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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-26
(45)【発行日】2024-07-04
(54)【発明の名称】車両
(51)【国際特許分類】
   B60R 7/04 20060101AFI20240627BHJP
   B62D 21/15 20060101ALI20240627BHJP
   B62D 25/20 20060101ALI20240627BHJP
【FI】
B60R7/04 C
B62D21/15 B
B62D25/20 G
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021005158
(22)【出願日】2021-01-15
(65)【公開番号】P2022109698
(43)【公開日】2022-07-28
【審査請求日】2023-11-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000110321
【氏名又は名称】トヨタ車体株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】岡部 翔平
【審査官】浅野 麻木
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-290140(JP,A)
【文献】特開2012-245844(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0213741(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2017-0001230(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 7/04
B62D 21/15
B62D 25/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体のフロアに設けられ、シートバックを有するシートと、
前記シートと車幅方向に隣接して設けられるコンソールボックスと、を備える車両であって、
車両の前後方向の前方及び後方を前方及び後方とするとき、
前記シートバックの後面と前記コンソールボックスの後面とは、荷室の前壁を構成しており、
前記コンソールボックスのうち最も後側に位置する後面は、前記シートバックのうち最も後側に位置する後面よりも後方に位置しており、
前記コンソールボックスは、ハウジングと、第1ブラケット及び第2ブラケットを含み、前記ハウジングの内部に設けられるブラケット群と、を備えており、
前記第1ブラケットは、前記フロアに固定される後側固定部と、前記後側固定部から上方に向かって延在するとともに全体として上側ほど後側に位置する第1延在部と、を有しており、
前記第2ブラケットは、前記第1延在部の上端に連結される連結部と、前記連結部から前方に向かって延在するとともに全体として前側ほど下側に位置する第2延在部と、前記後側固定部よりも前側において前記フロアに固定される前側固定部と、を有しており、
前記ブラケット群は、前記第1延在部に対して後方から前方に向かう衝突荷重が作用する際に、前記第1延在部の伸長変形及び前記第2延在部の圧縮変形の少なくとも一方を伴って前記連結部が前方に移動することで、前記衝突荷重を、前記前側固定部を介して前記フロアに伝達可能に構成されている、
車両。
【請求項2】
前記ブラケット群は、前記衝突荷重が作用する際に、前記第1延在部の伸長変形及び前記前側固定部を中心とする前記第2延在部の回動を伴って前記連結部が前方且つ上方に移動可能に構成されている、
請求項1に記載の車両。
【請求項3】
前記第1延在部は、階段状に折り曲げられた折り曲げ部を有しており、
前記ブラケット群は、前記衝突荷重が作用する際に、前記折り曲げ部の伸長変形を伴って前記連結部が前方且つ上方に移動するように構成されている、
請求項1または請求項2に記載の車両。
【請求項4】
前記第2ブラケットは、前記前側固定部と、前記前側固定部から上方に向かって延在する前側延在部と、を有する前側ブラケットと、
前記連結部と、前記第2延在部と、を有し、全体として直線状に延在する中間ブラケットと、を含んでおり、
前記第2延在部の前端が前記前側延在部に連結されている、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の車両。
【請求項5】
