(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-25
(45)【発行日】2024-07-03
(54)【発明の名称】乾燥設備及び負圧維持方法
(51)【国際特許分類】
F26B 25/22 20060101AFI20240626BHJP
C02F 11/12 20190101ALI20240626BHJP
【FI】
F26B25/22 Z ZAB
C02F11/12
(21)【出願番号】P 2023104104
(22)【出願日】2023-06-26
(62)【分割の表示】P 2019128281の分割
【原出願日】2019-07-10
【審査請求日】2023-07-25
(73)【特許権者】
【識別番号】591030651
【氏名又は名称】水ing株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115808
【氏名又は名称】加藤 真司
(74)【代理人】
【識別番号】100113549
【氏名又は名称】鈴木 守
(74)【代理人】
【識別番号】100169199
【氏名又は名称】石本 貴幸
(72)【発明者】
【氏名】小菅 崇弘
(72)【発明者】
【氏名】築井 良治
(72)【発明者】
【氏名】今西 智幸
(72)【発明者】
【氏名】野地 賢
【審査官】岩瀬 昌治
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-107227(JP,A)
【文献】特開2015-010809(JP,A)
【文献】特開2002-277165(JP,A)
【文献】特開平05-272868(JP,A)
【文献】特開2013-170754(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F26B 25/22
C02F 11/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被乾燥物を加熱して乾燥させる乾燥機と、内部が負圧とされ、前記乾燥機と連結して前記乾燥機から排出された前記被乾燥物を搬送する搬送装置と、を有する乾燥設備であって、
前記搬送装置は、回転軸によって回転するスクリュー羽根を用いて前記被乾燥物を排出部へ向かって搬送し、
前記スクリュー羽根は、前記回転軸における前記排出部側の端部から所定範囲内に設けられ
ず、
前記スクリュー羽根の設置位置に対応して前記搬送装置の下側外周に設けられ、前記被乾燥物を冷却する冷却手段を備える、
乾燥設備。
【請求項2】
前記乾燥機は、加熱媒体によって前記被乾燥物を乾燥させ、前記被乾燥物の排出口に堰板が設けられ、
前記乾燥機における加熱量を相対的に大きく変化させる場合には前記堰板の高さを変化させ、前記乾燥機における加熱量を相対的に小さく変化させる場合には前記加熱媒体の物性値を変化させる
請求項1記載の乾燥設備。
【請求項3】
前記搬送装置は、前記乾燥機と共に内部が負圧とされる、請求項1又は請求項2に記載の乾燥設備。
【請求項4】
被乾燥物を加熱して乾燥させる乾燥機と、内部が負圧とされ、前記乾燥機と連結して前記乾燥機から排出された前記被乾燥物を搬送する搬送装置と、を有する乾燥設備の負圧維持方法であって、
前記搬送装置は、回転軸によって回転するスクリュー羽根を用いて前記被乾燥物を排出部へ向かって搬送し、
前記スクリュー羽根は、前記回転軸における前記排出部側の端部から所定範囲内に設けられ
ず、
前記スクリュー羽根の設置位置に対応して前記搬送装置の下側外周に設けられる冷却手段によって、前記被乾燥物を冷却する、
負圧維持方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乾燥設備及び加熱量制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
各種バイオマスや廃棄物、汚泥等の被乾燥物は、多量の水分を含有しているため、乾燥機を用いた加熱によって乾燥処理が実施される場合がある。乾燥機には、例えば、間接加熱型乾燥機がある。この乾燥機は、被乾燥物を収容するための中空ケーシングを備え、中空ケーシングには乾燥物を攪拌するための中空駆動軸及び中空攪拌羽根が設けられている。そして、間接加熱型乾燥機は、中空駆動軸及び中空攪拌羽根の中空部に蒸気等の加熱媒体が導入され、加熱媒体による間接的な加熱によって被乾燥物を乾燥させる。また、このような乾燥機には、乾燥機からの排ガスの排気路に排ガス中の水分量を減少(凝縮)させる減湿機が設けられているものがある。
【0003】
