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特許7510735遮音止水システム及び遮音止水システムの施工方法
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  • 特許-遮音止水システム及び遮音止水システムの施工方法 図1
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  • 特許-遮音止水システム及び遮音止水システムの施工方法 図3
  • 特許-遮音止水システム及び遮音止水システムの施工方法 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-26
(45)【発行日】2024-07-04
(54)【発明の名称】遮音止水システム及び遮音止水システムの施工方法
(51)【国際特許分類】
   F24F 13/02 20060101AFI20240627BHJP
   F24F 13/24 20060101ALI20240627BHJP
   E04B 1/684 20060101ALI20240627BHJP
   E04B 1/82 20060101ALI20240627BHJP
   E04B 1/86 20060101ALI20240627BHJP
【FI】
F24F13/02 H
F24F13/02 Z
F24F13/02 A
F24F13/02 F
F24F13/24 242
E04B1/684 B
E04B1/82 R
E04B1/86 T
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021054221
(22)【出願日】2021-03-26
(65)【公開番号】P2022151242
(43)【公開日】2022-10-07
【審査請求日】2023-10-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000001834
【氏名又は名称】三機工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090985
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 幸雄
(74)【代理人】
【識別番号】100093388
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 喜三郎
(74)【代理人】
【識別番号】100206302
【弁理士】
【氏名又は名称】落志 雅美
(72)【発明者】
【氏名】箕輪 憲成
【審査官】奈須 リサ
(56)【参考文献】
【文献】実開昭60-023515(JP,U)
【文献】特開平11-182905(JP,A)
【文献】登録実用新案第3053170(JP,U)
【文献】特開平7-155991(JP,A)
【文献】国際公開第2019/151931(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第110887205(CN,A)
【文献】特開2001-056132(JP,A)
【文献】特開2020-26936(JP,A)
【文献】特開平6-159782(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 13/02
F24F 13/24
E04B 1/684
E04B 1/82
E04B 1/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スリーブ外板内側に防振・遮音材(30a)が装着され、スリーブ先端部に空気と共に音が伝播する通気ダクトと接続するための連結用フランジ(21c)が取り付けられた外壁(2)を貫通する遮音止水スリーブ(21)と、
外板内側に防振・遮音材(30b)が、外板外面に防振材(22b)が装着され、前端部に前記遮音止水スリーブ(21)と連結される開口と、後端部に後施工消音器(23)と接続するための連結用フランジ(22c)が取り付けられた室内壁ボード(28)を貫通する先行消音器(22)と、
外板内側に防振・遮音材(30c)が装着され、先端部には前記先行消音器(22)と接続するための連結用フランジ(23c)が、後端部には音の伝播が少ないことが必要な建屋内通風ダクトを接続する口が、各々取り付けられた後施工消音器(23)と
からなることを特徴とする遮音止水システム。
【請求項2】
前記遮音止水スリーブ(21)は、
