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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-26
(45)【発行日】2024-07-04
(54)【発明の名称】梱包機
(51)【国際特許分類】
   B65B 13/22 20060101AFI20240627BHJP
【FI】
B65B13/22 A
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2019143953
(22)【出願日】2019-08-05
(65)【公開番号】P2021024621
(43)【公開日】2021-02-22
【審査請求日】2022-07-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000107697
【氏名又は名称】ストラパック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002398
【氏名又は名称】弁理士法人小倉特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】星野 哲也
(72)【発明者】
【氏名】小松 仁
【審査官】種子島 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-170906(JP,A)
【文献】特開平08-011824(JP,A)
【文献】特開平07-069309(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 13/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バンドリールと,該バンドリールよりバンドを引き出して送り出すと共に,送り出したバンドの引き締めを行うローラユニット,及び,前記バンドの把持,及び該バンドの溶着と切断を行うシーリングユニットを備えた梱包機において,
前記ローラユニットが,
フィードモータと,
該フィードモータによって,前記バンドの送り出しを行う回転方向である供給回転方向と,前記バンドの引き締めを行う回転方向である引締回転方向に選択的に回転されるフィードローラと,
前記フィードローラの外周に前記バンドを介して常時接触される常接タッチローラと,
前記バンドの引き締め時にのみ,前記フィードローラの外周と前記バンドを介して接触する引締タッチローラと,
前記引締タッチローラが回転自在に取り付けられ,前記フィードローラの外周に前記引締タッチローラを接触させる接触位置と,前記フィードローラの外周から前記引締タッチローラを離間させる離間位置間で揺動する揺動アームと,
前記バンドの引き締め時に前記揺動アームを前記接触位置に揺動させると共に,引き締められた前記バンドが弛まないように,前記シーリングユニットで前記バンドを把持した後に前記揺動アームを前記離間位置に揺動させる揺動アーム駆動手段と,
前記フィードローラに取り付けられ,該フィードローラと共に回転するラチェットギヤと,
前記ラチェットギヤと係合する係合位置と,前記ラチェットギヤとの係合が解除される解除位置間を揺動可能に軸支され,前記係合位置において先端部が前記ラチェットギヤと係合して該ラチェットギヤの前記引締回転方向への回転を許容するが,前記供給回転方向への回転を規制する係止爪を備え,
前記揺動アームが前記接触位置にあるときに前記係止爪を前記係合位置に揺動させ,前記揺動アームが前記離間位置にあるときに,前記係止爪を前記解除位置に揺動させるように,前記係止爪と前記揺動アームを連結したことを特徴とする梱包機。
【請求項2】
前記揺動アーム駆動手段に前記揺動アームを前記離間位置へ揺動させる動作を行わせると同時に,又は,該動作に僅かに遅れて,前記フィードモータに,前記引締回転方向に極短時間回転する係合解除回転を行わせる,コントローラを備えたことを特徴とする請求項1記載の梱包機。
【請求項3】
前記係止爪と前記揺動アーム間の連結を,付勢手段を介して行うことを特徴とする請求項2記載の梱包機。
【請求項4】
前記シーリングユニットが,
カムモータと,
該カムモータによって回転されるカムシャフトと,
該カムシャフトと共に回転するカムと,
該カムの回転に伴って作動して,引締開始前より溶着が完了するまで前記バンドの先端部を把持するバンド端部押さえ,前記バンドの引き締め後,溶着が完了するまで該バンドを緊締状態に把持する弛み防止押さえ,及び,前記バンドの溶融圧着と切断を行う溶着用押さえを備えると共に,
前記シーリングユニットの前記弛み防止押さえがバンドの把持を開始した前記カムシャフトの回転位置である第2検出位置を検出する,回転位置検出手段を備え,
前記コントローラが,前記回転位置検出手段による前記第2検出位置の検出により,前記揺動アーム駆動手段を作動させて前記揺動アームを前記離間位置に揺動させると共に,前記第2検出位置の検出から所定時間経過後に,前記フィードモータに,前記係合解除回転を行わせることを特徴とする請求項2又は3記載の梱包機。
【請求項5】
前記シーリングユニットの所定の位置に対するバンド端の挿入を検出するバンド挿入検出手段を備えると共に,
前記回転位置検出手段を,前記シーリングユニットの前記バンド端部押さえ,弛み防止押さえ,及び,溶着用押さえがいずれも非作動状態にある前記カムシャフトの回転位置である原位置,前記バンド端部押さえが前記バンドの把持を開始した前記カムシャフトの回転位置である第1検出位置を検出可能とし,
前記コントローラが,
前記バンド挿入検出手段の検出信号の受信により,前記カムモータの回転を開始して前記バンド端部押さえによるバンド端の把持を行わせるバンド端把持処理,
前記回転位置検出手段の前記第1検出位置の検出により前記カムモータを停止させると共に,前記フィードモータを引締回転方向に回転させてバンドの引き戻しを行う,バンド引戻処理,
前記バンド引戻処理によるバンドの引き戻し後,前記揺動アーム駆動手段を作動させて前記揺動アームを前記接触位置に揺動させて更にバンドの引き締めを行う,バンド引締処理,
前記バンドの引締力が,予め設定した所定の引締力となったとき,前記フィードモータを停止すると共に,前記カムモータの回転を再開させて前記弛み防止押さえによってバンドを把持してバンドの弛みを防止すると共に,前記回転位置検出手段による前記第2検出位置の検出により,前記揺動アーム駆動手段を操作して前記揺動アームを前記離間位置に揺動させる弛み防止処理,
前記回転位置検出手段による前記第2検出位置の検出から所定時間の経過後,前記フィードモータに前記係合解除回転を行わせる,係合解除処理,
前記カムモータの回転を継続させて,前記溶着用押さえによるバンドの溶着と切断を行う,切断,溶着処理,
前記回転位置検出手段による前記原位置の検出により,前記カムモータの回転を停止すると共に,前記フィードモータを供給回転方向に回転させてバンドを送り出す,バンドの送り出し処理,
所定長さの前記バンドの送り出し後,該フィードモータの回転を停止させた状態でバンド挿入検出手段からの検出信号が受信されるまで待機する,バンド挿入待機処理,
から成る,自動梱包制御を実行することを特徴とする請求項4記載の梱包機。
【請求項6】
ユーザにより操作される手動引締スイッチ及び溶着開始スイッチを更に備え,
前記コントローラが,前記自動梱包制御に代えて,
前記バンド挿入検出手段の検出信号の受信により,前記カムモータの回転を開始して前記バンド端部押さえによるバンド端の把持を行うバンド端把持処理,
前記回転位置検出手段の前記第1検出位置の検出により前記カムモータを停止させると共に,前記フィードモータを引締回転方向に回転させてバンドの引き戻しを行う,バンド引戻処理,
前記バンド引戻処理によるバンドの引き戻し後,前記フィードモータを停止して引き戻しを終了すると共に,前記揺動アーム駆動手段を作動させて前記揺動アームを前記接触位置に揺動させた状態で引締開始待機状態と成す,引締開始待機処理,
前記手動引締スイッチのONにより前記フィードモータを引締回転方向に回転すると共に,該手動引締スイッチのOFFにより前記フィードモータの回転を停止して,前記引締開始待機状態に戻る,バンド引締及び待機処理,
前記引締開始待機状態において前記溶着開始スイッチからの溶着開始指令を受信すると,前記カムモータの回転を再開させて前記弛み防止押さえによりバンドを把持してバンドの弛みを防止すると共に,前記回転位置検出手段による前記第2検出位置の検出により,前記揺動アーム駆動手段を操作して前記揺動アームを前記離間位置に揺動させる,弛み防止処理,
前記回転位置検出手段による前記第2検出位置の検出から所定時間の経過後,前記フィードモータに前記係合解除回転を行わせる,係合解除処理,
前記カムモータの回転を継続させて,前記溶着用押さえによるバンドの溶着と切断を行う,切断,溶着処理,
前記回転位置検出手段による前記原位置の検出により,前記カムモータの回転を停止すると共に,前記フィードモータを供給回転方向に回転させてバンドを送り出す,バンド送り出し処理,
所定長さのバンドの送り出し後,前記フィードモータの回転を停止した状態でバンド挿入検出手段からの検出信号が受信されるまで待機する,バンドの挿入待機処理,
から成る,半自動梱包制御を実行することを特徴とする請求項5記載の梱包機。
【請求項7】
前記コントローラが,前記半自動梱包制御に代えて,
前記バンド挿入検出手段の検出信号の受信により,前記カムモータの回転を開始して前記バンド端部押さえによるバンド端の把持を行うと共に,前記回転位置検出手段の前記第1検出位置の検出により前記カムモータを停止させ,かつ,前記揺動アーム駆動手段を作動させて前記揺動アームを前記接触位置に揺動させた状態で,引締開始待機状態と成す,バンド端把持,及び引締開始待機処理,