ここで、特許文献1には、被乾燥物を蒸気により間接加熱して含有する水分を蒸発させる間接加熱型乾燥機と、乾燥機からの排ガスを凝縮するドレントラップ(減湿機)を備えたシステムが開示されている。このドレントラップの出口は、乾燥排ガスの凝縮水(ドレン)を収容するドレンポットと接続されており、ドレントラップとドレンポットとの間の経路には、ドレン流量センサが設けられている。そして、ドレン流量センサの測定結果は被乾燥物からの蒸発水分量とみなされて演算器に送信される。演算器は、蒸発水分量を制御要素の一つとして、乾燥機へ供給される蒸気圧力、すなわち被乾燥物に対する加熱量を制御する。
【0004】
また、特許文献2には、間接加熱型乾燥機において加熱、乾燥され出口から排出された乾燥汚泥の水分量を水分量測定器で測定し、この測定結果と原料汚泥と排気ガスの測定とを合わせて、乾燥機内における汚泥の乾燥度を制御、調節することが記載されている。
【0005】
また、特許文献3には、脱水汚泥の含水率を低下させるために、汚泥を加熱しながら脱水する加熱脱水工程が行われた脱水汚泥を真空チャンバー内に移送し、脱水汚泥に含まれる水分を真空下で蒸発させる真空蒸発工程を行うことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2012-163257号公報
【文献】特開平3-137998号公報
【文献】特開2016-107227号広報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
被乾燥物に対する加熱量を制御するためには、乾燥機から排出された被乾燥物の含水率を測定し、その測定結果に基づいて加熱量を制御することが考えられる。
【0008】
しかしながら、特許文献1には、先行技術の課題として、乾燥後における被乾燥物の水分量の連続的な測定が困難であると記載されている。このため、特許文献1に記載の技術は、乾燥後における被乾燥物の水分量を測定するのではなく、乾燥排ガスの凝縮水の測定結果に基づいて被乾燥物に対する加熱量を制御するものである。
【0009】
また、特許文献2には、乾燥汚泥の水分量を測定器で測定することが記載されているものの、具体的にどのようにして乾燥汚泥の水分量を測定するのかは開示されていない。また、特許文献3には、脱水汚泥の含水率の測定結果が記載されているが、これは特許文献3に記載の発明の効果を検証したものに過ぎず、特許文献3に記載の汚泥脱水装置内で含水率を測定したとの記載も無く、測定結果は加熱量の制御に用いられてもいない。
【0010】
そこで、本発明は、乾燥後の被乾燥物の含水率の測定値を用いて、被乾燥物に対する加熱量を適切に制御できる、乾燥設備及び加熱量制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の乾燥設備は、被乾燥物を加熱して乾燥させる乾燥機と、前記乾燥機から排出された前記被乾燥物を搬送する搬送装置と、を有する乾燥設備であって、前記搬送装置において前記被乾燥物を所定の厚さ以上に滞留させる滞留領域に設置され、前記被乾燥物の含水率を測定する測定手段と、前記測定手段で測定した前記含水率に基づいて、前記乾燥機における前記被乾燥物に対する加熱量を制御する制御手段と、を備える。
【0012】
粉粒体状の被乾燥物の含水率を測定するためには被測定物にある程度の厚さ(例えば50mm)を必要とする。本構成によれば、乾燥機から排出された被乾燥物の搬送装置に被乾燥物を所定の厚さ以上に滞留させる滞留領域を設け、滞留領域に被乾燥物の含水率を測定する測定手段が設置される。これにより本構成は、乾燥後の被乾燥物の含水率を正確に測定可能となる。そして、測定手段で測定した含水率に基づいて、乾燥機における被乾燥物に対する加熱量が制御される。従って、本構成は、乾燥後の被乾燥物の含水率の測定値を用いて、被乾燥物に対する加熱量を適切に制御できる。
【0013】
上記の乾燥設備において、前記乾燥機は、加熱媒体によって前記被乾燥物を乾燥させ、前記被乾燥物の排出口に堰板が設けられ、前記制御手段は、前記加熱量を相対的に大きく変化させる場合には前記堰板の高さを変化させ、前記加熱量を相対的に小さく変化させる場合には前記加熱媒体の物性値を変化させてもよい。
【0014】
本構成によれば、被乾燥物が含有する水分量の変化に応じた加熱量の制御能力が向上する。
【0015】
上記の乾燥設備において、前記搬送装置は、回転軸によって回転するスクリュー羽根を用いて前記被乾燥物を排出部へ向かって搬送し、前記スクリュー羽根は、前記回転軸における前記排出部側の端部から所定範囲内に設けられず、前記測定手段が設置される前記滞留領域は、前記所定範囲とされてもよい。
【0016】
