(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-25
(45)【発行日】2024-07-03
(54)【発明の名称】電力量計
(51)【国際特許分類】
G01R 11/04 20060101AFI20240626BHJP
G01R 22/06 20060101ALI20240626BHJP
【FI】
G01R11/04 C
G01R22/06 130D
G01R22/06 130H
G01R11/04 B
(21)【出願番号】P 2020152096
(22)【出願日】2020-09-10
【審査請求日】2023-06-27
(73)【特許権者】
【識別番号】309042071
【氏名又は名称】東光東芝メーターシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】良知 慎一
【審査官】島▲崎▼ 純一
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-020756(JP,A)
【文献】特開昭62-274269(JP,A)
【文献】特開昭62-274268(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 11/00
G01R 22/06
G01R 11/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースを備える計量装置と、前記計量装置に取り付けられ且つ前記計量装置で計量された電力量を外部に送信する通信装置と、前記計量装置に取り付けられ且つ電線と接続する端子ブロックと
、前記通信装置及び前記端子ブロックを覆うカバーとを有し、
前記ベース内を上下に摺動するためのシフト側摺動部と、上下の位置を固定するための固定凹部を有する側面部と、左右の前記側面部を連結する連結部と、前記端子ブロックに取り付るためのブロック取付部とを有するシフト部を設け、
前記ベースは、前記シフト部を上下に摺動するためのベース側摺動部と、前記シフト部を収納可能なシフト取付部と、前記シフト部を固定するための固定凸部と、前記シフト部を上下移動時に必要な解除部を有するスナップフィット構造の摺動固定部とを設け、
前記シフト部は、前記シフト取付部に取付けられ、前記ベース側摺動部に前記シフト側摺動部が篏合して上下に摺動可能であり、
前記通信装置を前記計量装置から取外した状態で前記計量装置を前記端子ブロックに取り付ける時、前記固定凸部が前記固定凹部に篏合し、前記ベースから前記シフト部が突き出した状態で、前記ブロック取付部を前記端子ブロックのベース取付部に取付けた後、前記解除部を左右に広げることで前記固定凸部を前記固定凹部から外した後、前記計量装置を前記シフト部に沿って下方に摺動することで前記シフト部を前記ベース内に収納し、前記固定凸部の上面が前記側面部の下面に篏合して前記シフト部の位置が固定されると同時に、導体の導体側端子接続部を前記端子ブロックの端子の端子側導体接続部と導体接続ねじの間に挿入し、前記導体接続ねじを締め付けて前記導体側端子接続部を前記端子側導体接続部に接続することで、前記計量装置を前記端子ブロックに取付けることを特徴とする電力量計。
【請求項2】
ベースを備える計量装置と、前記計量装置に取り付けられ且つ前記計量装置で計量された電力量を外部に送信する通信装置と、前記計量装置に取り付けられ且つ電線と接続する端子ブロックと
、前記通信装置及び前記端子ブロックを覆うカバーとを有し、
前記ベース内を上下に摺動するためのシフト側摺動部と、上下の位置を固定するための固定凹部を有する側面部と、左右の前記側面部を連結する連結部と、前記端子ブロックに取付るためのブロック取付部を有するシフト部を設け、導体とセンサ部を固定して、前記ベース内を上下に摺動可能である導体シフト部を設け、
前記ベースは、前記シフト部を上下に摺動するためのベース側摺動部と、前記シフト部を収納可能なシフト取付部と、前記シフト部を固定するための固定凸部と、第2固定凸部と、前記シフト部を上下移動時に必要な解除部を有するスナップフィット構造の摺動固定部と、前記導体シフト部を摺動するための導体シフト部通し穴を設け、
前記シフト部は、前記シフト取付部に取付けられ、前記ベース側摺動部に前記シフト側摺動部が篏合して上下に摺動可能であり、前記導体シフト部は、前記導体シフト部通し穴に取付けられて上下に摺動可能であり、
