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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-25
(45)【発行日】2024-07-03
(54)【発明の名称】新規の作物栄養および強化組成物
(51)【国際特許分類】
   A01N 25/12 20060101AFI20240626BHJP
   A01N 25/04 20060101ALI20240626BHJP
   A01N 59/02 20060101ALI20240626BHJP
   A01N 59/16 20060101ALI20240626BHJP
   A01P 21/00 20060101ALI20240626BHJP
   C05D 9/02 20060101ALI20240626BHJP
   C05G 5/12 20200101ALI20240626BHJP
   C05G 5/27 20200101ALI20240626BHJP
【FI】
A01N25/12 101
A01N25/04 102
A01N59/02 A
A01N59/16 Z
A01P21/00
C05D9/02
C05G5/12
C05G5/27
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2022204509
(22)【出願日】2022-12-21
(62)【分割の表示】P 2020563555の分割
【原出願日】2019-05-04
(65)【公開番号】P2023036788
(43)【公開日】2023-03-14
【審査請求日】2022-12-21
(31)【優先権主張番号】PCT/IB2018/053251
(32)【優先日】2018-05-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IB
(31)【優先権主張番号】201821033608
(32)【優先日】2018-09-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(73)【特許権者】
【識別番号】519392292
【氏名又は名称】サワント、アルン ヴィットハル
(73)【特許権者】
【識別番号】519392281
【氏名又は名称】ヴァダケクットゥ、タンカパン
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】サワント アルン ヴィットハル
(72)【発明者】
【氏名】ヴァダケクットゥ タンカパン
【審査官】高橋 直子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/017329(WO,A2)
【文献】米国特許出願公開第2013/0345052(US,A1)
【文献】特許第7223033(JP,B2)
【文献】農薬製剤ガイド,1997年,35-41
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01N 25/12
A01N 25/04
A01N 59/02
A01N 59/16
A01P 21/00
C05D 9/02
C05G 5/12
C05G 5/27
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水分散性顆粒状作物栄養および強化組成物であって:
トータルの組成物の1~90%w/wの範囲の元素状硫黄;
トータルの組成物の1~70%w/wの範囲の少なくとも1つの水可溶性の鉄塩、それらの錯体、誘導体、またはそれらの混合物;
トータルの組成物の1~30%w/wの範囲の少なくとも1つの分散剤;
を含み、
前記組成物の顆粒が0.1~2.5mmのサイズ範囲であり、0.1~20ミクロンのサイズ範囲の粒子を含み、
前記水可溶性の鉄塩が、コハク酸鉄、フマル酸鉄、フミン酸鉄、フルボ酸鉄、クエン酸鉄、リンゴ酸鉄、キレート鉄、アスコルビン酸鉄の1つ以上から選択され、
組成物は、硫酸鉄を含まない、水分散性顆粒状作物栄養および強化組成物。
【請求項2】
液体懸濁液作物栄養および強化組成物であって:
トータルの組成物の1~60%w/wの範囲の元素状硫黄;
トータルの組成物の1~55%w/wの範囲の少なくとも1つの水可溶性の鉄塩、それらの錯体、誘導体、またはそれらの混合物;
トータルの組成物の0.01~5%w/wの範囲の少なくとも1つの構造形成剤;
少なくとも1つの農芸化学的に受け入れられる賦形剤;
を含み、
前記組成物が0.1~20ミクロンのサイズ範囲の粒子を含み、
前記水可溶性の鉄塩が、コハク酸鉄、フマル酸鉄、フミン酸鉄、フルボ酸鉄、クエン酸鉄、リンゴ酸鉄、鉄キレート、アスコルビン酸鉄の1つ以上から選択され、
組成物は、硫酸鉄を含まない、液体懸濁液作物栄養および強化組成物。
【請求項3】
前記組成物がマイクロ顆粒の形態である、
請求項1に記載の水分散性顆粒状組成物。
【請求項4】
前記組成物の顆粒が0.1から1.5mmのサイズ範囲である、
請求項1に記載の水分散性顆粒状組成物。
【請求項5】
前記組成物の顆粒が0.1から10ミクロンのサイズ範囲の粒子を含む、
請求項1に記載の水分散性顆粒状組成物。
【請求項6】
前記水可溶性の鉄塩、錯体、誘導体、またはそれらの混合物の1つ以上対前記元素状硫黄の重量比が1:90から70:1である、
請求項1に記載の水分散性顆粒状組成物。
【請求項7】
前記水可溶性の鉄塩、錯体、誘導体、またはそれらの混合物の1つ以上対前記元素状硫黄の重量比が1:60から55:1である、
請求項2に記載の液体懸濁液組成物。
【請求項8】
前記水可溶性の鉄塩、錯体、誘導体、またはそれらの混合物の1つ以上対前記元素状硫黄の重量比が1:10から10:1である、
請求項1または2に記載の組成物。
【請求項9】
さらに、少なくとも1つの追加の活性成分を包含し、微量栄養素、マクロ栄養素、バイオスティミュラント、殺虫活性成分、および/または窒素肥料、リン系、カリウム肥料から選択される肥料、それらの塩、錯体、誘導体、またはそれらの混合物から選択される、
請求項1または2に記載の組成物。
【請求項10】
少なくとも1つの微量栄養素またはその塩、錯体、誘導体、もしくはそれらの混合物が、トータルの組成物の0.1~70重量%の範囲で存在する、
請求項に記載の組成物。
【請求項11】
前記組成物が、さらに、フィラーまたは担体または希釈剤、展着剤、着色料、バインダ、緩衝剤またはpH調整剤または中和剤、抑泡剤または破泡剤、沈降防止剤、浸透剤、保存料、紫外線吸収剤、UV線散乱剤、安定剤、およびそれらの混合物の1つ以上から選択される1つ以上の農芸化学的に受け入れられる賦形剤を含む、
請求項1に記載の水分散性顆粒状組成物。
【請求項12】
前記構造形成剤が界面活性剤、増粘剤、粘度調整剤、タッキファイヤ、懸濁助剤、レオロジー調整剤、および沈降防止剤の1つ以上を含む、
請求項2に記載の液体懸濁液組成物。
【請求項13】
前記農芸化学的に受け入れられる賦形剤が、着色料、水混和性溶媒、pH調整剤、抑泡剤、キレートまたは錯化または封鎖剤、保水剤、保存料、UV線散乱剤、凍結防止剤、安定剤、付着剤、および展着剤の1つ以上から選択される、
請求項2に記載の液体懸濁液組成物。
【請求項14】
前記組成物の粘度が10cpsから1200cpsである、
請求項2に記載の液体懸濁液組成物。
【請求項15】
前記組成物の粘度が10cpsから500cpsの範囲である、
請求項2に記載の液体懸濁液組成物。
【請求項16】
前記組成物の懸濁性が少なくとも30%である、
請求項1または2に記載の組成物。
【請求項17】
前記組成物の分散性が少なくとも50%である、
請求項1に記載の水分散性顆粒状組成物。
【請求項18】
請求項1に記載の水分散性顆粒状作物栄養および強化組成物の調製のプロセスであって、
プロセスが:
a.元素状硫黄と、水可溶性の鉄塩、それらの錯体、誘導体、またはそれらの混合物の少なくとも1つと、および少なくとも1つの分散剤とのブレンドをミリングして、スラリーまたはウェットミックスを得ること;
b.前記ウェットミックスを乾燥して水分散性顆粒状組成物を得ること;
を含み、
組成物の顆粒が0.1~2.5mmの範囲であり、0.1ミクロンから20ミクロンのサイズ範囲の粒子を含み、
前記水可溶性の鉄塩が、コハク酸鉄、フマル酸鉄、フミン酸鉄、フルボ酸鉄、クエン酸鉄、リンゴ酸鉄、鉄キレート、アスコルビン酸鉄の1つ以上から選択され、
組成物は、硫酸鉄を含まない、
プロセス。
【請求項19】
請求項2に記載の液体懸濁液作物栄養および強化組成物の調製のプロセスであって、
プロセスが:元素状硫黄と、鉄塩、それらの錯体、誘導体、またはそれらの混合物の少なくとも1つと、少なくとも1つの構造形成剤と、および少なくとも1つの農芸化学的に受け入れられる賦形剤とのブレンドをミリングして、0.1ミクロンから20ミクロンの粒子サイズ範囲を有するスラリーまたはウェットミックスを得ることを含み、
前記水可溶性の鉄塩が、コハク酸鉄、フマル酸鉄、フミン酸鉄、フルボ酸鉄、クエン酸鉄、リンゴ酸鉄、鉄キレート、アスコルビン酸鉄の1つ以上から選択され、
組成物は、硫酸鉄を含まない、
プロセス。
【請求項20】
肥料組成物、栄養素組成物、作物活性化剤組成物、土壌改良剤組成物、収量向上剤組成物の少なくとも1つとしての、請求項1または2に記載の組成物の使用。
【請求項21】
植物の健康または収量を改善する方法であって、
前記方法が、植物、植物増殖材料、場所もしくはそれらの一部、種子、苗、または周囲の土壌の少なくとも1つを請求項1または2に記載の組成物によって処理することを含む、
植物の健康または収量を改善する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有効量の元素状硫黄および1つ以上の鉄塩、それらの錯体、誘導体、または混合物を少なくとも1つの農芸化学的に受け入れられる賦形剤とともに含む作物栄養(crop nutrition)および強化組成物(fortification composition)に関し;組成物は0.1~20ミクロンのサイズ範囲の粒子を含む。さらにその上、本発明は、1つ以上の鉄塩、それらの錯体、誘導体、または混合物、元素状硫黄、および少なくとも1つの分散剤を含む水分散性顆粒状組成物に関し;組成物は0.1~2.5mmのサイズ範囲の顆粒を含む。本発明は、1つ以上の鉄塩、それらの錯体、誘導体、または混合物;元素状硫黄、少なくとも1つの構造形成剤(structuring agent)、および少なくとも1つの農芸化学的に受け入れられる賦形剤を包含する液体懸濁液(liquid suspension)の形態の作物栄養および強化組成物にもまた関する。さらにその上、本発明は、作物栄養および強化組成物を調製するプロセスと、植物、種子、作物、植物増殖材料、場所、それらの一部、または土壌を作物栄養および強化組成物によって処理する方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
本発明の実施形態を記載する際には、明瞭性のために特定の術語が選ばれる。しかしながら、本発明がそのように選択された特定の用語に限定されるということは意図されず、各特定の用語は、類似の目的を達成するために類似の様式で働く全ての技術的同等物を包含するということは理解されるはずである。
【0003】
栄養は作物の成長および発生の鍵の要素である。植物にとっての栄養素の不良なおよび不充分な利用性は、適切な成長および生理的発生の欠如をもたらす。帰結として、植物は害虫による攻撃に対してより弱くなる。農業に関連する他の問題は、干魃などの環境条件、生物的および非生物的ストレス、農産物の収量および品質の縮減につながる土壌条件である。それゆえに、環境条件に合った充分な栄養を提供することは多大な課題のままである。作物の栄養素および肥料の最適化された条件、使用を同定することは、作物による肥料の栄養素利用効率を改善して、土壌および植物の健康を改善し、より良好な経済的収益を農家に提供し、環境負荷をもまた縮減するために常に、農家の長く痛切な必要となっている。
【0004】
鉄(Fe)は必須の栄養素要素であり、植物または作物成長、発生、および生殖に要求され、しかしながら比較的小量においてであり、それゆえにそれを微量栄養素にしている。鉄は、植物の多くの重要な生理プロセス、例えば葉緑素ならびに広範囲の酵素およびタンパク質の産生プロセスに関わる。それは作物および植物の呼吸、窒素固定、エネルギ移動、および代謝においてもまた役割を演ずる。
【0005】
ひとたび植物の上部の部位の組織に組み込まれると、鉄は比較的不動性であり、結果として、1つの植物部位から別のものへの鉄の移行は限られる。これは鉄欠乏につながる。普通には、植物または作物におけるかかる欠乏はクロロシス(黄化)を招く。その上、不良な鉄栄養はマメ科作物の不良な根粒形成をもまたもたらし、縮減されたサイズおよび収量につながる。
【0006】
作物の鉄栄養を管理することは困難であるということが観察されている。なぜなら、土壌の炭酸レベル、塩分濃度、土壌の水分、土壌アルカリ度、低温、および他の栄養素要素の濃度(例えば、リン、カルシウムなどの競合的な微量要素)などの因子もまた鉄利用性に影響し得、時には鉄欠乏につながるからである。また、究極的には、植物が鉄利用性に対して応答する能力は、作物収量および可食植物組織の鉄濃度両方の点で人間の栄養に影響する。よって、適切な鉄栄養は作物の栄養および代謝を最適化するために重大であり、これは翻って作物の収量および品質に寄与する。
【0007】
さらに、ペレット、パスティルなどの形態の公知の鉄に基づく組成物はより大きいサイズ分布を有し、それらのより不良な懸濁性、不均一な土壌中の分布および作物のカバーをもたらす。その上、これらの従来の肥料は完全には可溶性ではないかまたは充分には分散しない形態で入手可能である。これはユーザおよび環境にとって多大な課題を提示する。これらの組成物は完全には可溶性ではないので、それらは残渣を残す。また、かかる商業的に入手可能な鉄に基づく組成物は、そこからそれが施用されるべきパッケージまたは容器の底部に沈降または沈殿するどちらかの傾向があり、それによって、所望の広がり性を見せることを叶えず、点滴灌漑による施用において問題を引き起こし、正しい取り込みのための作物への構成成分の一様な分配を欠く。
【0008】
その上、農業における必須のおよび成長の栄養素および肥料としての硫黄の役割は長いこと公知である。硫黄栄養を植物および土壌に提供するための最も普通のアプローチは、それが100%硫黄である元素状硫黄として硫黄を用いることである。当分野の教示は、より大きい粒子サイズを有する組成物を調製することを当業者に促すであろう。なぜなら、元素状硫黄のミリングは爆発または火災のハザードの深刻なリスクを呈し、それゆえに、縮減された粒子サイズの元素状硫黄を組成物中に組み込むことは課題のまま残されているからである。従来、当分野において公知の硫黄に基づく組成物、例えばベントナイト顆粒またはパスティル、硫黄ペレット、硫黄顆粒、溶融硫黄などは、より大きい粒子サイズを有する。
【0009】
肥料、微量栄養素を包含する農業的な組成物は当分野において公知であり、ほとんどが微細な粉末またはダストを形成するための不溶性の微量栄養素のミリングまたは粉砕について語っている。しかしながら、不溶性の微量栄養素のみのミリングと他の肥料、微量栄養素、および賦形剤を一緒に混合することとは、製剤中の活性成分の非一様なブレンドにつながるであろう。これは、その施用、およびまた植物による栄養の不良な取り込みの点で望ましくないことがある。
【0010】
硫黄および鉄を含む公知の組成物、すなわちパスティルまたはペレットはいくつかの欠点に関連している。鉄および硫黄などの微量栄養素のパスティルまたはペレットは膨潤性の粘土を包含する。これらは水分との接触をすることによって膨潤し、それによって崩壊して活性成分を放出する。かかるペレットまたはパスティルは微量栄養素の不規則な放出につながり、より不良な圃場効力を作物にもたらす。それら自体の短所、すなわち;そのより大きいサイズゆえの水中における不良な分散および懸濁性が、噴霧施用においてノズル詰まりをもたらし、植物または作物への栄養素の送達において問題を呈することによって、再び、かかるパスティル組成物は散布施用にとってのみ好適である。これらの欠点を原因として、鉄および硫黄を含有するかかる従来技術のパスティル組成物は、商業的に妥当性を、または今日では労働力不足および水希少性が理由で必須の灌漑モードである点滴もしくはスプリンクラー灌漑系による施用性を有さない。
【0011】
さらにその上、当分野において開示されている他の製剤は人を高度に濃縮されている粘性の液体に至らしめ、現実の施用において問題をもたらすであろう。これらの高度に濃縮された製剤は水によって希釈されることが困難である。かかる組成物は安定な分散液を形成せず、硬い塊を形成する傾向があり、それゆえにそれらを使用にとって不適にする。非注加性であるかかる粘性の大きい粒子サイズの製剤は、ノズルを詰まらせる傾向があり、植物または作物への栄養素の送達において問題を呈する。
【0012】
それゆえに、植物の要求量を満たすための栄養素として有効に用いられかつ公知の組成物について上で論じられている欠点に対処し得る、硫黄などの肥料との組み合わせで鉄を含む好適な組成物は公知または入手可能ではない。
【0013】
本発明の組成物は本質的に相乗的であり、特定の粒子サイズで製剤されたときには、硫黄および鉄両方を植物による取り込みにとって難なく利用可能にしており、総体的な収量を増大させるということが、本発明者によって指摘された。さらに、元素状硫黄との組み合わせでの特定の型の鉄塩の選択は、鉄のリーチングを防ぎ、それを作物による取り込みにとって最大限に利用可能にするということが観察された。これはより若い成長する葉のクロロシスを縮減することを助け、葉緑素含量、病気抵抗性、鉄取り込みを改善し、これは栄養に富む作物をもたらす。
【0014】
さらにその上、本発明の発明者は、本組成物の形態の硫黄と併せた鉄の施用が植物による硫黄および鉄両方の栄養素利用効率を改善し、すなわち、植物が土壌に施用されたより少ない数量の肥料からより高い量の硫黄および鉄を取り込むことを見い出した。その上、本願の発明者は、有効量の1つ以上の鉄塩、それらの錯体、誘導体、または混合物;および元素状硫黄および少なくとも1つの農芸化学的に受け入れられる賦形剤を包含し;0.1~20ミクロンの範囲の粒子サイズを有する本発明の作物栄養または強化組成物が、優良な圃場効力を実証することを決定した。この新規組成物は、植物収量、鉄取り込み、葉の縮減された黄化、および植物生理パラメータ、例えば増大した根生長、改善された発葉、病気抵抗性、作物の増大した緑色度を改善することを助け、栄養に富みかつ強化された作物を提供する。組成物は水分散性顆粒状組成物および液体懸濁液組成物の形態であり得る。本発明の組成物は、優れた物理的性質、例えば懸濁性、分散性、流動性、濡れ性、および改善された粘度をもまた見せ、より良好な注加性をもたらす。本発明の組成物は、加速保存条件下における優れた性能、および点滴灌漑における有効な使用法をもまた実証した。その上、組成物は驚くべきことにより高い圃場効力を組成物の縮減された施用用量において見せる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明者は、有効量の1つ以上の鉄塩、それらの錯体、誘導体、または混合物、元素状硫黄、および少なくとも1つの分散剤を含む水分散性顆粒状作物栄養(water dispersible granular crop nutrition)および強化組成物が、種々の作物のより高い収量を提供し、植物生理パラメータを改善し、マイクロ灌漑系への直接的な使用をもまた見い出すということを決定した。
【課題を解決するための手段】
【0016】
水分散性顆粒は、トータルの組成物の1重量%から70重量%の濃度範囲の1つ以上の鉄塩、それらの錯体、誘導体、または混合物、トータルの組成物の1重量%から90重量%の濃度範囲の元素状硫黄、およびトータルの組成物の1重量%~30重量%の範囲の少なくとも1つの分散剤を含む。さらに、水分散性顆粒状作物栄養および強化組成物は、0.1ミクロンから20ミクロンのサイズ範囲の粒子へと分散する0.1~2.5mmのサイズ範囲の顆粒を含む。さらに、水分散性顆粒はほぼ硬さを有さない。
【0017】
