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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-25
(45)【発行日】2024-07-03
(54)【発明の名称】車両制御装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20240626BHJP
【FI】
G08G1/16 D
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2023551348
(86)(22)【出願日】2022-09-20
(86)【国際出願番号】 JP2022035002
(87)【国際公開番号】W WO2023054067
(87)【国際公開日】2023-04-06
【審査請求日】2023-07-03
(31)【優先権主張番号】P 2021162058
(32)【優先日】2021-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121821
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 強
(72)【発明者】
【氏名】今井 康博
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 裕
(72)【発明者】
【氏名】沖田 敏宣
【審査官】佐々木 佳祐
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-69443(JP,A)
【文献】特開2019-93998(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体を検知する物体検知装置(21,22)を備える車両に適用され、前記物体検知装置による検知情報に基づいて、自車両の走行を支援する走行支援制御を実施する一方で、前記走行支援制御の実施中に前記物体検知装置の検知精度が低下した場合に、前記走行支援制御を解除する車両制御装置(10)であって、
前記物体検知装置の検知精度が低下していることを判定する判定部と、
自車両周辺の天候が悪天候であることを示す悪天候情報を取得する取得部と、
前記悪天候情報に基づいて、前記検知精度の低下が判定されてから前記走行支援制御が解除されるまでの解除待機期間を設定する設定部と、
を備え
前記取得部は、天候悪化に伴い出力変化が生じる複数の車載装置(21,22,33)での出力変化の情報を前記悪天候情報として取得するものであり、
前記設定部は、前記車載装置ごとに取得される前記悪天候情報の組み合わせに基づいて、前記解除待機期間を設定する、車両制御装置。
【請求項2】
前記車両は、前記物体検知装置として、送信波及び受信波により物体までの距離を測定する測距センサ(22)と、自車両周辺の物体を撮像する画像センサ(21)とを有し、それら測距センサ及び画像センサを前記車載装置としており、
前記取得部は、前記悪天候情報として、前記測距センサの検知精度が低下していることを示す第1情報と、前記画像センサの検知精度が低下していることを示す第2情報とを取得するものであり、
前記設定部は、前記第1情報及び前記第2情報の組み合わせに基づいて、前記解除待機期間を設定する、請求項に記載の車両制御装置。
【請求項3】
前記設定部は、前記第1情報及び前記第2情報が取得されている場合の前記解除待機期間を、前記第1情報のみが取得されている場合の前記解除待機期間よりも短い期間に設定する、請求項に記載の車両制御装置。
【請求項4】
前記設定部は、前記第1情報及び前記第2情報が取得されている状態から、前記第1情報のみが取得されている状態に変化した場合の前記解除待機期間を、前記第1情報及び前記第2情報が取得されていない状態から、前記第1情報のみが取得されている状態に変化した場合の前記解除待機期間よりも短い期間に設定する、請求項に記載の車両制御装置。
【請求項5】
前記取得部は、前記判定部により前記画像センサの検知精度の低下が生じていると判定された場合に、前記第2情報を前記悪天候情報として取得し、
前記設定部は、前記第2情報が取得されている状況下において、前記自車両の近傍領域で、前記画像センサの画像により車線の区画線が認識されている場合に、前記区画線が認識されていない場合よりも前記解除待機期間を長い期間に設定する、請求項に記載の車両制御装置。
【請求項6】
前記走行支援制御として、前記自車両が走行する自車線の左右の区画線を前記画像センサの画像により認識し、かつ前記自車両の走行位置を前記左右の区画線の内側で保持する機能を有しており、
前記判定部は、前記測距センサによる自車両周辺の物体検知結果に基づいて、前記画像センサの検知精度の低下が生じていることを判定し、
前記取得部は、前記判定部により前記画像センサの検知精度の低下が生じていると判定された場合に、前記第2情報を前記悪天候情報として取得し、
前記設定部は、前記第2情報が取得されている状況下において、前記自車両の近傍領域で前記区画線が前記画像センサの画像により認識されていれば、前記区画線が認識されていない場合よりも前記解除待機期間を長い期間に設定する、請求項に記載の車両制御装置。
【請求項7】
前記取得部により取得された前記悪天候情報の第1の組み合わせに応じて前記解除待機期間として第1待機期間が設定され、かつその第1待機期間の時間計測が開始された後に、前記悪天候情報の第2の組み合わせに応じて前記解除待機期間として第2待機期間が設定され、かつその解除待機期間の時間計測が開始された場合において、前記第1待機期間と前記第2待機期間とのうち一方が先に経過したタイミングで前記走行支援制御を解除する、請求項に記載の車両制御装置。
【請求項8】
前記悪天候情報には、前記自車両が今後走行する予定の予定経路の天候が悪天候であることを示す情報が含まれており、
前記悪天候情報に基づいて自車両周辺の天候が今後悪天候となることを予測した場合に、前記走行支援制御を解除する解除部を備える、請求項1~7のいずれか1項に記載の車両制御装置。
【請求項9】
物体を検知する物体検知装置(21,22)を備える車両に適用され、前記物体検知装置による検知情報に基づいて、自車両の走行を支援する走行支援制御を実施する一方で、前記走行支援制御の実施中に前記物体検知装置の検知精度が低下した場合に、前記走行支援制御を解除するコンピュータ実行用のプログラムであって、
前記物体検知装置の検知精度が低下していることを判定する判定ステップと、
自車両周辺の天候が悪天候であることを示す悪天候情報を取得する取得ステップと、
前記悪天候情報に基づいて、前記検知精度の低下が判定されてから前記走行支援制御が解除されるまでの解除待機期間を設定する設定ステップと、
を含み、
前記取得ステップは、天候悪化に伴い出力変化が生じる複数の車載装置(21,22,33)での出力変化の情報を前記悪天候情報として取得するものであり、
前記設定ステップは、前記車載装置ごとに取得される前記悪天候情報の組み合わせに基づいて、前記解除待機期間を設定する、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2021年9月30日に出願された日本出願番号2021-162058号に基づくもので、ここにその記載内容を援用する。
【技術分野】
【0002】
本開示は、走行支援制御を実施する車両制御装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0003】
