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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-26
(45)【発行日】2024-07-04
(54)【発明の名称】浴槽装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/28 20210101AFI20240627BHJP
   A47K 3/00 20060101ALI20240627BHJP
   A61H 33/00 20060101ALI20240627BHJP
【FI】
A61B5/28
A47K3/00 Z
A61H33/00 Z
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020119333
(22)【出願日】2020-07-10
(65)【公開番号】P2022016063
(43)【公開日】2022-01-21
【審査請求日】2023-05-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000010087
【氏名又は名称】TOTO株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100123630
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 誠
(72)【発明者】
【氏名】坪井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】園田 浩二
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 慧
(72)【発明者】
【氏名】市川 由有
(72)【発明者】
【氏名】川辺 将剛
(72)【発明者】
【氏名】東 賢輔
(72)【発明者】
【氏名】野村 涼子
(72)【発明者】
【氏名】神出 真緒
(72)【発明者】
【氏名】石井 悠和
(72)【発明者】
【氏名】古川 健次
(72)【発明者】
【氏名】栗田 大生
【審査官】門田 宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-102859(JP,A)
【文献】特開2003-175087(JP,A)
【文献】特開2016-202220(JP,A)
【文献】特開平10-179529(JP,A)
【文献】実開平02-061307(JP,U)
【文献】特開2018-082893(JP,A)
【文献】特開平10-155757(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/28
A61B 5/318
A47K 3/00
A61H 33/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
心電信号の検出機能を備えた浴槽装置であって、
平面視において、略長方形に形成された浴槽本体と、
この浴槽本体内に貯留された湯水を介して入浴者の心電信号を検出するための、上記浴槽本体に取り付けられた正電極、及び負電極からなる一組の電極と、
基準電位を検出するための基準電極と、を有し、
上記一組の電極は、何れも上記浴槽本体の短辺を構成する第1の内壁面上に配置され、上記正電極及び上記負電極は、上記第1の内壁面の水平方向の中心を通る中心線の左右に夫々配置され、上記基準電極は、上記第1の内壁面に配置されていることを特徴とする浴槽装置。
【請求項2】
上記正電極及び上記負電極は、上記第1の内壁面上に、上記中心線から左右方向に夫々離間して配置されている請求項記載の浴槽装置。
【請求項3】
上記正電極と上記負電極の間の左右方向の距離は、700mm以下である請求項記載の浴槽装置。
【請求項4】
上記正電極と上記負電極の間の左右方向の距離は、380mm以上である請求項記載の浴槽装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴槽装置に関し、特に、心電信号の検出機能を備えた浴槽装置に関する。
【背景技術】
【0002】
入浴は身体を清潔に保つ目的で行われるばかりでなく、身体を温めながらリラックスし、ストレスを解消して心身共にリフレッシュすることを目的としても行われている。特に、近年は、種々のアメニティ機能を備えた浴槽が一般家庭にも普及し、入浴を楽しむ人が増えている。一方、家庭の浴槽での事故者数は年間約2万人にも及び、死亡者数も増加傾向にあり、浴槽内での死亡は高齢者が大半を占めている。特に、入浴中は温熱効果により身体が温められリラックスできる反面、入浴時間が過度に長くなると、入浴者の心臓等に負担がかかる。このように、浴槽内の入浴者の健康状態を監視する必要性が高くなっている。