さらにその上、本願の発明者は、有効量の元素状硫黄、1つ以上の鉄塩、それらの錯体、誘導体、または混合物;少なくとも1つの構造形成剤、および少なくとも1つの農芸化学的に受け入れられる賦形剤を含み;約0.1~20ミクロンの粒子サイズ範囲を有する液体懸濁液の形態の作物栄養および強化組成物が、ある種の作物の高い収量を実証し、マイクロ灌漑系への直接的な使用をもまた見い出すということをもまた見い出した。液体懸濁液は、トータルの組成物の1重量%から55重量%の濃度範囲の鉄塩、それらの錯体、誘導体、または混合物、トータルの組成物の1重量%から60重量%の範囲の元素状硫黄、トータルの組成物の0.01重量%から5重量%の範囲の少なくとも1つの構造形成剤、および少なくとも1つの農芸化学的な活性な賦形剤を含み;組成物は0.1~20ミクロンのサイズ範囲の粒子を含む。
【0018】
さらにその上、本発明は、有効量の1つ以上の鉄塩、それらの錯体、誘導体、または混合物を元素状硫黄および少なくとも1つの農芸化学的に受け入れられる賦形剤とともに含む作物栄養および強化組成物を調製するプロセスに関し;組成物は0.1~20ミクロンの範囲の粒子サイズを有する。
【0019】
本発明は、植物、種子、作物、植物増殖材料、場所、それらの一部、または土壌を、有効量の元素状硫黄および1つ以上の鉄塩、それらの錯体、誘導体、または混合物;および少なくとも1つの農芸化学的に受け入れられる賦形剤を含む作物栄養および強化組成物によって処理する方法にもまた関する。
【0020】
極めて有利には、組成物は、葉面噴霧剤として、あるいは散布またはバンド/側条施肥、養液土耕、ドリル播きによって、または点滴もしくはトリクル灌漑などのマイクロ灌漑によって土壌に施用される。点滴またはトリクル灌漑の後者のケースは、増大していく労働力および水の不足によって多大に挑戦される農場生産工程をさらに最適化する。それゆえに、本発明の組成物はユーザの便宜に従って全ての可能な施用のやり方で用いられる。
【0021】
ある実施形態に従うと、本発明は、さらに、作物の健康を改善する、作物栄養を改善する、作物を強化または活性化する、作物を保護する、作物収量を向上させるかまたは土壌を改良する、種子、苗、作物、植物、植物増殖材料、場所、それらの一部、または周囲の土壌の少なくとも1つを、有効量の1つ以上の鉄塩、それらの錯体、誘導体、または混合物、元素状硫黄、および少なくとも1つの農芸化学的に受け入れられる賦形剤を含む作物栄養および強化組成物によって処理する方法に関する。
【0022】
組成物は良好な物理的および化学的特性を見せるということが観察された。組成物は難なく分散性、非粘性、および難なく注加性であり、硬い固化物を形成せず、長期保存においておよびより高温下においてさえも安定である。これは翻って優れた圃場性能をもたらす。
【0023】
本発明のより完全な理解のために、ここで、付随する図面により詳細に例解されかつ本発明の実施形態によって記載される実施形態の参照がなされる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】硫黄の利用性に対する、水分散性顆粒(WDG)、液体懸濁液(SC)、およびパスティルの形態の元素状硫黄および酸化第二鉄の効果を研究するためのグラフ図である。
図2】鉄の利用性に対する、水分散性顆粒(WDG)、液体懸濁液(SC)、およびパスティルの形態の元素状硫黄および酸化第二鉄の効果を研究するためのグラフ図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の実施形態を記載する際には、明瞭性のために特定の術語が選ばれる。しかしながら、本発明がそのように選択された特定の用語に限定されることは意図されず、かかる特定の用語は類似の目的を達成するために類似の様式で働く全ての技術的同等物を包含することは理解されるはずである。本明細書に記載されるいずれかの数的範囲は、含められる全ての部分範囲を包含することが意図されるということは理解される。また、別様に指示されない限り、組成物中の構成成分のパーセンテージは重量パーセントとして提示される。
【0026】
水分散性顆粒は、水中への崩壊および分散後に施用されるべき顆粒からなる製剤として定義される。本明細書に記載される「WG」または「WDG」は水分散性顆粒を指す。
【0027】
本発明に従うと、用語の液体懸濁液は、「水系懸濁液」または「水系分散液」または「懸濁液濃縮物」または「サスポエマルション」またはSC組成物を包摂する。液体懸濁液は固体粒子が液体中に分散または懸濁されている組成物として定義され得る。基剤としての液体は水および/または水混和性溶媒であり得る。
【0028】
栄養素利用効率(NUE)は、植物が利用可能なミネラル栄養素をどれくらい良く用いるかの尺度として定義される。NUEの改善は、低い栄養素利用性を有する限界地への作物生産の拡大にとって必須の前提条件であるが、無機肥料の使用を縮減するためのやり方でもまたある。
【0029】
本発明は作物栄養または強化のための組成物に関し、これは、1重量%~70重量%の鉄塩、それらの錯体、誘導体、または混合物の1つ以上;1重量%から90重量%の元素状硫黄;少なくとも1つの農芸化学的に受け入れられる賦形剤を包含し;組成物は0.1から20ミクロンの範囲の粒子サイズを有し、改善された分散性および懸濁性を見せる。
【0030】
ある実施形態に従うと、作物栄養および強化組成物は固体形態または液体形態である。例えば、作物栄養および強化組成物は、水和粉末、水系懸濁液、サスポエマルション、懸濁液濃縮物、水系分散液、水分散性顆粒、種子ドレッシング、または種子処理のためのエマルション、およびそれらの組み合わせの形態であり得る。
【0031】
ある実施形態に従うと、鉄塩、それらの錯体、誘導体は、水可溶性のおよび/もしくは水不溶性の鉄塩;またはそれらの錯体もしくは誘導体もしくは混合物を包含する。
【0032】
ある実施形態に従うと、鉄塩、それらの錯体、誘導体は特に水不溶性の鉄塩またはそれらの錯体もしくは誘導体もしくは混合物を包含する。
【0033】
ある実施形態に従うと、水不溶性の塩は、酸化鉄、水酸化鉄、リン酸鉄、二クロム酸鉄、フマル酸鉄、コハク酸鉄、シュウ酸鉄、スクロース鉄、カルボニル鉄、それらの錯体、誘導体、および混合物の1つ以上を包含する。酸化鉄は、酸化第一鉄(FeO)、酸化第二鉄(Fe)または鉄朱、および酸化第一鉄第二鉄(Fe)または黒色酸化鉄を包含するが、これらに限定されない。水酸化鉄は、水酸化第二鉄、黄色酸化鉄(FeOOH)、水酸化鉄(Fe(OH))、水酸化鉄(III)、オキシ水酸化鉄およびリモナイトを包含するが、これらに限定されない。リン酸鉄は、リン酸第二鉄、リン酸第二鉄二水和物、リン酸第二鉄水和物、グリセロリン酸第二鉄、リン酸第二鉄、ピロリン酸第一鉄、ピロリン酸第二鉄リチウム塩、およびリン酸第二鉄リチウムを包含するが、これらに限定されない。フマル酸鉄は、フマル酸第一鉄およびフェロフマレートを包含するが、これらに限定されない。コハク酸鉄は、コハク酸第一鉄およびコハク酸鉄(II)塩を包含するが、これらに限定されない。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに、他の水不溶性の鉄塩を利用することが可能であるということを了解するであろう。
【0034】
ある実施形態に従うと、水不溶性の鉄塩は特に酸化鉄を包含する。酸化鉄は、酸化第一鉄(FeO)、酸化第二鉄(Fe)または鉄朱、および酸化第一鉄第二鉄(Fe)または黒色酸化鉄を包含するが、これらに限定されない。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに、他の水不溶性の鉄塩を利用することが可能であるということを了解するであろう。
【0035】
ある実施形態に従うと、鉄塩、それらの錯体、誘導体は特に水可溶性の鉄塩またはそれらの錯体もしくは誘導体もしくは混合物を包含する。ある実施形態に従うと、水可溶性の塩は、硫酸鉄、クエン酸鉄、アスコルビン酸鉄、フミン酸鉄、フルボ酸鉄、リンゴ酸鉄、鉄キレート、ならびにそれらの錯体、誘導体、および混合物の1つ以上を包含する。硫酸鉄は、硫酸第一鉄、緑礬、鉄ビトリオール、コッペラス、メランテライト、およびゾモルノカイトを包含するが、これらに限定されない。クエン酸鉄は、クエン酸第二鉄、硝酸第二鉄、クエン酸フマル酸第一鉄、クエン酸第二鉄アンモニウム、無水クエン酸第二鉄、クエン酸第二鉄二水和物、クエン酸第二鉄水和物、クエン酸第二鉄の鉄(+3)塩、クエン酸第二鉄三水和物、第二鉄クエン酸、およびクエン酸鉄(III)を包含するが、これらに限定されない。アスコルビン酸鉄は、アスコルビン酸第一鉄、(+)-L-アスコルビン酸鉄(II)、およびビタミンC鉄(II)塩を包含するが、これらに限定されない。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに、他の水可溶性の鉄塩を利用することが可能であるということを了解するであろう。
【0036】
ある実施形態に従うと、鉄塩、それらの錯体、誘導体、または混合物はトータルの組成物の1重量%から70重量%の範囲で存在する。ある実施形態に従うと、鉄塩、それらの錯体、誘導体、または混合物はトータルの組成物の1重量%から40重量%の範囲で存在する。ある実施形態に従うと、鉄塩、それらの錯体、誘導体、または混合物はトータルの組成物の1重量%から20重量%の範囲で存在する。ある実施形態に従うと、鉄塩、それらの錯体、誘導体、または混合物はトータルの組成物の1重量%から10重量%の範囲で存在する。
【0037】
ある実施形態に従うと、元素状硫黄はトータルの組成物の1重量%から90重量%の範囲で存在する。ある実施形態に従うと、元素状硫黄はトータルの組成物の1重量%から80重量%の範囲で存在する。ある実施形態に従うと、元素状硫黄はトータルの組成物の1重量%から70重量%の範囲で存在する。ある実施形態に従うと、元素状硫黄はトータルの組成物の1重量%から50重量%の範囲で存在する。ある実施形態に従うと、元素状硫黄はトータルの組成物の1重量%から40重量%の範囲で存在する。
【0038】
別の実施形態に従うと、元素状硫黄はトータルの組成物の20重量%から90重量%の範囲で存在する。別の実施形態に従うと、元素状硫黄はトータルの組成物の40重量%から90重量%の範囲で存在する。
【0039】
ある実施形態に従うと、作物栄養および強化組成物は水分散性顆粒の形態である。ある実施形態に従うと、水分散性顆粒の形態の作物栄養および強化組成物は、トータルの組成物の1重量%から70重量%の範囲の鉄塩、それらの錯体、誘導体、または混合物の1つ以上、およびトータルの組成物の1重量%から90重量%の範囲の元素状硫黄、およびトータルの組成物の1重量%から30重量%の範囲の1つ以上の分散剤を包含する。
【0040】
ある実施形態に従うと、水分散性顆粒の形態の作物栄養および強化組成物は、トータルの組成物の1重量%から70重量%の範囲の水可溶性の鉄塩、それらの錯体、誘導体、または混合物の1つ以上、およびトータルの組成物の1重量%から90重量%の範囲の元素状硫黄、およびトータルの組成物の1重量%から30重量%の範囲の1つ以上の分散剤を包含する。
【0041】
ある実施形態に従うと、水分散性顆粒の形態の作物栄養および強化組成物は、トータルの組成物の1重量%から70重量%の範囲の硫酸鉄、およびトータルの組成物の1重量%から90重量%の範囲の元素状硫黄、およびトータルの組成物の1重量%から30重量%の範囲の1つ以上の分散剤を包含する。
【0042】
ある実施形態に従うと、水分散性顆粒の形態の作物栄養および強化組成物は、トータルの組成物の1重量%から70重量%の範囲の水不溶性の鉄塩、それらの錯体、誘導体、または混合物の1つ以上、およびトータルの組成物の1重量%から90重量%の範囲の元素状硫黄、およびトータルの組成物の1重量%から30重量%の範囲の1つ以上の分散剤を包含する。
【0043】
ある実施形態に従うと、水分散性顆粒の形態の作物栄養および強化組成物は、トータルの組成物の1重量%から70重量%の範囲の酸化鉄または酸化第一鉄または酸化第二鉄または酸化第一鉄第二鉄の1つ以上、およびトータルの組成物の1重量%から90重量%の範囲の元素状硫黄、およびトータルの組成物の1重量%から30重量%の範囲の1つ以上の分散剤を包含する。
【0044】
ある実施形態に従うと、水分散性顆粒状形態の鉄塩、錯体、誘導体、または混合物の1つ以上対元素状硫黄の重量比は1:90から70:1である。ある実施形態に従うと、水分散性顆粒状形態の鉄塩、錯体、誘導体、または混合物の1つ以上対元素状硫黄の重量比は1:90から3.5:1である。ある実施形態に従うと、水分散性顆粒状形態の鉄塩、錯体、誘導体、または混合物の1つ以上対元素状硫黄の重量比は1:10から10:1である。ある実施形態に従うと、水分散性顆粒状形態の鉄塩、錯体、誘導体、または混合物の1つ以上対元素状硫黄の重量比は1:2.5から1.5:1である。ある実施形態に従うと、水分散性顆粒状形態の鉄塩、錯体、誘導体、または混合物の1つ以上対元素状硫黄の重量比は1:1である。
【0045】
ある実施形態に従うと、作物栄養および強化組成物は液体懸濁液の形態である。ある実施形態に従うと、液体懸濁液の形態の作物栄養および強化組成物は、トータルの組成物の1重量%から55重量%の範囲の鉄塩、それらの錯体、誘導体、または混合物の1つ以上、およびトータルの組成物の1重量%から60重量%の範囲の元素状硫黄、およびトータルの組成物の0.01重量%から5重量%の範囲の1つ以上の構造形成剤、および1つ以上の農芸化学的に受け入れられる賦形剤を包含する。
【0046】
ある実施形態に従うと、液体懸濁液の形態の作物栄養および強化組成物は、トータルの組成物の1重量%から55重量%の範囲の水可溶性の鉄塩、それらの錯体、誘導体、または混合物の1つ以上、およびトータルの組成物の1重量%から60重量%の範囲の元素状硫黄、およびトータルの組成物の0.01重量%から5重量%の範囲の1つ以上の構造形成剤、および1つ以上の農芸化学的に受け入れられる賦形剤を包含する。
【0047】
ある実施形態に従うと、液体懸濁液の形態の作物栄養および強化組成物は、トータルの組成物の1重量%から55重量%の範囲の硫酸鉄、およびトータルの組成物の1重量%から60重量%の範囲の元素状硫黄、およびトータルの組成物の0.01重量%から5重量%の範囲の1つ以上の構造形成剤、および1つ以上の農芸化学的に受け入れられる賦形剤を包含する。
【0048】
ある実施形態に従うと、液体懸濁液の形態の作物栄養および強化組成物は、トータルの組成物の1重量%から55重量%の範囲の水不溶性の鉄塩、それらの錯体、誘導体、または混合物の1つ以上、およびトータルの組成物の1重量%から60重量%の範囲の元素状硫黄、およびトータルの組成物の0.01重量%から5重量%の範囲の1つ以上の構造形成剤、および1つ以上の農芸化学的に受け入れられる賦形剤を包含する。
【0049】
ある実施形態に従うと、液体懸濁液の形態の作物栄養および強化組成物は、トータルの組成物の1重量%から55重量%の範囲の酸化鉄または酸化第一鉄または酸化第二鉄または酸化第一鉄第二鉄の1つ以上、およびトータルの組成物の1重量%から60重量%の範囲の元素状硫黄、およびトータルの組成物の0.01重量%から5重量%の範囲の1つ以上の構造形成剤、および1つ以上の農芸化学的に受け入れられる賦形剤を包含する。
【0050】
ある実施形態に従うと、液体懸濁液中の鉄塩、それらの錯体、誘導体、または混合物の1つ以上対元素状硫黄の重量比は1:60から55:1である。ある実施形態に従うと、液体懸濁液中の鉄塩、錯体、誘導体、または混合物の1つ以上対元素状硫黄の重量比は1:10から10:1である。ある実施形態に従うと、液体懸濁液中の鉄塩、錯体、誘導体、または混合物の1つ以上対元素状硫黄の重量比は1:2.5から1.5:1である。ある実施形態に従うと、液体懸濁液中の鉄塩、錯体、誘導体、または混合物の1つ以上対元素状硫黄の重量比は1:1である。
【0051】
ある実施形態に従うと、液体懸濁液および水分散性顆粒の形態の作物栄養および強化組成物は、0.1ミクロンから20ミクロンのサイズ範囲の粒子、好ましくは0.1ミクロンから15ミクロンのサイズ範囲の、最も好ましくは0.1から10ミクロンの範囲の粒子を含む。鉄および硫黄のより良好な取り込みは、約0.1~20ミクロンの粒子サイズ範囲において作物にとって利用可能にされる。それゆえに、作物栄養および強化組成物の0.1~20ミクロンの粒子サイズ範囲は、施用の容易さの点でのみならず効力の点でもまた重要であることが見い出された。
【0052】
ある実施形態に従うと、作物栄養および強化組成物は水分散性顆粒の形態であり、顆粒は0.1から2.5mmのサイズ範囲である。好ましくは、ある実施形態に従うと、作物栄養および強化組成物は水分散性顆粒の形態であり、顆粒は0.1~2mmのサイズ範囲である。好ましくは、ある実施形態に従うと、作物栄養および強化組成物は水分散性顆粒の形態であり、顆粒は0.1~1.5mmのサイズ範囲である。好ましくは、作物栄養および強化組成物は水分散性顆粒の形態であり、顆粒は0.1~1mmのサイズ範囲である。最も好ましくは、作物栄養および強化組成物は水分散性顆粒の形態であり、顆粒は0.1~0.5mmのサイズ範囲である。ある実施形態に従うと、水分散性顆粒状作物栄養および強化組成物、組成物はマイクロ顆粒の形態である。顆粒は0.1から20ミクロンのサイズ範囲の粒子を含む。
【0053】
ある実施形態に従うと、作物栄養および強化組成物は任意に少なくとも1つの肥料を含み得る。肥料は、単純には、土壌中に天然に見い出される要求される要素を補うために農業用の圃場に施用される作物栄養素である。作物による連続的な栄養素取り込み、栄養素の水による流出損失、リーチング、揮散、および土壌の侵食を原因として、土壌はその肥沃度を失う傾向がある。これらの結果として、作物の要求量は満たされない。肥料の施用は、収量を増大させることおよび健康な作物を促進することを支援するのみならず、害虫および病気の攻撃に対する防御の発生をもまた助ける。それゆえに、作物への最適な量および型の肥料の施用は作物の栄養素要求量を満たす上で肝要である。
【0054】
別の実施形態に従うと、肥料は単一栄養素肥料、多栄養素肥料、二元素肥料、複合肥料、有機肥料、またはそれらの混合物を包含する。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに、当分野において公知の他の肥料を利用することが可能であるということを了解するであろう。
【0055】
なお別の実施形態に従うと、肥料は、水可溶性の肥料もしくは水不溶性の肥料、またはそれらの塩もしくは錯体もしくは誘導体もしくは混合物の1つ以上を含む。
【0056】
さらなる実施形態に従うと、肥料は、窒素、リン酸、カリ、アンモニア、硝酸アンモニウム、尿素、硝酸ナトリウム、塩化カリウム、硫酸カリウム、炭酸カリウム、硝酸カリウム、リン酸一アンモニウム、リン酸二アンモニウム、硝酸カルシウムアンモニウム、過リン酸、リン酸石膏、三重過リン酸、NPK肥料、またはそれらの塩もしくは錯体もしくは誘導体もしくは混合物を包含する。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに、他の肥料を用いることが可能であるということを了解するであろう。肥料は商業的に製造されており、種々の会社から入手可能である。
【0057】
ある実施形態に従うと、肥料はトータルの組成物の1重量%から90重量%の範囲で存在する。好ましくは、肥料はトータルの組成物の1重量%から40重量%の範囲で存在する。
【0058】
ある実施形態に従うと、作物栄養および強化組成物はさらに任意に少なくとも1つの追加の活性成分を含み、これは微量栄養素、マクロ栄養素、微生物、細菌胞子、1つ以上の殺虫活性成分、およびバイオスティミュラントの1つ以上を包含し得る。微生物、細菌胞子、およびバイオスティミュラントは商業的に開発、製造されており、世界の種々のサプライヤから利用可能である。
【0059】
ある実施形態に従うと、追加の活性成分は組成物の0.1重量%から90重量%の量で存在する。さらなる実施形態に従うと、追加の活性成分は組成物の0.1重量%から60重量%の量で存在する。さらなる実施形態に従うと、追加の活性成分は組成物の0.1重量%から40重量%の量で存在する。
【0060】
別の実施形態に従うと、微量栄養素は、それらの元素形態の亜鉛、ホウ素、カルシウム、マグネシウム、銅、マンガン、ケイ素、コバルト、塩素、ナトリウム、モリブデン、クロム、バナジウム、セレン、ニッケル、ヨウ素、塩素、フッ素、リン系、カリウム、またはそれらの塩、錯体、誘導体、もしくは混合物の1つ以上を含む。組成物は、さらに、任意に、他の微量栄養素、すなわちビタミン、有機酸、またはそれらの塩、錯体、もしくは誘導体、もしくは混合物の1つ以上を含み得る。しかしながら、微量栄養素の上のリストは例示的であり、本発明の範囲を限定することを意味されない。微量栄養素は商業的に製造されており、種々の会社から入手される。
