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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-25
(45)【発行日】2024-07-03
(54)【発明の名称】LIDAR送信機および受信機の光学系
(51)【国際特許分類】
   G01S 7/481 20060101AFI20240626BHJP
   G01C 3/06 20060101ALI20240626BHJP
【FI】
G01S7/481 A
G01C3/06 120Q
G01C3/06 140
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2021552214
(86)(22)【出願日】2020-03-02
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-20
(86)【国際出願番号】 US2020020648
(87)【国際公開番号】W WO2020180786
(87)【国際公開日】2020-09-10
【審査請求日】2021-10-25
(31)【優先権主張番号】62/813,867
(32)【優先日】2019-03-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】317015065
【氏名又は名称】ウェイモ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100126480
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 睦
(72)【発明者】
【氏名】ガッサン,ブレイズ
(72)【発明者】
【氏名】シェパード,ラルフ
(72)【発明者】
【氏名】ドロズ,ピエール-イヴ
【審査官】藤脇 昌也
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-534346(JP,A)
【文献】国際公開第2017/010176(WO,A1)
【文献】特開2015-203758(JP,A)
【文献】実開平03-014478(JP,U)
【文献】国際公開第2018/091970(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/48 - 7/51
17/00 - 17/95
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
LIDARシステムであって、
送信機であって、
放射光を放射するように構成された発光体デバイスであって、前記発光体デバイスがレーザダイオードバーを備え、前記レーザダイオードバーの前記放射光を放射する表面が基準面を画定する、発光体デバイスと、
前記基準面に光学的に結合された速軸コリメーション(FAC)レンズであって、前記FACレンズのレンズ軸が前記基準面に対して非ゼロ角度にあることによって、前記FACレンズの放射光に関する遠視野ビームの位置、及び、前記遠視野ビームのプロファイルの少なくとも一方が調整可能である、FACレンズと、
前記FACレンズに光学的に結合された送信レンズと、を備える送信機と、
受信機であって、
受信レンズと、
前記受信レンズに光学的に結合された光検出器と、を備える受信機と、を備える、LIDARシステム。
【請求項2】
前記FACレンズが、円柱レンズを備え、前記レンズ軸が、前記円柱レンズの円柱軸によって画定される、請求項1に記載のLIDARシステム。
【請求項3】
前記FACレンズが、非円柱レンズを備え、前記レンズ軸が、前記非円柱レンズの円柱軸によって画定される、請求項1に記載のLIDARシステム。
【請求項4】
前記非ゼロ角度が、前記基準面に対して0度~0.5度のロール角を含む、請求項1に記載のLIDARシステム。
【請求項5】
前記非ゼロ角度が、前記基準面に対して0.5度~20度のロール角を含む、請求項1に記載のLIDARシステム。
【請求項6】
前記基準面が、前記レーザダイオードバーのアクティブ層の少なくとも1つの表面によって画定される、請求項1に記載のLIDARシステム。
【請求項7】
前記基準面がファセット面を画定し、前記FACレンズの速軸が前記ファセット面に非平行である、請求項1に記載のLIDARシステム。
【請求項8】
前記FACレンズの前記速軸が、前記ファセット面に対して0度~0.5度のピッチ角を形成する、請求項7に記載のLIDARシステム。
【請求項9】
前記FACレンズの前記速軸が、前記ファセット面に対して0.5度~20度のピッチ角を形成する、請求項7に記載のLIDARシステム。
【請求項10】
前記基準面がファセット面を画定し、前記FACレンズの後面が前記ファセット面に非平行である、請求項1に記載のLIDARシステム。
【請求項11】
前記FACレンズの前記後面が、前記ファセット面に対して0度~0.5度のヨー角を形成する、請求項10に記載のLIDARシステム。
【請求項12】
前記FACレンズの前記後面が、前記ファセット面に対して5度~20度のヨー角を形成する、請求項10に記載のLIDARシステム。
【請求項13】
前記非ゼロ角度が、前記放射光の前記プロファイルを前記送信レンズに集中するように構成されている、請求項1に記載のLIDARシステム。
【請求項14】
前記FACレンズが、接着剤、硬化性エポキシ、またはクランプのうちの少なくとも1つを用いて、前記発光体デバイスに対して固定されている、請求項1に記載のLIDARシステム。
【請求項15】
前記光検出器が、光検出領域形状を有する光検出領域を含み、前記受信レンズが、前記光検出領域形状に対応する形状を有する、請求項1に記載のLIDARシステム。
【請求項16】
前記光検出領域形状が、正方形または矩形であり、前記受信レンズが、正方形または矩形形状であり、前記送信レンズが、正方形または矩形形状である、請求項15に記載のLIDARシステム。
【請求項17】
前記光検出器が、シリコン光電子増倍管(SiPM)デバイス、単一光子アバランシェフォトダイオード(SPAD)、アバランシェフォトダイオード(APD)、またはマルチピクセル光子カウンタ(MPPC)のうちの少なくとも1つを備える、請求項1に記載のLIDARシステム。
【請求項18】
車両であって、
光学システムであって、
送信機であって、前記送信機が、
放射光を放射するように構成された発光体デバイスであって、前記発光体デバイスがレーザダイオードバーを備え、前記レーザダイオードバーの前記放射光を放射する表面が基準面を画定する、発光体デバイスと、
前記基準面に光学的に結合された速軸コリメーション(FAC)レンズであって、前記FACレンズのレンズ軸が前記基準面に対して非ゼロ角度にあることによって、前記FACレンズの放射光に関する遠視野ビームの位置、及び、前記遠視野ビームのプロファイルの少なくとも一方が調整可能である、FACレンズと、
前記FACレンズに光学的に結合された送信レンズと、を備える送信機を備える光学システムと、
受信機であって、前記受信機が、
受信レンズと、
前記受信レンズに光学的に結合された光検出器と、を備える受信機と、を備える、車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年3月5日に出願された「LIDAR Transmitter and Receiver Optics」と題する米国特許出願第62/813,867号の優先権を主張し、その全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