前記通信装置を前記計量装置に取付けた状態で前記計量装置を前記端子ブロックに取り付ける時、前記第2固定凸部が前記固定凹部に篏合し、前記ベースから前記シフト部が突き出した状態で、前記ブロック取付部を前記端子ブロックのベース取付部に取付けた後、前記解除部を左右に広げることで前記第2固定凸部を前記固定凹部から外した後、前記計量装置を前記シフト部に沿って下方に摺動して、前記固定凸部が前記固定凹部に篏合して前記シフト部の位置が固定されると同時に、導体の導体側端子接続部を前記端子ブロックの端子の端子側導体接続部と導体接続ねじの間に挿入し、前記導体接続ねじで締め付けることで前記導体側端子接続部を前記端子側導体接続部に接続した後、前記解除部を左右に広げることで前記固定凸部を前記固定凹部から外し、前記計量装置を前記シフト部に沿って下方に摺動することで前記シフト部および前記導体シフト部を前記ベース内に収納し、前記固定凸部の上面が前記側面部の下面に篏合して前記シフト部の位置に固定することで、前記計量装置を前記端子ブロックに取付けることを特徴とする電力量計。
【請求項3】
前記シフト部は、前記シフト部に前記通信装置を取付けたときに支える通信装置横支え部および通信装置縦支え部と、前記カバーに取付けられたカバー取付ねじを取付けるカバー取付部とを設け、
前記ベースは、前記シフト部の前記通信装置縦支え部を通す通信装置縦支え用穴部を設け、
前記ベースから前記シフト部が突き出した状態において、前記通信装置と前記カバーを取り付けることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の電力量計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力量計に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電力量計は、計量装置と、計量装置に取り付けられ且つ計量装置で計量された電力量を外部に送信する通信装置と、端子ブロック、カバーを有している。
【0003】
図20(a)~
図20(d)は、従来の電力量計において、計量装置、端子ブロック、通信装置、カバーを組立てる手順を示した工程図である。
図20(a)は、計量装置を端子ブロックに取付ける方向を示し、
図20(b)は、計量装置に端子ブロックを取り付けた状態を示し、
図20(c)は、計量装置に通信装置を取り付けた状態を示し、
図20(d)は、端子ブロックにカバーを取り付けて完成した電力量計を示す。
図21(a)、(b)は、従来の電力量計の分解図を示す。
図22(a)は、従来の電力量計用通信装置の外観を示し、
図24(b)は、通信装置に設けられた計量装置取付部24aを示す。
【0004】
計量装置は、
図20、
図21に示すように、電力量を表示する表示部1aと通信装置接続部1bと開閉検出部1cと導体接続部1dとセンサ接続部1eとベース取付部1fを有する回路部1、回路部1に接続するセンサ側回路接続部2aを有し電流を測定するセンサ部2、回路部1に電源供給する導体側回路接続部3aと端子ブロックの端子9と接続する導体側端子接続部3bを備える導体3、通信装置接続部通し穴4aと通信装置取付部4bとブロック取付部4cと開閉検出部通し穴4dとケース取付部4eと導体通し穴4fと回路取付部4gを備えるベース4、それらを収納し、表示窓5aとケース側ベース取付部5bとケース側固定ねじ取付部5cと防水用リブ収納部5dを備えているケース5で構成されている。
【0005】
通信装置23,24は、
図22(a)~
図22(b)に示すように、計量装置接続部21a、計量装置取付部24aを有している。
端子ブロックは、
図21(a)~
図21(b)に示すように、ブロック取付ねじ6、導体接続ねじ7、電線取付ねじ8、電線収納部9aと端子側導体接続部9bを備える端子9、ブロック側ベース取付部10aとカバー取付用雌ネジ部10bと電線通し穴10cと端子取付部10dとブロック側固定ねじ取付部10eを備えているブロック10で構成されている。
【0006】
カバーは、
図21(a)~
図21(b)に示すように、検出用凸部11aと防水用リブ11bを備えるカバー11とカバー取付ねじ12で構成されている。
【0007】
計量装置の導体側端子接続部3bが、端子ブロックの導体接続ねじ7で端子9の端子側導体接続部9bに固定され、計量装置のブロック取付部4cが、ブロック取付ねじ6で端子ブロックのブロック側ベース取付部10aに固定されることで、計量装置を端子ブロックに取り付けることができる(
図20(a)~
図20(b))。
【0008】
その後、通信装置の計量装置取付部24aを、計量装置のベース4の通信装置取付部4bに嵌合させ、通信装置の計量装置接続部21aを、計量装置のベース4の通信装置接続部通し穴4aを通して、回路部1の通信装置接続部1bに接続する。(
