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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-26
(45)【発行日】2024-07-04
(54)【発明の名称】経口用組成物
(51)【国際特許分類】
   A23L 33/105 20160101AFI20240627BHJP
   A61K 36/906 20060101ALI20240627BHJP
   A61K 31/198 20060101ALI20240627BHJP
   A61K 31/401 20060101ALI20240627BHJP
   A61K 31/405 20060101ALI20240627BHJP
   A61K 31/4172 20060101ALI20240627BHJP
   A61K 33/30 20060101ALI20240627BHJP
   A61K 33/00 20060101ALI20240627BHJP
   A61K 33/06 20060101ALI20240627BHJP
   A61K 33/26 20060101ALI20240627BHJP
   A61K 33/34 20060101ALI20240627BHJP
   A61P 39/06 20060101ALI20240627BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240627BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20240627BHJP
   A61P 17/14 20060101ALI20240627BHJP
   A61P 3/04 20060101ALI20240627BHJP
   A61P 21/00 20060101ALI20240627BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20240627BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20240627BHJP
   A23L 33/175 20160101ALI20240627BHJP
   A23L 33/15 20160101ALI20240627BHJP
   A23L 33/16 20160101ALI20240627BHJP
【FI】
A23L33/105
A61K36/906
A61K31/198
A61K31/401
A61K31/405
A61K31/4172
A61K33/30
A61K33/00
A61K33/06
A61K33/26
A61K33/34
A61P39/06
A61P43/00 107
A61P29/00
A61P17/14
A61P3/04
A61P21/00
A61P25/28
A61P17/00
A23L33/175
A23L33/15
A23L33/16
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2020027525
(22)【出願日】2020-02-20
(65)【公開番号】P2021129533
(43)【公開日】2021-09-09
【審査請求日】2023-01-17
(73)【特許権者】
【識別番号】591082421
【氏名又は名称】丸善製薬株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100107515
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100107733
【弁理士】
【氏名又は名称】流 良広
(74)【代理人】
【識別番号】100115347
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 奈緒子
(72)【発明者】
【氏名】中村 冬馬
(72)【発明者】
【氏名】三宅 康夫
【審査官】吉森 晃
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-121332(JP,A)
【文献】特開2016-160198(JP,A)
【文献】特開2009-051790(JP,A)
【文献】Suntory Regain 2000 Energy Drink, GNPD, ID#2828281,2014年12月
【文献】Suntory Regain Energy Drink, GNPD, ID#2828283,2014年12月
【文献】Regain Energy Drink, GNPD, ID#2601819,2014年08月
【文献】Rohto Pharmaceutical Propo Mixed BerryBeverage Mix, GNPD, ID#7058859,2019年11月
【文献】Rohto Pharmaceutical Propo Cafe auLait Beverage Mix, GNPD, ID#7058861,2019年11月
【文献】Asahi Red & Black Herbal Throat Lozenges,GNPD, ID#7030723,2019年11月
【文献】S&B Neo Spice Bitter Cocoa Flavour Black Ginger Tablets, GNPD, ID#7021939,2019年11月
【文献】Fancl x Dydo Otonano Calolimit Adlay Blend Tea with Germinated BrownRice,GNPD, ID#6655121,2019年06月
