(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-25
(45)【発行日】2024-07-03
(54)【発明の名称】複合機、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/0484 20220101AFI20240626BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20240626BHJP
B41J 29/42 20060101ALI20240626BHJP
【FI】
G06F3/0484
H04N1/00 350
B41J29/42 F
(21)【出願番号】P 2020113196
(22)【出願日】2020-06-30
【審査請求日】2023-06-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森岡 和也
【審査官】井上 香緒梨
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-091145(JP,A)
【文献】特開2020-068432(JP,A)
【文献】特開2006-026972(JP,A)
【文献】特開2015-116795(JP,A)
【文献】特開2016-007762(JP,A)
【文献】特開2017-019112(JP,A)
【文献】特開2010-130443(JP,A)
【文献】特開2018-056656(JP,A)
【文献】特開2018-199309(JP,A)
【文献】特開2002-259104(JP,A)
【文献】特開2020-068480(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J29/00-29/70
H04N1/00
G06F3/01
G06F3/048-3/04895
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイを備え、ユーザ情報と、カード情報とを紐づけて管理することが可能な複合機であって、
ディスプレイのデフォルトの表示で用いる第1表示言語を管理する管理手段と、
第1カード情報と、ディスプレイへの第2表示言語と、を紐づけて登録する登録手段と、
予め登録された機能と設定値との組み合わせを呼び出すためのショートカットを管理するショートカット管理手段と、
前記ディスプレイの表示
を制御する制御手段と、を有し、
前記ショートカット管理手段は、前記第1カード情報に対して前記ショートカットを紐づけて管理し、
前記制御手段は、前記複合機
で登録済みの第1カード情報を読み取った場合に、前記ディスプレイの表示を、前記第2表示言語での表示に切り替えて、前記ショートカットに対応する機能と設定値との組み合わせを呼び出
し、
前記制御手段は、前記複合機で前記第1カード情報を読み取った後に、前記第1カード情報を再度読み取った場合に、前記ショートカットに対応する機能と設定値との組み合わせは呼び出さずに、前記ディスプレイの表示を前記第1表示言語での表示に戻すことを特徴とする、複合機。
【請求項2】
前記第1カード情報は、前記複合機においてユーザ情報に紐づけて管理することなく、第2表示言語に紐づけて登録されていることを特徴とする、請求項1に記載の複合機。
【請求項3】
前記制御手段は、前記複合機に特定の表示言語と関連付けられて登録されているカード情報を読み取った場合に、
前記ディスプレイの表示が前記第1表示言語である場合には、前記ディスプレイの表示を前記特定の表示言語に切り替えるように制御し、
前記ディスプレイの表示が前記第2表示言語である場合には、前記ディスプレイの表示を第1表示言語に戻すように制御することを特徴とする、請求項1
又は2に記載の複合機。
【請求項4】
前記制御手段は、前記ディスプレイの表示を前記第1表示言語での表示に戻した後に、前記カード情報に紐づけられた情報に基づく処理を行うことを特徴とする、請求項
3に記載の複合機。
【請求項5】
ディスプレイを備える複合機であって、
ユーザ情報に基づくログイン処理を管理するログイン管理手段と、
前記ディスプレイのデフォルトの表示で用いる第1表示言語を管理する管理手段と、
カード情報と、ディスプレイへの表示言語と、を紐づけて登録する登録手段と、
予め登録された機能と設定値との組み合わせを呼び出すためのショートカットを管理するショートカット管理手段と、
前記ディスプレイの表示を制御する制御手段と、を有し、
前記登録手段は、第1カード情報と、ディスプレイへの第2表示言語と、を紐づけて登録し、
前記ショートカット管理手段は、前記第1カード情報に対して前記ショートカットを紐づけて管理し、
前記制御手段は、前記複合機で登録済みの第1カード情報を読み取った場合には、前記ディスプレイの表示を、前記第2表示言語での表示に切り替えて、前記ショートカットに対応する機能と設定値との組み合わせを呼び出し、
前記制御手段は、前記複合機において前記ユーザ情報に紐づけて登録されている第2カード情報を読み取った場合には、前記ユーザ情報に基づいたログイン処理を行う際に、前記ディスプレイの表示を前記ユーザ情報に紐づけられている表示言語に切り替えることを特徴とする、複合機。
【請求項6】
前記制御手段は、前記ディスプレイの表示を前記第2表示言語での表示に切り替えた後に、所定の時間が経過した場合に、前記ディスプレイの表示を前記第1表示言語での表示に戻すよう制御することを特徴とする、請求項1乃至5の何れか一項に記載の複合機。
【請求項7】
ディスプレイを備え、ユーザ情報と、カード情報とを紐づけて管理することが可能な複合機が行う情報処理方法であって、
ディスプレイのデフォルトの表示で用いる第1表示言語を管理する工程と、
第1カード情報と、ディスプレイへの第2表示言語と、を紐づけて登録する工程と、
予め登録された機能と設定値との組み合わせを呼び出すためのショートカットを管理する工程と、
前記ディスプレイの表示
を制御する工程と、を有し、
前記ショートカットを管理する工程は、前記第1カード情報に対して前記ショートカットを紐づけて管理し、
前記制御する工程は、前記複合機