図20(c))
その後、カバー11に備えてあるカバー取付ねじ12をブロック10のカバー取付用雌ネジ部10bに取り付けることで、電力量計が組み立てられることになる(
図20(d))。
【0009】
設置された端子ブロックを流用して計量装置を交換する時において、端子ブロックのブロック取付ねじ6と導体接続ねじ7を緩めて、取付けられた古い計量装置を取外し、新しい計量装置を端子ブロックに乗せた後、端子ブロック取付ねじ6と導体接続ねじ7を締付けて固定する必要がある。
【0010】
参考として、端子台に接続されている電源側給電用導線および負荷側給電用導線を取り外す必要がなく、給電制御装置の着脱作業を容易かつ安全に行うことができる電力量計が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかし、電力量計交換時において、ブロック取付ねじ6と導体接続ねじ7を緩めて取付けられた古い計量装置を取外し、新しい計量装置を端子ブロックに取り付ける際、計量装置の端子接続部が端子ブロックの異極端子間を短絡させる可能性がある。
【0013】
本発明の課題は、計量装置取付時の短絡を防止することができる電力量計を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1は、ベースを備える計量装置と、前記計量装置に取り付けられ且つ前記計量装置で計量された電力量を外部に送信する通信装置と、前記計量装置に取り付けられ且つ電線と接続する端子ブロックと、前記通信装置及び前記端子ブロックを覆うカバーとを有し、前記ベース内を上下に摺動するためのシフト側摺動部と、上下の位置を固定するための固定凹部を有する側面部と、左右の前記側面部を連結する連結部と、前記端子ブロックに取り付るためのブロック取付部とを有するシフト部を設け、前記ベースは、前記シフト部を上下に摺動するためのベース側摺動部と、前記シフト部を収納可能なシフト取付部と、前記シフト部を固定するための固定凸部と、前記シフト部を上下移動時に必要な解除部を有するスナップフィット構造の摺動固定部とを設け、前記シフト部は、前記シフト取付部に取付けられ、前記ベース側摺動部に前記シフト側摺動部が篏合して上下に摺動可能であり、前記通信装置を前記計量装置から取外した状態で前記計量装置を前記端子ブロックに取り付ける時、前記固定凸部が前記固定凹部に篏合し、前記ベースから前記シフト部が突き出した状態で、前記ブロック取付部を前記端子ブロックのベース取付部に取付けた後、前記解除部を左右に広げることで前記固定凸部を前記固定凹部から外した後、前記計量装置を前記シフト部に沿って下方に摺動することで前記シフト部を前記ベース内に収納し、前記固定凸部の上面が前記側面部の下面に篏合して前記シフト部の位置が固定されると同時に、導体の導体側端子接続部を前記端子ブロックの端子の端子側導体接続部と導体接続ねじの間に挿入し、前記導体接続ねじを締め付けて前記導体側端子接続部を前記端子側導体接続部に接続することで、前記計量装置を前記端子ブロックに取付けることを特徴とする。
【0015】
請求項2の発明は、ベースを備える計量装置と、前記計量装置に取り付けられ且つ前記計量装置で計量された電力量を外部に送信する通信装置と、前記計量装置に取り付けられ且つ電線と接続する端子ブロックと、前記通信装置及び前記端子ブロックを覆うカバーとを有し、前記ベース内を上下に摺動するためのシフト側摺動部と、上下の位置を固定するための固定凹部を有する側面部と、左右の前記側面部を連結する連結部と、前記端子ブロックに取付るためのブロック取付部を有するシフト部を設け、導体とセンサ部を固定して、前記ベース内を上下に摺動可能である導体シフト部を設け、前記ベースは、前記シフト部を上下に摺動するためのベース側摺動部と、前記シフト部を収納可能なシフト取付部と、前記シフト部を固定するための固定凸部と、第2固定凸部と、前記シフト部を上下移動時に必要な解除部を有するスナップフィット構造の摺動固定部と、前記導体シフト部を摺動するための導体シフト部通し穴を設け、前記シフト部は、前記シフト取付部に取付けられ、前記ベース側摺動部に前記シフト側摺動部が篏合して上下に摺動可能であり、前記導体シフト部は、前記導体シフト部通し穴に取付けられて上下に摺動可能であり、前記通信装置を前記計量装置に取付けた状態で前記計量装置を前記端子ブロックに取り付ける時、前記第2固定凸部が前記固定凹部に篏合し、前記ベースから前記シフト部が突き出した状態で、前記ブロック取付部を前記端子ブロックのベース取付