【文献】Fancl x Dydo Otonano Calolimit Sugar-Free Tea for Adults,GNPD, ID#6461875,2019年04月
【文献】Fancl x Dydo Otonano Calolimit Adlay Blend Tea, GNPD, ID#6461877,2019年04月
【文献】Fancl x Dydo Otonano Calolimit Gyokuro Green Tea for Adults,GNPD, ID#6461879,2019年04月
【文献】Real Gold Ultra Charge Black Coffee Flavour Energy Drink, GNPD, ID#6339367,2019年02月
【文献】Dydo Cuttea No Sugar Adlay Blend Tea, GNPD, ID#6237319,2019年01月
【文献】S&B Neo Spice Bitter Cocoa Flavour Black Ginger Tablets, GNPD, ID#5570869,2018年04月
【文献】DHC Capsules for Walking,GNPD, ID#5275327,2017年11月
【文献】Fancl Health Science Dydo Otonano Calolimit Gyokuro Green Tea forAdults, GNPD, ID#5205615,2017年10月
【文献】Fancl Health Science Dydo Otonano Calolimit Adlay Blend Tea, GNPD, ID#4517627,2017年01月
【文献】Rohto Seiyaku Kotumitsu Bone Health Tablets, GNPD, ID#4541013,2016年12月
【文献】Asahi Slim Up Slim 159 Super Diet Support Supplement, GNPD, ID#4138269,2016年07月
【文献】Suntory Regain Concentrated Energy Drink, GNPD, ID#3469845,2015年09月
【文献】Mzel Series 3.0 Instant Coffee Mix with Black Ginger Extract,GNPD, ID#3350565,2015年07月
【文献】Avon Ginger Black Tea, GNPD, ID#2873455,2014年12月
【文献】Orbis Diet Petit Shake Hot Black Sesame Latte Shake, GNPD, ID#2358837,2014年03月
【文献】Kose Beauty Next Extra Rich Ginger Collagen, GNPD, ID#2270675,2013年12月
【文献】Kose Beauty Next Extra Rich Ginger Collagen Drink, GNPD, ID#2270677,2013年12月
【文献】DyDo Health Care Maca Tablet, GNPD, ID#2234095,2013年11月
【文献】Naturbiotic Poten-D Men's Performance Enhancing Cream,GNPD, ID#1290947,2010年03月
【文献】酵素の弱点を克服!特許製法で生成された低カロリー酵素「エンザミンはじめる酵素ドリンク」11月28日発売,Internet,2023年12月18日,URL<https://www.atpress.ne.jp/news/53941>,Retrieved on 2023.12.18
【文献】黒艶男dism セサミン リジン 亜鉛 ブラックジンジャー ビタミン サプリメント [60粒約30日分],Internet,2023年12月18日,URL<https://www.amazon.co.jp/%E9%BB%92%E8%89%B6%E7%94%B7dism-%E3%82%BB%E3%82%B5%E3%83%9F%E3%83%B3-%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B8%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%BC-%E3%82%B5%E3%83%97%E3%83%AA%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%83%88-%E3%80%9060%E7%B2%92%E7%B4%8430%E6%97%A5%E5%88%86%E3%80%91/dp/B082D3LPJF/ref=cm_cr_arp_d_product_top?ie=UTF8>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L 33/105
A61K 36/906
A61K 31/198
A61K 31/401
A61K 31/405
A61K 31/4172
A61K 33/30
A61K 33/00
A61K 33/06
A61K 33/26
A61K 33/34
A61P 39/06
A61P 43/00
A61P 29/00
A61P 17/14
A61P 3/04
A61P 21/00
A61P 25/28
A61P 17/00
A23L 33/175
A23L 33/15
A23L 33/16
Mintel GNPD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)ブラックジンジャー抽出物0.04~0.3質量%と、(B1)アミノ酸0.3~3.0質量%と、(B2)ミネラル0.009~7.02質量%と、(B3)ビタミン0.0002~0.213質量%とを含有し、
