(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-25
(45)【発行日】2024-07-03
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G09G 3/32 20160101AFI20240626BHJP
G09G 3/20 20060101ALI20240626BHJP
G09G 3/3233 20160101ALI20240626BHJP
H01L 33/00 20100101ALI20240626BHJP
H10K 50/10 20230101ALI20240626BHJP
H10K 59/12 20230101ALI20240626BHJP
H10K 59/123 20230101ALI20240626BHJP
H10K 59/124 20230101ALI20240626BHJP
【FI】
G09G3/32 A
G09G3/20 624B
G09G3/20 641D
G09G3/20 641A
G09G3/3233
G09G3/20 611A
G09G3/20 621A
G09G3/20 612F
H01L33/00 J
H10K50/10
H10K59/12
H10K59/123
H10K59/124
(21)【出願番号】P 2023066355
(22)【出願日】2023-04-14
(62)【分割の表示】P 2020519206の分割
【原出願日】2019-05-09
【審査請求日】2023-05-01
(31)【優先権主張番号】P 2018095963
(32)【優先日】2018-05-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000153878
【氏名又は名称】株式会社半導体エネルギー研究所
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 一徳
(72)【発明者】
【氏名】高橋 圭
(72)【発明者】
【氏名】楠 紘慈
(72)【発明者】
【氏名】福留 貴浩
【審査官】橋本 直明
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-309104(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0236440(US,A1)
【文献】特開2017-010000(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0039935(US,A1)
【文献】特開2003-241711(JP,A)
【文献】特開2006-126779(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/32
G09G 3/20
G09G 3/3233
H01L 33/00
H10K 50/10
H10K 59/12
H10K 59/123
H10K 59/124
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画素と、第1の配線乃至第3の配線と、を有し、
前記複数の画素の一は、発光素子と、第1のトランジスタ乃至第3のトランジスタと、を有し、
前記第1のトランジスタは、第1のゲートと、第2のゲートと、を有し、
前記第1のトランジスタにおいて、前記第2のゲートは前記第2の配線と常に導通しており、ソースまたはドレインの一方は前記第2のトランジスタのゲート及び前記第3のトランジスタのソースまたはドレインの一方と常に導通しており、
前記第2のトランジスタにおいて、ソースまたはドレインの一方は前記発光素子の電極の一方と常に導通しており、
前記第3のトランジスタにおいて、ゲートは前記第3の配線と常に導通しており、
前記第1の配線から前記第1のゲートに、表示データに応じた第1の電位が与えられることにより、前記第1の電位に応じて前記第1のトランジスタの閾値電圧が決定し、
前記第2の配線に与えられる三角波の電位に応じて前記第1のトランジスタがオン状態になったとき、前記第2のトランジスタのゲートに前記第1のトランジスタを介して与えられる第2の電位に応じて、前記発光素子の発光輝度が制御され、
前記第3の配線にリセット信号が与えられることで前記発光素子が消灯し、
前記リセット信号に同期して、前記三角波の電位が最も低くなる、
表示装置。
【請求項2】
請求項
1において、
前記発光素子はLEDである、
表示装置。
【請求項3】
請求項
1において、
前記発光素子はOLEDである、
表示装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項
3のいずれか一において、
前記第1のトランジスタまたは前記第2のトランジスタは、半導体層に金属酸化物を含む、
表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一態様は、表示装置、及び表示装置の駆動方法に関する。
【0002】
なお、本発明の一態様は、上記の技術分野に限定されない。本明細書等で開示する発明の一態様の技術分野は、物、方法、又は、製造方法に関する。又は、本発明は、プロセス、マシン、マニュファクチャ、又は、組成物(コンポジション・オブ・マター)に関する。特に、本発明の一態様は、半導体装置、表示装置、発光装置、蓄電装置、記憶装置、それらの駆動方法、又はそれらの製造方法に関する。
【0003】
なお、本明細書等において、半導体装置は、半導体特性を利用することで機能しうる素子、回路、又は装置等を指す。一例としては、トランジスタ、ダイオード等の半導体素子は半導体装置である。また別の一例としては、半導体素子を有する回路は、半導体装置である。また別の一例としては、半導体素子を有する回路を備えた装置は、半導体装置である。
【背景技術】
【0004】
表示装置を備える電子機器が普及している。電子機器に用いられる表示装置は、より多くの情報が表示できる表示装置が求められている。例えば、液晶表示装置では、より多くの情報量を表示するために複数の異なる色相を有する光源を順に点灯することで表示を行うフィールドシーケンシャル方式などの駆動方法が提案されている。フィールドシーケンシャル方式では、1つの画素に異なる色相の光を順に点灯させて表示をするため表示する情報量を増やすことができる。
【0005】
特許文献1では、バックライトに複数の色相を有する光源の点灯又は消灯を制御する方法として三角波を用いたPWM(Pulse Width Modulation)駆動が開示されている。
【0006】
TV、又はサイネージ機器などの大型表示装置、又はヘッドマウントディスプレイなどのウェアラブル電子機器では、発光素子に小型のLEDを用いた表示装置が特許文献2に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2006-209053号公報
【文献】米国特許公開第2017/0179092号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
単一の光源及び3色のカラーフィルターを用いて表示する液晶素子を有する表示装置では、バックライトを消灯しなければ黒を表示するのが難しく、コントラストを上げることが難しいといった課題がある。フィールドシーケンシャル方式では、1つの画素が異なる色相の光を順に点灯させて表示をするため、副画素を設けなくてもよく画素のサイズを小さくできるため高精細化に適しているが、複数の色相の光を点灯又は消灯させるため消費電力が大きくなる課題がある。
【0009】
また、ヘッドマウントディスプレイなどでは、身体に装着するため、軽量化と、消費電力の低減が求められている。例えば、消費電力が大きくなると、ヘッドマウントディスプレイなどではバッテリを大きくする必要があり、電子機器としての荷重が大きくなったヘッドマウントディスプレイを身体に装着する場合、利用者の身体に与える負担が大きくなる問題がある。
【0010】
上記問題に鑑み、本発明の一態様は、新規な構成の表示装置を提供することを課題の一とする。又は、本発明の一態様は、新規な表示装置の駆動方法を提供することを課題の一とする。又は、本発明の一態様は、消費電力を低減させる表示装置の駆動方法を提供することを課題の一とする。又は、本発明の一態様は、表示のコントラストを向上させる表示装置の駆動方法を提供することを課題の一とする。
【0011】
なお、これらの課題の記載は、他の課題の存在を妨げるものではない。なお、本発明の一態様は、これらの課題の全てを解決する必要はないものとする。なお、これら以外の課題は、明細書、図面、請求項などの記載から、自ずと明らかとなるものであり、明細書、図面、請求項などの記載から、これら以外の課題を抽出することが可能である。
【0012】
なお本発明の一態様の課題は、上記列挙した課題に限定されない。上記列挙した課題は、他の課題の存在を妨げるものではない。なお他の課題は、以下の記載で述べる、本項目で言及していない課題である。本項目で言及していない課題は、当業者であれば明細書又は図面等の記載から導き出せるものであり、これらの記載から適宜抽出することができる。なお、本発明の一態様は、上記列挙した課題、及び/又は他の課題のうち、少なくとも一つの課題を解決するものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一態様は、第1の画素、第2の画素、第1の配線、第2の配線、及び第3の配線を有する表示装置の駆動方法である。第1の配線は、第1の画素、及び前記第2の画素と電気的に接続される。第2の配線は、第1の画素と電気的に接続され、第3の配線は、第2の画素と電気的に接続される。第1の画素には、第2の配線を介して第1の表示データが与えられ、第2の画素には、第3の配線を介して第2の表示データが与えられる。第1の画素、又は第2の画素が、異なる時刻に発光を開始する。第1の時刻より前の第2の時刻に、第1の画素が、第1の表示データに対応する最大輝度に達し、且つ第2の画素が、第2の表示データに対応する最大輝度に達する。第1の配線にリセット信号が与えられることにより第1の画素、及び第2の画素が、第2の時刻に初期化されることで消灯する表示装置の駆動方法である。
【0014】
本発明の一態様は、複数の画素、第1の配線、第2の配線、及び第3の配線を有する表示装置の駆動方法である。画素は、発光素子、及び第1乃至第3のトランジスタを有する。第1のトランジスタは、第1のゲートと、第2のゲートを有する。第1のトランジスタは、第1のゲートが第1の配線と電気的に接続され、第2のゲートが第2の配線と電気的に接続され、ソース又はドレインの一方が、第2のトランジスタのゲート、及び第3のトランジスタのソース又はドレインの一方とに電気的に接続される。第2のトランジスタは、ソース又はドレインの一方が発光素子の電極の一方と電気的に接続される。第3のトランジスタは、ゲートが、第3の配線と電気的に接続される。第1の配線に表示データを与えることにより、表示データの第1の電位に応じて第1のトランジスタの閾値電圧が決定する。第2の配線に三角波を与え、三角波の電位に応じて第1のトランジスタがオン状態になったとき、第1のトランジスタを介して、第2のトランジスタのゲートに第2の電位が与えられ、第2の電位に応じて発光素子の発光輝度が制御される。第3の配線に、リセット信号を与えることで第3のトランジスタがオン状態となり、第2のトランジスタがオフ状態になり、発光素子が消灯し、リセット信号に同期して、三角波の電位が最も小さくなる、表示装置の駆動方法である。
【0015】
本発明の一態様は、複数の画素、第1の配線、第2の配線、及び第3の配線を有する表示装置の駆動方法である。画素は、発光素子、第1のトランジスタ、及び第2のトランジスタを有する。第1の配線は、発光素子の電極の一方と電気的に接続される。第1のトランジスタは、ソース又はドレインの一方が発光素子の電極の他方と電気的に接続され、ゲートが第2の配線と、第2のトランジスタのソース又はドレインの一方とに電気的に接続される。第2のトランジスタは、ゲートが第3の配線と電気的に接続される。第2の配線に表示データを与えることにより、表示データの電位に応じて第1のトランジスタが流せる電流の大きさが決定する。第1の配線に三角波を与え、三角波の電位に応じて第1のトランジスタが発光素子に与える電流の大きさが決定し、三角波の電位に応じて発光素子の発光輝度が制御される。第3の配線に、リセット信号を与えることで第3のトランジスタがオン状態となり、第1のトランジスタがオフ状態になり、リセット信号に同期して、三角波の電位が最も小さくなり、発光素子が消灯する、表示装置の駆動方法である。
【0016】
本発明の一態様は、複数の画素、及び第1乃至第6の配線を有する表示装置である。画素は、発光素子、第1乃至第4のトランジスタ、第1の容量素子、第2の容量素子を有する。第1の配線には表示データが与えられる。第2の配線には走査信号が与えられる。第3の配線にはリセット信号が与えられる。第4の配線には三角波が与えられる。第5の配線には前記表示データよりも高い電位が与えられる。第6の配線には前記表示データよりも小さい電位が与えられる。第4のトランジスタのゲートは、第2の配線と電気的に接続される。第4のトランジスタのソース又はドレインの一方は、第1の配線と電気的に接続される。第1のトランジスタのゲートは、第4の配線と電気的に接続される。第4のトランジスタのソース又はドレインの他方は、第1のトランジスタのバックゲート、及び第1の容量素子の電極の一方とに電気的に接続される。第3のトランジスタのゲートは、第3の配線と電気的に接続される。第5の配線は、第1の容量素子の電極の他方、及び第1のトランジスタのソース又はドレインの一方とに電気的に接続される。第1のトランジスタのソース又はドレインの他方は、第3のトランジスタのソース又はドレインの一方、第2のトランジスタのゲ-ト、及び第2の容量素子の電極の一方とに電気的に接続される。第3のトランジスタのソース又はドレインの他方は、第6の配線と電気的に接続される。第2のトランジスタのソース又はドレインの一方は、発光素子の電極の一方と電気的に接続される表示装置である。
【0017】
本発明の一態様は、複数の画素、及び第1乃至第5の配線を有する表示装置である。画素は、発光素子、第1乃至第3のトランジスタ、及び第1の容量素子を有する。第1の配線には三角波が与えられる。第2の配線には走査信号が与えられる。第3の配線にはリセット信号が与えられる。第4の配線には表示データが与えられる。第5の配線には表示データよりも小さな低電位が与えらる。第3のトランジスタのゲートは、第2の配線と電気的に接続される。第3のトランジスタのソース又はドレインの一方は、第4の配線と電気的に接続される。第3のトランジスタのソース又はドレインの他方は、第1のトランジスタのゲート、前記第2のトランジスタのソース又はドレインの一方、及び第1の容量素子の電極の一方とに電気的に接続される。第2のトランジスタのゲートは、第3の配線と電気的に接続される。第2のトランジスタのソース又はドレインの他方は、第5の配線と電気的に接続される。第1のトランジスタのソース又はドレインの一方は、発光素子の電極の一方と電気的に接続される。発光素子の電極の他方は、第1の配線と電気的に接続される表示装置である。
