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特許7510788キッチン設備、キッチン設備の動作方法、キッチン設備のための学習装置およびキッチン設備のための学習方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-26
(45)【発行日】2024-07-04
(54)【発明の名称】キッチン設備、キッチン設備の動作方法、キッチン設備のための学習装置およびキッチン設備のための学習方法
(51)【国際特許分類】
   F24F 7/06 20060101AFI20240627BHJP
   F24C 15/20 20060101ALI20240627BHJP
【FI】
F24F7/06 101Z
F24C15/20 Z
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020097026
(22)【出願日】2020-06-03
(65)【公開番号】P2021188867
(43)【公開日】2021-12-13
【審査請求日】2023-05-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】杉本 喜輝
【審査官】杉山 健一
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/187672(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/188408(WO,A1)
【文献】特開2018-018354(JP,A)
【文献】特表2016-502061(JP,A)
【文献】特開2017-227472(JP,A)
【文献】特開2019-117148(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 7/06
F24C 15/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被調理物を加熱調理する加熱調理器と、
前記加熱調理器で加熱調理中の前記被調理物の画像である被調理物画像を撮像可能に構成されている撮像装置と、
制御装置を備えているキッチン設備であって、
前記制御装置は、
前記撮像装置から前記被調理物画像を取得する被調理物画像取得部と、
前記被調理物の加熱調理中に発生する臭気の状態である臭気状態を前記被調理物画像に基づいて推定するための機械学習を行った学習済みの学習器に、前記被調理物画像を入力し、前記学習済みの学習器の演算処理を実行することで、前記臭気状態を推定する臭気状態推定部を備えており、
前記臭気状態が、前記被調理物の加熱調理中に発生する臭気の程度である臭気程度を含み、
前記被調理物の加熱調理中に発生する調理排気を排気する排気装置をさらに備えており、
前記制御装置は、前記臭気状態に基づいて排気条件を設定し、前記排気条件に基づいて前記排気装置を制御する排気装置制御部をさらに備えており、
前記臭気状態が、前記被調理物の加熱調理中に発生する臭気の種類である臭気種類をさらに含んでおり、
前記制御装置は、
前記臭気種類に応じてユーザが重み付けした重みを示す重み情報を取得する重み情報取得部をさらに備えており、
前記排気装置制御部は、前記臭気種類に応じた前記重み情報にも基づいて前記排気条件を設定し、前記排気条件に基づいて前記排気装置を制御する、キッチン設備。
【請求項2】
前記制御装置は、前記被調理物画像に基づく画像解析によって、前記被調理物に関連する情報である被調理物関連情報を取得する被調理物関連情報取得部をさらに備えており、
前記学習済みの学習器は、前記被調理物関連情報にも基づいて前記臭気状態を推定するための機械学習が行われており、
前記臭気状態推定部は、前記被調理物関連情報も前記学習済みの学習器に入力し、前記学習済みの学習器の演算処理を実行することで、前記臭気状態を推定する、請求項1に記載のキッチン設備。
【請求項3】
前記制御装置は、前記臭気状態に基づいて加熱条件を設定し、前記加熱条件に基づいて前記加熱調理器を制御する加熱調理器制御部をさらに備えている、請求項1又は2に記載のキッチン設備。
【請求項4】
被調理物を加熱調理する加熱調理器と、
前記加熱調理器で加熱調理中の前記被調理物の画像である被調理物画像を撮像可能に構成されている撮像装置と、
制御装置を備えているキッチン設備の動作方法であって、
前記制御装置が、前記撮像装置から前記被調理物画像を取得するステップと、
前記制御装置が、前記被調理物の加熱調理中に発生する臭気の状態である臭気状態を前記被調理物画像に基づいて推定するための機械学習を行った学習済みの学習器に、前記被調理物画像を入力し、前記学習済みの学習器の演算処理を実行することで、前記臭気状態
を推定するステップを備えており、
前記臭気状態が、前記被調理物の加熱調理中に発生する臭気の程度である臭気程度を含
前記キッチン設備が、前記被調理物の加熱調理中に発生する調理排気を排気する排気装置をさらに備えており、
前記制御装置が、前記臭気状態に基づいて排気条件を設定し、前記排気条件に基づいて前記排気装置を制御するステップをさらに備えており、
前記臭気状態が、前記被調理物の加熱調理中に発生する臭気の種類である臭気種類をさらに含んでおり、
前記制御装置が、前記臭気種類に応じてユーザが重み付けした重みを示す重み情報を取得するステップをさらに備えており、
前記排気装置を制御するステップにおいて、前記制御装置が、前記臭気種類に応じた前記重み情報にも基づいて前記排気条件を設定し、前記排気条件に基づいて前記排気装置を制御する、動作方法。
【請求項5】
前記制御装置が、前記被調理物画像に基づく画像解析によって、前記被調理物に関連する情報である被調理物関連情報を取得するステップをさらに備えており、
前記学習済みの学習器は、前記被調理物関連情報にも基づいて前記臭気状態を推定するための機械学習が行われており、
前記臭気状態を推定するステップにおいて、前記制御装置が、前記被調理物関連情報も前記学習済みの学習器に入力し、前記学習済みの学習器の演算処理を実行することで、前記臭気状態を推定する、請求項に記載の動作方法。
【請求項6】
前記制御装置が、前記臭気状態に基づいて加熱条件を設定し、前記加熱条件に基づいて前記加熱調理器を制御するステップをさらに備えている、請求項4又は5に記載の動作方法。
【請求項7】
被調理物を加熱調理する加熱調理器と、
前記加熱調理器で加熱調理中の前記被調理物の画像である被調理物画像を撮像可能に構成されている撮像装置と、
制御装置を備えているキッチン設備のための学習装置であって、