【0061】
ある実施形態に従うと、微量栄養素はトータルの組成物の0.1重量%から70重量%の範囲で存在する。ある実施形態に従うと、微量栄養素はトータルの組成物の0.1重量%から40重量%の範囲で存在する。
【0062】
ある実施形態に従うと、組成物は、さらに、任意に、酵素、フミン酸、およびフルボ酸の1つ以上から選択されるバイオスティミュラントを包含し得る。用いられるバイオスティミュラントは商業的に製造されており、世界中の種々の商業的な製造者から入手される。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに、異なるバイオスティミュラントを利用することが可能であるということを了解するであろう。
【0063】
ある実施形態に従うと、殺虫活性成分は、防汚剤、殺虫剤、殺真菌剤、除草剤、殺線虫剤、フェロモン、枯葉剤、殺ダニ類剤、植物成長制御因子、殺藻剤、摂食抑制物質、鳥殺し、殺細菌剤、鳥忌避剤、バイオ農薬、殺生物剤、化学不妊薬、薬害軽減剤、昆虫誘引剤、昆虫忌避剤、昆虫成長制御因子、哺乳類忌避剤、交配撹乱剤、消毒剤、軟体動物駆除剤、抗微生物剤、殺ダニ剤、殺卵剤、燻蒸剤、植物活性化剤、殺鼠剤、共力剤、抗ウイルス剤、微生物農薬、植物に組み込まれた保護剤、他の雑多な殺虫活性成分、またはそれらの塩、誘導体、および混合物を包含する。
【0064】
ある実施形態に従うと、殺虫剤は組成物の0.1重量%から80重量%の量で存在する。さらなる実施形態に従うと、殺虫剤は組成物の0.1重量%から60重量%の量で存在する。さらなる実施形態に従うと、殺虫剤は組成物の0.1重量%から40重量%の量で存在する。
【0065】
ある実施形態に従うと、作物栄養および強化組成物はさらに少なくとも1つの農芸化学的に受け入れられる賦形剤を含む。さらなる実施形態に従うと、農芸化学的に受け入れられる賦形剤は、界面活性剤、分散剤、濡れ剤、バインダまたは結合剤、崩壊剤、フィラーまたは担体または希釈剤、乳化剤、溶媒、展着剤、コーティング剤、緩衝剤またはpH調整剤または中和剤、抑泡剤または破泡剤、浸透剤、保存料、紫外線吸収剤、UV線散乱剤、安定剤、顔料、着色料、構造形成剤、キレートまたは錯化または封鎖剤、懸濁剤または懸濁助剤薬剤、保水剤、付着剤、凍結防止剤または凝固点降下剤、およびそれらの混合物の1つ以上を含む。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに、追加の農芸化学的に受け入れられる賦形剤を利用することが可能であるということを了解するであろう。農芸化学的に受け入れられる賦形剤は商業的に製造されており、種々の会社から入手される。
【0066】
ある実施形態に従うと、水分散性顆粒の形態の作物栄養および強化組成物はさらに少なくとも1つの農芸化学的な賦形剤を含む。さらなる実施形態に従うと、水分散性顆粒状製剤に用いられる農芸化学的に受け入れられる賦形剤は、少なくとも1つの崩壊剤、濡れ剤、バインダまたはフィラーまたは担体または希釈剤、緩衝剤またはpH調整剤または中和剤、抑泡剤、ドリフト縮減剤、固化防止剤、展着剤、浸透剤、付着剤を包含する。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに、追加の農芸化学的に受け入れられる賦形剤を利用することが可能であるということを了解するであろう。
【0067】
ある実施形態に従うと、液体懸濁液の形態の作物栄養および強化組成物はさらに少なくとも1つの農芸化学的な賦形剤を含む。さらなる実施形態に従うと、懸濁液濃縮物または液体懸濁液または水系懸濁液製剤に用いられる農芸化学的に受け入れられる賦形剤は、少なくとも1つの界面活性剤、分散剤、濡れ剤、保水剤、溶媒、展着剤、懸濁剤または懸濁助剤、浸透剤、付着剤、ドリフト縮減剤、紫外線吸収剤、UV線散乱剤、保存料、安定剤、緩衝剤またはpH調整剤または中和剤、凍結防止剤または凝固点降下剤、抑泡剤、固化防止剤を包含する。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに、追加の農芸化学的に受け入れられる賦形剤を利用することが可能であるということを了解するであろう。
【0068】
ある実施形態に従うと、農芸化学的な賦形剤はトータルの組成物の1重量%~98重量%の濃度範囲で存在する。ある実施形態に従うと、農芸化学的な賦形剤はトータルの組成物の少なくとも98重量%の濃度範囲で存在する。ある実施形態に従うと、農芸化学的な賦形剤はトータルの組成物の少なくとも95重量%の濃度範囲で存在する。ある実施形態に従うと、農芸化学的な賦形剤はトータルの組成物の少なくとも90重量%の濃度範囲で存在する。ある実施形態に従うと、農芸化学的な賦形剤はトータルの組成物の少なくとも75重量%の濃度範囲で存在する。ある実施形態に従うと、農芸化学的な賦形剤はトータルの組成物の少なくとも55重量%の濃度範囲で存在する。ある実施形態に従うと、農芸化学的な賦形剤はトータルの組成物の少なくとも35重量%の濃度範囲で存在する。ある実施形態に従うと、農芸化学的な賦形剤はトータルの組成物の少なくとも25重量%の濃度範囲で存在する。ある実施形態に従うと、農芸化学的な賦形剤はトータルの組成物の少なくとも15重量%の濃度範囲で存在する。ある実施形態に従うと、農芸化学的な賦形剤はトータルの組成物の少なくとも5重量%の濃度範囲で存在する。ある実施形態に従うと、農芸化学的な賦形剤はトータルの組成物の少なくとも1重量%の濃度範囲で存在する。
【0069】
ある実施形態に従うと、作物栄養および強化組成物に用いられる界面活性剤は、アニオン性、カチオン性、非イオン性、両性、およびポリマー性界面活性剤の1つ以上を包含する。ある実施形態に従うと、界面活性剤は乳化剤、濡れ剤、および分散剤の1つ以上を包含する。
【0070】
アニオン性界面活性剤は、脂肪酸の塩、安息香酸、ポリカルボン酸、アルキル硫酸エステルの塩、アルキルエーテル硫酸、アルキル硫酸、アルキルアリール硫酸、アルキルジグリコールエーテル硫酸、アルコール硫酸エステルの塩、アルキルスルホン酸、アルキルアリールスルホン酸、アリールスルホン酸、リグニンスルホン酸、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸、アルキルリン酸エステルの塩、アルキルアリールリン酸、スチリルアリールリン酸、スルホン酸ドクサート、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステルの塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸、アルキルサルコシン酸、アルファオレフィンスルホン酸ナトリウム塩、アルキルベンゼンスルホン酸またはその塩、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、スルホコハク酸、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸遊離酸およびナトリウム塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸エステルの塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンアルキルアリールリン酸エステルの塩、スルホコハク酸-モノおよび他のジエステル、リン酸エステル、アルキルナフタレンスルホン酸イソプロピルおよびブチル誘導体、アルキルエーテル硫酸ナトリウムおよびアンモニウム塩;アルキルアリールエーテルリン酸、エチレンオキシドおよびその誘導体、ポリオキシエチレンアリールエーテルリン酸エステルの塩、モノアルキルスルホコハク酸、芳香族炭化水素スルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、ラウリル硫酸アンモニウム、ペルフルオロノナン酸アンモニウム、ドクサート、ココアンホジ酢酸二ナトリウム、ラウレス硫酸マグネシウム、ペルフルオロブタンスルホン酸、ペルフルオロノナン酸、カルボキシレート、ペルフルオロオクタンスルホン酸、ペルフルオロオクタン酸、リン脂質、ラウリル硫酸カリウム、石鹸、石鹸代替物、アルキル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、ミレス硫酸ナトリウム、ノナノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、パレス硫酸ナトリウム、アルキルカルボン酸、ステアリン酸ナトリウム、アルファオレフィンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸脂肪酸塩、ナフタレンスルホン酸塩縮合物ナトリウム塩、フルオロカルボン酸、脂肪族アルコールサルフェート、アルキルナフタレンスルホン酸縮合物ナトリウム塩、ホルムアルデヒドと縮合したナフタレンスルホン酸、もしくはホルムアルデヒドと縮合したアルキルナフタレンスルホン酸の塩;またはそれらの塩、誘導体の1つ以上を包含するが、これらに限定されない。
【0071】
カチオン性界面活性剤は、ジアルキルジメチルアンモニウムクロリド、アルキルメチルエトキシル化アンモニウムクロリドまたは塩、ドデシル、ココ、ヘキサデシル、オクタデシル、オクタデシル/ベヘニル、ベヘニル、コカミドプロピル、トリメチルアンモニウムクロリド;ココ、ステアリル、ビス(2-ヒドロキシエチル)メチルアンモニウムクロリド、塩化ベンザルコニウム、アルキル、テトラデシル、オクタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、ジオクチル、ジ(オクチルデシル)、ジデシル、ジヘキサデシル、ジステアリル、ジ(水添牛脂)ジメチルアンモニウムクロリド、ジ(水添牛脂)ベンジル、トリオクチル、トリ(オクチルデシル)、トリドデシル、トリヘキサデシルメチルアンモニウムクロリド、ドデシルトリメチル、ドデシルジメチルベンジル、ジ(オクチルデシル)ジメチル、ジデシルジメチルアンモニウムブロミド、第四級化アミンエトキシレート、塩化ベヘントリモニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、臭化ベンゾドデシニウム、ブロニドックス、第四級アンモニウム塩、カルベトペンデシニウムブロミド、塩化セタルコニウム、臭化セトリモニウム、塩化セトリモニウム、塩化セチルピリジニウム、ジデシルジメチルアンモニウムクロリド、ジメチルジオクタデシルアンモニウムブロミド、ジメチルジオクタデシルアンモニウムクロリド、臭化ドミフェン、ラウリルメチルグルセス-10ヒドロキシプロピルジモニウムクロリド、オクテニジン二塩酸塩、Olaflur、N-オレイル-1,3-プロパンジアミン、パフトキシン、ステアラルコニウムクロリド、水酸化テトラメチルアンモニウム、臭化トンゾニウム;それらの塩または誘導体の1つ以上を包含するが、これらに限定されない。
【0072】
非イオン性界面活性剤は、ポリオールエステル、ポリオール脂肪酸エステル、ポリエトキシル化エステル、ポリエトキシル化アルコール、エトキシル化およびプロポキシル化脂肪族アルコール、エトキシル化およびプロポキシル化アルコール、EO/POコポリマー;EOおよびPOブロックコポリマー、ジ、トリブロックコポリマー;ポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコールのブロックコポリマー、ポロキサマー、ポリソルベート、アルキル多糖、例えばアルキルポリグリコシドおよびそれらのブレンド、アミンエトキシレート、ソルビタン脂肪酸エステル、グリコールおよびグリセロールエステル、グルコシジルアルキルエーテル、牛脂脂肪酸ナトリウム、ポリオキシエチレングリコール、ソルビタンアルキルエステル、ソルビタン誘導体、ソルビタンの脂肪酸エステル(Span)、およびそれらのエトキシル化誘導体(Tween)、および脂肪酸のスクロースエステル、セトステアリルアルコール、セチルアルコール、コカミドDEA、コカミドMEA、デシルグルコシド、デシルポリグルコース、モノステアリン酸グリセロール、ラウリルグルコシド、マルトシド、モノラウリン、ナローレンジエトキシレート、ノニデットP-40、ノノキシノール-9、ノノキシノール、オクタエチレングリコールモノドデシルエーテル、N-オクチルベータ-D-チオグルコピラノシド、オクチルグルコシド、オレイルアルコール、PEG-10ヒマワリグリセリド、ペンタエチレングリコールモノドデシルエーテル、ポリドカノール、ポロキサマー、ポロキサマー407、ポリエトキシル化タローアミン、ポリリシノール酸ポリグリセロール、ポリソルベート、ポリソルベート20、ポリソルベート80、ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン、ステアリルアルコール、サーファクチン、ラウリン酸グリセリル、ラウリルグルコシド、ノニルフェノールポリエトキシエタノール、ノニルフェノールポリグリコールエーテル、ヒマシ油エトキシレート、ポリグリコールエーテル、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドのポリアダクト、ポリアルキレングリコールエーテルおよびヒドロキシステアリン酸のブロックコポリマー、トリブチルフェノキシポリエトキシエタノール、オクチルフェノキシポリエトキシエタノール、エトプロポキシル化トリスチリルフェノール、エトキシル化アルコール、ポリオキシエチレンソルビタン、脂肪酸ポリグリセリド、脂肪酸アルコールポリグリコールエーテル、アセチレングリコール、アセチレンアルコール、オキシアルキレンブロックポリマー、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンスチリルアリールエーテル、ポリオキシエチレングリコールアルキルエーテル、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、アルコールエトキシレート-C6からC16/18アルコール、直鎖および分岐、アルコールアルコキシレート-種々の疎水基ならびにEO/PO含量および比、脂肪酸エステル-モノおよびジエステル;ラウリン、ステアリン、およびオレイン;グリセロールエステル-EOありおよびなし;ラウリン、ステアリン、ココア、およびトール油由来、エトキシル化グリセリン、ソルビタンエステル-EOありおよびなし;ラウリン、ステアリン、およびオレイン系;モノおよびトリエステル、ヒマシ油エトキシレート-5から200モルEO;非水添および水添、ブロックポリマー、アミンオキシド-エトキシル化および非エトキシル化;アルキルジメチル、脂肪族アミンエトキシレート-ココ、タロー、ステアリル、オレイルアミン、ポリオキシエチレン水添ヒマシ油、もしくはポリオキシプロピレン脂肪酸エステル;それらの塩または誘導体の1つ以上を包含するが、これらに限定されない。
【0073】
両性または双性イオン性界面活性剤は、ベタイン、ココおよびラウリルアミドプロピルベタイン、ココアルキルジメチルアミンオキシド、アルキルジメチルベタイン;C8からC18、アルキルジプロピオン酸-ラウリミノジプロピオン酸ナトリウム、コカミドプロピルヒドロキシスルホベタイン、イミダゾリン、リン脂質、ホスファチジルセリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルコリン、およびスフィンゴミエリン、ラウリルジメチルアミンオキシド、アルキルアンホ酢酸およびプロピオン酸、アルキルアンホ(ジ)酢酸およびジプロピオン酸、レシチンおよびエタノールアミン脂肪族アミド;またはそれらの塩、誘導体の1つ以上を包含するが、これらの1つ以上に限定されない。
【0074】
商標によって商業的に入手可能である界面活性剤は、Atlas-G5000、TERMUL5429、TERMUL2510、ECOTERIC(登録商標)、EULSOGEN(登録商標)118、Genapol(登録商標)X、Genapol(登録商標)OX-080、Genapol(登録商標)C100、Emulsogen(登録商標)EL200、Arlacel-P135、Hypermer8261、Hypermer-B239、Hypermer-B261、Hypermer-B246sf、Solutol-HS15、Promulgen(商標)D、Soprophor7961P、Soprophor-TSP/461、Soprophor-TSP/724、Croduret40、Etocas200、Etocas29、Rokacet-R26、Cetomacrogol1000、CHEMONIC-OE-20、Triton-N-101、TritonX-100、Tween20、40、60、65、80、Span20、40、60、80、83、85、120、Brij(登録商標)、Atlox4912、Atlas-G5000、TERMUL3512、TERMUL3015、TERMUL5429、TERMUL2510、ECOTERIC(登録商標)、ECOTERIC(登録商標)T85、ECOTERIC(登録商標)T20、TERIC12A4、EULSOGEN(登録商標)118、Genapol(登録商標)X、Genapol(登録商標)OX-080、Genapol(登録商標)C100、Emulsogen(登録商標)EL200、Arlacel-P135、Hypermer8261、Hypermer-B239、Hypermer-B261、Hypermer-B246sf、Solutol-HS15、Promulgen(商標)D、Soprophor7961P、Soprophor-TSP/461、Soprophor-TSP/724、Croduret40、Etocas200、Etocas29、RokacetR26、CHEMONIC-OE-20、Triton(商標)N-101、IGEPAL-CA-630、およびIsoceteth-20の1つ以上を包含するが、これらに限定されない。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに、他の従来公知の界面活性剤を利用することが可能であるということを了解するであろう。界面活性剤は商業的に製造されており、種々の会社から入手可能である。
【0075】
ある実施形態に従うと、界面活性剤はトータルの組成物の0.1%から60%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、界面活性剤はトータルの組成物の0.1%から40%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと;界面活性剤はトータルの組成物の0.1%から30%w/wの量で存在する。さらなる実施形態に従うと、界面活性剤はトータルの組成物の0.1%から20%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、界面活性剤はトータルの組成物の0.1%から10%w/wの量で存在する。
【0076】
ある実施形態に従うと、作物栄養および強化組成物に用いられる分散剤は、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、リグニンスルホン酸、フェノールナフタレンスルホン酸、リグノスルホン酸のアルカリ金属、アルカリ土類金属、およびアンモニウム塩、リグニン誘導体、ジブチルナフタレンスルホン酸、アルキルアリールスルホン酸、アルキル硫酸、アルキルスルホン酸、脂肪族アルコールサルフェート、脂肪酸および硫酸化脂肪族アルコールグリコールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、スルホコハク酸ジオクチル、ラウリル硫酸、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル硫酸エステル塩および同類、それらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩またはアミン塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、またはポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル、および同類、ナフタレンスルホン酸尿素ホルムアルデヒド縮合物のナトリウム塩およびフェノールスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物のナトリウム塩の混合物、エトキシル化アルキルフェノール、エトキシル化脂肪酸、アルコキシル化直鎖アルコール、多環芳香族スルホン酸、アルキルアリールスルホン酸ナトリウム、グリセリルエステル、無水マレイン酸コポリマーのアンモニウム塩、無水マレイン酸コポリマー、リン酸エステル、アリールスルホン酸およびホルムアルデヒドの縮合生成物、エチレンオキシドおよび脂肪酸エステルの付加生成物、エチレンオキシドおよび脂肪酸エステルの付加生成物の塩、イソデシルスルホコハク酸半エステルのナトリウム塩、ポリカルボン酸、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スルホン酸化ナフタレンのナトリウム塩、スルホン酸化ナフタレンのアンモニウム塩、ポリアクリル酸の塩、縮合フェノールスルホン酸のナトリウム塩、ならびにナフタレンスルホン酸-ホルムアルデヒド縮合物、ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルムアルデヒド縮合物、トリスチリルフェノールエトキシレートリン酸エステル;脂肪族アルコールエトキシレート;アルキルエトキシレート;EO-POブロックコポリマー;グラフトコポリマー、スルホン酸化ナフタレンのアンモニウム塩、ポリアクリル酸の塩、それらの塩、誘導体の1つ以上を包含するが、これらに限定されない。
