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特許7510762液体または半液体食品を製造するための機械
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-26
(45)【発行日】2024-07-04
(54)【発明の名称】液体または半液体食品を製造するための機械
(51)【国際特許分類】
   A23G 9/22 20060101AFI20240627BHJP
   A23G 9/20 20060101ALI20240627BHJP
   A23G 9/16 20060101ALI20240627BHJP
【FI】
A23G9/22
A23G9/20
A23G9/16
【請求項の数】 11
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020009993
(22)【出願日】2020-01-24
(65)【公開番号】P2020130175
(43)【公開日】2020-08-31
【審査請求日】2023-01-12
(31)【優先権主張番号】102019000002111
(32)【優先日】2019-02-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】518089540
【氏名又は名称】エイエルアイ グループ ソチエタ ア レスポンサビリタ リミタータ カルピジャーニ
【氏名又は名称原語表記】ALI GROUP S.r.l.CARPIGIANI
【住所又は居所原語表記】Via Gobetti 2/A,20063 CERNUSCO SUL NAVIGLIO (MILANO),Italy
(74)【代理人】
【識別番号】100159905
【弁理士】
【氏名又は名称】宮垣 丈晴
(74)【代理人】
【識別番号】100142882
【弁理士】
【氏名又は名称】合路 裕介
(74)【代理人】
【識別番号】100158610
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 新吾
(74)【代理人】
【識別番号】100132698
【弁理士】
【氏名又は名称】川分 康博
(72)【発明者】
【氏名】アンドレア コッキ
(72)【発明者】
【氏名】ロベルト ラッザリーニ
【審査官】関根 崇
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第05349825(US,A)
【文献】実開昭59-079580(JP,U)
【文献】実開平03-001290(JP,U)
【文献】特開平10-327760(JP,A)
【文献】特開2016-123260(JP,A)
【文献】特開2014-051290(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/249637(US,A1)
【文献】特開2007-170370(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23G 9/
A23L 2/
F04B 43/00~47/14
F04C 2/356~9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体または半液体食品を製造するための機械(1)であって、
前記液体または半液体食品を製造するために使用される基本材料の混合物を収容するように構成されたコンテナ(9)と、
完成した液体または半液体製品を得るために前記コンテナ(9)からの前記混合物を処理するためのヴェッセル(2)と、
前記ヴェッセル(2)の内部に取り付けられ且つ駆動手段(4)によって駆動される、前記液体または半液体の基本材料で構成される前記混合物を撹拌する撹拌装置(3)と、
前記ヴェッセル(2)内の前記混合物を冷却するために前記ヴェッセル(2)に関連付けられた少なくとも1つの熱交換器(6)を含む冷凍システム(5)と、
前記コンテナ(9)を前記ヴェッセル(2)に接続するダクト(15)と、
前記ダクト(15)内の前記混合物を移動するように構成された流体移動手段(8)と、
