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特許7510432表示装置、表示モジュール、及び電子機器
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-25
(45)【発行日】2024-07-03
(54)【発明の名称】表示装置、表示モジュール、及び電子機器
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/30 20060101AFI20240626BHJP
   G02B 5/22 20060101ALI20240626BHJP
   G06F 3/042 20060101ALI20240626BHJP
   G09F 9/302 20060101ALI20240626BHJP
   H10K 59/10 20230101ALI20240626BHJP
【FI】
G09F9/30 349Z
G02B5/22
G06F3/042 472
G09F9/30 349A
G09F9/302 C
H10K59/10
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2021550724
(86)(22)【出願日】2020-09-30
(86)【国際出願番号】 IB2020059123
(87)【国際公開番号】W WO2021070008
(87)【国際公開日】2021-04-15
【審査請求日】2023-09-08
(31)【優先権主張番号】P 2019187949
(32)【優先日】2019-10-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000153878
【氏名又は名称】株式会社半導体エネルギー研究所
(72)【発明者】
【氏名】久保田 大介
(72)【発明者】
【氏名】初見 亮
(72)【発明者】
【氏名】鎌田 太介
【審査官】石本 努
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-147877(JP,A)
【文献】特表2016-524755(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0042823(US,A1)
【文献】特開2008-116921(JP,A)
【文献】国際公開第2016/152321(WO,A1)
【文献】特表2012-504852(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B5/00-5/136
G02F1/1343-1/1345
1/135-1/1368
G06F3/03-3/047
G09F9/00-9/46
H05B33/00-33/28
44/00
45/60
H10K50/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の画素と、第2の画素と、を有し、
前記第1の画素は、第1の副画素と、第2の副画素と、を有し、
前記第2の画素は、第3の副画素を有し、
前記第1の副画素は、第1の色の光を呈する副画素であり、
前記第2の副画素は、前記第1の副画素が呈する光を受光する機能を有し、
前記第3の副画素は、第2の色の光を呈する副画素であり、
前記第1の色は、青色、または、青色よりも短波長の色であり、
前記第2の色は、青色であり、
前記第1の色の光の波長は、前記第2の色の光の波長に比べて短い、表示装置。
【請求項2】
第1の画素と、第2の画素と、第3の画素と、を有し、
前記第1の画素は、第1の副画素を有し、
前記第2の画素は、第2の副画素を有し、
前記第3の画素は、第3の副画素を有し、
前記第1の副画素は、第1の色の光を呈する副画素であり、
前記第2の副画素は、前記第1の副画素が呈する光を受光する機能を有し、
前記第3の副画素は、第2の色の光を呈する副画素であり、
前記第1の色は、青色、または、青色よりも短波長の色であり、
前記第2の色は、青色であり、
前記第1の色の光の波長は、前記第2の色の光の波長に比べて短い、表示装置。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記第1の副画素は、第1の発光デバイスを有し、
前記第3の副画素は、第2の発光デバイスを有し、
前記第1の発光デバイスは、第1の波長の光を強めるマイクロキャビティ構造を有し、
前記第2の発光デバイスは、第2の波長の光を強めるマイクロキャビティ構造を有し、
前記第1の波長は、前記第2の波長に比べて短い、表示装置。
【請求項4】
請求項1または2において、
前記第1の副画素は、第1の発光デバイスと、着色層と、を有し、
前記第3の副画素は、第2の発光デバイスを有し、
前記第3の副画素は、前記着色層を有しておらず、
前記着色層は、前記第1の発光デバイスの発光領域と重なり、
前記着色層は、前記第1の発光デバイスが発する光の一部を吸収する機能を有する、表示装置。
【請求項5】
請求項4において、
前記第1の発光デバイスと前記第2の発光デバイスとは、同一の発光層を有する、表示装置。
【請求項6】
請求項1または2において、
前記第1の副画素は、第1の発光デバイスを有し、
前記第3の副画素は、第2の発光デバイスを有し、
前記第1の発光デバイスは、第1の発光層を有し、
前記第2の発光デバイスは、第2の発光層を有し、
前記第1の発光デバイスは、前記第2の発光デバイスに比べて、短波長の光を発する、表示装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか一において、
前記第2の副画素は、受光デバイスを有し、
前記受光デバイスは、前記第1の副画素が呈する光を受光し、電気信号に変換する、表示装置。
【請求項8】
請求項1乃至6のいずれか一において、
前記第2の副画素は、受発光デバイスを有し、
前記受発光デバイスは、前記第1の副画素が呈する光よりも長波長の光を発する機能を有し、
前記受発光デバイスは、前記第1の副画素が呈する光を受光し、電気信号に変換する機能を有する、表示装置。
【請求項9】
第1の画素と、第2の画素と、を有し、
前記第1の画素は、第1の副画素と、第2の副画素と、第3の副画素と、第4の副画素と、を有し、
前記第2の画素は、第5の副画素と、第6の副画素と、第7の副画素と、第8の副画素と、を有し、
前記第1の副画素は、前記第1の画素に含まれる副画素のうち、最も短波長の光を呈する副画素であり、
前記第3の副画素は、前記第1の副画素が呈する光を受光する機能を有し、
前記第5の副画素は、前記第2の画素に含まれる副画素のうち、最も短波長の光を呈する副画素であり、
前記第1の副画素が呈する光の波長は、前記第5の副画素が呈する光の波長に比べて短い、表示装置。
【請求項10】
第1の画素と、第2の画素と、第3の画素と、を有し、
前記第1の画素は、第1の副画素と、第2の副画素と、を有し、
前記第2の画素は、第3の副画素と、第4の副画素と、を有し、
前記第3の画素は、第5の副画素と、第6の副画素と、を有し、
前記第1の副画素は、前記第1の画素に含まれる副画素のうち、最も短波長の光を呈する副画素であり、
前記第3の副画素は、前記第1の副画素が呈する光を受光する機能を有し、
前記第5の副画素は、前記第3の画素に含まれる副画素のうち、最も短波長の光を呈する副画素であり、
前記第2の副画素、前記第4の副画素、及び、前記第6の副画素は、同一の色の光を呈し、
前記第1の副画素が呈する光の波長は、前記第5の副画素が呈する光の波長に比べて短い、表示装置。
【請求項11】
請求項9または10において、
前記第1の副画素は、第1の発光デバイスを有し、
前記第5の副画素は、第2の発光デバイスを有し、
前記第1の発光デバイスは、第1の波長の光を強めるマイクロキャビティ構造を有し、
前記第2の発光デバイスは、第2の波長の光を強めるマイクロキャビティ構造を有し、
前記第1の波長は、前記第2の波長に比べて短い、表示装置。
【請求項12】
請求項9または10において、
前記第1の副画素は、第1の発光デバイスと、着色層と、を有し、
前記第5の副画素は、第2の発光デバイスを有し、
前記第5の副画素は、前記着色層を有しておらず、
前記着色層は、前記第1の発光デバイスの発光領域と重なり、
前記着色層は、前記第1の発光デバイスが発する光の一部を吸収する機能を有する、表示装置。
【請求項13】
請求項12において、
前記第1の発光デバイスと前記第2の発光デバイスとは、同一の発光層を有する、表示装置。
【請求項14】
請求項9または10において、
前記第1の副画素は、第1の発光デバイスを有し、
前記第5の副画素は、第2の発光デバイスを有し、
前記第1の発光デバイスは、第1の発光層を有し、
前記第2の発光デバイスは、第2の発光層を有し、
前記第1の発光デバイスは、前記第2の発光デバイスに比べて、短波長の光を発する、表示装置。
【請求項15】
請求項9乃至14のいずれか一において、
前記第3の副画素は、受光デバイスを有し、
前記受光デバイスは、前記第1の副画素が呈する光を受光し、電気信号に変換する、表示装置。
【請求項16】
請求項9乃至14のいずれか一において、
前記第3の副画素は、受発光デバイスを有し、
前記受発光デバイスは、前記第1の副画素が呈する光よりも長波長の光を発する機能を有し、
前記受発光デバイスは、前記第1の副画素が呈する光を受光し、電気信号に変換する機能を有する、表示装置。
【請求項17】
請求項9乃至16のいずれか一において、
前記第5の副画素は、青色の光を呈し、
前記第1の副画素は、青色の光、または青色よりも短波長の光を呈する、表示装置。
【請求項18】
請求項1乃至17のいずれか一に記載の表示装置と、コネクタまたは集積回路と、を有する、表示モジュール。
【請求項19】
請求項18に記載の表示モジュールと、
アンテナ、バッテリ、筐体、カメラ、スピーカ、マイク、及び操作ボタンのうち、少なくとも一つと、を有する、電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一態様は、表示装置、表示モジュール、及び電子機器に関する。本発明の一態様は、受光デバイス(受光素子ともいう)と発光デバイス(発光素子ともいう)とを有する表示装置に関する。また、本発明の一態様は、受発光デバイス(受発光素子ともいう)と発光デバイスとを有する表示装置に関する。
【0002】
なお、本発明の一態様は、上記の技術分野に限定されない。本発明の一態様の技術分野としては、半導体装置、表示装置、発光装置、蓄電装置、記憶装置、電子機器、照明装置、入力装置(例えば、タッチセンサなど)、入出力装置(例えば、タッチパネルなど)、それらの駆動方法、又はそれらの製造方法を一例として挙げることができる。
【背景技術】
【0003】
近年、表示装置は様々な用途への応用が期待されている。例えば、大型の表示装置の用途としては、家庭用のテレビジョン装置(テレビまたはテレビジョン受信機ともいう)、デジタルサイネージ(Digital Signage:電子看板)、PID(Public Information Display)等が挙げられる。また、携帯情報端末として、タッチパネルを備えるスマートフォンやタブレット端末の開発が進められている。
【0004】
表示装置としては、例えば、発光デバイスを有する発光装置が開発されている。エレクトロルミネッセンス(Electroluminescence、以下ELと記す)現象を利用した発光デバイス(ELデバイス、EL素子ともいう)は、薄型軽量化が容易である、入力信号に対し高速に応答可能である、直流低電圧電源を用いて駆動可能である等の特徴を有し、表示装置に応用されている。例えば、特許文献1に、有機ELデバイス(有機EL素子ともいう)が適用された、可撓性を有する発光装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2014-197522号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の一態様は、光検出機能を有する表示装置を提供することを課題の一とする。本発明の一態様は、光検出機能を有する表示装置の精細度を高めることを課題の一とする。本発明の一態様は、利便性の高い表示装置を提供することを課題の一とする。本発明の一態様は、多機能の表示装置を提供することを課題の一とする。本発明の一態様は、開口率の高い表示装置を提供することを課題の一とする。本発明の一態様は、新規な表示装置を提供することを課題の一とする。
【0007】
なお、これらの課題の記載は、他の課題の存在を妨げるものではない。本発明の一態様は、必ずしも、これらの課題の全てを解決する必要はないものとする。明細書、図面、請求項の記載から、これら以外の課題を抽出することが可能である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様の表示装置は、第1の画素と、第2の画素と、を有する。第1の画素は、第1の副画素と第2の副画素を有する。第2の画素は、第3の副画素を有する。第1の副画素は、第1の画素に含まれる副画素のうち、最も短波長の光(例えば、青色の光、または青色よりも短波長の光)を呈する副画素である。第2の副画素は、第1の副画素が呈する光を受光する機能を有する。第3の副画素は、第2の画素に含まれる副画素のうち、最も短波長の光を呈する副画素である。第1の副画素が呈する光の波長は、第3の副画素が呈する光の波長に比べて短い。
【0009】
または、本発明の一態様の表示装置は、第1の画素と、第2の画素と、第3の画素と、を有する。第1の画素は、第1の副画素を有する。第2の画素は、第2の副画素を有する。第3の画素は、第3の副画素を有する。第1の副画素は、第1の画素に含まれる副画素のうち、最も短波長の光を呈する副画素である。第2の副画素は、第1の副画素が呈する光を受光する機能を有する。第3の副画素は、第3の画素に含まれる副画素のうち、最も短波長の光を呈する副画素である。第1の副画素が呈する光の波長は、第3の副画素が呈する光の波長に比べて短い。
【0010】
第1の副画素は、第1の発光デバイスを有することが好ましい。第3の副画素は、第2の発光デバイスを有することが好ましい。第1の発光デバイスは、第1の波長の光を強めるマイクロキャビティ構造を有することが好ましい。第2の発光デバイスは、第2の波長の光を強めるマイクロキャビティ構造を有することが好ましい。第1の波長は、第2の波長に比べて短いことが好ましい。
【0011】
または、第1の副画素は、第1の発光デバイスと、着色層と、を有することが好ましい。第3の副画素は、第2の発光デバイスを有することが好ましい。着色層は、第1の発光デバイスの発光領域と重なることが好ましい。着色層は、第1の発光デバイスが発する光の一部を吸収する機能を有することが好ましい。第1の発光デバイスと第2の発光デバイスとは、同一の発光層を有することが好ましい。
【0012】
または、第1の副画素は、第1の発光デバイスを有することが好ましい。第3の副画素は、第2の発光デバイスを有することが好ましい。第1の発光デバイスは、第1の発光層を有することが好ましい。第2の発光デバイスは、第2の発光層を有することが好ましい。第1の発光デバイスは、第2の発光デバイスに比べて、短波長の光を発することが好ましい。
【0013】
第2の副画素は、第1の副画素が呈する光を受光し、電気信号に変換する受光デバイスを有することが好ましい。
【0014】
または、第2の副画素は、受発光デバイスを有することが好ましい。受発光デバイスは、第1の副画素が呈する光よりも長波長の光を発する機能を有することが好ましい。受発光デバイスは、第1の副画素が呈する光を受光し、電気信号に変換する機能を有することが好ましい。
【0015】
第3の副画素は、青色の光を呈することが好ましい。第1の副画素は、青色の光、または青色よりも短波長の光を呈することが好ましい。
【0016】
本発明の一態様は、上記いずれかの構成の表示装置を有し、フレキシブルプリント回路基板(Flexible Printed Circuit、以下、FPCと記す)もしくはTCP(Tape Carrier Package)等のコネクタが取り付けられたモジュール、またはCOG(Chip On Glass)方式もしくはCOF(Chip On Film)方式等により集積回路(IC)が実装されたモジュール等である。
【0017】
本発明の一態様は、上記のモジュールと、アンテナ、バッテリ、筐体、カメラ、スピーカ、マイク、及び操作ボタンのうち少なくとも一つと、を有する電子機器である。
【発明の効果】
【0018】
本発明の一態様により、光検出機能を有する表示装置を提供できる。本発明の一態様により、光検出機能を有する表示装置の精細度を高めることができる。本発明の一態様により、利便性の高い表示装置を提供できる。本発明の一態様により、多機能の表示装置を提供できる。本発明の一態様により、開口率の高い表示装置を提供できる。本発明の一態様により、新規な表示装置を提供できる。
【0019】
なお、これらの効果の記載は、他の効果の存在を妨げるものではない。本発明の一態様は、必ずしも、これらの効果の全てを有する必要はない。明細書、図面、請求項の記載から、これら以外の効果を抽出することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1A図1D図1Fは、表示装置の一例を示す断面図である。図1E図1Gは、表示装置が撮像した画像の例を示す図である。図1H図1J図1Lは、画素の一例を示す上面図である。
図2A図2Gは、画素の一例を示す上面図である。
図3A図3Bは、表示装置の駆動方法の一例を説明する図である。
図4A図4Fは、表示装置の駆動方法の一例を説明する図である。
図5A図5Bは、表示装置の一例を示す断面図である。
図6は、表示装置の一例を示す断面図である。
図7A図7Cは、表示装置の一例を示す断面図である。
図8A図8Bは、表示装置の一例を示す断面図である。図8C図8Fは、受発光デバイスの一例を示す断面図である。
図9Aは、表示装置の駆動方法の一例を示す図である。図9B図9Cは、画素の輝度の時間積分値を説明する図である。
図10Aは、表示装置の駆動方法の一例を示す図である。図10Bは、画素の輝度の時間積分値を説明する図である。
図11は、表示装置の駆動方法の一例を示す図である。
図12A図12Cは、表示装置の一例を示す断面図である。
図13Aは、表示装置の一例を示す断面図である。図13B図13Cは、樹脂層の上面レイアウトの一例を示す図である。
図14は、表示装置の一例を示す斜視図である。
図15A図15Bは、表示装置の一例を示す断面図である。
図16は、表示装置の一例を示す断面図である。
図17Aは、表示装置の一例を示す断面図である。図17Bは、トランジスタの一例を示す断面図である。
図18A図18Cは、画素回路の一例を示す回路図である。
図19A図19Bは、電子機器の一例を示す図である。
図20A図20Dは、電子機器の一例を示す図である。
図21A図21Fは、電子機器の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0022】
なお、以下に説明する発明の構成において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する。また、同様の機能を指す場合には、ハッチパターンを同じくし、特に符号を付さない場合がある。
【0023】
また、図面において示す各構成の、位置、大きさ、範囲などは、理解の簡単のため、実際の位置、大きさ、範囲などを表していない場合がある。このため、開示する発明は、必ずしも、図面に開示された位置、大きさ、範囲などに限定されない。
【0024】
なお、「膜」という言葉と、「層」という言葉とは、場合によっては、又は、状況に応じて、互いに入れ替えることが可能である。例えば、「導電層」という用語を、「導電膜」という用語に変更することが可能である。または、例えば、「絶縁膜」という用語を、「絶縁層」という用語に変更することが可能である。
【0025】
なお、本明細書等において、特に説明のない限り、要素(画素、発光デバイス、発光層など)を複数有する構成を説明する場合であっても、各々の要素に共通する事項を説明する場合には、アルファベットを省略して説明する。例えば、画素300a及び画素300b等に共通する事項を説明する場合に、画素300と記す場合がある。
【0026】
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様の表示装置について図1図17を用いて説明する。
【0027】
本発明の一態様の表示装置は、第1の画素と、第2の画素と、を有する。第1の画素は、第1の副画素と第2の副画素を有する。第2の画素は、第3の副画素を有する。第1の副画素は、第1の画素に含まれる副画素のうち、最も短波長の光を呈する副画素である。第2の副画素は、第1の副画素が呈する光を受光する機能を有する。第3の副画素は、第2の画素に含まれる副画素のうち、最も短波長の光を呈する副画素である。第1の副画素が呈する光の波長は、第3の副画素が呈する光の波長に比べて短い。
【0028】
または、本発明の一態様の表示装置は、第1の画素と、第2の画素と、第3の画素と、を有する。第1の画素は、第1の副画素を有する。第2の画素は、第2の副画素を有する。第3の画素は、第3の副画素を有する。第1の副画素は、第1の画素に含まれる副画素のうち、最も短波長の光を呈する副画素である。第2の副画素は、第1の副画素が呈する光を受光する機能を有する。第3の副画素は、第3の画素に含まれる副画素のうち、最も短波長の光を呈する副画素である。第1の副画素が呈する光の波長は、第3の副画素が呈する光の波長に比べて短い。
【0029】
第1の副画素が呈する光の波長が、第3の副画素が呈する光の波長に比べて短いことから、第1の副画素が呈する光は、表示装置の使用者に視認されにくく、また、その光量の変化は使用者に認識されにくい。
【0030】
本発明の一態様の表示装置は、少なくとも一部の画素が受光機能を有するため、画像を表示しながら、対象物の接触または近接を検出することができる。例えば、表示装置が有する副画素全てで画像を表示するだけでなく、一部の副画素は、光源としての光を呈し、残りの副画素で画像を表示することもできる。このとき、光源に用いる副画素として、上記第1の副画素を用いることで、光源としての光が使用者に視認されにくくなり、自然な画像表示を行うことができる。
【0031】
第1の副画素及び第3の副画素は発光デバイスを有することが好ましい。第2の副画素は、受光デバイス、または、受発光デバイスを有することが好ましい。
【0032】
まず、受光デバイスと発光デバイスとを有する表示装置について説明する。
【0033】
本発明の一態様の表示装置は、受光デバイスと発光デバイスとを有する。本発明の一態様の表示装置は、表示部に、発光デバイスがマトリクス状に配置されており、当該表示部で画像を表示することができる。また、当該表示部には、受光デバイスがマトリクス状に配置されており、表示部は、画像表示機能に加えて、撮像機能及びセンシング機能の一方または双方を有する。表示部は、イメージセンサやタッチセンサに用いることができる。つまり、表示部で光を検出することで、画像を撮像することや、対象物(指やペンなど)の近接もしくは接触を検出することができる。さらに、本発明の一態様の表示装置は、発光デバイスをセンサの光源として利用することができる。したがって、表示装置と別に受光部及び光源を設けなくてよく、電子機器の部品点数を削減することができる。
【0034】
本発明の一態様の表示装置では、表示部が有する発光デバイスが発した光を対象物が反射(または散乱)した際、受光デバイスがその反射光(または散乱光)を検出できるため、暗い場所でも、撮像やタッチ検出が可能である。
【0035】
本発明の一態様の表示装置は、発光デバイスを用いて、画像を表示する機能を有する。つまり、発光デバイスは、表示デバイス(表示素子ともいう)として機能する。
【0036】
発光デバイスとしては、OLED(Organic Light Emitting Diode)やQLED(Quantum-dot Light Emitting Diode)などのELデバイスを用いることが好ましい。ELデバイスが有する発光物質としては、蛍光を発する物質(蛍光材料)、燐光を発する物質(燐光材料)、無機化合物(量子ドット材料など)、熱活性化遅延蛍光を示す物質(熱活性化遅延蛍光(Thermally Activated Delayed Fluorescence:TADF)材料)などが挙げられる。また、発光デバイスとして、マイクロLED(Light Emitting Diode)などのLEDを用いることもできる。
【0037】
本発明の一態様の表示装置は、受光デバイスを用いて、光を検出する機能を有する。
【0038】
受光デバイスをイメージセンサに用いる場合、表示装置は、受光デバイスを用いて、画像を撮像することができる。例えば、本実施の形態の表示装置は、スキャナとして用いることができる。
【0039】
例えば、イメージセンサを用いて、指紋、掌紋などの生体情報に係るデータを取得することができる。つまり、表示装置に、生体認証用センサを内蔵させることができる。表示装置が生体認証用センサを内蔵することで、表示装置とは別に生体認証用センサを設ける場合に比べて、電子機器の部品点数を少なくでき、電子機器の小型化及び軽量化が可能である。
【0040】
また、受光デバイスをタッチセンサに用いる場合、表示装置は、受光デバイスを用いて、対象物の近接または接触を検出することができる。
【0041】
受光デバイスとしては、例えば、pn型またはpin型のフォトダイオードを用いることができる。受光デバイスは、受光デバイスに入射する光を検出し電荷を発生させる光電変換デバイス(光電変換素子ともいう)として機能する。受光デバイスに入射する光量に基づき、受光デバイスから発生する電荷量が決まる。
【0042】
特に、受光デバイスとして、有機化合物を含む層を有する有機フォトダイオードを用いることが好ましい。有機フォトダイオードは、薄型化、軽量化、及び大面積化が容易であり、また、形状及びデザインの自由度が高いため、様々な表示装置に適用できる。
【0043】
本発明の一態様では、発光デバイスとして有機ELデバイスを用い、受光デバイスとして有機フォトダイオードを用いる。有機ELデバイス及び有機フォトダイオードは、同一基板上に形成することができる。したがって、有機ELデバイスを用いた表示装置に有機フォトダイオードを内蔵することができる。
