(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-26
(45)【発行日】2024-07-04
(54)【発明の名称】プログラム、記憶媒体、情報処理装置及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
A61B 5/00 20060101AFI20240627BHJP
G16H 30/40 20180101ALI20240627BHJP
G16H 10/00 20180101ALI20240627BHJP
【FI】
A61B5/00 D
G16H30/40
G16H10/00
A61B5/00 102A
A61B5/00 102C
(21)【出願番号】P 2022212028
(22)【出願日】2022-12-28
【審査請求日】2023-10-30
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518229054
【氏名又は名称】株式会社Vitaars
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】岡崎 智紀
(72)【発明者】
【氏名】大村 忠相
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 千賀子
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 裕義
(72)【発明者】
【氏名】沼田 篤志
(72)【発明者】
【氏名】森口 真吾
(72)【発明者】
【氏名】清水 克彦
(72)【発明者】
【氏名】宮田 志穂
(72)【発明者】
【氏名】上川 智彦
【審査官】増渕 俊仁
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-045794(JP,A)
【文献】特開2013-226257(JP,A)
【文献】国際公開第2009/119489(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/00-5/01
G16H 10/00
G16H 30/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
医療機器から出力又は取得される一以上の画像の解析結果
に関する一以上の解析情報
を取得する解析情報取得手段であって、
前記一以上の画像は、それぞれが、一以上の値を含み、
前記一以上の解析情報は、それぞれが、一以上の位置
のそれぞれに対して
前記一以上の値の少なくとも一部が関連付けられた
情報を含む、
解析情報取得手段と、
前記一以上の解析情報と、患者の状態を示す一以上の項目及び前記一以上の位置の対応関係に関する設定情報とに基づいて、前記一以上の項目のそれぞれに対して前記一以上の値の少なくとも一部が関連付けられた一以上の生体情報を取得する生体情報取得手段と、
として機能させ
、
前記一以上の画像は、少なくとも一部が、前記医療機器から出力されるデータを前記医療機器に直接接続された有線通信ネットワークを介して取得することと、前記医療機器の表示画面を撮影することにより生成されるデータを通信ネットワークを介して取得することとの少なくとも一方により取得される、プログラム。
【請求項2】
コンピュータを、
医療機器から出力又は取得される一以上の画像の解析結果に関する一以上の解析情報を取得する解析情報取得手段であって、
前記一以上の画像は、それぞれが、一以上の値を含み、
前記一以上の解析情報は、それぞれが、一以上の位置のそれぞれに対して前記一以上の値の少なくとも一部が関連付けられた情報を含む、
解析情報取得手段と、
前記一以上の解析情報と、患者の状態を示す一以上の項目及び前記一以上の位置の対応関係に関する設定情報とに基づいて、前記一以上の項目のそれぞれに対して前記一以上の値の少なくとも一部が関連付けられた一以上の生体情報を取得する生体情報取得手段と、
前記一以上の生体情報に含まれる、
所定の患者の所定周期ごとの状態に関する定期的生体情報と、
前記所定の患者の第1時点における状態に関する第1生体情報と、
前記所定の患者の第2時点における状態に関する第2生体情報と、
を一覧で表示する表示手段と、
として機能させ、
前記第1時点及び前記第2時点の間の期間は、前記所定周期より短く、
前記第1時点及び前記第2時点は、それぞれが、前記所定の患者に対する医療従事者による介入の前及び後の時点である、プログラム。
【請求項3】
前記画像は、動画データをキャプチャした静止画である、請求項1
又は2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記コンピュータを、さらに、
ユーザから前記対応関係の変更を受け付けて前記設定情報を変更した場合に、前記一以上の生体情報の少なくとも一部を、当該生体情報を取得するために用いた前記一以上の解析情報と、変更後の前記設定情報と、に基づいて更新する更新手段、として機能させる、請求項1
又は2に記載のプログラム。
【請求項5】
前記更新手段は、前記一以上の生体情報のうち、所定期間内に取得されたものを一括して更新する、請求項
4に記載のプログラム。
【請求項6】
前記コンピュータを、さらに、
ユーザから前記所定期間の指定を受け付ける指定受付手段、として機能させる、請求項5に記載のプログラム。
【請求項7】
前記第1生体情報及び前記第2生体情報の少なくとも一方は、ユーザにより選択される、請求項
2に記載のプログラム。
【請求項8】
前記解析情報は、前記画像を、光学的文字認識を含む画像認識することにより取得される、請求項1
又は2に記載のプログラム。
【請求項9】
前記値は、前記画像に含まれる色彩に関する情報を含む、請求項1
又は2に記載のプログラム。
【請求項10】
請求項1
又は2に記載のプログラムを記憶する、記憶媒体。
【請求項11】
請求項1又は2に記載のプログラムを記憶する記憶部と、
前記プログラムを実行する制御部と、
を備える、情報処理装置。
【請求項12】
コンピュータに、請求項1又は2に記載のプログラムを実行させる、情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、記憶媒体、情報処理装置及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、既存の医療機器に追加するだけでその装置の状態を記録・保存することができる医療機器監視システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、先行技術文献では、患者の状態に関する生体情報を効率よく取得することが十分に検討されていない。
他方、DtoD(Doctor to Doctor)の遠隔医療の活用が進められているところ、現状では、例えば、専門医のいる支援施設が被支援施設の患者の生体情報を把握する前提として、被支援施設の医療従事者が当該生体情報を手入力でシステムに入力する必要があるなど、医療従事者の負担が大きい。
【0005】
そこで、本発明は、上記課題に鑑み、患者の状態に関する生体情報の取得を効率化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係るプログラムは、コンピュータを、医療機器から出力又は取得される一以上の画像の解析結果である一以上の解析情報であって、一以上の位置に対してそれぞれが関連付けられた、画像に含まれる一以上の値を有する一以上の解析情報を取得する解析情報取得手段と、一以上の解析情報と、患者の状態を示す一以上の項目及び一以上の位置の対応関係に関する設定情報とに基づいて、一以上の項目のそれぞれに対して一以上の値の少なくとも一部が関連付けられた一以上の生体情報を取得する生体情報取得手段と、として機能させる。
【0007】
本発明の他の一態様に係る記憶媒体は、コンピュータを、医療機器から出力又は取得される一以上の画像の解析結果である一以上の解析情報であって、一以上の位置に対してそれぞれが関連付けられた、画像に含まれる一以上の値を有する一以上の解析情報を取得する解析情報取得手段と、一以上の解析情報と、患者の状態を示す一以上の項目及び一以上の位置の対応関係に関する設定情報とに基づいて、一以上の項目のそれぞれに対して一以上の値の少なくとも一部が関連付けられた一以上の生体情報を取得する生体情報取得手段と、として機能させるプログラムを記憶する。
【0008】