部に取付けた後、前記解除部を左右に広げることで前記第2固定凸部を前記固定凹部から外した後、前記計量装置を前記シフト部に沿って下方に摺動して、前記固定凸部が前記固定凹部に篏合して前記シフト部の位置が固定されると同時に、導体の導体側端子接続部を前記端子ブロックの端子の端子側導体接続部と導体接続ねじの間に挿入し、前記導体接続ねじで締め付けることで前記導体側端子接続部を前記端子側導体接続部に接続した後、前記解除部を左右に広げることで前記固定凸部を前記固定凹部から外し、前記計量装置を前記シフト部に沿って下方に摺動することで前記シフト部および前記導体シフト部を前記ベース内に収納し、前記固定凸部の上面が前記側面部の下面に篏合して前記シフト部の位置に固定することで、前記計量装置を前記端子ブロックに取付けることを特徴とする。
【0016】
請求項3の発明では、前記シフト部は、前記シフト部に前記通信装置を取付けたときに支える通信装置横支え部および通信装置縦支え部と、前記カバーに取付けられたカバー取付ねじを取付けるカバー取付部とを設け、前記ベースは、前記シフト部の前記通信装置縦支え部を通す通信装置縦支え用穴部を設け、前記ベースから前記シフト部が突き出した状態において、前記通信装置と前記カバーを取り付けることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1の発明によれば、現行品に比べ、計量装置とともに導体を垂直に端子ブロックの端子取付部に下すことができるため、計量装置取付時の異極端子間の短絡を防止することができる。
【0018】
請求項2の発明によれば、請求項1に比べ、通信装置を計量装置に取付けた状態で端子ブロックに取付けることができるため、計量装置交換時の作業性が向上する。
【0019】
請求項3の発明によれば、現行品にくらべ、計量装置と通信装置とカバーで組立てられて持ち運ぶことができるため、計量装置交換用として余計な部品を追加することがない。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係る電力量計の組立斜視図である。
【
図2】本発明の第1の実施形態に係る電力量計の組立斜視図と組立断面図である。
【
図3】本発明の第1の実施形態に係る電力量計の組立断面図である。
【
図4】本発明の第1の実施形態に係る電力量計の分解斜視図である。
【
図5】本発明の第1の実施形態に係る電力量計のベースの斜視図である。
【
図6】本発明の第1の実施形態に係る電力量計のシフト部の斜視図である。
【
図7】本発明の第2の実施形態に係る電力量計の組立斜視図である。
【
図8】本発明の第2の実施形態に係る電力量計の組立斜視図である。
【
図9】本発明の第2の実施形態に係る電力量計の組立断面図である。
【
図10】本発明の第2の実施形態に係る電力量計の組立断面図である。
【
図11】本発明の第2の実施形態に係る電力量計の組立断面図である。
【
図12】本発明の第2の実施形態に係る電力量計の組立斜視図である。
【
図13】本発明の第2の実施形態に係る電力量計の組立斜視図である。
【
図14】本発明の第2の実施形態に係る電力量計の分解斜視図である。
【
図15】本発明の第2の実施形態に係る電力量計のベースの斜視図である。
【
図16】本発明の第2の実施形態に係る電力量計のシフト部の斜視図である。
【
図17】本発明の第2の実施形態に係る電力量計の導体シフト部の斜視図である。
【
図18】本発明の第3の実施形態に係る電力量計の組立斜視図である。
【
図19】本発明の第4の実施形態に係る電力量計の組立斜視図である。
【
図22】従来の電力量計用通信装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態に係る電力量計について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0022】
(第1の実施形態)
図1(a)~
図1(d)、
図2(a)~
図2(b)は、本発明の第1の実施形態に係る電力量計の計量装置と端子ブロックと通信装置を組立てる手順を示した組立斜視図である。
図2(c)~
図2(d)は、
図1(c)~
図1(d)に対応する電力量計の右側面から見た垂直方向の組立断面図である。
【0023】
図3(a)~
図3(d)は、
図1(b)~
図1(d)、
図2(a)に対応する電力量計の正面から見た水平方向の組立断面図である。
図4(a)~
図4(b)は、本発明の第1の実施形態に係る電力量計の分解斜視図である。
図5(a)~
図5(c)本発明の第1の実施形態に係る電力量計のベースの斜視図である。