で登録済みの第1カード情報を読み取った場合に、前記ディスプレイの表示を、前記第2表示言語での表示に切り替えて、前記ショートカットに対応する機能と設定値との組み合わせを呼び出
し、
前記制御する工程は、前記複合機で前記第1カード情報を読み取った後に、前記第1カード情報を再度読み取った場合に、前記ショートカットに対応する機能と設定値との組み合わせは呼び出さずに、前記ディスプレイの表示を前記第1表示言語での表示に戻すことを特徴とする、情報処理方法。
【請求項8】
ディスプレイを備える複合機が行う情報処理方法であって、
ユーザ情報に基づくログイン処理を管理する工程と、
前記ディスプレイのデフォルトの表示で用いる第1表示言語を管理する工程と、
カード情報と、ディスプレイへの表示言語と、を紐づけて登録する工程と、
予め登録された機能と設定値との組み合わせを呼び出すためのショートカットを管理する工程と、
前記ディスプレイの表示を制御する工程と、を有し、
前記登録する工程は、第1カード情報と、ディスプレイへの第2表示言語と、を紐づけて登録し、
前記ショートカットを管理する工程は、前記第1カード情報に対して前記ショートカットを紐づけて管理し、
前記制御する工程は、前記複合機で登録済みの第1カード情報を読み取った場合には、前記ディスプレイの表示を、前記第2表示言語での表示に切り替えて、前記ショートカットに対応する機能と設定値との組み合わせを呼び出し、
前記制御する工程は、前記複合機において前記ユーザ情報に紐づけて登録されている第2カード情報を読み取った場合には、前記ユーザ情報に基づいたログイン処理を行う際に、前記ディスプレイの表示を前記ユーザ情報に紐づけられている表示言語に切り替えることを特徴とする、情報処理方法。
【請求項9】
コンピュータを、請求項1乃至
6の何れか一項に記載の複合機の各手段として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複合機、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
情報処理装置にはICカード(Integrated Circuit Card)をタッチする機構が備わっているものがあり、ICカードのカードID(IDentification)を読み取ることで様々な振る舞いを行うことができる。例えば、ユーザ認証のためにカードIDを利用するログイン機能や、使用するアプリと設定値とをショートカットとして予め登録し、カードIDをショートカットに関連付けることで、ICカードタッチによりそのショートカットを呼び出す機能がある。このようなログイン管理、又はショートカット管理などの機能により、共用で使用する情報処理装置において、ICカードの持ち主に適した使用感を提供することができる。
【0003】
一方で、共用で使用する情報処理装置では、言語設定などの設定値はユーザ間で共有されることになる。このような設定値を各個人に関連付けるという手法もあるが、そうでない場合、ユーザによっては情報処理装置の使用が不便となる。例えば、日本語で設定されている情報処理装置を日本語がわからないユーザが使用することは難しい。また、情報処理装置に表示されている言語がわからない状態で、情報処理装置を操作して言語設定を変更することも難しい。
【0004】
そこで、特許文献1では、ICカードがタッチされると、そのカードの持ち主を特定し、表示言語をその持ち主の使用する言語に変更するという手法が開示されている。これにより、情報処理装置に表示されている言語がわからなくとも、ユーザが使用する言語に表示が変更される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の技術では、ICカードタッチによる言語設定の変更を行うためにはログイン中であることが前提であり、認証機能によるユーザ管理を行う必要がある。そのため、ユーザ認証管理を行わずに運用されている情報処理装置の場合は、ICカードタッチによる言語設定の変更を行うことが出来ず、言語設定の変更を容易に行うことができない。
【0007】
本発明は、複合機においてユーザ認証管理を必要としない容易な言語設定の変更を可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の目的を達成するために、例えば、一実施形態に係る複合機は以下の構成を備える。すなわち、ディスプレイを備え、ユーザ情報と、カード情報とを紐づけて管理することが可能な複合機であって、ディスプレイのデフォルトの表示で用いる第1表示言語を管理するデフォルト管理手段と、第1カード情報と、ディスプレイへの第2表示言語と、を紐づけて登録する登録手段と、予め登録された機能と設定値との組み合わせを呼び出すためのショートカットを管理するショートカット管理手段と、前記ディスプレイの表示を制御する制御手段と、を有し、前記ショートカット管理手段は、前記第1カード情報に対して前記ショートカットを紐づけて管理し、前記制御手段は、前記複合機で登録済みの第1カード情報を読み取った場合に、前記ディスプレイの表示を、前記第2表示言語での表示に切り替えて、前記ショートカットに対応する機能と設定値との組み合わせを呼び出し、前記制御手段は、前記複合機で前記第1カード情報を読み取った後に、前記第1カード情報を再度読み取った場合に、前記ショートカットに対応する機能と設定値との組み合わせは呼び出さずに、前記ディスプレイの表示を前記第1表示言語での表示に戻すことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
複合機においてユーザ認証管理を必要としない容易な言語設定の変更を可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施形態1に係る複合機を備えるシステム構成の一例を示す図。
【
図2】実施形態1に係る複合機のハードウェア構成の一例を示す図。
【
図3】実施形態1に係る複合機の機能構成の一例を示す図。
【
図4】実施形態1に係るカードIDの登録処理の一例を示すフローチャート。
【
図5】実施形態1に係る複合機によるICカード登録画面の一例を示す図。
