IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社竹中工務店の特許一覧

<>
  • 特許-建築方法 図1
  • 特許-建築方法 図2
  • 特許-建築方法 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-25
(45)【発行日】2024-07-03
(54)【発明の名称】建築方法
(51)【国際特許分類】
   E02D 29/05 20060101AFI20240626BHJP
   E02D 27/00 20060101ALI20240626BHJP
   E04G 21/02 20060101ALI20240626BHJP
【FI】
E02D29/05 Z
E02D27/00 D
E04G21/02 103Z
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020175196
(22)【出願日】2020-10-19
(65)【公開番号】P2022066705
(43)【公開日】2022-05-02
【審査請求日】2023-09-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000003621
【氏名又は名称】株式会社竹中工務店
(74)【代理人】
【識別番号】100154726
【弁理士】
【氏名又は名称】宮地 正浩
(72)【発明者】
【氏名】廣澤 慎治
(72)【発明者】
【氏名】西村 章
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼山 一斗
(72)【発明者】
【氏名】河野 貴穂
(72)【発明者】
【氏名】大石 康平
【審査官】亀谷 英樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-125630(JP,A)
【文献】特開2012-107479(JP,A)
【文献】特開2020-097826(JP,A)
【文献】特開2017-119953(JP,A)
【文献】特開2015-025292(JP,A)
【文献】特開2020-070701(JP,A)
【文献】米国特許第05522676(US,A)
【文献】特開2019-019503(JP,A)
【文献】特開平07-150580(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02D 29/00-29/05
E02D 27/00-27/52
E04G 21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基礎が直接基礎構造である直接基礎建物部を逆打ち工法を用いて構築する建築方法であって、
地盤を前記基礎の下の床付け面まで掘削し、当該床付け面との間に建方用支柱を介在させる状態で前記直接基礎建物部の地下躯体における地下柱を建て込む地下柱の建方を行い、その建て込んだ地下柱に荷重を支持させる状態で前記直接基礎建物部の地表面近くの階の床構造部を構築する先行工程と、
前記先行工程の実行後、前記基礎を含む前記地下躯体の構築と前記直接基礎建物部の地上躯体の構築を並行実施する後行工程と、を備え
前記基礎は、前記後行工程において、当該基礎に前記建方用支柱が埋め込まれる状態で構築されて、その構築後に前記地下柱の下端を上面で支持するものであり、
前記建方用支柱が、前記地下柱よりも軸耐力の小さなもので、水平方向の一方向のみに延びる幅広のベース部と、当該ベース部の幅方向の中間部位から前記地下柱の柱幅よりも小さな支柱幅で鉛直方向に延びる支柱部とから構成され、
前記先行工程において、前記床付け面以深の地盤中に地盤改良を施して平面視で格子状の地盤改良体を構成し、前記ベース部が、その水平方向の一方向のみに延びる幅方向が前記地盤改良体の延在方向に沿って延びる姿勢で前記地盤改良体の上に設置され、かつ、前記支柱部が前記地下柱と上下に一直線状で直列に並ぶ配置で前記地下柱を仮支持する状態で、前記建方用支柱が前記地下柱の建方に使用される建築方法。
