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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-26
(45)【発行日】2024-07-04
(54)【発明の名称】無線通信同期システム
(51)【国際特許分類】
   H04W 56/00 20090101AFI20240627BHJP
   H04W 84/18 20090101ALI20240627BHJP
【FI】
H04W56/00
H04W84/18
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020128698
(22)【出願日】2020-07-03
(65)【公開番号】P2022013511
(43)【公開日】2022-01-18
【審査請求日】2023-05-17
(73)【特許権者】
【識別番号】514296087
【氏名又は名称】株式会社京光製作所
(72)【発明者】
【氏名】境田 信也
【審査官】▲高▼木 裕子
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-518047(JP,A)
【文献】国際公開第2007/052709(WO,A1)
【文献】特開2018-038023(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 - 7/26
H04W 4/00 - 99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項4】
各無線機が送信する同期要求信号の送信タイミングを変動させる前記整数倍の整数値は、各無線機が生成する乱数に基づく、請求項3の無線通信同期システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の無線機からなる無線送受信システムにおいて、各無線機で同期がとれ、データが共有される仕組みに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の無線機からなる無線送受信システムにおいて、各無線機間で保有するデータが共有されるようにするためには、事前に各無線機間で送受信する相手を決め、1台の特定の無線機が取得したデータは物理的に隣接する無線機に送信され、データを受信したその無線機が、再度、更に隣接する無線機にデータを送信するというようにして、順に各無線機が中継して送受信を繰り返すことによって、各無線機でデータが共有されるようにする必要がある。
【0003】
例えば、特許文献1では、複数の無線装置が情報を隣り合う無線機間でリレー式に中継するシステムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2013-175868号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の方法では、各無線機でデータを共有するようにするため、ある特定の無線機から別の特定の無線機にデータを送信するというように、各無線機を特定し、各無線機を識別するための手段を必要としていた。
【0006】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、複数の無線機からなる送受信システムにおいて、各無線機を識別することなく、各無線機間で同期がとれ、同期が取れることにより、各無線機で間欠動作が可能となり、間欠動作の結果、各無線機で低消費電力が実現され、更に各無線機間でお互いに送受信することにより、制御データまたは収集データが共有される仕組みを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明では、複数の無線機からなるシステムの中で、一定の方法で定まる特定の無線機が第1の一定時間毎に、他の無線機あてに同期要求信号と制御データまたは収集データを送信し、他の無線機は前記特定の無線機からの前記第1の一定時間の整数倍のインターバルである第2の一定時間毎に、その同期要求信号を受信することにより、定期的に前記特定の無線機との間の同期を確立すると共に、前記制御データまたは収集データを受信する。
【0008】
上記の一定の方法で定まる特定の無線機とは、例えば、複数の無線機の中で、最初に電源が投入され、動作を開始した無線機である。電源が投入され、動作を開始した無線機はまず、他の無線機からの同期要求信号の受信動作を行うため、一定時間は受信待ちのため、無線機のCPUはスリープモード(低消費電力モードと呼び、スリープモード=低消費電力モード)でなく、オペレーティングモード(通常動作モードと呼び、オペレーティングモード=通常動作モード)で動作する。
【0009】
一定時間受信待ちを行ったが、他の無線機からの同期要求信号が受信できないときは、自らの無線機がシステム内で最初に電源が投入され、動作を開始した無線機と判断して、他の無線機あてに同期要求信号と制御データまたは収集データの送信動作を開始する。
【0010】
当該特定の無線機から同期要求信号を受信した無線機は、当該特定の無線機との間で同期を確立する。当該特定の無線機と同期を確立した無線機は更に自分自身以外の他の無線機と同期を確立するために、自分自身以外の他の無線機に向けて同期要求信号と前記制御データまたは収集データを送信する。
【0011】
詳細には、同期を確立した各無線機は同期確立後に前記第1の一定時間毎に、他の無線機あてに同期要求信号と同時に前記制御データまたは収集データを送信する。これによって、各無線機の間で同期が取れると共に、前記制御データまたは収集データが全ての無線機の間で共有される。
【0012】
各無線機は、他の無線機との同期がいったん外れても、他の無線機からの前記第1の一定時間毎の同期要求信号を受信することにより、再度、他の無線機との同期が再確立される。
【0013】
同期がとれた各無線機において、前記同期要求信号の送信終了後から前記第1の一定時間経過による次の同期要求信号の送信開始までの間は低消費電力モードで動作し、前記同期要求信号の受信時を除いては受信動作を行わない間欠送受信の動作を行って、低消費電力を実現する。
【0014】
更には、各無線機間での無線送受信の際に、お互いに送受信する相手の無線機を識別することなく、各無線機間で制御データまたは収集データの送受信を行う。
【0015】
本発明では前述した同期確立後に前記第1の一定時間毎、例えば250ms毎に、他の無線機あてに同期要求信号と前記制御データまたは収集データを送信するが、この送信時には無線機のCPUは通常動作モード(=オペレーティングモード)で動作する。この時の通常動作モードでの動作モードを送信モードと呼ぶことにする。
【0016】
前記第1の一定時間の整数倍のインターバルである第2の一定時間毎に例えば250ms×120=30秒毎に、前述の同期要求信号を受信するが、この受信時にも無線機のCPUは通常動作モード(=オペレーティングモード)で動作する。この時の通常動作モードでの動作モードを送受信モードと呼ぶことにする。
【0017】
この送受信モード時は、他の無線機からの同期要求信号と制御データまたは収集データ受信すると、自分自身以外の他の無線機に向かって、更に同期要求信号及び自分自身のセンサ入力やSW入力等に対応して(自分自身の無線機が取得したセンサ入力を外部へ収集データとして送信することや自分自身の無線機のSW入力により外部を制御するための制御データとして送信することに対応して)、更新した制御データまたは収集データ、或いは更新しない受信した制御データまたは収集データと同一のデータを送信する。
【0018】
制御データまたは収集データにはタイムスタンプ等が付加されており、更新した制御データまたは収集データを送信すれば、そのデータを受信した無線機は、タイムスタンプ等の値を比較することにより、新たに、その更新された制御データまたは収集データを取り込みことになれば、更に他の無線機に向けて、その更新された制御データまたは収集データを送信する。