【0018】
上記各構成において、発光素子がLEDである表示装置が好ましい。
【0019】
上記各構成において、発光素子がOLEDである表示装置が好ましい。
【0020】
上記各構成において、表示装置が有するトランジスタのいずれか一が、半導体層に金属酸化物を有する表示装置が好ましい。
【発明の効果】
【0021】
本発明の一態様は、新規な構成の表示装置を提供することができる。又は、本発明の一態様は、新規な表示装置の駆動方法を提供することができる。又は、本発明の一態様は、消費電力を低減させる表示装置の駆動方法を提供することができる。本発明の一態様は、表示のコントラストを向上させる表示装置の駆動方法を提供することができる。
【0022】
なお本発明の一態様の効果は、上記列挙した効果に限定されない。上記列挙した効果は、他の効果の存在を妨げるものではない。なお他の効果は、以下の記載で述べる、本項目で言及していない効果である。本項目で言及していない効果は、当業者であれば明細書又は図面等の記載から導き出せるものであり、これらの記載から適宜抽出することができる。なお、本発明の一態様は、上記列挙した効果、及び/又は他の効果のうち、少なくとも一つの効果を有するものである。したがって本発明の一態様は、場合によっては、上記列挙した効果を有さない場合もある。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】(A)画素を説明する回路図。(B)表示装置の動作を説明するタイミングチャート。
【
図2】(A)表示装置を説明するブロック図。(B)表示装置の動作を説明するタイミングチャート。
【
図3】(A)表示装置を説明するブロック図。(B)表示装置の動作を説明するタイミングチャート。
【
図4】(A)画素を説明する回路図。(B)表示装置の動作を説明するタイミングチャート。
【
図5】(A)表示装置を説明するブロック図。(B)表示装置の動作を説明するタイミングチャート。
【
図6】(A)表示装置を説明するブロック図。(B)表示装置の動作を説明するタイミングチャート。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、実施の形態について図面を参照しながら説明する。ただし、実施の形態は多くの異なる態様で実施することが可能であり、趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。したがって、本発明は、以下の実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0025】
また、図面において、大きさ、層の厚さ、又は領域は、明瞭化のために誇張されている場合がある。よって、必ずしもそのスケールに限定されない。なお図面は、理想的な例を模式的に示したものであり、図面に示す形状又は値などに限定されない。
【0026】
また、本明細書にて用いる「第1」、「第2」、「第3」という序数詞は、構成要素の混同を避けるために付したものであり、数的に限定するものではないことを付記する。
【0027】
また、本明細書において、「上に」、「下に」などの配置を示す語句は、構成同士の位置関係を、図面を参照して説明するために、便宜上用いている。また、構成同士の位置関係は、各構成を描写する方向に応じて適宜変化するものである。したがって、明細書で説明した語句に限定されず、状況に応じて適切に言い換えることができる。
【0028】
また、本明細書等において、トランジスタとは、ゲートと、ドレインと、ソースとを含む少なくとも三つの端子を有する素子である。そして、ドレイン(ドレイン端子、ドレイン領域又はドレイン電極)とソース(ソース端子、ソース領域又はソース電極)の間にチャネル形成領域を有しており、チャネル形成領域を介して、ソースとドレインとの間に電流を流すことができるものである。なお、本明細書等において、チャネル形成領域とは、電流が主として流れる領域をいう。
【0029】
また、ソースやドレインの機能は、異なる極性のトランジスタを採用する場合や、回路動作において電流の方向が変化する場合などには入れ替わることがある。このため、本明細書等においては、ソースやドレインの用語は、入れ替えて用いることができるものとする。
【0030】
また、本明細書等において、「電気的に接続」には、「何らかの電気的作用を有するもの」を介して接続されている場合が含まれる。ここで、「何らかの電気的作用を有するもの」は、接続対象間での電気信号の授受を可能とするものであれば、特に制限を受けない。例えば、「何らかの電気的作用を有するもの」には、電極や配線をはじめ、トランジスタなどのスイッチング素子、抵抗素子、インダクタ、キャパシタ、その他の各種機能を有する素子などが含まれる。
【0031】
また、本明細書等において、「平行」とは、二つの直線が-10°以上10°以下の角度で配置されている状態をいう。したがって、-5°以上5°以下の場合も含まれる。また、「垂直」とは、二つの直線が80°以上100°以下の角度で配置されている状態をいう。したがって、85°以上95°以下の場合も含まれる。
【0032】
また、本明細書等において、「膜」という用語と、「層」という用語とは、互いに入れ替えることが可能である。例えば、「導電層」という用語を、「導電膜」という用語に変更することが可能な場合がある。又は、例えば、「絶縁膜」という用語を、「絶縁層」という用語に変更することが可能な場合がある。
【0033】
また、本明細書等において、特に断りがない場合、オフ電流とは、トランジスタがオフ状態(非導通状態、遮断状態、ともいう)にあるときのドレイン電流をいう。オフ状態とは、特に断りがない場合、nチャネル型トランジスタでは、ゲートとソースの間の電圧Vgsがしきい値電圧Vthよりも低い状態、pチャネル型トランジスタでは、ゲートとソースの間の電圧Vgsがしきい値電圧Vthよりも高い状態をいう。例えば、nチャネル型のトランジスタのオフ電流とは、ゲートとソースの間の電圧Vgsがしきい値電圧Vthよりも低いときのドレイン電流を言う場合がある。
【0034】
トランジスタのオフ電流は、Vgsに依存する場合がある。したがって、トランジスタのオフ電流がI以下である、とは、トランジスタのオフ電流がI以下となるVgsの値が存在することを言う場合がある。トランジスタのオフ電流は、所定のVgsにおけるオフ状態、所定の範囲内のVgsにおけるオフ状態、又は、十分に低減されたオフ電流が得られるVgsにおけるオフ状態、等におけるオフ電流を指す場合がある。
【0035】
一例として、しきい値電圧Vthが0.5Vであり、Vgsが0.5Vにおけるドレイン電流が1×10-9Aであり、Vgsが0.1Vにおけるドレイン電流が1×10-13Aであり、Vgsが-0.5Vにおけるドレイン電流が1×10-19Aであり、Vgsが-0.8Vにおけるドレイン電流が1×10-22Aであるようなnチャネル型トランジスタを想定する。当該トランジスタのドレイン電流は、Vgsが-0.5Vにおいて、又は、Vgsが-0.5V乃至-0.8Vの範囲において、1×10-19A以下であるから、当該トランジスタのオフ電流は1×10-19A以下である、と言う場合がある。当該トランジスタのドレイン電流が1×10-22A以下となるVgsが存在するため、当該トランジスタのオフ電流は1×10-22A以下である、と言う場合がある。
【0036】
また、本明細書等では、チャネル幅Wを有するトランジスタのオフ電流を、チャネル幅Wあたりを流れる電流値で表す場合がある。また、所定のチャネル幅(例えば1μm)あたりを流れる電流値で表す場合がある。後者の場合、オフ電流の単位は、電流/長さの次元を持つ単位(例えば、A/μm)で表される場合がある。
【0037】
トランジスタのオフ電流は、温度に依存する場合がある。本明細書において、オフ電流は、特に記載がない場合、室温、60℃、85℃、95℃、又は125℃におけるオフ電流を表す場合がある。又は、当該トランジスタが含まれる半導体装置等の信頼性が保証される温度、又は、当該トランジスタが含まれる半導体装置等が使用される温度(例えば、5℃乃至35℃のいずれか一の温度)におけるオフ電流、を表す場合がある。トランジスタのオフ電流がI以下である、とは、室温、60℃、85℃、95℃、125℃、当該トランジスタが含まれる半導体装置等の信頼性が保証される温度、又は、当該トランジスタが含まれる半導体装置等が使用される温度(例えば、5℃乃至35℃のいずれか一の温度)、におけるトランジスタのオフ電流がI以下となるVgsの値が存在することを指す場合がある。
【0038】
トランジスタのオフ電流は、ドレインとソースの間の電圧Vdsに依存する場合がある。本明細書において、オフ電流は、特に記載がない場合、Vdsが0.1V、0.8V、1V、1.2V、1.8V、2.5V、3V、3.3V、10V、12V、16V、又は20Vにおけるオフ電流を表す場合がある。又は、当該トランジスタが含まれる半導体装置等の信頼性が保証されるVds、又は、当該トランジスタが含まれる半導体装置等において使用されるVdsにおけるオフ電流、を表す場合がある。トランジスタのオフ電流がI以下である、とは、Vdsが0.1V、0.8V、1V、1.2V、1.8V、2.5V、3V、3.3V、10V、12V、16V、20V、当該トランジスタが含まれる半導体装置等の信頼性が保証されるVds、又は、当該トランジスタが含まれる半導体装置等において使用されるVds、におけるトランジスタのオフ電流がI以下となるVgsの値が存在することを指す場合がある。
【0039】
上記オフ電流の説明において、ドレインをソースと読み替えてもよい。つまり、オフ電流は、トランジスタがオフ状態にあるときのソースを流れる電流を言う場合もある。
【0040】
また、本明細書等では、オフ電流と同じ意味で、リーク電流と記載する場合がある。また、本明細書等において、オフ電流とは、例えば、トランジスタがオフ状態にあるときに、ソースとドレインとの間に流れる電流を指す場合がある。
【0041】
なお、電圧とは2点間における電位差のことをいい、電位とはある一点における静電場の中にある単位電荷が持つ静電エネルギー(電気的な位置エネルギー)のことをいう。ただし、一般的に、ある一点における電位と基準となる電位(例えば接地電位)との電位差のことを、単に電位もしくは電圧と呼び、電位と電圧が同義語として用いられることが多い。このため、本明細書では特に指定する場合を除き、電位を電圧と読み替えてもよいし、電圧を電位と読み替えてもよいこととする。
【0042】
(実施の形態1)
本実施の形態では、三角波によって発光素子が点灯する新規な表示装置の新規な駆動方法について
図1乃至
図3を用いて説明する。
【0043】
最初に、表示装置について説明する。表示装置は、表示パネル、ソースドライバ、及びゲートドライバを有し、表示パネルは、複数の画素を有する。なお、表示パネルは、ソースドライバ又はゲートドライバが、画素と同一の基板上に形成されている。ただし、ソースドライバ、又はゲートドライバのいずれか一、又は両方が表示パネルとは異なる部品として構成され、表示パネルに信号を与えてもよい。以下では、表示装置を表示パネルと言い換えて説明することがある。
【0044】
一例として表示装置は、第1の画素、第2の画素、第1乃至第5の配線を有する。第1乃至第3の配線は、第1の画素、及び前記第2の画素と電気的に接続される。第4の配線は、第1の画素と電気的に接続され、第5の配線は、第2の画素と電気的に接続される。なお、走査線としての機能を有する第1乃至第3の配線には、走査信号が与えられる。当該走査信号には、画素に対してデータを書き込む機能、点灯制御機能、リセット機能等がある。
【0045】
第1の画素には、第4の配線を介して第1の表示データが与えられ、第2の画素には、第5の配線を介して第2の表示データが与えられる。第1の画素、及び第2の画素が、第1の時刻に初期化、且つ消灯する。第1の画素、又は第2の画素が、異なる時刻に発光を開始する。第1の時刻より前の第2の時刻に、第1の画素が、第1の表示データに対応する最大輝度に達し、且つ第2の画素が、第2の表示データに対応する最大輝度に達する表示装置の駆動方法である。
【0046】
つまり、画素に与えられる表示データが画素に保持され、その後、画素に与えられる信号によって、画素が有する発光素子が点灯する。なお、上述した第1の画素、第2の画素が、同じ走査信号が与えられる配線に接続されていることが好ましい。画素に与えられる信号は、三角波であることが好ましい。三角波は、積分回路を用いて生成されてもよい、又はデジタルアナログ変換回路を用いて生成されてもよい。三角波を積分回路を用いて生成する場合、デジタルアナログ変換回路に比べて回路規模を小さくすることができる。また三角波は、線形の傾きを有する信号でもよい、又は指数関数的に増加する信号でもよい。三角波が指数関数的に増加する信号の場合、線形の傾きを有する三角波と比較して点灯期間が短くなり、且つ表示データに対応する最大輝度がより大きな最大輝度に達する表示装置の駆動方法である。
【0047】
さらに表示装置が有する画素について詳しく説明する。表示装置は、複数の画素、第1の配線、第2の配線、第3の配線、及び第4の配線を有する。画素は、発光素子、及び第1乃至第4のトランジスタを有する。第1のトランジスタは、第1のゲートと、第2のゲートを有する。なお、第1のゲート又は第2のゲートのいずれか一が、第1のトランジスタのゲートに相当し、いずれか他方が、第1のトランジスタのバックゲートに相当する。
【0048】
第1のトランジスタは、第1のゲートが第1の配線と電気的に接続され、第2のゲートが第4の配線と第4のトランジスタを介して電気的に接続され、ソース又はドレインの一方が、第2のトランジスタのゲート、及び第3のトランジスタのソース又はドレインの一方とが電気的に接続される。第2のトランジスタは、ソース又はドレインの一方が発光素子の電極の一方と電気的に接続される。第3のトランジスタは、ゲートが、第3の配線と電気的に接続される。第4のトランジスタのゲートは、第2の配線と電気的に接続される。
【0049】
第1のステップとして、第4の配線に表示データを与えることにより、表示データの第1の電位に応じて第1のトランジスタの閾値電圧が決定する。つまり、第2の配線に与えられる信号は、画素に対して表示データを書き込むことができる。なお、画素は第1の容量素子、及び第2の容量素子を有していてもよい。表示データが、第1の容量素子に保持されることが好ましい。以降では、第1の電位と第1の表示データとを同じものして説明する。
