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特許7510758有機発光表示パネルおよびその作製方法、表示装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-26
(45)【発行日】2024-07-04
(54)【発明の名称】有機発光表示パネルおよびその作製方法、表示装置
(51)【国際特許分類】
   H05B 33/10 20060101AFI20240627BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20240627BHJP
   H05B 33/12 20060101ALI20240627BHJP
   H10K 50/10 20230101ALI20240627BHJP
   H10K 59/00 20230101ALI20240627BHJP
【FI】
H05B33/10
G09F9/30 365
H05B33/12 B
H05B33/14 A
H10K59/00
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019543982
(86)(22)【出願日】2018-11-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-07-08
(86)【国際出願番号】 CN2018115484
(87)【国際公開番号】W WO2019184387
(87)【国際公開日】2019-10-03
【審査請求日】2021-11-08
【審判番号】
【審判請求日】2023-04-06
(31)【優先権主張番号】201810262225.2
(32)【優先日】2018-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ツイ イン
(72)【発明者】
【氏名】ホウ ウェンジュン
【合議体】
【審判長】里村 利光
【審判官】井口 猶二
【審判官】廣田 健介
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/166647(WO,A1)
【文献】特開2014-116287(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 33/00-33/28
H01L 27/32
H01L 51/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機発光表示パネルの作製方法であって、
複数のアレイ状に配列されるサブ画素が設けられるひとつの基板を提供するステップと、順に異なる色の前記サブ画素の開口領域に発光層を形成するステップと、を含み、
異なる色の前記サブ画素の開口領域の面積は完全に同一ではなく、最も大きい面積のサブ画素以外の少なくとも1つのサブ画素は第1のサブ画素であり、前記第1のサブ画素以外の他のサブ画素は第2のサブ画素であり、
前記第1のサブ画素に対して前記発光層を形成する場合、
前記発光層が形成されない最も大きい面積の前記第2のサブ画素に発光材料を溶解するために用いられる溶媒を印刷し、最も大きい面積の前記第2のサブ画素以外の他のサブ画素に発光材料を溶解するために用いられる溶媒を印刷せず、
前記第1のサブ画素に前記溶媒と前記第1のサブ画素に対応する前記発光材料を含有するインクを印刷する有機発光表示パネルの作製方法。
【請求項2】
前記第1のサブ画素が最も小さい面積のサブ画素のみを含む場合に、前記第1のサブ画素に対して前記発光層を形成する場合、
最も小さい面積の前記サブ画素に前記インクを印刷する請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のサブ画素が最も大きい面積のサブ画素以外の全てのサブ画素を含む場合に、前記第1のサブ画素に対して前記発光層を形成するとき、
順に異なる色の前記第1のサブ画素に、各前記第1のサブ画素に対応する前記インクを印刷する請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1のサブ画素が最も大きい面積のサブ画素以外の全てのサブ画素を含む場合に、前記第1のサブ画素に対して前記発光層を形成するとき、
いずれかの色の前記第1のサブ画素に、前記第1のサブ画素に対応する前記インクを印刷する請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のサブ画素に前記溶媒と前記第1のサブ画素に対応する前記発光材料を含有するインクを印刷した後、前記インクが印刷される前記基板に対して、乾燥成膜処理を行うステップをさらに含む請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記乾燥成膜処理した後、前記インクが印刷されない前記サブ画素に、前記サブ画素に対応する前記インクを印刷するステップを含む請求項5に記載の方法。