【0019】
この送受信を繰り返すことによって、複数の無線機からなる送受信システムにおいて、各無線機間でその更新された制御データまたは収集データが共有されるようになる。
【0020】
複数の無線機からなる送受信システムにおいて、ある無線機と他の無線機との間で同期要求信号と制御データまたは収集データが送受信される際に、各無線機のうち、どの無線機とどの無線機の間で送受信されるのか、送受信の相手はどのようにして選択されるかについては後述するように固定化されない仕組みになっている。
【0021】
通常動作モードでの送信モードと送受信モード以外は無線機のCPUは低消費電力モード(=スリープモード)で動作する。各無線機の消費電力低減効果は、(通常動作モードの動作時間/(通常動作モードの動作時間+低消費電力モードの動作時間))を小さくするほど、大きくなる。
【0022】
送信モードの動作時間に比べ、送受信モードの動作時間が相対的に大きいため、消費電力を低減するためには、送受信モードの動作時間を短くすればよい。
【0023】
そのためには、前記第1の一定時間の整数倍のインターバルである第2の一定時間を長くする、言い換えれば前記「整数倍のインターバル」の中の整数倍の倍率を上げればよいが、自分自身の無線機でのセンサ入力やSW入力等への入力値に対して、他の無線機がその入力値を認識して応答として出力するまでの時間が長くなり、応答性が低下する。
【0024】
低消費電力性と応答性はトレードオフの関係にあるが、無線送受信システムとして最適な値を選択すれば良い。本発明の無線送受信システムはシステムを構成する全ての無線機の間で同期が確立しているので、整然とした間欠送受信システムが構成され、送信時のみならず、受信時においても、可能な限りの低消費電力化が図れるシステムとなっている。
【0025】
ここで、前述の低消費電力モード(=スリープモード)とはCPUと無線回路の動作において、いわゆるスリープ動作等、CPUがプログラムの動作を停止し、低速クロックで必要最小限の動作のみを行い、無線送受信動作も不可能となる代わりに最大限に消費電力を低減するモードであり、通常動作モード(=オペレーティングモード)とはCPUと無線回路の動作において、高速クロックで動作して、無線送受信動作が可能となる代わりに消費電力も大きくなるモードのことを言う。
【0026】
また、各無線機間で同期要求信号を送受信し合うことにより、距離的に直接の制御データまたは収集データを含む無線信号が到達しない無線機間でも他の無線機が中継することが可能となり、中継することによって、全ての無線機間で制御データまたは収集データが共有される。
【0027】
前述したように、各無線機は、送信と受信の両方の動作を行うが、このうち受信は前述の動作であり、前記第1の一定時間の整数倍のインターバルである第2の一定時間毎に行う。
【0028】
送信は他の無線機との同期を確立するための同期要求信号を自分自身以外の各無線機に送信するものであり、各無線機が受信しようとしまいと常に送信することにより、自分自身の無線機と他の無線機との同期がいったん外れてしまっても、他の無線機は常に送信されている前記の同期要求信号を受信することにより、再度、同期を復活して確立することができる。
【0029】
前記同期要求信号に対する各無線機の受信動作は以下の通りである。各無線機はあらかじめ設定された前記同期要求信号を受信するタイミングにある時のみ、通常のデータ(前述の同期要求信号と制御データまたは収集データ、以下定義を変えるまで同じ)の送信動作のみを行うタイミングの時と異なり、早めに、低消費電力モードから通常動作モードに起き上がるので、前記同期要求信号を受信できるが、通常のデータの送信動作のみを行うタイミングでは、他の無線機が前記同期要求信号を送信後に自分自身の無線機が低消費電力モードから通常動作モードに起き上がるので、前記同期要求信号を受信できない。
【0030】
各無線機はあらかじめ設定された前記同期要求信号の受信タイミングで、他の無線機からの前記同期要求信号を一定時間待ち、その間に、前記同期要求信号を受信できない時は、設定した前記第1の一定時間の整数倍のインターバルの経過後の次の受信タイミングで再度、前記同期要求信号の受信を試みることになる。
【0031】
複数の無線機からなる送受信システムにおいて、ある無線機と他の無線機との間でデータが送受信される際に、各無線機のうち、どの無線機とどの無線機間で送受信するかは、本発明では、都度、乱数等で決められることになり、無線機間でデータの送受信先が固定化されない。
【0032】
この固定化されない仕組みにより、無線機間でデータ送受信先が不定であることに基づく、データ衝突の問題を回避している。すなわち、乱数に基づき、送受信相手が決まるようにしているため、あるタイミングでデータの衝突が起こっても、次のタイミングでは前回と送受信相手が変わり、衝突を回避できる可能性が高くなる。
【0033】
次に、低消費電力モードから通常動作モードに起き上がる動作が各無線機間で同期しており、同期がとれている各無線機間では送受信できる時間帯は各無線機間で、共通である。
【0034】
そのため、初めは全ての無線機で同期が取れ、全ての無線機でデータ(前述の制御データまたは収集データ、以下定義を変えるまで同じ)が共有されていたのが、何らかの原因で、システム内の前記の複数の無線機が2つ以上のグループに分かれて、両者間で、送受信できる時間帯が異なってしまった場合、両者のグループ間では同期要求信号とデータが受信できず、そのため、両者のグループ間で同期がとれず、両者のグループ内では共有しているデータも、グループ間では共有できない事象がでてくる。
【0035】
本発明ではその対応として、各無線機は各無線機毎にランダムに値の変化する選別情報を生成し、その選別情報を同期要求信号と同時に送信されるデータに含めて送信し、他の無線機はその選別情報を受信、解読して、送信されてくる前記データを受理すべきかどうかを判定し、受理すべきと判定した時のみ同期を確立、データの受理を行い、受理すべきでないと判定した時は、更に他の無線機の選別情報の受信を行い、一つの無線機の受信する時の送信相手がランダムに変化するように制御することによって、各無線機間で送受信する相手が固定化されない仕組みを設けている。
【0036】
システム内で2つ以上のグループに分かれた場合、両者間で、送受信できる時間帯が異なるため、お互いに同期要求信号とデータの送受信ができなくなった状態において、1つのグループ内で、ある無線機がそのグループ内の他の特定の無線機からの常に同期要求信号とデータを受信して、同期とデータ共有を維持していた場合、その特定の無線機からのデータを受信すべきでないと判断した場合は、グループ外の無線機からの同期要求信号を受信できる可能性が出てくる。
【0037】
このグループ外の無線機からの同期要求信号を受信することにより、グループが分かれた状態が解除されて、全ての無線機が同一時間帯の同期要求信号を受信するようになり、その結果、システム内の全ての無線機で同期がとれて、全ての無線機でデータ共有ができる状態に復帰できる。
【発明の効果】
【0038】
本発明によれば、複数の無線機からなる無線送受信システムにおいて、各無線機は定期的に同期要求信号を送信することにより、また、各無線機はその同期要求信号を受信することによって、受信動作開始タイミングが送信タイミングと合うように調整されることになる。
【0039】
このことによって、各無線機間での送受信のタイミングが合致し、送受信のタイミングが合致することにより、各無線機間で間欠送受信動作が可能となり、システムとしての低消費電力が実現される。
【0040】
また、この際、各無線機は全て同格であり、上位、下位の識別を必要としていないし、無線機の台数についても制限はない。また、各無線機間で送受信する周波数とアドレスは同一で問題ない。