【0050】
第2のステップとして、第1の配線に三角波を与え、三角波の電位に応じて第1のトランジスタがオン状態になったとき、第1のトランジスタを介して、第2のトランジスタのゲートに第2の電位が与えられ、第2の電位に応じて発光輝度が制御される。第2の電位は、第2の保持容量に保持されることが好ましい。つまり、第1の配線に与えられる信号は、画素の点灯を制御することができる。
【0051】
第3のステップとして、第3の配線に、リセット信号を与えることで第3のトランジスタがオン状態となり、第2の保持容量に保持される第2の電位が放電することで第2のトランジスタがオフ状態になり発光素子が消灯する。当該リセット信号に同期して、三角波の電位が最も小さくなる、表示装置の駆動方法である。
【0052】
なお、人間の目が認識する発光素子の輝度は、時間当たりの平均輝度で表すことができる。平均輝度は、リセット信号により発光素子が消灯してから、次のリセット信号により発光素子が消灯するまでの期間に発光素子が点灯する発光量によって決定される。なお、第2の電位により発光素子の点灯が開始され、リセット信号により発光素子が消灯するまでの期間を点灯期間とし、発光素子が消灯してから、次の第2の電位が与えられることで発光素子が点灯を開始するまでの期間を消灯期間とする。つまり、第3の配線に与えられる信号は、画素の表示をリセットすることができる。
【0053】
表示データである第1の電位が小さい場合は、第1のトランジスタの閾値電圧が小さくなり、第1の電位が大きい場合は、第1のトランジスタの閾値電圧が大きくなることが好ましい。つまり第1の電位が小さい場合に第1のトランジスタに三角波が与えられると、三角波の電位が大きくなるに応じて第2の電位が早く大きくなり、発光素子の点灯が早く開始される。また、発光素子の点灯が早く開始されることで、発光素子の平均輝度が大きくなり、発光素子が点灯している期間の最大輝度も大きくなる。
【0054】
画素に与えられる表示データの第1の電位に対する発光素子の輝度は、平均化され平均輝度となる。しかし、第3のトランジスタによって消灯される直前の時刻に発光素子が表示データに対応する最大輝度になるため、人間の目には、最大輝度が残像として残る。これは、低階調の表示データを表示するときに、平均輝度によって認識される階調は低いが、瞬間的な最大輝度が人間の目には残像として残るため色を認識しやすいためである。例えば、月明かりに照らされた海の青を表現する場合など、低階調であっても青を残像として強く視認させる効果などがある。
【0055】
また、画素は、第3のトランジスタによって第2の電位が初期化され、発光素子が消灯すると、表示装置は黒挿入の効果を得ることができる。なお、黒挿入とは、表示装置の駆動方法の一つで、表示データを点灯する期間と、消灯する期間とを設けることで、コントラスト比を拡大させる駆動方法である。つまり、黒挿入の効果でコントラストが向上し、且つ瞬間的な最大輝度が残像として残るため表示内容の視認性が向上する。また消灯期間を有することで、点灯期間を削減することができ、消費電力を低減することができる。さらに、点灯期間では、三角波によって第2の電位の充電電圧が制御され発熱の大きい輝度が大きな期間を削減することができる。したがって上述した表示装置の駆動方法は、消費電力の低減と、発熱とを抑えることができる。
【0056】
第1の配線を介して第1のトランジスタのゲートに与えられる三角波は、第1の配線に接続される画素に対して同時に与えられる。なお、表示装置が有する全ての画素に同時刻に三角波が与えられてもよい。当該三角波が、表示装置が有する全ての画素に与えられることで、第1の時刻に、それぞれの画素が与えられた表示データの大きさに対応する最大輝度に達することで、表示領域の表示を同時に更新することができる。また第2の時刻に初期化、且つ発光素子を消灯する。いわゆる面順次駆動を実現することができる。例えば、表示領域にp番目のフレームとp-1番目のフレームの表示データが同時に表示されることで発生する視認性の低下を抑制することができる。pは、正の自然数。
【0057】
上述した発光素子は、LEDを用いることが好ましい。LEDは、表示パネル上に形成されてもよいし、LEDを部品としてボンディングしてもよい。もしくは、発光素子がOLEDでもよい。本実施の形態の表示装置の駆動方法は、発光素子がLED又はOLEDであっても同様の効果を得ることができる。
【0058】
また、画素が有する発光素子は、表示パネル上に形成されてもよいし、部品として実装されてもよい。例えば、LEDは部品として画素にボンディングされてもよい。
【0059】
続いて、
図1(A)を用いて表示装置が有する画素の詳細な説明をする。
【0060】
表示装置は、画素10、配線G1、配線G2、配線G3、配線S1、配線V0、配線com、配線Ano、及び配線Cathを有する。なお、上述した第1の配線は、第1の画素に電気的に接続する配線G3に相当し、第2の配線は、第1の画素に電気的に接続する配線G1に相当し、第3の配線は、第1の画素に電気的に接続する配線G2に相当する。画素10は、トランジスタ14、画素回路10Pを有する。画素回路10Pは、発光素子17、トランジスタ11、トランジスタ12、トランジスタ13、容量素子15、容量素子16を有する。トランジスタ11は、バックゲートを有する。
【0061】
トランジスタ14のゲートは、配線G1と電気的に接続される。トランジスタ14のソース又はドレインの一方は、配線S1と電気的に接続される。トランジスタ14のソース又はドレインの他方は、トランジスタ11のバックゲート、及び容量素子15の電極の一方とが電気的に接続される。トランジスタ11のゲートは、配線G3と電気的に接続される。配線V0は、容量素子15の電極の他方、及びトランジスタ11のソース又はドレインの一方とが電気的に接続される。トランジスタ11のソース又はドレインの他方は、トランジスタ13のソース又はドレインの一方、トランジスタ12のゲート、及び容量素子16の電極の一方とが電気的に接続される。トランジスタ13のゲートは、配線G2と電気的に接続される。トランジスタ13のソース又はドレインの他方は、配線Comと電気的に接続される。トランジスタ12のソース又はドレインの一方は、発光素子17の電極の一方と電気的に接続される。トランジスタ12のソース又はドレインの他方は、配線Cath、及び容量素子16の電極の他方とが電気的に接続される。発光素子17の電極の他方は、配線Anoと電気的に接続される。
【0062】
図1(A)では、トランジスタ12、トランジスタ13、及びトランジスタ14がそれぞれバックゲートを有する例を示しているが、トランジスタ12、トランジスタ13、又はトランジスタ14のいずれか一もしくは複数が、バックゲートを有さない構成でもよい。なお、トランジスタは、高純度化し、酸素欠損の形成を抑制した酸化物半導体膜を有すると好ましい。当該トランジスタは、オフ電流を低くできる。よって、画像信号等の電気信号の保持時間を長くできる。よって、リフレッシュ動作の頻度を少なくできるため、消費電力を低減する効果を有する。酸化物半導体膜を有する当該トランジスタについては、実施の形態6で詳細な説明をする。
【0063】
配線V0には、容量素子16に与える第2の電位の最大電位よりも大きな電位が与えられる。配線Comには、容量素子16に保持される第2の電位を初期化させるための低電位が与えられる。当該低電位は、発光素子が発光しない電流値になるように設定されることが好ましい。つまりトランジスタ12をオフ状態にする電位が与えられる。配線Anoは、発光素子の電極の他方(以下、陽極端子)と接続される。したがって配線Anoに与えられる電位は、第2の電位のもっとも大きな電位より大きいことが好ましい。配線Cathは、トランジスタ12を介して発光素子の電極の一方(以下、陰極端子)と接続される。したがって、配線Cathに与えられる電位は、第2の電位が初期化した場合の電位より小さいことが好ましい。
【0064】
図1(B)は、画素10の動作を説明するタイミングチャートである。配線G1に接続される画素10には、配線G1を介して走査信号が与えられる。配線G2に接続される画素10には、配線G2を介してリセット信号が与えられる。配線G3に接続される画素10には、配線G3を介して三角波TWが与えられる。配線S1に接続される画素10には、配線S1を介して第1の電位が与えられる。なお、第1の電位は、表示データD1と言い換えることができる。
【0065】
時刻T0では、配線G2にリセット信号が与えられる。トランジスタ13のゲートには、配線G2を介してリセット信号が与えられる。トランジスタ13はオン状態になり、容量素子16に保持している第2の電位を初期化し、発光素子が消灯する。また、時刻T0では、配線G3に与えられる三角波TWを初期化し第2の電位の充電を停止する。つまり、トランジスタ11がオフ状態になり、容量素子16に第2の電位を充電する動作が停止する。
【0066】
時刻T1では、配線G1に与えられる走査信号によって配線G1が選択された状態になる。トランジスタ14がオン状態になり、配線S1に与えられる表示データD1が、容量素子15に与えられる。容量素子15に与えられた表示データD1は、トランジスタ11のバックゲートに与えられ、トランジスタ11の閾値電圧を制御する。
【0067】
時刻T2では、配線G1に与えられる走査信号が非選択の状態になる。したがってトランジスタ14がオフ状態になり、容量素子15に与えられた表示データD1が保持される。
【0068】
時刻T3では、配線G2に与えられているリセット信号が解除され、トランジスタ13がオフ状態になる。なお、このリセット信号の解除は、時刻T2であってもよい。
【0069】
また、時刻T3では、当該リセット信号の解除により配線G3に三角波TWを与えることが好ましい。但し、表示データD1によってトランジスタ11の閾値が制御されるため、表示データD1に応じて第2の電位の充電がはじまる。容量素子16に対し第2の電位の充電がはじまると、トランジスタ12が、発光素子に電流を与え、発光素子は点灯を始める。
図1(B)では、ハッチングされた期間、発光素子が点灯する例を示している。また、発光素子の発光強度は、三角波TWの変化に応じて発光強度が大きくなることが好ましい。なお、画素10は、三角波TWの与えられる期間が1frameより短いことが好ましい。
【0070】
図2(A)は、表示装置20を説明するブロック図である。表示装置20は、表示領域21、ソースドライバ22、及びゲートドライバ23を有している。表示領域21は、画素10(1,1)乃至画素10(m,n)を有している。一例として、
図2(A)では、画素10(i、j)乃至画素10(i+1、j+1)を示している。m、nは正の整数であり、iは、1以上m以下の整数、jは1以上n以下の整数である。
【0071】
一例として画素10(i、j)と配線との接続について説明する。画素10(i、j)は、配線G1(j)、配線G2(j)、又は配線G3(j)を介してゲートドライバ23と電気的に接続される。画素10(i、j)は、配線S1(i)を介してソースドライバ22と電気的に接続される。
【0072】
図2(B)は、表示装置20の動作を説明するタイミングチャートである。画素10の詳細な動作については、
図1(B)の説明を参酌することができるため説明を省略する。
【0073】
時刻T10では、配線G2(j)にリセット信号が与えられ、画素10(i,j)、及び画素10(i+1,j)の保持電位が初期化され、発光素子が消灯する。さらに、配線G3(j)に与えられる三角波TWが初期化される。
【0074】
時刻T11では、配線G1(j)に与えられる走査信号によって配線G1(j)が選択された状態になる。配線S1(i)には表示データD1が与えられ、配線S1(i+1)には表示データD2が与えられる。
【0075】
さらに、時刻T11では、配線G2(j+1)にリセット信号が与えられ、画素10(i,j+1)、及び画素10(i+1,j+1)の保持電位が初期化され、発光素子が消灯する。また、配線G3(j+1)に与えられる三角波TWが初期化される。
【0076】
時刻T12では、配線G1(j)に与えられる走査信号が非選択の状態になる。したがって画素10(i,j)には表示データD1が保持され、及び画素10(i+1,j)には表示データD2が保持される。
【0077】
さらに、時刻T12では、配線G1(j+1)に与えられる走査信号によって配線G1(j+1)が選択された状態になる。配線S1(i)には表示データD3が与えられ、配線S1(i+1)には表示データD4が与えられる。
【0078】
時刻T13では、配線G2(j)に与えられているリセット信号が解除される。時刻T13では、当該リセット信号の解除により配線G3(j)に三角波TWが与えられる。但し、表示データD1、又は表示データD2によってトランジスタ11の閾値が制御されるため、画素10(i,j)又は画素10(i+1,j)の点灯開始時刻が異なる。また、表示データD1、又は表示データD2によって、画素10(i,j)又は画素10(i+1,j)の点灯期間、発光強度が異なる。
【0079】
また、時刻T13では、配線G1(j+1)に与えられる走査信号が非選択の状態になる。したがって画素10(i,j+1)には表示データD3が保持され、及び画素10(i+1,j+1)には表示データD4が保持される。
【0080】
図2(B)で示したタイミングチャートでは、点灯期間の異なるハッチングされた領域を示している。それぞれの点灯期間が、画素10(i,j)に与えられる表示データD1、又は画素10(i+1,j)に与えられる表示データD2の電位の大きさによって異なる例を示している。
【0081】
時刻T14では、配線G2(j+1)に与えられているリセット信号が解除される。時刻T14では、当該リセット信号の解除により配線G3(j+1)に三角波TWが与えられる。以降は、繰り返し同様な処理が行われるので説明を省略する。
【0082】
図2(B)で示すタイミングチャートでは、配線G1(j)、又は配線G1(j+1)に与えられるそれぞれの走査信号に対応して配線G3(j)、又は配線G3(j+1)に三角波TWが与えられる。点灯期間が選択される行により異なるため、発光素子の点灯時間が分散される。したがって発光素子の点灯による消費電力の集中を分散することができる。
【0083】
図3(A)は、表示装置20Aを説明するブロック図である。表示装置20Aは、ゲートドライバ23a、三角波生成回路24を有する点が表示装置20と異なっている。
【0084】
一例として画素10(i、j)と配線との接続について説明する。画素10(i、j)は、と配線G1(j)を介してゲートドライバ23aと電気的に接続され、画素10(i、j+1)は、配線G1(j+1)を介してゲートドライバ23aと電気的に接続される。なお、画素10(i、j)及び画素10(i、j+1)は、配線S1(i)を介してソースドライバ22と電気的に接続される。
