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特許7510276指紋センサ及び指紋センサアレイ並びにこれらを含む装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-25
(45)【発行日】2024-07-03
(54)【発明の名称】指紋センサ及び指紋センサアレイ並びにこれらを含む装置
(51)【国際特許分類】
   G06V 40/13 20220101AFI20240626BHJP
   A61B 5/1172 20160101ALI20240626BHJP
【FI】
G06V40/13
A61B5/1172
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2020084552
(22)【出願日】2020-05-13
(65)【公開番号】P2020187752
(43)【公開日】2020-11-19
【審査請求日】2023-02-09
(31)【優先権主張番号】10-2019-0057097
(32)【優先日】2019-05-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung-ro,Yeongtong-gu,Suwon-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】李 啓 滉
(72)【発明者】
【氏名】朴 敬 培
(72)【発明者】
【氏名】朴 性 俊
(72)【発明者】
【氏名】尹 晟 榮
(72)【発明者】
【氏名】陳 勇 完
(72)【発明者】
【氏名】許 哲 準
【審査官】橋爪 正樹
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-530169(JP,A)
【文献】特開2011-253861(JP,A)
【文献】特開2010-040042(JP,A)
【文献】特表2017-521797(JP,A)
【文献】米国特許第04857723(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06V 40/13
G06T 1/00
A61B 5/1172
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
指紋センサであって、
互いに対向するように配置される第1電極及び第2電極と、
前記第1電極と前記第2電極との対向する面の間に配置され、前記第1電極と前記第2電極にそれぞれ離隔して配置される光吸収層と
前記第1電極と前記光吸収層との間に配置される第1絶縁層、及び前記第2電極と前記光吸収層との間に配置される第2絶縁層と、を有し、
前記光吸収層は、p型半導体とn型半導体とを含み、
前記p型半導体と前記n型半導体の内の少なくとも一つは、可視光線波長領域の内の少なくとも一部の光を吸収する吸光物質であり、
前記光吸収層に吸収された光量に応じた電気容量(capacitance)の変化を感知することを特徴とする指紋センサ。
【請求項2】
前記吸光物質は、有機物質を含むことを特徴とする請求項1に記載の指紋センサ。
【請求項3】
前記光吸収層の下部に配置される反射層をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の指紋センサ。
【請求項4】
前記光吸収層に吸収された光量に応じた電流変化は、実質的にはないことを特徴とする請求項1に記載の指紋センサ。
【請求項5】
請求項1乃至のいずれか一項に記載の指紋センサを有することを特徴とする指紋センサアレイ。
【請求項6】
請求項1乃至のいずれか一項に記載の指紋センサを有することを特徴とする装置。
【請求項7】
映像を表示する表示パネルと、
前記表示パネルの上部に配置され、複数の指紋センサを含む指紋センサアレイと、を有し、
前記指紋センサは、互いに対向するように配置される第1電極及び第2電極と、
前記第1電極と前記第2電極との対向する面の間に配置され、前記第1電極と前記第2電極にそれぞれ離隔して配置される光吸収層と、
前記第1電極と前記光吸収層との間に配置される第1絶縁層、及び前記第2電極と前記光吸収層との間に配置される第2絶縁層と、を有し、
前記光吸収層は、p型半導体とn型半導体とを含み、
前記p型半導体と前記n型半導体の内の少なくとも一つは、可視光線波長領域の内の少なくとも一部の光を吸収する吸光物質であり、
前記光吸収層に吸収された光量に応じた電気容量(capacitance)の変化を感知することを特徴とする装置。
【請求項8】
前記指紋センサは、前記表示パネルの表示領域内の一部又は全部に配置されることを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記表示領域は、色を表示する複数のサブ画素からなる活性領域と、
前記活性領域以外の非活性領域と、を含み、
前記指紋センサは、前記非活性領域に配置されることを特徴とする請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記指紋センサは、隣接する前記サブ画素の間の領域に配置されることを特徴とする請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記指紋センサは、前記光吸収層の下部に配置される反射層をさらに有することを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項12】