【0077】
商業的に入手可能な分散剤は、「Morwet-D425」(米国Witco社からのナトリウムナフタレンホルムアルデヒド縮合物)、「Morwet-EFW」硫酸化アルキルカルボン酸およびアルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム塩、「Tamol-PP」(フェノールスルホン酸縮合物のナトリウム塩)、「Reax-80N」(リグノスルホン酸ナトリウム)、「Wettol-D1」アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム(BASFから)を包含する。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに、他の従来公知の分散剤を利用することが可能であるということを了解するであろう。分散剤は商業的に製造されており、種々の会社から入手可能である。
【0078】
ある実施形態に従うと、分散剤はトータルの組成物の0.1~60%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、分散剤はトータルの組成物の0.1~30%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、分散剤はトータルの組成物の3~20%w/wの量で存在する。
【0079】
ある実施形態に従うと、作物栄養および強化組成物に用いられる濡れ剤は、フェノールナフタレンスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、スルホン酸化アルキルカルボン酸のナトリウム塩、ポリオキシアルキル化エチルフェノール、ポリオキシエトキシル化脂肪族アルコール、ポリオキシエトキシル化脂肪族アミン、リグニン誘導体、アルカンスルホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸、ポリカルボン酸の塩、スルホコハク酸のエステルの塩、アルキルポリグリコールエーテルスルホン酸、アルキルエーテルリン酸、アルキルエーテルスルホン酸、およびアルキルスルホコハク酸モノエステル、それらの塩、誘導体の1つ以上を包含するが、これらに限定されない。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに、他の従来公知の濡れ剤を利用することが可能であるということを了解するであろう。濡れ剤は商業的に製造されており、種々の会社から入手可能である。
【0080】
ある実施形態に従うと、濡れ剤はトータルの組成物の0.1%~60%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、濡れ剤はトータルの組成物の0.1%~40%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、濡れ剤はトータルの組成物の0.1%~30%w/wの量で存在する。
【0081】
作物栄養および強化組成物に用いられる乳化剤は、Atlas-G5000、TERMUL5429、TERMUL2510、ECOTERIC(登録商標)、EMULSOGEN(登録商標)118、Genapol(登録商標)X、Genapol(登録商標)OX-080、Genapol(登録商標)C100、Emulsogen(登録商標)EL200、Arlacel-P135、Hypermer8261、Hypermer-B239、Hypermer-B261、Hypermer-B246sf、Solutol-HS15、Promulgen(商標)D、Soprophor-7961P、Soprophor-TSP/461、Soprophor-TSP/724、Croduret40、Etocas200、Etocas29、Rokacet-R26、CHEMONIC-OE-20、Triton(商標)N-101、Tween20、40、60、65、80、Span20、40、60、80、83、85、120、Brij(登録商標)、Triton(商標)Atlox4912、Atlas-G5000、TERMUL3512、TERMUL3015、TERMUL5429、TERMUL2510、ECOTERIC(登録商標)、ECOTERIC(登録商標)T85、ECOTERIC(登録商標)T20、TERIC12A4、EULSOGEN(登録商標)118、Genapol(登録商標)X、Genapol(登録商標)OX-080、Genapol(登録商標)C100、Emulsogen(登録商標)EL200、Arlacel-P135、Hypermer-8261、Hypermer-B239、Hypermer-B261、Hypermer-B246sf、Solutol-HS15、Promulgen(商標)D、Soprophor-7961P、Soprophor-TSP/461、Soprophor-TSP/724、Croduret40、Etocas200、Etocas29、Rokacet-R26の1つ以上を包含するが、これらに限定されず、CHEMONIC-OE-20、Triton(商標)N-101、Tween20、40、60、65、80、およびSpan20、40、60、80、83、85、120もまた用いられ得る。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに、他の従来公知の乳化剤を利用することが可能であるということを了解するであろう。乳化剤は商業的に製造されており、種々の会社から入手可能である。
【0082】
ある実施形態に従うと、乳化剤はトータルの組成物の0.1%~60%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、乳化剤はトータルの組成物の0.1%~50%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、乳化剤はトータルの組成物の0.1%~30%w/wの量で存在する。
【0083】
ある実施形態に従うと、作物栄養および強化組成物に用いられる溶媒は水混和性溶媒を包含する。水混和性溶媒は、1,4-ジオキサン、エチレングリコール、グリセロール、N-メチル-2-ピロリドン、1,3-プロパンジオール、1,5-ペンタンジオール、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、ジメチルホルムアミド、ジメトキシエタン、ジメチルオクタンアミド、ジメチルデカンアミドを包含するが、これらに限定されない。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに、他の水混和性溶媒を利用することが可能であるということを了解するであろう。
【0084】
ある実施形態に従うと、溶媒はトータルの組成物の0.1~95%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、溶媒はトータルの組成物の0.1~60%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、溶媒はトータルの組成物の0.1~40%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、溶媒はトータルの組成物の0.1~30%w/wの量で存在する。
【0085】
ある実施形態に従うと、作物栄養および強化組成物に用いられる崩壊剤は、無機の水可溶性塩、例えば塩化ナトリウム、硝酸塩;水可溶性有機化合物、例えば寒天、ヒドロキシプロピルデンプン、カルボキシメチルデンプンエーテル、トラガカント、ゼラチン、カゼイン、微結晶セルロース、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、トリポリリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、金属ステアリン酸塩、セルロース粉末、デキストリン、メタクリレートコポリマー、Polyplasdone(登録商標)XL-10(架橋ポリビニルピロリドン)、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリアミノカルボン酸、スルホン酸化スチレン-イソブチレン-無水マレイン酸コポリマー、メタクリレートのポリアクリレートの塩、デンプン-ポリアクリロニトリルグラフトコポリマー、重炭酸/炭酸ナトリウムもしくはカリウムまたはそれらの混合物もしくは酸、例えばクエン酸およびフマル酸との塩、あるいはそれらの塩、誘導体の1つ以上を包含するが、これらに限定されない。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに、異なる崩壊剤を利用することが可能であるということを了解するであろう。崩壊剤は商業的に製造されており、種々の会社から入手可能である。
【0086】
ある実施形態に従うと、崩壊剤は組成物の0.1%から50%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、崩壊剤は組成物の0.1%から30%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、崩壊剤は組成物の0.1%から20%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、崩壊剤は組成物の0.1%から10%w/wの量で存在する。
【0087】
ある実施形態に従うと、作物栄養および強化組成物に用いられる結合剤またはバインダは、タンパク質、リポタンパク質、脂質、糖脂質、糖タンパク質、炭水化物、例えば単糖、二糖、オリゴ糖、および多糖、複雑な有機物質、合成有機ポリマー、またはそれらの誘導体および組み合わせの1つ以上であるが、これらに限定されない。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに、異なる結合剤を利用することが可能であるということを了解するであろう。結合剤は商業的に製造されており、種々の会社から入手可能である。
【0088】
ある実施形態に従うと、結合剤は組成物の0.1%から50%w/wの量で存在する。さらなる実施形態に従うと、結合剤は組成物の0.1%から30%w/wの量で存在する。さらなる実施形態に従うと、結合剤は組成物の0.1%から20%w/wの量で存在する。さらなる実施形態に従うと、結合剤は組成物の0.1%から10%w/wの量で存在する。
【0089】
ある実施形態に従うと、作物栄養および強化組成物に用いられる担体は、固体担体またはフィラーまたは希釈剤の1つ以上を包含するが、これらに限定されない。別の実施形態に従うと、担体は鉱物担体、植物担体、合成担体、水可溶性の担体を包含する。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに、異なる担体を利用することが可能であるということを了解するであろう。担体は商業的に製造されており、種々の会社から入手可能である。
【0090】
固体担体は、粘土のような天然鉱物、例えば陶土、酸性粘土、カオリン、例えばカオリナイト、ディッカイト、ナクライト、およびハロイサイト、蛇紋石、例えばクリソタイル、リザーダイト、アンチゴライト、およびアメサイト、合成および珪藻シリカ、モンモリロナイト鉱物、例えばナトリウムモンモリロナイト、スメクタイト、例えばサポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、およびハイデライト、雲母、例えばパイロフィライト、タルク、アガルマトライト、マスコバイト、フェンジャイト、セリサイト、およびイライト、シリカ、例えばクリストバライトおよび石英、例えばアタパルジャイトおよびセピオライト;バーミキュライト、ラポナイト、軽石、ボーキサイト、水和アルミナ、パーライト、重炭酸ナトリウム、火山灰、バーミキュライト、石灰岩、天然および合成ケイ酸塩、木炭、シリカ、湿式シリカ、乾式シリカ、湿式シリカのか焼生成物、表面改質シリカ、雲母、ゼオライト、珪藻土、それらの誘導体;チョーク(Omya(登録商標))、フラー土、レス、ミラビライト、ホワイトカーボン、消石灰、合成ケイ酸、デンプン、加工デンプン(松谷化学工業株式会社から入手可能なパインフロー)、セルロース、植物担体、例えばセルロース、籾殻、小麦粉、木粉、デンプン、米糠、小麦ふすま、および大豆粉、タバコ粉、野菜粉、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(塩化ビニリデン)、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アルギン酸プロピレングリコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、カゼインナトリウム、スクロース、芒硝、ピロリン酸カリウム、トリポリリン酸ナトリウム、マレイン酸、フマル酸、およびリンゴ酸、またはそれらの誘導体もしくは混合物を包含する。商業的に入手可能なケイ酸塩はAerosilブランド、Sipernat(登録商標)50SとしてSipernatブランド、およびCALFLO-E、およびカオリン1777である。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに、異なる固体担体を利用することが可能であるということを了解するであろう。固体担体は商業的に製造されており、種々の会社から入手可能である。
【0091】
ある実施形態に従うと、担体は組成物の0.1%から98%w/wの量で存在する。さらなる実施形態に従うと、担体は組成物の0.1%から80%w/wの量で存在する。さらなる実施形態に従うと、担体は組成物の0.1%から60%w/wの量で存在する。さらなる実施形態に従うと、担体は組成物の0.1%から40%w/wの量で存在する。さらなる実施形態に従うと、担体は組成物の0.1%から20%w/wの量で存在する。
【0092】
ある実施形態に従うと、作物栄養および強化組成物に用いられる固化防止剤は、多糖、例えばデンプン、アルギン酸、マンノース、ガラクトース;ポリ(ビニルピロリドン)、フュームドシリカ(ホワイトカーボン)、エステルガム、石油樹脂、Foammaster(登録商標)Soap-Lステアリン酸ナトリウム、Brij(登録商標)700ポリオキシエチレン(100)ステアリルエーテル、Aerosol(登録商標)OT-Bジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、Silwet(登録商標)L-77シリコーン-ポリエーテルコポリマー、酢酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アルキルスルホコハク酸ナトリウム、炭酸もしくは重炭酸ナトリウム、それらの塩または誘導体の1つ以上を包含するが、これらに限定されない。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに、異なる固化防止剤を利用することが可能であるということを了解するであろう。固化防止剤は商業的に製造されており、種々の会社から入手可能である。
【0093】
ある実施形態に従うと、作物栄養および強化組成物に用いられる抑泡剤または破泡剤は、シリカ、シロキサン、シリコンジオキシド、ポリジメチルシロキサン、ポリアクリル酸アルキル、エチレンオキシド/プロピレンオキシドコポリマー、ポリエチレングリコール、シリコンオイル、およびステアリン酸マグネシウム、またはそれらの誘導体の1つ以上を包含するが、これらに限定されない。好ましい抑泡剤は、シリコーンエマルション(例えば、例えばSilikon(登録商標)SRE、ワッカー、またはローディアからのRhodorsil(登録商標))、長鎖アルコール、脂肪酸、フッ素有機化合物を包含する。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに、他の従来公知の抑泡剤を利用することが可能であるということを了解するであろう。抑泡剤は商業的に製造されており、種々の会社から入手可能である。
【0094】
ある実施形態に従うと、抑泡剤はトータルの組成物の0.01%から20%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、抑泡剤はトータルの組成物の0.01%から10%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、抑泡剤はトータルの組成物の0.01%から5%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、抑泡剤はトータルの組成物の0.01%から1%w/wの量で存在する。
【0095】
ある実施形態に従うと、作物栄養および強化組成物に用いられるpH調整剤または緩衝剤または中和剤は、有機または無機型の酸および塩基両方ならびにそれらの混合物を包含する。さらなる実施形態に従うと、pH調整剤または緩衝剤または中和剤は、有機酸、無機酸、およびアルカリ金属化合物、またはそれらの塩、誘導体の1つ以上を包含するが、これらに限定されない。ある実施形態に従うと、有機酸は、クエン酸、リンゴ酸、アジピン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、および酒石酸、もしくはそれらの塩、誘導体;ならびにこれらの酸の一、二、もしくは三塩基性塩、またはそれらの誘導体の1つ以上を包含するが、これらに限定されない。アルカリ金属化合物は、アルカリ金属の水酸化物、例えば水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウム、アルカリ金属の炭酸塩、例えば炭酸ナトリウム、アルカリ金属の炭酸水素塩、例えば炭酸水素ナトリウム、ならびにアルカリ金属リン酸塩、例えばリン酸ナトリウム、ならびにそれらの混合物の1つ以上を包含するが、これらに限定されない。ある実施形態に従うと、無機酸の塩は、アルカリ金属塩、例えば塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硝酸リチウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硫酸リチウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、リン酸一水素ナトリウム、リン酸一水素カリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、および同類の1つ以上を包含するが、これらに限定されない。pH調整剤または緩衝剤または中和剤を作製するためには、混合物もまた用いられ得る。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに、他の従来公知のpH調整剤または緩衝剤または中和剤を利用することが可能であるということを了解するであろう。pH調整剤または緩衝剤または中和剤は商業的に製造されており、種々の会社から入手可能である。
【0096】