車両の走行を支援する走行支援制御として、例えばアダプティブクルーズコントロール(ACC)が知られている。ACCでは、例えば測距センサなどの物体検知装置を用いて自車両の前方に位置する先行車両を検知し、自車両が該先行車両に追従走行する追従走行制御を実施する。また、追従走行制御中に、例えば悪天候などにより物体検知装置の検知精度が低下し、先行車両を検知できなくなった場合には、追従走行制御を解除し、車両走行の制御をドライバに返還する。例えば特許文献1には、自車両周辺の状況を検知する複数のセンサの検知結果に基づいて、自車両周辺の天候状況を判定する装置が記載されている。特許文献1の装置によれば、追従走行制御中に、悪天候により物体検知装置の検知精度が低下したことを判定することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2020-52909号公報
【発明の概要】
【0005】
追従走行制御での自車両の走行中において、天候の悪化に伴い追従走行制御を解除する場合、その解除が早過ぎると、自車両の運転を追従走行制御に委ねているドライバが違和感を覚えることが懸念される。また、車両走行の制御をドライバに返還するまでの期間が短いと、ノイズ等による一時的な検知精度低下に起因して誤って追従走行制御が解除されることが懸念される。一方、検知精度の低下から追従走行制御の解除までの期間が過度に長いと、車両走行の制御をドライバに返還する以前において自車両が先行車両に過剰に接近するおそれがある。
【0006】
本開示は上記課題に鑑みたものであり、走行支援制御の実施中において物体検知装置の検知精度の低下時に適切に走行支援制御を解除することができる車両制御装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【0007】
上記課題を解決する手段は、
物体を検知する物体検知装置を備える車両に適用され、前記物体検知装置による検知情報に基づいて、自車両の走行を支援する走行支援制御を実施する一方で、前記走行支援制御の実施中に前記物体検知装置の検知精度が低下した場合に、前記走行支援制御を解除する車両制御装置であって、
前記物体検知装置の検知精度が低下していることを判定する判定部と、
自車両周辺の天候が悪天候であることを示す悪天候情報を取得する取得部と、
前記悪天候情報に基づいて、前記検知精度の低下が判定されてから前記走行支援制御が解除されるまでの解除待機期間を設定する設定部と、
を備える。
【0008】
走行支援制御の実施中に物体検知装置の検知精度が低下した場合には、走行支援制御が解除され、車両の走行制御がドライバに返還される。その際、検知精度の低下から走行支援制御の解除までの解除待機期間を設定することが考えられる。この場合、解除待機期間が短すぎると、ドライバが違和感を覚えたり、ノイズ等による一時的な検知精度低下に起因して無用に走行支援制御が解除されたりすることが懸念される。また、解除待機期間が長過ぎると、自車両が前方車両に過剰に接近してしまうことが懸念される。
【0009】
本開示では、自車両周辺の天候が悪天候であることを示す悪天候情報に基づいて、解除待機期間を設定するようにした。悪天候情報によれば、天候の悪化度合が走行支援制御にどの程度影響を及ぼすかを把握することが可能となり、検知精度の低下から走行支援制御の解除までの解除待機期間を適切に設定することができる。これにより、物体検知装置の検知精度の低下時に適切に走行支援制御を解除することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本開示についての上記目的およびその他の目的、特徴や利点は、添付の図面を参照しながら下記の詳細な記述により、より明確になる。その図面は、
図1図1は、走行制御システムの全体構成図であり、
図2図2は、運転支援処理の処理手順を示すフローチャートであり、
図3図3は、悪天候情報取得処理の処理手順を示すフローチャートであり、
図4図4は、第1~第5パターンを示すグラフであり、
図5図5は、運転支援処理における追従走行制御の解除タイミングの一例を示すタイムチャートであり、
図6図6は、第2実施形態に係る運転支援処理の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(第1実施形態)
以下、本開示に係る車両制御装置を、車載の走行制御システム100に適用した第1実施形態について、図面を参照しつつ説明する。走行制御システム100は、自車両の周囲に存在する物体(他車両、歩行者、路上障害物等)を認識するとともに、その認識結果に基づいて、追従走行制御(ACC制御)等の運転支援制御を実施する。
【0012】
図1に示すように、本実施形態に係る走行制御システム100は、車両制御装置としてのECU10と、センサ類20と、被制御装置30とを備えている。センサ類20としては、例えば、カメラセンサ21、レーダセンサ22、ヨーレートセンサ23、車速センサ24等が備えられている。
【0013】
カメラセンサ21は、例えば単眼カメラであり、車室内において、自車両のフロントガラスの上端付近等に設置されている。カメラセンサ21は、規定時間毎に自車両前方の所定領域を撮像し、撮像した画像を取得する画像センサである。カメラセンサ21により撮像された画像はECU10へ出力される。
【0014】
レーダセンサ22は、自車両の周囲に探査波を送信し、その探査波の反射波を受信することで自車両の周囲に存在する物体の距離情報を取得する測距センサである。レーダセンサ22は、例えばフロントグリル付近等において、その光軸が自車両前方を向くように取り付けられている。
【0015】
レーダセンサ22は、規定時間毎に自車両の前方に向かって、探査波であるミリ波帯の指向性のある送信波を走査するとともに、物体の表面で反射された反射波を複数のアンテナにより受信することで物体までの距離、物体の方位、及び物体の自車両に対する相対速度等を距離情報として取得する。レーダセンサ22は、探査波の送信時刻と反射波の受信時刻とにより、物体までの距離を算出して取得する。また、レーダセンサ22は、複数のアンテナが受信した反射波の位相差により、物体の方位を算出して取得する。さらに、レーダセンサ22は、物体の表面で反射された反射波の、ドップラー効果により変化した周波数により、物体の相対速度を算出して取得する。レーダセンサ22により撮像された距離情報はECU10へ出力される。なお、本実施形態において、カメラセンサ21及びレーダセンサ22が「物体検知装置」に相当する。
【0016】
ヨーレートセンサ23は、自車両の旋回角速度を検知する周知のヨーレートセンサとして構成される。車速センサ24は、車輪の回転速度、つまりは自車両の走行速度を検知する。これらのセンサ23、24による検知結果は、ECU10に出力される。
【0017】
ECU10は、CPU,ROM,RAM,フラッシュメモリ等からなる周知のマイクロコンピュータを備えた制御装置である。ECU10は、自車両周辺の物体の位置座標を取得する。ECU10は、カメラセンサ21から取得される画像に基づいて検知される物体の位置座標と、レーダセンサ22から取得される距離情報に基づいて検知される物体の位置座標とをそれぞれ取得する。
【0018】
詳細には、ECU10は、カメラセンサ21から取得される画像に対して、テンプレートマッチング(パターン認識)等の周知の画像処理を行うことにより、画像内に存在する物体とその種類(他車両、歩行者、路上障害物等)を検知する。本実施形態では、各物体の種類を特定するためのテンプレートとして、物体ごとの特徴を示す画像パターンである複数の辞書が記憶されている。辞書としては、物体全体の特徴をパターン化した全身辞書を記憶している。
【0019】