前記学習装置が、
前記撮像装置から取得される前記被調理物画像と、前記被調理物画像に対応付けられており、前記被調理物の加熱調理中に発生する臭気の状態である臭気状態を含む学習データを取得する学習データ取得部と、
前記被調理物画像を含む入力に対して、前記臭気状態を含む出力を得るように、学習器に機械学習を行う学習処理部を備えており、
前記臭気状態が、前記被調理物の加熱調理中に発生する臭気の程度である臭気程度を含み、
前記キッチン設備が、前記被調理物の加熱調理中に発生する調理排気を排気する排気装置をさらに備えており、
前記制御装置は、前記臭気状態に基づいて排気条件を設定し、前記排気条件に基づいて前記排気装置を制御する排気装置制御部をさらに備えており、
前記臭気状態が、前記被調理物の加熱調理中に発生する臭気の種類である臭気種類をさらに含んでおり、
前記制御装置は、
前記臭気種類に応じてユーザが重み付けした重みを示す重み情報を取得する重み情報取得部をさらに備えており、
前記排気装置制御部は、前記臭気種類に応じた前記重み情報にも基づいて前記排気条件を設定し、前記排気条件に基づいて前記排気装置を制御する、学習装置。
【請求項8】
前記学習データが、前記被調理物画像に対応付けられており、前記被調理物画像に基づく画像解析によって取得される、前記被調理物に関連する情報である被調理物関連情報をさらに含んでおり、
前記学習器の前記機械学習における前記入力が、前記被調理物関連情報も含む、請求項に記載の学習装置。
【請求項9】
被調理物を加熱調理する加熱調理器と、
前記加熱調理器で加熱調理中の前記被調理物の画像である被調理物画像を撮像可能に構成されている撮像装置と、
制御装置を備えているキッチン設備のための学習方法であって、
学習装置が、前記撮像装置から取得される前記被調理物画像と、前記被調理物画像に対応付けられており、前記被調理物の加熱調理中に発生する臭気の状態である臭気状態を含む学習データを取得するステップと、
前記学習装置が、前記被調理物画像を含む入力に対して、前記臭気状態を含む出力を得るように、学習器に機械学習を行うステップを備えており、
前記臭気状態が、前記被調理物の加熱調理中に発生する臭気の程度である臭気程度を含み、
前記キッチン設備が、前記被調理物の加熱調理中に発生する調理排気を排気する排気装置をさらに備えており、
前記制御装置が、前記臭気状態に基づいて排気条件を設定し、前記排気条件に基づいて前記排気装置を制御するステップをさらに備えており、
前記臭気状態が、前記被調理物の加熱調理中に発生する臭気の種類である臭気種類をさらに含んでおり、
前記制御装置が、前記臭気種類に応じてユーザが重み付けした重みを示す重み情報を取得するステップをさらに備えており、
前記排気装置を制御するステップにおいて、前記制御装置が、前記臭気種類に応じた前記重み情報にも基づいて前記排気条件を設定し、前記排気条件に基づいて前記排気装置を制御する、学習方法。
【請求項10】
前記学習データが、前記被調理物画像に対応付けられており、前記被調理物画像に基づく画像解析によって取得される、前記被調理物に関連する情報である被調理物関連情報をさらに含んでおり、
前記学習器の前記機械学習における前記入力が、前記被調理物関連情報も含む、請求項9に記載の学習方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、キッチン設備、キッチン設備の動作方法、キッチン設備のための学習装置およびキッチン設備のための学習方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、被調理物を加熱調理する加熱調理器と、加熱調理器で加熱調理中の被調理物の画像である被調理物画像を撮像可能に構成されている撮像装置と、制御装置を備えるシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特表2020-504801号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のシステムでは、被調理物画像により被調理物の状態を視覚的に把握することができるが、被調理物の加熱調理中に発生する臭気の程度を把握することができない。本明細書では、被調理物の加熱調理中に発生する臭気の程度を把握することが可能な技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書はキッチン設備を開示する。前記キッチン設備は、被調理物を加熱調理する加熱調理器と、前記加熱調理器で加熱調理中の前記被調理物の画像である被調理物画像を撮像可能に構成されている撮像装置と、制御装置を備えている。前記制御装置は、前記撮像装置から前記被調理物画像を取得する被調理物画像取得部と、前記被調理物の加熱調理中に発生する臭気の状態である臭気状態を前記被調理物画像に基づいて推定するための機械学習を行った学習済みの学習器に、前記被調理物画像を入力し、前記学習済みの学習器の演算処理を実行することで、前記臭気状態を推定する臭気状態推定部を備えている。前記臭気状態が、前記被調理物の加熱調理中に発生する臭気の程度である臭気程度を含んでいる。前記キッチン設備は、前記被調理物の加熱調理中に発生する調理排気を排気する排気装置をさらに備えていてもよい。前記制御装置は、前記臭気状態に基づいて排気条件を設定し、前記排気条件に基づいて前記排気装置を制御する排気装置制御部をさらに備えていてもよい。前記臭気状態が、前記被調理物の加熱調理中に発生する臭気の種類である臭気種類をさらに含んでいてもよい。前記制御装置は、前記臭気種類に応じてユーザが重み付けした重みを示す重み情報を取得する重み情報取得部をさらに備えていてもよい。前記排気装置制御部は、前記臭気種類に応じた前記重み情報にも基づいて前記排気条件を設定し、前記排気条件に基づいて前記排気装置を制御してもよい。
【0006】
この構成によれば、被調理物の加熱調理中に発生する臭気の程度を把握することができる。また、排気装置が調理排気を排気する際の排気条件(例えば、風量や運転時間など)を、臭気の程度に基づいて適切に設定することができる。また、被調理物の加熱調理中に発生する臭気の種類を把握することができる。また、排気装置が調理排気を排気する際の排気条件を、臭気の種類に基づいて適切に設定することができる。また、ユーザが重み付けした重みに基づいて排気条件を適切に設定することができる。例えば、ユーザが嫌いな種類の臭気である場合には、重みを重くすることによって、排気の風量を強くすることができる。
【0007】