【0085】
配線G2は、表示領域21が有する画素群と電気的に接続され、当該画素群に対し同時刻にリセット信号を与え、発光素子を消灯させることができる。配線G3は、当該画素群と電気的に接続され、全ての画素に同時刻に三角波TWを与えることができる。
【0086】
また、ゲートドライバ23aには、スタートパルスSPが与えられ、三角波生成回路24には、スタートパルスSP、及びゲートドライバ23aの出力信号OUTが与えられる。三角波生成回路24は、スタートパルスSP、及び出力信号OUTを用いて、当該画素群に与えるリセット信号と、三角波TWを生成することができる。
【0087】
図3(B)は、表示装置20Aの動作の一例を説明するタイミングチャートである。
図3(B)では、配線G1(1)乃至G1(n)を用いて説明するが、表示データが与えられる画素については、当該画素群の中から画素10(i,j)乃至画素10(i+1,j+1)に着目して説明する。なお、画素10の詳細な動作については、
図1(B)の説明を参酌することができるため説明を省略する。
【0088】
時刻T20では、三角波生成回路24が配線G2にリセット信号を与えることができる。したがって、当該画素群は、同時刻に初期化され、発光素子は消灯する。さらに、三角波生成回路24は、配線G3に与える三角波TWを初期化することができる。また、配線G1(1)に与えられる走査信号によって配線G1(1)が選択される状態になる。一例として、
図3(A)では、画素10(i,1)乃至画素10(i+1,1)(非表示)に対して、配線S1(i)には表示データD1が与えられ、配線S1(i+1)には表示データD2が与えられる。
【0089】
時刻T21では、配線G1(1)に与えられる走査信号が非選択の状態になる。したがって画素10(i,1)には表示データD1が保持される、及び画素10(i+1,1)には表示データD2が保持される。
【0090】
時刻T22では、配線G1(j)に与えられる走査信号によって配線G1(j)が選択される状態になる。配線S1(i)には表示データD3が与えられ、及び配線S1(i+1)には表示データD4が与えられる。
【0091】
時刻T23では、配線G1(j)に与えられる走査信号が非選択の状態になる。したがって画素10(i,j)には表示データD3が保持され、及び画素10(i+1,j)には表示データD4が保持される。
【0092】
また、時刻T23では、配線G1(j+1)に与えられる走査信号によって配線G1(j+1)が選択される状態になる。配線S1(i)には表示データD5が与えられ、及び配線S1(i+1)には表示データD6が与えられる。
【0093】
時刻T24では、配線G1(j+1)に与えられる走査信号が非選択の状態になる。したがって画素10(i,j+1)には表示データD5が保持され、及び画素10(i+1,j+1)、表示データD6が保持される。
【0094】
時刻T25では、配線G1(n)に与えられる走査信号によって配線G1(n)が選択される状態になる。配線S1(i)には表示データD7が与えられ、及び配線S1(i+1)には表示データD8が与えられる。
【0095】
時刻T26では、配線G1(n)に与えられる走査信号が非選択の状態になる。したがって画素10(i,n)には表示データD7が保持され、及び画素10(i+1,n)には表示データD8が保持される。
【0096】
時刻T26では、配線G2に与えられているリセット信号が解除される。時刻T26では、当該リセット信号の解除により配線G3に三角波TWが与えられる。表示データD1乃至表示データD8によってそれぞれの画素が有するトランジスタ11の閾値が制御される。一例として、
図3(B)では、画素10(i,j)、画素10(i+1,j)、又は画素10(i,j+1)のそれぞれの画素の点灯開始時刻が異なることが点灯期間の異なるハッチングされた領域によって示されている。
【0097】
つまり、表示データD3、表示データD4、又は表示データD5によって、画素10(i,j)、又は画素10(i+1,j)、又は画素10(i,j+1)の点灯期間、発光強度が異なる。他の画素も同様に、それぞれの画素に与えられた表示データにより点灯開始時刻、点灯期間、及び発光強度が異なる。
【0098】
図3(B)で示すタイミングチャートでは、当該画素群に表示データが与えられた後、三角波生成回路24によって、当該画素群に同時に三角波TWが与えられる。つまり、当該画素群は、与えられた表示データにより異なる点灯開始時刻を有するが、それぞれの画素が有する発光素子の最大輝度が同時刻になる。次の時刻には、三角波生成回路24によって当該画素群にリセット信号が与えられ表示データが初期化される。つまり、画素群は、同時刻に消灯する時刻と、同時刻に発光素子が最大輝度になる時刻を有する。表示装置は、表示領域21を面で表示の更新ができるため、走査線を用いて表示を更新する場合に発生する更新フレームの表示データと旧フレームの表示データとが同時に表示されることによる視認性の低下を抑制することができる。
【0099】
つまり、当該画素群は、リセット信号によって画素が初期化されることで、リセット信号が与えられている間発光素子が消灯される。したがって、リセット信号は黒挿入の効果を有する。つまり、三角波TWを用いた駆動方法では、黒挿入の効果でコントラストが向上し、瞬間的な最大輝度を残像として残るため表示内容の視認性が向上する。また消灯期間を有することで、点灯期間を削減し、さらに点灯期間では、三角波TWによって電力の消費と発熱の大きい輝度の期間とを削減することで、消費電力の削減と、発熱を抑えることができる。
【0100】
以上、本実施の形態で示す構成、方法は、他の実施の形態で示す構成、方法と適宜組み合わせて用いることができる。
【0101】
(実施の形態2)
本実施の形態では、実施の形態1の画素、及び表示装置と異なる構成について、
図4乃至
図6を用いて説明する。
【0102】
図4(A)では、
図1と異なる画素10Aの詳細な説明をする。
【0103】
表示装置は、画素10A、配線G1、配線G2、配線G3A、配線S1、配線Com、及び配線Cathを有する。画素10Aは、発光素子35、トランジスタ31、トランジスタ32、トランジスタ33、及び容量素子34を有する。
【0104】
トランジスタ33のゲートは、配線G1と電気的に接続される。トランジスタ33のソース又はドレインの一方は、配線S1と電気的に接続される。トランジスタ33のソース又はドレインの他方は、トランジスタ31のゲート、トランジスタ32のソース又はドレインの一方、及び容量素子34の電極の一方とが電気的に接続される。トランジスタ32のゲートは、配線G2と電気的に接続される。トランジスタ32のソース又はドレインの他方は、配線Comと電気的に接続される。トランジスタ31のソース又はドレインの一方は、発光素子35の電極の一方と電気的に接続される。トランジスタ12のソース又はドレインの他方は、配線Cath、及び容量素子34の電極の他方とが電気的に接続される。発光素子35の電極の他方は、配線G3Aと電気的に接続される。
【0105】
図4(A)では、トランジスタ31、トランジスタ32、及びトランジスタ33がそれぞれバックゲートを有してもよい。なお、、トランジスタ31、トランジスタ32、又はトランジスタ33のいずれか一もしくは複数が、バックゲートを有する構成でもよい。
【0106】
配線Comには、容量素子34に保持される表示データD1を初期化させるための低電位が与えられる。当該低電位は、発光素子が発光しない電流値になるように設定されることが好ましい。つまりトランジスタ31をオフ状態にする電位が与えられる。配線G3Aは、発光素子の陽極端子と接続され、三角波TWが与えられる。配線Cathは、トランジスタ31を介して発光素子の陰極端子と接続される。したがって、配線Cathに与えられる電位は、表示データD1が初期化した場合の電位より小さいことが好ましい。
【0107】
配線G1に接続される画素10Aには、配線G1を介して走査信号が与えられる。配線G2に接続される画素10Aには、配線G2を介してリセット信号が与えられる。配線G3Aに接続される画素10Aには、配線G3Aを介して発光素子の陽極端子に三角波TWが与えられる。配線S1に接続される画素10には、配線S1を介して表示データD1が与えられる。
【0108】
図4(A)で示す画素10Aは、発光素子35の陽極端子に三角波TWが与えられることが
図1(A)で示す画素10と異なっている点である。
【0109】
図4(B)は、画素10Aの動作の一例を説明するタイミングチャートである。
【0110】
時刻T30では、配線G2にリセット信号が与えられる。トランジスタ32のゲートには、配線G2を介してリセット信号が与えられ、発光素子が消灯する。トランジスタ32はオン状態になり、容量素子34に保持している保持電位が初期化される。また、時刻T30では、配線G3Aに与えられる三角波TWが初期化される。
【0111】
時刻T31では、配線G2に与えられているリセット信号が解除され、トランジスタ32がオフ状態になる。さらに、時刻T31では、配線G1に与えられる走査信号によって配線G1が選択される状態になる。トランジスタ33がオン状態になり、配線S1に与えられる表示データD1が容量素子34に与えられる。容量素子34に与えられ表示データD1は、トランジスタ31のゲートに与えられる。
【0112】
時刻T32では、配線G1に与えられる走査信号が非選択の状態になる。したがってトランジスタ33がオフ状態になり、容量素子34に与えられた表示データD1が保持される。続いて、配線G3Aには、三角波TWが与えられることが好ましい。トランジスタ31は、第1の電位に応じた発光素子に電流を与え、発光素子は点灯を始める。ただし、発光素子の陽極端子に与えられる三角波TWの電位が、表示データD1に発光素子の閾値電圧LVthを加えた電位DL1より大きくなると発光素子が点灯を開始する。
【0113】
図4(B)では、ハッチングされた期間、発光素子が点灯する例を示している。また、発光素子の発光強度は、三角波TWの変化に応じて発光強度が大きくなることが好ましい。なお、画素10Aは、三角波TWの与えられる期間が1frameより短いことが好ましい。
【0114】
図5(A)は、表示装置20Bを説明するブロック図である。表示装置20Bは、表示領域21、ソースドライバ22、及びゲートドライバ23bを有している。表示領域21は、画素10A(1,1)乃至画素10A(m,n)を有している。一例として、
図5(A)では、画素10A(i、j)乃至画素10A(i+1、j+1)を示している。m、nは正の整数であり、iは、1以上m以下の整数、jは1以上n以下の整数である。
【0115】
一例として画素10A(i、j)と配線との接続について説明する。画素10A(i、j)は、配線G1(j)、配線G2(j)、又は配線G3A(j)を介してゲートドライバ23bと電気的に接続される。画素10A(i、j)は、配線S1(i)を介してソースドライバ22と電気的に接続される。
【0116】
図5(B)は、表示装置の動作の一例を説明するタイミングチャートである。画素10Aの詳細な動作については、
図4(B)の説明を参酌することができるため説明を省略する。
【0117】
時刻T40では、配線G2(j)にリセット信号が与えられ、画素10A(i,j)、及び画素10A(i+1,j)の保持電位が初期化され、発光素子が消灯する。さらに、配線G3A(j)に与えられる三角波TWが初期化される。
【0118】
時刻T41では、配線G2(j)に与えられているリセット信号が解除される。さらに、時刻T41では、配線G1(j)に与えられる走査信号によって配線G1(j)が選択される状態になる。配線S1(i)には表示データD1が与えられ、配線S1(i+1)には表示データD2が与えられる。
【0119】
さらに、時刻T41では、配線G2(j+1)にリセット信号が与えられ、画素10A(i,j)、及び画素10A(i+1,j)の保持電位が初期化され、発光素子が消灯する。また、配線G3A(j+1)に与えられる三角波TWが初期化される。
【0120】
時刻T42では、配線G1(j)に与えられる走査信号が非選択の状態になる。したがって画素10A(i,j)には表示データD1が保持され、及び画素10A(i+1,j)には表示データD2が保持される。
【0121】
続いて、配線G3A(j)には、三角波TWが与えられることが好ましい。画素10A(i,j)は、表示データD1に応じた電流を発光素子に与え、発光素子は点灯を始める。ただし、発光素子の陽極端子に与えられる三角波TWの電位が、表示データD1に発光素子の閾値電圧LVthを加えた電位DL1より大きくなると発光素子が点灯を開始する。同様に、画素10A(i+1,j)は、表示データD2に応じた電流を発光素子に与え、発光素子が点灯を開始する。
【0122】
時刻T43では、配線G1(j+1)に与えられる走査信号が非選択の状態になる。したがって画素10A(i,j+1)には表示データD3が保持され、及び画素10A(i+1,j+1)には表示データD4が保持される。
【0123】
続いて、配線G3A(j+1)には、三角波TWが与えられることが好ましい。画素10A(i,j+1)は、表示データD3に応じた電流を発光素子に与え、発光素子が点灯を始める。ただし、発光素子の陽極端子に与えられる三角波TWの電位が、表示データD3に発光素子の閾値電圧LVthを加えた電位DL3より大きくなると発光素子が点灯を開始する。同様に、画素10A(i+1,j+1)は、表示データD4に応じた電流を発光素子に与え、発光素子が点灯を開始する。以降は、繰り返し同様な処理が行われるので説明を省略する。
【0124】
図5(B)で示すタイミングチャートでは、配線G1(j)、又は配線G1(j+1)に与えられるそれぞれの走査信号に対してそれぞれの配線G3A(j)、又は配線G3A(j+1)に三角波TWが与えられる。点灯期間が選択される行により異なるため、発光素子の点灯時間が分散される。したがって発光素子の点灯による消費電力の集中を分散することができる。
【0125】
図6(A)は、表示装置20Cを説明するブロック図である。表示装置20Cは、表示領域21、ソースドライバ22、ゲートドライバ23c、及びゲートドライバ23dを有している。表示領域21は、画素10A(1,1)乃至画素10A(m,n)を有している。一例として、
図6(A)では、画素10A(i、j)乃至画素10A(i+1、j+1)を示している。m、nは正の整数であり、iは、1以上m以下の整数、jは1以上n以下の整数である。
【0126】
一例として画素10A(i、j)と配線との接続について説明する。画素10A(i、j)は、配線G1(j)を介してゲートドライバ23cと電気的に接続される。また、画素10A(i、j)は、配線G2A(k)、又は配線G3A(k)、を介してゲートドライバ23dと電気的に接続される。画素10A(i、j)は、隣接する行の画素、例えば画素10A(i、j+1)と配線G2A(k)、及び配線G3A(k)を共有することができる。