図6(a)~
図6(b)は、本発明の第1の実施形態に係る電力量計のシフト部の斜視図である。
【0024】
電力量計は、
図20~
図22に示す従来の電力量計の構成に対して、さらにシフト部101を設けるとともに、シフト部101に嵌合するようにベース4Aの形状が変更となっている。
【0025】
なお、
図1~
図6に示す構成について、
図20~
図22に示す従来の電力量計の構成と同じ構成については、
図20~
図22に示した符号にさらに、Aを付加している。例えば、ベース4は、ベース4Aとなる。
【0026】
シフト部101は、
図6(a)~
図6(b)に示すように、上下の位置を固定するための固定凹部101dと固定凹部下面101eと側面部下面101bを有する側面部101aと、ベース4A内を上下に摺動するための凸部からなるシフト側摺動部101cと、左右の側面部101aを連結する連結部101fと、段差部101gと、シフト側ブロック取付根本部101hと、端子ブロックに取付けるためのシフト側ブロック取付部101iとを有する。
【0027】
計量装置のベース4Aは、
図5(a)~
図5(c)に示すように、シフト部101を収納可能なシフト取付部4A1と、段差当接面4A2と、シフト部101を上下に摺動するための穴部からなるベース側摺動部4A3と、シフト部101を固定するための固定凸部4A5と固定凸部上面4A6と固定凸部下面4A7とシフト部101を上下移動時に必要な解除部4A8を有するスナップフィット構造の摺動固定部4A4と、導体3を通すための導体通し穴4Afと、回路部1Aを取り付ける回路取付部4Agを有する。
【0028】
シフト部101は、ベース4Aのシフト取付部4A1に取付けられて、ベース4Aのベース側摺動部4A3にシフト部101のシフト側摺動部101cが篏合して上下に摺動可能となっている。
【0029】
次にこのように構成される第1の実施形態に係る電力量計の動作を説明する。まず、
図1(a)に示すように、計量装置を端子ブロックに取り付ける時、計量装置においては、ベース4Aの摺動固定部4A4の固定凸部4A5の固定凸部下面4A7が、シフト部101の側面部101aの固定凹部101dの固定凹部下面101eに当接して固定され、ベース4Aからシフト部101が突き出した状態にある(各部位については
図4~
図6にて図示している)。
【0030】
次に、
図1(b)、
図2(c)、
図3(a)に示すように、シフト部101のブロック取付部101iを端子ブロックのベース取付部10aとブロック取付ねじ6の頭との間に挿入してブロック取付ねじ6で締め付けて取付けた後、ベース4Aの摺動固定部4A4の解除部4A8を左右に広げることで固定凸部4A5をシフト部101の固定凹部101dから外す。
【0031】
次に、
図1(c)、
図3(b)に示すように、計量装置をシフト部101に沿って下方に摺動する。
【0032】
次に、
図1(d)、
図3(c)に示すように、計量装置が下方に位置して固定された状態となり、シフト部101はベース4A内に収納される。
【0033】
次に、
図2(a)、
図2(d)、
図3(d)に示すように、広げていた解除部4A8を元に戻すことで、ベース4Aの摺動固定部4A4の固定凸部4A5の固定凸部上面4A6がシフト部101の側面部101aの側面部下面101bに当接して計量装置の位置が固定される。
【0034】
この動作と同時に、
図2(d)に示すように、導体3Aの導体側端子接続部3Abを端子ブロックの端子9の端子側導体接続部9bと導体接続ねじ7の頭との間に挿入し、導体接続ねじ7で締め付けて導体側端子接続部3Abを端子側導体接続部9bに接続する。
【0035】
これにより、計量装置を端子ブロックに取付けることができる。そして、
図2(b)に示すように、通信装置を取付けた後、カバー11を端子ブロックのカバー取付用雌ねじ部10bに取り付けて、電力量計を組立てることができる。
【0036】
このように第1の実施形態の電流検出装置によれば、現行品に比べ、計量装置とともに導体3Aを垂直に端子ブロックの端子取付部10dに下すことができるため、計量装置取付時の異極端子間の短絡を防止することができる。
【0037】
(第2の実施形態)
図7(a)~
図7(d)、
図8(a)~
図8(d)は、本発明の第2の実施形態に係る電力量計の計量装置と端子ブロックと通信装置を組立てる手順を示した組立斜視図で、
図9(a)~
図9(c)は、
図7(b)、
図8(a)、
図8(d)に対応する電力量計の右側面から見た垂直方向の組立断面図である。
【0038】
【0039】
