(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-25
(45)【発行日】2024-07-03
(54)【発明の名称】電池ケース、電池、電池パック、電池モジュール及び車両
(51)【国際特許分類】
H01M 50/103 20210101AFI20240626BHJP
H01M 50/119 20210101ALI20240626BHJP
H01M 50/166 20210101ALI20240626BHJP
H01M 50/209 20210101ALI20240626BHJP
H01M 50/249 20210101ALI20240626BHJP
H01M 50/289 20210101ALI20240626BHJP
H01M 50/293 20210101ALI20240626BHJP
【FI】
H01M50/103
H01M50/119
H01M50/166
H01M50/209
H01M50/249
H01M50/289 101
H01M50/293
(21)【出願番号】P 2022549471
(86)(22)【出願日】2021-02-07
(86)【国際出願番号】 CN2021075787
(87)【国際公開番号】W WO2021164595
(87)【国際公開日】2021-08-26
【審査請求日】2022-10-06
(31)【優先権主張番号】202010109071.0
(32)【優先日】2020-02-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510177809
【氏名又は名称】ビーワイディー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100132698
【氏名又は名称】川分 康博
(72)【発明者】
【氏名】袁万▲頌▼
(72)【発明者】
【氏名】▲鄒▼翔▲達▼
(72)【発明者】
【氏名】▲でん▼洞▲軍▼
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼文会
(72)【発明者】
【氏名】朱燕
【審査官】鈴木 雅雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-155693(JP,A)
【文献】特開2014-107069(JP,A)
【文献】特開2002-245975(JP,A)
【文献】特開2004-134203(JP,A)
【文献】特開2008-130371(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第110676413(CN,A)
【文献】韓国公開特許第10-2017-0019854(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/103
H01M 50/119
H01M 50/166
H01M 50/209
H01M 50/249
H01M 50/289
H01M 50/293
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池ケースと、カバープレートと、複数の電極体を含む電池であって、
前記電池ケースと前記カバープレートは封止接続され、内部に収容キャビティを形成し、前記複数の電極体は、前記収容キャビティ内において、各電極体の長さ方向に沿って配列されており、
電池ケース
は、複数の側板を含み、複数の前記側板は、対向して設けられた2つの第1の側板を含み、複数の前記側板のうちの前記第1の側板の面積が最大であり、少なくとも1つの前記第1の側板は、第1の部分と、前記第1の部分の周りを取り囲む第2の部分とを含み、前記第1の部分は、電池ケースの内部に窪ん
だ曲面であり、第1の方向、第2の方向及び第3の方向を用いて三次元座標系を確立し、前記第2の方向は、前記第1の側板に垂直であり、
前記第3の方向は前記電極体の長さ方向であり、かつ複数の電極体の配列方向であり、前記第1の部分の曲率は、楕円面の曲率より小さく、前記楕円面の曲率は、楕円面関数により求められ、前記楕円面関数は、
((x-a)/i)
2+((y-b)/j)
2+((z-c)/k)
2=1であり、
式中、前記a、b、c、i、j及びkは、前記第1の部分における互いに異なる少なくとも4つの点の座標に基づいて決定され、前記第1の方向は、三次元座標系におけるX方向であり、前記第2の方向は、三次元座標系におけるY方向であり、前記第3の方向は、三次元座標系におけるZ方向であり、前記x、y、zは、楕円面関数の3つの方向の座標であ
り、
前記第1の側板には、複数の電極体の配列方向に沿って、各電極体に対して一つの第1の部分が形成されている、ことを特徴とする、
電池。
【請求項2】
前記電池ケースにおいて、前記i、j及びkのうちの2つが等しい場合、前記a、b、c、i、j及びkは、前記第1の部分における互いに異なる5つの点の座標に基づいて決定されることを特徴とする、請求項1に記載の
電池。
【請求項3】