前記第1電極は、第1方向に延長され、
前記第2電極は、前記第1方向に交差する第2方向に延長され、
前記光吸収層は、前記第1電極と前記第2電極の交差地点で前記第1電極と前記第2電極との間に配置されることを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項13】
記光吸収層に吸収された光量に応じた電流変化は、実質的にはないことを特徴とする請求項7に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
指紋センサ及び指紋センサアレイ並びにこれらを含む装置に関し、特に、シンプルな構造及び工程により改善した性能を実現できる指紋センサ及び指紋センサアレイ並びにこれらを含む装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子装置のセキュリティが重要になるにつれ、電子装置は、認証されたユーザにサービスを提供するための多様なユーザ認証機能を含む。
このようなユーザ認証機能の一つとして、指紋認証機能が挙げられる。
指紋認証機能は指紋センサを使用して行われ、指紋センサはユーザの指紋とあらかじめ保存されている指紋との間の一致性を判別することができる。
【0003】
そして、指紋センサにおいては、構造や性能の改善、向上がつねに課題となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2001-56204号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記従来の指紋センサにおける課題に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、シンプルな構造及び工程により改善した性能を実現できる指紋センサを提供することにある。
また、本発明の他の目的は、上記指紋センサを含む指紋センサアレイ、及び上記指紋センサ又は前記指紋センサアレイを含む装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するためになされた本発明による指紋センサは、互いに対向するように配置される第1電極及び第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との対向する面の間に配置され、前記第1電極と前記第2電極にそれぞれ離隔して配置される光吸収層と、前記第1電極と前記光吸収層との間に配置される第1絶縁層、及び前記第2電極と前記光吸収層との間に配置される第2絶縁層と、を有し、前記光吸収層は、p型半導体とn型半導体とを含み、前記p型半導体と前記n型半導体の内の少なくとも一つは、可視光線波長領域の内の少なくとも一部の光を吸収する吸光物質であり、前記光吸収層に吸収された光量に応じた電気容量(capacitance)の変化を感知することを特徴とする。
【0007】
記吸光物質は、有機物質を含むことが好ましい。
前記光吸収層の下部に配置される反射層をさらに有することが好ましい。
記光吸収層に吸収された光量に応じた電流変化は、実質的にはないことが好ましい。
【0008】
上記目的を達成するためになされた本発明による指紋センサアレイは、本発明の指紋センサを有することを特徴とする。
【0009】
上記目的を達成するためになされた本発明による装置は、本発明の指紋センサを有することを特徴とする。
【0010】
また、上記目的を達成するためになされた本発明による装置は、映像を表示する表示パネルと、前記表示パネルの上部に配置され、複数の指紋センサを含む指紋センサアレイと、を有し、前記指紋センサは、互いに対向するように配置される第1電極及び第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との対向する面の間に配置され、前記第1電極と前記第2電極にそれぞれ離隔して配置される光吸収層と、前記第1電極と前記光吸収層との間に配置される第1絶縁層、及び前記第2電極と前記光吸収層との間に配置される第2絶縁層と、を有し、前記光吸収層は、p型半導体とn型半導体とを含み、前記p型半導体と前記n型半導体の内の少なくとも一つは、可視光線波長領域の内の少なくとも一部の光を吸収する吸光物質であり、前記光吸収層に吸収された光量に応じた電気容量(capacitance)の変化を感知することを特徴とする。
【0011】
前記指紋センサは、前記表示パネルの表示領域内の一部又は全部に配置されることが好ましい。
前記表示領域は、色を表示する複数のサブ画素からなる活性領域と、前記活性領域以外の非活性領域と、を含み、前記指紋センサは、前記非活性領域に配置されることが好ましい。
前記指紋センサは、隣接する前記サブ画素の間の領域に配置されることが好ましい。
前記指紋センサは、前記光吸収層の下部に配置される反射層をさらに有することが好ましい。
前記第1電極は、第1方向に延長され、前記第2電極は、前記第1方向に交差する第2方向に延長され、前記光吸収層は、前記第1電極と前記第2電極の交差地点で前記第1電極と前記第2電極との間に配置されることが好ましい。