【
図6】実施形態1に係る情報処理方法の一例を示すフローチャート。
【
図7】実施形態2に係る情報処理方法の一例を示すフローチャート。
【
図8】実施形態3に係る情報処理方法の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0012】
[実施形態1]
図1は、本実施形態に係るシステム全体を示すシステム構成図の一例である。情報処理装置110及び操作端末120は、ネットワーク100を介して接続されている。情報処理装置110は、複数種類の機能として例えばコピー又はFAXなどを実現する複合機である。また、情報処理装置110は、読取部217(後述)を備え、ICカード130が備えるカード情報(カードID)を読み取ることにより、カードIDに対応した動作を行う。操作端末120は、ネットワーク100を介してウェブブラウザなどで情報処理装置110にアクセスし、情報処理装置110の設定値の変更、又はカードIDの登録などを行うことができる。本実施形態に係るカードIDとは、カードを特定するための情報であり、ICカードごとに設定されるものであるとする。また、本実施形態においては、カードIDに言語設定が紐づけられており、読取部217がカードIDを読み取ることによって、情報処理装置110のデフォルトの言語設定がカードIDに対応する設定へと切り替えられる。なお、デフォルトの言語設定は特に指定はされず、予め所望の言語が設定されていてもよい。
【0013】
ICカード130は、例えば社員証などの携帯できる記憶媒体であり、それぞれにカードIDを格納するICチップを有している。本実施形態に係る情報処理装置110は、ICチップを用いてカードIDを読み取るものとして説明を行うが、カードIDを特定することができるのであれば特にこれに限定はされない。
【0014】
図2(a)は、本実施形態に係る情報処理装置110のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。情報処理装置110は、制御部200、操作部212、プリンタ制御部213、プリンタ214、スキャナ制御部215、スキャナ216、及び読取部217を備える複合機である。制御部200は、情報処理装置110の動作に係る情報処理制御を統括するコントローラであり、操作部212が接続される。また、制御部200には、画像出力デバイスであるプリンタ214を制御するプリンタ制御部213、画像入力デバイスであるスキャナ216を制御するスキャナ制御部215、及び読取部217が接続される。
【0015】
制御部200は、CPU(Central Processing Unit)201、ROM(Read Only Memory)202、RAM(Random Access Memory)203を備える。また、制御部200は、HDD(Hard Disk Drive)204、Network205、操作インタフェース(I/F)206、処理部207、デバイスI/F208、管理部209、及び読取I/F210を備える。CPU201は、ROM202に格納されているブートプログラムによりOS(Operation System)を起動する。CPU201は、このOS上でHDD204に格納されているアプリケーションプログラムを実行し、これによって各種処理を実行する。このCPU201の作業領域としては、RAM203が用いられる。RAM203は、作業領域を提供するとともに、画像データを一時記憶するための画像メモリ領域を提供する。
【0016】
HDD204は、アプリケーションプログラム、画像データ、各種設定値及び履歴を格納する。本実施形態に係る制御部200はHDDを用いるが、この代わりにSSD(Solid State Drive)、又はeMMC(embedded Multi Media Card)などが使用されてもよい。
【0017】
CPU201は、システムバス211を介して、ROM202及びRAM203とともに、Network205、操作I/F206、処理部207、デバイスI/F208、管理部209、及び読取I/F210と接続される。Network205は、ネットワーク100を介して、ネットワーク100上の情報処理装置110との間で情報の入出力を行う。
【0018】
操作I/F206は、操作部212とのインタフェースであり、操作部212に表示すべき画像データを操作部212に対して出力する。また、操作I/F206は、操作部212によってユーザに入力された情報をCPU201へと送出する。本実施形態に係る操作部212はディスプレイ上のタッチパネルを介して入力が可能であるものとするが、入力の形式は特にこれには限定されない。本実施形態においては、情報処理装置110により、操作部212のディスプレイのデフォルトの表示で用いる言語設定が変更されるものとして以下の説明を行うが、別の表示における言語が変更されてもよいものとする。
【0019】
処理部207は、プリンタ214への出力画像処理、並びにスキャナ216からの入力画像処理、画像回転、画像圧縮、解像度変換、色空間変換、及び階調変換などの処理を行う。管理部209は、機器全体の電源制御を行う。また、管理部209は、電源オンオフの制御のほか、通常通電状態以外の省電力状態への移行、又は通常通電状態への復帰などを制御してもよい。
【0020】
デバイスI/F208は、プリンタ制御部213及びスキャナ制御部215と接続し、画像データの同期系/非同期系の変換を行う。読取I/F210は、読取部217とのインタフェースであり、読取部217によって読み取られたカードIDをCPU201へと送出する。本実施形態に係る読取I/F210は、ICカード130から読み取られたカードIDをCPU201へと送出してもよい。以下、読取部217は、ICカード130のタッチを検出し、検出したICカードのカードIDを取得するものとして説明を行う。
【0021】