外壁(2)に外側から予めバックアップ材を詰めてから外側から充填する防水シール(26)と、
外壁(2)内面に対してスリーブ外板を所定の箇所で連結するアングル(24)と、
により、外壁(2)に対する外壁外側からの防水、防振、及び遮音を図って外壁(2)に固定されていることを特徴とする請求項1に記載の遮音止水システム。
【請求項3】
前記先行消音器(22)は、
外板外面に装着する前記防振材(22b)に、圧縮グラスウールを用いて、前記室内壁ボード(28)との振動及び音の透過の伝播を防止する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の遮音止水システム。
【請求項4】
前記遮音止水スリーブ(21)のスリーブ先端部に接続される通気ダクトを流れる空気は、外気調和後の取り入れ外気である
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1に記載の遮音止水システム。
【請求項5】
前記遮音止水スリーブ(21)のスリーブ先端部に接続される通気ダクトを流れる空気は、建屋の外へ排出される排気である
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1に記載の遮音止水システム。
【請求項6】
以下の工程を順に行って請求項1~5に記載の遮音止水システムを形成する施工方法であって、
(a)遮音止水スリーブ(21)と先行消音器(22)とを、前記遮音止水スリーブ(21)の後端部開口と前記先行消音器(22)の前端部開口とを密着させて結合する工程と、
(b)前記先行消音器(22)が結合された遮音止水スリーブ(21)を外壁(2)に設けられた貫通部(7)に挿入し、アングル(24)で前記外壁(2)の壁面(2b)内面に固定する工程と、
(c)前記先行消音器(22)に吊り金具(25)を取付け、前記吊り金具(25)を上部の躯体天井(29)に固定する工程と、
(d)前記遮音止水スリーブ(21)の外壁(2)外面から、貫通部(7)とスリーブ外板との隙間にバックアップ材を詰めた後、シール材(26)を外壁(2)外面から充填する工程と、
(e)建物の室内側から、前記先行消音器(22)を避けた形で枠どるように横縦材で補強して設けられる軽量スタッド(27)を立設して壁ボード下地とし、その後軽量スタッド(27)にビス止めして室内の壁ボード(28)を取付ける工程と、
(f)前記先行消音器(22)の後端部の連結用フランジ(22c)に、後施工消音器(23)の連結用フランジ(23c)を取付ける工程と、
(g)前記遮音止水スリーブ(21)の連結用フランジ(21c)に前記通気ダクトを、前記後施工消音器(23)の後端部に前記建屋内通風ダクトとを取付ける工程と、
からなることを特徴とする遮音止水システムの施工方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、店舗や事務所などが入居する建物の外壁等を貫通して通気ダクトである管状部材を設置し、前記管状部材を通過する空気と共に伝播する音を消音する消音装置を管状部材に設置する遮音止水システム及びその施工方法に関する。
音や振動を発する設備機械を建屋の中の機械室を設けることにより建設費がかかることから、特に最近は音や振動を発する設備機械である外気調和機や空調機や排気ファンなどについて、建屋に外構であるステージを設けて屋根のない吹き抜けとする屋外機械室を設け、そこに設置する形が増えている。
その空調機などの設備機械から伸びてくる通気ダクトである管状部材について、前記建物の外壁に設けた貫通部に管状部材を固定し前記建物の内部に通して設置され、前記屋外機械室から発生する騒音の、空気に同伴する伝播や管状部材の板を通した伝播を低減し、かつ建物の貫通部からの水の侵入を防止する遮音止水スシステム及び遮音止水システムの施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の遮音止水システムは、図4に示すように、機械室Sの外壁1と建物の外壁2とで構成される機械室S内に、外気調和機や空調機、排気ファンなどの空調機器3が設置され、前記空調機器3と建屋へ導入されるダクト5を風向転換して接続するチャンバ4とが接続され、前記チャンバ4により動圧を静圧に変換され、更に方向を変えられて動圧変換された通気空気を建物の外壁2に設けられた貫通部7を貫通して配置される通気ダクト(外気ダクト、給気ダクト、排気ダクトなどの働きをする)6を介して供給又は排出するにあたり建物内部9に設けられた消音器8と接続される。
【0003】
