IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ソフトバンクモバイル株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-通信装置及びシステム 図1
  • 特許-通信装置及びシステム 図2
  • 特許-通信装置及びシステム 図3
  • 特許-通信装置及びシステム 図4
  • 特許-通信装置及びシステム 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-25
(45)【発行日】2024-07-03
(54)【発明の名称】通信装置及びシステム
(51)【国際特許分類】
   H04B 7/08 20060101AFI20240626BHJP
   H04B 1/3822 20150101ALI20240626BHJP
   H04B 1/401 20150101ALI20240626BHJP
【FI】
H04B7/08 710
H04B7/08 022
H04B1/3822
H04B1/401
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2022180917
(22)【出願日】2022-11-11
(65)【公開番号】P2024070432
(43)【公開日】2024-05-23
【審査請求日】2023-02-08
(73)【特許権者】
【識別番号】501440684
【氏名又は名称】ソフトバンク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】土屋 貴寛
【審査官】齊藤 晶
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-140987(JP,A)
【文献】特開2010-093552(JP,A)
【文献】特開2013-030878(JP,A)
【文献】国際公開第2007/110923(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/08
H04B 1/3822
H04B 1/401
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体に搭載される通信装置であって、
複数のアンテナと、
前記複数のアンテナのうちの1つについて受信電波を復調する第1復調状態と、前記複数のアンテナのうちの複数について受信電波を復調する第2復調状態とを切り換える状態切換部と
前記複数のアンテナのそれぞれについて、電波の受信状況を表す受信状況値を取得する受信状況値取得部と、
前記通信装置が前記第1復調状態である場合、前記複数のアンテナの前記受信状況値の比較結果が予め定められた条件を満たしたことに応じて前記複数のアンテナのうち有効にする1つのアンテナを切り換え、前記通信装置が前記第2復調状態である場合、前記複数のアンテナのうちの複数を有効にする切換制御部と、
有効にされているアンテナの受信電波を復調する復調部と
を備え
前記切換制御部は、前記通信装置が前記第2復調状態である場合、前記複数のアンテナのうちの一部の複数のアンテナのみを有効にし、
前記切換制御部は、前記複数のアンテナが3つ以上ある場合において、アンテナ間の受信電力が逆相関、又は無相関となる組み合わせとなる2つのアンテナを有効にする、
通信装置。
【請求項2】
移動体に搭載される通信装置であって、
複数のアンテナと、
前記複数のアンテナのうちの1つについて受信電波を復調する第1復調状態と、前記複数のアンテナのうちの複数について受信電波を復調する第2復調状態とを切り換える状態切換部と、
前記複数のアンテナのそれぞれについて、電波の受信状況を表す受信状況値を取得する受信状況値取得部と、
前記通信装置が前記第1復調状態である場合、前記複数のアンテナの前記受信状況値の比較結果が予め定められた条件を満たしたことに応じて前記複数のアンテナのうち有効にする1つのアンテナを切り換え、前記通信装置が前記第2復調状態である場合、前記複数のアンテナのうちの複数を有効にする切換制御部と、
有効にされているアンテナの受信電波を復調する復調部と
を備え、
前記状態切換部は、前記通信装置が前記第1復調状態である場合に、前記切換制御部による前記複数のアンテナのうち有効にする1つのアンテナを切り換える切換頻度が予め定められた閾値より高くなったことに応じて、前記第1復調状態から前記第2復調状態に切り換える、通信装置。
【請求項3】
前記状態切換部は、前記通信装置が前記第2復調状態である場合に、前記複数のアンテナの前記受信状況値の比較結果が前記条件を満たした頻度が予め定められた閾値より低くなったことに応じて、前記第2復調状態から前記第1復調状態に切り換える、請求項に記載の通信装置。
【請求項4】
移動体に搭載される通信装置であって、
複数のアンテナと、
前記複数のアンテナのうちの1つについて受信電波を復調する第1復調状態と、前記複数のアンテナのうちの複数について受信電波を復調する第2復調状態とを切り換える状態切換部と、
前記複数のアンテナのそれぞれについて、電波の受信状況を表す受信状況値を取得する受信状況値取得部と、
前記通信装置が前記第1復調状態である場合、前記複数のアンテナの前記受信状況値の比較結果が予め定められた条件を満たしたことに応じて前記複数のアンテナのうち有効にする1つのアンテナを切り換え、前記通信装置が前記第2復調状態である場合、前記複数のアンテナのうちの複数を有効にする切換制御部と、
有効にされているアンテナの受信電波を復調する復調部と
を備え、
前記状態切換部は、前記移動体が道路構造物に挟まれていないと判定した場合、前記通信装置を前記第1復調状態とし、前記移動体が道路構造物に挟まれていると判定した場合、前記通信装置を前記第2復調状態とする、通信装置。
