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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-25
(45)【発行日】2024-07-03
(54)【発明の名称】電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/538 20210101AFI20240626BHJP
   H01G 11/70 20130101ALI20240626BHJP
   H01M 10/04 20060101ALI20240626BHJP
   H01M 10/0587 20100101ALI20240626BHJP
   H01M 50/103 20210101ALI20240626BHJP
   H01M 50/15 20210101ALI20240626BHJP
【FI】
H01M50/538
H01G11/70
H01M10/04 W
H01M10/0587
H01M50/103
H01M50/15
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2021214149
(22)【出願日】2021-12-28
(65)【公開番号】P2023097820
(43)【公開日】2023-07-10
【審査請求日】2023-01-05
(73)【特許権者】
【識別番号】520184767
【氏名又は名称】プライムプラネットエナジー&ソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117606
【弁理士】
【氏名又は名称】安部 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100136423
【弁理士】
【氏名又は名称】大井 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100121186
【弁理士】
【氏名又は名称】山根 広昭
(74)【代理人】
【識別番号】100130605
【弁理士】
【氏名又は名称】天野 浩治
(72)【発明者】
【氏名】山田 智之
(72)【発明者】
【氏名】細川 尚士
(72)【発明者】
【氏名】脇元 亮一
【審査官】高木 康晴
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-187077(JP,A)
【文献】特開2017-199652(JP,A)
【文献】特開2021-026897(JP,A)
【文献】特開2022-044958(JP,A)
【文献】特表2022-540192(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/50
H01M 50/10
H01M 10/04
H01M 10/0587
H01G 11/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電極と、該第1電極とは極性が異なる第2電極とが、セパレータを介して捲回された扁平状の捲回電極体と、
前記捲回電極体を収容する電池ケースと、
を備えた電池であって、
前記捲回電極体の捲回軸方向における一方の端部から、前記第1電極に接続された複数のタブが突出しており、
前記複数のタブは第1電極集電部に接続されており、
前記捲回電極体は、該捲回電極体の厚み方向において、捲回軸よりも一方側に存在する第1領域と、該捲回軸よりも他方側に存在する第2領域と、を備えており、
前記複数のタブは、第1タブ、第2タブ、第3タブ、および第4タブを備えており、
前記第1タブは、前記第1領域に存在する前記タブのうち、前記捲回電極体の厚み方向において前記捲回電極体の捲回軸に最も近い位置に存在しており、
前記第2タブは、前記第2領域に存在する前記タブのうち、前記捲回電極体の厚み方向において前記捲回電極体の捲回軸に最も近い位置に存在しており、
前記第3タブは、前記第1領域に存在する前記タブのうち、前記捲回電極体の厚み方向において前記捲回電極体の捲回軸から最も遠い位置に存在しており、
前記第4タブは、前記第2領域に存在する前記タブのうち、前記捲回電極体の厚み方向において前記捲回電極体の捲回軸から最も遠い位置に存在しており、
前記一方の端部において、
前記第1タブの根元幅の中心C1と、前記第3タブの根元幅の中心C3とが、前記厚み方向に対する垂直方向においてずれた状態で配置されており、
前記第2タブの根元幅の中心C2と、前記第4タブの根元幅の中心C4とが、前記垂直方向においてずれた状態で配置されている、電池。
【請求項2】
前記中心C1および前記中心C2の、前記垂直方向における距離をG1、
前記中心C3および前記中心C4の、前記垂直方向における距離をG2としたとき、
前記G1および前記G2はG1>G2の関係を満たす、請求項1に記載の電池。
【請求項3】
前記第1電極の捲き始めの端部は、前記第1領域に存在しており、
前記垂直方向において、前記中心C1は前記中心C2よりも、前記捲回電極体の捲回軸から離れた位置に存在する、請求項1または2に記載の電池。
【請求項4】
前記電池ケースは、
底壁と、前記底壁から延び相互に対向する一対の第1側壁と、前記底壁から延び相互に対向する一対の第2側壁と、前記底壁に対向する開口部と、を有する外装体と、
前記開口部を封口する封口板と、
を備えており、
前記捲回電極体は、前記捲回軸が前記底壁に沿うように配置されており、
前記中心C3および前記中心C4は、前記捲回軸よりも前記封口板側に存在する、請求項1~3のいずれか一項に記載の電池。
【請求項5】
前記捲回電極体は、さらに前記第1電極において第5タブおよび第6タブを備えており、
前記第5タブは、前記厚み方向において、前記第1タブおよび前記第3タブの間に配置されており、
前記第6タブは、前記厚み方向において、前記第2タブおよび前記第4タブの間に配置されおり、
前記一方の端部において、
前記中心C1および前記中心C2の、前記垂直方向における距離をG1、
前記中心C3および前記中心C4の、前記垂直方向における距離をG2としたとき、
前記第5タブの根元幅の中心を中心C5、前記第6タブの根元幅の中心を中心C6として、前記中心C5および前記中心C6の、前記垂直方向における距離をG3としたとき、前記G1、前記G2、および前記G3は、G2<G3<G1の関係を満たす、請求項2~4のいずれか一項に記載の電池。
【請求項6】
前記中心C1と、前記中心C3とを通る直線を第1直線、
前記中心C2と、前記中心C4とを通る直線を第2直線としたとき、
前記第1直線および前記第2直線は、前記厚み方向に対して傾斜を有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の電池。
【請求項7】
前記垂直方向において、前記第1直線と前記第2直線とが一直線上に存在しない、請求項6に記載の電池。
【請求項8】
前記第1直線および前記第2直線は、前記厚み方向において、同じ方向に傾斜している、請求項6または7に記載の電池。
【請求項9】
前記複数のタブは、集箔された状態で前記第1電極集電部に接続されており、
前記第1タブは前記第3タブよりも前記第1電極集電部に近接しており、
前記第3タブの突出方向における長さは、前記第1タブの突出方向における長さよりも大きく、
前記第4タブの突出方向における長さは、前記第2タブの突出方向における長さよりも小さい、請求項1~8のいずれか一項に記載の電池。
【請求項10】
前記複数のタブは、集箔された状態で前記第1電極集電部に接続されており、
前記第1タブは前記第3タブよりも前記第1電極集電部に近接しており、
前記捲回電極体の捲回軸方向における一方の端部において、
