IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ リードエックスプロ アーゲーの特許一覧

<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-25
(45)【発行日】2024-07-03
(54)【発明の名称】官能化されたアミノトリアジン
(51)【国際特許分類】
   C07D 401/14 20060101AFI20240626BHJP
   A61K 31/53 20060101ALI20240626BHJP
   A61K 31/5377 20060101ALI20240626BHJP
   A61P 1/04 20060101ALI20240626BHJP
   A61P 3/00 20060101ALI20240626BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20240626BHJP
   A61P 11/00 20060101ALI20240626BHJP
   A61P 11/08 20060101ALI20240626BHJP
   A61P 13/12 20060101ALI20240626BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20240626BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20240626BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20240626BHJP
   A61P 37/06 20060101ALI20240626BHJP
   A61P 37/08 20060101ALI20240626BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240626BHJP
   C07D 405/14 20060101ALI20240626BHJP
   C07D 413/14 20060101ALI20240626BHJP
   C07D 417/14 20060101ALI20240626BHJP
【FI】
C07D401/14 CSP
A61K31/53
A61K31/5377
A61P1/04
A61P3/00
A61P9/00
A61P11/00
A61P11/08
A61P13/12
A61P25/00
A61P29/00
A61P35/00
A61P37/06
A61P37/08
A61P43/00 111
C07D405/14
C07D413/14
C07D417/14
【請求項の数】 25
(21)【出願番号】P 2021547894
(86)(22)【出願日】2019-10-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-20
(86)【国際出願番号】 EP2019078789
(87)【国際公開番号】W WO2020083957
(87)【国際公開日】2020-04-30
【審査請求日】2022-10-17
(31)【優先権主張番号】18202231.9
(32)【優先日】2018-10-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】521177290
【氏名又は名称】リードエックスプロ アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ナイドハート, ヴェルナー
(72)【発明者】
【氏名】ビュッハー, デニス
【審査官】▲来▼田 優来
(56)【参考文献】
【文献】特表2009-502837(JP,A)
【文献】特表2013-518864(JP,A)
【文献】国際公開第2019/158070(WO,A1)
【文献】国際公開第2001/080893(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物
(式中、
R1が、1~3個の同一のまたは異なるR1置換基を表し、前記R1が、各出現において独立して、水素、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cヒドロキシアルキル、およびC~Cアルコキシアルキルから選択され、
Raが、フェニル、ピリジニル、ピリミジニル、チアゾリル、チオジアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、およびトリアゾリルから選択され、前記フェニル、ピリジニル、チアゾリル、チオジアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、およびトリアゾリルが、独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、シクロアルキル、C~Cアルキル置換シクロアルキル、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cアルキルアミノカルボニル、C~Cヒドロキシアルキル、C~Cハロアルコキシ、C~CジアルキルアミノC~Cアルキル、C~Cアミノアルキル、ならびにオキシラン、オキセタン、アジリジン、およびアゼチジンから選択される複素環から独立して選択される1個以上の置換基によって任意に置換され、前記オキシラン、オキセタン、アジリジン、およびアゼチジンが、独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシによって任意に置換されるか、またはRaが、-CONHR’であり、R’が、C~Cアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、およびC~Cアルキル-N-モルホリノから選択され、前記アリール、ヘテロアリール、およびC~Cアルキル-N-モルホリノが、独立して、ハロゲン、シクロアルキル、C~Cアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cヒドロキシアルキル、およびC~Cアルコキシアルキルから選択される[1個以上の]置換基によって任意に置換され、
Ar/Hetが、ピリジニル、フェニル、およびオキサゾリルから選択され、前記ピリジニル、フェニル、およびオキサゾリルが、独立して、ハロゲン、シアノ、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cヒドロキシアルキル、およびC~Cアルコキシアルキルから独立して選択される1個以上の置換基によって任意に置換される)
またはその薬学的に許容される塩、もしくは水和物。
【請求項2】
R1が、1または2個のR1置換基を表す、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
R1が、1個のR1置換基を表す、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
前記Ar/Hetが、ピリジニル、フェニル、およびオキサゾリルから選択され、前記ピリジニル、フェニル、およびオキサゾリルが、独立して、ハロゲンおよびC~Cアルキルから独立して選択される1個以上の置換基によって任意に置換される、請求項1~3のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項5】
前記化合物が、式Ia、式Ib、または式Icの化合物であり、R2が、水素、C~Cアルキル、ハロゲン、およびC~Cアルコキシから選択される、請求項1~4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項6】
前記Raが、フェニル、ピリジニル、ピリミジニル、チアゾリル、チオジアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、およびトリアゾリルから選択され、前記フェニル、ピリジニル、チアゾリル、チオジアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、およびトリアゾリルが、独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、シクロアルキル、C~Cアルキル置換シクロアルキル、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cアルキルアミノカルボニル、C~Cヒドロキシアルキル、C~Cハロアルコキシ、C~CジアルキルアミノC アルキル、C ~Cアミノアルキル、ならびにオキシラン、オキセタン、アジリジン、およびアゼチジンから選択される複素環から独立して選択される1個以上の置換基によって任意に置換され、前記オキシラン、オキセタン、アジリジン、およびアゼチジンが、独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシによって任意に置換されるか、またはRaが、-CONHR’であり、R’が、C~Cアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、およびC~Cアルキル-N-モルホリノから選択され、前記アリールおよび前記ヘテロアリールが、独立して、ハロゲン、シクロアルキル、C~Cアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cヒドロキシアルキル、およびC~Cアルコキシアルキルから独立して選択される1個以上の置換基によって任意に置換される、請求項1~のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項7】
前記Raが、
からなる群から選択される、請求項1~のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項8】
前記R1が、水素、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cヒドロキシアルキル、およびC~Cアルコキシアルキルから選択される、請求項1~のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項9】
前記R2が、水素、C~Cアルキル、ハロゲン、およびC~Cアルコキシルから選択される、請求項のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項10】
前記R1が、水素、ハロゲン、およびC~Cハロアルキルから選択され、
前記R2が、水素、C~Cアルキ、およびハロゲンから選択され、
前記Raが、フェニル、ピリジニル、チアゾリル、チオジアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、およびトリアゾリルから選択され、前記フェニル、ピリジニル、チアゾリル、チオジアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、およびトリアゾリルが、独立して、ハロゲン、C~Cシクロアルキル、C~Cアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cアルコキシアルキル、C~Cヒドロキシアルキル、C~CジアルキルアミノC~Cアルキル、およびC~Cハロアルキルから独立して選択される1個の置換基によって任意に置換されるか、またはRaが、-CONHR’であり、R’が、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、アリール、およびC~Cアルキル-N-モルホリノから選択され、前記アリールが、独立して、ハロゲン、C~Cシクロアルキ、およびC~Cアルコキシから独立して選択される1個の置換基によって任意に置換される、請求項のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項11】
前記化合物が、
6-(3-フルオロピリジン-4-イル)-N,5-ジ(ピリジン-3-イル)-1,2,4-トリアジン-3-アミン、
N-(3-フルオロフェニル)-6-(3-フルオロピリジン-4-イル)-5-(ピリジン-3-イル)-1,2,4-トリアジン-3-アミン、
N-(6-(3-フルオロピリジン-4-イル)-5-(ピリジン-3-イル)-1,2,4-トリアジン-3-イル)チアゾール-2-アミン、
4-クロロ-N-(6-(3-フルオロピリジン-4-イル)-5-(ピリジン-3-イル)-1,2,4-トリアジン-3-イル)チアゾール-2-アミン、
N-(6-(3-フルオロピリジン-4-イル)-5-(ピリジン-3-イル)-1,2,4-トリアジン-3-イル)-3-メチル-1,2,4-チアジアゾール-5-アミン、
N-(6-(3-フルオロピリジン-4-イル)-5-(ピリジン-3-イル)-1,2,4-トリアジン-3-イル)-5-メチル-1,3,4-チアジアゾール-2-アミン、
1-(6-(3-フルオロピリジン-4-イル)-5-(ピリジン-3-イル)-1,2,4-トリアジン-3-イル)-3-メチル尿素、
5-(2-フルオロフェニル)-N-(ピリジン-3-イル)-6-(2-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-イル)-1,2,4-トリアジン-3-アミン、
5-(2-フルオロフェニル)-N-(ピリジン-3-イル)-6-(2-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-イル)-1,2,4-トリアジン-3-アミン、
4-クロロ-N-(5-(2-フルオロフェニル)-6-(2-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-イル)-1,2,4-トリアジン-3-イル)チアゾール-2-アミン、
N-(5-(2-フルオロフェニル)-6-(2-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-イル)-1,2,4-トリアジン-3-イル)-3-メチル-1,2,4-チアジアゾール-5-アミン、
5-(2-フルオロフェニル)-N-(3-フルオロフェニル)-6-(3-フルオロピリジン-4-イル)-1,2,4-トリアジン-3-アミン、
N-(5-(2-フルオロフェニル)-6-(3-フルオロピリジン-4-イル)-1,2,4-トリアジン-3-イル)-3-メチル-1,2,4-チアジアゾール-5-アミン、
5-(2-フルオロフェニル)-6-(3-フルオロピリジン-4-イル)-N-(3-メチル-1H-ピラゾル-5-イル)-1,2,4-トリアジン-3-アミン、
5-(2-フルオロフェニル)-6-(3-フルオロピリジン-4-イル)-N-(3-メチル-1H-1,2,4-トリアゾル-5-イル)-1,2,4-トリアジン-3-アミン、
1-(5-(2-フルオロフェニル)-6-(3-フルオロピリジン-4-イル)-1,2,4-トリアジン-3-イル)-3-メチル尿素、
N-(3-フルオロフェニル)-6-(3-フルオロピリジン-4-イル)-5-(5-メチルオキサゾール-2-イル)-1,2,4-トリアジン-3-アミン、
N-(3-エチル-1H-1,2,4-トリアゾル-5-イル)-5-(2-フルオロフェニル)-6-(3-フルオロ-4-ピリジル)-1,2,4-トリアジン-3-アミン、
[5-[[5-(2-フルオロフェニル)-6-(3-フルオロ-4-ピリジル)-1,2,4-トリアジン-3-イル]アミノ]-1H-1,2,4-トリアゾル-3-イル]メタノール、
N-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-1H-1,2,4-トリアゾル-5-イル]-5-(2-フルオロフェニル)-6-(3-フルオロ-4-ピリジル)-1,2,4-トリアジン-3-アミン、
5-(2-フルオロフェニル)-6-(3-フルオロ-4-ピリジル)-N-(6-メチル-3-ピリジル)-1,2,4-トリアジン-3-アミン、
[5-[[5-(2-フルオロフェニル)-6-(3-フルオロ-4-ピリジル)-1,2,4-トリアジン-3-イル]アミノ]-2-ピリジル]メタノール、
5-(2-フルオロフェニル)-6-(3-フルオロ-4-ピリジル)-N-(6-メトキシ-3-ピリジル)-1,2,4-トリアジン-3-アミン、
5-(2-フルオロフェニル)-6-(3-フルオロ-4-ピリジル)-N-[6-(トリフルオロメチル)-3-ピリジル]-1,2,4-トリアジン-3-アミン、
1-(3-クロロフェニル)-3-[6-(3-フルオロ-4-ピリジル)-5-(3-ピリジル)-1,2,4-トリアジン-3-イル]尿素、
1-[6-(3-フルオロ-4-ピリジル)-5-(3-ピリジル)-1,2,4-トリアジン-3-イル]-3-(4-メトキシフェニル)尿素、
1-[6-(3-フルオロ-4-ピリジル)-5-(3-ピリジル)-1,2,4-トリアジン-3-イル]-3-(2-モルホリノエチル)尿素、
1-(3-クロロフェニル)-3-[5-(2-フルオロフェニル)-6-(3-フルオロ-4-ピリジル)-1,2,4-トリアジン-3-イル]尿素、
1-[5-(2-フルオロフェニル)-6-(3-フルオロ-4-ピリジル)-1,2,4-トリアジン-3-イル]-3-(4-メトキシフェニル)尿素、
1-[5-(2-フルオロフェニル)-6-(3-フルオロ-4-ピリジル)-1,2,4-トリアジン-3-イル]-3-(2-モルホリノエチル)尿素、
N-(3-シクロプロピル-1H-1,2,4-トリアゾル-5-イル)-5-(2-フルオロフェニル)-6-(3-フルオロ-4-ピリジル)-1,2,4-トリアジン-3-アミン、
5-(2-フルオロフェニル)-6-(3-フルオロ-4-ピリジル)-N-[3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾル-5-イル]-1,2,4-トリアジン-3-アミン、
N-(3-エチル-1H-ピラゾル-5-イル)-5-(2-フルオロフェニル)-6-(3-フルオロ-4-ピリジル)-1,2,4-トリアジン-3-アミン、
N-(3-シクロプロピル-1H-ピラゾル-5-イル)-5-(2-フルオロフェニル)-6-(3-フルオロ-4-ピリジル)-1,2,4-トリアジン-3-アミン、
1-シクロプロピル-3-[5-(2-フルオロフェニル)-6-(3-フルオロ-4-ピリジル)-1,2,4-トリアジン-3-イル]尿素、
N-[6-(2、2-ジフルオロエトキシ)ピリジン-3-イル]-5-(2-フルオロフェニル)-6-(3-フルオロピリジン-4-イル)-1,2,4-トリアジン-3-アミン、
2-フルオロ-4-{[5-(2-フルオロフェニル)-6-(3-フルオロピリジン-4-イル)-1,2,4-トリアジン-3-イル]アミノ}フェニル)メタノール、
2-(5-{[5-(2-フルオロフェニル)-6-(3-フルオロピリジン-4-イル)-1,2,4-トリアジン-3-イル]アミノ}ピリジン-2-イル)プロパン-2-オール、
(5-{[5-(2-フルオロフェニル)-6-(3-フルオロピリジン-4-イル)-1,2,4-トリアジン-3-イル]アミノ}ピリミジン-2-イル)メタノール、
1-(5-{[5-(2-フルオロフェニル)-6-(3-フルオロピリジン-4-イル)-1,2,4-トリアジン-3-イル]アミノ}ピリジン-2-イル)エタン-1-オール、
3-(5-{[5-(2-フルオロフェニル)-6-(3-フルオロピリジン-4-イル)-1,2,4-トリアジン-3-イル]アミノ}ピリジン-2-イル)オキセタン-3-オール、
5-(2-フルオロフェニル)-6-(3-フルオロピリジン-4-イル)-N-[6-(プロパン-2-イル)ピリジン-3-イル]-1,2,4-トリアジン-3-アミン、
1-(5-{[5-(2-フルオロフェニル)-6-(3-フルオロピリジン-4-イル)-1,2,4-トリアジン-3-イル]アミノ}ピリジン-2-イル)-2-メチルプロパン-1-オール、
N-(6-シクロプロピルピリジン-3-イル)-5-(2-フルオロフェニル)-6-(3-フルオロピリジン-4-イル)-1,2,4-トリアジン-3-アミン、
5-(2-フルオロフェニル)-6-(3-フルオロピリジン-4-イル)-N-[3-(プロパン-2-イル)-1H-1,2,4-トリアゾル-5-イル]-1,2,4-トリアジン-3-アミン、
N-(3-tert-ブチル-1H-1,2,4-トリアゾル-5-イル)-5-(2-フルオロフェニル)-6-(3-フルオロピリジン-4-イル)-1,2,4-トリアジン-3-アミン、
5-(2-フルオロフェニル)-6-(3-フルオロピリジン-4-イル)-N-[3-(1-メチルシクロプロピル)-1H-1,2,4-トリアゾル-5-イル]-1,2,4-トリアジン-3-アミンおよび
2-(5-{[5-(2-フルオロフェニル)-6-(3-フルオロピリジン-4-イル)-1,2,4-トリアジン-3-イル]アミノ}-1H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)プロパン-2-オールから選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項12】
医薬品として使用するための、請求項1~11のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項13】
任意に薬学的に許容される希釈剤または担体と一緒に、請求項1~11のいずれか一項に記載の化合物を含む、薬学的組成物。
【請求項14】
アデノシンA2B受容体の活性化によって媒介される状態、障害、または疾患を治療するための医薬品の製造における、請求項1~11のいずれか一項に記載の化合物または請求項13に記載の薬学的組成物の使用。
【請求項15】
呼吸器疾患、炎症性閉塞性気道疾患、炎症性疾患、代謝疾患、腎疾患、血管疾患、アレルギー性疾患、炎症性胃腸管障害、自己免疫疾患、神経障害、および癌から選択される状態、障害または疾患を治療するための医薬品の製造における、請求項1~11のいずれか一項に記載の化合物または請求項13に記載の薬学的組成物の使用
【請求項16】
式Iの化合物
(式中、
R1が、1~3個の同一のまたは異なるR1置換基を表し、前記R1が、各出現において独立して、水素、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cヒドロキシアルキル、およびC~Cアルコキシアルキルから選択され、
Raが、フェニル、ピリジニル、ピリミジニル、チアゾリル、チオジアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、およびトリアゾリルから選択され、前記フェニル、ピリジニル、チアゾリル、チオジアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、およびトリアゾリルが、独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、シクロアルキル、C~Cアルキル置換シクロアルキル、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cアルキルアミノカルボニル、C~Cヒドロキシアルキル、C~Cハロアルコキシ、C~CジアルキルアミノC~Cアルキル、C~Cアミノアルキル、ならびにオキシラン、オキセタン、アジリジン、およびアゼチジンから選択される複素環から独立して選択される1個以上の置換基によって任意に置換され、前記オキシラン、オキセタン、アジリジン、およびアゼチジンが、独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシによって任意に置換され、
Ar/Hetが、ピリジニル、フェニル、およびオキサゾリルから選択され、前記ピリジニル、フェニル、およびオキサゾリルが、独立して、ハロゲン、シアノ、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cヒドロキシアルキル、およびC~Cアルコキシアルキルから選択される1個以上の置換基によって任意に置換される)、またはその薬学的に許容される塩、もしくは水和物を製造する方法であって、
前記方法が、
(i)式IIの化合物
(式中、R1およびAr/Hetは、先に定義されたとおりである)を
式IIIの化合物
Ra-Br III
(式中、Raは、先に定義されたとおりである)と反応させること、または
(ii)式Vの化合物
(式中、R1およびAr/Hetは、先に定義されたとおりである)を
式VIの化合物
Ra-NH VI
(式中、Raは、先に定義されたとおりである)と反応させることを含む、方法。
【請求項17】
R1が、1または2個のR1置換基を表す、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
R1が、1個のR1置換基を表す、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
Raが、フェニル、ピリジニル、ピリミジニル、チアゾリル、チオジアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、およびトリアゾリルから選択され、前記フェニル、ピリジニル、チアゾリル、チオジアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、およびトリアゾリルが、独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、シクロアルキル、C ~C アルキル置換シクロアルキル、C ~C アルキル、C ~C ハロアルキル、C ~C アルコキシ、C ~C アルキルアミノカルボニル、C ~C ヒドロキシアルキル、C ~C ハロアルコキシ、C ~C ジアルキルアミノC ~C アルキル、C ~C アミノアルキル、ならびにオキシラン、オキセタン、アジリジン、およびアゼチジンから選択される複素環から独立して選択される1個の置換基によって任意に置換される、請求項16~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