前記電池ケースにおいて、前記i、j、kが等しく、前記楕円面が球面であり、前記楕円面関数は、
(x-a)
2+(y-b)
2+(z-c)
2=R
2であり、
前記a、b、c及びRは、前記第1の部分における互いに異なる4つの点の座標に基づいて決定されることを特徴とする、請求項1~2のいずれか一項に記載の
電池。
【請求項4】
前記電池ケースにおいて、前記第1の側板の前記第3の方向における長さは、Hに設定され、前記第1の側板の前記第1の方向における長さは、Wに設定され、前記第1の部分の縁部と前記第1の側板の縁部との間の距離は、dであり、前記第1の部分の縁部には、第1の点、第2の点、第3の点及び第4の点が含まれ、
前記三次元座標系において、前記第1の点の座標は、A(0mm,0mm,0mm)であり、前記第2の点の座標は、B(0mm,0mm,(-H+2d)mm)であり、前記第3の点の座標は、C((-W+2d)mm,0mm,(-H+2d)mm)であり、前記第4の点の座標は、D((-W+2d)mm,0mm,0mm)であり、
前記a、b、c及びRは、前記第1の点、第2の点、第3の点及び第4の点の座標に基づいて決定されることを特徴とする、請求項3に記載の
電池。
【請求項5】
前記電池ケースにおいて、前記第1の部分の縁部と前記第1の側板の縁部との距離は、dであり、前記d=5~20mmであることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の
電池。
【請求項6】
前記電池ケースにおいて、前記第1の側板の上面と下面との曲率の差は、5%より小さいことを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の
電池。
【請求項7】
前記第1の部分の前記第1の方向と前記第3の方向で定義された平面への正投影は、正方形、長方形、円形又は不規則な図形のうちの1種であり、前記側板は、3シリーズアルミニウムシェルであることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の
電池。
【請求項8】
前記電池ケースにおいて、複数の前記側板は、対向して設けられた2つの第2の側板をさらに含み、前記第1の側板と前記第2の側板は、囲んで前記電池ケースを形成することを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の
電池。
【請求項9】
前記電池ケースにおいて、前記第1の側板及び前記第2の側板の一側に接続された底板をさらに含むことを特徴とする、請求項8に記載の
電池。
【請求項10】
前記収容キャビティの気圧は、前記電池ケース外の気圧より低いことを特徴とする、請求項
1に記載の電池。
【請求項11】
前記収容キャビティの気圧は、-100Kpa~-5Kpaであることを特徴とする、請求項
10に記載の電池。
【請求項12】
前記収容キャビティの気圧は、-90Kpa~-10Kpaであることを特徴とする、請求項
11に記載の電池。
【請求項13】
前記収容キャビティの気圧は、-50Kpa~-20Kpaであることを特徴とする、請求項
12に記載の電池。
【請求項14】
前記電池ケースの各前記側板の厚さは、0.05mm~1mmであることを特徴とする、請求項
1~13のいずれか一項に記載の電池。
【請求項15】
対向して設けられた2つの前記第1の側板の前記第1の部分は、いずれも前記電極体の外面に押圧されて前記電極体を挟持することを特徴とする、請求項
1~14のいずれか一項に記載の電池。
【請求項16】
電池の製造方法であって、
前記電池は、電池ケースと、カバープレートと、電極体を含み、
前記電池ケースと前記カバープレートは封止接続され、内部に収容キャビティを形成し、前記電極体は、前記収容キャビティ内に配置されており、
電池ケースは、複数の側板を含み、複数の前記側板は、対向して設けられた2つの第1の側板を含み、複数の前記側板のうちの前記第1の側板の面積が最大であり、少なくとも1つの前記第1の側板は、第1の部分と、前記第1の部分の周りを取り囲む第2の部分とを含み、前記第1の部分は、電池ケースの内部に窪んだ曲面であり、第1の方向、第2の方向及び第3の方向を用いて三次元座標系を確立し、前記第2の方向は、前記第1の側板に垂直であり、前記第1の部分の曲率は、楕円面の曲率より小さく、前記楕円面の曲率は、楕円面関数により求められ、前記楕円面関数は、
((x-a)/i)
2
+((y-b)/j)
2
+((z-c)/k)
2
=1であり、
式中、前記a、b、c、i、j及びkは、前記第1の部分における互いに異なる少なくとも4つの点の座標に基づいて決定され、前記第1の方向は、三次元座標系におけるX方向であり、前記第2の方向は、三次元座標系におけるY方向であり、前記第3の方向は、三次元座標系におけるZ方向であり、前記x、y、zは、楕円面関数の3つの方向の座標であり、
前記電池の製造方法は、
前記電池ケースに排気を行う前に、前記電極体と前記電池ケースの内面との間に隙間を設け
るステップと、
前記電池ケースに排気を行った後、前記第1の部分は、前記電極体に向かって窪んで前記電極体の外面に押圧されて前記電極体を挟持する