前記第3タブの根元幅は、前記第1タブの根元幅よりも大きく、
前記第4タブの根元幅は、前記第2タブの根元幅よりも小さい、請求項1~9のいずれか一項に記載の電池。
【請求項11】
前記複数のタブは、湾曲した状態で前記第1電極集電部に接続されている、請求項1~10のいずれか一項に記載の電池。
【請求項12】
前記捲回電極体の一対の端面は、平坦部と、該平坦部の両端に設けられた一対の湾曲部を備えており、前記第1電極の捲き終わりの端部は、前記湾曲部に配置されている、請求項1~11のいずれか一項に記載の電池。
【請求項13】
前記捲回電極体の捲回軸方向における他方の端部から、前記第2電極に接続された複数の第2電極タブが突出している、請求項1~12のいずれか一項に記載の電池。
【請求項14】
前記電池ケース内には、2つの前記捲回電極体が配置されており、
前記中心C1および前記中心C2の、前記垂直方向における距離をG1、
前記中心C3および前記中心C4の、前記垂直方向における距離をG2としたとき、
前記2つの捲回電極体の前記G1の値が異なる、および/または、前記2つの捲回電極体の前記G2の値が異なる、請求項2~13のいずれか一項に記載の電池。
【請求項15】
前記2つの捲回電極体のうち一方の前記捲回電極体の前記G1は、他方の前記捲回電極体の前記G1よりも大きい、請求項14に記載の電池。
【請求項16】
前記一方の捲回電極体の前記G1と、前記他方の捲回電極体の前記G1との差は、
前記一方の捲回電極体の前記G2と、前記他方の捲回電極体の前記G2との差よりも大きい、請求項14または15に記載の電池。
【請求項17】
前記電池ケース内には、2つの前記捲回電極体が配置されており、
前記2つの捲回電極体の前記G1の値が異なる、および/または、前記2つの捲回電極体の前記G2の値が異なり、
前記電池ケース内には、さらにもう1つの前記捲回電極体である第3電極体が配置されており、
前記第3電極体の前記G1は、前記一方の捲回電極体の前記G1および前記他方の捲回電極体の前記G1と異なる、および/または、
前記第3電極体の前記G2は、前記一方の捲回電極体の前記G3および前記他方の捲回電極体の前記G2と異なる、請求項のいずれか一項に記載の電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電池に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、下記特許文献1には、捲回電極体の長手方向の一方の端部に正極タブ群が設けられ、他方の端部に負極タブ群が設けられた電池が開示されている。そして、かかるタブ群を折り曲げた状態で電極集電部に接続する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2021/060010号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述したような捲回電極体は、例えば、長尺な集電体と、該集電体における長尺方向に沿った複数の箇所に形成されたタブとを備えた正極および負極(以下、あわせて「電極」ということもある)を、セパレータを介在させつつ捲き取り芯に捲き取った後、扁平状に成形することで作製される。かかる捲回電極体の作製において、該捲回電極体の最内周付近のタブに折れが生じる可能性がある。捲回電極体の最内周付近のタブに折れが生じた場合、積層された複数のタブと集電部とを安定的に接続できないおそれがある。
【0005】
本開示の目的は、性能が好適に向上された捲回電極体を備えた電池を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる目的を実現するべく、本開示は、第1電極と、該第1電極とは極性が異なる第2電極とが、セパレータを介して捲回された扁平状の捲回電極体と、上記捲回電極体を収容する電池ケースと、を備えた電池を提供する。上記捲回電極体の捲回軸方向における一方の端部から、上記第1電極に接続された複数のタブが突出しており、上記複数のタブは第1電極集電部に接続されており、上記捲回電極体は、該捲回電極体の厚み方向において、捲回軸よりも一方側に存在する第1領域と、該捲回軸よりも他方側に存在する第2領域と、を備えている。上記複数のタブは、第1タブ、第2タブ、第3タブ、および第4タブを備えており、上記第1タブは、上記第1領域に存在する上記タブのうち、厚み方向において捲回軸に最も近い位置(最も内周側)に存在しており、上記第2タブは、上記第2領域に存在する上記タブのうち、厚み方向において捲回軸に最も近い位置(最も内周側)に存在しており、上記第3タブは、上記第1領域に存在する上記タブのうち、厚み方向において捲回軸から最も遠い位置(最も外周側)に存在しており、上記第4タブは、上記第2領域に存在する上記タブのうち、厚み方向において捲回軸から最も遠い位置(最も外周側)に存在している。上記一方の端部において、上記第1タブの根元幅の中心C1と、上記第3タブの根元幅の中心C3とが、上記厚み方向に対する垂直方向においてずれた状態で配置されており、上記第2タブの根元幅の中心C2と、上記第4タブの根元幅の中心C4とが、上記垂直方向においてずれた状態で配置されている。かかる構成の電池によると、タブ折れが発生し易いとされる最内周付近のタブにおいて折れが生じていないかを好適に確認することができる。そして、タブに折れが生じていないものを選択して用いることで、複数のタブと集電部とが安定的に接続された信頼性の高い電池を得ることができる。なお、複数のタブと集電部とが安定的に接続されない場合、電池の性能等の観点から好ましくない。
【0007】
ここで開示される電池の一態様では、上記中心C1および上記中心C2の、上記厚み方向に対する垂直方向における距離をG1、上記中心C3および前記中心C4の、上記垂直方向における距離をG2としたとき、上記G1および上記G2はG1>G2の関係を満たす。
【0008】
ここで開示される電池の一態様では、上記第1電極の捲き始めの端部は、上記第1領域に存在しており、上記垂直方向において、上記中心C1は前記中心C2よりも、上記捲回電極体の捲回軸から離れた位置に存在する。
【0009】
ここで開示される電池の一態様では、底壁と、上記底壁から延び相互に対向する一対の第1側壁と、上記底壁から延び相互に対向する一対の第2側壁と、上記底壁に対向する開口部と、を有する外装体と、上記開口部を封口する封口板と、を備えており、上記捲回電極体は、上記捲回軸が前記底壁に沿うように配置されており、上記中心C3および上記中心C4は、上記捲回軸よりも上記封口板側に存在する。
【0010】
ここで開示される電池の一態様では、上記捲回電極体は、さらに上記第1電極において第5タブおよび第6タブを備えており、上記第5タブは、上記厚み方向において、上記第1タブおよび上記第3タブの間に配置されており、上記第6タブは、上記厚み方向において、上記第2タブおよび上記第4タブの間に配置されおり、上記捲回電極体の捲回軸方向における一方の端部において、上記第5タブの根元幅の中心を中心C5、上記第6タブの根元幅の中心を中心C6として、上記中心C5および上記中心C6の、上記垂直方向における距離をG3としたとき、上記G1、上記G2、および上記G3は、G2<G3<G1の関係を満たす。
【0011】
ここで開示される電池の一態様では、上記中心C1と、上記中心C3とを通る直線を第1直線、上記中心C2と、上記中心C4とを通る直線を第2直線としたとき、上記第1直線および上記第2直線は、上記厚み方向に対して傾斜を有する。
【0012】
ここで開示される電池の一態様では、上記垂直方向において、上記第1直線と上記第2直線とが一直線上に存在しない。
【0013】
ここで開示される電池の一態様では、上記第1直線および上記第2直線は、上記厚み方向において、同じ方向に傾斜している。