図6(A)では、配線G1(j)と、配線G1(j+1)に接続される画素が、配線G2A(k)、及び配線G3A(k)を共有する例を示している。なお、配線G2A(k)、及び配線G3A(k)を共有することができるのは、隣り合う配線G1に接続される画素に限定されない。複数の配線G1に接続される画素が、配線G2A(k)、及び配線G3A(k)を共有することができる。
【0127】
配線G2A(k)にはリセット信号が与えられ、及び配線G3A(k)には三角波が与えられる。なお、画素10A(i、j)及び画素10A(i、j+1)は、配線S1(i)を介してソースドライバ22と電気的に接続される。なお、kは、1以上j以下の正の整数である。
【0128】
図6(B)は、表示装置20Cの動作の一例を説明するタイミングチャートである。画素10Aの詳細な動作については、
図4(B)の説明を参酌することができるため説明を省略する。
【0129】
時刻T50では、配線G2A(k)にリセット信号が与えられ、画素10A(i,j)、及び画素10A(i+1,j)の保持電位が初期化され、発光素子が消灯する。さらに、配線G3A(j)に与えられる三角波TWが初期化される。
【0130】
時刻T51では、配線G2A(k)に与えられているリセット信号が解除される。さらに、時刻T51では、配線G1(j)に与えられる走査信号によって配線G1(j)が選択される状態になる。配線S1(i)には表示データD1が与えられ、及び配線S1(i+1)には表示データD2が与えられる。
【0131】
時刻T52では、配線G1(j)に与えられる走査信号が非選択の状態になる。したがって画素10A(i,j)には表示データD1が保持され、及び画素10A(i+1,j)には表示データD2が保持される。
【0132】
時刻T52では、配線G1(j+1)に与えられる走査信号によって配線G1(j+1)が選択される状態になる。配線S1(i)には表示データD3が与えられ、配線S1(i+1)には表示データD4が与えられる。
【0133】
さらに、時刻T53では、配線G1(j+1)に与えられる走査信号が非選択の状態になる。したがって画素10A(i,j+1)には表示データD3が保持され、及び画素10A(i+1,j+1)には表示データD4が保持される。
【0134】
時刻T54では、配線G3A(k)には、三角波TWが与えられることが好ましい。画素10A(i,j)は、表示データD1に応じた電流を発光素子に与え、発光素子は点灯を始める。なお、発光素子の陽極端子に与えられる三角波TWの電位が、表示データD1に発光素子の閾値電圧LVthを加えた電位DL1より大きくなると発光素子が点灯を開始する。同様に、画素10A(i+1,j)、画素10A(i,j+1)、画素10A(i+1,j+1)のそれぞれは、表示データD2、表示データD3、表示データD4に応じた電流を発光素子に与え、発光素子が点灯を開始する。
【0135】
図5(B)で示すタイミングチャートでは、配線G1(j)、又は配線G1(j+1)に与えられるそれぞれの走査信号に対してそれぞれの配線G3A(k)に三角波TWが与えられる。配線の数を減らすことで、ゲートドライバ23dのコストを抑えることができる。また、点灯期間が選択される複数の行により異なるため、発光素子の点灯時間が分散される。したがって発光素子の点灯による消費電力の集中を分散することができる。
【0136】
以上、本実施の形態で示す構成、方法は、他の実施の形態で示す構成、方法と適宜組み合わせて用いることができる。
【0137】
(実施の形態3)
本実施の形態では、先の実施の形態で例示した表示装置の一例について、詳細を説明する。
【0138】
<構成例>
図7(A)に、表示装置700の上面図を示す。表示装置700は、シール材712により貼り合された第1の基板701と第2の基板705を有する。また第1の基板701、第2の基板705、及びシール材712で封止される領域において、第1の基板701上に画素部702、ソースドライバ回路部704、及びゲートドライバ回路部706が設けられる。また画素部702には、複数の表示素子が設けられる。
【0139】
また、第1の基板701の第2の基板705と重ならない部分に、FPC716(FPC:Flexible printed circuit)が接続されるFPC端子部708が設けられている。FPC716によって、FPC端子部708及び信号線710を介して、画素部702、ソースドライバ回路部704、及びゲートドライバ回路部706のそれぞれに各種信号等が供給される。
【0140】
ゲートドライバ回路部706は、複数設けられていてもよい。また、ゲートドライバ回路部706及びソースドライバ回路部704は、それぞれ半導体基板等に別途形成され、パッケージされたICチップの形態であってもよい。当該ICチップは、第1の基板701上、又はFPC716に実装できる。
【0141】
画素部702、ソースドライバ回路部704及びゲートドライバ回路部706が有するトランジスタの構成は特に限定されない。トランジスタの半導体層として、単結晶半導体、多結晶半導体、微結晶半導体、又は非晶質半導体などを、単体で又は組み合わせて用いることができる。半導体材料としては、例えば、シリコンや、ゲルマニウムなどを用いることができる。また、シリコンゲルマニウム、炭化シリコン、ガリウムヒ素、酸化物半導体、窒化物半導体などの化合物半導体や、有機半導体などを用いることができる。
【0142】
半導体層として有機物半導体を用いる場合は、芳香環をもつ低分子有機材料やπ電子共役系導電性高分子などを用いることができる。例えば、ルブレン、テトラセン、ペンタセン、ペリレンジイミド、テトラシアノキノジメタン、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリパラフェニレンビニレンなどを用いることができる。
【0143】
本実施の形態で用いるトランジスタは、高純度化し、酸素欠損の形成を抑制した酸化物半導体膜を有すると好ましい。該トランジスタは、オフ電流を低くできる。よって、画像信号等の電気信号の保持時間を長くできる。よって、リフレッシュ動作の頻度を少なくできるため、消費電力を低減する効果を奏する。
【0144】
また、本実施の形態で用いるトランジスタは、比較的高い電界効果移動度が得られるため、高速駆動が可能である。例えば、このような高速駆動が可能なトランジスタを表示装置に用いることで、画素部のスイッチングトランジスタと、駆動回路部に使用するドライバトランジスタを同一基板上に形成できる。すなわち、シリコンウェハ等により形成された駆動回路を適用しない構成も可能であり、半導体装置の部品点数を削減することができる。また、画素部においても、高速駆動が可能なトランジスタを用いることで、高画質な画像を提供することができる。
【0145】
図7(B)に示す表示装置700Aは、第1の基板701に換えて、可撓性を有する樹脂層743が適用され、フレキシブルディスプレイとして用いることのできる表示装置の例である。
【0146】
表示装置700Aは、画素部702が矩形形状でなく、角部が円弧状の形状を有している。また、
図7(B)中の領域P1に示すように、画素部702、及び樹脂層743の一部が切りかかれた切欠き部を有する。一対のゲートドライバ回路部706は、画素部702を挟んで両側に設けられる。またゲートドライバ回路部706は、画素部702の角部において、円弧状の輪郭に沿って設けられている。
【0147】
樹脂層743は、FPC端子部708が設けられる部分が突出した形状を有している。また樹脂層743のFPC端子部708を含む一部は、
図7(B)中の領域P2で裏側に折り返すことができる。樹脂層743の一部を折り返すことで、FPC716を画素部702の裏側に重ねて配置した状態で、表示装置700Aを電気機器に実装することができ、電子機器の省スペース化を図ることができる。
【0148】
また表示装置700Aに接続されるFPC716には、IC717が実装されている。IC717は、例えばソースドライバ回路としての機能を有する。このとき、表示装置700Aにおけるソースドライバ回路部704は、保護回路、バッファ回路、デマルチプレクサ回路等の少なくとも一を含む構成とすることができる。
【0149】
図7(C)に示す表示装置700Bは、大型の画面を有する電子機器に好適に用いることのできる表示装置である。例えばテレビジョン装置、モニタ装置、パーソナルコンピュータ(ノート型又はデスクトップ型を含む)、タブレット端末、デジタルサイネージなどに好適に用いることができる。
【0150】
表示装置700Bは、複数のソースドライバIC721と、一対のゲートドライバ回路部722を有する。
【0151】
複数のソースドライバIC721は、それぞれFPC723に取り付けられている。また、複数のFPC723は、一方の端子が基板701に、他方の端子がプリント基板724にそれぞれ接続されている。FPC723を折り曲げることで、プリント基板724を画素部702の裏側に配置して、電気機器に実装することができ、電子機器の省スペース化を図ることができる。
【0152】
一方、ゲートドライバ回路部722は、基板701上に形成されている。これにより、狭額縁の電子機器を実現できる。
【0153】
このような構成とすることで、大型で且つ高解像度の表示装置を実現できる。例えば画面サイズが対角30インチ以上、40インチ以上、50インチ以上、又は60インチ以上の表示装置にも適用できる。また、解像度が4K2K、又は8K4Kなどといった極めて高解像度の表示装置を実現できる。
【0154】
<断面構成例1>
図8は、
図7(A)に示す一点鎖線Q-Rにおける断面図である。
【0155】
図8に示す表示装置は、引き回し配線部711と、画素部702と、ソースドライバ回路部704と、FPC端子部708と、を有する。引き回し配線部711は、信号線710を有する。画素部702は、トランジスタ750及び容量素子790を有する。ソースドライバ回路部704は、トランジスタ752を有する。
【0156】
図8に示す容量素子790は、トランジスタ750が有する第1のゲート電極と同一の膜を加工して形成される下部電極と、半導体層と同一の金属酸化物を加工して形成される上部電極と、を有する。上部電極は、トランジスタ750のソース領域及びドレイン領域と同様に低抵抗化されている。また、下部電極と上部電極との間には、トランジスタ750の第1のゲート絶縁層として機能する絶縁膜の一部が設けられる。すなわち、容量素子790は、一対の電極間に誘電体膜として機能する絶縁膜が挟持された積層型の構造である。また、上部電極には、トランジスタのソース電極及びドレイン電極と同一の膜を加工して得られる配線が接続されている。
【0157】
また、トランジスタ750、トランジスタ752、及び容量素子790上には平坦化の機能を有する絶縁層770が設けられている。当該絶縁層770により、当該絶縁層770上に設けられる導電層772及び導電層774の上面を平坦にすることができる。導電層772及び導電層774が同一面上に位置し、また導電層772及び導電層774の上面が平坦であることにより、導電層772及び導電層774と、発光素子782とが容易に電気的に接続することができる。
【0158】
ここで、発光素子782について説明する。一例として、発光素子782が異なる複数の色相の光を射出できることが好ましい。又は、異なる単色の光を射出する発光素子782を複数組み合わせることができる。又は、第2の基板705側には、遮光層を設ける構成としてもよい。遮光層を設けることで視野角を限定することができる。又は、第2の基板705側には、遮光層と、着色層と、を設けることもできる。なお、第2の基板705側に遮光層と、着色層とを設けることで、白色の光を射出する発光素子782を用いることができる。
【0159】
画素部702が有するトランジスタ750と、ソースドライバ回路部704が有するトランジスタ752とは、異なる構造のトランジスタを用いてもよい。例えば、いずれか一方にトップゲート型のトランジスタを適用し、他方にボトムゲート型のトランジスタを適用した構成としてもよい。なお、上記ゲートドライバ回路部706についてもソースドライバ回路部704と同様である。
【0160】
信号線710は、トランジスタ750、752のソース電極及びドレイン電極等と同じ導電膜で形成されている。このとき、銅元素を含む材料等の低抵抗な材料を用いると、配線抵抗に起因する信号遅延等が少なく、大画面での表示が可能となるため好ましい。
【0161】
FPC端子部708は、一部が接続電極として機能する配線760、異方性導電膜780、及びFPC716を有する。配線760は、異方性導電膜780を介してFPC716が有する端子と電気的に接続される。ここでは、配線760は、トランジスタ750、752のソース電極及びドレイン電極等と同じ導電膜で形成されている。
【0162】
第1の基板701及び第2の基板705としては、例えばガラス基板、又はプラスチック基板等の可撓性を有する基板を用いることができる。第1の基板701に可撓性を有する基板を用いる場合には、第1の基板701とトランジスタ750等との間に、水や水素に対するバリア性を有する絶縁層を設けることが好ましい。
【0163】
続いて、
図8に示した表示装置700の作製方法の一例について、説明する。
図9乃至
図11に示す各図は、表示装置700の作製方法に係る、工程の各段階における断面概略図である。
【0164】
なお、表示装置を構成する薄膜(絶縁膜、半導体膜、導電膜等)は、スパッタリング法、化学気相堆積(CVD:Chemical Vapor Deposition)法、真空蒸着法、パルスレーザー堆積(PLD:Pulsed Laser Deposition)法、原子層堆積(ALD:Atomic Layer Deposition)法等を用いて形成できる。CVD法としては、プラズマ化学気相堆積(PECVD)法や、熱CVD法でもよい。熱CVD法の例として、有機金属化学気相堆積(MOCVD:Metal Organic CVD)法を使ってもよい。
【0165】
また、表示装置を構成する薄膜(絶縁膜、半導体膜、導電膜等)は、スピンコート、ディップ、スプレー塗布、インクジェット、ディスペンス、スクリーン印刷、オフセット印刷等の方法、ドクターナイフ、スリットコート、ロールコート、カーテンコート、ナイフコート等のツール(設備)により形成できる。
【0166】