ステップと、を有することを特徴とする、
電池の製造方法。
【請求項17】
請求項
1~15のいずれか一項に記載の電池を複数含む電池列を含み、複数の前記電池は、前記第2の方向に沿って順に配列されて前記電池列を形成することを特徴とする、電池パック。
【請求項18】
請求項1~15のいずれか一項に記載の電池を含むことを特徴とする、電池モジュール。
【請求項19】
隣接する2つの前記電池の電池ケースの間には、位置規制フレームが含まれることを特徴とする、請求項
18に記載の電池モジュール。
【請求項20】
隣接する2つの前記電池の電池ケースの間には、位置規制構造及び断熱材が設けられ、前記断熱材は、前記位置規制構造に充填されるか、又は前記位置規制構造と前記電池ケースとの間に設けられることを特徴とする、請求項
18に記載の電池モジュール。
【請求項21】
請求項
17に記載の電池パック又は請求項
18~20のいずれか一項に記載の電池モジュールを含むことを特徴とする、電気自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、ビーワイディー カンパニー リミテッドが2020年2月21日に提出した、出願名称が「電池ケース、電池、電池パック、電池モジュール及び車両」である中国特許出願第「202010109071.0」号の優先権を主張するものである。
【0002】
本願は、電池の分野に関し、具体的には、電池ケース、電池、電池パック、電池モジュール及び車両に関する。
【背景技術】
【0003】
新エネルギー自動車の普及が進むにつれて、新エネルギー自動車の動力電池に対する使用要件は、ますます高まっている。従来の電池では、ケースに対して角形アルミニウムケースを用いることが多い。角形アルミニウムケースを用いた電池の場合、電池のサイクル性能を向上させ、セパレータを傷つけずに電池をケースに組み立てやすくするために、一般的に電極体とアルミニウムケースとの間に一定の組立隙間を残す。過度の隙間は、不十分な空間利用、電池容量の無駄を引き起こすだけでなく、電池内の電極体が動き回り、充放電過程においてガスが発生して界面状態が不良になる。その結果、リチウムイオンが不良の界面を介して拡散できなくなり、リチウムが析出し、電池の安全及び耐用年数に影響を与える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願は、少なくとも従来技術における技術的課題の1つを解決することを目的とする。このために、本願は、構造がより合理的であり、電池のサイクル寿命を長くし、モジュール設計を簡略化し、組立効率を向上させ、かつ極板界面の破壊を回避することができる電池ケースを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
電池ケースは、複数の側板を含み、複数の前記側板は、対向して設けられた2つの第1の側板を含み、複数の前記側板のうちの前記第1の側板の面積が最大であり、少なくとも1つの前記第1の側板は、第1の部分と、前記第1の部分の周りを取り囲む第2の部分とを含み、前記第1の部分は、電池ケースの内部に窪んだ曲面であり、第1の方向、第2の方向及び第3の方向を用いて三次元座標系を確立し、前記第2の方向は、前記第1の側板に垂直であり、前記第1の部分の曲率は、楕円面の曲率より小さく、前記楕円面の曲率は、楕円面関数により求められ、前記楕円面関数は、
((x-a)/i)2+((y-b)/j)2+((z-c)/k)2=1であり、
式中、前記a、b、c、i、j及びkは、前記第1の部分における互いに異なる少なくとも4つの点の座標に基づいて決定され、前記第1の方向は、三次元座標系におけるX方向であり、前記第2の方向は、三次元座標系におけるY方向であり、前記第3の方向は、三次元座標系におけるZ方向であり、前記x、y、zは、楕円面関数の3つの方向の座標である。
【0006】
これにより、本願では、電池ケースの面積が最大の第1の側板に、電池ケースの内部に窪んだ第1の部分を設けることにより、極板の界面状態を改善し、電池のサイクル寿命を長くすることができ、同時に、モジュール設計を簡略化することができ、電池ケースの第1の側板は、膨張時に窪んだ部分の空間を占めることができるため、モジュールにおける電池間の隙間設計を省略する。極板の界面状態を保証する上で膨張比を制御することにより、組立生産効率を向上させることができる。曲率が上記楕円面の曲率より小さい第1の部分を第1の側板の窪んだ部分として用いることにより、電極体の両側の力は均一になり、極板界面の破壊を回避する。
【0007】
電池において、前記第2の方向は、電池の厚さ方向であり、前記電池は、上記いずれか一項に記載の電池ケース及びカバープレートを含み、前記カバープレートは、前記電池ケースに封止接続されて、電池ケースとともに封止された収容キャビティを形成し、前記電池は、前記収容キャビティ内に封入された電極体をさらに含む。
【0008】
電池パックは、上記いずれか一項に記載の電池を複数含む電池列を含み、複数の前記電池は、前記第2の方向に沿って順に配列されて前記電池列を形成する。