【0041】
距離的な問題で直接送受信のかなわない無線機間でも、間に中継する無線機を置き、物理的に、隣り合う無線機間で送受信が行われることを繰り返して、最終的には、システムに属する全ての無線機間で制御データまたは収集データが共有される。複数の無線機を使い、中継を繰り返すことによって、無線到達距離の大幅な延伸化が容易に実現される。
【0042】
定期的に同期要求信号の送受信動作が行われないと、無線機の制御データまたは収集データの受信動作開始タイミングは、各無線機間の動作基準クロックの差に起因して徐々に各無線機間で初期値よりずれてくることになる。従って、このずれの値は各無線機間での送受信を繰り返す毎に大きくなってくるが、各無線機間で定期的に同期要求信号を送受信することにより、初期値に戻すことができる。
【0043】
また、各無線機は他の無線機が受信しようとしまいと常に、他の無線機に対し、前記同期要求信号を送信しているので、ある無線機の同期が他の無線機との同期からいったん外れても、その無線機は他の無線機から前記同期要求信号を受信することにより、自動的に同期を復活させることができる。
【0044】
本発明において、システム内各無線機間の同期要求信号とデータの受信において、システム内の各無線機で送受信する周波数とアドレスは同一で問題ない。すなわち、各無線機を識別する必要ない。
【0045】
この時、ある無線機が他の無線機から同期要求信号とデータを受信する際、複数の無線機から同期要求信号とデータを受信する可能性があるが、この時は、最も早く受信した同期要求信号とデータで処理を行うが、複数の無線機からの送信時刻のずれが小さく、複数の無線機から送信された同期要求信号とデータが衝突することがあり得る。
【0046】
この対応として、本発明では、各無線機間でのデータ送受信において、データの送信時間分の整数倍の遅延を生成し、その整数倍の整数値を変動させることによって、毎度のデータ送受信タイミング毎に、データ送信時刻が固定化されることのない仕組みを作り、データ衝突の問題を回避している。すなわち、あるタイミングで他の無線機からの送信データとデータの衝突が起こっても、次のタイミングでは、前述の整数値が異なるため、他の無線機からの送信時刻と送信時時刻がずれて、次のタイミングでは衝突を回避できる可能性が高くなる。
【0047】
具体的には、乱数等を使用して、各無線機間の送信時刻にディレーを設けている。送信時刻のディレー=データの送信時間×乱数値としている。
【0048】
送信データ=40バイト、送信速度=250kbpsであれば、送信時間=40×8/250000=1.28msとなり、送信時刻のディレー=1.5ms×乱数値(例えば取りうる値が0、1、2のランダム値)とすれば、あるタイミングでデータの衝突が起こつても次のタイミングでは衝突を回避できる可能性が高くなる。
【0049】
また、本発明では、各無線機間でのデータ送受信において、乱数等を使用して、データ送信先が固定化されない仕組みを作って、各無線機間でのデータ送受信において、予期せぬグループ分けが偶然に生じて、そのため、データ送受信に支障が出ることがないようにしている。
【0050】
すなわち、初めは全ての無線機で同期が取れ、全ての無線機でデータが共有されていたのが、何らかの原因で、システム内の前記の複数の無線機が2つ以上のグループに分かれて、両者のグループ間で、送受信できる時間帯が異なってしまった場合、お互いに同期要求信号とデータの送受信ができず、両者のグループ間で同期がとれず、両者のグループ間でデータが共有できない事象がでてくることが考えられる。
【0051】
何らかの要因で、いったんグループに分かれてしまった場合は、例えば、当初はシステム内4台の無線機で、同期がとれ、4台の無線機間でデータが共有されていたのが、2台ずつのグループ内に分かれてしまった場合、それぞれのグループ内で同期要求信号とデータを送受信が完結するので、それぞれのグループ間での同期とデータ共有はできなくなる。
【0052】
この場合、それぞれのグループ内で同期要求信号とデータを送受信が完結するので、同期要求信号とデータを送受信する時間帯が異なっても支障ないので、自然と送受信する時間帯が異なる方向に動いてしまう。(一つのグループ内の同期している各無線機間では、低消費電力モードから通常動作モードに起き上がる動作が同期し、同期がとれている各無線機間では送受信できる時間帯が共通である。)
【0053】
同期要求信号とデータを各無線機間で送受信し合って、各無線機間で同期を確立すると共に、各無線機間でデータを共有するのが、一般的な動作であるが、グループ分けを解消する対応として、乱数等を使用し、その乱数値によっては受信しても受理できないという選別情報をデータの中に盛り込む。
【0054】
すなわち、ある時にはある特定の無線機からの同期要求信号とデータは受信しても受理できない、別の時には別のある特定の無線機からの同期要求信号とデータは受信しても受理できないというように、自らが送信する同期要求信号とデータが他の無線機で受信されても受理されないという無線機がランダムに発生するようにして、各無線機間で送信または受信の相手が固定されない仕組みを設ける。
【0055】
この仕組みにより、グループ分けの状態が発生するのを防止している、またグループ分けの状態が発生してもすみやかにその状態を解消できるようにしている。
【図面の簡単な説明】
【0056】
図1図1は本発明における複数の無線機(実施例として無線機4台)からなる無線通信同期システムの各無線機間において送受信される同期要求信号とデータの送受信タイミングを表した図である。
【0057】
但し、各無線機毎にランダムに値の変化する選別情報として、スタートカウンターを使用している。スタートカウンターは各無線機が動作開始してから、一定時間毎にカウントアップして同期要求信号とデータの送信時にその値を送信し、また、他の無線機からの同期要求信号とデータの受信時に、その値が解読されて、送信されてくる前記データを受信すべきかどうかが各無線機で判定される。
【0058】
WPは同期要求信号、SIG1~SIG4は同期要求信号WPと共に、4台の各無線機からそれぞれ送信されるデータ(制御データまたは収集データ)で、スタートカウンターsと各無線機で共有されるデータdを含んでいる。
【0059】
図2図2図1と同様の各無線機間において送受信される同期要求信号とデータの送受信タイミングを表した図である。
【0060】
但し、各無線機毎にランダムに値の変化する選別情報として、センサー入力時等に入力されるタイムスタンプを使用している。タイムスタンプは同期要求信号とデータの送信時にその値を送信し、また、他の無線機からの同期要求信号とデータの受信時に、その値が解読されて、送信されてくる前記データを受信すべきかどうかが各無線機で判定される。
【0061】
WPは同期要求信号、SIG1~SIG4は同期要求信号WPと共に、4台の各無線機からそれぞれ送信されるデータ(制御データまたは収集データ)で、タイムスタンプtと各無線機で共有されるデータdを含んでいる。
【0062】
図3図3は本発明の無線通信同期システムにおいて、無線機を6台設置した場合の各無線機のスタートカウンター値の変遷と送受信先の変遷例を示したものである。
【0063】
図4図4図3の続きの図面で、各無線機のスタートカウンター値の変遷と送受信先の変遷例を示したものである。
【0064】
図5図5は本発明の無線通信同期システムにおいて、無線機を6台設置し、うち1台にデータ記録用の外部記録装置を配置した無線通信同期システムのブロック図である。
【0065】
図6図6は本発明の無線通信同期システムにおける各無線機の動作に関する動作フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【実施例
【0066】