【0014】
ここで開示される電池の好適な一態様では、上記複数のタブは、集箔された状態で前記第1電極集電部に接続されており、上記第1タブは上記第3タブよりも上記第1電極集電部に近接しており、上記第3タブの突出方向における長さは、上記第1タブの突出方向における長さよりも大きく、上記第4タブの突出方向における長さは、上記第2タブの突出方向における長さよりも小さい。かかる構成によると、複数のタブを集箔した際に、該複数のタブの先端部分の位置を好適に揃えることができるため、好ましい。
【0015】
ここで開示される電池の一態様では、上記複数のタブは、集箔された状態で前記第1電極集電部に接続されており、上記第1タブは上記第3タブよりも上記第1電極集電部に近接しており、上記一方の端部において、上記第3タブの根元幅は、上記第1タブの根元幅よりも大きく、上記第4タブの根元幅は、上記第2タブの根元幅よりも小さい。
【0016】
ここで開示される電池の好適な一態様では、上記複数のタブは、湾曲した状態で上記第1電極集電部に接続されている。かかる構成によると、体積エネルギー密度の高い電池を得ることができるため、好ましい。
【0017】
ここで開示される電池の一態様では、上記捲回電極体の一対の端面は、平坦部と、該平坦部の両端に設けられた一対の湾曲部を備えており、上記第1電極の捲き終わりの端部は、上記湾曲部に配置されている。
【0018】
ここで開示される電池の一態様では、上記捲回電極体の捲回軸方向における他方の端部から、上記第2電極に接続された複数の第2電極タブが突出している。
【0019】
ここで開示される電池の一態様では、上記電池ケース内には、2つの上記捲回電極体が配置されており、上記2つの捲回電極体の上記G1の値が異なる、および/または、上記2つの捲回電極体の前記G2の値が異なる。
【0020】
ここで開示される電池の一態様では、上記2つの上記捲回電極体のうち一方の上記捲回電極体の上記G1は、他方の上記捲回電極体の前記G1よりも大きい。
【0021】
ここで開示される電池の一態様では、上記一方の捲回電極体の上記G1と、上記他方の捲回電極体の上記G1との差は、上記一方の捲回電極体の上記G2と、上記他方の捲回電極体の上記G2との差よりも大きい。
【0022】
ここで開示される電池の一態様では、上記電池ケース内には、さらにもう1つの上記捲回電極体である第3電極体が配置されており、上記第3電極体の上記G1は、上記一方の捲回電極体の上記G1および上記他方の捲回電極体の上記G1と異なる、および/または、上記第3電極体の上記G2は、上記一方の捲回電極体の上記G3および上記他方の捲回電極体の上記G2と異なる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】一実施形態に係る電池を模式的に示す斜視図である。
図2図1のII-II線に沿う模式的な縦断面図である。
図3図1のIII-III線に沿う模式的な縦断面図である。
図4図1のIV-IV線に沿う模式的な横断面図である。
図5】封口板に取り付けられた電極体群を模式的に示す斜視図である。
図6】正極第2集電部および負極第2集電部が取り付けられた電極体を模式的に示す斜視図である。
図7】一実施形態に係る捲回電極体の構成を示す模式図である。
図8A】一実施形態に係る捲回電極体の正極側の一端面を示す模式図である。
図8B】一実施形態に係る捲回電極体の正極側の一端面を示す模式図である。
図9】正極端子と負極端子と正極第1集電部と負極第1集電部と正極絶縁部材と負極絶縁部材とが取り付けられた封口板を模式的に示す斜視図である。
図10図9の封口板を裏返した斜視図である。
図11A】一実施形態に係る正極(正極シート)を模式的に示す図である。
図11B】一実施形態に係る負極(負極シート)を模式的に示す図である。
図12】一実施形態に係る電池の製造方法における捲回体の作製について説明するための模式的な図である。
図13A】一実施形態に係る電池の製造方法における捲回体の成形について説明するための模式的な図である。
図13B】一実施形態に係る電池の製造方法における捲回体の成形について説明するための模式的な説明図である。
図14】第2実施形態に係る捲回電極体の正極側の一端面を示す模式図である。
図15】第3実施形態に係る捲回電極体の正極側の一端面を示す模式図である。
図16】第4実施形態に係る捲回電極体の正極側の一端面を示す模式図である。
図17】第5実施形態に係る捲回電極体の正極側の一端面を示す模式図である。
図18】第6実施形態に係る捲回電極体の正極側の一端面を示す模式図である。
図19】第7実施形態に係る捲回電極体の正極側の一端面を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照しながら、ここで開示される技術のいくつかの好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本開示の実施に必要な事柄(例えば、本開示を特徴付けない電池の一般的な構成および製造プロセス)は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本開示は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。また、以下の説明は、ここで開示される技術を以下の実施形態に限定することを意図したものではない。なお、本明細書において範囲を示す「A~B」の表記は、A以上B以下の意と共に、Aを上回りBを下回る意を包含するものとする。
【0025】
なお、本明細書において「電池」とは、電気エネルギーを取り出し可能な蓄電デバイス全般を指す用語であって、一次電池と二次電池とを包含する概念である。また、本明細書において「二次電池」とは、繰り返し充放電が可能な蓄電デバイス全般を指す用語であって、リチウムイオン二次電池やニッケル水素電池等のいわゆる蓄電池(化学電池)と、電気二重層キャパシタ等のキャパシタ(物理電池)と、を包含する概念である。
【0026】
<電池の構成の概要>
図1は、電池100の斜視図である。図2は、図1のII-II線に沿う模式的な縦断面図である。図3は、図1のIII-III線に沿う模式的な縦断面図である。図4は、図1のIV-IV線に沿う模式的な横断面図である。以下の説明において、図面中の符号L、R、F、Rr、U、Dは、左、右、前、後、上、下を表し、図面中の符号X、Y、Zは、電池100の短辺方向、短辺方向と直交する長辺方向、上下方向を、それぞれ表すものとする。ただし、これらは説明の便宜上の方向に過ぎず、電池100の設置形態を何ら限定するものではない。
【0027】
図2に示すように、電池100は、電池ケース10と、電極体20と、を備えている。また、本実施形態に係る電池100は、電池ケース10と電極体20の他に、正極端子30と、正極外部導電部材32と、負極端子40と、負極外部導電部材42と、外部絶縁部材92と、正極集電部50と、負極集電部60と、正極内部絶縁部材70と、負極内部絶縁部材80と、を備えている。また、図示は省略するが、本実施形態に係る電池100は、さらに電解液を備えている。電池100は、ここではリチウムイオン二次電池である。電池100の内部抵抗は、例えば0.2~2.0mΩ程度であり得る。
【0028】
電池ケース10は、電極体20を収容する筐体である。電池ケース10は、ここでは扁平かつ有底の直方体形状(角形)の外形を有する。電池ケース10の材質は、従来から使用されているものと同じでよく、特に制限はない。電池ケース10は、所定の強度を有する金属製であることが好ましい。具体的には、電池ケース10に使用される金属の引張強度は、50N/mm~200N/mm程度が適切である。また、電池ケース10に使用される金属の物性値(剛性率)は、20GPa~100GPa程度が好適である。この種の金属材料の一例として、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄、鉄合金等が挙げられる。