このように機械室S内の空調機器3から発生し空気の流れと共に伝播する騒音は、建物内部に配置される消音器8により低減される。
また、前記チャンバ4に接続された通気ダクト6の消音器8までのダクト伝播による振動や騒音伝播を防止するため、または、前記通気ダクト6から外壁2に振動が伝達しないようにするため、チャンバ4から先の通気ダクト6と外壁2の接合部、及び消音器8までの通気ダクト6と外壁2の接合部に鉛シート10を巻着している。
【0004】
また、前記貫通部7から消音器8までのダクト6からの騒音を低減、防止するため、前記通気スリーブ(給気ダクト)6に保温と騒音防止を兼ねた保温材11(例えば、グラスウール、発砲ウレタン、ロックウール等)を配設している。
さらに、貫通部7からの雨や雪による浸水を防止するため、貫通部7に配設された通気スリーブ(給気ダクト)6の外周に防水テープ12等によりシール処理を施している。
【0005】
なお、前述のごとき貫通ダクトと関連する一般的技術水準を示すものとしては、例えば、特許文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】実用新案3053170号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記従来の技術は、前記貫通部7の遮音として、まず、前記貫通部7から消音器8までの通気ダクト6内の騒音を低減、防止するために前記通気ダクト6に保温と騒音防止を兼ねた保温材11を配設する作業を行い、そして、機械室からダクト内への室内騒音の吸音を防止するのに室内にある消音器までの吸音防止として、前記貫通部7の壁面2と通気ダクト6の接合部前後に鉛シート10を巻く作業を行い、最後に前記貫通部7からの止水防止のため前記通気スリーブ(給気ダクト)6への防水シール12をシール処理する作業を行うものであり、各作業は、それぞれ独立した作業のため、工程数が多く手間が掛っていた。
【0008】
また、遮音防止用の処理、止水防止用の処理、防振用の処理とが、それぞれ別工程となるため、重要な品質管理項目が多くなり、品質維持の管理に問題があった。
【0009】
本発明は、上記のような問題点を解消し、現場での工程数を少なくし、精度の高い遮音、止水を可能とする遮音止水システム及び遮音止水システムの施工方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは上記課題を下記の手段により解決した。
なお、以下、本発明を明確に理解するために、各構成に後述する実施例の参照符号を付してあるが、本発明はこの参照符号で特定される構成に限定されるものではない。
〈1〉スリーブ外板内側に防振・遮音材30aが装着され、スリーブ先端部に空気と共に音が伝播する通気ダクトと接続するための連結用フランジ21cが取り付けられた外壁2を貫通する遮音止水スリーブ21と、
外板内側に防振・遮音材30bが、外板外面に防振材22bが装着され、前端部に前記遮音止水スリーブ21と連結される開口と、後端部に後施工消音器23と接続するための連結用フランジ22cが取り付けられた室内壁ボード28を貫通する先行消音器22と、
外板内側に防振・遮音材30cが装着され、先端部には前記先行消音器22と接続するための連結用フランジ23cが、後端部には音の伝播が少ないことが必要な建屋内通風ダクトを接続する口が、各々取り付けられた後施工消音器23と
からなることを特徴とする遮音止水システム。
【0011】
〈2〉前記遮音止水スリーブ21は、
外壁2に外側から予めバックアップ材を詰めてから外側から充填する防水シール26と、
外壁2内面に対してスリーブ外板を所定の箇所で連結するアングル24と、
により、外壁2に対する外壁外側からの防水、防振、及び遮音を図って外壁2に固定されている
ことを特徴とする前記〈1〉に記載の遮音止水システム。
〈3〉前記先行消音器22は、
外板外面に装着する前記防振材22bに、圧縮グラスウールを用いて、前記室内壁ボード28との振動及び音の透過の伝播を防止する
ことを特徴とする前記〈1〉又は〈2〉に記載の遮音止水システム。
〈4〉前記遮音止水スリーブ21のスリーブ先端部に接続される通気ダクトを流れる空気は、外気調和後の取り入れ外気である
ことを特徴とする前記〈1〉~〈3〉のいずれか1に記載の遮音止水システム。
〈5〉前記遮音止水スリーブ21のスリーブ先端部に接続される通気ダクトを流れる空気は、建屋の外へ排出される排気である
ことを特徴とする前記〈1〉~〈3〉のいずれか1に遮音止水システム。
【0012】
〈6〉以下の工程を順に行って前記(1)~(5)に記載の遮音止水システムを形成する施工方法であって、