記光吸収層に吸収された光量に応じた電流変化は、実質的にはないことが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る指紋センサ及び指紋センサアレイ並びにこれらを含む装置によれば、2つの電極と、これら電極とそれぞれ離隔して配置される光吸収層を有することで、光吸収層に吸収される光量の差による静電容量の変化から指紋の形状を感知することができ、サンプルな構造及び工程により改善した指紋感知性能を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態による指紋センサの配列の一例を示す概略断面図である。
図2】本発明の一実施形態による指紋センサの一例を示す概略断面図である。
図3】本発明の一実施形態による指紋センサの他の例を概略的に示す断面図である。
図4】本発明の一実施形態による指紋センサのまた他の例を概略的に示す断面図である。
図5】本発明の一実施形態による指紋センサのまた他の例を概略的に示す断面図である。
図6】本発明の一実施形態による指紋センサの原理を説明するための概略図である。
図7】本発明の一実施形態による表示装置の概略を示す断面図である。
図8図7の表示装置の配置を示す概略断面図である。
図9図7の表示装置の配置の一例を示す概略斜視図である。
図10図7の表示装置の配置の他の例を示す概略平面図である。
図11図10のX部分を拡大して示す概略平面図である。
図12図7の表示装置の配置のまた他の例を示す概略平面図である。
図13】本発明の実施例による指紋センサ用サンプルの光量に応じた静電容量の変化を示すグラフである。
図14】本発明の実施例による指紋センサ用サンプルの光量に応じた電流特性を示すグラフである。
図15】本発明の一実施形態による表示装置の一例を示す概略斜視図である。
図16】本発明の一実施形態による表示装置の他の例を示す概略平面図である。
図17】本発明の一実施形態による表示パネルを含む電子装置の概略構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、本発明に係る指紋センサ及び指紋センサアレイ並びにこれらを含む装置を実施するための形態の具体例を図面を参照しながら説明する。
【0015】
以下、実施形態について該当技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。
しかし、実際適用される構造は様々な異なる形態で実現することができ、ここで説明する実施形態に限定されない。
図面で複数の層及び領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。
層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「上に」あるという時、これは他の部分の「真上に」ある場合だけでなく、その中間にまた他の部分がある場合も含む。
逆にある部分が他の部分の「真上に」あるという時には中間に他の部分が存在しないことを意味する。
以下、本発明の一実施形態による指紋センサを説明する。
【0016】
図1は、本発明の一実施形態による指紋センサの配列の一例を示す概略断面図であり、図2は、本発明の一実施形態による指紋センサの一例を示す概略断面図である。
図1及び図2を参照すると、本発明の一実施形態による指紋センサ10は、第1電極11と第2電極12、第1電極11と第2電極12との間に配置される光吸収層13、第1電極11と光吸収層13との間、及び第2電極12と光吸収層13との間に配置される絶縁層14を含む。
【0017】
指紋センサ10は、下部基板31により支持されて上部基板32により覆われているが、下部基板31と上部基板32の少なくとも一つは省略することができる。
下部基板31と上部基板32は、例えばガラスのような無機物質、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミド、ポリエーテルサルホン、又はこれらの組み合わせのような有機物質又はシリコンウェハなどで作成される。
【0018】
第1電極11の主面と第2電極12の主面は互いに対向している。
第1電極11と第2電極12のいずれか一つはアノード(anode)であり、他の一つはカソード(cathode)である。
例えば、第1電極11はカソードで、第2電極12はアノードでありうる。
例えば、第1電極11はアノードで、第2電極はカソードでありうる。
第1電極11と第2電極12の少なくとも一つは、透明電極である。
ここで透明電極は、光透過度約80%以上、約85%以上、約88%以上、又は約90%以上の高い透過率を有することができ、例えば、酸化物導電体、炭素導電体及び/又は金属箔膜を含み得る。
【0019】
酸化物導電体は、例えば、インジウムスズ酸化物(indium tin oxide:ITO)、インジウム亜鉛酸化物(indium zinc oxide:IZO)、亜鉛スズ酸化物(zinc tin oxide:ZTO)、アルミニウムスズ酸化物(Aluminum tin oxide:AlTO)及びアルミニウム亜鉛酸化物(Aluminum zinc oxide:AZO)より選ばれた一つ以上でありうる。