【0044】
有機ELデバイス及び有機フォトダイオードを構成する全ての層を作り分けようとすると、成膜工程が非常に多くなる。有機フォトダイオードは、有機ELデバイスと共通の構成にできる層が多いため、共通の構成にできる層は一括で成膜することで、成膜工程の増加を抑制することができる。
【0045】
例えば、一対の電極のうち一方(共通電極)を、受光デバイス及び発光デバイスで共通の層とすることができる。また、例えば、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、及び電子注入層の少なくとも1つを、受光デバイス及び発光デバイスで共通の層とすることが好ましい。また、例えば、受光デバイスが活性層を有し、発光デバイスが発光層を有する以外は、受光デバイスと発光デバイスとで同一の構成にすることもできる。つまり、発光デバイスの発光層を、活性層に置き換えるのみで、受光デバイスを作製することもできる。このように、受光デバイス及び発光デバイスが共通の層を有することで、成膜回数及びマスクの数を減らすことができ、表示装置の作製工程及び作製コストを削減することができる。また、表示装置の既存の製造装置及び製造方法を用いて、受光デバイスを有する表示装置を作製することができる。
【0046】
なお、受光デバイスと発光デバイスが共通で有する層は、発光デバイスにおける機能と受光デバイスにおける機能とが異なる場合がある。本明細書中では、発光デバイスにおける機能に基づいて構成要素を呼称する。例えば、正孔注入層は、発光デバイスにおいて正孔注入層として機能し、受光デバイスにおいて正孔輸送層として機能する。同様に、電子注入層は、発光デバイスにおいて電子注入層として機能し、受光デバイスにおいて電子輸送層として機能する。また、受光デバイスと発光デバイスが共通で有する層は、発光デバイスにおける機能と受光デバイスにおける機能とが同一である場合もある。正孔輸送層は、発光デバイス及び受光デバイスのいずれにおいても、正孔輸送層として機能し、電子輸送層は、発光デバイス及び受光デバイスのいずれにおいても、電子輸送層として機能する。
【0047】
次に、受発光デバイスと発光デバイスとを有する表示装置について説明する。
【0048】
本発明の一態様の表示装置は、いずれかの色を呈する副画素に、発光デバイスの代わりとして、受発光デバイスを設ける。受発光デバイスは、光を発する機能(発光機能)と、入射された光を検出し、電気信号に変換する機能(受光機能)と、の双方を有する。例えば、画素が、赤色の副画素、緑色の副画素、青色の副画素の3つの副画素を有する場合、少なくとも1つの副画素が受発光デバイスを有し、他の副画素は発光デバイスを有する構成とする。受発光デバイスが、発光デバイスと受光デバイスとを兼ねることで、画素に含まれる副画素の数を増やさずに、画素に受光機能を付与することができる。これにより、画素の開口率(各副画素の開口率)、及び、表示装置の精細度を維持したまま、表示装置の表示部に、撮像機能及びセンシング機能の一方または双方を付加することができる。
【0049】
本発明の一態様の表示装置は、表示部に、受発光デバイスと発光デバイスがマトリクス状に配置されており、当該表示部で画像を表示することができる。また、表示部は、イメージセンサやタッチセンサに用いることができる。本発明の一態様の表示装置は、発光デバイスをセンサの光源として利用することができる。したがって、表示装置と別に受光部及び光源を設けなくてよく、電子機器の部品点数を削減することができる。
【0050】
本発明の一態様の表示装置では、表示部が有する発光デバイスが発した光を対象物が反射(または散乱)した際、受発光デバイスがその反射光(または散乱光)を検出できるため、暗い場所でも、撮像やタッチ検出が可能である。
【0051】
受発光デバイスは、有機ELデバイスと有機フォトダイオードを組み合わせて作製することができる。例えば、有機ELデバイスの積層構造に、有機フォトダイオードの活性層を追加することで、受発光デバイスを作製することができる。さらに、有機ELデバイスと有機フォトダイオードを組み合わせて作製する受発光デバイスは、有機ELデバイスと共通の構成にできる層を一括で成膜することで、成膜工程の増加を抑制することができる。
【0052】
例えば、一対の電極のうち一方(共通電極)を、受発光デバイス及び発光デバイスで共通の層とすることができる。また、例えば、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、及び電子注入層の少なくとも1つを、受発光デバイス及び発光デバイスで共通の層とすることが好ましい。また、例えば、受光デバイスの活性層の有無以外は、受発光デバイスと発光デバイスとで同一の構成にすることもできる。つまり、発光デバイスに、受光デバイスの活性層を加えるのみで、受発光デバイスを作製することもできる。このように、受発光デバイス及び発光デバイスが共通の層を有することで、成膜回数及びマスクの数を減らすことができ、表示装置の作製工程及び作製コストを削減することができる。また、表示装置の既存の製造装置及び製造方法を用いて、受発光デバイスを有する表示装置を作製することができる。
【0053】
なお、受発光デバイスが有する層は、受発光デバイスが、受光デバイスとして機能する場合と、発光デバイスとして機能する場合と、で、機能が異なることがある。本明細書中では、受発光デバイスが発光デバイスとして機能する場合における機能に基づいて構成要素を呼称する。例えば、正孔注入層は、受発光デバイスが発光デバイスとして機能する際には、正孔注入層として機能し、受発光デバイスが受光デバイスとして機能する際には、正孔輸送層として機能する。同様に、電子注入層は、受発光デバイスが発光デバイスとして機能する際には、電子注入層として機能し、受発光デバイスが受光デバイスとして機能する際には、電子輸送層として機能する。また、受発光デバイスが有する層は、受発光デバイスが、受光デバイスとして機能する場合と、発光デバイスとして機能する場合と、で、機能が同一であることもある。正孔輸送層は、発光デバイス及び受光デバイスのいずれとして機能する場合においても、正孔輸送層として機能し、電子輸送層は、発光デバイス及び受光デバイスのいずれとして機能する場合においても、電子輸送層として機能する。
【0054】
本実施の形態の表示装置は、発光デバイス及び受発光デバイスを用いて、画像を表示する機能を有する。つまり、発光デバイス及び受発光デバイスは、表示デバイスとして機能する。
【0055】
本実施の形態の表示装置は、受発光デバイスを用いて、光を検出する機能を有する。受発光デバイスは、受発光デバイス自身が発する光よりも短波長の光を検出することができる。
【0056】
受発光デバイスをイメージセンサに用いる場合、本実施の形態の表示装置は、受発光デバイスを用いて、画像を撮像することができる。例えば、本実施の形態の表示装置は、スキャナとして用いることができる。
【0057】
また、受発光デバイスをタッチセンサに用いる場合、本実施の形態の表示装置は、受発光デバイスを用いて、対象物の近接または接触を検出することができる。
【0058】
受発光デバイスは、受発光デバイスに入射する光を検出し電荷を発生させる光電変換デバイスとして機能する。受発光デバイスに入射する光量に基づき、受発光デバイスから発生する電荷量が決まる。
【0059】
受発光デバイスは、上記発光デバイスの構成に、受光デバイスの活性層を追加することで作製することができる。
【0060】
受発光デバイスには、例えば、pn型またはpin型のフォトダイオード構造を適用することができる。
【0061】
特に、受発光デバイスには、有機化合物を含む層を有する有機フォトダイオードの活性層を用いることが好ましい。有機フォトダイオードは、薄型化、軽量化、及び大面積化が容易であり、また、形状及びデザインの自由度が高いため、様々な表示装置に適用できる。
【0062】
以下では、本発明の一態様の表示装置について、図面を用いてより具体的に説明する。
【0063】
[表示装置]
図1A図1D及び図1Fに、本発明の一態様の表示装置の断面図を示す。
【0064】
図1Aに示す表示装置200Aは、基板201と基板209との間に、受光デバイスを有する層203、機能層205、及び、発光デバイスを有する層207を有する。
【0065】
表示装置200Aは、発光デバイスを有する層207から、赤色(R)、緑色(G)、及び青色(B)の光が射出される構成である。
【0066】
受光デバイスを有する層203に含まれる受光デバイスは、表示装置200Aの外部から入射した光を検出することができる。
【0067】
図1Bに示す表示装置200Bは、基板201と基板209との間に、受発光デバイスを有する層204、機能層205、及び、発光デバイスを有する層207を有する。
【0068】
表示装置200Bは、発光デバイスを有する層207から、緑色(G)の光及び青色(B)の光が射出され、受発光デバイスを有する層204から赤色(R)の光が射出される構成である。なお、本発明の一態様の表示装置において、受発光デバイスを有する層204が発する光の色は、赤色に限定されない。また、発光デバイスを有する層207が発する光の色も、緑色と青色の組み合わせに限定されない。
【0069】
受発光デバイスを有する層204に含まれる受発光デバイスは、表示装置200Bの外部から入射した光を検出することができる。当該受発光デバイスは、例えば、緑色の光及び青色の光のうち一方または双方を検出することができる。
【0070】
機能層205は、受光デバイスまたは受発光デバイスを駆動する回路、及び、発光デバイスを駆動する回路を有する。機能層205には、スイッチ、トランジスタ、容量、抵抗、配線、端子などを設けることができる。なお、発光デバイス及び受光デバイスをパッシブマトリクス方式で駆動させる場合には、スイッチやトランジスタを設けない構成としてもよい。
【0071】
本発明の一態様の表示装置は、表示装置に接触している指などの対象物を検出する機能(タッチパネルとしての機能)を有していてもよい。例えば、図1Cに示すように、発光デバイスを有する層207において発光デバイスが発した光を、表示装置200Aに接触した指202が反射することで、受光デバイスを有する層203における受光デバイスがその反射光を検出する。これにより、表示装置200Aに指202が接触したことを検出することができる。また、表示装置200Bでは、発光デバイスを有する層207において発光デバイスが発した光を、表示装置200Bに接触した指が反射することで、受発光デバイスを有する層204における受発光デバイスがその反射光を検出することができる。なお、以下では、発光デバイスの発光が対象物により反射される場合を例に挙げて説明するが、光は対象物により散乱される場合もある。
【0072】
本発明の一態様の表示装置は、図1Dに示すように、表示装置に近接している(接触していない)対象物を検出または撮像する機能を有していてもよい。
【0073】
本発明の一態様の表示装置は、指202の指紋を検出する機能を有していてもよい。図1Eに、本発明の一態様の表示装置で撮像した画像のイメージ図を示す。図1Eには、撮像範囲263内に、指202の輪郭を破線で、接触部261の輪郭を一点鎖線で示している。接触部261内において、受光デバイス(または受発光デバイス)に入射する光量の違いによって、コントラストの高い指紋262の画像を撮像することができる。
【0074】
本発明の一態様の表示装置は、ペンタブレットとしても機能させることができる。図1Fには、スタイラス208の先端を基板209に接触させた状態で、破線矢印の方向に滑らせている様子を示している。
【0075】
図1Fに示すように、スタイラス208の先端と、基板209の接触面で散乱される散乱光が、当該接触面と重なる部分に位置する受光デバイスを有する層203に入射することで、スタイラス208の先端の位置を高精度に検出することができる。
【0076】
図1Gに、本発明の一態様の表示装置で検出したスタイラス208の軌跡266の例を示している。本発明の一態様の表示装置は、高い位置精度でスタイラス208等の対象物の位置検出が可能であるため、描画アプリケーション等において、高精細な描画を行うことも可能である。また、静電容量式のタッチセンサや、電磁誘導型のタッチペン等を用いた場合とは異なり、絶縁性の高い対象物であっても位置検出が可能であるため、スタイラス208の先端部の材料は問われず、様々な筆記用具(例えば筆、ガラスペン、羽ペンなど)を用いることもできる。
【0077】
[画素]
本発明の一態様の表示装置は、マトリクス状に配置された複数の画素を有する。1つの画素は、複数の副画素を有する。1つの副画素は、1つの発光デバイス、1つの受発光デバイス、または1つの受光デバイスを有する。
【0078】
複数の画素は、それぞれ、発光デバイスを有する副画素、受光デバイスを有する副画素、及び、受発光デバイスを有する副画素のうち1つまたは複数を有する。
【0079】
例えば、画素は、発光デバイスを有する副画素を複数(例えば、3つまたは4つ)有し、受光デバイスを有する副画素を1つ有する。
【0080】
なお、受光デバイスは、全ての画素に設けられていてもよく、一部の画素に設けられていてもよい。また、1つの画素が複数の受光デバイスを有していてもよい。また、1つの受光デバイスが複数の画素にわたって設けられていてもよい。受光デバイスの精細度と発光デバイスの精細度は互いに異なっていてもよい。
【0081】
画素が発光デバイスを有する副画素を3つ有する場合、当該3つの副画素としては、R、G、Bの3色の副画素、黄色(Y)、シアン(C)、及びマゼンタ(M)の3色の副画素などが挙げられる。画素が発光デバイスを有する副画素を4つ有する場合、当該4つの副画素としては、R、G、B、白色(W)の4色の副画素、R、G、B、Yの4色の副画素などが挙げられる。
【0082】
図1H図1J図1K図1Lに、発光デバイスを有する副画素を複数有し、受光デバイスを有する副画素を1つ有する画素の一例を示す。なお、本実施の形態で示す副画素の配列は図示した順序に限定されない。例えば、副画素(B)と副画素(G)の位置を逆にしても構わない。
【0083】
図1H図1J図1Kに示す画素は、いずれも、受光機能を有する副画素(PD)、赤色の光を呈する副画素(R)、緑色の光を呈する副画素(G)、及び、青色の光を呈する副画素(B)を有する。
【0084】
図1Hに示す画素には、マトリクス配列が適用されており、図1Jに示す画素には、ストライプ配列が適用されている。また、図1Kは、横1列に、赤色の光を呈する副画素(R)、緑色の光を呈する副画素(G)、及び、青色の光を呈する副画素(B)が配置され、その下に受光機能を有する副画素(PD)が配置されている例である。つまり、図1Kにおいて、副画素(R)、副画素(G)、及び副画素(B)は互いに同じ行に配置され、副画素(PD)とは異なる行に配置される。
【0085】
図1Lに示す画素は、図1Kに示す画素の構成に加えて、R、G、B以外の光を呈する副画素(X)を有する。R、G、B以外の光としては、白色(W)、黄色(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、赤外光(IR)等の光が挙げられる。副画素(X)が赤外光を呈する場合、受光機能を有する副画素(PD)は、赤外光を検出する機能を有することが好ましい。受光機能を有する副画素(PD)は、可視光及び赤外光の双方を検出する機能を有していてもよい。また、可視光を検出する副画素と、赤外光を検出する副画素と、を有していてもよい。センサの用途に応じて、受光デバイスが検出する光の波長を決定することができる。
【0086】
または、例えば、画素は、発光デバイスを有する副画素を複数有し、受発光デバイスを有する副画素を1つ有する。
【0087】
受発光デバイスを有する表示装置は、画素に受光機能を組み込むために画素配列を変更する必要がないため、開口率及び精細度を低減させずに、表示部に撮像機能及びセンシング機能の一方または双方を付加することができる。
【0088】
なお、受発光デバイスは、全ての画素に設けられていてもよく、一部の画素に設けられていてもよい。また、1つの画素が複数の受発光デバイスを有していてもよい。
【0089】
図2A図2Dに、発光デバイスを有する副画素を複数有し、受発光デバイスを有する副画素を1つ有する画素の一例を示す。
【0090】
図2Aに示す画素は、ストライプ配列が適用され、赤色の光を呈し、かつ、受光機能を有する副画素(R・PD)、緑色の光を呈する副画素(G)、及び、青色の光を呈する副画素(B)を有する。画素が、R、G、Bの3つの副画素からなる表示装置において、Rの副画素に用いる発光デバイスを、受発光デバイスに置き換えることで、画素に受光機能を有する表示装置を作製することができる。
【0091】
図2Bに示す画素は、赤色の光を呈し、かつ、受光機能を有する副画素(R・PD)、緑色の光を呈する副画素(G)、及び、青色の光を呈する副画素(B)を有する。副画素(R・PD)は、副画素(G)と副画素(B)とは異なる列に配置される。副画素(G)と副画素(B)とは、同じ列に交互に配置され、一方が奇数行に設けられ、他方が偶数行に設けられる。なお、他の色の副画素と異なる列に配置される副画素は、赤色に限られず、緑色または青色であってもよい。
【0092】
図2Cに示す画素は、マトリクス配列が適用され、赤色の光を呈し、かつ、受光機能を有する副画素(R・PD)、緑色の光を呈する副画素(G)、青色の光を呈する副画素(B)、及び、R、G、B以外の光を呈する副画素(X)を有する。画素が、R、G、B、Xの4つの副画素からなる表示装置においても、Rの副画素に用いる発光デバイスを、受発光デバイスに置き換えることで、画素に受光機能を有する表示装置を作製することができる。
【0093】
図2Dには、2つの画素を示しており、点線で囲まれた3つの副画素により1つの画素が構成されている。図2Dに示す画素は、赤色の光を呈し、かつ、受光機能を有する副画素(R・PD)、緑色の光を呈する副画素(G)、及び、青色の光を呈する副画素(B)を有する。図2Dに示す左の画素では、副画素(R・PD)と同じ行に副画素(G)が配置され、副画素(R・PD)と同じ列に副画素(B)が配置されている。図2Dに示す右の画素では、副画素(R・PD)と同じ行に副画素(G)が配置され、副画素(G)と同じ列に副画素(B)が配置されている。図2Dに示す画素レイアウトでは、奇数行と偶数行のいずれにおいても、副画素(R・PD)、副画素(G)、及び副画素(B)が繰り返し配置されており、かつ、各列において、奇数行と偶数行では互いに異なる色の副画素が配置される。
【0094】
図2Eには、ペンタイル配列が適用された4つの画素を示しており、隣接する2つの画素は組み合わせの異なる2色の光を呈する副画素を有する。なお、図2Eに示す副画素の形状は、当該副画素が有する発光デバイスまたは受発光デバイスの上面形状を示している。図2Fは、図2Eに示す画素配列の変形例である。
【0095】
図2Eに示す左上の画素と右下の画素は、赤色の光を呈し、かつ、受光機能を有する副画素(R・PD)、及び、緑色の光を呈する副画素(G)を有する。図2Eに示す左下の画素と右上の画素は、緑色の光を呈する副画素(G)、及び、青色の光を呈する副画素(B)を有する。
【0096】
図2Fに示す左上の画素と右下の画素は、赤色の光を呈し、かつ、受光機能を有する副画素(R・PD)、及び、緑色の光を呈する副画素(G)を有する。図2Fに示す左下の画素と右上の画素は、赤色の光を呈し、かつ、受光機能を有する副画素(R・PD)、及び、青色の光を呈する副画素(B)を有する。
【0097】
図2Eでは、各画素に緑色の光を呈する副画素(G)が設けられている。一方、図2Fでは、各画素に赤色の光を呈し、かつ、受光機能を有する副画素(R・PD)が設けられている。各画素に受光機能を有する副画素が設けられているため、図2Fに示す構成では、図2Eに示す構成に比べて、高い精細度で撮像を行うことができる。これにより、例えば、生体認証の精度を高めることができる。
【0098】
また、発光デバイス及び受発光デバイスの上面形状は特に限定されず、円、楕円、多角形、角の丸い多角形等とすることができる。副画素(G)が有する発光デバイスの上面形状について、図2Eでは円形である例を示し、図2Fでは正方形である例を示している。各色の発光デバイス及び受発光デバイスの上面形状は、互いに異なっていてもよく、一部または全ての色で同じであってもよい。
【0099】
また、各色の副画素の開口率は、互いに異なっていてもよく、一部または全ての色で同じであってもよい。例えば、各画素に設けられる副画素(図2Eでは副画素(G)、図2Fでは副画素(R・PD))の開口率を、他の色の副画素の開口率に比べて小さくしてもよい。
【0100】
図2Gは、図2Fに示す画素配列の変形例である。具体的には、図2Gの構成は、図2Fの構成を45°回転させることで得られる。図2Fでは、2つの副画素により1つの画素が構成されることとして説明したが、図2Gに示すように、4つの副画素により1つの画素が構成されていると捉えることもできる。
【0101】
図2Gでは、点線で囲まれた4つの副画素により1つの画素が構成されることとして説明を行う。1つの画素は、2つの副画素(R・PD)と、1つの副画素(G)と、1つの副画素(B)と、を有する。このように、1つの画素が、受光機能を有する副画素を複数有することで、高い精細度で撮像を行うことができる。したがって、生体認証の精度を高めることができる。例えば、撮像の精細度を、表示の精細度のルート2倍とすることができる。
【0102】
図2Fまたは図2Gに示す構成が適用された表示装置は、p個(pは2以上の整数)の第1の発光デバイスと、q個(qは2以上の整数)の第2の発光デバイスと、r個(rはpより大きく、qより大きい整数)の受発光デバイスと、を有する。pとrはr=2pを満たす。また、p、q、rはr=p+qを満たす。第1の発光デバイスと第2の発光デバイスのうち一方が緑色の光を発し、他方が青色の光を発する。受発光デバイスは、赤色の光を発し、かつ、受光機能を有する。
【0103】
例えば、受発光デバイスを用いて、タッチ検出を行う場合、光源からの発光が使用者に視認されにくいことが好ましい。青色の光は、緑色の光よりも視認性が低いため、青色の光を発する発光デバイスを光源とすることが好ましい。したがって、受発光デバイスは、青色の光を受光し、電気信号に変換する機能を有することが好ましい。
【0104】
以上のように、本実施の形態の表示装置には、様々な配列の画素を適用することができる。
【0105】
[タッチパネル]
次に、本実施の形態の表示装置をタッチパネルとして機能させる場合について説明する。
【0106】
本実施の形態の表示装置を用いて、指紋、掌紋などを撮像し、生体認証を行うことができる。セキュリティ機能を強化するために、指紋や掌紋の撮像には高い解像度が求められる。したがって、受光デバイスまたは受発光デバイスを用いて取得した撮像データは、全ての画素について、1つずつ(1画素ずつ)個別に読み出すことができることが好ましい。
【0107】
一方、表示装置をタッチパネルとして機能させる場合、用途が生体認証である場合に比べて高い解像度は求められないが、読み出し動作を高速で行うことが求められる。
【0108】
例えば、複数の画素でタッチ検出を一括で行うことで、駆動周波数を高めることができる。例えば、同時に読み出す画素を、4画素(2×2画素)、9画素(3×3画素)、または16画素(4×4画素)などと適宜決定することができる。
【0109】
または、例えば、一部の画素のみを用いて、タッチ検出を行うことで、駆動周波数を高めることができる。例えば、タッチ検出に用いる画素を、4画素(2×2画素)につき1画素、9画素(3×3画素)につき1画素、16画素(4×4画素)につき1画素、100画素(10×10画素)につき1画素、または900画素(30×30画素)につき1画素などと適宜決定することができる。
【0110】
本発明の一態様の表示装置では、タッチ検出の光源に用いる副画素の構成と、光源に用いない副画素の構成と、が互いに異なる。具体的には、タッチ検出の光源に用いる副画素が呈する光の波長は、光源に用いない副画素が呈する光の波長よりも短い。したがって、光源としての光が使用者に視認されにくく、自然な画像表示を行うことができる。
【0111】
図3A図3Bに、一部の画素を用いてタッチ検出を行う例を示す。
【0112】
図3Aは、画素300に、図1Hに示す構成を適用した例である。
【0113】
画素300aは、受光機能を有する副画素PD、赤色の光を呈する副画素R、緑色の光を呈する副画素G、及び、青色の光を呈する副画素B1を有する。画素300bは、受光機能を有する副画素PD、赤色の光を呈する副画素R、緑色の光を呈する副画素G、及び、青色の光を呈する副画素B2を有する。読み出し対象となる対象画素320は、一点鎖線で囲った画素300aのみである。画素300bからは、撮像データが読み出されない。図3Aでは、タッチ検出に用いる対象画素320が、9画素(3×3画素)につき1画素である例を示すが、対象画素320の数は特に限定されない。まず、対象画素320aの撮像データが読み出され、次に、対象画素320bの撮像データが読み出される。これにより、1画素ずつ全ての画素の撮像データを読み出す場合に比べて、読み出し回数を削減でき、駆動周波数を高めることができる。
【0114】
副画素B1が呈する光の波長は、副画素B2が呈する光の波長よりも短い。使用者は、副画素B1が呈する光よりも、副画素B2が呈する光を視認しやすい。したがって、副画素B1は、タッチ検出の光源に用い、副画素B2は、画像表示に用いることが好ましい。つまり、対象画素320に含まれる青色の光を呈する副画素に、副画素B1を用い、その他の画素に含まれる青色の光を呈する副画素に、副画素B2を用いることが好ましい。このような構成では、副画素B1の数が、副画素B2の数よりも十分に少ないことに加えて、副画素B1が呈する光が使用者に視認されにくいことから、自然な画像表示を行うことができる。このように、本発明の一態様の表示装置は、画像を表示しながら、対象物の接触または近接を検出することができる。
【0115】
なお、本実施の形態では、副画素B1を、青色の光を呈する副画素と呼ぶが、副画素B1が呈する光は、副画素B2が呈する光よりも短波長の光であればよく、例えば、青色よりも短波長の光(例えば、藍色、紫色、紫外光など)であってもよい。
【0116】