【0029】
そして、電池ケース10は、外装体12と、封口板14と、ガス排出弁17を備えている。外装体12は、一つの面が開口部12hとなった扁平な角型(六面体形状)の容器である。具体的には、外装体12は、図1に示すように、略矩形状の底壁12aと、底壁12aの短辺から上方Uに延びて相互に対向する一対の第1側壁12bと、底壁12aの長辺から上方Uに延びて相互に対向する一対の第2側壁12cと、を備えている。第2側壁12cの面積は、第1側壁12bの面積よりも小さい。そして、開口部12hは、上記一対の第1側壁12bと一対の第2側壁12cに囲まれた外装体12の上面に形成されている。封口板14は、外装体12の開口部12hを塞ぐように外装体12に取り付けられている。封口板14は、平面視において略矩形状の板材である。封口板14は、外装体12の底壁12aと対向している。電池ケース10は、外装体12の開口部12hの周縁に封口板14が接合(例えば溶接接合)されることによって形成される。封口板14の接合は、例えばレーザ溶接等の溶接によって行うことができる。
【0030】
図1および図2に示すように、ガス排出弁17は、封口板14に形成されている。ガス排出弁17は、電池ケース10内の圧力が所定値以上になった際に開口して、電池ケース10内のガスを排出するように構成される。
【0031】
また、封口板14には、上記ガス排出弁17の他に、注液孔15と、2つの端子挿入穴18、19と、が設けられている。注液孔15は、外装体12の内部空間と連通しており、電池100の製造工程において電解液を注液するために設けられた開口である。注液孔15は、封止部材16により封止されている。かかる封止部材16としては、例えば、ブラインドリベットが好適である。これによって、電池ケース10の内部で封止部材16を強固に固定できる。
【0032】
図5は、封口板14に取り付けられた電極体20を模式的に示す斜視図である。本実施形態では、複数個(ここでは3個)の電極体20a、20b、20cが電池ケース10の内部に収容される。なお、1つの電池ケース10の内部に収容される電極体20の数は特に限定されず、1つであってもよいし、2つ以上(複数)であってもよい。なお、図2に示すように、各々の電極体20の長辺方向Yの一方側(図2の左側)には正極集電部50が配置され、長辺方向Yの他方(図2の右側)には負極集電部60が配置される。そして、電極体20a、20b、20cの各々は、並列に接続されている。ただし、電極体20a、20b、20cは、直列に接続されていてもよい。電極体20は、ここでは樹脂製シートからなる電極体ホルダ29(図3参照)に覆われた状態で、捲回軸WLが底壁12aに沿うようにして、電池ケース10の外装体12の内部に収容される。
【0033】
図6は、電極体20aを模式的に示す斜視図である。図7は、電極体20aの構成を示す模式図である。なお、以下では電極体20aを例として詳しく説明するが、電極体20b、20cについても同様の構成とすることができる。
【0034】
図7に示すように、電極体20aは、正極22と負極24とセパレータ26とを有する。電極体20aは、ここでは、帯状の正極22と帯状の負極24とが2枚の帯状のセパレータ26を介して積層され、捲回軸WLを中心として捲回された捲回電極体である。ただし、電極体の構造は、ここに開示される技術を限定するものではない。例えば、電極体は、複数枚の方形状(典型的には矩形状)の正極と、複数枚の方形状(典型的には矩形状)の負極とが、絶縁された状態で積み重ねられてなる積層電極体であってもよい。
【0035】
電極体20aは、扁平形状を有している。電極体20aは、捲回軸WLが長辺方向Yと略平行になる向きで、外装体12の内部に配置されている。具体的には、図3に示すように、電極体20aは、外装体12の底壁12aおよび封口板14と対向する一対の湾曲部(R部)20rと、一対の湾曲部20rを連結し、外装体12の第2側壁12cに対向する平坦部20fとを有している。平坦部20fは、第2側壁12cに沿って延びている。
【0036】
正極22は、図7に示すように、正極集電体22cと、当該正極集電体22cの少なくとも一方の表面上に固着された正極活物質層22aおよび正極保護層22pと、を有する。ただし、正極保護層22pは必須ではなく、他の実施形態において省略することもできる。正極集電体22cは、帯状である。正極集電体22cは、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレス鋼等の導電性金属からなっている。正極集電体22cは、ここでは金属箔、具体的にはアルミニウム箔である。
【0037】
正極集電体22cの長辺方向Yの一方の端部(図7の左端部)には、複数の正極タブ22tが設けられている。複数の正極タブ22tは、帯状の正極22の長手方向に沿って間隔を置いて(間欠的に)設けられている。複数の正極タブ22tは、捲回軸WLの軸方向の一方側(図7の左側)に向かって、セパレータ26よりも外側に突出している。なお、正極タブ22tは、捲回軸WLの軸方向の他方(図7で示すと右側)に設けられていてもよいし、捲回軸WLの軸方向の両側の各々に設けられていてもよい。正極タブ22tは、正極集電体22cの一部であり、金属箔(アルミニウム箔)からなっている。ただし、正極タブ22tは、正極集電体22cとは別の部材であってもよい。正極タブ22tの少なくとも一部には、正極活物質層22aおよび正極保護層22pが形成されずに、正極集電体22cが露出した領域が形成される。
【0038】
図4に示すように、複数の正極タブ22tは、捲回軸WLの軸方向の一方の端部(図4の左端部)で積層され、正極タブ群23を構成する。そして、複数の正極タブ22tの各々は、折り曲げられた状態で正極集電部50に接続されている。これにより、電池ケース10内に収容される電極体群20の本体部のサイズを大きくすることができるため、電池100を高エネルギー密度化することができる。図2に示すように、正極タブ群23は、正極集電部50を介して正極端子30と電気的に接続される。具体的には、正極タブ群23と正極第2集電部52とは接続部Jにおいて接続される(図4参照)。いくつかの態様において、正極集電体22cの長尺方向に対する垂直方向における幅(図7の22vを参照)は、例えば10cm以上であり、好ましくは20cm以上であり、より好ましくは25cm以上である。負極集電体24cについても同様である。
【0039】
そして、正極第2集電部52は、正極第1集電部51を介して正極端子30と電気的に接続される。なお、複数の正極タブ22tのサイズ(長辺方向Yに沿った長さおよび長辺方向Yに直交する幅、図7参照)は、正極集電部50に接続される状態を考慮し、例えばその形成位置等によって、適宜調整することができる。ここでは、湾曲させたときに外方側の端が揃うように、複数の正極タブ22tの各々のサイズが相互に異なっている。なお、ここで開示される技術は、正極タブの各々のサイズが同じ場合についても適用することができる。また、正極タブ22tは台形状であるが、ここで開示される技術は、正極タブが他の形状(例えば、矩形状等)である場合についても適用することができる。また、いくつかの態様において、捲回電極体における正極の積層数をM、正極が有する正極タブの枚数をNとしたとき、比(N/M)は、例えば0.5以上であり、好ましくは0.6以上であり、より好ましくは0.8以上であり、さらに好ましくは0.9以上(1でもよい)である。負極の対応する部分についても同様である。なお、Mは10以上が好ましく、20以上がより好ましく、30以上がさらに好ましい。
