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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-26
(45)【発行日】2024-07-04
(54)【発明の名称】ポーラスプラグ
(51)【国際特許分類】
   C21C 7/072 20060101AFI20240627BHJP
   F27D 3/16 20060101ALI20240627BHJP
   C21C 5/48 20060101ALI20240627BHJP
【FI】
C21C7/072 P
F27D3/16 Z
C21C5/48 D
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020010455
(22)【出願日】2020-01-26
(65)【公開番号】P2021116453
(43)【公開日】2021-08-10
【審査請求日】2023-01-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000220767
【氏名又は名称】東京窯業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100143410
【弁理士】
【氏名又は名称】牧野 琢磨
(72)【発明者】
【氏名】松尾 将史
(72)【発明者】
【氏名】安井 公宏
(72)【発明者】
【氏名】今枝 孝文
【審査官】瀧澤 佳世
(56)【参考文献】
【文献】特開昭51-151608(JP,A)
【文献】実公昭49-022484(JP,Y1)
【文献】特開2002-317221(JP,A)
【文献】実開平04-106497(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C21C 7/072
F27D 3/16
C21C 5/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
融金属容器の底壁に羽口耐火物を介して保持され、溶融金属にガスを吹き込むためのポーラスプラグであって、
羽口耐火物に対し補修材を投入して行う羽口耐火物の熱間補修のときに補修材によるポーラスプラグのガス吹込み口の閉塞を防止するとともに、溶融金属との接触により溶解する蓋体を、溶融金属側の先端部に備え
前記蓋体は、溶融金属容器に装着したときに先端から外方に向かって傾斜する傾斜面を外周面の少なくとも一部に有していることを特徴とするポーラスプラグ。
【請求項2】
前記傾斜面は、円錐面状に形成されていることを特徴とする請求項に記載のポーラスプラグ。
【請求項3】
前記蓋体は、先端部が、補修材を充填して補修する予定の領域の上端と同じ高さ、または、当該上端から突出するように設定されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のポーラスプラグ。
【請求項4】
前記上端から突出する部位に、前記蓋体の内部に連通し通ガス試験を行うための通気孔が形成されていることを特徴とする請求項に記載のポーラスプラグ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、取鍋等の溶融金属容器の底壁に羽口耐火物を介して保持され、溶融金属にガスを吹き込むためのポーラスプラグに関する。
【背景技術】
【0002】
ポーラスプラグは、取鍋、タンディッシュ等の溶融金属容器の底壁の羽口耐火物に装着され、溶融金属にガスを吹き込むための通気性を有する多孔質耐火物であり、溶鋼の撹拌や溶鋼介在物の浮上、冶金反応の促進を目的に使用される。ポーラスプラグは、羽口耐火物含めた溶融金属容器の底部が交換基準の残寸になるまで、繰り返し交換されながら使用される。
【0003】
ポーラスプラグ100は、通常、図5(A)に示すように、羽口耐火物200により覆われて保護されている。ポーラスプラグ100を保持する羽口耐火物200は、上面が溶鋼等の高温の溶融溶湯に接触している。また、ガス吹き込みによる起因する金属溶湯の攪拌の流れにより、図5(B)に示すようにポーラスプラグ100周囲部分の損耗が激しい。