本発明の他の一態様に係る情報処理装置は、医療機器から出力又は取得される一以上の画像の解析結果である一以上の解析情報であって、一以上の位置に対してそれぞれが関連付けられた、画像に含まれる一以上の値を有する一以上の解析情報を取得する解析情報取得部と、一以上の解析情報と、患者の状態を示す一以上の項目及び一以上の位置の対応関係に関する設定情報とに基づいて、一以上の項目のそれぞれに対して一以上の値の少なくとも一部が関連付けられた一以上の生体情報を取得する生体情報取得部と、を備える。
【0009】
本発明の他の一態様に係る情報処理方法は、コンピュータに、医療機器から出力又は取得される一以上の画像の解析結果である一以上の解析情報であって、一以上の位置に対してそれぞれが関連付けられた、画像に含まれる一以上の値を有する一以上の解析情報を取得するステップと、一以上の解析情報と、患者の状態を示す一以上の項目及び一以上の位置の対応関係に関する設定情報とに基づいて、一以上の項目のそれぞれに対して一以上の値の少なくとも一部が関連付けられた一以上の生体情報を取得するステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、患者の状態に関する生体情報の取得を効率化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本実施形態に係るシステムの動作の一例である。
【
図2】本実施形態に係る情報処理装置の機能ブロック図である。
【
図3】本実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成図である。
【
図4】本実施形態に係る情報処理装置の動作の一例を説明するためのフローチャートである。
【
図5】本実施形態に係る情報処理装置の動作の一例を説明するための図である。
【
図6】本実施形態に係る情報処理装置の動作の一例を説明するための図である。
【
図7】本実施形態に係る情報処理装置の動作の一例を説明するための図である。
【
図8】本実施形態に係る情報処理装置の動作の一例を説明するための図である。
【
図9】本実施形態に係る情報処理装置の動作の一例を説明するための図である。
【
図10】本実施形態に係る情報処理装置の動作の一例を説明するための図である。
【
図11】本実施形態に係る情報処理装置の動作の一例を説明するための図である。
【
図12】本実施形態に係る情報処理装置の動作の一例を説明するための図である。
【
図13】本実施形態に係る情報処理装置の動作の一例を説明するための図である。
【
図14】本実施形態に係る情報処理装置の動作の一例を説明するための図である。
【
図15】本実施形態に係る情報処理装置の表示画面の一例を説明するための図である。
【
図16】本実施形態に係る情報処理装置の表示画面の一例を説明するための図である。
【
図17】本実施形態に係る情報処理装置の表示画面の一例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態(以下では、本実施形態という)について説明する。なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一又は同様の構成を有する。
【0013】
本発明において、「部」や「手段」、「装置」、「システム」とは、単に物理的手段を意味するものではなく、その「部」や「手段」、「装置」、「システム」が有する機能をソフトウェアによって実現する場合も含む。また、1つの「部」や「手段」、「装置」、「システム」が有する機能が2つ以上の物理的手段や装置、ソフトウェアにより実現されても、2つ以上の「部」や「手段」、「装置」、「システム」の機能が1つの物理的手段や装置、ソフトウェアにより実現されてもよい。
【0014】
<1.システム6の概要>
図1を参照して、本実施形態に係る医療機器2、画像取得装置3、解析装置4及び情報処理装置1を含むシステム6(参照:
図2)の概要について説明する。
【0015】
医療機器2は、モニタリングの対象である患者の付近に設置され、各種センサの出力に基づいて患者の状態を示す生体情報を表示する機器である。医療機器2は、例えば、ベッドサイドモニター、人工呼吸器及びバイタルモニター等である。情報セキュリティの観点から、医療機器2は、典型的にはインターネットには接続されずに利用される。モニタリングの対象である患者は、例えば、医療機関のICUにいる患者である。ただし、これに限るものではない。
【0016】
画像取得装置3は、医療機器2が表示する画像を取得する装置である。画像取得装置3は、例えば、医療機器2と直接接続された有線通信ネットワーク(HDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface))ケーブル、USB(Universal Serial Bus) Type-Cケーブル、DisplayPortケーブル等の接続によるネットワークを含む)を介して当該画像を取得する。画像取得装置3は、インターネットに、例えば、VPN(Virtual Private Network)を介して接続される。画像は、画像情報及び画像ファイルということもできる。
【0017】
図1において、画像取得装置3は、「72」、「98」及び「001」という値を含む画像を取得している。
【0018】
解析装置4は、画像取得装置3が取得した画像に基づいて、当該画像に含まれる値と、その値が表示される位置とに関する解析情報を算出する装置である。解析装置4は、例えば、GPU(Graphic Processing Unit)を備える装置である。
【0019】
図1において、解析装置4は、「72」、「98」及び「001」という値のそれぞれに対して「(x1,y1)」、「(x2,y2)」及び「(x3,y3)」という位置が関連付けられた解析情報を算出している。
【0020】
情報処理装置1は、所定の設定情報を参照して、解析装置4が算出した解析情報に基づいて医療機器2が表示していた生体情報を取得する装置である。設定情報は、典型的には、「医療機器2の表示画面のどこにどの項目に対応する値が表示されるか」ということを示す情報である。
【0021】
図1において、設定情報は、「心拍数」、「酸素飽和度」及び「ベッドID」という項目のそれぞれに対して「(x1,y1)」、「(x2,y2)」及び「(x3,y3)」という位置が関連付けられた情報である。当該設定情報と、解析装置4から取得した解析情報とを用いて、情報処理装置1は、「心拍数」、「酸素飽和度」及び「ベッドID」という項目のそれぞれに対して「72」、「98」及び「001」という値が関連付けられた生体情報を取得することができる。
【0022】
情報処理装置1によれば、特に遠隔医療における患者の生体情報のモニタリングを大幅に効率化することができる。
【0023】
上述したとおり、医療機器2は典型的にはインターネットには接続されずに用いられる。そのため、従来の医療現場においては、医師や看護師等の医療従事者が医療機器2を目視により確認し、記録を行うことが通常である。これに対して、情報処理装置1によれば、遠隔地に設置された医療機器2が表示する生体情報を取得できるため、遠隔医療における患者の生体情報のモニタリングが容易になる。例えば、複数の医療機関(被支援機関と称されることがある)のそれぞれにおける複数の患者の生体情報を、情報処理装置1が設置された単一の拠点(支援機関と称されることがある)において一括してモニタリングすることができる。
【0024】
また、医療機関において医療機器2を管理又は取り扱う者(以下では、「医療従事者」と称する)は、医療機器2を別の種類の医療機器2に付け替えることや、設定変更を行って表示内容を変更することがある。遠隔地から医療機器2の表示内容に基づいて生体情報を取得する場合、生体情報を遠隔地からモニタリングする者(以下では、「遠隔医療サービス提供者」と称する)は、このような医療機器2の変更に対応する必要がある。遠隔医療サービス提供者は、生体情報を取得する際に用いる設定情報を、情報処理装置1を利用して変更することにより、医療従事者の手を煩わせることなく、かつ、柔軟に医療機器2の設定変更等に対応することができる。
【0025】