【請求項7】
複数の前記サブ画素は、赤色サブ画素と、緑色サブ画素と、青色サブ画素とを含み、前記青色サブ画素の開口面積は、それぞれ前記赤色サブ画素の開口面積と緑色サブ画素の開口面積より大きい、請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記赤色サブ画素に印刷される前記インク、および前記緑色サブ画素に印刷される前記インクには、同一の溶媒が含有され、前記青色サブ画素の開口領域に前記同一の溶媒を印刷する請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記同一の溶媒は、前記赤色サブ画素における前記インクおよび前記緑色サブ画素における前記インクの主溶媒である請求項8に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本開示は2018年3月28日に中国特許局を提出することを請求し、出願番号は201810262225.2で、発明名称は「有機発光表示パネルおよびその作製方法、表示装置」の中国特許出願の優先権を主張し、本開示においてその全体の内容が参考として援用される。
【0002】
本開示は、表示技術分野に関し、特に、有機発光表示パネルおよびその作製方法、表示装置に関する。
【背景技術】
【0003】
インクジェット印刷技術は、操作しやすく、コストが低く、プロセスがシンプルで、サイズが大きく、実現しやすいなどの利点を有し、インクジェット印刷を利用して有機エレクトロルミネッセンス表示装置を製造する技術が広く応用される。しかし、溶媒の揮発速度が速いため、成膜ムラという問題を招いてしまう。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の実施例に係る有機発光表示パネルの作製方法は、複数のアレイ状に配列されるサブ画素が設けられるひとつの基板を提供するステップと、順に異なる色の前記サブ画素の開口領域に発光層を形成するステップと、を含み、異なる色の前記サブ画素の開口領域の面積は完全に同一ではなく、最も大きい面積サブ画素以外の少なくとも1つのサブ画素は第1のサブ画素であり、前記第1のサブ画素以外の他のサブ画素は第2のサブ画素である。
【0005】
前記第1のサブ画素に対して前記発光層を形成することは、具体的には、前記発光層が形成されない少なくとも1つの前記第2のサブ画素に発光材料を溶解するために用いられる溶媒を印刷するステップと、前記第1のサブ画素に前記溶媒と前記第1のサブ画素に対応する前記発光材料を含有するインクを印刷するステップとを含む。
【0006】
あるいは、本開示の実施例に係る有機発光表示パネルの作製方法において、前記第1のサブ画素が最も小さい面積のサブ画素のみを含む場合に、前記第1のサブ画素に対して前記発光層を形成することは、具体的には、最も小さい面積の前記サブ画素以外の少なくとも1つの前記発光層が形成されないサブ画素に前記溶媒を印刷するステップと、最も小さい面積の前記サブ画素に前記インクを印刷するステップとを含む。
【0007】
あるいは、本開示の実施例に係る有機発光表示パネルの作製方法において、最も小さい面積の前記サブ画素以外の少なくとも1つの前記発光層が形成されないサブ画素に前記溶媒を印刷することは、具体的には、最も大きい面積の前記サブ画素に前記発光層が形成されない場合に、最も大きい面積の前記サブ画素に前記溶媒を印刷するステップを含む。
【0008】
あるいは、本開示の実施例に係る有機発光表示パネルの作製方法において、最も小さい面積の前記サブ画素以外の少なくとも1つの前記発光層が形成されないサブ画素に前記溶媒を印刷することは、具体的には、前記第2のサブ画素にいずれも前記発光層が形成されない場合に、前記第2のサブ画素にいずれも前記溶媒を印刷するステップを含む。
【0009】
あるいは、本開示の実施例に係る有機発光表示パネルの作製方法において、前記第1のサブ画素が最も大きい面積のサブ画素以外の全てのサブ画素を含む場合に、前記第1のサブ画素に対して前記発光層を形成することは、具体的には、最も大きい面積の前記サブ画素に前記溶媒を印刷するステップと、順に異なる色の前記第1のサブ画素に、各前記第1のサブ画素に対応する前記インクを印刷するステップとを含む。
【0010】
あるいは、本開示の実施例に係る有機発光表示パネルの作製方法において、前記第1のサブ画素が最も大きい面積のサブ画素以外の全てのサブ画素を含む場合に、前記第1のサブ画素に対して前記発光層を形成することは、具体的には、最も大きい面積の前記サブ画素に前記溶媒を印刷するステップと、いずれかの色の前記第1のサブ画素に、前記第1のサブ画素に対応する前記インクを印刷するステップとを含む。
【0011】
あるいは、本開示の実施例に係る有機発光表示パネルの作製方法において、前記第1のサブ画素に前記溶媒と前記第1のサブ画素に対応する前記発光材料を含有するインクを印刷した後、前記インクが印刷される前記基板に対して、乾燥成膜処理を行うステップをさらに含む。