前記(B1)アミノ酸がアスパラギンであり、前記(B2)ミネラルが鉄であり、前記(B3)ビタミンがビタミンB2であることを特徴とする経口用組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、(A)ブラックジンジャー抽出物と、(B)アミノ酸、ミネラル、及びビタミンからなる群から選択される少なくとも1種とを含有する経口用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ブラックジンジャー(黒ショウガ)は、主要な生産国であるタイでは、古来より、民間薬的な利用法として、精力増進、性能力向上、胃腸の病気や疼痛の改善等の滋養強壮のために使用されてきた。また、南アジアの一部の地域では、健康のためにスライスしたブラックジンジャーを煮出してお茶として飲用したり、酒類に漬けて薬酒として飲用したりするなど、安全性の高いものである。
【0003】
また、ブラックジンジャーの抽出物は、優れた抗酸化作用、抗老化作用、抗炎症作用、育毛作用、抗肥満作用、美白作用(例えば、特許文献1参照)や、肥満解消作用(例えば、特許文献2参照)、筋肉持久力向上作用(例えば、特許文献3参照)、脳の機能改善作用(例えば、特許文献4参照)などを有することが知られている。そのため、ブラックジンジャーから有効成分を抽出し、活性の強いブラックジンジャー抽出物を経口用組成物に添加して摂取することが試みられている。
【0004】
しかしながら、ブラックジンジャー抽出物は、甘味がなく、苦味、渋味等の非嗜好性の呈味を有するため、人によっては、後味が悪く、繰返して摂取することが難しい場合もある。
【0005】
また、近年、消費者のライフスタイルの変化などにより、アミノ酸、ミネラル、ビタミンなどの体に必要な各種の栄養素を簡易に摂取することが可能なサプリメントや飲食品などの経口用組成物に対する需要が高まっている。
【0006】
したがって、ブラックジンジャー抽出物を摂取しやすく、また、アミノ酸、ミネラル、ビタミンなどの体に必要な各種の栄養素も併せて摂取可能な経口用組成物の提供が強く求められているのが現状である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2009-051790号公報
【文献】特開2013-224326号公報
【文献】特開2016-008180号公報
【文献】特開2018-177654号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、(A)ブラックジンジャー抽出物と、(B)アミノ酸、ミネラル、及びビタミンからなる群から選択される少なくとも1種とを容易に摂取することが可能な経口用組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
<1> (A)ブラックジンジャー抽出物と、(B)アミノ酸、ミネラル、及びビタミンからなる群から選択される少なくとも1種とを含有することを特徴とする経口用組成物である。
<2> 前記アミノ酸が、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、スレオニン、トリプトファン、バリン、ヒスチジン、チロシン、システイン、アスパラギン酸、アスパラギン、セリン、グルタミン酸、グルタミン、プロリン、グリシン、アラニン、及びアルギニンからなる群から選択される少なくとも1種である前記<1>に記載の経口用組成物である。
<3> 前記ミネラルが、亜鉛、カリウム、カルシウム、鉄、銅、及びマグネシウムからなる群から選択される少なくとも1種である前記<1>から<2>のいずれかに記載の経口用組成物である。
<4> 前記ビタミンが、ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、及び葉酸からなる群から選択される少なくとも1種である前記<1>から<3>のいずれかに記載の経口用組成物である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によると、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、(A)ブラックジンジャー抽出物と、(B)アミノ酸、ミネラル、及びビタミンからなる群から選択される少なくとも1種とを容易に摂取することが可能な経口用組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(経口用組成物)
本発明の経口用組成物は、(A)ブラックジンジャー抽出物と、(B)アミノ酸、ミネラル、及びビタミンからなる群から選択される少なくとも1種とを少なくとも含有し、必要に応じて、更にその他の成分を含有する。
【0012】
<(A)ブラックジンジャー抽出物>
前記(A)ブラックジンジャー抽出物の抽出原料として使用するブラックジンジャー(黒ショウガ)は、ショウガ科(Zingiberaceae)バンウコン属(Kaempferia)に属する植物である。学名は、ケンペリア・パルウィフローラ(Kaempferia parviflora)であり、東南アジアのタイ等に分布しており、この地域から容易に入手可能である。
前記ブラックジンジャーの入手方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、自然界から採取してもよいし、市販品を用いてもよい。
【0013】
前記ブラックジンジャー抽出物の製造方法としては、特に制限はなく、植物の抽出に一般的に用いられる方法が挙げられる。例えば、抽出溶媒を満たした処理槽に前記抽出原料として使用するブラックジンジャーを浸漬し、必要に応じて適宜攪拌しながら可溶性成分を溶出した後、濾過して抽出残渣を除き、ブラックジンジャー抽出物を得る方法などが挙げられる。