なお、医療機器2の設定変更等に対応する他の方法として、解析装置4の設定を変更することも考えられる。例えば、解析装置4における画像認識のアルゴリズムを調整することにより、医療機器2の設定変更等に対応し得る。しかしながら、解析装置4の設定を変更した後で再度画像を解析し直すために要する演算量や、複数の種類の医療機器2のそれぞれに対して解析装置4の設定を最適化する手間を考慮すると、解析装置4の動作を医療機器2の設定に応じて異ならせるよりも、本実施形態で説明するように解析情報に基づいて生体情報を取得するにあたって参照する所定の設定情報を変更したほうが効率がよい。
【0026】
<2.システム6の構成>
図2を参照して、本実施形態に係る医療機器2、画像取得装置3、解析装置4及び情報処理装置1を含むシステム6の構成について説明する。
【0027】
―医療機器2―
医療機器2は、上記のとおり、各種センサの出力に基づいて患者の状態を示す生体情報を出力又は表示する機器である。
【0028】
生体情報は、例えば、心拍数、酸素飽和度、呼吸数、血圧、体温、排尿及び排便の状態、脳波、発声及び患者の動作等の項目を含む。
【0029】
―画像取得装置3―
画像取得装置3は、医療機器2が出力又は表示する画像を取得する装置である。画像取得装置3は、医療機器2から出力されるデータを医療機器2に直接接続された有線通信ネットワーク(例えば、HDMIケーブル)を介して取得することと、医療機器2の表示画面を撮影することと、医療機器2の表示画面を撮影することとにより生成されるデータを通信ネットワーク5を介して取得することと、の少なくともいずれかにより画像を取得する。
【0030】
また、画像は、動画データをキャプチャした静止画であってもよい。具体的には、画像取得装置3は、医療機器2から表示画面に係る動画データを取得し、当該動画データを所定の時間間隔でキャプチャ(サンプリングということもできる)することにより画像を取得してもよい。所定の時間間隔とは、例えば、1時間毎、10分毎及び5分毎等である。
【0031】
―解析装置4―
解析装置4は、画像取得装置3が取得した画像の解析情報を算出する装置である。具体的には、解析装置4は、画像取得装置3が取得した画像に基づいて、当該画像に含まれる値と、その値が表示される位置とに関する解析情報を算出する。解析装置4は、例えば、GPUを備える装置である。解析装置は、画像取得装置3が取得した画像を、画像認識することにより解析するものであってもよい。画像認識の一例は、光学的文字認識である。
【0032】
なお、本実施形態において、画像に含まれる値とは、当該画像を目視した人間が認識できる要素である。値は、例えば、数値、文字列、記号、色彩又はこれらの組み合わせ等である。
【0033】
―情報処理装置1―
情報処理装置1は、所定の設定情報を参照して、解析装置4が算出した解析情報に基づいて生体情報を取得する。情報処理装置1によれば、遠隔地における生体情報のモニタリングを効率化することができる。以下では、情報処理装置1の構成について詳述する。
【0034】
情報処理装置1は、制御部10、記憶部14及びネットワークインタフェース部18を備え、それぞれがバス16を介して電気的に接続されている。
【0035】
制御部10は、記憶部14に記憶された各種プログラムを実行することにより、解析情報取得手段100、生体情報取得手段102、変更受付手段104、更新手段106、指定受付手段107、表示手段108、特定手段110、入力手段112及び出力手段114として機能する。
【0036】
[解析情報取得手段100]
解析情報取得手段100は、解析装置4から解析情報を取得する。具体的には、解析情報取得手段100は、医療機器2から出力又は取得される一以上の画像の解析結果である一以上の解析情報であって、一以上の位置に対してそれぞれが関連付けられた、画像に含まれる一以上の値を有する一以上の解析情報を取得する。解析情報取得手段100が取得した解析情報は、解析情報DB140に記憶される。本実施形態では、解析情報取得手段100は、解析装置4から解析情報を取得するものとして説明する。解析情報の一例を、
図6等を参照して後述する。
【0037】
[生体情報取得手段102]
生体情報取得手段102は、解析情報取得手段100が取得した一以上の解析情報と、患者の状態を示す一以上の項目及び一以上の位置の対応関係に関する設定情報とに基づいて、一以上の項目のそれぞれに対して一以上の値の少なくとも一部が関連付けられた一以上の生体情報を取得する。生体情報取得手段102は、設定情報DB142に記憶された設定情報を参照する。設定情報及び生体情報の一例を、それぞれ
図7等及び
図8等を参照して後述する。
【0038】
[変更受付手段104]
変更受付手段104は、設定情報における一以上の項目及び一以上の位置の対応関係に関する変更をユーザから受け付ける。変更は、ある項目に対応する位置の変更と、ある位置に対応する項目の変更とを含む。変更受付手段104は、さらに、受け付けた変更の内容に基づいて設定情報を変更する。なお、ユーザとは、情報処理装置1を用いる者のことであり、典型的には遠隔医療サービス提供者及び医療従事者の少なくとも一方である。設定情報の変更の前後の一例を、
図7及び
図12を参照して後述する。
【0039】
[更新手段106]
更新手段106は、生体情報取得手段102が取得した一以上の生体情報の少なくとも一部を、当該生体情報を取得するために用いた一以上の解析情報と、変更受付手段104による変更後の設定情報と、に基づいて更新する。更新前後の生体情報の一例を、
図11及び
図13を参照して後述する。
【0040】
また、更新手段106は、生体情報取得手段102が取得した一以上の生体情報のうち、所定期間内に取得されたものを一括して更新してもよい。
【0041】
[指定受付手段107]
指定受付手段107は、更新手段106による一括更新の対象となる所定期間の指定をユーザから受け付ける。所定期間の指定の一例を、
図14を参照して後述する。
【0042】
[表示手段108]
表示手段108は、生体情報取得手段102が取得した一以上の生体情報の少なくとも一部を後述する表示装置310により表示する。表示手段108は、特に、特定の患者の第1時点及び第2時点のそれぞれにおける状態を示す第1生体情報及び第2生体情報を同時に表示する。表示手段108による表示画面の一例を、
図15―16を参照して後述する。
【0043】
また、表示手段108は、生体情報取得手段102が取得した一以上の生体情報のうち、ユーザが選択した生体情報を表示してもよい。
【0044】
また、表示手段108は、特定の患者に関し、所定周期ごとの状態を示す定期的生体情報をさらに表示し、第1時点及び第2時点の間の期間は、所定周期より短く、第1時点及び第2時点のそれぞれは、特定の患者に対する医療従事者による介入の前及び後の時点であってもよい。すなわち、表示手段108は、医療従事者による介入前後の生体情報の推移を詳細に確認できるように表示してもよい。なお、介入とは、治療介入ということもでき、患者の状態を変化させるための行動のことである。介入は、例えば、投薬、注射、輸血、採血、酸素マスクの着脱及び患者の体勢の変更等を含む。
【0045】
[特定手段110]
特定手段110は、特定の患者に対する医療従事者による介入のタイミングを特定する。特定手段110は、ユーザの入力又は生体情報取得手段102が取得した生体情報の変化の少なくとも一方に基づいて、医療従事者による介入のタイミングを特定してもよい。特定手段110は、例えば、医療従事者による介入が行われた時刻としてユーザによる入力された時刻を、医療従事者による介入のタイミングとして特定してもよい。特定手段110は、他にも、例えば、心拍数又は血圧の急激な変化があった時刻を、医療従事者による介入のタイミングとして特定してもよい。
【0046】
[入力手段112]
入力手段112は、後述するデータI/F306、通信I/F308及び入力I/F304に接続された機器を動作させることにより、支援装置1に対する各種情報の入力を受け付ける。入力手段112は、例えば、ユーザからの操作情報、動画情報、画像情報、テキスト情報、音声情報及び位置情報等の入力を受け付ける。
【0047】
[出力手段114]
出力手段114は、後述するデータI/F306、通信I/F308に接続された機器及び表示装置310を動作させることにより、支援装置1から各種情報を出力する。出力手段114は、例えば、動画情報、画像情報、テキスト情報及び音声情報等を出力する。
【0048】
―通信ネットワーク5―
通信ネットワーク5は、画像取得装置3、解析装置4及び情報処理装置1が互いに通信可能なように構成されたネットワークである。通信ネットワーク5は、典型的には、インターネット等である。通信ネットワーク5を経由する通信は、任意の好適なプロトコルによって実現されてもよい。