図2(b)は、本実施形態に係る操作端末120のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。操作端末120は、端末制御部220、出力装置228、及び入力装置230を有する。端末制御部220は、操作端末120の動作に係る情報処理制御を統括するコントローラであり、出力装置228及び入力装置230と接続されている。この例においては、操作端末120はパーソナルコンピュータであるものとして説明を行うが、同様の機能を有するのであれば特にこれに限定されるわけではない。なお、本実施形態においては操作端末120と情報処理装置110とは別体の装置であるものとして説明を行うが、これらの構成は、例えば操作端末120と操作部212とが同一であるなど、同一の装置内に存在する構成であってもよい。
【0022】
CPU221は、ROM222に格納されているブートプログラムによりOSを起動する。CPU221は、このOS上でHDD224に格納されているアプリケーションプログラムを実行し、これによって各種処理を実行する。このCPU221の作業領域としてはRAM223が用いられる。RAM223は、作業領域やデータを一時記憶するためのメモリ領域を提供する。
【0023】
HDD224は、上記アプリケーションプログラム、及び各種設定値などを格納する。本実施形態に係る端末制御部220はHDDを用いるが、この代わりとしてSSD又はeMMCなどが使用されてもよい。
【0024】
CPU221は、システムバス226を介して、ROM222及びRAM223とともに、Network225、出力装置I/F227及び入力装置I/F229と接続される。Network225は、ネットワーク100を介してネットワーク100上の操作端末120との間で情報の入出力を行う。
【0025】
出力装置I/F227は、ディスプレイ又はプロジェクターなどの出力装置228とのインタフェースであり、表示する画像データを出力装置228に対して出力する。入力装置I/F229は、マウス又はキーボードなどの入力装置230とのインタフェースであり、入力装置230を介してユーザにより入力された情報をCPU221に送出する。
【0026】
図3は、本実施形態に係る情報処理装置110の機能構成の一例を示すブロック図である。本実施形態においては、各処理は、RAM203、HDD204、又はROM202のいずれかに格納されているプログラムをCPU201が実行することにより実現されるものとする。また、以下の処理を実行されることで生成される情報はRAM203又はHDD204に格納されるものとする。以下、情報処理装置110のソフトウェア300が有する各機能部について説明を行う。
【0027】
接続制御部301は、Network205を介して外部のネットワーク100と接続する。ブラウザ処理部302は、接続制御部301を介して操作端末120にブラウザ上の操作画面を生成して提供する。また、ブラウザ処理部302は、操作端末120からの入力に応じて、設定処理部304、呼出処理部306、又は認証処理部308へと指示を出す。
【0028】
ID取得部303は、読取I/F210を介して読取部217からカードIDを取得する。本実施形態においては、ID取得部303は、読取部217にタッチされたICカード130のカードIDを取得する。また、ID取得部303は、取得したカードIDを設定処理部304、認証処理部308、及び表示処理部310へと提供する。
【0029】
設定処理部304は、ブラウザ処理部302からカードIDと言語設定の対応関係を登録する指示を受けた場合に、言語設定データベース(DB)305にカードIDと言語設定との対応関係を登録する。また、設定処理部304は、ID取得部303から取得したカードIDが言語設定DB305に登録済みであるかを検索することができる。さらに、設定処理部304は、ID取得部303から取得したカードIDが言語設定DB305に登録されている場合、言語設定をそのカードIDに対応する設定に変更する指示を表示処理部310へと送信する。本実施形態においては、言語設定とは、操作部212において表示される言語の設定を表す情報であり、表示処理部310が参照することによって対応する言語が表示される。
【0030】
言語設定DB305は、カードIDと言語設定との対応関係をHDD204に格納する。言語設定DB305上のカードIDと言語設定との対応関係は、設定処理部304により、参照、登録、又は更新などが行われる。
【0031】
呼出処理部306は、ブラウザ処理部302からカードIDとショートカット設定との対応関係を登録する指示を受けた場合に、呼出DB307にカードIDとショートカット設定との対応関係を登録する。また、呼出処理部306は、ID取得部303から取得したカードIDが呼出DB307に登録されているかを検索することができる。さらに、呼出処理部306は、ID取得部303から取得したカードIDが呼出DB307に登録されている場合、カードIDに対応するショートカットのアプリとその設定値とを示す情報を表示処理部310へと提供してもよい。
【0032】
本実施形態においては、ショートカット設定とは、使用するアプリとその設定値との情報を含んだ設定であり、表示処理部310がショートカット設定を参照することによって対応するアプリと設定値とが呼び出される。例えば、ショートカット設定として、ファックス、コピー、又はスキャンなどの機能と、それらの機能に対する設定値が設定されていてもよい。以下、このようなアプリの呼び出しをショートカット呼出と呼ぶが、ショートカット呼出に関する処理については実施形態2で詳細に説明を行う。
【0033】
呼出DB307は、カードIDとショートカット設定との対応関係をHDD204に格納する。また、呼出DB307上のカードIDとショートカット設定との対応関係は、呼出処理部306によって参照、登録、又は更新などが行われる。
【0034】
認証処理部308は、ブラウザ処理部302からカードIDと認証情報との対応関係を登録する指示を受けると、認証DB309にカードIDと認証情報との対応関係を登録する。また、認証処理部308は、ID取得部303から取得したカードIDが認証DB309に登録されているかを検索することができる。さらに、認証処理部308は、ID取得部303から取得したカードIDが認証DB309に登録されている場合、カードIDに対応する認証情報を表示処理部310へと送信してもよい。本実施形態においては、認証情報とは、ユーザの認証に必要なユーザ情報であり、表示処理部310が参照することによって対応するユーザのログイン処理が実行される。