【請求項2】
前記先行工程を実施するにあたり、前記地盤改良体のうち、建設地の周囲の地盤中に構築される山留め壁の近傍に位置する地盤改良体を、前記床付け面よりも上方に余盛して延伸させて、前記山留め壁を支える掘削法面を略鉛直に自立させる請求項1記載の建築方法。
【請求項3】
前記先行工程を平面視で複数の工区に分けてタイミングをずらして実施するにあたり、前記地盤改良体のうち、後で工事する後工区の地山部分の周囲に位置する地盤改良体を、前記床付け面よりも上方に余盛して延伸させて、前記後工区の地山部分の周囲の掘削法面を略鉛直に自立させておき、先に工事する先工区にて先行工程を実行する際、前記後工区の地山部分の上面を地山構台として利用して資材の搬出入を行う請求項1又は2記載の建築方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基礎が直接基礎構造である直接基礎建物部を逆打ち工法を用いて構築する建築方法に関する。
【背景技術】
【0002】
逆打ち工法は、基礎の構築前の先行工程において、建物の地下躯体における本設の地下柱を建て込み、その建て込んだ地下柱に支持させる状態で地表面近くの床梁等の床構造部を支持させる。そして、その後の後行工程において、地表面近くの床構造部を作業床や山留め支保工として利用し、既に先行工程で建て込んだ地下柱を除く残りの地下躯体の構築と地上躯体の構築を並行実施することで、大幅な工期短縮を図る工法(例えば、特許文献1参照)である。
【0003】
このような逆打ち工法を用いて上述した直接基礎建物部を構築する場合、先行工程において、基礎の代わりに地下柱を仮支持するための仮設の杭である鉄筋コンクリート造の構真台柱を地中に構築し、この構真台柱に仮支持させる状態で地下柱を建て込むことが行われている。しかしながら、鉄筋コンクリート造の構真台柱の構築にはそれなりの工期とコストが必要となる。そのため、構真台柱の構築を省いて工期の短縮とコストの削減を図ることが望まれる。
【0004】
ちなみに、特許文献2には、直接基礎建物部を構築する場合の先行工程において、地下柱を建て込むことなく、山留め壁の上端に床構造部を架設して当該床構造部を山留め壁に支持させる特殊な建築方法が提案されているが、山留め壁のみで支持できる荷重は大きさ及び範囲が限られるため、中小規模の建物を構築する場合にしか採用できない。
また、一般的な工法として、直接基礎建物部において先行する階の床構造部を支持させる場合、下部をセメントミルクで固める仮設の構台杭を施工することもあるが、1本あたりで支持できる軸力に限度があるため、地上躯体を大きく先行させることができない。仮設の構台杭の本数を増やすこともできるが、工期やコストが大きく膨らむ他、地下躯体の施工時に細かい間隔で設置された構台杭により、重機が動きにくくなり、更に地下柱が後施工部分となって地下躯体の後施行部分が多くなることで、施工効率が大きく落ちる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2019-019503号公報
【文献】特開平7-150580号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであって、その主たる課題は、直接基礎建物部を逆打ち工法を用いて構築するにあたり、先行工程において地表面近くの床構造部を支持する地下柱を構真台柱を用いずに適切に仮支持することができ、構真台柱を構築しない分の工期短縮とコスト削減を図ることできる建築方法を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1特徴構成は、基礎が直接基礎構造である直接基礎建物部を逆打ち工法を用いて構築する建築方法であって、
地盤を前記基礎の下の床付け面まで掘削し、当該床付け面との間に建方用支柱を介在させる状態で前記直接基礎建物部の地下躯体における地下柱を建て込む地下柱の建方を行い、その建て込んだ地下柱に荷重を支持させる状態で前記直接基礎建物部の地表面近くの階の床構造部を構築する先行工程と、