図3Bは、図2Eに示す構成を適用した例であり、赤色の光を呈し、かつ、受光機能を有する副画素R・PDを有する画素と、青色の光を呈する副画素Bを有する画素とが交互に配置されている。
【0117】
画素300aは、赤色の光を呈し、かつ、受光機能を有する副画素R・PD、及び、緑色の光を呈する副画素Gを有する。画素300bは、緑色の光を呈する副画素G、及び、青色の光を呈する副画素B1を有する。画素300cは、緑色の光を呈する副画素G、及び、青色の光を呈する副画素B2を有する。読み出し対象となる対象画素320は、一点鎖線で囲った画素300aのみである。図3Bでは、タッチ検出に用いる対象画素320が、16画素(4×4画素)につき1画素である例を示すが、対象画素320の数は特に限定されない。まず、対象画素320aの撮像データが読み出され、次に、対象画素320bの撮像データが読み出される。対象画素320aと対象画素320bとの間にある画素300aからは、撮像データが読み出されない。これにより、1画素ずつ全ての画素の撮像データを読み出す場合に比べて、読み出し回数を削減でき、駆動周波数を高めることができる。
【0118】
副画素B1が呈する光の波長は、副画素B2が呈する光の波長よりも短い。したがって、副画素B1は、タッチ検出の光源に用い、副画素B2は、画像表示に用いることが好ましい。図3Bでは、画素300bに副画素B1を用い、画素300cに副画素B2を用いる例を示す。図3Bでは、画素300bを、対象画素320の右隣に配置する例を示すが、画素300bの配置はこれに限定されない。平面視において、画素300bは、対象画素320の上下左右いずれに配置されていてもよく、対象画素320と隣り合うことが好ましい。このような構成では、副画素B1の数が、副画素B2の数よりも十分に少ないこと、さらには、副画素B1が呈する光は使用者に視認されにくいことから、自然な画像表示を行うことができる。このように、本発明の一態様の表示装置は、画像を表示しながら、対象物の接触または近接を検出することができる。
【0119】
本発明の一態様の表示装置は、画素の動作モードを2種類以上有し、これらの動作モードは互いに切り替え可能であることが好ましい。例えば、全ての画素について読み出すモードと、一部の画素のみについて読み出すモードとが、切り替え可能であることが好ましい。これにより、指紋撮像時には、高い解像度で撮像を行い、画像表示時には、高い駆動周波数でタッチ検出を行うことができる。用途に応じて、動作モードを変えることで、表示装置の機能性を高めることができる。
【0120】
また、タッチ検出を行う際には、ノイズとなる周囲の光の影響を除去することが好ましい。
【0121】
例えば、一部の画素で、周期的に発光デバイスの点灯と消灯を繰り返し、点灯時と消灯時(非点灯時)の受光デバイスまたは受発光デバイスの検出強度の差分を取得することで、周囲の光の影響を除去することができる。なお、点灯と消灯を繰り返す画素は、表示装置で表示している映像に影響を及ぼさない範囲で複数設けることが好ましい。また、奇数フレームと偶数フレームで点灯している画素と消灯している画素とが入れ替わるなど、1フレームごとに発光デバイスの点灯と消灯を切り替えることが好ましい。なお、点灯時の発光色は特に限定されない。
【0122】
本発明の一態様の表示装置では、周期的に点灯と消灯を繰り返す発光デバイス(例えば青色の発光デバイス)を有する副画素の構成と、青色の発光デバイスを有するその他の副画素の構成と、が互いに異なる。具体的には、周期的に点灯と消灯を繰り返す発光デバイスを有する副画素が呈する光の波長は、当該発光デバイスを有さない副画素が呈する光の波長よりも短い。したがって、発光デバイスが点灯と消灯を繰り返しても、使用者に認識されにくくすることができる。
【0123】
図4A図4Bでは、9画素(3×3画素)につき1画素、点灯と消灯を繰り返す画素が配置されている例を示す。
【0124】
図4Aでは、画素330a、画素330dが消灯し、かつ、画素330b、画素330cが点灯している例を示す。図4Bでは、画素330a、画素330dが点灯し、かつ、画素330b、画素330cが消灯している例を示す。
【0125】
画素330dは、表示装置において指340が接触している部分であり、画素330a~画素330cは、指340が接触していない部分である。
【0126】
図4C図4Dに、表示装置における画素330aの断面図を示し、図4E図4Fに、画素330dの断面図を示す。
【0127】
図4C図4Fに示す表示装置は、基板251と基板259との間に、機能層255、発光デバイス290B、及び受光デバイス295を有する。ここでは、発光デバイス290Bが青色の光を発し、受光デバイス295が青色の光を受光し、電気信号に変換する場合を例にして説明する。また、表示装置は、受光デバイスの代わりに受発光デバイスを有していてもよい。
【0128】
このような構成では、周期的に点灯と消灯を繰り返す発光デバイス290Bの数が、青色の光を呈する副画素の総数よりも十分に少ないこと、さらには、周期的に点灯と消灯を繰り返す発光デバイス290Bを有する副画素330が呈する光は使用者に視認されにくいことから、自然な画像表示を行うことができる。このように、本発明の一態様の表示装置は、画像を表示しながら、対象物の接触または近接を精度よく検出することができる。
【0129】
図4C図4Eは、光源が点灯している(発光デバイス290Bが発光している)際の表示装置を示し、図4D図4Fは、光源が消灯している(発光デバイス290Bが発光していない)際の表示装置を示す。
【0130】
図4Cでは、画素330aには指が接触しておらず、発光デバイス290Bが発した光が、受光デバイス295に入射されない様子を示す。図4Dでは、発光デバイス290Bが発光していないため、受光デバイス295に発光デバイス290Bからの光は入射されない。また、図4C図4Dに示すように、光源の点灯時と消灯時のいずれにおいても、周囲の光305は受光デバイス295に入射する。したがって、周囲の光305が一定の光量であれば、画素330aが有する受光デバイス295の検出強度は、光源の点灯時と消灯時で変化しないといえる。
【0131】
図4E図4Fでは、光源の点灯時と消灯時のいずれにおいても、周囲の光305が指340によって遮られ、受光デバイス295に到達しない様子を示す。図4Eに示すように、光源の点灯時には、発光デバイス290Bの発光が、指340によって反射し、受光デバイス295に入射される。図4Fでは、発光デバイス290Bが発光していないため、受光デバイス295に発光デバイス290Bからの光は入射されない。したがって、画素330dが有する受光デバイス295の検出強度は、光源の点灯時と消灯時で変化する。
【0132】
受光デバイス295について、周囲の光305に由来する検出強度は、光源の点灯時と消灯時で変化が小さく、指340などの対象物に由来する検出強度は、光源の点灯時と消灯時で変化が大きいといえる。このことから、点灯時と消灯時の検出強度の差分を利用して、周囲の光の影響を除去し、対象物を高い精度で検知することができる。
【0133】
なお、上記では、光源の点灯時と消灯時の検出強度の差分を利用する例を示したが、必ずしも光源を消灯しなくてもよい。例えば、光源が強く発光するときと、弱く発光するときとの検出強度の差分を利用することもできる。
【0134】
[副画素]
次に、本発明の一態様の表示装置の副画素の詳細な構成について説明する。さらに、本発明の一態様の表示装置に用いることができる、発光デバイス、受光デバイス、及び受発光デバイスの詳細な構成について説明する。
【0135】
副画素が呈する光の波長は、発光デバイスが発する光の波長と同一または概略同一とすることができる。または、副画素が呈する光の波長は、発光デバイスが発した光が、着色層または色変換層などを介して取り出された光の波長とすることができる。
【0136】
本発明の一態様の表示装置は、発光デバイスが形成されている基板とは反対方向に光を射出するトップエミッション型、発光デバイスが形成されている基板側に光を射出するボトムエミッション型、両面に光を射出するデュアルエミッション型のいずれであってもよい。
【0137】
本実施の形態では、トップエミッション型の表示装置を例に挙げて説明する。
【0138】
図5A図5B、及び図6に示す表示装置280A、表示装置280B、及び表示装置280Cは、それぞれ、画素300aと画素300bとを有する。
【0139】
画素300aは、受光デバイス270PDを有する副画素、赤色の光(R)を発する発光デバイス270Rを有する副画素、緑色の光(G)を発する発光デバイス270Gを有する副画素、及び、青色の光(Ba)を発する発光デバイス270B1を有する副画素を有する。
【0140】
画素300bは、受光デバイス270PDを有する副画素、赤色の光(R)を発する発光デバイス270Rを有する副画素、緑色の光(G)を発する発光デバイス270Gを有する副画素、及び、青色の光(Bb)を発する発光デバイス270B2を有する副画素を有する。
【0141】
赤色の光(R)としては、例えば、発光スペクトルの最大ピーク波長が580nm以上750nm未満の光が挙げられる。青色の光(Bb)としては、例えば、発光スペクトルの最大ピーク波長が400nm以上480nm以下の光が挙げられる。緑色の光(G)としては、例えば、赤色の光(R)の最大ピーク波長と青色の光(Bb)の最大ピーク波長の間の波長とすることができる。例えば、緑色の光(G)としては、発光スペクトルの最大ピーク波長が480nm以上580nm未満の光が挙げられる。
【0142】
ここで、画素300bから取り出される青色の光Bbの波長に比べて、画素300aから取り出される青色の光Baの波長は、短い。したがって、青色の光Baをタッチ検出の光源に用い、青色の光Bbを画像表示に用いることが好ましい。これにより、使用者に光源の光を視認されにくくでき、自然な画像表示を行うことができる。青色の光(Ba)としては、例えば、発光スペクトルの最大ピーク波長が400nm以上、かつ、青色の光(Bb)の最大ピーク波長未満とすることができる。または、青色の光(Ba)は、発光スペクトルの最大ピーク波長が400nm未満であってもよい。
【0143】
図5Aに示す各発光デバイスは、画素電極271、正孔注入層281、正孔輸送層282、発光層、電子輸送層284、電子注入層285、及び共通電極275をこの順で積層して有する。発光デバイス270Rは、発光層283Rを有し、発光デバイス270Gは、発光層283Gを有し、発光デバイス270B1は、発光層283B1を有し、発光デバイス270B2は、発光層283B2を有する。発光層283Rは、赤色の光を発する発光物質を有し、発光層283Gは、緑色の光を発する発光物質を有し、発光層283B1及び発光層283B2は、青色の光を発する発光物質を有する。各発光デバイスが有する画素電極271は、互いに電気的に絶縁されている(電気的に分離されている、ともいう)。共通電極275は、各発光デバイスに共通で用いられる。
【0144】
発光層283B1が有する発光物質は、発光層283B2が有する発光物質よりも短波長の光を発することが好ましい。このように、青色の発光デバイスが有する発光層を作り分けることで、視認性が互いに異なる2種類の青色の副画素を、表示装置に設けることができる。
【0145】
発光デバイスは、画素電極271と共通電極275との間に電圧を印加することで、共通電極275側に光を射出する電界発光デバイスである。
【0146】
受光デバイス270PDは、画素電極271、正孔注入層281、正孔輸送層282、活性層273、電子輸送層284、電子注入層285、及び共通電極275をこの順で積層して有する。
【0147】
受光デバイス270PDは、表示装置280Aの外部から入射される光を受光し、電気信号に変換する、光電変換デバイスである。
【0148】
本実施の形態では、発光デバイス及び受光デバイスのいずれにおいても、画素電極271が陽極として機能し、共通電極275が陰極として機能するものとして説明する。つまり、受光デバイスは、画素電極271と共通電極275との間に逆バイアスをかけて駆動することで、受光デバイスに入射する光を検出し、電荷を発生させ、電流として取り出すことができる。
【0149】
本実施の形態の表示装置では、受光デバイス270PDの活性層273に有機化合物を用いる。受光デバイス270PDは、活性層273以外の層を、発光デバイスと共通の構成にすることができる。そのため、発光デバイスの作製工程に、活性層273を成膜する工程を追加するのみで、発光デバイスの形成と並行して受光デバイス270PDを形成することができる。また、発光デバイスと受光デバイス270PDとを同一基板上に形成することができる。したがって、作製工程を大幅に増やすことなく、表示装置に受光デバイス270PDを内蔵することができる。
【0150】
表示装置280Aでは、受光デバイス270PDの活性層273と、発光デバイスの発光層283と、を作り分ける以外は、受光デバイス270PDと発光デバイスが共通の構成である例を示す。ただし、受光デバイス270PDと発光デバイスの構成はこれに限定されない。受光デバイス270PDと発光デバイスは、活性層273と発光層283のほかにも、互いに作り分ける層を有していてもよい。受光デバイス270PDと発光デバイスは、共通で用いられる層(共通層)を1層以上有することが好ましい。これにより、作製工程を大幅に増やすことなく、表示装置に受光デバイス270PDを内蔵することができる。
【0151】
画素電極271と共通電極275のうち、光を取り出す側の電極には、可視光を透過する導電膜を用いる。また、光を取り出さない側の電極には、可視光を反射する導電膜を用いることが好ましい。
【0152】
本実施の形態の表示装置が有する発光デバイスには、微小光共振器(マイクロキャビティ)構造が適用されていることが好ましい。したがって、発光デバイスが有する一対の電極の一方は、可視光に対する透過性及び反射性を有する電極(半透過・半反射電極)を有することが好ましく、他方は、可視光に対する反射性を有する電極(反射電極)を有することが好ましい。発光デバイスがマイクロキャビティ構造を有することで、発光層から得られる発光を両電極間で共振させ、発光デバイスから射出される光を強めることができる。
【0153】
なお、半透過・半反射電極は、反射電極と可視光に対する透過性を有する電極(透明電極ともいう)との積層構造とすることができる。
【0154】
透明電極の光の透過率は、40%以上とする。例えば、発光デバイスには、可視光(波長400nm以上750nm未満の光)の透過率が40%以上である電極を用いることが好ましい。半透過・半反射電極の可視光の反射率は、10%以上95%以下、好ましくは30%以上80%以下とする。反射電極の可視光の反射率は、40%以上100%以下、好ましくは70%以上100%以下とする。また、これらの電極の抵抗率は、1×10-2Ωcm以下が好ましい。なお、発光デバイスが近赤外光(波長750nm以上1300nm以下の光)を発する場合、これらの電極の近赤外光の透過率または反射率は、可視光の透過率または反射率と同様に、上記の数値範囲を満たすことが好ましい。
【0155】
発光デバイスは少なくとも発光層283を有する。発光デバイスは、発光層283以外の層として、正孔注入性の高い物質、正孔輸送性の高い物質、正孔ブロック材料、電子輸送性の高い物質、電子注入性の高い物質、またはバイポーラ性の物質(電子輸送性及び正孔輸送性が高い物質)等を含む層をさらに有していてもよい。
【0156】
例えば、発光デバイス及び受光デバイスは、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、及び電子注入層のうち1層以上を共通の構成とすることができる。また、発光デバイス及び受光デバイスは、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、及び電子注入層のうち1層以上を互いに作り分けることができる。
【0157】
正孔注入層は、陽極から正孔輸送層に正孔を注入する層であり、正孔注入性の高い材料を含む層である。正孔注入性の高い材料としては、芳香族アミン化合物や、正孔輸送性材料とアクセプター性材料(電子受容性材料)とを含む複合材料を用いることができる。
【0158】
発光デバイスにおいて、正孔輸送層は、正孔注入層によって、陽極から注入された正孔を発光層に輸送する層である。受光デバイスにおいて、正孔輸送層は、活性層において入射した光に基づき発生した正孔を陽極に輸送する層である。正孔輸送層は、正孔輸送性材料を含む層である。正孔輸送性材料としては、10-6cm/Vs以上の正孔移動度を有する物質が好ましい。なお、電子よりも正孔の輸送性の高い物質であれば、これら以外のものも用いることができる。正孔輸送性材料としては、π電子過剰型複素芳香族化合物(例えばカルバゾール誘導体、チオフェン誘導体、フラン誘導体など)や芳香族アミン(芳香族アミン骨格を有する化合物)等の正孔輸送性の高い材料が好ましい。
【0159】
発光デバイスにおいて、電子輸送層は、電子注入層によって、陰極から注入された電子を発光層に輸送する層である。受光デバイスにおいて、電子輸送層は、活性層において入射した光に基づき発生した電子を陰極に輸送する層である。電子輸送層は、電子輸送性材料を含む層である。電子輸送性材料としては、1×10-6cm/Vs以上の電子移動度を有する物質が好ましい。なお、正孔よりも電子の輸送性の高い物質であれば、これら以外のものも用いることができる。電子輸送性材料としては、キノリン骨格を有する金属錯体、ベンゾキノリン骨格を有する金属錯体、オキサゾール骨格を有する金属錯体、チアゾール骨格を有する金属錯体等の他、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、オキサゾール誘導体、チアゾール誘導体、フェナントロリン誘導体、キノリン配位子を有するキノリン誘導体、ベンゾキノリン誘導体、キノキサリン誘導体、ジベンゾキノキサリン誘導体、ピリジン誘導体、ビピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、その他含窒素複素芳香族化合物を含むπ電子不足型複素芳香族化合物等の電子輸送性の高い材料を用いることができる。
【0160】
電子注入層は、陰極から電子輸送層に電子を注入する層であり、電子注入性の高い材料を含む層である。電子注入性の高い材料としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、またはそれらの化合物を用いることができる。電子注入性の高い材料としては、電子輸送性材料とドナー性材料(電子供与性材料)とを含む複合材料を用いることもできる。
【0161】
発光層283は、発光物質を含む層である。発光層283は、1種または複数種の発光物質を有することができる。発光物質としては、青色、紫色、青紫色、緑色、黄緑色、黄色、橙色、赤色などの発光色を呈する物質を適宜用いる。また、発光物質として、近赤外光を発する物質を用いることもできる。
【0162】
発光物質としては、蛍光材料、燐光材料、TADF材料、量子ドット材料などが挙げられる。
【0163】
蛍光材料としては、例えば、ピレン誘導体、アントラセン誘導体、トリフェニレン誘導体、フルオレン誘導体、カルバゾール誘導体、ジベンゾチオフェン誘導体、ジベンゾフラン誘導体、ジベンゾキノキサリン誘導体、キノキサリン誘導体、ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、フェナントレン誘導体、ナフタレン誘導体などが挙げられる。
【0164】
燐光材料としては、例えば、4H-トリアゾール骨格、1H-トリアゾール骨格、イミダゾール骨格、ピリミジン骨格、ピラジン骨格、またはピリジン骨格を有する有機金属錯体(特にイリジウム錯体)、電子吸引基を有するフェニルピリジン誘導体を配位子とする有機金属錯体(特にイリジウム錯体)、白金錯体、希土類金属錯体等が挙げられる。
【0165】
発光層283は、発光物質(ゲスト材料)に加えて、1種または複数種の有機化合物(ホスト材料、アシスト材料等)を有していてもよい。1種または複数種の有機化合物としては、正孔輸送性材料及び電子輸送性材料の一方または双方を用いることができる。また、1種または複数種の有機化合物として、バイポーラ性材料、またはTADF材料を用いてもよい。
【0166】
発光層283は、例えば、燐光材料と、励起錯体を形成しやすい組み合わせである正孔輸送性材料及び電子輸送性材料と、を有することが好ましい。このような構成とすることにより、励起錯体から発光物質(燐光材料)へのエネルギー移動であるExTET(Exciplex-Triplet Energy Transfer)を用いた発光を効率よく得ることができる。発光物質の最も低エネルギー側の吸収帯の波長と重なるような発光を呈する励起錯体を形成するような組み合わせを選択することで、エネルギー移動がスムーズとなり、効率よく発光を得ることができる。この構成により、発光デバイスの高効率、低電圧駆動、長寿命を同時に実現できる。
【0167】
励起錯体を形成する材料の組み合わせとしては、正孔輸送性材料のHOMO準位(最高被占有軌道準位)が電子輸送性材料のHOMO準位以上の値であると好ましい。正孔輸送性材料のLUMO準位(最低空軌道準位)が電子輸送性材料のLUMO準位以上の値であると好ましい。材料のLUMO準位及びHOMO準位は、サイクリックボルタンメトリ(CV)測定によって測定される材料の電気化学特性(還元電位及び酸化電位)から導出することができる。
【0168】
励起錯体の形成は、例えば正孔輸送性材料の発光スペクトル、電子輸送性材料の発光スペクトル、及びこれら材料を混合した混合膜の発光スペクトルを比較し、混合膜の発光スペクトルが、各材料の発光スペクトルよりも長波長シフトする(または長波長側に新たなピークを持つ)現象を観測することにより確認することができる。または、正孔輸送性材料の過渡フォトルミネッセンス(PL)、電子輸送性材料の過渡PL、及びこれら材料を混合した混合膜の過渡PLを比較し、混合膜の過渡PL寿命が、各材料の過渡PL寿命よりも長寿命成分を有する、または遅延成分の割合が大きくなるなどの過渡応答の違いを観測することにより、確認することができる。また、上述の過渡PLは過渡エレクトロルミネッセンス(EL)と読み替えても構わない。すなわち、正孔輸送性材料の過渡EL、電子輸送性を有する材料の過渡EL、及びこれらの混合膜の過渡ELを比較し、過渡応答の違いを観測することによっても、励起錯体の形成を確認することができる。
【0169】
活性層273は、半導体を含む。当該半導体としては、シリコンなどの無機半導体、及び、有機化合物を含む有機半導体が挙げられる。本実施の形態では、活性層273が有する半導体として、有機半導体を用いる例を示す。有機半導体を用いることで、発光層283と、活性層273と、を同じ方法(例えば、真空蒸着法)で形成することができ、製造装置を共通化できるため好ましい。
【0170】
活性層273が有するn型半導体の材料としては、フラーレン(例えばC60、C70等)、フラーレン誘導体等の電子受容性の有機半導体材料が挙げられる。フラーレンは、サッカーボールのような形状を有し、当該形状はエネルギー的に安定である。フラーレンは、HOMO準位及びLUMO準位の双方が深い(低い)。フラーレンは、LUMO準位が深いため、電子受容性(アクセプター性)が極めて高い。通常、ベンゼンのように、平面にπ電子共役(共鳴)が広がると、電子供与性(ドナー性)が高くなるが、フラーレンは球体形状であるため、π電子が大きく広がっているにも関わらず、電子受容性が高くなる。電子受容性が高いと、電荷分離を高速に効率よく起こすため、受光デバイスとして有益である。C60、C70ともに可視光領域に広い吸収帯を有しており、特にC70はC60に比べてπ電子共役系が大きく、長波長領域にも広い吸収帯を有するため好ましい。
【0171】
また、n型半導体の材料としては、キノリン骨格を有する金属錯体、ベンゾキノリン骨格を有する金属錯体、オキサゾール骨格を有する金属錯体、チアゾール骨格を有する金属錯体、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、オキサゾール誘導体、チアゾール誘導体、フェナントロリン誘導体、キノリン誘導体、ベンゾキノリン誘導体、キノキサリン誘導体、ジベンゾキノキサリン誘導体、ピリジン誘導体、ビピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体、クマリン誘導体、ローダミン誘導体、トリアジン誘導体、キノン誘導体等が挙げられる。
【0172】
活性層273が有するp型半導体の材料としては、銅(II)フタロシアニン(Copper(II) phthalocyanine;CuPc)、テトラフェニルジベンゾペリフランテン(Tetraphenyldibenzoperiflanthene;DBP)、亜鉛フタロシアニン(Zinc Phthalocyanine;ZnPc)、スズフタロシアニン(SnPc)、キナクリドン等の電子供与性の有機半導体材料が挙げられる。
【0173】
また、p型半導体の材料としては、カルバゾール誘導体、チオフェン誘導体、フラン誘導体、芳香族アミン骨格を有する化合物等が挙げられる。さらに、p型半導体の材料としては、ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体、ピレン誘導体、トリフェニレン誘導体、フルオレン誘導体、ピロール誘導体、ベンゾフラン誘導体、ベンゾチオフェン誘導体、インドール誘導体、ジベンゾフラン誘導体、ジベンゾチオフェン誘導体、インドロカルバゾール誘導体、ポルフィリン誘導体、フタロシアニン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、キナクリドン誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体、ポリビニルカルバゾール誘導体、ポリチオフェン誘導体等が挙げられる。
【0174】
電子供与性の有機半導体材料のHOMO準位は、電子受容性の有機半導体材料のHOMO準位よりも浅い(高い)ことが好ましい。電子供与性の有機半導体材料のLUMO準位は、電子受容性の有機半導体材料のLUMO準位よりも浅い(高い)ことが好ましい。
【0175】