前記制御装置は、前記被調理物画像に基づく画像解析によって、前記被調理物に関連する情報である被調理物関連情報を取得する被調理物関連情報取得部をさらに備えていてもよい。前記学習済みの学習器は、前記被調理物関連情報にも基づいて前記臭気状態を推定するための機械学習が行われていてもよい。前記臭気状態推定部は、前記被調理物関連情報も前記学習済みの学習器に入力し、前記学習済みの学習器の演算処理を実行することで、前記臭気状態を推定してもよい。
【0008】
この構成によれば、被調理物画像に基づく画像解析によって得られる被調理物関連情報(例えば、被調理物の大きさ、形状、量、切り方、調理方法、焼き色などの調理中の被調理物の色などについての情報)に基づいて臭気状態を推定するので、臭気の程度をより精度よく把握することができる。
【0013】
前記制御装置は、前記臭気状態に基づいて加熱条件を設定し、前記加熱条件に基づいて前記加熱調理器を制御する加熱調理器制御部をさらに備えていてもよい。
【0014】
この構成によれば、加熱調理器が被調理物を加熱調理する際の加熱条件(例えば、火力や加熱時間など)を、臭気の程度に基づいて適切に設定することができる。
【0015】
本明細書は、キッチン設備の動作方法も開示する。前記キッチン設備は、被調理物を加熱調理する加熱調理器と、前記加熱調理器で加熱調理中の前記被調理物の画像である被調理物画像を撮像可能に構成されている撮像装置と、制御装置を備えている。前記動作方法は、前記制御装置が、前記撮像装置から前記被調理物画像を取得するステップと、前記制
御装置が、前記被調理物の加熱調理中に発生する臭気の状態である臭気状態を前記被調理物画像に基づいて推定するための機械学習を行った学習済みの学習器に、前記被調理物画像を入力し、前記学習済みの学習器の演算処理を実行することで、前記臭気状態を推定するステップを備えている。前記臭気状態が、前記被調理物の加熱調理中に発生する臭気の程度である臭気程度を含んでいる。前記キッチン設備は、前記被調理物の加熱調理中に発生する調理排気を排気する排気装置をさらに備えていてもよい。前記制御装置が、前記臭気状態に基づいて排気条件を設定し、前記排気条件に基づいて前記排気装置を制御するステップをさらに備えていてもよい。前記臭気状態が、前記被調理物の加熱調理中に発生する臭気の種類である臭気種類をさらに含んでいてもよい。前記制御装置が、前記臭気種類に応じてユーザが重み付けした重みを示す重み情報を取得するステップをさらに備えていてもよい。前記排気装置を制御するステップにおいて、前記制御装置が、前記臭気種類に応じた前記重み情報にも基づいて前記排気条件を設定し、前記排気条件に基づいて前記排気装置を制御してもよい。
【0016】
前記動作方法は、前記制御装置が、前記被調理物画像に基づく画像解析によって、前記被調理物に関連する情報である被調理物関連情報を取得するステップをさらに備えていてもよい。前記学習済みの学習器は、前記被調理物関連情報にも基づいて前記臭気状態を推定するための機械学習が行われていてもよい。前記臭気状態を推定するステップにおいて、前記制御装置が、前記被調理物関連情報も前記学習済みの学習器に入力し、前記学習済みの学習器の演算処理を実行することで、前記臭気状態を推定してもよい。
【0019】
前記動作方法は、前記制御装置が、前記臭気状態に基づいて加熱条件を設定し、前記加熱条件に基づいて前記加熱調理器を制御するステップをさらに備えていてもよい。
【0020】
本明細書は、キッチン設備のための学習装置も開示する。前記キッチン設備は、被調理物を加熱調理する加熱調理器と、前記加熱調理器で加熱調理中の前記被調理物の画像である被調理物画像を撮像可能に構成されている撮像装置と、制御装置を備えている。前記学習装置は、前記撮像装置から取得される前記被調理物画像と、前記被調理物画像に対応付けられており、前記被調理物の加熱調理中に発生する臭気の状態である臭気状態を含む学習データを取得する学習データ取得部と、前記被調理物画像を含む入力に対して、前記臭気状態を含む出力を得るように、学習器に機械学習を行う学習処理部を備えている。前記臭気状態が、前記被調理物の加熱調理中に発生する臭気の程度である臭気程度を含んでいる。前記キッチン設備が、前記被調理物の加熱調理中に発生する調理排気を排気する排気装置をさらに備えていてもよい。前記制御装置は、前記臭気状態に基づいて排気条件を設定し、前記排気条件に基づいて前記排気装置を制御する排気装置制御部をさらに備えていてもよい。前記臭気状態が、前記被調理物の加熱調理中に発生する臭気の種類である臭気種類をさらに含んでいてもよい。前記制御装置は、前記臭気種類に応じてユーザが重み付けした重みを示す重み情報を取得する重み情報取得部をさらに備えていてもよい。前記排気装置制御部は、前記臭気種類に応じた前記重み情報にも基づいて前記排気条件を設定し、前記排気条件に基づいて前記排気装置を制御してもよい。
【0021】
この構成によれば、被調理物画像に基づいて臭気程度を含む臭気状態を推定するための学習済みの学習器を構築することができる。
【0022】
前記学習データは、前記被調理物画像に対応付けられており、前記被調理物画像に基づく画像解析によって取得される、前記被調理物に関連する情報である被調理物関連情報をさらに含んでいてもよい。前記学習器の前記機械学習における前記入力が、前記被調理物関連情報も含んでいてもよい。
【0023】
この構成によれば、被調理物関連情報にも基づいて臭気状態を推定するための学習済みの学習器を構築することができる。
【0026】
本明細書は、キッチン設備のための学習方法も開示する。前記キッチン設備は、被調理物を加熱調理する加熱調理器と、前記加熱調理器で加熱調理中の前記被調理物の画像である被調理物画像を撮像可能に構成されている撮像装置と、制御装置を備えている。前記学習方法は、学習装置が、前記撮像装置から取得される前記被調理物画像と、前記被調理物画像に対応付けられており、前記被調理物の加熱調理中に発生する臭気の状態である臭気状態を含む学習データを取得するステップと、前記学習装置が、前記被調理物画像を含む入力に対して、前記臭気状態を含む出力を得るように、学習器に機械学習を行うステップを備えている。前記臭気状態が、前記被調理物の加熱調理中に発生する臭気の程度である臭気程度を含んでいる。前記キッチン設備が、前記被調理物の加熱調理中に発生する調理排気を排気する排気装置をさらに備えていてもよい。前記制御装置が、前記臭気状態に基づいて排気条件を設定し、前記排気条件に基づいて前記排気装置を制御するステップをさらに備えていてもよい。前記臭気状態が、前記被調理物の加熱調理中に発生する臭気の種類である臭気種類をさらに含んでいてもよい。前記制御装置が、前記臭気種類に応じてユーザが重み付けした重みを示す重み情報を取得するステップをさらに備えていてもよい。前記排気装置を制御するステップにおいて、前記制御装置が、前記臭気種類に応じた前記重み情報にも基づいて前記排気条件を設定し、前記排気条件に基づいて前記排気装置を制御してもよい。