ある実施形態に従うと、pH調整剤または緩衝剤はトータルの組成物の0.01%から20%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、pH調整剤または緩衝剤はトータルの組成物の0.01%から10%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、pH調整剤または緩衝剤はトータルの組成物の0.01%から5%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、pH調整剤または緩衝剤はトータルの組成物の0.01%から1%w/wの量で存在する。
【0097】
ある実施形態に従うと、作物栄養および強化組成物に用いられる展着剤は、セルロース粉末、デキストリン、加工デンプン、架橋ポリ(ビニルピロリドン)、スチレン化合物とのマレイン酸のコポリマー、(メタ)アクリル酸コポリマー、ジカルボン酸無水物との多価アルコールからなるポリマーの半エステル、ポリスチレンスルホン酸の水可溶性塩、脂肪酸、ラテックス、脂肪族アルコール、野菜油、例えば綿実、または無機油、石油蒸留物、修飾トリシロキサン、ポリグリコール、ポリエーテル、クラスレート、またはそれらの塩もしくは誘導体の1つ以上を包含するが、これらに限定されない。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに、他の従来公知の展着剤を利用することが可能であるということを了解するであろう。展着剤は商業的に製造されており、種々の会社から入手可能である。
【0098】
ある実施形態に従うと、展着剤はトータルの組成物の0.1%から20%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、展着剤はトータルの組成物の0.1%から10%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、展着剤はトータルの組成物の0.1%から5%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、展着剤はトータルの組成物の0.1%から1%w/wの量で存在する。
【0099】
ある実施形態に従うと、作物栄養および強化組成物に用いられる付着剤は、パラフィン、ポリアミド樹脂、ポリアクリレート、ポリオキシエチレン、ワックス、ポリビニルアルキルエーテル、アルキルフェノール-ホルマリン縮合物、脂肪酸、ラテックス、脂肪族アルコール、野菜油、例えば綿実、または無機油、石油蒸留物、修飾トリシロキサン、ポリグリコール、ポリエーテル、クラスレート、合成樹脂エマルション、またはそれらの塩もしくは誘導体の1つ以上を包含するが、これらに限定されない。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに、他の従来公知の付着剤を利用することが可能であるということを了解するであろう。付着剤は商業的に製造されており、種々の会社から入手可能である。ある実施形態に従うと、付着剤はトータルの組成物の0.1%から30%w/wの量で存在し得る。
【0100】
ある実施形態に従うと、付着剤はトータルの組成物の0.1%から20%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、付着剤はトータルの組成物の0.1%から10%w/wの量で存在する。
【0101】
ある実施形態に従うと、作物栄養および強化組成物に用いられる安定剤は、過酸化化合物、例えば過酸化水素および有機過酸化物、亜硝酸アルキル、例えば亜硝酸エチル、およびグリオキシル酸アルキル、例えばグリオキシル酸エチル、ゼオライト、抗酸化剤、例えばフェノール化合物、リン酸化合物、および同類;紫外線吸収剤、例えばベンゾフェノン化合物、またはそれらの誘導体の1つ以上を包含するが、これらに限定されない。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに、他の従来公知の安定剤を利用することが可能であるということを了解するであろう。安定剤は商業的に製造されており、種々の会社から入手可能である。
【0102】
ある実施形態に従うと、安定剤はトータルの組成物の0.1%から30%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、安定剤はトータルの組成物の0.1%から20%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、安定剤はトータルの組成物の0.1%から10%w/wの量で存在する。
【0103】
ある実施形態に従うと、作物栄養および強化組成物に用いられる保存料は、殺細菌剤、抗真菌剤、殺生物剤、抗微生物剤、および抗酸化剤の1つ以上を包含するが、これらに限定されない。保存料の限定しない例は、パラベン、そのエステルおよび塩、プロピオン酸およびその塩、2,4-ヘキサジエン酸(ソルビン酸)およびその塩、ホルムアルデヒドおよびパラホルムアルデヒド、2-ヒドロキシビフェニルエーテルおよびその塩、無機亜硫酸塩および重亜硫酸塩、ヨウ素酸ナトリウム、クロロブタノール、デヒドロ酢酸、ギ酸、1,6-ビス(4-アミジノ-2-ブロモフェノキシ)-n-ヘキサンおよびその塩、5-アミノ-1,3-ビス(2-エチルヘキシル)-5-メチルヘキサヒドロピリミジン、5-ブロモ-5-ニトロ-1,3-ジオキサン、2-ブロモ-2-ニトロプロパン-1,3-ジオール、2,4-ジクロロベンジルアルコール、N-(4-クロロフェニル)-N’-(3,4-ジクロロフェニル)尿素、4-クロロ-m-クレゾール、2,4,4’-トリクロロ-2’-ヒドロキシジフェニルエーテル、4-クロロ-3,5-ジメチルフェノール、1,1’-メチレン-ビス(3-(1-ヒドロキシメチル-2,4-ジオキシイミダゾリジン-5-イル)尿素)、ポリ(ヘキサメチレンジグアニド)塩酸塩、2-フェノキシエタノール、ヘキサメチレンテトラミン、1-(3-クロロアリル)-3,5,7-トリアザ-1-アゾニア-アダマンタンクロリド、1(4-クロロフェノキシ)-1-(1H-イミダゾール-1-イル)-3,3-ジメチル-2-ブタノン、1,3-ビス(ヒドロキシメチル)-5,5-ジメチル-2,4-イミダゾリジンジオン、ベンジルアルコール、オクトピロックス、1,2-ジブロモ-2,4-ジシアノブタン、2,2’-メチレンビス(6-ブロモ-4-クロロフェノール)、ブロモクロロフェン、ジクロロフェン、2-ベンジル-4-クロロフェノール、2-クロロアセトアミド、クロルヘキシジン、クロルヘキシジン酢酸塩、クロルヘキシジングルコン酸塩、クロルヘキシジン塩酸塩、1-フェノキシプロパン-2-オール、N-アルキル(C12-C22)トリメチルアンモニウムブロミドおよびクロリド、4,4-ジメチル-1,3-オキサゾリジン、N-ヒドロキシメチル-N-(1,3-ジ(ヒドロキシメチル)-2,5-ジオキソイミダゾリジン-4-イル)-N’-ヒドロキシメチル尿素、1,6-ビス(4-アミジノフェノキシ)-n-ヘキサンおよびその塩、グルタルアルデヒド、5-エチル-1-アザ-3,7-ジオキサビシクロ(3.3.0)オクタン、3-(4-クロロフェノキシ)プロパン-1,2-ジオール、Hyamine、アルキル(C8-C18)ジメチルベンジルアンモニウムクロリド、アルキル(C8-C18)ジメチルベンジルアンモニウムブロミド、アルキル(C8-C18)ジメチルベンジルアンモニウムサッカリン酸塩、ベンジルヘミホルマール、3-ヨード-2-プロピニルブチルカルバメート、ヒドロキシメチルアミノ酢酸ナトリウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、塩化セチルピリジニウム、および2Hイソチアゾール-3-オンの誘導体(いわゆるイソチアゾロン誘導体)、例えばアルキルイソチアゾロン(例えば2-メチル-2H-イソチアゾール-3-オン、MIT;クロロ-2-メチル-2H-イソチアゾール-3-オン、CIT)、ベンゾイソチアゾロン(例えば1,2-ベンゾイソチアゾール-3(2H)-オン、BIT、ICIからProxel(登録商標)型として商業的に入手可能)または2-メチル-4,5-トリメチレン-2H-イソチアゾール-3-オン(MTIT)、C1-C4アルキルパラヒドロキシ安息香酸、ジクロロフェン、ICIからのProxel(登録商標)またはThor-ChemieからのActicide(登録商標)RSおよびRohm&HaasからのKathon(登録商標)MK、Bacto-100、チメロサール、プロピオン酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、プロピルパラベン、プロピルパラベンナトリウム、ソルビン酸カリウム、安息香酸カリウム、硝酸フェニル水銀、フェニルエチルアルコール、ナトリウム、エチルパラベン、メチルパラベン、ブチルパラベン、ベンジルアルコール、塩化ベンゾトニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、1,2-ベンゾチアゾール-3-オン、プリベントール(登録商標)(ランクセス(登録商標))、ブチルヒドロキシトルエン、ソルビン酸カリウム、ヨウ素含有有機化合物、例えば3-ブロモ-2,3-ジヨード-2-プロペニルエチルカーボネート、3-ヨード-2-プロピニルブチルカルバメート、2,3,3-トリヨードアリルアルコール、およびパラクロロフェニル-3-ヨードプロパルギルホルマール;ベンゾイミダゾール化合物およびベンゾチアゾール化合物、例えば2-(4-チアゾリル)ベンゾイミダゾールおよび2-チオシアノメチルチオベンゾチアゾール;トリアゾール化合物、例えば1-(2-(2’,4’-ジクロロフェニル)-1,3-ジオキソラン-2-イルメチル)-1H-1,2,4-トリアゾール、1-(2-(2’,4’-ジクロロフェニル)-4-プロピル-1,3-ジオキソラン-2-イルメチル)-1H-1,2,4-トリアゾール、およびα-(2-(4-クロロフェニル)エチル)-α-(1,1-ジメチルエチル)-1H-1,2,4-トリアゾール-1-エタノール;ならびに天然に存在する化合物、例えば4-イソプロピルトロポロン(ヒノキチオール)、およびボラックス、またはそれらの塩もしくは誘導体の1つ以上を包含する。抗酸化剤は、イミダゾールおよびイミダゾール誘導体(例えばウロカニン酸)、4,4’-チオビス-6-t-ブチル-3-メチルフェノール、2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾール(BHT)、およびペンタエリスリチルテトラキス[3-(3,5,-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)]プロピオネート;アミン抗酸化剤、例えばN,N’-ジ-2-ナフチル-p-フェニレンジアミン;ヒドロキノリン抗酸化剤、例えば2,5-ジ(t-アミル)ヒドロキノリン;リン含有抗酸化剤、例えばリン酸トリフェニル、カロテノイド、カロテン(例えばαカロテン、βカロテン、リコペン)およびそれらの誘導体、リポ酸およびそれらの誘導体(例えばジヒドロリポ酸)、アウロチオグルコース、プロピルチオウラシル、およびさらなるチオ化合物(例えばチオグリセロール、チオソルビトール、チオグリコール酸、チオレドキシン、それらのN-アセチル、メチル、エチル、プロピル、アミル、ブチル、ラウリル、パルミトイル、オレイル、γ-リノレイル、コレステリル、およびグリセリルエステル)、およびそれらの塩、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、チオジプロピオン酸およびその誘導体(エステル、エーテル、脂質、ヌクレオチド、ヌクレオシド、および塩)、ならびにスルホキシミン化合物(例えばブチオニンスルホキシミン、ホモシステインスルホキシミン、ブチオニンスルホン、ペンタ、ヘキサ、ヘプタチオニンスルホキシイミン)を非常に低い忍容ドーズ(例えばpmol/kgからpmol/kg)で、α-ヒドロキシ酸(例えばクエン酸、乳酸、リンゴ酸)、フミン酸、没食子酸エステル(例えば没食子酸プロピル、オクチル、およびドデシル)、不飽和脂肪酸および誘導体、ヒドロキノンおよびその誘導体(例えばアルブチン)、ユビキノンおよびユビキノール、およびそれらの誘導体、パルミチン酸、ステアリン酸、ジパルミチン酸、酢酸アスコルビル、リン酸アスコルビルMg、リン酸および硫酸アスコルビル二ナトリウム、アスコルビルトコフェリルリン酸カリウム、イソアスコルビン酸およびその誘導体、ベンゾイン樹脂の安息香酸コニフェリル、ルチン、ルチン酸およびその誘導体、ルチニル二硫酸二ナトリウム、ジブチルヒドロキシトルエン、4,4-チオビス-6-tert-ブチル-3-メチルフェノール、ブチルヒドロキシアニソール、p-オクチルフェノール、モノ(ジまたはトリ)メチルベンジルフェノール、2,6-tert-ブチル-4-メチルフェノール、ペンタエリスリトール-テトラキス3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ブチルヒドロキシアニソール、ノルジヒドログアヤチック酸、ノルジヒドログアヤレチック酸、トリヒドロキシブチロフェノン、尿酸およびその誘導体、マンノースおよびその誘導体、セレンおよびセレン誘導体(例えばセレノメチオニン)、スチルベンおよびスチルベン誘導体(例えばスチルベンオキシド、トランススチルベンオキシド)の1つ以上を包含するが、これらに限定されない。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに、他の従来公知の保存料を利用することが可能であるということを了解するであろう。保存料は商業的に製造されており、種々の会社から入手可能である。
【0104】
ある実施形態に従うと、保存料または殺細菌剤または抗真菌剤または殺生物剤または抗微生物剤または抗酸化剤は、トータルの組成物の0.1%から20%w/wの量で存在する。さらなる実施形態に従うと、保存料または殺細菌剤または抗真菌剤または殺生物剤または抗微生物剤または抗酸化剤は、トータルの組成物の0.1%から10%w/wの量で存在する。さらなる実施形態に従うと、保存料または殺細菌剤または抗真菌剤または殺生物剤または抗微生物剤または抗酸化剤は、トータルの組成物の0.1%から5%w/wの量で存在する。さらなる実施形態に従うと、保存料または殺細菌剤または抗真菌剤または殺生物剤または抗微生物剤または抗酸化剤は、トータルの組成物の0.1%から1%w/wの量で存在する。
【0105】
ある実施形態に従うと、作物栄養および強化組成物に用いられる構造形成剤は増粘剤、粘度調整剤、タッキファイヤ、懸濁助剤、レオロジー調整剤、または沈降防止剤の1つ以上を包含するが、これらに限定されない。構造形成剤は長引く保存後の活性成分粒子の沈殿を防ぐ。
【0106】
ある実施形態に従うと、水系懸濁液組成物に用いられる構造形成剤は、1つ以上のポリマー、例えばポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、多糖、疎水化セルロース誘導体、セルロース誘導体のコポリマー、カルボキシビニルまたはポリビニルピロリドン、ポリエチレン、ポリエチレンオキシド、ポリビニルアルコールおよび誘導体;粘土、例えばベントナイト粘土、カオリン、スメクタイト、アタパルジャイト、高表面積シリカによるアタクレイ、および天然ガム、例えばグアーガム、キサンタンガム、アラビアガム、トラガカントガム、ラムザンガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、ウェランガム、ビーガム、ゼラチン、デキストリン、コラーゲン;ポリアクリル酸およびそれらのナトリウム塩;脂肪族アルコールのポリグリコールエーテル、およびポリエチレンオキシドまたはポリプロピレンオキシド縮合生成物、ならびにそれらの混合物を包含するが、これらに限定されず、エトキシル化アルキルフェノール(当分野においては、アルキルアリールポリエーテルアルコールともまた称される);エトキシル化脂肪族アルコール(またはアルキルポリエーテルアルコール);エトキシル化脂肪酸(またはポリオキシエチレン脂肪酸エステル);エトキシル化アンヒドロソルビトールエステル(またはポリエチレンソルビタン脂肪酸エステル)、塩基性溶液中において非イオン性である長鎖アミンおよび環状アミンオキシド;長鎖第三級ホスフィンオキシド;ならびに長鎖ジアルキルスルホキシド、フュームドシリカ、フュームドシリカおよびフュームド酸化アルミニウムの混合物、膨潤性ポリマー、ポリアミド、またはその誘導体;ポリオール、例えばグリセリン、ポリ(酢酸ビニル)、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリ(エチレングリコール)、リン脂質(例えばセファリンおよび同類);スタキオース、フラクトオリゴ糖、アミロース、ペクチン、アルギン酸、ハイドロコロイド、ならびにそれらの混合物を包含する。また、セルロース、例えばヘミセルロース、カルボキシメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルエチルセルロース、ヒドロキシルエチルプロピルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース;デンプン、例えば酢酸デンプン、デンプンヒドロキシエチルエーテル、イオン性デンプン、長鎖アルキルデンプン、デキストリン、マルトデキストリン、コーンスターチ、アミンデンプン、リン酸デンプン、およびジアルデヒドデンプン;植物デンプン、例えばコーンスターチおよびジャガイモデンプン;他の炭水化物、例えばペクチン、デキストリン、アミロペクチン、キシラン、グリコーゲン、寒天、グルテン、アルギン酸、フィココロイド、キチン、またはそれらの誘導体である。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに、他の従来公知の構造形成剤を利用することが可能であるということを了解するであろう。
【0107】
好ましい構造形成剤は、キサンタンガム、ケイ酸アルミニウム、メチルセルロース、多糖、アルカリ土類金属ケイ酸塩、ゼラチン、およびポリビニルアルコールの1つ以上を包含する。構造形成剤は商業的に製造されており、種々の会社から入手可能である。
【0108】
ある実施形態に従うと、構造形成剤は組成物の0.01%から5%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、構造形成剤は組成物の0.01%から4%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、構造形成剤は組成物の0.01%から3%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、構造形成剤は組成物の0.01%から2%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、構造形成剤は組成物の0.01%から1%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、構造形成剤は組成物の0.01%から0.1%w/wの量で存在する。
【0109】
ある実施形態に従うと、水系懸濁液組成物に用いられる凍結防止剤または凝固点降下剤は、多価アルコール、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、プロピレングリコール、ブチロラクトン、N,N-ジメチルホルムアミド、グリセロール、一価または多価アルコール、グリコールエーテル、グリコールエーテル、グリコールモノエーテル、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、およびジプロピレングリコールのメチル、エチル、プロピル、およびブチルエーテル、グリコールジエーテル、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、およびジプロピレングリコールのメチルおよびエチルジエーテル、または尿素、グリセロール、イソプロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジまたはトリプロピレングリコールモノメチルエーテル、またはシクロヘキサノール、炭水化物、例えばグルコース、マンノース、フルクトース、ガラクトース、スクロース、ラクトース、マルトース、キシロース、アラビノース、ソルビトール、マンニトール、トレハロース、ラフィノース、またはそれらの誘導体の1つ以上を包含するが、これらに限定されない。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに、異なる凍結防止剤を利用することが可能であるということを了解するであろう。凍結防止剤は商業的に製造されており、種々の会社から入手可能である。