前記先行工程の実行後、前記基礎を含む前記地下躯体の構築と前記直接基礎建物部の地上躯体の構築を並行実施する後行工程と、を備え
前記基礎は、前記後行工程において、当該基礎に前記建方用支柱が埋め込まれる状態で構築されて、その構築後に前記地下柱の下端を上面で支持するものであり、
前記建方用支柱が、前記地下柱よりも軸耐力の小さなもので、水平方向の一方向のみに延びる幅広のベース部と、当該ベース部の幅方向の中間部位から前記地下柱の柱幅よりも小さな支柱幅で鉛直方向に延びる支柱部とから構成され、
前記先行工程において、前記床付け面以深の地盤中に地盤改良を施して平面視で格子状の地盤改良体を構成し、前記ベース部が、その水平方向の一方向のみに延びる幅方向が前記地盤改良体の延在方向に沿って延びる姿勢で前記地盤改良体の上に設置され、かつ、前記支柱部が前記地下柱と上下に一直線状で直列に並ぶ配置で前記地下柱を仮支持する状態で、前記建方用支柱が前記地下柱の建方に使用される点にある。
【0008】
本構成によれば、上述の先行工程と後行工程を実行することで、逆打ち工法による工期短縮を図りながら直接基礎建物部を構築することができる。そして、先行工程において、直接基礎建物部の地下柱を建て込み、その地下柱に荷重を支持させる状態で地表面近くの階の床構造部を構築するので、構真台柱を用いず、建方用支柱を介して床付け面にて地下柱を適切に仮支持することができ、構真台柱を構築しない分の工期短縮とコスト削減を図ることできる。
又、本構成によれば、建方用支柱の下端に設けられる幅広のベース部によって、建方用支柱から荷重が伝達される床付け面の面積を広くして荷重を分散させることができ、地盤強度が低い場合でも、建方用支柱を介して床付け面にて地下柱を適切に仮支持することができる。
更に、本構成によれば、床付け面における地盤改良を施して地盤強度を高めた部分に建方用支柱を設置するので、もともとの地盤強度が低い場合でも、建方用支柱を介して床付け面にて地下柱を適切に仮支持することができる。
【0009】
本発明の第2特徴構成は、前記先行工程を実施するにあたり、前記地盤改良体のうち、建設地の周囲の地盤中に構築される山留め壁の近傍に位置する地盤改良体を、前記床付け面よりも上方に余盛して延伸させて、前記山留め壁を支える掘削法面を略鉛直に自立させる点にある。
【0011】
本発明の第3特徴構成は、前記先行工程を平面視で複数の工区に分けてタイミングをずらして実施するにあたり、前記地盤改良体のうち、後で工事する後工区の地山部分の周囲に位置する地盤改良体を、前記床付け面よりも上方に余盛して延伸させて、前記後工区の地山部分の周囲の掘削法面を略鉛直に自立させておき、先に工事する先工区にて先行工程を実行する際、前記後工区の地山部分の上面を地山構台として利用して資材の搬出入を行う点にある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本建築方法の先行工程を模式的に示す図
図2】本建築方法の後行工程を模式的に示す図
図3】先行工程の別実施形態を模式的に示す図
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明に係る建築方法の実施形態を図面に基づいて説明する。
本建築方法にて構築される建物は、図2に示すように、地下に位置する地下躯体2と、地上に位置する地上躯体3とを有する建物として構成される。地下躯体2は、鉄筋コンクリート造の基礎21、基礎21に支持される鋼管製又は鉄骨製の地下柱22、鉄骨製の梁や鉄筋コンクリート製のスラブ等からなる床構造部23等から構成される。地上躯体3は、鋼管製又は鉄骨製の地上柱32、鉄骨製の梁や鉄筋コンクリート製のスラブ等からなる床構造部33等から構成される。なお、地下躯体2や地上躯体3の具体的構成は各種の変更が可能である。
【0015】
この建物は、基礎21が直接基礎構造である低層(図中左側)の直接基礎建物部b1と、基礎21の下に杭21Aを有する杭基礎構造である図中右側の高層の杭基礎建物部b2とを有している。