ECU10は、辞書に記憶された物体の実寸法と、画像上の物体の大きさである画像寸法との比に基づいて物体までの距離を算出する。また、ECU10は、画像の下端部中央を原点として、原点に対する画像上の物体の方位を算出する。ECU10は、画像から算出した物体までの距離及び物体の方位により物体の相対位置及び存在領域等を算出し、これらの情報を画像情報として取得する。
【0020】
また、ECU10は、レーダセンサ22から取得される距離情報に含まれる物体までの距離及び物体の方位により物体の相対位置及び存在領域等を算出し、これらの情報をレーダ情報として取得する。
【0021】
ECU10は、画像情報とレーダ情報とに基づいて、つまり画像情報とレーダ情報とを融合(フュージョン)して、物体を認識する。より具体的には、ECU10は、画像情報に含まれる物体の存在領域と、レーダ情報に含まれる物体の存在領域とに重複部が存在する場合に、物体を認識する。
【0022】
ECU10は、カメラセンサ21及びレーダセンサ22による検知情報に基づいて、自車両の走行を支援する走行支援制御を実施する。本実施形態では、ECU10は、走行支援制御として追従走行制御を実施する。追従走行制御は、認識した物体から自車両が走行する自車線において自車両の前方に位置する他車両である先行車両を選出し、被制御装置30を用いて自車両の駆動力及び制動力を調整する制御である。ECU10は、追従走行制御において、自車両を所定の設定速度で定速走行させたり、先行車両に追従した状態で自車両を走行させたりする。ECU10は、追従走行制御において、自車両が走行する自車線の左右の区画線(以下、白線)をカメラセンサ21から取得される画像により認識し、かつ自車両の走行位置を左右の白線の内側で保持する。つまり、ECU10は、追従走行制御において、レーンキープアシスト(Lane Keep Assist)機能を実現する。
【0023】
被制御装置30は、加速装置であるアクセル装置31と減速装置であるブレーキ装置32とを有する。アクセル装置31は、ドライバのアクセル操作又はECU10からの制御指令により、自車両に駆動力を付与する。ブレーキ装置32は、ドライバのブレーキ操作又はECU10からの制御指令により、自車両に制動力を付与する。また、被制御装置30は、窓ガラスに設けられたワイパ装置33を有する。
【0024】
ところで、追従走行制御中では、例えば悪天候などによるカメラセンサ21及びレーダセンサ22の検知精度が低下することがある。例えばレーダセンサ22の検知精度の低下は、レーダセンサ22による自車両周辺の物体検知数の減少に基づいて判定される。この場合、レーダセンサ22の検知精度が低下していなければ、追従走行制御が継続されてもよい。しかし、レーダセンサ22の検知精度が低下した場合には、追従走行制御が解除され、車両走行の制御がドライバに返還される。
【0025】
追従走行制御での自車両の走行中において、天候の悪化に伴い追従走行制御を解除する場合、その解除が早過ぎると、自車両の運転を追従走行制御に委ねているドライバが違和感を覚えることが懸念される。また、車両走行の制御をドライバに返還するまでの期間が短いと、ノイズ等による一時的な検知精度低下に起因して誤って追従走行制御が解除されることが懸念される。一方、検知精度の低下から追従走行制御の解除までの期間が過度に長いと、車両走行の制御をドライバに返還する以前において自車両が先行車両に過剰に接近するおそれがある。
【0026】
そこで、本実施形態では、自車両周辺の天候が悪天候であることを示す悪天候情報を取得し、この悪天候条件に基づいて、検知精度の低下から追従走行制御の解除までの解除待機期間TAを設定するようにした。悪天候情報によれば、天候の悪化度合が追従走行制御にどの程度影響を及ぼすかを把握することが可能となり、解除待機期間TAを適切に設定することができる。これにより、物体検知装置の検知精度の低下時に適切に追従走行制御を解除することができる。
【0027】
図2に、本実施形態の運転支援処理のフローチャートを示す。ECU10は、所定周期毎に運転支援処理を繰り返し実施する。
【0028】
運転支援処理を開始すると、ステップS11では、追従走行制御中であるか否かを判定する。この場合、自車両が先行車両に追従する追従走行状態か、自車両が設定速度で走行する定速走行状態(単独走行状態)のいずれかであれば、ステップS11を肯定し、ステップS12に進む。一方、追従走行制御中でない場合、ステップS11を否定し、本処理を一旦終了する。
【0029】
ステップS12では、精度低下フラグFgが「1」に設定されているか否かを判定する。精度低下フラグFgは、追従走行制御の開始タイミングにおいて「0」に設定されており、レーダセンサ22の検知精度が低下していない場合には、「0」に設定される。一方、レーダセンサ22の検知精度が低下している場合には、精度低下フラグFgは「1」に設定される。精度低下フラグFgが「0」に設定されている場合、ステップS13に進む。一方、精度低下フラグFgが「1」に設定されている場合、ステップS21に進む。
【0030】
ステップS13では、レーダセンサ22の検知精度が低下しているか否かを判定する。検知精度が低下していない場合、本処理を一旦終了する。一方、検知精度が低下している場合、ステップS14に進む。
【0031】
ステップS14では、精度低下フラグFgを「1」に設定する。続くステップS15では、解除待機期間TAが第1期間T1に設定された第1タイマM1の計時を開始し、本処理を一旦終了する。
【0032】
ステップS21では、レーダセンサ22の検知精度が低下した状態が維持されているか否かを判定する。レーダセンサ22の検知精度が回復しており、検知精度が低下していない場合、ステップS22に進む。ステップS22では、精度低下フラグFgを「0」に設定する。続くステップS23では、タイマM1~M5をリセットし、本処理を一旦終了する。タイマM1~M5は、図4に示すパターンP1~P5に対応する計時手段であり、パターンP1~P5が成立した場合に、計時が開始され、少なくとも1つのタイマM1~M5において解除待機期間TAが経過した場合に、追従走行制御が解除される。一方、検知精度が低下した状態が維持されている場合、ステップS24に進む。なお、本実施形態において、ステップS13,S21の処理が「判定部,判定ステップ」に相当する。
【0033】
ステップS24では、悪天候情報取得処理を実施する。悪天候情報取得処理では、センサ類20に含まれるカメラセンサ21及びレーダセンサ22と、被制御装置30に含まれるワイパ装置33から、自車両周辺の天候が悪天候であることを示す悪天候情報を取得する。なお、本実施形態において、ステップS24の処理が「取得部,取得ステップ」に相当する。
【0034】
図3に、悪天候情報取得処理のフローチャートを示す。悪天候情報取得処理を開始すると、ステップS40では、ステップS21においてレーダセンサ22の検知精度が低下した状態が維持されていると判定されたことに基づいて、レーダセンサ22の検知精度が低下していることを示す悪天候情報(以下、レーダセンサ22の悪天候情報)を取得する。なお、本実施形態において、レーダセンサ22の悪天候情報が「第1情報」に相当する。
【0035】
ステップS41では、カメラセンサ21の検知精度が低下しているか否かを判定する。本実施形態では、レーダセンサ22による自車両周辺の物体検知数に対して、カメラセンサ21による自車両周辺の物体検知数が少ない状況であることに基づいて、カメラセンサ21の検知精度が低下しているか否かを判定する。具体的には、レーダセンサ22による自車両周辺の物体検知数に対するカメラセンサ21による自車両周辺の物体検知数の比である検知比が所定の閾値よりも小さくなった場合に、カメラセンサ21の検知精度が低下していると判定する。これにより、自車両周辺に存在する物体の数が減少し、これに伴って、レーダセンサ22による自車両周辺の物体検知数と、カメラセンサ21による自車両周辺の物体検知数とが共に減少した場合において、カメラセンサ21の検知精度が低下していると誤判定されることが抑制される。