Ar/Hetが、ピリジニル、フェニル、およびオキサゾリルから選択され、前記ピリジニル、フェニル、およびオキサゾリルが、独立して、ハロゲン、シアノ、C ~C アルキル、C ~C ハロアルキル、C ~C アルコキシ、C ~C ヒドロキシアルキル、およびC ~C アルコキシアルキルから選択される1個の置換基によって任意に置換される、請求項16~19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
式Iの化合物
(式中、
R1が、1~3個の同一のまたは異なるR1置換基を表し、前記R1が、各出現において独立して、水素、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cヒドロキシアルキル、およびC~Cアルコキシアルキルから選択され、
Raが、-CONHR’であり、R’が、C~Cアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、およびC~Cアルキル-N-モルホリノから選択され、前記アリール、ヘテロアリール、およびC~Cアルキル-N-モルホリノが、独立して、ハロゲン、シクロアルキル、C~Cアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cヒドロキシアルキル、およびC~Cアルコキシアルキルから独立して選択される1個以上の置換基によって任意に置換され、
Ar/Hetが、ピリジニル、フェニル、およびオキサゾリルから選択され、前記ピリジニル、フェニル、およびオキサゾリルが、独立して、ハロゲン、シアノ、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cヒドロキシアルキル、およびC~Cアルコキシアルキルから選択される1個以上の置換基によって任意に置換される)、またはその薬学的に許容される塩、もしくは水和物を製造する方法であって、
前記方法が、
(i)式IIの化合物
(式中、R1およびAr/Hetは、先に定義されたとおりである)を
式IVの化合物
R’-NH IV
と、式IIおよび式IVの前記化合物(式中、R’は、先に定義されたとおりである)と尿素官能基を形成することができる試薬の存在下で、反応させること、または
(ii)式Vの化合物
(式中、R1およびAr/Hetは、先に定義されたとおりである)を
式VIIの化合物
(式中、R’は、先に定義されたとおりである)と反応させることを含む、方法。
【請求項22】
R1が、1または2個のR1置換基を表す、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
R1が、1個のR1置換基を表す、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
Raが、-CONHR’であり、R’が、C ~C アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、およびC ~C アルキル-N-モルホリノから選択され、前記アリール、ヘテロアリール、およびC ~C アルキル-N-モルホリノが、独立して、ハロゲン、シクロアルキル、C ~C アルキル、C ~C アルコキシ、C ~C ヒドロキシアルキル、およびC ~C アルコキシアルキルから独立して選択される1個の置換基によって任意に置換される、請求項21~23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
Ar/Hetが、ピリジニル、フェニル、およびオキサゾリルから選択され、前記ピリジニル、フェニル、およびオキサゾリルが、独立して、ハロゲン、シアノ、C ~C アルキル、C ~C ハロアルキル、C ~C アルコキシ、C ~C ヒドロキシアルキル、およびC ~C アルコキシアルキルから選択される1個の置換基によって任意に置換される、請求項21~24のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、A2Bアデノシン受容体の新規のアンタゴニストおよび該アンタゴニストを含む薬学的組成物、ならびに喘息、慢性閉塞性肺障害(COPD)、肺線維症、血管疾患、アレルギー性疾患、高血圧、網膜症、真性糖尿病、炎症性胃腸管障害、炎症性疾患、自己免疫疾患、腎疾患、神経障害および特に癌などのA2B受容体の拮抗作用による改善を受けやすいことが知られている障害の治療および予防のためのそれらの使用に関する。
【0002】
関連技術
本明細書における明らかに以前に公開された文書の列記または考察は、その文書が最新技術の一部であるか、または一般的知識であることの承認として必ずしも解釈されるべきではない。
【0003】
アデノシンは、血管拡張、疼痛、炎症を含む、多くの生理学的反応の内因性モジュレータである。アデノシン受容体は、G共役型シグナル伝達受容体に属し、異なる型のGタンパク質に共役され、細胞内の様々なシグナル伝達経路を媒介する。アデノシン受容体は4つのサブタイプ、すなわちA1、A2A、A2BおよびA3の正常組織で広く発現する。A2B受容体は、多くの異なる細胞型に見られるが、アデノシンに対する親和性が低いために、伝統的にA1、A2A、およびA3のサブタイプよりも誘発した関心が少ない。しかしながら、アデノシン、および、特にA2B受容体の関与は、インターロイキン分泌、Ca2+動員、肝臓のグルコース調節、腫瘍血管形成、および心臓保護などのプロセスで実証されている。したがって、治療薬としてのアデノシンA2B受容体アンタゴニストの可能性は、呼吸器疾患、代謝障害、腎疾患、中枢神経系に関連する障害および疾患、ならびに特に腫瘍学などの様々な適応症に対して最近示唆されている。
【0004】
したがって、アデノシン受容体経路は、癌および免疫癌療法における有望な治療標的とみなされ、アデノシンシグナル伝達は、癌細胞におけるアポトーシス、血管新生、転移および免疫抑制を調節すると考えられ、示されている(D.Allard,et al.,2017,Immunol.Cell Biol.95,333-339、A.Bahreyni,et al.,2018,J.Cell.Physiol.233,1836-1843、A.Ohta,et al.,2006,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.103,13132-13137)。示されているように、A2B受容体は、多くの異なる細胞型に見られるが、アデノシンに対する親和性が低いために、伝統的にA1、A2A、およびA3のサブタイプよりも誘発した関心が少ない。しかしながら、アデノシンの細胞外濃度は、低酸素性腫瘍微小環境で有意に増加し、A2B受容体の活性化をもたらす可能性がある。近年、A2Bと癌との間の関連が明らかになっている(H.Kasama,et al.,2015,BMC Cancer 15,563)。A2Bの腫瘍促進活性は、A2B欠損マウスにおいて最初に実証され、腫瘍成長が野生型対照物と比較して減少した。この効果は、血管内皮成長因子(VEGF)の腫瘍内レベルの有意な減少および腫瘍浸潤性骨髄由来抑制細胞(MDSC)の制限量と関連していた(S.Ryzhov et al.,2008,Neoplasia N.Y.N 10,987-995)。A2Bは、塩基性線維芽細胞成長因子(bFGF)を産生することによって、肺癌、結腸癌および前立腺癌の腫瘍成長を誘導することがさらに見出されており、さらにA2Bは、腫瘍に対する炎症反応において役割を果たすことが知られている。さらに、A2Bは、非プレニル化Rap 1B、細胞間接着を制御する低分子量GTPアーゼの蓄積により、浸潤および転移の広がりを支持する役割を果たすことが示されている(E.Ntantie et al.,2013,Sci.Signal.6,ra39)。最後に、A2Bは、樹状細胞およびマクロファージの分化および機能の調節に関与し、腫瘍の免疫監視にとって重要である。A2A阻害剤は、細胞傷害性リンパ球のエフェクタ機能の強化、および腫瘍微小環境における免疫抑制細胞型の動員と極性化の予防など、免疫細胞機能の変調を通じて主に抗腫瘍効果を増強するという証拠がある。対照的に、データは、A2Bの腫瘍促進効果が腫瘍内因性経路および宿主媒介性経路の両方を介して発生し、A2Bが主に骨髄細胞を介して免疫抑制を誘導することを示唆する(R.Iannone,et al.,2013,Neoplasia N.Y.N 15,1400-1409)。
【0005】
A2Bの高発現は、いくつかの癌の予後不良と関連付けられてきており、A2Bの平均発現は、卵巣癌、肺癌、肝臓癌、口腔癌、結腸癌および前立腺癌を含む多様なヒト癌の隣接する正常組織と比較して増加することがわかった(T.Ihara,et al.,2017,Oncogene 36,2023-2029)。重要なことに、A2Bの発現レベルは、異なる卵巣癌および前立腺癌細胞株の4つのアデノシン受容体サブタイプの中で最も高かった(Zhou,et al.,2017,Oncotarget 8,48755-48768)。選択的A2BアゴニストBAY60-6583はマウスの黒色腫の進行を増強し、選択的A2BアンタゴニストPSB1115は黒色腫の成長を抑制した(R.Iannone,et al.,2013,Neoplasia N.Y.N 15,1400-1409)。口腔扁平上皮癌では、A2B受容体が過剰発現し、そのサイレンシングが成長を阻害した(H.Kasama,et al.,2015,BMC Cancer 15,563)。多数のA2Bアンタゴニストが現在、特に腫瘍学で開発されているが、規制当局の承認を受けたものはまだない。
【0006】
呼吸器疾患に関連して、A2B受容体は、肥満細胞、例えばIL-4、IL-8、IL-13、およびヒスタミンからの炎症促進性メディエータの産生および放出を媒介する。A2B受容体アンタゴニストで治療されたマウスは、未治療のマウスよりも肺の炎症、線維症が少なく、肺胞腔の拡大が大きく、インビボで肺の炎症を低減するA2Bアンタゴニストの可能性を実証している(C.-X.Sun,et al.,2006,J.Clin.Invest.116,2173-2182)。このため、A2Bアンタゴニストは、肺線維症、肺高血圧症(PH)、閉塞性肺疾患(COPD)、および喘息などの呼吸器疾患の治療における有望な治療剤と考えられる(J.Zablocki,et al.,2006,Expert Opin.Ther.Pat.16,1347-1357)。
【0007】
その抗炎症および免疫抑制効果と一致し、代謝疾患に関連しているA2Bは、グルコース調節の様々な態様で見出されている。例えば、A2Bアンタゴニストは、グルコースおよび脂肪代謝に影響を与えるIL-6および他のサイトカインの産生を減弱させることによって、糖尿病マウス系統の炎症反応を低下させ、インスリン抵抗性を改善することが見出された(R.A.Figler,et al.,2011,Diabetes 60,669-679)。加えて、A2Bアンタゴニストは、マウスモデルでアルコール消費後の脂肪肝形成を予防することができることが証明された(Z.Peng,et al.,2009.Adenosine signaling contributes to ethanol-induced fatty liver in mice.J.Clin.Invest.119,582-594)。
【0008】
腎疾患に関連して、マウスモデルに関する研究は、A2B阻害が、誘導された糖尿病性腎症および腎線維症から保護できることを示す。加えて、患者からの腎生検試料ならびに遺伝的および薬理学的手法はまた、慢性腎臓病(CKD)および腎虚血の治療におけるA2B阻害の潜在的な役割を支持している(Y.Sun,et al.,2016,Front.Chem.4)。
【0009】
中枢神経系におけるA2Bアンタゴニストの役割は、A2A阻害ほど注目されていない。しかしながら、A2Bは、明確な抗パーキンソン病効果を示し、アルツハイマー病、脳虚血、脊髄損傷、薬物中毒および他の状態に関してより大きな興味の対象であるA2A受容体と密接に関連している。アデノシンに対するA2B受容体の低い親和性は、アデノシンレベルがマイクロモル濃度まで上昇する病理学的条件下でのみ活性化されるため、それらが優れた治療標的を表す可能性があることを意味する(P.Popoli,et al.,2012,CNS Neurol.Disord.Drug Targets 11,664-674)。A2B受容体のための安全かつ選択的なリガンドの利用可能性は、かかる仮説の調査を可能にするであろう。
【0010】
アミノトリアジン二重アデノシンA2A、A1受容体アンタゴニストは、WO2011/095625およびWO2018/130184に開示されている。さらに、いくつかの他の化合物が、アデノシンA2B受容体アンタゴニスト、すなわち、特に、喘息の治療のためのピラジン誘導体(WO2007/017096)、2-アミノピリジン誘導体(WO2016/135048)、アミノチアゾール(WO2005/070926)、およびチエノウラシル誘導体(WO2016/150901、WO2018/041771、WO2018/054846)として示唆されている。
【0011】
多数のA2B受容体アンタゴニストが現在開発されているが、規制当局の承認を受けたものはまだなく、したがって、A2Bアデノシン受容体の新規のアンタゴニスト、特に他のアデノシン受容体サブタイプに関する選択的アデノシンA2B受容体アンタゴニストが必要とされている。
【発明の概要】
【0012】
本発明は、式IのA2Bアデノシン受容体、またはその薬学的に許容される塩、もしくは水和物の新規のアンタゴニスト、および特に癌の治療または予防における状態、障害、または疾患の治療または予防のための治療活性物質としてのそれらの使用を提供する。さらに、本発明は、該化合物、中間体、ならびに該化合物、またはその薬学的に許容される塩、もしくは水和物を含む薬学的組成物および医薬品の製造プロセス、加えて、アデノシンA2B受容体の活性化によって媒介される障害および疾患の予防または治療の方法のためのその使用を提供する。
【0013】
特に、本発明の式Iの化合物、ならびに、したがって、置換および官能化されたN-キャップアミノトリアジンは、特に、A2A、A1、およびA3など他のアデノシン受容体サブタイプに関して、高度に選択的アデノシンA2B受容体アンタゴニストを表す。したがって、本発明の化合物は、特に、ある特定の癌において、異常に高いアデノシンA2B受容体シグナル伝達によって駆動される状態を寛解させる集中治療に比類なく適している。さらに、特定のN-キャップ置換および官能化は、それぞれ、溶解性、細胞透過性、および親油性などの特に好ましい特性をさらに提供し、その高いA2B受容体効力および選択性を維持しながら、特にN-キャップ機能性を通じてこれらの特性を調整することを可能にする。これに拘束されることなく、極性トリアジンコアとN-キャップとの間の相互作用により、その高いA2B受容体の効力および選択性を維持しながら、極性トリアジンコアとN-キャップ官能基の極性基との間のさらなる極性および非共有分子内結合の形成を調整することができると考えられる。かかる分子内水素結合、および例えば、孤立電子対トリアジンN相互作用に対する硫黄シグマホールは、例えば、溶解性および膜透過能力を改善するために有益である。結果として、本発明の化合物は、新たなクラスの有効な新しい治療薬を表す。
【0014】
したがって、第1の態様では、本発明は、式Iの化合物
、(式中、
R1が、1~3個の同一のまたは異なるR1置換基を表し、該R1が、各出現において独立して、水素、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cヒドロキシアルキル、およびC~Cアルコキシアルキルから選択され、好ましくは、R1が、1または2個のR1を表し、さらに好ましくは、R1が、1個のR1を表し、
Raが、フェニル、ピリジニル、ピリミジニル、チアゾリル、チオジアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、およびトリアゾリルから選択され、該フェニル、ピリジニル、チアゾリル、チオジアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、およびトリアゾリルが、独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、シクロアルキル、C~Cアルキル置換シクロアルキル、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cアルキルアミノカルボニル、C~Cヒドロキシアルキル、C~Cハロアルコキシ、C~CジアルキルアミノC~Cアルキル、およびC~Cアミノアルキル、ならびにオキシラン、オキセタン、アジリジン、およびアゼチジンから選択される複素環から独立して選択される1個以上、好ましくは1個の置換基によって任意に置換され、該オキシラン、オキセタン、アジリジン、およびアゼチジンが、独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシによって任意に置換されるか、またはRaが、-CONHR’であり、R’が、C~Cアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、およびC~Cアルキル-N-モルホリノから選択され、該アリール、ヘテロアリール、およびC~Cアルキル-N-モルホリノが、独立して、ハロゲン、シクロアルキル、C~Cアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cヒドロキシアルキル、およびC~Cアルコキシアルキルから選択される1個以上、好ましくは1個の置換基によって任意に置換され、
Ar/Hetが、ピリジニル、フェニル、およびオキサゾリルから選択され、該ピリジニル、フェニル、およびオキサゾリルが、独立して、ハロゲン、シアノ、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cヒドロキシアルキル、およびC~Cアルコキシアルキルから独立して選択される1個以上、好ましくは1個の置換基によって任意に置換される)
またはその薬学的に許容される塩、もしくは水和物を提供する。
【0015】
したがって、別の態様では、本発明は式Iの化合物
、(式中、
R1が、1~3個の同一のまたは異なるR1置換基を表し、該R1が、各出現において独立して、水素、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cヒドロキシアルキル、およびC~Cアルコキシアルキルから選択され、好ましくは、R1が、1または2個のR1を表し、さらに好ましくは、R1が、1個のR1を表し、
Raが、フェニルまたはヘテロアリールから選択され、該フェニルまたは該ヘテロアリールが、任意に、独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、シクロアルキル、C~Cアルキル置換シクロアルキル、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cアルキルアミノカルボニル、C~Cヒドロキシアルキル、C~Cハロアルコキシ、C~CジアルキルアミノC~Cアルキル、C~Cアミノアルキル、ならびにオキシラン、オキセタン、アジリジン、およびアゼチジンから選択される複素環から独立して選択される1個以上、好ましくは1個の置換基によって置換され、該オキシラン、オキセタン、アジリジン、およびアゼチジンが、独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシによって任意に置換されるか、またはRaが、-CONHR’であり、R’が、C~Cアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、およびC~Cアルキル-N-モルホリノから選択され、該アリール、ヘテロアリール、およびC~Cアルキル-N-モルホリノが、独立して、ハロゲン、シクロアルキル、C~Cアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cヒドロキシアルキル、およびC~Cアルコキシアルキルから選択される1個以上、好ましくは1個の置換基によって任意に置換され、さらに好ましくは、該ヘテロアリールが、5または6員ヘテロアリールであり、また、さらに好ましくは、該5または6員ヘテロアリールが、ピリジニル、ピリミジニル、チアゾリル、チオジアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、およびトリアゾリルから選択され、
Ar/Hetが、ピリジニル、フェニル、およびオキサゾリルから選択され、該ピリジニル、フェニル、およびオキサゾリルが、独立して、ハロゲン、シアノ、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cヒドロキシアルキル、およびC~Cアルコキシアルキルから独立して選択される1個以上、好ましくは1個の置換基によって任意に置換される)
またはその薬学的に許容される塩、もしくは水和物を提供する。
【0016】
別の態様では、本発明は、医薬品として使用するための式Iの本発明の化合物を提供する。
【0017】
別の態様では、本発明は、任意に薬学的に許容される希釈剤または担体と一緒に、式Iの本発明の化合物を含む薬学的組成物を提供する。
【0018】
さらなる態様では、本発明は、アデノシンA2B受容体の活性化によって媒介される状態、障害、または疾患を治療する方法において使用するための、式Iの本発明の化合物または本発明の薬学的組成物を提供する。
【0019】
さらなる態様では、本発明は、アデノシンA2B受容体の阻害によって改善される状態、障害、または疾患を治療する方法において使用するための、式Iの本発明の化合物または本発明の薬学的組成物を提供する。
【0020】
さらなる態様では、本発明は、アデノシンA2B受容体の拮抗作用による改善を受けやすい状態、障害、または疾患を治療する方法において使用するための、式Iの本発明の化合物または本発明の薬学的組成物を提供する。
【0021】
別の態様では、本発明は、アデノシンA2B受容体の活性化によって媒介される状態、障害、または疾患の治療のための医薬品の製造において、本発明に従う式Iの化合物の使用を提供する。
【0022】
別の態様では、本発明は、本発明に従う治療有効量の式Iの化合物を投与することを含む、アデノシンA2B受容体の活性化によって媒介される状態、障害、または疾患を治療する方法を提供する。
【0023】
別の態様では、本発明は、呼吸器疾患、炎症性閉塞性気道疾患、炎症性疾患、代謝疾患、腎疾患、血管疾患、アレルギー性疾患、炎症性胃腸管障害、自己免疫疾患、神経障害、および癌から選択される状態、障害、または疾患を治療する方法において使用するための、式Iの本発明の化合物または本発明の薬学的組成物を提供する。
【0024】
別の態様では、本発明は、呼吸器疾患、炎症性閉塞性気道疾患、炎症性疾患、代謝疾患、腎疾患、血管疾患、アレルギー性疾患、炎症性胃腸管障害、自己免疫疾患、神経障害、および癌から選択される状態、障害、または疾患の治療のための医薬品の製造において、本発明に従う式Iの化合物の使用を提供する。
【0025】
別の態様では、本発明は、呼吸器疾患、炎症性閉塞性気道疾患、炎症性疾患、代謝疾患、腎疾患、血管疾患、アレルギー性疾患、炎症性胃腸管障害、自己免疫疾患、神経障害、および癌から選択される状態、障害、または疾患を治療する方法を提供し、該方法は、治療有効量の式Iの本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩、もしくは水和物を、それを必要とする対象、特にヒト対象に投与することを含む。
【0026】
本発明のさらなる態様および実施形態は、この説明が続くにつれて明らかになるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0027】
別段定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。明確にするために、以下の定義は、例として、典型的には「C~C-」断片を使用することに留意されたい。かかる使用法は定義を目的としたものであり、これに限定されることを意図するものではない。より少ないまたはより多い数の炭素原子、例えば「C~C-」または「C~C-」類似体の定義は、それに準拠している。
【0028】
本明細書で使用される「C~C-アルキル」は、直鎖または分枝C~C-アルキルを指し、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、直鎖もしくは分岐ペンチル、直鎖もしくは分岐ヘキシル、直鎖もしくは分岐ヘプチル、または直鎖もしくは分岐オクチルであり得る。好ましくは、C~C-アルキルはC~C-アルキルである。
【0029】
本明細書で使用される「C~C-アルコキシ」は、直鎖または分枝C~C-アルコキシを指し、例えば、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ、直鎖もしくは分岐ペントキシ、直鎖もしくは分岐ヘキシルオキシ、直鎖もしくは分岐ヘプチルオキシ、または直鎖もしくは分岐オクチルオキシであり得る。好ましくは、C~C-アルコキシは、C~Cアルコキシである。
【0030】
本明細書で使用される「C~C-ハロアルコキシ」は、1つ以上のハロゲンによって置換される直鎖または分岐C~C-アルコキシを指す。
【0031】