前記手動引締スイッチのONにより前記フィードモータを引締回転方向に回転すると共に,該手動引締スイッチのOFFにより前記フィードモータの回転を停止して前記引締開始待機状態に戻る,バンド引締及び待機処理,
前記引締開始待機状態において前記溶着開始スイッチからの溶着開始指令を受信すると,前記カムモータの回転を再開させて前記弛み防止押さえによりバンドを把持してバンドの弛みを防止すると共に,前記回転位置検出手段による前記第2検出位置の検出により,前記揺動アーム駆動手段を操作して前記揺動アームを前記離間位置に揺動させる,弛み防止処理,
前記回転位置検出手段による前記第2検出位置の検出から所定時間の経過後,前記フィードモータに前記係合解除回転を行わせる,係合解除処理,
前記カムモータの回転を継続させて,前記溶着用押さえによるバンドの溶着と切断を行う,切断,溶着処理,
前記回転位置検出手段による前記原位置の検出により,前記カムモータの回転を停止すると共に,前記フィードモータを供給回転方向に回転させてバンドを送り出す,バンド送り出し処理,
所定長さのバンドの送り出し後,前記フィードモータの回転を停止し,この状態でバンド挿入検出手段からの検出信号が受信されるまで待機する,バンドの挿入待機処理,
から成る,手動梱包制御を実行することを特徴とする請求項6記載の梱包機。
【請求項8】
ユーザにより操作される手動引締スイッチ,溶着開始スイッチ,及び,運転モード切換スイッチを更に備え,
前記コントローラが,該運転モード切換スイッチを操作して行われたユーザによる選択に従い,前記自動梱包制御を実行することを特徴とする請求項5記載の梱包機。
【請求項9】
ユーザにより操作される手動引締スイッチ,溶着開始スイッチ,及び,運転モード切換スイッチを更に備え,
前記コントローラが,該運転モード切換スイッチを操作して行われたユーザによる選択に従い,前記半自動梱包制御を実行することを特徴とする請求項6記載の梱包機。
【請求項10】
ユーザにより操作される手動引締スイッチ,溶着開始スイッチ,及び,運転モード切換スイッチを更に備え,
前記コントローラが,該運転モード切換スイッチを操作して行われたユーザによる選択に従い,前記手動梱包制御を実行することを特徴とする請求項7記載の梱包機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,被梱包物にバンドを巻き付けて行う梱包を,全自動又は半自動で行う梱包機に関する。
【背景技術】
【0002】
バンドを被梱包物に巻き付けて行う梱包を半自動で行う従来の梱包機の構成例を図14に示す。
【0003】
この図14に示す梱包機100は,被梱包物Wを載置するテーブル107と,梱包に使用するPPバンド等のバンドBが巻かれたバンドリール(図示せず)と,前記バンドリールよりバンドBを引き出して前記テーブル107上に送り出すと共に,送り出したバンドBを引き戻すと共に引き締めるローラユニット120,及び,前記テーブル107の下方に配置され,前記バンドBの把持,溶着及び切断を行うシーリングユニット140を備えている。
【0004】
このうちのローラユニット120は,フィードモータ(図示せず)と,該フィードモータによって回転されて,バンドBをテーブル107上に送り出す回転方向(本明細書において「供給回転方向」という。)と,送り出したバンドBを引き戻すと共に引き締める回転方向(本明細書において「引締回転方向」という。)で回転するフィードローラ121と,前記フィードローラ121の外周にバンドBを押し当てるタッチローラ123及び,前記フィードローラ121に対する接触位置と,前記フィードローラ121より離間した離間位置間で,前記タッチローラ123を移動させる手段である,例えばソレノイド(図示せず)を備えている。
【0005】
また,前述のシーリングユニット140は,カムモータ141と,該カムモータ141によって回転するカムシャフト142,該カムシャフト142と共に回転するカム143a~143c,及び,前記カム143a~143cによって昇降動作する,右押さえ144,左押さえ145,及び中押さえ146を備えている。
【0006】
更に,この梱包機100には,前述のシーリングユニット140の所定の位置にバンドBの先端が挿入されたことを検出する第1リミットスイッチ152〔図14(A)参照〕,前記カムシャフト142の回転位置を検出する第2リミットスイッチ(図示せず),前記第1,第2リミットスイッチからの検出信号,及び,前記バンドBの引締力に基づいて,ローラユニット120に設けたフィードモータやソレノイド(いずれも図示せず),シーリングユニット140に設けたカムモータ141の動作を制御する,電子制御装置からなる図示せざるコントローラが設けられている。
【0007】
以上のように構成された図14に記載の梱包機100において,カムシャフト142の回転位置が,右押さえ144,左押さえ145及び中押さえ146のいずれも下降した位置にある原位置に復帰したことを第2リミットスイッチが検出すると,コントローラは,ソレノイドをONにしてフィードローラ121にタッチローラ123を接触させると共にフィードモータ(フィードローラ121)を供給回転方向(図示の例では反時計回り方向)に回転させて,バンドリールより引き出したバンドBをテーブル107上に送り出す,バンドの送り出しを行い〔図14(F)参照〕,所定長さのバンドBを送り出すと,フィードモータの回転を停止すると共に,タッチローラ123をフィードローラ121より離間させて待機状態となる。
【0008】
この待機状態において,ユーザが,テーブル107上に被梱包物Wを載置すると共に,テーブル107上に送り出されたバンドBの先端を,テーブル107の下方に配置されたシーリングユニット140の所定の位置に差し込むと〔図14(A)参照〕,バンドB先端の挿入を第1リミットスイッチ152が検出して検出信号を出力し,この検出信号を受信したコントローラは,シーリングユニット140のカムモータ141を回転させ,右押さえ144が上昇してバンドBを把持する位置に上昇するまでカムシャフト142を回転させる〔図14(B)参照〕。
【0009】
第2リミットスイッチが,右押さえ144の上昇位置までカムシャフト142が回転したことを検出すると,コントローラはカムモータ141の回転を停止し,同時にローラユニット120のソレノイドをONにしてフィードローラ121の外周にタッチローラ123を接触させると共に,フィードモータ(フィードローラ121)を引締回転方向(図示の例では時計回り方向)に回転させてバンドBの引き締めを開始する〔図14(C)参照〕。
【0010】
そして,バンドBが,予め設定した引締力まで引き締められると,コントローラは,シーリングユニット140のカムモータ141の回転を再開させ,これによりシーリングユニット140の左押さえ145が上昇してバンドBの供給側端部を把持してバンドBを,被梱包物W外周に巻回・緊締された状態に保持してフィードモータ(フィードローラ121)の回転を停止させると共に,ソレノイドをOFFにしてタッチローラ123をフィードローラ121より離間して,引き締めを終了する〔図14(D)〕。
【0011】
その後,カムモータ141によって更にカムシャフト142を回転させると,シーリングユニット140に設けた中押さえ146が上昇してバンドBの溶着と切断が行われて被梱包物Wの梱包が終了し〔図14(E)〕,その後も更にカムシャフト142が回転することで,右押さえ144,左押さえ145,及び中押さえ146がいずれも下降してカムシャフト142が原位置まで回転する。
【0012】
そして,第2リミットスイッチがカムシャフト142の原位置への復帰を検出すると,コントローラは,カムモータ141の回転を停止すると共に,ソレノイドをONにしてタッチローラ123をフィードローラ121に接触させた状態でフィードモータ(フィードローラ121)を供給回転方向に回転させて,テーブル107上にバンドBを送り出し〔図14(F)参照〕,所定長さバンドBを送り出すとフィードモータを停止させると共に,ソレノイドをOFFにしてフィードローラ121よりタッチローラ123を離間させて,この状態で第1リミットスイッチ152がバンドB先端の挿入を検出するまで,待機状態となる〔図14(A)以降の動作〕。
【0013】
以上で説明した梱包機100の一連の動作では,ユーザがバンドBの先端をテーブル107の下方に設けたシーリングユニット140の所定の位置に挿入し,このバンドB先端の挿入を第1リミットスイッチ152が検出して,一旦,梱包が開始されると〔図14(A)〕,次工程の梱包のためのバンド送り出しの作業〔図14(F)〕が完了するまで,梱包機100は停止或いは中断することなく,自動で一連の作業を連続して行うように構成されている。
【0014】
そのため,一旦梱包作業が開始されてしまうと,被梱包物Wに対するバンド掛け位置や,当て板の配置がずれていたとしても,ずれた状態のままで梱包作業が行われ,ユーザは途中でこれを修正することができない。
【0015】
このような問題点に鑑み,後掲の特許文献1には,梱包機100が前述したように自動でバンドBの引き締めや溶着を開始する梱包を行う他,運転モード切換スイッチにより「手動」モードを選択した場合には,引き締めの開始,停止,再開,及び引き締めを終了して溶着を開始することの指令を,ユーザがスイッチ操作によって手動で入力することができるようにした梱包機100が提案されている。
【0016】
この特許文献1に記載の梱包機において,「手動」モードが選択されている場合の動作を,図15を参照して説明すると,バンドBの端部をシーリングユニット140の所定の位置に挿入したことを第1リミットスイッチ152が検出すると〔図15(A)〕,コントローラがカムモータ141を回転させて右押さえを上昇させてバンドBの把持を行わせた後,第2リミットスイッチの検出信号によってカムモータを停止させるまでの動作については,図14を参照して説明した従来の梱包機と同様であるが,図14を参照して説明した従来の梱包機では,第2リミットスイッチの検出信号の受信によりコントローラが自動でフィードモータ(フィードローラ121)の引締回転方向への回転とソレノイドのONによるフィードローラ121に対するタッチローラ123の接触を行ってバンドBの引き締めを開始するものであったのに対し,特許文献1に記載の梱包機における「手動」モードでは,コントローラは,右押さえ144の上昇によるバンドBの把持が終了してもフィードモータやソレノイドを作動させることなく,従って,バンドの引き戻しや引き締めを開始することなく動作を停止して待機状態となるように構成されている〔図15(B)参照〕。