本構成によれば、スクリュー羽根が設けられていない所定範囲では被乾燥物がスクリュー羽根によって直接的に搬送されずに滞留し、滞留した被乾燥物はスクリュー羽根で搬送される新たな被乾燥物によって押されることで厚みが増す。このため、本構成は、測定手段をこの所定範囲に設置することで、被乾燥物の含水率を正確に測定することができる。
【0017】
上記の乾燥設備において、前記搬送装置は、搬送する前記被乾燥物を冷却する冷却手段を備えてもよい。
【0018】
本構成によれば、被乾燥物の熱によって搬送装置の内壁に結露が生じることを抑制できるので、測定手段が結露の影響を受けることなく、乾燥した被乾燥物の含水率を正確に測定できる。
【0019】
上記の乾燥設備において、前記制御手段は、前記被乾燥物を前記乾燥機に投入してから所定時間経過後に前記測定手段で測定した前記含水率に基づいて、前記加熱量を制御してもよい。
【0020】
乾燥機が被乾燥物を乾燥させて被乾燥物が搬送装置の所定範囲に至るまでには時間を要する。このため、本構成によれば、被乾燥物に対する加熱量をより適切に制御できる。
【0021】
本発明の加熱量制御方法は、被乾燥物を加熱して乾燥させる乾燥機と、前記乾燥機から排出された前記被乾燥物を搬送する搬送装置と、を有する乾燥設備の加熱量制御方法であって、前記搬送装置において前記被乾燥物を所定の厚さ以上に滞留させる滞留領域に設置され、前記被乾燥物の含水率を測定手段によって測定する第1工程と、前記測定手段で測定した前記含水率に基づいて、前記乾燥機における前記被乾燥物に対する加熱量を制御する第2工程と、を有する。
【発明の効果】
【0022】
本発明は、乾燥後の被乾燥物の含水率の測定値を用いて、被乾燥物に対する加熱量を適切に制御できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図3】本実施形態の乾燥設備の加熱量制御に関する機能ブロック図である。
【
図4】本実施形態の堰板高さ又は蒸気圧力の算出の流れを示した模式図である。
【
図5】本実施形態の加熱量制御処理の流れを示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態の乾燥設備及び加熱量制御方法について、図面を参照しながら説明する。
【0025】
図1は、本実施形態の乾燥設備10の概略構成図である。本実施形態の乾燥設備10は、例えば、食品廃棄物処理設備や下水処理設備に設けられるものであり、被乾燥物として汚泥や各種バイオマスや食品廃棄物等、水分を含む廃棄物等を乾燥させる設備である。なお、本実施形態では、被乾燥物を一例として汚泥として説明する。
【0026】
図1に示されるように、本実施形態の乾燥設備10は、供給ポンプ12、乾燥機14、搬送装置16、スクラバー18、及び主制御装置20を備える。
【0027】
供給ポンプ12は、被乾燥物である汚泥を乾燥機14に供給するための装置である。供給ポンプ12の出口には、汚泥を乾燥機14に供給する汚泥供給路22が設けられている。この汚泥供給路22には、乾燥機14へ供給される汚泥の投入量F0を測定する流量センサ24及び汚泥の含水率X0を測定する含水率センサ26が設けられている。
【0028】
乾燥機14は、汚泥を加熱して乾燥させる装置であり、汚泥を収容する中空ケーシング14A、中空ケーシング14A内の汚泥を攪拌する中空駆動軸14B及び中空攪拌羽根14Cが設けられている。
【0029】
中空ケーシング14Aの一方には、汚泥投入口14Dが設けられ、他方には乾燥後の汚泥(以下「乾燥汚泥」という。)の排出口14E及び乾燥の過程で乾燥の過程で蒸発した水分を含む排ガスの排気口14Fが設けられる。汚泥投入口14Dには、汚泥供給路22が連結され供給ポンプ12から汚泥が乾燥機14に供給される。また、排出口14Eには、搬送装置16が連結され、排出口14Eから排出された乾燥汚泥は搬送装置16によって搬送される。排気口14Fには、スクラバー18が連結され、排ガスはスクラバー18へ送気される。
【0030】
中空駆動軸14Bは、中空ケーシング14Aの長手方向に沿って設けられており、モータ等の回転駆動装置(不図示)によって回転する。中空攪拌羽根14Cは、中空駆動軸14Bと中空部(詳細後述)が繋がった複数枚の扇型状の羽根であり、中空ケーシング14Aの内壁に接触することなく中空駆動軸14Bの回転に応じて回転する。そして、汚泥投入口14Dから乾燥機14に投入された汚泥は、回転する中空攪拌羽根14Cによって排出口14Eに向かって移送される。
【0031】
また、中空駆動軸14B及び中空攪拌羽根14Cの内部は中空(以下「中空部」という。)となっており、汚泥を乾燥させるための加熱媒体が導入される。本実施形態の加熱媒体は、一例として蒸気であるが、加熱媒体はこれに限られず、温水や加熱された油脂等でもよい。なお、中空駆動軸14Bの端部には蒸気導入配管28が接続され、この蒸気導入配管28を介して加熱媒体である蒸気が中空駆動軸14B及び中空攪拌羽根14Cの中空部に導入される。
