番号(・・・1から99-99までの4桁の数字部分)だけでよい。
【0121】
なお、車両がSAE J3016におけるレベル2以上の自動運転に対応している場合には、対象物品106を追従して走行したり、対象物品106が存在する場所(またはその付近)まで自動で移動するよう、自動運転システムと連係するようにしてもよい。例えば、駐車場で広告閲覧者107が登録した対象物品106(車両)が見つかった場合、対象物品106の駐車スペースの隣やその近辺の空いた駐車スペースに自動で駐車する。これによって、広告閲覧者107は移動体に乗っていても、対象物品106を間近で見ることができる。
【0122】
本実施形態においても第1実施形態と同様の効果が得られる。また、車両での移動中であっても対象物品106の情報をタイムリーに取得することが可能になる。
【0123】
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、広告閲覧者が宣伝システムのサイトにアクセスして、興味のある物品を事前に明示的に登録する構成について説明した。しかしながら、他の方法で広告閲覧者の興味のある物品を登録してもよい。例えば、広告閲覧者の情報端末で稼働するウェブブラウザアプリケーションの閲覧履歴に基づいて、広告閲覧者が興味を持っているであろう物品を特定して自動登録するようにしてもよい。この場合、広告閲覧者の登録処理において、閲覧履歴の利用の同意を得るようにする。閲覧履歴から閲覧者が興味を持っているであろう物品を特定する技術は、ウェブブラウザのクッキーを利用したターゲティング広告技術として公知である。また、映像データに広告閲覧者が写っており、かつその視線方向(顔の向き)が検出できる場合には、広告閲覧者が見ている物品を、興味のある物品として登録してもよい。例えば、顔の向きの方向に存在する物品を演算部206で認識することにより、物品を特定することができる。
【0124】
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【0125】
本発明は上述した実施形態の内容に制限されず、発明の精神および範囲から離脱することなく様々な変更及び変形が可能である。したがって、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
【符号の説明】
【0126】
100…宣伝システム、102…情報処理装置、103、104、105…情報端末、107…広告閲覧者、108…物品保持者、109…広告依頼者
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