【0040】
図7に示すように、正極活物質層22aは、帯状の正極集電体22cの長手方向に沿って、帯状に設けられている。正極活物質層22aは、電荷担体を可逆的に吸蔵および放出可能な正極活物質(例えば、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物等のリチウム遷移金属複合酸化物)を含んでいる。正極活物質層22aの固形分全体を100質量%としたときに、正極活物質は、概ね80質量%以上、典型的には90質量%以上、例えば95質量%以上を占めていてもよい。正極活物質層22aは、正極活物質以外の任意成分、例えば、導電材、バインダ、各種添加成分等を含んでいてもよい。導電材としては、例えばアセチレンブラック(AB)等の炭素材料を使用し得る。バインダとしては、例えばポリフッ化ビニリデン(PVdF)等を使用し得る。
【0041】
正極保護層22pは、図7に示すように、長辺方向Yにおいて正極集電体22cと正極活物質層22aとの境界部分に設けられている。正極保護層22pは、ここでは正極集電体22cの捲回軸WLの軸方向の一方の端部(図7の左端部)に設けられている。ただし、正極保護層22pは、軸方向の両端部に設けられていてもよい。正極保護層22pは、正極活物質層22aに沿って、帯状に設けられている。正極保護層22pは、無機フィラー(例えば、アルミナ)を含んでいる。正極保護層22pの固形分全体を100質量%としたときに、無機フィラーは、概ね50質量%以上、典型的には70質量%以上、例えば80質量%以上を占めていてもよい。正極保護層22pは、無機フィラー以外の任意成分、例えば、導電材、バインダ、各種添加成分等を含んでいてもよい。導電材およびバインダは、正極活物質層22aに含み得るとして例示したものと同じであってもよい。
【0042】
負極24は、図7に示すように、負極集電体24cと、負極集電体24cの少なくとも一方の表面上に固着された負極活物質層24aと、を有する。負極集電体24cは、帯状である。負極集電体24cは、例えば銅、銅合金、ニッケル、ステンレス鋼等の導電性金属からなっている。負極集電体24cは、ここでは金属箔、具体的には銅箔である。
【0043】
負極集電体24cの捲回軸WLの軸方向の一方の端部(図7の右端部)には、複数の負極タブ24tが設けられている。複数の負極タブ24tは、帯状の負極24の長手方向に沿って間隔を置いて(間欠的に)設けられている。複数の負極タブ24tの各々は、軸方向の一方側(図7の右側)に向かって、セパレータ26よりも外側に突出している。ただし、負極タブ24tは、軸方向の他方の端部(図7の左端部)に設けられていてもよいし、軸方向の両端部の各々に設けられていてもよい。負極タブ24tは、負極集電体24cの一部であり、金属箔(銅箔)からなっている。ただし、負極タブ24tは、負極集電体24cとは別の部材であってもよい。負極タブ24tの少なくとも一部には、負極活物質層24aが形成されずに、負極集電体24cが露出した領域が設けられている。
【0044】
図4に示すように、複数の負極タブ24tは、軸方向の一方の端部(図4の右端部)で積層されて負極タブ群25を構成する。負極タブ群25は、軸方向において、正極タブ群23と対称的な位置に設けられていることが好ましい。そして、複数の負極タブ24tの各々は、折り曲げられた状態で負極集電部60に接続されている。これにより、電池ケース10内に収容される電極体群20の本体部のサイズを大きくすることができるため、電池100を高エネルギー密度化することができる。図2に示すように、負極タブ群25は、負極集電部60を介して負極端子40と電気的に接続されている。具体的には、負極タブ群25と負極第2集電部62とは接続部Jにおいて接続される(図4参照)。そして、負極第2集電部62は、負極第1集電部61を介して負極端子40と電気的に接続される。複数の正極タブ22tと同様に、ここでは、湾曲させたときの外方側の端が揃うように、複数の負極タブ24tの各々サイズが相互に異なっている。なお、ここで開示される技術は、負極タブの各々のサイズが同じ場合についても適用することができる。また、負極タブ24tは台形状であるが、ここで開示される技術は、負極タブが他の形状(例えば、矩形状等)である場合についても適用することができる。
【0045】
図7に示すように、負極活物質層24aは、帯状の負極集電体24cの長手方向に沿って、帯状に設けられている。負極活物質層24aは、電荷担体を可逆的に吸蔵および放出可能な負極活物質(例えば、黒鉛等の炭素材料)を含んでいる。負極活物質層24aの固形分全体を100質量%としたときに、負極活物質は、概ね80質量%以上、典型的には90質量%以上、例えば95質量%以上を占めていてもよい。負極活物質層24aは、負極活物質以外の任意成分、例えば、バインダ、分散剤、各種添加成分等を含んでいてもよい。バインダとしては、例えばスチレンブタジエンゴム(SBR)等のゴム類を使用し得る。分散剤としては、例えばカルボキシメチルセルロース(CMC)等のセルロール類を使用し得る。
【0046】
セパレータ26は、図7に示すように、正極22の正極活物質層22aと、負極24の負極活物質層24aと、を絶縁する部材である。セパレータ26としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン樹脂からなる樹脂製の多孔性シートが好適である。セパレータ26は、樹脂製の多孔性シートからなる基材部と、基材部の少なくとも一方の表面上に設けられ、無機フィラーを含む耐熱層(Heat Resistance Layer:HRL)と、を有していてもよい。無機フィラーとしては、例えば、アルミナ、ベーマイト、水酸化アルミニウム、チタニア等を使用し得る。
【0047】
電解液は従来と同様でよく、特に制限はない。電解液は、例えば、非水系溶媒と支持塩とを含有する非水電解液である。非水系溶媒は、例えば、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート等のカーボネート類を含んでいる。支持塩は、例えば、LiPF等のフッ素含有リチウム塩である。ただし、電解液は固体状(固体電解質)で、電極体群20と一体化されていてもよい。
【0048】
正極端子30は、図2に示すように、封口板14の長辺方向Yの一方の端部(図2の左端部)に形成された端子挿入穴18に挿入されている。正極端子30は、金属製であることが好ましく、例えばアルミニウムまたはアルミニウム合金からなることがより好ましい。一方、負極端子40は、封口板14の長辺方向Yの他方の端部(図2の右端部)に形成された端子挿入穴19に挿入されている。なお、負極端子40は、金属製であることが好ましく、例えば銅または銅合金からなることがより好ましい。これらの電極端子(正極端子30、負極端子40)は、ここでは、電池ケース10の同じ面(具体的には封口板14)からそれぞれ突出している。ただし、正極端子30および負極端子40は、電池ケース10の異なる面からそれぞれ突出していてもよい。また、端子挿入穴18、19に挿入された電極端子(正極端子30、負極端子40)は、カシメ加工などによって封口板14に固定されていることが好ましい。
【0049】