直接基礎構造は、基礎21が設置される床付け面g1にて建物の荷重を直接的に支持する基礎構造であり、杭基礎構造は、基礎21が設置される床付け面g1に建て込まれた杭21Aを介して床付け面g1よりも深い位置にある支持地盤等で建物の荷重を支持する基礎構造である。
【0016】
そして、本建築方法では、地表面近くの階(図示例では1階)の床構造部33を先行構築する先行工程と、当該先行工程の実行後に基礎21を含む地下躯体2の構築と地上躯体3の構築を並行実施する後行工程とを順番に実施することで、逆打ち工法による工期短縮を図りながら直接基礎建物部b1及び杭基礎建物部b2を構築することができる。以下、本建築方法の各工程について順番に説明する。
【0017】
(先行工程)
図1に示すように、この先行工程では、建設地の周囲の地盤G中に山留め壁4を構築するとともに、直接基礎建物部b1が構築される直接基礎エリアにおいて、直接基礎建物部b1の基礎21が設置される床付け面g1以深の地盤G中に地盤改良を施す。地盤改良は、例えば、現位置土と固化材を機械撹拌して構成される柱状改良体5を平面視で格子状に配置して構成される。
【0018】
また、杭基礎建物部b2が建築される杭基礎エリアにおいて、杭基礎建物部b2の基礎21が設置される床付け面g1以深の地盤G中に場所打ちコンクリート杭等からなる本設の杭21Aを構築し、当該杭21Aに下端を貫入して杭21Aに支持させる状態で鉄骨製等の構真柱7を建て込む。構真柱7は、本設の地下柱22よりも小さな柱幅に構成される。また、構真柱7の上端の高さ位置は、後行工程にて構築される基礎21の上面の高さ位置に設定される。
そして、直接基礎エリア及び杭基礎エリアにおいて、山留め壁4の近傍に当該山留め壁4を内側から支えるための掘削法面(押さえ斜面)8Aを残す状態で、床付け面g1まで地盤Gを掘削する。
【0019】
本実施形態では、地盤改良が施される直接基礎エリアにおいて、山留め壁4の近傍の柱状改良体5を床付け面g1よりも上方に余盛して延伸させ、掘削法面8A(押さえ斜面)を略鉛直に自立させることで、直接基礎エリアの掘削法面8Aの存在範囲を小さくしている。なお、杭基礎エリアにおいても、山留め壁4の近傍に同様の柱状改良体5を設けて掘削法面8A(押さえ斜面)を略鉛直に自立させるようにしてもよい。
【0020】
そして、杭基礎エリアにおいて杭基礎建物部b2の地下柱22を構真柱7の上端に接続する状態で建て込むとともに、直接基礎エリアにおいて直接基礎建物部b1の地下柱22を床付け面g1との間に当該地下柱22よりも軸耐力の小さな仮設の建方用支柱6を介在させる状態で建て込む。
【0021】
直接基礎エリアにおいて、構真台柱を用いずに床付け面g1にて地下柱22を適切に仮支持することができ、構真台柱を構築しない分の工期短縮とコスト削減を図ることできる。また、上述の如く、直接基礎エリアにおいて、掘削法面8Aの存在範囲を小さくしているので、山留め壁4の近傍の地下柱22についても建方用支柱6を介して床付け面g1に設置することができる。
【0022】
建方用支柱6の支柱部6Aの幅(支柱幅)は、本設の地下柱22の柱幅よりも小さく構成される。また、建方用支柱6の高さ寸法は、床付け面g1から後行工程で構築される基礎21の上面までの高さ寸法に設定され、建方用支柱6の上端の高さ位置は、基礎21の上面の高さ位置に設定される。
【0023】
更に、建方用支柱6の下端には、その支柱部6Aの幅よりも幅広のベース部6Bが備えられる。例えば、支柱部6Aは鉛直方向に延びるH形鋼等から構成され、ベース部6Bは水平方向の一方向に延びるH形鋼等から構成される。そのため、幅広のベース部6Bによって、建方用支柱6から荷重が伝達される床付け面g1の面積を広くして荷重を分散させることができる。
【0024】
また、この建方用支柱6は、床付け面g1において地盤改良を施した部分の上に設置される。具体的には、建方用支柱6は、ベース部6Bが柱状改良体5の連接方向に沿って延びる姿勢とされ、ベース部6Bの底面の全域が複数本(図示例では3本)の柱状改良体5の上に設置される。このようにすることで、建方用支柱6を介して床付け面g1にて地下柱22を適切に仮支持することができる。