【0032】
そして、中空駆動軸14B及び中空攪拌羽根14Cの中空部を満たした蒸気は、中空駆動軸14B及び中空攪拌羽根14Cに接触している汚泥を間接的に加熱し、汚泥に含まれる水分を蒸発させる。汚泥を加熱すると、汚泥の粘性が低下して汚泥からろ液が分離しやすくなると共に、汚泥の熱変性が起こって汚泥の保水力が低下するので、汚泥の含水率を効率良く低下させることができる。このように、乾燥機14に投入された汚泥は、中空駆動軸14B及び中空攪拌羽根14Cを介して加熱媒体により加熱されながら、中空攪拌羽根14Cにより圧搾、脱水されながら乾燥機14の下流側に移送される。
【0033】
ここで、蒸気導入配管28には、蒸気圧力を制御する圧力制御弁30が設けられており、乾燥設備10は、蒸気圧力を制御することで汚泥に対する加熱量を制御する。圧力制御弁30は、弁制御装置31によって開度が制御されることで蒸気圧力を変化させる。また、弁制御装置31は、蒸気導入配管28に設けられた圧力センサ32の測定値が入力され、蒸気圧力が主制御装置20から送信された所定値となるように圧力制御弁30をフィードバック制御する。
【0034】
なお、本実施形態の乾燥設備10は、加熱媒体である蒸気の物性値を変化させることで加熱量を制御すればよく、例えば、圧力制御弁30の替わりに流量制御弁が蒸気導入配管28に設けられてもよい。この形態の場合、乾燥設備10は、蒸気流量を制御することで汚泥に対する加熱量を制御する。さらに、蒸気導入配管28に圧力制御弁30及び流量制御弁の両方が設けられ、蒸気圧力と蒸気流量とで汚泥に対する加熱量が制御されてもよい。
【0035】
乾燥機14の排出口14Eの前方には、中空攪拌羽根14Cにより移送された汚泥を堰き止めて滞留させる堰板14Gが設けられる。堰板14Gは、駆動装置であるモータ34によってその高さ(以下「堰板高さ」という。)が制御され、堰板高さが高いほど乾燥機14内の汚泥量が増加する。すなわち、堰板高さが高いほど、汚泥の滞留時間が長くなり、汚泥に対する加熱量が増加する。モータ34は、モータ制御装置35によってその回転数及び回転方向が制御される。一例として、堰板高さは百分率(%)で表され、100%の場合は堰板14Gが最も閉じた状態、すなわち堰板高さが最も高い状態であり、0%の場合は堰板14Gが最も開いた状態、すなわち堰板高さが最も低い状態である。
【0036】
本実施形態の堰板14Gの形状は、一例として板状であるが、これに限られない。堰板14Gの形状は、排出口14Eから排出される汚泥を堰き止めて汚泥に対する加熱量を制御できる形状であれば、他の形状でもよい。
【0037】
乾燥機14の排気口14Fから排出された排ガスは、上述のようにスクラバー18を通過して大気中に放出、又は、再度乾燥機14内へキャリアガスとして導入される。
【0038】
スクラバー18は、排ガス中の水分量を減少させる減湿機としての機能を有する。本実施形態のスクラバー18は、一例として、液媒を排ガスに散布することにより排ガス中の水分量を減少させる。本実施形態の液媒は一例として冷水(以下「減湿水」という。)であるが、液媒はこれに限らず、アルコール等、水以外の他の液体でもよい。
【0039】
ここで、
図2は、本実施形態に係る搬送装置16の概略構成図であり、
図2(A)は搬送装置16内部の概略構成図であり、
図2(B)は
図2(A)のA-A断面図であり、
図2(C)は
図2(A)のB-B断面図である。なお、
図2(B),(C)では後述する回転軸16B、スクリュー羽根16C、及び冷却水の入出口は省略されている。
【0040】
本実施形態の搬送装置16は、一例として、密閉式コンベヤであり、下部が半円形とされた密閉ケーシング16Aの内部が真空とされる。このため、一例として、スクラバー18の出口の排気路に排気ファンが設置され、排気ファンによる吸引力で密閉ケーシング16A内が負圧になるように制御される。なお、密閉ケーシング16A内を真空とする構成は、これに限らず、例えば、乾燥機14の排出口14Eと搬送装置16の投入口16Dとの間には真空ポンプ(不図示)が設けられ、この真空ポンプによって密閉ケーシング16A内が真空とされてもよい。なお、排出口16Eは乾燥汚泥そのものでシール(マテリアルシール)されることにより、搬送装置16内の真空が保たれる。また、搬送装置16と乾燥機14とは連結されているため、乾燥機14内も真空に保たれることになる。
【0041】