(a)遮音止水スリーブ(21)と先行消音器(22)とを、前記遮音止水スリーブ(21)の後端部開口と前記先行消音器(22)の前端部開口とを密着させて結合する工程と、
(b)前記先行消音器(22)が結合された遮音止水スリーブ(21)を外壁(2)に設けられた貫通部(7)に挿入し、アングル(24)で前記外壁(2)の壁面(2b)内面に固定する工程と、
(c)前記先行消音器(22)に吊り金具(25)を取付け、前記吊り金具(25)を上部の躯体天井(29)に固定する工程と、
(d)前記遮音止水スリーブ(21)の外壁(2)外面から、貫通部(7)とスリーブ外板との隙間にバックアップ材を詰めた後、シール材(26)を外壁(2)外面から充填する工程と、
(e)建物の室内側から、前記先行消音器(22)を避けた形で枠どるように横縦材で補強して設けられる軽量スタッド(27)を立設して壁ボード下地とし、その後軽量スタッド(27)にビス止めして室内の壁ボード(28)を取付ける工程と、
(f)前記先行消音器(22)の後端部の連結用フランジ(22c)に、後施工消音器(23)の連結用フランジ(23c)を取付ける工程と、
(g)前記遮音止水スリーブ(21)の連結用フランジ(21c)に前記通気ダクトを、前記後施工消音器(23)の後端部に前記建屋内通風ダクトとを取付ける工程と、
からなることを特徴とする遮音止水システムの施工方法。
【発明の効果】
【0013】
本発明の遮音止水システム及び遮音止水システムの施工方法によれば、遮音、止水、防振を一つの構成にしたので、工程数の低減及び現場での品質管理項目の低減ができる。
また、防水シートには適度な弾力性があるため、防振効果の確保ができ、さらに狭い空間での機械室内の作業を少なくすることができ、安全な施工体制を構築することができる。
壁ボードを建てる前に消音器までの吸音や遮音についての措置が設置完了となっているので、その後に室内ボードの下地を建築工事で行うことができ、設備工事との調整が少なくなって施工原価も減少できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の遮音止水システムの構成を示す概略図
図2】本発明の遮音止水システムの取付状態を表す取付工程図
図3】本発明の遮音止水システムの取付状態を表す取付工程図
図4】従来の遮音止水システムの概略図
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1に基づいて本発明の遮音止水システムを説明する。
図1は本発明の遮音止水システムの構成を表す概略図である。
同図に示す遮音止水システムは、外壁2に設けられた貫通部7を貫通して遮音止水スリーブ21が設置され、前記遮音止水スリーブ21に先行消音器22が接続され、前記先行消音器22に後施工消音器23が接続されて構成されている。
前記遮音止水スリーブ21のスリーブ外板内側には、防振と遮音のために防振・遮音材(例えば、ロックウールボード)30aが装着され、先端部には別途設備工事で機械室側に設置されたチャンバ4に接続された通気ダクト6を接続するための連結用フランジ21cが設けられている。防振・遮音材30aには、例えば160kg/m2の密度としたロックウールボードを用いると、性能的に望ましいものとなる。
【0016】
前記先行消音器22の外板内側には、防振・遮音材30bが装着され、外面の少なくとも内壁ボードが接する可能性のある奥行までには防振材(例えば、圧縮グラスボード)22bが装着されている。防振材22bには、例えば25mm厚みの圧縮グラスウール板を用いるのが望ましい。防振材22bに用いられる圧縮グラスウール板は、通常のグラスウールのみかけの密度は24kg/m3程度であるところ、64kg/m3、80kg/m2、96kg/m3まで圧縮して高密度なグラスウールボードとしたものである。
前記先行消音器22は、例えばスプリッタ型の消音器で、防振・遮音材30bはパンチング板押さえの厚みのあるロックウールやグラスウールであり、消音器入り口では薄くても、漸増する厚みと形状とで消音するものである。
そして、前記先行消音器22の後端部には後施工消音器23を接続するための連結用フランジ22cが取り付けられている。
前記先行消音器22の前端部に前記遮音止水スリーブ21と連結される開口があり、前記遮音止水スリーブ21の後端部の開口と予め工場で内フランジ同士などで固着されているのが望ましい。
また、先行消音器22には、前記先行消音器22を支えるため、躯体天井29に設置されるインサートにねじ込まれて固定される全ねじ棒からなる吊り金具25が取り付けられる吊りピース25aが設置されている。