【0110】
ある実施形態に従うと、水系懸濁液組成物に用いられるキレートまたは錯化または封鎖剤は、ポリカルボン酸、例えばポリアクリル酸、および種々の加水分解ポリ(メチルビニルエーテル/無水マレイン酸);N-ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、ニトリロ三酢酸(NTA)、N,N,N’,N’-エチレンジアミン四酢酸、N-ヒドロキシエチル-N,N’,N’-エチレンジアミン三酢酸およびN,N,N’,N”,N”-ジエチレントリアミン五酢酸;α-ヒドロキシ酸、例えばクエン酸、酒石酸、およびグルコン酸;オルトリン酸塩、例えばリン酸三ナトリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸一ナトリウム;縮合リン酸、例えばトリポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸四ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、およびテトラポリリン酸ナトリウム;5-スルホ-8-ヒドロキシキノリン;および3,5-ジスルホピロカテコール、ポリカルボン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、N-ヒドロキシエチル-エチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、エチレンジアミン二酢酸(EDDA)、エチレンジアミン二(o-ヒドロキシフェニル酢)酸(EDDHA)、シクロヘキサンジアミン四酢酸(CDTA)、ポリエチレンアミンポリ酢酸、リグノスルホン酸、リグノスルホン酸Ca、K、Na、およびアンモニウム、フルボ酸、ウルミン酸、核酸、シクロデキストリン、フミン酸、ピロリン酸の1つ以上を包含するが、これらに限定されない。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに、他のキレートまたは錯化または封鎖剤を利用することが可能であるということを了解するであろう。キレートまたは錯化または封鎖剤は商業的に製造されており、種々の会社から入手可能である。
【0111】
ある実施形態に従うと、水系懸濁液組成物に用いられる浸透剤は、アルコール、グリコール、グリコールエーテル、エステル、アミン、アルカノールアミン、アミンオキシド、第四級アンモニウム化合物、トリグリセリド、脂肪酸エステル、脂肪酸エーテル、N-メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、またはジメチルスルホキシド、モノオレイン酸ポリオキシエチレントリメチロールプロパン、ジオレイン酸ポリオキシエチレントリメチロールプロパン、トリオレイン酸ポリオキシエチレントリメチロールプロパン、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、およびヘキサオレイン酸ポリオキシエチレンソルビトールの1つ以上を包含するが、これらに限定されない。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに、異なる浸透剤を利用することが可能であるということを了解するであろう。浸透剤は商業的に製造されており、種々の会社から入手可能である。
【0112】
ある実施形態に従うと、紫外線吸収剤は、2-(2’-ヒドロキシ-5’-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-エトキシ-2’-エチルシュウ酸ビスアニリド、コハク酸ジメチル-1-(2-ヒドロキシエチル)-4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン重縮合物、ベンゾトリアゾール化合物、例えば2-(2’-ヒドロキシ-5’-メチルフェニル)ベンゾトリアゾールおよび2-(2’-ヒドロキシ-4’-n-オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール;ベンゾフェノン化合物、例えば2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノンおよび2-ヒドロキシ-4-n-オクトキシベンゾフェノン;サリチル酸化合物、例えばサリチル酸フェニルおよびサリチル酸p-t-ブチルフェニル;2-エチルヘキシル2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリレート、2-エトキシ-2’-エチルシュウ酸ビスアニリド、およびコハク酸ジメチル-1-(2-ヒドロキシエチル)-4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン重縮合物、もしくは誘導体、または同類の1つ以上から選択されるが、これらに限定されない。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに、異なる紫外線吸収剤を利用することが可能であるということを了解するであろう。かかる紫外線吸収剤は商業的に製造されており、種々の会社から入手可能である。
【0113】
ある実施形態に従うと、UV線散乱剤は二酸化チタンを包含するが、これに限定されず、または同類が用いられ得る。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに、異なるUV線散乱剤またはそれらの混合物を利用することが可能であるということを了解するであろう。かかるUV線散乱剤は商業的に製造されており、種々の会社から入手可能である。
【0114】
ある実施形態に従うと、保水剤は、ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンコポリマー、特にブロックコポリマー、例えばUniqemaから入手可能なコポリマーのSynperonic-PEシリーズまたはそれらの塩、誘導体の1つ以上から選択されるが、これらに限定されない。他の保水剤は、プロピレングリコール、モノエチレングリコール、ヘキシレングリコール、ブチレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(プロピレングリコール)、グリセロールおよび同類;多価アルコール化合物、例えばプロピレングリコールエーテル、それらの誘導体である。また、他の保水剤は、アロエベラゲル、アルファヒドロキシ酸、例えば乳酸、三酢酸グリセリル、ハチミツ、塩化リチウムなどを包含する。上で言及されている非イオン性界面活性剤は保水剤としてもまた作用する。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに、他の従来公知の保水剤を利用することが可能であるということを了解するであろう。保水剤は商業的に製造されており、種々の会社から入手可能である。
【0115】
ある実施形態に従うと、保水剤はトータルの組成物の0.1%から90%w/wの範囲で存在する。ある実施形態に従うと、保水剤はトータルの組成物の0.1%から70%w/wの範囲で存在する。ある実施形態に従うと、保水剤はトータルの組成物の0.1%から60%w/wの範囲で存在する。ある実施形態に従うと、保水剤はトータルの組成物の0.1%から50%w/wの範囲で存在する。ある実施形態に従うと、保水剤はトータルの組成物の0.1%から30%w/wの範囲で存在する。ある実施形態に従うと、保水剤はトータルの組成物の0.1%から10%w/wの範囲で存在する。
【0116】
本発明者は、さらに、本発明の組成物が、驚くべきことに、分散性、懸濁性、流動性、濡れ時間、より少ない粘度、注加性の向上した物理的特性を有し、取り扱いの容易さを提供し、かつパッケージング時におよび圃場施用中に製品を取り扱う間の材料の損失をもまた縮減するということを決定した。驚くべきことに、本発明者は、従来の組成物と比較して縮減された施用用量で施用されるときでさえも、液体懸濁液および水分散性顆粒の形態の作物栄養および強化組成物が優れた効力を発揮するということをもまた決定した。
【0117】
水分散性顆粒状作物栄養および強化組成物の分散性は、パーセント分散の尺度である。分散性は最小のパーセント分散によって計算される。分散性は、水または溶媒などの液体への追加の際に顆粒が分散する能力として定義される。CIPAC規格MT174試験に従って顆粒状組成物の分散性を決定するために既知量の顆粒状組成物が、定められた体積の水に追加され、撹拌によって混合されて、懸濁液を形成した。短時間の静置後に、上の10分の9が抜かれ、残りの10分の1が乾燥され、重力測定的に決定される。方法は実質的に懸濁性の省略型試験であり、顆粒状組成物が水中に一様に分散した容易さを確定することにとって適当である。
【0118】
ある実施形態に従うと、水分散性顆粒の形態の作物栄養および強化組成物はほぼ即座の分散を見せ、それゆえに、活性成分を作物にとって難なく利用可能にする。
【0119】
ある実施形態に従うと、水分散性顆粒は少なくとも40%の分散性を有する。ある実施形態に従うと、水分散性顆粒は少なくとも50%の分散性を有する。ある実施形態に従うと、水分散性顆粒は少なくとも60%の分散性を有する。ある実施形態に従うと、水分散性顆粒は少なくとも70%の分散性を有する。ある実施形態に従うと、水分散性顆粒は少なくとも80%の分散性を有する。ある実施形態に従うと、水分散性顆粒は少なくとも90%の分散性を有する。ある実施形態に従うと、水分散性顆粒は少なくとも99%の分散性を有する。ある実施形態に従うと、水分散性顆粒は100%の分散性を有する。
【0120】
ある実施形態に従うと、作物栄養および強化組成物は良好な懸濁性を見せる。懸濁性は、決まった高さの液柱中における所与の時間後に懸濁された活性成分の量として定義され、元の懸濁液中の活性成分の量のパーセンテージとして表される。水分散性顆粒はCIPACハンドブック「MT184懸濁性試験」に従って懸濁性について試験され得る。これによると、CIPAC標準水中の顆粒状組成物の既知濃度の懸濁液が調製され、一定温度で所定のメスシリンダー中に置かれ、規定の時間に渡って乱されないままに残された。上の9/10が抜かれ、それから、残りの1/10が化学的に、重力測定的に、または溶媒抽出によっていずれかでアッセイされ、懸濁性が計算された。
【0121】
液体懸濁液の懸濁性は、決まった高さの液柱中における所与の時間後に懸濁された活性成分の量であり、元の懸濁液中の活性成分の量のパーセンテージとして表される。液体懸濁液濃縮物の懸濁性はCIPAC-MT161に従って、250mlの希釈された懸濁液を調製すること、それが定められた条件下のメスシリンダー中において静置することを許すこと、および上の10分の9を除去することにより決定される。それから、残りの10分の1が化学的に、重力測定的に、または溶媒抽出によってアッセイされ、懸濁性が計算される。
【0122】
ある実施形態に従うと、水分散性顆粒および液体懸濁液の形態の作物栄養および強化組成物は少なくとも30%の懸濁性を有する。ある実施形態に従うと、水分散性顆粒および液体懸濁液の形態の作物栄養および強化組成物は少なくとも40%の懸濁性を有する。ある実施形態に従うと、作物栄養および強化組成物は少なくとも50%の懸濁性を有する。ある実施形態に従うと、作物栄養および強化組成物は少なくとも60%の懸濁性を有する。ある実施形態に従うと、作物栄養および強化組成物は少なくとも70%の懸濁性を有する。ある実施形態に従うと、作物栄養および強化組成物は少なくとも80%の懸濁性を有する。ある実施形態に従うと、作物栄養および強化組成物は少なくとも90%の懸濁性を有する。ある実施形態に従うと、作物栄養および強化組成物は少なくとも99%の懸濁性を有する。ある実施形態に従うと、作物栄養および強化組成物は100%の懸濁性を有する。
【0123】
ある実施形態に従うと、水分散性顆粒の形態の作物栄養および強化組成物はほぼ硬さを有さない。顆粒が見せる硬さは、硬さ試験機、例えば島津、ブリネル硬さ(AKB3000モデル)、メクメシン、アジレント、ビンシスト、アメテック、およびロックウェルによって提供されるものによって判定され得る。
【0124】
ある実施形態に従うと、水分散性顆粒および液体懸濁液の形態の作物栄養および強化組成物は熱、光、温度、および固化に対する優れた安定性を実証する。さらなる実施形態に従うと、作物栄養および強化組成物が見せる安定性は3年超である。さらなる実施形態に従うと、作物栄養および強化組成物が見せる安定性は2年超である。さらなる実施形態に従うと、作物栄養および強化組成物が見せる安定性は1年超である。さらなる実施形態に従うと、作物栄養および強化組成物が見せる安定性は10ヶ月超である。さらなる実施形態に従うと、作物栄養および強化組成物が見せる安定性は8ヶ月超である。さらなる実施形態に従うと、作物栄養および強化組成物が見せる安定性は6ヶ月超である。
【0125】
濡れ性は、濡れ性である条件または状態であり、固体が液体によって濡らされる度合いとして定義され得、固体相および液体相の間の付着力によって測定される。顆粒状組成物の濡れ性は、水和製剤の完全な濡れの時間の決定のための手続きを記載するCIPAC規格MT53試験を用いて測定される。秤量された量の顆粒状組成物が規定の高さからビーカー中の水面に投入され、完全な濡れの時間が決定された。別の実施形態に従うと、水分散性顆粒状組成物は2分未満の濡れ性を有する。別の実施形態に従うと、水分散性顆粒状組成物は1分未満の濡れ性を有する。別の実施形態に従うと、水分散性顆粒状組成物は30秒未満の濡れ性を有する。
【0126】
ある実施形態に従うと、液体懸濁液および水分散性顆粒の形態の作物栄養および強化組成物は湿式ふるい残分試験に合格する。試験は、水中の分散液として施用される製剤中の非分散性材料の量を決定するために用いられる。液体懸濁液および水分散性顆粒の形態の作物栄養および強化組成物の湿式ふるい残分値は、ふるい上に保持された材料の量を測定するための手続きを記載するCIPAC規格MT185試験を用いることによって測定される。製剤のサンプルが水中に分散され、形成された懸濁液はふるいに移され、洗浄される。ふるい上に保持された材料の量が乾燥および秤量によって決定される。
【0127】
ある実施形態に従うと、作物栄養および強化組成物は10%未満の75ミクロンふるいによる湿式ふるい残分値を有する。ある実施形態に従うと、作物栄養および強化組成物は7%未満の75ミクロンふるいによる湿式ふるい残分値を有する。ある実施形態に従うと、作物栄養および強化組成物は5%未満の75ミクロンふるいによる湿式ふるい残分値を有する。ある実施形態に従うと、作物栄養および強化組成物は2%未満の75ミクロンふるいによる湿式ふるい残分値を有する。
【0128】
ある実施形態に従うと、液体懸濁液の形態の作物栄養および強化組成物は高度には濃縮されず、容易に注加性である。流体の粘度はせん断応力または引張応力による漸次的な変形に対するその抵抗性の尺度である。
【0129】
ある実施形態に従うと、液体懸濁液の粘度はCIPAC-MT192に従って決定される。サンプルが標準的な測定系に移される。測定は異なるせん断条件下において実施され、見かけ上の粘度が決定される。試験中は、液体の温度は一定に保たれる。ある実施形態に従うと、液体懸濁液組成物の形態の作物栄養および強化組成物は約10cpsから約1200cpsの25℃における粘度を有し、これはそれを注加性にする。ある実施形態に従うと、液体懸濁液組成物は約10cpsから約500cpsの25℃における粘度を有する。ある実施形態に従うと、液体懸濁液組成物は約500cps未満の25℃における粘度を有する。ある実施形態に従うと、液体懸濁液組成物は約10cpsから約400cpsの25℃における粘度を有する。ある実施形態に従うと、液体懸濁液組成物は約10cpsから約300cpsの25℃における粘度を有する。あまりに粘性のかつ高度に濃縮された組成物は固化物を形成する傾向があり、それを非注加性にし、それゆえに望ましくない。
【0130】
ある実施形態に従うと、水分散性顆粒および液体懸濁液の形態の作物栄養および強化組成物は、加速保存条件(ATS)下における懸濁性の点で優れた安定性を実証する。ある実施形態に従うと、作物栄養および強化組成物はATS下における90%超の懸濁性を実証する。ある実施形態に従うと、作物栄養および強化組成物はATS下における80%超の懸濁性を実証する。ある実施形態に従うと、作物栄養および強化組成物はATS下における70%超の懸濁性を実証する。ある実施形態に従うと、作物栄養および強化組成物はATS下における60%超の懸濁性を実証する。ある実施形態に従うと、作物栄養および強化組成物はATS下における50%超の懸濁性を実証する。ある実施形態に従うと、作物栄養および強化組成物はATS下における40%超の懸濁性を実証する。ある実施形態に従うと、作物栄養および強化組成物はATS下における30%超の懸濁性を実証する。
【0131】
ある実施形態に従うと、本発明は、水分散性顆粒の形態の鉄塩、それらの錯体、誘導体、または混合物の1つ以上、元素状硫黄、および少なくとも1つの分散剤を含む作物栄養および強化組成物を調製するためのプロセスに関する。水分散性顆粒の形態の作物栄養および強化組成物は、種々の技術、例えば噴霧乾燥、流動層造粒、押出成形、フリーズドライなどによって作られる。
【0132】
ある実施形態に従うと、水分散性顆粒状組成物を調製するプロセスには、鉄塩、それらの錯体、誘導体、または混合物の1つ以上;元素状硫黄および少なくとも1つの分散剤のブレンドをミリングして、スラリーまたはウェットミックスを得ることが関わる。組成物は、さらに、少なくとも1つの肥料、微量栄養素、マクロ栄養素、バイオスティミュラント、殺虫活性成分、またはそれらの混合物から選択される少なくとも1つの追加の活性成分を包含する。それから、得られたウェットミックスは例えば噴霧乾燥機、流動層乾燥機、またはいずれかの好適な造粒装置によって乾燥され、次にふるい分けをされて、アンダーサイズのおよびオーバーサイズの顆粒を除去して、所望のサイズのマイクロ顆粒を得る。
【0133】
別の実施形態に従うと、水分散性顆粒の形態の作物栄養および強化組成物は、鉄塩、それらの錯体、誘導体、または混合物の1つ以上、元素状硫黄、および少なくとも1つの分散剤を空気粉砕機またはジェットミルによって乾式ミリングして、0.1から20ミクロン、好ましくは0.1から10ミクロンの範囲の所望の粒子サイズを得ることによってもまた作られる。水が乾燥粉末に追加され、混合物がブレンドされてドウまたはペーストを得る。それから、これが押出機によって押出成形されて、所望のサイズの顆粒を得る。
【0134】
別の実施形態に従うと、本発明は、液体懸濁液の形態の作物栄養および強化組成物を調製するためのプロセスに関する。さらなる実施形態に従うと、本発明は、鉄塩、それらの錯体、誘導体、または混合物の1つ以上;および元素状硫黄、少なくとも1つの構造形成剤を、少なくとも1つの農芸化学的に受け入れられる賦形剤とともに含む液体懸濁液組成物を調製するためのプロセスに関する。組成物は、さらに、少なくとも1つの肥料、微量栄養素、マクロ栄養素、バイオスティミュラント、殺虫活性成分、またはそれらの混合物から選択される少なくとも1つの追加の活性成分を包含する。
【0135】
ある実施形態に従うと、液体懸濁液組成物を調製するプロセスには、撹拌機能を備えたベッセルにそれらをフィードすることによる賦形剤の1つ以上のホモジナイゼーションが関わる。鉄塩、それらの錯体、誘導体、または混合物;および元素状硫黄が、さらに、ホモジナイゼーションされたブレンドに追加され、トータルの混合物が均質になるまで約5から10分に渡って連続的に撹拌される。その後に、得られた懸濁液は湿式ミルに通されて、0.1から20ミクロン、好ましくは0.1から10ミクロンの範囲の粒子サイズを得る。それから、要求される数量の構造形成剤が、連続的なホモジナイゼーション下において得られた懸濁液に追加される。
【0136】
ある実施形態に従うと、本発明は、さらに、栄養素組成物、作物活性化剤組成物、土壌改良剤組成物、作物強化、作物保護、および収量向上剤組成物の少なくとも1つとしての作物栄養または強化組成物の使用に関する。