上述したとおり、正極端子30は、図2に示すように、外装体12の内部で正極集電部50(正極第1集電部51、正極第2集電部52)を介して、各々の電極体の正極22(図7参照)と電気的に接続される。正極端子30は、正極内部絶縁部材70およびガスケット90によって、封口板14と絶縁される。なお、正極内部絶縁部材70は、正極第1集電部51と封口板14との間に介在するベース部70aと、当該ベース部70aから電極体群20側に突出する突出部70bとを備えている。そして、端子挿入穴18を通じて電池ケース10の外部に露出した正極端子30は、封口板14の外部において正極外部導電部材32と接続される。一方、負極端子40は、図2に示すように、外装体12の内部で負極集電部60(負極第1集電部61、負極第2集電部62)を介して、各々の電極体の負極24(図7参照)と電気的に接続される。負極端子40は、負極内部絶縁部材80およびガスケット90によって、封口板14と絶縁される。なお、正極内部絶縁部材70と同様に、負極内部絶縁部材80も、負極第1集電部61と封口板14との間に介在するベース部80aと、当該ベース部80aから電極体群20側に突出する突出部80bとを備えている。そして、端子挿入穴19を通じて電池ケース10の外部に露出した負極端子40は、封口板14の外部において負極外部導電部材42と接続される。そして、上述した外部導電部材(正極外部導電部材32、負極外部導電部材42)と封口板14の外面との間には、外部絶縁部材92が介在している。かかる外部絶縁部材92によって外部導電部材32、42と封口板14とを絶縁できる。また、上述した内部絶縁部材(正極内部絶縁部材70、負極内部絶縁部材80)の突出部70b、80bは、封口板14と電極体群20との間に配置される。かかる内部絶縁部材の突出部70b、80bによって、上方への電極体群20の移動が規制され、封口板14と電極体群20との接触を防止できる。
【0050】
次に、図8Aおよび図8Bを参照しつつ、本実施形態に係る電極体20aの正極側の端面の態様について説明する。先ず、図8Aおよび図8Bの各構成要素について説明する。なお、図8Aおよび図8Bでは、説明し易くするために、電極体20aが備える複数の正極タブ22tのなかでも今回注目したい4枚の正極タブ22t(具体的には、第1タブ22t,第2タブ22t,第3タブ22t,および第4タブ22t)のみを掲載している。換言すると、電極体20aは、図8Aおよび図8Bに掲載されている正極タブ22t以外にも複数のタブを備えている。電極体20aは、その厚み方向X(換言すると、電極体20aの積層方向)において、捲回軸WLよりも一方側に存在する第1領域Pと、該捲回軸WLよりも他方側に存在する第2領域Qとを備えている。そして、第1タブ22tは、第1領域Pに存在する正極タブ22tのうち、厚み方向Xにおいて捲回軸WLに最も近い位置(最も内周側)に存在しており、第2タブ22tは、第2領域Qに存在する正極タブ22tのうち、厚み方向Xにおいて捲回軸WLに最も近い位置(最も内周側)に存在している。また、第3タブ22tは、第1領域Pに存在する正極タブ22tのうち、厚み方向Xにおいて捲回軸WLから最も遠い位置(最も外周側)に存在しており、第4タブ22tは、第2領域Qに存在する正極タブ22tのうち、厚み方向Xにおいて捲回軸WLから最も遠い位置(最も外周側)に存在している。そして、第1タブ22tの根元幅の中心C1と、第2タブ22tの根元幅の中心C2との、厚み方向Xに対する垂直方向Zにおける距離をG1、第3タブ22tの根元幅の中心C3と、第4タブ22tの根元幅の中心C4との、該垂直方向Zにおける距離がG2と規定している。なお、正極タブ22tの根元幅とは、正極集電体22c(の本体部分)と正極タブ22tとの境界部分の幅(図7の22w)を示すものとする。負極タブ24tの根元幅に関しても、負極24の対応する部分を示すものとする。
【0051】
図8Aに示すように、本実施形態に係る電極体20aの正極側の端面では、第1タブ22tの根元幅の中心C1と、第3タブ22tの根元幅の中心C3とが、垂直方向Zにおいてずれた状態で配置されており、第2タブ22tの根元幅の中心C2と、第4タブ22tの根元幅の中心C4とが、垂直方向Zにおいてずれた状態で配置されている。かかる構成によると、タブ折れが発生し易いとされる最内周付近のタブ(ここでは、第1タブ22t,第2タブ22t)において折れが生じていないかを好適に確認することができる。そして、タブに折れが生じていないものを選択して用いることで、複数のタブと集電部とが安定的に接続された信頼性の高い電池を得ることができる。
【0052】
図8Bに示すように、本実施形態では、中心C1および中心C2の、垂直方向Zにおける距離をG1、中心C3および中心C4の、垂直方向Zにおける距離をG2としたとき、G1およびG2はG1>G2の関係を満たす。
【0053】
図8Aに示すように、本実施形態では、正極22の捲き始めの端部27は、第1領域Pに存在している。そして、垂直方向Zにおいて、中心C1は中心C2よりも捲回軸WLから離れた位置に存在する。また、本実施形態では、正極22の捲き終わりの端部28は、電極体20aの湾曲部20rに配置されている。また、図8Aに示すように、本実施形態では、中心C3および中心C4は、捲回軸WLよりも封口板14側に存在する。ただし、これらの構成に限定されることを意図したものではない。
【0054】
図8Bに示すように、本実施形態では、中心C1と、中心C3とを通る直線を第1直線L1、中心C2と、中心C4とを通る直線を第2直線L2としたとき、第1直線L1および第2直線L2は、厚み方向Xに対して傾斜を有している。また、垂直方向Zにおいて、第1直線L1と第2直線L2とが一直線上に存在しない。そして、第1直線L1および第2直線L2は、厚み方向Xにおいて、同じ方向に傾斜している。ここで、直線L1と厚み方向Xとがなす角度θaおよび直線L2と厚み方向Xとがなす角度θbの値は、ここで開示される技術の効果が発揮される限りにおいて特に制限されない。一方、最内周のタブ(ここでは、第1タブ22tおよび第2タブ22t)のタブ折れをより確認し易くするという観点から、角度θaおよび角度θbは大きい場合が好ましい。角度θaおよび角度θbは、例えば15°以上であり、好ましくは30°以上であり、より好ましくは45°以上である(上限は、例えば70°とすることができる)。角度θa,θbの大きさは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。なお、後述する第2~第7実施形態に関しても同様である。かかる角度は、例えば画像測定機等によって測定することができる。
【0055】
詳細については図示していないが、本実施形態では、複数の正極タブ22tは、集箔された状態で正極集電部50に接続されており、第1タブ22tは第3タブ22tよりも正極集電部50に近接している。そして、第3タブ22tの突出方向における長さは、第1タブ22tの突出方向における長さよりも大きく、第4タブ22tの突出方向における長さは、第2タブ22tの突出方向における長さよりも小さい。ここで、正極タブ22tの突出方向における長さとは、正極タブ22tの根元から該正極タブ22tの突出方向(即ち、Y方向)における先端に至るまでの最短距離(図7の22z)を示すものとする。なお、負極24に関しても対応する部分を示すものとする。また、第3タブ22tの根元幅は、第1タブ22tの根元幅よりも大きく、第4タブ22tの根元幅は、第2タブ22tの根元幅よりも小さい。
【0056】
いくつかの態様において、G2の値は、例えば15mm以下であり、好ましくは12mm以下であり、より好ましくは5mm以下であり、さらに好ましくは2mm以下(例えば、1mm以下)である。また、いくつかの態様において、G1の値は、例えば20mm以下であり、好ましくは15mm以下であり、より好ましくは10mm以下であり、さらに好ましくは5mm以下である。なお、G1およびG2の値は、例えば定規等で測定することができる。後述するG3についても同様である。
【0057】
<電池の製造方法>