前記駆動手段(4)の動作および前記流体移動手段(8)の動作を制御するように適合された少なくとも1つの制御ユニット(10)であって、前記流体移動手段(8)が前記ダクト(15)の可撓性部分(12)に位置し且つ回転装置(13)と前記回転装置(13)に対向する対向要素(14)とを備え、前記可撓性部分(12)が前記回転装置(13)と前記対向要素(14)との間に配置されることによって前記回転装置(13)および前記対向要素(14)が前記可撓性部分(12)に対して作用する、少なくとも1つの制御ユニット(10)とを備え、前記機械(1)は、前記対向要素(14)が前記回転装置(13)に押し付けられる圧力を調整するための調整システム(19)であって、前記可撓性部分(12)、したがってその中に含まれる前記混合物に所定の圧力を維持する環境を提供する調整システム(19)を備え
前記調整システム(19)はねじ調整システム(22)であり且つ前記対向要素(14)が前記回転装置(13)に対して押し付けられる圧力を調整するためのばね(23)を備え、前記ばね(23)の弾性反力が、前記可撓性部分(12)、したがってその中に含まれる前記混合物に所定の圧力を維持する環境を提供し、第1の方向(A)に前記対向要素(14)を移動するように前記ねじ調整システム(22)に作用することにより、前記可撓性部分(12)への圧力が増大し、第2の方向(D)に前記対向要素(14)を移動するように前記ねじ調整システム(22)に作用することにより、前記可撓性部分(12)への圧力が低下する、機械(1)。
【請求項2】
前記調整システム(19)は、前記対向要素(14)に固定または一体化された可動要素(30)と、前記対向要素(14)の位置を調整するために前記可動要素(30)を移動させるための移動手段(31)とを備える、請求項1に記載の機械。
【請求項3】
前記移動手段(31)が、前記可動要素(30)を案内するためのガイド手段(32)と、前記可動要素(30)に作用してそれに運動を与えるアクチュエータ(33)とを含む、請求項2に記載の機械。
【請求項4】
前記アクチュエータ(33)が電気機械式アクチュエータである、請求項3に記載の機械。
【請求項5】
前記回転装置(13)がディスクまたは一対の並置されたディスク(20、21)を含み、前記ディスクまたは前記一対のディスク(20、21)の回転中に、前記少なくとも1つのスラスト要素(18)が前記ダクト(15)の前記可撓性部分(12)に沿ってスライドし、それにより、前記ディスクまたは前記一対のディスク(20、21)の回転方向と一致する方向に前記ダクト内の前記混合物を押すような位置に、前記少なくとも1つのスラスト要素(18)は前記ディスクまたは前記一対のディスク(20)の円周に沿って配置されている、請求項1からのいずれか1項記載の機械。
【請求項6】
少なくとも2つの並置されたディスク(20、21)を備え、前記スラスト要素(18)が、前記2つのディスク(20、21)の間の円周に沿って回転可能に支持されたローラまたは一連のローラを備える、請求項に記載の機械。
【請求項7】
前記対向要素(14)は、前記ダクト(15)の前記可撓性部分(12)の断面の少なくとも一部と一致またはほぼ一致する形状の断面を有する、請求項に記載の機械。
【請求項8】
前記対向要素(14)は、前記可撓性部分(12)が前記対向要素(14)と前記回転装置(13)との間に配置された状態で、前記回転装置(13)を少なくとも部分的に囲むようその区域が十分な大きさの円弧に沿って延びる、請求項1からのいずれか1項に記載の機械。
【請求項9】
前記対向要素(14)は、その一端(24)で回転可能に支持され且つその他端(25)で前記ばね(23)によって加えられる弾性作用により前記回転装置(13)に押し付けられた状態を維持する、請求項1からのいずれか1項に記載の機械。
【請求項10】
前記流体移動手段(8)が、前記可撓性部分(12)を通過する前記混合物に3から4バールの圧力を生成することができる、請求項1からのいずれか1項に記載の機械(1)。
【請求項11】
前記ヴェッセル(2)内部に取り付けられた前記撹拌装置(3)は、掻き取りブレードまたはオーガまたは螺旋ブレードを備え、前記制御ユニット(10)によって制御される電気モータを備える駆動手段(4)によって駆動される、請求項1から10のいずれか1項に記載の機械(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体または半液体食品を処理して必要に応じて一般人に分配するための機械、特にシャーベット、アイスクリーム、ソフトクリームなどを製造するための機械に関するが、これにより一般性を失うものではない。
【0002】