従来の光検出および測距(LIDAR)システムは、発光送信機(例えば、レーザダイオード)を利用して、環境に光パルスを放射することができる。環境内の物体と相互作用する(例えば、物体に反射する)放射された光パルスは、LIDARシステムの受信機(例えば、光検出器)によって受信することができる。環境内の物体に関する距離情報は、光パルスが放射された最初の時間と、反射された光パルスが受信された後続の時間との間の時間差に基づいて決定することができる。
【発明の概要】
【0003】
本開示は、概して、光学システム(例えば、LIDARまたはLIDARシステム)ならびにそれらの送信機および受信機サブシステムの特定の態様に関する。
【0004】
第1の態様では、光学システムが提供される。光学システムは送信機を含む。送信機は、放射光を放射するように構成された発光体デバイスを含む。発光体デバイスは、基準面を画定する。送信機は、発光体デバイスに光学的に結合された速軸コリメーション(FAC)レンズを含む。FACレンズのレンズ軸は、基準面に対して非ゼロ角度にある。送信機は、FACレンズに光学的に結合された送信レンズを含む。光学システムは、受信機を含む。受信機は、受信レンズ、およびその受信レンズに光学的に結合された光検出器を含む。
【0005】
第2の態様では、車両が提供される。車両は、光学システムを含む。光学システムは、送信機および受信機を含む。送信機は、放射光を放射するように構成された発光体デバイスを含む。発光体デバイスは、基準面を画定する。送信機は、発光体デバイスに光学的に結合された速軸コリメーション(FAC)レンズも含む。FACレンズのレンズ軸は、基準面に対して非ゼロ角度にある。送信機は、FACレンズに光学的に結合された送信レンズを含む。受信機は、受信レンズ、およびその受信レンズに光学的に結合された光検出器を含む。
【0006】
他の態様、実施形態、および実装形態は、当業者には、以下の詳細な説明を添付の図面を適宜参照して読み取ることにより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】例示的な実施形態による光学システムを示す。
図2A】例示的な実施形態による、送信機の一部分を示す。
図2B】例示的な実施形態による、送信機のいくつかの部分を示す。
図2C】例示的な実施形態による、送信機の上面図を示す。
図2D】例示的な実施形態による、送信機の上面図を示す。
図2E】例示的な実施形態による、送信機の正面図を示す。
図2F】例示的な実施形態による、送信機の正面図を示す。
図2G】例示的な実施形態による、送信機の側面図を示す。
図2H】例示的な実施形態による、送信機の側面図を示す。
図2I】例示的な実施形態による、送信機の側面図を示す。
図2J】例示的な実施形態による、送信機の側面図を示す。
図3A】例示的な実施形態による、送受信機の側面図を示す。
図3B】例示的な実施形態による、送受信機の上面図を示す。
図3C】例示的な実施形態による、送受信機の斜視図を示す。
図3D】例示的な実施形態による、様々なレンズ形状を示す。
図4】例示的な実施形態による、光学システムを示す。
図5A】例示的な実施形態による、車両を示す。
図5B】例示的な実施形態による、車両を示す。
図5C】例示的な実施形態による、車両を示す。
図5D】例示的な実施形態による、車両を示す。
図5E】例示的な実施形態による、車両を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
例示的な方法、デバイス、およびシステムが本明細書において説明される。「例」および「例示的」という語は、本明細書においては、「例、事例、または例示としての役割を果たす」ことを意味するために使用されることを理解されたい。本明細書において「例」または「例示的」であるとして説明されるいずれの実施形態または特徴も、他の実施形態または特徴よりも好ましい、または有利であると必ずしも解釈されるべきではない。本明細書において提示される主題の範囲から逸脱することなく、他の実施形態を利用することができ、他の変更を行うことができる。
【0009】
このように、本明細書において説明される例示的な実施形態は、限定を意味するものではない。本明細書において概して説明され、図に例示される本開示の態様は、多種多様な異なる構成で配置する、置き換える、組み合わせる、分離する、および設計することができ、これらの構成のすべてが本明細書において想到される。
【0010】
さらに、文脈が特に示唆していない限り、これらの図の各図に示されている特徴は、互いに組み合わせて使用することができる。このように、図は、概して、例示される全ての特徴が実施形態ごとに必要である訳ではないという理解の下に、1つ以上の実施形態全体の構成要素の態様として考えられるべきである。
【0011】
I.概要
LIDARデバイスは、送信経路内の1つ以上の光学素子(例えば、送信レンズ、回転ミラー、および光学窓)を介してLIDARデバイスの環境に光を送信するように構成された光送信機と、送信機から送信され、かつ環境内の物体によって反射された光を受信経路における1つ以上の光学素子(例えば、光学窓、回転ミラー、受信レンズ、およびピンホールアパーチャ)を介して検出するように構成された光検出器と、を含む。光送信機は、例えば、速軸および遅軸に沿って発散する光を放射する(例えば、1つ以上のレーザダイオードバーからなる)レーザダイであり得る。レーザダイは、レーザダイによって放射された光の速軸をコリメートして、部分的にコリメートされた送信光を提供する速軸コリメート(FAC)レンズ(例えば、円柱レンズ)に光学的に結合することができる。FACレンズは、送信光がビームサイズ、位置、方向、および発散に関して所望の特性を有するように、レーザダイに対して位置決めすることができる。例えば、送信光は、光が送信経路を通過してLIDARデバイスの環境に入り、次いで環境内の物体によって反射されてLIDARデバイスに戻り、受信経路を通って検出機によって受信され得るような方向を有するべきである。FACレンズがレーザダイに対して不正確に位置決めされた場合、結果として得られる送信光は、送信経路を通過する適切な方向にないことがあるか、または送信光は、環境内の物体からの反射光が検出器に到達できないような方向に送信経路を通過して環境に入ることがある。追加的または代替的に、FACレンズの位置は、送信光の焦点または他の特性(例えば、ビーム形状、ビーム直径など)を調整するように変更され得る。
【0012】
例示的な実装形態では、FACレンズからの送信光は、送信光をコリメートする送信レンズに入射し得る。FACレンズが適切に位置合わせされている場合、送信光ビームは送信レンズに集中される。いくつかの実施形態では、FACレンズ(例えば、円柱レンズ)の適切な位置合わせは、FACレンズが発光体デバイスに対して「直角でない」ことがある配置を含み得る。すなわち、FACレンズは、発光体デバイスに対して、x、y、もしくはz位置、および/またはピッチ/ロール/仰角でオフセットされている場合がある。
【0013】
例示的な実施形態では、FACレンズの配向および/または位置は、レーザダイに対して調整され得る。例えば、レーザダイの光軸に対するFACレンズの円柱軸のx、y、およびz位置、ならびにFACレンズの円柱軸とレーザダイの光軸との間のヨー角は調整され得る。レーザダイの光軸を中心とした円柱軸のロール角を制御することも可能である。FACレンズの適切な配向および位置が達成されると、接着剤(例えば、硬化性エポキシ)を使用して、発光体デバイスに対してFACレンズを所定の位置に固定することができる。