また、表示装置を構成する薄膜を加工する際には、フォトリソグラフィ法等を用いて加工できる。又は、遮蔽マスクを用いた成膜方法により、島状の薄膜を形成してもよい。又は、ナノインプリント法、サンドブラスト法、リフトオフ法などにより薄膜を加工してもよい。フォトリソグラフィ法としては、例えば以下の2つの方法がある。1つは、加工したい薄膜上に感光性のレジスト材料を塗布し、フォトマスクを介して露光した後、現像することによりレジストマスクを形成して、エッチング等により当該薄膜を加工し、レジストマスクを除去する方法である。もう1つは、感光性を有する薄膜を成膜した後に、露光、現像を行って、当該薄膜を所望の形状に加工する方法である。
【0167】
フォトリソグラフィ法において、露光に用いる光は、例えばi線(波長365nm)、g線(波長436nm)、h線(波長405nm)、又はこれらを混合させた光を用いることができる。そのほか、紫外線やKrFレーザ光、又はArFレーザ光等を用いることもできる。また、液浸露光技術により露光を行ってもよい。また、露光に用いる光として、極端紫外光(EUV:Extreme Ultra-violet)やX線を用いてもよい。また、露光に用いる光に換えて、電子ビームを用いることもできる。極端紫外光、X線又は電子ビームを用いると、極めて微細な加工が可能となるため好ましい。なお、電子ビームなどのビームを走査することにより露光を行う場合には、フォトマスクは不要である。
【0168】
薄膜のエッチングには、ドライエッチング法、ウェットエッチング法、サンドブラスト法などを用いることができる。
【0169】
〈トランジスタ等の形成〉
まず、基板701上に導電層301、導電層303及び導電層305を形成する。導電層301、導電層303及び導電層305は、導電膜を成膜した後、レジストマスクを形成し、当該導電膜をエッチングした後にレジストマスクを除去することにより形成できる。
【0170】
続いて、基板701、導電層301、導電層303及び導電層305を覆って絶縁層311を形成する。
【0171】
続いて、半導体層321、半導体層323及び半導体層325を形成する(
図9(A))。半導体層321、半導体層323及び半導体層325は、半導体膜を成膜した後、レジストマスクを形成し、当該半導体膜をエッチングした後にレジストマスクを除去することにより形成できる。
【0172】
続いて、絶縁層331、導電層341、導電層351、絶縁層333、導電層343及び導電層353を形成する。絶縁層331及び絶縁層333となる絶縁膜、導電層341及び導電層343となる導電膜、導電層351及び導電層353となる導電膜を形成した後、レジストマスクを形成し、当該絶縁膜及び導電膜をエッチングした後にレジストマスクを除去することにより形成できる。
【0173】
続いて、絶縁層361及び絶縁層363を形成する(
図9(B))。
【0174】
続いて、絶縁層361及び絶縁層363に開口を形成し、導電層371、導電層373a、導電層373b、導電層375、導電層377及び配線760を形成する。導電層371、導電層373a、導電層373b、導電層375、導電層377及び配線760は、導電層301等と同様の方法により形成できる。
【0175】
以上の工程により、信号線710、トランジスタ750、容量素子790及びトランジスタ752を形成できる(
図9(C))。続いて、絶縁層379を形成する。絶縁層379はトランジスタ750等の保護膜としての機能を有する。
【0176】
〈絶縁層770の形成〉
続いて、絶縁層770を形成する。絶縁層770に感光性の材料を用いることで、フォトリソグラフィ法等により開口を形成できる。なお絶縁層770として、絶縁膜を成膜した後に、レジストマスクを用いて絶縁膜の一部をエッチングして開口を形成してもよい。絶縁層770は、有機絶縁材料を用いると、その上面の平坦性を高めることができるため好ましい。
【0177】
また、絶縁層770として、無機絶縁膜を用いてもよい。絶縁層770として、窒化シリコン、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、又は窒化酸化アルミニウムなどの無機絶縁材料の層を、単層で、又は積層して用いることができる。これにより、絶縁層770はトランジスタ750等の保護層として機能する。
【0178】
また、絶縁層770を、無機絶縁膜と有機絶縁膜の積層構造としてもよい。
【0179】
続いて、FPC端子部708の配線760上の絶縁層379の一部を除去し、配線760を露出させる。
【0180】
〈導電層772、導電層774の形成〉
続いて、絶縁層770上に導電層772及び導電層774を形成する(
図10(A))。導電層772は、絶縁層770が有する開口を介してトランジスタ750と電気的に接続される。導電層772及び導電層774は、導電層301等と同様の方法により形成できる。導電層772及び導電層774は、可視光に対して反射性の材料を用いると好ましい。例えば、導電層772及び導電層774として、銀、パラジウム及び銅の合金(APCともいう)、アルミニウム、チタン、銅等を含む材料を用いることができる。
【0181】
続いて、導電層772上及び導電層774上にそれぞれ、導電性のバンプ791及びバンプ793を形成する(
図10(B))。バンプ791及びバンプ793として、金、銀、錫などの金属、これらの金属を有する合金、導電性樹脂などの異方導電性フィルム、導電性ペーストを用いることができる。バンプ791及びバンプ793として、例えば、金を好適に用いることができる。バンプ791及びバンプ793の形成には、印刷法、転写法、吐出法等を用いることができる。
【0182】
〈発光素子782の配置〉
続いて、発光素子782を、バンプ791及びバンプ793上に配置する。配置の際、発光素子782の陰極側の電極と、陽極側の電極がそれぞれバンプ791及びバンプ793と接するように発光素子782を配置する。バンプ791、バンプ793、発光素子782、導電層772及び導電層774が圧接され、導電層772及び導電層774上に発光素子782が固定される。それとともに、導電層772及び導電層774と、発光素子782とが電気的に接続される(
図11)。
【0183】
発光素子782の配置には、ピックアンドプレイス装置を用いることができる。又は、発光素子782の配置に、FSA(Fluidic Self Assembly)方式を用いてもよい。FSA方式では、導電層772上及び導電層774と重なる領域に、発光素子782と適合する凹状の絶縁層を形成し、液体中で凹部に発光素子782を自己整合的に配置させる。
【0184】
〈基板701と基板705の貼り合せ〉
続いて、基板701と基板705のいずれか一方、又は両方に、これらを接着する接着層を形成する。接着層は、画素が配置されている領域を囲むように形成する。接着層は、例えばスクリーン印刷法や、ディスペンス法等により形成できる。接着層としては、熱硬化性樹脂や紫外線硬化樹脂等を用いることができる。また、紫外線により仮硬化した後に、熱を加えることにより硬化する樹脂などを用いてもよい。又は、接着層として、紫外線硬化性と熱硬化性の両方を有する樹脂などを用いてもよい。
【0185】
続いて、基板701と基板705とを貼り合せ、接着層を硬化して封止膜732を形成する。貼り合せは、減圧雰囲気下で行うと基板701と基板705の間に気泡等が混入することを防ぐことができるため好ましい。
【0186】
続いて、配線760上に異方性導電膜780を設ける。異方性導電膜780上にFPC716を配置して熱圧着することにより、配線760とFPC716とを電気的に接続させる。
【0187】
以上の工程により、表示装置700を形成できる(
図8)。
【0188】
以上、本実施の形態で示す構成、方法は、他の実施の形態で示す構成、方法と適宜組み合わせて用いることができる。
【0189】
(実施の形態4)
本実施の形態では、先の実施の形態に示した表示装置に用いることができるトランジスタの一例について、説明する。
【0190】
本発明の一態様の表示装置は、ボトムゲート型のトランジスタや、トップゲート型トランジスタなどの様々な形態のトランジスタを用いて作製することができる。よって、既存の製造ラインに合わせて、使用する半導体層の材料やトランジスタ構造を容易に置き換えることができる。
【0191】
<ボトムゲート型トランジスタ>
図12(A1)は、ボトムゲート型のトランジスタの一種であるチャネル保護型のトランジスタ1810のチャネル長方向の断面図である。
図12(A1)において、トランジスタ1810は基板1771上に形成されている。また、トランジスタ1810は、基板1771上に絶縁層1772を介して電極1746を有する。また、電極1746上に絶縁層1726を介して半導体層1742を有する。電極1746はゲート電極として機能できる。絶縁層1726はゲート絶縁層として機能できる。
【0192】
また、半導体層1742のチャネル形成領域上に絶縁層1741を有する。また、半導体層1742の一部と接して、絶縁層1726上に電極1744a及び電極1744bを有する。電極1744aは、ソース電極又はドレイン電極の一方として機能できる。電極1744bは、ソース電極又はドレイン電極の他方として機能できる。電極1744aの一部、及び電極1744bの一部は、絶縁層1741上に形成される。
【0193】
絶縁層1741は、チャネル保護層として機能できる。チャネル形成領域上に絶縁層1741を設けることで、電極1744a及び電極1744bの形成時に生じる半導体層1742の露出を防ぐことができる。よって、電極1744a及び電極1744bの形成時に、半導体層1742のチャネル形成領域がエッチングされることを防ぐことができる。本発明の一態様によれば、電気特性の良好なトランジスタを実現することができる。
【0194】
また、トランジスタ1810は、電極1744a、電極1744b及び絶縁層1741上に絶縁層1728を有し、絶縁層1728の上に絶縁層1729を有する。
【0195】
半導体層1742に酸化物半導体を用いる場合、電極1744a及び電極1744bの、少なくとも半導体層1742と接する部分に、半導体層1742の一部から酸素を奪い、酸素欠損を生じさせることが可能な材料を用いることが好ましい。半導体層1742中の酸素欠損が生じた領域はキャリア濃度が増加し、当該領域はn型化し、n型領域(n+層)となる。したがって、当該領域はソース領域又はドレイン領域として機能することができる。半導体層1742に酸化物半導体を用いる場合、半導体層1742から酸素を奪い、酸素欠損を生じさせることが可能な材料の一例として、タングステン、チタン等を挙げることができる。
【0196】
半導体層1742にソース領域及びドレイン領域が形成されることにより、電極1744a及び電極1744bと半導体層1742の接触抵抗を低減することができる。よって、電界効果移動度や、しきい値電圧などの、トランジスタの電気特性を良好なものとすることができる。
【0197】
半導体層1742にシリコンなどの半導体を用いる場合は、半導体層1742と電極1744aの間、及び半導体層1742と電極1744bの間に、n型半導体又はp型半導体として機能する層を設けることが好ましい。n型半導体又はp型半導体として機能する層は、トランジスタのソース領域又はドレイン領域として機能することができる。
【0198】
絶縁層1729は、外部からのトランジスタへの不純物の拡散を防ぐ、又は低減する機能を有する材料を用いて形成することが好ましい。なお、必要に応じて絶縁層1729を省略することもできる。
【0199】
図12(A2)に示すトランジスタ1811は、絶縁層1729上にバックゲート電極として機能できる電極1723を有する点が、トランジスタ1810と異なる。電極1723は、電極1746と同様の材料及び方法で形成できる。
【0200】
一般に、バックゲート電極は導電層で形成され、ゲート電極とバックゲート電極で半導体層のチャネル形成領域を挟むように配置される。よって、バックゲート電極は、ゲート電極と同様に機能させることができる。バックゲート電極の電位は、ゲート電極と同電位としてもよいし、接地電位(GND電位)や、任意の電位としてもよい。また、バックゲート電極の電位をゲート電極と連動させず独立して変化させることで、トランジスタのしきい値電圧を変化させることができる。
【0201】
また、電極1746及び電極1723は、どちらもゲート電極として機能することができる。よって、絶縁層1726、絶縁層1728、及び絶縁層1729は、それぞれがゲート絶縁層として機能することができる。なお、電極1723は、絶縁層1728と絶縁層1729の間に設けてもよい。
【0202】
なお、電極1746又は電極1723の一方を、「ゲート電極」という場合、他方を「バックゲート電極」という。例えば、トランジスタ1811において、電極1723を「ゲート電極」と言う場合、電極1746を「バックゲート電極」と言う。また、電極1723を「ゲート電極」として用いる場合は、トランジスタ1811をトップゲート型のトランジスタの一種と考えることができる。また、電極1746及び電極1723のどちらか一方を、「第1のゲート電極」といい、他方を「第2のゲート電極」という場合がある。
【0203】
半導体層1742を挟んで電極1746及び電極1723を設けることで、更には、電極1746及び電極1723を同電位とすることで、半導体層1742においてキャリアの流れる領域が膜厚方向においてより大きくなるため、キャリアの移動量が増加する。この結果、トランジスタ1811のオン電流が大きくなると共に、電界効果移動度が高くなる。
【0204】
したがって、トランジスタ1811は、占有面積に対して大きいオン電流を有するトランジスタである。すなわち、求められるオン電流に対して、トランジスタ1811の占有面積を小さくすることができる。本発明の一態様によれば、トランジスタの占有面積を小さくすることができる。よって、本発明の一態様によれば、集積度の高い半導体装置を実現することができる。
【0205】
また、ゲート電極とバックゲート電極は導電層で形成されるため、トランジスタの外部で生じる電界が、チャネルが形成される半導体層に作用しないようにする機能(特に静電気などに対する電界遮蔽機能)を有する。なお、バックゲート電極を半導体層よりも大きく形成し、バックゲート電極で半導体層を覆うことで、電界遮蔽機能を高めることができる。
【0206】
また、バックゲート電極を、遮光性を有する導電膜で形成することで、バックゲート電極側から半導体層に光が入射することを防ぐことができる。よって、半導体層の光劣化を防ぎ、トランジスタのしきい値電圧がシフトするなどの電気特性の劣化を防ぐことができる。
【0207】
本発明の一態様によれば、信頼性の良好なトランジスタを実現することができる。また、信頼性の良好な半導体装置を実現することができる。
【0208】
図12(B1)は、