【請求項5】
前記状態切換部は、前記道路構造物の設置位置を含む道路情報と前記移動体の位置とに基づいて、前記移動体が前記道路構造物に挟まれているか否かを判定する、請求項に記載の通信装置。
【請求項6】
前記状態切換部は、前記移動体がトンネル内に位置する場合、前記移動体が道路構造物に挟まれていると判定する、請求項に記載の通信装置。
【請求項7】
前記状態切換部は、前記移動体が道路の側壁に挟まれている場合、前記移動体が道路構造物に挟まれていると判定する、請求項に記載の通信装置。
【請求項8】
前記状態切換部は、前記移動体に搭載されたカメラ又はセンサによって測定された前記移動体の周囲の状況に基づいて、前記移動体が前記道路構造物に挟まれているか否かを判定する、請求項に記載の通信装置。
【請求項9】
移動体に搭載される通信装置であって、
複数のアンテナと、
前記複数のアンテナのうちの1つについて受信電波を復調する第1復調状態と、前記複数のアンテナのうちの複数について受信電波を復調する第2復調状態とを切り換える状態切換部と、
前記複数のアンテナのうちの1つについて、電波の受信状況を表す受信状況値を取得する受信状況値取得部と、
前記通信装置が前記第1復調状態である場合、前記受信状況値が予め定められた条件を満たしたことに応じて前記複数のアンテナのうち有効にする1つのアンテナを切り換え、前記通信装置が前記第2復調状態である場合、前記複数のアンテナのうちの複数を有効にする切換制御部と、
有効にされているアンテナの受信電波を復調する復調部と、
を備える、通信装置。
【請求項10】
前記状態切換部は、前記通信装置が前記第1復調状態である場合に、前記切換制御部による前記複数のアンテナのうち有効にする1つのアンテナを切り換える切換頻度が予め定められた閾値より高くなったことに応じて、前記第1復調状態から前記第2復調状態に切り換える、請求項に記載の通信装置。
【請求項11】
前記状態切換部は、前記通信装置が前記第2復調状態である場合に、前記受信状況値が前記条件を満たした頻度が予め定められた閾値より低くなったことに応じて、前記第2復調状態から前記第1復調状態に切り換える、請求項10に記載の通信装置。
【請求項12】
前記状態切換部は、前記移動体が道路構造物に挟まれていないと判定した場合、前記通信装置を前記第1復調状態とし、前記移動体が道路構造物に挟まれていると判定した場合、前記通信装置を前記第2復調状態とする、請求項に記載の通信装置。
【請求項13】
前記状態切換部は、前記道路構造物の設置位置を含む道路情報と前記移動体の位置とに基づいて、前記移動体が前記道路構造物に挟まれているか否かを判定する、請求項12に記載の通信装置。
【請求項14】
前記状態切換部は、前記移動体に搭載されたカメラ又はセンサによって測定された前記移動体の周囲の状況に基づいて、前記移動体が前記道路構造物に挟まれているか否かを判定する、請求項12に記載の通信装置。
【請求項15】
請求項1から14のいずれか一項に記載の通信装置と、
前記移動体と
を備えるシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
非特許文献1には、車車間通信における空間ダイバーシティの有効性について記載されている。非特許文献2には、空間ダイバーシティのアンテナ間隔は見通し外通信を前提とし、移動局側で半波長以上、基地局側で10波長以上離せばよいことが記載されている。
[先行技術文献]
[非特許文献]
[非特許文献1]加藤明人、佐藤勝善、藤瀬雅行"ミリ波車車間通信技術-電波伝搬特性-" 通信総合研究所季報, vol.47, no.4, Dec. 2001
[非特許文献2]唐沢好男、"ディジタル移動通信の電波伝搬基礎"コロナ社,改訂版第1刷, Mar. 2016
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明の一実施態様によれば、通信装置が提供される。前記通信装置は、移動体に搭載されてよい。前記通信装置は、複数のアンテナを備えてよい。前記通信装置は、前記複数のアンテナのうちの1つについて受信電波を復調する第1復調状態と、前記複数のアンテナのうちの複数について受信電波を復調する第2復調状態とを切り換える状態切換部を備えてよい。
【0004】
前記通信装置は、前記複数のアンテナのそれぞれについて、電波の受信状況を表す受信状況値を取得する受信状況値取得部と、前記通信装置が前記第1復調状態である場合、前記複数のアンテナの前記受信状況値の比較結果が予め定められた条件を満たしたことに応じて前記複数のアンテナのうち有効にする1つのアンテナを切り換え、前記通信装置が前記第2復調状態である場合、前記複数のアンテナのうちの複数を有効にする切換制御部と、有効にされているアンテナの受信電波を復調する復調部とを備えてよい。前記状態切換部は、前記通信装置が前記第1復調状態である場合に、前記切換制御部による前記複数のアンテナのうち有効にする1つのアンテナを切り換える切換頻度が予め定められた閾値より高くなったことに応じて、前記第1復調状態から前記第2復調状態に切り換えてよい。前記状態切換部は、前記通信装置が前記第2復調状態である場合に、前記複数のアンテナの前記受信状況値の比較結果が前記条件を満たした頻度が予め定められた閾値より低くなったことに応じて、前記第2復調状態から前記第1復調状態に切り換えてよい。前記状態切換部は、前記移動体が道路構造物に挟まれていないと判定した場合、前記通信装置を前記第1復調状態とし、前記移動体が道路構造物に挟まれていると判定した場合、前記通信装置を前記第2復調状態としてよい。前記状態切換部は、前記道路構造物の設置位置を含む道路情報と前記移動体の位置とに基づいて、前記移動体が前記道路構造物に挟まれているか否かを判定してよい。前記状態切換部は、前記移動体がトンネル内に位置する場合、前記移動体が道路構造物に挟まれていると判定してよい。前記状態切換部は、前記移動体が道路の側壁に挟まれている場合、前記移動体が道路構造物に挟まれていると判定してよい。前記状態切換部は、前記移動体に搭載されたカメラ又はセンサによって測定された前記移動体の周囲の状況に基づいて、前記移動体が前記道路構造物に挟まれているか否かを判定してよい。