【0036】
検知比が閾値よりも小さい場合、カメラセンサ21の検知精度が低下していると判定し、ステップS42において、カメラセンサ21の検知精度が低下していることを示す悪天候情報(以下、カメラセンサ21の悪天候情報)を取得し、ステップS43に進む。一方、該検知比が閾値よりも大きい場合、カメラセンサ21の検知精度が低下していないと判定し、ステップS45に進む。なお、本実施形態において、カメラセンサ21の悪天候情報が「第2情報」に相当する。
【0037】
ステップS43では、カメラセンサ21が自車線の白線を認識しているか否かを判定する。例えばカメラセンサ21により自車両遠方の物体を検知できなくなったことでカメラセンサ21の悪天候情報を取得している状況下において、自車両の近傍領域で左右の白線を認識できている場合には、レーンキープアシスト機能を発揮することが可能な状況であり、先行車両の追従状態であれば先行車両を検知できる可能性があることから、ステップS44に進む。ステップS44では、第2パターンP2に対応する解除待機期間TAである第2期間T2を所定期間だけ延長し、ステップS47に進む。一方、白線を認識できない場合には、第2期間T2を延長することなくステップS47に進む。つまり、白線が認識されていれば、白線が認識されていない場合よりも解除待機期間TA(第2期間T2)が長い期間に設定される。
【0038】
ステップS45では、カメラセンサ21の検知精度が回復したか否かを判定する。例えば降雪時には、レーダセンサ22及びカメラセンサ21において検知精度の低下が生じることが考えられ、その降雪が止んだ直後には、カメラセンサ21の検知精度は元に戻るのに対し、レーダセンサ22についてはセンサ前面の着雪により検知精度が低下したままになることが考えられる。この場合、カメラセンサ21の検知精度は回復するが、レーダセンサ22の前面に付着した雪が溶けるまでは、レーダセンサ22の検知精度は低下したままとなることから、ステップS46に進む。ステップS46では、レーダセンサ22への積雪により検知精度が低下していることを示す悪天候情報(以下、積雪による悪天候情報)を取得し、ステップS46に進む。
【0039】
一方、晴天時には、レーダセンサ22及びカメラセンサ21において検知精度の低下が生じていないことが考えられ、その後に雪が降り始めた場合に、カメラセンサ21よりも先にレーダセンサ22の検知精度が低下することが考えられる。この場合、カメラセンサ21の検知精度は回復していない。また、レーダセンサ22の検知精度は低下したままとなるとも限らず、且つレーダセンサ22の前面に付着した雪が溶けることで検知精度が戻ることもない。この場合、積雪による悪天候情報を取得することなく、ステップS47に進む。
【0040】
ステップS47では、ワイパ装置33が動作しているか否かを判定する。ワイパ装置33が動作している場合、ステップS48において、ワイパ装置33が動作していることを示す悪天候情報(以下、ワイパ装置33の悪天候情報)を取得し、本処理を一旦終了する。一方、ワイパ装置33が動作していない場合、ワイパ装置33の悪天候情報を取得することなく、本処理を一旦終了する。
【0041】
悪天候情報取得処理では、カメラセンサ21、レーダセンサ22、及びワイパ装置33などの車載装置から悪天候情報として取得する。具体的には、これらの車載装置では、天候悪化に伴い出力に変化が生じることから、その出力変化を車載装置ごとの悪天候情報として取得する。ここで、カメラセンサ21及びレーダセンサ22において、出力変化は検知状態の変化であり、ワイパ装置33において、出力変化は動作状態の変化を意味する。
【0042】
図2に戻り、悪天候情報取得処理が終了すると、ステップS25~S36に進む。ステップS25~S36では、悪天候情報取得処理で取得された悪天候情報に基づいて、タイマM2~M5を制御する。ECU10のメモリ11には、悪天候情報取得処理で取得された悪天候情報により定まる5つのパターンP1~P5が記憶されており、ステップS25~S36では、これらのパターンP1~P5のうち、パターンP2~P5に対応するタイマM2~M5を制御する。
【0043】
図4に示すように、第1パターンP1は、レーダセンサ22の悪天候情報が取得されている状態を示すパターンであり、第2パターンP2は、レーダセンサ22及びカメラセンサ21の悪天候情報が取得されている状態を示すパターンである。そのため、第2パターンP2が成立している場合には、第1パターンP1が同時に成立している。また、第3パターンP3は、レーダセンサ22及びワイパ装置33の悪天候情報が取得されている状態を示すパターンであり、第4パターンP4は、レーダセンサ22及び積雪による悪天候情報が取得されている状態を示すパターンであり、第5パターンP5は、レーダセンサ22、カメラセンサ21、及びワイパ装置33の悪天候情報が取得されている状態を示すパターンある。カメラセンサ21の悪天候情報と積雪による悪天候情報とは同時に取得されることはないため、第2パターンP2と第4パターンP4とが同時に成立することはない。
【0044】
また、パターンP1~P5には、対応するタイマM1~M5の解除待機期間TAが定められている。第1パターンP1に対応する第1タイマM1の解除待機期間TAは、第1期間T1であり、第2,第3パターンP2,P3に対応する第2,第3タイマM2,M3の解除待機期間TAは、第2期間T2である。第4パターンP4に対応する第4タイマM4の解除待機期間TAは、第3期間T3であり、第5パターンP5に対応する第5タイマM5の解除待機期間TAは、第4期間T4である。期間T1~T4は、この順に短い期間となるように設定されている。
【0045】
パターンP1~P5では、取得すべき悪天候情報の組み合わせが互いに異なっており、この組み合わせに基づいて解除待機期間TAが設定されている。悪天候情報の組み合わせが異なると、自車両周辺の悪天候の度合(以下、単に悪天候の度合)が変わる。ここで、悪天候の度合とは、雨、雪、霧等の天候の種類を意味し、例えば雪は路面の凍結等の原因となることから、雨よりも悪天候の度合いが大きい。また、悪天候の度合には、小雨、大雨、豪雨等の各天候の種類における悪天候の程度が含まれる。本実施形態では、悪天候の度合に対応させて、解除待機期間TAが設定されている。
【0046】
具体的には、パターンP1~P5では、この順で取得すべき悪天候情報の数が多くなっており、これに対応させて、この順で解除待機期間TAが短くなるように設定されている。つまり、悪天候情報の数が多いほど、悪天候の度合が大きいとされ、悪天候の度合が大きいとされる場合に、悪天候の度合が小さいとされる場合に比べて、解除待機期間TAが短い期間に設定されている。
【0047】
例えば、第1パターンP1と第2パターンP2とを比較すると、レーダセンサ22及びカメラセンサ21の悪天候情報が取得されている場合の解除待機期間TA(第2期間T2)は、レーダセンサ22の悪天候情報のみが取得されている場合の解除待機期間TA(第1期間T1)よりも短い期間に設定されている。
【0048】
また、第1パターンP1と第4パターンP4とを比較すると、レーダセンサ22及び積雪による悪天候情報が取得されている場合の解除待機期間TA(第3期間T3)は、レーダセンサ22の悪天候情報のみが取得されている場合の解除待機期間TA(第1期間T1)よりも短い期間にされている。
【0049】