【0012】
あるいは、本開示の実施例に係る有機発光表示パネルの作製方法において、前記乾燥成膜処理した後、前記インクが印刷されない前記サブ画素に、前記サブ画素に対応する前記インク印刷するステップを含む。
【0013】
あるいは、本開示の実施例に係る有機発光表示パネルの作製方法において、複数の前記サブ画素は、赤色サブ画素と、緑色サブ画素と、および青色サブ画素とを含み、前記青色サブ画素の開口面積はそれぞれ前記赤色サブ画素の開口面積と緑色サブ画素の開口面積より大きい。
【0014】
あるいは、本開示の実施例に係る有機発光表示パネルの作製方法において、前記赤色サブ画素に印刷される前記インク、および前記緑色サブ画素に印刷される前記インクには、同一の溶媒が含有され、前記青色サブ画素の開口領域に前記同一の溶媒を印刷する。
【0015】
あるいは、本開示の実施例に係る有機発光表示パネルの作製方法において、前記同一の溶媒は、前記赤色サブ画素における前記インクおよび前記緑色サブ画素における前記インクの主溶媒である。
【0016】
本開示の実施例は、上記のいずれかの実施例に係る有機発光表示パネルの作製方法で作製される有機発光表示パネルをさらに提供する。
【0017】
本開示の実施例は、上記の実施例に係る有機発光表示パネルを備える表示装置をさらに提供する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本開示の実施例に係る有機発光表示パネルを作製する方法のフローチャート1である。
図2】本開示の実施例に係る有機発光表示パネルの発光層を作製する具体的な方法のフローチャートである。
図3】本開示の実施例に係る有機発光表示パネルを作製する構成概略図である。
図4】本開示の実施例に係る有機発光表示パネルを作製する方法のフローチャート2である。
図5】本開示の実施例に係る有機発光表示パネルを作製する方法のフローチャート3である。
図6】本開示の実施例に係る表示装置の構成概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
従来技術では、インクジェット印刷によって作製される有機発光表示パネルは、普遍的に、発光層の成膜均一性が悪いという問題がある。これは、発光材料を含有するインクの一部は、印刷中に、インクにおける溶媒の揮発速度が速いためである。従来の有機発光表示パネルは、その発光層は、一般的に赤色サブ画素領域と、緑色サブ画素領域と、および青色サブ画素領域とを含む。インクジェット印刷によって有機発光表示パネルを作製する場合に、一般的に、各サブ画素領域に、例えば、赤色光発光材料を含有するインク、緑色光発光材料を含有するインクおよび青色光発光材料を含有するインクに、対応する発光材料を含有するインクをそれぞれ印刷する。ここで、青色光発光材料の発光効率と寿命は、赤、緑色光発光材料に及ばなく、したがって、図3の(a)に示すように、有機発光表示パネルの全体の発光効率と寿命を向上させるために、一般的に、赤、緑色サブ画素領域の面積を僅かに小さくにするように設計し、青色サブ画素領域の面積を僅かに大きくにするように設計することにより、青色光発光材料の不足を補う。この場合に、インクジェット印刷法によって有機発光表示パネルを作製する場合に、赤、緑色サブ画素領域は比較的小さく、相対的に、印刷される赤、緑色発光材料を含有するインクの体積も比較的少ないため、インクにおける溶媒の揮発は比較的に速く、赤、緑色発光材料の成膜均一性に影響を与える。
【0020】
上記の問題について、本開示は、元のサブ画素領域の大きさを変えない前提で、赤、緑色発光材料を含有するインクの揮発速度を遅くすることができ、上記問題を大幅に解決できる有機発光表示パネルの作製方法を提案する。
【0021】
以下、本開示の実施例を詳細に説明するが、実施例の例は図面に示され、終始同一または類似の符号は、同一または類似の要素または同一または類似の機能を有する要素を示す。以下、図面を参照しながら説明した実施例は、例示的なものであり、本開示を説明するためのものであり、本開示を限定するものと理解されるべきではない。
【0022】
これに基づいて、本開示の実施例に係る有機発光表示パネルの作製方法は、図1に示すように、以下を含み、
【0023】
S101、ひとつの基板を提供し、前記基板に複数のアレイ状に配列されるサブ画素が設けられ、異なる色のサブ画素の開口領域の面積は完全に同一ではない。
【0024】
具体的には、本開示の実施例に係る有機発光表示パネルの作製方法において、基板の具体的なタイプは特に限定されず、当業者は実際の要求に応じて選択することができる。例えば、本開示の実施例によれば、基板はガラスであってもよい。本開示の実施例によれば、各サブ画素の開口領域は画素定義層によって限定され、ここで、画素定義層の具体的な形成される材料は特に限定されず、例えば、画素定義層の表面の少なくとも一部は疎水性材料により形成されるものであってもよい。本開示の実施例によれば、画素定義層の具体的な形成される方式は特に限定されず、例えば、画素定義層はアレイ状に分布した開口を含んでもよく、上記開口によって基板上に複数のサブ画素を形成し、サブ画素同士の混色を避けることができる。