本明細書で使用される「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素を指し、好ましくは、フッ素または塩素である。これは、対応して、ハロアルキルなどの他の意味と組み合わせたハロゲンにも適用される。
【0032】
本明細書で使用される「C~C-ハロアルキル」は、1個以上のハロゲン原子、好ましくは1、2または3個のハロゲン原子、好ましくはフッ素または塩素原子によって置換される、上記の定義されるC~C-アルキルを指す。好ましくは、C~C-ハロアルキルは、1、2または3個のフッ素または塩素原子によって置換されるC~C-アルキルである。好ましい例としては、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロジフルオロメチル、および2,2,2-トリフルオロエチルが挙げられる。
【0033】
本明細書で使用される「C~Cアミノアルキル」は、1個以上のアミノ(NH)基、好ましくは1、2または3個のアミノ(NH)基、最も好ましくは1個のアミノ(NH)基によって置換される、上記に定義されるC~C-アルキルを指す。
【0034】
本明細書で使用される「C~CジアルキルアミノC~Cアルキル」は、同一または異なっていてもよい、上記に定義される2個のC~C-アルキル基によって置換される1個のアミノ(NH)基によって置換される、上記に定義されるC~C-アルキルを指す。好ましくは、該C~Cジアルキルアミノ基の該置換は、該C~C-アルキルの末端にある。
【0035】
本明細書で使用される「C~Cヒドロキシアルキル」は、1個以上のヒドロキシル(OH)基、好ましくは1、2または3個のヒドロキシル(OH)基、最も好ましくは1個のヒドロキシル(OH)基によって置換される、上記に定義されるC~C-アルキルを指す。
【0036】
本明細書で使用される「C~Cアルキルアミノカルボニル」は、炭素原子によってカルボニル基に結合している、上記に定義されるC~Cアミノアルキルを指す。
【0037】
本明細書で使用される「シクロアルキル」という用語は、単環式または二環式形態、典型的および好ましくは単環式形態を指し、かつ好ましくは3~8個の炭素原子、より好ましくは3~7個の炭素原子を含む。単環式シクロアルキル基の具体的および好ましい例としては、シクロプロピル、シクロブチル、およびシクロヘキシルが挙げられる。本明細書で使用される「C~Cシクロアルキル」という用語は、3~6個の炭素原子を含む単環式形態、特にシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルを指す。
【0038】
本明細書で使用される「アリール」という用語は、フェニルまたはナフチル、アントラニルまたはフェナントリルなどのC~C14単環式または多環式アリール、好ましくはC~C14単環式アリール、および最も好ましくはフェニルを指す。アリールラジカルが2個以上の置換基を有する場合、置換基は同一または異なっていてもよい。
【0039】
本明細書で使用される「ヘテロアリール」という用語は、少なくとも1個の芳香族複素環を含み、O、SおよびNから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含む5~14員環系を指す。ヘテロアリールは、単一環または2個以上の縮合環であり得、少なくとも1個の環は、ヘテロ原子を含む。単環式ヘテロアリールの例としては、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、フリル、オキサジアゾリル、オキサゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、チエニル、ピロリル、ピリジニル、トリアゾリル、イミダゾリジニル、およびピラゾリルが挙げられる。
【0040】
本発明の好ましい実施形態では、該ヘテロアリールは、5または6員ヘテロアリールであり、さらに好ましくは、該5または6員ヘテロアリールは、ピリジニル、ピリミジニル、チアゾリル、チオジアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、およびトリアゾリルから選択される。
【0041】
基が任意に置換されていると言われる場合、好ましくは任意に1~5個の置換基、より好ましくは任意に1~3個の置換基、また、さらに好ましくは任意に1または2個の置換基、最も好ましくは1個の置換基が存在する。基が任意に置換されていると言われる場合、および該基の該任意の置換について2個以上の置換基が存在する場合、該2個以上の置換基は、同一または異なっているかのいずれかであり得る。
【0042】
本明細書で使用される「治療すること」、「治療」または「療法」という用語は、所望の生理学的効果を得る手段を指す。効果は、疾患または状態および/または疾患もしくは状態に起因する症状を部分的または完全に治癒することに関して治療的であり得る。この用語は、疾患または状態を阻害すること、すなわちその発生を阻止することまたは、疾患または状態の改善、すなわち疾患または状態の退行を引き起こすことを指す。
【0043】
本明細書で使用する場合、「疾患の治療に使用するための組成物」で使用する「使用するため」という用語は、対応する治療方法および対応する疾患の治療用医薬品の製造のための製剤の使用も開示するものとする。」
【0044】
「治療有効量」は、研究者、獣医師、医師、または他の臨床医によって求められている対象、好ましくはヒト対象の生物学的または医学的応答を引き出す化合物または本発明による薬学的組成物の量である。本明細書で使用される「治療的投与」という用語は、治療有効量の投与を指すべきである。
【0045】
したがって、第1の態様では、本発明は、式Iの化合物
(式中、
R1が、1~3個の同一のまたは異なるR1置換基を表し、該R1が、各出現において独立して、水素、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cヒドロキシアルキル、およびC~Cアルコキシアルキルから選択され、好ましくは、R1が、1または2個のR1を表し、さらに好ましくは、R1が、1個のR1を表し、
Raが、フェニル、ピリジニル、ピリミジニル、チアゾリル、チオジアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、およびトリアゾリルから選択され、該フェニル、ピリジニル、チアゾリル、チオジアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、およびトリアゾリルが、独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、シクロアルキル、C~Cアルキル置換シクロアルキル、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cアルキルアミノカルボニル、C~Cヒドロキシアルキル、C~Cハロアルコキシ、C~CジアルキルアミノC~Cアルキル、およびC~Cアミノアルキル、ならびにオキシラン、オキセタン、アジリジン、およびアゼチジンから選択される複素環から独立して選択される1個以上、好ましくは1個の置換基によって任意に置換され、該オキシラン、オキセタン、アジリジン、およびアゼチジンが、独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシによって任意に置換されるか、またはRaが、-CONHR’であり、R’が、C~Cアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、およびC~Cアルキル-N-モルホリノから選択され、該アリール、ヘテロアリール、およびC~Cアルキル-N-モルホリノが、独立して、ハロゲン、シクロアルキル、C~Cアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cヒドロキシアルキル、およびC~Cアルコキシアルキルから独立して選択される1個以上、好ましくは1個の置換基によって任意に置換され、
Ar/Hetが、ピリジニル、フェニル、およびオキサゾリルから選択され、該ピリジニル、フェニル、およびオキサゾリルが、独立して、ハロゲン、シアノ、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cヒドロキシアルキル、およびC~Cアルコキシアルキルから独立して選択される1個以上、好ましくは1個の置換基によって任意に置換される)
またはその薬学的に許容される塩、もしくは水和物を提供する。
【0046】
さらなる好ましい実施形態では、該Raが、フェニル、ピリミジニル、ピリジニル、チアゾリル、チオジアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、およびトリアゾリルから選択され、該フェニル、ピリジニル、チアゾリル、チオジアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、およびトリアゾリルが、独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、シクロアルキル、C~Cアルキル置換シクロアルキル、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cアルキルアミノカルボニル、C~Cヒドロキシアルキル、C~Cハロアルコキシ、C~CジアルキルアミノC~Cアルキル、C~Cアミノアルキル、ならびにオキシラン、オキセタン、アジリジン、およびアゼチジンから選択される複素環から独立して選択される1個の置換基によって任意に置換され、該オキシラン、オキセタン、アジリジン、およびアゼチジンが、独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシによって任意に置換されるか、またはRaが、-CONHR’であり、R’が、C~Cアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、およびC~Cアルキル-N-モルホリノから選択され、該アリール、ヘテロアリール、およびC~Cアルキル-N-モルホリノが、独立して、ハロゲン、シクロアルキル、C~Cアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cヒドロキシアルキル、およびC~Cアルコキシアルキルから選択される1個の置換基によって任意に置換される。
【0047】
さらなる好ましい実施形態では、該Ar/Hetが、ピリジニル、フェニル、およびオキサゾリルから選択され、該ピリジニル、フェニル、およびオキサゾリルが、独立して、ハロゲン、シアノ、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cヒドロキシアルキル、およびC~Cアルコキシアルキルから選択される1個の置換基によって任意に置換される。
【0048】
さらなる好ましい実施形態では、該Ar/Hetが、ピリジニル、フェニル、およびオキサゾリルから選択され、該ピリジニル、フェニル、およびオキサゾリルが、独立して、ハロゲン、シアノ、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cヒドロキシアルキル、およびC~Cアルコキシアルキルから独立して選択される1個以上の置換基によって任意に置換される。
【0049】
さらなる好ましい実施形態では、該Ar/Hetが、ピリジニル、フェニル、およびオキサゾリルから選択され、該ピリジニル、フェニル、およびオキサゾリルが、独立して、ハロゲン、シアノ、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cヒドロキシアルキル、およびC~Cアルコキシアルキルから選択される1個の置換基によって任意に置換される。
【0050】
さらなる好ましい実施形態では、該Ar/Hetが、ピリジニル、フェニル、およびオキサゾリルから選択され、該ピリジニル、フェニル、およびオキサゾリルが、独立して、ハロゲンおよび、C~Cアルキルから独立して選択される1個以上の置換基によって任意に置換される。
【0051】
さらなる非常に好ましい実施形態では、該Ar/Hetが、ピリジニル、フェニル、およびオキサゾリルから選択され、該ピリジニル、フェニル、およびオキサゾリルが、独立して、ハロゲンおよび、C~Cアルキルから選択される1個の置換基によって任意に置換される。
【0052】
さらなる非常に好ましい実施形態では、該Ar/Hetが、ピリジニル、フェニル、およびオキサゾリルから選択され、該ピリジニル、フェニル、およびオキサゾリルが、独立して、フッ素およびメチルから独立して選択される1個以上の置換基によって任意に置換される。
【0053】
さらなる非常に好ましい実施形態では、該Ar/Hetが、ピリジニル、フェニル、およびオキサゾリルから選択され、該ピリジニル、フェニル、およびオキサゾリルが、独立して、フッ素およびメチルから選択される1個の置換基によって任意に置換される。
【0054】
さらなる他ならぬ実施形態では、該R1が、1または2個の同一のまたは異なるR1置換基を表し、該R1が、各出現において独立して、水素、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cヒドロキシアルキル、またはC~Cアルコキシアルキルから選択される。さらなる他ならぬ実施形態では、該R1が、1個のR1置換基を表し、該R1が、各出現において独立して、水素、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cヒドロキシアルキル、またはC~Cアルコキシアルキルから選択される。さらなる他ならぬ実施形態では、該R1が、1、2、または3個の同一のまたは異なるR1置換基を表し、該R1が、各出現において独立して、水素、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cヒドロキシアルキル、またはC~Cアルコキシアルキルから選択される。さらなる他ならぬ実施形態では、該R1が、1、2、または3個の同一のまたは異なるR1置換基を表し、該R1が、各出現において独立して、水素、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cヒドロキシアルキル、またはC~Cアルコキシアルキルから選択される。さらなる他ならぬ実施形態では、該R1が、1、2、または3個の同一のまたは異なるR1置換基を表し、該R1が、各出現において独立して、水素、ハロゲン、メチル、C-ハロアルキル、メトキシ、またはヒドロキシメチルから選択される。さらなる他ならぬ実施形態では、該R1が、1または2個の同一のまたは異なるR1置換基を表し、該R1が、各出現において独立して、水素、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cヒドロキシアルキル、またはC~Cアルコキシアルキルから選択される。さらなる他ならぬ実施形態では、該R1が、1または2個の同一のまたは異なるR1置換基を表し、該R1が、各出現において独立して、水素、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cヒドロキシアルキル、またはC~Cアルコキシアルキルから選択される。さらなる他ならぬ実施形態では、該R1が、1または2個の同一のまたは異なるR1置換基を表し、該R1が、各出現において独立して、水素、ハロゲン、メチル、C-ハロアルキル、メトキシ、またはヒドロキシメチルから選択される。
【0055】
本明細書でR1をさらに説明するときに、R1置換基の数が特定されていない場合(したがって、例として、1~3個のR1、または1もしくは2個のR1)、R1への該参照は、1個のR1置換基のみを含む本発明の化合物を指すことに留意されたい。
【0056】
さらなる非常に好ましい実施形態では、該化合物が、式Ia、式Ib、または式Icの化合物であり、該式Ia、式Ib、または式Icにおける該R2のそれぞれが、1~3個の同一のまたは異なるR2置換基を表し、好ましくは、該R2が、各出現において独立して、水素、C~Cアルキル、C~Cヒドロキシアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシアルキル、ハロゲン、シアノ、およびC~Cアルコキシから選択される。
【0057】
さらなる非常に好ましい実施形態では、該化合物が、式Ia、式Ib、または式Icの化合物であり、該式Ia、式Ib、または式Icにおける該R2のそれぞれが、1または2個の同一のまたは異なるR2置換基を表し、好ましくは、該R2が、各出現において独立して、水素、C~Cアルキル、C~Cヒドロキシアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシアルキル、ハロゲン、シアノ、およびC~Cアルコキシから選択され、さらに好ましくは、該R2が、各出現において独立して、水素、C~Cアルキル、C~Cヒドロキシアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシアルキル、ハロゲン、シアノ、およびC~Cアルコキシから選択される。
【0058】
さらなる非常に好ましい実施形態では、該化合物が、式Ia、式Ib、または式Icの化合物であり、該式Ia、式Ib、または式Icにおける該R2のそれぞれが、2個の同一のまたは異なるR2置換基を表し、好ましくは、該R2が、各出現において独立して、水素、C~Cアルキル、C~Cヒドロキシアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシアルキル、ハロゲン、シアノ、およびC~Cアルコキシから選択され、さらに好ましくは、該R2が、各出現において独立して、水素、C~Cアルキル、C~Cヒドロキシアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシアルキル、ハロゲン、シアノ、およびC~Cアルコキシから選択される。
【0059】
さらなる非常に好ましい実施形態では、該化合物が、式Ia、式Ib、または式Icの化合物であり、該式Ia、式Ib、または式Icにおける該R2のそれぞれが、1個のR2置換基を表し、好ましくは、該R2が、各出現において独立して、水素、C~Cアルキル、C~Cヒドロキシアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシアルキル、ハロゲン、シアノ、およびC~Cアルコキシから選択され、さらに好ましくは、該R2が、各出現において独立して、水素、C~Cアルキル、C~Cヒドロキシアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシアルキル、ハロゲン、シアノ、およびC~Cアルコキシから選択される。
【0060】
本明細書でR2をさらに説明するときに、R2置換基の数が特定されていない場合(したがって、例として、1~3個のR2、または1もしくは2個のR2)、R2への該参照は、1個のR2置換基のみを含む本発明の化合物を指すことに留意されたい。
【0061】
したがって、さらなる非常に好ましい実施形態では、該化合物が、式Ia、式Ib、または式Icの化合物であり、R1が、1~3個の同一のまたは異なるR1置換基を表し、該R1が、各出現において独立して、水素、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cヒドロキシアルキル、およびC~Cアルコキシアルキルから選択され、かつR2が、1~3個の同一のまたは異なるR2置換基を表し、該R2が、各出現において独立して、水素、C~Cアルキル、ハロゲン、シアノ、およびC~Cアルコキシから選択され、好ましくは、該R2が、各出現において独立して、水素、C~Cアルキル、C~Cヒドロキシアルキル、ハロゲン、シアノ、およびC~Cアルコキシから選択される。
【0062】
したがって、さらなる非常に好ましい実施形態では、該化合物が、式Ia、式Ib、または式Icの化合物であり、R2が、独立して、水素、C~Cアルキル、ハロゲン、シアノおよびC~Cアルコキシから選択され、好ましくは、該R2が、独立して、水素、C~Cアルキル、C~Cヒドロキシアルキル、ハロゲン、シアノおよびC~Cアルコキシから選択される。
【0063】
本発明のさらなる非常に好ましい実施形態では、該化合物は、式Iaの化合物
、(式中、R2が、水素、C~Cアルキル、ハロゲン、シアノ、およびC~Cアルコキシから選択され、好ましくは、該R2が、独立して、水素、C~Cアルキル、C~Cヒドロキシアルキル、ハロゲン、シアノ、およびC~Cアルコキシから選択される)である。
【0064】
本発明のさらなる非常に好ましい実施形態では、該化合物は、式Ibの化合物
、(式中、R2が、水素、C~Cアルキル、C~Cヒドロキシアルキル、ハロゲン、シアノ、およびC~Cアルコキシから選択され、好ましくは、該R2が、独立して、水素、C~Cアルキル、C~Cヒドロキシアルキル、ハロゲン、シアノ、およびC~Cアルコキシから選択される)である。
【0065】
本発明のさらなる非常に好ましい実施形態では、該化合物は、式Icの化合物
、(式中、R2が、水素、C~Cアルキル、C~Cヒドロキシアルキル、ハロゲン、シアノ、およびC~Cアルコキシから選択され、好ましくは、該R2が、独立して、水素、C~Cアルキル、C~Cヒドロキシアルキル、ハロゲン、シアノ、およびC~Cアルコキシから選択される)である。
【0066】
さらなる好ましい実施形態では、該Raが、フェニル、ピリジニル、ピリミジニル、チアゾリル、チオジアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、およびトリアゾリルから選択され、該フェニル、ピリジニル、チアゾリル、チオジアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、およびトリアゾリルが、独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、シクロアルキル、C~Cアルキル置換シクロアルキル、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cアルキルアミノカルボニル、C~Cヒドロキシアルキル、C~Cハロアルコキシ、C~CジアルキルアミノC~Cアルキル、およびC~Cアミノアルキル、ならびにオキシラン、オキセタン、アジリジン、およびアゼチジンから選択される複素環から独立して選択される1個以上、好ましくは1個の置換基によって任意に置換され、該オキシラン、オキセタン、アジリジン、およびアゼチジンが、独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシによって任意に置換されるか、またはRaが、-CONHR’であり、R’が、C~Cアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、およびC~Cアルキル-N-モルホリノから選択され、該アリール、ヘテロアリール、およびC~Cアルキル-N-モルホリノが、独立して、ハロゲン、シクロアルキル、C~Cアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cヒドロキシアルキル、およびC~Cアルコキシアルキルから独立して選択される1個以上、好ましくは1個の置換基によって任意に置換される。
【0067】
さらなる好ましい実施形態では、該Raが、フェニル、ピリジニル、ピリミジニル、チアゾリル、チオジアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、およびトリアゾリルから選択され、該フェニル、ピリジニル、チアゾリル、チオジアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、およびトリアゾリルが、独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、シクロアルキル、C~Cアルキル置換シクロアルキル、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cアルキルアミノカルボニル、C~Cヒドロキシアルキル、C~Cハロアルコキシ、C~CジアルキルアミノCアルキル、およびC~Cアミノアルキル、ならびにオキシラン、オキセタン、アジリジン、およびアゼチジンから選択される複素環から独立して選択される1個以上の置換基によって任意に置換され、該オキシラン、オキセタン、アジリジン、およびアゼチジンが、独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシによって任意に置換されるか、またはRaが、-CONHR’であり、R’が、C~Cアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、およびC~Cアルキル-N-モルホリノから選択され、該アリールおよび該ヘテロアリールが、独立して、ハロゲン、シクロアルキル、C~Cアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cヒドロキシアルキル、およびC~Cアルコキシアルキルから独立して選択される1個以上の置換基によって任意に置換される。
【0068】