【0017】
この待機状態において,ユーザが図示せざる手動引締スイッチをONにすると,コントローラはソレノイドをONにしてフィードローラ121の外周にタッチローラ123を接触させると共に,フィードモータを引締回転方向に回転させてバンドBの引き締めを開始する〔図15(C)参照〕。
【0018】
そして,コントローラは,バンドBの引締力が設定値に達しているか否かに拘わらず,ユーザが手動引締スイッチをOFFにするまでバンドBの引き締めを行い,手動引締スイッチがOFFになると,フィードモータを停止すると共にソレノイドをOFFにしてフィードローラ121からタッチローラ123を離間させて引き締めを停止すると共に,この状態でユーザによる引締再開,又は,引締終了の指令が入力されるまで待機し〔図15(D)参照〕,この待機の際にバンドの巻回位置や当て板の配置を調整することができるようになっている。
【0019】
そして,コントローラは,ユーザが引締終了スイッチ(図示せず)を操作して引締終了指令を入力するまでは,この待機状態においてユーザが再度手動引締スイッチをONにすると,図15(C)に戻ってソレノイドをONにすると共にフィードモータを引締回転方向に回転させて引き締めを再開し,そして,手動引締スイッチをOFFにすると,フィードモータを停止すると共にソレノイドをOFFにして引き締めを停止して図15(D)の待機状態となる。
【0020】
このように,引き締めが停止された待機状態〔図15(D)〕で,ユーザが更に図示せざる引締終了スイッチを操作して,バンドBの引締終了指令を入力すると,コントローラは,シーリングユニット140のカムモータ141の回転を再開させ,これにより,シーリングユニット140に設けられている左押さえ145が上昇してバンドBが把持され〔図15(E)〕,その後,更に中押さえ146が上昇してバンドBの溶着と切断が行われ〔図15(F)〕,その後のカムシャフト142の回転によって右押さえ144,左押さえ145,及び中押さえ146がいずれも下降してカムシャフト142が原位置に復帰すると,この原位置への復帰を検出した第2リミットスイッチの検出信号に基づいてコントローラがソレノイドをONにしてタッチローラ123をフィードローラ121に接触させると共に,フィードモータ(フィードローラ121)を供給回転方向に回転させ,所定の長さ,バンドBの送り出しを行い〔図15(G)〕,その後,フィードモータを停止させると共に,ソレノイドをOFFにしてタッチローラ123をフィードローラ121より離間させて待機し,第1リミットスイッチ152によってバンド端の挿入が検出されると,図15(A)以降の,次工程の梱包が開始される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0021】
【文献】特開2003-170906号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
前掲の特許文献1に記載の梱包機では,手動モードの選択時におけるバンドBの引き締めは,手動引締スイッチがONにされている間だけ行われ,また,一旦,引き締めが開始された後であっても,手動引締スイッチをOFFにすることで引き締めを停止させることができることから〔図15(D)参照〕,このようにして引き締めを停止させている間に,ユーザは,被梱包物に対するバンド掛け位置の修正や,当て板の配置の修正を行うことができるものとなっている。
【0023】
しかし,特許文献1に記載の梱包機では,「手動」モードの選択時,バンドの引締停止と,その後のバンドの溶着の開始を,自動的に連動させることなく,ユーザがそれぞれ個別に設けられている2つのスイッチ(手動引締スイッチと引締終了スイッチ)を個別に操作して指令するように構成されているため,引締工程で折角バンドを引き締めても,バンドの溶着が開始されるまでの間にバンドを弛ませてしまう。
【0024】
すなわち,図14を参照して説明した既知の梱包機では,シーリングユニット140の左押さえ145が上昇してバンドBを把持した後,フィードモータ(フィードローラ121)の停止とタッチローラ123の離間が行われることで〔図14(D)〕,溶着が行われるまでバンドBを弛ませることなく緊締状態に保持できるものとなっている。
【0025】
しかし,特許文献1に記載の梱包機では,ユーザによる手動引締スイッチのON,OFFに連動して,フィードモータとソレノイドのON,OFFが制御されており,手動引締スイッチをOFFにすると,フィードモータ(フィードローラ121)が停止すると共にタッチローラ123が離間し〔図15(D)〕,引締終了スイッチの操作によって引締終了指令を入力してシーリングユニット140の左押さえによるバンドの把持〔図15(E)〕が行われる前に,バンドBの張力を開放している。
【0026】
このようなバンドBの張力開放は,バンド掛け位置や当て板の配置を修正する上では便利であるが,バンドBが弛んだ状態で溶着されることとなる。
【0027】
仮に,特許文献1に記載の梱包機において,タッチローラ123の離間を,シーリングユニット140の左押さえ145が上昇した後に行われるように改変したとしても,シーリングユニット140の左押さえ145によるバンドBの把持は,手動引締スイッチのOFFによってフィードモータ(フィードローラ121)を停止させた後に行われることとなる。
【0028】
そのため,フィードモータに対する通電を停止して,フィードローラ121の回転トルクが消失すると,バンドBの張力によってフィードローラ121が供給回転方向に回転してしまい,バンドBに弛みが生じ得る。
【0029】
なお,フィードモータを,減速機を介してフィードローラ121を連結している場合には,フィードモータに対する通電を停止しても,フィードローラ121にはある程度の回転抵抗がかかった状態となることで,フィードモータを停止した後であっても,タッチローラ123を離間させる前に左押さえ145を上昇させる構成とすれば,バンドBの弛みをある程度は防止可能である。
【0030】
しかし,近年,この種の梱包機によって梱包する被梱包物としては,段ボール箱に充填された商品等,定型性を有する被梱包物を対象とするだけでなく,例えば,衣類(古着),ウエス(ボロ布),おしぼり,古紙,井草様シート等のように,変形性,圧縮性を有する被梱包物に対する梱包でも使用されるようになっている。
【0031】
そして,前述した段ボール箱等の定型性を有する被梱包物に対するバンド掛けでは,被梱包物を変形させない程度の引き締め力で引き締めを行うのが一般的であるが,前述した変形性,圧縮性を有する被梱包物に対する梱包用途では,運搬や保管の際の収容スペースの減少等を目的として,バンドBを強い力で引き締めて,被梱包物を積極的に変形・圧縮させ,可及的に小さな荷姿にしたいという要望がある。
【0032】
その結果,このような用途では強い引締力で引き締めが行わるため,シーリングユニット140の左押さえ145が上昇してバンドBの把持が行われる前に,フィードモータの回転を停止させてしまえば,減速機等の介在によってフィードローラ121に回転抵抗が生じていたとしても,フィードローラ121が供給回転方向に回転して折角引き締めたバンドBを弛ませてしまうこととなる。
【0033】
このようなバンドBの弛みを防止しようとすれば,引用文献1の梱包機を,シーリングユニット140の左押さえ145が上昇した後にタッチローラ123を離間させる構成に変更するだけでなく,更に,通電停止時におけるフィードモータ(フィードローラ121)の回転を規制する,電磁ブレーキ等のブレーキ手段を設ける構成に改変することが必要となる。
【0034】
しかし,電磁ブレーキを設ける構成では,電磁ブレーキの配置スペースを梱包機100内に確保する必要があり大幅な設計変更が必要となると共に,電磁ブレーキは高価であり,電磁ブレーキの搭載は梱包機の価格を高めることとなる。
【0035】
しかも,特許文献1に記載の梱包機では,フィードローラ121に対するバンドの接触を,単一のタッチローラ123によって行っているため,フィードローラ121に対するバンドBの接触抵抗が低く,前述した変形性,圧縮性を有する被梱包物を梱包する場合のように,高い引締力で引き締めを行う場合には,電磁ブレーキ等でフィードローラの回転を規制したとしても,フィードローラ121上でバンドが滑ることで弛みが生じ得る。
【0036】
そこで本発明は,上記従来技術における欠点を解消するために成されたもので,比較的簡単な構成で,前述したシーリングユニット140によるバンドの把持又は溶着が完了するまで,引き締めたバンドを弛めることなく緊締した状態に保持することができ,従って,前述した,衣類(古着),ウエス(ボロ布),おしぼり,古紙,井草風シート等のように変形性,圧縮性を有する被梱包物の圧縮梱包等にも好適に使用することができる梱包機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0037】
以下に,課題を解決するための手段を,発明を実施するための形態で使用する符号と共に記載する。この符号は,特許請求の範囲の記載と,発明を実施するための形態の記載との対応を明らかにするためのものであり,言うまでもなく,本発明の技術的範囲の解釈に制限的に用いられるものではない。
【0038】
上記目的を達成するために,本発明の梱包機1は,