【0027】
前記学習データは、前記被調理物画像に対応付けられており、前記被調理物画像に基づく画像解析によって取得される、前記被調理物に関連する情報である被調理物関連情報をさらに含んでいてもよい。前記学習器の前記機械学習における前記入力が、前記被調理物関連情報も含んでいてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】実施例のシステム2の構成を模式的に示す図である。
図2】実施例のキッチン設備(加熱調理器10とレンジフード40の組)の斜視図である。
図3】実施例のカメラ202が撮像した画像の一例を示す図である。
図4】実施例の加熱調理器10の制御装置60の構成を模式的に示す図である。
図5】実施例のサーバ装置300の制御装置308の構成を模式的に示す図である。
図6】実施例の加熱調理器10の制御装置60が行う処理を示すフローチャートである。
図7】実施例のサーバ装置300の制御装置308が行う処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0030】
(実施例)
以下では実施例に係るシステム2について、図面を参照しながら説明する。図1に示すように、システム2は、加熱調理器10と、レンジフード40と、サーバ装置300を備えている。加熱調理器10とレンジフード40の組は、キッチン設備の一例であり、サーバ装置300は、学習装置の一例である。
【0031】
加熱調理器10は、システムキッチンに組み込んで使用されるガス燃焼式のビルトインコンロである。図2に示すように、加熱調理器10の天板10uには、第1コンロ11aと、第2コンロ11bと、第3コンロ11cと、グリル28に連通する排気口17が配置されている。また、加熱調理器10の前側(すなわち、図2の右側)の面である前面10fには、コンロ操作部20と、グリル28が設けられている。本明細書では、理解を助けるため、加熱調理器10の前面10fが設けられている側を単に「前側」と表現し、その反対側を単に「後側」と表現することがある。また、前側と後側を結ぶ方向を前後方向とする。前後方向と直交する水平方向の左右については、加熱調理器10の前側に位置し、前面10fと対向するユーザの右側および左側と同様とする。また、加熱調理器10の前面10fの左側には、グリル28内のグリルバーナ29(図1参照)を操作するグリル操作部が設けられているが、本明細書では説明を省略する。
【0032】
第1コンロ11aと、第2コンロ11bと、第3コンロ11cは、天板10uの上面に前後方向に2列に配置されている。第1コンロ11aは、第1コンロバーナ12aと、第1センサ14aと、五徳16aを備えている。第1コンロバーナ12aには、ガス供給路(図示省略)が接続されている。ガス供給路には、第1コンロバーナ12aへのガス供給量を調整するための流量調整弁(図示省略)が設けられている。第1コンロバーナ12aは、第1コンロバーナ12aにガスが供給されている状態でイグナイタ(図示省略)を動作させることによって点火する。第1コンロ11aは、点火した第1コンロバーナ12aによって、上方に載置される鍋やフライパン等の調理容器を加熱する。これによって、調理容器内の被調理物が加熱調理される。第1コンロバーナ12aへのガス供給量を調整することにより、第1コンロバーナ12aの加熱量(火力)を調整することができる。また、第1コンロバーナ12aへのガスの供給が停止されることにより、第1コンロバーナ12aは消火される。第1コンロバーナ12aの加熱量(火力)は、例えば、弱、中、強等に設定される。なお、第2コンロ11bが備えている第2コンロバーナ12bと、第3コンロ11cが備えている第3コンロバーナ12cも、第1コンロバーナ12aと同様の構造を有している。
【0033】
第1センサ14aは、第1コンロ11aの調理容器の存在を検出するとともに、調理容器の温度を検出する。第1コンロ11aの上に調理容器が載置されると、第1センサ14aが調理容器によって押圧される。第1センサ14aは、調理容器によって押圧されると、第1コンロ11aの上に調理容器が載置されたことを検知する。第1コンロ11aの上に調理容器が載置されていない場合は、第1センサ14aが押圧されない。第1センサ14a内には熱電対が配置されており、第1センサ14aに接触している対象物の温度を検出することができる。なお、第2コンロ11bが備えている第2センサ14bと、第3コンロ11cが備えている第3センサ14cも、第1センサ14aと同様の構造を有する。また、五徳16a~16cは、それぞれのコンロの上方に載置される調理容器を、それぞれのコンロバーナから一定の距離離間させた状態で支持する。
【0034】
コンロ操作部20は、加熱調理器10の電源スイッチ24と、第1加熱量操作部20aと、第2加熱量操作部20bと、第3加熱量操作部20cと、パネル操作部22を備えている。電源スイッチ24は、加熱調理器10を起動させるスイッチであり、電源スイッチ24をオンすることで各コンロバーナへの点火が可能になる。第1加熱量操作部20aは、第1コンロ11aに対応する。同様に、第2加熱量操作部20bは第2コンロ11bに対応し、第3加熱量操作部20cは第3コンロ11cに対応する。第1加熱量操作部20aは、第1コンロバーナ12aの点火および消火を行うとともに、第1コンロバーナ12aの加熱量の調整を行うためのオルタネイト型のスイッチである。第2加熱量操作部20bと第3加熱量操作部20cも、第1加熱量操作部20aと同様の構造を有している。
【0035】
パネル操作部22には、各コンロバーナ(すなわち、第1コンロバーナ12a、第2コンロバーナ12b、第3コンロバーナ12c)、およびグリルバーナ29(図1参照)の動作状態などが表示される。ユーザは、パネル操作部22によって、各コンロバーナおよびグリルバーナ29を所定の時間経過後に消火する、消火タイマーの設定等をすることができる。
【0036】
加熱調理器10では、被調理物の加熱調理中に臭気が発生する。また、加熱調理中に調理排気が発生する。例えば、被調理物が魚である場合、魚が焼かれることにより魚特有の臭気や調理排気が発生する。また、魚が焼かれ始めた段階では魚の生臭い臭気が発生し、魚が焦げた段階では焦げ臭い臭気が発生する。また、各段階に応じた調理排気が発生する。
【0037】