ここで、レーダセンサ22及び積雪による悪天候情報が取得されている場合には、レーダセンサ22の悪天候情報及びカメラセンサ21の悪天候情報が取得された状態から、レーダセンサ22の悪天候情報のみが取得された状態に変化した状況が含まれる。また、レーダセンサ22の悪天候情報のみが取得されている場合には、レーダセンサ22及び積雪による悪天候情報が取得されている場合には、レーダセンサ22の悪天候情報及びカメラセンサ21の悪天候情報が取得されていない状態から、レーダセンサ22の悪天候情報のみが取得された状態に変化した状況が含まれる。第3期間T3が第1期間T1よりも短く設定されることで、状況に応じた適切なタイミングで追従走行制御を解除することができる。
【0050】
ステップS25~S36の説明に戻ると、ステップS25では、第2パターンP2が成立しているか否かを判定する。第2パターンP2が成立している場合、ステップS26において、解除待機期間TAが第2期間T2に設定された第2タイマM2の計時を開始し、ステップS28に進む。一方、第2パターンP2が成立していない場合、ステップS27において第2タイマM2をリセットし、ステップS28に進む。
【0051】
ステップS28では、第3パターンP3が成立しているか否かを判定する。第3パターンP3が成立している場合、ステップS29において、解除待機期間TAが第2期間T2に設定された第3タイマM3の計時を開始し、ステップS31に進む。一方、第3パターンP3が成立していない場合、ステップS30において第3タイマM3をリセットし、ステップS31に進む。
【0052】
ステップS31では、第4パターンP4が成立しているか否かを判定する。第4パターンP4が成立している場合、ステップS32において、解除待機期間TAが第3期間T3に設定された第4タイマM4の計時を開始し、ステップS34に進む。一方、第4パターンP4が成立していない場合、ステップS33において第4タイマM4をリセットし、ステップS34に進む。
【0053】
ステップS34では、第5パターンP5が成立しているか否かを判定する。第5パターンP5が成立している場合、ステップS35において、解除待機期間TAが第4期間T4に設定された第5タイマM5の計時を開始し、ステップS37に進む。一方、第5パターンP5が成立していない場合、ステップS36において第5タイマM5をリセットし、ステップS37に進む。なお、本実施形態において、ステップS15,S26,S29,S32,S35の処理が「設定部,設定ステップ」に相当する。
【0054】
ステップS37では、タイマM1~M5において、解除待機期間TAが経過したか否かを判定する。いずれのタイマM1~M5においても解除待機期間TAを超えていない場合、本処理を一旦終了する。一方、少なくとも1つのタイマM1~M5においても解除待機期間TAを超えた場合、ステップS38において、追従走行制御を解除し、本処理を一旦終了する。ステップS36では、例えば車室内に設置されたディスプレイやスピーカを用いて、ドライバに追従走行制御を解除する旨を通知し、ドライバに車両走行の制御の準備を促す。なお、本実施形態において、ステップS38の処理が「解除部」に相当する。
【0055】
続いて、図5に、運転支援処理における追従走行制御の解除タイミングの推移の一例を示す。図5は、第5パターンP5における追従走行制御の解除タイミングの推移を示す。
【0056】
図5において、(A)は、追従走行制御の実施状態の推移を示し、(B)は、先行車両の認識状態の推移を示し、(C)は、レーダセンサ22の検知精度の推移を示す。一般に、先行車両の認識状態の推移とレーダセンサ22の検知精度の推移とは異なり、レーダセンサ22の検知精度が低下した後に、先行車両が認識されなくなる。また、(D)は、カメラセンサ21の検知精度の推移を示し、(E)は、ワイパ装置33の動作状態の推移を示し、(F)は、第1タイマM1の作動状態の推移を示し、(G)は、第2タイマM2の作動状態の推移を示し、(H)は、第5タイマM5の作動状態の推移を示す。
【0057】
図5に示すように、ドライバにより追従走行スイッチがオンされた後、時刻t1に先行車両が認識されると、追従走行制御が実施される。なお、追従走行スイッチは、例えば車室内に設けられており、ドライバによる操作が可能となっている。また、時刻t1において、レーダセンサ22及びカメラセンサ21の検知精度は良好であり、ワイパ装置33は動作していない。
【0058】
その後、天候の悪化に伴い時刻t2にレーダセンサ22の検知精度が低下し、レーダセンサ22の悪天候情報が取得されると、第1パターンP1が成立し、第1タイマM1の計時が開始される。第1タイマM1では、解除待機期間TAが比較的長い第1期間T1に設定されているため、図5(A)に破線で示すように、第1タイマM1のみを用いて追従走行制御の解除タイミングを決定すると、解除タイミングが時刻t7となる。図5に示す例では、第1タイマM1を用いて決定された解除タイミングである時刻t7が、天候の悪化に伴い先行車両が認識できなくなるタイミングである時刻t6よりも遅くなってしまい、追従走行制御を解除する以前において自車両が先行車両に過剰に接近するおそれがある。
【0059】
本実施形態では、レーダセンサ22の悪天候情報だけでなく、カメラセンサ21及びワイパ装置33の悪天候情報に基づいて、追従走行制御の解除タイミングを決定するようにした。これらの悪天候情報を用いることで、天候の悪化度合、つまり悪天候の度合に応じて追従走行制御の解除タイミングを適切に決定することができる。
【0060】
具体的には、時刻t3にカメラセンサ21の検知精度が低下し、カメラセンサ21の悪天候情報が取得されると、第2パターンP2が成立し、第2タイマM2の計時が開始される。第2タイマM2の解除待機期間TA(第2期間T2)は、第1タイマM1の解除待機期間TA(第1期間T1)よりも短い。そのため、図5に示す例では、第2タイマM2を用いて決定される解除タイミングである時刻t6が、第1タイマM1を用いて決定される解除タイミングである時刻t7よりも早くなる。
【0061】
また、時刻t4にワイパ装置33が動作を開始し、ワイパ装置33の悪天候情報が取得されると、第5パターンP5が成立し、第5タイマM5の計時が開始される。第5タイマM5の解除待機期間TA(第5期間T5)は、第2タイマM2の解除待機期間TA(第2期間T2)よりも短い。そのため、図5に示す例では、第5タイマM5を用いて決定される解除タイミングである時刻t5が、第2タイマM2を用いて決定される解除タイミングである時刻t6よりも早くなる。
【0062】
図5に示す例では、第1,第2,第5タイマM1,M2、M5を用いて決定される解除タイミングである時刻t5~t7のうち、時刻t5が最も早い。そのため、時刻t5において追従走行制御が解除される。その結果、追従走行制御の解除タイミングが、天候の悪化に伴い先行車両が認識できなくなるタイミングである時刻t6よりも早くすることができ、追従走行制御を解除する以前において自車両が先行車両に過剰に接近することを抑制することができる。
【0063】
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
【0064】
本実施形態では、悪天候情報に基づいて、解除待機期間TAを設定するようにした。悪天候情報によれば、天候の悪化度合が追従走行制御にどの程度影響を及ぼすかを把握することが可能となり、検知精度の低下から追従走行制御の解除までの解除待機期間TAを適切に設定することができる。これにより、レーダセンサ22の検知精度の低下時に適切に追従走行制御を解除することができる。
【0065】