【0009】
電池モジュールは、複数の電池を含み、前記電池は、上記いずれか一項に記載の電池ケースと、前記電池ケース内に位置する電極体とを含む。
【0010】
車両は、上記いずれか一項に記載の電池パック又は上記いずれか一項に記載の電池モジュールを含む。
【0011】
本願の追加の態様及び利点は、一部が以下の説明において示され、一部が以下の説明において明らかになるか、又は、本願の実施により把握される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本願の上記及び/又は追加の様態及び利点は、以下の図面を参照して実施例を説明することにより、明らかになって理解されやすくなる。
【0013】
【
図1】本願の実施例に係る電池ケースの概略斜視図である。
【
図2】本願の実施例に係る電池の概略斜視図である。
【
図4】本願の実施例に係る別の電池の概略構成図である。
【
図5】本願の実施例に係る電池パックの概略斜視図である。
【
図6】本願の実施例に係る電池モジュールの概略構成図である。
【
図7】本願の実施例に係る別の電池モジュールの概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本願の実施例を詳細に説明し、上記実施例の例は、図面に示され、全体を通して同一又は類似の符号は、同一又は類似の部品、或いは同一又は類似の機能を有する部品を示す。以下、図面を参照して説明される実施例は、例示的なものであり、本願を解釈するものに過ぎず、本願を限定するものであると理解すべきではない。
【0015】
なお、本願の説明において、用語「中心」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」などで示す方位又は位置関係は、図面に示す方位又は位置関係に基づくものであり、本願を容易に説明し説明を簡略化するためのものに過ぎず、示された装置又は部品が特定の方位を有するとともに、特定の方位で構成されて動作しなければならないことを示すか又は示唆するものではないため、本願を限定するものであると理解すべきではない。
【0016】
なお、用語「第1」、「第2」は、説明のためのものに過ぎず、相対的な重要性を示すか又は示唆し、或いは示された技術的特徴の数を暗示的に示すものであると理解すべきではない。これにより、「第1」、「第2」で限定された特徴は、1つ以上の該特徴を明示的又は暗示的に含んでもよい。さらに、本願の説明において、特別な説明がない限り、「複数」は、2つ以上を意味する。
【0017】
図1~
図3に示すように、本願の実施例における電池ケース100は、複数の側板を含み、複数の側板は、対向して設けられた2つの第1の側板110を含み、複数の側板のうちの第1の側板110の面積が最大であり、第1の側板110は、第1の部分111と、第1の部分111の周りを取り囲む第2の部分112とを含み、第1の部分111は、電池ケース100の内部に凹んだ曲面であり、第1の方向X、第2の方向Y及び第3の方向Zを用いて三次元座標系を確立し、第2の方向Yは、第1の側板110に垂直であり、電池ケース100が電池に取り付けられる場合、第2の方向Yは、電池の厚さ方向であり、第1の方向Xは、電池の長さ方向であり、第3の方向
Zは、電池の高さ方向であり、第1の方向X、第2の方向Y及び第3の方向Zは、互いに垂直である。
【0018】
第1の部分111の窪んだ曲面の曲率は、楕円面の曲率より小さく、楕円面の曲率は、楕円面関数により求められ、楕円面関数は、
((x-a)/i)2+((y-b)/j)2+((z-c)/k)2=1であり、
式中、a、b、c、i、j及びkは、第1の部分111における互いに異なる少なくとも4つの点の座標に基づいて決定され、第1の方向Xは、三次元座標系におけるX方向であり、第2の方向Yは、三次元座標系におけるY方向であり、第3の方向Zは、三次元座標系におけるZ方向であり、x、y、zは、楕円面関数の3つの方向の座標である。互いに異なる少なくとも4つの点は、第1の部分111から任意に取ることができる。
【0019】
楕円面は、ケース100への窪み程度が最も大きい曲面であり、第1の部分111の曲率が楕円面の曲率より小さいことは、第1の部分111のケース100への窪み程度が楕円面の窪み程度より小さいことを指す。
【0020】
電池の厚さ変化は、可逆変化と不可逆変化の2種類に分けられ、可逆変化には、熱膨張とリチウムイオン放出による体積変化とが含まれ、同じSOCで初期の厚さを回復することができ、上記過程が電池に不可逆的な損傷を引き起こさない。電池の可逆膨張は、一般的に、正負極材料の特性を反映し、材料系の最適化により膨張率を小さくすることができる。不可逆変化とは、主に電池に充放電を行った後に、同じSOCで電池の厚さが増加することを指し、不可逆的な膨張は、SEI膜成長、リチウムイオン放出、ガス発生及び力学的分散などによって、電池に永久的な影響を与える。
【0021】