加熱調理器10には、制御装置60と、Bluetooth(登録商標)(以下ではBTともいう)インターフェース(以下では、I/Fともいう)66と、Wi-Fi(登録商標)I/F68が搭載されている。BTI/F66は、外部機器とのBT通信を実行するための近距離無線I/Fである。Wi-FiI/F68は、外部機器とのWi-Fi通信を実行するための近距離無線I/Fである。加熱調理器10は、Wi-FiI/F68を介して、インターネット150に接続可能である。
【0038】
制御装置60は、CPU,ROM,RAM,EEPROM等を備えている。制御装置60は、メモリ62(図1参照)に格納されているプログラム64(図1参照)に従って、加熱調理器10の動作を制御する。制御装置60の詳細については後述する。
【0039】
次に、レンジフード40について説明する。レンジフード40は、加熱調理器10の上方に配置されている。レンジフード40は、換気装置102(排気装置の一例)と、撮像装置200と、BTI/F204と、制御装置106を備えている。
【0040】
換気装置102は、ファン104と、レンジカバー46を備えている。レンジカバー46は、ファン104を下方から覆っている。ファン104は、モータ(図示省略)の回転によって所定の風量になるように動作する。例えば、ファン104は、弱、中、強の風量で動作する。換気装置102は、ファン104が動作することによって、所定の風量で室内の空気と室外の空気を換気する。換気装置102は、加熱調理器10で被調理物の加熱調理中に発生する調理排気を排気する。また、換気装置102は、調理排気を排気することによって、被調理物の加熱調理中に発生する臭気を除去する。
【0041】
撮像装置200は、例えばレンジフード40の後部に配置されている。撮像装置200は、加熱調理器10よりも上方の位置に取り付けられている。撮像装置200は、カメラ202を備えている。カメラ202は、加熱調理器10で加熱調理中の被調理物の画像を上方から撮像可能である。図3に示すように、カメラ202が撮像した画像には被調理物90の画像が含まれている。被調理物90は、例えば鍋等の調理容器89に収容されており、加熱調理器10のコンロ(図3では第1コンロ11a)で加熱調理されている。
【0042】
図2に示すBTI/F204は、外部機器とのBT通信を実行するための近距離無線I/Fである。レンジフード40は、BTI/F204を介して、加熱調理器10と通信可能である。制御装置106は、CPU,ROM,RAM,EEPROM等を備えている。制御装置106は、メモリ108(図1参照)に格納されているプログラム110(図1参照)に従って、レンジフード40の動作を制御する。制御装置106は、換気装置102のファン104、撮像装置200のカメラ202、および、BTI/F204の動作を制御する。
【0043】
次に、サーバ装置300について説明する。図1に示すように、サーバ装置300は、インターネット150を介して、加熱調理器10と通信可能である。サーバ装置300は、加熱調理器10の製造元によって管理されている。サーバ装置300は、入力装置302と、出力装置304と、通信I/F306と、制御装置308を備えている。入力装置302は、例えば、マウス、キーボード等の入力を行うための装置である。出力装置304は、例えば、ディスプレイ、スピーカ等の出力を行うための装置である。サーバ装置300のオペレータは、入力装置302および出力装置304を介して、サーバ装置300を操作することができる。通信I/F306は、インターネット150を介した通信を行うための有線または無線のI/Fである。制御装置308は、CPU,ROM,RAM,HDD,SSD等を備えている。制御装置308は、入力装置302、出力装置304および通信I/F306の動作を制御する。制御装置308は、メモリ310を備える。制御装置308は、メモリ310に格納されたプログラム312に従って、サーバ装置300の動作を制御する。制御装置308の詳細については後述する。
【0044】
図4を参照して、加熱調理器10の制御装置60の詳細について説明する。制御装置60は、メモリ62に格納されているプログラム64をRAMに展開し、RAMに展開されたプログラム64をCPUにより解釈および実行する。これによって、制御装置60は、ソフトウェアモジュールとして、被調理物画像取得部401、画像解析部402、解像度変換部403、被調理物関連情報取得部404、排気装置制御部406、加熱調理器制御部407、重み情報取得部409、臭気状態推定部430を備えるコンピュータとして構成される。臭気状態推定部430は、臭気程度推定部405と臭気種類推定部408を含んでいる。
【0045】
被調理物画像取得部401は、撮像装置200のカメラ202から撮像画像410を取得する。撮像画像410は、加熱調理器10で加熱調理中の被調理物90を示している。撮像画像410は、ある時点で撮影された静止画像であってもよいし、経時的に撮影された複数の静止画像の組であってもよいし、所定時間にわたって撮影された動画であってもよい。
【0046】
画像解析部402は、撮像画像410に基づく画像解析を行う。被調理物関連情報取得部404は、画像解析部402における画像解析の結果から、被調理物90に関連する情報である被調理物関連情報411を取得する。被調理物関連情報411は、例えば、被調理物90の大きさ、形状、量、切り方、被調理物90の調理方法、焼き色などの調理中の被調理物の色についての情報である。被調理物90の調理方法は、例えば、被調理物90を煮る、炒める、焼く、炙る、揚げる等であり、加熱量(火力)や加熱時間などを含めてもよい。
【0047】
解像度変換部403は、撮像画像410の解像度を低下させる。これにより、解像度変換部403は、低解像度撮像画像412を生成する。
【0048】
臭気状態推定部430は、被調理物90の加熱調理中に発生する臭気の状態である臭気状態を推定するための機械学習を行った学習済みの学習器(ニューラルネットワーク413)に、撮像画像410を低解像度化することで得られた低解像度撮像画像412を入力する。また、被調理物関連情報411も、補足情報414として同様に入力される。これにより、臭気状態推定部430は、臭気状態情報423を学習器から取得する。臭気状態は、臭気程度と臭気種類を含む概念である。臭気状態情報423は、臭気程度情報420と臭気種類情報421を含んでいる。
【0049】