搬送装置16は、回転軸16Bによって回転するスクリュー羽根16Cを用いて乾燥汚泥を排出口16Eへ搬送する。スクリュー羽根16Cは、回転軸16Bにおける排出口16E側の端部から所定範囲内には設けられない。このように、スクリュー羽根16Cが設けられない所定範囲(以下「滞留領域」という。)では乾燥汚泥がスクリュー羽根16Cによって直接的に搬送されずに滞留する。滞留領域で滞留した乾燥汚泥はスクリュー羽根16Cが搬送する新たな乾燥汚泥によって押されることで厚みが増す。そして、滞留した乾燥汚泥が排出口16Eを塞ぐことでマテリアルシールとなり、搬送装置16内の真空が維持される。なお、排出口16Eを塞いでいる乾燥汚泥は、スクリュー羽根16Cが搬送する新たな乾燥汚泥によって排出口16Eから押し出される。
【0042】
また、滞留領域には、乾燥汚泥の含水率X1を測定する含水率センサ50が設置される。含水率センサ50が乾燥汚泥含水率X1を正確に測定するためには乾燥汚泥が所定の厚さを有している必要がある。すなわち、滞留領域では乾燥汚泥が所定の厚さ以上に滞留するため、含水率センサ50の設置に好ましい。所定の厚さとは含水率センサ50による乾燥汚泥含水率X1の測定が可能な厚さであり、例えば50mm以上である。なお、含水率センサ50は、例えば、高周波式の水分計であるが、これに限らず、電気抵抗式や電気容量式等でもよい。
【0043】
本実施形態の含水率センサ50は、
図2(B)に示されるように、搬送装置16の下側に設けられたポート52を介して搬送装置16に設置される。本実施形態のポート52は、一例として、搬送装置16の縦中心線Lに対して所定角度θの位置に設けられる。このように、所定角度θを持って含水率センサ50が設置されることで、乾燥汚泥から染み出した水分等が搬送装置16の下部に溜まっても、含水率センサ50は、この水分の影響を受けることなく乾燥汚泥含水率X1を測定できる。
【0044】
ここで、含水率センサ50の先端位置は、一例として、搬送装置16の内壁付近とする。具体的には、含水率センサ50の先端位置の下限は、搬送装置16の内壁面を基準点として-20mmとすることが好ましい。この下限よりもポート52の奥に先端が位置するように含水率センサ50が設置されると、測定対象である汚泥と含水率センサ50が接触し難くなるためである。一方、含水率センサ50の先端位置の上限は、搬送装置16の内壁面を基準点として+50mmとすることが好ましい。この上限以上に含水率センサ50の先端を突出させると、汚泥が含水率センサ50にひっかかり、汚泥が含水率センサ50付近に滞ってしまうためである。
【0045】
また、本実施形態の搬送装置16には、搬送される乾燥汚泥を冷却する冷却ジャケット54が設けられる。本実施形態の冷却ジャケット54は、
図2(C)に示されるように、回転軸16Bにおけるスクリュー羽根16Cの設置位置に対応して、搬送装置16の下側外周に設けられ、その内部に冷媒が流れる流路54Aが形成される。なお、本実施形態の冷却ジャケット54の冷媒は、例えば、水(冷却水)であるが、これに限らず、他の冷媒であってもよい。
【0046】
冷却ジャケット54によって乾燥汚泥が冷却されることにより、搬送装置16の内壁に乾燥汚泥の熱による結露が生じることを抑制できる。これにより、含水率センサ50が結露の影響を受けることなく、乾燥汚泥含水率X1を正確に測定できる。
【0047】
また、主制御装置20は、乾燥設備10全体の制御を司る。主制御装置20は、例えば、コンピュータであるCPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体等から構成されている。そして、各種機能を実現するための一連の処理は、一例として、プログラムの形式で記憶媒体等に記憶されており、このプログラムをCPUがRAM等に読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、各種機能が実現される。なお、プログラムは、ROMやその他の記憶媒体に予めインストールしておく形態や、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供される形態、有線又は無線による通信手段を介して配信される形態等が適用されてもよい。
【0048】
主制御装置20は、例えば、乾燥機14における汚泥に対する加熱量等を制御(以下「加熱量制御」という。)する。加熱量は、上述のように蒸気圧力や堰板高さによって制御される。このため、主制御装置20は、蒸気圧力を制御するための制御信号を弁制御装置31へ送信し、堰板高さを制御するための制御信号をモータ制御装置35へ送信する。
【0049】
本実施形態の加熱量制御は、乾燥汚泥に含まれる水分量(乾燥汚泥含水率X1)の制御であり、含水率センサ50で測定した乾燥汚泥含水率X1に基づいて、乾燥機14における汚泥に対する加熱量を制御する。