【0005】
前記通信装置は、前記複数のアンテナのうちの1つについて、電波の受信状況を表す受信状況値を取得する受信状況値取得部と、前記通信装置が前記第1復調状態である場合、前記受信状況値が予め定められた条件を満たしたことに応じて前記複数のアンテナのうち有効にする1つのアンテナを切り換え、前記通信装置が前記第2復調状態である場合、前記複数のアンテナのうちの複数を有効にする切換制御部と、有効にされているアンテナの受信電波を復調する復調部とを備えてよい。前記状態切換部は、前記通信装置が前記第1復調状態である場合に、前記切換制御部による前記複数のアンテナのうち有効にする1つのアンテナを切り換える切換頻度が予め定められた閾値より高くなったことに応じて、前記第1復調状態から前記第2復調状態に切り換えてよい。前記状態切換部は、前記通信装置が前記第2復調状態である場合に、前記受信状況値が前記条件を満たした頻度が予め定められた閾値より低くなったことに応じて、前記第2復調状態から前記第1復調状態に切り換えてよい。前記状態切換部は、前記移動体が道路構造物に挟まれていないと判定した場合、前記通信装置を前記第1復調状態とし、前記移動体が道路構造物に挟まれていると判定した場合、前記通信装置を前記第2復調状態としてよい。
【0006】
本発明の一実施態様によれば、前記通信装置と、前記移動体とを備えるシステムが提供される。
【0007】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】システム10の一例を概略的に示す。
図2】システム10の一例を概略的に示す。
図3】通信装置200の構成の一例を概略的に示す。
図4】アンテナ選択・切換ダイバーシティと並列受信とを切り換えて実行する場合であって、16QAMを実行する場合の、通信装置200の構成の一例を概略的に示す。
図5】通信装置200の一部として機能するコンピュータ1200のハードウェア構成の一例を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
車車間通信において空間ダイバーシティが有効であることが示されている(非特許文献1)が、最適なアンテナアレー構成法については言及されていない。一般的に移動通信における空間ダイバーシティのアンテナ間隔は見通し外通信を前提とし、移動局側で半波長以上、基地局側で10波長以上離せばよいとされている(非特許文献2)。
【0010】
車車間通信は、見通し内通信となるが、見通し内通信の場合、路面や橋梁等の天井面、側方反射体(側壁)等の道路構造物からの反射波干渉により、受信点がある路面に垂直な平面内で垂直及び水平方向に周期的にレベルが変動するため、アンテナダイバーシティではこの変動周期を考慮してアンテナ間隔を設計する。トンネルのような路面と橋梁等の天井面間、及び左右の側方反射体等で挟まれた環境を車両が走行すると、複数回反射波が併せて受信されたり、ハンドル操作や路面の凹凸等によるブレが生じたりすることでレベルが瞬時的に変動するため、選択ダイバーシティを用いた場合に選択後のフレーム伝送時に復調前の入力信号レベルが低下し復調できない可能性がある。本実施形態に係る通信装置200は、アンテナの選択・切換頻度や、周辺環境に応じて状態遷移する受信ダイバーシティ制御を実現する。
【0011】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0012】
図1及び図2は、本実施形態に係るシステム10の一例を概略的に示す。システム10は、通信装置200と、通信装置200を搭載した移動体とを備える。図1及び図2における車両100は、移動体の一例である。車両100は、自動車であってよい。
【0013】
通信装置200は、アンテナユニット300を備える。通信装置200は、アンテナ400を備えてよい。
【0014】
図1は、車両100の正面を概略的に示し、図2は、車両100の背面を概略的に示す。車両100の背面には、アンテナユニット300が配置されている。アンテナユニット300は、複数のアンテナ310を備える。車両100の正面には、アンテナ400が配置されている。
【0015】
通信装置200は、アンテナユニット300及びアンテナ400を用いて、通信装置200が搭載されている車両100(自車と記載する場合がある。)とは異なる他の車両100に搭載された通信装置200と通信する。通信装置200は、例えば、アンテナユニット300を用いて、自車の後方を走行する他の車両100からデータを受信し、アンテナ400を用いて、自車の前方を走行する他の車両100にデータを送信する。アンテナユニット300は、受信アンテナユニットであってよく、アンテナ400は、送信アンテナであってよい。
【0016】
本実施形態に係る通信装置200は、複数のアンテナ310を用いた選択ダイバーシティを実行する。選択ダイバーシティには種類があり、アンテナ選択・アンテナ切換ダイバーシティでは選択・切換をしないと他方の受信状況が分からず切り戻しが生じてしまうため、選択・切換をしなくても他方の受信状況が把握可能な選択合成ダイバーシティが利用されることが比較的多い。
【0017】