【0020】
炭素導電体は、例えば、グラフェン及び炭素ナノ体より選ばれた一つ以上でありうる。
金属箔膜は、例えば、数ナノメートル~数十ナノメートルの薄い厚さで形成された金属箔膜又は金属酸化物がドーピングされた数ナノメートル~数十ナノメートルの薄い厚さで形成された単一層又は複数層の金属箔膜でありうる。
【0021】
第1電極11と第2電極12のいずれか一つは反射電極である。
反射電極は、例えば、光透過度約10%未満又は約5%以下の高い反射率を有し、例えば、金属のような反射導電体を含み得、例えば、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、金(Au)又はこれらの合金を含み得る。
一例として、第1電極11と第2電極12は、それぞれ透明電極であり得る。
一例として、第1電極11は反射電極で、第2電極12は透明電極であり得る。
一例として、第1電極11は透明電極で、第2電極12は反射電極であり得る。
第1電極11と第2電極12は多様な形状を有することができ、例えば、それぞれ独立して一方向に延長した棒の形状、板形状、又はダイヤモンド(ひし形)形状を有することができるが、これに限定されるものではない。
【0022】
光吸収層13は、第1電極11と第2電極12との間に配置され、第1電極11及び第2電極12とそれぞれ離隔している。
光吸収層13は、光を吸収して電荷を生成する層であり、例えば、可視光線波長領域の内の少なくとも一部の光を吸収することができ、例えば、緑色波長領域の光(以下「緑色光」という)、青色波長領域の光(以下「青色光」という)、及び赤色波長領域の光(以下「赤色光」という)の少なくとも一つを吸収することができる。
光吸収層13は、1種以上の吸光物質を含み得、吸光物質は光を吸収して電荷を生成できれば特に限定されない。
一例として、吸光物質は、有機吸光物質、無機吸光物質及び/又は有機/無機吸光物質であり得、例えば吸光物質の内の少なくとも一つは有機吸光物質でありうる。
【0023】
光吸収層13は、pn接合(pn junction)を形成する少なくとも一つのp型半導体と、少なくとも一つのn型半導体を含み、外部からの光を受けてエキシトン(exciton)を生成する。
p型半導体とn型半導体の内の少なくとも一つは、可視光線波長領域の内の少なくとも一部の光を吸収する吸光物質であり、例えば、p型半導体とn型半導体それぞれは吸光物質である。
一例として、p型半導体とn型半導体は、それぞれ独立して有機吸光物質、無機吸光物質及び/又は有機/無機吸光物質であり得る。
一例として、p型半導体とn型半導体の内の少なくとも一つは有機吸光物質であり得る。
【0024】
光吸収層13は、p型半導体を含むp型層とn型半導体を含むn型層を含む二重層を含む。
この時、p型層とn型層の厚さ比は、約1:9~9:1であり、上記範囲内で例えば約2:8~8:2、約3:7~7:3、約4:6~6:4又は約5:5であり得る。
光 吸収層13は、p型半導体とn型半導体がバルクヘテロ接合(bulk heterojunction)形態で混合された真性層(intrinsic layer:I層)を含む。
この時、p型半導体とn型半導体は、約1:9~9:1の体積比で混合され、上記範囲内で例えば約2:8~8:2の体積比で混合され、上記範囲内で例えば約3:7~7:3の体積比で混合され、上記範囲内で例えば約4:6~6:4の体積比で混合され、上記範囲内で例えば約5:5の体積比で混合され得る。
光吸収層13は、真性層の他にp型層及び/又はn型層をさらに含む。
p型層は、前述したp型半導体を含み、n型層は前述したn型半導体を含む。
例えば、p型層/I層、I層/n型層、p型層/I層/n型層など多様な組み合わせが含まれ得る。
【0025】
絶縁層14は、第1電極11と光吸収層13との間に配置される第1絶縁層14aと第2電極12と光吸収層13との間に配置される第2絶縁層14bを含む。
第1絶縁層14aと第2絶縁層14bは、それぞれ絶縁物質を含み、例えば、有機絶縁物質、無機絶縁物質及び/又は有機/無機絶縁物質を含み得る。
有機絶縁物質は、例えば、ポリビニルフェノール、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルクロライド、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、又はこれらの組み合わせであり得、無機絶縁物質は、例えば、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化タンタル、又はこれらの組み合わせであり得るが、これに限定されるものではない。
【0026】
第1絶縁層14aは、第1電極11と光吸収層13との間で第1電極11と光吸収層13を離隔させ、そのため光吸収層13で光によって生成された電荷が第1電極11に移動することを遮断することができる。
第2絶縁層14bは、第2電極12と光吸収層13との間で第2電極12と光吸収層13を離隔させ、そのため光吸収層13で光によって生成された電荷が第2電極12に移動することを遮断することができる。
したがって、第1電極11と光吸収層13との間、及び第2電極12と光吸収層13との間に電流が流れず、光吸収層13により吸収された光量に応じた電流変化は、実質的にはない。