電子受容性の有機半導体材料として、球状のフラーレンを用い、電子供与性の有機半導体材料として、平面に近い形状の有機半導体材料を用いることが好ましい。似た形状の分子同士は集まりやすい傾向にあり、同種の分子が凝集すると、分子軌道のエネルギー準位が近いため、キャリア輸送性を高めることができる。
【0176】
例えば、活性層273は、n型半導体とp型半導体と共蒸着して形成することが好ましい。
【0177】
発光デバイス及び受光デバイスには低分子系化合物及び高分子系化合物のいずれを用いることもでき、無機化合物を含んでいてもよい。また、発光デバイス及び受光デバイスは、それぞれ、プレミックス材料を用いて作製されてもよい。発光デバイス及び受光デバイスを構成する層は、それぞれ、蒸着法(真空蒸着法を含む)、転写法、印刷法、インクジェット法、塗布法等の方法で形成することができる。
【0178】
図5Bに示す表示装置280Bは、正孔輸送層がデバイスごとに作り分けられている点と、発光デバイス270B1と発光デバイス270B2が同一の発光層283Bを有する点で、表示装置280Aと異なる。なお、以降の表示装置の説明において、先に説明した表示装置と同様の構成については、説明を省略することがある。
【0179】
受光デバイス270PDは、正孔輸送層282PDを有し、発光デバイス270Rは、正孔輸送層282Rを有し、発光デバイス270Gは、正孔輸送層282Gを有し、発光デバイス270B1は、正孔輸送層282B1を有し、発光デバイス270B2は、正孔輸送層282B2を有する。
【0180】
正孔輸送層282PD、282R、282G、282B1、282B2は、それぞれ、光学調整層としての機能を有する。具体的には、発光デバイス270B1の一対の電極間の光学距離が青色の光を強める光学距離となるように、正孔輸送層282B1の膜厚を調整することが好ましい。同様に、発光デバイス270B2の一対の電極間の光学距離が青色の光を強める光学距離となるように、正孔輸送層282B2の膜厚を調整することが好ましい。
【0181】
発光デバイス270B1は、発光デバイス270B2よりも短波長の光を強める構成であることが好ましい。これにより、発光デバイス270B1と発光デバイス270B2で同じ発光層283Bを有していても、視認性が互いに異なる2種類の青色の副画素を、表示装置に設けることができる。
【0182】
なお、表示装置280Aのように、青色の発光デバイスが有する発光層を作り分けた表示装置において、2種類の青色の副画素で、強める光の波長を互いに異ならせることで、2種類の青色の副画素の視認性の差をさらに大きくしてもよい。
【0183】
発光デバイス270B1が、発光デバイス270B2よりも短波長の光を強める構成とするためには、例えば、正孔輸送層282B1の膜厚を、正孔輸送層282B2の膜厚よりも薄くすることが好ましい。または、正孔輸送層282B2のみを設け、正孔輸送層282B1は設けなくてもよい。
【0184】
また、発光デバイス270Gの一対の電極間の光学距離が緑色の光を強める光学距離となるように、正孔輸送層282Gの膜厚を調整することが好ましい。また、発光デバイス270Rの一対の電極間の光学距離が赤色の光を強める光学距離となるように、正孔輸送層282Rの膜厚を調整することが好ましい。また、受光デバイス270PDの一対の電極間の光学距離が主に受光したい波長の光を強める光学距離となるように、正孔輸送層282PDの膜厚を調整することが好ましい。なお、光学調整層として用いる層は、正孔輸送層に限定されない。
【0185】
図6に示す表示装置280Cは、画素300aと画素300bが同一の発光デバイス270Bを有する点と、画素300aでは、発光デバイス270Bの発光が、着色層CFを介して取り出される点とで、表示装置280Aと異なる。
【0186】
発光デバイス270Bは、発光層283Bを有する。画素300aでは、発光デバイス270Bの発光が、着色層CFを介して取り出される。画素300bでは、発光デバイス270Bの発光が、着色層CFを介さずに取り出される。
【0187】
着色層CFは、発光デバイス270Bが発する青色の光のうち、長波長側の光をカットし、短波長側の光を取り出すことができると好ましい。これにより、画素300aが有する青色の副画素は、画素300bが有する青色の副画素よりも短波長の光を呈することができる。つまり、画素300aと画素300bで青色の光を発する発光デバイスの構成が同じであっても、視認性が互いに異なる2種類の青色の副画素を、表示装置に設けることができる。さらに、画素300bの発光デバイス270Bが発する光は、着色層CFよりも長波長の光を取り出すことができる着色層を介して、取り出されてもよい。
【0188】
なお、表示装置280A、280Bのように、画素300aと画素300bとで、青色の発光デバイスの構成が互いに異なる場合であっても、着色層を介して光を取り出す構造とすることができる。着色層を用いて、取り出す光の波長を異ならせることで、2種類の青色の副画素の視認性の差をさらに大きくしてもよい。
【0189】
以降で説明する、表示装置280D~表示装置280Gは、1つの画素についてのみ図示するが、各表示装置は、少なくとも2種類の画素を有し、一方の画素が有する青色の副画素は、他方の画素が有する青色の副画素よりも短波長の光を発する。上記の通り、2つの青色の副画素について、発光物質が互いに異なる、光学調整層の厚さが互いに異なる、着色層を介して光を取り出す、などの一つまたは複数の構成を適用することにより、視認性が互いに異なる2種類の青色の副画素を、表示装置に設けることができる。
【0190】
図7Aに示す表示装置280Dは、受光デバイス270PDと発光デバイス270Rが同一の構成である点で、表示装置280Aと異なる。
【0191】
受光デバイス270PDと発光デバイス270Rは、活性層273と発光層283Rを共通して有する。
【0192】
ここで、受光デバイス270PDは、検出したい光よりも長波長の光を発する発光デバイスと共通の構成にすることが好ましい。例えば、青色の光を検出する構成の受光デバイス270PDは、発光デバイス270R及び発光デバイス270Gの一方または双方と同様の構成にすることができる。例えば、緑色の光を検出する構成の受光デバイス270PDは、発光デバイス270Rと同様の構成にすることができる。
【0193】
受光デバイス270PDと、発光デバイス270Rと、を共通の構成にすることで、受光デバイス270PDと、発光デバイス270Rと、が互いに作り分ける層を有する構成に比べて、成膜工程の数及びマスクの数を削減することができる。したがって、表示装置の作製工程及び作製コストを削減することができる。
【0194】
また、受光デバイス270PDと、発光デバイス270Rと、を共通の構成にすることで、受光デバイス270PDと、発光デバイス270Rと、が互いに作り分ける層を有する構成に比べて、位置ずれに対するマージンを狭くできる。これにより、画素の開口率を高めることができ、表示装置の光取り出し効率を高めることができる。これにより、発光デバイスの寿命を延ばすことができる。また、表示装置は、高い輝度を表現することができる。また、表示装置の高精細度化も可能である。
【0195】
発光層283Rは、赤色の光を発する発光物質を有する。活性層273は、赤色よりも短波長の光(例えば、緑色の光及び青色の光の一方または双方)を吸収する有機化合物を有する。活性層273は、赤色の光を吸収しにくく、かつ、赤色よりも短波長の光を吸収する有機化合物を有することが好ましい。これにより、発光デバイス270Rからは赤色の光が効率よく取り出され、受光デバイス270PDは、高い精度で赤色よりも短波長の光を検出することができる。
【0196】
また、表示装置280Dでは、発光デバイス270R及び受光デバイス270PDが同一の構成である例を示すが、発光デバイス270R及び受光デバイス270PDは、それぞれ異なる厚さの光学調整層を有していてもよい。
【0197】
例えば、図7Bに示す表示装置280Eのように、画素電極271上に光学調整層を設け、光学調整層の厚さを発光デバイス270Rと受光デバイス270PDとで互いに異ならせることで、光学調整をすることが好ましい。
【0198】
具体的には、発光デバイス270Rの一対の電極間の光学距離が赤色の光を強める光学距離となるように、光学調整層272Rが設けられることが好ましく、受光デバイス270PDの一対の電極間の光学距離が検出したい波長の光を強める光学距離となるように、光学調整層272PDが設けられることが好ましい。これにより、発光デバイス270Rは、赤色の光を効率よく取り出すことができ、受光デバイス270PDは、高い精度で光を検出することができる。
【0199】
例えば、画素電極271に反射電極を用い、光学調整層272に透明電極を用いることができる。このとき、光学調整層272を画素電極271の一部とみなすこともできる。
【0200】
また、発光デバイス270Gは、光学調整層272Gを用いて、一対の電極間の光学距離が緑色の光を強める光学距離となるように光学調整されていることが好ましい。同様に、発光デバイス270Bは、光学調整層272Bを用いて、一対の電極間の光学距離が青色の光を強める光学距離となるように光学調整されていることが好ましい。
【0201】
表示装置280Eにおいても、受光デバイス270PDと発光デバイス270Rは、活性層273と発光層283Rを共通して有する。したがって、表示装置の作製工程及び作製コストを削減することができる。
【0202】
図7Cに示す表示装置280Fは、複数のEL層を有するタンデム構造の発光デバイスを有する点で、表示装置280Aと異なる。
【0203】
表示装置280Fが有する受光デバイス270PDは、表示装置280Aが有する受光デバイス270PDと同様の構成である。
【0204】
表示装置280Fが有する発光デバイス270R、270G、270Bは、共通の構成である。発光デバイス270Rが発する光は、着色層CFRを介して、赤色の光として、表示装置280Fから取り出される。また、発光デバイス270Gが発する光は、着色層CFGを介して、緑色の光として、表示装置280Fから取り出される。そして、発光デバイス270Bが発する光は、着色層CFBを介して、青色の光として、表示装置280Fから取り出される。
【0205】
表示装置280Fが有する発光デバイス270R、270G、270Bは、正孔輸送層282上に、ユニット286a、中間層287、及びユニット286bをこの順で積層して有する。ユニット286b上には、電子輸送層284が設けられている。
【0206】
ユニット286a及びユニット286bは、それぞれ、単層構造または積層構造であり、少なくとも1層の発光層を有する。ユニット286aとユニット286bが有する合計2層以上の発光層の発光が合わさることで白色発光を得ることが好ましい。例えば、ユニット286aに、青色の光を発する発光物質を有する発光層を設け、ユニット286bに、緑色の光を発する発光物質を有する発光層と、赤色の光を発する発光物質を有する発光層と、を設けることで、発光デバイス全体としては白色の光を発することができる。
【0207】
中間層287は、電荷発生領域を少なくとも有する。一対の電極間に、発光デバイスの閾値電圧より高い電圧を印加すると、中間層287において正孔と電子が発生し、正孔はユニット286bへ移動し、電子はユニット286aへ移動する。ユニット286bに注入された正孔は、共通電極275側から注入された電子と再結合し、ユニット286bに含まれる発光物質が発光する。また、ユニット286aに注入された電子は、画素電極271側から注入された正孔と再結合し、ユニット286aに含まれる発光物質が発光する。よって、中間層287において発生した正孔と電子は、それぞれ異なるユニットにおいて発光に至る。中間層287は、電荷発生領域のほかに、正孔輸送層や電子輸送層を有していてもよい。
【0208】
発光デバイス270R、270G、270Bを共通の構成にすることで、発光デバイス270R、270G、270Bが互いに作り分ける層を有する構成に比べて、成膜工程の数及びマスクの数を削減することができる。したがって、表示装置の作製工程及び作製コストを削減することができる。
【0209】
また、発光デバイス270R、270G、270Bを共通の構成にすることで、発光デバイス270R、270G、270Bが互いに作り分ける層を有する構成に比べて、位置ずれに対するマージンを狭くできる。これにより、画素の開口率を高めることができ、表示装置の光取り出し効率を高めることができる。画素の開口率が高いほど、表示装置においてある輝度を得るために必要な副画素の輝度を低くすることができる。これにより、発光デバイスの寿命を延ばすことができる。また、表示装置は、高い輝度を表現することができる。また、表示装置の高精細化も可能である。
【0210】
なお、発光デバイス270R、270G、270Bは、それぞれ異なる厚さの光学調整層を有していてもよい。
【0211】
図8A図8Bに示す表示装置280Gは、赤色の光(R)を発し、かつ、受光機能を有する受発光デバイス270R-PD、緑色の光(G)を発する発光デバイス270G、及び、青色の光(B)を発する発光デバイス270Bを有する。
【0212】
各発光デバイスは、画素電極271、正孔注入層281、正孔輸送層282、発光層、電子輸送層284、電子注入層285、及び共通電極275をこの順で積層して有する。発光デバイス270Gは、発光層283Gを有し、発光デバイス270Bは、発光層283Bを有する。発光層283Gは、緑色の光を発する発光物質を有し、発光層283Bは、青色の光を発する発光物質を有する。
【0213】
受発光デバイス270R-PDは、画素電極271、正孔注入層281、正孔輸送層282、活性層273、発光層283R、電子輸送層284、電子注入層285、及び共通電極275をこの順で積層して有する。
【0214】
なお、表示装置280Gが有する受発光デバイス270R-PDは、表示装置280Dが有する発光デバイス270R及び受光デバイス270PDと同一の構成である。また、表示装置280Gが有する発光デバイス270G、270Bについても、表示装置280Dが有する発光デバイス270G、270Bと同一の構成である。
【0215】
図8Aでは、受発光デバイス270R-PDが発光デバイスとして機能する場合を示す。図8Aでは、発光デバイス270Bが青色の光を発し、発光デバイス270Gが緑色の光を発し、受発光デバイス270R-PDが赤色の光を発している例を示す。
【0216】
図8Bでは、受発光デバイス270R-PDが受光デバイスとして機能する場合を示す。図8Bでは、発光デバイス270Bが発する青色の光と、発光デバイス270Gが発する緑色の光と、を、受発光デバイス270R-PDが検出している例を示す。
【0217】
発光デバイス270B、発光デバイス270G、及び受発光デバイス270R-PDは、それぞれ、画素電極271及び共通電極275を有する。本実施の形態では、画素電極271が陽極として機能し、共通電極275が陰極として機能する場合を例に挙げて説明する。
【0218】
本実施の形態では、発光デバイスと同様に、受発光デバイス270R-PDにおいても、画素電極271が陽極として機能し、共通電極275が陰極として機能するものとして説明する。つまり、受発光デバイス270R-PDは、画素電極271と共通電極275との間に逆バイアスをかけて駆動することで、受発光デバイス270R-PDに入射する光を検出し、電荷を発生させ、電流として取り出すことができる。
【0219】
なお、図8A図8Bに示す受発光デバイス270R-PDは、発光デバイスに、活性層273を追加した構成ということができる。つまり、発光デバイスの作製工程に、活性層273を成膜する工程を追加するのみで、発光デバイスの形成と並行して受発光デバイス270R-PDを形成することができる。また、発光デバイスと受発光デバイスとを同一基板上に形成することができる。したがって、作製工程を大幅に増やすことなく、表示部に撮像機能及びセンシング機能の一方または双方を付与することができる。
【0220】
[受発光デバイス]
図8C図8Fに、受発光デバイスの積層構造の例を示す。
【0221】
受発光デバイスは、一対の電極間に、少なくとも、活性層及び発光層を有する。
【0222】
受発光デバイスは、活性層及び発光層以外の層として、正孔注入性の高い物質、正孔輸送性の高い物質、正孔ブロック性の高い物質、電子輸送性の高い物質、電子注入性の高い物質、電子ブロック性の高い物質、またはバイポーラ性の物質(電子輸送性及び正孔輸送性が高い物質)等を含む層をさらに有していてもよい。
【0223】
図8C図8Dに示す受発光デバイスは、それぞれ、第1の電極277、正孔注入層281、正孔輸送層282、発光層283R、活性層273、電子輸送層284、電子注入層285、及び第2の電極278を有する。
【0224】
発光層283Rと活性層273との積層順は限定されない。図8A図8Bでは、正孔輸送層282上に活性層273が設けられ、活性層273上に発光層283Rが設けられている例を示す。図8Cでは、正孔輸送層282上に発光層283Rが設けられ、発光層283R上に活性層273が設けられている例を示す。図8Dでは、活性層273上に正孔輸送層282が設けられ、正孔輸送層282上に発光層263Rが設けられている例を示す。
【0225】
図8A図8Cに示すように、活性層273と発光層283Rとは、互いに接していてもよい。また、図8Dに示すように、活性層273と発光層283Rとの間にバッファ層が挟まれていることが好ましい。バッファ層としては、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層、正孔ブロック層、及び電子ブロック層等のうち少なくとも1層を用いることができる。図8Dでは、バッファ層として正孔輸送層282を用いる例を示す。
【0226】
活性層273と発光層283Rとの間にバッファ層を設けることで、発光層283Rから活性層273に励起エネルギーが移動することを抑制できる。また、バッファ層を用いて、マイクロキャビティ構造の光路長(キャビティ長)を調整することもできる。したがって、活性層273と発光層283Rとの間にバッファ層を有する受発光デバイスからは、高い発光効率を得ることができる。
【0227】
図8Eに示す受発光デバイスは、正孔輸送層282を有さない点で、図8A図8Dに示す受発光デバイスと異なる。受発光デバイスは、正孔注入層281、正孔輸送層282、電子輸送層284、及び電子注入層285のうち少なくとも1層を有していなくてもよい。また、受発光デバイスは、正孔ブロック層、電子ブロック層など、他の機能層を有していてもよい。
【0228】
図8Fに示す受発光デバイスは、活性層273及び発光層283Rを有さず、発光層と活性層を兼ねる層289を有する点で、図8A図8Eに示す受発光デバイスと異なる。
【0229】
発光層と活性層を兼ねる層289としては、例えば、活性層273に用いることができるn型半導体と、活性層273に用いることができるp型半導体と、発光層283Rに用いることができる発光物質と、の3つの材料を含む層を用いることができる。
【0230】
なお、n型半導体とp型半導体との混合材料の吸収スペクトルの最も低エネルギー側の吸収帯と、発光物質の発光スペクトル(PLスペクトル)の最大ピークと、は互いに重ならないことが好ましく、十分に離れていることがより好ましい。
【0231】
受発光デバイスにおいて、光を取り出す側の電極には、可視光を透過する導電膜を用いる。また、光を取り出さない側の電極には、可視光を反射する導電膜を用いることが好ましい。
【0232】
受発光デバイスを構成する各層の機能及び材料は、発光デバイス及び受光デバイスを構成する各層の機能及び材料と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0233】
[駆動方法]
次に、図9図11を用いて、本発明の一態様の表示装置の駆動方法の一例について説明する。以下では、画像表示を行いながら、タッチ検出(撮像)を行う方法について説明する。なお、以下では、図4を用いて説明した、ノイズとなる周囲の光の影響を除去したタッチ検出の方法を適用する場合を例に挙げて説明する。
【0234】
図9A図9Cを用いて、画素300と対象画素320のそれぞれについて、2フレーム分の駆動方法を説明する。
【0235】
画素300は、画像表示に用いられる。対象画素320は、画像表示とタッチ検出の双方に用いられる。
【0236】
各フレームは、画像を表示する期間と、画像を表示しながら撮像を行う期間と、の2つのサブフレームに分割することができる。
【0237】
画素300は、2つのサブフレームのどちらにおいても、画像の表示を行う。図9Aに示す1フレーム目の各副画素の輝度値は、副画素Rが輝度値P11、副画素Gが輝度値P12、副画素Bが輝度値P13である。図9Aに示す2フレーム目の各副画素の輝度値は、副画素Rが輝度値P21、副画素Gが輝度値P22、副画素Bが輝度値P23である。なお、画素300が有する副画素PDでは、撮像を行わない。
【0238】
各副画素は、1フレーム目と2フレーム目で、輝度値が互いに異なっていてもよい。ここでは、説明を簡略化するため、輝度値P11と輝度値P21が等しく、輝度値P12と輝度値P22が等しく、輝度値P13と輝度値P23が等しい場合を例に挙げて説明する。
【0239】
図9Bに示すように、画素300では、青色の光を呈する副画素Bの輝度は、1フレーム目と2フレーム目の双方において、一定である。
【0240】
対象画素320は、2つのサブフレームのうち一方では画像の表示を行い、他方では撮像を行う。図9Aでは、まず、1つ目のサブフレームで、画像表示を行い、2つ目のサブフレームで、撮像を行う例を示す。
【0241】
なお、各フレームにおいて、画素300と対象画素320の輝度値は互いに異なっていてもよい。ここでは、説明を簡略化するため、1フレーム目、2フレーム目ともに、画素300と対象画素320の輝度値が等しい場合を例に挙げて説明する。
【0242】
対象画素320の副画素Rと副画素Gの輝度値は、画素300と同様であり、1フレーム目では、副画素Rが輝度値P11、副画素Gが輝度値P12、2フレーム目では、副画素Rが輝度値P21、副画素Gが輝度値P22である。
【0243】
各フレームの1つ目のサブフレームにおける、副画素Bの輝度値(輝度値P13、輝度値P23)は、画素300と同様である。なお、各フレームの1つ目のサブフレームでは、対象画素320が有する副画素PDにおいて、撮像を行わない。
【0244】
各フレームの2つ目のサブフレームでは、対象画素320が有する副画素PDにおいて、撮像が行われる。図9A図9Cに示すように、1フレーム目の2つ目のサブフレームにおける副画素Bの輝度値P14は、2フレーム目の2つ目のサブフレームにおける副画素Bの輝度値P24よりも大きい。なお、輝度値P24はゼロ(発光デバイスは非点灯)であってもよい。なお、輝度値P13と輝度値P14の大小関係は問わない。同様に、輝度値P23と輝度値P24の大小関係は問わない。
【0245】
1フレーム目の撮像と、2フレーム目の撮像との、副画素PDにおける検出強度の差分を取得することで、周囲の光の影響を除去し、精度よくタッチ検出をすることができる。
【0246】
ここで、極めて短い発光時間で、高輝度の発光と低輝度の発光が連続して行われた場合、人間の目は、2つの発光を区別できず、両者の中間の輝度で発光したと知覚する。人間の目が感じる輝度は、輝度の時間積分値に依存する。
【0247】
そのため、1フレーム目の副画素Bの輝度は、画素300よりも対象画素320のほうが明るく感じられる。具体的には、対象画素320は、画素300に比べて、1フレーム目の2つ目のサブフレームにおける輝度値P14と輝度値P13の差分Xだけ、輝度の時間積分値が大きくなる。
【0248】
一方、2フレーム目の副画素Bの輝度は、画素300よりも対象画素320のほうが暗く感じられる。具体的には、対象画素320は、画素300に比べて、2フレーム目の2つ目のサブフレームにおける輝度値P24と輝度値P23の差分Yだけ、輝度の時間積分値が小さくなる。
【0249】
そこで、対象画素320における輝度の時間積分値を所望の値とする(ここでは、画素300における輝度の時間積分値と等しくする)ため、各フレームにおいて、1つ目のサブフレームの対象画素320の輝度の時間積分値と、2つ目のサブフレームの対象画素320の輝度の時間積分値と、の和を調整することが好ましい。
【0250】
図10A図10Bは、1つ目のサブフレームの輝度の時間積分値と、2つ目のサブフレームの輝度の時間積分値と、の和が、画素300と対象画素320とで同等である例である。
【0251】
上述の通り、図9Aでは、各フレームの1つ目のサブフレームにおいて、副画素Bの輝度値(輝度値P13、輝度値P23)は、画素300と同様である。一方、図10Aでは、各フレームの1つ目のサブフレームにおける副画素Bの輝度値が、画素300(輝度値P13、輝度値P23)と、対象画素320(輝度値P15、輝度値P25)と、で異なる。
【0252】
輝度値P15は、輝度値P13から差分Xを引いた値とすることが好ましい。輝度値P25は、輝度値P13から差分Yを加えた値とすることが好ましい。
【0253】
このように、画素300と対象画素320で所望の輝度値が等しい場合は、1つ目のサブフレームの輝度の時間積分値と、2つ目のサブフレームの輝度の時間積分値と、の和を、画素300と対象画素320とで同等とすることで、対象画素320で、光源としての光を発しても、自然な画像表示を行うことができる。
【0254】
なお、画素300と対象画素320で所望の輝度値が異なる場合であっても、1つ目のサブフレームの輝度の時間積分値と、2つ目のサブフレームの輝度の時間積分値と、の和を調整することで、対象画素320の輝度を、所望の値とすることができる。
【0255】
なお、1フレームは、画像を表示する期間と、黒画像を表示しながらタッチ検出を行う期間と、の2つのサブフレームに分割してもよい。
【0256】
図11に示すように、対象画素320が撮像を行うサブフレームにおいて、画素300は、黒表示を行ってもよい(黒画像挿入、黒挿入ともいう)。画像を表示するサブフレームの間に黒画像を挿入することで、表示装置の動画ブレ及び残像を低減することができる。
【0257】
以下では、図12図13を用いて、本発明の一態様の表示装置の詳細な構成について説明する。
【0258】
[表示装置100A]
図12Aに表示装置100Aの断面図を示す。
【0259】
表示装置100Aは、受光デバイス110及び発光デバイス190を有する。
【0260】