【0137】
さらなる実施形態に従うと、本発明は、鉄塩、それらの錯体、誘導体、または混合物の1つ以上、元素状硫黄、および農芸化学的な賦形剤を包含する有効量の作物栄養および強化組成物の施用方法にもまた関し、組成物は種子、苗、作物、植物、植物増殖材料、場所、それらの一部に、または周囲の土壌に施用される。
【0138】
ある実施形態に従うと、本発明は、さらに、作物の健康を改善するか、必須栄養素の取り込みを容易化することによって作物栄養を改善するか、作物を保護するか、作物収量を向上させるか、植物を活性化するか、または土壌を改良する方法に関し;方法は、種子、苗、作物、植物、植物増殖材料、場所、それらの一部、または周囲の土壌の少なくとも1つを、鉄塩、それらの錯体、誘導体、または混合物の1つ以上、および元素状硫黄を少なくとも1つの農芸化学的に受け入れられる賦形剤とともに包含する有効量の作物栄養および強化組成物によって処理することを含む。
【0139】
組成物は種々の方法によって施用される。土壌に施用する方法は、組成物が土壌に浸透することを保証するいずれかの好適な方法、例えば、育苗トレイ施用、溝施用、点滴灌漑、スプリンクラー灌漑、土壌灌注、土壌注入、または土壌への組み込み、およびかかる他の方法を包含する。組成物は葉面噴霧剤の形態でもまた施用される。
【0140】
施用の速度または組成物の用量は使用の型、作物の型、または組成物中の特定の活性成分に依存するが、有効量の農芸化学的な活性成分が、所望の作用(例えば、栄養素取り込み、植物活性、作物収量)を提供するようにする。
【実施例
【0141】
A.調製例:
次の例は本発明の組成物の基本的な方法論および多用途性を例解している。鉄源は調製例においては例示されており、いずれかの他の水可溶性のまたは水不溶性の鉄塩、それらの錯体、または誘導体によって置き換えられ得る。本発明はこれらの例示に限定されないということが指摘される。
【0142】
A.鉄塩および元素状硫黄の水分散性顆粒状組成物
例1:23%酸化第二鉄および55%元素状硫黄の水分散性顆粒状組成物:55部の元素状硫黄、23部の酸化第二鉄、10部のナフタレンスルホン酸縮合物、8部のリグノスルホン酸ナトリウム、4部のカオリンをブレンドしてブレンドを得ることによって、水分散性顆粒状組成物を調製した。得られたブレンドをミリングして、20ミクロン未満の粒子サイズの粉末を手に入れた。粉末を好適な混合装置によって水と混合して、スラリーまたはウェットミックスを形成した。
【0143】
得られたスラリーを好適な湿式粉砕装置によって湿式粉砕した。得られた湿式ミリングされたスラリーを175℃未満の入口温度および90℃未満の出口温度において噴霧乾燥して顆粒状粉末を手に入れた。組成物は次の粒子サイズ分布を有した:1.2ミクロン未満のD10;3.5ミクロン未満のD50、および8.5ミクロン未満のD90。組成物の顆粒サイズは0.1~1.5mmの範囲である。組成物は98%の分散性、92%の懸濁性、0.8%の湿式ふるい残分値、30sec未満の濡れ性を有し、ほぼ硬さを有さない。組成物はさらに加速保存条件下において約86%の懸濁性を実証した。
【0144】
例2:70%スクロース第二鉄および20%元素状硫黄の水分散性顆粒状組成物:この組成物は、70部のスクロース第二鉄、20部の元素状硫黄、4部のナフタレンスルホン酸、4部のデンプン、および2部のシリカを用いて例1と類似に調製した。組成物は次の粒子サイズ分布を有した:1ミクロン未満のD10;3.5ミクロン未満のD50、および10ミクロン未満のD90。組成物の顆粒サイズは0.1~2.5mmの範囲である。組成物は52%の分散性、55%の懸濁性、1.5%の湿式ふるい残分値、および55sec未満の濡れ性を有する。組成物はほぼ硬さを有さない。組成物はさらに加速保存条件下において約57%の懸濁性を実証した。
【0145】
例3:14%硫酸第一鉄および70%元素状硫黄の水分散性顆粒状組成物:この組成物は、14部の硫酸第一鉄、70部の元素状硫黄、6部のEO-POブロックコポリマー、7部のナフタレンスルホン酸、および3部のカオリンを用いて例1と類似に調製した。組成物は次の粒子サイズ分布を有した:1.5ミクロン未満のD10;2.3ミクロン未満のD50、および6.5ミクロン未満のD90。組成物の顆粒サイズ範囲は0.1~2.0mmの範囲である。組成物は65%の分散性、68%の懸濁性、および40sec未満の濡れ性、および3%の湿式ふるい残分値を有する。組成物はいずれかの硬さを有さない。組成物はさらに加速保存条件下において約59%の懸濁性を実証した。
【0146】
例4:5%フマル酸第一鉄および85%元素状硫黄の水分散性顆粒状組成物:この組成物は、5部のフマル酸第一鉄、85部の元素状硫黄、4部のナフタレンホルムアルデヒド縮合物ナトリウム、6部のリグノスルホン酸を用いて例1と類似に調製した。組成物は次の粒子サイズ分布を有した:3.5ミクロン未満のD10;6.5ミクロン未満のD50、および14ミクロン未満のD90。組成物の顆粒サイズは0.1~1.5mmの範囲である。組成物は90%の分散性、92%の懸濁性、および60sec未満の濡れ性、0.2%の湿式ふるい残分値、35sec未満の濡れ時間を有し、ほぼ硬さを有さない。組成物はさらに加速保存条件下において約85%の懸濁性を実証した。
【0147】
例5:2%酸化第一鉄第二鉄および90%元素状硫黄の水分散性顆粒状組成物:この組成物は、2部の酸化第一鉄第二鉄、90部の元素状硫黄、4部のアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、2部のポリカルボン酸のナトリウム塩、および2部のパーライトを用いて例1と類似に調製した。組成物は次の粒子サイズ分布を有した:2.6ミクロン未満のD10;4ミクロン未満のD50、および10ミクロン未満のD90。組成物の顆粒サイズは0.1~1.5mmの範囲である。組成物は95%の分散性、98%の懸濁性、40sec未満の濡れ性、0.2%の湿式ふるい残分値を有し、ほぼ硬さを有さない。組成物はさらに加速保存条件下において約85%の懸濁性を実証した。
【0148】
B.鉄塩および元素状硫黄の液体懸濁液組成物:
例6:1.5%酸化鉄および55%元素状硫黄の液体懸濁液組成物.1.5部の酸化鉄、55部の元素状硫黄、6部のナフタレンスルホン酸縮合物、5部のプロピレングリコール、29.5部の水を混合することによって、液体懸濁液組成物を調製し、撹拌機能を備えたベッセルにそれらをフィードすることによって、トータルの混合物が均質になるまでホモジナイゼーションした。その後に、得られた懸濁液を湿式ミルに通して、20ミクロン未満の粒子サイズを有する懸濁液を得た。それから、3部のアラビアガム(3%)を連続的なホモジナイゼーション下において追加して、懸濁液濃縮物を得た。組成物は、約2.5ミクロン未満のD10;3.9ミクロン未満のD50、および6.2ミクロン未満のD90の粒子サイズ分布を有する。サンプルは約95%の懸濁性、約750cpsの粘度を有する。組成物は加速保存条件下において約89%の懸濁性を有する。
【0149】
例7:11.5%酸化第二鉄および27.5%元素状硫黄の液体懸濁液組成物:この組成物は、11.5部の酸化第二鉄、27.5部の元素状硫黄、10部のナフタレンスルホン酸縮合物、2部のモノラウリン酸グリセロール、12部のポリエチレングリコール、3部のアラビアガムの3%溶液、および34部の水を用いて例6と類似に調製した。組成物は、約3.5ミクロン未満のD10;3.5ミクロン未満のD50、および10ミクロン未満のD90の粒子サイズ分布を有する。サンプルは約96%の懸濁性、約380cpsの粘度を有する。組成物は加速保存条件下において約89%の懸濁性を有する。
【0150】
例8:45%グリシン酸第一鉄および5%元素状硫黄の液体懸濁液組成物:この組成物は、45部のグリシン酸第一鉄、5部の元素状硫黄、6部のポリカルボン酸、1部のモノラウリン酸ソルビタン、6部のエチレングリコール、4部のグアーガムの3%溶液、および33部の水を用いて例6と類似に調製した。組成物は約2.5ミクロン未満のD10;5ミクロン未満のD50、および13ミクロン未満のD90の粒子サイズ分布を有する。サンプルは約56%の懸濁性、約450cpsの粘度を有する。組成物は加速保存条件下において約44%の懸濁性を有する。
【0151】
例9:25%酸化第二鉄および28%元素状硫黄の液体懸濁液組成物:この組成物は、25部の酸化第二鉄、28部の元素状硫黄、8部のナフタレンホルムアルデヒド縮合物ナトリウム、3部のモノラウリン酸グリセロール、4部のプロピレングリコールエーテル、3部のキサンタンガムの3%溶液、29部の水を用いて例6と類似に調製した。組成物は、約1.5ミクロン未満のD10;3.5ミクロン未満のD50、および9ミクロン未満のD90の粒子サイズ分布を有する。サンプルは約96%の懸濁性、約320cpsの粘度を有する。組成物は加速保存条件下において約90%の懸濁性を有する。
【0152】
例10:8.7%硫酸第一鉄および50%元素状硫黄の液体懸濁液組成物:この組成物は、8.7部の硫酸第一鉄、50部の元素状硫黄、4部のナフタレンスルホン酸、1.3部のモノラウリン酸ソルビタン、3部の三酢酸グリセリル、2部のトラガカントガムの3%溶液、31部の水を用いて例6と類似に調製した。組成物は約1.5ミクロン未満のD10;4ミクロン未満のD50、および9ミクロン未満のD90の粒子サイズ分布を有する。サンプルは約78%の懸濁性、約300cpsの粘度を有する。組成物は加速保存条件下において約71%の懸濁性を有する。
【0153】
圃場研究:
実験1:落花生に対する元素状硫黄および酸化第二鉄の水分散性顆粒または懸濁液濃縮物の効果を研究する:
落花生作物について、グジャラート州イダールにおいて、本発明の組成物の実施形態の評価のために圃場試験を行った。試験は乱塊法(RBD)によって計画し、無処理のコントロールを包含する6つの処理を4回反復した。各処理について、35sq.m(7m×5m)の区画サイズを維持した。試験栄養組成物、WDG、SC、およびパスティルの形態の硫黄および酸化第二鉄を所定のドーズで基肥施用として落花生作物の播種時に施用した。実験の詳細は次の通りである:
a)試験場:グジャラート州イダール
b)作物:落花生(品種:GG20)
c)実験季節:2018年カリフ
d)試験設計:乱塊法
e)反復:4
f)処理:6
g)区画サイズ:7m×5m=35sq.m
h)施用日:22.01.2018
i)播種日:23.01.2018
j)施用方法:基肥
k)収穫日:04.06.2018
観察を収穫時に記録し、元素状硫黄および酸化第二鉄の水分散性顆粒または懸濁液濃縮物の効力を算定するために、平均データを表1に提示した。
【0154】
【表1】
【0155】
表1において観察されるデータからは、本発明の実施形態に従う組成物T5、T6は相乗的な挙動を実証するということが結論され得る。
【0156】
「相乗的効果」は、ウィーズ(Weeds),1967年,第15巻,p.20-22に発表された「除草剤の組み合わせの相乗的および拮抗的応答の計算(Calculation of the synergistic and antagonistic responses of herbicide combinations)」と題する記事においてコルビーS.R.によって定義されている。2つの活性な構成成分の所与の組み合わせについて期待される作用は、次の通り計算され得る:
E=X+Y-(XY/100)
ここで、
E=定められたドーズの2つの製品XおよびYの混合物による期待される%効果
X=製品Aによる観察される%効果
Y=製品Bによる観察される%効果
相乗的効果係数(SF)はアボットの式によって計算される(Eq.(2)(アボット,1925年)。
SF=観察される効果/期待される効果
ここで、相乗的反応ではSF>1;拮抗的反応ではSF<1;相加的反応ではSF=1。
【0157】
組み合わせについて観察される収量効果のパーセンテージ(E)が期待されるパーセンテージよりも多大であるときには、組み合わせの相乗的効果が推量され得る。組み合わせについて観察される収量効果のパーセンテージが期待されるパーセンテージに等しいときには、単に相加的効果が推量され得る。そして、組み合わせについて観察される収量効果のパーセンテージが期待されるパーセンテージよりも低く、組み合わせの拮抗的効果が推量され得る。
【0158】
表1から分かる通り、相乗的効果係数は処理T5およびT6では1.30および1.27であることが観察され得る。これは元素状硫黄および酸化第二鉄のWDGおよびSC組成物が本質的に相乗的であることを表している。本発明の実施形態に従うWDGおよびSCの形態の硫黄+酸化第二鉄のこの相乗的挙動は、落花生作物の莢収量から観察され得る。3つの処理、すなわちT4(硫黄55%+酸化第二鉄23%パスティル)、T5(硫黄55%+酸化第二鉄23%WDG)、およびT6(硫黄27.5%+酸化第二鉄11.5%SC)を、同じ活性成分用量、すなわち2750gm/エーカの硫黄および800gm/エーカの鉄で施用した。莢収量~2001kg/エーカを有する処理T4、酸化第二鉄WDG(莢収量~1853kg/エーカ)、硫黄90%WDG処理(莢収量~1951kg/エーカ)と比較したときに、処理T5およびT6はそれぞれ約2322kg/エーカおよび2234kg/エーカという最も高い莢収量を見せる。それゆえに、本発明の実施形態に従うWDGおよびSC形態の元素状硫黄および酸化第二鉄の組み合わせは相乗的であり、パスティルの形態の元素状硫黄および酸化第二鉄の組み合わせと比較して、より高い作物収量を提供する。
【0159】
実験2:硫黄および鉄の利用性に対するWDGおよびSCの形態の元素状硫黄および酸化第二鉄の効果を研究する:
ポット試験実験を行って、ある期間に渡る土壌中の硫黄および鉄栄養素利用性(酸化)に対するWDGおよびSCの形態の元素状硫黄および酸化第二鉄の効果を観察した。
【0160】
陶製のポットに2キログラムの砂質ローム土壌を詰め、5つのセットとして保って、サンプルは3つの処理および3つの反復によって3、20、40、60、および80日に抽出した。処理詳細は次の通りである:
T1-S55%+23%酸化第二鉄WDG(Fe16%)
T2-S55%+Fe23%酸化第二鉄パスティル(Fe16%)
T3-S27.5%+酸化第二鉄11.5%(Fe8%)
それぞれ2gmの硫黄および酸化第二鉄の組み合わせ、すなわちT1-S55%+23%酸化第二鉄WDG(Fe16%)、T2-S55%+Fe23%酸化第二鉄パスティル(Fe16%)、および4gmのT3-S27.5%+酸化第二鉄11.5%(Fe8%)SCをそれぞれの処理ポットに注加し、各処理について反復的に良く混合した。実験全体に渡って、実験ポットは28℃±2℃の温度に保ち、十分な水分を維持した。3日に、土壌中のSおよびFe利用性(酸化)の評価のために、処理の第1のセット(すなわち、処理の3日後)から100gサンプルを抽出し、類似に、20日、40日、60日、および80日にそれぞれポットの第2、3、4、および5のセットから土壌サンプルを抽出した。
【0161】
異なる処理からのSおよびFe栄養素の比較上の酸化を評価し、ある期間に渡るSおよびFe栄養素利用性状態を観察するために、図1および2に提示した。
【0162】
図1および図2からは、本発明の実施形態に従って調製されたWDGおよびSC組成物についての硫黄および鉄の利用性が、パスティルで観察されたものよりも多大であることが観察され得る。硫黄および鉄は作物にとって即座に利用可能にされるが、パスティルは作物の栄養要求量を満たすためには比較的時間を取るということが指摘される。図1および2からは、硫黄および鉄はWDGまたはSC組成物の形態による施用後には即座に取り込みにとって利用可能であったが、パスティルからは、3日の施用後でさえも、非常に少量の硫黄、鉄しか放出されなかったということが観察され得る。図1からは、処理の20日後に、硫黄および酸化第二鉄のWDGおよびSC組成物については、約114ppmおよび98ppmの硫黄が取り込みにとって利用可能であったが、パスティルの形態で施用されたときには、28ppmの硫黄のみが植物への取り込みにとって利用可能であったことが分かる。また、図2からは、処理の20日後に、硫黄および酸化第二鉄のWDGおよびSC組成物については、約14.22ppmおよび12.2ppmの鉄が取り込みにとって利用可能であったが、組み合わせがパスティルの形態で施用されるときには、4.5ppmの鉄のみが植物への取り込みにとって利用可能であったということが観察され得る。
【0163】
さらに、40、60日の処理後であっても、パスティルと比較されたときに、本発明の実施形態に従って調製されたWDGおよびSCの形態の硫黄および酸化第二鉄の組み合わせでは、硫黄および鉄の利用性の類似の傾向が観察された。それゆえに、0.1~20ミクロンのサイズ範囲の本発明の実施形態に従う元素状硫黄および酸化第二鉄の水分散性顆粒状および懸濁液濃縮物組成物は、硫黄および酸化第二鉄のパスティルと比較して、取り込みにとって利用可能な硫黄および鉄の有意により高い量を提供した。それゆえに、それは、本発明の実施形態に従って調製された水分散性顆粒状および懸濁液濃縮物組成物の形態の硫黄および酸化第二鉄の組成物が、高い栄養素利用効率の肥料を、よって、植物の硫黄および鉄栄養素要求量を満たすために要求される低いドーズを示すことを指示している。
【0164】
実験3:落花生に対する元素状硫黄および異なる鉄塩の効果を研究する:
グジャラート州の商業耕作落花生圃場において、圃場試験を行って、収量および収量関連パラメータに対する元素状硫黄および鉄塩の異なる製剤の効果を観察した。
試験は乱塊法(RBD)によってカリフ季に計画し、無処理のコントロールを包含する10個の処理を3回反復した。各処理について、35sq.m(7m×5m)の区画サイズを維持した。試験圃場の落花生作物は農業生産工程管理を踏襲して栽培した。実験の詳細は下で言及されている通りである:
実験の詳細
a)試験場:グジャラート州ヒマトナガル
b)作物:落花生(品種:GG20)
c)実験季節:2018年カリフ
d)試験設計:乱塊法
e)反復:3
f)処理:10
g)区画サイズ:7m×5m=35sq.m
h)R×P間隔:30cm×15cm
h)播種日:03.07.2018
i)施用日:03.07.2018
j)施用方法:基肥
k)収穫日:14.10.2018
【0165】
収量および収量関連因子、植物の硫黄および鉄濃度、葉の葉緑素含量、むき実パーセンテージ、および油含量という異なるパラメータの観察を収穫時に記録し、元素状硫黄および鉄塩の組み合わせの異なる製剤のインパクトを算定するために、平均データを表2に提示した。
【0166】
【表2】
【0167】
表2に提示されている観察された結果からは、水分散性顆粒(WDG)、パスティル、および懸濁液濃縮(SC)として製剤された元素状硫黄(E.S)および鉄塩の異なる組み合わせを、落花生の葉緑素含量、莢収量、むき実パーセント、および実の油含量に対するその効果について圃場試験したということが認識され得る。選択された処理の施用は、本発明の実施形態に従う水分散性顆粒および本発明の実施形態に従う懸濁液濃縮物の形態のE.S+鉄塩の組成物が、異なる濃度において、E.S+鉄塩パスティルおよび無処理の区画と比較して有意に良好な結果を見せることを明らかにした。
【0168】
パスティルの形態の元素状硫黄および鉄塩の組み合わせと比較されたときに、水分散性顆粒または懸濁液濃縮物の形態の元素状硫黄および鉄塩の組み合わせは、硫黄および鉄のより良好な取り込みを実証するということが指摘された。表2から観察され得る通り、T2(硫黄55%+酸化第二鉄23%WDG)、T5(硫黄55%+酸化第二鉄23%パスティル)、およびT8(硫黄27.5%+酸化第二鉄11.5%SC)によるFeの取り込みはそれぞれ163ppm、115ppm、および152ppmと記録された。さらに、同じ用量で施用された処理T2、T5、およびT8を比較すると、本発明の実施形態に従う処理T2およびT8は、処理T5と比較してSおよび鉄のより良好な取り込みを実証したことが指摘され得る。
【0169】
観察された結果からは、パスティルと比較して、元素状硫黄および鉄塩のWDGおよびSCでは、落花生植物の葉の葉緑素含量がより高かったということがより認識され得る。処理T1、T4、およびT7を比較すると、処理T1およびT7はそれぞれ4.58および4.56という葉緑素含量を有したが、処理T4は約3.98という葉緑素含量を有したということが指摘され得る。それゆえに、処理T4および無処理の区画と比較して、処理T1およびT7によって処理された落花生区画の葉はより緑色であった。無処理のコントロールは約3.78という葉緑素含量をもまた有した。T4によって処理された区画および無処理の区画では、黄色の葉が観察された。