【0035】
認証DB309は、カードIDと認証情報との対応関係をHDD204に格納する。また、認証DB309上のカードIDと認証情報との対応関係は、認証処理部308によって参照、登録、又は更新などが行われる。
【0036】
なお、本実施形態に係る設定処理部304は、認証DB309にカードIDと言語設定との対応関係を登録するが、認証情報と言語設定とを紐づけ、それらの対応関係を登録してもよい。その場合、認証処理部308が、認証DB309からカードIDに紐づけられた認証情報を取得し、取得した認証情報に基づいて、設定処理部304が言語設定DB305から言語設定を検索することができる。認証情報を用いる例としては、例えば、一般的なログイン用のICカードをタッチした場合などがあるが、そのような場合の処理については実施形態3において後述する。なお、ログイン用のICカードとは、ユーザ認証のためにカードIDを利用するログイン機能において用いられる、認証情報に対応するカードIDを備えるICカードであるものとする。
【0037】
表示処理部310は、設定処理部304、呼出処理部306、及び認証処理部308から指示を受けたことに応じて、操作部212に表示する画面を変更する。例えば、表示処理部310は、設定処理部304から指示を取得した場合には、操作部212に表示する言語を変更する。また例えば、表示処理部310は、呼出処理部306からアプリとその設定を受け取ると、該当するアプリを表示して受け取った設定値を反映させることができる。また、表示処理部310は、該当するアプリを実行するためのアイコンを、操作部212に表示させてもよい。さらに例えば、表示処理部310は、認証処理部308から認証情報を取得した場合、ログイン処理を行い現在ログインしているユーザ名を操作部212に表示することができる。また、表示処理部310は、ID取得部303からカードIDを取得すると、それを操作部212に表示してもよい。
【0038】
図4(a)は、ソフトウェア300が実行する、言語設定を変更する際に使用するICカード130のカードIDを登録する処理の一例を示すフローチャートである。ステップS401で表示処理部310は、言語設定変更用のICカードを登録するための画面を操作部212に表示する。
【0039】
図5(a)は、設定処理部304からの指示に応じて表示処理部310が表示する、言語設定変更用のICカードを登録するための画面の一例である。
図5(a)の例では、操作部212に、登録するカードIDを表示するエリア501と、カードIDに紐づける言語設定を選択させるエリア502と、が表示される。また、表示処理部310は、登録のキャンセルを受け付けるボタン503と、登録の決定を受け付けるボタン504と、を表示してもよい。この例では、エリア501には読取部217にタッチされたICカードのIDが表示されるものとする。またエリア502においてはカードIDと紐づけられる言語設定が指定され、本実施形態においてはユーザによって選択された言語が表示されるものとするが、言語設定の指定の方法はこれに限定されるわけではない。
【0040】
ステップS402で表示処理部310は、ID取得部303にコールバック登録を行う。本実施形態においては、表示処理部310は、ID取得部303がICカード130のカードIDを取得した場合に表示処理部310へとカードIDを送信するように、コールバック処理の登録を行う。このコールバック処理はID取得部303がカードIDを取得した場合に行われ、コールバック処理によってRAM203に保持されたカードIDが、後続するステップS404~ステップS405の処理で参照される。
【0041】
図4(b)は、ID取得部303がカードIDを取得した場合に実行されるコールバック処理の一例を示すフローチャートである。ステップS411でID取得部303は、取得したカードIDを表示処理部310へと送信する。表示処理部310は、受信したカードIDをRAM203に保持する。ステップS412で表示処理部310は、操作部212に表示する画面を更新し、コールバック処理を終了する。本実施形態においては、表示処理部310は、
図5(a)の画面のエリア501の表示を、取得したカードIDに更新する。
図5(b)はエリア501の表示が更新された言語設定変更用のICカードを登録するための画面の一例であり、エリア501の表示を除いて
図5(a)と同様の構成を有するため、重複する説明は省略する。
【0042】
ステップS403で表示処理部310は、操作部212からの入力に基づいて、登録のボタン504の押下を検出したかどうかを判定する。押下を検出した場合には処理がステップS404へと進み、そうでない場合は処理がステップS406へと進む。ステップS404で表示処理部310は、コールバック処理によってカードIDが取得済みであるかどうかを判定する。具体的には、ステップS411で保持されるカードIDがRAM203に存在するかどうか、すなわちステップS412の処理が行われているかどうかを判定する。RAM203にカードIDが存在する場合には処理はステップS405へと進み、そうでない場合には処理はステップS403へと戻る。ステップS403へと戻る際、表示処理部310は、ICカード130のタッチを促す表示を行ってもよい。
【0043】
ステップS405で設定処理部304は、ステップS411で保持されたカードIDと言語設定との対応関係を、言語設定DB305に登録する。本実施形態においては、表示処理部310が、エリア501に表示されている(ステップS411で取得された)カードIDと、エリア502で指定されている言語設定と、を設定処理部304へと送信する。次いで、設定処理部304は、受信したカードIDと言語設定とを紐づけ、言語設定DB305に登録する。ステップS405の処理の後、処理はステップS407へと進む。
【0044】
ステップS406で表示処理部310は、操作部212からの入力に基づいて、キャンセルのボタン503の押下を検出したかどうかを判定する。ボタン503の押下を検出した場合には処理がステップS407へと進み、そうでない場合には処理はステップS403へと戻る。