前記第2ブラケットは、車幅方向において前記第1ブラケットを挟んで一対設けられている、
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車などの車両の後部には、後部荷室が設けられている(例えば特許文献1参照)。特許文献1に記載の車両は、床面を構成するフロアパネル、フロアパネルの後端から上方に立ち上がる縦壁部、縦壁部から後方に延びるキックアップフロア部、及びキックアップフロア部から後方に向けて水平に延びる荷室フロアを備えている。
【0003】
この荷室フロアの上方に、後部荷室が設けられている。具体的には、後部荷室は、後列シートとリヤゲートとの間に設けられている。また、後部荷室の床面は、荷室フロアの上方に配置された荷室仕切りボードにより構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2008-49755号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、車両走行中に急なブレーキ操作が行われた場合などに、後部荷室に積載されている荷物が慣性力によって前方に移動し、シートバックに衝突するおそれがある。
従来、上記荷物が重量物である場合に、当該荷物の衝突に対してシートバックが耐えられるように、シートフレームを補強するなどの対策が取られている。そのため、シートバックの構成が複雑になったり、シートバックの重量が増大したりする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を達成する車両は、車体のフロアに設けられ、シートバックを有するシートと、前記シートと車幅方向に隣接して設けられるコンソールボックスと、を備える車両であって、車両の前後方向の前方及び後方を前方及び後方とするとき、前記シートバックの後面と前記コンソールボックスの後面とは、荷室の前壁を構成しており、前記コンソールボックスのうち最も後側に位置する後面は、前記シートバックのうち最も後側に位置する後面よりも後方に位置しており、前記コンソールボックスは、ハウジングと、第1ブラケット及び第2ブラケットを含み、前記ハウジングの内部に設けられるブラケット群と、を備えており、前記第1ブラケットは、前記フロアに固定される後側固定部と、前記後側固定部から上方に向かって延在するとともに全体として上側ほど後側に位置する第1延在部と、を有しており、前記第2ブラケットは、前記第1延在部の上端に連結される連結部と、前記連結部から前方に向かって延在するとともに全体として前側ほど下側に位置する第2延在部と、前記後側固定部よりも前側において前記フロアに固定される前側固定部と、を有しており、前記ブラケット群は、前記第1延在部に対して後方から前方に向かう衝突荷重が作用する際に、前記第1延在部の伸長変形及び前記第2延在部の圧縮変形の少なくとも一方を伴って前記連結部が前方に移動することで、前記衝突荷重を、前記前側固定部を介して前記フロアに伝達可能に構成されている。
【0007】
同構成によれば、コンソールボックスの上記後面が、シートバックの上記後面よりも後方に位置している。このため、車両走行中に急なブレーキ操作が行われた場合などに、荷室に積載されている荷物が慣性力によって前方に移動し、シートバックの上記後面に衝突する前にコンソールボックスの上記後面に衝突するようになる。
【0008】
上記構成によれば、第1延在部に対して後方から前方に向かう衝突荷重が作用する際に、ブラケット群が、第1延在部の伸長変形及び第2延在部の圧縮変形の少なくとも一方を伴って連結部が前方に移動することで、上記衝突荷重を、前側固定部を介してフロアに伝達可能に構成されている。これにより、上記荷物がコンソールボックスの後面に衝突した際に同コンソールボックスに対して作用する衝突荷重が、前側固定部を介して効果的にフロアに伝達されるようになる。
【0009】
したがって、荷室に積載されている荷物からの衝突荷重がシートバックに作用することを好適に抑制することができる。
上記車両において、前記ブラケット群は、前記衝突荷重が作用する際に、前記第1延在部の伸長変形及び前記前側固定部を中心とする前記第2延在部の回動を伴って前記連結部が前方且つ上方に移動可能に構成されていることが好ましい。
【0010】
同構成によれば、ブラケット群が、上記衝突荷重が作用する際に、第1延在部の伸長変形及び前側固定部を中心とする第2延在部の回動を伴って連結部が前方且つ上方に移動することで、上記衝突荷重を、前側固定部を介してフロアに伝達可能に構成されている。これにより、上記荷物がコンソールボックスの後面に衝突した際に同コンソールボックスに対して作用する衝突荷重が、前側固定部を介して一層効果的にフロアに伝達されるようになる。