【0027】
一方、第1電極11と第2電極12に所定の電圧を印加する時、光吸収層13で生成されたエキシトンから分離した正孔と電子は、第1電極11と第2電極12の正又は負の電圧に応じて垂直に分極化して電場を生成し、そのため、所定の静電容量(capacitance)を変化させる。
この時、光吸収層13で吸収された光量が多い場合、多くの電子と正孔が生成されて高い静電容量を示し、光吸収層13で吸収された光量が少ない場合、少ない電子と正孔が生成されて低い静電容量を示す。
すなわち、本発明の一実施形態による指紋センサ10は、光量に応じた静電容量の変化を用いて指紋を感知することができる。
【0028】
図6は、本発明の一実施形態による指紋センサの原理を説明するための概略図である。
図6を参照すると、指紋FPは、突出した部分である隆線(ridge)(FP-1)と凹んだ部分である谷(valley)(FP-2)との間に高低差があり、このような高低差によって指紋FPから反射する光の量が変わる。
例えば、指紋FPの隆線(FP-1)は、上部基板32に密着して指紋FPで反射する光が少ないか、又はなく、指紋FPの谷(FP-2)は、上部基板32に密着することができず、その間に空気が含まれており、指紋FPで反射する光が相対的に多い。
そのため、指紋FPの隆線(FP-1)に対応する指紋センサ10と指紋FPの谷(FP-2)に対応する指紋センサ10との間に反射する光量の差によって光吸収層13で吸収される光量が変わり、このような光量の差による静電容量の変化から指紋FPの形状を感知することができる。
感知された指紋FPの形状をあらかじめ保存されている指紋と比較して一致性を判断することができる。
【0029】
図3は、本発明の一実施形態による指紋センサの他の例を概略的に示す断面図である。
図3を参照すると、本実施形態による指紋センサ10は、前述した実施形態と同様に第1電極11と第2電極12、第1電極11と第2電極12との間に配置される光吸収層13、第1電極11と光吸収層13との間、及び第2電極12と光吸収層13との間に配置される絶縁層14を含む。
絶縁層14は、前述したように第1絶縁層14aと第2絶縁層14bを含む。
しかし、本実施形態による指紋センサ10は、前述した実施形態とは相違し、反射層15をさらに含む。
反射層15は、光吸収層13の下部に配置され、例えば、第1電極11と光吸収層13との間、例えば第1電極11と第1絶縁層14aとの間に配置される。
反射層15は、例えば、下部から光吸収層13に不要な光が流入することを防止することによって指紋感知性能を改善させることができる。
【0030】
図4は、本発明の一実施形態による指紋センサのまた他の例を概略的に示す断面図である。
図4を参照すると、本実施形態による指紋センサ10は、前述した実施形態と同様に第1電極11、第2電極12、光吸収層13、及び絶縁層14を含む。
しかし、前述した実施形態とは相違し、第1電極11と第2電極12は、並列して配置されており、第1電極11の側面と第2電極の側面が対向している。
そのため第1電極11と第2電極12に所定の電圧を印加する時、光吸収層13で生成されたエキシトンから分離した電子と正孔は、第1電極11と第2電極12の正又は負の電圧に応じて水平方向に分極化されて電場を生成させることができる。
【0031】
また、前述した実施形態とは相違し、絶縁層14は、第1電極11と光吸収層13との間及び第2電極12と光吸収層13との間に共通して配置することができる。
絶縁層14は、第1電極11と光吸収層13、及び第2電極12と光吸収層13をそれぞれ離隔させることによって、光吸収層13で光によって生成された電荷が第1電極11及び第2電極12に移動することを遮断することができる。
【0032】
図5は、本発明の一実施形態による指紋センサのまた他の例を概略的に示す断面図である。
図5を参照すると、本実施形態による指紋センサ10は、前述した実施形態と同様に並列して配置された第1電極11、第2電極12、光吸収層13及び絶縁層14を含む。
しかし、前述した実施形態とは相違し、本実施形態による指紋センサ10は、反射層15をさらに含む。
反射層15は、光吸収層13の下部に延長され得、例えば、第1電極11及び第2電極12と光吸収層13との間に配置され得、例えば、第1電極11及び第2電極12と絶縁層14との間に配置され得る。
反射層15は、例えば、下部から光吸収層13に不要な光が流入することを防止して指紋感知性能を改善させることができる。
【0033】
上述した指紋センサ10は、行及び/又は列に沿って繰り返し配置されて指紋センサアレイ(fingerprint sensor array)をなす。
指紋センサアレイは、指紋センサ10で感知される静電容量の変化から指紋形状を感知することができ、これを保存されている指紋形状と比較して一致性を判断することができる。
指紋センサ10は、別途の光源(図示せず)を備えることができる。
【0034】