【0050】
ここで、上述のように、粉粒体状の被乾燥物の含水率を測定するためには被測定物にある程度の厚さ(例えば50mm)を必要とする。本実施形態の加熱量制御によれば、乾燥機14から排出された汚泥の搬送装置16に汚泥を所定の厚さ以上に滞留させる滞留領域を設け、滞留領域に乾燥汚泥含水率X1を測定する含水率センサ50が設置される。これにより、乾燥後の乾燥汚泥含水率X1が正確に測定可能となる。そして、含水率センサ50で測定した含水率X1に基づいて、乾燥機14における汚泥に対する加熱量を制御する。
【0051】
従って、本実施形態の加熱量制御は、乾燥汚泥含水率の測定値を用いて、被乾燥物に対する加熱量を適切に制御できる。また、本実施形態の加熱量制御は、自動的な乾燥制御となるため、乾燥設備10の運転に要する管理員の省力化を実現できる。さらに、本実施形態の加熱量制御は、適切な制御を行うことが可能となるので、乾燥汚泥の含水率が過度に少なくなる状態を避けることができ、乾燥汚泥からの発火防止等、安全性を向上できる。
【0052】
図2は、本実施形態の加熱量制御に関する機能ブロック図である。
図2に示される各機能は、一例として主制御装置20が備えるコンピュータによって実行されるが、これに限らず、各機能は、主制御装置20が備えるASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の個別のハードウェアによって実行されてもよい。
【0053】
主制御装置20は、実際蒸発水分量演算部62、目標蒸発水分量演算部64、及び加熱量制御部66を備える。
【0054】
実際蒸発水分量演算部62は、乾燥機14による乾燥で汚泥から失われた水分量である実際蒸発水分量を算出する。具体的には、実際蒸発水分量演算部62は、含水率センサ26の測定値である汚泥含水率X0と含水率センサ50の測定値である乾燥汚泥含水率X1と流量センサ24の測定値である汚泥流量F0とに基づいて、実際蒸発水分量を算出する。
【0055】
目標蒸発水分量演算部64は、乾燥機14において汚泥から蒸発させたい水分量(以下「目標蒸発水分量」という。)を算出する。本実施形態の目標蒸発水分量演算部64は、例えば、汚泥投入量F0と汚泥含水率X0とから汚泥の水分量である水分投入量[kg/h]を算出し、この水分投入量のうち蒸発させたい割合である目標水分[%]を乗算することで目標蒸発水分量[kg/h]を算出する。
【0056】
なお、乾燥機14に投入される汚泥の量には多少の時間変化があるため、目標蒸発水分量を算出するために用いられる汚泥投入量F0と汚泥含水率X0とは、瞬間値が用いられるのではなく、一例として、所定時間(例えば10分間)の平均値が用いられる。
【0057】
また、汚泥含水率の変動を安定させるために、汚泥を受け入れるホッパーを汚泥の含水率の違いによって振り分けてもよい。すなわち、高含水率の汚泥と低含水率の汚泥とを各々異なるホッパーを介して乾燥機14へ投入する。そして、高含水率の汚泥の供給量と低含水率の汚泥の供給量を調整して汚泥の含水率が所定値となるように乾燥機14に投入する。これにより、乾燥機14に投入される汚泥の含水率がより安定化される。
【0058】
加熱量制御部66は、乾燥機14における汚泥に対する加熱量を制御する。本実施形態の加熱量制御部66は、上述のように、堰板高さや蒸気圧力を制御することで汚泥に対する加熱量を制御する。このため、加熱量制御部66は、蒸気圧力や堰板高さを示す制御信号を弁制御装置31やモータ制御装置35へ送信する。
【0059】
より具体的には、本実施形態の加熱量制御部66は、実際蒸発水分量と目標蒸発水分量との差(以下「蒸発水分量差」という。)に基づいて加熱量を制御する。すなわち、実際蒸発水分量が目標蒸発水分量よりも大きい場合、加熱量制御部66は、加熱量が小さくなるように制御する。一方、実際蒸発水分量が目標蒸発水分量よりも小さい場合、加熱量制御部66は、加熱量が大きくなるように制御する。
【0060】
ここで、堰板高さの制御は、堰板14Gが乾燥機14内の汚泥を堰き止めるものであるため、汚泥に対する加熱量を大きく変化させることに適しているものの、加熱量を微調整することには不向きである。一方、蒸気圧力の制御は、汚泥に対する加熱量を微調整することに適しているものの、蒸気圧力の制御範囲には限界があるため加熱量を大きく変化させることには不向きである。
【0061】
そこで、本実施形態の加熱量制御部66は、加熱量を相対的に大きく変化させる場合には堰板高さを変化させ、加熱量を相対的に小さく変化させる場合には蒸気圧力を変化させる。これにより、乾燥設備10は、汚泥が含有する水分量の変化に応じた加熱量の制御能力が向上する。