【0011】
したがって、荷室に積載されている荷物からの衝突荷重がシートバックに作用することを一層好適に抑制することができる。
上記車両において、前記第1延在部は、階段状に折り曲げられた折り曲げ部を有しており、前記ブラケット群は、前記衝突荷重が作用する際に、前記折り曲げ部の伸長変形を伴って前記連結部が前方且つ上方に移動するように構成されていることが好ましい。
【0012】
同構成によれば、上記衝突荷重が作用する際に、折り曲げ部の伸長変形を伴って連結部が前方且つ上方に円滑に移動するようになる。これにより、上記衝突荷重を、前側固定部を介してフロアに効果的に伝達することができる。したがって、荷室に積載されている荷物からの衝突荷重がシートバックに作用することを一層好適に抑制することができる。
【0013】
上記車両において、前記第2ブラケットは、前記前側固定部と、前記前側固定部から上方に向かって延在する前側延在部と、を有する前側ブラケットと、前記連結部と、前記第2延在部と、を有し、全体として直線状に延在する中間ブラケットと、を含んでおり、前記第2延在部の前端が前記前側延在部に連結されていることが好ましい。
【0014】
同構成によれば、第2延在部の前端を前側ブラケットの前側延在部に連結する構成を採用することで、中間ブラケットを全体として直線状に延在する構成としながらも、フロアに対して前側固定部を容易に固定することができる。
【0015】
上記車両において、前記第2ブラケットは、車幅方向において前記第1ブラケットを挟んで一対設けられていることが好ましい。
同構成によれば、第1ブラケットが一対の第2ブラケットによって安定して支持される。これにより、上記衝突荷重を、前側固定部を介してフロアにより確実に伝達することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、荷室に積載されている荷物からの衝突荷重がシートバックに作用することを好適に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】車両の一実施形態について、車室内を示す平面図。
図2】同実施形態の車両における車室内を示す断面図。
図3】同実施形態のブラケット群を示す斜視図。
図4】同実施形態のブラケット群を示す側面図。
図5】(a),(b)は、後方から前方に向かう衝突荷重が作用した際のブラケット群の変形態様を示す側面図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図1図5を参照して、車両の一実施形態について説明する。
なお、以降においては、車両の前後方向の前側及び後側を単に前側及び後側として説明する。また、車両が水平面上に位置するときの上下方向を単に上下方向として説明する。
【0019】
図1に示すように、車両は、フロア11を有する車体10を備えている。フロア11には、2つのフロントシート21と、2つのリアシート22と、フロントコンソールボックス23と、リアコンソールボックス24とが設けられている。
【0020】
図2に示すように、車両の後部には、後部開口12を開閉するバックドア13が設けられている。
図1に示すように、2つのフロントシート21は、車幅方向に間隔をおいて設けられている。フロントコンソールボックス23は、車幅方向において2つのフロントシート21の間に設けられている。
【0021】
2つのリアシート22は、車幅方向に間隔をおいて設けられている。リアコンソールボックス24は、車幅方向において2つのリアシート22の間に設けられている。
図2に示すように、リアシート22は、シートクッション22aと、シートクッション22aの後端に対してリクライニング可能に連結されたシートバック22bとを有している。フロア11には、リアシート22を前後にスライド可能に支持するスライドレール(図示略)が設けられている。
【0022】
リアコンソールボックス24のうち最も後側に位置する後面24Aは、リアシート22が最も後方に位置する状態において、シートバック22bのうち最も後側に位置する後面22Aよりも後方に位置している。
【0023】
本実施形態のリアシート22及びリアコンソールボックス24が、本発明に係るシート及びコンソールボックスにそれぞれ相当する。リアシート22のシートバック22bの後面22Aと、リアコンソールボックス24の後面24Aとは、荷室14の前壁を構成している。
【0024】