【0014】
フォトダイオード、アバランシェフォトダイオード(APD)、シリコン光電子増倍管(SiPM)、単一光子アバランシェダイオード(SPAD)、マルチピクセル光子カウンタ(MPPC)、フォトトランジスタ、カメラ、アクティブピクセルセンサ(APS)、電荷結合素子(CCD)、極低温検出器、および/または任意の他の光センサなどの光検出器を使用して、(例えば、光の強度に対応する電圧または電流などの電気信号を出力することによって)それらの表面上に加えられる光を検出することができる。このようなデバイスの多くのタイプは、シリコンなどの半導体材料を使用して製造される。光検出器は、アレイに配置することができ、アレイは、並列に接続され得る。これらのアレイは、SPADなどのガイガーモードで動作するように構築された光検出器でできている場合、シリコン光電子増倍管(SiPM)またはマルチピクセル光子カウンタ(MPPC)と呼ばれることがある。
【0015】
SiPMおよび他のかかる検出器アレイは、広範囲の光検出用途において採用することができる。例えば、光検出および測距(LIDAR)システムは、光を場に送信し、次いでその場から反射された光を受信する光源を含み得る。反射信号は、ピンホールアパーチャに衝突し、SiPMによって検出され得る。その検出された信号を使用して、LIDARと場内の物体との間の距離(例えば、移動時間および/または反射光強度に基づいて)を決定し得る。複数の測定が、LIDARシステムによって連続的に行われ、次いでLIDARシステムまたは結合されたコンピューティングシステムによって配置され、LIDARシステムを取り囲む環境を表す点群が生成され得る。
【0016】
上記のLIDARシステムは、検出のために場からの反射光をSiPMに集束させる対物レンズを含み得る。様々なタイプのレンズを対物レンズとして使用して、反射光をSiPMに集束させることができる。例えば、両凸レンズまたは平凸レンズを使用することができる。さらに、いくつかの実施形態では、非球面レンズおよび/または一連のカスケードレンズが、単一のレンズの代わりに対物レンズとして使用され得る。
【0017】
加えて、SiPMに送信され、SiPMによって検出される反射信号の強度を最大化するために(例えば、信号対雑音比を改善するために)、対物レンズは、反射信号がSiPM全体またはほぼ全体にわたって分散されるよう成形され得る。いくつかの実施形態では、ピンホールを通過する受信光に起因して、受信レンズの形状は、SiPMの平面に送信され得る。例えば、SiPMが矩形形状である場合、対物レンズは、反射信号を矩形パターンでSiPM全体に分散するように成形され得る。すなわち、対物レンズも、SiPMの矩形形状に基づいて矩形形状に成形され得る。このような対物レンズの形状は、反射信号によって照射されていないままであるSiPMの部分を最小化し得る。同様に、SiPMが円形形状である場合、対物レンズは、反射信号を円形パターンでSiPM全体に分散するように成形され得る。SiPM/分散信号の他の形状も可能である(例えば、正方形、三角形、台形、平行四辺形、五角形、六角形、七角形、八角形、九角形、十角形など)。SiPMによって検出される全体強度を増加させることに加えて、またはその代わりに、照明パターンをSiPM形状に整合させる技術はまた、SiPMアレイ内の光検出器全体に反射信号の強度をより均一に分散させ得る。そうすることで、光検出器が飽和する可能性を低減し得、それによって、LIDARシステムを使用して距離がサンプリングされ得る速度を上げることを可能にし得る。
【0018】
II.例示的な光学システム
図1は、例示的な実施形態による、光学システム100を示している。いくつかの実施形態では、光学システム100は、LIDARシステムであり得る。光学システム100は、放射光(例えば、赤外光パルス)を放射するように構成された発光体デバイス120を含む送信機110を含む。いくつかの実施形態では、発光体デバイス120は、レーザダイオードバーを含み得る。
【0019】
発光体デバイス120は、基準面122を画定する。いくつかの実施形態では、基準面122は、レーザダイオードバーの少なくとも1つの表面によって画定される。基準面122は、例えば、他の可能性の中でもとりわけ、レーザダイオードバーの発光体ファセット面(例えば、アクティブ層のファセット面)によって画定され得る。
【0020】
発光体デバイス120は、基板上に配備され得る。いくつかの実施形態では、基板は、プリント回路基板、レーザダイパッケージ、または別のタイプの基板を含み得る。例示的な実施形態では、基板は、セラミック材料から形成され得る。追加的または代替的に、基板は、FR-4などのガラス強化エポキシ積層材料を含み得る。本開示においては、他のタイプの剛性基板材料も可能であり、かつ想定されている。
【0021】
送信機110は、発光体デバイス120に光学的に結合された速軸コリメーション(FAC)レンズ130を含む。FACレンズ130のレンズ軸132は、基準面122に対して非ゼロ角度にある。送信機110はまた、FACレンズ130に光学的に結合された送信レンズを含む。
【0022】
光学システム100は、受信機160を含む。受信機160は、受信レンズ164、およびその受信レンズ164に光学的に結合された光検出器162を含む。いくつかの実施形態では、光検出器162は、シリコン光電子増倍管(SiPM)デバイス、単一光子アバランシェフォトダイオード(SPAD)、アバランシェフォトダイオード(APD)、またはマルチピクセル光子カウンタ(MPPC)のうちの少なくとも1つを含み得る。
【0023】
いくつかの実施形態では、FACレンズ130は、円柱レンズを含み得る。かかるシナリオでは、レンズ軸132は、円柱レンズの円柱軸によって画定される。ただし、本開示の文脈内で、他の光学素子(例えば、光学レンズ)が想定され、かつ可能である。例えば、FACレンズ130は、非円柱レンズであり得る。かかるシナリオでは、レンズ軸132は、非円柱レンズの円柱軸によって画定され得る。FACレンズ130は、他の形状または形態をとり得ることが理解されよう。さらに、FACレンズ130は、複数の光学素子を含み得る。
【0024】
様々な実施形態では、非ゼロ角度は、基準面122に対して0度~0.5度のロール角を含み得る。代替的に、非ゼロ角度は、基準面122に対して0.5度~20度のロール角を含み得る。他のロール角値および/またはロール角範囲もしくは部分範囲が可能であり、想定されることが理解されよう。例えば、非ゼロ角度は、下限角度値と上限角度値との間のロール角度を含み得る。かかる例では、下限角度値は0~2度であってもよく、上限角度値は0.5~20度であり得る。
【0025】
例示的な実施形態では、レーザダイオードバーの端面は、ファセット面を画定し得る。かかるシナリオでは、FACレンズ130の速軸はファセット面に非平行である。かかるシナリオでは、FACレンズ130の速軸は、ファセット面に対して0度~0.5度のピッチ角を形成し得る。代替的に、FACレンズ130の速軸は、ファセット面に対して0.5度~20度のピッチ角を形成し得る。他のピッチ角値および/またはピッチ角範囲もしくは部分範囲が可能であり、想定されることが理解されよう。例えば、FACレンズ130の速軸は、下限角度値と上限角度値との間のピッチ角を形成し得る。かかる実施例では、下限角度値は0~2度であってもよく、上限角度値は0.5~20度であってもよい。