【0003】
特開平10-179529号公報(特許文献1)には、心電図検査装置が記載されている。この心電図検査装置は、浴槽の内壁面に右電極及び左電極を設け、入浴者の心電図を取得するように構成されている。また、特許文献1記載の心電図検査装置においては、入浴者が寄りかかる浴槽の背もたれ面に右電極が配置され、背もたれ面に隣接する側壁面に左電極が配置されている。このように各電極を浴槽に配置することにより、浴槽の背もたれ面に寄りかかった入浴者を、右電極と左電極によって挟まれた空間内に位置させ、入浴者の心電信号を取得している。
【0004】
実開平2-61307号公報(特許文献2)には、水中心電図測知装置が記載されている。この水中心電図測知装置においては、浴槽の壁面に負極、正極、中性点を構成する3つの電極を配置して第1誘導を取得している。特許文献2記載の水中心電図測知装置においては、浴槽の背もたれ面に寄りかかった入浴者の右肩近傍に位置するように、背もたれ面の右側に隣接する側壁面上部に負極の電極が配置されている。また、入浴者の左腰下の近傍に位置するように、対向する側壁面の下部に正極の電極が配置され、入浴者の足先に近い背もたれ面に対向する面に中性点の電極が配置されている。このように、特許文献2記載の水中心電図測知装置では、背もたれ面に寄りかかった入浴者を、正極の電極と負極の電極の間の空間に位置させ、心電図を取得している。また、特許文献2には、振幅の大きい第1誘導以外の誘導を取得するために、上記の負極、正極、中性点の電極の他に、複数の補助的な電極を浴槽の壁面に配置することも記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開平10-179529号公報
【文献】実開平2-61307号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1及び2記載の発明においては、これを大型の浴槽に適用すると、信号波形が減衰してしまい、十分に振幅の大きな心電信号を検出することができないという問題がある。即ち、特許文献1及び2記載の発明では、浴槽の背もたれ面に寄りかかった入浴者を、正電極と負電極との間に挟まれた空間に位置させるために、一方の電極を、浴槽の背もたれ面に隣接する側壁面に配置している。このため、検出用の電極を背もたれ面の幅の広い浴槽に適用すると、入浴者と電極の間の距離が長くなり、十分な振幅で心電信号を検出することができなくなる。また、一方の電極を側壁面に配置した場合、電極と入浴者の腕との間の距離が近くなり、入浴者が僅かに腕を動かしただけで心電波形が揺らいでしまい、心電信号の取得精度が低下してしまう場合がある。
【0007】
従って、本発明は、背もたれ面の幅の広い浴槽に適用した場合でも、十分な振幅で心電信号を検出することができる浴槽装置を提供することを目的としている。また、入浴者の腕の動作等の体動がある場合でも精度の高い心電信号を取得することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するために、本発明は、心電信号の検出機能を備えた浴槽装置であって、平面視において、略長方形に形成された浴槽本体と、この浴槽本体内に貯留された湯水を介して入浴者の心電信号を検出するための、浴槽本体に取り付けられた正電極、及び負電極からなる一組の電極と、を有し、一組の電極は、何れも浴槽本体の短辺を構成する第1の内壁面上に配置され、正電極及び負電極は、第1の内壁面の水平方向の中心を通る中心線の左右に夫々配置されていることを特徴としている。
【0009】
このように構成された本発明においては、略長方形に形成された浴槽本体の第1の内壁面上に、正電極、及び負電極からなる一組の電極が配置され、これらの一組の電極により、浴槽本体内に貯留された湯水を介して入浴者の心電信号が検出される。また、正電極、及び負電極からなる一組の電極は、何れも、浴槽本体の第1の内壁面上に、第1の内壁面の中心線の左右に夫々配置されている。
【0010】
このように構成された本発明によれば、正電極、及び負電極からなる一組の電極が、何れも、浴槽本体の短辺を構成する第1の内壁面上に配置されているので、大型の浴槽本体に適用した場合でも、入浴者と各電極の間の距離が過度に長くなることはなく、十分な振幅で心電信号を検出することができる。従来、浴槽本体に取り付けた電極で入浴者の心電信号を検出する場合には、特許文献1及び2記載の発明のように、第一誘導を確実に捉えるために、電極と電極の間の空間に入浴者を位置させることが技術常識とされていた。このため、少なくとも何れか一方の電極は、入浴者が寄りかかる内壁面に隣接する側壁面(長方形の長辺に対応する面)に設けられていた。
【0011】