発光デバイス190は、画素電極191、バッファ層192、発光層193、バッファ層194、及び共通電極115をこの順で積層して有する。バッファ層192は、正孔注入層及び正孔輸送層の一方または双方を有することができる。発光層193は、有機化合物を有する。バッファ層194は、電子注入層及び電子輸送層の一方または双方を有することができる。発光デバイス190は、可視光を発する機能を有する。なお、表示装置100Aは、さらに、赤外光を発する機能を有する発光デバイスを有していてもよい。
【0261】
受光デバイス110は、画素電極191、バッファ層182、活性層183、バッファ層184、及び共通電極115をこの順で積層して有する。バッファ層182は、正孔輸送層を有することができる。活性層183は、有機化合物を有する。バッファ層184は、電子輸送層を有することができる。受光デバイス110は、可視光を検出する機能を有する。なお、受光デバイス110は、さらに、赤外光を検出する機能を有していてもよい。
【0262】
本実施の形態では、発光デバイス190及び受光デバイス110のいずれにおいても、画素電極191が陽極として機能し、共通電極115が陰極として機能するものとして説明する。つまり、受光デバイス110を、画素電極191と共通電極115との間に逆バイアスをかけて駆動することで、表示装置100Aは、受光デバイス110に入射する光を検出し、電荷を発生させ、電流として取り出すことができる。
【0263】
画素電極191、バッファ層182、バッファ層192、活性層183、発光層193、バッファ層184、バッファ層194、及び共通電極115は、それぞれ、単層構造であってもよく、積層構造であってもよい。
【0264】
画素電極191は、絶縁層214上に位置する。各画素電極191は、同一の材料及び同一の工程で形成することができる。画素電極191の端部は、隔壁216によって覆われている。互いに隣り合う2つの画素電極191は隔壁216によって互いに電気的に絶縁されている(電気的に分離されている、ともいう)。
【0265】
隔壁216としては、有機絶縁膜が好適である。有機絶縁膜に用いることができる材料としては、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミドアミド樹脂、シロキサン樹脂、ベンゾシクロブテン系樹脂、フェノール樹脂、及びこれら樹脂の前駆体等が挙げられる。隔壁216は、可視光を透過する層である。隔壁216のかわりに、可視光を遮る隔壁を設けてもよい。
【0266】
共通電極115は、受光デバイス110と発光デバイス190に共通で用いられる層である。
【0267】
受光デバイス110及び発光デバイス190が有する一対の電極の材料及び膜厚等は等しくすることができる。これにより、表示装置の作製コストの削減及び作製工程の簡略化ができる。
【0268】
表示装置100Aは、一対の基板(基板151及び基板152)間に、受光デバイス110、発光デバイス190、トランジスタ131、及びトランジスタ132等を有する。
【0269】
受光デバイス110において、それぞれ画素電極191及び共通電極115の間に位置するバッファ層182、活性層183、及びバッファ層184は、有機層(有機化合物を含む層)ということもできる。画素電極191は可視光を反射する機能を有することが好ましい。共通電極115は可視光を透過する機能を有する。なお、受光デバイス110が赤外光を検出する構成である場合、共通電極115は赤外光を透過する機能を有する。さらに、画素電極191は赤外光を反射する機能を有することが好ましい。
【0270】
受光デバイス110は、光を検出する機能を有する。具体的には、受光デバイス110は、表示装置100Aの外部から入射される光122を受光し、電気信号に変換する、光電変換デバイスである。光122は、発光デバイス190の発光を対象物が反射した光ということもできる。また、光122は、表示装置100Aに設けられたレンズなどを介して受光デバイス110に入射してもよい。
【0271】
発光デバイス190において、それぞれ画素電極191及び共通電極115の間に位置するバッファ層192、発光層193、及びバッファ層194は、まとめてEL層ということもできる。なお、EL層は、少なくとも発光層193を有する。上述の通り、画素電極191は可視光を反射する機能を有することが好ましい。また、共通電極115は可視光を透過する機能を有する。なお、表示装置100Aが、赤外光を発する発光デバイスを有する構成である場合、共通電極115は赤外光を透過する機能を有する。さらに、画素電極191は赤外光を反射する機能を有することが好ましい。
【0272】
本実施の形態の表示装置が有する発光デバイスには、微小光共振器(マイクロキャビティ)構造が適用されていることが好ましい。
【0273】
バッファ層192またはバッファ層194は、光学調整層としての機能を有していてもよい。バッファ層192またはバッファ層194の膜厚を異ならせることで、各発光デバイスにおいて、特定の色の光を強めて取り出すことができる。
【0274】
発光デバイス190は、可視光を発する機能を有する。具体的には、発光デバイス190は、画素電極191と共通電極115との間に電圧を印加することで、基板152側に光を射出する電界発光デバイスである(発光121参照)。
【0275】
受光デバイス110が有する画素電極191は、絶縁層214に設けられた開口を介して、トランジスタ131が有するソースまたはドレインと電気的に接続される。
【0276】
発光デバイス190が有する画素電極191は、絶縁層214に設けられた開口を介して、トランジスタ132が有するソースまたはドレインと電気的に接続される。
【0277】
トランジスタ131とトランジスタ132とは、同一の層(図12Aでは基板151)上に接している。
【0278】
受光デバイス110と電気的に接続される回路の少なくとも一部は、発光デバイス190と電気的に接続される回路と同一の材料及び同一の工程で形成されることが好ましい。これにより、2つの回路を別々に形成する場合に比べて、表示装置の厚さを薄くすることができ、また、作製工程を簡略化できる。
【0279】
受光デバイス110及び発光デバイス190は、それぞれ、保護層116に覆われていることが好ましい。図12Aでは、保護層116が、共通電極115上に接して設けられている。保護層116を設けることで、受光デバイス110及び発光デバイス190に水などの不純物が入り込むことを抑制し、受光デバイス110及び発光デバイス190の信頼性を高めることができる。また、接着層142によって、保護層116と基板152とが貼り合わされている。
【0280】
基板152の基板151側の面には、遮光層158が設けられている。遮光層158は、発光デバイス190と重なる位置、及び、受光デバイス110と重なる位置に開口を有する。
【0281】
ここで、発光デバイス190の発光が対象物によって反射された光を受光デバイス110は検出する。しかし、発光デバイス190の発光が、表示装置100A内で反射され、対象物を介さずに、受光デバイス110に入射されてしまう場合がある。遮光層158は、このような迷光の影響を抑制することができる。例えば、遮光層158が設けられていない場合、発光デバイス190が発した光123は、基板152で反射され、反射光124が受光デバイス110に入射することがある。遮光層158を設けることで、反射光124が受光デバイス110に入射することを抑制できる。これにより、ノイズを低減し、受光デバイス110を用いたセンサの感度を高めることができる。
【0282】
遮光層158としては、発光デバイスからの発光を遮る材料を用いることができる。遮光層158は、可視光を吸収することが好ましい。遮光層158として、例えば、金属材料、又は、顔料(カーボンブラックなど)もしくは染料を含む樹脂材料等を用いてブラックマトリクスを形成することができる。遮光層158は、赤色のカラーフィルタ、緑色のカラーフィルタ、及び青色のカラーフィルタのうち少なくとも2層の積層構造であってもよい。
【0283】
[表示装置100B]
図12B図12Cに表示装置100Bの断面図を示す。なお、以降の表示装置の説明において、先に説明した表示装置と同様の構成については、説明を省略することがある。
【0284】
表示装置100Bは、発光デバイス190B、発光デバイス190G、及び受発光デバイス190R-PDを有する。
【0285】
発光デバイス190Bは、画素電極191、バッファ層192B、発光層193B、バッファ層194B、及び共通電極115をこの順で積層して有する。発光デバイス190Bは、青色の光121Bを発する機能を有する。
【0286】
発光デバイス190Gは、画素電極191、バッファ層192G、発光層193G、バッファ層194G、及び共通電極115をこの順で積層して有する。発光デバイス190Gは、緑色の光121Gを発する機能を有する。
【0287】
受発光デバイス190R-PDは、画素電極191、バッファ層192R、活性層183、発光層193R、バッファ層194R、及び共通電極115をこの順で積層して有する。受発光デバイス190R-PDは、赤色の光121Rを発する機能と、光122を検出する機能と、を有する。
【0288】
図12Bでは、受発光デバイス190R-PDが発光デバイスとして機能する場合を示す。図12Bでは、発光デバイス190Bが青色の光を発し、発光デバイス190Gが緑色の光を発し、受発光デバイス190R-PDが赤色の光を発している例を示す。
【0289】
図12Cでは、受発光デバイス190R-PDが受光デバイスとして機能する場合を示す。図12Cでは、発光デバイス190Bが発する青色の光と、発光デバイス190Gが発する緑色の光と、を、受発光デバイス190R-PDが検出している例を示す。
【0290】
表示装置100Bは、一対の基板(基板151及び基板152)間に、受発光デバイス190R-PD、発光デバイス190G、発光デバイス190B、及びトランジスタ132等を有する。
【0291】
画素電極191は、絶縁層214上に位置する。互いに隣り合う2つの画素電極191は隔壁216によって互いに電気的に絶縁されている。画素電極191は、絶縁層214に設けられた開口を介して、トランジスタが有するソースまたはドレインと電気的に接続される。
【0292】
受発光デバイス及び発光デバイスは、それぞれ、保護層116に覆われていることが好ましい。また、接着層142によって、保護層116と基板152とが貼り合わされている。基板152の基板151側の面には、遮光層158が設けられている。
【0293】
[表示装置100C]
図13Aに表示装置100Cの断面図を示す。
【0294】
表示装置100Cは、受光デバイス110及び発光デバイス190を有する。
【0295】
発光デバイス190は、画素電極191、共通層112、発光層193、共通層114、及び共通電極115をこの順で有する。共通層112は、正孔注入層及び正孔輸送層の一方または双方を有することができる。発光層193は、有機化合物を有する。共通層114は、電子注入層及び電子輸送層の一方または双方を有することができる。発光デバイス190は、可視光を発する機能を有する。なお、表示装置100Cは、さらに、赤外光を発する機能を有する発光デバイスを有していてもよい。
【0296】
受光デバイス110は、画素電極191、共通層112、活性層183、共通層114、及び共通電極115をこの順で積層して有する。活性層183は、有機化合物を有する。受光デバイス110は、可視光を検出する機能を有する。なお、受光デバイス110は、さらに、赤外光を検出する機能を有していてもよい。
【0297】
画素電極191、共通層112、活性層183、発光層193、共通層114、及び共通電極115は、それぞれ、単層構造であってもよく、積層構造であってもよい。
【0298】
画素電極191は、絶縁層214上に位置する。互いに隣り合う2つの画素電極191は隔壁216によって互いに電気的に絶縁されている。画素電極191は、絶縁層214に設けられた開口を介して、トランジスタが有するソースまたはドレインと電気的に接続される。
【0299】
共通層112、共通層114、及び共通電極115は、受光デバイス110と発光デバイス190に共通で用いられる層である。受光デバイス110と発光デバイス190を構成する層の少なくとも一部を共通の構成とすることで、表示装置の作製工程を削減でき、好ましい。
【0300】
表示装置100Cは、一対の基板(基板151及び基板152)間に、受光デバイス110、発光デバイス190、トランジスタ131、及びトランジスタ132等を有する。
【0301】
受光デバイス110及び発光デバイス190は、それぞれ、保護層116に覆われていることが好ましい。また、接着層142によって、保護層116と基板152とが貼り合わされている。
【0302】
基板152の基板151側の面には、樹脂層159が設けられている。樹脂層159は、発光デバイス190と重なる位置に設けられ、受光デバイス110と重なる位置には設けられない。
【0303】
樹脂層159は、例えば、図13Bに示すように、発光デバイス190と重なる位置に設けられ、かつ、受光デバイス110と重なる位置に開口159pを有する構成とすることができる。または、樹脂層159は、例えば、図13Cに示すように、発光デバイス190と重なる位置に島状に設けられ、かつ、受光デバイス110と重なる位置には設けられない構成とすることができる。
【0304】
基板152の基板151側の面及び樹脂層159の基板151側の面には、遮光層158が設けられている。遮光層158は、発光デバイス190と重なる位置、及び、受光デバイス110と重なる位置に開口を有する。
【0305】
ここで、発光デバイス190の発光が対象物によって反射された光を受光デバイス110は検出する。しかし、発光デバイス190の発光が、表示装置100C内で反射され、対象物を介さずに、受光デバイス110に入射されてしまう場合がある。遮光層158は、このような迷光を吸収し、受光デバイス110に入射する迷光を低減することができる。例えば、遮光層158は、樹脂層159を通過し基板152の基板151側の面で反射した迷光123aを吸収することができる。また、遮光層158は、樹脂層159に届く前に迷光123bを吸収することができる。これにより、受光デバイス110に入射する迷光を低減することができる。したがって、ノイズを低減し、受光デバイス110を用いたセンサの感度を高めることができる。特に、遮光層158が発光デバイス190から近い位置にあると、迷光をより低減できるため好ましい。また、遮光層158が発光デバイス190から近い位置にあると、表示の視野角依存性を抑制できるため、表示品位の向上の観点からも好ましい。
【0306】
また、遮光層158を設けることで、受光デバイス110が光を検出する範囲を制御することができる。基板151に垂直な方向において、遮光層158が受光デバイス110から離れた位置にあると、撮像範囲が狭くなり、撮像の解像度を高めることができる。
【0307】
樹脂層159が開口を有する場合、遮光層158は、当該開口の少なくとも一部、及び当該開口にて露出している樹脂層159の側面の少なくとも一部を覆うことが好ましい。
【0308】
樹脂層159が島状に設けられている場合、遮光層158は、樹脂層159の側面の少なくとも部を覆うことが好ましい。
【0309】
このように、樹脂層159の形状に沿って遮光層158が設けられるため、遮光層158から発光デバイス190(具体的には、発光デバイス190の発光領域)までの距離は、遮光層158から受光デバイス110(具体的には、受光デバイス110の受光領域)までの距離に比べて短くなる。これにより、センサのノイズを低減しつつ、撮像の解像度を高め、かつ、表示の視野角依存性を抑制することができる。したがって、表示装置における表示品位と撮像品位との双方を高めることができる。
【0310】
樹脂層159は、発光デバイス190の発光を透過する層である。樹脂層159の材料としては、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミドアミド樹脂、シロキサン樹脂、ベンゾシクロブテン系樹脂、フェノール樹脂、及びこれら樹脂の前駆体等が挙げられる。なお、基板152と遮光層158との間に設ける構造物は、樹脂層に限定されず、無機絶縁膜などを用いてもよい。当該構造物の厚さが厚いほど、遮光層から受光デバイスまでの距離と、遮光層から発光デバイスまでの距離と、に差が生じる。樹脂などの有機絶縁膜は厚く形成することが容易であるため、当該構造物として好適である。
【0311】
遮光層158から受光デバイス110までの距離と、遮光層158から発光デバイス190までの距離と、を比較するために、例えば、遮光層158の受光デバイス110側の端部から共通電極115までの最短距離L1と、遮光層158の発光デバイス190側の端部から共通電極115までの最短距離L2と、を用いることができる。最短距離L1に比べて、最短距離L2が短いことで、発光デバイス190からの迷光を抑制し、受光デバイス110を用いたセンサの感度を高めることができる。また、表示の視野角依存性を抑制することができる。最短距離L2に比べて、最短距離L1が長いことで、受光デバイス110の撮像範囲を狭くすることができ、撮像の解像度を高めることができる。
【0312】
また、接着層142における、発光デバイス190と重なる部分に比べて、受光デバイス110と重なる部分が厚い構成とすることでも、遮光層158から受光デバイス110までの距離と、遮光層158から発光デバイス190までの距離と、に差を生じさせることができる。
【0313】
以下では、図14図17を用いて、本発明の一態様の表示装置の、より詳細な構成について説明する。
【0314】
[表示装置100D]
図14に表示装置100Dの斜視図を示し、図15Aに、表示装置100Dの断面図を示す。
【0315】
表示装置100Dは、基板152と基板151とが貼り合わされた構成を有する。図14では、基板152を破線で明示している。
【0316】
表示装置100Dは、表示部162、回路164、配線165等を有する。図14では表示装置100DにIC(集積回路)173及びFPC172が実装されている例を示している。そのため、図14に示す構成は、表示装置100D、IC、及びFPCを有する表示モジュールということもできる。
【0317】
回路164としては、例えば走査線駆動回路を用いることができる。
【0318】
配線165は、表示部162及び回路164に信号及び電力を供給する機能を有する。当該信号及び電力は、FPC172を介して外部から、またはIC173から配線165に入力される。
【0319】
図14では、COG(Chip On Glass)方式またはCOF(Chip On Film)方式等により、基板151にIC173が設けられている例を示す。IC173は、例えば走査線駆動回路または信号線駆動回路などを有するICを適用できる。なお、表示装置100D及び表示モジュールは、ICを設けない構成としてもよい。また、ICを、COF方式等により、FPCに実装してもよい。
【0320】
図15Aに、図14で示した表示装置100Dの、FPC172を含む領域の一部、回路164を含む領域の一部、表示部162を含む領域の一部、及び、端部を含む領域の一部をそれぞれ切断したときの断面の一例を示す。
【0321】
図15Aに示す表示装置100Dは、基板151と基板152の間に、トランジスタ241、トランジスタ245、トランジスタ246、トランジスタ247、発光デバイス190B、発光デバイス190G、受発光デバイス190R-PD等を有する。
【0322】
基板152と保護層116は接着層142によって貼り合わされている。発光デバイス190B、発光デバイス190G、受発光デバイス190R-PDの封止には、固体封止構造または中空封止構造などが適用できる。図15Aでは、基板152、接着層142、及び絶縁層214に囲まれた空間が、接着層142によって封止されている固体封止構造が適用されている。
【0323】
発光デバイス190Bは、絶縁層214側から画素電極191、共通層112、発光層193B、共通層114、及び共通電極115の順に積層された積層構造を有する。画素電極191は、絶縁層214に設けられた開口を介して、トランジスタ247が有する導電層222bと接続されている。トランジスタ247は、発光デバイス190Bの駆動を制御する機能を有する。画素電極191の端部は、隔壁216によって覆われている。画素電極191は可視光を反射する材料を含み、共通電極115は可視光を透過する材料を含む。
【0324】
発光デバイス190Gは、絶縁層214側から画素電極191、共通層112、発光層193G、共通層114、及び共通電極115の順に積層された積層構造を有する。画素電極191は、絶縁層214に設けられた開口を介して、トランジスタ246が有する導電層222bと接続されている。トランジスタ246は、発光デバイス190Gの駆動を制御する機能を有する。
【0325】
受発光デバイス190R-PDは、絶縁層214側から画素電極191、共通層112、活性層183、発光層193R、共通層114、及び共通電極115の順に積層された積層構造を有する。画素電極191は、絶縁層214に設けられた開口を介して、トランジスタ245が有する導電層222bと電気的に接続されている。トランジスタ245は、受発光デバイス190R-PDの駆動を制御する機能を有する。
【0326】
発光デバイス190B、発光デバイス190G、受発光デバイス190R-PDが発する光は、基板152側に射出される。また、受発光デバイス190R-PDには、基板152及び接着層142を介して、光が入射する。基板152及び接着層142には、可視光に対する透過性が高い材料を用いることが好ましい。
【0327】
発光デバイス190B、発光デバイス190G、受発光デバイス190R-PDが有する画素電極191は同一の材料及び同一の工程で作製することができる。共通層112、共通層114、及び共通電極115は、発光デバイス190B、発光デバイス190G、受発光デバイス190R-PDに共通して用いられる。受発光デバイス190R-PDは、赤色の光を呈する発光デバイスの構成に活性層183を追加した構成である。また、発光デバイス190B、発光デバイス190G、受発光デバイス190R-PDは、活性層183と各色の発光層193の構成が異なる以外は全て共通の構成とすることができる。これにより、作製工程を大幅に増やすことなく、表示装置100Dの表示部162に受光機能を付加することができる。
【0328】
なお、発光デバイスが有する発光層は、受発光デバイスが有する発光層及び活性層と重なる部分を有していてもよい。同様に、発光デバイスが有する発光層は、他の発光デバイスが有する発光層と重なる部分を有していてもよい。このような構成とすることで、表示装置の精細度を高めることができる。例えば、図15Bでは、隔壁216上において、受発光デバイス190R-PDが有する活性層183及び発光層193Rの上に、発光デバイス190Gが有する発光層193Gが重なっている例を示す。
【0329】
基板152の基板151側の面には、遮光層158が設けられている。遮光層158は、発光デバイス190B、発光デバイス190G、受発光デバイス190R-PDのそれぞれと重なる位置に開口を有する。遮光層158を設けることで、受発光デバイス190R-PDが光を検出する範囲を制御することができる。上述の通り、受発光デバイス190R-PDと重なる位置に設けられる遮光層の開口の位置を調整することで、受発光デバイスに入射する光を制御することが好ましい。また、遮光層158を有することで、対象物を介さずに、発光デバイス190から受発光デバイス190R-PDに光が入射することを抑制できる。したがって、ノイズが少なく感度の高いセンサを実現できる。
【0330】
トランジスタ241、トランジスタ245、トランジスタ246、及びトランジスタ247は、いずれも基板151上に形成されている。これらのトランジスタは、同一の材料及び同一の工程により作製することができる。
【0331】
基板151上には、絶縁層211、絶縁層213、絶縁層215、及び絶縁層214がこの順で設けられている。絶縁層211は、その一部が各トランジスタのゲート絶縁層として機能する。絶縁層213は、その一部が各トランジスタのゲート絶縁層として機能する。絶縁層215は、トランジスタを覆って設けられる。絶縁層214は、トランジスタを覆って設けられ、平坦化層としての機能を有する。なお、ゲート絶縁層の数及びトランジスタを覆う絶縁層の数は限定されず、それぞれ単層であっても2層以上であってもよい。
【0332】
トランジスタを覆う絶縁層の少なくとも一層に、水や水素などの不純物が拡散しにくい材料を用いることが好ましい。これにより、絶縁層をバリア層として機能させることができる。このような構成とすることで、トランジスタに外部から不純物が拡散することを効果的に抑制でき、表示装置の信頼性を高めることができる。
【0333】
絶縁層211、絶縁層213、及び絶縁層215としては、それぞれ、無機絶縁膜を用いることが好ましい。無機絶縁膜としては、例えば、窒化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、酸化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜、酸化アルミニウム膜、窒化アルミニウム膜などを用いることができる。また、酸化ハフニウム膜、酸化窒化ハフニウム膜、窒化酸化ハフニウム膜、酸化イットリウム膜、酸化ジルコニウム膜、酸化ガリウム膜、酸化タンタル膜、酸化マグネシウム膜、酸化ランタン膜、酸化セリウム膜、及び酸化ネオジム膜等を用いてもよい。また、上述の絶縁膜を2以上積層して用いてもよい。なお、基板151とトランジスタとの間に下地膜を設けてもよい。当該下地膜にも上記の無機絶縁膜を用いることができる。
【0334】
ここで、有機絶縁膜は、無機絶縁膜に比べてバリア性が低いことが多い。そのため、有機絶縁膜は、表示装置100Dの端部近傍に開口を有することが好ましい。これにより、表示装置100Dの端部から有機絶縁膜を介して不純物が入り込むことを抑制することができる。または、有機絶縁膜の端部が表示装置100Dの端部よりも内側にくるように有機絶縁膜を形成し、表示装置100Dの端部に有機絶縁膜が露出しないようにしてもよい。
【0335】