臭気程度推定部405は、被調理物90の加熱調理中に発生する臭気の程度である臭気程度を推定するための機械学習を行った学習済みの学習器(ニューラルネットワーク413)に、撮像画像410を低解像度化することで得られた低解像度撮像画像412を入力する。また、被調理物関連情報411も、補足情報414として同様に入力される。これにより、臭気程度推定部405は、臭気程度情報420を学習器から取得する。臭気程度情報420は、例えば、レベル1、レベル2等の臭気の程度についての情報である。臭気の程度は、多段階(例えば10段階)のレベルで示される。臭気の程度は、例えば、臭い(強い)臭気の場合は、レベル10で示され、臭くない(弱い)臭気の場合は、レベル1で示される。臭気程度推定部405は、撮像画像410ではなく低解像度撮像画像412をニューラルネットワーク413に入力することで、ニューラルネットワーク413の演算処理の計算量を低減することができ、計算負荷を低減することができる。なお、解像度変換部403による低解像度化の処理は省略されてもよい。この場合、臭気程度推定部405は、撮像画像410を学習器(ニューラルネットワーク413)に入力してもよい。
【0050】
臭気種類推定部408は、被調理物90の加熱調理中に発生する臭気の種類である臭気種類を推定するための機械学習を行った学習済みの学習器(ニューラルネットワーク413)に、撮像画像410を低解像度化することで得られた低解像度撮像画像412を入力する。また、被調理物関連情報411も、補足情報414として同様に入力される。これにより、臭気種類推定部408は、臭気種類情報421を学習器から取得する。臭気種類情報421は、例えば、魚の臭い、肉の臭い、調味料の臭い、甘い臭い、酸っぱい臭い等の臭気の種類についての情報である。臭気種類推定部408は、撮像画像410ではなく低解像度撮像画像412をニューラルネットワーク413に入力することで、ニューラルネットワーク413の演算処理の計算量を低減することができ、計算負荷を低減することができる。なお、解像度変換部403による低解像度化の処理は省略されてもよい。この場合、臭気種類推定部408は、撮像画像410を学習器(ニューラルネットワーク413)に入力してもよい。
【0051】
ニューラルネットワーク413は、複数種類のニューラルネットワークを組み合わせることで構成されている。例えば、ニューラルネットワーク413は、全結合ニューラルネットワーク415、畳み込みニューラルネットワーク416、結合層417、およびLSTMネットワーク418の4つの部分に分かれている。全結合ニューラルネットワーク415および畳み込みニューラルネットワーク416は入力側に並列に配置されており、全結合ニューラルネットワーク415には補足情報414が入力され、畳み込みニューラルネットワーク416には低解像度撮像画像412が入力される。結合層417は、全結合ニューラルネットワーク415および畳み込みニューラルネットワーク416の出力を結合する。LSTMネットワーク418は、結合層417からの出力を受けて、臭気程度情報420および臭気種類情報421を出力する。
【0052】
全結合ニューラルネットワーク415は、いわゆる多層構造のニューラルネットワークであり、入力側から順に、入力層415a、中間層(隠れ層)415b、および出力層415cを備えている。ただし、全結合ニューラルネットワーク415の層の数は、このような例に限定されなくてもよく、実施形態に応じて適宜選択されてよい。
【0053】
全結合ニューラルネットワーク415の各層415a、415b、415cは、1又は複数のニューロン(ノード)を備えている。各層に含まれるニューロンの個数は、実施形態に応じて適宜設定されてよい。各層に含まれる各ニューロンが、隣接する層に含まれる全てのニューロンに結合されていることで、全結合ニューラルネットワーク415は構成される。各結合には、重み(結合荷重)が適宜設定されている。
【0054】
畳み込みニューラルネットワーク416は、畳み込み層416aおよびプーリング層416bを交互に接続した構造を有する順伝播型ニューラルネットワークである。本実施形態に係る畳み込みニューラルネットワーク416では、複数の畳み込み層416aおよびプーリング層416bが入力側に交互に配置されている。そして、最も出力側に配置されたプーリング層416bの出力が全結合層416cに入力され、全結合層416cの出力が出力層416dに入力される。
【0055】
畳み込み層416aは、画像の畳み込みの演算を行う層である。画像の畳み込みとは、画像と所定のフィルタとの相関を算出する処理に相当する。そのため、画像の畳み込みを行うことで、例えば、フィルタの濃淡パターンと類似する濃淡パターンを入力される画像から検出することができる。
【0056】
プーリング層416bは、プーリング処理を行う層である。プーリング処理は、画像のフィルタに対する応答の強かった位置の情報を一部捨て、画像内に現れる特徴の微小な位置変化の影響を除外する。
【0057】
全結合層416cは、隣接する層の間のニューロン全てを結合した層である。すなわち、全結合層416cに含まれる各ニューロンは、隣接する層に含まれる全てのニューロンに結合される。全結合層416cは、2層以上で構成されてもよい。また、全結合層416cに含まれるニューロンの個数は、実施形態に応じて適宜設定されてもよい。
【0058】
出力層416dは、畳み込みニューラルネットワーク416の最も出力側に配置される層である。出力層416dに含まれるニューロンの個数は、実施形態に応じて適宜設定されてよい。なお、畳み込みニューラルネットワーク416の構成は、このような例に限定されなくてもよく、実施形態に応じて適宜設定されてもよい。
【0059】
結合層417は、全結合ニューラルネットワーク415および畳み込みニューラルネットワーク416とLSTMネットワーク418との間に配置される。結合層417は、全結合ニューラルネットワーク415の出力層415cからの出力および畳み込みニューラルネットワーク416の出力層416dからの出力を結合する。結合層417の出力は、LSTMネットワーク418に入力される。結合層417に含まれるニューロンの個数は、全結合ニューラルネットワーク415および畳み込みニューラルネットワーク416の出力の数に応じて適宜設定されてもよい。
【0060】
LSTMネットワーク418は、LSTMブロック418bを備える再帰型ニューラルネットワークである。再帰型ニューラルネットワークは、例えば、中間層から入力層への経路のように、内部にループを有するニューラルネットワークのことである。LSTMネットワーク418は、一般的な再帰型ニューラルネットワークの中間層をLSTMブロック418bに置き換えた構造を有する。
【0061】
LSTMネットワーク418は、入力側から順に、入力層418a、LSTMブロック418b、および出力層418cを備えており、順伝播の経路の他、LSTMブロック418bから入力層418aに戻る経路を有している。入力層418aおよび出力層418cに含まれるニューロンの個数は、実施形態に応じて適宜設定されてもよい。