前記ブラックジンジャー抽出物には、ブラックジンジャーの抽出液、該抽出液の希釈液を乾燥して得られる乾燥物、又はこれらの粗精製物若しくは精製物のいずれもが含まれる。
【0014】
前記抽出原料として使用する前記ブラックジンジャーの部位としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、花、蕾、種子、種皮、茎、葉、枝、枝葉等の地上部;根、根茎等の地下部などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、前記ブラックジンジャーの抽出原料として使用する部位としては、根、根茎等の地下部が好ましい。
【0015】
前記抽出原料として使用するブラックジンジャーの大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、採取したそのままの大きさ、切断した所望の大きさ、微粉(パウダー)化された大きさなどが挙げられる。
【0016】
前記抽出原料として使用するブラックジンジャーの状態としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、採取したそのままの状態、乾燥した状態、粉砕した状態、搾汁の状態などが挙げられる。これらの中でも、乾燥した状態が好ましい。
【0017】
前記抽出原料として使用するブラックジンジャーを乾燥した状態にする方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、天日で乾燥する方法、通常使用される乾燥機を用いて乾燥する方法などが挙げられる。
【0018】
前記抽出原料として使用するブラックジンジャーを粉砕した状態にする方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ミキサー、シュガーミル、パワーミル、ジェットミル、衝撃式粉砕機等により粉砕する方法などが挙げられる。
【0019】
前記抽出原料として使用するブラックジンジャーを搾汁の状態にする方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、圧搾などが挙げられる。
【0020】
前記ブラックジンジャーは、ヘキサン、ベンゼン等の非極性溶媒によって脱脂等の前処理を施してから抽出原料として使用してもよい。前記脱脂等の前処理を行うことにより、ブラックジンジャーの極性溶媒による抽出処理を効率よく行うことができる。
【0021】
前記抽出に用いる抽出溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水、親水性溶媒、又はこれらの混合溶媒などが挙げられる。
【0022】
前記水としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、純水、水道水、井戸水、鉱泉水、鉱水、温泉水、湧水、淡水、精製水、熱水、イオン交換水、生理食塩水、リン酸緩衝液、リン酸緩衝生理食塩水などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0023】
前記親水性溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の炭素数1~5の低級アルコール;アセトン、メチルエチルケトン等の低級脂肪族ケトン;1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の炭素数2~5の多価アルコールなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0024】
前記水と前記親水性溶媒との混合溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記親水性溶媒として前記低級アルコールを使用する場合は、前記水10質量部に対して、前記親水性溶媒を1質量部~90質量部使用することが好ましく、前記親水性溶媒として前記低級脂肪族ケトンを使用する場合は、前記水10質量部に対して、前記親水性溶媒を1質量部~40質量部使用することが好ましく、前記親水性溶媒として多価アルコールを使用する場合は、前記水10質量部に対して、前記親水性溶媒を1質量部~90質量部使用することが好ましい。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0025】
これらの中でも、前記ブラックジンジャー抽出物の抽出溶媒は、安全性、取扱性の観点から、水とエタノールとの混合溶媒(含水エタノール)が好ましい。
前記含水エタノールを抽出溶媒として用いる場合のエタノールの濃度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50容量%以上であることが好ましく、60容量%以上であることがより好ましい。
【0026】
前記抽出溶媒の使用量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記抽出原料として使用するブラックジンジャーの5倍量~15倍量(質量比)が好ましい。
【0027】
前記抽出の条件(抽出時間、抽出温度、圧力等の雰囲気条件など)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、抽出溶媒として水を用いた場合には、通常50℃~95℃にて1時間~4時間程度であり、抽出溶媒として水とエタノールとの混合溶媒を用いた場合には、通常40℃~80℃にて30分間~4時間程度である。
【0028】