車車間通信のような見通し内通信の場合は、路面や橋梁等の天井面、側方反射体(側壁)等の道路構造物からの反射波干渉により、受信点がある路面に垂直な平面内で垂直及び水平方向に周期的にレベルが変動するため、アンテナダイバーシティではこの変動周期を考慮してアンテナ間隔を設計する。トンネルのような路面と橋梁等の天井面間、及び左右の側方反射体間等で挟まれた環境を走行すると、複数回反射波が併せて受信されたり、ハンドル操作や路面の凸凹等によりブレが生じたりすることでレベルが瞬時的に変動するため、選択ダイバーシティを用いた場合に選択後のフレーム伝送時に復調前の入力信号レベルが低下し復調できない可能性がある。
【0018】
そこで、通信装置200は、n個のブランチを持つ受信ダイバーシティにおいて、任意の期間におけるアンテナ選択・切換頻度が閾値以上になったことを検出、又は、映像やセンサ、地図情報等から道路構造物を検知したこと等をトリガとして、検出・検知がなくなるまでの間、状態Iの選択・切換受信から、状態IIの並列受信に遷移する受信ダイバーシティ制御を実行する。通信装置200は、状態Iでは、n個のブランチのうちの1つについて受信電波を復調し、状態IIでは、n個のブランチのうちの複数について受信電波を復調する。これにより、選択・切換が多発する走行区間における瞬時変動に対して無線品質劣化を低減することができる。
【0019】
図3は、通信装置200の構成の一例を概略的に示す。通信装置200は、複数のアンテナ310と、GPS/センサ312と、制御部202とを備える。
【0020】
制御部202は、周波数変換検波部210、受信状況値取得部212、状態切換部214、切換制御部216、移動体情報取得部218、及び復調部220を備える。なお、制御部202がこれらの全てを備えることは必須とは限らない。
【0021】
周波数変換検波部210は、アンテナ310からのRF(Radio Frequency)信号に対する周波数変換及び検波を行う。
【0022】
受信状況値取得部212は、アンテナ310の電波の受信状況を表す受信状況値を取得する。受信状況値は、アンテナ310が受信する電波の電波強度を示してよい。受信状況値取得部212は、例えば、アンテナ310のRSRP(Reference Signal Received Power)を取得する。受信状況値は、アンテナ310が受信する電波の受信品質を示してよい。受信状況値取得部212は、例えば、アンテナ310のRSRQ(Reference Signal Received Quality)を取得する。受信状況値は、アンテナ310が受信する電波の受信信号強度を示してよい。受信状況値取得部212は、例えば、アンテナ310のRSSI(Received Signal Strength Indicator)を取得する。受信状況値は、アンテナ310が受信する電波における信号対干渉雑音比を示してよい。受信状況値取得部212は、例えば、アンテナ310のSINR(Signal to Inter- ference plus Noise Ratio)を取得する。
【0023】
なお、受信状況値は、複数のアンテナ310の電波の受信状況の比較結果を示してもよい。受信状況値は、例えば、電波強度の比較結果、受信品質の比較結果、受信信号強度の比較結果、信号対干渉雑音比の比較結果等を示す。
【0024】
状態切換部214は、複数のアンテナ310のうちの1つについて受信電波を復調する第1復調状態と、複数のアンテナ310のうちの複数について受信電波を復調する第2復調状態とを切り換える。
【0025】
切換制御部216は、複数のアンテナ310の切換に関する制御を行う。切換制御部216は、通信装置200が第1復調状態である場合、選択ダイバーシティを行うべく、受信状況値取得部212が取得した受信状況値に基づいて、複数のアンテナ310のうち、有効にするアンテナ310を切り換えるようにする。切換制御部216は、通信装置200が第2復調状態である場合、アンテナ310の切り換えをせずに、複数のアンテナ310のうちの複数を有効にするようにする。
【0026】
例えば、通信装置200に、複数のアンテナ310のうち、接続状態とする1つのアンテナ310を切り換え可能であり、かつ、複数のアンテナ310のうち、複数を接続状態とすることも可能である、複数のスイッチが配置される。そして、切換制御部216は、当該複数のスイッチを切り換えることによって、複数のアンテナ310のうち、接続状態とする1つのアンテナ310を切り換えたり、複数のアンテナ310のうち、複数を接続状態としたりする。一具体例として、第1のアンテナ310及び第2アンテナ310の2つのアンテナ310を備える場合、通信装置200は、第1のアンテナ310と第2のアンテナ310との接続を切り換える第1のスイッチと、第2のアンテナ310との接続のオンオフを切り換える第2のスイッチとを備える。そして、通信装置200が第1復調状態である場合、切換制御部216は、第2のスイッチをオフ状態とし、第1のスイッチを切り換えることによって、第1のアンテナ310及び第2のアンテナ310のいずれか一方を接続状態とする。また、通信装置200が第2復調状態である場合、切換制御部216は、第1のスイッチによって第1のアンテナ310を接続状態とし、第2のスイッチをオン状態とすることで第2のアンテナ310を接続状態とする。
【0027】
移動体情報取得部218は、通信装置200が搭載されている車両100に関する情報を取得する。移動体情報取得部218は、GPS/センサ312から、移動体情報を取得してよい。
【0028】
移動体情報取得部218は、例えば、車両100の位置を示す位置情報を取得する。移動体情報取得部218は、例えば、車両100に搭載された測位センサによって測定された位置情報を取得する。移動体情報取得部218は、例えば、車両100に搭載されたナビゲーションシステムによって管理されている位置情報を取得する。また、例えば、通信装置200が測位センサを備え、移動体情報取得部218は、当該測位センサから位置情報を取得する。
【0029】