図1及び図2に基づいて、本発明における無線機4台からなる無線送受信システムにおける各信号の送受信タイミングを示し、各無線機間で同期がとれ、同期がとれることにより、低消費電力で動作する手順を以下に説明する。
【0067】
(1)
各無線機は第1の一定時間TM、例えば250ms毎に、他の無線機あてに同期要求信号WPを送信する。また、各無線機は第1の一定時間(=250ms)の整数倍のインターバル(例えば=120倍)のインターバルである第2の一定時間=250ms×120=30s毎に、他の無線機からの同期要求信号WPを受信する。この同期要求信号WP受信の際に、他の無線機からの制御データまたは収集データSIGも合わせて受信する。
【0068】
図1及び図2では簡単のため、第1の一定時間の整数倍のインターバル=5、第2の一定時間=250ms×5=1250msとして説明している。
【0069】
(2)
ここで、無線機1~無線機4は物理的に一直線上に並んでいると仮定し、無線到達距離の関係から、隣り合う無線機同志のみで送受信可能と仮定しているが、無線機1~無線機4の全4台間で送受信可能であってもよい。
【0070】
これは、各無線機は他の無線機から一斉に送信されてきた同期要求信号WPを受信する際は、より早く受信した同期要求信号WPが有効となり、後から送信されてきた同期要求信号WPは受信されず無効となり、混信しないからである。
【0071】
なお、前述したように、送信時刻のディレー(送信時間=40(バイト)×8(bit)/250000(bps)=1.28msの場合は、送信時刻のディレー=1.5ms×乱数値(例えば取りうる値が0、1、2のランダム値)を設けて、同期要求信号WPの送信時刻が固定化されない仕組みがあるため、各無線機は同期要求信号WPを受信する際に、その当該同期要求信号WPを送信した無線機がランダムになり、固定化されない。
【0072】
無線機1は“2”~“4”及び“6”~“8”の期間では、他の無線機からの同期要求信号WP送信のタイミングにおいて、低消費電力モード(=スリープモード)に当たるため、当該同期要求信号WPは受信できない。“2”~“4”及び“6”~“8”の期間では、低消費電力モードから通常動作モード(=オペレーティングモード)に起き上って、送信動作(処理)を行った後、再び、低消費電力モードに入って第1の一定時間TMが経過するのを待っている。
【0073】
前述したように、この時の通常動作モードでの動作を送信モードと呼ぶ。図1における、Aは一定時間のインターバルTMのうち、低消費電力モードに入っている時間であり、α=TM-Aは一定時間のインターバルTMのうち、通常動作モードに入っている時間である。
【0074】
この通常動作モードに入っている時間α=TM-Aは無線機の送信モード時の送信動作(処理)時間であり、例えばα=1msである。送信動作(処理)は一瞬であり、典型的には1ms程度の時間で処理が完了する。
【0075】
(3)
“5”の期間では、低消費電力モードから通常動作モード(=オペレーティングモード)に起き上って送信モード時の送信動作(処理)を行った後、Bの時間だけ、低消費電力モードに入った後、再度通常動作モードに戻って、他の無線機からの同期要求信号WPを受信するための動作を行う。
【0076】
この時の通常動作モードでの動作を前述したように送受信モードと呼ぶが、この送受信モードでは、他の無線機からの同期要求信号WPの待ち受けの時間が必要のため、低消費電力モードの動作時間Bは送信モードでのAに比べ短く設定される。
【0077】
例えば、TM=250msの場合、B=200msに設定される。(Aは前述したようにTMより、無線機の送信モード時の送信動作(処理)時間=約1msを除いた時間で約249msである。)
【0078】
Bの値は各無線機間の各無線機間の動作基準クロックの差を考慮した上で、他の無線機からの同期要求信号WPを確実に受信できるタイミングとなるように設定される。
【0079】
(4)
無線機2は“2”の期間で、センサ入力やSW入力等の変化があり、そのため、制御データまたは収集データを自らのセンサ入力やSW入力等に対応して、SIG2として送信されるデータのうち各無線機での共有データdをd=0からd=1に更新している。
【0080】
その上で、更新したデータを同期要求信号WPと共に、他の無線機あてに送信しているが、他の無線機もまた、同期要求信号WPと共に更新しない共有データd=0を送信している。
【0081】
無線機2は他の無線機にd=0を含んだ他の無線機からのSIG1、SIG3、またはSIG4でなく、更新したd=1を含んだSIG2を受信してもらうために、図1のスタートカウンターを使用するシステムでは同じくSIG2に含まれるスタートカウンターsの値を通常より大きくして、同期要求信号WPと共に送信している。
【0082】
即ち、通常は受信したsに対し、+1して他の無線機に送信するが、センサ入力やSW入力等の変化があり、各無線機での共有データに変更が生じたので、その旨を優先的に他の無線機に報知するために、SIG(SIG1~SIG4のいずれかの制御データまたは受信データをいう、以下同じ)受信後に、受信したSIGに含まれるsに対し、+1でなく、+2にして他の無線機に送信している。
【0083】
図2のタイムスタンプを使用するシステムでは、更新したd=1を含んだSIG2を受信してもらうために、同じくSIG2に含まれるタイムスタンプの値をより大きな値に更新して、同期要求信号WPと共に送信している。
【0084】
即ち、通常は受信したtに対し、その値のまま他の無線機に送信するが、センサ入力やSW入力等の変化があり、各無線機での共有データに変更が生じたので、その旨を優先的に他の無線機に報知するために、前回のSIG受信時に受信したSIGに含まれるtに対し、そのままの値でなく、現時点でのタイムスタンプの値に更新して(前回受信したSIGに含まれるtの値をより大きな値に更新して)他の無線機に送信している。
【0085】
図1及び図2では無線機が送信モードのみを行う場合のインターバルをTM、無線機が送受信モード動作を行う場合のインターバルをRCVと表記している。
【0086】
他の無線機からの同期要求信号WPと制御データまたは収集データSIGを受信するために、各無線機は第1の一定時間TM(=250ms)の整数倍(=5)のインターバルである第2の一定時間1250ms毎の期間に、例えば、RCV-α-B=50msだけ早く、低消費電力モードから通常動作モードに起き上がっている。
【0087】
このRCV-α-Bは各無線機の送受信モード時の受信待ち及び受信動作(処理)時間に相当するが、図1及び図2では、例として、無線機1では“5”の期間、無線機2では“3”と“8”の期間、無線機3では“2”の期間と“7”の期間、無線機4では“1”の期間と“6”の期間にRCV-α-B=50msだけ早く、低消費電力モードから通常動作モードに起き上って受信待ちをしていることを示している。
【0088】
この受信待ちをしている期間で、他の無線機から同期要求信号WPと制御データまたは収集データSIGを受信し、受理する(各無線機の共有データを受理する)と、もうその後に続く他の無線機からの同期要求信号WPと制御データまたは収集データは受信しないように制御されている。
【0089】
受理するためには、図1のスタートカウンター使用の場合は、受信したスタートカウンター>=自己保有のスタートカウンター、図2のタイムスタンプ使用の場合は受信したタイムスタンプ>=自己保有のタイムスタンプである必要がある。
【0090】
図1及び図2では無線機2からの更新されたSIGに含まれるdもd=1に更新されている。d=1は“2”の期間で、無線機3に通知され、無線機3が受信処理を行って無線機3から送信されるSIGに含まれるdもd=1に更新されている。
【0091】
無線機2からの更新されたSIGに含まれるd=1は“5”の期間で、無線機1に通知され、無線機1が受信処理を行って、その結果、無線機1から送信されるSIGに含まれるdもd=1に更新されている。
【0092】