バンドリール8と,該バンドリール8よりバンドBを引き出して送り出すと共に,送り出したバンドBの引き締めを行うローラユニット20,及び,前記バンドBの把持,及び該バンドの溶着と切断を行うシーリングユニット40を備えた梱包機1において,
前記ローラユニット20が,
フィードモータ31と,
該フィードモータ31によって,前記バンドBの送り出しを行う回転方向である供給回転方向と,前記バンドBの引き締めを行う回転方向である引締回転方向に選択的に回転されるフィードローラ21と,
前記フィードローラ21の外周に前記バンドBを介して常時接触される常接タッチローラ22と,
前記バンドBの引き締め時にのみ,前記フィードローラ21の外周と前記バンドBを介して接触する引締タッチローラ23と,
前記引締タッチローラ23が回転自在に取り付けられ,前記フィードローラ21の外周に前記引締タッチローラ23を接触させる接触位置と,前記フィードローラ21の外周から前記引締タッチローラ23を離間させる離間位置間で揺動する揺動アーム26と,
前記バンドBの引き締め時に前記揺動アーム26を前記接触位置に揺動させる共に,引き締められた前記バンドBが弛まないように,前記シーリングユニット40の弛み防止押さえ(左押さえ)45で前記バンドBを把持した後に前記揺動アーム26を前記離間位置揺動させる揺動アーム駆動手段33と,
前記フィードローラ21に取り付けられ,該フィードローラ21と共に回転するラチェットギヤ27と,
前記ラチェットギヤ27と係合する係合位置と,前記ラチェットギヤ27との係合が解除される解除位置間を揺動可能に軸支され,前記係合位置において先端部28aが前記ラチェットギヤ27と係合して該ラチェットギヤ27の前記引締回転方向への回転を許容するが,前記供給回転方向への回転を規制する係止爪28を備え,
前記揺動アーム26が前記接触位置にあるときに前記係止爪28を前記係合位置に揺動させ,前記揺動アーム26が前記離間位置にあるときに,前記係止爪28を前記解除位置に揺動させるように,前記係止爪28と前記揺動アーム26を連結したことを特徴とする(請求項1:図3~5参照)。
【0039】
前記揺動アーム駆動手段33に前記揺動アーム26を前記離間位置へ揺動させる動作を行わせると同時に,又は,該動作に僅かに(一例として30msec以上,好ましくは50msec以上で作業効率を低下させない程度の僅かな時間)遅れて,前記フィードモータ31に,前記引締回転方向に極短時間(一例として100msec以上,好ましくは150msec以上で作業効率を低下させない程度の極短時間)回転する係合解除回転を行わせる,コントローラ60を設けることができる(請求項2)。
【0040】
前記係止爪28と前記揺動アーム26間の連結は,板バネやコイルスプリング等,係止爪28をラチェットギヤ27に向けて付勢する付勢手段(実施例では板バネ29)としての発条を介して行うことが好ましい(請求項3)。
【0041】
前記シーリングユニット40が,
カムモータ41と,
該カムモータ41によって回転されるカムシャフト42と,
該カムシャフト42と共に回転するカム43a~43cと,
該カム43a~43cの回転に伴って作動して,引締開始前より溶着が完了するまで前記バンドBの先端部を把持するバンド端部押さえ(右押さえ)44,前記バンドBの引き締め後,溶着が完了するまで該バンドBを緊締状態に把持する弛み防止押さえ(左押さえ)45,及び,前記バンドBの溶融圧着と切断を行う溶着用押さえ(中押さえ)46を備えると共に,
前記シーリングユニット40の前記弛み防止押さえ(左押さえ)がバンドの把持を開始した前記カムシャフト42の回転位置である第2検出位置を検出する,回転位置検出手段(第2リミットスイッチ)53を備え,
前記コントローラ60が,前記回転位置検出手段(第2リミットスイッチ)53による前記第2検出位置の検出により,前記揺動アーム駆動手段33を作動させて前記揺動アーム26を前記離間位置に揺動させると共に,前記第2検出位置の検出から所定時間(一例として30msec以上,好ましくは50msec以上で作業効率を低下させない程度の僅かな時間)経過後に,前記フィードモータ31に,前記係合解除回転を行わせるように構成するものとしても良い(請求項4)。
【0042】
更に,本発明の梱包機1に,
前記シーリングユニット40の所定の位置に対するバンド端の挿入を検出するバンド挿入検出手段(第1リミットスイッチ)52を設けると共に,
前記回転位置検出手段(第2リミットスイッチ)53を,前記シーリングユニット40の前記バンド端部押さえ(右押さえ)44,弛み防止押さえ(左押さえ)45,及び,溶着用押さえ(中押さえ)46がいずれも非作動状態にある前記カムシャフト42の回転位置である原位置,前記バンド端部押さえ(右押さえ)44が前記バンドBの把持を開始した前記カムシャフト42の回転位置である第1検出位置を検出可能とし,
前記コントローラ60が,
前記バンド挿入検出手段(第1リミットスイッチ)52の検出信号の受信により,前記カムモータ41の回転を開始して前記バンド端部押さえ(右押さえ)44によるバンド端の把持を行わせるバンド端把持処理〔図8(B)〕,
前記回転位置検出手段(第2リミットスイッチ)53の前記第1検出位置の検出により前記カムモータ41を停止させると共に,前記フィードモータを引締回転方向に回転させてバンドの引き戻しを行う,バンド引戻処理〔図8(C)〕,
前記バンド引戻処理によるバンドBの引き戻し後,前記揺動アーム駆動手段33を作動させて前記揺動アーム26を前記接触位置に揺動させて更にバンドBの引き締めを行う,バンド引締処理〔図8(D)〕,
前記バンドBの引締力が,予め設定した所定の引締力となったとき,前記フィードモータ31を停止すると共に,前記カムモータ41の回転を再開させて前記弛み防止押さえ(左押さえ)45によってバンドBを把持してバンドの弛みを防止すると共に,前記回転位置検出手段(第2リミットスイッチ)53による第2検出位置の検出により,前記揺動アーム駆動手段33を操作して前記揺動アーム26を前記離間位置に揺動させる弛み防止処理〔図8(E)〕,
前記回転位置検出手段(第2リミットスイッチ)53による第2検出位置の検出から所定時間(一例として30msec以上,好ましくは50msec以上で作業効率を低下させない程度の僅かな時間)の経過後,前記フィードモータ31に前記係合解除回転を行わせる,係合解除処理〔図8(F)〕,
前記カムモータ41の回転を継続させて,前記溶着用押さえ(中押さえ)によるバンドの溶着と切断を行う,切断,溶着処理〔図8(G)〕,
前記回転位置検出手段(第2リミットスイッチ)53による前記原位置の検出により,前記カムモータ41の回転を停止すると共に,前記フィードモータ31を供給回転方向に回転させてバンドBを送り出す,バンドの送り出し処理〔図8(H)〕,
所定長さの前記バンドBの送り出し後,該フィードモータ31の回転を停止させ状態でバンド挿入検出手段(第1リミットスイッチ)52からの検出信号が受信されるまで待機する,バンド挿入待機処理〔図8(A)〕,
から成る,自動梱包制御を実行するように構成するものとしても良い(請求項)。
【0043】
また,本発明の梱包機1に,更に,ユーザにより操作される手動引締スイッチ54及び溶着開始スイッチ55を設け,
前記コントローラ60が,前記自動梱包制御に代えて,
前記バンド挿入検出手段(第1リミットスイッチ)52の検出信号の受信により,前記カムモータ41の回転を開始して前記バンド端部押さえ(右押さえ)44によるバンド端の把持を行うバンド端把持処理〔図10(B)〕,
前記回転位置検出手段(第2リミットスイッチ)53の前記第1検出位置の検出により前記カムモータ41を停止させると共に,前記フィードモータ31を引締回転方向に回転させてバンドの引き戻しを行う,バンド引戻処理〔図10(C)〕,
前記バンド引戻処理によるバンドBの引き戻し後,前記フィードモータ31を停止して引き戻しを終了すると共に,前記揺動アーム駆動手段33を作動させて前記揺動アームを前記接触位置に揺動させた状態で引締開始待機状態と成す,引締開始待機処理〔図10(D)〕,
前記手動引締スイッチ54のONにより前記フィードモータ31を引締回転方向に回転すると共に,該手動引締スイッチ54のOFFにより前記フィードモータ31の回転を停止して,前記引締開始待機状態に戻る,バンド引締及び待機処理〔図10(E)及び(F)〕,
前記引締開始待機状態において前記溶着開始スイッチ55からの溶着開始指令を受信すると,前記カムモータ41の回転を再開させて前記弛み防止押さえ(左押さえ)45によりバンドBを把持してバンドの弛みを防止すると共に,前記回転位置検出手段(第2リミットスイッチ)53による第2検出位置の検出により,前記揺動アーム駆動手段33を操作して前記揺動アーム26を前記離間位置に揺動させる,弛み防止処理〔図10(G)〕,
前記回転位置検出手段(第2リミットスイッチ)53による第2検出位置の検出から所定時間(一例として30msec以上,好ましくは50msec以上で作業効率を低下させない程度の僅かな時間)の経過後,前記フィードモータ31に前記係合解除回転を行わせる,係合解除処理〔図10(H)〕,
前記カムモータ41の回転を継続させて,溶着用押さえ(中押さえ)46によるバンドBの溶着と切断を行う,切断,溶着処理〔図10(I)〕,
前記回転位置検出手段(第2リミットスイッチ)53による前記原位置の検出により,前記カムモータ41の回転を停止すると共に,前記フィードモータ31を供給回転方向に回転させてバンドBを送り出す,バンド送り出し処理〔図10(J)〕,
所定長さのバンドBの送り出し後,前記フィードモータ31の回転を停止し状態でバンド挿入検出手段(第1リミットスイッチ)52からの検出信号が受信されるまで待機する,バンドの挿入待機処理〔図10(A)〕,
から成る,半自動梱包制御を実行するように構成するものとしても良い(請求項6)。
【0044】
更に,前記コントローラ60が,前記半自動梱包制御に代えて,