より具体的には、本発明は、そのような液体または半液体食品、特にアイスクリームまたはジェラートクリームまたは同様の製品を製造するための機械であって、現在使われている機械で得られる圧力よりも高い圧力に当該製品をさらすことによって当該製品が処理されることを可能にして、それにより、特定の製品特性を大幅に改善するポンプを備える機械に関する。
【0003】
簡単にするために、以下ではより頻繁にアイスクリーム機械に言及し、当該アイスクリーム機械は、必ずしもそうではないが、場合によっては、製造された製品をその後に分配するための手段も備えるが、これにより本発明の範囲をこの特定の例に限定するものではない。
【背景技術】
【0004】
知られているように、アイスクリーム機械では、製品を作るために必要な基本材料が混合コンテナに入れられ、次に混合物が処理ヴェッセルに移される。
【0005】
処理ヴェッセルは、製品が処理され且つ、例えば、撹拌装置が動作可能に配置されるチャンバを構成する。
【0006】
混合物は、基本製品のコンテナの底から延び且つ処理ヴェッセルに通じるパイプによって規定される経路に沿って取り付けられたポンプを使用して、基本材料のコンテナから処理ヴェッセルに移される。
【0007】
処理ヴェッセル内でのバッチング段階で、基本材料から得られた混合物が凍結するときに、特定のアイスクリーム製品を得るために、一定量の空気(またはオーバーラン)が製品に取り込まれる。
【0008】
製造中の製品に含まれる空気量のバランスを取ることは、優れた手作り(artisan)アイスクリームの製造に不可欠なステップである。実際、最終製品の粘度、クリーミーさおよび食感、したがって全体の品質は、この作業に依存する。
【0009】
従来技術の機械の構造的構成では、オーバーランは撹拌装置によってほぼ完全に組み込まれ、通常、製品を動かすために使用される手段は、オーバーランを改善するのに十分な安定した圧力に達することを許さない。
【発明の概要】
【0010】
したがって、本発明の目的は、液体または半液体製品、特にアイスクリーム、シャーベット、ジェラートクリームなどを製造するための機械であって、オーバーランの効果を高めることにより製品の品質を最適化するように最終製品に空気を取り入れるように構成された機械を提供することである。
【0011】
したがって、本発明の別の目的は、概して言えば、アイスクリーム、シャーベット、ジェラートクリームなどを製造するための機械を提供することであり、得られる製品の品質は、機械自体の構造的構成および効率を変更することによって改善される。
【0012】
本発明によれば、これらの目的は、液体または半液体食品を製造するための機械であって、添付の特許請求の範囲の請求項のうちの1つ以上に記載される技術的特徴を含む機械によって達成される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
上記の目的に関する本発明の特徴は、添付の特許請求の範囲に明確に記載されており、その利点は、例としての本発明の好ましい非限定的な実施形態を示す添付図面を参照して、以下の詳細な説明からより明らかになる。
図1】アイスクリームなどの液体または半液体製品を製造および分配するための例示的な形態の本開示による機械を概略的に示す。
図2】第1の実施形態による、図1に示されるような本発明の機械の詳細を概略的に示す。
図3図2に示した詳細の一部の断面図である。
図4】第2の実施形態による、図1に示されるような本発明の機械の詳細を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
添付図面を参照すると、数字1は、液体または半液体食品、具体的にはアイスクリーム、シャーベット、ジェラートクリームなどの製造に使用される機械を示す。
【0015】
簡単にするために、以下の説明はアイスクリームの製造のみに言及するが、これは決して本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではないことが理解される。
【0016】
図1では、機械全体が概略的に表されており、本発明を理解するのに役立つその基本部品の一部およびその外側ケーシング11(フレーム11)のみを示しているが、この図は例示的な形態を指し、本発明の範囲を限定することを決して意図するものではない。
【0017】
その一般的な構成では、機械1は、基本製品を供給するためのコンテナ9を含む。
【0018】
このコンテナは、好ましくは可撓性コンテナである。
【0019】
基本製品は、アイスクリームを得るために混合物を処理するためのヴェッセル2に移される。