【0025】
なお、本開示の実施例に係る有機発光表示パネルの作製方法において、異なる色のサブ画素の開口領域の面積は完全に同一ではない。前述したように、インクジェット印刷によって有機発光表示パネルを作製する場合に、一般的に、各サブ画素領域に、対応する発光材料をそれぞれ印刷し、各発光材料の発光効率と寿命は異なるため、複数のサブ画素領域の面積を完全に同一ではないようにすることができ、発光効率と寿命が長い発光材料に対応するサブ画素領域を僅かに小さくにするように設計してもよく、発光効率と寿命が短い発光材料に対応するサブ画素領域を僅かに大きくにするように設計してもよく、これにより、発光効率と寿命が短い発光材料の不足を補って、OLED全体の発光効率と寿命を向上させる。本開示の具体的な実施例によれば、図3の(a)を参照して、画素定義層200は基板(図示せず)上に複数のサブ画素領域を限定した、複数のサブ画素領域は、赤色サブ画素領域Rと、緑色サブ画素領域Gと、および青色サブ画素領域Bとを含んでもよく、ここで、青色サブ画素領域Bの面積は、赤色サブ画素領域R、緑色サブ画素領域Gの面積より大きい。本開示の具体的な実施例によれば、各サブ画素領域に、赤色光発光材料を含有するインク、緑色光発光材料を含有するインク、および青色光発光材料を含有するインクをそれぞれ印刷してもよく、ここで、青色光発光材料の発光効率と寿命は、赤、緑色光発光材料に及ばなく、したがって、有機発光表示パネルの全体の発光効率と寿命を向上させるために、一般的に、赤、緑色サブ画素領域の面積を僅かに小さくにするように設計し、青色サブ画素領域の面積を僅かに大きくにするように設計することにより、青色光発光材料の不足を補う。ここで、赤色サブ画素領域の面積は、緑色サブ画素領域の面積と同一でもよく、異なってもよい。
【0026】
S102、順に異なる色の前記サブ画素の開口領域に発光層を形成し、ここで、最も大きい面積サブ画素以外の少なくとも1つのサブ画素は第1のサブ画素であり、前記第1のサブ画素以外の他のサブ画素は第2のサブ画素である。
【0027】
具体的には、本開示の実施例に係る有機発光表示パネルの作製方法において、ステップS102は、具体的には、発光層が形成されない少なくとも1つの前記第2のサブ画素に発光材料を溶解するために用いられる溶媒を印刷するS201ステップと、第1のサブ画素に溶媒と第1のサブ画素に対応する前記発光材料を含有するインクを印刷するステップS202とを含む。
【0028】
具体的には、本開示の実施例に係る有機発光表示パネルの作製方法において、面積が大きいサブ画素の開口領域に、面積が小さいサブ画素に対応する溶媒を印刷することによって、面積が小さいサブ画素の発光層を形成する場合に、面積が大きいサブ画素に印刷される溶媒は、面積が小さいサブ画素に溶媒雰囲気を与えることができ、面積が小さいサブ画素を均一に成膜させることに寄与する。
【0029】
なお、表示パネルが三つの色のサブ画素を含む場合に、面積が大きいサブ画素は、最も大きい面積のサブ画素または/および2番目に大きい面積のサブ画素であってもよく、面積が小さいサブ画素は、最も小さい面積のサブ画素または/および2番目に小さい面積のサブ画素であってもよく、本サブ画素の発光層の成膜均一性に影響を与えないように、他のサブ画素に溶媒雰囲気を与えるサブ画素には、発光層が形成されないようにすべきである。
【0030】
あるいは、本開示の実施例に係る有機発光表示パネルの作製方法において、第1のサブ画素が最も小さい面積のサブ画素のみを含む場合に、第1のサブ画素に対して発光層を形成することは、具体的には、最も小さい面積のサブ画素以外の少なくとも1つの発光層が形成されないサブ画素に溶媒を印刷するステップと、最も小さい面積のサブ画素にインクを印刷するステップとを含む。
【0031】
具体的には、本開示の実施例に係る有機発光表示パネルの作製方法において、例えば、該有機発光表示パネルは、赤色サブ画素、緑色サブ画素と青色サブ画素である三つのサブ画素を含み、ここで、赤色サブ画素の面積はS1であり、緑色サブ画素の面積はS2であり、青色サブ画素の面積はS3であり、S1<S2<S3である。該第1のサブ画素は赤色サブ画素である場合に、これに対応する第2のサブ画素は緑色サブ画素または/および青色サブ画素であってもよく、具体的に実施する場合に、赤色サブ画素の溶媒の揮発速率を低減するように、緑色サブ画素または/および青色サブ画素に、赤色サブ画素に対応する溶媒を印刷してもよくし、赤色発光層を形成する場合に赤色サブ画素に溶媒雰囲気を与えることにより、赤色サブ画素の発光層を均一に成膜させる。
【0032】