【0004】
羽口耐火物が損耗した状態でポーラスプラグ100を交換すると、図5(C)に示すようにポーラスプラグ100の先端部分が炉内に露出した状態となる。ポーラスプラグ100が露出した状態で使用されると、1回の使用で羽口耐火物の残寸位置までポーラスプラグ100が一気に損耗することが多い。そのため、ポーラスプラグ100を交換した際に、羽口耐火物200の損傷個所を補修する必要がある。
【0005】
羽口耐火物200の補修を行う際に、溶融金属容器を冷却してから行うと、溶融金属容器を構成する耐火物にスポーリングが発生する、冷却、再使用時の昇温に時間がかかる、などの問題があるため、溶融金属容器を冷却しない高温環境下で行うことが好ましい。
【0006】
このような補修方法として、例えば、特許文献1には、作業者が、溶融金属容器の上部からアルミナ-シリカ系やシリカ-ジルコン系の粉体からなる補修材を収納した袋体を損傷個所へ落下させ、その落下衝撃力及び容器の保持熱エネルギーで圧着しつつ順次肉盛りする熱間補修方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開昭57-172182号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記補修方法によれば、鎖や鉄棒等を用いて羽口形成体を溶融金属容器の上部から設置し、補修後に取り除く必要がある。羽口形成体を正確に位置決めする必要があり、また、熱間での補修のため作業者の危険が伴う。一方、羽口形成体なしで羽口耐火物の補修を行うと、図5(D)に示すように、補修材300がポーラスプラグ100の上端を覆ってしまうことがある。この状態で補修材300が焼結すると、ポーラスプラグ100のガス吹込み口100aが閉塞して十分な通気量が得られなくなり、精錬時にガス吹きできないことがある。そこで、作業者は、ポーラスプラグ100が閉塞しないように、損耗している羽口耐火物200とポーラスプラグ100との境界近傍を避けて補修材300を投げ入れる傾向があり、羽口耐火物200をポーラスプラグ100を十分に保護できるように精度よく補修できないことがあった。
【0009】
そこで、本発明では、簡単な作業で、ポーラスプラグを閉塞させることなく、高い精度で確実に羽口耐火物を補修することができるポーラスプラグを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に記載の発明では、融金属容器の底壁に羽口耐火物を介して保持され、溶融金属にガスを吹き込むためのポーラスプラグであって、羽口耐火物に対し補修材を投入して行う羽口耐火物の熱間補修のときに補修材によるポーラスプラグのガス吹込み口の閉塞を防止するとともに、溶融金属との接触により溶解する蓋体を、溶融金属側の先端部に備え、前記蓋体は、溶融金属容器に装着したときに先端から外方に向かって傾斜する傾斜面を外周面の少なくとも一部に有している、という技術的手段を用いる。
【0012】
請求項に記載の発明では、請求項に記載のポーラスプラグにおいて、前記傾斜面は、円錐面状に形成されている、という技術的手段を用いる。
【0013】
請求項に記載の発明では、請求項1または請求項2に記載のポーラスプラグにおいて、前記蓋体は、先端部が、補修材を充填して補修する予定の領域の上端と同じ高さ、または、当該上端から突出するように設定されている、という技術的手段を用いる。
【0014】
請求項に記載の発明では、請求項に記載のポーラスプラグにおいて、前記上端から突出する部位に、前記蓋体の内部に連通し通ガス試験を行うための通気孔が形成されている、という技術的手段を用いる。
【発明の効果】
【0015】