前記バンド挿入検出手段(第1リミットスイッチ)52の検出信号の受信により,前記カムモータ41の回転を開始して前記バンド端部押さえ(右押さえ)44によるバンド端の把持を行うと共に,前記回転位置検出手段(第2リミットスイッチ)53の前記第1検出位置の検出により前記カムモータ41を停止させ,かつ,前記揺動アーム駆動手段33を作動させて前記揺動アーム26を前記接触位置に揺動させた状態で,引締開始待機状態と成す,バンド端把持,及び引締開始待機処理〔図12(B)〕,
前記手動引締スイッチ54のONにより前記フィードモータ31を引締回転方向に回転すると共に,該手動引締スイッチ54のOFFにより前記フィードモータ31の回転を停止して前記引締開始待機状態に戻る,バンド引締及び待機処理〔図12(C)及び(D)〕,
前記引締開始待機状態において前記溶着開始スイッチ55からの溶着開始指令を受信すると,前記カムモータ41の回転を再開させて前記弛み防止押さえ(左押さえ)45によりバンドBを把持してバンドの弛みを防止すると共に,前記回転位置検出手段(第2リミットスイッチ)53による第2検出位置の検出により,前記揺動アーム駆動手段33を操作して前記揺動アーム26を前記離間位置に揺動させる,弛み防止処理〔図12(E)〕,
前記回転位置検出手段(第2リミットスイッチ)53による第2検出位置の検出から所定時間(一例として30msec以上,好ましくは50msec以上で作業効率を低下させない程度の僅かな時間)の経過後,前記フィードモータ31に前記係合解除回転を行わせる,係合解除処理〔図12(F)〕,
前記カムモータ41の回転を継続させて,溶着用押さえ(中押さえ)46によるバンドBの溶着と切断を行う,切断,溶着処理〔図12(G)〕,
前記回転位置検出手段(第2リミットスイッチ)53による前記原位置の検出により,前記カムモータ41の回転を停止すると共に,前記フィードモータ31を供給回転方向に回転させてバンドBを送り出す,バンド送り出し処理〔図12(H)〕,
所定長さのバンドBの送り出し後,前記フィードモータ31の回転を停止し,この状態でバンド挿入検出手段(第1リミットスイッチ)52からの検出信号が受信されるまで待機する,バンドの挿入待機処理〔図12(A)〕,
から成る,手動梱包制御を実行するように構成するものとしても良い(請求項7)。
【0045】
更に,本発明の梱包機1に,ユーザにより操作される運転モード切換スイッチ51を更に設け,
前記コントローラ60が,該運転モード切換スイッチ51を操作して行われたユーザによる選択に従い,前記自動梱包制御,半自動梱包制御,又は,手動梱包制御のいずれかを実行するように構成するものとしても良い(請求項8,9,10)。
【発明の効果】
【0046】
以上で説明した本発明の構成により,本発明の梱包機1では,以下の顕著な効果を得ることができた。
【0047】
フィードローラ21に,該フィードローラ21と共に回転するラチェットギヤ27を取り付けると共に,このラチェットギヤ27と係合してラチェットギヤ27の供給回転方向への回転を規制する係止爪28を設けたことで,フィードローラ21によるバンドBの引き締め後,フィードモータ31の回転を停止させた後も,フィードローラ21の供給回転方向への回転が規制され,シーリングユニット40の弛み防止押さえ(左押さえ)45が上昇してバンドBが把持されるまでの間にバンドBに弛みが生じることを防止できた。
【0048】
なお,図14及び図15を参照して説明したように,単一のタッチローラ123によってフィードローラ121に対してバンドBを接触させる構成では,タッチローラ123をバンドBの引き締め時だけでなく,バンドBの供給時にもフィードローラ121と接触させる構成となっている。
【0049】
そのため,この梱包機100にそのままラチェットギヤと係止爪を設けた場合,フィードローラ121に対するタッチローラ123の接離動作を行わせるソレノイドによって係止爪28の動作についても制御しようとすると,係止爪28を,バンドBの供給時にもラチェットギヤ27と係合させることとなり,バンドBの送り出しが行えなくなる。
【0050】
これに対し,本発明の梱包機1の構成では,フィードローラ21と接触するタッチローラとして,フィードローラ21に常時接触する常接タッチローラ22を設け,バンドBの送り出しをこの常接タッチローラ22とフィードローラ21の接触により行うことができるように構成すると共に,フィードローラ21に対し接離可能と成す引締タッチローラ23を別途設け,この引締タッチローラ23をバンドBの引き締め時にのみフィードローラ21と接触させる構成としたことで,引締タッチローラ23を接触位置と離間位置に移動させる揺動アーム26の駆動手段(ソレノイド33)によって,係止爪28の動作についても同時に制御することができた。
【0051】
このように,他部材と部品を共用することで,比較的簡単な構成で,かつ,部品点数の増加を最小限に抑えながら,バンドBの引き締め時にのみフィードローラ21の供給回転方向への回転を規制し,バンドBの送り出し時には容易に規制を解除することができるラチェット機構を低コストで容易に追加することができた。
【0052】
しかも,常接タッチローラ22と引締タッチローラ23によってバンドBをフィードローラ21の外周と接触させる構成としたことで,高トルクでの引き締めを行う場合であっても,常接タッチローラ22と引締タッチローラ23という,2つのタッチローラによってバンドBをフィードローラ21の外周と接触させていることで,フィードローラ21の外周上でバンドBがスリップし難くなり,前述した衣類やウエス等のように変形性,圧縮性を有する被梱包物を,可及的に小さな荷姿となるまで高い引き締め力で引き締めを行う用途に対しても好適に使用することができた。
【0053】
更に,前述したラチェットギヤ27と係止爪28の係合によってフィードローラ21の供給回転方向への回転を規制したことで,バンドBの引き締め時に,係止爪28の先端部28aが,ラチェットギヤ27の歯先を乗り越える際に「カチカチ」というクリック音が発生することで,このクリック音の発生によってバンドBの引き締めが行われていることを耳で確認できると共に,バンドBがきつく引き締められるに従って,クリック音の発生間隔が長くなるなどの音の変化が生じることで,この音の変化によって聴覚的に引き締め状態を確認することが可能である。
【0054】
なお,フィードモータ31を停止して,バンドBの張力によってフィードローラ21が供給回転方向に回転されると,係止爪28の先端部28aはラチェットギヤ27の歯間に強固に食い込み,特に,シーリングユニット40の左押さえ45が上昇してバンドBを把持した状態では,更に,バンドBのテンションが増大して係止爪28の先端部28aがラチェットギヤ27の歯間に強く食い込んでしまい,揺動アーム駆動手段であるソレノイド33をOFFにしても係止爪28の先端部28aをラチェットギヤ27の歯間より抜き取り難くなっている。
【0055】
これに対し,揺動アーム駆動手段33を作動させて前記揺動アーム26を前記離間位置へ揺動させると同時,又は,該動作に僅かに遅れて,前記フィードモータ31を極短時間,前記引締回転方向に回転させる係合解除回転を行うようにした構成では,バンドBの引き締めが完了し,かつ,シーリングユニット40の左押さえ45が上昇してバンドBのテンションが高まってラチェットギヤ27の歯間に係止爪28の先端部28aが食い込んでいたとしても,係合解除回転によってラチェットギヤ27が僅かに引締回転方向に回転し,係止爪28の先端部28aはラチェットギヤ27の歯先を乗り越えようとして歯間より脱落することにより,容易に係止爪の先端部を歯間より抜き取ることができた。
【0056】
なお,前記係止爪28と前記揺動アーム26を,板バネ29やコイルスプリング等の付勢手段(実施例において板バネ29)としての発条を介して連結した構成では,係止爪28の先端部28aがラチェットギヤ27に食い込んで抜き取れない状態になっていたとしても,揺動アーム駆動手段33は板バネ29の付勢力に抗して揺動アーム26を揺動させることができ,これにより,引締タッチローラ23をフィードローラ21より離間させてバンドの張力を開放することができる。
【0057】
このように,係止爪28の先端部28aをラチェットギヤ27の歯間に食い込ませる方向にフィードローラ21,従って,ラチェットギヤ27を回転させる力を発揮しているバンドの張力が開放されることで,ラチェットギヤ27に対する係止爪28の係合解除をより一層,容易に行うことが可能となった。
【0058】
更に,前記回転位置検出手段(第2リミットスイッチ)53による前記第2検出位置の検出により,所定時間(一例として30msec以上,好ましくは50msec以上で作業効率を低下させない程度の僅かな時間)経過後に,前記フィードモータ31に前記係合解除回転を行わせることで,引締タッチローラ23がフィードローラ21より離間して,フィードローラ21に掛かっている負荷が確実に除去された状態で係合解除回転を確実に行うことができた。
【0059】
なお,前述したローラユニット20を備えた本発明の梱包機は,前述した自動梱包制御,半自動梱包制御,手動梱包制御を行ういずれの梱包機に対しても適用可能であると共に,運転モード切換スイッチ51を設けて各制御を切換可能とした構成では,用途に従いユーザが適宜任意に梱包方法を選択可能である。
【図面の簡単な説明】
【0060】
図1】本発明が適用される梱包機の斜視図。
図2】本発明が適用される別の梱包機の斜視図。
図3】ローラユニットの正面図。
図4】ローラユニットの背面斜視図。
図5】フィードモータを外した状態のローラユニットの背面図。
図6】本発明の梱包機における制御系の概略説明図。
図7】コントローラの動作フロー図(運転モードの選択)
図8】自動梱包時における梱包機の各部の動作を時系列で示した説明図。
図9】自動梱包制御時におけるコントローラの動作フロー図。
図10】半自動梱包時における梱包機の各部の動作を時系列で示した説明図。
図11】半自動梱包制御時におけるコントローラの動作フロー図。