【0020】
ヴェッセル2内で液体または半液体の基本製品を処理することにより、最終製品としてアイスクリームを得ることができる。
【0021】
この目的のために、ヴェッセル2は、液体または半液体の基本製品から作られた基本混合物を撹拌するための、駆動手段4によって駆動される撹拌装置3を内部に備えている。
【0022】
より詳細に見ると、駆動手段4は、ロータ7が撹拌装置3に直接接続されている電気モータを含む。
【0023】
したがって、例えば、エンドレススクリュ、羽根、または放射状の掻き取りブレードの形態で作られた撹拌装置3は、ロータ7によって回転駆動される。
【0024】
なお、モータMの回転軸と撹拌機3の回転軸は、好ましくは互いに且つ同軸に接続されていることに留意されたい。
【0025】
ただし、異なる構造的構成が考えられることが強調される。例えば、モータのロータ7と撹拌機3との間に共通の回転軸を持つか、またはモータの回転軸を撹拌機3の回転軸に接続するトランスミッションユニット(例えばギア)を持つ。
【0026】
機械1の説明を続けると、ヴェッセル2に関連付けられた熱交換器6に接続される冷凍システム5が提供される。
【0027】
冷凍システム5の機能は、ヴェッセル2内の液体または半液体の基本製品からなる混合物を冷却すると同時に、それを撹拌機3で混合することである。
【0028】
好ましくは、冷凍システム5は、熱力学的システム、すなわち、熱交換器流体を循環させるための回路を備え、熱交換器流体に熱力学的サイクルを実行するように構成されたシステムである。
【0029】
冷凍システム5は、例えば、1つ以上のバルブ、システム5内で冷媒流体を強制的に循環させるコンプレッサ、および少なくとも1対の熱力学的交換器(そのうちの1つは交換器6)を含む。これらのコンポーネントの詳細は示されていない。
【0030】
システム5の一部を形成する熱交換器6は、ヴェッセル2の外面の周りに(コイル状に)巻かれたパイプ26を備えてもよい。
【0031】
システム5は、制御ユニット10によって制御され、特に制御ユニット10は、駆動手段4、すなわちモータの動作を調整して、それを起動し、その回転方向および種々の動作速度を決定する。
【0032】
混合物を移送するために、供給コンテナ9はダクト15によってヴェッセル2に接続され、当該ダクト15に沿って流体移動手段8(ポンプ、好ましくはぜん動ポンプを含む)が動作可能に配置されて、混合物をコンテナ9からヴェッセル2に移送するために、ダクト15に供給された混合物を移動させる(図2の矢印I)。
【0033】
本発明によれば、流体移動手段8は、ダクト15の可撓性部分12に配置され、ダクト15の可撓性部分12に圧力を加える回転装置13を備える。
【0034】
回転装置13の圧力作用は、例えば一連のローラ18(図2に示す)を含むスラスト要素18によって可撓性部分12に加えられる。
【0035】
各ローラ18を支持するために、回転装置は一対の並置されたディスク20、21を備え、各ローラ18はディスク20、21の円周に沿って回転可能に取り付けられ、より具体的にはピン27によって2つのディスクの間に取り付けられる。
【0036】
これらのディスクは、それらの回転運動により各ローラ18がダクト15の可撓性部分12に沿って回転するように配置される。
【0037】
各ローラ18が可撓性部分12に圧力を加えることを可能にするために、対向要素14が提供される。
【0038】
好ましくは、対向要素14は、機械1のフレームに対して移動可能に取り付けられる。すなわち、それは、回転装置13に対してその位置を変えることができるように、フレーム1に対して移動することができる。
【0039】
効果的且つ長時間の圧力作用を加えることを可能にするために、対向要素14はその区域が少なくとも部分的にディスク20、21を囲むように(円)弧に沿って延びる一方、可撓性部分12は各ディスク(各ローラ)と弧セグメント14との間に配置されたままである。
【0040】
このようにして、方向Rへのディスク20、21の回転により、各ローラ18が可撓性部分12を圧迫し、それにより、ディスク20、21の回転方向Rと一致する方向にその内部の混合物を押す。
【0041】
このシステムがヴェッセル2に移送中の基本混合物に加えることができる圧力は特に高く、混合物を供給コンテナ9からバッチングヴェッセル2に移送するために使用される従来装置で得られる圧力よりもはるかに高い。
【0042】
圧力は4BARになり得る。