例えば、自車両が先行車両に追従する追従走行状態において、悪天候により先行車両を検知できない場合、自車両が加速を実施することで先行車両に過剰に接近することが考える。また、自車両が設定速度で走行する定速走行状態において、前方の車両に追いつこうとする場面において、悪天候により先行車両を検知できない場合、先行車両に対して減速を実施することができず先行車両に過剰に接近することが考える。追従走行状態及び定速走行状態において追従走行制御の解除を実施することで、自車両が先行車両に過剰に接近すること抑制することができる。
【0066】
悪天候情報における悪天候の度合が大きいほど、追従走行制御での自車両の走行中において先行車両に対して自車両が接近しすぎる等の不都合が生じやすくなる。本実施形態では、悪天候情報に基づいて悪天候の度合が大きいとされる場合に、悪天候の度合が小さいとされる場合に比べて解除待機期間TAを短い期間に設定するようにしたため、上記不都合を抑制し、追従走行制御を適切なタイミングで解除することができる。
【0067】
車両では、例えばレーダセンサ22やカメラセンサ21など、各センサの検知状態の変化の情報を悪天候情報として取得でき、例えばワイパ装置33の動作状態の変化の情報を悪天候情報として取得できる。これらセンサや装置である車載装置では、天候悪化に伴い出力変化が生じるため、取得される悪天候情報の組み合わせによって、悪天候の度合を把握することができる。本実施形態では、悪天候情報の組み合わせに基づいて、解除待機期間TAを設定するため、悪天候の状況に応じて、適切なタイミングで追従走行制御を解除することができる。
【0068】
また、車載装置では、天候悪化に伴い取得される悪天候情報の数が多くなるため、取得される悪天候情報の数によって、悪天候の度合を把握することができる。本実施形態では、悪天候情報の数が多いほど、解除待機期間TAを短い期間に設定するため、追従走行制御を適切なタイミングで解除することができる。
【0069】
レーダセンサ22及びカメラセンサ21では異なる条件で検知精度の低下が判定される。そのため、悪天候の状況に応じて、いずれのセンサから悪天候情報が取得されるのかの組み合わせが相違する。この点、レーダセンサ22及びカメラセンサ21の少なくともいずれかで検知精度の低下が生じた場合に、その検知精度低下の情報を悪天候情報として取得し、それら各センサから取得された悪天候情報の組み合わせに基づいて、解除待機期間TAを設定するようにしたため、悪天候の状況に応じて、適切なタイミングで追従走行制御を解除することができる。
【0070】
具体的には、レーダセンサ22及びカメラセンサ21の悪天候情報が取得されている場合の解除待機期間TA(第2期間T2)を、レーダセンサ22の悪天候情報のみが取得されている場合の解除待機期間TA(第1期間T1)よりも短い期間に設定するようにした。これにより、悪天候の状況に応じて、レーダセンサ22及びカメラセンサ21の少なくともいずれかで検知精度の低下が生じた場合に、追従走行制御を適切なタイミングで解除することができる。
【0071】
また、カメラセンサ21の悪天候情報が取得されている場合において、カメラセンサ21により白線が認識されている場合には、白線が認識されていない場合よりも解除待機期間TA(第2期間T2)を延長するようにした。カメラセンサ21により白線が認識されている場合には、白線が認識されていない場合よりも先行車両を検知できる可能性が高い。これにより、先行車両を検知できる可能性に応じて、追従走行制御の解除タイミングを適切に設定することができる。
【0072】
例えば降雪時には、レーダセンサ22及びカメラセンサ21において検知精度の低下が生じることが考えられ、その降雪が止んだ直後には、カメラセンサ21の検知精度は元に戻るのに対し、レーダセンサ22についてはセンサ前面の着雪により検知精度が低下したままになることが考えられる。特にレーダセンサ22が車両のフロントグリルに設けられ、カメラセンサ21が車両前面ガラスの内側に設けられている場合にはこうした事態が生じ易いと考えられる。
【0073】
この点、本実施形態では、レーダセンサ22及びカメラセンサ21の検知精度が低下している状態(第2パターンP2)から、レーダセンサ22の検知精度だけが低下している状態(第1パターンP1)に変化した場合の解除待機期間TA(第3期間T3)を、レーダセンサ22及びカメラセンサ21の検知精度が低下していない状態から、レーダセンサ22の検知精度だけが低下している状態(第1パターンP1)に変化した場合の解除待機期間TA(第1期間T1)よりも短い期間に設定するようにした。これにより、レーダセンサ22の前面に付着した雪が溶けることで検知精度が戻ることを想定しつつ、追従走行制御の解除タイミングを適切に設定することができる。
【0074】
例えば霧の発生時には、カメラセンサ21において自車両周辺の物体検知数に基づいて検知精度の低下が判定されているが、自車両近傍の区画線は認識できているといった状況があり得る。この状況下では、自車両近傍の白線が認識できていることにより、自車両近傍の白線が認識できていない場合に比べて、追従走行制御を継続することの不都合は生じにくいと考えられる。この点、本実施形態では、カメラセンサ21の悪天候情報が取得されている状況下において、自車両の近傍領域で白線が認識されていれば、白線が認識されていない場合よりも解除待機期間TAを長い期間に設定することとしたため、認識された白線を用いて自車両の走行位置を左右の白線の内側で保持しつつ、解除待機期間TAを適正に設定することが可能となる。
【0075】
悪天候である場合には時間経過に伴い悪天候の状況が変化することが考えられる。この点を考慮し、本実施形態では、悪天候情報の第1の組み合わせ(第1パターンP1)に応じて解除待機期間TAとして第1待機期間(第1期間T1)が設定され、かつその第1待機期間の時間計測が開始された後に、悪天候情報の第2の組み合わせ(第2パターンP2)に応じて解除待機期間TAとして第2待機期間(第2期間T2)が設定され、かつその第2待機期間の時間計測が開始されるようにした。そして、それぞれの時間計時が開始された場合に、第1待機期間と第2待機期間とのうち一方が先に経過したタイミングで追従走行制御を解除するようにした。これにより、時間経過に伴い変化する悪天候の状況に合わせて複数の解除待機期間TAが設定され、その複数の解除待機期間TAを用いて適切なタイミングで追従走行制御を解除することができる。
【0076】
(第2実施形態)
以下、第2実施形態について、第1実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、自車両周辺の天候が悪天候となることが予測される場合に、運転支援制御の解除処理が行われる。
【0077】
図6に、本実施形態の運転支援処理のフローチャートを示す。図6において、先の図2に示した構成と同一の構成については、同一の符号を付している。なお、図6では、便宜上、図2のステップS25~S36までの処理について図示を省略している。
【0078】
ステップS11の処理の後、ステップS50に進む。ステップS50では、自車両が今後走行する予定の予定経路の気象情報を取得する。本実施形態では、走行制御システム100は、図示しない無線通信装置を備えている。無線通信装置は、V2X(vehicle to X)電波による通信と、他の車両との車車間通信と、携帯電話基地局の電波を利用したモバイル回線による通信と、道路交通情報通信システムとの無線通信とのうち少なくとも1つを実行する。気象情報には、予定経路が属する地域について、現時点及び現時点から所定時間内の気温情報、降雨情報及び降雪情報等の悪天候情報が含まれる。ここで、予定経路としては、ナビゲーション装置に設定された現在地から目的地までの走行経路を用いてもよいし、自車両の進行方向前方の経路を用いてもよい。ステップS50の処理が「取得部」に相当する。
【0079】