図3及び図4に示すように、リアコンソールボックス24は、ハウジング25と、ハウジング25の内部に設けられるブラケット群26とを備えている。ブラケット群26は、ハウジング25の剛性を高めるための骨格である。
【0025】
ハウジング25は、樹脂製のハウジング本体と、ハウジング本体の外面を覆う表皮材(いずれも図示略)などを有して構成されている。
ハウジング25の上面には、カップホルダやアームレスト(いずれも図示略)などが配置されている。また、ハウジング25の内部には、上部開口を通じて出し入れ可能な収納ボックス(図示略)が配置されている。
【0026】
ハウジング25の後部には、後側ほど上側に位置するように傾斜する傾斜面25Aと、傾斜面25Aから上方に向かって延在する後面25Bとが設けられている。傾斜面25Aと後面25Bとは、リアコンソールボックス24の後面24Aに相当する。
【0027】
ブラケット群26は、後側ブラケット30と、前側ブラケット40と、中間ブラケット50とを有している。また、ブラケット群26は、取付ブラケット60と、第1連結バー70と、第2連結バー80とを有している。
【0028】
<後側ブラケット30>
後側ブラケット30は、下側から順に、後側固定部31と、第1延在部32と、張出部33とを有している。
【0029】
後側ブラケット30は、鉄鋼材料やアルミニウム合金などの金属板材をプレス成形することで形成されている。
後側固定部31は、フロア11に固定される部分であり、車幅方向に間隔をおいて一対設けられている。後側固定部31は、フロア11の取付部91に対してボルト100により固定されている。
【0030】
第1延在部32は、後側固定部31から上方に向かって延在するとともに全体として上側ほど後側に位置している。第1延在部32は、階段状に折り曲げられた折り曲げ部34を有している。折り曲げ部34は、下側から順に、一対の脚部34aと、一対の横部34bと、傾斜部34cとを有している。折り曲げ部34は、上方に向かって伸長変形可能に設けられている。
【0031】
脚部34aは、後側固定部31の後端から屈曲して上方に向かって延在している。より詳しくは、脚部34aは、上側ほど後側に位置するように上下方向に対して僅かに傾斜している。
【0032】
横部34bは、脚部34aの上端から屈曲して後方に向かって延在している。
傾斜部34cは、横部34bの後端から屈曲して後斜め上方に向かって延在している。傾斜部34cは、車幅方向において一対の横部34bにわたって設けられている。
【0033】
張出部33は、第1延在部32から後方に張り出している。張出部33は、傾斜部34cの上端から屈曲して後方に向かって延びる部分33aと、同部分33aの後端において屈曲して上方に向かって延びる部分33bとを有している。
【0034】
後側ブラケット30全体は、リアシート22が最も後側に位置する状態において、シートバック22bの後面22Aよりも後方に設けられている(図5(a)参照)。
後側ブラケット30が、本発明に係る第1ブラケットを構成している。
【0035】
<前側ブラケット40>
前側ブラケット40は、下側から順に、前側固定部41と、前側延在部42とを有している。
【0036】
前側固定部41は、後側固定部31よりも前側においてフロア11に固定される部分であり、車幅方向に間隔をおいて一対設けられている。前側固定部41は、フロア11の取付部92に対してボルト100により固定されている。
【0037】
前側延在部42は、前側固定部41から上方に向かって延在している。前側延在部42は、下側から順に、一対の脚部42aと、下側傾斜部42bと、接続部42cと、上側傾斜部42dとを有している。
【0038】
脚部42aは、前側固定部41の後端から上方に向かって延在している。より詳しくは、脚部42aは、上側ほど後側に位置するように上下方向に対して僅かに傾斜している。
下側傾斜部42bは、二股状であり、脚部42aの上端から屈曲して後斜め上方に向かって延在している。
【0039】
接続部42cは、下側傾斜部42bの上端から屈曲して上方に向かって延在している。
上側傾斜部42dは、接続部42cの上端から屈曲して前斜め上方に向かって延在している。
【0040】
<中間ブラケット50>
中間ブラケット50は、後側ブラケット30及び前側ブラケット40を車幅方向の外側から挟んで一対設けられている。中間ブラケット50は、全体として直線状に延在している。
【0041】
中間ブラケット50は、第1延在部32の上端に固定される後側連結部51と、後側連結部51から前方に向かって延在する第2延在部52と、前側ブラケット40の脚部42aに連結される前側連結部53とを有している。