平坦化層として機能する絶縁層214には、有機絶縁膜が好適である。有機絶縁膜に用いることができる材料としては、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミドアミド樹脂、シロキサン樹脂、ベンゾシクロブテン系樹脂、フェノール樹脂、及びこれら樹脂の前駆体等が挙げられる。
【0336】
発光デバイス190B、発光デバイス190G、受発光デバイス190R-PDを覆う保護層116を設けることで、発光デバイス190B、発光デバイス190G、受発光デバイス190R-PDに水などの不純物が入り込むことを抑制し、発光デバイス190B、発光デバイス190G、受発光デバイス190R-PDの信頼性を高めることができる。
【0337】
図15Aに示す領域228では、絶縁層214に開口が形成されている。これにより、絶縁層214に有機絶縁膜を用いる場合であっても、絶縁層214を介して外部から表示部162に不純物が入り込むことを抑制できる。したがって、表示装置100Dの信頼性を高めることができる。
【0338】
表示装置100Dの端部近傍の領域228において、絶縁層214の開口を介して、絶縁層215と保護層116とが互いに接することが好ましい。特に、絶縁層215が有する無機絶縁膜と保護層116が有する無機絶縁膜とが互いに接することが好ましい。これにより、有機絶縁膜を介して外部から表示部162に不純物が入り込むことを抑制することができる。したがって、表示装置100Dの信頼性を高めることができる。
【0339】
保護層116は単層であっても積層構造であってもよい。例えば、保護層116は、有機絶縁膜と無機絶縁膜との積層構造であってもよい。このとき、有機絶縁膜の端部よりも無機絶縁膜の端部を外側に延在させることが好ましい。
【0340】
トランジスタ241、トランジスタ245、トランジスタ246、及びトランジスタ247は、ゲートとして機能する導電層221、ゲート絶縁層として機能する絶縁層211、ソース及びドレインとして機能する導電層222a及び導電層222b、半導体層231、ゲート絶縁層として機能する絶縁層213、並びに、ゲートとして機能する導電層223を有する。ここでは、同一の導電膜を加工して得られる複数の層に、同じハッチングパターンを付している。絶縁層211は、導電層221と半導体層231との間に位置する。絶縁層213は、導電層223と半導体層231との間に位置する。
【0341】
本実施の形態の表示装置が有するトランジスタの構造は特に限定されない。例えば、プレーナ型のトランジスタ、スタガ型のトランジスタ、逆スタガ型のトランジスタ等を用いることができる。また、トップゲート型またはボトムゲート型のいずれのトランジスタ構造としてもよい。または、チャネルが形成される半導体層の上下にゲートが設けられていてもよい。
【0342】
トランジスタ241、トランジスタ245、トランジスタ246、及びトランジスタ247には、チャネルが形成される半導体層を2つのゲートで挟持する構成が適用されている。2つのゲートを接続し、これらに同一の信号を供給することによりトランジスタを駆動してもよい。または、2つのゲートのうち、一方に閾値電圧を制御するための電位を与え、他方に駆動のための電位を与えることで、トランジスタの閾値電圧を制御してもよい。
【0343】
トランジスタに用いる半導体材料の結晶性についても特に限定されず、非晶質半導体、結晶性を有する半導体(微結晶半導体、多結晶半導体、単結晶半導体、または一部に結晶領域を有する半導体)のいずれを用いてもよい。結晶性を有する半導体を用いると、トランジスタ特性の劣化を抑制できるため好ましい。
【0344】
トランジスタの半導体層は、金属酸化物(酸化物半導体ともいう)を有することが好ましい。または、トランジスタの半導体層は、シリコンを有していてもよい。シリコンとしては、アモルファスシリコン、結晶性のシリコン(低温ポリシリコン、単結晶シリコンなど)などが挙げられる。
【0345】
半導体層は、例えば、インジウムと、M(Mは、ガリウム、アルミニウム、シリコン、ホウ素、イットリウム、スズ、銅、バナジウム、ベリリウム、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、及びマグネシウムから選ばれた一種または複数種)と、亜鉛と、を有することが好ましい。特に、Mは、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、及びスズから選ばれた一種または複数種であることが好ましい。
【0346】
特に、半導体層として、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、及び亜鉛(Zn)を含む酸化物(IGZOとも記す)を用いることが好ましい。
【0347】
半導体層がIn-M-Zn酸化物の場合、当該In-M-Zn酸化物におけるInの原子数比はMの原子数比以上であることが好ましい。このようなIn-M-Zn酸化物の金属元素の原子数比として、In:M:Zn=1:1:1またはその近傍の組成、In:M:Zn=1:1:1.2またはその近傍の組成、In:M:Zn=2:1:3またはその近傍の組成、In:M:Zn=3:1:2またはその近傍の組成、In:M:Zn=4:2:3またはその近傍の組成、In:M:Zn=4:2:4.1またはその近傍の組成、In:M:Zn=5:1:3またはその近傍の組成、In:M:Zn=5:1:6またはその近傍の組成、In:M:Zn=5:1:7またはその近傍の組成、In:M:Zn=5:1:8またはその近傍の組成、In:M:Zn=6:1:6またはその近傍の組成、In:M:Zn=5:2:5またはその近傍の組成、等が挙げられる。なお、近傍の組成とは、所望の原子数比の±30%の範囲を含む。
【0348】
例えば、原子数比がIn:Ga:Zn=4:2:3またはその近傍の組成と記載する場合、Inの原子数比を4としたとき、Gaの原子数比が1以上3以下であり、Znの原子数比が2以上4以下である場合を含む。また、原子数比がIn:Ga:Zn=5:1:6またはその近傍の組成と記載する場合、Inの原子数比を5としたときに、Gaの原子数比が0.1より大きく2以下であり、Znの原子数比が5以上7以下である場合を含む。また、原子数比がIn:Ga:Zn=1:1:1またはその近傍の組成と記載する場合、Inの原子数比を1としたときに、Gaの原子数比が0.1より大きく2以下であり、Znの原子数比が0.1より大きく2以下である場合を含む。
【0349】
回路164が有するトランジスタと、表示部162が有するトランジスタは、同じ構造であってもよく、異なる構造であってもよい。回路164が有する複数のトランジスタの構造は、全て同じであってもよく、2種類以上あってもよい。同様に、表示部162が有する複数のトランジスタの構造は、全て同じであってもよく、2種類以上あってもよい。
【0350】
基板151の、基板152が重ならない領域には、接続部244が設けられている。接続部244では、配線165が導電層166及び接続層242を介してFPC172と電気的に接続されている。接続部244の上面は、画素電極191と同一の導電膜を加工して得られた導電層166が露出している。これにより、接続部244とFPC172とを接続層242を介して電気的に接続することができる。
【0351】
基板152の外側には各種光学部材を配置することができる。光学部材としては、偏光板、位相差板、光拡散層(拡散フィルムなど)、反射防止層、及び集光フィルム等が挙げられる。また、基板152の外側には、ゴミの付着を抑制する帯電防止膜、汚れを付着しにくくする撥水性の膜、使用に伴う傷の発生を抑制するハードコート膜、衝撃吸収層等を配置してもよい。
【0352】
基板151及び基板152には、それぞれ、ガラス、石英、セラミック、サファイア、樹脂などを用いることができる。基板151及び基板152に可撓性を有する材料を用いると、表示装置の可撓性を高めることができる。
【0353】
接着層としては、紫外線硬化型等の光硬化型接着剤、反応硬化型接着剤、熱硬化型接着剤、嫌気型接着剤などの各種硬化型接着剤を用いることができる。これら接着剤としてはエポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、イミド樹脂、PVC(ポリビニルクロライド)樹脂、PVB(ポリビニルブチラル)樹脂、EVA(エチレンビニルアセテート)樹脂等が挙げられる。特に、エポキシ樹脂等の透湿性が低い材料が好ましい。また、二液混合型の樹脂を用いてもよい。また、接着シート等を用いてもよい。
【0354】
接続層としては、異方性導電フィルム(ACF:Anisotropic Conductive Film)、異方性導電ペースト(ACP:Anisotropic Conductive Paste)などを用いることができる。
【0355】
発光デバイス190G、190B、及び受発光デバイス190R-PDの構成及び材料などは、上述の記載を参照できる。
【0356】
トランジスタのゲート、ソース及びドレインのほか、表示装置を構成する各種配線及び電極などの導電層に用いることのできる材料としては、アルミニウム、チタン、クロム、ニッケル、銅、イットリウム、ジルコニウム、モリブデン、銀、タンタル、及びタングステンなどの金属、並びに、当該金属を主成分とする合金などが挙げられる。これらの材料を含む膜を単層で、または積層構造として用いることができる。
【0357】
また、透光性を有する導電材料としては、酸化インジウム、インジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化亜鉛、ガリウムを含む酸化亜鉛などの導電性酸化物またはグラフェンを用いることができる。または、金、銀、白金、マグネシウム、ニッケル、タングステン、クロム、モリブデン、鉄、コバルト、銅、パラジウム、及びチタンなどの金属材料や、該金属材料を含む合金材料を用いることができる。または、該金属材料の窒化物(例えば、窒化チタン)などを用いてもよい。なお、金属材料、合金材料(またはそれらの窒化物)を用いる場合には、透光性を有する程度に薄くすることが好ましい。また、上記材料の積層膜を導電層として用いることができる。例えば、銀とマグネシウムの合金とインジウムスズ酸化物の積層膜などを用いると、導電性を高めることができるため好ましい。これらは、表示装置を構成する各種配線及び電極などの導電層や、発光デバイス及び受光デバイス(または受発光デバイス)が有する導電層(画素電極や共通電極として機能する導電層)にも用いることができる。
【0358】
各絶縁層に用いることのできる絶縁材料としては、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂などの樹脂、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウムなどの無機絶縁材料が挙げられる。
【0359】
[表示装置100E]
図16及び図17Aに、表示装置100Eの断面図を示す。表示装置100Eの斜視図は表示装置100D(図14)と同様である。図16には、表示装置100Eの、FPC172を含む領域の一部、回路164の一部、及び、表示部162の一部をそれぞれ切断したときの断面の一例を示す。図17Aには、表示装置100Eの、表示部162の一部を切断したときの断面の一例を示す。図16では、表示部162のうち、特に、受光デバイス110と赤色の光を発する発光デバイス190Rを含む領域を切断したときの断面の一例を示す。図17Aでは、表示部162のうち、特に、緑色の光を発する発光デバイス190Gと青色の光を発する発光デバイス190Bを含む領域を切断したときの断面の一例を示す。
【0360】
図16及び図17Aに示す表示装置100Eは、基板153と基板154の間に、トランジスタ243、トランジスタ248、トランジスタ249、トランジスタ240、発光デバイス190R、発光デバイス190G、発光デバイス190B、及び受光デバイス110等を有する。
【0361】
樹脂層159と共通電極115とは接着層142を介して接着されており、表示装置100Eには、固体封止構造が適用されている。
【0362】
基板153と絶縁層212とは接着層155によって貼り合わされている。基板154と絶縁層157とは接着層156によって貼り合わされている。
【0363】
表示装置100Eの作製方法としては、まず、絶縁層212、各トランジスタ、受光デバイス110、各発光デバイス等が設けられた第1の作製基板と、絶縁層157、樹脂層159、及び遮光層158等が設けられた第2の作製基板と、を接着層142によって貼り合わせる。そして、第1の作製基板を剥離し露出した面に基板153を貼り、第2の作製基板を剥離し露出した面に基板154を貼ることで、第1の作製基板上及び第2の作製基板上に形成した各構成要素を、基板153及び基板154に転置する。基板153及び基板154は、それぞれ、可撓性を有することが好ましい。これにより、表示装置100Eの可撓性を高めることができる。
【0364】
絶縁層212及び絶縁層157には、それぞれ、絶縁層211、絶縁層213、及び絶縁層215に用いることができる無機絶縁膜を用いることができる。
【0365】
発光デバイス190Rは、絶縁層214b側から画素電極191、共通層112、発光層193R、共通層114、及び共通電極115の順に積層された積層構造を有する。画素電極191は、絶縁層214bに設けられた開口を介して、導電層169と接続されている。導電層169は、絶縁層214aに設けられた開口を介して、トランジスタ248が有する導電層222bと接続されている。導電層222bは、絶縁層215に設けられた開口を介して、低抵抗領域231nと接続される。つまり、画素電極191は、トランジスタ248と電気的に接続されている。トランジスタ248は、発光デバイス190Rの駆動を制御する機能を有する。
【0366】
同様に、発光デバイス190Gは、絶縁層214b側から画素電極191、共通層112、発光層193G、共通層114、及び共通電極115の順に積層された積層構造を有する。画素電極191は、導電層169及びトランジスタ249の導電層222bを介して、トランジスタ249の低抵抗領域231nと電気的に接続される。つまり、画素電極191は、トランジスタ249と電気的に接続されている。トランジスタ249は、発光デバイス190Gの駆動を制御する機能を有する。
【0367】
そして、発光デバイス190Bは、絶縁層214b側から画素電極191、共通層112、発光層193B、共通層114、及び共通電極115の順に積層された積層構造を有する。画素電極191は、導電層169及びトランジスタ240の導電層222bを介して、トランジスタ240の低抵抗領域231nと電気的に接続される。つまり、画素電極191は、トランジスタ240と電気的に接続されている。トランジスタ240は、発光デバイス190Bの駆動を制御する機能を有する。
【0368】
受光デバイス110は、絶縁層214b側から画素電極191、共通層112、活性層183、共通層114、及び共通電極115の順に積層された積層構造を有する。
【0369】
画素電極191の端部は、隔壁216によって覆われている。画素電極191は可視光を反射する材料を含み、共通電極115は可視光を透過する材料を含む。
【0370】
発光デバイス190R、190G、190Bが発する光は、基板154側に射出される。また、受光デバイス110には、基板154及び接着層142を介して、光が入射する。基板154には、可視光に対する透過性が高い材料を用いることが好ましい。
【0371】
各画素電極191は同一の材料及び同一の工程で作製することができる。共通層112、共通層114、及び共通電極115は、受光デバイス110及び発光デバイス190R、190G、190Bに共通して用いられる。受光デバイス110と各色の発光デバイスとは、活性層183と発光層の構成が異なる以外は全て共通の構成とすることができる。これにより、作製工程を大幅に増やすことなく、表示装置100Eに受光デバイス110を内蔵することができる。
【0372】
絶縁層157の基板153側の面には、樹脂層159及び遮光層158が設けられている。樹脂層159は、発光デバイス190R、190G、190Bと重なる位置に設けられ、受光デバイス110と重なる位置には設けられない。遮光層158は、絶縁層157の基板153側の面、樹脂層159の側面、及び樹脂層159の基板153側の面を覆って設けられる。遮光層158は、受光デバイス110と重なる位置及び発光デバイス190R、190G、190Bのそれぞれと重なる位置に開口を有する。遮光層158を設けることで、受光デバイス110が光を検出する範囲を制御することができる。また、遮光層158を有することで、対象物を介さずに、発光デバイス190R、190G、190Bから受光デバイス110に光が入射することを抑制できる。したがって、ノイズが少なく感度の高いセンサを実現できる。樹脂層159が設けられていることで、遮光層158から各色の発光デバイスまでの距離は、遮光層158から受光デバイス110までの距離に比べて短い。これにより、センサのノイズを低減しつつ、表示の視野角依存性を抑制することができる。したがって、表示品位と撮像品位との双方を高めることができる。
【0373】
図16に示すように、隔壁216は、受光デバイス110と発光デバイス190Rとの間に開口を有する。当該開口を埋めるように、遮光層219aが設けられている。遮光層219aは、受光デバイス110と発光デバイス190Rとの間に位置する。遮光層219aは、発光デバイス190Rが発した光を吸収する。これにより、受光デバイス110に入射する迷光を抑制することができる。
【0374】
スペーサ219bは、隔壁216上に設けられ、発光デバイス190Gと発光デバイス190Bとの間に位置する。スペーサ219bの上面は、遮光層219aの上面よりも遮光層158に近いことが好ましい。例えば、隔壁216の高さ(厚さ)とスペーサ219bの高さ(厚さ)の和は、遮光層219aの高さ(厚さ)よりも大きいことが好ましい。これにより、接着層142を充填することが容易となる。図17Aに示すように、スペーサ219bと遮光層158とが重なる部分において、遮光層158は共通電極115(または保護層)と接していてもよい。
【0375】
基板153の、基板154が重ならない領域には、接続部244が設けられている。接続部244では、配線165が導電層167、導電層166、及び接続層242を介してFPC172と電気的に接続されている。導電層167は、導電層169と同一の導電膜を加工して得ることができる。接続部244の上面は、画素電極191と同一の導電膜を加工して得られた導電層166が露出している。これにより、接続部244とFPC172とを接続層242を介して電気的に接続することができる。
【0376】
トランジスタ243、トランジスタ248、トランジスタ249、及びトランジスタ240は、ゲートとして機能する導電層221、ゲート絶縁層として機能する絶縁層211、チャネル形成領域231i及び一対の低抵抗領域231nを有する半導体層、一対の低抵抗領域231nの一方と接続する導電層222a、一対の低抵抗領域231nの他方と接続する導電層222b、ゲート絶縁層として機能する絶縁層225、ゲートとして機能する導電層223、並びに、導電層223を覆う絶縁層215を有する。絶縁層211は、導電層221とチャネル形成領域231iとの間に位置する。絶縁層225は、導電層223とチャネル形成領域231iとの間に位置する。
【0377】
導電層222a及び導電層222bは、それぞれ、絶縁層215に設けられた開口を介して低抵抗領域231nと接続される。導電層222a及び導電層222bのうち、一方はソースとして機能し、他方はドレインとして機能する。
【0378】
図16及び図17Aにおいて、絶縁層225は、半導体層231のチャネル形成領域231iと重なり、低抵抗領域231nとは重ならない。例えば、導電層223をマスクに絶縁層225を加工することで、図16及び図17Aに示す構造を作製できる。図16及び図17Aでは、絶縁層225及び導電層223を覆って絶縁層215が設けられ、絶縁層215の開口を介して、導電層222a及び導電層222bがそれぞれ低抵抗領域231nと接続されている。さらに、トランジスタを覆う絶縁層を設けてもよい。
【0379】
一方、図17Bに示すトランジスタ252では、絶縁層225が半導体層の上面及び側面を覆う例を示す。導電層222a及び導電層222bは、それぞれ、絶縁層225及び絶縁層215に設けられた開口を介して低抵抗領域231nと接続される。
【0380】
以上のように、本発明の一態様の表示装置は、少なくとも2種類の画素を有し、一方の画素が有する青色の副画素は、他方の画素が有する青色の副画素よりも短波長の光を発する。2つの青色の副画素について、発光物質が互いに異なる、光学調整層の厚さが互いに異なる、着色層を介して光を取り出す、などの一つまたは複数の構成を適用することにより、視認性が互いに異なる2種類の青色の副画素を、表示装置に設けることができる。表示装置は、少なくとも一部の画素が受光機能を有するため、画像を表示しながら、対象物の接触または近接を検出することができる。光源に用いる副画素として、2種類の副画素のうち、より短波長の光を発する副画素を用いることで、光源としての光が使用者に視認されにくくなり、自然な画像表示を行うことができる。
【0381】
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。また、本明細書において、1つの実施の形態の中に、複数の構成例が示される場合は、構成例を適宜組み合わせることが可能である。
【0382】
(実施の形態2)
本実施の形態では、本発明の一態様の表示装置について、図18を用いて説明する。
【0383】
[画素回路の例1]
本発明の一態様の表示装置は、表示部に、受光デバイスを有する第1の画素回路と、発光デバイスを有する第2の画素回路と、を有する。第1の画素回路と第2の画素回路は、それぞれ、マトリクス状に配置される。
【0384】
図18Aに、受光デバイスを有する第1の画素回路の一例を示し、図18Bに、発光デバイスを有する第2の画素回路の一例を示す。
【0385】
図18Aに示す画素回路PIX1は、受光デバイスPD、トランジスタM1、トランジスタM2、トランジスタM3、トランジスタM4、及び容量C1を有する。ここでは、受光デバイスPDとして、フォトダイオードを用いた例を示している。
【0386】
受光デバイスPDは、カソードが配線V1と電気的に接続し、アノードがトランジスタM1のソースまたはドレインの一方と電気的に接続する。トランジスタM1は、ゲートが配線TXと電気的に接続し、ソースまたはドレインの他方が容量C1の一方の電極、トランジスタM2のソースまたはドレインの一方、及びトランジスタM3のゲートと電気的に接続する。トランジスタM2は、ゲートが配線RESと電気的に接続し、ソースまたはドレインの他方が配線V2と電気的に接続する。トランジスタM3は、ソースまたはドレインの一方が配線V3と電気的に接続し、ソースまたはドレインの他方がトランジスタM4のソースまたはドレインの一方と電気的に接続する。トランジスタM4は、ゲートが配線SEと電気的に接続し、ソースまたはドレインの他方が配線OUT1と電気的に接続する。
【0387】
配線V1、配線V2、及び配線V3には、それぞれ定電位が供給される。受光デバイスPDを逆バイアスで駆動させる場合には、配線V2に、配線V1の電位よりも低い電位を供給する。トランジスタM2は、配線RESに供給される信号により制御され、トランジスタM3のゲートに接続するノードの電位を、配線V2に供給される電位にリセットする機能を有する。トランジスタM1は、配線TXに供給される信号により制御され、受光デバイスPDに流れる電流に応じて上記ノードの電位が変化するタイミングを制御する機能を有する。トランジスタM3は、上記ノードの電位に応じた出力を行う増幅トランジスタとして機能する。トランジスタM4は、配線SEに供給される信号により制御され、上記ノードの電位に応じた出力を配線OUT1に接続する外部回路で読み出すための選択トランジスタとして機能する。
【0388】
図18Bに示す画素回路PIX2は、発光デバイスEL、トランジスタM5、トランジスタM6、トランジスタM7、及び容量C2を有する。ここでは、発光デバイスELとして、発光ダイオードを用いた例を示している。特に、発光デバイスELとして、有機ELデバイスを用いることが好ましい。
【0389】
トランジスタM5は、ゲートが配線VGと電気的に接続し、ソースまたはドレインの一方が配線VSと電気的に接続し、ソースまたはドレインの他方が、容量C2の一方の電極、及びトランジスタM6のゲートと電気的に接続する。トランジスタM6のソースまたはドレインの一方は配線V4と電気的に接続し、他方は、発光デバイスELのアノード、及びトランジスタM7のソースまたはドレインの一方と電気的に接続する。トランジスタM7は、ゲートが配線MSと電気的に接続し、ソースまたはドレインの他方が配線OUT2と電気的に接続する。発光デバイスELのカソードは、配線V5と電気的に接続する。
【0390】
配線V4及び配線V5には、それぞれ定電位が供給される。発光デバイスELのアノード側を高電位に、カソード側をアノード側よりも低電位にすることができる。トランジスタM5は、配線VGに供給される信号により制御され、画素回路PIX2の選択状態を制御するための選択トランジスタとして機能する。また、トランジスタM6は、ゲートに供給される電位に応じて発光デバイスELに流れる電流を制御する駆動トランジスタとして機能する。トランジスタM5が導通状態のとき、配線VSに供給される電位がトランジスタM6のゲートに供給され、その電位に応じて発光デバイスELの発光輝度を制御することができる。トランジスタM7は配線MSに供給される信号により制御され、トランジスタM6と発光デバイスELとの間の電位を、配線OUT2を介して外部に出力する機能を有する。
【0391】
受光デバイスPDのカソードが電気的に接続される配線V1と、発光デバイスELのカソードが電気的に接続される配線V5は、同一の層、同一の電位とすることができる。
【0392】
本発明の一態様の表示装置では、画素回路PIX1及び画素回路PIX2に含まれるトランジスタの全てに、チャネルが形成される半導体層に金属酸化物(酸化物半導体ともいう)を有するトランジスタ(以下、OSトランジスタともいう)を用いることが好ましい。OSトランジスタは、オフ電流が極めて小さく、当該トランジスタと直列に接続された容量に蓄積した電荷を長期間に亘って保持することが可能である。また、OSトランジスタを用いることで、表示装置の消費電力を低減することができる。