【0026】
レーザダイオードバーの端面がファセット面を画定する実施形態では、FACレンズ130の後面は、ファセット面に非平行である平面に沿って配置され得る。例えば、FACレンズ130の後面は、ファセット面に対して0度~0.5度のヨー角を形成し得る。代替的に、FACレンズ130の後面は、ファセット面に対して0.5度~20度のヨー角を形成し得る。
【0027】
かかるシナリオでは、非ゼロ角度における発光体デバイス120に対するFACレンズ130の配置は、発光のビームプロファイルを送信レンズ112に集中させるため、および/または光学システム100の他の部分を位置合わせするために有益であり得る。
【0028】
いくつかの実施形態では、FACレンズ130は、接着剤(例えば、熱硬化性ポリマー)、硬化性エポキシ、ファスナ、またはクランプのうちの少なくとも1つを用いて発光体デバイス120に対して固定され得る。
【0029】
例示的な実施形態では、光検出器162は、光検出領域形状を有する光検出領域(例えば、アクティブ領域または感光性領域)を含み得る。かかるシナリオでは、受信レンズ164は、光検出領域形状に対応するように成形され得る。例えば、光検出領域形状は、正方形または矩形であり得、かかるシナリオでは、受信レンズ164の形状は、光検出領域形状に対応するように正方形または矩形であり得る。いくつかの実施形態では、受信レンズ164は、光検出領域と同一形状を有し得るが、より広い領域にわたって光を収集、集束、および/またはコリメートするように、光検出領域の1つ以上の範囲よりも大きくスケーリングされ得る。受信レンズ164は、他の形状にしたがって成形され得ることが理解されよう。
【0030】
例示的な実施形態では、光学システム100は、回転可能なミラー170を含み得る。かかるシナリオでは、発光体デバイス120から沿って放射された光は、光学システム100の環境に向けて反射されるように、回転可能なミラー170と相互作用し得る。いくつかの実施形態では、光学システム100は、追加的または代替的に、複数の光学窓180を含み得る。光学システム100の環境に向けて反射された光は、複数の光学窓180を経由して送信される。回転可能なミラー170および光学窓180は、図4に関連してさらに説明される。
【0031】
いくつかの例では、光学システム100はまた、コントローラ150も含む。コントローラ150は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または特定用途向け集積回路(ASIC)のうちの少なくとも1つを含む。追加的または代替的に、コントローラ150は、1つ以上のプロセッサ152とメモリ154とを含むことができる。1つ以上のプロセッサ152は、汎用プロセッサまたは特殊用途プロセッサ(例えば、デジタル信号プロセッサなど)を含むことができる。1つ以上のプロセッサ152は、メモリ154に記憶されているコンピュータ可読プログラム命令を実行するように構成され得る。したがって、1つ以上のプロセッサ152は、本明細書に記載の機能および動作の少なくともいくつかを提供するためにプログラム命令を実行することができる。
【0032】
メモリ154は、1つ以上のプロセッサ152によって読み取りまたはアクセスされ得る1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体を含むか、またはその形態をとることができる。1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体は、1つ以上のプロセッサ152の少なくとも1つと全体的または部分的に一体化され得る光メモリ、磁気メモリ、有機メモリ、もしくは他のメモリ、またはディスクストレージのような揮発性および/または不揮発性ストレージ構成要素を含むことができる。いくつかの実施形態では、メモリ154は、単一の物理デバイス(例えば、1つの光メモリ、磁気メモリ、有機メモリ、もしくは他のメモリ、またはディスクストレージユニット)を使用して実装することができるのに対して、他の実施形態では、メモリ154は、2つ以上の物理デバイスを使用して実装することができる。
【0033】
上記のように、メモリ154は、光学システム100の動作に関連するコンピュータ可読プログラム命令を含むことができる。したがって、メモリ154は、本明細書に記載の機能の一部またはすべてを実行または促進するためのプログラム命令を含むことができる。コントローラ150は、動作を実行するように構成されている。いくつかの実施形態では、コントローラ150は、メモリ154に記憶された命令を実行するプロセッサ152によって動作を実行することができる。
【0034】
動作は、光学システム100の環境に関する距離情報を得るために光学システム100の様々な素子を動作させることを含み得る。コントローラ150は、他の動作も実行するように構成され得る。
【0035】
図2A図2B図2C図2D図2D図2E図2F図2G図2H図2I、および図2Jは、例示的な実施形態による、送信機の様々な部分および視点を示している。送信機は、図1を参照して図示および説明されるように、送信機110を含み得る。
【0036】
図2Aは、例示的な実施形態による、送信機の一部分200を示している。例として、送信機の一部分200は、図1を参照して図示および説明されるように、発光体デバイス120を含み得る。図2Aに示されるように、発光体デバイス120は、レーザダイ210を含み得る。レーザダイ210は、基板202上または基板202内に配備され得る。レーザダイ210は、例えば、点弧回路によって印加される注入電流に応答して赤外光を放射するように構成されたレーザダイオードであり得る。レーザダイ210は、送信経路226に沿って光を放射するように構成され得る。送信経路226は、例えば、レーザダイ210の主放射軸を含み得る。いくつかの実施形態では、送信経路は、少なくとも部分的に、レーザダイ210出力ファセット212(例えば、放射ファセット)から実質的に垂直に延在する軸に沿っている、および/またはベクトルに平行であるものとして画定され得る。
【0037】
いくつかの実施形態では、レーザダイ210は、矩形形状の断面(例えば、高さ約1ミクロンで、レーザダイ210と同一の幅)を有するビームウエスト220を最初に有する光を放射し得る。いくつかの例では、光がレーザダイ210から離れるように進むにつれて、ビーム形状が変化する(例えば、発散する)ことがある。例えば、放射された光は、遅軸224と比較して、レーザダイ210の速軸222に沿ってより速く発散し得る。したがって、いくつかの実施形態では、遠視野ビーム形状230は、遅軸に平行な方向に沿ってよりも速軸222に平行な方向に沿ってより広い楕円形または矩形形状の断面を含み得る。
【0038】
図2Bは、例示的な実施形態による、送信機240のいくつかの部分を示している。断面図および斜視図に示されているように、FACレンズ130は、円柱レンズ軸132を有する半円柱のように成形され得る。FACレンズ130は、異なる形状および/またはレンズ軸も有し得ることが理解されよう。
【0039】
いくつかの実施形態では、FACレンズ130は、レーザダイ210の出力ファセット212に光学的に結合され得る。例えば、FACレンズ130の後ファセット134は、出力ファセット212に物理的に当接し得る。かかるシナリオでは、レンズ軸132は、遅軸224と実質的に位置合わせされるか、または平行であり得る。FACレンズ130を発光体デバイス120に取り付ける、および/または光学的に結合する他の方法が想定され、可能である。