続いて、本実施形態に係る電池の製造方法の一例について説明する。電池100は、上記したような電池ケース10(外装体12および封口板14)と、電極体群20(電極体20a、20b、20c)と、電解液と、正極端子30と、負極端子40と、正極集電部50(正極第1集電部51および正極第2集電部52)と、負極集電部60(負極第1集電部61および負極第2集電部62)と、正極内部絶縁部材70と負極内部絶縁部材80と、を用意し、例えば、第1取付工程と、第2取付工程と、挿入工程と、封口工程と、を含む製造方法によって製造することができる。また、ここに開示される製造方法は、任意の段階でさらに他の工程を含んでもよい。
【0058】
第1取付工程では、図9図10に示すような第1合体物を作製する。具体的にはまず、封口板14に、正極端子30と、正極第1集電部51と、正極内部絶縁部材70と、負極端子40と、負極第1集電部61と、負極内部絶縁部材80と、を取り付ける。
【0059】
正極端子30と正極第1集電部51と正極内部絶縁部材70とは、例えば、かしめ加工(リベッティング)によって封口板14に固定する。かしめ加工は、封口板14の外側の表面と正極端子30との間にガスケット90を挟み、さらに封口板14の内側の表面と正極第1集電部51との間に正極内部絶縁部材70を挟んで行われる。なお、ガスケット90の材質は、正極内部絶縁部材70と同様であってもよい。詳しくは、かしめ加工前の正極端子30を、封口板14の上方から、ガスケット90の貫通孔と、封口板14の端子挿入穴18と、正極内部絶縁部材70の貫通孔と、正極第1集電部51の貫通孔51hと、に順番に挿入して、封口板14の下方に突出させる。そして、上下方向Zに対して圧縮力が加わるように正極端子30の封口板14よりも下方に突出した部分をかしめる。これにより、正極端子30の先端部(図2の下端部)に、かしめ部を形成する。
【0060】
このようなかしめ加工によって、ガスケット90と封口板14と正極内部絶縁部材70と正極第1集電部51とが封口板14に一体に固定されるとともに、端子挿入穴18がシールされる。なお、かしめ部は、正極第1集電部51に溶接接合されていてもよい。これにより、導通信頼性をさらに向上することができる。
【0061】
負極端子40と、負極第1集電部61と、負極内部絶縁部材80との固定は、上記した正極側と同様に行うことができる。すなわち、かしめ加工前の負極端子40を、封口板14の上方から、ガスケットの貫通孔と、封口板14の端子挿入穴19と、負極内部絶縁部材80の貫通孔と、負極第1集電部61の貫通孔61hと、に順番に挿入して、封口板14の下方に突出させる。そして、上下方向Zに対して圧縮力が加わるように負極端子40の封口板14よりも下方に突出した部分をかしめる。これにより、負極端子40の先端部(図2の下端部)に、かしめ部を形成する。
【0062】
次に、封口板14の外側の表面に、外部絶縁部材92を介して、正極外部導電部材32と負極外部導電部材42とを取り付ける。なお、外部絶縁部材92の材質は、正極内部絶縁部材70と同様であってもよい。また、正極外部導電部材32と負極外部導電部材42とを取り付けるタイミングは、挿入工程の後(例えば注液孔15を封止した後)であってもよい。
【0063】
続いて、電極体20a、20b、20cを準備する。具体的には、先ず、長尺状のセパレータ26、正極22(図11Aを参照)、および負極24(図11Bを参照)を準備する。次に、図12に示すように、上記準備したセパレータ26、正極22、および負極24を、搬送ローラー202を用いて捲き芯201まで搬送し、該捲き芯201に捲きつけることによって捲回体200を作製する。捲き芯201としては、ここでは円筒状のものを用いているが、これに限定されず、例えば扁平形状のものを用いてもよい。幅方向Yの一方(図7中の左側)の側縁から正極22の正極タブ22tのみが突出し、かつ、他方(図7中の右側)の側縁から負極24の負極タブ24tのみが突出するように、各々のシートを捲回する。なお、捲回数は、目的とする電池100の性能や製造効率などを考慮して適宜調節することが好ましい。いくつかの態様において、かかる捲回数は20以上、あるいは30以上とすることができる。
【0064】
ここで、中心C1および中心C3と、中心C2および中心C4が、垂直方向Zにおいてずれた位置で配置されるようにする方法の一例としては、正極22を捲き芯201に捲きつけ始めるタイミング(以下、単に「捲きつけタイミング」ともいう)を調整する方法が挙げられる。なお、捲きつけタイミングは、使用する捲回装置の種類や、セパレータ・正極・負極のサイズ等によって異なるため、当業者は適宜予備試験等を実施することによって、捲きつけタイミングを決定することができる。また、例えば、後述する成形工程において捲回体をプレス成形する際に、該捲回体を押しつぶす位置を変更することで調整することもできる。あるいは、正極において複数の正極タブの長手方向の間隔を変更したり、正極を捲き芯に捲きつける際に該正極にかかるテンションを変更したりすることによっても、調整することができる。なお、これらの方法を適宜組み合わせて調整を行うこともできる。一方、上記列挙したなかでも、より簡便に、かつ、再現性よく変更するという観点から、正極を捲き芯に捲きつけるタイミングを調整する方法や、捲回体をプレス成形する際の該捲回体を押しつぶす位置を変更することが好ましい。
【0065】
次に、上記作製した捲回体200を扁平状に成形する。具体的には、本実施形態では、図13Aに示すようなプレス機204に捲回体を配置した後、白抜き矢印方向にプレスすることで、図13Bに示すような扁平状の捲回電極体(電極体20a)を得る。ここで、プレス圧は、捲回体の捲回数や大きさ等に応じて適宜調整されることが好ましい。図3に示すように、プレス成形後の扁平形状の捲回電極体は、外表面が湾曲した一対の湾曲部20rと、当該一対の湾曲部20rを連結する外表面が平坦な平坦部20fとを有している。また、図7に示すように、プレス成形後の扁平形状の捲回電極体の幅方向Yにおける一方の端部には、正極タブ22tが積層された正極タブ群23が形成され、他方の端部には、負極タブ24tが積層された負極タブ群25が形成される。そして、捲回電極体の幅方向Yの中央部には、正極活物質層22aと負極活物質層24aとが対向したコア部が形成される。また、プレス成形によって、セパレータ26の表面層と正極22(負極24)とを接着させることができる。
【0066】
また、本実施形態では、プレス成形後の捲回電極体(電極体20a)の最外周の面にセパレータ26が配置されており、かかるセパレータ26の捲き終わりの端部に捲止めテープを貼り付けることで、捲回電極体の形状を保持する。捲止めテープとしては、捲回電極体に使用される従来公知のものを特に制限なく用いることができる。なお、図8Aに示すように、本実施形態では、正極22の捲き終わりの端部が電極体20aの湾曲部20rに配置されている。以上のようにして、本実施形態に係る電極体20a、20b、20cを作製することができる。
【0067】
第2取付工程では、第1取付工程で作製した第1合体物を用いて、図5に示すような第2合体物を作製する。すなわち、封口板14と一体化された電極体群20を作製する。具体的にはまず、図6に示すように、正極第2集電部52および負極第2集電部62の付設された電極体20aを3つ用意し、電極体20a、20b、20cとして、短辺方向Xに並べて配置する。このとき、電極体20a、20b、20cは、いずれも、正極第2集電部52が長辺方向Yの一方側(図5の左側)に配置され、負極第2集電部62が長辺方向Yの他方側(図5の右側)に配置されるように、並列に並べてもよい。
【0068】
次に、図4に示すように複数の正極タブ22tを湾曲させた状態で、封口板14に固定された正極第1集電部51と、電極体20a、20b、20cの正極第2集電部52と、をそれぞれ接合する。また、複数の負極タブ24tを湾曲させた状態で、封口板14に固定された負極第1集電部61と、電極体20a、20b、20cの負極第2集電部62と、をそれぞれ接合する。接合方法としては、例えば、超音波溶接、抵抗溶接、レーザ溶接等の溶接を用いることができる。特に、レーザ等の高エネルギー線の照射による溶接を用いることが好ましい。このような溶接加工によって、正極第2集電部52の凹部および負極第2集電部62の凹部に、それぞれ接合部を形成する。