さらなる好ましい実施形態では、該Raが、フェニル、ピリジニル、ピリミジニル、チアゾリル、チオジアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、およびトリアゾリルから選択され、該フェニル、ピリジニル、チアゾリル、チオジアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、およびトリアゾリルが、独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、シクロアルキル、C~Cアルキル置換シクロアルキル、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cアルキルアミノカルボニル、C~Cヒドロキシアルキル、C~Cハロアルコキシ、C~CジアルキルアミノC~Cアルキル、C~Cアミノアルキル、ならびにオキシラン、オキセタン、アジリジン、およびアゼチジンから選択される複素環から独立して選択される1個の置換基によって任意に置換され、該オキシラン、オキセタン、アジリジン、およびアゼチジンが、独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシによって任意に置換されるか、またはRaが、-CONHR’であり、R’が、C~Cアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、およびC~Cアルキル-N-モルホリノから選択され、該アリールおよび該ヘテロアリールが、独立して、ハロゲン、シクロアルキル、C~Cアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cヒドロキシアルキル、およびC~Cアルコキシアルキルから独立して選択される1個の置換基によって任意に置換される。
【0069】
さらなる好ましい実施形態では、該Raが、フェニル、ピリジニル、ピリミジニル、チアゾリル、チオジアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、およびトリアゾリルから選択され、該フェニル、ピリジニル、チアゾリル、チオジアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、およびトリアゾリルが、独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、シクロアルキル、C~Cアルキル置換シクロアルキル、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cアルキルアミノカルボニル、C~Cヒドロキシアルキル、C~Cハロアルコキシ、C~CジアルキルアミノC~CアルキルC~Cアミノアルキルならびにオキセタンおよびアゼチジンから選択される複素環から独立して選択される1個以上の置換基によって任意に置換され、該オキセタンおよび該アゼチジンが、独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシによって任意に置換されるか、またはRaが、-CONHR’であり、R’が、C~Cアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、およびC~Cアルキル-N-モルホリノから選択され、該アリールおよび該ヘテロアリールが、独立して、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cヒドロキシアルキル、およびC~Cアルコキシアルキルから独立して選択される1個以上の置換基によって任意に置換される。
【0070】
さらなる好ましい実施形態では、該Raが、フェニル、ピリジニル、ピリミジニル、チアゾリル、チオジアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、およびトリアゾリルから選択され、該フェニル、ピリジニル、チアゾリル、チオジアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、およびトリアゾリルが、独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、C~Cシクロアルキル、C~Cアルキル置換C~Cシクロアルキル、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cアルキルアミノカルボニル、C~Cヒドロキシアルキル、C~Cハロアルコキシ、C~CジアルキルアミノC~Cアルキル、C~Cアミノアルキルならびにオキセタンおよびアゼチジンから選択される複素環から独立して選択される1個の置換基によって任意に置換され、該オキセタンおよび該アゼチジンが、独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシによって任意に置換されるか、またはRaが、-CONHR’であり、R’が、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、およびC~Cアルキル-N-モルホリノから選択され、該アリールおよび該ヘテロアリールが、独立して、ハロゲン、C~Cシクロアルキル、C~Cアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cヒドロキシアルキル、およびC~Cアルコキシアルキルから独立して選択される1個の置換基によって任意に置換される。
【0071】
さらなる非常に好ましい実施形態では、該Raが、フェニル、ピリジニル、ピリミジニル、チアゾリル、チオジアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、およびトリアゾリルから選択され、該フェニル、ピリジニル、チアゾリル、チオジアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、およびトリアゾリルが、独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、C~Cシクロアルキル、C~Cアルキル置換C~Cシクロアルキル、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cヒドロキシアルキル、C~Cハロアルコキシ、C~CジアルキルアミノC~Cアルキルならびにオキセタンおよびアゼチジンから選択される複素環から独立して選択される1個以上の置換基によって任意に置換され、該オキセタンおよび該アゼチジンが、独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシによって任意に置換されるか、またはRaが、-CONHR’であり、R’が、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、およびC~Cアルキル-N-モルホリノから選択され、該アリールおよび該ヘテロアリールが、独立して、ハロゲン、C~Cシクロアルキル、およびC~Cアルコキシから独立して選択される1個以上の置換基によって任意に置換される。
【0072】
さらなる非常に好ましい実施形態では、該Raが、フェニル、ピリジニル、ピリミジニル、チアゾリル、チオジアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、およびトリアゾリルから選択され、該フェニル、ピリジニル、チアゾリル、チオジアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、およびトリアゾリルが、独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、C~Cシクロアルキル、C~Cアルキル置換C~Cシクロアルキル、C~Cアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cアルコキシアルキル、C~Cヒドロキシアルキル、C~Cハロアルコキシ、C~CジアルキルアミノC~Cアルキル、C~Cハロアルキル、ならびにオキセタンおよびアゼチジンから選択される複素環から独立して選択される1個の置換基によって任意に置換され、該オキセタンおよび該アゼチジンが、独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシによって任意に置換されるか、またはRaが、-CONHR’であり、R’が、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、およびC~Cアルキル-N-モルホリノから選択され、該アリールおよび該ヘテロアリールが、独立して、ハロゲン、C~Cシクロアルキル、およびC~Cアルコキシから独立して選択される1個の置換基によって任意に置換される。
【0073】
さらなる非常に好ましい実施形態では、該Raが、フェニル、ピリジニル、ピリミジニル、チアゾリル、チオジアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、およびトリアゾリルから選択され、該フェニル、ピリジニル、チアゾリル、チオジアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、およびトリアゾリルが、独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、C~Cシクロアルキル、C~Cアルキル置換C~Cシクロアルキル、C~Cアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cアルコキシアルキル、C~Cヒドロキシアルキル、C~Cハロアルコキシ、C~CジアルキルアミノC~Cアルキル、C~Cハロアルキル、ならびにオキセタンおよびアゼチジンから選択される複素環から独立して選択される1個以上の置換基によって任意に置換され、該オキセタンおよび該アゼチジンが、独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシによって任意に置換されるか、またはRaが、-CONHR’であり、R’が、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびC~Cアルキル-N-モルホリノから選択され、該アリールおよび該ヘテロアリールが、独立して、ハロゲン、C~Cシクロアルキル、およびC~Cアルコキシから独立して選択される1個以上の置換基によって任意に置換される。
【0074】
さらなる非常に好ましい実施形態では、該Raが、フェニル、ピリジニル、ピリミジニル、チアゾリル、チオジアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、およびトリアゾリルから選択され、該フェニル、ピリジニル、チアゾリル、チオジアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、およびトリアゾリルが、独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、C~Cシクロアルキル、C~Cアルキル置換C~Cシクロアルキル、C~Cアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cアルコキシアルキル、C~Cヒドロキシアルキル、C~Cハロアルコキシ、C~CジアルキルアミノC~Cアルキル、C~Cハロアルキル、ならびにオキセタンおよびアゼチジンから選択される複素環から独立して選択される1個の置換基によって任意に置換され、該オキセタンおよび該アゼチジンが、独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシによって任意に置換されるか、またはRaが、-CONHR’であり、R’が、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびC~Cアルキル-N-モルホリノから選択され、該アリールおよび該ヘテロアリールが、独立して、ハロゲン、C~Cシクロアルキル、およびC~Cアルコキシから独立して選択される1個の置換基によって任意に置換される。
【0075】
さらなる非常に好ましい実施形態では、該Raが、フェニル、ピリジニル、ピリミジニル、チアゾリル、チオジアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、およびトリアゾリルから選択され、該フェニル、ピリジニル、チアゾリル、チオジアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、およびトリアゾリルが、独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、C~Cシクロアルキル、C~Cアルキル置換C~Cシクロアルキル、C~Cアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cアルコキシアルキル、C~Cヒドロキシアルキル、C~Cハロアルコキシ、C~CジアルキルアミノC~Cアルキル、C~Cハロアルキル、ならびにオキセタンおよびアゼチジンから選択される複素環から独立して選択される1個以上の置換基によって任意に置換され、該オキセタンおよび該アゼチジンが、独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシによって任意に置換されるか、またはRaが、-CONHR’であり、R’が、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、アリール、およびC~Cアルキル-N-モルホリノから選択され、該アリールが、独立して、ハロゲン、C~Cシクロアルキル、およびC~Cアルコキシから独立して選択される1個以上の置換基によって任意に置換される。
【0076】
さらなる非常に好ましい実施形態では、該Raが、フェニル、ピリジニル、ピリミジニル、チアゾリル、チオジアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、およびトリアゾリルから選択され、該フェニル、ピリジニル、チアゾリル、チオジアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、およびトリアゾリルが、独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、C~Cシクロアルキル、C~Cアルキル置換C~Cシクロアルキル、C~Cアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cアルコキシアルキル、C~Cヒドロキシアルキル、C~Cハロアルコキシ、C~CジアルキルアミノC~Cアルキル、C~Cハロアルキル、ならびにオキセタンおよびアゼチジンから選択される複素環から独立して選択される1個の置換基によって任意に置換され、該オキセタンおよび該アゼチジンが、独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシによって任意に置換されるか、またはRaが、-CONHR’であり、R’が、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、アリール、およびC~Cアルキル-N-モルホリノから選択され、該アリールが、独立して、ハロゲン、C~Cシクロアルキル、およびC~Cアルコキシから独立して選択される1個の置換基によって任意に置換される。
【0077】
さらなる非常に好ましい実施形態では、該Raが、
からなる群から選択される。
【0078】
さらなる非常に好ましい実施形態では、該Raが、フェニル、ピリジニル、ピリミジニル、チアゾリル、チオジアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、およびトリアゾリルから選択され、該フェニル、ピリジニル、チアゾリル、チオジアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、およびトリアゾリルが、独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、C~Cシクロアルキル、C~Cアルキル置換C~Cシクロアルキル、C~Cアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルキル、C~Cヒドロキシアルキル、C~Cハロアルコキシ、C~CジアルキルアミノC~Cアルキルならびにオキセタンおよびアゼチジンから選択される複素環から選択される1個以上の置換基によって任意に置換され、該オキセタンおよび該アゼチジンが、独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシによって任意に置換される。
【0079】
さらなる非常に好ましい実施形態では、該Raが、フェニル、ピリジニル、ピリミジニル、チアゾリル、チオジアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、およびトリアゾリルから選択され、該フェニル、ピリジニル、チアゾリル、チオジアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、およびトリアゾリルが、独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、C~Cシクロアルキル、C~Cアルキル置換C~Cシクロアルキル、C~Cアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルキル、C~Cヒドロキシアルキル、C~Cハロアルコキシ、C~CジアルキルアミノC~Cアルキルならびにオキセタンおよびアゼチジンから選択される複素環から選択される1個の置換基によって任意に置換され、該オキセタンおよび該アゼチジンが、独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシによって任意に置換される。
【0080】
さらなる非常に好ましい実施形態では、該Raが、フェニル、ピリジニル、ピリミジニル、チアゾリル、チオジアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、およびトリアゾリルから選択され、該フェニル、ピリジニル、チアゾリル、チオジアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、およびトリアゾリルが、独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、C~Cシクロアルキル、C~Cアルキル置換C~Cシクロアルキル、C~Cアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルキル、C~Cヒドロキシアルキル、C~Cハロアルコキシ、C~CジアルキルアミノC~Cアルキルならびにオキセタンおよびアゼチジンから選択される複素環から選択される1個以上の置換基によって任意に置換され、該オキセタンおよび該アゼチジンが、独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシによって任意に置換される。
【0081】
さらなる非常に好ましい実施形態では、該Raが、フェニル、ピリジニル、ピリミジニル、チアゾリル、チオジアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、およびトリアゾリルから選択され、該フェニル、ピリジニル、チアゾリル、チオジアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、およびトリアゾリルが、独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、C~Cシクロアルキル、C~Cアルキル置換C~Cシクロアルキル、C~Cアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルキル、C~Cヒドロキシアルキル、C~Cハロアルコキシ、C~CジアルキルアミノC~Cアルキル、オキセタン、およびハロゲン、ヒドロキシル、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシによって置換されるオキセタンから選択される1個の置換基によって任意に置換される。
【0082】
さらなる非常に好ましい実施形態では、該Raが、フェニル、ピリジニル、ピリミジニル、チアゾリル、チオジアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、およびトリアゾリルから選択され、該フェニル、ピリジニル、チアゾリル、チオジアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、およびトリアゾリルが、独立して、F、Cl、ヒドロキシル、シクロプロピル、メチル置換シクロプロピル、ヒドロキシ置換オキセタン、メトキシ、CF、OCHCHF、ヒドロキシメチル、C(CHOH、CH(CH)OH、CH[CH(CH]OH、ジメチルアミノメチル、メチル、エチル、イソプロピル、およびtert-ブチルから選択される1個以上の置換基によって任意に置換される。
【0083】
さらなる非常に好ましい実施形態では、該Raが、フェニル、ピリジニル、ピリミジニル、チアゾリル、チオジアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、およびトリアゾリルから選択され、該フェニル、ピリジニル、チアゾリル、チオジアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、およびトリアゾリルが、独立して、F、Cl、ヒドロキシル、シクロプロピル、メチル置換シクロプロピル、ヒドロキシ置換オキセタン、メトキシ、CF、OCHCHF、ヒドロキシメチル、C(CHOH、CH(CH)OH、CH[CH(CH]OH、ジメチルアミノメチル、メチル、エチル、イソプロピル、およびtert-ブチルから選択される1個の置換基によって任意に置換される。
【0084】
さらなる非常に好ましい実施形態では、該Raが、
からなる群から選択される。
【0085】
さらなる非常に好ましい実施形態では、該Raが、-CONHR’であり、R’が、C~Cアルキル、アリール、およびC~Cアルキル-N-モルホリノから選択され、該アリールが、ハロゲン、C~Cアルキル、およびC~Cアルコキシから独立して選択される1個以上の置換基によって任意に置換される。
【0086】
さらなる非常に好ましい実施形態では、該Raが、-CONHR’であり、R’が、C~Cアルキル、アリール、およびC~Cアルキル-N-モルホリノから選択され、該アリールが、ハロゲン、C~Cアルキル、およびC~Cアルコキシから独立して選択される1個の置換基によって任意に置換される。
【0087】
さらなる非常に好ましい実施形態では、該Raが、-CONHR’であり、R’が、C~Cアルキル、アリール、およびC~Cアルキル-N-モルホリノから選択され、該アリールが、ハロゲン、C~Cアルキル、およびC~Cアルコキシから独立して選択される1個以上の置換基によって任意に置換される。
【0088】
さらなる非常に好ましい実施形態では、該Raが、-CONHR’であり、R’が、C~Cアルキル、アリール、およびC~Cアルキル-N-モルホリノから選択され、該アリールが、ハロゲン、C~Cアルキル、およびC~Cアルコキシから独立して選択される1個の置換基によって任意に置換される。
【0089】
さらなる非常に好ましい実施形態では、該Raが、-CONHR’であり、R’が、メチル、フェニル、およびエチル-N-モルホリノから選択され、該フェニルが、Cおよびメトキシから独立して選択される1個以上の置換基によって任意に置換される。
【0090】
さらなる非常に好ましい実施形態では、該Raが、-CONHR’であり、R’が、メチル、フェニル、およびエチル-N-モルホリノから選択され、該フェニルが、Cおよびメトキシから独立して選択される1個の置換基によって任意に置換される。
【0091】
さらなる非常に好ましい実施形態では、該Raが、
からなる群から選択される。
【0092】
さらなる非常に好ましい実施形態では、該R1が、水素、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cヒドロキシアルキル、およびC~Cアルコキシアルキルから選択される。
【0093】
さらなる非常に好ましい実施形態では、該R1が、水素、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cヒドロキシアルキル、およびC~Cアルコキシアルキルから選択される。
【0094】
さらなる非常に好ましい実施形態では、該R1が、水素、ハロゲン、C~Cアルキル、およびC~Cハロアルキルから選択される。さらなる非常に好ましい実施形態では、該R1が、水素、F、Cl、CH、およびCFから選択される。さらなる非常に好ましい実施形態では、該R1が、水素、F、およびCFから選択される。さらなる非常に好ましい実施形態では、該R1が、水素、F、およびCHから選択される。さらなる非常に好ましい実施形態では、該R1が、Hである。
【0095】
さらなる非常に好ましい実施形態では、該R1がFであり、好ましくは、該Fが、トリアジン環への結合点に対してオルト位にある。
【0096】
さらなる非常に好ましい実施形態では、該R1がCFであり、好ましくは、該CFが、トリアジン環への結合点に対してメタ位にある。
【0097】
さらなる非常に好ましい実施形態では、該R1がCHであり、好ましくは、該CHが、トリアジン環への結合点に対してメタ位にある。
【0098】
さらなる非常に好ましい実施形態では、該R1が、ハロゲン、C~Cハロアルキル、および水素から選択され、かつ該Raが、フェニル、ピリジニル、チアゾリル、チオジアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、およびトリアゾリルから選択され、該フェニル、ピリジニル、チアゾリル、チオジアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、およびトリアゾリルが、独立して、ハロゲン、C~Cアルキル、およびC~Cハロアルキルから選択される置換基によって任意に置換されるか、またはRaが、-CONHR’であり、R’が、C~Cアルキルであり、該Ar/Hetが、ピリジニル、フェニル、およびオキサゾリルから選択され、該ピリジニル、フェニル、およびオキサゾリルが、独立して、ハロゲンおよび、C~Cアルキルから選択される置換基によって任意に置換される。