【0049】
<3.情報処理装置1のハードウェア構成>
図3を参照して、上述してきた情報処理装置1をコンピュータ30により実現する場合のハードウェア構成の一例を説明する。なお、それぞれの装置の機能は、複数台の装置に分けて実現することもできる。
【0050】
図3に示すように、コンピュータ30は、プロセッサ300と、記憶装置302と、入力I/F304と、データI/F306と、通信I/F308、及び表示装置310を含む。
【0051】
プロセッサ300は、記憶装置302に記憶されているプログラムを実行することによりコンピュータ30における様々な処理を制御する。例えば、支援装置1の制御部10が備える各機能部等は、記憶装置302に記憶されたプログラムを、プロセッサ300が実行することにより実現可能である。
【0052】
記憶装置302は、例えばRAM(Random Access Memory)などの記憶媒体である。RAMは、プロセッサ300によって実行されるプログラムのプログラムコードや、プログラムの実行時に必要となるデータを一時的に記憶する。
【0053】
記憶装置302は、他にも、例えばハードディスクドライブ(HDD)やフラッシュメモリなどの不揮発性の記憶媒体である。記憶装置302は、オペレーティングシステムや、上記各構成を実現するための各種プログラムを記憶する。当該各種プログラムを格納した記憶媒体は、コンピュータ読み取り可能な非一時的な記憶媒体(Non-transitory computer readable medium)であってもよい。この他、記憶装置302は、事業者情報等の各種情報を登録するテーブルと、当該テーブルを管理するDBを記憶することも可能である。このようなプログラムやデータは、必要に応じて記憶装置302にロードされることにより、プロセッサ300から参照される。
【0054】
入力I/F304は、ユーザからの入力を受け付けるためのデバイスである。入力I/F304の具体例としては、カメラ、ボタン、マイク、キーボード、マウス、タッチパネル、各種センサ、ウェアラブル・デバイスなどが挙げられる。入力I/F304は、例えばUSB(Universal Serial Bus)などのインタフェースを介してコンピュータ30に接続されてもよい。
【0055】
データI/F306は、コンピュータ30の外部からデータを入力するためのデバイスである。データI/F306の具体例としては、各種記憶媒体に記憶されているデータを読み取るためのドライブ装置などがある。データI/F306は、コンピュータ30の外部に設けられることも考えられる。その場合、データI/F306は、例えばUSBなどのインタフェースを介してコンピュータ30へと接続される。
【0056】
通信I/F308は、コンピュータ30の外部の装置と有線または無線により、通信ネットワーク5を介したデータ通信を行うためのデバイスである。通信I/F308は、コンピュータ30の外部に設けられることも考えられる。その場合、通信I/F308は、例えばUSBなどのインタフェースを介してコンピュータ30に接続される。
【0057】
表示装置310は、各種情報を表示するためのデバイスである。表示装置310の具体例としては、例えば液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ、ウェアラブル・デバイスのディスプレイなどが挙げられる。表示装置310は、コンピュータ30の外部に設けられてもよい。その場合、表示装置310は、例えばディスプレイケーブルなどを介してコンピュータ30に接続される。また、入力I/F304としてタッチパネルが採用される場合には、表示装置310は、入力I/F304と一体化して構成することが可能である。
【0058】
また、上記実施の形態で記載された支援装置1が備える構成要素は、記憶装置302に格納されたプログラムがプロセッサ300によって実行されることで、定められた処理が他のハードウェアと協働して実現されるものとする。また、言い換えれば、これらの構成要素は、ソフトウェアまたはファームウェアとしても、それと対応するハードウェアとしても想定され、その双方の概念において、「機能」、「手段」、「部」、「処理回路」、「ユニット」、または「モジュール」などとも記載され、またそれぞれに読み替えることができる。
【0059】
<4.情報処理装置1の動作及び表示画面>
以下では、
図4―16を参照して、情報処理装置1の動作及び表示画面の一例について説明する。
【0060】
[解析情報及び設定情報に基づいて生体情報を取得する方法について]
まず、解析情報取得手段100が取得する解析情報の一例について、
図4―6を参照して説明する。
【0061】
図4は、解析装置4における解析情報の算出の方法の一例を示すフローチャートである。解析装置4は、画像取得装置3から画像を取得した後、
図4のフローチャートに従って解析情報を算出する。
【0062】
解析装置4は、画像に含まれる値を走査し、位置が関連付けられていない値が検出されるか否かを判定する(S20)。位置が関連付けられていない値が検出されない場合(S20 NO)、解析装置4は解析情報の算出を終了する。位置が関連付けられていない値が検出されない状態は、画像に含まれるすべての値に対して位置が関連付けられている状態ということもできる。
【0063】
一方で、位置が関連付けられていない値が検出された場合(S20 YES)、解析装置4は検出された値に対して当該値が表示される位置を関連付ける(S22)。
【0064】
図5は、解析装置4による解析結果の概念図である。具体的には、
図5は、医療機器2の表示画面が画面レイアウトαに設定されているときの医療機器2から取得される画像と、当該画像に含まれる一以上の値と、それぞれの値に関連付けられた位置との関係を示す図である。
図5によると、医療機器2から取得される画像では、「10:30」、「72」、「98」、「15」、「115」、「70」、「36.5」、「001」、「HR」、「SpO
2」、「RR」、「BP」、「TEMP」及び「ID」という値が、それぞれL1、L3、L5、L7、L9、L11、L13、L15、L17、L19、L21、L23、L25及びL27という位置に表示される。
【0065】
図6は、
図5の画像に基づいて算出された解析情報140aの一例を示す図である。解析情報140aでは、L1、L3、L5、L7、L9、L11、L13、L15、L17、L19、L21、L23、L25及びL27という位置のそれぞれに対して、「10:30」、「72」、「98」、「15」、「115」、「70」、「36.5」、「001」、「HR」、「SpO
2」、「RR」、「BP」、「TEMP」及び「ID」という値が関連付けられている。情報処理装置1は、解析情報取得手段100により、解析情報140aを解析装置4から取得する。
【0066】
次に、生体情報取得手段102が取得する生体情報の一例について、
図7―8を参照して説明する。
【0067】
図7は、生体情報取得手段102が生体情報を取得するにあたって参照する設定情報142aの一例を示す図である。設定情報142aでは、L1、L3、L5、L7及びL13という位置に対して、それぞれ「時刻」、「心拍数(回/分)」、「酸素飽和度(%)、「呼吸数(回/分)」及び「体温(℃)」という項目が関連付けられている。
【0068】
図8は、解析情報140a(
図6参照)及び設定情報142a(
図7参照)に基づいて取得した生体情報の一例を示す図である。
【0069】
解析情報140aによると、L1という位置に対しては「10:30」という値が関連付けられている。また、設定情報142aによると、L1という位置に対しては「時刻」という項目が関連付けられている。したがって、解析情報140a及び設定情報142aによると、「10:30」という値は「時刻」という項目に対応する(
図8 「時刻」の行参照)。
【0070】
同様に、解析情報140aによると、L3という位置に対しては「72」という値が関連付けられている。また、設定情報142aによると、L3という位置に対しては「心拍数(回/分)」という項目が関連付けられている。したがって、解析情報140a及び設定情報142aによると、「72」という値は「心拍数(回/分)」という項目に対応する(
図8 「心拍数(回/分)」の行参照)。
【0071】