【0045】
ステップS407で表示処理部310は、コールバック登録を削除して、カードIDの登録処理を終了する。本実施形態においては、表示処理部310は、ステップS402で表示処理部310は、がID取得部303に登録したコールバック処理の登録を削除する。
【0046】
ICカード130のカードIDを登録する処理を複数回行った際に言語設定DBに記録されているカードIDと言語設定との対応関係の例が、表1に示されている。言語設定DB305では、1つのカードIDに対して1つの言語設定が紐づけられて登録されている。なお、言語設定DB305において、複数のカードIDに同一の言語設定が紐づけられていてもよい。
【表1】
【0047】
また、ICカード130のカードIDを登録する方法として、操作部212を用いた方法について説明を行ったが、操作部212の代わりに操作端末120が用いられてもよい。
図4(c)は、ソフトウェア300が実行する、ICカード130のカードIDを登録する、操作端末120を用いた処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【0048】
ステップS421でブラウザ処理部302は、言語設定変更用のICカードを登録するための画面を操作端末120に表示する。
図5(c)は、ブラウザ処理部302が生成し、接続制御部301を介して操作端末120で動作するブラウザに表示させる、言語設定変更用のICカードを登録するための画面の一例である。
図5(c)においては、エリア502、ボタン503、及びボタン504について、
図5(a)と同様の構成を有するため、重複する説明は省略する。
図5(c)に示される画面では、カードIDをユーザが入力するフィールド505が表示され、フィールド505に入力されたカードIDとエリア502で指定された言語設定とが紐づけられる。
【0049】
ステップS422でブラウザ処理部302は、登録リクエストを操作端末120から取得したかどうかを判定する。本実施形態においては、登録リクエストは、ボタン504が押下された場合に発行される。なお、発行される登録リクエストの中には、フィールド505に入力されたカードIDとエリア502で指定されている言語設定との情報が含まれているものとする。フィールド505又はエリア502で指定される情報が欠けている場合には、発行される登録リクエストの中に上述の情報は含まれない。登録リクエストを取得した場合には処理がステップS423へと進み、そうでない場合には処理がステップS425へと進む。
【0050】
ステップS423でブラウザ処理部302は、フィールド505にカードIDが入力されているかどうかを判定する。本実施形態においては、ブラウザ処理部302は、取得した登録リクエストを参照し、カードIDの情報が含まれているかどうかを判定する。カードIDの情報が含まれていると判定された場合には処理がステップS424へと進み、そうでない場合は処理がステップS422へと戻る。ステップS422に戻る際に、ブラウザ処理部302は、フィールド505へのカードIDの入力を促す表示を操作端末120に表示してもよい。
【0051】
ステップS424で設定処理部304は、カードIDと、カードIDに紐づけられた言語設定と、を言語設定DB305に登録し、カードIDの登録処理を終了する。本実施形態においては、ブラウザ処理部302が、登録リクエストを参照して、登録リクエストに含まれているカードIDと言語設定とを設定処理部304へと送信する。次いで、設定処理部304は。受信したカードIDと言語設定とを紐づけ、言語設定DB305に登録する。
【0052】
ステップS425でブラウザ処理部302は、操作端末120からの入力に基づいて、キャンセルのボタン503の押下を検出したかどうかを判定する。ボタン503の押下を検出した場合には処理が終了し、そうでない場合には処理はステップS422へと戻る。
【0053】
なお、
図4を参照して、言語設定用のICカードを登録する方法を説明したが、ショートカット設定用のICカード、又はログイン用のICカードについても、
図4と同様の処理によって登録されてもよく、異なる方法で登録されてもよい。
図4に示される処理で登録が行われる場合、言語設定を指定するエリア502の代わりに、アプリとその設定値とを指定するエリア、又は認証情報を指定するエリアが表示され、そのエリアに入力された情報がカードIDに紐づけられる。
【0054】
図6(a)は、ICカード130が読取部217にタッチされた場合にソフトウェア300によって実行される、操作部212の言語設定を変更する処理の一例を示すフローチャートである。ステップS601でID取得部303は、読取部217がICカード130のタッチを検出した場合に、ICカード130のカードIDを取得する。ステップS602で設定処理部304は、ステップS601で取得したカードIDが言語設定DB305に登録されているカードIDのいずれかと一致するかどうかを判定する。いずれかと一致する場合には処理がステップS603へと進み、いずれとも一致しない場合には処理を終了する。
【0055】
ステップS603で設定処理部304は、言語設定フラグの値を取得する。言語設定フラグとは、RAM203に格納されている値であり、初期値はfalseであるものとして説明を行う。ステップS604で設定処理部304は、ステップS603で取得した言語設定フラグの値がfalseであるかどうかを判定する。言語設定フラグの値がfalseである場合には処理がステップS605へと進み、そうでない場合には処理がステップS606へと進む。
【0056】
ステップS605で表示処理部310は、言語設定を、ステップS601で取得したカードに紐づけられている言語設定へと変更する。
図6(b)は、ステップS605において行われる、言語設定の変更処理の一例を示すフローチャートである。
【0057】