図12(A1)とは異なる構成のチャネル保護型のトランジスタ1820のチャネル長方向の断面図である。トランジスタ1820は、トランジスタ1810とほぼ同様の構造を有しているが、絶縁層1741が半導体層1742の端部を覆っている点が異なる。また、半導体層1742と重なる絶縁層1729の一部を選択的に除去して形成した開口部において、半導体層1742と電極1744aが電気的に接続している。また、半導体層1742と重なる絶縁層1729の一部を選択的に除去して形成した他の開口部において、半導体層1742と電極1744bが電気的に接続している。絶縁層1729の、チャネル形成領域と重なる領域は、チャネル保護層として機能できる。
【0209】
図12(B2)に示すトランジスタ1821は、絶縁層1729上にバックゲート電極として機能できる電極1723を有する点が、トランジスタ1820と異なる。
【0210】
絶縁層1741を設けることで、電極1744a及び電極1744bの形成時に生じる半導体層1742の露出を防ぐことができる。よって、電極1744a及び電極1744bの形成時に半導体層1742の薄膜化を防ぐことができる。
【0211】
また、トランジスタ1820及びトランジスタ1821は、トランジスタ1810及びトランジスタ1811よりも、電極1744aと電極1746の間の距離と、電極1744bと電極1746の間の距離が長くなる。よって、電極1744aと電極1746の間に生じる寄生容量を小さくすることができる。また、電極1744bと電極1746の間に生じる寄生容量を小さくすることができる。本発明の一態様によれば、電気特性の良好なトランジスタを実現できる。
【0212】
図12(C1)に示すトランジスタ1825は、ボトムゲート型のトランジスタの1つであるチャネルエッチング型のトランジスタ1825のチャネル長方向の断面図である。トランジスタ1825は、絶縁層1741を用いずに電極1744a及び電極1744bを形成する。このため、電極1744a及び電極1744bの形成時に露出する半導体層1742の一部がエッチングされる場合がある。一方、絶縁層1741を設けないため、トランジスタの生産性を高めることができる。
【0213】
図12(C2)に示すトランジスタ1826は、絶縁層1729上にバックゲート電極として機能できる電極1723を有する点が、トランジスタ1825と異なる。
【0214】
図13(A1)乃至
図13(C2)にトランジスタ1810、1811、1820、1821、1825、1826のチャネル幅方向の断面図をそれぞれ示す。
【0215】
図13(B2)、
図13(C2)に示す構造では、ゲート電極とバックゲート電極とが接続され、ゲート電極とバックゲート電極との電位が同電位となる。また、半導体層1742は、ゲート電極とバックゲート電極と挟まれている。
【0216】
ゲート電極及びバックゲート電極のそれぞれのチャネル幅方向の長さは、半導体層1742のチャネル幅方向の長さよりも長く、半導体層1742のチャネル幅方向全体は、絶縁層1726、1741、1728、1729を間に挟んでゲート電極又はバックゲート電極に覆われた構成である。
【0217】
当該構成とすることで、トランジスタに含まれる半導体層1742を、ゲート電極及びバックゲート電極の電界によって電気的に取り囲むことができる。
【0218】
トランジスタ1821又はトランジスタ1826のように、ゲート電極及びバックゲート電極の電界によって、チャネル形成領域が形成される半導体層1742を電気的に取り囲むトランジスタのデバイス構造をSurrounded channel(S-channel)構造と呼ぶことができる。
【0219】
S-channel構造とすることで、ゲート電極及びバックゲート電極の一方又は双方によってチャネルを誘起させるための電界を効果的に半導体層1742に印加することができるため、トランジスタの電流駆動能力が向上し、高いオン電流特性を得ることが可能となる。また、オン電流を高くすることが可能であるため、トランジスタを微細化することが可能となる。また、S-channel構造とすることで、トランジスタの機械的強度を高めることができる。
【0220】
<トップゲート型トランジスタ>
図14(A1)に例示するトランジスタ1842は、トップゲート型のトランジスタの1つである。トランジスタ1842は、絶縁層1729を形成した後に電極1744a及び電極1744bを形成する点がトランジスタ1810やトランジスタ1820と異なる。電極1744a及び電極1744bは、絶縁層1728及び絶縁層1729に形成した開口部において半導体層1742と電気的に接続する。
【0221】
また、電極1746と重ならない絶縁層1726の一部を除去し、電極1746と残りの絶縁層1726をマスクとして用いて不純物755を半導体層1742に導入することで、半導体層1742中に自己整合(セルフアライメント)的に不純物領域を形成できる。トランジスタ1842は、絶縁層1726が電極1746の端部を越えて延伸する領域を有する。半導体層1742の絶縁層1726を介して不純物755が導入された領域の不純物濃度は、絶縁層1726を介さずに不純物755が導入された領域よりも小さくなる。よって、半導体層1742は、電極1746と重ならない領域にLDD(Lightly Doped Drain)領域が形成される。
【0222】
図14(A2)に示すトランジスタ1843は、電極1723を有する点がトランジスタ1842と異なる。トランジスタ1843は、基板1771の上に形成された電極1723を有する。電極1723は、絶縁層1772を介して半導体層1742と重なる領域を有する。電極1723は、バックゲート電極として機能することができる。
【0223】
また、
図14(B1)に示すトランジスタ1844及び
図14(B2)に示すトランジスタ1845のように、電極1746と重ならない領域の絶縁層1726を全て除去してもよい。また、
図14(C1)に示すトランジスタ1846及び
図14(C2)に示すトランジスタ1847のように、絶縁層1726を残してもよい。
【0224】
トランジスタ1842乃至トランジスタ1847も、電極1746を形成した後に、電極1746をマスクとして用いて不純物755を半導体層1742に導入することで、半導体層1742中に自己整合的に不純物領域を形成できる。本発明の一態様によれば、電気特性の良好なトランジスタを実現することができる。また、本発明の一態様によれば、集積度の高い半導体装置を実現することができる。
【0225】
図15(A1)乃至
図15(C2)にトランジスタ1842、1843、1844、1845、1846、1847のチャネル幅方向の断面図をそれぞれ示す。
【0226】
トランジスタ1843、トランジスタ1845、及びトランジスタ1847は、それぞれ先に説明したS-channel構造である。ただし、これに限定されず、トランジスタ1843、トランジスタ1845、及びトランジスタ1847をS-channel構造としなくてもよい。
【0227】
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
【0228】
(実施の形態5)
本実施の形態では、本発明の一態様の情報処理装置の構成について、
図16及び
図17を参照しながら説明する。
【0229】
図16及び
図17は、本発明の一態様の情報処理装置の構成を説明する図である。
図16(A)は情報処理装置のブロック図であり、
図16(B)乃至
図16(E)は情報処理装置の構成を説明する斜視図である。また、
図17(A)乃至
図17(E)は情報処理装置の構成を説明する斜視図である。
【0230】
<情報処理装置>
本実施の形態で説明する情報処理装置5200Bは、演算装置5210と、入出力装置5220と、を有する(
図16(A)参照)。
【0231】
演算装置5210は、操作情報を供給される機能を備え、操作情報に基づいて画像情報を供給する機能を備える。
【0232】
入出力装置5220は、表示部5230、入力部5240、検知部5250、通信部5290、操作情報を供給する機能及び画像情報を供給される機能を備える。また、入出力装置5220は、検知情報を供給する機能、通信情報を供給する機能及び通信情報を供給される機能を備える。
【0233】
入力部5240は操作情報を供給する機能を備える。例えば、入力部5240は、情報処理装置5200Bの使用者の操作に基づいて操作情報を供給する。
【0234】
具体的には、キーボード、ハードウェアボタン、ポインティングデバイス、タッチセンサ、照度センサ、撮像装置、音声入力装置、視線入力装置、姿勢検出装置などを、入力部5240に用いることができる。
【0235】
表示部5230は表示パネル及び画像情報を表示する機能を備える。例えば、先の実施の形態に示す表示装置を表示部5230に用いることができる。
【0236】
検知部5250は検知情報を供給する機能を備える。例えば、情報処理装置が使用されている周辺の環境を検知して、検知情報として供給する機能を備える。
【0237】
具体的には、照度センサ、撮像装置、姿勢検出装置、圧力センサ、人感センサなどを検知部5250に用いることができる。
【0238】
通信部5290は通信情報を供給される機能及び供給する機能を備える。例えば、無線通信又は有線通信により、他の電子機器又は通信網と接続する機能を備える。具体的には、無線構内通信、電話通信、近距離無線通信などの機能を備える。
【0239】
<情報処理装置の構成例1>
例えば、円筒状の柱などに沿った外形を表示部5230に適用することができる(
図16(B)参照)。また、使用環境の照度に応じて、表示方法を変更する機能を備える。また、人の存在を検知して、表示内容を変更する機能を備える。これにより、例えば、建物の柱に設置することができる。又は、広告又は案内等を表示することができる。又は、デジタルサイネージ等に用いることができる。
【0240】
<情報処理装置の構成例2>
例えば、使用者が使用するポインタの軌跡に基づいて画像情報を生成する機能を備える(
図16(C)参照)。具体的には、対角線の長さが20インチ以上、好ましくは40インチ以上、より好ましくは55インチ以上の表示パネルを用いることができる。又は、複数の表示パネルを並べて1つの表示領域に用いることができる。又は、複数の表示パネルを並べてマルチスクリーンに用いることができる。これにより、例えば、電子黒板、電子掲示板、電子看板等に用いることができる。
【0241】
<情報処理装置の構成例3>
例えば、使用環境の照度に応じて、表示方法を変更する機能を備える(
図16(D)参照)。これにより、例えば、スマートウオッチの消費電力を低減することができる。又は、例えば、晴天の屋外等の外光の強い環境においても好適に使用できるように、画像をスマートウオッチに表示することができる。
【0242】
<情報処理装置の構成例4>
表示部5230は、例えば、筐体の側面に沿って緩やかに曲がる曲面を備える(
図16(E)参照)。又は、表示部5230は表示パネルを備え、表示パネルは、例えば、前面、側面及び上面に表示する機能を備える。これにより、例えば、携帯電話の前面だけでなく、側面及び上面に画像情報を表示することができる。
【0243】
<情報処理装置の構成例5>
例えば、使用環境の照度に応じて、表示方法を変更する機能を備える(
図17(A)参照)。これにより、スマートフォンの消費電力を低減することができる。又は、例えば、晴天の屋外等の外光の強い環境においても好適に使用できるように、画像をスマートフォンに表示することができる。
【0244】
<情報処理装置の構成例6>
例えば、使用環境の照度に応じて、表示方法を変更する機能を備える(
図17(B)参照)。これにより、晴天の日に屋内に差し込む強い外光が当たっても好適に使用できるように、映像をテレビジョンシステムに表示することができる。
【0245】
<情報処理装置の構成例7>
例えば、使用環境の照度に応じて、表示方法を変更する機能を備える(
図17(C)参照)。これにより、例えば、晴天の屋外等の外光の強い環境においても好適に使用できるように、画像をタブレットコンピュータに表示することができる。
【0246】
<情報処理装置の構成例8>
例えば、使用環境の照度に応じて、表示方法を変更する機能を備える(
図17(D)参照)。これにより、例えば、晴天の屋外等の外光の強い環境においても好適に閲覧できるように、被写体をデジタルカメラに表示することができる。
【0247】
<情報処理装置の構成例9>
例えば、使用環境の照度に応じて、表示方法を変更する機能を備える(
図17(E)参照)。これにより、例えば、晴天の屋外等の外光の強い環境においても好適に使用できるように、画像をパーソナルコンピュータに表示することができる。
【0248】
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組み合わせて実施できる。
【0249】
(実施の形態6)
本実施の形態では、トランジスタのチャネル形成領域に好適に用いることができる金属酸化物について説明する。
【0250】
トランジスタに用いる半導体材料としては、エネルギーギャップが2eV以上、好ましくは2.5eV以上、より好ましくは3eV以上である金属酸化物を用いることができる。代表的には、インジウムを含む金属酸化物などであり、例えば、後述するCAC-OSなどを用いることができる。
【0251】
シリコンよりもバンドギャップが広く、且つキャリア密度の小さい金属酸化物を用いたトランジスタは、その低いオフ電流により、トランジスタと直列に接続された容量素子に蓄積した電荷を長期間に亘って保持することが可能である。
【0252】
半導体層は、例えばインジウム、亜鉛及びM(アルミニウム、チタン、ガリウム、ゲルマニウム、イットリウム、ジルコニウム、ランタン、セリウム、スズ、ネオジム又はハフニウム等の金属)を含むIn-M-Zn系酸化物で表記される膜とすることができる。
【0253】
半導体層を構成する金属酸化物がIn-M-Zn系酸化物の場合、In-M-Zn酸化物を成膜するために用いるスパッタリングターゲットの金属元素の原子数比は、In≧M、Zn≧Mを満たすことが好ましい。このようなスパッタリングターゲットの金属元素の原子数比として、In:M:Zn=1:1:1、In:M:Zn=1:1:1.2、In:M:Zn=3:1:2、In:M:Zn=4:2:3、In:M:Zn=4:2:4.1、In:M:Zn=5:1:6、In:M:Zn=5:1:7、In:M:Zn=5:1:8等が好ましい。なお、成膜される半導体層の原子数比はそれぞれ、上記のスパッタリングターゲットに含まれる金属元素の原子数比のプラスマイナス40%の変動を含む。
【0254】
半導体層としては、キャリア密度の低い金属酸化物膜を用いる。例えば、半導体層は、キャリア密度が1×1017/cm3以下、好ましくは1×1015/cm3以下、さらに好ましくは1×1013/cm3以下、より好ましくは1×1011/cm3以下、さらに好ましくは1×1010/cm3未満であり、1×10-9/cm3以上のキャリア密度の金属酸化物を用いることができる。そのような金属酸化物を、高純度真性又は実質的に高純度真性な金属酸化物と呼ぶ。当該酸化物半導体は、欠陥準位密度が低く、安定な特性を有する金属酸化物であるといえる。