【0099】
さらなる非常に好ましい実施形態では、該R1が、F、CF3、および水素から選択される。
Raが、フェニル、ピリジニル、チアゾリル、チオジアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、およびトリアゾリルから選択され、該フェニル、ピリジニル、チアゾリル、チオジアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、およびトリアゾリルが、独立して、F、メチル、およびCFから選択される置換基によって任意に置換されるか、またはRaが、-CONHR’であり、R’が、メチルであり、Ar/Hetが、ピリジニル、フェニル、およびオキサゾリルから選択され、該ピリジニル、フェニル、およびオキサゾリルが、独立して、Fおよびメチルから選択される置換基によって任意に置換される。
【0100】
さらなる非常に好ましい実施形態では、該R1が、水素、F、およびCFから選択され、かつ該Raが、フェニル、ピリジニル、チアゾリル、チオジアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、およびトリアゾリルから選択され、該フェニル、ピリジニル、チアゾリル、チオジアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、およびトリアゾリルが、独立して、水素、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cアルキルアミノカルボニル、C~Cヒドロキシアルキル、C~Cジアルキルアミノアルキル、およびC~Cアミノアルキルから選択される1個以上の置換基によって任意に置換されるか、またはRaが、-CONHR’であり、R’が、C~Cアルキル、アリール、ヘテロアリール、およびC~Cアルキル-N-モルホリノから選択され、該アリール、ヘテロアリール、およびC~Cアルキル-N-モルホリノが、独立して、水素、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cヒドロキシアルキル、およびC~Cアルコキシアルキルから選択される1個以上の置換基によって任意に置換され、かつ該Ar/Hetが、ピリジニル、フェニル、およびオキサゾリルから選択され、該ピリジニル、フェニル、およびオキサゾリルが、独立して、ハロゲン、シアノ、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cヒドロキシアルキル、およびC~Cアルコキシアルキルから選択される1個以上の置換基によって任意に置換される。
【0101】
さらなる非常に好ましい実施形態では、該化合物は、式Ia、式Ib、または式Icの化合物
(式中、該式Ia、式Ib、または式Icにおける該R2のそれぞれが、1または2個の同一のまたは異なるR2置換基を表し、該R2が、各出現において独立して、水素、C~Cアルキル、C~Cヒドロキシアルキル、ハロゲン、シアノ、およびC~Cアルコキシから選択される)である。
【0102】
さらなる非常に好ましい実施形態では、該化合物が、式Ia、式Ib、または式Icの化合物であり、該式Ia、式Ib、または式Icにおける該R2のそれぞれが、1個のR2置換基を表し、R2が、独立して、水素、C~Cアルキル、ハロゲン、およびC~Cアルコキシから選択される。
【0103】
さらなる非常に好ましい実施形態では、該R2が、水素、C~Cアルキル、C~Cヒドロキシアルキル、ハロゲン、およびC~Cアルコキシルから選択される。
【0104】
さらなる非常に好ましい実施形態では、該化合物が、式Ia、式Ib、または式Icの化合物であり、該式Ia、式Ib、または式Icにおける該R2のそれぞれが、1または2個の同一のまたは異なるR2置換基を表し、該R2が、各出現において独立して、水素、C~Cアルキル、C~Cヒドロキシアルキル、およびハロゲンから選択される。
【0105】
さらなる非常に好ましい実施形態では、該化合物が、式Ia、式Ib、または式Icの化合物であり、該式Ia、式Ib、または式Icにおける該R2のそれぞれが、1個のR2置換基を表し、該R2が、水素、C~Cアルキル、C~Cヒドロキシアルキル、およびハロゲンから選択される。
【0106】
さらなる非常に好ましい実施形態では、該化合物が、式Ia、式Ib、または式Icの化合物であり、該式Ia、式Ib、または式Icにおける該R2のそれぞれが、1または2個の同一のまたは異なるR2置換基を表し、該R2が、各出現において独立して、水素、F、ヒドロキシメチル、およびメチルから選択される。
【0107】
さらに非常に好ましくは、該化合物が、式Ia、式Ib、または式Icの化合物であり、該R2が、水素、F、およびメチルから選択される。
【0108】
さらなる非常に好ましい実施形態では、該化合物が、式Iaの化合物
、(式中、
該R1が、水素、ハロゲン、およびC~Cハロアルキルから選択され、
該R2が、水素、C~Cアルキル、C~Cヒドロキシアルキル、およびハロゲンから選択され、かつ
該Raが、フェニル、ピリジニル、ピリミジニル、チアゾリル、チオジアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、およびトリアゾリルから選択され、該フェニル、ピリジニル、チアゾリル、チオジアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、およびトリアゾリルが、独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、C~Cシクロアルキル、C~Cアルキル置換シクロアルキル、C~Cアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cアルコキシアルキル、C~Cヒドロキシアルキル、C~Cハロアルコキシ、C~CジアルキルアミノC~Cアルキル、C~Cハロアルキル、ならびにオキセタンおよびアゼチジンから選択される複素環から独立して選択される1個の置換基によって任意に置換され、該オキセタンおよび該アゼチジンが、独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシによって任意に置換されるか、またはRaが、-CONHR’であり、R’が、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、アリール、およびC~Cアルキル-N-モルホリノから選択され、該アリールが、独立して、ハロゲン、C~Cシクロアルキ、およびC~Cアルコキシから独立して選択される1個の置換基によって任意に置換される)である。さらなる非常に好ましい実施形態では、該化合物が、式Iaの化合物であり、該R1が、水素である。
【0109】
さらなる非常に好ましい実施形態では、該化合物は、式Ibの化合物
、(式中、
該R1が、水素、ハロゲン、およびC~Cハロアルキルから選択され、
該R2が、水素、C~Cアルキ、およびハロゲンから選択され、
該Raが、フェニル、ピリジニル、ピリミジニル、チアゾリル、チオジアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、およびトリアゾリルから選択され、該フェニル、ピリジニル、チアゾリル、チオジアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、およびトリアゾリルが、独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、C~Cシクロアルキル、C~Cアルキル置換シクロアルキル、C~Cアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cアルコキシアルキル、C~Cヒドロキシアルキル、C~Cハロアルコキシ、C~CジアルキルアミノC~CアルキルC~Cハロアルキル、ならびにオキセタンおよびアゼチジンから選択される複素環から独立して選択される1個の置換基によって任意に置換され、該オキセタンおよび該アゼチジンが、独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシによって任意に置換されるか、またはRaが、-CONHR’であり、R’が、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、アリール、およびC~Cアルキル-N-モルホリノから選択され、該アリールが、独立して、ハロゲン、C~Cシクロアルキル、およびC~Cアルコキシから独立して選択される1個の置換基によって任意に置換される)である。さらなる非常に好ましい実施形態では、該化合物が、式Iaの化合物であり、該R1が、水素である。
【0110】
さらなる非常に好ましい実施形態では、該化合物が、式Ibの化合物であり、該R2が、Fであり、好ましくは、該Fが、トリアジン環への結合点に対してオルト位にある。
【0111】
さらなる非常に好ましい実施形態では、該化合物は、式Icの化合物
、(式中、
該R1が、水素、ハロゲン、およびC~Cハロアルキルから選択され、
該R2が、水素、C~Cアルキ、およびハロゲンから選択され、
該Raが、フェニル、ピリジニル、ピリミジニル、チアゾリル、チオジアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、およびトリアゾリルから選択され、該フェニル、ピリジニル、チアゾリル、チオジアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、およびトリアゾリルが、独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、C~Cシクロアルキル、C~Cアルキル置換シクロアルキル、C~Cアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cアルコキシアルキル、C~Cヒドロキシアルキル、C~Cハロアルコキシ、C~CジアルキルアミノC~Cアルキル、C~Cハロアルキル、ならびにオキセタンおよびアゼチジンから選択される複素環から独立して選択される1個の置換基によって任意に置換され、該オキセタンおよび該アゼチジンが、独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシによって任意に置換されるか、またはRaが、-CONHR’であり、R’が、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、アリール、およびC~Cアルキル-N-モルホリノから選択され、該アリールが、独立して、ハロゲン、C~Cシクロアルキル、およびC~Cアルコキシから独立して選択される1個の置換基によって任意に置換される)である。さらなる非常に好ましい実施形態では、該化合物が、式Iaの化合物であり、該R1が、水素である。
【0112】
さらなる非常に好ましい実施形態では、該化合物が、
6-(3-フルオロピリジン-4-イル)-N,5-ジ(ピリジン-3-イル)-1,2,4-トリアジン-3-アミン、
N-(3-フルオロフェニル)-6-(3-フルオロピリジン-4-イル)-5-(ピリジン-3-イル)-1,2,4-トリアジン-3-アミン、
N-(6-(3-フルオロピリジン-4-イル)-5-(ピリジン-3-イル)-1,2,4-トリアジン-3-イル)チアゾール-2-アミン、
4-クロロ-N-(6-(3-フルオロピリジン-4-イル)-5-(ピリジン-3-イル)-1,2,4-トリアジン-3-イル)チアゾール-2-アミン、
N-(6-(3-フルオロピリジン-4-イル)-5-(ピリジン-3-イル)-1,2,4-トリアジン-3-イル)-3-メチル-1,2,4-チアジアゾール-5-アミン、
N-(6-(3-フルオロピリジン-4-イル)-5-(ピリジン-3-イル)-1,2,4-トリアジン-3-イル)-5-メチル-1,3,4-チアジアゾール-2-アミン、
1-(6-(3-フルオロピリジン-4-イル)-5-(ピリジン-3-イル)-1,2,4-トリアジン-3-イル)-3-メチル尿素、
5-(2-フルオロフェニル)-N-(ピリジン-3-イル)-6-(2-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-イル)-1,2,4-トリアジン-3-アミン、
5-(2-フルオロフェニル)-N-(ピリジン-3-イル)-6-(2-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-イル)-1,2,4-トリアジン-3-アミン、
4-クロロ-N-(5-(2-フルオロフェニル)-6-(2-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-イル)-1,2,4-トリアジン-3-イル)チアゾール-2-アミン、
N-(5-(2-フルオロフェニル)-6-(2-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-イル)-1,2,4-トリアジン-3-イル)-3-メチル-1,2,4-チアジアゾール-5-アミン、
5-(2-フルオロフェニル)-N-(3-フルオロフェニル)-6-(3-フルオロピリジン-4-イル)-1,2,4-トリアジン-3-アミン、
N-(5-(2-フルオロフェニル)-6-(3-フルオロピリジン-4-イル)-1,2,4-トリアジン-3-イル)-3-メチル-1,2,4-チアジアゾール-5-アミン、
5-(2-フルオロフェニル)-6-(3-フルオロピリジン-4-イル)-N-(3-メチル-1H-ピラゾル-5-イル)-1,2,4-トリアジン-3-アミン、
5-(2-フルオロフェニル)-6-(3-フルオロピリジン-4-イル)-N-(3-メチル-1H-1,2,4-トリアゾル-5-イル)-1,2,4-トリアジン-3-アミン、
1-(5-(2-フルオロフェニル)-6-(3-フルオロピリジン-4-イル)-1,2,4-トリアジン-3-イル)-3-メチル尿素、
N-(3-フルオロフェニル)-6-(3-フルオロピリジン-4-イル)-5-(5-メチルオキサゾール-2-イル)-1,2,4-トリアジン-3-アミン、
N-(3-エチル-1H-1,2,4-トリアゾル-5-イル)-5-(2-フルオロフェニル)-6-(3-フルオロ-4-ピリジル)-1,2,4-トリアジン-3-アミン、
[5-[[5-(2-フルオロフェニル)-6-(3-フルオロ-4-ピリジル)-1,2,4-トリアジン-3-イル]アミノ]-1H-1,2,4-トリアゾル-3-イル]メタノール、
N-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-1H-1,2,4-トリアゾル-5-イル]-5-(2-フルオロフェニル)-6-(3-フルオロ-4-ピリジル)-1,2,4-トリアジン-3-アミン、
5-(2-フルオロフェニル)-6-(3-フルオロ-4-ピリジル)-N-(6-メチル-3-ピリジル)-1,2,4-トリアジン-3-アミン、
[5-[[5-(2-フルオロフェニル)-6-(3-フルオロ-4-ピリジル)-1,2,4-トリアジン-3-イル]アミノ]-2-ピリジル]メタノール、
5-(2-フルオロフェニル)-6-(3-フルオロ-4-ピリジル)-N-(6-メトキシ-3-ピリジル)-1,2,4-トリアジン-3-アミン、
5-(2-フルオロフェニル)-6-(3-フルオロ-4-ピリジル)-N-[6-(トリフルオロメチル)-3-ピリジル]-1,2,4-トリアジン-3-アミン、
1-(3-クロロフェニル)-3-[6-(3-フルオロ-4-ピリジル)-5-(3-ピリジル)-1,2,4-トリアジン-3-イル]尿素、
1-[6-(3-フルオロ-4-ピリジル)-5-(3-ピリジル)-1,2,4-トリアジン-3-イル]-3-(4-メトキシフェニル)尿素、
1-[6-(3-フルオロ-4-ピリジル)-5-(3-ピリジル)-1,2,4-トリアジン-3-イル]-3-(2-モルホリノエチル)尿素、
1-(3-クロロフェニル)-3-[5-(2-フルオロフェニル)-6-(3-フルオロ-4-ピリジル)-1,2,4-トリアジン-3-イル]尿素、
1-[5-(2-フルオロフェニル)-6-(3-フルオロ-4-ピリジル)-1,2,4-トリアジン-3-イル]-3-(4-メトキシフェニル)尿素、
1-[5-(2-フルオロフェニル)-6-(3-フルオロ-4-ピリジル)-1,2,4-トリアジン-3-イル]-3-(2-モルホリノエチル)尿素、
N-(3-シクロプロピル-1H-1,2,4-トリアゾル-5-イル)-5-(2-フルオロフェニル)-6-(3-フルオロ-4-ピリジル)-1,2,4-トリアジン-3-アミン、
5-(2-フルオロフェニル)-6-(3-フルオロ-4-ピリジル)-N-[3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾル-5-イル]-1,2,4-トリアジン-3-アミン、
N-(3-エチル-1H-ピラゾル-5-イル)-5-(2-フルオロフェニル)-6-(3-フルオロ-4-ピリジル)-1,2,4-トリアジン-3-アミン、
N-(3-シクロプロピル-1H-ピラゾル-5-イル)-5-(2-フルオロフェニル)-6-(3-フルオロ-4-ピリジル)-1,2,4-トリアジン-3-アミン、
1-シクロプロピル-3-[5-(2-フルオロフェニル)-6-(3-フルオロ-4-ピリジル)-1,2,4-トリアジン-3-イル]尿素、
N-[6-(2、2-ジフルオロエトキシ)ピリジン-3-イル]-5-(2-フルオロフェニル)-6-(3-フルオロピリジン-4-イル)-1,2,4-
トリアジン-3-アミン、
2-フルオロ-4-{[5-(2-フルオロフェニル)-6-(3-フルオロピリジン-4-イル)-1,2,4-トリアジン-3-イル]アミノ}フェニル)メタノール、
2-(5-{[5-(2-フルオロフェニル)-6-(3-フルオロピリジン-4-イル)-1,2,4-トリアジン-3-イル]アミノ}ピリジン-2-イル)プロパン-2-オール、
(5-{[5-(2-フルオロフェニル)-6-(3-フルオロピリジン-4-イル)-1,2,4-トリアジン-3-イル]アミノ}ピリミジン-2-イル)メタノール、
1-(5-{[5-(2-フルオロフェニル)-6-(3-フルオロピリジン-4-イル)-1,2,4-トリアジン-3-イル]アミノ}ピリジン-2-イル)エタン-1-オール、
3-(5-{[5-(2-フルオロフェニル)-6-(3-フルオロピリジン-4-イル)-1,2,4-トリアジン-3-イル]アミノ}ピリジン-2-イル)オキセタン-3-オール、
5-(2-フルオロフェニル)-6-(3-フルオロピリジン-4-イル)-N-[6-(プロパン-2-イル)ピリジン-3-イル]-1,2,4-トリアジン-3-アミン、
1-(5-{[5-(2-フルオロフェニル)-6-(3-フルオロピリジン-4-イル)-1,2,4-トリアジン-3-イル]アミノ}ピリジン-2-イル)-2-メチルプロパン-1-オール、
N-(6-シクロプロピルピリジン-3-イル)-5-(2-フルオロフェニル)-6-(3-フルオロピリジン-4-イル)-1,2,4-トリアジン-3-アミン、
5-(2-フルオロフェニル)-6-(3-フルオロピリジン-4-イル)-N-[3-(プロパン-2-イル)-1H-1,2,4-トリアゾル-5-イル]-1,2,4-トリアジン-3-
アミン、
N-(3-tert-ブチル-1H-1,2,4-トリアゾル-5-イル)-5-(2-フルオロフェニル)-6-(3-フルオロピリジン-4-イル)-1,2,4-トリアジン-3-アミン、
5-(2-フルオロフェニル)-6-(3-フルオロピリジン-4-イル)-N-[3-(1-メチルシクロプロピル)-1H-1,2,4-トリアゾル-5-イル]-1,2,4-トリアジン-3-アミンおよび
2-(5-{[5-(2-フルオロフェニル)-6-(3-フルオロピリジン-4-イル)-1,2,4-トリアジン-3-イル]アミノ}-1H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)プロパン-2-オールから選択される。
【0113】
さらなる非常に好ましい実施形態では、該化合物が、
6-(3-フルオロピリジン-4-イル)-N,5-ジ(ピリジン-3-イル)-1,2,4-トリアジン-3-アミン、
N-(3-フルオロフェニル)-6-(3-フルオロピリジン-4-イル)-5-(ピリジン-3-イル)-1,2,4-トリアジン-3-アミン、
N-(6-(3-フルオロピリジン-4-イル)-5-(ピリジン-3-イル)-1,2,4-トリアジン-3-イル)チアゾール-2-アミン、
4-クロロ-N-(6-(3-フルオロピリジン-4-イル)-5-(ピリジン-3-イル)-1,2,4-トリアジン-3-イル)チアゾール-2-アミン、
N-(6-(3-フルオロピリジン-4-イル)-5-(ピリジン-3-イル)-1,2,4-トリアジン-3-イル)-3-メチル-1,2,4-チアジアゾール-5-アミン、
N-(6-(3-フルオロピリジン-4-イル)-5-(ピリジン-3-イル)-1,2,4-トリアジン-3-イル)-5-メチル-1,3,4-チアジアゾール-2-アミン、
1-(6-(3-フルオロピリジン-4-イル)-5-(ピリジン-3-イル)-1,2,4-トリアジン-3-イル)-3-メチル尿素、
5-(2-フルオロフェニル)-N-(ピリジン-3-イル)-6-(2-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-イル)-1,2,4-トリアジン-3-アミン、
5-(2-フルオロフェニル)-N-(ピリジン-3-イル)-6-(2-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-イル)-1,2,4-トリアジン-3-アミン、
4-クロロ-N-(5-(2-フルオロフェニル)-6-(2-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-イル)-1,2,4-トリアジン-3-イル)チアゾール-2-アミン、
N-(5-(2-フルオロフェニル)-6-(2-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-イル)-1,2,4-トリアジン-3-イル)-3-メチル-1,2,4-チアジアゾール-5-アミン、
5-(2-フルオロフェニル)-N-(3-フルオロフェニル)-6-(3-フルオロピリジン-4-イル)-1,2,4-トリアジン-3-アミン、
N-(5-(2-フルオロフェニル)-6-(3-フルオロピリジン-4-イル)-1,2,4-トリアジン-3-イル)-3-メチル-1,2,4-チアジアゾール-5-アミン、
5-(2-フルオロフェニル)-6-(3-フルオロピリジン-4-イル)-N-(3-メチル-1H-ピラゾル-5-イル)-1,2,4-トリアジン-3-アミン、
5-(2-フルオロフェニル)-6-(3-フルオロピリジン-4-イル)-N-(3-メチル-1H-1,2,4-トリアゾル-5-イル)-1,2,4-トリアジン-3-アミン、
1-(5-(2-フルオロフェニル)-6-(3-フルオロピリジン-4-イル)-1,2,4-トリアジン-3-イル)-3-メチル尿素、
(2-フルオロ-4-{[5-(2-フルオロフェニル)-6-(3-フルオロピリジン-4-イル)-1,2,4-トリアジン-3-イル]アミノ}フェニル)メタノール、
2-(5-{[5-(2-フルオロフェニル)-6-(3-フルオロピリジン-4-イル)-1,2,4-トリアジン-3-イル]アミノ}ピリジン-2-イル)プロパン-2-オール、
(5-{[5-(2-フルオロフェニル)-6-(3-フルオロピリジン-4-イル)-1,2,4-トリアジン-3-イル]アミノ}ピリミジン-2-イル)メタノール、
N-(6-シクロプロピルピリジン-3-イル)-5-(2-フルオロフェニル)-6-(3-フルオロピリジン-4-イル)-1,2,4-トリアジン-3-アミン、および
N-(3-tert-ブチル-1H-1,2,4-トリアゾル-5-イル)-5-(2-フルオロフェニル)-6-(3-フルオロピリジン-4-イル)-1,2,4-トリアジン-3-アミンから選択される。
【0114】
式Iの本発明の化合物の多くは、酸付加塩、特に薬学的に許容される酸付加塩を形成することができる。式Iの化合物の薬学的に許容される酸付加塩としては、無機酸、例えば、フッ化水素酸、塩酸、臭化水素酸またはヨウ化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸などのハロゲン化水素酸、ならびに有機酸、例えば、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、および酪酸などの脂肪族モノカルボン酸、乳酸酸、クエン酸、酒石酸、またはリンゴ酸などの脂肪族ヒドロキシ酸、マレイン酸またはコハク酸などのジカルボン酸、安息香酸、p-クロロ安息香酸、ジフェニル酢酸、またはトリフェニル酢酸などの芳香族カルボン酸、o-ヒドロキシ安息香酸、pヒドロキシ安息香酸、1-ヒドロキシナフタレン-2-カルボン酸、または3-ヒドロキシナフタレン-2カルボキシル酸などの芳香族ヒドロキシ酸、およびメタンスルホン酸またはベンゼンスルホン酸などのスルホン酸が挙げられる。これらの塩は、既知の塩形成手順によって式Iの化合物から調製することができる。
【0115】