移動体情報取得部218は、例えば、車両100の周囲の状況を示す周囲情報を取得する。移動体情報取得部218は、例えば、車両100に搭載されたカメラ及びセンサの少なくともいずれかによって特定された車両100の周囲の状況を示す周囲情報を取得する。センサの例として、LiDAR及び測距センサ等が挙げられる。
【0030】
通信装置200は、選択合成ダイバーシティと並列受信とを切り換えて実行してよい。この場合、受信状況値取得部212は、複数のアンテナ310のそれぞれについて、受信状況値を取得する。切換制御部216は、通信装置200が第1復調状態である場合、複数のアンテナ310の受信状況値の比較結果が予め定められた条件を満たしたことに応じて複数のアンテナ310のうち有効にする1つのアンテナを切り換える。
【0031】
切換制御部216は、通信装置200が第2復調状態である場合、複数のアンテナ310のうちの複数を有効にする。切換制御部216は、例えば、複数のアンテナ310のうちの全てを有効にする。切換制御部216は、複数のアンテナ310のうちの一部を有効にしてもよい。例えば、アンテナ310が3つ以上ある場合において、切換制御部216は、アンテナ310間の受信電力が逆相関や無相関となる組み合わせとなる2つのアンテナ310を有効にする。
【0032】
切換制御部216は、既知の選択合成ダイバーシティと同様の判定基準を用いて、複数のアンテナ310の受信状況値が条件を満たすか否かを判定してよい。例えば、切換制御部216は、複数のアンテナ310のRSRPの差が予め定められた閾値より大きい場合に、RSRPの値がより高い1つのアンテナ310を有効にする。切換制御部216は、RSRQ、RSSI、又はSINRを用いて判定してもよく、これらを複合的に用いて判定してもよい。
【0033】
状態切換部214は、受信状況値取得部212が取得した受信状況値に基づいて、通信装置200の状態を、第1復調状態及び第2復調状態の間で切り換えてよい。例えば、状態切換部214は、通信装置200が第1復調状態である場合に、切換制御部216による複数のアンテナ310のうち有効にする1つのアンテナを切り換える切換頻度が予め定められた閾値より高くなったことに応じて、第1復調状態から第2復調状態に切り換えてよい。状態切換部214は、1秒毎や、5秒毎等の、予め定められた期間毎に、その期間における、切換頻度が予め定められた閾値より高いか否かを判定してよい。これにより、複数のアンテナ310の電波受信レベルが瞬時的に変動してしまい、選択合成ダイバーシティでは選択後のフレーム伝送時に復調前の入力信号レベルが低下して復調できなくなってしまうような環境となった際に、第2復調状態に切り換えることができ、無線品質劣化を低減することができる。
【0034】
状態切換部214は、通信装置200が第2復調状態である場合も、複数のアンテナ310の受信状況値が予め定められた条件を満たすか否かの判定処理を継続する。そして、状態切換部214は、通信装置200が第2復調状態である場合において、複数のアンテナ310の受信状況値が予め定められた条件を満たした頻度が予め定められた閾値より低くなったことに応じて、第2復調状態から第1復調状態に切り換えてよい。状態切換部214は、1秒毎や、5秒毎等の、予め定められた期間毎に、その期間における、複数のアンテナ310の受信状況値が条件を満たした頻度が予め定められた閾値より高いか否かを判定してよい。これにより、複数のアンテナ310の電波受信レベルが瞬時的に変動してしまう環境ではなくなったことに応じて、第1復調状態に戻すことができ、復調する対象を1つのアンテナ310に絞ることによって、処理負荷を低減したり、消費電力を低減したりすることができる。
【0035】
状態切換部214は、移動体情報取得部218によって取得された移動体情報に基づいて、通信装置200の状態を、第1復調状態及び第2復調状態の間で切り換えてよい。例えば、状態切換部214は、車両100の移動体情報に基づいて、車両100が道路構造物に挟まれていないと判定した場合、通信装置200を第1復調状態とし、車両100が道路構造物に含まれていると判定した場合、通信装置200を第2復調状態とする。道路構造物の例として、トンネル、側壁、及び電波を反射する素材の防音壁等が挙げられる。状態切換部214は、例えば、車両100がトンネル内に位置する場合、車両100が道路構造物に挟まれていると判定する。状態切換部214は、例えば、車両100が道路の側壁に挟まれている場合、車両100が道路構造物に挟まれていると判定する。
【0036】
状態切換部214は、例えば、道路構造物の設置位置を含む道路情報を予め記憶しておき、道路情報と、車両100の位置情報とに基づいて、車両100が道路構造物に挟まれているか否かを判定する。状態切換部214は、例えば、車両100に搭載されたカメラ又はセンサによって測定された車両100の周囲の状況に基づいて、車両100が道路構造物に挟まれているか否かを判定する。センサの例として、LiDAR及び測距センサ等が挙げられる。
【0037】
通信装置200は、アンテナ選択・切換ダイバーシティと並列受信とを切り換えて実行してもよい。この場合、受信状況値取得部212は、複数のアンテナ310のうち有効とされている1つについて、受信状況値を取得する。切換制御部216は、通信装置200が第1復調状態である場合、受信状況値が予め定められた条件を満たしたことに応じて複数のアンテナ310のうち有効にする1つのアンテナを切り換え、通信装置200が第2復調状態である場合、複数のアンテナ310のうちの複数を有効にする。
【0038】
切換制御部216は、既知のアンテナ選択・切換ダイバーシティと同様の判定基準を用いて、受信状況値が予め定められた条件を満たすか否かを判定してよい。例えば、切換制御部216は、RSRPが予め定められた閾値より低い場合に、条件を満たすと判定する。切換制御部216は、RSRQ、RSSI、又はSINRを用いて判定してもよく、これらを複合的に用いて判定してもよい。