【0040】
FACレンズ130を有するシナリオでは、発光体デバイス120によって放射された光は、図2Aの未修正の遠視野ビーム形状230と比較してより正方形の断面を有し得る変更された遠視野ビーム形状242を含み得る。例えば、変更された遠視野ビーム形状242は、より小さな直径、より小さな面積、および/またはより小さな円周を含む断面を有し得る。このように、遠視野光ビームは、より密なビームスポットおよびビームプロファイルを維持することができ、これにより、光学システム100のより良い長距離感知性能を提供し得る。
【0041】
いくつかの例示的な実施形態では、出力ファセット212から放射された光の断面プロファイルは、x軸に平行であり得るそれぞれの長辺を有する1つ以上の広い矩形形状(例えば、1つ以上のレーザダイ210に対応する)を含み得る。出力ファセット212から放射された光が概して+z方向に沿って進むにつれて、放射光プロファイルはy方向に急速に発散し得、x方向にはゆっくり発散し得、その結果、放射光プロファイルは、FACレンズ130と相互作用するときにほぼ正方形であり得る。FACレンズ130と相互作用した後、放射光プロファイルは、y方向にはるかに遅く発散する。ただし、いくつかの実施形態では、放射光は、x方向に発散し続け得る。したがって、遠視野(FACレンズ130の後)の放射プロファイルは、ここでもx方向に沿って細長い矩形を含み得る。送信レンズ112と相互作用した後、ビームプロファイルは、より正方形の断面に発散し続け、この断面はFACレンズ130の出力面におけるビーム形状に実質的に一致し得る。いくつかの例示的な実施形態では、FACレンズ130は、送信レンズ112によって無限遠に画像化され得る。
【0042】
したがって、かかるシナリオでは、FACレンズ130は、レーザダイ210によって放射されるビームのy発散を低減または排除するように構成され得る。かかる構成は、送信レンズ112におけるビームを(xおよび/またはy範囲において)より小さくすることを可能にし得、送信レンズ112におけるビームがより低い角度発散を有し得ることも提供し得る。いくつかの実施形態では、かかる手法は、小さなF値レンズの必要性を低減し、および/または光学システム100内の他の光学設計制約を緩和し得る。
【0043】
図2Cは、例示的な実施形態による、送信機240の上面図を示している。図示のように、送信機240は、出力ファセット212に実質的に当接している後ファセット134を有するFACレンズ130を含み得る。さらに、FACレンズ130のレンズ軸132は、発光体デバイス120の遅軸224に実質的に対応(例えば、重なる)し得る。
【0044】
図2Dは、例示的な実施形態による、送信機250の上面図を示している。送信機250は、図2Cに示されるシナリオと比較して、異なる相対位置に(例えば、ヨー軸に沿って)配備されたFACレンズ130を含み得る。例えば、FACレンズ130は、非ゼロヨー角252が遅軸224とレンズ軸132との間に提供されるように、y軸を中心に回転し得る。いくつかの実施形態では、非ゼロヨー角252は、0度~0.5度であり得る。他の実施形態では、非ゼロヨー角252は、0.5度~20度であり得る。他の角度が、本開示の文脈内で想定され、可能である。Y軸を中心としたFACレンズ130の回転を調整する(例えば、FACレンズ130を方位角/ヨーで回転させる)ことによって、遠視野ビームパターンの特定の態様を調整および/または修正することができる。例えば、非ゼロヨー角252を維持することによって、送信機250は、ビームの遠視野ビーム位置を調整し、ならびに/または同様の状況下で送信機240によって提供されるものよりも狭いおよび/もしくはより円形のビームプロファイルを提供することが可能であり得る。追加的または代替的に、非ゼロヨー角252は、ビーム位置合わせおよび/またはビーム照準の目的のために遠視野ビーム位置を調整し得る。
【0045】
図2Eは、例示的な実施形態による、送信機240の正面図を示している。図示のように、送信機240は、レーザダイ210の遅軸224と実質的に位置合わせされた、FACレンズ130のレンズ軸132を含み得る。
【0046】
図2Fは、例示的な実施形態による、送信機260の正面図を示している。送信機260は、図2Eに示されたシナリオと比較して異なる相対位置に(例えば、ロール軸に沿って)配備されたFACレンズ130を含み得る。例えば、FACレンズ130は、非ゼロロール角262が遅軸224とレンズ軸132との間に提供されるように、z軸を中心に回転し得る。例えば、非ゼロロール角262は、x-y平面に沿って提供され得る。いくつかの実施形態では、非ゼロロール角262は、0度~0.5度であり得る。他の実施形態では、非ゼロロール角262は、0.5度~20度あり得る。他の角度が、本開示の文脈内で想定され、可能である。z軸を中心としたFACレンズ130の回転を調整する(例えば、FACレンズ130をロールで回転させる)ことによって、遠視野ビームパターンの特定の態様を調整および/または修正することができる。例えば、非ゼロロール角262を維持することによって、送信機260は、ビームを非集束し、および/または同様の状況下で送信機240によって提供されるものよりも狭いおよび/またはより円形のビームプロファイルを提供することが可能であり得る。追加的または代替的に、非ゼロロール角262は、ビーム位置合わせおよび/またはビーム照準の目的で遠視野ビーム位置を調整し得る。単一のレーザダイに複数の放射体があるシナリオでは、ロール角度を調整することにより、ビームごとに焦点を変更することに加えて、角度オフセットを調整し得る。
【0047】
図2Gは、例示的な実施形態による、送信機240の側面図を示している。図示のように、送信機240は、レーザダイ210の速軸222に実質的に平行であるFACレンズ130の後ファセット134(および対応する後ファセット面272)を含み得る。
【0048】
図2Hは、例示的な実施形態による、送信機270の側面図を示している。送信機270は、図2Gに示されたシナリオと比較して異なる相対位置に(例えば、ピッチ軸に沿って)配備されたFACレンズ130を含み得る。例えば、FACレンズ130は、非ゼロピッチ角274が発光体デバイス120の速軸222と後ファセット面272との間に提供されるように、x軸を中心に回転し得る。例えば、非ゼロピッチ角274は、y-z平面に沿って提供され得る。いくつかの実施形態では、非ゼロピッチ角274は、0度~0.5度であり得る。他の実施形態では、非ゼロピッチ角274は、0.5度~20度であり得る。他の角度が、本開示の文脈内で想定され、可能である。x軸を中心としたFACレンズ130の回転を調整する(例えば、FACレンズ130をピッチで回転させる)ことによって、遠視野ビームパターンの特定の態様を調整および/または修正することができる。例えば、非ゼロピッチ角274を維持することによって、送信機270は、同様の状況下で送信機240によって提供されるものよりも狭いおよび/またはより円形のビームプロファイルを提供することが可能であり得る。追加的または代替的に、非ゼロピッチ角274は、ビーム位置合わせおよび/またはビーム照準の目的で遠視野ビーム位置を調整し得る。
【0049】