【0042】
後側連結部51は、ボルト101を介して第1延在部32に固定されている。
第2延在部52は、全体として前側ほど下側に位置している。
前側連結部53は、ボルト101を介して脚部42aに固定されている。
【0043】
第2延在部52の延在方向に対する曲げ剛性は、第1延在部32の延在方向に対する曲げ剛性よりも高く構成されている。
前側ブラケット40及び中間ブラケット50が、本発明に係る第2ブラケットを構成している。
【0044】
<取付ブラケット60>
取付ブラケット60は、前後方向において後側ブラケット30と前側ブラケット40との間に設けられている。取付ブラケット60は、車幅方向において一対の中間ブラケット50によって挟まれている。
【0045】
取付ブラケット60は、下側から順に、固定部61と、縦壁部62と、支持壁部63とを有している。
固定部61は、フロア11に固定される部分であり、車幅方向に間隔をおいて一対設けられている。固定部61は、フロア11の取付部93に対してボルト100により固定されている。
【0046】
縦壁部62は、二股状であり、固定部61の後端から屈曲して上方に向かって延在している。縦壁部62は、車幅方向の両側において一対の中間ブラケット50にボルト102を介して連結されている。
【0047】
支持壁部63は、縦壁部62の上端から屈曲して前方に向かって延在している。支持壁部63は、前側ブラケット40の上側傾斜部42dの上端に対してボルト102を介して連結されている。
【0048】
<第1連結バー70>
第1連結バー70は、前後方向において前側ブラケット40と取付ブラケット60との間に設けられている。第1連結バー70は、上側ほど前側に位置するように傾斜して延びている。第1連結バー70は、中間ブラケット50と、前側ブラケット40の上側傾斜部42dと、取付ブラケット60の支持壁部63とをボルト103を介して連結している。第1連結バー70は、車幅方向の両側に一対設けられている。
【0049】
<第2連結バー80>
第2連結バー80は、前後方向において取付ブラケット60と後側ブラケット30との間に設けられている。第2連結バー80は、車幅方向に沿って延在している。第2連結バー80は、車幅方向の両側においてボルト104を介して中間ブラケット50に連結されている。
【0050】
本実施形態においては、ブラケット群26が、第1延在部32に対して後方から前方に向かう衝突荷重が作用する際に、第1延在部32の伸長変形及び前側固定部41を中心とする第2延在部52の回動を伴って後側連結部51が前方且つ上方に移動する。これにより、ブラケット群26は、上記衝突荷重を、前側固定部41を介してフロア11に伝達可能に構成されている。
【0051】
次に、本実施形態の作用について説明する。
図5(a)に示すように、車両走行中に急なブレーキ操作が行われた場合などに、荷室14に積載されている荷物L(図1参照)が慣性力によって前方に移動する。このとき、本実施形態によれば、上記荷物Lが、シートバック22bの後面22Aに衝突する前にリアコンソールボックス24の後面24Aに衝突するようになる。
【0052】
図5(b)に示すように、上記荷物Lの衝突に伴って、ハウジング25を介して第1延在部32に対して後方から前方に向かう衝突荷重が作用する。上記衝突荷重が作用する際、後側ブラケット30の折り曲げ部34は伸長変形する。これにより、ブラケット群26は、第1延在部32の伸長変形及び前側固定部41を中心とする第2延在部52の回動を伴って後側連結部51が前方且つ上方に移動するようになる。このため、上記衝突荷重が、前側固定部41を介してフロア11に伝達されるようになる。
【0053】
次に、本実施形態の効果について説明する。
(1)ブラケット群26は、後側ブラケット30と、前側ブラケット40と、中間ブラケット50とを有している。ブラケット群26は、第1延在部32に対して後方から前方に向かう衝突荷重が作用する際に、第1延在部32の伸長変形及び前側固定部41を中心とする第2延在部52の回動を伴って後側連結部51が前方且つ上方に移動可能に構成されている。
【0054】
こうした構成によれば、上記作用を奏することから、上記荷物Lがリアコンソールボックス24の後面24Aに衝突した際に同リアコンソールボックス24に対して作用する衝突荷重が、前側固定部41を介して効果的にフロア11に伝達されるようになる。
【0055】
したがって、荷室14に積載されている荷物Lからの衝突荷重がシートバック22bに作用することを好適に抑制することができる。
(2)第1延在部32は、階段状に折り曲げられた折り曲げ部34を有している。