本発明のポーラスプラグを用いると、羽口耐火物を補修するため、補修材を投入するときに、従来の補修方法のように羽口形成体を正確に位置決めして使用する必要がない。蓋体により補修材によるポーラスプラグの閉塞を防ぐことができるので、補修材を補修予定位置に向かって投入するという簡単な作業で、羽口耐火物を高い精度で確実に補修することができる。羽口耐火物を高い精度で確実に補修することにより、羽口耐火物によるポーラスプラグの保護効果を向上させることができるので、ポーラスプラグの寿命を延ばすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】ポーラスプラグが装着された溶融金属容器の構造を示す縦断面説明図である。
図2】本発明のポーラスプラグの構造を示す縦断面説明図である。
図3】補修材による羽口耐火物の補修方法を示す説明図である。
図4】ポーラスプラグの蓋体の変更例を示す説明図である。
図5】従来のポーラスプラグを用いた溶融金属容器における補修材による羽口耐火物の補修方法を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明のポーラスプラグ1は、図1に示すように、溶融金属容器2において溶融金属を貯留する溶湯保持室を構成する耐火物層21の底部に設けられている羽口耐火物22に嵌合されて保持されている。
【0018】
ポーラスプラグ1は、アルゴンガス等のガスを、溶融金属容器2中の溶鋼等の溶融金属W中に供給し、ガス吹込み処理を行う。
【0019】
羽口耐火物22は、ポーラスプラグ1を保持するための保持孔22aを備えている。保持孔22aの内面は、ポーラスプラグ1の外周面10aの傾斜にあわせて縦断面で上側(溶融金属側)に向かって縮径する円錐面をなしている。
【0020】
図2に示すように、ポーラスプラグ1は、鉄皮10、キャスタブル耐火物11、ポーラス質耐火物12、終点判定用ポーラス質耐火物13及び蓋体14を備えている。ポーラスプラグ1は、縦断面で上側(溶融金属側)に向かって縮径する円錐台形状をなしている。
【0021】
ポーラスプラグ1の下端にはガス供給管15が接続されている。このポーラスプラグ1を用いて、溶融金属に対してガスの吹込操作を繰り返し行うと、ポーラスプラグ1の上端から徐々に損耗する。そして、ポーラス質耐火物12が消耗して、終点判定用ポーラス質耐火物13の上端が露出したところでポーラスプラグ1の交換基準の残寸と判断することができる。
【0022】
鉄皮10は、ステンレス鋼等の合金鋼や炭素鋼等により中空の円錐台形状に形成されており、ポーラスプラグ1の外周面を形成している。鉄皮10の外周面10aは、上方(溶融金属側)に向かうにつれて外径が小さくなる円錐面に形成されている。
【0023】
キャスタブル耐火物11は、鉄皮10に充填され、ポーラス質耐火物12及び終点判定用ポーラス質耐火物13を鉄皮10内に保持する耐火物である。キャスタブル耐火物11は、ポーラス質耐火物12及び終点判定用ポーラス質耐火物13を鉄皮10内に配置した後、例えばアルミナ系のスラリー状の耐火材料を鋳込んだ後に固化させて形成されている。
【0024】
ポーラス質耐火物12は、通気性を有する、例えば、アルミナ-シリカ質、ハイアルミナ質、アルミナ-クロム質、アルミナ-マグネシア質、マグネシア-クロム質の多孔質耐火物により円錐台形状に形成されている。ポーラス質耐火物12の上端面12aは溶融金属側に露出するように配置されており、ガス吹込み口として作用する。
【0025】
終点判定用ポーラス質耐火物13は、通気性を有する、例えば、アルミナ-シリカ質、ハイアルミナ質、アルミナ-クロム質、アルミナ-マグネシア質、マグネシア-クロム質の多孔質耐火物により形成されている。ポーラス質耐火物12と同じ材質でも異なる材質でもよい。終点判定用ポーラス質耐火物13は、ポーラス質耐火物12の下部にガス供給管15と連通するように配置されている。ポーラスプラグ1は、溶融金属へのガス吹き込みを行うと上端から徐々に損耗する。ポーラス質耐火物12が消耗して、終点判定用ポーラス質耐火物13の上端が露出したところで、交換時期を判断することができる。
【0026】