【0255】
なお、これらに限られず、必要とするトランジスタの半導体特性及び電気特性(電界効果移動度、しきい値電圧等)に応じて適切な組成の酸化物半導体を用いればよい。また、必要とするトランジスタの半導体特性を得るために、半導体層のキャリア密度や不純物濃度、欠陥密度、金属元素と酸素の原子数比、原子間距離、密度等を適切なものとすることが好ましい。
【0256】
半導体層を構成する金属酸化物において、第14族元素の一つであるシリコンや炭素が含まれると、半導体層において酸素欠損が増加し、n型化してしまう。このため、半導体層におけるシリコンや炭素の濃度(二次イオン質量分析法により得られる濃度)を、2×1018atoms/cm3以下、好ましくは2×1017atoms/cm3以下とする。
【0257】
また、アルカリ金属及びアルカリ土類金属は、金属酸化物と結合するとキャリアを生成する場合があり、トランジスタのオフ電流が増大してしまうことがある。このため半導体層における二次イオン質量分析法により得られるアルカリ金属又はアルカリ土類金属の濃度を、1×1018atoms/cm3以下、好ましくは2×1016atoms/cm3以下にする。
【0258】
また、半導体層を構成する金属酸化物に窒素が含まれていると、キャリアである電子が生じ、キャリア密度が増加し、n型化しやすい。この結果、窒素が含まれている金属酸化物を用いたトランジスタはノーマリーオン特性となりやすい。このため半導体層における二次イオン質量分析法により得られる窒素濃度は、5×1018atoms/cm3以下にすることが好ましい。
【0259】
酸化物半導体は、単結晶酸化物半導体と、非単結晶酸化物半導体と、に分けられる。非単結晶酸化物半導体としては、CAAC-OS(c-axis-aligned crystalline oxide semiconductor)、多結晶酸化物半導体、nc-OS(nanocrystalline oxide semiconductor)、擬似非晶質酸化物半導体(a-like OS:amorphous-like oxide semiconductor)、及び非晶質酸化物半導体などがある。
【0260】
また、本発明の一態様で開示されるトランジスタの半導体層には、CAC-OS(Cloud-Aligned Composite oxide semiconductor)を用いてもよい。
【0261】
なお、本発明の一態様で開示されるトランジスタの半導体層は、上述した非単結晶酸化物半導体又はCAC-OSを好適に用いることができる。また、非単結晶酸化物半導体としては、nc-OS又はCAAC-OSを好適に用いることができる。
【0262】
なお、本発明の一態様では、トランジスタの半導体層として、CAC-OSを用いると好ましい。CAC-OSを用いることで、トランジスタに高い電気特性又は高い信頼性を付与することができる。
【0263】
なお、半導体層がCAAC-OSの領域、多結晶酸化物半導体の領域、nc-OSの領域、擬似非晶質酸化物半導体の領域、及び非晶質酸化物半導体の領域のうち、二種以上を有する混合膜であってもよい。混合膜は、例えば上述した領域のうち、いずれか二種以上の領域を含む単層構造、又は積層構造を有する場合がある。
【0264】
以下では、本発明の一態様で開示されるトランジスタに用いることができるCAC(Cloud-Aligned Composite)-OSの構成について説明する。
【0265】
CAC-OSとは、例えば、金属酸化物を構成する元素が、0.5nm以上10nm以下、好ましくは、1nm以上2nm以下、又はその近傍のサイズで偏在した材料の一構成である。なお、以下では、金属酸化物において、一つあるいはそれ以上の金属元素が偏在し、該金属元素を有する領域が、0.5nm以上10nm以下、好ましくは、1nm以上2nm以下、又はその近傍のサイズで混合した状態をモザイク状、又はパッチ状ともいう。
【0266】
なお、金属酸化物は、少なくともインジウムを含むことが好ましい。特にインジウム及び亜鉛を含むことが好ましい。また、それらに加えて、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、銅、バナジウム、ベリリウム、ホウ素、シリコン、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、又はマグネシウムなどから選ばれた一種、又は複数種が含まれていてもよい。
【0267】
例えば、In-Ga-Zn酸化物におけるCAC-OS(CAC-OSの中でもIn-Ga-Zn酸化物を、特にCAC-IGZOと呼称してもよい。)とは、インジウム酸化物(以下、InOX1(X1は0よりも大きい実数)とする。)、又はインジウム亜鉛酸化物(以下、InX2ZnY2OZ2(X2、Y2、及びZ2は0よりも大きい実数)とする。)と、ガリウム酸化物(以下、GaOX3(X3は0よりも大きい実数)とする。)、又はガリウム亜鉛酸化物(以下、GaX4ZnY4OZ4(X4、Y4、及びZ4は0よりも大きい実数)とする。)などと、に材料が分離することでモザイク状となり、モザイク状のInOX1、又はInX2ZnY2OZ2が、膜中に均一に分布した構成(以下、クラウド状ともいう。)である。
【0268】
つまり、CAC-OSは、GaOX3が主成分である領域と、InX2ZnY2OZ2、又はInOX1が主成分である領域とが、混合している構成を有する複合金属酸化物である。なお、本明細書において、例えば、第1の領域の元素Mに対するInの原子数比が、第2の領域の元素Mに対するInの原子数比よりも大きいことを、第1の領域は、第2の領域と比較して、Inの濃度が高いとする。
【0269】
なお、IGZOは通称であり、In、Ga、Zn、及びOによる1つの化合物をいう場合がある。代表例として、InGaO3(ZnO)m1(m1は自然数)、又はIn(1+x0)Ga(1-x0)O3(ZnO)m0(-1≦x0≦1、m0は任意数)で表される結晶性の化合物が挙げられる。
【0270】
上記結晶性の化合物は、単結晶構造、多結晶構造、又はCAAC構造を有する。なお、CAAC構造とは、複数のIGZOのナノ結晶がc軸配向を有し、かつa-b面においては配向せずに連結した結晶構造である。
【0271】
一方、CAC-OSは、金属酸化物の材料構成に関する。CAC-OSとは、In、Ga、Zn、及びOを含む材料構成において、一部にGaを主成分とするナノ粒子状に観察される領域と、一部にInを主成分とするナノ粒子状に観察される領域とが、それぞれモザイク状にランダムに分散している構成をいう。従って、CAC-OSにおいて、結晶構造は副次的な要素である。
【0272】
なお、CAC-OSは、組成の異なる二種類以上の膜の積層構造は含まないものとする。例えば、Inを主成分とする膜と、Gaを主成分とする膜との2層からなる構造は、含まない。
【0273】
なお、GaOX3が主成分である領域と、InX2ZnY2OZ2、又はInOX1が主成分である領域とは、明確な境界が観察できない場合がある。
【0274】
なお、ガリウムの代わりに、アルミニウム、イットリウム、銅、バナジウム、ベリリウム、ホウ素、シリコン、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、又はマグネシウムなどから選ばれた一種、又は複数種が含まれている場合、CAC-OSは、一部に該金属元素を主成分とするナノ粒子状に観察される領域と、一部にInを主成分とするナノ粒子状に観察される領域とが、それぞれモザイク状にランダムに分散している構成をいう。
【0275】
CAC-OSは、例えば基板を加熱しない条件で、スパッタリング法により形成することができる。また、CAC-OSをスパッタリング法で形成する場合、成膜ガスとして、不活性ガス(代表的にはアルゴン)、酸素ガス、及び窒素ガスの中から選ばれたいずれか一つ又は複数を用いればよい。また、成膜時の成膜ガスの総流量に対する酸素ガスの流量比は低いほど好ましく、例えば酸素ガスの流量比を0%以上30%未満、好ましくは0%以上10%以下とすることが好ましい。
【0276】
CAC-OSは、X線回折(XRD:X-ray diffraction)測定法のひとつであるOut-of-plane法によるθ/2θスキャンを用いて測定したときに、明確なピークが観察されないという特徴を有する。すなわち、X線回折測定から、測定領域のa-b面方向、及びc軸方向の配向は見られないことが分かる。
【0277】
またCAC-OSは、プローブ径が1nmの電子線(ナノビーム電子線ともいう。)を照射することで得られる電子線回折パターンにおいて、リング状に輝度の高い領域と、該リング領域に複数の輝点が観測される。従って、電子線回折パターンから、CAC-OSの結晶構造が、平面方向、及び断面方向において、配向性を有さないnc(nano-crystal)構造を有することがわかる。
【0278】
また例えば、In-Ga-Zn酸化物におけるCAC-OSでは、エネルギー分散型X線分光法(EDX:Energy Dispersive X-ray spectroscopy)を用いて取得したEDXマッピングにより、GaOX3が主成分である領域と、InX2ZnY2OZ2、又はInOX1が主成分である領域とが、偏在し、混合している構造を有することが確認できる。
【0279】
CAC-OSは、金属元素が均一に分布したIGZO化合物とは異なる構造であり、IGZO化合物と異なる性質を有する。つまり、CAC-OSは、GaOX3などが主成分である領域と、InX2ZnY2OZ2、又はInOX1が主成分である領域と、に互いに相分離し、各元素を主成分とする領域がモザイク状である構造を有する。
【0280】
ここで、InX2ZnY2OZ2、又はInOX1が主成分である領域は、GaOX3などが主成分である領域と比較して、導電性が高い領域である。つまり、InX2ZnY2OZ2、又はInOX1が主成分である領域を、キャリアが流れることにより、金属酸化物としての導電性が発現する。従って、InX2ZnY2OZ2、又はInOX1が主成分である領域が、金属酸化物中にクラウド状に分布することで、高い電界効果移動度(μ)が実現できる。
【0281】
一方、GaOX3などが主成分である領域は、InX2ZnY2OZ2、又はInOX1が主成分である領域と比較して、絶縁性が高い領域である。つまり、GaOX3などが主成分である領域が、金属酸化物中に分布することで、リーク電流を抑制し、良好なスイッチング動作を実現できる。
【0282】
従って、CAC-OSを半導体素子に用いた場合、GaOX3などに起因する絶縁性と、InX2ZnY2OZ2、又はInOX1に起因する導電性とが、相補的に作用することにより、高いオン電流(Ion)、及び高い電界効果移動度(μ)を実現することができる。
【0283】
また、CAC-OSを用いた半導体素子は、信頼性が高い。従って、CAC-OSは、ディスプレイをはじめとするさまざまな半導体装置に最適である。
【0284】
また、半導体層にCAC-OSを有するトランジスタは電界効果移動度が高く、且つ駆動能力が高いので、該トランジスタを、駆動回路、代表的にはゲート信号を生成する走査線駆動回路に用いることで、額縁幅の狭い(狭額縁ともいう)表示装置を提供することができる。また、該トランジスタを、表示装置が有する信号線駆動回路(とくに、信号線駆動回路が有するシフトレジスタの出力端子に接続されるデマルチプレクサ)に用いることで、表示装置に接続される配線数が少ない表示装置を提供することができる。
【0285】
また、半導体層にCAC-OSを有するトランジスタは低温ポリシリコンを用いたトランジスタのように、レーザ結晶化工程が不要である。これのため、大面積基板を用いた表示装置であっても、製造コストを低減することが可能である。さらに、ウルトラハイビジョン(「4K解像度」、「4K2K」、「4K」)、スーパーハイビジョン(「8K解像度」、「8K4K」、「8K」)のよう高解像度であり、且つ大型の表示装置において、半導体層にCAC-OSを有するトランジスタを駆動回路及び表示部に用いることで、短時間での書き込みが可能であり、表示不良を低減することが可能であり好ましい。
【0286】
又は、トランジスタのチャネルが形成される半導体にシリコンを用いてもよい。シリコンとしてアモルファスシリコンを用いてもよいが、特に結晶性を有するシリコンを用いることが好ましい。例えば、微結晶シリコン、多結晶シリコン、単結晶シリコンなどを用いることが好ましい。特に、多結晶シリコンは、単結晶シリコンに比べて低温で形成でき、且つアモルファスシリコンに比べて高い電界効果移動度と高い信頼性を備える。
【0287】
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
【符号の説明】
【0288】
G1:配線、G2:配線、G3:配線、G3A:配線、S1:配線、V0:配線、10:画素、10A:画素、11:トランジスタ、12:トランジスタ、13:トランジスタ、14:トランジスタ、15:容量素子、16:容量素子、17:発光素子、20:表示装置、20A:表示装置、20B:表示装置、20C:表示装置、21:表示領域、22:ソースドライバ、23:ゲートドライバ、23a:ゲートドライバ、23b:ゲートドライバ、23c:ゲートドライバ、23d:ゲートドライバ、24:三角波生成回路、31:トランジスタ、32:トランジスタ、33:トランジスタ、34:容量素子、35:発光素子、301:導電層、303:導電層、305:導電層、311:絶縁層、321:半導体層、323:半導体層、325:半導体層、331:絶縁層、333:絶縁層、341:導電層、343:導電層、351:導電層、353:導電層、361:絶縁層、363:絶縁層、371:導電層、373a:導電層、373b:導電層、375:導電層、377:導電層、379:絶縁層、700:表示装置、700A:表示装置、700B:表示装置、701:基板、702:画素部、704:ソースドライバ回路部、705:基板、706:ゲートドライバ回路部、708:FPC端子部、710:信号線、711:配線部、712:シール材、716:FPC、717:IC、721:ソースドライバIC、722:ゲートドライバ回路部、723:FPC、724:プリント基板、730:絶縁膜、732:封止膜、743:樹脂層、750:トランジスタ、752:トランジスタ、760:配線、770:絶縁層、772:導電層、774:導電層、780:異方性導電膜、782:発光素子、790:容量素子、791:バンプ、793:バンプ、795:遮光層、1723:電極、1724a:電極、1724b:電極、1726:絶縁層、1727:絶縁層、1728:絶縁層、1729:絶縁層、1741:絶縁層、1742:半導体層、1744a:電極、1744b:電極、1746:電極、1771:基板、1772:絶縁層