無線機3から更新されたSIGに含まれるd=1は“6”の期間で、無線機4に通知され、無線機4が受信処理を行って無線機4から送信されるSIGに含まれるdもd=1に更新されている。
【0093】
このようにして、無線機2で更新されたSIGに含まれるd=1は他の無線機1、無線機3、無線機4に送信、各無線機で受信処理され、全ての無線機で共有される。
【0094】
また、図1及び図2には、このSIGに含まれるdの送受信動作に関する動作例を示しており、以下に説明する。
【0095】
これまで、各無線機はSIGに含まれるd=0のデータを送信していたが、<1>で無線機2が当該無線機に接続されるセンサ入力等により、保持するdのデータをd=0からd=1に更新したため、直後のdのデータ送信時には当該データをWPと共に送信したことを示している。
【0096】
<2>は無線機3が無線機2から、d=1のデータを受信したが、dのデータと共に送受信されるスタートカウンターの値またはタイムスタンプにより、d=0よりd=1が最新のデータと認識しているので、d=0でなく、d=1のデータをWPと共に無線機2と無線機4に送信したことを示している。
【0097】
<3>は無線機2が無線機1から、d=0のデータを受信し、無線機3から、d=1のデータを受信したが、dのデータと共に送受信されるスタートカウンターの値またはタイムスタンプにより、d=0よりd=1が最新のデータと認識しているので、d=0でなく、d=1のデータをWPと共に無線機1と無線機3に送信したことを示している。
【0098】
<4>は無線機1が無線機2から、d=1のデータを受信したが、dのデータと共に送受信されるスタートカウンターの値またはタイムスタンプにより、d=0よりd=1が最新のデータと認識しているので、d=0でなく、d=1のデータをWPと共に無線機2とに送信したことを示している。
【0099】
<5>は無線機4が無線機3から、d=1のデータを受信したが、dのデータと共に送受信されるスタートカウンターの値またはタイムスタンプにより、d=0よりd=1が最新のデータと認識しているので、d=0でなく、d=1のデータをWPと共に無線機3に送信したことを示している。
【0100】
<6>は無線機3が無線機2から、d=1のデータを受信したが、dのデータと共に送受信されるスタートカウンターの値またはタイムスタンプにより、d=1が最新のデータと認識しているので、d=1のデータをWPと共に無線機2と無線機4に送信したことを示している。
【0101】
<7>は無線機2が無線機3から、d=1のデータを受信したが、dのデータと共に送受信されるスタートカウンターの値またはタイムスタンプにより、d=1が最新のデータと認識しているので、d=1のデータをWPと共に無線機1と無線機3に送信したことを示している。
【0102】
図3は本発明における複数の無線機から成る無線通信同期システムにおいて、複数の無線機間での送受信の遷移例を示したものである。
【0103】
本発明においては複数の無線機間で送受信を行う際に、送受信する相手が固定されない仕組みを有している。本実施例ではその仕組みは次の2つの方法によって実現している。
【0104】
▲1▼
本システムは第1の一定時間毎に、他の無線機あてに同期要求信号WPと制御データまたは収集データSIGを送信し、他の無線機は前記特定の無線機からの前記第1の一定時間の整数倍のインターバルである第2の一定時間毎に、その同期要求信号WPを受信することにより、定期的に前記特定の無線機との間の同期を確立するシステムであるが、前記第1の一定時間毎に同期要求信号WPと制御データまたは収集データSIGを送信する時刻(WP送信タイミング時刻と呼ぶ)を送信するタイミング毎にランダムに少しずらしている。
【0105】
ずらす時間は同期要求信号WPと制御データまたは収集データSIGの送信に要する時間をAmsとした時、(Ams+αms(バラツキを考慮した余裕分))×乱数値(整数値 例えば0、1、2のいずれかの値、ランダムに決まる)である。
【0106】
▲2▼
また、各無線機でデータ(SIG内に含まれるデータで各無線機で共有されることが予定されているデータ、以下同じ)の更新があった場合はその旨を他の無線機に速やかに報知するため、例えば図1のスタートカウンターに基づく制御方法を使用する場合の具体的な制御手順は以下の通りである。
【0107】
通常の場合は、各無線機は受信したスタートカウンターをベースにして、送信のタイミング毎にカウントアップ動作を行い、受信したスタートカウンターの値に+1にアップした値で自己値を更新すると共にその値を他の無線機に送信しているが、自己の無線機でデータの更新があった場合は送信直前に受信したスタートカウンターの値に+2にアップした値で自己値を更新すると共に、その値を他の無線機に送信している。すなわち、自己の無線機でデータの更新があった場合は通常の場合より大きな値を送信していることになる。
【0108】
各無線機は同期要求信号WPとデータSIGに含まれるスタートカウンターの値が以下を満たせばSIGを受理し、送信されてきた同期要求信号のタイミングに同期を合わす動作を行う。
受信したスタートカウンターの値>=自己の保有するスタートカウンター値
【0109】
このようにすることにより、複数の無線機からなる無線通信同期システムを設置した場合、後から電源が立ち上がって動作を開始した無線機は、先に動作を開始した無線機に同期を合わせる動作を行うので、その結果、全無線機の同期が合い、データが共有されるようになる。
【0110】
このように一般では、スタートカウンターの値は受信した値に対して、自己値を受信値+1または+2に更新して、また、その更新した値を他の無線機に送信するが、前述したように何らかの原因で予期せぬグループ分けが生じて、それぞれのグループ内では同期が合い、データが共有されるが、グループ間で見たときは、同期が合わず、またデータが共有されない状態が生じることがある。
【0111】
グループが分かれてしまって、それぞれのグループ内で同期が確立してしまった場合は、この状態は各無線機の電源の再投入以外では解除されない。
【0112】
この対策として、自己の無線機でデータの更新がない場合は、乱数を発生させ、その乱数値によっては、スタートカウンターの値は受信した値に対して、自己値を受信値+1に更新するのではなく、受信値-1に更新するようにする。
【0113】
例えば-1、0、1、2、3の乱数を発生させ、乱数値が-1の時は受信値-1に更新し、それ以外の時は受信値+1に更新する。
【0114】
自己値が受信値-1に更新された場合はその受信値-1をベースにカウントアップされた値が他の無線機に送信されるので、グループ内の他の無線機にとっては、スタートカウンターについて自己の保有する値に比べ、小さな値が送信されてくることになり、そのためその小さな値を送信してきた無線機からの同期要求信号WPとデータSIGを受理できず、グループ外の他の無線機から送信されてくる同期要求信号WPとデータSIGを受信する機会ができる。
【0115】
このようにして、グループ外の他の無線機から送信される同期要求信号WPとデータSIGを受信、受理することによって、グループ分けが解除され、無線通信同期システム内の全無線機で同期が合い、データが共有される状態に復帰させることができる。
【0116】
▲3▼
また、各無線機でデータの更新があった場合はその旨を他の無線機に速やかに報知するための図2のタイムスタンプに基づく制御方法を使用する場合の具体的な制御手順は以下の通りである。
【0117】
通常の場合は、各無線機は受信したタイムスタンプをベースにして、受信したタイムスタンプの値で自己値を更新すると共にその値を他の無線機に送信しているが、自己の無線機でデータの更新があった場合はその時点のタイムスタンプの値で自己値を更新すると共に、その値を他の無線機に送信している。
【0118】