しかしながら、電極を側壁面に設けると、幅の広い(短辺が長い)浴槽本体の場合、入浴者の身体と電極の間の距離が長くなり、十分な振幅で心電信号を検出することが困難になっていた。また、少なくとも一方の電極を側壁面に設ける場合、電極と入浴者の腕との間の距離が近くなり、入浴者が僅かに腕を動かしただけで心電波形が揺らいでしまい、精度の高い心電信号の取得が困難になっていた。これに対し、本件発明者が鋭意研究開発を続けた結果、心電波形における特にR波に着目することで、十分な振幅で心電信号の取得が可能となり、それに基づいて心拍数等を算出することで、入浴中の温熱効果による身体への温熱負荷状態を監視可能であることを見出した。これにより、入浴者の身体が必ずしも電極と電極の間の空間内に位置しなくとも、十分な振幅で心電信号を検出できることが明らかとなった。本発明の浴槽装置によれば、正電極及び負電極が何れも第1の内壁面上に配置されているので、浴槽本体の大きさに依存せずに正電極と負電極の間の距離を設定することが可能となり、十分な振幅で心電信号を検出することができる。また、入浴中の背中の動きは腕よりも小さいため、入浴者の体動変化の影響を受けにくく、高い精度の心電波形を測定することができる。
【0012】
本発明において、好ましくは、さらに、基準電位を検出するための基準電極を有し、基準電極は、第1の内壁面に配置されている。
心電信号は、正電極と負電極の間の微少な電位差として検出されるため、基準電位を取得しておくことが、検出信号のS/N比を確保する上で好ましい。上記のように構成された本発明によれば、正電極及び負電極が配置された第1の内壁面に、基準電極も配置されているので、電極を配置する面が1つの面に集約され、各電極に接続する電気配線を短縮することができ、検出信号のS/N比をより向上させることができる。また、各電極を取り付ける面が第1の内壁面に集約されるので、浴槽本体の製造時における組み立て性を向上させることができると共に、メンテナンス性も向上させることができる。
【0013】
本発明において、好ましくは、正電極及び負電極は、第1の内壁面上に、中心線から左右方向に夫々離間して配置されている。
本発明においては、浴槽本体の第1の内壁面に、正電極及び負電極が配置されるが、この場合であっても、入浴者の心臓の両側に正電極及び負電極が夫々配置される必要がある。また、正電極と負電極の間の距離が近すぎると、正電極と負電極の間に発生する電位差が小さくなり、十分な振幅で心電信号を取得することができない。上記のように構成された本発明によれば、正電極及び負電極が、中心線から夫々離間して配置されているので、浴槽本体の第1の内壁面に寄りかかっている入浴者の心臓の両側に正電極及び負電極を夫々配置することができ、十分な振幅で心電信号を取得することが可能になる。
【0014】
本発明において、好ましくは、正電極と負電極の間の左右方向の距離は、700mm以下である。
正電極及び負電極によって取得される心電信号は、入浴者の体重や、浴槽本体内に貯留されている湯水の電気伝導率に影響される。即ち、入浴者の体重が小さい場合や、貯留されている湯水の電気伝導率が大きい場合(地域ごとの水質差や入浴剤の混入等による)には、正電極と負電極の間の距離が不適切であると、十分な振幅で心電信号を取得することができない。上記のように構成された本発明によれば、正電極と負電極の間の左右方向の距離が700mm以下にされているので、通常の入浴者や、湯水の通常の電気伝導率について、十分な振幅で心電信号を取得することができる。
【0015】
本発明において、好ましくは、正電極と負電極の間の左右方向の距離は、380mm以上である。
本発明においては、正電極及び負電極が、浴槽本体の第1の内壁面上に設けられているため、第1の内壁面に寄りかかった入浴者が、電極に接触する可能性がある。入浴者が電極に接触すると、電極の電位に急激な変化が生じて心電信号の基線が大きく揺らぎ、心電信号のR波の検出性能、即ち、入浴者の心拍数検知性能が著しく低下してしまう。この新たな技術課題に対し、本件発明者が鋭意研究開発を進めた結果、正電極と負電極の間の左右方向の距離を380mm以上に設定しておけば、入浴者の背中と電極が接触する可能性が極めて低くなることが見出された。即ち、成人の入浴者の約95%において、浴槽本体の内壁面と、入浴者の背中の接触幅は380mm未満であることが見出された。このため、正電極と負電極の間の左右方向の距離を380mm以上に設定しておくことにより、通常の入浴者が、通常の姿勢で第1の内壁面に寄りかかった場合には、入浴者が電極と接触することを効果的に防止することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の浴槽装置によれば、背もたれ面(第1の内壁面)の幅の広い浴槽に適用した場合でも、十分な振幅で心電信号を検出することができる。また、入浴者の腕の動作等の体動がある場合でも精度の高い心電信号を取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施形態による浴槽装置を設置した浴室全体を示す斜視図である。