【0062】
LSTMブロック418bは、入力ゲートおよび出力ゲートを備え、情報の記憶および出力のタイミングを学習可能に構成されたブロックである。また、LSTMブロック418bは、情報の忘却のタイミングを調節する忘却ゲートを備えてもよい。LSTMネットワーク418の構成は、実施形態に応じて適宜設定可能である。
【0063】
各ニューロンには閾値が設定されており、基本的には、各入力と各重みとの積の和が閾値を超えているか否かによって各ニューロンの出力が決定される。臭気程度推定部405および臭気種類推定部408は、全結合ニューラルネットワーク415に補足情報414を入力し、畳み込みニューラルネットワーク416に低解像度撮像画像412を入力する。そして、ニューラルネットワーク413は、入力側から順に、各層に含まれる各ニューロンの発火判定を行う。このように、ニューラルネットワーク413は、入力に対する演算処理を実行する。臭気程度推定部405は、臭気程度情報420に対応する出力値をLSTMネットワーク418から取得する。臭気種類推定部408は、臭気種類情報421に対応する出力値をLSTMネットワーク418から取得する。
【0064】
なお、このようなニューラルネットワーク413の構成(例えば、各ネットワークの層数、各層におけるニューロンの個数、ニューロン同士の結合関係、各ニューロンの伝達関数)、各ニューロン間の結合の重み、および各ニューロンの閾値を示す情報は、学習結果データ419に含まれている。臭気程度推定部405および臭気種類推定部408は、学習結果データ419を参照して、ニューラルネットワーク413の設定を行う。
【0065】
重み情報取得部409は、臭気の種類に応じてユーザが重み付けした重みを示す重み情報422を取得する。臭気の種類は、例えば、魚の臭い、肉の臭い、調味料の臭い、甘い臭い、酸っぱい臭い等である。ユーザは、嫌いな臭いについては重みを重くし、好きな臭いについては重みを軽くする。例えば、ユーザは、魚の臭いについては重みを重くし、肉の臭いについては重みを軽くする。ユーザは、例えば、加熱調理器10のパネル操作部22(図2参照)から臭気の種類に応じた重みを入力することができる。ユーザが設定する重みは適宜変更可能である。
【0066】
排気装置制御部406は、臭気程度推定部405から得られる臭気程度情報420に基づいて、換気装置102における排気条件を設定する。排気条件は、例えば、弱、中、強等のファン104の風量である。排気条件は、例えば、換気装置102の運転時間であってもよい。排気装置制御部406は、臭気種類推定部408から得られる臭気種類情報421にも基づいて、換気装置102における排気条件を設定してもよい。排気装置制御部406は、臭気程度情報420および臭気種類情報421に加えて、被調理物関連情報411にも基づいて、換気装置102における排気条件を設定してもよい。排気装置制御部406は、設定した排気条件に基づいて、換気装置120のファン104を制御する。
【0067】
加熱調理器制御部407は、臭気程度推定部405から得られる臭気程度情報420に基づいて、加熱調理器10における加熱条件を設定する。加熱条件は、例えば、コンロ11a、11b、11cやグリル28における弱、中、強等の加熱量である。加熱条件は、例えば、コンロ11a、11b、11cやグリル28における被調理物の加熱時間であってもよい。加熱調理器制御部407は、臭気種類推定部408から得られる臭気種類情報421にも基づいて、加熱調理器10における加熱条件を設定してもよい。加熱調理器制御部407は、臭気程度情報420および臭気種類情報421に加えて、被調理物関連情報411にも基づいて、加熱調理器10における加熱条件を設定してもよい。加熱調理器制御部407は、設定した加熱条件に基づいて、加熱調理器10を制御する。
【0068】
以下では図5を参照して、サーバ装置300の制御装置308の詳細について説明する。制御装置308は、メモリ310に記憶されたプログラム312をRAMに展開し、RAMに展開されたプログラム312をCPUにより解釈および実行する。これによって、制御装置308は、ソフトウェアモジュールとして、学習データ取得部321および学習処理部322を備えるコンピュータとして構成される。
【0069】
学習データ取得部321は、撮像装置200のカメラ202から取得される撮像画像410を低解像度化することで得られる低解像度撮像画像323と、被調理物関連情報411からなる補足情報324と、低解像度撮像画像323および補足情報324に対応する臭気状態情報340との組を、学習データ326として取得する。臭気状態情報340は、臭気程度情報325および臭気種類情報335を含む。低解像度撮像画像323および補足情報324はそれぞれ、図4を参照して説明した低解像度撮像画像412および補足情報414に対応し、入力データとして利用される。臭気状態情報340は、図4の臭気状態情報423に対応し、教師データ(正解データ)として利用される。臭気程度情報325は、図4の臭気程度情報420に対応し、臭気種類情報335は、図4の臭気種類情報421に対応する。学習処理部322は、低解像度撮像画像323および補足情報324を入力すると、臭気程度情報420に対応する出力値および臭気種類情報421に対応する出力値を出力するように、学習器(ニューラルネットワーク327)の機械学習を行う。
【0070】
学習データ326は、加熱調理器10で加熱調理中の被調理物の様々な状態についての被調理物画像と、その際に発生する臭気の程度を示す臭気程度とを紐づけることで作成することができる。また、学習データ326は、加熱調理器10で加熱調理中の被調理物の様々な状態についての被調理物画像と、その際に発生する臭気の種類を示す臭気種類とを紐づけることで作成することができる。その際、様々な状態についての被調理物画像は、図4の低解像度撮像画像412と同等の解像度で保存される。
【0071】
補足情報324に含まれる被調理物関連情報411は、加熱調理器10で加熱調理中の被調理物の様々な状態についての被調理物画像を解析して、被調理物の大きさ、形状、量、切り方、被調理物の調理方法、焼き色などの調理中の被調理物の色などについての情報を抽出することで取得することができる。学習データ326は、これらの抽出した情報と臭気程度を紐づけることでも作成することができる。また、臭気種類も紐づけることができる。
【0072】