図12】手動梱包時における梱包機の各部の動作を時系列で示した説明図。
図13】手動梱包時におけるコントローラの動作フロー図。
図14】半自動梱包機(従来)における梱包機の各部の動作を時系列で示した説明図。
図15】特許文献1の梱包機における手動モードにおける梱包機の各部の動作を時系列で示した説明図。
【発明を実施するための形態】
【0061】
以下に,添付図面を参照しながら,本発明の梱包機1について説明する。
【0062】
なお,以下の説明では,本発明の梱包機1を,半自動型の梱包機(被梱包物Wの外周に対するバンドBの配置と,シーリングユニット40の所定位置に対するバンドB先端の挿入をユーザが行うタイプの梱包機)とした構成例について説明するが,本発明の梱包機1の構成は図示の実施形態に限定されず,テーブル7上にバンド案内アーチを備えた既知の全自動型の梱包機(被梱包物Wの外周に対するバンドBの配置と,シーリングユニット40の所定位置に対するバンドB先端の挿入についても自動で行われるタイプの梱包機)に対しても適用可能である。
【0063】
〔梱包機の全体構造〕
図1中,符号1は本発明の梱包機であり,この梱包機1は,被梱包物Wを載置するテーブル7と,梱包に使用するPPバンド等のバンドBが巻かれたバンドリール8を備え,前記バンドリール8よりバンドBを所定長さ引き出して前記テーブル7上に送り出すと共に,送り出したバンドBの引き戻し及び引き締めを行うローラユニット20,及び,前記テーブル7の下方に配置され,前記バンドBを把持すると共に,該バンドBの切断と溶着を行うシーリングユニット40を備えている。
【0064】
なお,図1に示す実施形態では,本発明の梱包機1を,一例として前述したテーブル7を備えた構成のものとして説明したが,本発明の構成は,図1に示す梱包機1に限定されず,例えば図2に示すようにパレットのフォーク挿込口に挿入するバンドガイド7’を備えたパレット梱包用の梱包機1’や,被梱包物Wに対し水平方向にバンドを巻回する際に使用する梱包機(図示せず)のように,前述したテーブル7を備えない梱包機に対しても適用可能である。
【0065】
〔ローラユニット〕
図1に記載の梱包機1において,テーブル7上へのバンドBの供給と,供給したバンドBの引き戻し,及び被梱包物Wの外周に対するバンドBの引き締めを行う前述のローラユニット20は,図3に示すように,フィードローラ21と,このフィードローラ21の外周に常時接触している常接タッチローラ22,及び,バンドBの引き締めを行う際にフィードローラ21の外周と接触する引締タッチローラ23を備え,図示の実施形態では,これらの各ローラ21~23が,テーブル7の底面側に垂直方向に取り付けられたブラケット板24に取り付けられている。
【0066】
このうちのフィードローラ21の回転軸は,前述のブラケット板24を貫通して図3中,紙面背面側においてフィードモータ31に連結されており(図4参照),このフィードモータ31によって,図3中,紙面反時計回り方向に回転する供給回転方向と,図3中,紙面時計回り方向に回転する,引締回転方向に回転することができるように構成されている。
【0067】
また,前述の常接タッチローラ22は,フィードローラ21に対し,図示の例では略2時の位置で接触しており,下端25b側を前記ブラケット板24に擺動可能に軸支されたスイングアーム25の上端25a側にこの常接タッチローラ22を回転自在に取り付けると共に,このスイングアーム25の上端25a側をコイルスプリング(図示せず)によってフィードローラ21に向けて付勢することで,常接タッチローラ22をフィードローラ21の外周に圧接させている。
【0068】
更に,引締タッチローラ23を回転自在に軸支する回転軸は,ブラケット板24に設けた長孔(図示せず)を介してブラケット板24の裏面側に貫通されて揺動アーム26に取り付けられており(図4参照),この揺動アーム26が,ブラケット板24に対する軸支位置を中心に揺動することで,引締タッチローラ23をフィードローラ21の外周より離間させた離間位置と,引締タッチローラ23をフィードローラ21の外周に接触させた接触位置間を揺動可能に構成されている。
【0069】
この揺動アーム26は,該揺動アーム26の駆動手段であるソレノイド33のプランジャと連結されており(図4参照),このソレノイド33のON,OFFによって,前記揺動アーム26が前記引締タッチローラ23を前記フィードローラ21に接触させた接触位置と,前記引締タッチローラ23を前記フィードローラ21より離間させた離間位置間で揺動させることができるように構成されている。
【0070】
前述のフィードローラ21の回転軸にはラチェットギヤ27がフィードローラ21と共に回転するように取り付けられており,本実施形態では,前述のブラケット板24の背面側において,フィードモータ31とブラケット板24との間においてフィードローラ21の回転軸に取り付けられている(図5参照)。
【0071】
また,ブラケット板24の背面側(図5参照)には,前述のラチェットギヤ27と係合する先端部28aを備えた係止爪28が設けられ,この係止爪28と係合した状態では,ラチェットギヤ27,従って,フィードローラ21は,引締回転方向へは回転するが,供給回転方向へは回転できないように構成されている。
【0072】
この係止爪28の基端部28b側は,前述のブラケット板24に擺動可能に軸支されて,先端部28aをラチェットギヤ27に係合させた係合位置と,先端部28aをラチェットギヤ27より離間させた解除位置(図5は解除位置を示す)間を揺動可能に構成されていると共に,係合位置において係止爪28の先端部28a側をラチェットギヤ27の外周に向けて付勢する板バネやコイルスプリング等の付勢手段(実施例において板バネ29)としての発条を備えている。
【0073】
この係止爪28は,フィードローラ21に対し引締タッチローラ23を接触又は離間させる前述の揺動アーム26に連結されており,これにより揺動アーム26が前記接触位置に移動することで,係止爪28の先端部28aがラチェットギヤ27と係合する前述の係合位置に揺動されると共に,揺動アーム26を前記離間位置に揺動すると,係止爪28の先端部28aがラチェットギヤ27より離間した前述の解除位置に揺動させることができるように構成されている。
【0074】
なお,係止爪28と揺動アーム26との連結は,各種の方法により行うことが可能であるが,本実施形態の構成(図5参照)では,揺動アーム26に設けた係止金具35に,係止爪28を付勢するための付勢手段(実施例において板バネ29)の端部を係合させることで,該板バネ29を介して揺動アーム26と係止爪28との連結を行っている。
【0075】
〔シーリングユニット〕
前述のシーリングユニット40には,図8(A)に示すようにカムモータ41と,該カムモータ41によって回転されるカムシャフト42,該カムシャフト42と共に回転するカム43a~43c,及び,このカム43a~43cによって動作されるバンド端部押さえ(右押さえ)44,弛み防止押さえ(左押さえ)45,及び溶着用押さえ(中押さえ)46,及びヒータ(図示せず)を備え,これによりバンドBの把持と溶着,及び切断を行うことができるように構成されている。
【0076】
このシーリングユニット40は,原位置において前述の右押さえ44,左押さえ45,及び中押さえ46はいずれも下降した位置にある〔図8(A)参照〕。
【0077】
この位置から,カムモータ41がカムシャフト42を回転させることで,右押さえ44の上昇によるバンド端の把持〔図8(B)〕,左押さえ45の上昇によるバンドBの他端側の把持〔図8(E)〕,及び,中押さえ46の上昇によるバンドの溶着と切断〔図8(G)〕が行われた後,右押さえ44,左押さえ45,及び中押さえ46が下降した原位置〔図8(H)〕に復帰するように構成されている。
【0078】
〔スイッチ類〕
更に,本発明の梱包機には,下記のスイッチ類が設けられる(図6参照)。
【0079】
運転モード切換スイッチ
運転モード切換スイッチ51は,ユーザが操作して切り換えることにより,該梱包機1で実行する運転モードを,「自動」,「半自動」,及び「手動」の3つのパターンから選択可能とするもので,梱包機1に設けた後述するコントローラ60は,ユーザが運転モード切換スイッチ51を操作して行った選択に従い,後述する「自動梱包制御」,「半自動梱包制御」,及び「手動梱包制御」の各制御を実行する。
【0080】
バンド挿入検出手段(第1リミットスイッチ)
バンド挿入検出手段(第1リミットスイッチ)52は,前述したシーリングユニット40の所定位置に設けたバンド端の挿入位置に配置され,梱包の開始時,テーブル7に設けたスロット孔を介してバンドBの先端が所定の位置に挿入されると,これを検出して検出信号を出力する。
【0081】
本実施形態では,このバンド挿入検出手段52としてリミットスイッチを採用しているが,前述した位置に対するバンド端の挿入を検出することができるものであれば,リミットスイッチに限定されず,各種のスイッチやセンサ類をバンド挿入検出手段52として採用することができる。
【0082】
回転位置検出手段(第2リミットスイッチ)
回転位置検出手段(第2リミットスイッチ)53は,カムシャフト42の回転を監視して,各動作の開始タイミングとなるカムシャフト42の回転位置を検出するもので,本実施形態では,前述の右押さえ44,左押さえ45,及び中押さえ46かいずれも下降した位置にある「原位置」,右押さえ44が上昇してバンド端の把持を開始した「第1検出位置」,及び,左押さえ45が上昇してバンドの弛み防止のための把持を開始した「第2検出位置」の各回転位置を検出する。
【0083】
なお,本実施形態では,この回転位置検出手段53としてリミットスイッチを採用しているが,前述したカムシャフト42の回転位置を検出することができるものであれば,リミットスイッチに限定されず,各種のスイッチやセンサ類を回転位置検出手段53として採用することができる。
【0084】
手動引締スイッチ(フットスイッチ1)