蓋体14は、補修材によるガス吹込み口(上端面12a)の閉塞を防止するための部材であり、鉄皮10の外周面10aの上端10b(溶融金属側)に溶接されて固定されている。蓋体14は、溶融金属との接触により溶解する材料で形成されており、例えば、溶融金属が溶鋼のときには、SS材(SS400など)、SUS材(SUS304など)や鉄皮10に使われる材質から、鉄皮10との溶接の相性を勘案して、適宜選択する。
【0027】
本実施形態では、蓋体14は、先端部14aから外方に向かって傾斜する傾斜面14bとして、円錐面を備えた中空の円錐形状に形成されている。
【0028】
蓋体14には、ポーラスプラグ1の交換時に十分なガス流量が得られているかどうかを確認する通ガス試験を行うために通気孔14cが貫通形成されている。本実施形態では、先端部14a及び傾斜面14bに形成されている。通気孔14cの大きさ、数等は通ガス試験に必要なガス流量に合わせて設定される。
【0029】
ポーラスプラグ1を用いたときの羽口耐火物22の補修方法について説明する。図3は、ポーラスプラグ1及びポーラスプラグ1近傍の羽口耐火物22を拡大した縦断面図である。
【0030】
図3(A)には、溶融金属により損耗した羽口耐火物22に、交換するポーラスプラグ1を装着した状態を示す。補修材Rにより補修する補修予定位置、形状を点線で示している。ここでは、羽口耐火物2の初期の高さと同じ高さの補修ラインLまで補修する場合について説明する。この補修ラインLが、補修材Rを充填して補修する予定の領域の上端に相当する。羽口耐火物22を十分に補修するには、羽口耐火物22の初期の高さまで補修材Rを充填することが好ましい。
【0031】
蓋体14は、先端部14a及び通気孔14cが補修ラインLより上方に位置するように形成されている。
【0032】
次に、補修材Rを補修予定位置に向けて投入すると、図3(B)に示すように、補修材Rが補修予定位置に堆積される。ここで、補修材Rがポーラスプラグ1に衝突しても、蓋体14の傾斜面14bにより、補修材Rを有効にポーラスプラグ1の外方の補修予定位置へ案内することができるので、補修材Rがポーラスプラグ1に堆積してポーラスプラグ1を覆い、ポーラスプラグ1が閉塞することを防止することができる。
【0033】
ここで、蓋体14の先端部14aは補修ラインLより上方に位置するように形成されているので、補修材Rを予定量を投入してもポーラスプラグ1が閉塞することがない。また、通気孔14cが補修ラインLより上方に位置するように形成されているので、通気孔14cが補修材Rで閉塞することがなく、補修が終了した段階で精錬などの操業前に通ガス試験を行うことができる。
【0034】
本発明のポーラスプラグ1を用いると、羽口耐火物22を補修するため、補修材Rを投入するときに、従来の補修方法のように羽口形成体を正確に位置決めして使用する必要がない。蓋体14により補修材Rによるポーラスプラグ1の閉塞を防ぐことができるので、補修材Rを補修予定位置に向かって投入するという簡単な作業で、羽口耐火物22を高い精度で確実に補修することができる。また、補修後に目視により蓋体14の先端部14aを視認できれば、閉塞のおそれがないと確認することもできる。
【0035】
操業時には、図3(C)に示すように、蓋体14は溶融金属に接触することにより溶解して消失する。これにより、補修材Rによりポーラスプラグ1が閉塞することがなく、十分なガス流量で溶融金属中にガス吹込みを行うことができる。ここで、蓋体14の傾斜面14bに沿って少量の補修材が残留しても、蓋体14の消失により空洞ができ、ガス吹き込みによる衝撃や、溶融金属の流れによって、ポーラスプラグ1上方の残存部はすぐに損耗または剥離するため、ガス吹込みに影響を及ぼすことはない。
【0036】
蓋体14が、有効に補修材Rをポーラスプラグ1の外方の補修予定位置へ案内するためには、傾斜面14bが円錐面であることが好ましい。
【0037】
(変更例)