指紋センサは、指紋認証機能が求められる多様な装置に適用することができ、例えば、スマートフォン、移動電話機、タブレット、パーソナルコンピュータ、ラップトップコンピュータ、PDA(personal digital assistant)、EDA(enterprise digital assistant)、PMP(personal multimedia player)、PND(personal navigation device)、ウェアラブルコンピュータ、モノのインターネット(IoT)、全てのインターネット(IoE)、ドローン(drone)、デジタルカメラ、電子ブック、ドアロック、金庫、現金自動預け払い機(ATM)、又は自動車などに効果的に適用することができる。
【0035】
以下、上述した指紋センサを適用した装置の一例を説明する。
ここでは装置の一例として、指紋センサ内蔵型表示装置を図面を参照して説明する。
図7は、本発明の一実施形態による表示装置の概略を示す断面図であり、図8は、図7の表示装置の配置を示す概略断面図であり、図9は、図7の表示装置の配置の一例を示す概略斜視図であり、図10は、図7の表示装置の配置の他の例を示す概略平面図であり、図11は、図10のX部分を拡大して示す概略平面図であり、図12は、図7の表示装置の配置のまた他の例を示す概略平面図である。
【0036】
図7を参照すると、本発明の一実施形態による表示装置300は、表示パネル200と指紋センサアレイ100を含む。
表示パネル200は、映像を表示するパネルであれば特に限定されず、例えば、液晶表示パネル、有機発光表示パネル、マイクロ発光ダイオード表示パネル、又は量子ドット表示パネルであり得るが、これに限定されるものではない。
表示パネル200は、マトリックス形状に配列された複数のサブ画素(subpixels)を含む。
サブ画素は、赤色を表示する赤色サブ画素R、緑色を表示する緑色サブ画素G、及び青色を表示する青色サブ画素Bを含み、一つの赤色サブ画素R、一つの緑色サブ画素G、及び一つの青色サブ画素Bは、画素(pixel)をなす。
複数のサブ画素は、マトリックス形状に繰り返し配列されており、例えば、行及び/又は列に沿って繰り返し配列されている。
【0037】
図8を参照すると、表示パネル200は、映像を表示する領域、すなわち表示領域DAを含み、表示領域DAは、複数のサブ画素(R、G、B)からなる活性領域a1と、活性領域a1以外の非活性領域a2を含む。
非活性領域a2は、複数のサブ画素(R、G、B)の間の領域を含み、例えば、配線や遮光幕が配置されている。
指紋センサアレイ100は、表示パネル200の上部に配置され、例えば、ユーザ側に配置され得る。
指紋センサアレイ100は、表示パネル200の表示領域DA内の一部又は全部に配置することができる。
【0038】
指紋センサアレイ100は、複数の指紋センサ10を含む。
複数の指紋センサ10は、例えば、行及び/又は列に沿って配列されている。
指紋センサ10は、表示パネル200の表示領域DAの内の非活性領域a2、すなわち表示パネル200のサブ画素(R、G、B)が配置されていない領域に配置され得、そのため指紋センサ10による表示品質の低下を防止することができる。
例えば、指紋センサ10は、隣接するサブ画素の間の領域に配置することができる。
指紋センサ10の具体的な説明は前述したとおりである。
【0039】
一例として、図9図2、7及び8と共に参照すると、表示パネル200は、マトリックス形状に配列された複数のサブ画素(R、G、B)からなる活性領域a1とその以外の領域である非活性領域a2を含み、指紋センサアレイ100は、非活性領域a2に配置されている。
指紋センサアレイ100は、行及び列に沿って配列された複数の指紋センサ10を含み、指紋センサ10は、第1方向(x方向)に延長した第1電極11、第1方向と異なる第2方向(y方向)に延長した第2電極12、第1電極11と第2電極12の交差地点で第1電極11と第2電極12との間に位置する光吸収層13、第1電極11と光吸収層13との間に位置する第1絶縁層14a、及び第2電極12と光吸収層13との間に位置する第2絶縁層14bを含む。
【0040】
一例として、図9図3、7及び8と共に参照すると、指紋センサアレイ100は、行及び列に沿って配列された複数の指紋センサ10を含み、指紋センサ10は、第1方向に延長した第1電極11、第1方向と異なる第2方向に延長した第2電極12、第1電極11と第2電極12の交差地点で第1電極11と第2電極12との間に位置する光吸収層13、第1電極11と光吸収層13との間に位置する第1絶縁層14a、第2電極12と光吸収層13との間に位置する第2絶縁層14b、及び光吸収層13の下部に位置する反射層15を含む。
反射層15は、表示パネル200から出る光が直接光吸収層13に流入することを防止することによって表示パネル200から直接出る光による静電容量の変化を減らしたり、防止することができる。
【0041】
一例として、図10及び図11図2、7及び8と共に参照すると、指紋センサアレイ100は、行及び列に沿って配列された複数の指紋センサ10を含み、指紋センサ10は、第1方向に沿って配列されており、ダイヤモンド(ひし形)形状を有する複数の電極パターンがブリッジ(bridge)に接続されている第1電極11、第1方向と異なる第2方向に沿って配列されており、ダイヤモンド形状を有する複数の電極パターンがブリッジに接続されている第2電極12、第1電極11と第2電極12の交差地点1000(ブリッジ)で第1電極11と第2電極12との間に位置する光吸収層13、第1電極11と光吸収層13との間に位置する第1絶縁層14a、そして第2電極12と光吸収層13との間に位置する第2絶縁層14bを含む。