ステップS611で設定処理部304は、ステップS601で取得したカードIDに紐づけられている言語設定を取得する。本実施形態においては、設定処理部304は、言語設定DB305をカードIDで検索を行うことにより、そのカードIDに対応する言語設定を取得する。ステップS612で設定処理部304は、現在の操作部212の言語設定を表示処理部310から取得する。次いでステップS613で設定処理部304は、現在の操作部212の言語設定を、デフォルトの言語設定としてRAM203に格納する。
【0058】
ステップS614で表示処理部310は、操作部212の言語設定をステップS611で取得した言語設定へと変更する。本実施形態においては、設定処理部304がステップS611で取得した言語設定を表示処理部310へと送信し、表示処理部310が操作部212の言語設定を受信した設定へと変更する。ステップS615で設定処理部304は、言語設定フラグの値をtrueへと変更し、処理を終了する。
【0059】
ステップS606で表示処理部310は、言語設定を、デフォルトの言語設定へと戻す。
図6(c)は、ステップS606において行われる、言語設定を変更前の設定に戻す処理の一例を示すフローチャートである。
【0060】
ステップS621で設定処理部304は、ステップS613で設定される、デフォルトの言語設定をRAM203から取得する。ステップS622で設定処理部304は、操作部212の言語設定をステップS621で取得したデフォルトの言語設定へと変更する。本実施形態においては、設定処理部304がステップS621で取得した言語設定を表示処理部310へと送信し、表示処理部310が操作部212の言語設定を受信した設定へと変更する。ステップS623で設定処理部304は、言語設定フラグの値をfalseへと変更し、処理を終了する。
【0061】
このような構成によれば、言語設定を変更するICカードの情報を読み込むことに応じて、カードIDに紐づけられた言語設定を呼び出して言語設定を切り替えることができる。したがって、情報処理装置がユーザの認証機能を有効にしていない場合、又はユーザがログインを行わずに情報処理装置を利用する場合であっても、ICカードの情報を読み込むことで言語設定の変更を行うことができる。また、言語設定フラグを参照することにより、一度目の読み込みではフラグがfalseであるためにカードIDに紐づけられた言語設定へと切り替え、二度目の読み込みではフラグがtrueであるため言語設定を戻すことができる。したがって、変更した言語設定を元に戻す場合に、再度同じICカードをタッチすることで容易に設定を戻すことができる。
【0062】
なお、本実施形態においては、カードIDに紐づけられた情報は言語設定であるものとして説明を行ったが、カードIDに紐づけるものは特にこれには限られない。例えば、音声で情報処理装置110の操作を促す設定、又は色の区別がつきにくい人に向けた画面の色の設定など、適した設定値でないと操作が困難になり得る設定がカードIDに紐づけられ、カードIDの読み取りに応じて変更されてもよい。
【0063】
また、本実施形態に係る情報処理装置は、カードIDの読み取りに応じて言語設定を変更し、再度カードIDを読み取った場合に言語設定を元に戻す。しかしながら、言語設定を元に戻すタイミングは特にこれには限定されず、例えば一度カードIDの読み取りに応じて言語設定が変更され、その後再度カードIDの読み取りを行わずにユーザ操作が一定時間行われなかった場合に、言語設定が元に戻されてもよい。例えば、表示処理部310は、コピー、スキャン、又は操作部212からの入力などの操作が所定の時間行われていないことを検出した場合に、操作部212の言語設定をデフォルトの設定に戻してもよい。このような処理によれば、無操作状態を検出した場合に言語設定を元に戻すことで、次にその情報処理装置を利用するユーザの操作に支障をきたしにくくすることができる。
【0064】
[実施形態2]
実施形態1に係る情報処理装置は、ICカードのカードIDを読み取り、カードIDに紐づけられた言語設定を用いて操作部212の言語設定を変更した。しかしながら、言語設定を変更したのみでは、使用したいショートカットをホーム画面から探す必要が生じる。一方で、言語設定の変更を行わずにショートカットのみを呼び出す場合では、言語がわからず操作が困難となる。そのような観点から、本実施形態においては、カードIDにショートカット設定がさらに紐づけられており、本実施形態に係る情報処理装置は、カードIDを読み取ることによって言語設定の変更に加えてショートカットの呼び出しを行う。なお、本実施形態に係る情報処理装置を含むシステムは、実施形態1における
図1~
図3に示される構成と同様の構成を有し、重複する説明は省略する。
【0065】
図7は、本実施形態に係るソフトウェア300が実行する、カードIDの読み取りによる言語設定とショートカットの呼び出しとを行う処理の一例を示すフローチャートである。
図7においては、ステップS605に後続するステップS701~ステップS702の処理を行うことを除き、
図6に示されるステップS601~ステップS606と同様の処理を行う。
【0066】
ステップS605に後続するステップS701で呼出処理部306は、ステップS601で取得したカードIDが呼出DB307に登録されているカードIDのいずれかと一致するかどうかを判定する。いずれかと一致している場合には処理がステップS702へと進み、そうでない場合には処理が終了する。ステップS702で呼出処理部306は、ステップS601で取得したカードIDに紐づけられているショートカット設定に登録されているアプリ及び設定値を呼び出し、処理を終了する。
【0067】
なお、本実施形態に係る処理では、ICカード130をタッチして言語設定を変更しかつショートカット呼出を行った後に、再度同じICカード130をタッチした場合には、言語設定はデフォルトの設定に戻るがショートカット呼出は行われない。これは、2回目のICカードのタッチを行うのはユーザが操作を終了する場合であることを考え、意図しないショートカット呼出を抑制するためであるが、2回目のICカードタッチでもショートカット呼出が行われる構成であってもよい。
【0068】