【0040】
図14(a)~
図14(b)は、本発明の第2の実施形態に係る電力量計の分解斜視図である。
図15(a)~
図15(c)本発明の第2の実施形態に係る電力量計のベースの斜視図である。
図16(a)~
図16(b)は、本発明の第2の実施形態に係る電力量計のシフト部の斜視図である。
図17(a)~
図17(b)は、本発明の第2の実施形態に係る電力量計の導体シフト部の斜視図である。
【0041】
第2の実施形態に係る電力量計は、
図20~
図22に示す従来の電力量計の構成に対して、さらにシフト部201と導体シフト部202を設けるとともに、シフト部201および導体シフト部202に嵌合するようにベース4Bの形状が変更となっている。
【0042】
なお、
図7~
図17に示す構成について、
図20~
図22に示す従来の電力量計の構成と同じ構成については、
図20~
図22に示した符号にさらに、Bを付加している。例えば、ベース4は、ベース4Bとなる。
【0043】
シフト部201は、
図16(a)~
図16(b)に示すように、上下の位置を固定するための固定凹部201dと固定凹部下面201eと側面部下面201bを有する側面部201aと、ベース4B内を上下に摺動するための凸部からなるシフト側摺動部201cと、左右の側面部201aを連結する連結部201fと、段差部201gと、シフト側ブロック取付根本部201hと、端子ブロックに取り付けるためのブロック取付部201iを有する。
【0044】
計量装置のベース4Bは、
図15(a)~
図15(c)に示すように、シフト部201を収納可能なシフト取付部4B1と、段差当接面4B2と、シフト部201を上下に摺動するための穴部からなるベース側摺動部4B3と、シフト部201を固定するための固定凸部4B5と固定凸部上面4B6と固定凸部下面4B7と第2固定凸部4B10と第2固定凸部下面4B11とシフト部201を上下移動時に必要な解除部4B8を有するスナップフィット構造の摺動固定部4B4と、導体3を取付けた導体シフト部202を摺動するための導体シフト部通し穴4B12と、導体シフト部段差当接面4B13と、回路部1Bを取り付ける回路取付部4Bgを有する。
【0045】
導体シフト部202は、
図17(a)~
図17(b)に示すように、導体3を通して取付ける導体通し穴202a、導体シフト側段差部202cを有する。
【0046】
シフト部201は、ベース4Bのシフト取付部4B1に取付けられ、ベース4Bのベース側摺動部4B3にシフト部201のシフト側摺動部201cが篏合して上下に摺動可能となっている。
【0047】
導体シフト部202は、ベース4Bの導体シフト部通し穴4B12に取付けられ、上下に摺動可能となっている。導体シフト側段差部202cが、導体シフト部段差当接面4B13に当接しているときが下端に位置するときである。
【0048】
次にこのように構成される第2の実施形態に係る電力量計の動作を説明する。まず、
図7(a)に示すように、通信装置を計量装置に取付けた状態で計量装置を端子ブロックに取り付ける時、計量装置においては、ベース4Bの摺動固定部4B4の第2固定凸部4B10の第2固定凸部下面4B11がシフト部201の側面部201aの固定凹部201dの固定凹部下面201eに当接して固定され、ベース4Bからシフト部201が突き出した状態にある(各部位については
図14~
図17にて図示している)。
【0049】
次に、
図7(b)、
図9(a)、
図10(a)に示すように、シフト部201のブロック取付部201iを端子ブロックのベース取付部10aとブロック取付ねじ6の頭との間に挿入してブロック取付ねじ6で締め付けて取付けた後、ベース4Bの摺動固定部4B4の解除部4B8を左右に広げることで第2固定凸部4B10をシフト部201の固定凹部201dから外す。
【0050】
次に、
図7(c)、
図10(b)に示すように、計量装置をシフト部201に沿って下方に摺動し、導体3Bの導体側端子接続部3Bbを端子ブロックの端子9の端子側導体接続部9bと導体接続ねじ7の頭との間に挿入されるまで降ろす。
【0051】
次に、
図7(d)、
図9(b)、
図10(c)~
図10(d)に示すように、広げていた解除部4A8を元に戻して、ベース4Bの摺動固定部4B4の固定凸部4B5の固定凸部下面4B7がシフト部201の側面部201aの固定凹部201dの側面部下面201bに当接して計量装置の位置が固定される。そして、導体接続ねじ7で締め付けることで導体側端子接続部3Bbを端子側導体接続部9bに接続する。
【0052】
次に、
図8(a)、