【0062】
なお、本実施形態の加熱量制御部66は、一例として、予め定められた制御関数に基づいて、堰板高さ又は蒸気圧力を制御する。この制御関数には、目標蒸発水分量が変数として入力され、目標蒸発水分量に応じた堰板高さ又は蒸気圧力を示す値が出力される。制御関数は、一例として、堰板高さを制御する場合と蒸気圧力を制御する場合とで異なる関数とされる。
【0063】
図4は、本実施形態の加熱量制御による堰板高さ又は蒸気圧力の算出の流れを示した模式図である。
図4に示される目標水分は、乾燥設備10の管理員等によって入力される。また、流量センサ24で測定された汚泥投入量F0と含水率センサ26で測定された汚泥含水率X0に基づいて、汚泥に含まれる固形分の投入量(固形分投入量)と水分の投入量(水分投入量)が算出される。そして、目標水分と固形分投入量と水分投入量とから目標蒸発水分量が算出される。
【0064】
また、算出された水分投入量に基づいて堰板高さ又は蒸気圧力に対する複数の制御関数のうち、適切な制御関数が選択される。
【0065】
一方、含水率センサ50によって測定された乾燥汚泥含水率X1に基づいて実際蒸発水分量が算出され、算出された目標蒸発水分量と算出された実際蒸発水分量との乖離の度合いを示した蒸発水分量差が算出される。選択された制御関数は、この蒸発水分量差に基づいて補正される。そして、補正された制御関数に目標蒸発水分量が入力され、堰板高さの制御量又は蒸気圧力の制御量が算出される。
【0066】
制御関数の補正は、一例として、蒸発水分量差が実質的にゼロ(零)とみなせる所定値未満となるように、蒸発水分量差に応じて制御関数に含まれる係数や定数を変化させることである。係数や定数の変化量は、次に行われる加熱量制御によって蒸発水分量差が小さくなるような値が選択される。
【0067】
本実施形態では水分投入量に基づいた制御関数の選択を行う際に、蒸発水分量差から加熱量の変化量を算出し、この変化量が基準値以上の場合には制御関数として堰板高さの制御関数が選択される。一方、加熱量の変化量が基準値未満の場合に制御関数として蒸気圧力の制御関数が選択される。
【0068】
なお、
図4の例では、汚泥投入量F0と汚泥含水率X0とをセンサによる測定値としたが、これに限らず、汚泥投入量F0と汚泥含水率X0とを管理員による入力値としてもよい。また、汚泥が複数の運搬車によって異なるタイミングで乾燥設備10に搬入され、乾燥設備10で貯留や移送、混合を行って乾燥機14へ投入する場合もある。このような場合には、乾燥設備10の管理員又は運搬車の運転員が、汚泥投入量F0、汚泥含水率X0、及び汚泥の搬入時刻を入力し、汚泥を貯留、移送、及び混合して乾燥設備10へ投入されるまでのシミュレーションが行われ、その結果に基づいて乾燥機14へ投入される固形投入量と水分投入量とが算出されてもよい。
【0069】
図5は、本実施形態の主制御装置20で実行される加熱制御処理の流れを示すフローチャートである。なお、加熱制御処理は、乾燥設備10の運転が開始された場合に開始される。
【0070】
まず、ステップS100では、目標蒸発水分量演算部64が目標蒸発水分量の平均値(例えば10分間の平均値)を算出する。
【0071】
次のステップS102では、水分投入量に基づいて制御関数を選択する。
【0072】
次のステップS104は、目標蒸発水分量を制御関数に代入することで、加熱量制御部66が目標蒸発水分量に応じた加熱量を算出し、算出した加熱量に応じた制御信号を弁制御装置31及びモータ制御装置35へ送信する。なお、本ステップでは、堰板高さの制御関数と蒸気圧力の制御関数の両方に目標蒸発水分量を代入することで、堰板高さの初期値と蒸気圧力の初期値とが決定される。これにより、モータ制御装置35は、制御信号に応じた堰板高さとなるようにモータ34を駆動させる。また、弁制御装置31は、制御信号に応じた蒸気圧力となるようにモータ34を駆動させる。なお、ステップS104の処理は、汚泥に対する加熱量のフィードフォワード制御に相当する。
【0073】
次のステップS106では、前回の目標蒸発水分量の算出から所定時間(例えば3~4時間)経過したか否かを実際蒸発水分量演算部62が判定し、肯定判定の場合はステップS108へ移行する一方、否定判定の場合は所定時間が経過するまで待ち状態となる。なお、この所定時間は、乾燥機14に汚泥が投入された後、乾燥機14による乾燥処理が終了して排出されて乾燥汚泥が搬送装置16における滞留領域に至るまでに要する時間に相当する。
【0074】
ステップ108では、実際蒸発水分量演算部62が、含水率センサ50によって測定された乾燥汚泥含水率X1に基づいて実際蒸発水分量を算出する。