【0042】
一例として、図10及び図11図3、7及び8と共に参照すると、指紋センサアレイ100は、行及び列に沿って配列された複数の指紋センサ10を含み、指紋センサ10は第1方向に沿って配列されており、ダイヤモンド形状を有する複数の電極パターンがブリッジ(bridge)に接続されている第1電極11、第1方向と異なる第2方向に沿って配列されており、ダイヤモンド形状を有する複数の電極パターンがブリッジに接続されている第2電極12、第1電極11と第2電極12の交差地点1000(ブリッジ)で第1電極11と第2電極12との間に位置する光吸収層13、第1電極11と光吸収層13との間に位置する第1絶縁層14a、第2電極12と光吸収層13との間に位置する第2絶縁層14b、及び光吸収層13の下部に位置する反射層15を含む。
反射層15は、表示パネル200から出る光が直接光吸収層13に流入することを防止することによって表示パネル200から直接出る光による静電容量の変化を減らしたり、防止することができる。
【0043】
一例として、図12図4と共に参照すると、一例による指紋センサ10は、行又は列に沿って配列され、行又は列に沿って並んで配置された第1電極11と第2電極12、第1電極11と第2電極12の上部に位置する絶縁層14、及び絶縁層14の上に位置する光吸収層13を含む。
【0044】
一例として、図12図5と共に参照すると、一例による指紋センサ10は、行又は列に沿って配列され、行又は列に沿って並んで配置された第1電極11と第2電極12、第1電極11と第2電極12の上部に位置する絶縁層14、絶縁層14の上に位置する光吸収層13、及び光吸収層13の下部に位置する反射層15を含む。
反射層15は、表示パネル200から出る光が光吸収層13に直接流入することを防止することによって表示パネル200から直接出る光による静電容量の変化を減らしたり、防止することができる。
表示装置300は、駆動回路(図示せず)をさらに含み得、表示装置300がモバイル機器である場合、アプリケーションプロセッサをさらに含み得る。
【0045】
図15は、本発明の一実施形態による表示装置の一例を示す概略斜視図である。
図15を参照すると、表示装置300は、表示パネル200と表示パネル200の上に位置する指紋センサアレイ100を含み、指紋センサアレイ100は、一つ以上の指紋センサの少なくとも二つの個別セット(1504-1、1504-2)をさらに含む複数の指紋センサ1502(各指紋センサ10は前述したとおりである)を含む。
一例として、指紋センサ(1504-1、1504-2)の個別セットは、互いに異なる指紋センサ構造を有することができる。
【0046】
例えば、図15において、一つ以上の指紋センサ(1504-2)のセットは、図3に示す指紋センサ構造を有する指紋センサ10を含み得、一つ以上の指紋センサ(1504-1)のセットは、図2に示す指紋センサ構造を有する指紋センサ10を含み得る。
一例として、少なくとも一つの指紋センサ(1504-1、1504-2)のセットは、表示パネル200の上にパターンを定義する。
例えば、図15に示すように、複数の指紋センサ1502は、表示パネルの上に配置される場合、一つ以上の指紋センサのセット(1504-2)は、一つ以上の指紋センサのセット(1504-1)の周囲に延長することができ、セット(1504-2)を定義することができる。
したがって、指紋センサのセット(1504-2)は、表示パネル200の上に環状パターンを定義することができる。
しかし、パターンは、環状パターンに限定されず多様なパターンでありうる。
【0047】
図16は、本発明の一実施形態による表示装置の他の例を示す概略平面図である。
図16を参照すると、表示パネル200の少なくとも一部分は、曲面(curved surface)を有する。
例えば、表示パネル200の上部表面200Sは曲面を定義する。
曲面のカーブは三次元カーブでありうる。
図16に示すように、指紋センサアレイ100の複数の指紋センサの少なくとも一つの指紋センサ10は、表示パネル200のカーブ部分の上に配置され得る。
指紋センサアレイ100の各指紋センサ10は、少なくとも部分的に表示パネル200の一つ以上の非活性領域の個別部分1610と重畳し得る。
【0048】
図17は、本発明の一実施形態による表示パネルを含む電子装置の概略構成を示すブロック図である。
図17を参照すると、電子装置1700は、バス1710、プロセッサ1720、メモリ1730、ユーザインターフェース1750、及び一つ以上の表示装置1740を含む。
プロセッサ1720、メモリ1730、ユーザインターフェース1750、及び一つ以上の表示装置1740は、バス(bus)1710を介して電気的に接続されている。
【0049】
ユーザインターフェース1750は、例えば、キーパッド、タッチスクリーンインターフェースなどでありうる。
表示装置1740は、前述した表示装置300でありうる。
プロセッサ1720は、一つ以上の機能を遂行するために保存された指示プログラムを実行することができる。
【0050】
本実施形態による指紋センサ10は、光吸収層13に吸収される光量の差による静電容量の変化から指紋の形状を感知することができ、簡単でかつ効果的に指紋感知性能を改善することができる。