同様に、解析情報140aによると、L5という位置に対しては「98」という値が関連付けられている。また、設定情報142aによると、L5という位置に対しては「酸素飽和度(%)」という項目が関連付けられている。したがって、解析情報140a及び設定情報142aによると、「98」という値は「酸素飽和度(%)」という項目に対応する(
図8 「酸素飽和度(%)」の行参照)。
【0072】
同様に、解析情報140aによると、L7という位置に対しては「15」という値が関連付けられている。また、設定情報142aによると、L7という位置に対しては「呼吸数(回/分)」という項目が関連付けられている。したがって、解析情報140a及び設定情報142aによると、「15」という値は「呼吸数(回/分)」という項目に対応する(
図8 「呼吸数(回/分)」の行参照)。
【0073】
同様に、解析情報140aによると、L13という位置に対しては「36.5」という値が関連付けられている。また、設定情報142aによると、L13という位置に対しては「体温(℃)」という項目が関連付けられている。したがって、解析情報140a及び設定情報142aによると、「36.5」という値は「体温(℃)」という項目に対応する(
図8 「体温(℃)」の行参照)。
【0074】
情報処理装置1は、以上のとおり、解析情報及び設定情報に基づいて生体情報を取得する。
【0075】
[変更後の設定情報に基づいて生体情報を更新する方法について]
次に、
図9―14を参照して、医療機器2の表示内容が変更された場合における対応方法について説明する。医療機器2の表示内容が変更された場合とは、例えば、画面レイアウトが変更される場合をいい、具体的には、医療機器2が表示する一つ以上の項目(例えばBPなど)の表示位置、表示形式、及び/又は表示態様が当該医療機器のアップデート又は他の医療機器への交換によって変更された場合をいう。
【0076】
図9は、
図5の画像とは異なる画像に基づく、解析装置4による解析結果の概念図である。具体的には、
図9は、医療機器2の表示画面が画面レイアウトβに設定されているときの医療機器2から取得される画像と、当該画像に含まれる一以上の値と、それぞれの値に関連付けられた位置との関係を示す図である。
図9によると、医療機器2から取得される画像では、「11:30」、「12」、「0」、「89」、「24」、「38.5」、「001」、「155」、「100」、「HR」、「SpO
2」、「RR」、「TEMP」、「BP」及び「ID」という値が、それぞれL1、L3、L4、L5、L7、L9、L11、L13、L15、L17、L19、L21、L23、L25及びL28という位置に表示される。
【0077】
図10は、
図9の画像に基づいて算出された解析情報140bの一例を示す図である。解析情報140bでは、L1、L3、L4、L5、L7、L9、L11、L13、L15、L17、L19、L21、L23、L25及びL28という位置のそれぞれに対して、「11:30」、「12」、「0」、「89」、「24」、「38.5」、「001」、「155」、「100」、「HR」、「SpO
2」、「RR」、「TEMP」、「BP」及び「ID」という値が関連付けられている。情報処理装置1は、解析情報取得手段100により、解析情報140bを解析装置4から取得する。
【0078】
図11は、解析情報140b(
図10参照)及び設定情報142a(
図7参照)に基づいて取得した生体情報の一例を示す図である。ここで、設定情報142aは医療機器2の表示画面が画面レイアウトβではなく画面レイアウトαに設定されているときに応じた情報であるため、正常な(すなわち、医療機器2の表示内容と相違ない)生体情報を取得することができない。具体的には、「心拍数(回/分)」及び「体温(℃)」の項目に対して関連付けられた「12」及び「155」という値は、
図9の画像に基づいて本来取得されるべき「120」及び「38.5」という値と異なっている。すなわち、ユーザは設定情報142aを画面レイアウトβに応じた設定情報に変更する必要がある。情報処理装置1は、変更受付手段104により、当該変更をユーザから受け付ける。
【0079】
図12は、設定情報142aに対してユーザが入力した変更を適用した、設定情報142bの一例を示す図である。設定情報142bでは、L1、L3+L4、L5、L7及びL9という位置に対して、「時刻」、「心拍数(回/分)」、「酸素飽和度(%)、「呼吸数(回/分)」及び「体温(℃)」という項目がそれぞれ関連付けられている。なお、設定情報142bにおいては、解析情報140bのL3及びL4のそれぞれに対応する値を適宜結合させた値が「心拍数(回/分)」に対応すると定義されている。
【0080】
情報処理装置1は、このように設定情報を変更した場合、更新手段106により、
図11の生体情報を、解析情報140b(すなわち、当該生体情報を取得するために用いた解析情報)と、設定情報142b(すなわち、変更後の設定情報)と、に基づいて更新してもよい。
図13は、解析情報140b(
図10参照)及び設定情報142b(
図12参照)に基づいて更新した生体情報の一例を示す図である。
【0081】
解析情報140bによると、L3及びL4という位置に対しては、それぞれ「12」及び「0」という値が関連付けられている。また、設定情報142bによると、L3+L4という位置に対しては「心拍数(回/分)」という項目が関連付けられている。したがって、解析情報140b及び設定情報142bによると、L3に対応する「12」及びL4に対応する「0」を結合させた「120」という値は、「心拍数(回/分)」という項目に対応する(
図13 「心拍数(回/分)」の行参照)。
【0082】
また、解析情報140bによると、L9という位置に対しては「38.5」という値が関連付けられている。また、設定情報142bによると、L9という位置に対しては「体温(℃)」という項目が関連付けられている。したがって、解析情報140b及び設定情報142bによると、「38.5」という値は「体温(℃)」という項目に対応する(
図13 「体温(℃)」の行参照)。
【0083】
なお、
図13に示される生体情報の「時刻」、「酸素飽和度(%)」及び「呼吸数(回/分)」に対応する値は、
図11に示される生体情報の「時刻」、「酸素飽和度(%)」及び「呼吸数(回/分)」に対応する値と変わらないため、導出方法の説明は省略する。
【0084】
図9―13を参照して説明したように、情報処理装置1によれば、医療機器2の表示内容が変わったとしても(例えば、画面レイアウトαから画面レイアウトβに代わったとしても)、設定情報を変更することで正常な生体情報を取得することができる。
【0085】
図14は、一以上の生体情報のうち、所定期間内に取得されたものを更新手段106により一括して更新する方法の一例を説明するための図である。
【0086】
まず、期間p1においては、医療機器2の表示画面は画面レイアウトαであり、生体情報取得手段102は、期間p1内の各時点において取得された画像に基づいて算出された解析情報と、設定情報142aとに基づいて生体情報を取得するものとする。設定情報142aは画面レイアウトαに応じた情報であるため、生体情報取得手段102は、期間p1内では正常な生体情報を取得することができる(
図5-8参照)。
【0087】
期間p2においては、医療機器2の表示画面は画面レイアウトβであり、生体情報取得手段102は、期間p2内の各時点において取得された画像に基づいて算出された解析情報と、設定情報142aとに基づいて生体情報を取得するものとする。このとき、設定情報142aは画面レイアウトβに応じた情報ではないため、生体情報取得手段102は、期間p2内では誤った(すなわち、医療機器2の表示内容と異なる)生体情報を取得してしまう(
図9-11参照)。
【0088】
これに対して、更新手段106は、生体情報取得手段102が期間p2内に取得した生体情報を、当該期間の各時点における解析情報と、設定情報142bとに基づいて一括して更新してもよい。これにより、正常な生体情報を改めて取得しなおすことができる(
図12-13参照)。
【0089】
本実施形態では、医療機器2の表示画面が画面レイアウトαから画面レイアウトβに変更された時点以降を更新対象の期間としたが、これに限られない。例えば、情報処理装置1は、指定受付手段107により、ユーザから更新対象の期間の指定を受け付けてもよい。
【0090】
[生体情報の表示画面例について]
次に、