【0039】
状態切換部214は、受信状況値取得部212が取得した受信状況値に基づいて、通信装置200の状態を、第1復調状態及び第2復調状態の間で切り換えてよい。例えば、状態切換部214は、通信装置200が第1復調状態である場合に、切換制御部216による複数のアンテナ310のうち有効にする1つのアンテナを切り換える切換頻度が予め定められた閾値より高くなったことに応じて、第1復調状態から第2復調状態に切り替えてよい。状態切換部214は、1秒毎や、5秒毎等の、予め定められた期間毎に、その期間における、切換頻度が予め定められた閾値より高いか否かを判定してよい。これにより、複数のアンテナ310の電波受信レベルが瞬時的に変動してしまい、選択合成ダイバーシティでは選択後のフレーム伝送時に復調前の入力信号レベルが低下して復調できなくなってしまうような環境となった際に、第2復調状態に切り換えることができ、無線品質劣化を低減することができる。
【0040】
状態切換部214は、通信装置200が第2復調状態である場合も、受信状況値が予め定められた条件を満たすか否かの判定処理を継続する。そして、状態切換部214は、通信装置200が第2復調状態である場合において、受信状況値が予め定められた条件を満たした頻度が予め定められた閾値より低くなったことに応じて、第2復調状態から第1復調状態に切り換えてよい。状態切換部214は、1秒毎や、5秒毎等の、予め定められた期間毎に、その期間における、比較結果が条件を満たした頻度が予め定められた閾値より高いか否かを判定してよい。これにより、複数のアンテナ310の電波受信レベルが瞬時的に変動してしまう環境ではなくなったことに応じて、第1復調状態に戻すことができ、復調する対象を1つのアンテナ310に絞ることによって、処理負荷を低減したり、消費電力を低減したりすることができる。
【0041】
状態切換部214は、移動体情報取得部218によって取得された移動体情報に基づいて、通信装置200の状態を、第1復調状態及び第2復調状態の間で切り換えてよい。例えば、状態切換部214は、車両100の移動体情報に基づいて、車両100が道路構造物に挟まれていないと判定した場合、通信装置200を第1復調状態とし、車両100が道路構造物に含まれていると判定した場合、通信装置200を第2復調状態とする。状態切換部214は、例えば、車両100がトンネル内に位置する場合、車両100が道路構造物に挟まれていると判定する。状態切換部214は、例えば、車両100が道路の側壁に挟まれている場合、車両100が道路構造物に挟まれていると判定する。
【0042】
状態切換部214は、例えば、道路構造物の設置位置を含む道路情報を予め記憶しておき、道路情報と、車両100の位置情報とに基づいて、車両100が道路構造物に挟まれているか否かを判定する。状態切換部214は、例えば、車両100に搭載されたカメラ又はセンサによって測定された車両100の周囲の状況に基づいて、車両100が道路構造物に挟まれているか否かを判定する。
【0043】
復調部220は、複数のアンテナ310のうち有効にされているアンテナ310の受信電波を復調する。通信装置200が第1復調状態である場合、復調部220は、有効にされている1つのアンテナ310の受信電波を復調する。
【0044】
通信装置200が第2復調状態である場合、復調部220は、有効にされている複数のアンテナ310の受信電波を復調する。復調部220は、例えば、有効にされているすべてのアンテナ310の受信電波を復調する。なお、復調部220が、有効にされているすべてのアンテナ310の受信電波を復調することは必須とは限らない。復調部220は、第1復調区間において、有効にされている複数のアンテナ310の受信電波を1つずつ復調していき、復調を完了できた時点で、復調を停止してもよい。
【0045】
図4は、アンテナ選択・切換ダイバーシティと並列受信とを切り換えて実行する場合であって、16QAM(Quadrature Amplitude Modulation)を実行する場合の、通信装置200の構成の一具体例を概略的に示す。図4では、アンテナ310が2つである場合を例示するが、アンテナ310の数はこれに限らず、3つ以上であってもよい。
【0046】
図4に例示する通信装置200は、2つのアンテナ310と、2つの同期検波回路340と、電圧制御発信器346と、制御信号発生回路348と、ループフィルタ350と、差動符号化シリアル変換部360と、Iチャネルの制御を行う制御部230と、Qチャネルの制御を行う制御部240とを備える。同期検波回路340は、ミキサ341、ロールオフフィルタ342、ミキサ343、ロールオフフィルタ344、及び位相器345を有する。
【0047】
図4に示すように、制御部230は、第1復調状態(状態I)の場合に、スイッチ334を下側にスイッチし、スイッチ332を上下にスイッチすることによって2つのアンテナ310のうちのいずれか一方を有効とする。また、制御部230は、第2復調状態(状態II)の場合に、スイッチ332及びスイッチ334を上側にスイッチすることによって、2つのアンテナ310の両方を有効とする。
【0048】
また、制御部240は、第1復調状態の場合に、スイッチ338を下側にスイッチし、スイッチ336を上下にスイッチすることによって2つのアンテナ310のうちのいずれか一方を有効とする。また、制御部240は、第2復調状態の場合に、スイッチ336及びスイッチ338を上側にスイッチすることによって、2つのアンテナ310の両方を有効とする。
【0049】