図11(a)に示すように、ベース4Bの摺動固定部4B4の解除部4B8を左右に広げることで固定凸部4B5をシフト部201の固定凹部201dから外す。
【0053】
次に、
図8(b)、
図11(b)に示すように、計量装置をシフト部201に沿って下方に摺動する。
【0054】
次に、
図8(c)、
図11(c)に示すように、計量装置が下方に位置して固定された状態となり、シフト部201と導体シフト部202はベース4B内に収納される。
【0055】
次に、
図8(d)、
図11(d)に示すように、広げていた解除部4B8を元に戻すことで、ベース4Bの摺動固定部4B4の固定凸部4B5の固定凸部上面4B6がシフト部201の側面部201aの側面部下面201bに当接して計量装置の位置が固定される。
【0056】
これにより、計量装置を端子ブロックに取付けることができる。そして、カバー11を端子ブロックのカバー取付用雌ねじ部10bに取り付けて、電力量計を組立てることができる。
【0057】
このように第2の実施形態の電流検出装置によれば、第1の実施形態の電流検出装置に比べ、通信装置を計量装置に取付けた状態で端子ブロックに取付けることができるため、計量装置交換時の作業性が向上する。
【0058】
(第3の実施形態)
図18(a)~
図18(c)は、本発明の第3の実施形態に係る電力量計の組立斜視図で、
図18(a)は、
図1(a)の電力量計に対してブロック10がない斜視図である。
図18(b)は、
図18(a)の電力量計に通信装置を取り付けた斜視図である。
図18(c)は、
図18(b)の電力量計にカバーを取り付けた斜視図である。
【0059】
この第3の実施形態に係る電力量計に対応した形状は、第1の実施形態に係る電力量計の
図1~
図6に予め図示されている。しかし、第1の実施形態においては無いものとして差し支えない。
【0060】
ベース4Aは、
図5(a)に示すように、シフト部101の通信装置縦支え部101lを通す通信装置縦支え用穴部4A9を設けている。シフト部101は、
図6(a)に示すように、シフト部101に通信装置を取付けたときに通信装置を支える通信装置横支え部101kと、通信装置縦支え部101lと、カバー11に取付けられたカバー取付ねじ12を取付けるカバー取付用雌ねじ部101jとを設けている。
【0061】
このように構成された第3の実施形態に係る電力量計によれば、
図18(a)に示すように、ベース4Aの摺動固定部4A4の固定凸部4A5の固定凸部下面4A7が、シフト部101の側面部101aの固定凹部101dの固定凹部下面101eに当接して固定され、ベース4Aからシフト部101が突き出した状態にある(各部位については
図4~
図6にて図示している)。
【0062】
次に、
図18(b)に示すように、
図22(b)に示す通信装置の計量装置取付部24aを
図18(a)に示す計量装置のベース4Aの通信装置取付部4Abに取付ける。このとき、通信装置がシフト部101に取付けられ、シフト部101は、通信装置横支え部101kと通信装置縦支え部101lとで通信装置を支える。
【0063】
次に、
図18(c)に示すように、カバー11に取付けられたカバー取付ねじ12をシフト部101のカバー取付部101jに取り付けることができる。
また、端子ブロックを取付けることも可能で、シフト部101がベース4A内に収納されるとき、シフト部101の通信装置縦支え部101lも通信装置縦支え用穴部4A9を通して収納される。
【0064】
第3の実施形態に係る電力量計によれば、現行品にくらべ、計量装置と通信装置とカバー11で組立てられて持ち運ぶことができるため、計量装置交換用として余計な部品を追加することがない上、第1の実施形態の効果も得られる。
【0065】
(第4の実施形態)
図19(a)~
図19(c)本発明の第4の実施形態に係る電力量計の組立斜視図で、
図19(a)は、
図7(a)の電力量計に対してブロック10がない斜視図である。
図19(b)は、
図19(a)の電力量計に通信装置を取り付けた斜視図である。
図19(c)は、
図19(b)の電力量計にカバーを取り付けた斜視図である。
この第4の実施形態に係る電力量計に対応した形状は、第2の実施形態に係る電力量計の
図7~
図17に予め図示されている。しかし、第2の実施形態においては無いものとして差し支えない。
【0066】
ベース4Bは、
図15(a)に示すように、シフト部201の通信装置縦支え部201lを通す通信装置縦支え用穴部4B9を設けている。シフト部201は、