図2】本発明の実施形態による浴槽装置を斜め上方から見た斜視図である。
図3】本発明の実施形態による浴槽装置に備えられている電極の構造を示す断面図である。
図4A】本発明の実施形態による浴槽装置の電極により取得された信号の処理を示すブロック図である。
図4B】本発明の実施形態による浴槽装置の電極により取得された信号の処理の変形例を示すブロック図である。
図5】本発明の実施形態による浴槽装置により計測された心電信号の一例を示す図である。
図6】本発明の実施形態による浴槽装置において、浴槽本体の背もたれ面に寄りかかっている入浴者の身体と、背もたれ面に取り付けられた各電極との位置関係を模式的に示す図である。
図7】本発明の実施形態による浴槽装置において、浴槽本体の背もたれ面に寄りかかっている入浴者の身体と、背もたれ面に取り付けられた各電極との位置関係を模式的に示す図である。
図8】本発明の実施形態による浴槽装置において、浴槽本体の背もたれ面に寄りかかっている入浴者の身体と、背もたれ面に取り付けられた各電極との位置関係を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、添付図面を参照して、本発明の実施形態による浴槽装置を説明する。
図1は、本発明の実施形態による浴槽装置を設置した浴室全体を示す斜視図である。図2は、本発明の実施形態による浴槽装置を斜め上方から見た斜視図である。図3は、本発明の実施形態による浴槽装置に備えられている電極の構造を示す断面図である。図4は、本発明の実施形態による浴槽装置の電極により取得された信号の処理を示すブロック図である。
【0019】
図1に示すように、本発明の実施形態の浴槽装置1は、浴槽本体2と、この浴槽本体2に取り付けられた負電極4a、正電極4b、及び基準電極4cと、電極によって取得された信号を処理する信号処理装置6と、浴槽本体2の上縁に設けられた吐水装置8と、を有し、浴室R内に設置される。また、浴室Rの壁面には、リモコン6aが取り付けられており、このリモコン6aにより、浴槽装置1の心電信号検出機能や、吐水装置8を操作できるようになっている。さらに、本実施形態において、浴槽装置1は、浴室Rの一側に、壁面に接するように配置されている。
【0020】
浴槽本体2は、平面視において略長方形の箱形に形成され、内部に湯水を貯留するように構成されている。本実施形態においては、浴槽本体2は、その1つの長辺、及びその両側の2つの短辺全体が、浴室Rの内壁面に接するように配置されている。また、浴槽本体2の一方の短辺を構成する内壁面は、入浴者が寄りかかるように形成された第1の内壁面である背もたれ面2aとして構成されている。また、浴室Rの内壁面に接していない側の浴槽本体2の長辺には、エプロン2bが着脱可能に取り付けられている。ここで、背もたれ面とは、入浴の際に、入浴者の背中が接する内壁面である。背もたれ面の形状としては、厳密な平面形状である必要はなく、緩やかに湾曲する湾曲面等を有する実質的な平面を有していればよく、一部にステップや凹凸を有する形状等を含んでいても良い。また、浴槽本体の形状を略長方形としているが、これに限定されず、平面視において、背もたれ面を構成する短辺において、直線または緩やかな湾曲を有する形状であればよい。例えば、緩やかに湾曲した辺で構成される略長方形であってもよい。また、背もたれ面と対向する辺においては、どのような形状であってもよい。
【0021】
吐水装置8は、浴槽本体2の背もたれ面2aの上部に設けられ、浴槽本体2の内方に向けて湯水を吐出するように構成されている。図2に示すように、本実施形態において、吐水装置8は、背もたれ面2a上縁に沿って延びる扁平で幅広な吐水口8aを備えており、背もたれ面2aに寄りかかった入浴者の肩に向けて湯水を吐出するように構成されている。また、吐水装置8は、浴槽本体2内に貯留された湯水を吸い込み、吐水口8aから吐出させるポンプ(図示せず)を備えている。このため、浴槽本体2内の湯水は、ポンプ(図示せず)によって吸い込まれ、吐水口8aから吐出されて浴槽本体2内に流入するように循環する。
【0022】