【0170】
さらに、驚くべきことに、パスティルの形態のE.S+鉄塩によって処理された区画と比較して、WDGおよびSC製剤の形態のE.S+鉄塩によって処理された区画は、落花生の有意により高い莢収量、むき実パーセンテージ、および油含量を見せることが観察された。同じ用量で施用された処理T1、T4、およびT7からは、処理T4と比較して、処理T1およびT7がより高い莢収量、油含量、種子重量を有したことが観察され得る。類似に、T2、T5、T8、およびT3、T6、T9を比較すると、無処理の区画と比べて約6.3%の収量増大を有した処理T5と比較して、処理T2、T8はそれぞれ約22%および21%の収量増大を有するということが指摘されたが、無処理の区画と比べて約6.7%の収量増大を有したT6と比較して、処理T3およびT9はそれぞれ約19.8%および20.5%の収量増大を有した。表2から分かる通り、類似の傾向が他の試験されたパラメータについて観察される。異なる用量においてさえも、本発明の実施形態に従うWDGおよびSCの元素状硫黄および鉄塩の組み合わせは、パスティル形態と比較されたときに、有意により高い莢収量、硫黄および鉄の取り込み、油含量、種子重量を実証したということが指摘されるべきである。
【0171】
上の表に列挙されている鉄塩とは別に、本願において請求される他の鉄塩もまた、本発明の請求される濃度範囲において元素状硫黄との組み合わせで相乗的な効果を示すことが観察された。
【0172】
実験4:トマト作物についての元素状硫黄および酸化第二鉄WDGおよびSC組成物の圃場効力データ:
ジャウレークディンドーリ,ナーシクにおいて、試験は乱塊法(RBD)によってカリフ季に計画し、無処理のコントロールを包含する6つの処理を3回反復した。各処理について、35sq.m(7m×5m)の区画サイズを維持した。試験圃場のトマト作物は農業生産工程管理を踏襲して栽培した。硫黄および酸化第二鉄の組み合わせを、異なる型の製剤によって所定のドーズで基肥施用として播種時に施用した。
【0173】
収量データを収穫時に記録し、元素状硫黄および酸化第二鉄の異なる組み合わせのインパクトを算定するために、平均データを表3に提示した。
【0174】
【表3】
【0175】
表3からは、処理T3、T4、および無処理の区画と比較して、本発明の実施形態に従って調製された処理T1およびT2がより良好な収量を実証したことが観察され得る。1.4%のみの収量増大を有した処理T3(商業的に入手可能)および1.8%のみの収量増大を有した処理T4(商業的に入手可能)と比較されたときに、処理T1およびT2は縮減された用量において約24%および12%の収量増大を表した。それゆえに、縮減された用量においてさえも、本発明の実施形態に従うWDGおよびSCの形態の元素状硫黄および酸化第二鉄の組み合わせ(処理T1およびT2)は、個々の栄養素粉末(処理T3、T4)のものよりも果実重量、果実収量の有意な改善を示すことが結論され得る。
【0176】
実験5:サトウキビに対する元素状硫黄+酸化第二鉄の異なる製剤の相乗的効果を評価する:
グジャラート州ナブサリの商業耕作サトウキビ圃場において、圃場試験を行って、葉の葉緑素含量および収量に対する元素状硫黄+酸化第二鉄の異なる製剤の効果を研究した。
【0177】
試験は乱塊法(RBD)によってカリフ季に計画し、無処理のコントロールを包含する6つの処理を4回反復した。各処理について、50sq.m(10m×5m)の区画サイズを維持した。試験栄養化合物、硫黄および酸化第二鉄単独ならびにその異なる製剤を、所定のドーズで溝基肥施用としてサトウキビ作付け時に施用した。試験圃場のサトウキビ作物は農業生産工程管理を踏襲して栽培した。
実験の詳細
a)試験場:グジャラート州ナブサリ
b)作物:サトウキビ(品種:COJ238)
c)実験季節:2018年カリフ
d)試験設計:乱塊法
e)反復:4
f)処理:6
g)区画サイズ:10m×5m=50sq.m
h)施用日:3.01.2018
i)播種日:05.01.2018
j)施用方法:基肥
k)収穫日:06.02.2019
【0178】
作付け後の90日における葉緑素含量および収穫時の茎収量の観察を記録し、葉緑素含量および茎収量に対する硫黄および酸化第二鉄単独ならびにその異なる組み合わせ製剤の組み合わせのインパクトを算定するために、平均データを表4に提示した。
【0179】
【表4】
【0180】
表4に提示されているデータからは、WDGおよびSCの形態の元素状硫黄および酸化第二鉄の組み合わせが、パスティル形態の組成物および無処理の区画よりも良好な収量を提供し、それゆえに相乗的効果を見せるということが観察され得る。処理T2、T3、T4によって処理された区画と比較して、処理T5、T6によって処理された区画はより高い葉緑素含量を表した。処理T5、T6の葉緑素含量はそれぞれ約6.9および6.8であったが、処理T2、T3、T4では、それはそれぞれ約6.2、5.1、および5.7であった。それゆえに、それは、WDG、SCの形態の元素状硫黄および鉄塩の相乗的な組み合わせが、改善された光合成により葉緑素含量を改善することを助け、究極的には、作物の鉄欠乏を原因として観察される葉の黄化を縮減するということを示している。処理T2、T3、T4、T5を比較すると、処理T5では、約19.5%の収量増大が観察された。処理T2、T3、T4はそれぞれ約9.7%、8.9%、および12%の収量増大を実証した。類似に、処理T6は約16.7%の収量増大を実証した。他の処理と比較して、T5およびT6は有意により高い収量を実証し、これはそれぞれ19.5%および16.7%である。それゆえに、WDGおよびSC形態の元素状硫黄および酸化第二鉄の組み合わせでは、個々の処理およびパスティル形態の組み合わせよりも緑色の葉および有意により高い収量が観察された。
【0181】
実験No6:落花生の乾性根腐病(マクロフォミナ・ファゼオリナによって引き起こされる)コントロールに対する硫黄+酸化第二鉄の異なる製剤のインパクトを研究する:
圃場実験方法論:
ラージャスターン州シカールにおいて、圃場試験を行って、落花生の乾性根腐病コントロールに対する硫黄+酸化第二鉄の異なる製剤の効果を観察した。試験は乱塊法(RBD)によってカリフ季に計画し、無処理のコントロールを包含する6つの処理を4回反復した。各処理について、50sq.m(10m×5m)の区画サイズを維持した。試験製品化合物、硫黄および酸化第二鉄単独ならびにその異なる組み合わせ製剤を、所定のドーズで溝基肥施用として落花生種子の播種時に施用した。試験圃場の落花生作物は農業生産工程管理を踏襲して栽培した。落花生種子を殺昆虫剤チアメトキサム30%FSによって処理して、作物の土壌生息昆虫被害を防いだ。落花生RG425品種の種子を研究に用い、35cmの列間および15cmの植物間の間隔で作付けした。
【0182】
実験の詳細
a)試験場:ラージャスターン州シカール
b)作物:落花生(品種:RG425)
c)実験季節:2018年カリフ
d)試験設計:乱塊法
e)反復:4
f)処理:6
g)区画サイズ:10m×5m=50sq.m
h)播種日:22.06.2018
i)施用日:22.06.2018
j)施用方法:溝基肥
k)収穫日:07.09.2018
【0183】
マクロフォミナ・ファゼオリナによって引き起こされる乾性根腐病を原因とする植物枯死率の観察を、種子の播種後の30、45、および60日に、落花生種子の播種後に即座にランダムに区分した各区画の3sq.mエリアから記録した。30、45、および60日に計数された乾性根腐を原因とする枯死した植物を合計し、パーセント病気コントロールを次式を用いて計算した。
植物枯死率およびパーセント病気コントロールの平均データを表5に提示する。
病気コントロール(%)=[(コントロール植物の植物枯死率-処理された植物の植物枯死率)/コントロール植物の植物枯死率]×100
【0184】
【表5】
【0185】
表5に代表されているデータからは、本発明の実施形態に従う処理T5(S55%+酸化第二鉄23%WDG)、次に本発明の実施形態に従う処理T6(S55%+酸化第二鉄23%SC)が、落花生の乾性根腐病をコントロールするための最も有効な処理に見えることが観察され得る。T5およびT6による%病気コントロールはそれぞれ約55.6%および53.7%であることが観察されたが、処理T4では、それは約27.8%であった。T3およびT2による病気コントロールはそれぞれ約29.3%および16.7%であった。WDG製剤の優れた効力は、水中における製品の即時の分散性ゆえであるということが指摘された。これは、根の根圏の周囲の表面全体をカバーすることを助け、作物を十分に強くして乾性根腐病原体の成長を阻害する。それゆえに、0.1から20ミクロンの範囲の粒子サイズを有する水分散性顆粒および懸濁液濃縮物の形態の元素状硫黄および酸化鉄の組み合わせは、落花生の乾性根腐病をコントロールすることを助ける。
【0186】
実験No7:米収量に対する硫黄+酸化第二鉄を含む組成物の粒子サイズ分布のインパクトを評価する:
圃場実験方法論:
チローダ,ガンディーナガルにおいて、圃場試験を行って、米の収量に対する硫黄+酸化第二鉄の組成物の異なる範囲の粒子サイズの効果を観察した。
【0187】
試験は乱塊法(RBD)によってカリフ季に計画し、無処理のコントロールを包含する7つの処理を4回反復した。各処理について、40sq.m(8m×5m)の区画サイズを維持した。試験製品を所定のドーズでトップドレッシングとして種籾の移植後の15日に施用した。試験圃場の種籾作物は農業生産工程管理を踏襲して栽培した。種籾Gurjari品種の種子、育苗を栽培するために用い、25日目の育苗を、30cmの列間および25cmの植物間の間隔で試験圃場に移植するために用いた。
【0188】
実験の詳細
a)試験場:チローダ,ガンディーナガル
b)作物:米(品種:Gurjari)
c)実験季節:2018年カリフ
d)試験設計:乱塊法
e)反復:4
f)処理:5
g)区画サイズ:8m×5m=40sq.m
h)移植日:18.07.2018
i)施用日:03.08.2018
j)施用方法:トップドレッシング
k)収穫日:02.11.2018
【0189】
収量の観察を収穫時に記録し、米の穀粒収量に対する異なる処理のインパクトを観察するために、平均データを表1に提示している。
【0190】
【表6】
【0191】
表7に代表されているデータからは、本発明の実施形態に従って調製された処理T2(0.1から20ミクロンの範囲の粒子サイズ分布を有するS55%+酸化第二鉄23%の水分散性顆粒状組成物)が、処理T3(0.1から50ミクロンの範囲の粒子サイズ分布を有するS55%+酸化第二鉄23%WDG)、T4(20から50ミクロンの範囲の粒子サイズ分布を有するS55%+酸化第二鉄23%WDG)、およびT5(50から100ミクロンの範囲の粒子サイズ分布を有するS55%+酸化第二鉄23%WDG)のものよりも収量の有意な増大を実証するということが観察され得る。T3、T4、およびT5の%収量増大はそれぞれ約13.1%、16.6%、および9.1%であることが観察されたが、処理T2では、それは21.1%であった。活性成分の同じ濃度を有しかつ同じ用量で施用されたWDG製剤を有する処理T2、T3、T4、およびT5を比較すると、本発明の実施形態に従って調製された0.1~20ミクロンの特定の粒子サイズ分布を有するT2は、異なる粒子サイズ分布を有するT3、T4、およびT5と比較して優れた効力を実証したということが指摘され得る。それゆえに、驚くべきことに、WDG製剤のなかでも、様々な範囲の異なる粒子サイズを有するWDG製剤と比較して、0.1~20ミクロンの特定の粒子サイズ分布を有するWDG製剤では、優れた効力が観察されることが指摘された。
【0192】
さらに、本発明の発明者は、肥料または微量栄養素との元素状硫黄、鉄塩の組み合わせをサトウキビ、トマト作物のようなある種の作物についてもまた試験した。本発明の組み合わせへのホウ素または亜鉛塩などの他の微量栄養素、肥料の追加は、わら重量、植物高さのような作物の性質をさらに向上させ、作物の栄養価を増し得るということが観察された。さらに、かかる組み合わせは、加えて、作物収量、改善された光合成を改善することを助け、葉緑素含量および作物による栄養素の取り込みを増大させ得る。
【0193】
それゆえに、本発明の組成物は、向上した効力あるかつ優れた挙動を圃場において実証するということが観察された。事実、本発明に従う組成物に関連する種々の有利な特性は、改善された安定性、改善された毒性学的および/または生態毒性学的挙動、改善された作物性質を包含するが、これらに限定されず、作物収量、作物品質、例えば改善された栄養素含量、より発生した根系、作物高さの増大、より大きな葉身、より少ない死んだ根生葉、より強い分げつ、より緑色の葉色、必要とされるより少ない肥料、分げつ増大、増大した新芽成長、改善された植物または作物活性、より早い開花、より生産的な分げつ、より少ない植物のヴェルス(倒伏)、葉の改善された葉緑素含量、光合成活性、早い種子発芽、早い穀粒成熟、農産物の改善された品質、作物の改善された強化、土壌を改良すること、病気抵抗性、および当業者に熟知される他の利点を包含する。また、本発明の組成物は、農業的な組成物の他の施用方法に加えて、商業製品および従来技術の製品のほとんどが叶えない点滴灌漑またはスプリンクラー灌漑にとって好適である。
【0194】
本発明の組成物によると、栄養素、肥料、または殺虫剤の施用数または量が最小化される。組成物はユーザおよび環境にとって高度に安全である。
【0195】
上述から、本発明の新規概念の真の趣旨および範囲から逸脱することなしに、数々の改変および変形が成し遂げられ得るということに気づかれるであろう。例解された特定の実施形態についての限定は意図されていないということは理解されるはずであるか、または推量されるはずである。
(1)水分散性顆粒状作物栄養および強化組成物であって:
トータルの組成物の1~90%w/wの範囲の元素状硫黄;
トータルの組成物の1~70%w/wの範囲の少なくとも1つの鉄塩、それらの錯体、誘導体、または混合物;
トータルの組成物の約1~30%w/wの範囲の少なくとも1つの分散剤;
を含み、
前記組成物の顆粒が0.1~2.5mmのサイズ範囲であり、0.1~20ミクロンのサイズ範囲の粒子を含む、水分散性顆粒状作物栄養および強化組成物。
(2)液体懸濁液作物栄養および強化組成物であって:
トータルの組成物の1~60%w/wの範囲の元素状硫黄;
トータルの組成物の1~55%w/wの範囲の少なくとも1つの鉄塩、それらの錯体、誘導体、または混合物;
トータルの組成物の約0.01~5%w/wの範囲の少なくとも1つの構造形成剤;
少なくとも1つの農芸化学的に受け入れられる賦形剤;
を含み、
前記組成物が0.1~20ミクロンのサイズ範囲の粒子を含む、
液体懸濁液作物栄養および強化組成物。
(3)前記鉄塩またはそれらの錯体もしくは誘導体が、水可溶性のおよび/または水不溶性の鉄塩またはそれらの錯体もしくは誘導体を含む、
(1)または(2)に記載の組成物。
(4)水可溶性の前記鉄塩またはそれらの錯体もしくは誘導体が、硫酸鉄、コハク酸鉄、フマル酸鉄、フミン酸鉄、フルボ酸鉄、クエン酸鉄、アスコルビン酸鉄、またはそれらの混合物の1つ以上を含む、
(1)または(2)に記載の組成物。
(5)水不溶性の前記鉄塩またはそれらの錯体もしくは誘導体が、酸化鉄、水酸化鉄、酸化第一鉄、酸化第二鉄、酸化第一鉄第二鉄、水酸化第二鉄、シュウ酸鉄、スクロース第一鉄、スクロース第二鉄、水酸化第一鉄、リン酸鉄、リン酸第二鉄、リン酸第一鉄、またはそれらの混合物の1つ以上を含む、
(1)または(2)に記載の組成物。
(6)水不溶性の前記鉄塩、錯体、または誘導体が、酸化鉄、酸化第二鉄、酸化第一鉄第二鉄、酸化第一鉄、またはそれらの混合物から選択される、
(1)または(2)に記載の組成物。
(7)前記組成物がマイクロ顆粒の形態である、
(1)に記載の水分散性顆粒状組成物。
(8)前記組成物の顆粒が0.1から1.5mmのサイズ範囲である、
(1)に記載の水分散性顆粒状組成物。
(9)前記組成物の顆粒が0.1から10ミクロンのサイズ範囲の粒子を含む、
(1)に記載の水分散性顆粒状組成物。
(10)前記鉄塩、錯体、誘導体、または混合物の1つ以上対前記元素状硫黄の重量比が1:90から70:1である、
(1)に記載の水分散性顆粒状組成物。
(11)前記鉄塩、錯体、誘導体、または混合物の1つ以上対前記元素状硫黄の重量比が1:60から55:1である、
(2)に記載の液体懸濁液組成物。
(12)前記鉄塩、錯体、誘導体、または混合物の1つ以上対前記元素状硫黄の重量比が1:10から10:1であり、好ましくは、前記鉄塩、錯体、誘導体、または混合物の1つ以上対前記元素状硫黄の重量比が1:2.5から1.5:1である、
(1)または(2)に記載の組成物。
(13)さらに、少なくとも1つの追加の活性成分を包含し、微量栄養素、マクロ栄養素、バイオスティミュラント、殺虫活性成分、および/または窒素肥料、リン系、カリウム肥料から選択される肥料、それらの塩、錯体、誘導体、または混合物から選択される、
(1)または(2)に記載の組成物。
(14)少なくとも1つの微量栄養素またはその塩、錯体、誘導体、もしくは混合物が、トータルの組成物の0.1~70重量%の範囲で、好ましくはトータルの組成物の0.1~40重量%の範囲で存在する、
(13)に記載の組成物。
(15)前記組成物が、さらに、フィラーまたは担体または希釈剤、展着剤、着色料、バインダ、緩衝剤またはpH調整剤または中和剤、抑泡剤または破泡剤、沈降防止剤、浸透剤、保存料、紫外線吸収剤、UV線散乱剤、安定剤、およびそれらの混合物の1つ以上から選択される1つ以上の農芸化学的に受け入れられる賦形剤を含む、
(1)に記載の水分散性顆粒状組成物。
(16)前記構造形成剤が界面活性剤、増粘剤、粘度調整剤、タッキファイヤ、懸濁助剤、レオロジー調整剤、および沈降防止剤の1つ以上を含む、
(2)に記載の液体懸濁液組成物。
(17)農芸化学的に受け入れられる賦形剤が、着色料、水混和性溶媒、pH調整剤、抑泡剤、キレートまたは錯化または封鎖剤、保水剤、保存料、UV線散乱剤、凍結防止剤、安定剤、付着剤、および展着剤の1つ以上から選択される、
(2)に記載の液体懸濁液組成物。
(18)前記組成物の粘度が約10cpsから約1200cpsである、
(2)に記載の液体懸濁液組成物。
(19)前記組成物の粘度が10cpsから500cpsの範囲である、
(2)に記載の液体懸濁液組成物。
(20)前記組成物の懸濁性が少なくとも30%である、
(1)または(2)に記載の組成物。
(21)前記組成物の分散性が少なくとも50%である、
(1)に記載の水分散性顆粒状組成物。
(22)少なくとも1つの元素状硫黄、鉄塩、それらの錯体、誘導体、または混合物の少なくとも1つ、および少なくとも1つの分散剤を含む水分散性顆粒状作物栄養および強化組成物の調製のプロセスであって、
プロセスが:
a.少なくとも1つの元素状硫黄、鉄塩、それらの錯体、誘導体、または混合物の少なくとも1つ、および少なくとも1つの分散剤のブレンドをミリングして、スラリーまたはウェットミックスを得ること;
b.前記ウェットミックスを乾燥して水分散性顆粒状組成物を得ること;
を含み、
組成物の顆粒が0.1~2.5mmの範囲であり、0.1ミクロンから20ミクロンのサイズ範囲の粒子を含む、
プロセス。
(23)少なくとも1つの元素状硫黄、鉄塩、それらの錯体、誘導体、または混合物の少なくとも1つ、少なくとも1つの構造形成剤、および少なくとも1つの農芸化学的に受け入れられる賦形剤を含む液体懸濁液作物栄養および強化組成物の調製のプロセスであって、
プロセスが:少なくとも1つの元素状硫黄、鉄塩、それらの錯体、誘導体、または混合物の少なくとも1つ、少なくとも1つの構造形成剤、および少なくとも1つの農芸化学的に受け入れられる賦形剤のブレンドをミリングして、0.1ミクロンから20ミクロンの粒子サイズ範囲を有するスラリーまたはウェットミックスを得ることを含む、
プロセス。
(24)肥料組成物、栄養素組成物、作物活性化剤組成物、土壌改良剤組成物、収量向上剤組成物の少なくとも1つとしての、(1)または(2)に記載の組成物の使用。
(25)植物の健康または収量を改善する方法であって、
前記方法が、植物、植物増殖材料、場所もしくはそれらの一部、種子、苗、または周囲の土壌の少なくとも1つを(1)または(2)に記載の組成物によって処理することを含む、
植物の健康または収量を改善する方法。
図1
図2