このような処理によれば、言語設定を変更するICカードの情報を読み込むことに応じて、言語設定の変更を実現しつつショートカットの呼び出しを行うことができる。また、本実施形態においては、カードIDを言語設定とショートカット設定との両方に紐づけることにより、1度のカードタッチで言語設定の変更とショートカット呼出とを行うことができる。したがって、表示されている言語が理解できない状態での操作が難しいという問題と、アプリを呼び出して設定値を変更する手間がかかるという問題と、の2つの問題を同時に解決できる。
【0069】
[実施形態3]
実施形態1及び実施形態2に係る情報処理装置は、カードIDの読み取りに応じて言語設定を変更し、言語設定の紐づけられたカードIDを再度読み取った場合に言語設定を元に戻す。一方で、本実施形態に係る情報処理装置は、カードIDの読み取りに応じて言語設定を変更し、その後になんらかのカードIDの読み取りが行われた場合に、言語設定をカードIDに紐づけられた設定から元に戻す。また、本実施形態に係る情報処理装置は、言語設定を元に戻した後に、さらにカードIDに紐づけられた情報に基づく処理(例えば、ショートカットの呼び出し)を行ってもよい。なお、本実施形態に係る情報処理装置を含むシステムは、実施形態1における
図1~
図3に示される構成と同様の構成を有し、重複する説明は省略する。
【0070】
図8は、本実施形態に係るソフトウェア300が実行する、カードIDが読み取られた場合の言語設定の変更状態を考慮した処理の一例を示すフローチャートである。なお、
図8におけるステップS801~ステップS804は、それぞれ
図6のステップS601、ステップS603、ステップS604、及びステップS606と同様の処理である。また、ステップS807及びステップS808はステップS802及びステップS605と同様の処理であり、ステップS810~ステップS811は
図7のステップS701~ステップS702と同様の処理である。これらの処理について重複する説明は省略する。
【0071】
ステップS803で設定処理部304は、ステップS802で取得した言語設定フラグの値がfalseであるかどうかを判定する。言語設定フラグの値がfalseである場合には処理がステップS807へと進み、そうでない場合には処理がステップS804へと進む。ステップS804で表示処理部310は、言語設定をデフォルトの言語設定へと戻す。ステップS805で表示処理部310は、言語設定を変更する際にタッチされたICカードのカードIDを取得する。このカードIDはステップS809で記録されるため、詳細は後述する。ステップS806でステップS801で取得したカードIDとステップS805で取得したカードIDとが一致するかどうかを判定する。一致する場合には処理が終了し、そうでない場合には処理がステップS807へと進む。
【0072】
ステップS807で設定処理部304は、ステップS801で取得したカードIDが言語設定DB305に登録されているカードIDのいずれかと一致するかどうかを判定する。いずれかと一致する場合には処理がステップS808へと進み、いずれとも一致しない場合には処理がステップS810へと進む。ステップS808で表示処理部310は、言語設定を、ステップS801で取得したカードに紐づけられている言語設定へと変更し、処理をステップS809へと進める。言語設定フラグの値はステップS803で確認されているため、ステップS808においては確認されなくともよい。
【0073】
ステップS809で表示処理部310は、ステップS801で取得したカードIDを、言語設定変更時に使用したカードIDとしてRAM203に格納する。この値をステップS805~ステップS806で参照することにより、一連の操作を終了して言語設定を戻すためのカードタッチなのか、他のユーザが操作を開始するためのカードタッチなのか、を判別することができる。ステップS810~ステップS811に係る処理は上述の通り
図7のステップS701~ステップS702と同様の処理であり、ステップS811の後に
図8の処理は終了する。
【0074】
このような処理によれば、言語設定を変更するICカードの情報を読み込んだ後に任意のカードIDを読み込ませることで、直前のユーザが変更した言語設定をデフォルトの設定に戻すことができる。さらに、読み込ませた任意のカードIDにショートカット設定が紐づけられている場合には、言語設定を元に戻しつつ、ショートカットの呼び出しを行うことができる。したがってユーザは、直前の使用ユーザによる終了処理、又は一定時間経過による自動終了処理などを待たずに、カードIDを読み込ませることによって言語設定を元に戻し、情報処理装置の使用を開始することができる。
【0075】
本実施形態に係る情報処理装置は、言語設定を元に戻した後に、さらにカードIDに紐づけられたショートカットの呼び出しを行うことができるものとして説明を行った。本実施形態に係る情報処理装置は、例えばログイン用のICカードのカード情報を読み込んだ場合に、ログイン用言語設定を元に戻した後に、さらにカードIDに紐づけられた認証情報を取得し、ログイン処理を行ってもよい。その場合、ステップS810で認証処理部308は、ステップS801で取得したカードIDが、認証DB309に登録されているカードIDのいずれかと一致するかどうかを判定する。いずれかと一致する場合には処理がステップS811へと進み、いずれとも一致しない場合には処理が終了する。続くステップS811で認証処理部308は、ステップS801で取得したカードIDに紐づけられている認証情報を取得し、表示処理部310へと送信する。表示処理部310は、受信した認証情報に基づいてログイン処理を行い、認証情報に対応するユーザ名を操作部212に表示する。
【0076】
(その他の実施例)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【0077】
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
【符号の説明】
【0078】
301:接続制御部、302:ブラウザ処理部、303:ID取得部、304:設定処理部、305:言語設定DB、306:呼出処理部、307:呼出DB、308:認証処理部、309:認証DB、310:表示処理部