前記ブラックジンジャー抽出物の状態としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ブラックジンジャー抽出液そのものであってもよく、前記ブラックジンジャー抽出液の濃縮物、前記ブラックジンジャー抽出液の希釈物、前記ブラックジンジャー抽出液の乾燥物、又はこれらの粗精製物若しくは精製物などであってもよい。また、前記ブラックジンジャー抽出物は、前記ブラックジンジャー抽出液の乾燥物を、再度水、親水性溶媒、又はこれらの混合溶媒等の溶媒に混合又は溶解させたものであってもよい。濃縮、希釈、乾燥、精製等の処理の方法としては、特に制限はなく、公知の方法を適宜選択することができる。
【0029】
前記(A)ブラックジンジャー抽出物の前記経口用組成物における含有量としては、特に制限はなく、経口用組成物の種類などに応じて適宜選択することができるが、0.001~99.999質量%であることが好ましい。
【0030】
<(B)アミノ酸、ミネラル、及びビタミンからなる群から選択される少なくとも1種>
前記(B)アミノ酸、ミネラル、及びビタミンからなる群から選択される少なくとも1種(以下、「(B)成分」と称することがある。)は、アミノ酸、ミネラル、及びビタミンをそれぞれ単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記(B)成分の入手方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、適宜調製したものを用いてもよいし、市販品を用いてもよい。
【0031】
前記(B)成分の前記経口用組成物における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、0.001質量%~99.999質量%などが挙げられる。また、前記(B)成分を2種以上用いる場合の各成分の使用量や各成分の質量比としても、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0032】
-アミノ酸-
前記アミノ酸としては、経口摂取可能なものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、スレオニン、トリプトファン、バリン、ヒスチジン、チロシン、システイン、アスパラギン酸、アスパラギン、セリン、グルタミン酸、グルタミン、プロリン、グリシン、アラニン、及びアルギニンからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
【0033】
前記アミノ酸の前記経口用組成物における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。また、前記アミノ酸を2種以上用いる場合の各アミノ酸の使用量や各アミノ酸の質量比としても、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0034】
-ミネラル-
前記ミネラルとしては、経口摂取可能なものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、亜鉛、カリウム、カルシウム、鉄、銅、及びマグネシウムからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
【0035】
前記ミネラルの前記経口用組成物における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。また、前記ミネラルを2種以上用いる場合の各ミネラルの使用量や各ミネラルの質量比としても、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0036】
-ビタミン-
前記ビタミンとしては、経口摂取可能なものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、及び葉酸からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
【0037】
前記ビタミンの前記経口用組成物における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。また、前記ビタミンを2種以上用いる場合の各ビタミンの使用量や各ビタミンの質量比としても、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0038】
<その他の成分>
前記経口用組成物における前記その他の成分としては、特に制限はなく、通常の経口用組成物の製造に用いられる補助的原料又は添加物又はその他の成分の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸性pH調整剤、ブドウ糖、果糖、ショ糖、マルトース、ソルビトール、ステビオサイド、ルブソサイド、コーンシロップ、dl-α-トコフェロール、エリソルビン酸ナトリウム、グリセリン、プロピレングリコール、脂肪酸エステル、アラビアガム、カラギーナン、カゼイン、ゼラチン、ペクチン、寒天、色素、香料、保存剤、溶媒、安定化剤、酸化防止剤等の各種添加剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記その他の成分の入手方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、適宜調製したものを用いてもよいし、市販品を用いてもよい。
【0039】
前記その他の成分の前記経口用組成物における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0040】