【0069】
挿入工程では、第2取付工程で作製した第2合体物を外装体12の内部空間に収容する。具体的には、まず、例えば、ポリエチレン(PE)等の樹脂材料からなる絶縁性の樹脂シートを、袋状または箱状に折り曲げて、電極体ホルダ29を用意する。次に、電極体ホルダ29に電極体群20を収容する。そして、電極体ホルダ29で覆われた電極体群20を、外装体12に挿入する。電極体群20の重量が重い場合、概ね1kg以上、例えば1.5kg以上、さらには2~3kgである場合は、外装体12の長側壁12bが重力方向と交差するように(外装体12を横向きに)配置して、電極体群20を外装体12に挿入するとよい。
【0070】
封口工程では、外装体12の開口部12hの縁部に封口板14を接合して、開口部12hを封止する。封口工程は、挿入工程と同時または挿入工程の後に行うことができる。封口工程では、外装体12と封口板14とが溶接接合されることが好ましい。外装体12と封口板14との溶接接合は、例えばレーザ溶接等で行うことができる。その後、注液孔15から電解液を注入し、注液孔15を封止部材16で塞ぐことによって、電池100を密閉する。以上のようにして、電池100を製造することができる。
【0071】
電池100は各種用途に利用可能であるが、使用時に振動や衝撃等の外力が加わり得る用途、例えば移動体(典型的には、乗用車、トラック等の車両)に搭載されるモータ用の動力源(駆動用電源)として好適に用いることができる。車両の種類は特に限定されないが、例えば、プラグインハイブリッド自動車(PHEV)、ハイブリッド自動車(HEV)、電気自動車(BEV)等が挙げられる。電池100は、複数の電池100を所定の配列方向に複数個並べて、配列方向から拘束機構で荷重を加えてなる組電池としても好適に用いることができる。
【0072】
以上、本開示のいくつかの実施形態について説明したが、上記実施形態は一例に過ぎない。本開示は、他にも種々の形態にて実施することができる。本開示は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。特許請求の範囲に記載の技術には、上記に例示した実施形態を様々に変形、変更したものが含まれる。例えば、上記した実施形態の一部を他の変形態様に置き換えることも可能であり、上記した実施形態に他の変形態様を追加することも可能である。また、その技術的特徴が必須なものとして説明されていなければ、適宜削除することも可能である。
【0073】
例えば、図14は、第2実施形態に係る電極体120aの正極側の一端面を示す模式図である。図14に示すように、第2実施形態では、中心C3および中心C4が厚み方向Xにおいて略一直線上に存在しており、かつ、中心C1および中心C2が、垂直方向Zにおいてずれた位置に存在している。
【0074】
例えば、図15は、第3実施形態に係る電極体220aの正極側の一端面を示す模式図である。図15に示すように、第3実施形態では、中心C1および中心C2が厚み方向Xにおいて略一直線上に存在しており、かつ、中心C3および中心C4が、垂直方向Zにおいてずれた位置に存在している。
【0075】
例えば、図16は、第4実施形態に係る電極体320aの正極側の一端面を示す模式図である。図16に示すように、第4実施形態では、中心C1および中心C2が厚み方向Xにおいて略一直線上に存在しており、かつ、中心C3および中心C4が、垂直方向Zにおいてずれた位置に存在している。
【0076】
例えば、図17は、第5実施形態に係る電極体420aの正極側の一端面を示す模式図である。図17に示すように、第5実施形態では、中心C1、中心C2、中心C3および中心C4が、垂直方向Zにおいてずれた位置に存在している。
【0077】
例えば、図18は、第6実施形態に係る電極体520aの正極側の一端面を示す模式図である。図18に示すように、第6実施形態では、中心C1、中心C2、中心C3および中心C4が、垂直方向Zにおいてずれた位置に存在している。
【0078】
また、図19は、第7実施形態に係る電極体620aの正極側の一端面を示す模式図である。図19に示すように、電極体620aは、正極22が、厚み方向Xにおいて、第1タブ22tおよび第3タブ22tの間に第5タブ22t、第2タブ22tおよび第4タブ22tの間に第6タブ22tを備えている。そして、第5タブ22tの根元幅の中心をC5、第6タブ22tの根元幅の中心をC6としたとき、中心C5および中心C6の垂直方向ZにおけるG3がG2<G3<G1となるように調整されている。かかる構成によると、かかる構成によると、タブ折れが発生し易いとされる最内周付近のタブ(ここでは、第1タブ22t,第2タブ22t)において折れが生じていないかをより好適に確認することができる。
【0079】
なお、上記第2実施形態~第7実施形態に係る電極体は、例えば上記実施形態(即ち、第1実施形態)に係る電極体の製造方法を参照して作製することができる。また、上記実施形態や第2~第6実施形態に関しても、第7実施形態のような第5タブや第6タブを備えていてもよい。
【0080】
例えば、上記実施形態では、ここで開示される技術を捲回電極体の正極側のみに適用しているが、これに限定されない。ここで開示される技術は、捲回電極体の負極側のみに適用されていてもよいし、捲回電極体の正極側および負極側に適用されていてもよい。また、捲回電極体の負極側に関しても、正極側の説明に基づいて負極タブの位置を変更することができる。
【0081】
例えば、電池が電極体を2つ含む場合、2つの電極体のG1の値は異なっていてもよいし、2つの電極体のG2の値は異なっていてもよい。また、いくつかの態様において、2つの電極体のうち一方の電極体のG1は、他方の電極体のG1よりも大きい態様とすることもできる。そして、いくつかの態様において、一方の電極体のG1と、他方の電極体のG1との差が、該一方の電極体のG2と、該他方の電極体のG2との差よりも大きい態様とすることもできる。
【0082】
例えば、電池がさらにもう1つの電極体である第3電極体を含んでおり、該第3電極体のG1は、一方の電極体のG1および他方の電極体のG1と異なっていてもよいし、該第3電極体のG2は、該一方の電極体のG3および該他方の電極体のG2と異なっていてもよい。
【0083】
以上、ここに開示される技術の実施形態について説明した。しかし、上述の説明は例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、上述の説明にて例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
【符号の説明】
【0084】
10 電池ケース
12 外装体
14 封口板
15 注液孔
16 封止部材
17 ガス排出弁
18、19 端子挿入穴
20 電極体群
20a~20c 電極体
22 正極
24 負極
26 セパレータ
27 捲き始めの端部
28 捲き終わりの端部
30 正極端子
32 正極外部導電部材
40 負極端子
42 負極外部導電部材
50 正極集電部
60 負極集電部
70 正極内部絶縁部材
80 負極内部絶縁部材
90 ガスケット
92 外部絶縁部材
100 電池
200 捲回体
201 捲き芯
202 搬送ローラー
204 プレス機
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9
図10
図11A
図11B
図12
図13A
図13B
図14
図15
図16
図17
図18
図19