例えば、図3の(B)に示すように、青色サブ画素領域Bに、赤、緑色光発光材料のインクを構成する溶媒10を予め印刷してもよい。これにより、該印刷された溶媒10は、後に赤、緑色発光材料を含むインキの揮発に溶媒雰囲気を与え、さらに、赤、緑色発光材料を含むインキの揮発速度を遅くし、赤、緑色サブ画素領域の成膜均一性を高めることができる。本開示のいくつかの実施例によれば、赤色サブ画素領域の面積が緑色サブ画素領域の面積より大きい場合に、青色サブ画素領域および赤色サブ画素領域に予め溶媒を印刷してもよく、これにより、該印刷された溶媒は、後に緑色光発光材料のインキの揮発に溶媒雰囲気を与え、緑色サブ画素領域の成膜均一性を高めることができる。同様に、緑色サブ画素領域の面積が赤色サブ画素領域の面積よりも大きい場合に、青色サブ画素領域および緑色サブ画素領域に予め溶媒を印刷してもよく、これにより、該印刷された溶媒は、後に赤色光発光材料のインキの揮発に溶媒雰囲気を与え、赤色サブ画素領域の成膜均一性を高める。
【0033】
なお、サブ画素領域の面積小さいほど小されば、溶媒の揮発はより速く、成膜均一性がより悪く、したがって、全体のOLEDデバイスにおいて、最も小さい面積のサブ画素領域の成膜均一性は往々最も悪く、OLED全体の表示品質への影響は最も大きい。本開示の別のいくつかの実施例によれば、最も小さい面積のサブ画素領域以外のサブ画素領域に溶媒を印刷してよく、これにより、できるだけ最も小さい面積のサブ画素領域のインクに好適な溶媒揮発雰囲気を与え、最も小さい面積のサブ画素領域の成膜均一性を高め、全体OLEDの表示品質を向上させる。本開示の実施例によれば、上記溶媒の具体的なタイプは特に限定されず、単一の溶媒であってもよく、混合溶媒であってもよく、当業者は具体的なニーズに応じて選択することができる。
【0034】
具体的には、本開示の実施例に係る有機発光表示パネルの作製方法において、画素定義層に基づいて発光層を形成するように、先に形成された基板上に発光材料を含有するインクを印刷する。本開示の実施例によれば、インクは、発光材料、および発光材料を溶解させる可能性がある溶媒を含む。後続の乾燥処理した後、インクにおける溶媒が揮発し、残りの発光材料は発光層を形成することができる。本開示の実施例によれば、発光材料、発光材料を溶解させる溶媒の具体的なタイプは特に限定されず、当業者は実際のニーズに応じて選択することができる。
【0035】
本開示の実施例によれば、赤色サブ画素領域に印刷されるインク(赤色光発光材料を含有するインク110)、緑色サブ画素領域に印刷されるインク(緑色光発光材料を含有するインク120)の具体的な成分は特に限定されず、当業者は実際のニーズに応じて選択することができる。
【0036】
あるいは、本開示の実施例に係る有機発光表示パネルの作製方法において、最も小さい面積のサブ画素以外の少なくとも1つの発光層が形成されないサブ画素に溶媒を印刷することは、具体的には、最も大きい面積のサブ画素に発光層が形成されない場合に、最も大きい面積のサブ画素に溶媒を印刷するステップを含む。
【0037】
具体的には、本開示の実施例に係る有機発光表示パネルの作製方法において、例えば、該有機発光表示パネルは、赤色サブ画素、緑色サブ画素と青色サブ画素である三つのサブ画素を含み、ここで、赤色サブ画素の面積はS1であり、緑色サブ画素の面積はS2であり、青色サブ画素の面積はS3であり、S1<S2<S3である。赤色サブ画素は第1のサブ画素であり、最も大きい面積の青色サブ画素に発光層が形成されない場合に、青色サブ画素の面積は最も大きく、赤色サブ画素に対応する発光層を形成する場合に十分な溶媒雰囲気を与えるため、最初の選択は、青色サブ画素に赤色サブ画素に対応する溶媒を印刷することであり、赤色サブ画素に溶媒雰囲気を与え、赤色サブ画素が形成する発光の成膜均一性を保証する。
【0038】
あるいは、本開示の実施例に係る有機発光表示パネルの作製方法において、最も小さい面積のサブ画素以外の少なくとも1つの発光層が形成されないサブ画素に溶媒を印刷し、具体的には、第2のサブ画素にいずれも発光層が形成されない場合に、第2のサブ画素にいずれも溶媒を印刷するステップを含む。
【0039】
具体的には、本開示の実施例に係る有機発光表示パネルの作製方法において、該有機発光表示パネルは、赤色サブ画素、緑色サブ画素と青色サブ画素である三つのサブ画素を含み、ここで、赤色サブ画素の面積はS1であり、緑色サブ画素の面積はS2であり、青色サブ画素の面積はS3であり、S1<S2<S3である。緑色サブ画素と青色サブ画素にいずれも対応する発光層が形成されない場合に、赤色サブ画素に対応する発光層を形成する場合に十分な溶媒雰囲気を与えるように、緑色サブ画素と青色サブ画素にいずれも赤色サブ画素に対応する溶媒を印刷してもよい。
【0040】