手動引締スイッチ54は,前記運転モード切換スイッチにより「半自動」及び「手動」を選択した際にユーザが操作するスイッチであり,バンドの引き締め時,ユーザが該手動引締スイッチ54をONにすると,フィードモータ31が引締回転方向に回転し,該手動引締スイッチ54のOFFによりフィードモータの回転が停止する。
【0085】
本実施形態では,この手動引締スイッチ54として,押している間だけONとなり,離すとOFFとなるモメンタリスイッチであるフットスイッチを採用している。
【0086】
溶着開始スイッチ(フットスイッチ2)
溶着開始スイッチ55は,前記運転モード切換スイッチ51により「半自動」及び「手動」を選択した際にユーザが操作するスイッチであり,バンドBの引き締めが終了した後,ユーザが溶着開始スイッチ55を操作して溶着の開始を指令すると,シーリングユニット40のカムモータ41の回転が再開されて,左押さえ45によりバンドの把持と,中押さえ46によるバンドの溶着と切断が開始される。
【0087】
本実施形態では,前述の手動引締スイッチ54同様,この溶着開始スイッチ55を,モメンタリスイッチから成るフットスイッチにより構成している。
【0088】
引締力調整スイッチ
引締力調整スイッチ56は,バンドBの引締時における引締力を設定するもので,該引締力調整スイッチ56の調整により,前記運転モード切換スイッチ51により「半自動」及び「手動」を選択した際には,引き締め力の上限値,「自動」を選択した場合には,引き締めを終了させる引締力の値を調整する。
【0089】
バンド送り長さ調整スイッチ
バンド送り長さ調整スイッチ57は,「自動」,「半自動」,「手動」のいずれのモードの選択時においても,バンドの送り出し時において送り出すバンドの長さを設定する。
【0090】
〔コントローラ〕
なお,梱包機1には,マイクロコントローラ等の電子制御装置から成るコントローラ60が設けられており(図6参照),このコントローラ60は,前述した各スイッチの切換やON,OFF操作等に応じて,ローラユニット20に設けたフィードモータ31やソレノイド33,シーリングユニット40に設けたカムモータ41の動作を制御する。
【0091】
〔動作説明〕
以上で説明した本発明の梱包機1のコントローラ60は,前述した運転モード切換スイッチ51によって選択した運転モードに従い,以下に説明する「自動梱包制御」,「半自動梱包制御」,及び「手動梱包制御」を実行する(図7参照)。
【0092】
〔自動梱包制御;図8及び図9参照〕
(S1-1~4)バンド端の把持
前述した運転モード切換スイッチ51の操作により,「自動」モードを選択した場合,図8(A)に示す待機状態においてテーブル7に設けたスロット孔を介してバンドBの先端がシーリングユニット40の所定の位置に挿入されると,バンド挿入検出手段である第1リミットスイッチ52がONとなる(図9;S1-1のyes)。
【0093】
この第1リミットスイッチ52のONにより,コントローラ60は,シーリングユニット40のカムモータ41の回転を開始し(図9;S1-2),カムシャフト42及び該カムシャフト42に取り付けられたカム43a~43cを回転させ,これにより右押さえ44が上昇してバンドBの端部が把持される〔図8(B)〕。
【0094】
(S1-5~6)バンドの引き戻し
右押さえ44を,バンドBの端部を把持する位置まで上昇させる回転位置(第1検出位置)までカムシャフト42が回転すると,該カムシャフト42の回転を監視する,回転位置検出手段(第2リミットスイッチ)53が第1検出位置の検出信号を出力し(図9;S1-3のyes),この第1検出位置の検出を受けて,コントローラ60は,シーリングユニット40のカムモータ41の回転を停止すると共に(図9;S1-4),引締タッチローラ23を離間させた状態のままフィードモータ31を引締回転方向に回転させて(図9;S1-5),モータの電流値が所定値に上昇することによって,バンドBが被梱包物Wに巻き付いたことが検出されるまで,バンドの引き戻しを行う〔図8(C); (図9;S1-6)〕。
【0095】
なお,この引き戻しの工程は,必ずしも行う必要はなく,引き戻し処理を省略して後述の引締処理を実行するように構成するものとしても良い。
【0096】
(S1-7~8)バンドの引き締め
被梱包物Wに巻き付くまでバンドの引き戻しが完了すると(図9;S1-6のyes),コントローラ60は,ローラユニット20に設けた揺動アーム駆動手段33を作動させて(図9;S1-7),引締タッチローラ23をフィードローラ21の外周に接触させると共に,ラチェットギヤ27に対し係止爪28の先端部28aを係合させた状態でバンドBの引き締めを開始する〔図8(D)〕。
【0097】
コントローラ60は,フィードモータ31の電流値等に基づいて,バンドの引締力(フィードモータ31の回転トルク)を監視しており,引締力調整スイッチ56の操作によってユーザが予め設定した引締力に達すると(図9;S1-8のyes),フィードモータ31の回転を停止すると共に(図9;S1-9),シーリングユニット40のカムモータ41の回転を再開させる(図9;S1-10)。
【0098】
このとき,フィードローラ21の供給回転方向への回転は,ラチェットギヤ27に対する係止爪28の係合によって規制されていることから,フィードモータ31を停止させてもバンドBの張力によって,フィードローラ21が供給回転方向に回転されることがなく,また,バンドBがフィードローラ21の外周に対し,常接タッチローラ22と引締タッチローラ23によって押圧されており,バンドBとフィードローラ21の接触抵抗が増大していることから,フィードローラ21上でバンドがスリップして弛みが生じることも防止されている。
【0099】
(S1-10) バンドの弛み防止
前述したように,コントローラ60がカムモータ41の回転を再開することで,カムシャフト42及びカム43a~43cが回転して左押さえ45が上昇し,前述の引き締めによって被梱包物Wの外周に巻回されたバンドBの供給側の端部が把持されて,バンドBが弛まないように緊締状態に保持される〔図8(E)〕。
【0100】
(S1-11~14) 係止爪の係合解除
前述したように,左押さえ45がバンドBの把持を開始する位置に上昇する回転位置(第2検出位置)にカムシャフト42が回転し,回転位置検出手段(第2リミットスイッチ)53が,カムシャフト42が第2検出位置まで回転したことを検出すると(図9;S1-11のyes),コントローラ60は,ローラユニット20に設けた揺動アーム駆動手段33を動作させて(図9;S1-12)揺動アーム26を離間位置に揺動させて引締タッチローラ23をフィードローラ21より離間させる〔図8(E)〕。
【0101】
また,第2検出位置の検出から所定時間(一例として50msec)経過すると(図9;S1-13のyes),フィードモータ31を,極短時間(一例として150msec)の間,引締回転方向に回転させる係合解除回転を行い(図9;S1-14),前述した揺動アーム26の揺動によってラチェットギヤ27から係止爪28が外れていなかった場合であっても,この操作によって係止爪28の係合を確実に解除する〔図8(F)〕。
【0102】
このように,左押さえ45の上昇によりバンドBを弛まないように把持した後,揺動アーム駆動手段33を作動させて引締タッチローラ23をフィードローラ21より離間させることで,引締タッチローラ23を離間させても,バンドBは弛むことなく,被梱包物Wの外周に緊締させた状態を維持することができる。
【0103】
また,ラチェットギヤ27に対する係止爪28の係合を解除する際に,フィードモータ31,従って,ラチェットギヤ27を,極短時間(一例として,150msec),引締回転方向に回転させる,「係合解除回転」を行うことで,バンドBの張力に引かれてフィードローラ21が供給回転方向に回転して係止爪の先端部がラチェットギヤ27の歯溝に強固に食い込んでいたとしても,ラチェットギヤ27が引締回転方向に回転することにより係止爪28の先端部28aが自然と歯溝から押し出され,その結果,係止爪28の係合解除を容易かつ確実に行うことができるものとなっている。
【0104】
(S1-15~16) バンドの溶着
その後,シーリングユニット40のカムモータ41の更なる回転によってカムシャフト42及びカム43a~43cが回転すると,中押さえ46が上昇してバンドBの溶着と切断が行われて梱包が完了する〔図8(G)〕。
【0105】
(S1-17~19) バンド送り
その後も継続してカムモータ41を回転させることにより,右押さえ44,左押さえ45,中押さえ46のいずれも下降位置に移動して原位置に復帰すると,回転位置検出手段(第2リミットスイッチ)53がカムシャフト42の原位置の復帰を検出する(図9;S1-15のyes)。
【0106】
この原位置の検出により,コントローラ60は,カムモータ41の回転を停止すると共に(図9;S1-16),フィードモータ31を供給回転方向に回転させて(図9;S1-17)テーブル7上にバンドBを送り出し〔図8(H)〕,バンド送り長さ調整スイッチ57によって設定された長さに対応した時間,バンドを送り出すと(図9;S1-18のyes),フィードモータ31を停止して(図9;S1-19),待機状態となる〔図8(A)〕。
【0107】
この状態で,テーブル7上に新たな被梱包物Wを載置すると共に,バンドBの先端をテーブル7に設けたスロット孔に差し込んでバンド挿入検出手段(第1リミットスイッチ)52がこのバンドBの挿入を検出すると(図9;S1-1),前述した梱包工程が再度,繰り返される。
【0108】
〔半自動梱包制御(図10,11参照)〕
自動梱包制御との相違
前述した自動梱包制御では,バンドBの端部をシーリングユニット40の所定の位置に挿入してセットし,バンド挿入検出手段(第1リミットスイッチ)52がこのバンドBの挿入を検出すると,梱包終了まで,前述した各工程が連続して行われるものとなっている。
【0109】