また、本実施形態において、吐水装置8の吐水口8aは扁平で幅広に形成されているため、吐水口8aから吐出された湯水は、幅の広い帯状の水膜となって吐出され、浴槽本体2内に貯留された湯水の水面において、背もたれ面2aから離れた位置に着水する。さらに、本実施形態において、吐水装置8はポンプ(図示せず)による加圧強度を、「強」、「中」、「弱」の3段階に切り替え可能に構成されている。「強」モードにおいては、湯水が約65L/minの流量で吐水口8aから吐出され、吐出された湯水は、吐水口8aから水平距離にして約360mm離れた位置で、浴槽本体2内の水面に着水する。また、「中」モードでは、約55L/minの流量で吐出され、吐水口8aから約310mm離れた位置で水面に着水し、「弱」モードでは、約49L/minの流量で吐出され、吐水口8aから約280mm離れた位置で水面に着水する。なお、これらの着水位置は、浴槽本体2内の湯水の水面が、浴槽本体2の底から約300mmの高さにある状態で測定された数値である。ここで着水位置とは、吐水口から帯状の水膜となって吐出され、浴槽本体内に貯留された湯水の水面において着水する位置であり、吐水口から吐出される飛沫や、吐水口から内壁面に沿って流れる湯水等の、本来意図する位置から外れた位置への着水は含まれない。
【0023】
図2に示すように、負電極4a及び正電極4bは、浴槽本体2内に貯留された湯水を介して入浴者の心電信号を検出するために、浴槽本体2に取り付けられた一組の電極である。入浴者の心電信号は、これらの負電極4aと正電極4bの間の電位差の信号として取得される。負電極4a及び正電極4bからなる一組の電極は、何れも浴槽本体2の短辺を構成する背もたれ面2a上に配置されている。また、基準電極4cは、負電極4a及び正電極4bによって検出される電位の基準電位を取得するための電極であり、この電極も浴槽本体2の背もたれ面2a上に配置されている。
【0024】
このように、本実施形態の浴槽装置1においては、心電信号を取得するための全ての電極が、1つの背もたれ面2a上に配置されている。換言すれば、本実施形態の浴槽装置1においては、心電信号が1つの背もたれ面2a上に配置された電極のみによって検出される。
【0025】
また、図2に示すように、負電極4a及び正電極4bは、背もたれ面2aの水平方向(幅方向)の中心線Cの左右に、中心線Cに対して左右対称の位置に配置されている。即ち、負電極4a及び正電極4bは、背もたれ面2a上に中心線Cから左右方向に夫々離間して配置されており、本実施形態においては、負電極4aと正電極4bは、水平方向に約380mm離間して配置されている。さらに、負電極4a及び正電極4bは、浴槽本体2内の水面よりも下側に位置するように、浴槽本体2の底面から約300mmの高さ位置に夫々配置されている。負電極4a及び正電極4bは、浴槽本体2内の水面よりも下側であり、基準電極4cよりも上側の高さ位置に取り付けることができる。好ましくは、浴槽装置1の通常使用時における浴槽本体2内の水面の高さよりも少し下方の、底面から約150mm~約450mmの高さ位置に負電極4a及び正電極4bを配置する。より好ましくは、底面から約250mm~約350mmの高さ位置に負電極4a及び正電極4bを配置する。
【0026】
一方、基準電極4cは、背もたれ面2aの中心線C上に、負電極4a及び正電極4bよりも下方に配置されている。本実施形態において、基準電極4cは、浴槽本体2内の水面よりも下側に位置するように、浴槽本体2の底面から約150mmの高さ位置に配置されている。また、基準電極4cは、必ずしも備えられていなくても良く、省略することもできる。
【0027】
次に、図3を参照して、各電極の構造を説明する。
なお、ここでは、負電極4aの構造を説明するが、本実施形態においては、負電極4a、正電極4b、及び基準電極4cは、何れも同一の構造を有する。
【0028】
図3に示すように、負電極4aは、電極部10と、前面パッキン12aと、背面パッキン12bと、フランジ14と、防湿チューブ16と、接続端子18と、固定ネジ20と、導線22と、シース24と、を有する。負電極4aは、浴槽本体2の背もたれ面2aの表面に露出するように取り付けられ、負電極4aと背もたれ面2aとの間の水密性がパッキンにより確保されている。
【0029】
電極部10は、導電金属製の部品であり、円板状に形成された円板部10aと、この円板部10aの背面から垂直に突出する軸部10bから構成されている。円板部10aは薄い円板状の部分であり、この円板部10aの前面が、背もたれ面2aの表面に露出し、電位を検出するように構成されている。即ち、本実施形態においては、円板部10aは、直径約15mm、厚さ約2.5mmに形成されており、この円板部10a全体が背もたれ面2aの表面上に配置されている。軸部10bは、円板部10aの背面中央から直角に延びる丸棒状の部分であり、背もたれ面2aに形成された貫通穴を通って、背もたれ面2aの裏側に突出している。また、軸部10bの中間部には雄ネジ山が形成され、先端部には接続端子18を固定するための固定部が形成されている。
【0030】
前面パッキン12aは、ゴム製の円板状の部材であり、中央には、電極部10の軸部10bを通すための円形穴が形成されている。前面パッキン12aは、電極部10の円板部10aとほぼ同一の直径を有し、円板部10aの背面側に配置される。負電極4aが背もたれ面2aに取り付けられた状態では、前面パッキン12aが、円板部10aの背面と背もたれ面2aの表面の間に挟まれ、背もたれ面2aと負電極4aの間の水密性が確保されている。