酸性、例えばカルボキシル基を含む式Iの化合物はまた、塩基、特に当技術分野で周知のものなどの薬学的に許容される塩基と塩を形成することができ、好適なかかる塩としては、金属塩、特に、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、もしくはカルシウム塩などのアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属塩、またはエタノールアミン、ベンジルアミン、もしくはピリジンなどのアンモニアもしくは薬学的に許容される有機アミンもしくは複素環塩基を有する塩が挙げられる。これらの塩は、既知の塩形成手順によって式Iの化合物から調製することができる。
【0116】
「水和物」は、1つ以上の水分子および本発明の化合物の会合体または複合体を指す。水和物は、化学量論的または非化学量論的であり得る。水和物の特に好ましい例としては、半水和物、一水和物、および二水和物が挙げられる。
【0117】
別の態様では、本発明は、医薬品として使用するための式Iの本発明の化合物を提供する。
【0118】
別の態様では、本発明は、任意に薬学的に許容される希釈剤または担体と一緒に、式Iの本発明の化合物を含む薬学的組成物を提供する。
【0119】
さらなる態様では、本発明は、アデノシンA2B受容体の活性化によって媒介される状態、障害、または疾患を治療する方法において使用するための、式Iの本発明の化合物または本発明の薬学的組成物を提供する。
【0120】
さらなる態様では、本発明は、アデノシンA2B受容体の阻害によって改善される状態、障害、または疾患を治療する方法において使用するための、式Iの本発明の化合物または本発明の薬学的組成物を提供する。
【0121】
さらなる態様では、本発明は、アデノシンA2B受容体の拮抗作用による改善を受けやすい状態、障害、または疾患を治療する方法において使用するための、式Iの本発明の化合物または本発明の薬学的組成物を提供する。
【0122】
別の態様では、本発明は、アデノシンA2B受容体の活性化によって媒介される状態、障害、または疾患の治療のための医薬品の製造において、本発明に従う式Iの化合物の使用を提供する。
【0123】
アデノシンA2B受容体活性化を阻害するそれらの能力のために、本発明による式Iの化合物およびその薬学的に許容される塩、または水和物は、アデノシンA2B受容体の活性化によって媒介される状態、障害、および疾患の治療または予防において有用である。該状態、障害、または疾患は、特に、呼吸器疾患、炎症性閉塞性気道疾患、炎症性疾患、代謝疾患、腎疾患、血管疾患、アレルギー性疾患、炎症性胃腸管障害、自己免疫疾患、神経障害、および、特に、癌から選択される。したがって、本発明の化合物および薬学的組成物は、癌、特に、黒色腫および扁平上皮癌を含む卵巣癌、肺癌、肝臓癌、口腔癌、結腸癌、皮膚癌、および前立腺癌の治療において有用である。
【0124】
したがって、別の態様では、本発明は、本発明に従う治療有効量の式Iの化合物を投与することを含む、アデノシンA2B受容体の活性化によって媒介される状態、障害、または疾患を治療する方法を提供する。
【0125】
別の態様では、本発明は、呼吸器疾患、炎症性閉塞性気道疾患、炎症性疾患、代謝疾患、腎疾患、血管疾患、アレルギー性疾患、炎症性胃腸管障害、自己免疫疾患、神経障害、および癌から選択される状態、障害、または疾患を治療する方法において使用するための、式Iの本発明の化合物または本発明の薬学的組成物を提供する。
【0126】
別の態様では、本発明は、呼吸器疾患、炎症性閉塞性気道疾患、炎症性疾患、代謝疾患、腎疾患、血管疾患、アレルギー性疾患、炎症性胃腸管障害、自己免疫疾患、神経障害、および癌から選択される状態、障害、または疾患の治療のための医薬品の製造において、本発明に従う式Iの化合物の使用を提供する。
【0127】
別の態様では、本発明は、呼吸器疾患、炎症性閉塞性気道疾患、炎症性疾患、代謝疾患、腎疾患、血管疾患、アレルギー性疾患、炎症性胃腸管障害、自己免疫疾患、神経障害、および癌から選択される状態、障害、または疾患を治療する方法を提供し、該方法は、治療有効量の式Iの本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩、もしくは水和物を、それを必要とする対象、特にヒト対象に投与することを含む。
【0128】
非常に好ましい実施形態では、該呼吸器疾患、炎症性閉塞性気道疾患、炎症性疾患、代謝疾患、腎疾患、血管疾患、アレルギー性疾患、炎症性胃腸管障害、自己免疫疾患、神経障害、または該癌は、肺線維症、肺高血圧症(PH)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、喘息、急性肺損傷(ALI)、成人呼吸促迫症候群(ARDS)、気管支炎、塵肺、乾癬、接触性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、結膜炎、アレルギー性鼻炎、腸疾患、多発性硬化症、糖尿病、若年性糖尿病、真性糖尿病、糖尿病性腎症、腎線維症、慢性腎臓病(CKD)、腎虚血、高血圧、網膜症、パーキンソン病、アルツハイマー病、ハンチントン病、注意欠陥障害(ADD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)、卵巣癌、肺癌、肝癌、腎臓癌、直腸癌、口腔癌、乳癌、膀胱癌、結腸癌、皮膚癌、ならびに黒色腫および扁平上皮癌を含む前立腺癌から選択される。
【0129】
したがって、本発明の化合物および薬学的組成物は、炎症性または閉塞性気道疾患の治療において有用であり、その結果、例えば、気管支過敏症、リモデリング、または疾患の進行が減少する。本発明の化合物および薬学的組成物が適用可能である炎症性または閉塞性気道疾患としては、内因性(非アレルギー性)喘息および外因性(アレルギー性)喘息の両方を含む、あらゆるタイプまたは起源の喘息、軽度喘息、中等度喘息、重度喘息、気管支炎性喘息、運動誘発性喘息、職業性喘息、および細菌感染後に誘発される喘息が挙げられる。喘息の治療における予防効果は、対症療法の頻度または重症度の低下、肺機能の改善、または抗炎症(例えば、コルチコステロイド)もしくは気管支拡張療法などの他の対症療法の必要性の低下によって証明される。本発明の化合物および薬学的組成物が有用であるさらなる炎症性または閉塞性気道疾患および状態としては、急性肺損傷(ALI)、成人呼吸促迫症候群(ARDS)、慢性閉塞性肺、気道または肺疾患(COPD、COAD、またはCOLD)、ならびに気管支炎および塵肺が挙げられる。
【0130】
さらに、本発明の化合物および薬学的組成物は、皮膚の炎症性またはアレルギー性状態、例えば、乾癬、接触性皮膚炎、およびアトピー性皮膚炎の治療において、ならびに結膜炎などの眼の炎症性疾患または状態の、またはアレルギー性鼻炎を含む鼻に影響を及ぼしている疾患の治療において有用である。
【0131】
さらに、本発明の化合物および薬物的組成物は、自己免疫反応が関与しているか、または自己免疫炎症性腸疾患、多発性硬化症、糖尿病、および若年性糖尿病(真性糖尿病I型)を含む自己免疫成分を有する炎症性疾患の治療において有用である。
【0132】
本発明の化合物および薬学的組成物は、治療される障害の性質に応じて、任意の好適な経路によって、例えば、経口的に(シロップ剤、錠剤、カプセル、トローチ剤、徐放性調製物、速溶性調製物、ロゼンジなどとして)、局所的に(クリーム、軟膏剤、ローション、鼻噴霧またはエアロゾル、などとして)、注射によって(皮下、皮内、筋肉内、静脈内、など)、または吸入によって(乾燥粉末、溶液、分散液などとして)投与され得る。
【0133】
さらなる態様では、本発明は、本明細書に記載されるような式Iの化合物の製造のためのプロセスを提供する。
【0134】
したがって、別の態様では、本発明は、式Iの化合物
(式中、
R1が、1~3個の同一のまたは異なるR1置換基を表し、該R1が、各出現において独立して、水素、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cヒドロキシアルキル、およびC~Cアルコキシアルキルから選択され、好ましくは、R1が、1または2個のR1を表し、さらに好ましくは、R1が、1個のR1を表し、
Raが、フェニル、ピリジニル、ピリミジニル、チアゾリル、チオジアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、およびトリアゾリルから選択され、該フェニル、ピリジニル、チアゾリル、チオジアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、およびトリアゾリルが、独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、シクロアルキル、C~Cアルキル置換シクロアルキル、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cアルキルアミノカルボニル、C~Cヒドロキシアルキル、C~Cハロアルコキシ、C~CジアルキルアミノC~Cアルキル、C~Cアミノアルキル、ならびにオキシラン、オキセタン、アジリジン、およびアゼチジンから選択される複素環から独立して選択される1個以上、好ましくは1個の置換基によって任意に置換され、該オキシラン、オキセタン、アジリジン、およびアゼチジンが、独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシによって任意に置換され、
Ar/Hetが、ピリジニル、フェニル、およびオキサゾリルから選択され、該ピリジニル、フェニル、およびオキサゾリルが、独立して、ハロゲン、シアノ、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cヒドロキシアルキル、およびC~Cアルコキシアルキルから選択される1個以上、好ましくは1個の置換基によって任意に置換される)、またはその薬学的に許容される塩、もしくは水和物を製造する方法を提供し、
該方法は、式IIの化合物
、(式中、R1およびAr/Hetは、先に定義されたとおりである)を
式IIIの化合物
Ra-Br III
(式中、Raは、先に定義されたとおりである)と反応させることを含む。
【0135】
したがって、さらなる態様では、本発明は、式Iの化合物
(式中、
R1が、1~3個の同一のまたは異なるR1置換基を表し、該R1が、各出現において独立して、水素、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cヒドロキシアルキル、およびC~Cアルコキシアルキルから選択され、好ましくは、R1が、1または2個のR1を表し、さらに好ましくは、R1が、1個のR1を表し、
Raが、フェニルまたはヘテロアリールから選択され、該フェニルまたは該ヘテロアリールが、任意に、独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、シクロアルキル、C~Cアルキル置換シクロアルキル、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cアルキルアミノカルボニル、C~Cヒドロキシアルキル、C~Cハロアルコキシ、C~CジアルキルアミノC~Cアルキル、C~Cアミノアルキル、ならびにオキシラン、オキセタン、アジリジン、およびアゼチジンから選択される複素環から独立して選択される1個以上、好ましくは1個の置換基によって置換され、該オキシラン、オキセタン、アジリジン、およびアゼチジンが、独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシによって任意に置換されるか、またはRaが、-CONHR’であり、R’が、C~Cアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、およびC~Cアルキル-N-モルホリノから選択され、該アリール、ヘテロアリール、およびC~Cアルキル-N-モルホリノが、独立して、ハロゲン、シクロアルキル、C~Cアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cヒドロキシアルキル、およびC~Cアルコキシアルキルから選択される1個以上、好ましくは1個の置換基によって任意に置換され、さらに好ましくは、該ヘテロアリールが、5または6員ヘテロアリールであり、また、さらに好ましくは、該5または6員ヘテロアリールが、ピリジニル、ピリミジニル、チアゾリル、チオジアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、およびトリアゾリルから選択され、
Ar/Hetが、ピリジニル、フェニル、およびオキサゾリルから選択され、該ピリジニル、フェニル、およびオキサゾリルが、独立して、ハロゲン、シアノ、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cヒドロキシアルキル、およびC~Cアルコキシアルキルから選択される1個以上、好ましくは1個の置換基によって任意に置換される)、またはその薬学的に許容される塩、もしくは水和物を製造する方法を提供し、
該方法は、式IIの化合物
、(式中、R1およびAr/Hetは、先に定義されたとおりである)を
式IIIの化合物
Ra-Br III
(式中、Raは、先に定義されたとおりである)と反応させることを含む。
【0136】
本明細書で定義される該R1、R2を含むAr/Het、およびRaの実施形態、好ましい実施形態、および非常に好ましい実施形態は、式Iの該化合物のこれらおよび記載されたすべての本発明の製造方法に適用されるものとする。
【0137】
したがって、該方法の好ましい実施形態では、該Raが、フェニル、ピリジニル、ピリミジニル、チアゾリル、チオジアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、およびトリアゾリルから選択され、該フェニル、ピリジニル、チアゾリル、チオジアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、およびトリアゾリルが、独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、シクロアルキル、C~Cアルキル置換シクロアルキル、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cアルキルアミノカルボニル、C~Cヒドロキシアルキル、C~Cハロアルコキシ、C~CジアルキルアミノC~Cアルキル、C~Cアミノアルキル、ならびにオキシラン、オキセタン、アジリジン、およびアゼチジンから選択される複素環から独立して選択される1個以上の置換基によって任意に置換され、該オキシラン、オキセタン、アジリジン、およびアゼチジンが、独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシによって任意に置換される。
【0138】
該本発明の方法は、バックワルドクロスカップリング反応を介して実施することができ、該バックワルドクロスカップリング反応は、典型的に、パラジウムプレ触媒XPhosPdG2またはtBuXPhosPdG1および無水1,4-ジオキサン中の塩基としてのナトリウムtert-ブトキシドを用いて、高温で、すなわち120℃で、任意にマイクロ波反応器内で行われる。
【0139】
したがって、該方法のさらなる好ましい実施形態では、式IIの該化合物と式IIIの該化合物との該反応は、パラジウム触媒またはプレ触媒の存在下、および塩基の存在下である。当業者は、本発明の方法に使用可能なパラジウム触媒またはプレ触媒触媒および塩基を知っている。好ましくは、該パラジウム触媒またはプレ触媒は、XPhosPdG2またはtBuXPhosPdG1である。別の好ましい実施形態では、該塩基は、ナトリウムtert-ブトキシドである。別の好ましい実施形態では、式IIの該化合物と式IIIの該化合物との該反応は、80~140℃の温度の溶媒中で行われ、好ましくは、該溶媒はジオキサンであり、好ましくは、該温度は110~130℃である。
【0140】
別の態様では、本発明は、式Iの化合物
(式中、
R1が、1~3個の同一のまたは異なるR1置換基を表し、該R1が、各出現において独立して、水素、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cヒドロキシアルキル、およびC~Cアルコキシアルキルから選択され、好ましくは、R1が、1または2個のR1を表し、さらに好ましくは、R1が、1個のR1を表し、
Raが、フェニル、ピリジニル、ピリミジニル、チアゾリル、チオジアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、およびトリアゾリルから選択され、該フェニル、ピリジニル、チアゾリル、チオジアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、およびトリアゾリルが、独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、シクロアルキル、C~Cアルキル置換シクロアルキル、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cアルキルアミノカルボニル、C~Cヒドロキシアルキル、C~Cハロアルコキシ、C~CジアルキルアミノC~Cアルキル、C~Cアミノアルキル、ならびにオキシラン、オキセタン、アジリジン、およびアゼチジンから選択される複素環から独立して選択される1個以上、好ましくは1個の置換基によって任意に置換され、該オキシラン、オキセタン、アジリジン、およびアゼチジンが、独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシによって任意に置換され、
Ar/Hetが、ピリジニル、フェニル、およびオキサゾリルから選択され、該ピリジニル、フェニル、およびオキサゾリルが、独立して、ハロゲン、シアノ、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cヒドロキシアルキル、およびC~Cアルコキシアルキルから選択される[1個以上の]置換基によって任意に置換される)、またはその薬学的に許容される塩、もしくは水和物を製造する方法を提供し、
該方法は、式Vの化合物
、(式中、R1およびAr/Hetは、先に定義されたとおりである)を
式VIの化合物
Ra-NH2 VI
(式中、Raは、先に定義されたとおりである)と反応させることを含む。
【0141】
本明細書で定義される該R1、R2を含むAr/Het、およびRaの実施形態、好ましい実施形態、および非常に好ましい実施形態は、式Iの該化合物の本発明の製造方法に適用されるものとする。
【0142】
さらなる態様では、本発明は、式Iの化合物
(式中、
R1が、1~3個の同一のまたは異なるR1置換基を表し、該R1が、各出現において独立して、水素、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cヒドロキシアルキル、およびC~Cアルコキシアルキルから選択され、好ましくは、R1が、1または2個のR1を表し、さらに好ましくは、R1が、1個のR1を表し、
Raが、フェニルまたはヘテロアリールから選択され、該フェニルまたは該ヘテロアリールが、任意に、独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、シクロアルキル、C~Cアルキル置換シクロアルキル、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cアルキルアミノカルボニル、C~Cヒドロキシアルキル、C~Cハロアルコキシ、C~CジアルキルアミノC~Cアルキル、C~Cアミノアルキル、ならびにオキシラン、オキセタン、アジリジン、およびアゼチジンから選択される複素環から独立して選択される1個以上、好ましくは1個の置換基によって置換され、該オキシラン、オキセタン、アジリジン、およびアゼチジンが、独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシによって任意に置換されるか、またはRaが、-CONHR’であり、R’が、C~Cアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、およびC~Cアルキル-N-モルホリノから選択され、該アリール、ヘテロアリール、およびC~Cアルキル-N-モルホリノが、独立して、ハロゲン、シクロアルキル、C~Cアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cヒドロキシアルキル、およびC~Cアルコキシアルキルから選択される1個以上、好ましくは1個の置換基によって任意に置換され、さらに好ましくは、該ヘテロアリールが、5または6員ヘテロアリールであり、また、さらに好ましくは、該5または6員ヘテロアリールが、ピリジニル、ピリミジニル、チアゾリル、チオジアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、およびトリアゾリルから選択され、
Ar/Hetが、ピリジニル、フェニル、およびオキサゾリルから選択され、該ピリジニル、フェニル、およびオキサゾリルが、独立して、ハロゲン、シアノ、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cヒドロキシアルキル、およびC~Cアルコキシアルキルから選択される[1個以上の]置換基によって任意に置換される)、またはその薬学的に許容される塩、もしくは水和物を製造する方法を提供し、
該方法は、式Vの化合物
、(式中、R1およびAr/Hetは、先に定義されたとおりである)を
式VIの化合物
Ra-NH2 VI
(式中、Raは、先に定義されたとおりである)と反応させることを含む。
【0143】
本明細書で定義される該R1、R2を含むAr/Het、およびRaの実施形態、好ましい実施形態、および非常に好ましい実施形態は、式Iの該化合物の本発明の製造方法に適用されるものとする。
【0144】
したがって、該方法の好ましい実施形態では、該Raが、フェニル、ピリジニル、ピリミジニル、チアゾリル、チオジアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、およびトリアゾリルから選択され、該フェニル、ピリジニル、チアゾリル、チオジアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、およびトリアゾリルが、独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、シクロアルキル、C~Cアルキル置換シクロアルキル、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cアルキルアミノカルボニル、C~Cヒドロキシアルキル、C~Cハロアルコキシ、C~CジアルキルアミノC~Cアルキル、C~Cアミノアルキル、ならびにオキシラン、オキセタン、アジリジン、およびアゼチジンから選択される複素環から独立して選択される1個以上、好ましくは1個の置換基によって任意に置換され、該オキシラン、オキセタン、アジリジン、およびアゼチジンが、独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシによって任意に置換される。
【0145】
該本発明の方法は、イソプロパノール(IPA)などの溶媒中で、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)などの塩基の存在下で、高温で、該化合物VおよびVIを反応させることによって実施することができる。代替的に、該本発明の方法は、当業者に知られているパラジウム触媒によるバックワルド型C-Nクロスカップリング反応によって実施することができる。
【0146】
したがって、該方法のさらなる好ましい実施形態では、式Vの該化合物と式VIの該化合物との該反応は、金属触媒の存在下または塩基の存在下、好ましくは塩基の存在下である。該方法のさらなる好ましい実施形態では、式Vの該化合物中の該ハロゲンはヨウ素である。該方法のさらなる好ましい実施形態では、該塩基はDIPEAである。別の好ましい実施形態では、式Vの該化合物と式VIの該化合物との該反応は、60~140℃の温度の溶媒中で行われ、好ましくは、該温度は70~90℃である。さらなる好ましい実施形態では、該溶媒はIPAである。
【0147】
別の態様では、本発明は、式Iの化合物
(式中、
R1が、1~3個の同一のまたは異なるR1置換基を表し、該R1が、各出現において独立して、水素、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cヒドロキシアルキル、およびC~Cアルコキシアルキルから選択され、好ましくは、R1が、1または2個のR1を表し、さらに好ましくは、R1が、1個のR1を表し、
Raが、-CONHR’であり、R’が、C~Cアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、およびC~Cアルキル-N-モルホリノから選択され、該アリール、ヘテロアリール、およびC~Cアルキル-N-モルホリノが、独立して、ハロゲン、シクロアルキル、C~Cアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cヒドロキシアルキル、およびC~Cアルコキシアルキルから独立して選択される1個以上、好ましくは1個の置換基によって任意に置換され、
Ar/Hetが、ピリジニル、フェニル、およびオキサゾリルから選択され、該ピリジニル、フェニル、およびオキサゾリルが、独立して、ハロゲン、シアノ、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cヒドロキシアルキル、およびC~Cアルコキシアルキルから独立して選択される1個以上の]置換基によって任意に置換される)、またはその薬学的に許容される塩、もしくは水和物を製造する方法を提供し、