図5は、通信装置200の一部として機能するコンピュータ1200のハードウェア構成の一例を概略的に示す。コンピュータ1200にインストールされたプログラムは、コンピュータ1200を、本実施形態に係る装置の1又は複数の「部」として機能させ、又はコンピュータ1200に、本実施形態に係る装置に関連付けられるオペレーション又は当該1又は複数の「部」を実行させることができ、及び/又はコンピュータ1200に、本実施形態に係るプロセス又は当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ1200に、本明細書に記載のフローチャート及びブロック図のブロックのうちのいくつか又はすべてに関連付けられた特定のオペレーションを実行させるべく、CPU1212によって実行されてよい。
【0050】
本実施形態によるコンピュータ1200は、CPU1212、RAM1214、及びグラフィックコントローラ1216を含み、それらはホストコントローラ1210によって相互に接続されている。コンピュータ1200はまた、通信インタフェース1222、記憶装置1224、DVDドライブ、及びICカードドライブのような入出力ユニットを含み、それらは入出力コントローラ1220を介してホストコントローラ1210に接続されている。DVDドライブは、DVD-ROMドライブ及びDVD-RAMドライブ等であってよい。記憶装置1224は、ハードディスクドライブ及びソリッドステートドライブ等であってよい。コンピュータ1200はまた、ROM1230及びキーボードのようなレガシの入出力ユニットを含み、それらは入出力チップ1240を介して入出力コントローラ1220に接続されている。
【0051】
CPU1212は、ROM1230及びRAM1214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ1216は、RAM1214内に提供されるフレームバッファ等又はそれ自体の中に、CPU1212によって生成されるイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス1218上に表示されるようにする。
【0052】
通信インタフェース1222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。記憶装置1224は、コンピュータ1200内のCPU1212によって使用されるプログラム及びデータを格納する。DVDドライブは、プログラム又はデータをDVD-ROM等から読み取り、記憶装置1224に提供する。ICカードドライブは、プログラム及びデータをICカードから読み取り、及び/又はプログラム及びデータをICカードに書き込む。
【0053】
ROM1230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ1200によって実行されるブートプログラム等、及び/又はコンピュータ1200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入出力チップ1240はまた、様々な入出力ユニットをUSBポート、パラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入出力コントローラ1220に接続してよい。
【0054】
プログラムは、DVD-ROM又はICカードのようなコンピュータ可読記憶媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体から読み取られ、コンピュータ可読記憶媒体の例でもある記憶装置1224、RAM1214、又はROM1230にインストールされ、CPU1212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ1200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置又は方法が、コンピュータ1200の使用に従い情報のオペレーション又は処理を実現することによって構成されてよい。
【0055】
例えば、通信がコンピュータ1200及び外部デバイス間で実行される場合、CPU1212は、RAM1214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース1222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース1222は、CPU1212の制御の下、RAM1214、記憶装置1224、DVD-ROM、又はICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、又はネットワークから受信した受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ領域等に書き込む。
【0056】
また、CPU1212は、記憶装置1224、DVDドライブ(DVD-ROM)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイル又はデータベースの全部又は必要な部分がRAM1214に読み取られるようにし、RAM1214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU1212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックしてよい。
【0057】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、及びデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU1212は、RAM1214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプのオペレーション、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM1214に対しライトバックする。また、CPU1212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU1212は、当該複数のエントリの中から、第1の属性の属性値が指定されている条件に一致するエントリを検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0058】