【0031】
背面パッキン12bは、ゴム製の円板状の部材であり、中央には、電極部10の軸部10bを通すための円形穴が形成されている。背面パッキン12bは、前面パッキン12aよりも大きい、フランジ14の大径部とほぼ同一の直径を有し、背もたれ面2aの背面側に配置される。負電極4aが背もたれ面2aに取り付けられた状態では、背面パッキン12bが、背もたれ面2aの背面とフランジ14の端面の間に挟まれ、背もたれ面2aの裏側の表面と負電極4aの間の水密性が確保されている。なお、前面パッキン12a及び背面パッキン12bは、樹脂製であっても良い。
【0032】
フランジ14は、大径部及び小径部からなる段付きの円柱状の部材であり、中心には、電極部10の軸部10bを貫通させるための雌ネジ山が形成されている。フランジ14の大径部は、背面パッキン12bとほぼ同一の直径に形成され、小径部は、大径部の背面側に形成されている。フランジ14を貫通するように形成された雌ネジ山と、電極部10の軸部10bに形成された雄ネジ山を螺合させ、締め付けることによって、フランジ14の大径部側の端面により、背面パッキン12bが背もたれ面2aの背面に押し付けられ、水密性が確保される。
【0033】
防湿チューブ16は、ゴム製の細長いチューブであり、電極部10の軸部10b先端や、接続端子18、導線22等を覆うように配置される。防湿チューブ16の先端には、フランジ14の小径部が嵌め込まれ、防湿チューブ16内への湿気の侵入が防止される。なお、防湿チューブ16は、樹脂製であっても良い。
【0034】
接続端子18は導電金属製の部品であり、導線22の先端に圧着接続されている。接続端子18の先端部には、固定ネジ20を通すための穴が設けられており、この穴を通った固定ネジ20を、電極部10の軸部10b先端に設けられた雌ネジに螺合させることにより、接続端子18を電極部10に固定することができる。これにより、電極部10と導線22を、着脱自在に電気的に接続することができる。
【0035】
導線22は、電極部10と信号処理装置6(図1)を電気的に接続するための導電線であり、負電極4aから信号処理装置6まで延びている。また、導線22には、絶縁材料製のシース24が被せられ、導線22の電気絶縁性が確保されている。本実施形態においては、負電極4a、正電極4b、及び基準電極4cから夫々延びる導線22が信号処理装置6に接続され、心電信号が信号処理装置6に入力される。
【0036】
次に、図4Aを参照して、信号処理装置6の構成を説明する。
信号処理装置6は、負電極4a、正電極4b、及び基準電極4cが接続される電気回路であり、浴槽本体2の背もたれ面2aの背面側に配置されている。負電極4a、正電極4b、及び基準電極4cによって取得された信号は、信号処理装置6によって処理され、処理結果が浴室R内に配置されたリモコン6a及び/又は浴室R外に配置された表示装置(図示せず)に表示される。
【0037】
図4Aに示すように、信号処理装置6は、差動増幅回路26と、フィルタ回路28と、増幅回路30と、A/Dコンバータ32と、インターフェイス回路34と、を有し、これらの回路が筐体6bの中に内蔵されている。
差動増幅回路26は、負電極4a及び正電極4bから夫々延びる導線22が接続される増幅回路であり、負電極4aと正電極4bの間の差電圧を増幅するように構成されている。
【0038】
フィルタ回路28は、差動増幅回路26によって増幅された差電圧が入力され、ハムなどの不要な周波数帯域の成分を除去し、必要な周波数帯域の信号成分を通過させるように構成されている。
増幅回路30は、フィルタ回路28によって、ハムなどの不要な周波数帯域成分が除去された信号が入力され、入力された信号を増幅するように構成されている。また、基準電極4cから延びる導線22は、差動増幅回路26、フィルタ回路28、及び増幅回路30のグラウンドに接続される。
【0039】
A/Dコンバータ32は、増幅回路30によって増幅されたアナログ信号を、ディジタル信号に変換するように構成されている。
インターフェイス回路34は、A/Dコンバータ32によってA/D変換されたディジタル信号が入力され、入力されたディジタル信号をリモコン6a及び/又は外部の表示装置(図示せず)等に送り出すように構成されている。リモコン6aには、演算処理部として、記録部36a、表示部36b、心拍数換算部36c等が内蔵されている。信号処理装置6から送られた信号は、記録部36aに記録され、入浴者の心電波形が表示部36bにグラフ表示される。また、心拍数換算部36cは、信号処理装置6から送られた信号に基づいて入浴者の心拍数を計算し、算出された入浴者の心拍数が表示部36bに数値で表示される。また、心電波形や入浴者の心拍数を、浴室Rの外部の表示装置(図示せず)に表示することもでき、これにより、入浴者の健康状態を浴室Rの外から監視することができる。或いは、記録部36aや心拍数換算部36c浴室Rの外部の表示装置(図示せず)に内蔵するように本発明を構成することもできる。