該方法は、式Vの化合物
、(式中、R1およびAr/Hetは、先に定義されたとおりである)を
式VIIの化合物
(式中、R’が、C~Cアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、およびC~Cアルキル-N-モルホリノから選択され、該アリール、ヘテロアリール、およびC~Cアルキル-N-モルホリノが、独立して、ハロゲン、シクロアルキル、C~Cアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cヒドロキシアルキル、およびC~Cアルコキシアルキルから独立して選択される1個以上、好ましくは1個の置換基によって任意に置換される)と反応させることを含む。
【0148】
本明細書で定義される該R1、R2を含むAr/Het、R’およびRaの実施形態、好ましい実施形態、および非常に好ましい実施形態は、式Iの該化合物の本発明の製造方法に適用されるものとする。
【0149】
したがって、該方法の好ましい実施形態では、該R’が、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、およびC~Cアルキル-N-モルホリノから選択される。
【0150】
該本発明の方法は、1,4-ジオキサンなどの溶媒中で、高温で、Ruphosプレ触媒、塩基としてのナトリウムtert-ブトキシドなどの触媒を用いて、パラジウム触媒によるバックワルド型C-Nクロスカップリング反応によって実施することができる。
【0151】
代替的に、該本発明の方法は、当業者によって知られているIPA、DMF、DMSO、または塩化メチレンなどの溶媒中で、およびDIPEAまたはトリエチルアミンなどの塩基の存在下で、室温または高温で、化合物VおよびVIIの反応によって実施することができる。
【0152】
したがって、該方法のさらなる好ましい実施形態では、式Vの該化合物と式VIIの該化合物との該反応は、金属触媒もしくはプレ触媒の存在下または塩基の存在下、好ましくは塩基の存在下である。該方法のさらなる好ましい実施形態では、式Vの該化合物中の該ハロゲンはヨウ素である。該方法のさらなる好ましい実施形態では、式Vの該化合物と式VIIの該化合物との該反応は、塩基の存在下であり、該塩基は、DIPEAまたはトリエチルアミン、好ましくはDIPEAである。別の好ましい実施形態では、式Vの該化合物と式VIの該化合物との該反応は、室温の温度、すなわち20~28℃、または高温、すなわち60~140℃の温度の溶媒中で行われ、好ましくは、該温度は70~120℃である。さらなる好ましい実施形態では、該溶媒は、IPA、DMF、DMSO、または塩化メチレンから選択され、好ましくは該溶媒は、IPAである。
【0153】
別の態様では、本発明は、式Iの化合物
(式中、
R1が、1~3個の同一のまたは異なるR1置換基を表し、該R1が、各出現において独立して、水素、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cヒドロキシアルキル、およびC~Cアルコキシアルキルから選択され、好ましくは、R1が、1または2個のR1を表し、さらに好ましくは、R1が、1個のR1を表し、
Raが、-CONHR’であり、R’が、C~Cアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、およびC~Cアルキル-N-モルホリノから選択され、該アリール、ヘテロアリール、およびC~Cアルキル-N-モルホリノが、独立して、ハロゲン、シクロアルキル、C~Cアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cヒドロキシアルキル、およびC~Cアルコキシアルキルから独立して選択される1個以上、好ましくは1個の置換基によって任意に置換され、
Ar/Hetが、ピリジニル、フェニル、およびオキサゾリルから選択され、該ピリジニル、フェニル、およびオキサゾリルが、独立して、ハロゲン、シアノ、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cヒドロキシアルキル、およびC~Cアルコキシアルキルから独立して選択される1個以上、好ましくは1個の置換基によって任意に置換される)、またはその薬学的に許容される塩、もしくは水和物を製造する方法を提供し、
該方法は、式IIの化合物
、(式中、R1およびAr/Hetは、先に定義されたとおりである)を
式IVの化合物
R’-NH2 IV
と、式IIおよびIVの該化合物と尿素官能基を形成することができる試薬の存在下で、反応させることを含み、
R’が、C~Cアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、およびC~Cアルキル-N-モルホリノから選択され、該アリール、ヘテロアリール、およびC~Cアルキル-N-モルホリノが、独立して、ハロゲン、シクロアルキル、C~Cアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cヒドロキシアルキル、およびC~Cアルコキシアルキルから独立して選択される1個以上、好ましくは1個の置換基によって任意に置換され、式IIおよびIVの該化合物と尿素官能基を形成することができる該試薬は、好ましくは、1,1’-カルボニルジイミダゾール(CDI)、ホスゲン、ジホスゲン、およびトリホスゲンから選択され、さらに好ましくは、式IIおよびIVの該化合物と尿素官能基を形成することができる該試薬は、1,1’-カルボニルジイミダゾール(CDI)である。
【0154】
本明細書で定義される該R1、R2を含むAr/Het、R’およびRaの実施形態、好ましい実施形態、および非常に好ましい実施形態は、式Iの該化合物の本発明の製造方法に適用されるものとする。
【0155】
したがって、該方法の好ましい実施形態では、該R’が、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、およびC~Cアルキル-N-モルホリノから選択される。
【0156】
該本発明の方法は、溶媒としてTHF中のDIPEAなどの塩基の存在下で、1,1’-カルボニルジイミダゾール(CDI)を用いて実施することができる。CDIの代わりに、ホスゲン、ジホスゲン、トリホスゲンなどの尿素官能基の形成に適した他の試薬を使用することができる。
【0157】
したがって、該方法のさらなる好ましい実施形態では、式IIの該化合物と式IVの該化合物との該反応は、式IIおよびIVの該化合物と尿素官能基を形成することができる試薬の存在下、ならびに塩基の存在下である。該方法のさらなる好ましい実施形態では、該塩基はDIPEAである。別の好ましい実施形態では、式IIおよびIVの該化合物と尿素官能基を形成することができる試薬の存在下での式IIの該化合物と式IVの該化合物との該反応は、溶媒中で行われ、好ましくは該溶媒は、THFである。
【0158】
別の態様では、本発明は、式IIの化合物
(式中、
R1が、1~3個の同一のまたは異なるR1置換基を表し、該R1が、各出現において独立して、水素、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cヒドロキシアルキル、およびC~Cアルコキシアルキルから選択され、好ましくは、R1が、1または2個のR1を表し、さらに好ましくは、R1が、1個のR1を表し、
Ar/Hetが、ピリジニル、フェニル、およびオキサゾリルから選択され、該ピリジニル、フェニル、およびオキサゾリルが、独立して、ハロゲン、シアノ、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cヒドロキシアルキル、およびC~Cアルコキシアルキルから独立して選択される1個以上、好ましくは1個の置換基によって任意に置換される)を提供する。
【0159】
本明細書で定義される該R1、R2を含むAr/Hetの実施形態、好ましい実施形態、および非常に好ましい実施形態は、式IIの本発明の化合物に適用されるものとする。
【0160】
式IIの該化合物の非常に好ましい実施形態は、
から選択される。
【0161】
別の態様では、本発明は、式Vの化合物
(式中、
R1が、1~3個の同一のまたは異なるR1置換基を表し、該R1が、各出現において独立して、水素、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cヒドロキシアルキル、およびC~Cアルコキシアルキルから選択され、好ましくは、R1が、1または2個のR1を表し、さらに好ましくは、R1が、1個のR1を表し、
Ar/Hetが、ピリジニル、フェニル、およびオキサゾリルから選択され、該ピリジニル、フェニル、およびオキサゾリルが、独立して、ハロゲン、シアノ、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cヒドロキシアルキル、およびC~Cアルコキシアルキルから独立して選択される1個以上、好ましくは1個の置換基によって任意に置換される)を提供し、
式IIの該化合物の非常に好ましい実施形態は、V-1である。
【0162】
式Iの化合物の調製プロセスの詳細な説明
本発明の式Iの化合物の調製は、逐次的または収束的合成経路で実施することができる。本発明の化合物の合成は、以下のスキームに示されている。得られた生成物の反応および精製を実施するために必要な技術は、当業者に知られている。以下のプロセスの説明で使用される置換基およびインデックスは、反対に示されない限り、本明細書で与えられる重要性を有する。より詳細には、式Iの化合物は、以下に示す方法、実施例に示す方法、または類似の方法によって製造することができる。個々の反応ステップに適切な反応条件は、当業者に知られている。反応シーケンスは、スキームに表示されたものに限定されないが、出発物質およびそれらのそれぞれの反応性に応じて、反応ステップのシーケンスは、自由に変更することができる。出発物質は、市販されているか、もしくは以下に示す方法に類似した方法、実施例に記載の方法、または当技術分野で知られている方法のいずれかによって調製することができる。
【0163】
本発明の式Iの化合物は、スキーム1に従って調製することができる。
【0164】
したがって、本発明によるRa=アリールまたはヘテロアリールを有する式Iの化合物は、式IIIの適切なヘテロアリールまたは臭化アリールRaBrとカップリングできる一般式IIの化合物から出発して調製し、バックワルドクロスカップリング反応を介して、所望の一般式Iの化合物を得ることができる。該バックワルドクロスカップリング反応は、典型的に、パラジウムプレ触媒XPhosPdG2またはtBuXPhosPdG1および無水1,4-ジオキサン中の塩基としてのナトリウムtert-ブトキシドを用いて、高温で、すなわち120℃で、任意にマイクロ波反応器内で行われる(Buchwald et al.Chem Sci.2013,4,916)。
【0165】
本発明による式IのRa=-CONHR´を有する化合物は、溶媒としてのTHF中のDIPEAなどの塩基の存在下での1,1′-カルボニルジイミダゾール(CDI)での処理、および式IVの適切なアミンR´NH2との中間体の後続反応を介して、IIから調製することができる。CDIの代わりに、ホスゲン、ジホスゲン、トリホスゲンなどの尿素官能基の形成に適した他の試薬を使用することができる。
【0166】
代替的に、本発明の式Iの化合物は、スキーム2に概説されるように合成することができる。
【0167】
したがって、本発明による式IのRa=アリールまたはヘテロアリールを有する化合物は、ハロ-トリアジンV、好ましくはHal=ヨウ素、および一般式VIの適切なアリールまたはヘテロアリールアミンとの反応によって、IPAなどの溶媒中およびDIPEAなどの適切な塩基を用いて、高温、すなわち80℃で、調製することができる。
【0168】
代替的に、本質的にスキーム1に記載されているように、パラジウム触媒によるバックワルド型C-Nクロスカップリング反応によって達成することができる。
【0169】
本発明によるRa=-CONHR´を有する式Iの化合物は、1,4-ジオキサンなどの溶媒中で、Ruphosプレ触媒などの触媒、塩基としてのナトリウムtert-ブトキシドなどの触媒を用いて、高温、すなわち60℃で、Vからのバックワルドカップリングおよび式VIIの対応する置換尿素によって調製することができる(Buchwald et al.Chem Sci.2013,4,916およびJ.Am.Chem.Soc.2010,132,15914)。
【0170】
式Iの化合物の調製のための出発物質として使用することができる、式IIのアミノ-トリアジン中間体および式Vのハロ-トリアジン中間体は、スキーム3およびスキーム4に記載されるように調製することができる。
【0171】
したがって、スキーム3によれば、第1のステップにおいて、適切に置換されたエチルアリール-、ヘテロアリール-カルボキシレートVIIIは、例えば、塩基としてのLiHMDSを用いたアシル化反応において、およびTHFなどの非プロトン性溶媒中で、置換4-メチルピリジンIXと反応され、ケトンXを得る。式XIの対応するジケトンへのその後の酸化は、ジメチルスルホキシド中の48%水性臭化水素酸を用いて達成することができる(M.B.Floyd,J.Org.Chem.1985,50,5022-5027)。さらなる方法は、記載されているように、高温、すなわち90℃での無水DMF中の1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)触媒による好気性酸化を含む(C.Qi,Synthesis,2011,p387-396)。代替的に、酸化はまた、当技術分野で知られているような二酸化セレンを用いて実施することができる(N.Rabjohn,N.Org.React.(N.Y.)1976,24,261)。
【0172】
その後のXIと重炭酸アミノグアニジンとの縮合は、2当量の酢酸の存在下で、エタノールなどの溶媒中で両方の成分を加熱することで達成することができる。得られた位置異性体を分取HPLCによって分離して、式IIの所望の化合物を得ることができる。分取HPLCによって異性体を分離することが難しい場合、別のオプションは、後続の反応ステップで異性体混合物を使用し、反応シーケンスの後の段階で所望の異性体の分離を実行することである。好気性DABCO触媒酸化手順を使用する場合、ワンポット合成で酸化および閉環反応を実行することができる。
【0173】
一般式IIのアミノ-トリアジン中間体を調製するための代替的なスキームをスキーム4に要約する。
【0174】
適切なアリール-、ヘテロリルメチルケトンXIIから出発して、これらを65℃の無水酢酸中の臭素で臭素化して、所望のジブロモメチル-ケトンXIIを得る。続いて、無水THF中、高温、すなわち65℃で過剰のモルホリン(すなわち4.2当量)と反応させ、続いて、酢酸の添加下でメタノール中の重炭酸アミノグアニジンを用いて70℃で粗中間体を処理して、次いで式XIVのアミノ-トリアジンを得る。XIVの選択的臭素化は、DMF中のNBSで達成され、化合物XVを提供する。次いで、XVの一般式IIの化合物への変換は、塩基として炭酸セシウム、触媒としてPd(dppf)Clを有する加熱下で、溶媒として1,4-ジオキサン/水(2:1)の混合物において、マイクロ波反応器内で、適切に置換されたピリジン-4-ボロン酸ピナコールエステルXVIで、鈴木カップリングを介して達成できる。
【0175】
式Iの化合物の調製に使用される一般式Vのハロ-トリアジンは、高温、すなわち60℃でジヨードメタン中の亜硝酸イソアミルで処理すると、hal=ヨウ素の場合のように、ザントマイヤー反応によってIIから調製することができる。
【0176】
反応に使用される出発物質は、市販されているか、文献に知られているか、または実験の一部に記載されているかのいずれかである。式Iの化合物について定義された異なる基に応じて、一方の反応スキームが他方よりも好ましい場合がある。
【実施例
【0177】
実施例1
好ましい式Iの化合物の合成
本発明の式Iの好ましい化合物は、以下に記載されるように合成され、化合物1、2、3などと称され、したがって、アラビア数字により、または実施例1、2、3などの参照による。前述の定義は、本明細書で区別なく使用される。
【0178】
実施例1~6の合成:
表1は、本発明の好ましい化合物および実施例1~6をそれぞれ、その名称、構造、LCMSおよびNMRなどの特徴的なデータ、ならびにそれらが調製された中間体を列記する。
【0179】
6-(3-フルオロピリジン-4-イル)-5-(ピリジン-3-イル)-1,2,4-トリアジン-3-アミンの調製:
(中間体II-1):
ステップ1:2-(3-フルオロピリジン-4-イル)-1-(ピリジン-3-イル)エタン-1-オンの合成:
THF(100mL)中の3-フルオロ-4-メチルピリジン(22.2g、0.2007mol)の冷却(-10℃)溶液に、ニコチン酸メチル(25g、0.1824mol)、続いてLiHMDS(1Mのヘキサン、273mL、0.2736mol)を滴下した。反応混合物を室温で撹拌し、反応の進行をTLC分析によって監視した。反応の完了後、反応混合物を飽和塩化アンモニウム溶液で注意深くクエンチし、酢酸エチル(2x100mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン溶液(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して、薄褐色の固体として2-(3-フルオロピリジン-4-イル)-1-(ピリジン-2-イル)エタン-1-オン(14.5g、36.8%)を得た。m/z=217.1[M+H]
【0180】
ステップ2:1-(3-フルオロピリジン-4-イル)-2-(ピリジン-3-イル)エタン-1,2-ジオン:
DMSO(15mL)中の2-(3-フルオロピリジン-4-イル)-1-(ピリジン-2-イル)エタン-1-オン(14.5g、0.0671mol)の撹拌溶液に、臭化水素酸(48%、33mL、0.2013mol)を55℃で添加した。3時間後、TLC分析は、出発物質の完全な変換を示した。反応混合物を室温に冷却し、反応物を水で希釈し、pH=8に調整することによって固体NaCOを添加した。内容物を酢酸エチル(2x100mL)で抽出し、合わせた有機物をブライン溶液(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して、1-(3-フルオロピリジン-4-イル)-2-(ピリジン-3-イル)エタン-1,2-ジオン(11.5g、75.6%)を得た。m/z=231.0[M+H]
【0181】
ステップ3:6-(3-フルオロピリジン-4-イル)-5-(ピリジン-3-イル)-1,2,4-トリアジン-3-アミン(中間体II-1)
エタノール(50mL)中の1-(3-フルオロピリジン-4-イル)-2-(ピリジン-3-イル)エタン-1,2-ジオン(11.5g、0.05mol)の撹拌溶液に、酢酸(0.6mL、0.01mol)および重炭酸アミノグアニジン(7.48g、0.055mol)を添加した。反応混合物を70℃に加熱し、反応の進行をTLC分析によって監視した。16時間後、反応物を水で希釈し、酢酸エチル(2x150mL)で抽出し、合わせた有機物をブライン溶液(80mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して、粗製物質を得た。次いで、粗製物質を、石油エーテル中の0~45%酢酸エチルで溶出するシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィによって精製して、位置異性体を得た。位置異性体を分取HPLCによって分離して、淡黄色の固体として、6-(3-フルオロピリジン-4-イル)-5-(ピリジン-3-イル)-1,2,4-トリアジン-3-アミン(1.4g、10%)を得た。m/z=269.1[M+H]
【0182】
ステップ4:バックワルドカップリングによる表1の実施例1~6の調製のための一般的な手順:
窒素雰囲気下、無水1,4-ジオキサン(4mL)中の6-(3-フルオロピリジン-4-イル)-5-(ピリジン-3-イル)-1,2,4-トリアジン-3-アミン(120mg、0.4477mmol)の撹拌溶液に、臭化化合物(0.4477mmol)、ナトリウムtert-ブトキシド(107.4mg、1.1192mmol)、XPhos Pd G2(35.1mg、0.0447mmol)を添加した。反応混合物を120℃に加熱し、反応の進行をTLC分析によって監視した。16時間後、反応混合物を周囲温度に冷却し、反応を水(35mL)で希釈し、酢酸エチル(2x50mL)で抽出し、合わせた有機物をブライン溶液20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して、粗製物質を得た。粗製物質を分取HPLCによって精製して、最終化合物を得た。
【0183】
実施例7の合成
1-(6-(3-フルオロピリジン-4-イル)-5-(ピリジン-3-イル)-1,2,4-トリアジン-3-イル)-3-メチル尿素
THF(4mL)中の6-(3-フルオロピリジン-4-イル)-5-(ピリジン-3-イル)-1,2,4-トリアジン-3-アミン(中間体II-1)(120mg、0.4477mmol)の撹拌溶液に、CDI(108.7mg、0.6715mmol)、DIPEA(0.22mL、1.3431mmol)を添加し、反応混合物を70℃で5時間撹拌し、次いでメチルアミン(1.1mL、2.2385mmol)を添加し、溶封状態で70℃に加熱した。10時間撹拌した後、揮発性物質を減圧下で除去し、粗製物質を得た。粗製物質を分取HPLCによって精製して、オフホワイトの固体として、1-(6-(3-フルオロピリジン-4-イル)-5-(ピリジン-3-イル)-1,2,4-トリアジン-3-イル)-3-メチル尿素を得た。m/z=326.1[M+H]
1H-NMR(CDOD):8.87(bs、1H)、8.79(bs、1H)、8.64(m、1H)、8.50(s、1H)、8.21(m、1H)、7.91(m、1H)、7.68(m、1H)。
【0184】
実施例8~13の合成:
表2は、本発明の好ましい化合物および実施例8~13をそれぞれ、その名称、構造、LCMSおよびNMRなどの特徴的なデータ、ならびにそれらが調製された中間体を列記する。
【0185】
5-(2-フルオロフェニル)-6-(3-フルオロピリジン-4-イル)-1,2,4-トリアジン-3-アミン(中間体II-2)の合成:
ステップ1:2,2-ジブロモ-1-(2-フルオロフェニル)エタン-1-オンの合成:
無水酢酸中の1-(2-フルオロフェニル)エタン-1-オン(20g、0.144mol)の溶液に、酢酸中の臭素(10ml、0.188mol)を滴下し、反応混合物を65℃に加熱した。反応の進行をTLC分析によって監視した。16時間後、反応混合物を周囲温度に冷却し、砕氷を含むビーカーに注ぎ、酢酸エチルで抽出し、有機層をチオ硫酸ナトリウム水溶液で洗浄し、合わせた有機層を減圧下で濃縮し、必要な生成物(35g、79%)を得た。m/z=296.93[M+H]
【0186】
ステップ2:5-(2-フルオロフェニル)-1,2,4-トリアジン-3-アミンの合成、
無水THF中の2,2-ジブロモ-1-(2-フルオロフェニル)エタン-1-オン(35g、0.118mol)の溶液に、モルホリン(42ml、0.498mol)を添加し、反応混合物をゆっくり65℃に加熱した。16時間後、反応混合物を室温に冷却し、セライトを通して濾過し、DCMで洗浄した。合わせた有機層を濃縮して粗中間体を得、これを精製せずに次のステップに使用した。
【0187】
メタノール中の上記の粗製物の溶液に、重炭酸アミノグアニジン(16g、0.118mol)を添加し、続いて15分かけて酢酸(21ml、0.354mol)を滴下し、70℃に加熱した。16時間後、反応混合物を周囲温度に冷却し、酢酸エチルで抽出し、濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィによって精製し、必要な生成物(4g、18%)を得た。m/z=191.18[M+H]
【0188】
ステップ3:6-ブロモ-5-(2-フルオロフェニル)-1,2,4-トリアジン-3-アミンの合成、
0℃で、DMF中の5-(2-フルオロフェニル)-1,2,4-トリアジン-3-アミン(4g、0.021mol)の溶液に、DMF溶液としてNBS(5.5g、.0315mol)を添加した。反応混合物を周囲温度で撹拌し、反応の進行をTLC分析によって監視した。16時間後、反応混合物を氷でクエンチし、得られた固体を濾過し、乾燥して、必要な生成物(4g、71%)を得た。m/z=270[M+H]
【0189】
ステップ4:5-(2-フルオロフェニル)-6-(3-フルオロピリジン-4-イル)-1,2,4-トリアジン-3-アミン(中間体II-2)の合成:
窒素雰囲気下、1,4-ジオキサン:水(2:1)中の6-ブロモ-5-(2-フルオロフェニル)-1,2,4-トリアジン-3-アミン(3g 0.011mol)の撹拌溶液に、3-フルオロ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピリジン(3.7g 0.0167mol)、炭酸セシウム(7g 0.022mol)、およびPd(dppf)Cl(0.6g 0.008mol)を添加した。反応混合物を脱気し、窒素で埋め戻し、マイクロ波反応器で加熱した。1時間後、セライトを通して、反応混合物を濾過した。濾液を濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィによって精製して、必要な生成物(400mg、13%)を得た。m/z=286.2[M+H]
【0190】
ステップ5:5-(2-フルオロフェニル)-6-[2-(トリフルオロメチル)-4-ピリジル]-1,2,4-トリアジン-3-アミン(中間体II-3:
窒素雰囲気下、1,4-ジオキサン:水(2:1)中の6-ブロモ-5-(2-フルオロフェニル)-1,2,4-トリアジン-3-アミン(1g 0.0037mmol)の撹拌溶液に、2-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-ボロン酸、ピナコールエステル(1.24g 0.0055mmol)、炭酸ナトリウム(1.1g 0.011mol)、およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(430mg 0.0037mol)を添加した。反応混合物を脱気し、窒素で埋め戻し、マイクロ波反応器で加熱した。1時間後、セライトを通して、反応混合物を濾過した。濾液を濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィによって精製して、必要な生成物(400mg、33%)を得た。m/z=336.2[M+H]
【0191】
ステップ6:バックワルドカップリングによる表2の実施例8~13の調製のための一般的な手順:
窒素雰囲気下、無水1,4-ジオキサン中の5-(2-フルオロフェニル)-6-(3-フルオロピリジン-4-イル)-1,2,4-トリアジン-3-アミン(中間体II-2)(0.1g 0.35mol)または5-(2-フルオロフェニル)-6-[2-(トリフルオロメチル)-4-ピリジル]-1,2,4-トリアジン-3-アミン(中間体II-3)(0.1g、0.3mol)の撹拌溶液に、対応する臭化アリールまたはヘテロアリール(1.5当量)、t-ブチルXphos Pd G1プレ触媒(10mg)、第三級ブトキシドナトリウム(0.057g、0.59mmol)を添加した。反応混合物を120℃のマイクロ波反応器に加熱した。1時間後、セライトを通して、反応混合物を濾過した。濾液を濃縮し、こうして得られた粗生成物を分取HPLCによって精製して、所望の生成物を得た。
【0192】
実施例14および15の合成
表3は、本発明の好ましい化合物および実施例14および15をそれぞれ、その名称、構造、LCMSおよびNMRなどの特徴的なデータ、ならびにそれらが調製された中間体を列記する。
【0193】
5-(2-フルオロフェニル)-6-(3-フルオロピリジン-4-イル)-3-ヨード-1,2,4-トリアジン(中間体V-1)の合成:
5-(2-フルオロフェニル)-6-(3-フルオロピリジン-4-イル)-1,2,4-トリアジン-3-アミン(中間体II-2)の代替的な合成:
ステップ1:1-(2-フルオロフェニル)-2-(3-フルオロピリジン-4-イル)エタン-1-オンの合成
-78℃で、THF(100mL)中の3-フルオロ-4-メチルピリジン(10g、0.064mol)の撹拌溶液に、LiHMDS(80mL、1Mのヘキサン、0.083mol)を添加し、反応混合物を同じ温度で撹拌させた。15分後、THF中のメチル2-フルオロ安息香酸(7.2g、0.064mol)の溶液を添加し、反応混合物を周囲温度で撹拌した。3時間後、TLC分析は、出発物質の完全な変換を示した。反応混合物を飽和塩化アンモニウム溶液(50mL)で注意深くクエンチし、酢酸エチル(2×100mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン溶液(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して、薄褐色の油として、1-(2-フルオロフェニル)-2-(3-フルオロピリジン-4-イル)エタン-1-オン(14g、36.8%)を得て、さらに精製することなく、次のステップへ採用した。LCMS:m/z=234[M+H]
【0194】
ステップ2:1-(2-フルオロフェニル)-2-(3-フルオロピリジン-4-イル)エタン-1,2-ジオンの合成
DMSO(50mL)中の1-(2-フルオロフェニル)-2-(3-フルオロピリジン-4-イル)エタン-1-オン(14g、0.060mol)の撹拌溶液に、臭化水素酸(48%、28mL、0.180mol)を55℃で添加した。16時間後、TLC分析は、出発物質の完全な変換を示した。反応混合物を室温に冷却し、水で希釈し、pH=8に調整することによって固体NaCOを添加した。内容物を酢酸エチル(2×100mL)で抽出し、合わせた有機物をブライン溶液(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して、1-(2-フルオロフェニル)-2-(3-フルオロピリジン-4-イル)エタン-1,2-ジオン(8g、54%)を得た。LCMS:m/z=248.0[M+H]
【0195】
ステップ3:5-(2-フルオロフェニル)-6-(3-フルオロピリジン-4-イル)-1、2,4-トリアジン-3-アミン(中間体II-2)の合成
エタノール(50mL)中の1-(2-フルオロフェニル)-2-(3-フルオロピリジン-4-イル)エタン-1,2-ジオン(8g、0.032mol)撹拌溶液に、酢酸(0.8mL、0.012mol)および重炭酸アミノグアニジン(4.8g、0.0356mol)を添加した。反応混合物を70℃に加熱し、反応の進行をTLC分析によって監視した。16時間後、反応物を水で希釈し、酢酸エチル(2×150mL)で抽出し、合わせた有機物をブライン溶液(80mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。次いで、こうして得られた残留物を、石油エーテル中の0~45%酢酸エチルで溶出するシリカゲル(230~400メッシュ)のフラッシュカラムクロマトグラフィによって精製して、淡黄色の固体として、必要な化合物(0.8g、8%)を得た。LCMS:m/z=286.0[M+H]
【0196】
ステップ4:5-(2-フルオロフェニル)-6-(3-フルオロピリジン-4-イル)-3-ヨード-1,2,4-トリアジン(中間体V-1)の合成:
ジヨードメタン(10mL)中の5-(2-フルオロフェニル)-6-(3-フルオロピリジン-4-イル)-1,2,4-トリアジン-3-アミン(0.5g、0.0017mol)撹拌溶液に、亜硝酸イソアミル(2.3mL、0.017mol)を0℃で添加し、次いで、反応混合物を60℃に加熱した。反応の進行をTLC分析によって監視した。16後、反応混合物を周囲温度に冷却し、揮発性物質を減圧下で除去した。次いで、残留物を、シリカゲル(230~400メッシュ)のフラッシュカラムクロマトグラフィによって精製して、褐色のゴム状固体として、必要な化合物(0.25g、36%)を得た。LCMS:m/z=397.0[M+H]
【0197】
ステップ5:表3の実施例14および15の調製のための一般的な手順:
IPA(2mL)中の5-(2-フルオロフェニル)-6-(3-フルオロピリジン-4-イル)-3-ヨード-1,2,4-トリアジン(100mg、0.252mmol)の撹拌溶液に、対応するアリールまたはヘテロアリールアミン(0.378mmol)、DIPEA(97mg、0.756mmol)を添加した。反応混合物を80℃に加熱し、反応の進行をTLC分析によって監視した。16時間後、反応混合物を周囲温度に冷却し、減圧下で濃縮し、残留物を、カラム:Atlantis dC18(504.6)5μ移動相:A:HO中の0.1%ギ酸 B:ACN、流速:1.5ml/分を使用する分取HPLCによって精製した。
【0198】
実施例16の合成:
1-(5-(2-フルオロフェニル)-6-(3-フルオロピリジン-4-イル)-1,2,4-トリアジン-3-イル)-3-メチル尿素
窒素雰囲気下、1,4-ジオキサン中の5-(2-フルオロフェニル)-6-(3-フルオロピリジン-4-イル)-3-ヨード-1,2,4-トリアジン(中間体V-1)(100mg、0.252mmol)の撹拌溶液に、Nメチル尿素(28mg、0.378mmol)、ナトリウムtert-ブトキシド(72mg、0.756mmol)、Ruphosプレ触媒(10mg)を添加し、反応混合物を60℃に2時間加熱した。反応の進行をTLC分析によって監視し、次いで、セライトを通して、反応混合物を濾過し、濾液を濃縮し、カラム:Atlantis dC18(504.6)5μ移動相:A:HO中の0.1%ギ酸 B:ACN、流速:1.5ml/分を使用する分取HPLCによって精製した。LC-MS:m/z 343.1[M+H]。1H-NMR(400MHz、MeOD):δ8.49(s、2H)、7.67(m、1H)、7.55-7.61(m、1H)、7.49-7.54(m、1H)、7.32-7.36(m、1H)、7.08(q、J=8.40Hz、1H)、2.98(s、3H)。
【0199】
実施例17の合成:
N-(3-フルオロフェニル)-6-(3-フルオロピリジン-4-イル)-5-(5-メチルオキサゾール-2-イル)-1,2,4-トリアジン-3-アミン
6-(3-フルオロ-4-ピリジル)-5-(5-メチルオキサゾール-2-イル)-1,2,4-トリアジン-3-アミン(中間体II-4)の合成:
ステップ1:エチル2-オキソ-2-((2-オキソプロピル)アミノ)アセテートの合成
無水トルエン(400ml)中のアミノプロパン-2-オン塩酸塩(35.0g、0.319mol)の撹拌溶液に、トリエチルアミン(98ml、0.702mol)を滴下した。エチル塩化オキサリル(42ml、0.382mol)の溶液を45℃で15分かけて滴下した。次いで、反応混合物を2.5時間還流し、周囲温度でゆっくりと撹拌した。16時間後、反応混合物を氷冷水に注ぎ、内容物を酢酸エチル(200mL)で抽出し、重炭酸ナトリウム水溶液(500ml)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して、暗褐色の液体として表題化合物(25g、粗製物)を得た。粗製物を、さらに精製することなく次のステップへ採用した。
【0200】
ステップ2:エチル5-メチルオキサゾール-2-カルボキシレートの合成
無水トルエン(300mL)中のエチル2-オキソ-2-((2-オキソプロピル)アミノ)アセテート(25g、0.144mol)の撹拌溶液に、オキシ塩化リン(13mL、0.144mmol)を添加し、反応混合物を100℃に加熱した。16時間後、反応混合物を周囲温度に冷却し、氷水(200mL)にゆっくり注いだ。内容物を酢酸エチル(200mL)で抽出し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(2×100mL)、水(2×100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗製物質を、石油エーテル中の0~50%酢酸エチルで溶出するフラッシュカラムクロマトグラフィによって精製して、褐色の油として表題化合物(7g、31%)を得た。
【0201】
ステップ3:2-(3-フルオロピリジン-4-イル)-1-(5-メチルオキサゾール-2-イル)エタン-1-オンの合成
-78℃で、無水テトラヒドロフラン(70mL)中の3-フルオロ-4-メチルピリジン(5.1g、0.045mol)の撹拌溶液に、LiHMDS(ヘキサン中の1M)(45ml、0.045mol)を滴下した。反応混合物を-78℃で15分間撹拌し、次いで、エチル5-メチルオキサゾール-2-カルボキシレート(7g、0.045mol)を添加した。反応混合物を周囲温度で撹拌し、反応の進行をTLC分析によって監視した。反応の完了後、反応混合物を飽和塩化アンモニウム溶液で注意深くクエンチし、酢酸エチル(2x100mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン溶液(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して、褐色の油として2-(3-フルオロピリジン-4-イル)-1-(5-メチルオキサゾール-2-イル)エタン-1-オン(5g、50%)を得た。粗製物質を、さらに精製することなく、採用した。LCMS:m/z=221[M+H]
【0202】
ステップ4:6-(3-フルオロピリジン-4-イル)-5-(5-メチルオキサゾール-2-イル)-1,2,4-トリアジン-3-アミン(中間体II-4)の合成:
DMF中の2-(3-フルオロピリジン-4-イル)-1-(5-メチルオキサゾール-2-イル)エタン-1-オン(5g、0.022mol)の撹拌溶液に、DABCO(1.01g、0.009mol)、重炭酸アミノグアニジン(4.4g、0.033mol)、および酢酸(1.3ml、0.022mol)を添加した。反応混合物を90℃に加熱し、反応の進行をTLC分析によって監視した。16時間後、反応混合物を室温に冷却する周囲温度に冷却し、揮発性物質を減圧下で除去した。このようにして得られた残留物をシリカゲル(230~400メッシュ)カラムクロマトグラフィによって精製し、ジクロロメタン中の0~5%メタノールで溶出して、その位置異性体5-(3-フルオロ-4-ピリジル)-6-(5-メチルオキサゾール-2-イル)-1,2,4-トリアジン-3-アミンを有する約1:1混合物中に所望の化合物(500mg、10%)を得た。淡黄色の固体、500mg、10%。混合物を次の反応ステップで直接使用した。
【0203】
ステップ5:N-(3-フルオロフェニル)-6-(3-フルオロピリジン-4-イル)-5-(5-メチルオキサゾール-2-イル)-1,2,4-トリアジン-3-アミンの合成(実施例17)
窒素雰囲気下、その位置異性体5-(3-フルオロ-4-ピリジル)-6-(5-メチルオキサゾール-2-イル)-1,2,4-トリアジン-3-アミン(400mg、1.470mmol)を有する無水1,4-ジオキサン中の1:1の混合物6-(3-フルオロピリジン-4-イル)-5-(5-メチルオキサゾール-2-イル)-1,2,4-トリアジン-3-アミンの撹拌溶液に、1-フルオロ-3-ヨードベンゼン(326.4mg、1.470mmol)、ナトリウムtert-ブトキシド(423mg、4.41mmol)、xantphos(80mg 0.147mmol)、Pd(dba)(60mg 0.0705mmol)を添加した。反応混合物を85℃に加熱し、反応の進行をTLC分析によって監視した。16時間後、反応混合物を周囲温度に冷却し、セライトのパッドを通して濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、こうして得られた残留物を、カラム:ZORBAX XDB C-18(50×4.6mm)3.5μm、移動相:A:HO中の0.1%HCOOH:ACN(95:5)、移動相:B:ACN、流速:1.5ml/分を使用する逆相分取HPLCによって精製し、淡黄色の固体として、位置異性体の混合物(20mg)を淡黄色の固体として得た。2つの位置異性体を、カラム:X-bridge C-18(150×19mm)5μm、移動相:水/ACN中の10mMの重炭酸アンモニウム、流速:1.5ml/分を使用する逆相分取HPLCで分離し、2つ異性体(F1:3.5mg)および(F2:3.1mg)を得た。異性体F1:Rt=1.90分。LCMS[M+H]m/z=367.1。400MHz、DMSO-d:δ11.13(s、1H)、8.67(t、J=4.08Hz、2H)、7.41-7.43(m、4H)、6.93(t、J=8.84Hz、2H)、2.38(s、3H)。異性体F2:Rt=1.97分。LCMS[M+H]m/z=367.1。400MHz、MeOD:δ8.56(q、J=1.88Hz、2H)、7.79-7.81(m、2H)、7.57(q、J=1.28Hz、1H)、7.01-7.01(m、1H)、7.01-7.01(m、1H)、2.43(s、3H)。異性体F1よりもはるかに高い生物活性に基づいて、この異性体F2に暫定的に所望の構造を割り当てた。
【0204】
実施例18~48の合成
表4は、本発明のさらに好ましい化合物および実施例18~48をそれぞれ、その名称、構造、ならびに中間体およびそれらの調製のための手順を列記する。
【0205】
実施例2
好ましい式Iの化合物の生物活性
放射性リガンド結合アッセイ
4つすべてのアデノシン受容体(A1、A2A、A2B、およびA3)について、濾過結合アッセイを実行した。放射性リガンド結合競合アッセイを、結合緩衝液、受容体膜抽出物、固定濃度のトレーサー、および増加する濃度の試験化合物を含む96ウェルプレート(Master Block、Greiner、786201)のウェルで2回行った。緩衝液成分の影響を排除するために、結合緩衝液は、4つすべての受容体に対して同じであり、50mMのトリス-HCl pH7.4、5mMのMgCl、1mMのEDTA、150mMのNaCl、0.1%のアジ化ナトリウム、5U/mlアデノシンデアミナーゼが含まれる。非特異的結合は、200倍過剰の低温競合物質との共インキュベーションによって決定された。すべての放射性リガンド結合実験において、試料を最終容量0.1mlで25℃で60分間インキュベートし、次いでトレーサーの非特異的結合を制限するために2時間前処理したUnifilterプレート(Perkin Elmer)で濾過した。フィルタを0.5mlの氷冷洗浄緩衝液(50mMのトリス-HCl pH7.4、5mMのMgCl、1mMのEDTA)で5回洗浄し、50μlのMicroscint 20(Perkin Elmer)を各フィルタに添加した。プレートをオービタルシェーカ上で室温で15分間インキュベートし、次いで、TopCount(商標)で1分間/ウェルでカウントした。
【0206】
A1受容体の場合、アッセイを[H]-DPCPXおよびヒトA1受容体でトランスフェクトしたCHO-K1細胞からの膜(Euroscreen FAST-001B)を使用して実行した。
【0207】
A2A受容体の場合、アッセイを[H]-NECAおよびヒトA2A受容体でトランスフェクトしたHEK293細胞からの膜(Euroscreen FAST-002B)を使用して実行した。
【0208】
A2B受容体の場合、アッセイを[H]-DPCPXおよびヒトA2B受容体でトランスフェクトしたHEK293細胞から調製された膜(Euroscreen FAST-003B)を使用して実施した。
【0209】
A3受容体の場合、アッセイを[125I]-MECAおよびヒトA3受容体でトランスフェクトしたCHO-K1細胞からの膜(Euroscreen FAST-004B)を使用して実施した。
【0210】
細胞内cAMPアッセイ
2つのアッセイが用いられ、1つは、内因的に発現するA2B受容体を含むHEK293を使用し(以下ではcAMPアッセイ(a)と名付けられている)、もう1つは、組換えヒトA2B受容体を認識させるHEK293細胞を使用する(以下ではcAMPアッセイ(b)と名付けられている)。
【0211】
cAMPアッセイ(a)の場合:
生細胞でのリアルタイムcAMPアッセイは、EPAC-センサーを安定して発現するHEK293細胞で実行された(I.Vedel,et al.,2015,J.Biomol.Screen.20,849-857)。HEK293細胞は、A2B受容体を天然に発現することが示されている(S-Hinz et al,,J.Pharmaco.l Exp.Ther.2104,249,427)。
【0212】
それぞれ、式Iおよびアンタゴニストの好ましい化合物によるcAMP阻害を本発明から試験するために、上記の細胞株における内因性A2AおよびA2B発現を利用した。アッセイを実行するために、細胞を80μlのアッセイ緩衝液中で室温で15分間インキュベートした。アッセイ緩衝液は、20mMのHEPES、pH7.4および7.5μg/mlアデノシンデアミナーゼを含むハンクス平衡塩類溶液(Gibco)で構成された。すべてのcAMPアッセイは、PHERAstar FSXプレートリーダーを使用して室温で実行された。FRETドナー(mCerulean)は430nmで励起された。蛍光発光は、480nmおよび530nmで65分間測定した(サイクル時間1.45分)。刺激の前に、蛍光を10分間測定した(ベースライン)。続いて、細胞を5μMのNECA(5’-(N-エチルカルボキサミド)アデノシン、Tocris、カタログ番号:35920-39-9)で刺激した。刺激の10.15分後に急激に化合物を増加する濃度(0~200μM)で添加し、蛍光を40分間記録した。各化合物の濃度を2回測定した。
【0213】
CAMPアッセイ(b)の場合:
抗生物質を含まない培地で試験前に増殖させた組換えヒトA2B受容体を発現するHEK293細胞を、PBS-EDTA(5mMのEDTA)で穏やかに洗い流すことによって分離し、遠心分離によって回収し、アッセイ緩衝液(KRH:1mMのIBMXまたは25μMロリプラムで補充した、5mMのKCl、1.25mMのMgSO4、124mMのNaCl、25mMのHEPES、13.3mMのグルコース、1.25mMのKH2PO4、1.45mMのCaCl2、0.5g/lのBSA)中で再懸濁した。
【0214】
用量反応曲線は、参照化合物と並行して実行された。12μlの細胞を6μlの試験化合物と濃度を上げながら混合し、10分間インキュベートした。その後、6μlの参照アゴニストを、過去のEC80に対応する最終濃度で添加した。次いで、プレートを室温で30分間インキュベートした。溶解緩衝液を添加し、1時間インキュベートした後、HTRFキットを使用して、製造元の仕様に従ってcAMP濃度を推定した。
【0215】
表5は、ヒトA2B受容体に対する選択された化合物のインビトロ親和性データ対ヒトA2A受容体に対する親和性を示し、ヒトA2A受容体に対するヒトA2B受容体に対する高い選択性を示している。
【0216】
表6は、ヒトA1およびヒトA3受容体に対する選択した化合物のインビトロ親和性および活性データを示す(放射性リガンド結合アッセイ)。
【0217】
生物物理学的アッセイ:生物物理学的測定に使用されるA2BおよびA2A受容体は、昆虫細胞におけるバキュロウイルス媒介性発現を使用して生成された。両方の受容体の発現コンストラクトには、受容体の熱安定性を高める点変異が含まれていた。熱安定化されたA2BおよびA2A受容体は、中性洗剤(それぞれ、DDMおよびDM)を使用して可溶化され、標準的な精製方法で精製された。A2B受容体は、40mMのトリス-HCl pH 7.4、200mMのNaCl、0.05%のDDM、および0.005%のCHSを含む緩衝液で精製された。A2A受容体は、40mMのトリス-HCl pH 7.4、200mMのNaCl、0.15%のDM、および0.002%のCHSを含む緩衝液で精製された。
【0218】
CPM熱安定性アッセイ
本発明からの化合物は、CPM熱安定性アッセイを使用して、A2B/A2A受容体結合および安定化についてスクリーニングされた(A.I.Alexandrov,et al.,2008,Structure 16,351-359)。反応中のタンパク質濃度は1μMであったが、ここに示すデータの化合物濃度は10μMであった。反応中のCPM色素(Invitrogen D346)の最終濃度は7.5μg/mlであった。A2B受容体の反応緩衝液は、40mMのトリス-HCl pH 7.4、200mMのNaCl、0.05%のDDM、および0.005%のCHSであった。A2A受容体の反応緩衝液は、40mMのトリス-HCl pH 7.4、200mMのNaCl、および0.15%のDDMであった。結合を可能にするために、CPM色素を添加する前に、化合物を精製受容体とともに氷上で30分間インキュベートした。Rotor-Gene Q qPCR装置(QIAGEN)を使用して測定を実行した。温度は25℃~90℃に上昇し、1分あたり6℃上昇した。ゲインは、参照として使用されたリガンドを含まないタンパク質である実行において、最初の試料に設定された。CPM色素の結合を、365nmの励起および460nmの発光を使用して監視した。データは機器ソフトウェアで分析され、融解温度は各複製の平均として計算された(平均の複製は0.5℃以上で異ならなかった)。融解温度の上昇(ΔTm)、すなわち各化合物の熱シフト値は、それぞれの化合物に結合した受容体の融解温度からアポ受容体の融解温度を差し引くことによって計算された。
【0219】
導波干渉法(WGI)
A2B受容体を用いたWGI実験は、ラベルのない表面バイオセンサーであるWave delta機器(Creoptix AG)を使用して実行した。精製A2Bタンパク質は、3500~5000pg/mmの間の典型的なレベルで、4PCP-Nチップ上(Creoptix、疑似平面NTA官能化ポリカルボキシレート表面)に固定化した。泳動用緩衝液は、は、25mMのトリス-HCl pH 7.5、350mMのNaCl、0.1%のDDM、および2%のDMSOであった。手順は、表面を平衡化および安定化させるために、40回の起動サイクルから開始した。起動サイクルが実行されたら、様々な濃度の化合物(泳動用緩衝液で希釈し、速度論的特性に応じて調整)を、通常の会合時間120秒、解離時間240秒を有するマルチサイクル速度論的モードで注入した。DMSOレベルを較正し、チップ上のタンパク質がとる不足量を推定するために、すべての実験に対してDMSO較正(通常は1~3%のDMSOの5つの濃度)を実行した。データを、Creoptix Waveソフトウェア(Creoptix AG)で評価した。すべての最終シグナルは、参照チャネルへの同じ化合物濃度の注入とアクティブチャネル(タンパク質が固定化されている場合)への緩衝液注入で二重参照され、K値を取得するために1:1相互作用モデルに適合する。
【0220】
表7は、ΔTmとして表される活性を有する受容体安定化の生物物理学的CPMアッセイおよびKdとして表される動的結合親和性を有するWGIアッセイにおける、ヒト熱安定化A2B受容体を有する好ましい本発明の化合物の活性を示す。
【0221】
表8aは、HEK293細胞の機能的cAMP蓄積アッセイ(cAMPアッセイ(a))における選択された分子の活性を示す。
【0222】
表8bは、HEK293細胞の機能的cAMP蓄積アッセイ(cAMPアッセイ(b))における選択された分子の活性を示す。