ステップS51では、気象情報に基づいて、自車両周辺の天候が今後悪天候となることが予測されるか否かを判定する。本実施形態では、予定経路が属する地域の天候が降雨又は降雪等の悪天候であることを示す気象情報を取得した場合に、自車両周辺の天候が今後悪天候となると予測し、ステップS51において肯定判定する。この場合、ステップS52に進む。一方、ステップS51において否定判定した場合、ステップS12に進む。なお、ステップS51では、現時点での予定経路が属する地域の天候が悪天候でなくても、自車両が当該地域を走行する予定時刻において悪天候となることを示す気象情報を取得した場合に、自車両周辺の天候が今後悪天候となると予測してもよい。
【0080】
ステップS52では、ドライバに対して、自車両周辺の天候が今後悪天候となることが予測される旨、及び追従走行制御の解除又は継続に関して所定時間内での応答を促す旨を通知する。本実施形態では、走行制御システム100は、図示しない情報伝達装置を備えている。情報伝達装置は、例えば車室内に設置されたスピーカやマイク、ディスプレイ、カメラ等のヒューマンマシンインターフェース(HMI)である。例えば、ドライバに対しては、スピーカの音声案内による聴覚的な通知、又はディスプレイの警告表示による視覚的な通知を行うとよい。
【0081】
ステップS53では、ドライバからの応答があるか否かを判定する。本実施形態では、ドライバからの応答として、追従走行制御の解除を許可する旨の応答、又は追従走行制御を継続する旨の応答がなされることを想定している。例えば、ドライバからの応答内容は、ドライバが発する音声をマイクにより認識してもよいし、ドライバによるディスプレイのタッチ操作を認識してもよいし、ドライバのジェスチャーをカメラにより認識してもよい。ステップS53において肯定判定した場合、ステップS54に進む。一方、ステップS53において否定判定した場合、ステップS55に進む。
【0082】
ステップS54では、ドライバからの応答が追従走行制御の解除を許可する旨であるか否かを判定する。ステップS54において肯定判定した場合、ステップS38に進み、追従走行制御を解除する。一方、ステップS54において否定判定した場合、ステップS12に進む。
【0083】
ステップS55では、ドライバへの通知を行ってから、所定時間が経過したか否かを判定する。所定時間は、ドライバに対して追従走行制御の解除又は継続の意思確認するために設定される時間である。本実施形態では、ステップS55において否定判定した場合、ステップS53に戻る。一方、ステップS55において肯定判定した場合、ステップS12に進む。つまり、ドライバへの通知を行ってから所定時間が経過しても、ドライバから応答がない場合、追従走行制御を継続する。なお、本実施形態において、ステップS38、ステップS51~ステップS55が「解除部」に相当する。
【0084】
なお、ステップS55において肯定判定した場合、ステップS12に進むことに代えて、ステップS38に進むこととしてもよい。つまり、ドライバへの通知を行ってから所定時間が経過しても、ドライバから応答がない場合、追従走行制御を解除してもよい。また、ステップS52~S53の処理を行わなくてもよい。つまり、ステップS51において肯定判定された場合、ドライバに対して追従走行制御の解除又は継続の意思確認を行わずに、追従走行制御を解除してもよい。
【0085】
本実施形態によれば、気象情報に基づいて自車両周辺の天候が今後悪天候となることが予測された場合に、追従走行制御が解除される。これにより、自車両周辺の天候が悪天候となる状況において、追従走行制御が実施されている状態が生じることを抑制できる。その結果、追従走行制御の解除タイミングに起因した不都合が生じることを抑制することができる。
【0086】
自車両周辺の天候が今後悪天候となることがドライバに通知され、ドライバに対して追従走行制御の解除又は継続の意思確認が行われる。これにより、自車両周辺の天候が悪天候になる前において、ドライバの意思を反映させた車両の走行を行うことができる。
【0087】
(その他の実施形態)
上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
【0088】
・追従走行制御における先行車両の認識は、画像情報とレーダ情報とを融合(フュージョン)して行われるものに限らない。レーダ情報のみを用いて先行車両を認識してもよい。
【0089】
・追従走行制御における追従走行状態において、追従走行の対象となる他車両は、自車両が走行する自車線において自車両の前方に位置する先行車両に限られない。例えば自車線の隣である隣車線において自車両の前方に位置する隣先行車両であってもよい。なお、隣先行車両と先行車両とが「自車両の前方に位置する前方車両」に相当する。
【0090】
・追従走行制御において、自車両が先行車両に追従する追従走行状態であるか、自車両が先行車両に追従していない単独走行状態であるかに応じて、解除待機期間TAとして異なる時間を設定するようにしてもよい。この場合、ECU10は、追従走行制御中において、追従走行状態であるか単独走行状態であるかを判定し、追従走行状態であれば、単独走行状態である場合に比べて解除待機期間TAを長い時間とする。
【0091】
・追従走行制御として、レーンキープアシスト機能を有している構成としたが、これに限られない。追従走行制御として、レーンキープアシスト機能を有していない構成としてもよい。
【0092】
・上記各実施形態では、走行支援制御として追従走行制御が実施されている状況下において、物体検知装置の精度低下と悪天候判定とに基づいて追従走行制御を解除する構成としたが、これを変更してもよい。例えば、ドライバの操作によらずECU10により車両が自動運転制御されている状況下、換言すれば自動運転モードでの走行支援制御が実施されている状況下において、物体検知装置の精度低下と悪天候判定とに基づいて自動運転を解除する構成としてもよい。自動運転制御は、例えば、ドライバによる切り替え操作により手動運転モードから自動運転モードに切り替えられた状態で実施され、目的地に対して設定された経路に沿って車両を自動走行させるべく行われる。ECU10は、自動運転制御の実施状態下において、第1実施形態と同様に、物体検知装置の精度低下と悪天候判定とに基づいて解除待機期間を設定するとともに、その解除待機期間が経過したと判定された場合に自動運転制御を解除する(すなわち手動運転モードに移行させる)。また、第2実施形態と同様に、気象情報に基づいて自車両周辺の天候が今後悪天候となることが予測された場合に、自動運転制御を解除することも可能である。
【0093】
・運転支援処理において、レーダセンサ22の検知精度の低下に基づいて、第1タイマM1の計時を開始する例を示したが、これに限られない。カメラセンサ21の検知精度の低下に基づいて、第1タイマM1の計時を開始するようにしてもよい。
【0094】
・悪天候情報により定まるパターンP1~P5として、レーダセンサ22の悪天候情報が取得されている場合に成立するパターンのみを示したが、これに限られない。レーダセンサ22の悪天候情報が取得されていない場合に成立するパターンが含まれていてもよい。
【0095】
・パターンP1~P5に対して、それぞれ対応するタイマM1~M5を設け、タイマM1~M5のうち、最も早く解除待機期間TAが経過したタイミングで追従走行制御を解除する例を示したが、これに限られない。パターンP1~P5に対して1つのタイマを設け、成立するパターンP1~P5により、その1つのタイマの解除待機期間TAを変更するようにしてもよい。
【0096】
・ワイパ装置33の悪天候情報として、ワイパ装置33が動作していることとともに、ワイパ装置33の動作速度を取得してもよい。そして、ワイパ装置33の動作速度が速い場合には、遅い場合に比べて解除待機期間TAを短い期間に設定するようにしてもよい。