図15―16を参照して、表示手段108による表示画面の一例について説明する。表示手段108は、特定の患者の第1時点及び第2時点のそれぞれにおける状態を示す第1生体情報及び第2生体情報を同時に表示する。すなわち、表示手段108は、特定の患者の生体情報の推移が視認できる態様で生体情報を表示する。本実施形態において、表示手段108は表示装置を備えるパーソナルコンピュータの表示画面上に各種情報を表示するものとして説明する。
【0091】
図15は、生体情報をテーブルの形式で表示する表示画面の一例である。
図15の表示画面は、テーブルd10、スクロールバーd11、表示期間d12、設定情報変更ボタンd14、再解析ボタンd16、生体情報登録ボタンd18、介入内容登録ボタンd19及び医療機器画像d20を含む。
【0092】
テーブルd10は、複数の生体情報をテーブルの形式で表示する。テーブルd10には、「心拍数(回/分)」、「酸素飽和度(%)」、「呼吸数(回/分)」及び「体温(℃)」の項目のそれぞれに対応する値が、「11:25」から「11:50」まで5分間隔で表示されている。
【0093】
「登録対象」の行にチェックマークが入っている生体情報(
図15の例では、「11:30」、「11:40」及び「11:50」の3つの生体情報)は、生体情報登録ボタンd18を押下した際にグラフ化の対象となる生体情報である。詳細については後述する。
【0094】
他の生体情報と比較して太い枠線で囲われた生体情報(
図15の例では、「11:30」の生体情報)は、医療機器画像d20に表示される画像に対応する生体情報である。詳細については後述する。
【0095】
スクロールバーd11は、ユーザが操作することのよってテーブルd10に表示される期間を変更することができる要素である。ユーザがスクロールバーd11を、例えば画面右側に移動させることで、テーブルd10には「11:50」より後の生体情報が表示されてもよい。他にも、ユーザがスクロールバーd11を、例えば画面左側に移動させることで、テーブルd10には「11:25」より前の生体情報が表示されてもよい。
【0096】
表示期間d12は、テーブルd10に表示される生体情報の期間を示す。
図15の例では、表示期間d12は「2022年12月1日 11:00―12:00」と表示されている。すなわち、テーブルd10には、2022年12月1日の11:00から12:00までの生体情報が表示される。なお、
図15の例では11:25から11:50までの生体情報が表示されているが、ユーザはスクロールバーd11を操作することにより他の期間の生体情報も表示させることができる。
【0097】
設定情報変更ボタンd14は、ユーザが押下することによって、情報処理装置1の表示画面を設定情報を変更するための画面(図示しない)に遷移させるボタンである。ユーザは、遷移後の画面において、設定情報を変更することができる。情報処理装置1は、当該変更を変更受付手段104により受け付ける。変更前後の設定情報の一例は、
図7及び
図12を参照して上述したとおりである。
【0098】
再解析ボタンd16は、ユーザが押下することによって、情報処理装置1の表示画面を変更後の設定情報を用いて生体情報を更新するための画面(図示しない)に遷移させるボタンである。より具体的には、ユーザは、遷移後の画面において、一以上の生体情報の少なくとも一部を、当該生体情報を取得するために用いた一以上の解析情報と、変更後の設定情報と、に基づいて更新することができる。更新前後の生体情報の一例は、
図11及び
図13を参照して上述したとおりである。
【0099】
ユーザは、再解析ボタンd16の押下による遷移後の画面において、所定期間内に取得された生体情報を一括して更新することもできる。当該所定期間は、ユーザが指定することもでき、情報処理装置1が自律的に特定することもできる。情報処理装置1は、例えば、医療機器2の表示画面の画面レイアウトが変化したことを検知して、当該変化後の期間を当該所定期間として特定してもよい。画面レイアウトが変化した場合、典型的には、設定情報もこれに応じて変更し、画面レイアウト変更後の生体情報を更新する必要がある(
図9―13参照)。すなわち、一括して更新すべき生体情報は、典型的には画面レイアウト変更後に取得された生体情報であるから、この期間に取得された生体情報を更新対象とすることで、適切に生体情報を更新することができる。
【0100】
また、ユーザは、再解析ボタンd16の押下による遷移後の画面において、所定条件を満たす生体情報を一括して更新することもできる。所定条件は、例えば、生体情報に含まれる値の少なくとも一部が外れ値であるという条件である。情報処理装置1は、例えば、「体温(℃)」の項目に対応する値が「155」となっている生体情報(
図11参照)を更新対象として特定してもよい。
【0101】
生体情報登録ボタンd18は、ユーザが押下することによって、登録対象として選択された生体情報をグラフ化の対象として登録するボタンである。グラフ化の一例は、
図15を参照して後述する。
【0102】
介入内容登録ボタンd19は、ユーザが押下することによって、情報処理装置1の表示画面を介入の内容を登録するための画面(図示しない)に遷移させるボタンである。ユーザは、遷移後の画面において、介入の時刻及び介入の種類(例えば、投薬、採血及び輸血等)等を登録することができる。特定手段110は、当該登録に基づいて介入のタイミングを特定してもよい。
【0103】
医療機器画像d20は、テーブルd10において選択された生体情報に対応する医療機器2の画像である。
図15の例では、他の生体情報と比較して太い枠線で囲われた「11:30」の生体情報が選択されている。そのため、医療機器画像d20は、当該生体情報に対応する「11:30」の患者の状態を示す医療機器2の画像となる。
【0104】
生体情報取得手段102により取得された生体情報と併せて医療機器画像d20を表示することにより、設定情報に修正すべき点があるか否かをユーザが目視により確認することができる。
図15の例では、テーブルd10では、「心拍数(回/分)」、「酸素飽和度(%)」、「呼吸数(回/分)」及び「体温(℃)」のそれぞれに対して「120」、「89」、「24」及び「38.5」という値が関連付けられている。また、医療機器画像d20では、「HR」の欄、「SpO
2」の欄、「RR」の欄及び「TEMP」の欄のそれぞれに「120」、「89」、「24」及び「38.5」という値が表示されている。したがって、生体情報取得手段102は正常に「11:30」の生体情報を取得できていることがわかる。もし生体情報取得手段102が誤った生体情報を取得している場合には、ユーザは設定情報変更ボタンd14を押下することにより設定情報を変更した後に、再解析ボタンd16を押下することにより変更後の設定情報を用いて生体情報を更新することができる。
【0105】
図16は、生体情報を折れ線グラフの形式で表示する表示画面の一例である。
図16の表示画面は、折れ線グラフ表示領域d22、表示期間d24及び表示項目選択領域d26を含む。
【0106】
折れ線グラフ表示領域d22は、生体情報取得手段102が取得した生体情報の一部が折れ線グラフの形式で表示される領域である。
図16の例では、「10:30」、「11:30」、「11:40」、「11:50」及び「12:30」のそれぞれの時刻における「心拍数(回/分)」の推移を表示している。
【0107】
折れ線グラフ表示領域d22に表示される生体情報は、典型的には、ユーザが
図15のテーブルd10で登録対象として選択した後に、生体情報登録ボタンd18を押下することによって登録された生体情報である。例えば、
図15のテーブルd10において、「11:30」、「11:40」及び「11:50」の生体情報が登録対象として選択されたことに応じて、折れ線グラフ表示領域d22には、「11:30」、「11:40」及び「11:50」の「心拍数(回/分)」が表示されている。
【0108】
折れ線グラフ表示領域d22には、特定の患者に関し、所定周期ごとの状態を示す定期的生体情報が表示されていてもよい。
図16の例では、「10:30」、「11:30」及び「12:30」が特定の患者に関して1時間毎の状態を示す定期的生体情報である。
【0109】
定期的生体情報は、
図15のテーブルd10で登録対象として選択されているか否かに関わらずグラフ化の対象として登録される生体情報であってもよい。例えば、
図15のテーブルd10で「11:30」の生体情報が登録対象として選択されていなかったとしても、折れ線グラフ表示領域d22には「11:30」の生体情報が表示されてもよい。
【0110】
定期的生体情報は、他にも、