あるいは、本開示の実施例に係る有機発光表示パネルの作製方法において、第1のサブ画素が最も大きい面積のサブ画素以外の全てのサブ画素を含む場合に、第1のサブ画素に対して発光層を形成することは、具体的には、最も大きい面積のサブ画素に溶媒を印刷するステップと、順に異なる色の第1のサブ画素に各第1のサブ画素に対応するインクを印刷するステップとを含む。
【0041】
具体的には、本開示の実施例に係る有機発光表示パネルの作製方法において、例えば、該有機発光表示パネルは、赤色サブ画素、緑色サブ画素と青色サブ画素である三つのサブ画素を含み、ここで、赤色サブ画素の面積はS1であり、緑色サブ画素の面積はS2であり、青色サブ画素の面積はS3であり、S1<S2<S3である。第1のサブ画素は赤色サブ画素と緑色サブ画素を含む場合に、第2のサブ画素は青色サブ画素であり、赤色発光層を形成する場合に、青色サブ画素には、赤色サブ画素に対応する溶媒を印刷し、緑色サブ画素の発光層を形成する場合に、青色サブ画素には、緑色サブ画素に対応する溶媒を印刷し、ここで、異なる色のサブ画素領域は、それぞれサブ画素領域に対応するインクを印刷するものである。
【0042】
無論、図3の(c)に示すように、サブ画素領域の面積が最も大きいとなるのは青色サブ画素領域Bであり、赤色サブ画素領域Rは緑色サブ画素領域Gに等しくてもよく、青色サブ画素領域Bには、赤色サブ画素領域Rと緑色サブ画素領域Gに対応する溶媒を印刷した後、赤色サブ画素領域Rには、対応する発光材料と溶媒を含有するインク110を印刷し、そして、緑色サブ画素領域Gには、対応する発光材料と溶媒を含有するインク120を印刷し、したがって、赤色光発光材料を含有するインク110および緑色光発光材料を含有するインク120は、印刷開始から予め提供された溶媒雰囲気にあるので、その揮発速度が遅く、成膜均一性がよい。無論、赤色サブ画素領域Rと緑色サブ画素領域Gとの印刷順序は取り交わしてもよく、ここで具体的に限定しない。
【0043】
あるいは、本開示の実施例に係る有機発光表示パネルの作製方法において、第1のサブ画素が最も大きい面積のサブ画素以外の全てのサブ画素を含む場合に、第1のサブ画素に対して発光層を形成することは、具体的には、最も大きい面積のサブ画素に溶媒を印刷するステップと、いずれかの色の第1のサブ画素に、第1のサブ画素に対応するインクを印刷するステップとを含む。
【0044】
具体的には、本開示の実施例に係る有機発光表示パネルの作製方法において、該有機発光表示パネルは、赤色サブ画素、緑色サブ画素と青色サブ画素である三つのサブ画素を含み、ここで、赤色サブ画素の面積はS1であり、緑色サブ画素の面積はS2であり、青色サブ画素の面積はS3であり、S1<S2<S3である。第1のサブ画素は赤色サブ画素と緑色サブ画素を含む場合に、第2のサブ画素は青色サブ画素であり、青色サブ画素に、赤色サブ画素と緑色サブ画素インクにおける共有の主溶媒を印刷でき、同時に赤色サブ画素と青色サブ画素に溶媒雰囲気を与え、したがって、赤色サブ画素または青色サブ画素のいずれかの色に、対応するインクを印刷でき、いずれも対応する色のサブ画素の発光層の成膜均一性を高める。
【0045】
あるいは、本開示の実施例に係る有機発光表示パネルの作製方法において、第1のサブ画素に溶媒と第1のサブ画素に対応する発光材料を含有するインクを印刷した後、インクが印刷される基板に対して、乾燥成膜処理を行うステップをさらに含む。
【0046】
具体的には、本開示の実施例に係る有機発光表示パネルの作製方法において、先の溶媒とインクが印刷される基板に対して乾燥成膜処理を行う。本開示の実施例によれば、乾燥成膜処理により、比較的均一な発光層を得ることができ、そして、面積が大きいサブ画素領域に予め印刷された溶媒が完全に揮発でき、後に面積が大きいサブ画素領域に、対応する発光材料を印刷しやすくになる。本開示の具体的な実施例によれば、上記の発光層インクの溶媒10、赤色光発光材料を含有するインク110および緑色光発光材料を含有するインク120が印刷された基板に対して乾燥成膜処理を行うことにより、成膜が均一な赤色光発光層および緑色光発光層を得ることができる。そして、図3(d)に示すように、該乾燥成膜処理により、青色サブ画素領域に予め印刷された溶媒が完全に揮発し、後に青色サブ画素領域に、対応する発光材料を印刷しやすくなる。面積が小さいサブ画素領域(先に示した赤色サブ画素領域および緑色サブ画素領域)にインクの揮発が速く、成膜ムラの欠陥が目立つため、まず、面積が小さいサブ画素領域における発光層の製造を行い、すなわち、面積が小さいサブ画素領域における発光材料の印刷および乾燥のステップは、面積が大きいサブ画素領域における発光材料を印刷するステップの前に設置され、面積が小さいサブ画素領域における発光層の平坦度をより高めるのに寄与する。
【0047】
あるいは、本開示の実施例に係る有機発光表示パネルの作製方法において、乾燥成膜処理した後、インクが印刷されないサブ画素に、サブ画素に対応するインク印刷するステップを含む。
【0048】