図16(a)に示すように、シフト部201に通信装置を取付けたときに通信装置を支える通信装置横支え部201kと、通信装置縦支え部201lと、カバー11に取付けられたカバー取付ねじ12を取付けるカバー取付用雌ねじ部201jとを設けている。導体シフト部202は、
図17(a)に示すように、シフト部201の通信装置縦支え部201lを通す通信装置縦支え用溝部202bを設けている。
【0067】
このように構成された第4の実施形態に係る電力量計によれば、
図19(a)に示すように、ベース4Bの摺動固定部4B4の第2固定凸部4B10の第2固定凸部下面4B11がシフト部201の側面部201aの固定凹部201dの固定凹部下面201eに当接して固定され、ベース4Bからシフト部201が突き出した状態にある(各部位については
図14~
図17にて図示している)。
【0068】
次に、
図19(b)に示すように、
図22(b)に示す通信装置の計量装置取付部24aを
図19(a)に示す計量装置のベース4Bの通信装置取付部4Bbに取付ける。このとき、通信装置がシフト部201に取付けられ、シフト部201は、通信装置横支え部201kと通信装置縦支え部201lとで通信装置を支える。
【0069】
次に、
図19(c)に示すように、カバー11に取付けられたカバー取付ねじ12をシフト部201のカバー取付用雌ねじ部201jに取り付けることができる。
また、端子ブロックを取付けることも可能で、シフト部201と導体シフト部202がベース4B内に収納されるとき、シフト部201の通信装置縦支え部201lも通信装置縦支え用穴部4B9と通信装置縦支え用溝部202bを通して収納される。
【0070】
このように第4の実施形態に係る電力量計によれば、現行品にくらべ、計量装置と通信装置とカバーで組立てられて持ち運ぶことができるため、計量装置交換用として余計な部品を追加することがない上、第2の実施形態の効果も得られる。
【符号の説明】
【0071】
1,1A,1B 回路部
1a,1Aa,1Ba 表示部
1b,1Ab,1Bb 通信装置接続部
1c,1Ac,1Bc 開閉検出部
1d,1Ad,1Bd 導体接続部
1e,1Ae,1Be センサ接続部
1f,1Af,1Bf ベース取付部
2,2A,2B センサ部
2a,2Aa,2Ba センサ側回路接続部
3,3A,3B 導体
3a,3Aa,3Ba 導体側回路接続部
3b,3Ab,3Bb 導体側端子接続部
4,4A,4B ベース
4a,4Aa,4Ba 通信装置接続部通し穴
4b,4Ab,4Bb 通信装置取付部
4c ブロック取付部
4d,4Ad,4Bd 開閉検出部通し穴
4e,4Ae,4Be ケース取付部
4f,4Af 導体通し穴
4g,4Ag,4Bg 回路取付部
4A1,4B1 シフト取付部
4A2,4B2 段差当接面
4A3,4B3 ベース側摺動部
4A4,4B4 摺動固定部
4A5,4B5 固定凸部
4A6,4B6 固定凸部上面
4A7,4B7 固定凸部下面
4A8,4B8 解除部
4A9,4B9 通信装置縦支え用穴部
4B10 第2固定凸部
4B11 第2固定凸部下面
4B12 導体シフト部通し穴
4B13 導体シフト部段差当接面
5,5A,5B ケース
5a,5Aa,5Ba 表示窓
5b,5Ab,5Bb ケース側ベース取付部
5c,5Ac,5Bc ケース側固定ねじ取付部
5d,5Ad,5Bd 防水用リブ収納部
5A1,5B1 ベース摺動固定部用凹部
6 ブロック取付ねじ
7 導体接続ねじ
8 電線取付ねじ
9 端子
9a 電線収納部
9b 端子側導体接続部
10 ブロック
10a ブロック側ベース取付部
10b カバー取付用雌ねじ部
10c 電線通し穴
10d 端子取付部
10e ブロック側固定ねじ取付部
11 カバー
11a 検出用凸部
11b 防水用リブ
12 カバー取付ねじ
20 回路部
20a LED
20b ケーブル接続部
21 ケーブル
21a 計量装置接続部
21b 回路部接続部
22 LED導光部
23 上ケース
23a LED導光穴
24 下ケース
24a 計量装置取付部
101,201 シフト部
101a,201a 側面部
101b,201b 側面部下面
101c,201c シフト側摺動部
101d,201d 固定凹部
101e,201e 固定凹部下面
101f,201f 連結部
101g,201g 段差部
101h,201h シフト側ブロック取付根本部
101i,201i シフト側ブロック取付部
101j,201j シフト側カバー取付用雌ねじ部
101k,201k 通信装置横支え部
101l,201l 通信装置縦支え部
202 導体シフト部
202a 導体通し穴
202b 通信装置縦支え用溝部
202c 導体シフト側段差部