【0017】
後施工消音器23の外板内側にも、防振・遮音材30cが装着され、先端部には前記先行消音器22の連結用フランジ22cと接続するための連結用フランジ23cが設けられている。前記後施工消音器23も、例えばスプリッタ型の消音器で、防振・遮音材30cはパンチング板押さえの厚みのあるロックウールやグラスウールであり、消音器入り口では薄くても、漸増する厚みと形状とで消音するものである。図示しないが、前記後施工消音器23の後端部には、音の伝播が少ないことが必要な建屋内通風ダクトを接続する接続口が連結用フランジとして設けられている。
【0018】
本発明にかかる遮音止水システムの実施態様において、上記遮音止水スリーブ21、先行消音器22、後施工消音器23は、接続され一体として構成されることを大きな特徴とする。
なお、本実施態様において、前記遮音止水スリーブ21、前記先行消音器22、前記後施工消音器23は、四角筒状に構成されているが、長方形その他の多角筒状、略円筒状等、その機能を発揮できる形状であれば、特に限定されない。
【0019】
次に、図1図3に基づいて本発明の遮音止水システムの施工方法を説明する。
図2は、本発明の遮音止水システムの施工状態を表す施工工程図で事務所側から見た図、図3は本発明の遮音止水システムの施工状態を表す施工工程図で、機械室側から見た図である。
【0020】
図1図2に示すように、まず、遮音止水スリーブ21と先行消音器22とが結合された状態で、遮音止水スリーブ21を外壁2に設けられた貫通部7に挿入し、アングル24で外壁2の壁面2bに固定する。〔図2(A)〕。
【0021】
そして、前記先行消音器22に設置された吊りピース25aに吊り金具25を取付け、前記取付けられた吊り金具25を上部の躯体天井29の図示しないインサートにねじ込んで固定する〔図2(A)〕。
この状態で、外壁側機械室側から遮音止水スリーブ21の外板外周と外壁2に設けられた貫通部7の間の隙間に、防水シール26を配置する。
具体的には、隙間にゴム状のバックアップ材を詰め込んで、シール材を設置し、その後にバックアップ材と貫通部7の内周と、遮音止水スリーブ21の外周との3面に対してシールを打設して、防水シール26を完成する。このバックアップ材もシール材も撓み性が豊かで、防水の他に防振の性能も十分ある。
これにより、設備工事としては先行して開口の防水処理も、先行した消音や防振処理が貫通部7において完成している。
その後、建築工事側で建物内側に、内壁ボード壁の下地としての軽量スタッド27を取付けていく。〔図2(B)〕、軽量スタッド27を立設する場合には既に実管スリーブ的に先行消音器22が突出しているので、軽量スタッドで枠取ることで、壁ボード下地として見切るのもやりやすい。
その後、下地として立設した前記軽量スタッド27に壁ボード(例えば、石膏ボードの2枚張り及びその表面の塗装仕上げなど)28を貼る〔図2(C)〕。
壁ボードについて、前記先行消音器22との接合部には、先行消音器22の外周に防振材22bとして、圧縮グラスウールが巻かれており、壁ボード貫通部のダクト部分を形成する先行消音器22からの振動、談判する音が壁ボードに伝わることを防止する。
【0022】
そして、前記先行消音器22のフランジ22cと後施工消音器23のフランジ23cを接合して前記先行消音器22に後施工消音器23を後付けで取付ける。
【0023】
図3(A)は、前記遮音止水スリーブ21と先行消音器22とが結合された状態の遮音止水スリーブ21を外壁2に設けられた貫通部7に挿入した状態を機械室から見た図である。
この状態から挿入が終わり、防水シール26が打設された後の状態で、その後、外壁2の壁面2aを塗装した状態を同図(B)に示す。
【産業上の利用可能性】
【0024】
以上説明したように、本発明は、現場での遮音止水システムの施工工程数を減少することができ、店舗や事務所などが入居する建物など、音や振動が伝播するダクトを外壁貫通して、その内部に内壁ボードを設置し、内部で音や振動が伝播することを防止すべき建物に広く使用することができる。
【符号の説明】
【0025】
1 機械室の外壁
2 建物の外壁
2b 壁面
3 空調機器
4 チャンバ
5 ダクト
6 通気ダクト
7 貫通部
8 消音器
9 建物内部
10 鉛シート
11 保温材
12 防水テープ
21 遮音止水スリーブ
22 先行消音器
23 後施工消音器
24 アングル
25 吊り金具
25a 吊りピース
26 防水シール
27 軽量スタッド
28 壁ボード
29 躯体天井
30a、30b、30c 防振・遮音材
図1
図2
図3
図4