各無線機は同期要求信号WPとデータSIGに含まれるタイムスタンプの値が以下を満たせばSIGを受理し、送信されてきた同期要求信号のタイミングに同期を合わす動作を行う。
受信したタイムスタンプの値>=自己の保有するタイムスタンプの値
【0119】
このようにすることにより、複数の無線機からなる無線通信同期システムを設置した場合、後から電源が立ち上がって動作を開始した無線機は、先に動作を開始した無線機に同期を合わせる動作を行うので、その結果、全無線機の同期が合い、データが共有されるようになる。
【0120】
電源が立ち上がって動作を開始した直後はタイムスタンプの値は0であるが、いずれかの無線機でデータが更新されるとその無線機のタイムスタンプは0以外の値となり、他の無線機はそのデータが更新された無線機に同期が合い、データが共有されるように動作する。
【0121】
このように一般では、タイムスタンプの値は受信した値に対して、自己値を受信値に更新して、また、その更新した値を他の無線機に送信するが、前述したように何らかの原因で予期せぬグループ分けが生じて、それぞれのグループ内では同期が合い、データが共有されるが、グループ間で見たとき、同期が合わず、またデータが共有されない状態が生じることがある。グループが分かれてしまって、それぞれのグループ内で同期が確立してしまった場合は、この状態は各無線機の電源の再投入以外では解除されない。
【0122】
この対策として、自己の無線機でデータの更新がない場合は、乱数を発生させ、その乱数値をみて、タイムスタンプの値は受信した値に対して、自己値を受信値に更新するのではなく、受信値-1に更新するようにする。
【0123】
例えば-1、0、1、2、3の乱数を発生させ、乱数値が-1の時は受信値-1に更新し、それ以外の時は受信値に更新する。自己値が受信値-1に更新された場合はその受信値-1の値が他の無線機に送信されるので、グループ内の他の無線機にとっては、タイムスタンプについて自己の保有する値に比べ、小さな値が送信されてくることになり、そのためその小さな値を送信してきた無線機からの同期要求信号WPとデータSIGを受理できず、グループ外の他の無線機から送信されてくる同期要求信号WPとデータSIGを受信する機会ができる。
【0124】
このようにして、グループ外の他の無線機から送信される同期要求信号WPとデータSIGを受信、受理することによって、グループ分けが解除され、無線通信同期システム内の全無線機で同期が合い、データが共有される状態に復帰させることができる。
【0125】
図3図4図1のスタートカウンターを使用した制御方法に基づき、各無線機がどの無線機からWP+SIGを受信したかその遷移を具体的に表した例である。前述したようにスタートカウンターは他の無線機に向けてWP+SIGを送信する毎にカウントアップするが、このカウントアップ動作は無線通信同期システム内の全無線機で共通の動作で、全無線機で同期してカウントアップされるため、この図3図4ではWP+SIGの送信毎のカウントアップは省略している。
【0126】
各無線機がスタートカウンターをWP+SIGの送信毎にカウントアップするのは、後から立ち上がった無線機が先に立ち上がっている無線機に同期を合わすためのものであり、いったんシステム内の全無線機で同期がとれ、データが共有されると、システム内全無線機でスタートカウンターの値は同一となる。
【0127】
(a)の時刻で無線機1は無線機2からWP+SIGを受信(受理)、無線機2は無線機3からWP+SIGを受信(受理)、無線機3は無線機2からWP+SIGを受信(受理)、無線機4は無線機3からWP+SIGを受信(受理)、無線機5は無線機4からWP+SIGを受信(受理)、無線機6は無線機4からWP+SIGを受信(受理)したことを示している。
【0128】
この時、スタートカウンターの値に関しては、全ての無線機が他の無線機からスタートカウンター=9の値を受けて自己値及び次に他の無線機に送信する値をスタートカウンター=10に更新している。各無線機の共有データの値は0である。
【0129】
(a)より時刻が進んだ(b)の時刻では無線機3から送信される同期要求信号WPとデータSIGの送信時刻(前述のWP送信タイミング時刻)がランダムに変化したことにより、無線機2は無線機3でなく、無線機6よりWP+SIGを受信(受理)するように変わったことを示している。
【0130】
この時のスタートカウンターの自己値及び次に他の無線機へ送信する値は全ての無線機が他の無線機からスタートカウンター=19の値を受けて自己値及び次に他の無線機に送信する値をスタートカウンター=20に更新している。各無線機の共有データの値は更新されていないので共有データ=0のまま維持されている。
【0131】
(b)~(c)の期間に無線機3の自己データが0→1に更新されたので、(c)の時刻では、無線機3は無線機2から前回受信時のスタートカウンター=20の値を受けて、スタートカウンターの自己値及び他の無線機への送信値を22としている。
【0132】
無線機3以外は他の無線機からスタートカウンター=20の値を受けてスタートカウンターの自己値及び他の無線機への送信値を21としている。また、(c)の時刻では無線機3以外の各無線機が保有する共有データの値は0のままである。
【0133】
その後、時刻が進んで(d)の時刻では無線機3から無線機4へ共有データ=1をもつSIGがすでに送信されており、無線機3と無線機4のスタートカウンター=23、共有データ=1となる。
【0134】
同様に無線機4から無線機5と無線機6へ、その後無線機6から無線機2へ、また、その後無線機2から無線機1へと順次、共有データ=1をもつSIGが送信されることにより、(d)、(e)、(f)、(g)の各時刻では各無線機が保有するスタートカウンターと共有データは図3図4に示す遷移によって、最終的に各無線機が保有する共有データは共有データ=1となり、各無線機間で一致する。
【0135】
次に、本無線通信同期システムにおいて、予期せぬグループ分けの状態が生じた場合のことを考えてみる。(h)の時刻において、無線機1、無線機2、無線機3と無線機6によるグループと無線機4と無線機5によるグループが生じており、前者の各無線機は(h)の時刻においてスタートカウンター=35、共有データ=2を保有しており、後者の各無線機はスタートカウンター=33、共有データ=1を保有している。
【0136】
両者間で同期要求信号WPとデータSIGの送受信が行われないため、両者間でスタートカウンターと共有データの値は異なったままであり、どちらかに合わせることもできない。
【0137】
そこで、本発明においては、グループ分けの状態が生じないように、また、グループ分けの状態が生じても、すみやかにかにグループ分けの状態が解除されて、一つのグループとしてまとまるように、乱数等を利用して、送受信の相手が固定されない仕組みを設けている。
【0138】
すなわち、自己の無線機でデータの更新がない場合は、乱数を発生させ、その乱数値をみて、スタートカウンターの値は受信した値に対して、自己値を受信値+1に更新する場合のみだけでなく、受信値-1に更新する場合もでてくるようにする。(図3の(i)の時刻において無線機4は無線機5に比べスタートカウンターの値が-1だけ小さく更新されている。)そして、その受信値-1に更新したスタートカウンターの値を他の無線機に対して送信する。
【0139】
この送信されてきたスタートカウンターの値は他の無線機にとっては自己の保有するスタートカウンターの値より小さいため、受信値-1を送信してきた無線機からの同期要求信号WPとデータSIGは受理できず、受信値-1を送信した無線機以外の無線機からの同期要求信号とデータを受信せざるを得なくなる。(図3の(j)の時刻においては、無線機5はグループ外の無線機1からの同期要求信号WPとデータSIGを受信して、無線機5と無線機4のスタートカウンターと共有データが一致している。)
【0140】