前記経口用組成物とは、人の健康に危害を加えるおそれが少なく、通常の社会生活において、経口又は消化管投与により摂取されるものをいい、行政区分上の食品、医薬品、医薬部外品などの区分に制限されるものではない。したがって、前記経口用組成物は、経口的に摂取される一般食品、健康食品(機能性飲食品)、保健機能食品(特定保健用食品,栄養機能食品,機能性表示食品)、医薬部外品、医薬品等を構成する飲食品を幅広く含むものを意味する。
【0041】
前記経口用組成物の種類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、茶飲料、清涼飲料、炭酸飲料、栄養飲料、果実飲料、乳酸飲料、アルコール飲料、コーヒー飲料、コーヒー入り清涼飲料、ノンアルコールビールテイスト飲料等の飲料(これらの飲料の濃縮原液及び調整用粉末を含む);アイスクリーム、アイスシャーベット、かき氷等の冷菓;そば、うどん、はるさめ、ぎょうざの皮、しゅうまいの皮、中華麺、即席麺等の麺類;飴、キャンディー、ガム、チョコレート、錠菓、スナック菓子、ビスケット、ゼリー、ジャム、クリーム、焼き菓子、パン等の菓子類;カニ、サケ、アサリ、マグロ、イワシ、エビ、カツオ、サバ、クジラ、カキ、サンマ、イカ、アカガイ、ホタテ、アワビ、ウニ、イクラ、トコブシ等の水産物;かまぼこ、ハム、ソーセージ等の水産・畜産加工食品;加工乳、発酵乳等の乳製品;サラダ油、てんぷら油、マーガリン、マヨネーズ、ショートニング、ホイップクリーム、ドレッシング等の油脂及び油脂加工食品;ソース、たれ等の調味料;カレー、シチュー、親子丼、お粥、雑炊、中華丼、かつ丼、天丼、うな丼、ハヤシライス、おでん、マーボドーフ、牛丼、ミートソース、玉子スープ、オムライス、餃子、シューマイ、ハンバーグ、ミートボール等のレトルトパウチ食品;サラダ、漬物等の惣菜;種々の形態の健康・美容・栄養補助食品;錠剤、顆粒剤、カプセル剤、ドリンク剤、トローチ、うがい薬等の医薬品、医薬部外品;口中清涼剤、口臭防止剤等の口腔内で使用する口腔清涼剤、歯磨剤などが挙げられる。
前記経口用組成物の製造方法としては、特に制限はなく、公知の方法を適宜選択することができる。
【0042】
本発明における経口用組成物は、前記ブラックジンジャー抽出物と、前記(B)成分とを含むため、該ブラックジンジャー抽出物による、精力増進、性能力向上、胃腸の病気や疼痛の改善等の滋養強壮や、抗酸化、抗老化、抗炎症、育毛、抗肥満、美白、肥満解消、筋肉持久力向上、脳の機能改善などの効果が得られると共に、アミノ酸、ミネラル、及びビタミンなどの栄養素を併せて摂取することができる。
【実施例
【0043】
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
【0044】
以下の実施例では、ブラックジンジャー抽出物として、丸善製薬株式会社製の製品名「ブラックジンジャー抽出物」を用いた。
【0045】
(実施例1-1~1-6:錠剤)
常法により、下記の表1-1~1-2に記載の組成を有する錠剤を製造した。
【0046】
【表1-1】
【0047】
【表1-2】
【0048】
(実施例2-1~2-12:顆粒)
常法により、下記の表2-1~2-4に記載の組成を有する顆粒を製造した。
【0049】
【表2-1】
【0050】
【表2-2】
【0051】
【表2-3】
【0052】
【表2-4】
【0053】
(実施例3-1~3-6:ソフトカプセル)
常法により、下記の表3-1~3-2に記載の組成を有するソフトカプセルを製造した。
【0054】
【表3-1】
【0055】
【表3-2】
【0056】
(実施例4-1~4-9:経口液状製剤)
常法により、下記の表4-1~4-3に記載の組成を有する経口液状製剤を製造した。
【0057】
【表4-1】
【0058】
【表4-2】
【0059】
【表4-3】
【0060】
(実施例5-1~5-6:緑茶)
常法により、下記の表5-1~5-2に記載の組成を有する緑茶を製造した。
【0061】
【表5-1】
【0062】
【表5-2】
【0063】
(実施例6-1~6-6:緑茶)
常法により、下記の表6-1~6-2に記載の組成を有する緑茶を製造した。
【0064】
【表6-1】
【0065】
【表6-2】
【0066】
(実施例7-1~7-9:コーヒー)
常法により、下記の表7-1~7-3に記載の組成を有するコーヒーを製造した。
【0067】
【表7-1】
【0068】
【表7-2】
【0069】
【表7-3】
【0070】
(実施例8-1~8-12:チョコレート)
常法により、下記の表8-1~8-4に記載の組成を有するチョコレートを製造した。
【0071】
【表8-1】
【0072】
【表8-2】
【0073】
【表8-3】
【0074】
【表8-4】
【0075】
(実施例9-1~9-6:清涼飲料水)
常法により、下記の表9-1~9-2に記載の組成を有する清涼飲料水を製造した。
【0076】
【表9-1】
【0077】
【表9-2】
【0078】
(実施例10-1~10-9:ビールテイスト飲料)
市販のビールテイスト飲料(ノンアルコールビール)に、下記の表10-1~10-3に記載の組成となるように各成分を加え、ビールテイスト飲料を製造した。
【0079】
【表10-1】
【0080】
【表10-2】
【0081】
【表10-3】
【0082】
上記実施例で例示した様々な経口用組成物は、本発明の経口用組成物の一例である。本発明の経口用組成物は、前記ブラックジンジャー抽出物と、前記(B)成分とを含むため、該ブラックジンジャー抽出物による、精力増進、性能力向上、胃腸の病気や疼痛の改善等の滋養強壮や、抗酸化、抗老化、抗炎症、育毛、抗肥満、美白、肥満解消、筋肉持久力向上、脳の機能改善などの効果が得られると共に、アミノ酸、ミネラル、及びビタミンなどの栄養素を併せて摂取することができる。