リチウムイオン電池のアルミニウムケースについて、一般的に、プレス型片面開口アルミニウムケースを選択し、従来のアルミニウムケースの設計では、電極体にサイクルと組立の余裕を残し、過大な空隙により活物質が反応時に極板間に複数の大きな気泡が発生し、リチウムイオンの輸送経路が大きな気泡によって分離されるため、リチウムイオンが負極に吸蔵されにくく、リチウムイオン放出の問題をもたらし、極板が電池の全寿命サイクルで良好な界面状態を有することを保証するために、本願は、電池ケース100の面積が最大の第1の側板110に窪んだ部分(すなわち、第1の部分111)を設け、従来のプレス後のアルミニウムケースを成形工具(治具又は金型)で第1の側板110に窪んだ曲面を有する電池ケース100として加工し、かつ第1の部分111の曲率を楕円面の曲率より小さくし、電池ケース100内に電極体200を組み立てた後、窪んだ第1の部分111が電極体200を押圧するとともに(
図3を参照)、化成及び封止中に負圧でガスを抽出し、化成時のガス発生により電池ケース100(アルミニウムケース)を押し広げることを防止し、押圧された電極体200がサイクル過程において極板界面の不良を引き起こす過大な隙間を持たない。従来のアルミニウムケースに比べて、窪んだアルミニウムケースの設計により、負圧プロセスの圧力を減少させ、過大な気圧による電解液の抽出を防止することができる。
【0022】
本願では、電池ケース100の面積が最大の第1の側板110に電池ケース100の内部に窪んだ第1の部分111を設けることにより、極板の界面状態を改善し、電池のサイクル寿命を長くすることができ、同時に、モジュール設計を簡略化することができ、電池ケース100の第1の側板110は、膨張時に窪んだ部分の空間を占めることができるため、モジュールにおける電池間の隙間を省略する。極板の界面状態を保証する上で膨張比を制御することにより、組立生産効率を向上させることができる。曲率が上記楕円面の曲率より小さい第1の部分111を第1の側板110の内んだ部分として用いることにより、電極体の両側の力は均一になり、極板界面の破壊を回避する。
【0023】
本願の実施例では、i、j及びkのうちの2つが等しい場合、a、b、c、i、j及びkは、第1の部分における互いに異なる5つの点の座標に基づいて決定される。
【0024】
第1の側板110が正方形に近いほど、第1の部分111は、球面に近くなり、第1の部分111の第2の方向への正投影は、正方形に近くなり、楕円面関数は、球面関数に近くなる。
【0025】
i、j、kが等しく、楕円面が球面であり、楕円面関数は、
(x-a)2+(y-b)2+(z-c)2=R2であり、
a、b、c及びRは、第1の部分における互いに異なる4つの点の座標に基づいて決定される。
【0026】
いくつかの実施例では、第1の側板110の第3の方向Zにおける長さは、Hに設定され、第1の側板110の第1の方向Xにおける長さは、Wに設定され、第1の部分111の縁部と第1の側板110の縁部との間の距離は、dであり、第1の部分111の縁部には、第1の点A、第2の点B、第3の点C及び第4の点Dが含まれ、三次元座標系において、第1の点の座標は、A(0mm,0mm,0mm)であり、つまり、Aは、三次元座標系の原点であり、第2の点の座標は、B(0mm,0mm,(-H+2d)mm)であり、第3の点の座標は、C((-W+2d)mm,0mm,(-H+2d)mm)であり、第4の点の座標は、D((-W+2d)mm,0mm,0mm)であり、a、b、c及びRは、第1の点、第2の点、第3の点及び第4の点の座標に基づいて決定される。
【0027】
第1の点A、第2の点B、第3の点C及び第4の点Dの座標から見ると、これらの4つの点が接続される場合に長方形を構成することが分かる。第1の側板110が長方形である場合、第1の部分111の第1の方向と第3の方向に限定された平面への正投影は、長方形又は正方形であり、第1の側板110が正方形である場合、第1の部分111の第1の方向と第3の方向に限定された平面への正投影は、正方形である。本願では、第1の点A、第2の点B、第3の点C及び第4の点Dは、第1の部分111の4つの頂点であり、なお、三次元座標系の原点が他の位置に移動する場合、それに応じて第1の部分111の4つの頂点の座標は、変化する。他の実施例では、他の4つの点を用いてa、b、c及びRの値を決定してもよい。他の実施例では、第1の側板110及び第1の部分111の第1の方向と第3の方向に限定された平面への正投影の形状は、さらに角形、円形又は他の不規則な形状であってもよい。
【0028】
いくつかの実施例では、第1の部分111の縁部と第1の側板110の縁部との距離は、dであり、d=5~20mmである。第1の側板110の長さ及び幅が一定である場合、距離dの値が小さいほど、第1の部分111が第1の側板110を占める面積が大きくなり、距離dの値が大きいほど、第1の部分111が第1の側板110を占める面積が小さくなる。同じ電池の場合、電極体の膨張領域の寸法が大きくなると、距離dは小さい方の値をとる。
【0029】
いくつかの実施例では、第1の部分111の上面と下面の曲率の差は、5%より小さい。第1の部分111の上部と下部の力をより均一にし、電極体を押圧する力をより均一にして、界面の破壊を回避する。