グループ分けが生じた時に、この受信値-1を送信した無線機以外の無線機が、自分のグループ外にあれば、グループ外の無線機と同期確立とデータ共有を行うことになり、グループ分けは自然に解消される。図3の(k)の状態においてはグループ分けの状態は解消されて、システム内の各無線機が保有する共有データは各無線機間で一致している。
【0141】
また、システム内の共有データのことだけでなく、システム内の同期についても、(h)の状態では2つのグループに分かれて、それぞれのグループ内の各無線機間では同期が取れているが、両者のグループ間では同期が取れていなかったものが、(k)の状態では、システム内の全無線機間で同期が取れている。
【0142】
図5は本発明における複数の無線機から成る無線通信同期システムブロック図である。
無線機1~無線機6はお互いに同期要求信号WPとデータSIGの送受信を行うことによって、システム内全無線機間で同期がとれ、同一のデータを共有している。本システム内の各無線機間は送受信のタイミングの同期がとれているので、送信時だけでなく、受信時においても間欠動作が可能となり、各無線機は低消費電力を実現している。
【0143】
間欠動作とは通常はスリープ状態にあり、ほとんど電力を消費せず、必要時のみスリープ状態からウェイクアップして動作するというものである。例えば、本システム内の無線機による送信動作では1周期250msのうち、動作時間=1ms、スリープ時間=249msである。
【0144】
また、無線機6 60は図5におけるシステムではシステム全体として取得した制御データまたは収集データを記録、保存するために、UART(UART TXD 71とUART RXD 72)にて外部のデータ記録装置70に接続している。
【0145】
無線機6 60は外部のデータ記録装置70から電源供給を受けるので、低消費電力であることを必要としない。ここでデータ記録装置70とは、例えば、UART-USB変換回路とPC(パーソナルコンピューター)を組み合わせたもので、UART-USB変換回路で無線機6 60から出力されるUART形式のデータをUSB形式のデータに変換した後、PCに入力して、PCの記録装置に記録、保存する機能をもつものである。
【0146】
無線機1 10、無線機2 20、無線機3 30、無線子機4 40、無線機5 50、と無線機6 60間の通信を2.4GHzの周波数帯で行っている。各無線機は、UART入出力を行って外部記録装置にデータを出力する無線機6を除いて、全てボタン電池で駆動する。無線機6は外部記録装置70より電源供給を受ける。
【0147】
上記で各無線機間の通信を2.4GHzの周波数帯で行っていると述べたが、2.4GHz以外の他の周波数帯でもよい。また、図5のシステムにおいて、各無線機間で通信を行う周波数とアドレスは同一(例えば、周波数は2450MHz)である。近くに本発明と同一のシステムが存在して、そのシステムとの間で混信の可能性が出る場合は、システム毎に、周波数、またはアドレスを変えて対応可能である。
【0148】
無線機1 10はボタン電池11より約3Vの電源が供給され、この電源で、CPU14と無線送受信回路16が動作する。CPU14は高速クロック発振器12(16MHz)と低速クロック発振器13(32.768kHz)の2つの発振器をもち、2つの基準クロックで動作する。
【0149】
高速クロック発振器12は、CPU14のプログラムの動作クロック及び無線信号2.4GHzの基準クロックとして高速クロック16MHzを生成する。無線信号の2.4GHzは高速クロック16MHzをPLLにより逓倍して生成される。
【0150】
低速クロック発振器13は低速クロック32.768kHzを生成し、CPU14の通常動作モードにおける各種基準タイマーとスリープモードにおいてもカウントアップ動作を続け、スリープモードからウェイクアップして通常動作モードへ起き上がるためのタイマーとして使用される。
【0151】
無線機110の通常の動作状態においては、CPU14の高速クロック16MHzと低速クロック32.768kHzは共に動作している。
スリープモードにおいては、CPU14の高速クロック16MHzは停止し、したがってCPU14のプログラムの動作も停止し、低消費電力の状態になる。
【0152】
スリープモードにおいても低速クロック32.768kHzによるタイマーカウント動作を継続しており、スリープモードに入った後、この低速クロック32.768kHzに基づいた一定時間経過後、CPU14はスリープモードから起き上がって、通常動作モードに移行し、プログラムの動作を再開する。
【0153】
無線機1 10のCPU14は無線データ信号を他の無線機あてに送信後、直ちにスリープモードに入るが、スリープモードに入った後、スリープモードから起き上がる周期は250msである。
【0154】
無線機1 10、無線機2 20、無線機3 30、無線機4 40、無線機5 50、無線機6 60の各無線機は他の無線機に向けて、同期要求信号WPとデータSIGを送信するが、各無線機が他の無線機から同期要求信号WPとデータSIGを受信する相手はあらかじめ決められるものでなく、各無線機で生成される乱数等により、それぞれ異なる送受信タイミングが発生し、これらのタイミングにより、偶然的に決められる。すなわち、各無線機が他の無線機から同期要求信号WPとデータSIGを送受信する相手は固定されない仕組みを有する。
【0155】
無線機1 10のSW15はCPU14への入力を意味するものであり、SW自体は1極に限らず何極かのSWであってもよい。また、メカニカルなSWでなくても、何らかの情報をCPU14に報知するという意味で、温度等のアナログ的なセンサー入力であってもよい。
【0156】
CPU14はアナログ的なセンサー入力に対しても、CPU内部のA/D変換機能を使ってデジタル情報として取り込むことができる。他の無線機2~無線機5のSW25、SW35、SW45、SW55も同様である。
【0157】
また、無線機1 LED17はCPU14での処理結果としての出力を意味するものであり、LEDに限らずブザーでもよいし、また、外部への出力でもよい。他の無線機2~無線機6のLED27、LED37、LED47、LED57、LED67も同様である。
【0158】
SW15~SW55とLED17~LED67による制御の例としては、SW15~SW55の入力値に応じて、LED17~LED67をON/OFFさせた時のそのデューティ比やその周期を変更することが考えられる。
【0159】
例えば、SW15~SW55のいずれかに、例えばSW15にアクティブな入力があると、その値に応じて、LED17~LED67の全てのLEDをON/OFFする周期が変わり、それらのLEDは同期要求信号WPにより、全て同期してON(点灯)/OFF(消灯)する。
【0160】
また、そのSW15の入力が非アクティブになり、SW25に別のアクティブな入力があり、その値が最初にSW15に入力された値と異なれば、LED17~LED67のLEDのON/OFF周期もまた変わるというような制御例が考えられる。
【0161】
SW15~SW55のアクティブな入力の値とLED17~LED67のLEDのON/OFF周期については、同期要求信号WPと同時の送受信されるデータSIGによって、無線機1~無線機6の間で共有される。
【0162】
LED17~LED67を各無線機から外部への出力として制御することもできる。例えば、屋外のお互いにいくらか距離の離れた複数の建屋等構造物に発光体を設置し、その発光体の点灯を同期してON/OFFさせて、イルミネーションを作ることも可能である。
【0163】
無線機1~無線機6の各無線機は他の無線機あてに、同期要求信号WPとデータSIGを送信するが、各無線機が他のどの無線機から、同期要求信号WPとデータSIGを受信するかは不定であり、固定化されていない。
【0164】
時々刻々と同期要求信号WPとデータSIGを受信する相手は変化する。図5はある時刻における、各無線機が同期要求信号WPとデータSIGを受信する相手を示している。