図2Iは、例示的な実施形態による、送信機280の側面図を示している。送信機280は、図2Gに示されたシナリオと比較して異なる相対位置に(例えば、z軸に沿って)配備されたFACレンズ130を含み得る。かかるシナリオでは、FACレンズ130は、レーザダイファセット面212に対してz軸に沿ってオフセット距離282に配備され得る。例えば、FACレンズ130は、レーザダイファセット面212から100ミクロン離して配備され得る。レーザダイファセット面212に対するFACレンズ130のz軸位置を調整することによって、送信ビームの様々な特性を調整および/または制御し得る。例えば、FACレンズ130のz軸位置を調整することにより、送信ビームの集束位置および/またはコリメーションを調整し得る。
【0050】
いくつかの実施形態では、送信ビームの集束位置を調整することは、送信レンズ112における送信ビームサイズを増大させるのに有用であり得、これにより、雨滴または他のタイプの閉塞による妨害を受けにくくすることができる。追加的または代替的に、送信ビームの集束は、地域、州、連邦、および/または国際的なレーザ安全基準に適合するように調整され得る。いくつかの実施形態では、これらの態様は、FACレンズ130自体によって実行され得る。例えば、FACレンズ130は、送信レンズ112で見かけの送信ビームサイズを調整するように、表面リップル、表面波、または他のタイプの光学的調整を組み込むように設計され得る。FACレンズ130を調整する他の方法、例えば、光学拡散機および集束レンズ、ならびにそれらの対応する機能を組み込むことが、本開示の範囲内で想定され、可能である。
【0051】
FACレンズを伴う、本明細書に記載の実施形態のいずれかにおいて、FACレンズ130とレーザダイファセット面212との間の空間は、光学材料284で少なくとも部分的に充填され得る。光学材料284は、接着剤(例えば、硬化性エポキシ)および/または屈折率整合材料を含み得る。代替的な実施形態では、FACレンズ130とレーザダイファセット面212との間の空間は、少なくとも部分的に空気、窒素、または真空で充填され得る。
【0052】
図2Jは、例示的な実施形態による、送信機290の正面図を示している。送信機290は、図2Eに示されたシナリオと比較してx-y平面に沿った異なる相対位置に配備されたFACレンズ130を含み得る。例えば、FACレンズ130は、オフセット296が提供されるようにy軸に沿ってオフセットされ得る。例えば、FACレンズ130の軸294は、レーザダイ210の軸292に対してオフセットされ得る。いくつかの実施形態では、オフセットは、x軸および/またはy軸に沿って約50ミクロンであり得る。かかるシナリオでは、オフセット296を維持することによって、送信機260は、同様の状況下で送信機240によって提供されるものと比較して、垂直(y軸)ビーム角度/位置を調整することが可能であり得る。追加的または代替的に、オフセット296は、ビーム位置合わせおよび/またはビーム照準の目的で遠視野ビーム位置を調整し得る。
【0053】
図3A図3B、および図3Cは、例示的な実施形態による、送受信機300の側面図、上面図、および斜視図をそれぞれ示している。送受信機300は、図1に関連して図示および説明されるように、送信機110および受信機160と同様または同一の素子を含み得る。例えば、送受信機300は、発光体デバイス120を含み得、発光体デバイス120は送受信機本体310に取り付けられ得る。発光体デバイス120は、レーザダイ210およびFACレンズ130を含み得る。送受信機300はまた、受信機(例えば、受信機160)および光検出器162を含む。この光検出器162は、送受信機本体310に取り付けられ得る。受信光路166は、ピンホールアパーチャ312を含んでもよく、ピンホールアパーチャ312は受信レンズ164の形状に対応するビームスポットを検出器162上に形成するように構成され得る。
【0054】
図3Cを参照すると、光検出器162の光検出領域332は、特定の形状(例えば、矩形、正方形、円、八角形など)を有し得る。追加的または代替的に、光検出領域332は、特定のサイズを有し得る。例えば、光検出器162は、単一素子検出器を含んでもよく、例えば、30μm×50μmであり得る。代替的に、光検出器162は、光検出器アレイを含み得、光検出器アレイは複数の個別の光検出器の成形アレイを含み得る。かかる光検出器アレイは、例えば、1.3mm×1.3mmの光検出領域332を有し得、複数の25×25μm SiPM検出器セルを含み得る。代替的に、いくつかの実施形態では、単一素子光検出器は、500×500μmの光検出領域332を有し得る。他の光検出領域寸法が可能であり、本明細書で想定されている。
【0055】
いくつかの実施形態では、受信レンズ164のサイズおよび/または形状は、光検出領域332、ならびにそのそれぞれのサイズおよび/または形状に基づき得る。例えば、辺長アスペクト比が3:2の矩形形状の光検出領域332の場合、受信レンズ164は、同様の矩形形状および3:2の辺長アスペクト比を有する形状であり得る。かかるシナリオでは、受信レンズ164は、例えば、環境からより多くの光を収集するようにサイズをスケールアップし得る。例として、受信レンズ164は、矩形形状であり、約15mm×10mmの辺長を有してもよい。受信レンズ164は、光検出領域332の他の形状に基づいて成形され得ることが理解されよう。
【0056】
図3Dは、例示的な実施形態による、様々なレンズ形状340を示している。様々なレンズ形状340は、例えば、受信レンズ164の断面領域、およびそれらのそれぞれの形状を表し得る。例として、様々なレンズ形状340は、これらに限定されないが、正方形342、長方形344、三角形346、五角形348、六角形350、七角形352、八角形354、および/または平行四辺形356を含み得る。他の非従来的および/または不規則なレンズ形状が可能であり、想定されている。受信レンズ164の様々なレンズ形状340は、光検出領域332の形状、サイズ、または他の光学的態様に基づき得ることが理解されよう。かかるシナリオでは、光検出領域332を光で最適に(例えば、最も効率的に)満たすように、様々なレンズ形状340が選択され得る。例えば、様々なレンズ形状340は、光検出領域332の過充填を最小化するように選択され得る。いくつかの実施形態では、光検出領域332および受信レンズ164の相対的サイズは、受信レンズ164の合焦距離および相対的ピンホールサイズに基づいて関連付けられ得る。例えば、検出器162上に投影された光スポットは、ピンホール形状と、ピンホールから検出器までの距離を受信レンズ164の合焦距離で除算したものによってスケーリングされた受信レンズ164の形状との畳み込みである。かかるシナリオでは、投影された光スポットのおおよそのサイズは、ピンホールサイズ+受信アパーチャサイズxピンホールから検出器までの距離/合焦距離であり得る。
【0057】
図4は、例示的な実施形態による、光学システム400を示している。光学システム400は、図1を参照して図示および説明される光学システム100と同様であり得る。例えば、光学システム400は、送信機110および受信機160を含み得、これらは回転可能なステージ410に取り付けられ得る。回転可能なステージ410は、回転軸402を中心に回転するように構成され得る。いくつかの実施形態では、回転可能なステージ410は、回転可能なステージ410を機械的に回転させるように構成されたステッピングモータまたは別のデバイスによって作動され得る。
【0058】