また、本実施形態による指紋センサ10は、表示領域内に位置することによって指紋センサ10のための別途の空間を必要とせず、広い表示領域を確保することができる。
また、本実施形態による指紋センサ10は、表示領域内の非活性領域、すなわちサブ画素が配置されていない領域に位置することによって指紋センサ10による表示品質の影響を減らしたり、防止することができる。
また、本実施形態による指紋センサ10は、前述したように指紋センサアレイの形状に搭載され、表示領域内の特定位置でない表示領域のどこにでも位置されうるので、ユーザの便宜性を高めることができる。
【0051】
また、本実施形態による指紋センサ10は、表示パネル200の上部に位置して表示パネル200から出る光を利用するので、別途の光源を要求しない。
また、本実施形態による指紋センサ10は、表示パネル200から出る光を利用した静電容量の変化から指紋を感知するので、従来の光学式指紋センサとは異なり、薄膜トランジスタ(TFT)のような別途の駆動素子を要求しない。そのため構造及び工程をシンプル化することができる。
また、本実施形態による指紋センサ10は、表示パネル200から出る光を利用した静電容量の変化から指紋を感知するので、従来の静電式指紋センサとは異なり、上部基板による指紋解像度(resolution)の低下を防止することができる。
【0052】
以下、実施例により上述した本発明の実施形態をより詳細に説明する。
ただし、下記に示す実施例は、単に説明することを目的とするものであり、権利範囲を制限するものではない。
【0053】
≪実施例:指紋センササンプルの製造≫
ガラス基板の上に2mm×2mm面積でITOをスパッタリングで積層して150nm厚さの下部電極を形成する。
次いで、下部電極の上にアルミニウム酸化物(A、0<x≦3)を熱蒸着して40nm厚さの下部絶縁層を形成する。
次いで、下部絶縁層上に下記に示す化学式Aで表される化合物(p型半導体)とC60(n型半導体)を1:1体積比で共蒸着して100nm厚さの光吸収層を形成する。
次いで、光吸収層上にアルミニウム酸化物(A、0<x≦3)を熱蒸着して40nm厚さの上部絶縁層を形成する。
次いで上部絶縁層上に2mm×2mm面積でITOをスパッタリングで積層して上部電極を形成する。
次いでガラス板で封止して指紋センサ用サンプルを製作する。
【化A】
【0054】
≪評価I≫
本発明の実施例による指紋センサ用サンプルの光量に応じた静電容量を評価する。
光量に応じた静電容量は、発光ダイオードとインピーダンス分析機(Impedance Analyzer)で構成された光-インピーダンス測定装置(TNE tech社)により評価する。
実施例による指紋センサ用サンプルに発光ダイオード(λmax=510nm)から出る直径1mm大きさの光を垂直照射して光量に応じた静電容量の変化を確認する。
その結果は、図13のとおりである。
図13は、本発明の実施例による指紋センサ用サンプルの光量に応じた静電容量の変化を示すグラフである。
図13を参照すると、本発明の実施例による指紋センサ用サンプルは、光量が多くなることにより静電容量が高まることを確認することができる。
これにより本発明の実施例による指紋センサ用サンプルは、指紋によって反射する光の光量に応じて静電容量の変化を確認することができ、これにより指紋を効果的に感知できることが予想され得る。
【0055】
≪評価II≫
本発明の実施例による指紋センサ用サンプルの光量に応じた電流特性を評価する。
光量に応じた電流特性は、発光ダイオードとインピーダンス分析装置(Impedance Analyzer)で構成された光-インピーダンス測定装置(TNE tech社)により評価する。
実施例による指紋センサ用サンプルに発光ダイオード(λmax=510nm)から出る直径1mm大きさの光を垂直照射して光量に応じた電流の変化を確認する。
その結果は、図14のとおりである。
図14は、本発明の実施例による指紋センサ用サンプルの光量に応じた電流特性を示すグラフである。
図14を参照すると、本発明の実施例による指紋センサ用サンプルは、光量に応じた電流変化はないことを確認することができる。
これにより実施例による指紋センサ用サンプルは電流変化によるノイズがないので、静電容量の変化だけで指紋形状を感知するのに効果的に使用できることが予想され得る。
【0056】
尚、本発明は、上述の実施形態に限られるものではない。本発明の技術的範囲から逸脱しない範囲内で多様に変更実施することが可能である。
【符号の説明】
【0057】
10、 指紋センサ
11 第1電極
12 第2電極
13 光吸収層
14 絶縁層
14a 第1絶縁層
14b 第2絶縁層、
15 反射層
31 下部基板
32 上部基板
100 指紋センサアレイ
200 表示パネル
200S 上部表面
300 表示装置
1000 交差地点
1502 複数の指紋センサ
1504-1、1504-2 指紋センサの個別セット
1610 非活性領域の個別部分
1700 電子装置
1710 バス
1720 プロセッサ
1730 メモリ
1740 一つ以上の表示装置
1750 ユーザインターフェース
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17