【0030】
いくつかの実施例では、つまり、対向して設けられた2つの第1の側板110の第1の部分111の曲率が異なってもよいが、両者の曲率の差は、5%より小さい。
【0031】
2つの第1の側板110の第1の部分111の曲率は、同じであってもよく、すなわち同じ球面関数を有する。2つの第1の側板110の第1の部分111の曲率の差が小さいほど、電池ケース100に真空排気を行う場合、電極体200を押圧する両側の力がより一致するため、極板の界面の不均一を回避することができる。
【0032】
いくつかの実施例では、第1の部分111の第1の方向と第3の方向に限定された平面への正投影は、正方形、長方形、円形又は不規則な図形のうちの1種である。
【0033】
いくつかの実施例では、側板、底板は、3シリーズアルミニウムシェルである。長期に界面品質を保証するために、アルミニウムケースの剛性が強すぎないようにし、電極体が膨張時に、過度に押圧して電極体にリチウムイオンが放出することを防止するようにアルミニウムケースを押し広げることができ、収縮時にアルミニウムケースが一定のスプリングバックを有することができるため、本願における側板について、強度及び延性が基準に達する3シリーズアルミニウムシェルを選択する。
【0034】
いくつかの実施例では、複数の側板は、対向して設けられた2つの第2の側板120をさらに含み、第1の側板110と第2の側板120は、囲んで電池ケース100を形成する。第2の側板120は、第1の側板110に垂直である。
【0035】
いくつかの実施例では、電池ケース100は、第1の側板110及び第2の側板120の一側に接続された底板130をさらに含む。底板130、第1の側板110、第2の側板120は、一体成形されて固定されるか又は別個に接続固定される。
【0036】
再び
図2に示すように、本願の実施例に係る電池10において、第2の方向Yは、電池10の厚さ方向であり、電池は、上記いずれか一項に記載の電池ケース100及びカバープレート140を含み、カバープレート140は、電池ケース
100に密閉接続されて、電池ケースとともに密閉された収容キャビティを形成し、電池10は、(
図3に示すように)電池ケース
100内に封入された電極体200をさらに含む。
【0037】
いくつかの実施例では、収容キャビティの気圧は、電池ケース100外の気圧より低い。すなわち、電池ケース100とカバープレート140とによって限定された収容空間は、負圧状態にある。本願では、「気圧」は、大気圧の略称である。気圧は、単位面積に作用する大気圧を指し、すなわち単位面積において、大気上界まで上向きに延びる垂直空気柱の重量に等しい。
【0038】
いくつかの実施形態では、収容キャビティの気圧は、-100Kpa~-5Kpaであり、別の実施例では、収容キャビティの気圧は、-90Kpa~-10Kpaであり、さらに、収容キャビティの気圧は、-50Kpa~-20Kpaであり、当然のことながら、当業者は、実際の必要に応じて収容キャビティの気圧を設定することができる。
【0039】
いくつかの実施形態では、電池ケース100の各側板の厚さは、0.05mm~1mmである。本願は、電池ケース100の側板の厚さを上記範囲内に限定することにより、電池ケース100の強度を保証するだけでなく、電池10の容量を低下させることもない。
【0040】
いくつかの実施例では、対向して設けられた2つの第1の側板110の第1の部分111は、(
図3に示すように)いずれも電極体200の外面に押圧されて電極体200を挟持する。2つの第1の側板110の第1の部分111の曲率は、いずれも上記楕円面関数で特徴付けられた楕円面の曲率より小さく、或いは、1つのみの第1の側板110の第1の部分111の曲率は、上記楕円面関数で特徴付けられた楕円面の曲率より小さく、もう1つは、別の窪んだ球面であってもよい。
【0041】
2つの第1の側板110の窪んだ第1の部分111の曲率が同じであるようにすることにより、電極体200の両側の力が均一になり、極板界面の破壊を回避する。
【0042】
電池ケース100と電極体200との間の隙間が大きいと、電池10に振動又は揺れが発生する場合に、電極体200は、電池ケース100内に動き回りやすく、かつ電極体200同士も相対変位し、これは、電極体200に損傷を与え、例えば、集電体が破損し、セパレータにしわが発生し、極板の活性材料層が剥がれるため、電池10の安定性が低く、かつ正極と負極の間の短絡などの安全上の問題を引き起こしやすい。本願では、電池ケース100の面積が大きい側板が窪むように設けることにより、側板と電極体200との間の隙間が小さくなり、電極体200が動き回るか又は互いに変位する空間が小さくなるため、電極体200の動き回り及び電極体200同士の相対変位を減少させ、電池10の安定性、強度及び安全性能を向上させることができる。
【0043】