例示的な実施形態では、光学システム400は、回転可能なミラー170を含み得る。回転可能なミラー170は、三角プリズムのような形状であり得、ミラー軸404を中心に回転するように構成され得る。回転可能なミラー170は、複数の反射面172a、172b、および172cを含み得る。回転可能なミラー170は、別の形状(例えば、正方形固体、長方形固体、五角形固体、六角形固体など)を有し得ることが理解されよう。すべてのかかる他の形状が想定され、本開示の範囲内で可能である。
【0059】
追加的または代替的に、光学システム400は、光学窓180aおよび180bを含み得る。反射面172a~172cは、送信経路114に沿って光学システム100によって放射された光パルスを反射するように構成され得る。例えば、光パルスは、光学窓180aおよび180bを経由して光学システム400の環境に向けて反射され得る。さらに、環境から反射された光パルスは、受信経路166に沿って反射面172a~172cから反射され得る。
【0060】
このようにして、光学システム400は、(例えば、z軸を中心に)環境の360度領域に光パルスを放射し、そこから反射された光パルスを受信するように構成され得る。したがって、光学システム400は、それぞれの反射光パルスの飛行時間に基づいて距離情報を決定するように構成され得る。
【0061】
III.例示的車両
図5A図5B図5C図5D、および図5Eは、例示的実施形態による、車両500を示している。車両500は、半自律型車両または完全自律型車両であり得る。図5A図5Eは、車両500を自動車(例えば、乗客用バン)であるものとして示しているが、車両500は、センサおよびその環境についての他の情報を使用してその環境内で操縦することができる別のタイプの自律型車両、ロボット、またはドローンを含み得ることが理解されよう。
【0062】
車両500は、1つ以上のセンサシステム502、504、506、508、および510を含み得る。いくつかの実施形態では、センサシステム502、504、506、508、および510は、所与の平面(例えば、x-y平面)に対してある角度範囲にわたって配置された、複数の発光体デバイスを有するLIDARセンサを含み得る。
【0063】
センサシステム502、504、506、508、および510のうちの1つ以上は、車両500の周囲の環境を光パルスで照明するように、所与の平面に垂直な軸(例えば、z軸)を中心に回転するように構成され得る。反射光パルスの様々な態様(例えば、飛行の経過時間、偏光、強度など)の検出に基づいて、環境に関する情報を決定することができる。
【0064】
例示的な実施形態では、センサシステム502、504、506、508、および510は、車両500の環境内の物理的物体に関係し得るそれぞれの点群情報を提供するように構成され得る。車両500ならびにセンサシステム502、504、506、508、および510は、特定の特徴を含むものとして示されているが、他のタイプのシステムが本開示の範囲内で想定されることが理解されよう。
【0065】
例示的な実施形態は、複数の発光体デバイスを有するシステムを含むことができる。システムは、LIDARデバイスの送信ブロックを含むことができる。例えば、システムは、車両(例えば、自動車、トラック、オートバイ、ゴルフカート、航空機、ボートなど)のLIDARデバイスであってもよく、またはその一部であってもよい。複数の発光体デバイスの各発光体デバイスは、それぞれのビーム仰角に沿って光パルスを放射するように構成される。本明細書の他の箇所に記載されるように、それぞれのビーム仰角は、基準角度または基準面に基づくことができる。いくつかの実施形態では、基準面は、車両500の運動軸に基づき得る。
【0066】
単一の発光体デバイスを有するLIDARシステムが本明細書で記載および図示されているが、複数の発光体デバイス(例えば、単一のレーザダイ上に複数のレーザ放射体を有する発光体デバイス)を有するLIDARシステムも想定される。追加的または代替的に、LIDARシステムは、互いに近接して位置付けられた複数の単一レーザダイを含み得る。例示的な実施形態では、1つ以上のレーザダイオードによって放射される光パルスは、システムの環境の辺りに制御可能に向けられ得る。光パルスの放射の角度は、例えば、機械的走査ミラーおよび/または回転モータなどの走査デバイスによって調整され得る。例えば、走査デバイスは、所与の軸を中心に往復運動で回転する、および/または垂直軸を中心に回転することができる。別の実施形態では、発光体デバイスは、各光パルスと相互作用するときのプリズムミラー角度の角度に基づいて光パルスを環境に放射させることができる、回転するプリズムミラーに向けて光パルスを放射することができる。追加的にまたは代替的に、走査光学系および/または他のタイプの電気光学機械デバイスは、環境の辺りの光パルスを走査することが可能である。
【0067】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるように、単一の発光体デバイスは、可変ショットスケジュールに従って、および/またはショット当たりの可変電力で光パルスを放射することができる。すなわち、各レーザパルスまたはショットの放射電力および/またはタイミングは、ショットのそれぞれの仰角に基づくことができる。さらにまた、可変ショットスケジュールは、LIDARシステムから、またはLIDARシステムを支持する所与の車両の表面(例えば、フロントバンパー)からの所与の距離で所望の垂直間隔を提供することに基づくことができる。一例として、発光体デバイスからの光パルスが下向きに向けられるとき、目標までの予想される最大距離がより短いことに起因して、ショット当たりの電力が低下する可能性がある。逆に、基準面の上の仰角で発光体デバイスによって放射された光パルスは、より長い距離を移動するパルスを適切に検出するのに十分な信号対雑音を提供するように、ショット当たりの電力が比較的より高い場合がある。
【0068】
いくつかの実施形態では、ショット当たりの電力/エネルギーは、動的にショットごとに制御することができる。他の実施形態では、ショット当たりの電力/エネルギーは、いくつかのパルスの連続セット(例えば、10個の光パルス)について制御することができる。すなわち、光パルス列の特性は、パルス当たり基準および/または数パルス当たり基準に変更することができる。
【0069】
図5は、車両500に取り付けられた様々なLIDARセンサを示しているが、車両500は、本明細書に説明されるように、複数の光学システムなどの他のタイプのセンサを組み込む得ることが理解されよう。
【0070】
例示的な実施形態では、車両500は、1つ以上の光学システム(例えば、図1に関連して図示および説明される光学システム100)を含み得る。光学システムは、放射光を放射するように構成された発光体デバイス(例えば、発光体デバイス120)を含む送信機を含み得る。かかるシナリオでは、発光体デバイスは基準面を画定し得る。基準面は、例えば、レーザダイのファセットによって画定され得る。送信機はまた、発光体デバイスに光学的に結合された速軸コリメーション(FAC)レンズ(FACレンズ130)を含む。FACレンズのレンズ軸は、基準面に対して非ゼロ角度にある。本明細書に記載されるように、レンズ軸は、FACレンズの円柱軸またはFACレンズの速軸を含み得る。FACレンズの配向または位置の調整は、基準面および/または発光体デバイスの他の特徴に関してFACレンズの他の軸を調整することに基づき得る。