これに対し,半自動梱包制御では,バンドの引き戻しが終了すると,梱包作業が一旦停止して待機状態となり,その後に行われるバンドの引き締めと,溶着を,ユーザによる手動引締スイッチ54の操作と溶着開始スイッチ55の手動操作に対応させて行うものとした点で,前述の自動梱包制御と相違する。
【0110】
(S2-1) バンド端のセット
「半自動」モードの選択時においても,テーブル7に設けたスロット孔を介してシーリングユニット40の所定の位置にバンドBの先端が挿入されると,バンド挿入検出手段(第1リミットスイッチ)52がバンドBの挿入を検出し(図11;S2-1のyes),コントローラ60がカムモータ41の回転を開始して(図11;S2-2)右押さえ44を上昇させてバンドBの端部の把持を行わせる点は「自動」モードの選択時と同様である〔図10(A),(B)〕。
【0111】
(S2-2~2-6) バンドの引き戻し
また,右押さえ44をバンドBの端部を把持する位置まで上昇させるカムシャフト42の回転位置(第1検出位置)に回転したことを回転位置検出手段(第2リミットスイッチ)53が検出すると(図11;S2-3のyes),コントローラ60がシーリングユニット40のカムモータ41の回転を停止すると共に(図11;S2-4),引締タッチローラ23を離間した状態でフィードモータ31を引締回転方向に回転させて,モータの電流値が所定の電流値に上昇して被梱包物Wに対するバンドBの巻付きが検出されるまでバンドの引き戻しを行う点(図11;S2-5~2-6)でも,前述した自動梱包制御時と同様の処理が行われる〔図10(C)〕。
【0112】
(S2-7~8)バンドの引き締め
但し,半自動梱包制御では,コントローラ60は,バンドBの引き戻しの完了後,一旦,フィードモータ31の回転を停止すると共に(図11;S2-7),揺動アーム駆動手段33を作動させて(図11;S2-8),フィードローラ21に対し引締タッチローラ23を接触させると共に,ラチェットギヤ27に対して係止爪28の先端部28aを係合させ,この状態で動作を一旦停止して待機状態となる点で,バンドの引き締めを自動で開始する,自動梱包制御とは相違する〔図10(D)〕。
【0113】
(2-9~10)
半自動梱包制御では,この待機状態において,ユーザが手動引締スイッチ54をONにすると(図11;S2-9のyes),コントローラ60は,フィードモータ31を,引締回転方向に回転させて(図11;S2-10)バンドの引き締めを行う〔図10(E)〕。
【0114】
(S2-11~12)
コントローラ60は,手動引締スイッチ54がONの間,フィードモータ31を引締回転方向に回転させると共に(図11;S2-11のno),手動引締スイッチ54をOFFにするか(図11;S2-11のyes),又は引締力調整スイッチ56の操作によってユーザが予め設定した引締力に達すると(S2-11’),フィードモータ31を停止させる〔図10(E),(F):図11;S2-12〕。
【0115】
また,手動引締スイッチ54を一旦OFFにしてフィードモータ31を停止させた後であっても,コントローラ60は,ユーザによる溶着開始スイッチ55の操作が行われるまでは(図11;S2-13のno),再度手動引締スイッチ54がONになると,フィードモータ31の引締回転方向の回転を再開して,引き締めを開始し,手動引締スイッチ54をOFFにするか,又は引締力調整スイッチ56の操作によってユーザが予め設定した引締力に達すると(S2-11’)フィードモータ31を停止して待機状態となる(図11;S2-9~S2-12)。
【0116】
(S2-13) バンドの溶着
前述した自動梱包制御では,所定の引締力でバンドの引き締めが完了すると,コントローラ60が自動でバンドの溶着を開始するものとなっていた。
【0117】
これに対し,半自動梱包制御では,ユーザが溶着開始スイッチ55を操作して,溶着の開始を指令することで,コントローラ60は,バンドの溶着を開始する点で相違する。
【0118】
前述した手動引締スイッチ54の操作によって満足のいく状態にバンドが引き締められると,ユーザは,溶着開始スイッチ55を操作して,溶着の開始を指令する(図11;S2-13のyes)。
【0119】
(S2-14~17)
この溶着開始指令を受信したコントローラ60は,カムモータ41の回転を再開し(図11;S2-14),これにより,カムシャフト42及びカム43a~43cが回転して左押さえ45が上昇し,前述の引き締めによって被梱包物Wの外周に巻回されたバンドBの供給側の端部が把持されて,バンドが弛まないように緊締状態に保持される〔図10(G)〕。
【0120】
前述したように,左押さえ45がバンドBの把持を開始する位置に上昇する回転位置(第2検出位置)にカムシャフト42が回転し,回転位置検出手段(第2リミットスイッチ)53が,カムシャフト42が第2検出位置まで回転したことを検出すると(図11;S2-15のyes),コントローラ60は,ローラユニット20に設けた揺動アーム駆動手段33を動作させて(図11;S2-16)揺動アーム26を離間位置に揺動させて引締タッチローラ23をフィードローラ21より離間させる〔図10(G)〕。
【0121】
(S2-18~19)
また,第2検出位置の検出から所定時間(一例として50msec)の経過後(図11;S2-17のyes),フィードモータ31を,極短時間(一例として150msec)の間,引締回転方向に回転させる係合解除回転を行い(図11;S2-18),揺動アーム26の揺動によっても外れていない場合におけるラチェットギヤ27に対する係止爪28の係合を解除する〔図10(H)〕。
【0122】
その後,シーリングユニットのカムモータの更なる回転によりカムシャフトが回転され,バンド端の溶着と切断が行われて梱包が完了すると共に〔図10(I)〕,原位置の検出によって(図11;S2-19のyes),カムモータ41の停止とバンドの送り出しが行われて〔図10(J)〕,次工程の梱包の開始まで待機する点は,前述した自動梱包制御の場合と同様である〔図11;S2-20~S2-23〕。
【0123】
〔手動梱包制御;図12,13;(S3-1~20)〕
半自動梱包制御との相違
前述した半自動梱包制御では,バンド端のセットによりバンド挿入検出手段(第1リミットスイッチ)52がバンドの挿入を検出すると,シーリングユニット40の右押さえの上昇によりバンド端の把持が行われると共に,これに続いて,引締タッチローラ23を離間させた状態でフィードモータ31を引締回転方向に回転させて行う,バンドの引き戻し迄が自動で行われるものとなっている。
【0124】
これに対し,手動モードでは,バンド挿入検出手段(第1リミットスイッチ)52がバンドBの挿入を検出すると(図13;S3-1のyes),コントローラ60がシーリングユニット40のカムモータ41を回転させて(図13;S3-2)右押さえ44を上昇させてバンド端を把持する点は,前述した半自動梱包制御と同様である〔図12(A),(B)〕。
【0125】
しかし,手動梱包制御では,右押さえ44によるバンドの把持が完了して,回転位置検出手段(第2リミットスイッチ)53が,カムシャフト42が第1回転位置に回転したことを検出すると(図13;S3-3),コントローラ60は,シーリングユニット40のカムモータ41を停止すると共に(図13;S3-4),半自動梱包制御において行っていた,引締タッチローラ23を離間した状態でのバンドの引き戻しを行うことなく,揺動アーム駆動手段33を動作させて(図13;S3-5)フィードローラ21に対し引締タッチローラ23を接触させると共に,ラチェットギヤ27に係止爪28の先端部28aを係合させ,この状態で動作を停止して,その後の引き締めに対する待機状態となる〔図12(B)〕。
【0126】
そして,この待機状態において,ユーザが手動引締スイッチ54を操作してバンドの引き締めの開始と停止を行うと共に〔図12(C),(D):図13;S3-6~S3-9〕,溶着開始スイッチ55を操作して溶着開始指令がされると(図13;S3-10のyes),カムモータ41の回転を再開させて(図13;S3-11),左押さえ45の上昇によるバンドの弛み防止と引締タッチローラ23の離間〔図12(E)〕,係合解除回転〔図12(F)〕,バンドの切断と溶着〔図12(G)〕,及びバンドの送り出し〔図12(H)〕を行って次工程の梱包開始の待機状態となる点は,前述した半自動梱包制御と同様である(図13;S3-12~S3-20)。
【符号の説明】
【0127】
1,1’ 梱包機
7 テーブル
7’ バンドガイド
8 バンドリール
20 ローラユニット
21 フィードローラ
22 常接タッチローラ
23 引締タッチローラ
24 ブラケット板
25 スイングアーム
25a 上端(スイングアームの)
25b 下端(スイングアームの)
26 揺動アーム
27 ラチェットギヤ
28 係止爪
28a 先端部(係止爪の)
28b 基端部(係止爪の)
29 板バネ(付勢手段;発条)
31 フィードモータ
33 揺動アーム駆動手段(例えば,ソレノイド)
35 係止金具
40 シーリングユニット
41 カムモータ
42 カムシャフト
43a~43c カム
44 バンド端部押さえ(右押さえ)
45 弛み防止押さえ(左押さえ)
46 溶着用押さえ(中押さえ)
51 運転モード切換スイッチ
52 バンド挿入検出手段(第1リミットスイッチ)
53 回転位置検出手段(第2リミットスイッチ)
54 手動引締スイッチ
55 溶着開始スイッチ
56 引締力調整スイッチ
57 バンド送り長さ調整スイッチ
60 コントローラ
100 梱包機
107 テーブル
120 ローラユニット
121 フィードローラ
123 タッチローラ
140 シーリングユニット
141 カムモータ
142 カムシャフト
143a~143c カム
144 右押さえ
145 左押さえ
146 中押さえ
152 第1リミットスイッチ
B バンド
W 被梱包物
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15