【0056】
こうした構成によれば、上記衝突荷重が作用する際に、折り曲げ部34の伸長変形を伴って後側連結部51が前方且つ上方に円滑に移動するようになる。これにより、上記衝突荷重を、前側固定部41を介してフロア11に効果的に伝達することができる。したがって、荷室14に積載されている荷物Lからの衝突荷重がシートバック22bに作用することを一層好適に抑制することができる。
【0057】
(3)中間ブラケット50の前側連結部53が前側ブラケット40の脚部42aに連結されている。
こうした構成によれば、中間ブラケット50の前側連結部53を前側ブラケット40の脚部42aに連結する構成を採用することで、中間ブラケット50を全体として直線状に延在する構成としながらも、フロア11に対して前側固定部41を容易に固定することができる。
【0058】
(4)中間ブラケット50は、車幅方向において後側ブラケット30を挟んで一対設けられている。
こうした構成によれば、後側ブラケット30が一対の中間ブラケット50によって安定して支持される。これにより、上記荷物Lがリアコンソールボックス24の後面24Aに衝突した際に同リアコンソールボックス24に対して作用する衝突荷重を、前側固定部41を介してフロア11により確実に伝達することができる。
【0059】
<変形例>
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変形例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0060】
・第1連結バー70及び第2連結バー80の少なくとも一方は省略することもできる。
・取付ブラケット60は省略することもできる。
・中間ブラケット50(第2ブラケット)は、車幅方向において後側ブラケット30(第1ブラケット)を挟んで一対設けられる構成に限定されない。例えば、後側ブラケット30の車幅方向の中央に1つの中間ブラケット50を設けるようにしてもよい。
【0061】
・前側ブラケット40を省略するとともに、中間ブラケット50の前側連結部53をフロア11の取付部92に対して直接固定するようにしてもよい。この場合、中間ブラケット50のみによって第2ブラケットが構成される。
【0062】
・第1延在部32は、第1延在部32が延在方向に伸長変形するものであれば、折り曲げ部34を有していなくてもよい。
・ブラケット群26は、第1延在部32に対して後方から前方に向かう衝突荷重が作用する際に、第1延在部32の伸長変形に代えて第2延在部52の圧縮変形により後側連結部51が前方に移動するように構成されてもよい。
【0063】
・ブラケット群26は、第1延在部32に対して後方から前方に向かう衝突荷重が作用する際に、第1延在部32の伸長変形及び第2延在部52の圧縮変形の双方により後側連結部51が前方に移動するように構成されてもよい。
【0064】
・2つのリアシート22のうちの一方は省略してもよい。リアコンソールボックス24は、リアシート22と車幅方向に隣接して設けられていればよい。
・リアシート22及びリアコンソールボックス24は省略してもよい。すなわち、フロントシート21のみを備える車両であってもよい。この場合、フロントコンソールボックス23のうち最も後側に位置する後面が、フロントシート21のシートバックのうち最も後側に位置する後面よりも後方に位置していればよい。また、フロントコンソールボックス23に対して本発明のブラケット群を適用すればよい。
【符号の説明】
【0065】
10…車体
11…フロア
12…後部開口
13…バックドア
14…荷室
21…フロントシート
22…リアシート
22a…シートクッション
22b…シートバック
22A…後面
23…フロントコンソールボックス
24…リアコンソールボックス
24A…後面
25…ハウジング
25A…傾斜面
25B…後面
26…ブラケット群
30…後側ブラケット(第1ブラケット)
31…後側固定部
32…第1延在部
33…張出部
33a,33b…部分
34…折り曲げ部
34a…脚部
34b…横部
34c…傾斜部
40…前側ブラケット(第2ブラケット)
41…前側固定部
42…前側延在部
42a…脚部
42b…下側傾斜部
42c…接続部
42d…上側傾斜部
50…中間ブラケット(第2ブラケット)
51…後側連結部
52…第2延在部
53…前側連結部
60…取付ブラケット
61…固定部
62…縦壁部
63…支持壁部
70…第1連結バー
80…第2連結バー
91~93…取付部
100~104…ボルト
L…荷物
図1
図2
図3
図4
図5