【0097】
・ワイパ装置33が雨滴センサにより動作する場合には、ワイパ装置33が動作していることとともに、又はワイパ装置33が動作していることに加えて、雨滴センサの検知状態を悪天候情報として取得してもよい。
【0098】
図2のステップS24の悪天候情報取得処理において、悪天候情報として、現時点の自車両周辺の気温情報、降雨情報及び降雪情報等の気象情報を取得してもよい。この場合、第2実施形態と同様に、無線通信装置の通信により気象情報を取得すればよい。例えば、自車両周辺の気温が零下であると、レーダセンサ22の前面が凍ってしまい、レーダセンサ22の検知精度が低下することがある。自車両周辺の気象情報を取得することで、追従走行制御を適切なタイミングで解除することができる。
【0099】
・悪天候情報に加えて、自車両の走行速度により解除待機期間TAを設定するようにしてもよい。自車両周辺の天候が悪天候である場合には、自車両の走行速度が速いほど、レーダセンサ22及びカメラセンサ21の検知精度が低下する。そのため、自車両の走行速度が速いほど、解除待機期間TAを短い期間に設定することで、追従走行制御を適切なタイミングで解除することができる。
【0100】
・画像センサは、単眼カメラに限られず、ステレオカメラであってもよい。測距センサは、レーダセンサ22に限られず、レーザセンサであってもよい。
【0101】
・本開示に記載の車両制御装置及びその手法は、コンピュータ実行用プログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の車両制御装置及びその手法は、一つ以上の専用ハードウェア論理回路によってプロセッサを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の車両制御装置及びその手法は、一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリと一つ以上のハードウェア論理回路によって構成されたプロセッサとの組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータ実行用プログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。
【0102】
本開示は、実施例に準拠して記述されたが、本開示は当該実施例や構造に限定されるものではないと理解される。本開示は、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態、さらには、それらに一要素のみ、それ以上、あるいはそれ以下、を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範疇や思想範囲に入るものである。
【0103】
以下、上述した各実施形態から抽出される特徴的な構成を記載する。
[構成1]
物体を検知する物体検知装置(21,22)を備える車両に適用され、前記物体検知装置による検知情報に基づいて、自車両の走行を支援する走行支援制御を実施する一方で、前記走行支援制御の実施中に前記物体検知装置の検知精度が低下した場合に、前記走行支援制御を解除する車両制御装置(10)であって、
前記物体検知装置の検知精度が低下していることを判定する判定部と、
自車両周辺の天候が悪天候であることを示す悪天候情報を取得する取得部と、
前記悪天候情報に基づいて、前記検知精度の低下が判定されてから走行支援制御が解除されるまでの解除待機期間を設定する設定部と、
を備える車両制御装置。
[構成2]
前記設定部は、前記悪天候情報に基づいて悪天候の度合が大きいとされる場合に、悪天候の度合が小さいとされる場合に比べて前記解除待機期間を短い期間に設定する、構成1に記載の車両制御装置。
[構成3]
前記取得部は、天候悪化に伴い出力変化が生じる複数の車載装置(21,22,33)での出力変化の情報を前記悪天候情報として取得するものであり、
前記設定部は、前記車載装置ごとに取得される前記悪天候情報の組み合わせに基づいて、前記解除待機期間を設定する、構成1又は2に記載の車両制御装置。
[構成4]
前記車両は、前記物体検知装置として、送信波及び受信波により物体までの距離を測定する測距センサ(22)と、自車両周辺の物体を撮像する画像センサ(21)とを有し、それら測距センサ及び画像センサを前記車載装置としており、
前記取得部は、前記悪天候情報として、前記測距センサの検知精度が低下していることを示す第1情報と、前記画像センサの検知精度が低下していることを示す第2情報とを取得するものであり、
前記設定部は、前記第1情報及び前記第2情報の組み合わせに基づいて、前記解除待機期間を設定する、構成3に記載の車両制御装置。
[構成5]
前記設定部は、前記第1情報及び前記第2情報が取得されている場合の前記解除待機期間を、前記第1情報のみが取得されている場合の前記解除待機期間よりも短い期間に設定する、構成4に記載の車両制御装置。
[構成6]
前記設定部は、前記第1情報及び前記第2情報が取得されている状態から、前記第1情報のみが取得されている状態に変化した場合の前記解除待機期間を、前記第1情報及び前記第2情報が取得されていない状態から、前記第1情報のみが取得されている状態に変化した場合の前記解除待機期間よりも短い期間に設定する、構成5に記載の車両制御装置。
[構成7]
前記取得部は、前記判定部により前記画像センサの検知精度の低下が生じていると判定された場合に、前記第2情報を前記悪天候情報として取得し、
前記設定部は、前記第2情報が取得されている状況下において、前記自車両の近傍領域で、前記画像センサの画像により車線の区画線が認識されている場合に、前記区画線が認識されていない場合よりも前記解除待機期間を長い期間に設定する、構成4~6のいずれか1つに記載の車両制御装置。
[構成8]
前記走行支援制御として、前記自車両が走行する自車線の左右の区画線を前記画像センサの画像により認識し、かつ前記自車両の走行位置を前記左右の区画線の内側で保持する機能を有しており、
前記判定部は、前記測距センサによる自車両周辺の物体検知結果に基づいて、前記画像センサの検知精度の低下が生じていることを判定し、
前記取得部は、前記判定部により前記画像センサの検知精度の低下が生じていると判定された場合に、前記第2情報を前記悪天候情報として取得し、
前記設定部は、前記第2情報が取得されている状況下において、前記自車両の近傍領域で前記区画線が前記画像センサの画像により認識されていれば、前記区画線が認識されていない場合よりも前記解除待機期間を長い期間に設定する、構成4~6のいずれか1つに記載の車両制御装置。
[構成9]
前記取得部により取得された前記悪天候情報の第1の組み合わせに応じて前記解除待機期間として第1待機期間が設定され、かつその第1待機期間の時間計測が開始された後に、前記悪天候情報の第2の組み合わせに応じて前記解除待機期間として第2待機期間が設定され、かつその解除待機期間の時間計測が開始された場合において、前記第1待機期間と前記第2待機期間とのうち一方が先に経過したタイミングで前記走行支援制御を解除する、構成3~8のいずれか1つに記載の車両制御装置。
[構成10]
前記悪天候情報には、前記自車両が今後通行する通行経路の天候が悪天候であることを示す情報が含まれており、
前記悪天候情報に基づいて自車両周辺の天候が悪天候となることが予測される場合に、前記走行支援制御を解除する解除部を備える、構成1~9のいずれか1つに記載の車両制御装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6