【0043】
圧力の容易な調整を可能にするために、対向要素14は、その一端24で回転可能に取り付けられている(ヒンジによって接続されている)。
【0044】
その他端25では、弾性要素が対向要素14を回転装置13に押し付けた状態に保つ。
【0045】
本発明によれば、機械1は、対向要素14が回転装置13に押し付けられる圧力を調整するための、したがって、可撓性部分12に、故にその中に含まれる混合物に、所定の圧力を維持する環境を提供するための調整システム19を備える。
【0046】
より一般的には、調整システム19は、対向要素14に固定または一体化された可動要素30と、対向要素14の位置を調整するために可動要素30を移動させる移動手段31とを含むことに留意されたい。
【0047】
別の態様によれば、移動手段31は、可動要素30を案内するためのガイド手段32と、可動要素30に動きを与えるために可動要素30に作用するアクチュエータ33とを備える。
【0048】
好ましくは、アクチュエータ33は、可動要素30の位置を調整するためにアクチュエータ33を駆動および制御する機械制御ユニット10に接続される。
【0049】
好ましくは、アクチュエータ33は電気機械式アクチュエータである。
【0050】
一実施形態では、可動要素30および可動要素30を移動させるための移動手段31は、ピストンおよびシリンダアセンブリによって画定される(図4に示すように)。
【0051】
好ましくは、ピストンおよびシリンダアセンブリは、電子的または空気圧的に作動される。
【0052】
好ましくは、ピストンおよびシリンダアセンブリは、駆動および制御ユニット10によって制御される。
【0053】
図2に示される実施形態では、調整システム19は、ねじ22によって作動されるタイプのものであり且つ対向要素14が回転装置13に押し付けられる圧力を調整するためのばね23を備える。
【0054】
ばね23の弾性反力は、可撓性部分12、したがってそこに含まれる混合物に所定の圧力を維持する環境を提供する。
【0055】
ばね23は、前述の弾性要素を規定する。
【0056】
ばね23のコンプライアンスおよび弾性反力は、可撓性部分12、したがってその中に含まれる混合物に所定の圧力を維持することを可能にする自己調整システムを作り出す。
【0057】
ヴェッセル2が位置する地点で、レバー17を操作することにより測定された量のアイスクリームを引き出すことを可能にするディスペンサ16をケーシング11に取り付けてもよい。
【0058】
ディスペンサ16の代わりに、コンベヤまたはダクト(図示せず)が設けられて、完成品をヴェッセル2から製品をさらに処理する、例えば包装するための他の装置または器具に移してもよい。
【0059】
有利には、本明細書に記載の機械1は、混合物を移動させるための従来の手段を備えた機械よりも高い圧力で基本混合物を処理することを可能にする。
【0060】
これは、本明細書で説明するように作られたポンプ8が、同じ目的のために従来使用されている装置よりも高い圧力で動作できるためである。
【0061】
より高い圧力で混合物を供給することにより、アイスクリームにより多くの空気を取り入れることができ、したがって、オーバーランが改善される。
【0062】
さらに、このより高い圧力は、対向要素23が可撓性部分を各ローラ18(回転ディスク20、21に取り付けられている)に押し付ける調整システムのおかげで、広範囲に調整可能である。
【0063】
したがって、ポンプ8は、特に簡単且つ正確な方法で調整され得る。
【0064】
図2に示す実施形態では、ねじ22に作用して対向要素23を矢印Aで示す方向に移動させると、可撓性部分が各ローラ18と対向要素14との間の小さな空間内に閉じ込められるため、可撓性部分12への圧力が増大する。その結果、各ローラ18は、基本混合物により高い圧縮圧力を生成する。
【0065】
代わりに、矢印Dによって示される方向に対向要素を移動するようにねじ22に作用することにより、可撓性部分12が利用可能なより多くの空間を持ち、したがって混合物への圧力が低下するため、可撓性部分12への圧力が低下する。
【0066】
より一般的に言えば、対向要素14の位置は、可撓性部分12への押圧力(および結果として基本製品の供給圧力)を調整できるように、複数の位置のいずれかに対向要素14を配置することによって変えることができる。
【0067】
この全ては、バッチングサイクルの最適化と完成品の品質向上に反映される。
図1
図2
図3
図4