具体的には、在本開示の実施例に係る有機エレクトロルミネッセンス表示パネルにおいて、インクが印刷されないサブ画素に、サブ画素に対応するインク印刷することは、具体的には、青色サブ画素領域の面積が最も大きく、緑色サブ画素領域の面積がこれに次ぎ、赤色サブ画素領域の面積が最も小さいと、青色サブ画素領域と緑色サブ画素領域に、赤色サブ画素に対応する溶媒を印刷し、赤色サブ画素領域のみにインクを印刷し、乾燥成膜処理を行った後、青色サブ画素領域と緑色サブ画素領域に、それぞれ対応するインクを印刷する。図3(e)に示すように、サブ画素領域面積が最大となるのは青色サブ画素領域Bであり、赤色サブ画素領域Rは緑色サブ画素領域Gに等しいと、青色サブ画素領域Bのみに溶媒を印刷し、緑色サブ画素領域Gと赤色サブ画素領域Rに、対応するインクを印刷し、乾燥成膜処理を行った後、後の処理により、青色光発光層を形成するように、青色サブ画素領域Bに青色光発光材料を含有するインク130を印刷し、さらに、OLEDの発光層を形成する。なお、青色サブ画素領域Bの面積自体が比較的大きいので、青色サブ画素領域Bに印刷される青色発光材料を含有するインク130自体の印刷体積が大きく、したがって、青色発光材料を含有するインク130自体の印刷体積が比較的多く、溶媒の揮発速度が遅く、したがって、溶媒雰囲気を予め設ける必要がなく、好適な成膜均一性を得られる。本開示の一実施例によれば、図4を参照して、面積が大きいサブ画素領域に溶媒を印刷する前に、以下のステップをさらに含んでもよい。
【0049】
あるいは、本開示の実施例に係る有機発光表示パネルの作製方法において、複数のサブ画素は、赤色サブ画素と、緑色サブ画素と、および青色サブ画素とを含み、青色サブ画素の開口面積はそれぞれ赤色サブ画素の開口面積と緑色サブ画素の開口面積より大きい。
【0050】
具体的には、本開示の実施例に係る有機エレクトロルミネッセンス発光表示パネルにおいて、青色サブ画素に対応する発光材料の発光効率と寿命は、いずれも赤色サブ画素と緑色サブ画素に対応する発光材料の発光効率と寿命に及ばなく、したがって、表示パネルにおける各色のサブ画素の発光と寿命を比較的均一に確保するために、青色サブ画素の面積を赤色サブ画素と緑色サブ画素の面積より大きくにして作製される必要があり、表示品質を向上させる。
【0051】
あるいは、本開示の実施例に係る有機発光表示パネルの作製方法において、赤色サブ画素に印刷されるインクおよび緑色サブ画素に印刷されるインクには、同一の溶媒が含有され、青色サブ画素の開口領域に同一の溶媒を印刷する。
【0052】
あるいは、本開示の実施例に係る有機発光表示パネルの作製方法において、同一の溶媒は赤色サブ画素におけるインクの主溶媒、および緑色サブ画素におけるインクの主溶媒である。
【0053】
具体的には、本開示の実施例に係る有機発光表示パネルの作製方法において、具体的には、赤、緑色サブ画素領域に印刷されるインクの乾燥雰囲気をさらに一致し、発光層のインクを製造するコストを低減するために、赤、緑色のサブ画素領域に印刷されるインクに用いられる溶媒を同一にしてもよい。赤色発光材料を含有するインク110、および緑色光発光材料を含有するインク120に用いられる溶媒は、単一の溶媒であってもよく、混合溶媒であってもよい。なお、ここでの「溶媒が同一」とは、広義に理解されるべきであり、すなわち、上記2種類のインクがいずれも単一の溶媒で構成される場合に、両者の溶媒は全て同一であってもよい。両者の一方が単一の溶媒で構成され、他方が混合溶媒で構成される場合、両者の溶媒は部分的に同一であってもよく、例えば、混合溶媒の中で含有量が最も多い溶媒は、他の1種類の色の印刷インクを構成する単一の溶媒と同じであってもよい。本開示の具体的な実施例によれば、上記2種類のインクがいずれも混合溶媒で構成される場合に、赤色発光材料を含有するインク110、緑色発光材料を含有するインク120に含まれる溶媒における主溶媒は同一であってもよい。なお、用語「主溶媒」とは、混合溶媒の中で最も含有量が多い成分である。これにより、溶媒を一回印刷するだけで、赤、緑色発光材料に溶媒揮発雰囲気を与えることができ、操作が簡便である。
【0054】
当業者は、上記面積が小さい発光層の数(先に示した赤色および緑色の2種類)および具体的な色は、いずれも特に限定されず、上記の実施例は本開示を説明するだけで、本開示を限定するものであると理解されるべきではない。
【0055】
上記サブ画素に対応する発光層を製造する以外、本開示の実施例に係る有機発光表示パネルの作製方法はさらに以下を含み、
S401、基板上にITO陽極層を形成する。
該ステップで、先の基板上にITO陽極層を形成する。本開示の実施例によれば、ITO陽極層の厚さおよび製造方法は特に限定されない。当業者は、実際のニーズに応じて選択することができる。
【0056】
S402、正孔注入層を形成する。
該ステップで、ITO陽極層の基板から遠い側に正孔注入層を形成する。本開示の実施例によれば、正孔注入層の具体的な材料および作製方法は特に限定されない。具体的には、正孔注入層を形成するように、ITO陽極層の基板から遠い側に正孔注入層材料を印刷した後、乾燥成膜、ベーク等の操作を行ってもよい。