【0075】
次のステップS110では、前回算出した目標蒸発水分量と実際蒸発水分量との乖離度合いを示した蒸発水分量差を加熱量制御部66が算出し、加熱量制御部66が蒸発水分量差に応じて制御関数を補正する。なお、加熱量制御部66は、蒸発水分量差が所定値未満の場合には、制御関数の補正を行わなくてもよい。
【0076】
次のステップS112では、目標蒸発水分量演算部64が目標蒸発水分量の平均値(例えば30分間の平均値)を算出する。
【0077】
次のステップS114では、ステップS112で算出した目標蒸発水分量を制御関数に入力することで、加熱量制御部66が目標蒸発水分量に応じた加熱量を算出し、算出した加熱量に応じた制御信号を弁制御装置31及びモータ制御装置35の何れかへ送信する。これにより、算出した加熱量に応じて堰板高さ又は蒸気圧力が制御される。すなわち、ステップS112の処理は、蒸発水分量差に応じて補正された制御関数を用いた堰板高さまたは蒸気圧力に対する操作量の補正であり、汚泥に対する加熱量のフィードバック制御に相当する。
【0078】
次のステップS116では、乾燥設備10の停止指示が入力されたか否かを加熱量制御部66が判定し、否定判定の場合はステップS104へ戻って加熱量の制御を繰り返し行う。一方、肯定判定の場合は加熱量制御処理を終了する。
【0079】
図5のフローチャートを用いて説明したように、本実施形態の加熱量制御処理は、汚泥を乾燥機14に投入してから所定時間経過後に算出した蒸発水分量に基づいて加熱量を制御する。この理由は、乾燥機14が汚泥を乾燥させて乾燥汚泥が搬送装置16の滞留領域に至るためには時間を要するためである。すなわち、算出された実際蒸発水分量は、算出時に乾燥機14に投入された汚泥の蒸発水分量ではなく、それ以前に投入された汚泥の蒸発水分量である。そして、乾燥機14に投入される汚泥の含水率は、投入される汚泥の性状によって変化する可能性がある。このため、汚泥を乾燥機14に投入してから所定時間経過後、すなわち、汚泥を乾燥させて滞留領域に至るまでに要する時間経過後の実際蒸発水分量が、乾燥機14に投入された汚泥に対応した実際蒸発水分量である。
【0080】
このため本実施形態のように、汚泥を乾燥機14に投入してから所定時間経過後、すなわち時間遅れを考慮して算出した実際蒸発水分量に基づいて加熱量を制御することで、汚泥に対する加熱量をより適切に制御できる。なお、この所定時間は、堰板高さに応じて汚泥の乾燥機14内における滞留時間が変化するため、堰板高さに応じて変化させてもよい。
【0081】
また、本実施形態の乾燥設備10が備える搬送装置16は、回転軸16Bによって回転するスクリュー羽根16Cを用いて汚泥を排出口16Eへ向かって搬送する。そして、スクリュー羽根16Cは、回転軸16Bにおける排出口16E側の端部から所定範囲内に設けられず、乾燥汚泥含水率X1を測定する含水率センサ50が所定範囲、すなわち搬送装置16において汚泥を所定の厚さ以上に滞留させる滞留領域に設置される。これにより、乾燥汚泥の含水率を正確に測定可能となる。
【0082】
また、本実施形態の乾燥設備10は、上記説明したように、被乾燥物の冷却、マテリアルシールによる真空維持、正確な含水率測定の3つを省スペースの搬送装置16で同時に実現可能とする。
【0083】
以上、本発明を、上記実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に多様な変更又は改良を加えることができ、該変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0084】
例えば、上記実施形態では、蒸発水分量差に応じて堰板高さや蒸気圧力の制御関数を補正し、補正後の制御関数から堰板高さや蒸気圧力の制御量を算出する形態について説明したが、本実施形態はこれに限られない。例えば、蒸発水分量差から汚泥に対する加熱量の増減値を算出し、この増減値に応じて蒸気圧力又は堰板高さの制御量を算出してもよい。
【0085】
また、上記実施形態では、排ガス中の水分量を減少させる減湿機をスクラバー18とする形態について説明したが、本実施形態はこれに限られない。例えば、スクラバー18をコンデンサとしてもよい。この形態の場合、コンデンサには減湿水として冷却水が入流出し、この冷却水によって乾燥機14からの排ガスが間接的に冷却される。これにより、排ガス内の水蒸気は凝縮され、ドレン排出口からドレンとして排出される。
【符号の説明】
【0086】
10 乾燥設備
14 乾燥機
14G 堰板
16 搬送装置
16B 回転軸
16C スクリュー羽根
50 乾燥汚泥含水率センサ(測定手段)
66 加熱量制御部(制御手段)