また、本願の実施例では、電池10の最大面は、隣接する電池10の最大面に対向して設けられ、すなわち、複数の電池10が厚さ方向に沿って順に配列される場合、電池10間は、「大きな面が大きな面に対向する」ように設けられる。さらに、電池ケース100とカバープレート140とによって限定された収容キャビティは、負圧にあり、電池ケース100の最大面は、電池ケース100に窪み、すなわち、上記窪んだ曲面の第1の部分111であり、電池は、通常の使用中に、材料自体の膨張、電解液のガス発生などにより、一般的に膨張し、多くの場合、膨張変形が最大となる領域が電池の大きな面に位置する。本技術を使用して、電池の初期状態で、大きな面が真空排気によりわずかに窪むようにすることにより、電池膨張後の電池の間の押圧を効果的に緩和し、電池及びシステム全体の耐用年数、安全性能などを向上させることができる。
【0044】
本願の電池ケース100に電極体200を取り付ける前に、電池ケース100の内部に窪んだ第1の部分111を電池ケース100の外部に押し広げ、組み立てが完了した後、第1の部分111が窪むように内部に押圧する。組み立てが完了した後、電池ケース100と電極体200との間に一定の隙間がある。
【0045】
いくつかの実施例では、電池ケース100に排気を行う前に、電極体200と電池ケース100の内面との間に隙間が設けられ、電池ケース100に排気を行った後、第1の部分111は、電極体に向かって電極体200の外面に押圧されて電極体200を挟持する。
【0046】
図4に示すように、いくつかの実施例では、電極体200は、複数あり、第3の方向Zに沿って配列され、すなわち、第3の方向は、電極体200の長さ方向であり、第1の側板110には、複数の第1の部分111が含まれ、1つの第1の部分111は、1つの電極体200に対応して設けられる。本実施例では、第3の方向Zに沿って配列された複数の電極体200は、直列接続される。他の実施例では、対向して設けられた2つの第1の側板110に複数の第1の部分111が同時に設けられ、電極体200は、両側の第1の部分111に挟持される。
【0047】
図5に示すように、本願の実施例に係る電池パック20は、上記いずれかの実施例における電池10を複数含む電池列201を含み、複数の電池10は、第2の方向Yに沿って順に配列されて電池列201を形成し、換言すれば、複数の電池10は、電池の厚さ方向に沿って配列されて電池列になる。
【0048】
電池列201は、1つであっても複数であってもよく、各電池列201における電池10は、1つであっても複数であってもよく、実際の生産において、電池10の数は、実際の必要に応じて設定することができ、電池列201の数も、実際の必要に応じて設定することができ、本願は、これを具体的に限定しない。
【0049】
少なくとも2つの隣接する電池10の間に隙間があり、該隙間と単一の電池10(すなわち、各電池セル)の厚さとの比率の範囲は、0.001~0.15である。
【0050】
なお、2つの隣接する電池10の隙間は、電池10の動作時間の増加に伴って変化するが、動作中又は動作後又は電池10の出荷前のいずれであっても、電池10の間の隙間と厚さとの比率の範囲が本願に限定された範囲内にあれば、いずれも本願の保護範囲内にある。
【0051】
電池10の厚さ方向Yにおいて対向する2つの第1の側板110の面積が最大であり、かつ第1の部分111が窪んだ曲面であり、曲面が平面の面積より大きいため、第1の側板110の表面積は、さらに大きくなる。面積の大きい面がより膨張しやすく、電池10の間に残した一定の隙間は、電池10の膨張に緩衝空間を残すことができる。
【0052】
電池10の膨張は、電池10の厚さに関連し、電池の厚さが大きいほど、電池10が膨張しやすく、本願は、電池10の間の隙間と電池10の厚さとの比率を0.001~0.15に限定することにより、電池パック20の空間を十分に利用し、電池パック20の利用率を向上させるだけでなく、電池10の膨張に対して優れた緩衝効果を達成することができる。
【0053】
また、電池10が膨張時に発熱するため、電池10の間に一定の隙間を残すと、該隙間は、また放熱通路、例えば、空気ダクトとして機能することができ、電池10の面積の大きい面の放熱効果がより高いため、電池パック20の放熱効率を向上させ、電池パック20の安全性能を向上させることができる。
【0054】
上記解決手段において、電池10の間の隙間について、電池10の間にいかなる構造部材が設けられず、単に一定の空間を残すと理解されてもよく、電池10に他の構造部材が設けられることにより電池10と電池10とが該構造部材によって分離されると理解されてもよい。
【0055】
なお、電池10の間に構造部材が設けられる場合、電池10の間の隙間は、該構造部材と電池10との間の間隔ではなく、該構造部材の両側の電池10の間の距離であると理解すべきである。
【0056】
なお、構造部材と該構造部材の両側の電池10との間には、一定の隙間を残してもよく、構造部材が該構造部材の両側の電池10と直接的に接触してもよく、構造部材がその両側の電池10と直接的に接触する場合、構造部材は、電池10の膨張に緩衝役割を果たすことができるように、一定の可撓性を有する必要がある。構造部材としては、エアロゲル、熱伝導性構造用接着剤又は断熱綿を含むが、それらに限定されない。