【0165】
無線機1は無線機2からWP+SIG2 101を受信、無線機2は無線機3からWP+SIG3 103、無線機3は無線機2からWP+SIG2 102を受信している。無線機1と無線機3は同じ無線機2からWP+SIG2を受信しているが、無線機2からWP+SIG2を送信する時刻が異なっているのが一般的であり、無線機1と無線機3が受信するWP+SIG2 101とWP+SIG2 102は送信時刻が異なり、別物である。
【0166】
無線機4は無線機3からWP+SIG3 104を受信し、無線機5は無線機4からWP+SIG4 106を受信している。無線機6は無線機4からWP+SIG4 105を受信し、そのSIG4の内容を外部のデータ記録装置70に記録している。
【0167】
図6は本発明における無線通信同期システムにおける各無線機のCPUの動作フローである。各無線機は電源が投入されて、各無線機のCPUがリセットされて動作開始すると、まず、連続受信状態に入り、他の無線機からの同期要求信号WPの受信を待つ。
【0168】
RTCインターバルタイマーは250msのインターバルタイマーであり、図1及び図2の無線機が送信動作のみを行う場合のインターバルTMに相当する。このインターバルで各無線機は同期要求信号WPとデータSIGの送信を行う。
【0169】
本RTCインターバルタイマーのタイムアップ毎に(TM経過毎に)、RTCカウンターはカウントアップする。RTCカウンターはリセット直後0であり、また、そのカウント値が120になる毎に(250ms×120=30秒毎に)、0クリアされる。
【0170】
無線機が連続受信状態でWPを待つのはRTCカウンター<=20(250ms×20=5秒)までの時間で、その時間にWPを受信できなければ、自らがTM経過毎に、WPの送信を開始する。
【0171】
無線機はRTCカウンター=120以外の場合は、WPを送信後、スリープ状態に入り、TM経過後スリープ状態からウェイクアップして動作状態に移行し、再度WPを送信して、また、スリープ状態に入るという動作を繰り返す。
【0172】
RTCカウンター=120になれば、(RTCカウンター=0にクリアして)、WPを受信する。各無線機がWPを受信する動作を行うのはRTCカウンター=120の場合のみであり、すなわち、250msインターバルでスリープ→ウェイクアップを繰り返し、30秒毎に1回のウェイクアップのタイミングでWP+SIGの受信動作を行い、他のウェイクアップのタイミングではWP+SIGの送信動作のみ行っている。
【0173】
RTCカウンター=120になり、WPを受信した場合は、そのWPに続くSIGの内容をチェックする。SIGの内容にはスタートカウンターと各無線機の共有データが含まれている。スタートカウンターはCPUリセット直後0であり、その後はカウント動作を続け、CPUリセットされるまで、0には戻らない。
【0174】
各無線機のスタートカウンターはRTCカウンターのカウントアップのタイミングでカウントアップすると共に、他の無線機からの受信したスタートカウンターの値を元に以下の様に更新する。また、その更新されたスタートカウンターの値を他の無線機へ送信する。
【0175】
(1)リセット後または自己保有の共有データを更新した後は、一定時間(10分間)経過するまで
(a)自己のスタートカウンター値=受信したスタートカウンター値+2
(2)(1)以外の場合
乱数を発生させ、その乱数値により
(b)自己のスタートカウンター値=受信したスタートカウンター値+1
(c)自己のスタートカウンター値=受信したスタートカウンター値-1
【0176】
また、受信したスタートカウンターの値に対しては以下の場合のみ受理する
受信したスタートカウンター>=自己のスタートカウンターの値
【0177】
受理しないと、同期要求信号WPによる同期合わせも行われないし、またデータSIGに含まれる共有データも受け付けられないので、自己の共有データの更新ができない。受理しない場合は、別の受信機からのWP+SIGの受信することになる。すなわち、別の受信機から受信する機会が得られたと解釈できる。
【0178】
各無線機においては、スタートカウンターは先に立ち上がった方が、先にカウント動作を始めているので、カウント値が大きいため、後から立ち上がった無線機は自然と、先に立ち上がった無線機に同期を合わせるように動く。
【0179】
ランダムに自己のスタートカウンター値=受信したスタートカウンター値-1にして、あえて、受信したスタートカウンター>=自己のスタートカウンターの値
を満足できないようしている。
【0180】
このようにするのは、無線通信同期システム内でグループ分けの状態が生じないように、また、グループ分けの状態が生じてもすみやかにその状態が解消されるように、グループ内でなくグループ外の別の受信機からも受信できるようにするためである。各無線機間で送信または受信する相手は固定しないようにする仕組みである。
【0181】
なお、図5のフローにおいて、WPウェイトタイマーの記載があり、WPを受信するタイミングになって、280ms経過しても、WPを受信できない時は、受信動作を打ち切り、送信動作を開始するというものである。
【0182】
WP受信のタイミングで、自己のスタートカウンター値=受信したスタートカウンター値-1に設定した無線機からのWPは受信できなくなるため、前回WPを受信した無線機が自己のスタートカウンター値=受信したスタートカウンター値-1に設定されれば、今回は同じ無線機からは受信できなくなるという状況になる。
【0183】
この時は、今回の受信タイミングでは、別の無線機からのWPを受信するか、または今回の受信タイミングでは受信できずに、次回の受信タイミングで再度受信動作を行うことになる。その結果、前回受信した無線機とは別の無線機からのWPを受信することになることもあるが、これははWPを受信できずに、受信動作を打ち切ったため、新ためて別の無線機との同期合わせのタイミングを作ることなったためである。
【符号の説明】
【0184】
10 無線機1
11 ボタン電池
12 高速クロック発振器(16MHz)
13 低速クロック発振器(32.768kHz)
14 CPU
15 SW(無線機1)
16 無線送受信回路
17 LED(無線機1)
20 無線機2
25 SW(無線機2)
27 LED(無線機2)
30 無線機3
35 SW(無線機3)
37 LED(無線機3)
40 無線機4
45 SW(無線機4)
47 LED(無線機4)
50 無線機5
55 SW(無線機5)
57 LED(無線機5)
60 無線機6
67 LED(無線機6)
70 データ記録装置
71 UART信号 TXD
72 UART信号 RXD
101 無線機2から無線機1への同期要求信号WP+SIG2
102 無線機2から無線機3への同期要求信号WP+SIG2
103 無線機3から無線機2への同期要求信号WP+SIG3
104 無線機3から無線機4への同期要求信号WP+SIG3
105 無線機4から無線機6への同期要求信号WP+SIG4
106 無線機4から無線機5への同期要求信号WP+SIG4
TM 無線機が送信モードのみを行う場合のインターバル
RCV 無線機が送受信モードを行う場合のインターバル
A 無線機の低消費電力モードの時間
(各インターバルで送信モードの動作を行う場合)
B 無線機の低消費電力モードの時間
(各インターバルで送受信モードの動作を行う場合)
WP ある無線機から他の無線機への同期要求信号
SIG1 無線機1から他の無線機への送信される制御データまたは収集データ
SIG2 無線機2から他の無線機への送信される制御データまたは収集データ
SIG3 無線機3から他の無線機への送信される制御データまたは収集データ
SIG4 無線機4から他の無線機への送信される制御データまたは収集データ
α 無線機の送信モードでの送信動作(処理)時間
図1
図2
図3
図4
図5
図6