【0071】
送信機はまた、FACレンズに光学的に結合された送信レンズを含む。光学システムはまた、受信レンズ、および受信レンズに光学的に結合された光検出器を含み得る受信機を含む。いくつかの実施形態では、送信レンズは、例えば、受信レンズの形状および/または光検出器の形状に基づいて成形され得る。例えば、送信レンズは、正方形または矩形形状を有し得る。代替的または追加的に、送信レンズは、一方の側が平坦な円形形状を有し得る。他の形状も可能であることが理解されよう。
【0072】
図に示されている特定の配置は、限定と見なされるべきではない。他の実施形態が、所与の図に示される各素子をより多く、またはより少なく含んでもよいことを理解されたい。さらに、図示される素子のうちのいくつかは、組み合わされても、または省略されてもよい。さらにまた、例示的な実施形態は、図示されていない素子を含んでもよい。
【0073】
情報の処理を表すステップまたはブロックは、本明細書に記載の方法または技術の特定の論理機能を実行するように構成され得る回路に対応することができる。代替的または追加的に、情報の処理を表すステップまたはブロックは、モジュール、セグメント、またはプログラムコード(関連データを含む)の一部に対応することができる。プログラムコードは、特定の論理機能または論理動作を方法または技術において実装するための、プロセッサにより実行可能な1つ以上の命令を含むことができる。プログラムコードおよび/または関連データは、ディスク、ハードドライブ、または他の記憶媒体を含む、記憶デバイスなどの任意のタイプのコンピュータ可読媒体に記憶することができる。
【0074】
コンピュータ可読媒体は、レジスタメモリ、プロセッサキャッシュ、およびランダムアクセスメモリ(RAM)のような、データを短期間記憶するコンピュータ可読媒体などの非一時的コンピュータ可読媒体も含むことができる。コンピュータ可読媒体はまた、プログラムコードおよび/またはデータを長期間にわたって記憶する非一時的コンピュータ可読媒体も含むことができる。このように、コンピュータ可読媒体は、例えば、読み取り専用メモリ(ROM)、光ディスクまたは磁気ディスク、コンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM)のような二次的なまたは長期永続的な記憶装置を含むことができる。コンピュータ可読媒体はまた、任意の他の揮発性または不揮発性の記憶システムとすることもできる。コンピュータ可読媒体は、例えば、コンピュータ可読記憶媒体、または有形の記憶デバイスと考えることができる。
【0075】
様々な例および実施形態が開示されてきたが、他の例および実施形態が当業者にとって明らかであろう。様々な開示された例および実施形態は、例示の目的のためであり、限定することを意図するものではなく、その真の範囲は、以下の特許請求の範囲により示される。
【0076】
本明細書は、条項1~20の形態で表される以下の主題を含む。1.LIDARシステムであって、送信機であって、放射光を放射するように構成された発光体デバイスであって、発光体デバイスが、基準面を画定する、発光体デバイスと、その発光体デバイスに光学的に結合された速軸コリメーション(FAC)レンズであって、そのFACレンズのレンズ軸が基準面に対して非ゼロ角度にある、FACレンズと、そのFACレンズに光学的に結合された送信レンズと、を備える送信機と、受信機であって、受信レンズと、その受信レンズに光学的に結合された光検出器と、を備える受信機と、を備える、LIDARシステム。2.FACレンズが円柱レンズを備え、レンズ軸が円柱レンズの円柱軸によって画定される、条項1に記載のLIDARシステム。3.FACレンズが非円柱レンズを備え、レンズ軸が非円柱レンズの円柱軸によって画定される、条項1に記載のLIDARシステム。4.非ゼロ角度が、基準面に対して0度~0.5度のロール角を含む、条項1~3のいずれか一項に記載のLIDARシステム。5.非ゼロ角度が、基準面に対して0.5度~20度のロール角を含む、条項1~3のいずれか一項に記載のLIDARシステム。6.発光体デバイスが、レーザダイオードバーを備える、条項1~5のいずれか一項に記載のLIDARシステム。7.基準面が、レーザダイオードバーの少なくとも1つの表面によって画定される、条項6に記載のLIDARシステム。8.基準面が、レーザダイオードバーのアクティブ層の少なくとも1つの表面によって画定される、条項6または7に記載のLIDARシステム。9.レーザダイオードバーの端面が、ファセット面を画定し、FACレンズの速軸が、そのファセット面に非平行である、条項6~8のいずれか一項に記載のLIDARシステム。10.FACレンズの速軸が、ファセット面に対して0度~0.5度のピッチ角を形成する、条項9のLIDARシステム。11.FACレンズの速軸が、ファセット面に対して0.5度~20度のピッチ角を形成する、条項9に記載のLIDARシステム。12.レーザダイオードバーの端面が、ファセット面を画定し、FACレンズの後面がそのファセット面に非平行である、条項6~11のいずれか一項に記載のLIDARシステム。13.FACレンズの後面が、ファセット面に対して0度~0.5度のヨー角を形成する、条項12に記載のLIDARシステム。14.FACレンズの後面が、ファセット面に対して5度~20度のヨー角を形成する、条項12のLIDARシステム。15.非ゼロ角度が、放射光のビームプロファイルを送信レンズに集中するように構成されている、条項1~14のいずれか一項に記載のLIDARシステム。16.FACレンズが、接着剤、硬化性エポキシ、またはクランプのうちの少なくとも1つを用いて、発光体デバイスに対して固定されている、条項1~15のいずれか一項に記載のLIDARシステム。17.光検出器が、光検出領域形状を有する光検出領域を含み、受信レンズが、光検出領域形状に対応する形状を有する、条項1~16のいずれか一項に記載のLIDARシステム。18.光検出領域形状が正方形または矩形であり、受信レンズが正方形または矩形形状であり、送信レンズが正方形または矩形形状である、条項17に記載のLIDARシステム。19.光検出器が、シリコン光電子増倍管(SiPM)デバイス、単一光子アバランシェフォトダイオード(SPAD)、アバランシェフォトダイオード(APD)、またはマルチピクセル光子カウンタ(MPPC)のうちの少なくとも1つを備える、条項1~18のいずれか一項に記載のLIDARシステム。20.車両であって、光学システムであって、送信機であって、送信機が、放射光を放射するように構成された発光体デバイスであって、その発光体デバイスが基準面を画定する、発光体デバイスと、その発光体デバイスに光学的に結合された速軸コリメーション(FAC)レンズであって、そのFACレンズのレンズ軸が基準面に対して非ゼロ角度にある、FACレンズと、そのFACレンズに光学的に結合された送信レンズと、を備える送信機、および、受信機であって、受信機が、受信レンズと、その受信レンズに光学的に結合された光検出器と、を備える受信機、を備える光学システムを備える車両。21.車両であって、条項1~19のいずれか一項に記載のLIDARシステムを備える光学システム、を備える車両。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図2G
図2H
図2I
図2J
図3A
図3B
図3C
図3D
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E