【0057】
本願では、電池列201が複数ある場合、隙間は、異なる電池列201における隣接する2つの電池の間の間隔ではなく、同一の電池列201における隣接する2つの電池10の間の間隔を指す。また、同一の電池列201において、全ての隣接する2つの電池の間にいずれも一定の隙間を残してもよく、一部の隣接する2つの電池の間に一定の隙間を残してもよい。
【0058】
いくつかの実施例では、2つの隣接する電池10の間の隙間は、第1の隙間を含み、第1の隙間は、2つの隣接する電池の2つのカバープレート140の間の第2の方向に沿う最小距離であり、電池10の厚さは、カバープレート140の第2の方向における寸法に一致し、かつ第1の隙間と電池の厚さとの比率の範囲は、0.005~0.1である。
【0059】
上記実施形態では、カバープレート140は、強度が高いため、電池ケース100に比べて、膨張しにくく、電池10が一定期間動作した後に、内部に化学反応が発生し、電池10が膨張して隣接する電池10を押圧し、第1の隙間が変化しても(例えば、徐々に増大する)、該変化が小さいため、無視することができ、或いは、変化しても、第1の隙間と電池10の厚さとの比率は、依然として上記範囲を満たす。上記実施形態では、電池ケース100の両端にそれぞれカバープレート140と底板130が設けられ、複数の電池10が厚さ方向に沿って配列されて電池列201になる場合、隣接する2つの電池10の間の隙間は、電池列201の同一の端部に位置する、隣接する2つのカバープレート140の間の最小間隔を指す。
【0060】
別の実施例では、電池ケース100は、第2の方向Yに沿って2つの対向する第1の面を有し、2つの隣接する電池10の間の隙間は、第2の隙間を含み、第2の隙間は、2つの隣接する電池10の電池ケース100の互いに対向する2つの第1の面の間の最小間隔であり、電池10の厚さは、カバープレート140の第2の方向における寸法に一致し、かつ第2の隙間と電池10の厚さとの比率の範囲は、0.005~0.1である。本願では、電池ケース100の第1の側板110に窪んだ第1の部分を有するため、2つの隣接する電池10の間の第2の隙間は、第1の側板110の第2の部分112の間の隙間を指す。
【0061】
電池10の使用前の第2の隙間は、電池10の使用後の第2の隙間より大きい。
【0062】
「使用前」は、電池10の組み立てが完了した後に出荷する前、又は出荷されたが、外部への電力供給が開始される前であると理解することができ、「使用後」は、電池10が外部に電力を供給した後であると理解することができる。例えば、電池パック20が車両1に組み立てられる場合、使用前の状態は、新車の状態であると理解することができ、使用後の状態は、車両が一定距離走行した後の状態であるべきである。
【0063】
該実施形態では、第2の隙間は、2つの隣接する電池10の対向する2つの第1の面の間の最小間隔を指すべきであり、該間隔は、電池の使用時間の増加に伴って徐々に小さくなり、主な原因は、電池が膨張した後、隣接する2つの大きな面の間の間隔が徐々に小さくなることである。
【0064】
図6に示すように、本願に係る電池モジュール30は、複数の電池10を含み、電池10は、上記いずれかの実施例における電池ケース100と、電池ケース100内に位置する電極体200とを含む。
【0065】
いくつかの実施例では、隣接する2つの電池10の電池ケース100の間には、位置規制フレーム300が含まれる。位置規制フレーム300は、電池10の間の隙間の均一性を保証することにより、電池の間のサイクル性能の一致性を向上させ、力の不均一により個別電池に極板界面の不良を発生させてモジュール及び電池全体の電気的性能に影響を与えることを回避することができる。本願では、電池の大きな面が自然に窪んだ後、電池の間の位置規制フレームの厚さを減少させ、位置規制材料を節約し、電池が膨張時に、まず窪んだ空間を占め、同時にサイクル過程の界面品質を保証する。
【0066】
図7に示すように、別の実施例では、隣接する2つの電池10の電池ケース100の間には、位置規制構造400及び断熱材が設けられ、断熱材は、位置規制構造400に充填されるか、又は位置規制構造400と電池ケース100との間に設けられる。電池10の間に断熱材をさらに配置する必要があり、電池が極端な環境で失効して熱拡散が発生することを防止し、位置規制構造400が
図7に示すフレーム構造である場合、断熱材が位置規制構造400と電池10の表面によって限定された隙間内に充填され、位置規制構造400が板状部材である場合、断熱材料は、電池10と位置規制構造400との間に設けられる。
【0067】
図8に示すように、本願に係る車両1は、上記いずれかの実施例における電池パック20又は上記いずれかの実施例における電池モジュール30を含む。
【0068】
本願の実施例を例示して説明したが、当業者であれば理解できるように、本願の原理及び趣旨から逸脱しない場合、これらの実施例に対して、様々な変更、修正、置換及び変形を行うことができ、本願の範囲は、特許請求の範囲及びその均等物によって限定される。