図15のテーブルd10でいずれの生体情報も登録対象として選択されてない場合にのみグラフ化の対象として登録され、登録対象として選択されている生体情報がある場合には登録されないものであってもよい。例えば、
図15のテーブルd10においていずれの生体情報も登録対象として選択されていない場合には折れ線グラフ表示領域d22には「11:30」の生体情報が表示され、一方で、テーブルd10において「11:40」の生体情報が登録対象として選択されている場合には折れ線グラフ表示領域d22には「11:30」の生体情報が表示されず、「11:40」の生体情報が表示されてもよい。
【0111】
折れ線グラフ表示領域d22には、生体情報の他にも、特定手段110により特定された介入のタイミングが介入フラグとして表示されてもよい。
図16の例では、「11:40」と「11:50」との間に介入フラグが表示されている。
【0112】
表示期間d24は、折れ線グラフ表示領域d22に表示される生体情報の期間を示す。
図16の例では、表示期間d12は「2022年12月1日」と表示されている。すなわち、折れ線グラフ表示領域d22には、2022年12月1日の生体情報の推移が表示される。なお、
図16の例では10:30から12:30までの生体情報が表示されているが、ユーザはスクロールバー(図示しない)を操作することにより他の期間の生体情報も表示することができる。
【0113】
表示項目選択領域d26は、生体情報に含まれる複数の項目のうち、折れ線グラフ表示領域d22に表示する項目の選択肢が表示される。
図16の例では、「心拍数(回/分)」、「酸素飽和度(%)」、「呼吸数(回/分)」及び「体温(℃)」の項目のそれぞれに対してチェックボックスが関連付けられており、そのうち「心拍数(回/分)」に対応するチェックボックスのチェックが入っている。これに対して、折れ線グラフ表示領域d22には、生体情報のうち「心拍数(回/分)」の推移が表示される。他にも、例えば、「心拍数(回/分)」及び「酸素飽和度(%)」のそれぞれに対応するチェックボックスにもチェックが入っていた場合、折れ線グラフ表示領域d22には、生体情報のうち「心拍数(回/分)」及び「酸素飽和度(%)」の推移が重畳的に表示されてもよい。
【0114】
<5.情報処理装置1の効果>
情報処理装置1によれば、特に遠隔医療における患者の生体情報のモニタリングを大幅に効率化することができる。以下では、情報処理装置1を用いることによる効果について詳述する。
【0115】
解析情報取得手段100は、医療機器2から出力又は取得される一以上の画像(
図5及び
図9参照)の解析結果である一以上の解析情報であって、一以上の位置に対してそれぞれが関連付けられた、画像に含まれる一以上の値を有する一以上の解析情報(
図6及び
図10参照)を取得し、生体情報取得手段102は、一以上の解析情報と、患者の状態を示す一以上の項目及び一以上の位置の対応関係に関する設定情報(
図7及び
図12参照)とに基づいて、一以上の項目のそれぞれに対して一以上の値の少なくとも一部が関連付けられた一以上の生体情報(
図8及び
図13参照)を取得する。
【0116】
この構成により、ユーザは、医療機器2がインターネットに接続されているか否かに関わらず、当該医療機器2に表示される生体情報を取得及び集約して確認することができる。
【0117】
特に、遠隔医療のように、複数の医療機関のそれぞれに設置された複数の医療機器2の表示内容を同時にモニタリングする必要がある場合には、情報処理装置1は、目視による医療機器2の確認の手間を削減し、大幅にモニタリングを効率化することができる。
【0118】
更新手段106は、設定情報における項目と値との対応関係の変更をユーザから受け付けて設定情報を変更した場合に、一以上の生体情報の少なくとも一部を、当該生体情報を取得するために用いた一以上の解析情報と、変更後の設定情報と、に基づいて更新する。
【0119】
この構成により、ユーザは、生体情報を取得した後に事後的に当該生体情報を修正することができる。事後的に生体情報を修正する必要がある場合とは、例えば、解析装置4が医療機器2から取得した画像をユーザが意図したとおりに解析できていない場合(
図11 「心拍数(回/分)」参照)及び医療機器2の設定変更後の画面レイアウトに対応していない設定情報を用いたことにより誤った生体情報を取得してしまった場合(
図11 「体温(℃)」参照)等である。
【0120】
医療従事者としては、遠隔医療サービス提供者が行うモニタリングに関知しなくても正常な生体情報が継続的に取得され続けることが望ましい。すなわち、医療従事者としては、正常な生体情報を取得するためだけの制限が医療機器2の設定に対して課されることや、医療機器2の設定変更に先立って遠隔医療サービス提供者と事前に打ち合わせを行う必要に迫られることは望ましくない。この構成によれば、医療機器2の設定等によらず遠隔医療サービス提供者の操作次第で正常な生体情報を取得できるため、医療従事者にとっての負担を軽減するとともに、モニタリングのさらなる効率化を図ることができる。
【0121】
また、更新手段106は、一以上の生体情報のうち、所定期間内に取得されたもの及び所定条件を満たすものを一括して更新してもよい。
【0122】
取得された生体情報の誤りが、例えば、医療機器2の画面レイアウトの変更に起因ものである場合、生体情報は所定期間に渡って誤ったものが取得される(
図14 期間p2参照)。この構成によれば、遠隔医療サービス提供者は当該所定期間に取得された生体情報を一括して更新することができるため、モニタリングをさらに効率化することができる。
【0123】
表示手段108は、特定の患者の第1時点及び第2時点のそれぞれにおける状態を示す第1生体情報及び第2生体情報を同時に表示する。第1生体情報及び第2生体情報の少なくとも一方は、ユーザにより選択されたものであってもよい。
【0124】
この構成により、ユーザは、特定の患者の生体情報の推移を確認することができる。特に、特定の患者に関する複数の生体情報から選択された生体情報(
図15 「登録対象」参照)を表示手段108が表示することによって(
図16参照)、モニタリングをさらに効率化することができる。
【0125】
生体情報取得手段102により取得された複数の生体情報の一部は、偶発的な要因(例えば、患者に取り付けられたセンサが外れてしまったこと等)により正常な値が取得できていない場合がある。このような生体情報を含めてその遷移を表すグラフを描画した場合、ユーザが当該グラフから患者の状態を正確に把握することが困難になる。そのため、上記構成のとおり、生体情報取得手段102により取得された複数の生体情報の一部をユーザが選択し、グラフ化の対象として登録することによって、患者の状態をより効率よく把握することができるグラフを描画することができる。
【0126】
また、表示手段108は、特定の患者に関し、所定周期ごとの状態を示す定期的生体情報をさらに表示し、第1時点及び第2時点の間の期間は、所定周期より短く、第1時点及び第2時点のそれぞれは、特定の患者に対する医療従事者による介入の前及び後の時点であってもよい。
【0127】
この構成により、ユーザは、医療従事者の介入の前後における特定の患者の生体情報の変化を確認することができる。
【0128】
患者に対する介入の結果、当該患者の状態が改善したのか(又は、悪化したのか)を確認することは患者の状態をモニタリングする上で重要である。
図16の例における「10:30」、「11:30」及び「12:30」の生体情報のように表示手段108が定期的生体情報を表示することに加えて、「11:40」及び「11:50」の生体情報のように医療従事者による介入の前後については通常よりも短い時間間隔の生体情報を表示することで、介入の影響を細やかに確認することができる。
【0129】
<6.発明の実施の態様>
上記実施形態は、当業者の知識に基づいて、矛盾が生じない範囲でそれぞれの技術的事項を組み合わせること、変更すること又は削除することが可能である。上記実施形態の説明は一例に過ぎず、本発明の内容を限定するものではない。
【0130】
上記実施形態における情報処理装置1は、複数の装置の組み合わせからなるものであってもよい。他にも、例えば、情報処理装置1は、他の装置の一部であってもよい。同様に、情報処理装置1が実行するプログラムは、複数のプログラムの組み合わせからなるものであってもよく、当該複数のプログラムのそれぞれは異なる装置に記憶されたものであってもよい。他にも、情報処理装置1が実行するプログラムは、上記実施形態で説明した機能以外の機能も有するものであってもよい。