【0057】
S403、正孔輸送層を形成する。
該ステップで、正孔輸送層を形成する。本開示の実施例によれば、正孔輸送層の具体的な材料および作製方法は特に限定されない。具体的には、正孔輸送層を形成するように、上記正孔注入層のITO陽極層から遠い側に正孔輸送層材料を印刷した後、乾燥成膜、ベーク等の操作を行ってもよい。
【0058】
本開示の実施例によれば、図5を参照して、発光層を形成した後、以下のステップをさらに含んでもよい。
S501、電子輸送層を形成する。
該ステップで、発光層の正孔輸送層から遠い側に電子輸送層を形成する。本開示の実施例によれば、電子輸送層の具体的な材料および作製方法は特に限定されない。具体的には、上記発光層の正孔輸送層から遠い側に、蒸着法により電子輸送層を形成してもよい。
【0059】
S502、電子注入層を形成する。
該ステップで、電子輸送層の発光層から遠い側に電子注入層を形成する。本開示の実施例によれば、電子注入層の具体的な材料および作製方法は特に限定されない。具体的には、前記電子輸送層の発光層から遠い側に、蒸着法により電子注入層を形成してもよい。
【0060】
S503、金属陰極を形成する。
該ステップで、電子注入層の電子輸送層から遠い側に金属陰極を形成する。本開示の実施例によれば、金属陰極の具体的な材料および作製方法は特に限定されない。具体的には、上記電子注入層の電子輸送層から遠い側に、蒸着法により金属陰極を形成してもよい。
【0061】
本開示の実施例によれば、上記金属陰極を形成するステップの後に、有機発光表示パネルを形成するように、封止ステップをさらに含む。
【0062】
本開示の別の局面において、本開示は、有機発光表示パネルを提案する。本開示の実施例によれば、該有機発光表示パネルは、上記方法により作製されたものであってもよい。これにより、該有機発光表示パネルは、上記有機発光表示パネルを製造する方法により製造された有機発光表示パネルが有する特徴および利点の全てを有しており、ここで詳細な説明を省略する。
【0063】
本開示の別の局面において、本開示は、表示装置を提案する。本開示の実施例によれば、図6を参照して、該表示装置1000は、上記有機発光表示パネルを備えてもよい。これにより、当該表示装置は、上記有機発光表示パネルが有する全ての特徴および利点を有しており、ここで詳細な説明を省略する。
【0064】
具体的には、本開示の実施例は、有機発光表示パネルおよびその作製方法、表示装置を提供し、具体的には、本開示は、有機発光表示パネルを作製する方法を提案し、複数のアレイ状に配列されるサブ画素が設けられる基板を提供するステップと、順に異なる色の前記サブ画素の開口領域に発光層を形成するステップと、を含み、異なる色の前記サブ画素の開口領域の面積は完全に同一ではなく、最も大きい面積サブ画素以外の少なくとも1つのサブ画素は第1のサブ画素であり、前記第1のサブ画素以外の他のサブ画素は第2のサブ画素である。前記第1のサブ画素に対して前記発光層を形成することは、具体的には、前記発光層が形成されない少なくとも1つの前記第2のサブ画素に発光材料を溶解するために用いられる溶媒を印刷するステップと、前記第1のサブ画素に前記溶媒と前記第1のサブ画素に対応する前記発光材料を含有するインクとを印刷するステップとを含む。
【0065】
該方法によって、他の面積が小さいサブ画素領域のインク印刷時のインク揮発速度を遅くすることができ、他の面積が小さいサブ画素領域の成膜均一性を高め、さらに、OLED表示品質を向上させる。
【0066】
なお、本開示の記載において、用語「上」、「下」等で示される方位または位置関係は、図面に示される方位または位置関係に基づくものであり、本開示を便宜に説明するだけで、本開示は特定の方位構成および操作を必要とするものではないため、本開示を限定するものではない。
【0067】
本明細書の記載において、参照用語「一実施例」、「別の実施例」等の説明は、該実施例を結合して説明された具体的な特徴、構成、材料または特性を本開示の少なくとも一つの実施例に含むことを意味する。また、本明細書において、上記用語の例示の表現は、必ずしも同一の実施例または例に限定されるものではない。また、説明された具体的な特徴、構成、材料または特性はいずれか一つまたは複数の実施例または例において適切な方式で結合することができる。また、相互に矛盾しない限り、当業者であれば、本明細書に説明された異なる実施例または例および異なる実施例または例示的な特徴を結合して組み合わせることができる。
【0068】
以上、本開示の実施例を説明したが、なお、上記実施例は例示であり、本開示の限定に理解されるべきではなく、当業者は本開示の範囲内で上記実施例に対して変更、修正、置換および変形を行うことができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6