【0040】
ここで、各電極から延びる導線22や、これらの導線22が接続される信号処理装置6は、何れも、浴槽本体2の背もたれ面2aの裏側の空間に収容されている。図1に示すように、背もたれ面2aの裏側の空間は、浴槽本体2のエプロン2bを取り外すことにより、浴室Rの洗い場側からアクセスすることができる。このため、浴槽本体2のエプロン2bを取り外すだけで、各電極や信号処理装置6の調整、修理等のメンテナンスを容易に行うことができる。即ち、負電極4a、正電極4b、基準電極4c、及び信号処理装置6を、アクセスしやすい空間に集約的に配置することにより、メンテナンス性を高めることができる。
【0041】
また、変形例として、図4Bに示すように、信号処理装置6の内部に、演算処理部36を配置することもできる。即ち、図4Bに示す変形例においては、A/Dコンバータ32によって変換されたディジタル信号が、演算処理部36に入力され、ここで記録されると共に、入浴者の心拍数が計算される。計算された心拍数及び心電波形は、インターフェイス回路34を介してリモコン6aに送られ、リモコン6aの表示部に表示される。また、これらの心拍数及び心電波形を、浴室Rの外部の表示装置(図示せず)にも表示するように、本発明を構成することもできる。
【0042】
次に、図5乃至図8を参照して、本発明の実施形態による浴槽装置1の作用を説明する。
図5は、本発明の実施形態による浴槽装置1により計測された心電信号の一例を示す図である。図6乃至図8は、浴槽本体2の背もたれ面2aに寄りかかっている入浴者の身体Bと、背もたれ面2aに取り付けられた各電極との位置関係を模式的に示す図である。
【0043】
まず、入浴者が、浴室Rの壁面に取り付けられたリモコン6a(図1)を操作することにより、吐水装置8を作動させることができる。吐水装置8が作動されると、浴槽本体2の背もたれ面2a上部に設けられた吐水口8aから、帯状に形成された湯水が、背もたれ面2aに寄りかかった入浴者の肩に向けて吐出される。この吐水装置8からの湯水の吐出により、入浴者に対する温熱効果、マッサージ効果を得ることができる。さらに、入浴者がリモコン6aを操作することにより、心電信号の検出機能を作動させることができる。検出された心電信号は、リモコン6aの表示部、及び浴室R外の表示装置(図示せず)に表示される。
【0044】
図5は、本発明の実施形態の浴槽装置1によって検出された心電波形の一例である。図5に示すように、心電波形は、一定の時間周期でピークが表れる時系列波形であり、心電波形が適正に測定されている場合には、ピーク時における十分なRS振幅を有する心電波形が取得される。また、心電波形において、ピークが表れる時間周期に基づいて、入浴者の心拍数を求めることができる。入浴者は、リモコン6aに表示される心電波形や、心拍数を見ることで、自己の健康状態に異常がないことを客観的に確認することができる。また、吐水装置8から吐出される湯水を浴びる時間が長くなりすぎ、心電波形や、心拍数に変化が表れたことを客観的に認識することができる。或いは、浴室Rの外に設置された表示装置(図示せず)に表示された心電波形や、心拍数を、入浴者の家族等が見守ることにより、入浴者の健康状態の変化を早期に認識することが可能になり、入浴中の事故等を未然に防ぐことができる。
【0045】
一方、浴槽本体2の中の入浴者が、何れかの電極に直接接触してしまうと、図5に示すような適切な心電波形を得ることができなくなる。本実施形態においては、負電極4a、正電極4b、及び基準電極4cは、何れも、入浴者が寄りかかる背もたれ面2aの表面に露出して取り付けられている。しかしながら、浴槽の角部の曲率が、入浴者の背中から肩にかけての曲率よりも大きいため、浴槽と入浴者の間に空間が生じる。この空間部分に電極を配置する工夫により、入浴者の背中や肩と各電極の接触を回避している。
【0046】
図6乃至図8は、浴槽本体2の背もたれ面2aに寄りかかる入浴者の身体Bと、背もたれ面2aに取り付けられた各電極の位置関係を模式的に示す図である。図6に示すように、入浴者が背もたれ面2aの中央に寄りかかった場合には、入浴者の身体Bは、負電極4aと正電極4bの間で背もたれ面2aに接触し、入浴者は負電極4a、正電極4bと接触しない。即ち、本実施形態において、負電極4aと正電極4bの間の水平方向の距離は約380mmであり、この距離は、成人男子の平均的な前腋窩幅よりも長く、通常、入浴者の身体Bと、負電極4a、正電極4bは接触しない。
【0047】