蓋体14は、ポーラスプラグ1の閉塞を防ぐことをできれば、例えば図4に示すような各種形状を採用することができる。なお、各図において、蓋体14の外形状を説明するために、他の構造は簡略化して示してある。図4(A)-(C)に示すように、傾斜面14bを半球面、円錐台、2段構造などにすることができる。また、図4(D)に示すように、傾斜面14bを一部に備えた形状を採用することもできる。上記構造によれば、補修材Rを有効に補修予定位置へ案内することができる。図4(E)に示すように、傾斜面を有せず上端を封じた円筒状にすることもできる。この形状では、補修材Rが上端面の一部分に堆積する可能性があるが、操業時の蓋体14の消失により堆積した補修材Rがポーラスプラグ1上方から欠落するため、ガス吹込みに影響を及ぼすことはない。図4(F)に示すように、先端部14aが補修ラインLと同じ高さでもよい。この場合も、補修材Rが上端面に堆積する可能性があるが、操業時の蓋体14の消失により堆積した補修材Rがポーラスプラグ1上方から欠落するため、ガス吹込みに影響を及ぼすことはない。
【0038】
通ガス試験を行わない場合には、蓋体14に通気孔14cを設けなくてもよい。また、蓋体14を中実体で構成することもできる。
【0039】
蓋体14以外の構成は、ポーラスプラグ1の構成に限定されるものではなく、公知の各種ポーラスプラグの構成を採用することができる。
【0040】
(実施形態の効果)
本発明のポーラスプラグ1を用いると、羽口耐火物2を補修するため、補修材Rを投入するときに、従来の補修方法のように羽口形成体を正確に位置決めして使用する必要がない。蓋体14により補修材Rによるポーラスプラグ1の閉塞を防ぐことができるので、補修材Rを補修予定位置に向かって投入するという簡単な作業で、羽口耐火物22を高い精度で確実に補修することができる。羽口耐火物22を高い精度で確実に補修することにより、羽口耐火物22によるポーラスプラグ1の保護効果を向上させることができるので、ポーラスプラグ1の寿命を延ばすことができる。
【実施例
【0041】
以下に本発明を実施例によって説明する。但し本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0042】
取鍋底部の羽口耐火物にポーラスプラグを取り付けて、初回を除く精錬作業の終了後、実施例及び比較例のポーラスプラグに交換して羽口耐火物を補修し、複数回の精錬作業後のポーラスプラグを評価した。実施例1は蓋体が円錐台形状であるポーラスプラグ、実施例2は蓋体が円錐形状であるポーラスプラグ、比較例は蓋体がない従来のポーラスプラグであり、各6本を試験に供した。
【0043】
評価は、試験後のポーラスプラグを縦方向に切断して残寸を測定し、損耗速度及び有効回数を算出した。
損耗速度=損耗量の和(mm)/使用回数の和(ch)
有効回数=ポーラス質耐火物12の縦方向長さ元寸(mm)/損耗速度(mm/ch)
【0044】
実施例1、実施例2及び比較例の評価結果を表1にそれぞれ示す。
【0045】
【表1】
【0046】
損耗速度は、比較例で15.5mm/chであったのに対し、実施例1で10.8mm/ch、実施例2で10.3mm/chであった。本発明のポーラスプラグを使用すると損耗速度が小さくなった。また、蓋体の形状は、円錐台に比べて円錐の方が損耗速度が小さくなった。
【0047】
有効使用回数は、比較例で8.4回であったのに対し、実施例1で12.1回、実施例2で12.7回であった。本発明のポーラスプラグを使用すると有効使用回数が増大した。また、蓋体の形状は、円錐台に比べて円錐の方が有効使用回数が増大した。
【0048】
以上より、本発明のポーラスプラグ1を用いると、羽口耐火物2を高い精度で確実に補修することができ、ポーラスプラグ1の寿命を延ばすことができることが確認された。
【符号の説明】
【0049】
1…ポーラスプラグ
10…鉄皮
10a…外周面
10b…上端
11…キャスタブル耐火物
12…ポーラス質耐火物
12a…上端面
13…終点判定用ポーラス質耐火物
14…蓋体
14a…先端部
14b…傾斜面
14c…通気孔
15…ガス供給管
2…溶融金属容器
21…耐火物層
22…羽口耐火物
22a…保持孔
図1
図2
図3
図4
図5