上で説明したプログラム又はソフトウエアモジュールは、コンピュータ1200上又はコンピュータ1200近傍のコンピュータ可読記憶媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワーク又はインターネットに接続されたサーバシステム内に提供されるハードディスク又はRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読記憶媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ1200に提供する。
【0059】
本実施形態におけるフローチャート及びブロック図におけるブロックは、オペレーションが実行されるプロセスの段階又はオペレーションを実行する役割を持つ装置の「部」を表わしてよい。特定の段階及び「部」が、専用回路、コンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、及び/又はコンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタル及び/又はアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)及び/又はディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、及びプログラマブルロジックアレイ(PLA)等のような、論理積、論理和、排他的論理和、否定論理積、否定論理和、及び他の論理演算、フリップフロップ、レジスタ、並びにメモリエレメントを含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
【0060】
コンピュータ可読記憶媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読記憶媒体は、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読記憶媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(登録商標)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0061】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、又はSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、及び「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコード又はオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
【0062】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路が、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を生成するために当該コンピュータ可読命令を実行すべく、ローカルに又はローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路に提供されてよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0063】
上記実施形態では、移動体の例として車両100を示したが、これに限らない。移動体の他の例として、鉄道車両及び無人航空機等が挙げられる。
【0064】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0065】
特許請求の範囲、明細書、及び図面中において示した装置、システム、プログラム、及び方法における動作、手順、ステップ、及び段階などの各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」などと明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、及び図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」などを用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0066】
10 システム、100 車両、200 通信装置、202 制御部、210 周波数変換検波部、212 受信状況値取得部、214 状態切換部、216 切換制御部、218 移動体情報取得部、220 復調部、230 制御部、240 制御部、300 アンテナユニット、310 アンテナ、312 GPS/センサ、332、334、336、338 スイッチ、340 同期検波回路、341 ミキサ、342 ロールオフフィルタ、343 ミキサ、344 ロールオフフィルタ、345 位相器、346 電圧制御発信器、348 制御信号発生回路、350 ループフィルタ、360 差動符号化シリアル変換部、400 アンテナ、1200 コンピュータ、1210 ホストコントローラ、1212 CPU、1214 RAM、1216 グラフィックコントローラ、1218 ディスプレイデバイス、1220 入出力コントローラ、1222 通信インタフェース、1224 記憶装置、1230 ROM、1240 入出力チップ
図1
図2
図3
図4
図5