なお、浴槽本体2の背もたれ面2aは、平面視において外方に向けて突出するように湾曲しているため、入浴者が無意識に背もたれ面2aに寄りかかると、入浴者の身体Bは、自然に背もたれ面2aの幅方向の概ね中央に位置するようになる。また、基準電極4cは、背もたれ面2a中央に取り付けられているが、背もたれ面2aの低い位置に取り付けられているため(図2)、通常、基準電極4cは入浴者の身体Bとは接触しない。即ち、入浴者が背もたれ面2aに自然に寄りかかると、低い位置では入浴者の背中は背もたれ面2aから離れており、基準電極4cと入浴者が接触することはない。
【0048】
一方、図7に示すように、入浴者が浴槽本体2のコーナー部に寄りかかった場合には、入浴者の身体Bは、正電極4bを跨ぐように、背もたれ面2aと、背もたれ面2aに隣接する側壁面2cに接触し、正電極4bには接触しない。同様に、入浴者が、図7とは反対側のコーナー部に寄りかかった場合には、入浴者の身体Bは、負電極4aを跨ぐように、背もたれ面2aと、背もたれ面2aに隣接する側壁面2dに接触し、負電極4aには接触しない。
【0049】
さらに、図8に示すように、入浴者が浴槽本体2の背もたれ面2aに深く寄りかかった(肩が低い位置になるように寄りかかった)場合には、各電極を跨ぐように、入浴者の首が背もたれ面2aの上端に接触し、入浴者の臀部が浴槽本体2の底面に接触する。このため、入浴者が深く寄りかかった場合には、入浴者の背中は背もたれ面2aと殆ど接触せず、入浴者の身体Bと負電極4a、正電極4b、基準電極4cが接触することはない。
【0050】
以上のように、負電極4a、正電極4b、及び基準電極4cは、浴槽本体2の背もたれ面2aに露出するように配置されているが、入浴者が自然に背もたれ面2aに寄りかかった状態では、通常、入浴者の身体Bと各電極は接触しない。このため、適正に入浴者の心電信号を取得することができる。
【0051】
本発明の実施形態の浴槽装置1によれば、正電極4b、及び負電極4aからなる一組の電極が、何れも、浴槽本体2の短辺を構成する第1の内壁面である背もたれ面2a上に配置されている(図2)ので、大型の浴槽本体2に適用した場合でも、入浴者と各電極の間の距離が過度に長くなることはなく、十分な振幅で心電信号を検出することができる。また、本実施形態の浴槽装置1によれば、正電極4b及び負電極4aが何れも背もたれ面2a上に配置されているので、浴槽本体2の大きさに依存せずに正電極4bと負電極4aの間の距離を設定することが可能となり、十分な振幅で心電信号を検出することができる。
【0052】
また、本実施形態の浴槽装置1によれば、正電極4b及び負電極4aが配置された背もたれ面2aに、基準電極4cも配置されている(図2)ので、電極を配置する面が1つの面に集約され、各電極に接続する電気配線を短縮することができ、検出信号のS/N比をより向上させることができる。また、各電極を取り付ける面が背もたれ面2aに集約されるので、浴槽本体2の製造時における組み立て性を向上させることができると共に、メンテナンス性も向上させることができる。
【0053】
さらに、本実施形態の浴槽装置1によれば、正電極4b及び負電極4aが、中心線Cから夫々離間して配置されているので、浴槽本体の第1の内壁面に寄りかかっている入浴者の心臓の両側に正電極4b及び負電極4aを夫々配置することができ、十分な振幅で心電信号を取得することが可能になる。
【0054】
また、本実施形態の浴槽装置1によれば、正電極4bと負電極4aの間の左右方向の距離が700mm以下にされているので、通常の入浴者や、湯水の通常の電気伝導率について、十分な振幅で心電信号を取得することができる。さらに、本実施形態の浴槽装置1によれば、正電極4bと負電極4aの間の左右方向の距離が380mm以上に設定されているので、通常の入浴者が、通常の姿勢で背もたれ面2aに寄りかかった場合には、入浴者が電極と接触することを効果的に防止することができる。
【0055】
以上、本発明の実施形態を説明したが、上述した実施形態に種々の変更を加えることができる。特に、上述した実施形態の浴槽装置では、背もたれ面の上部に吐水装置が設けられていたが、このような吐水装置は省略することもできる。
【符号の説明】
【0056】
1 浴槽装置
2 浴槽本体
2a 背もたれ面(第1の内壁面)
2b エプロン
2c 側壁面
2d 側壁面
4a 負電極
4b 正電極
4c 基準電極
6 信号処理装置
6a リモコン
6b 筐体
8 吐水装置
8a 吐水口
10 電極部
10a 円板部
10b 軸部
12a 前面パッキン
12b 背面パッキン
14 フランジ
16 防湿チューブ
18 接続端子
20 固定ネジ
22 導線
24 シース
26 差動増幅回路
28 フィルタ回路
30 増幅回路
32 A/Dコンバータ
34 インターフェイス回路
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8