【0393】
または、本発明の一態様の表示装置では、画素回路PIX1及び画素回路PIX2に含まれるトランジスタ全てに、チャネルが形成される半導体層にシリコンを有するトランジスタ(以下、Siトランジスタともいう)を用いることが好ましい。シリコンとしては、単結晶シリコン、多結晶シリコン、非晶質シリコン等が挙げられる。特に、半導体層に低温ポリシリコン(LTPS(Low Temperature Poly-Silicon))を有するトランジスタ(以下、LTPSトランジスタともいう)を用いることが好ましい。LTPSトランジスタは、電界効果移動度が高く高速動作が可能である。
【0394】
さらに、LTPSトランジスタなどのSiトランジスタを用いることで、CMOS回路で構成される各種回路を、表示部と同一基板に作りこむことが容易となる。これにより、表示装置に実装される外部回路を簡略化することができ、部品コスト、実装コストを削減することができる。
【0395】
または、本発明の一態様の表示装置では、画素回路PIX1に、2種類のトランジスタを用いることが好ましい。具体的には、画素回路PIX1は、OSトランジスタと、LTPSトランジスタと、を有することが好ましい。トランジスタに求められる機能に応じて、半導体層の材料を変えることで、画素回路PIX1の品質を高め、センシングや撮像の精度を高めることができる。このとき、画素回路PIX2には、OSトランジスタ及びLTPSトランジスタのうち一方を用いてもよく、双方を用いてもよい。
【0396】
さらに、画素に2種類のトランジスタ(例えば、OSトランジスタとLTPSトランジスタ)を用いた場合でも、LTPSトランジスタを用いることで、CMOS回路で構成される各種回路を、表示部と同一基板に作りこむことが容易となる。これにより、表示装置に実装される外部回路を簡略化することができ、部品コスト、実装コストを削減することができる。
【0397】
シリコンよりもバンドギャップが広く、かつキャリア密度の小さい金属酸化物を用いたトランジスタは、極めて小さいオフ電流を実現することができる。そのため、その小さいオフ電流により、トランジスタと直列に接続された容量に蓄積した電荷を長期間に亘って保持することが可能である。そのため、特に容量C1または容量C2に直列に接続されるトランジスタM1、トランジスタM2、及びトランジスタM5には、OSトランジスタを用いることが好ましい。
【0398】
また、トランジスタM3には、Siトランジスタを用いることが好ましい。これにより、撮像データの読み出し動作を高速に行うことができる。
【0399】
なお、表示部に、受光デバイスを有する第1の画素回路と、発光デバイスを有する第2の画素回路と、を有する表示装置は、画像表示を行うモード、撮像を行うモード、画像表示と撮像とを同時に行うモードのいずれでも駆動することができる。画像表示を行うモードでは、例えば、発光デバイスを用いてフルカラーの画像を表示することができる。また、撮像を行うモードでは、例えば、発光デバイスを用いて撮像用画像(例えば、緑単色、青単色など)を表示し、受光デバイスを用いて撮像を行うことができる。撮像を行うモードでは、例えば、指紋認証などを行うことができる。また、画像表示と撮像とを同時に行うモードでは、例えば、一部の画素では、発光デバイスを用いて撮像用画像を表示し、かつ、受光デバイスを用いて撮像を行い、残りの画素では、発光デバイスを用いて、フルカラーの画像を表示することができる。
【0400】
[画素回路の例2]
本発明の一態様の表示装置は、表示部に、受発光デバイスを有する第3の画素回路と、発光デバイスを有する第2の画素回路と、を有する。第3の画素回路と第2の画素回路は、それぞれ、マトリクス状に配置される。第2の画素回路の例は上述の通りである(図18B)。
【0401】
図18Cに、受発光デバイスを有する第3の画素回路の一例を示す。
【0402】
図18Cに示す画素回路PIX3は、赤色の光を呈し、かつ、受光機能を有する受発光デバイス190R-PDを有する。例えば、表示装置の画素は、当該画素回路PIX3と、緑色の光を呈する発光デバイスを有する画素回路PIX2と、青色の光を呈する発光デバイスを有する画素回路PIX2と、で構成することができる。
【0403】
画素回路PIX3は、さらに、トランジスタM8、トランジスタM9、トランジスタM10、トランジスタM11、トランジスタM12、トランジスタM13、トランジスタM14、容量Csr、及び、容量Cfを有する。トランジスタM8、トランジスタM10、トランジスタM11、トランジスタM12、及びトランジスタM14は、それぞれスイッチとして機能する。
【0404】
トランジスタM8は、ゲートが配線GLと電気的に接続され、ソース及びドレインの一方が配線SLRと電気的に接続され、他方がトランジスタM9のゲート及び容量Csrの一方の電極と電気的に接続される。トランジスタM9は、ソース及びドレインの一方がトランジスタM10のソース及びドレインの一方、トランジスタM11のソース及びドレインの一方、容量Csrの他方の電極、及び、受発光デバイス190R-PDのアノードと電気的に接続され、他方が、配線ANODEと電気的に接続される。トランジスタM10は、ゲートが配線GLと電気的に接続され、ソース及びドレインの他方が配線V0と電気的に接続される。トランジスタM11は、ゲートが配線TXと電気的に接続され、ソース及びドレインの他方がトランジスタM12のソースまたはドレインの一方、トランジスタM13のゲート、及び、容量Cfの一方の電極と電気的に接続される。トランジスタM12は、ゲートが配線RSと電気的に接続され、ソース及びドレインの他方が配線VRSと電気的に接続される。トランジスタM13は、ソース及びドレインの一方がトランジスタM14のソース及びドレインの一方と電気的に接続され、他方が配線VPIと電気的に接続される。トランジスタM14は、ゲートが配線SEと電気的に接続され、ソース及びドレインの他方が配線WXと電気的に接続される。容量Cfの他方の電極は、配線VCPと電気的に接続される。受発光デバイス190R-PDのカソードは、配線CATHODE/VPDと電気的に接続される。
【0405】
配線GL、配線SE、配線TX、及び配線RSには、それぞれ、トランジスタの動作を制御するための信号が供給される。
【0406】
画像表示を行う場合、配線SLRには、それぞれ、画像信号VdataRが供給される。
【0407】
配線V0、配線VPI、配線VCP、配線VRS、配線ANODE、及び配線CATHODE/VPDにはそれぞれ所定の電位が供給される。配線V0には、画像信号VdataRの黒表示に対応する電位Vo(例えば0V)が供給される。配線VPIには、トランジスタM13のゲート電圧の範囲よりも高い電位が供給される。配線VCPには、任意の電位(例えば0V)を供給することができる。配線VRSには、配線CATHODE/VPDよりも低い電位が供給される。配線ANODEには、配線CATHODE/VPDよりも高い電位が供給される。
【0408】
配線CATHODE/VPDと、図18Bに示す配線V5は、同一の層、同一の電位とすることができる。
【0409】
トランジスタM8及びトランジスタM10は、配線GLに供給される信号により制御され、画素の選択状態を制御するための選択トランジスタとして機能する。
【0410】
トランジスタM9は、ゲートに供給される電位に応じて受発光デバイス190R-PDに流れる電流を制御する駆動トランジスタとして機能する。
【0411】
トランジスタM8が導通状態のとき、同時に、トランジスタM10も導通状態となり、配線SLRに供給される電位(例えば、画像信号VdataR)がトランジスタM9のゲートに供給され、配線V0に供給される電位VoがトランジスタM10のソースまたはドレインの他方に供給される。容量Csrには、電圧VdataR-Voに応じた電荷が蓄積される。受発光デバイス190R-PDは、ノードGRの電位(トランジスタM9のゲート電位)に応じた輝度で発光することができる。
【0412】
トランジスタM11は、配線TXに供給される信号により制御され、受発光デバイス190R-PDに流れる電流に応じてノードFDの電位が変化するタイミングを制御する機能を有する。トランジスタM12は、配線RSに供給される信号により制御され、トランジスタM13のゲートに接続するノードFDの電位を、配線VRSに供給される電位にリセットする機能を有する。トランジスタM13は、ノードFDの電位に応じた出力を行う増幅トランジスタとして機能する。トランジスタM14は、配線SEに供給される信号により制御され、ノードFDの電位に応じた出力を配線WXに接続する外部回路で読み出すための選択トランジスタとして機能する。
【0413】
なお、表示部に、受発光デバイスを有する第3の画素回路と、発光デバイスを有する第2の画素回路と、を有する表示装置は、画像表示を行うモード、撮像を行うモード、画像表示と撮像とを同時に行うモードのいずれでも駆動することができる。画像表示を行うモードでは、例えば、受発光デバイス及び発光デバイスを用いて、フルカラーの画像を表示することができる。また、撮像を行うモードでは、例えば、発光デバイスを用いて撮像用画像(例えば、緑単色、青単色など)を表示し、受発光デバイスを用いて撮像を行うことができる。撮像を行うモードでは、例えば、指紋認証などを行うことができる。また、画像表示と撮像とを同時に行うモードでは、例えば、一部の画素では、発光デバイスを用いて撮像用画像を表示し、かつ、受発光デバイスを用いて撮像を行い、残りの画素が有する受発光デバイス及び発光デバイスを用いて、フルカラーの画像を表示することができる。
【0414】
本発明の一態様の表示装置では、画素回路PIX3及び画素回路PIX2に含まれるトランジスタの全てに、OSトランジスタを用いることが好ましい。OSトランジスタは、オフ電流が極めて小さく、当該トランジスタと直列に接続された容量に蓄積した電荷を長期間に亘って保持することが可能である。また、OSトランジスタを用いることで、表示装置の消費電力を低減することができる。
【0415】
または、本発明の一態様の表示装置では、画素回路PIX3及び画素回路PIX2に含まれるトランジスタ全てに、Siトランジスタを用いることが好ましい。特に、LTPSトランジスタを用いることが好ましい。LTPSトランジスタは、電界効果移動度が高く高速動作が可能である。
【0416】
さらに、LTPSトランジスタなどのSiトランジスタを用いることで、CMOS回路で構成される各種回路を、表示部と同一基板に作りこむことが容易となる。これにより、表示装置に実装される外部回路を簡略化することができ、部品コスト、実装コストを削減することができる。
【0417】
または、本発明の一態様の表示装置では、画素回路PIX3に、2種類のトランジスタを用いることが好ましい。具体的には、画素回路PIX3は、OSトランジスタと、LTPSトランジスタと、を有することが好ましい。トランジスタに求められる機能に応じて、半導体層の材料を変えることで、画素回路PIX3の品質を高め、センシングや撮像の精度を高めることができる。このとき、画素回路PIX2には、OSトランジスタ及びLTPSトランジスタのうち一方を用いてもよく、双方を用いてもよい。
【0418】
さらに、画素に2種類のトランジスタ(例えば、OSトランジスタとLTPSトランジスタ)を用いた場合でも、LTPSトランジスタを用いることで、CMOS回路で構成される各種回路を、表示部と同一基板に作りこむことが容易となる。これにより、表示装置に実装される外部回路を簡略化することができ、部品コスト、実装コストを削減することができる。
【0419】
シリコンよりもバンドギャップが広く、かつキャリア密度の小さい金属酸化物を用いたトランジスタは、極めて小さいオフ電流を実現することができる。そのため、その小さいオフ電流により、トランジスタと直列に接続された容量に蓄積した電荷を長期間に亘って保持することが可能である。そのため、特に容量C2、容量Csr、または容量Cfに直列に接続されるトランジスタM8、トランジスタM10、トランジスタM11、及びトランジスタM12には、OSトランジスタを用いることが好ましい。
【0420】
また、トランジスタM13には、Siトランジスタを用いることが好ましい。これにより、撮像データの読み出し動作を高速に行うことができる。
【0421】
なお、図18A図18Cにおいて、トランジスタをnチャネル型のトランジスタとして表記しているが、pチャネル型のトランジスタを用いることもできる。また、トランジスタは、シングルゲートに限らず、さらに、バックゲートを有していてもよい。
【0422】
受光デバイスPD、発光デバイスEL、または受発光デバイス190R-PDと重なる位置に、トランジスタ及び容量の一方又は双方を有する層を1つまたは複数設けることが好ましい。これにより、各画素回路の実効的な占有面積を小さくでき、高精細な表示部を実現できる。
【0423】
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
【0424】
(実施の形態3)
本実施の形態では、上記の実施の形態で説明したOSトランジスタに用いることができる金属酸化物(酸化物半導体ともいう)について説明する。
【0425】
金属酸化物は、少なくともインジウムまたは亜鉛を含むことが好ましい。特にインジウム及び亜鉛を含むことが好ましい。また、それらに加えて、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、スズなどが含まれていることが好ましい。また、ホウ素、シリコン、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、マグネシウム、コバルトなどから選ばれた一種、または複数種が含まれていてもよい。
【0426】
また、金属酸化物は、スパッタリング法、有機金属化学気相成長(MOCVD:Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法などの化学気相成長(CVD:Chemical Vapor Deposition)法や、原子層堆積(ALD:Atomic Layer Deposition)法などにより形成することができる。
【0427】
<結晶構造の分類>
酸化物半導体の結晶構造としては、アモルファス(completely amorphousを含む)、CAAC(c-axis-aligned crystalline)、nc(nanocrystalline)、CAC(cloud-aligned composite)、単結晶(single crystal)、及び多結晶(poly crystal)等が挙げられる。
【0428】
なお、膜または基板の結晶構造は、X線回折(XRD:X-Ray Diffraction)スペクトルを用いて評価することができる。例えば、GIXD(Grazing-Incidence XRD)測定で得られるXRDスペクトルを用いて評価することができる。なお、GIXD法は、薄膜法またはSeemann-Bohlin法ともいう。
【0429】
例えば、石英ガラス基板では、XRDスペクトルのピークの形状がほぼ左右対称である。一方で、結晶構造を有するIGZO膜では、XRDスペクトルのピークの形状が左右非対称である。XRDスペクトルのピークの形状が左右非対称であることは、膜中または基板中の結晶の存在を明示している。別言すると、XRDスペクトルのピークの形状で左右対称でないと、膜または基板は非晶質状態であるとは言えない。
【0430】
また、膜または基板の結晶構造は、極微電子線回折法(NBED:Nano Beam Electron Diffraction)によって観察される回折パターン(極微電子線回折パターンともいう)にて評価することができる。例えば、石英ガラス基板の回折パターンでは、ハローが観察され、石英ガラスは、非晶質状態であることが確認できる。また、室温成膜したIGZO膜の回折パターンでは、ハローではなく、スポット状のパターンが観察される。このため、室温成膜したIGZO膜は、結晶状態でもなく、非晶質状態でもない、中間状態であり、非晶質状態であると結論することはできないと推定される。
【0431】
<<酸化物半導体の構造>>
なお、酸化物半導体は、構造に着目した場合、上記とは異なる分類となる場合がある。例えば、酸化物半導体は、単結晶酸化物半導体と、それ以外の非単結晶酸化物半導体と、に分けられる。非単結晶酸化物半導体としては、例えば、上述のCAAC-OS、及びnc-OSがある。また、非単結晶酸化物半導体には、多結晶酸化物半導体、擬似非晶質酸化物半導体(a-like OS:amorphous-like oxide semiconductor)、非晶質酸化物半導体、などが含まれる。
【0432】
ここで、上述のCAAC-OS、nc-OS、及びa-like OSの詳細について、説明を行う。
【0433】
[CAAC-OS]
CAAC-OSは、複数の結晶領域を有し、当該複数の結晶領域はc軸が特定の方向に配向している酸化物半導体である。なお、特定の方向とは、CAAC-OS膜の厚さ方向、CAAC-OS膜の被形成面の法線方向、またはCAAC-OS膜の表面の法線方向である。また、結晶領域とは、原子配列に周期性を有する領域である。なお、原子配列を格子配列とみなすと、結晶領域とは、格子配列の揃った領域でもある。さらに、CAAC-OSは、a-b面方向において複数の結晶領域が連結する領域を有し、当該領域は歪みを有する場合がある。なお、歪みとは、複数の結晶領域が連結する領域において、格子配列の揃った領域と、別の格子配列の揃った領域と、の間で格子配列の向きが変化している箇所を指す。つまり、CAAC-OSは、c軸配向し、a-b面方向には明らかな配向をしていない酸化物半導体である。
【0434】
なお、上記複数の結晶領域のそれぞれは、1つまたは複数の微小な結晶(最大径が10nm未満である結晶)で構成される。結晶領域が1つの微小な結晶で構成されている場合、当該結晶領域の最大径は10nm未満となる。また、結晶領域が多数の微小な結晶で構成されている場合、当該結晶領域の大きさは、数十nm程度となる場合がある。
【0435】
また、In-M-Zn酸化物(元素Mは、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、スズ、チタンなどから選ばれた一種、または複数種)において、CAAC-OSは、インジウム(In)、及び酸素を有する層(以下、In層)と、元素M、亜鉛(Zn)、及び酸素を有する層(以下、(M,Zn)層)とが積層した、層状の結晶構造(層状構造ともいう)を有する傾向がある。なお、インジウムと元素Mは、互いに置換可能である。よって、(M,Zn)層にはインジウムが含まれる場合がある。また、In層には元素Mが含まれる場合がある。なお、In層にはZnが含まれる場合もある。当該層状構造は、例えば、高分解能TEM(Transmission Electron Microscope)像において、格子像として観察される。
【0436】
CAAC-OS膜に対し、例えば、XRD装置を用いて構造解析を行うと、θ/2θスキャンを用いたOut-of-plane XRD測定では、c軸配向を示すピークが2θ=31°またはその近傍に検出される。なお、c軸配向を示すピークの位置(2θの値)は、CAAC-OSを構成する金属元素の種類、組成などにより変動する場合がある。
【0437】
また、例えば、CAAC-OS膜の電子線回折パターンにおいて、複数の輝点(スポット)が観測される。なお、あるスポットと別のスポットとは、試料を透過した入射電子線のスポット(ダイレクトスポットともいう)を対称中心として、点対称の位置に観測される。
【0438】
上記特定の方向から結晶領域を観察した場合、当該結晶領域内の格子配列は、六方格子を基本とするが、単位格子は正六角形とは限らず、非正六角形である場合がある。また、上記歪みにおいて、五角形、七角形などの格子配列を有する場合がある。なお、CAAC-OSにおいて、歪み近傍においても、明確な結晶粒界(グレインバウンダリー)を確認することはできない。即ち、格子配列の歪みによって、結晶粒界の形成が抑制されていることがわかる。これは、CAAC-OSが、a-b面方向において酸素原子の配列が稠密でないことや、金属原子が置換することで原子間の結合距離が変化することなどによって、歪みを許容することができるためと考えられる。
【0439】
なお、明確な結晶粒界が確認される結晶構造は、いわゆる多結晶(polycrystal)と呼ばれる。結晶粒界は、再結合中心となり、キャリアが捕獲されトランジスタのオン電流の低下、電界効果移動度の低下などを引き起こす可能性が高い。よって、明確な結晶粒界が確認されないCAAC-OSは、トランジスタの半導体層に好適な結晶構造を有する結晶性の酸化物の一つである。なお、CAAC-OSを構成するには、Znを有する構成が好ましい。例えば、In-Zn酸化物、及びIn-Ga-Zn酸化物は、In酸化物よりも結晶粒界の発生を抑制できるため好適である。
【0440】
CAAC-OSは、結晶性が高く、明確な結晶粒界が確認されない酸化物半導体である。よって、CAAC-OSは、結晶粒界に起因する電子移動度の低下が起こりにくいといえる。また、酸化物半導体の結晶性は不純物の混入や欠陥の生成などによって低下する場合があるため、CAAC-OSは不純物や欠陥(酸素欠損など)の少ない酸化物半導体ともいえる。従って、CAAC-OSを有する酸化物半導体は、物理的性質が安定する。そのため、CAAC-OSを有する酸化物半導体は熱に強く、信頼性が高い。また、CAAC-OSは、製造工程における高い温度(所謂サーマルバジェット)に対しても安定である。従って、OSトランジスタにCAAC-OSを用いると、製造工程の自由度を広げることが可能となる。
【0441】
[nc-OS]
nc-OSは、微小な領域(例えば、1nm以上10nm以下の領域、特に1nm以上3nm以下の領域)において原子配列に周期性を有する。別言すると、nc-OSは、微小な結晶を有する。なお、当該微小な結晶の大きさは、例えば、1nm以上10nm以下、特に1nm以上3nm以下であることから、当該微小な結晶をナノ結晶ともいう。また、nc-OSは、異なるナノ結晶間で結晶方位に規則性が見られない。そのため、膜全体で配向性が見られない。従って、nc-OSは、分析方法によっては、a-like OSや非晶質酸化物半導体と区別が付かない場合がある。例えば、nc-OS膜に対し、XRD装置を用いて構造解析を行うと、θ/2θスキャンを用いたOut-of-plane XRD測定では、結晶性を示すピークが検出されない。また、nc-OS膜に対し、ナノ結晶よりも大きいプローブ径(例えば50nm以上)の電子線を用いる電子線回折(制限視野電子線回折ともいう。)を行うと、ハローパターンのような回折パターンが観測される。一方、nc-OS膜に対し、ナノ結晶の大きさと近いかナノ結晶より小さいプローブ径(例えば1nm以上30nm以下)の電子線を用いる電子線回折(ナノビーム電子線回折ともいう。)を行うと、ダイレクトスポットを中心とするリング状の領域内に複数のスポットが観測される電子線回折パターンが取得される場合がある。
【0442】
[a-like OS]
a-like OSは、nc-OSと非晶質酸化物半導体との間の構造を有する酸化物半導体である。a-like OSは、鬆または低密度領域を有する。即ち、a-like OSは、nc-OS及びCAAC-OSと比べて、結晶性が低い。また、a-like OSは、nc-OS及びCAAC-OSと比べて、膜中の水素濃度が高い。
【0443】
<<酸化物半導体の構成>>
次に、上述のCAC-OSの詳細について、説明を行う。なお、CAC-OSは材料構成に関する。
【0444】
[CAC-OS]
CAC-OSとは、例えば、金属酸化物を構成する元素が、0.5nm以上10nm以下、好ましくは、1nm以上3nm以下、またはその近傍のサイズで偏在した材料の一構成である。なお、以下では、金属酸化物において、一つまたは複数の金属元素が偏在し、該金属元素を有する領域が、0.5nm以上10nm以下、好ましくは、1nm以上3nm以下、またはその近傍のサイズで混合した状態をモザイク状、またはパッチ状ともいう。
【0445】
さらに、CAC-OSとは、第1の領域と、第2の領域と、に材料が分離することでモザイク状となり、当該第1の領域が、膜中に分布した構成(以下、クラウド状ともいう。)である。つまり、CAC-OSは、当該第1の領域と、当該第2の領域とが、混合している構成を有する複合金属酸化物である。
【0446】
ここで、In-Ga-Zn酸化物におけるCAC-OSを構成する金属元素に対するIn、Ga、及びZnの原子数比のそれぞれを、[In]、[Ga]、及び[Zn]と表記する。例えば、In-Ga-Zn酸化物におけるCAC-OSにおいて、第1の領域は、[In]が、CAC-OS膜の組成における[In]よりも大きい領域である。また、第2の領域は、[Ga]が、CAC-OS膜の組成における[Ga]よりも大きい領域である。または、例えば、第1の領域は、[In]が、第2の領域における[In]よりも大きく、且つ、[Ga]が、第2の領域における[Ga]よりも小さい領域である。また、第2の領域は、[Ga]が、第1の領域における[Ga]よりも大きく、且つ、[In]が、第1の領域における[In]よりも小さい領域である。
【0447】
具体的には、上記第1の領域は、インジウム酸化物、インジウム亜鉛酸化物などが主成分である領域である。また、上記第2の領域は、ガリウム酸化物、ガリウム亜鉛酸化物などが主成分である領域である。つまり、上記第1の領域を、Inを主成分とする領域と言い換えることができる。また、上記第2の領域を、Gaを主成分とする領域と言い換えることができる。
【0448】
なお、上記第1の領域と、上記第2の領域とは、明確な境界が観察できない場合がある。
【0449】
また、In-Ga-Zn酸化物におけるCAC-OSとは、In、Ga、Zn、及びOを含む材料構成において、一部にGaを主成分とする領域と、一部にInを主成分とする領域とが、それぞれモザイク状であり、これらの領域がランダムに存在している構成をいう。よって、CAC-OSは、金属元素が不均一に分布した構造を有していると推測される。
【0450】