【0131】
上記実施形態において、情報を取得することとは、当該情報を制御部10において処理可能な状態にすることを含む。情報を取得することは、例えば、当該情報を他の装置等から受信すること、当該情報を生成すること及び記憶部14から当該情報を読み出すこと等を含む。
【0132】
上記実施形態において、情報を表示することは、当該情報をユーザが視認できるようにすることを含む。情報を表示することは、情報処理装置1が表示装置310により当該情報を表示すること及び情報処理装置1以外の装置(例えば、医療従事者が使用するパーソナルコンピュータ)に当該情報を送信し、かつ、当該情報を表示させることを含む。すなわち、表示手段108は、情報処理装置1以外の装置に各種情報を表示させてもよい。
【0133】
表示手段108は、端末装置からのリクエスト(例えば、HTTPリクエスト)に応じて当該端末装置にレスポンス(例えば、HTTPレスポンス)を送信し、当該端末に生体情報を含む各種情報を表示させてもよい。すなわち、情報処理装置1はwebサーバとしての機能を有していてもよい。
【0134】
上記実施形態では、画像取得装置3、解析装置4及び情報処理装置1はそれぞれ異なる装置であるとして説明したが、これに限られない。画像取得装置3及び解析装置4の少なくとも一方の機能は、情報処理装置1により実現されてもよい。
【0135】
上記実施形態における医療従事者と遠隔医療サービス提供者とは、同一の主体であってもよい。この場合であっても、患者の生体情報のモニタリングを効率化することができる。
【0136】
上記実施形態において、解析情報、設定情報及び生体情報はいずれもテーブルの形式で表現されるものとして説明したが、これに限られない。これらの情報は、情報処理装置1の動作に矛盾が生じない範囲でどのような形式により表現されてもよい。
【0137】
記憶部14は、上記実施形態において説明した情報以外にも、情報処理装置1が動作するために必要な各種情報を記憶していてもよい。記憶部14は、例えば、生体情報、画像取得装置3が取得した画像、変更受付手段104が受け付けた変更に関する情報、指定受付手段107が受け付けた生体情報の更新対象となる所定期間に関する情報及びオペレーションシステムのプログラム等を記憶していてもよい。
【0138】
上記実施形態において、解析情報において一以上の位置のそれぞれに対して関連付けられた値は数値又は文字列であるとして説明したが、これに限られない。具体的には、値は、画像に含まれる色彩に関する情報を含んでもよい。より具体的には、
図5及び
図9を参照して説明した表示画面が所定の色彩(アラーム表示色ということもできる)により表示されるアラームを含む場合には、解析情報は、当該アラームが表示される位置に対して、当該所定の色彩が関連付けられた情報であってもよい。例えば、
図17のように、表示画面において、L30という位置に「ALERT」という文字列を含む赤い色のアラームが表示される場合には、当該表示画面の画像に基づく解析情報では、L30という位置に対して「赤」という値が関連付けられる。他にも、例えば、同様の表示画面の画像に基づく解析情報において、L30という位置に対して「赤 ALERT」という色彩と文字列とを含む値が関連付けられてもよい。
【0139】
本発明に係る実施形態には、以下のような態様が含まれる。
【0140】
[付記1]
本発明の一態様に係るプログラムは、コンピュータを、医療機器2から出力又は取得される一以上の画像の解析結果である一以上の解析情報であって、一以上の位置に対してそれぞれが関連付けられた、画像に含まれる一以上の値を有する一以上の解析情報を取得する解析情報取得手段100と、一以上の解析情報と、患者の状態を示す一以上の項目及び一以上の位置の対応関係に関する設定情報とに基づいて、一以上の項目のそれぞれに対して一以上の値の少なくとも一部が関連付けられた一以上の生体情報を取得する生体情報取得手段102と、として機能させる。
【0141】
[付記2]
付記1において、画像は、動画データをキャプチャした静止画であってもよい。
【0142】
[付記3]
付記1又は付記2のプログラムは、コンピュータを、さらに、ユーザから対応関係の変更を受け付けて設定情報を変更した場合に、一以上の生体情報の少なくとも一部を、当該生体情報を取得するために用いた一以上の解析情報と、変更後の設定情報と、に基づいて更新する更新手段106、として機能させてもよい。
【0143】
[付記4]
付記3において、更新手段106は、一以上の生体情報のうち、所定期間内に取得されたものを一括して更新してもよい。
【0144】
[付記5]
付記4のプログラムは、コンピュータを、さらに、ユーザから所定期間の指定を受け付ける指定受付手段107、として機能させてもよい。
【0145】
[付記6]
付記1から付記5のいずれか一つにおいて、画像は、医療機器2から出力されるデータを医療機器2に直接接続された有線通信ネットワークを介して取得することと、医療機器2の表示画面を撮影することにより生成されるデータを通信ネットワークを介して取得することと、の少なくとも一方により取得されてもよい。
【0146】
[付記7]
付記1から付記6のいずれか一つのプログラムにおいて、一以上の生体情報は、特定の患者の第1時点及び第2時点のそれぞれにおける状態を示す第1生体情報及び第2生体情報を含み、当該プログラムは、コンピュータを、さらに、少なくとも第1生体情報及び第2生体情報を同時に表示する表示手段108、として機能させてもよい。
【0147】
[付記8]
付記7において、第1生体情報及び第2生体情報の少なくとも一方は、ユーザにより選択されてもよい。
【0148】
[付記9]
付記7において、表示手段108は、特定の患者に関し、所定周期ごとの状態を示す定期的生体情報をさらに表示し、第1時点及び第2時点の間の期間は、所定周期より短く、第1時点及び第2時点のそれぞれは、特定の患者に対する医療従事者による介入の前及び後の時点であってもよい。
【0149】
[付記10]
付記1から付記9のいずれか一つにおいて、解析情報は、画像を、光学的文字認識を含む画像認識することにより取得されてもよい。
【0150】
[付記11]
付記1から付記10のいずれか一つにおいて、値は、画像に含まれる色彩に関する情報を含んでもよい。
【0151】
[付記12]
本発明の他の一態様に係る記憶媒体は、付記1から付記11のいずれか一つのプログラムを記憶する。
【0152】
[付記13]
本発明の他の一態様に係る情報処理装置1は、医療機器2から出力又は取得される一以上の画像の解析結果である一以上の解析情報であって、一以上の位置に対してそれぞれが関連付けられた、画像に含まれる一以上の値を有する一以上の解析情報を取得する解析情報取得部と、一以上の解析情報と、患者の状態を示す一以上の項目及び一以上の位置の対応関係に関する設定情報とに基づいて、一以上の項目のそれぞれに対して一以上の値の少なくとも一部が関連付けられた一以上の生体情報を取得する生体情報取得部と、を備える。
【0153】
[付記14]
本発明の他の一態様に係る情報処理方法は、医療機器2から出力又は取得される一以上の画像の解析結果である一以上の解析情報であって、一以上の位置に対してそれぞれが関連付けられた、画像に含まれる一以上の値を有する一以上の解析情報を取得するステップと、一以上の解析情報と、患者の状態を示す一以上の項目及び一以上の位置の対応関係に関する設定情報とに基づいて、一以上の項目のそれぞれに対して一以上の値の少なくとも一部が関連付けられた一以上の生体情報を取得するステップと、を実行させる。
【符号の説明】
【0154】
1…情報処理装置、2…医療機器、100…解析情報取得手段、102…生体情報取得手段、106…更新手段、107…指定受付手段、108…表示手段
【要約】
【課題】患者の状態に関する生体情報の取得を効率化する。
【解決手段】
本発明の一態様に係るプログラムは、コンピュータを、医療機器2から出力又は取得される一以上の画像の解析結果である一以上の解析情報であって、一以上の位置に対してそれぞれが関連付けられた、画像に含まれる一以上の値を有する一以上の解析情報を取得する解析情報取得手段100と、一以上の解析情報と、患者の状態を示す一以上の項目及び一以上の位置の対応関係に関する設定情報とに基づいて、一以上の項目のそれぞれに対して一以上の値の少なくとも一部が関連付けられた一以上の生体情報を取得する生体情報取得手段102と、として機能させる。
【選択図】
図1