【0025】
そして、直接基礎エリア及び杭基礎エリアにおいて、建て込んだ直接基礎建物部b1の地下柱22及び杭基礎建物部b2の地下柱22に荷重を支持させる状態で、直接基礎建物部b1及び杭基礎建物部b2における地表面近くの階の床構造部33を構築し、当該床構造部33の外周部を山留め壁4に連設して山留め支保工として機能させる。
【0026】
(後行工程)
この先行工程に続いて実行される後行工程では、図2に示すように、直接基礎エリア及び杭基礎エリアにおいて、掘削法面8Aを撤去し、直接基礎建物部b1及び杭基礎建物部b2の基礎21を含む地下躯体2の構築と地上躯体3の構築を並行実施する。
具体的には、先行工程にて構築した地表面近くの階の床構造部33を作業床として利用して床構造部33の上方にて地上躯体3を構築しながら、その床構造部33を山留め支保工に利用して床構造部33の下方にて基礎21を含む地下躯体2を構築する。
【0027】
このように、後行工程にて、既に先行工程で構築した地下柱22を除く、残りの地下躯体2の構築と地上躯体3の構築とを並行実施することで、大幅な工期の短縮を図ることができる。
しかも、地下柱22の柱幅よりも支柱幅の小さい建方用支柱6の上端の高さ位置、及び、地下柱22の柱幅よりも柱幅の小さい構真柱7の上端の高さ位置が、基礎21の上面の高さ位置に設定されているので、後行工程にて構真柱7及び建方用支柱6を埋め込む状態で基礎21を構築することで、基礎21の上面にて地下柱22の下端を適切に支持することができる。
【0028】
〔別実施形態〕
本発明の他の実施形態について説明する。
なお、以下に説明する各実施形態の構成は、夫々単独で適用することに限らず、他の実施形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
【0029】
(1)上記実施形態の改良として、先行工程を複数の工区に分けてタイミングをずらして実施してもよい。例えば、図3に示すように、平面視の一部のエリア(図中の左右両端のエリア)を先に工事を行う第1工区とし、平面視の別のエリア(図中の左右中央のエリア)を第1工区の後に工事を行う第2工区とする。
【0030】
このようにすれば、第1工区にて先行工程を実行する際、第2工区の地山部分の上面を地山構台として利用して資材の搬出入等を行うことができ、第1工区にて先行工程を効率良く実施することができる。このときも、第2工区の近傍の一部の柱状改良体5を床付け面g1よりも上方に余盛して延伸しておけば、地山部分の周囲の掘削法面8Bを略鉛直に自立させることができ、掘削法面8Bの存在範囲を小さくして第1工区にて一層効率良く作業を行うことができる。
【0031】
また、第2工区にて先行工程を実行する際には、第1工区にて建築した地表面近くの床構造部33を作業床等に利用して資材の搬出入等を行うことができ、第2工区でも先行工程を効率良く実施することができる。
【0032】
(2)本建築方法は、前述の実施形態で示した直接基礎建物部b1と杭基礎建物部b2を有する建物に限らず、直接基礎建物部b1のみを有する建物を構築する建物など、少なくとも直接基礎建物部b1を有する建物を構築するのに好適に適用することができる。
【0033】
(3)上記実施形態では、床付け面g1に施す地盤改良が、柱状改良体5を格子状に配置して構成される地盤改良を例に挙げて説明したが、表層改良や深層改良等の各種の地盤改良を採用することができる。また、床付け面g1の地盤強度等によっては地盤改良を省くことができる。
【0034】
(4)上記実施形態では、建方用支柱6の支柱幅よりも幅広のベース部6Bを建方用支柱6の下端に設ける場合を例に挙げて説明したが、床付け面g1の地盤強度等によってはベース部6Bを省くことができる。
【符号の説明】
【0035】
2 地下躯体
3 地上躯体
6 建方用支柱
6B ベース部
21 基礎
22 地下柱
23,33 床構造部
G 地盤
g1 床付け面
b1 直接基礎建物部
b2 杭基礎建物部
図1
図2
図3