CAC-OSは、例えば基板を加熱しない条件で、スパッタリング法により形成することができる。また、CAC-OSをスパッタリング法で形成する場合、成膜ガスとして、不活性ガス(代表的にはアルゴン)、酸素ガス、及び窒素ガスの中から選ばれたいずれか一つまたは複数を用いればよい。また、成膜時の成膜ガスの総流量に対する酸素ガスの流量比は低いほど好ましく、例えば、成膜時の成膜ガスの総流量に対する酸素ガスの流量比を0%以上30%未満、好ましくは0%以上10%以下とすることが好ましい。
【0451】
また、例えば、In-Ga-Zn酸化物におけるCAC-OSでは、エネルギー分散型X線分光法(EDX:Energy Dispersive X-ray spectroscopy)を用いて取得したEDXマッピングにより、Inを主成分とする領域(第1の領域)と、Gaを主成分とする領域(第2の領域)とが、偏在し、混合している構造を有することが確認できる。
【0452】
ここで、第1の領域は、第2の領域と比較して、導電性が高い領域である。つまり、第1の領域を、キャリアが流れることにより、金属酸化物としての導電性が発現する。従って、第1の領域が、金属酸化物中にクラウド状に分布することで、高い電界効果移動度(μ)が実現できる。
【0453】
一方、第2の領域は、第1の領域と比較して、絶縁性が高い領域である。つまり、第2の領域が、金属酸化物中に分布することで、リーク電流を抑制することができる。
【0454】
従って、CAC-OSをトランジスタに用いる場合、第1の領域に起因する導電性と、第2の領域に起因する絶縁性とが、相補的に作用することにより、スイッチングさせる機能(On/Offさせる機能)をCAC-OSに付与することができる。つまり、CAC-OSとは、材料の一部では導電性の機能と、材料の一部では絶縁性の機能とを有し、材料の全体では半導体としての機能を有する。導電性の機能と絶縁性の機能とを分離させることで、双方の機能を最大限に高めることができる。よって、CAC-OSをトランジスタに用いることで、高いオン電流(Ion)、高い電界効果移動度(μ)、及び良好なスイッチング動作を実現することができる。
【0455】
また、CAC-OSを用いたトランジスタは、信頼性が高い。従って、CAC-OSは、表示装置をはじめとするさまざまな半導体装置に最適である。
【0456】
酸化物半導体は、多様な構造をとり、それぞれが異なる特性を有する。本発明の一態様の酸化物半導体は、非晶質酸化物半導体、多結晶酸化物半導体、a-like OS、CAC-OS、nc-OS、CAAC-OSのうち、二種以上を有していてもよい。
【0457】
<酸化物半導体を有するトランジスタ>
続いて、上記酸化物半導体をトランジスタに用いる場合について説明する。
【0458】
上記酸化物半導体をトランジスタに用いることで、高い電界効果移動度のトランジスタを実現することができる。また、信頼性の高いトランジスタを実現することができる。
【0459】
トランジスタには、キャリア濃度の低い酸化物半導体を用いることが好ましい。例えば、酸化物半導体のキャリア濃度は1×1017cm-3以下、好ましくは1×1015cm-3以下、さらに好ましくは1×1013cm-3以下、より好ましくは1×1011cm-3以下、さらに好ましくは1×1010cm-3未満であり、1×10-9cm-3以上である。なお、酸化物半導体膜のキャリア濃度を低くする場合においては、酸化物半導体膜中の不純物濃度を低くし、欠陥準位密度を低くすればよい。本明細書等において、不純物濃度が低く、欠陥準位密度の低いことを高純度真性または実質的に高純度真性と言う。なお、キャリア濃度の低い酸化物半導体を、高純度真性または実質的に高純度真性な酸化物半導体と呼ぶ場合がある。
【0460】
また、高純度真性または実質的に高純度真性である酸化物半導体膜は、欠陥準位密度が低いため、トラップ準位密度も低くなる場合がある。
【0461】
また、酸化物半導体のトラップ準位に捕獲された電荷は、消失するまでに要する時間が長く、あたかも固定電荷のように振る舞うことがある。そのため、トラップ準位密度の高い酸化物半導体にチャネル形成領域が形成されるトランジスタは、電気特性が不安定となる場合がある。
【0462】
従って、トランジスタの電気特性を安定にするためには、酸化物半導体中の不純物濃度を低減することが有効である。また、酸化物半導体中の不純物濃度を低減するためには、近接する膜中の不純物濃度も低減することが好ましい。不純物としては、水素、窒素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、鉄、ニッケル、シリコン等がある。
【0463】
<不純物>
ここで、酸化物半導体中における各不純物の影響について説明する。
【0464】
酸化物半導体において、第14族元素の一つであるシリコンや炭素が含まれると、酸化物半導体において欠陥準位が形成される。このため、酸化物半導体におけるシリコンや炭素の濃度と、酸化物半導体との界面近傍のシリコンや炭素の濃度(二次イオン質量分析法(SIMS:Secondary Ion Mass Spectrometry)により得られる濃度)を、2×1018atoms/cm以下、好ましくは2×1017atoms/cm以下とする。
【0465】
また、酸化物半導体にアルカリ金属またはアルカリ土類金属が含まれると、欠陥準位を形成し、キャリアを生成する場合がある。従って、アルカリ金属またはアルカリ土類金属が含まれている酸化物半導体を用いたトランジスタはノーマリーオン特性となりやすい。このため、SIMSにより得られる酸化物半導体中のアルカリ金属またはアルカリ土類金属の濃度を、1×1018atoms/cm以下、好ましくは2×1016atoms/cm以下にする。
【0466】
また、酸化物半導体において、窒素が含まれると、キャリアである電子が生じ、キャリア濃度が増加し、n型化しやすい。この結果、窒素が含まれている酸化物半導体を半導体に用いたトランジスタはノーマリーオン特性となりやすい。または、酸化物半導体において、窒素が含まれると、トラップ準位が形成される場合がある。この結果、トランジスタの電気特性が不安定となる場合がある。このため、SIMSにより得られる酸化物半導体中の窒素濃度を、5×1019atoms/cm未満、好ましくは5×1018atoms/cm以下、より好ましくは1×1018atoms/cm以下、さらに好ましくは5×1017atoms/cm以下にする。
【0467】
また、酸化物半導体に含まれる水素は、金属原子と結合する酸素と反応して水になるため、酸素欠損を形成する場合がある。該酸素欠損に水素が入ることで、キャリアである電子が生成される場合がある。また、水素の一部が金属原子と結合する酸素と結合して、キャリアである電子を生成することがある。従って、水素が含まれている酸化物半導体を用いたトランジスタはノーマリーオン特性となりやすい。このため、酸化物半導体中の水素はできる限り低減されていることが好ましい。具体的には、酸化物半導体において、SIMSにより得られる水素濃度を、1×1020atoms/cm未満、好ましくは1×1019atoms/cm未満、より好ましくは5×1018atoms/cm未満、さらに好ましくは1×1018atoms/cm未満にする。
【0468】
不純物が十分に低減された酸化物半導体をトランジスタのチャネル形成領域に用いることで、安定した電気特性を付与することができる。
【0469】
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
【0470】
(実施の形態4)
本実施の形態では、本発明の一態様の電子機器について、図19図21を用いて説明する。
【0471】
本実施の形態の電子機器は、本発明の一態様の表示装置を有する。例えば、電子機器の表示部に、本発明の一態様の表示装置を適用することができる。本発明の一態様の表示装置は、光を検出する機能を有するため、表示部で生体認証を行うことや、タッチ動作(接触または近接)を検出することができる。これにより、電子機器の機能性や利便性などを高めることができる。
【0472】
電子機器としては、例えば、テレビジョン装置、デスクトップ型もしくはノート型のパーソナルコンピュータ、コンピュータ用などのモニタ、デジタルサイネージ、パチンコ機などの大型ゲーム機などの比較的大きな画面を備える電子機器の他、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、デジタルフォトフレーム、携帯電話機、携帯型ゲーム機、携帯情報端末、音響再生装置、などが挙げられる。
【0473】
本実施の形態の電子機器は、センサ(力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、化学物質、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、においまたは赤外線を測定する機能を含むもの)を有していてもよい。
【0474】
本実施の形態の電子機器は、様々な機能を有することができる。例えば、様々な情報(静止画、動画、テキスト画像など)を表示部に表示する機能、タッチパネル機能、カレンダー、日付または時刻などを表示する機能、様々なソフトウェア(プログラム)を実行する機能、無線通信機能、記録媒体に記録されているプログラムまたはデータを読み出す機能等を有することができる。
【0475】
図19Aに示す電子機器6500は、スマートフォンとして用いることのできる携帯情報端末機である。
【0476】
電子機器6500は、筐体6501、表示部6502、電源ボタン6503、ボタン6504、スピーカ6505、マイク6506、カメラ6507、及び光源6508等を有する。表示部6502はタッチパネル機能を備える。
【0477】
表示部6502に、本発明の一態様の表示装置を適用することができる。
【0478】
図19Bは、筐体6501のマイク6506側の端部を含む断面概略図である。
【0479】
筐体6501の表示面側には透光性を有する保護部材6510が設けられ、筐体6501と保護部材6510に囲まれた空間内に、表示パネル6511、光学部材6512、タッチセンサパネル6513、プリント基板6517、バッテリ6518等が配置されている。
【0480】
保護部材6510には、表示パネル6511、光学部材6512、及びタッチセンサパネル6513が接着層(図示しない)により固定されている。
【0481】
表示部6502よりも外側の領域において、表示パネル6511の一部が折り返されており、当該折り返された部分にFPC6515が接続されている。FPC6515には、IC6516が実装されている。FPC6515は、プリント基板6517に設けられた端子に接続されている。
【0482】
表示パネル6511には本発明の一態様のフレキシブルディスプレイを適用することができる。そのため、極めて軽量な電子機器を実現できる。また、表示パネル6511が極めて薄いため、電子機器の厚さを抑えつつ、大容量のバッテリ6518を搭載することもできる。また、表示パネル6511の一部を折り返して、画素部の裏側にFPC6515との接続部を配置することにより、狭額縁の電子機器を実現できる。
【0483】
表示パネル6511に、本発明の一態様の表示装置を用いることで、表示部6502で撮像を行うことができる。例えば、表示パネル6511で指紋を撮像し、指紋認証を行うことができる。
【0484】
表示部6502が、さらに、タッチセンサパネル6513を有することで、表示部6502に、タッチパネル機能を付与することができる。タッチセンサパネル6513としては、静電容量方式、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式、光学方式、感圧方式など様々な方式を用いることができる。または、表示パネル6511を、タッチセンサとして機能させてもよく、その場合、タッチセンサパネル6513を設けなくてもよい。
【0485】
図20Aにテレビジョン装置の一例を示す。テレビジョン装置7100は、筐体7101に表示部7000が組み込まれている。ここでは、スタンド7103により筐体7101を支持した構成を示している。
【0486】
表示部7000に、本発明の一態様の表示装置を適用することができる。
【0487】
図20Aに示すテレビジョン装置7100の操作は、筐体7101が備える操作スイッチや、別体のリモコン操作機7111により行うことができる。または、表示部7000にタッチセンサを備えていてもよく、指等で表示部7000に触れることでテレビジョン装置7100を操作してもよい。リモコン操作機7111は、当該リモコン操作機7111から出力する情報を表示する表示部を有していてもよい。リモコン操作機7111が備える操作キーまたはタッチパネルにより、チャンネル及び音量の操作を行うことができ、表示部7000に表示される映像を操作することができる。
【0488】
なお、テレビジョン装置7100は、受信機及びモデムなどを備えた構成とする。受信機により一般のテレビ放送の受信を行うことができる。また、モデムを介して有線または無線による通信ネットワークに接続することにより、一方向(送信者から受信者)または双方向(送信者と受信者間、あるいは受信者間同士など)の情報通信を行うことも可能である。
【0489】
図20Bに、ノート型パーソナルコンピュータの一例を示す。ノート型パーソナルコンピュータ7200は、筐体7211、キーボード7212、ポインティングデバイス7213、外部接続ポート7214等を有する。筐体7211に、表示部7000が組み込まれている。
【0490】
表示部7000に、本発明の一態様の表示装置を適用することができる。
【0491】
図20C図20Dに、デジタルサイネージの一例を示す。
【0492】
図20Cに示すデジタルサイネージ7300は、筐体7301、表示部7000、及びスピーカ7303等を有する。さらに、LEDランプ、操作キー(電源スイッチ、または操作スイッチを含む)、接続端子、各種センサ、マイクロフォン等を有することができる。
【0493】
図20Dは円柱状の柱7401に取り付けられたデジタルサイネージ7400である。デジタルサイネージ7400は、柱7401の曲面に沿って設けられた表示部7000を有する。
【0494】
図20C図20Dにおいて、表示部7000に、本発明の一態様の表示装置を適用することができる。
【0495】
表示部7000が広いほど、一度に提供できる情報量を増やすことができる。また、表示部7000が広いほど、人の目につきやすく、例えば、広告の宣伝効果を高めることができる。
【0496】
表示部7000にタッチパネルを適用することで、表示部7000に画像または動画を表示するだけでなく、ユーザーが直感的に操作することができ、好ましい。また、路線情報もしくは交通情報などの情報を提供するための用途に用いる場合には、直感的な操作によりユーザビリティを高めることができる。
【0497】
また、図20C図20Dに示すように、デジタルサイネージ7300またはデジタルサイネージ7400は、ユーザーが所持するスマートフォン等の情報端末機7311または情報端末機7411と無線通信により連携可能であることが好ましい。例えば、表示部7000に表示される広告の情報を、情報端末機7311または情報端末機7411の画面に表示させることができる。また、情報端末機7311または情報端末機7411を操作することで、表示部7000の表示を切り替えることができる。
【0498】
また、デジタルサイネージ7300またはデジタルサイネージ7400に、情報端末機7311または情報端末機7411の画面を操作手段(コントローラ)としたゲームを実行させることもできる。これにより、不特定多数のユーザーが同時にゲームに参加し、楽しむことができる。
【0499】
図21A図21Fに示す電子機器は、筐体9000、表示部9001、スピーカ9003、操作キー9005(電源スイッチ、または操作スイッチを含む)、接続端子9006、センサ9007(力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、化学物質、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、においまたは赤外線を測定する機能を含むもの)、マイクロフォン9008、等を有する。
【0500】
図21A図21Fに示す電子機器は、様々な機能を有する。例えば、様々な情報(静止画、動画、テキスト画像など)を表示部に表示する機能、タッチパネル機能、カレンダー、日付または時刻などを表示する機能、様々なソフトウェア(プログラム)によって処理を制御する機能、無線通信機能、記録媒体に記録されているプログラムまたはデータを読み出して処理する機能、等を有することができる。なお、電子機器の機能はこれらに限られず、様々な機能を有することができる。電子機器は、複数の表示部を有していてもよい。また、電子機器にカメラ等を設け、静止画や動画を撮影し、記録媒体(外部またはカメラに内蔵)に保存する機能、撮影した画像を表示部に表示する機能、等を有していてもよい。
【0501】
図21A図21Fに示す電子機器の詳細について、以下説明を行う。
【0502】
図21Aは、携帯情報端末9101を示す斜視図である。携帯情報端末9101は、例えばスマートフォンとして用いることができる。なお、携帯情報端末9101は、スピーカ9003、接続端子9006、センサ9007等を設けてもよい。また、携帯情報端末9101は、文字や画像情報をその複数の面に表示することができる。図21Aでは3つのアイコン9050を表示した例を示している。また、破線の矩形で示す情報9051を表示部9001の他の面に表示することもできる。情報9051の一例としては、電子メール、SNS、電話などの着信の通知、電子メールやSNSなどの題名、送信者名、日時、時刻、バッテリの残量、電波強度などがある。または、情報9051が表示されている位置にはアイコン9050などを表示してもよい。
【0503】
図21Bは、携帯情報端末9102を示す斜視図である。携帯情報端末9102は、表示部9001の3面以上に情報を表示する機能を有する。ここでは、情報9052、情報9053、情報9054がそれぞれ異なる面に表示されている例を示す。例えばユーザーは、洋服の胸ポケットに携帯情報端末9102を収納した状態で、携帯情報端末9102の上方から観察できる位置に表示された情報9053を確認することもできる。ユーザーは、携帯情報端末9102をポケットから取り出すことなく表示を確認し、例えば電話を受けるか否かを判断できる。
【0504】
図21Cは、腕時計型の携帯情報端末9200を示す斜視図である。携帯情報端末9200は、例えばスマートウォッチとして用いることができる。また、表示部9001はその表示面が湾曲して設けられ、湾曲した表示面に沿って表示を行うことができる。また、携帯情報端末9200は、例えば無線通信可能なヘッドセットと相互通信することによって、ハンズフリーで通話することもできる。また、携帯情報端末9200は、接続端子9006により、他の情報端末と相互にデータ伝送を行うことや、充電を行うこともできる。なお、充電動作は無線給電により行ってもよい。
【0505】
図21D図21Fは、折り畳み可能な携帯情報端末9201を示す斜視図である。また、図21Dは携帯情報端末9201を展開した状態、図21Fは折り畳んだ状態、図21E図21D図21Fの一方から他方に変化する途中の状態の斜視図である。携帯情報端末9201は、折り畳んだ状態では可搬性に優れ、展開した状態では継ぎ目のない広い表示領域により表示の一覧性に優れる。携帯情報端末9201が有する表示部9001は、ヒンジ9055によって連結された3つの筐体9000に支持されている。例えば、表示部9001は、曲率半径0.1mm以上150mm以下で曲げることができる。
【0506】
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0507】
B1:副画素、B2:副画素、C1:容量、C2:容量、L1:最短距離、L2:最短距離、M1:トランジスタ、M2:トランジスタ、M3:トランジスタ、M4:トランジスタ、M5:トランジスタ、M6:トランジスタ、M7:トランジスタ、M8:トランジスタ、M9:トランジスタ、M10:トランジスタ、M11:トランジスタ、M12:トランジスタ、M13:トランジスタ、M14:トランジスタ、OUT1:配線、OUT2:配線、P11:輝度値、P12:輝度値、P13:輝度値、P14:輝度値、P15:輝度値、P21:輝度値、P22:輝度値、P23:輝度値、P24:輝度値、P25:輝度値、PIX1:画素回路、PIX2:画素回路、PIX3:画素回路、V0:配線、V1:配線、V2:配線、V3:配線、V4:配線、V5:配線、100A:表示装置、100B:表示装置、100C:表示装置、100D:表示装置、100E:表示装置、110:受光デバイス、112:共通層、114:共通層、115:共通電極、116:保護層、121:発光、121B:光、121G:光、121R:光、122:光、123:光、123a:迷光、123b:迷光、124:反射光、131:トランジスタ、132:トランジスタ、142:接着層、151:基板、152:基板、153:基板、154:基板、155:接着層、156:接着層、157:絶縁層、158:遮光層、159:樹脂層、159p:開口、162:表示部、164:回路、165:配線、166:導電層、167:導電層、169:導電層、172:FPC、173:IC、182:バッファ層、183:活性層、184:バッファ層、190:発光デバイス、190B:発光デバイス、190G:発光デバイス、190R:発光デバイス、190R-PD:受発光デバイス、191:画素電極、192:バッファ層、192B:バッファ層、192G:バッファ層、192R:バッファ層、193:発光層、193B:発光層、193G:発光層、193R:発光層、194:バッファ層、194B:バッファ層、194G:バッファ層、194R:バッファ層、200A:表示装置、200B:表示装置、201:基板、202:指、203:受光デバイスを有する層、204:受発光デバイスを有する層、205:機能層、207:発光デバイスを有する層、208:スタイラス、209:基板、211:絶縁層、212:絶縁層、213:絶縁層、214:絶縁層、214a:絶縁層、214b:絶縁層、215:絶縁層、216:隔壁、219a:遮光層、219b:スペーサ、221:導電層、222a:導電層、222b:導電層、223:導電層、225:絶縁層、228:領域、231:半導体層、231i:チャネル形成領域、231n:低抵抗領域、240:トランジスタ、241:トランジスタ、242:接続層、243:トランジスタ、244:接続部、245:トランジスタ、246:トランジスタ、247:トランジスタ、248:トランジスタ、249:トランジスタ、251:基板、252:トランジスタ、255:機能層、259:基板、261:接触部、262:指紋、263:撮像範囲、266:軌跡、270B:発光デバイス、270B1:発光デバイス、270B2:発光デバイス、270G:発光デバイス、270PD:受光デバイス、270R:発光デバイス、270R-PD:受発光デバイス、271:画素電極、272:光学調整層、272B:光学調整層、272G:光学調整層、272PD:光学調整層、272R:光学調整層、273:活性層、275:共通電極、277:電極、278:電極、280A:表示装置、280B:表示装置、280C:表示装置、280D:表示装置、280E:表示装置、280F:表示装置、280G:表示装置、281:正孔注入層、282:正孔輸送層、282B1:正孔輸送層、282B2:正孔輸送層、282G:正孔輸送層、282PD:正孔輸送層、282R:正孔輸送層、283:発光層、283B:発光層、283B1:発光層、283B2:発光層、283G:発光層、283R:発光層、284:電子輸送層、285:電子注入層、286a:ユニット、286b:ユニット、287:中間層、289:発光層と活性層を兼ねる層、290B:発光デバイス、295:受光デバイス、300:画素、300a:画素、300b:画素、300c:画素、305:光、320:対象画素、320a:対象画素、320b:対象画素、330:副画素、330a:画素、330b:画素、330c:画素、330d:画素、340:指、6500:電子機器、6501:筐体、6502:表示部、6503:電源ボタン、6504:ボタン、6505:スピーカ、6506:マイク、6507:カメラ、6508:光源、6510:保護部材、6511:表示パネル、6512:光学部材、6513:タッチセンサパネル、6515:FPC、6516:IC、6517:プリント基板、6518:バッテリ、7000:表示部、7100:テレビジョン装置、7101:筐体、7103:スタンド、7111:リモコン操作機、7200:ノート型パーソナルコンピュータ、7211:筐体、7212:キーボード、7213:ポインティングデバイス、7214:外部接続ポート、7300:デジタルサイネージ、7301:筐体、7303:スピーカ、7311:情報端末機、7400:デジタルサイネージ、7401:柱、7411:情報端末機、9000:筐体、9001:表示部、9003:スピーカ、9005:操作キー、9006:接続端子、9007:センサ、9008:マイクロフォン、9050:アイコン、9051:情報、9052:情報、9053:情報、9054:情報、9055:ヒンジ、9101:携帯情報端末、9102:携帯情報端末、9200:携帯情報端末、9201:携帯情報端末
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図1G
図1H
図1J
図1K
図1L
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図2G
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図5A
図5B
図6
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
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図8E
図8F
図9A
図9B
図9C
図10A
図10B
図11
図12A
図12B
図12C
図13A
図13B
図13C
図14
図15A
図15B
図16
図17A
図17B
図18A
図18B
図18C
図19A
図19B
図20A
図20B
図20C
図20D
図21A
図21B
図21C
図21D
図21E
図21F