学習データ326の作成は、オペレータが入力装置302(図1参照)を用いて手動で行ってもよいし、プログラム312(図1参照)の処理により自動的に行われてもよい。学習データ326は、加熱調理器10の制御装置60から随時収集されてもよい。また、学習データ326の作成は、サーバ装置300以外の他の情報処理装置により行われてもよい。なお、学習データ326のデータ件数は、ニューラルネットワーク327の機械学習を行うことができるように、実施形態に応じて適宜決定されてよい。
【0073】
制御装置308は、ニューラルネットワーク327を備えている。制御装置308のニューラルネットワーク327は、全結合ニューラルネットワーク328、畳み込みニューラルネットワーク329、結合層330、およびLSTMネットワーク331を備えている。制御装置308の全結合ニューラルネットワーク328、畳み込みニューラルネットワーク329、結合層330、およびLSTMネットワーク331はそれぞれ、制御装置60の全結合ニューラルネットワーク415、畳み込みニューラルネットワーク416、結合層417、およびLSTMネットワーク418と同様に構成されている。
【0074】
学習処理部322は、全結合ニューラルネットワーク328に補足情報324を入力し、畳み込みニューラルネットワーク329に低解像度撮像画像323を入力すると、臭気程度情報325に対応する出力値および臭気種類情報335に対応する出力値をLSTMネットワーク331から出力するように、ニューラルネットワーク327を構築する。
【0075】
具体的には、まず学習処理部322は、ニューラルネットワーク327を用意する。用意するニューラルネットワーク327の構成、各ニューロン間の結合の重みの初期値、および各ニューロンの閾値の初期値は、テンプレートにより与えられてもよいし、オペレータの入力により与えられてもよい。また、再学習を行う場合には、制御装置308は、再学習を行う対象となる学習結果データ419に基づいて、ニューラルネットワーク327を用意してもよい。
【0076】
次に、学習処理部322は、学習データ326に含まれる低解像度撮像画像323および補足情報324を入力データとして用い、臭気程度情報325および臭気種類情報335を教師データ(正解データ)として用いて、ニューラルネットワーク327の学習処理を行う。このニューラルネットワーク327の学習処理には、確率的勾配降下法等が用いられてよい。
【0077】
例えば、学習処理部322は、全結合ニューラルネットワーク328の入力層に補足情報324を入力し、畳み込みニューラルネットワーク329の最も入力側に配置された畳み込み層に低解像度撮像画像323を入力する。そして、学習処理部322は、入力側から順に、各層に含まれる各ニューロンの発火判定を行う。これにより、学習処理部322は、LSTMネットワーク331の出力層から出力値を得る。次に、学習処理部322は、LSTMネットワーク331の出力層から取得した出力値と臭気程度情報325および臭気種類情報335に対応する値との誤差を算出する。続いて、学習処理部322は、通時的誤差逆伝搬法により、算出した出力値の誤差を用いて、各ニューロン間の結合の重みおよび各ニューロンの閾値それぞれの誤差を算出する。そして、学習処理部322は、算出した各誤差に基づいて、各ニューロン間の結合の重みおよび各ニューロンの閾値それぞれの値の更新を行う。
【0078】
学習処理部322は、学習データ326のそれぞれについて、ニューラルネットワーク327から出力される出力値が臭気程度情報325に対応する値と一致するまで、この一連の処理を繰り返す。また、学習処理部322は、臭気種類情報335に対応する値についても同様の処理を繰り返す。これにより、学習処理部322は、低解像度撮像画像323および補足情報324を入力すると、臭気程度情報325に対応する出力値および臭気種類情報335に対応する出力値を出力する、ニューラルネットワーク327を構築することができる。
【0079】
そして、学習処理部322は、構築したニューラルネットワーク327の構成、各ニューロン間の結合の重みおよび各ニューロンの閾値を示す情報を、学習結果データ419としてメモリ310に格納する。学習処理部322は、メモリ310に格納した学習結果データ419を、インターネット150を介して定期的に制御装置60に送信する。これにより、制御装置60の学習結果データ419が定期的に更新される。
【0080】
以下では図6を参照しながら、加熱調理器10およびレンジフード40の動作について説明する。加熱調理器10の電源スイッチ24が押下されると、制御装置60は図6に示す処理を実行する。
【0081】
S2では、制御装置60は、被調理物画像取得部401によって、撮像装置200のカメラ202から、被調理物画像を取得する。取得された被調理物画像は、後の処理において、撮像画像410として扱われる。
【0082】
S4では、制御装置60は、画像解析部402および被調理物関連情報取得部404によって、被調理物画像から被調理物関連情報411を取得する。取得された被調理物関連情報411は、後の処理において、補足情報414として扱われる。
【0083】
S6では、制御装置60は、解像度変換部403によって、被調理物画像を低解像度化した画像を取得する。低解像度化された被調理物画像は、後の処理において、低解像度撮像画像412として扱われる。
【0084】
S8では、制御装置60は、臭気程度推定部405によって、臭気程度を推定する。また、S8では、制御装置60は、臭気種類推定部408によって、臭気種類を推定する。具体的には、臭気程度推定部405および臭気種類推定部408は、低解像度撮像画像412と補足情報414をニューラルネットワーク413に入力する。ニューラルネットワーク413は、サーバ装置300の制御装置308から、インターネット150を介して学習結果データ419を取得済みである。すなわち、ニューラルネットワーク413は、被調理物画像に基づいて臭気程度および臭気種類を推定するための機械学習を行った学習済みの学習器に相当する。ニューラルネットワーク413は、低解像度撮像画像412と補足情報414を含む入力に対して、臭気程度情報420および臭気種類情報421を含む出力を提供する。
【0085】
S10では、制御装置60は、重み情報取得部409によって、重み情報422を取得する。重み情報422は、臭気の種類に応じてユーザが重み付けした重みを示す情報である。
【0086】
S12では、制御装置60は、排気装置制御部406によって、排気運転処理を実行する。排気運転処理では、排気装置制御部406は、S8で取得された臭気程度情報420と、臭気種類情報421と、S10で取得された重み情報422に基づいて、換気装置102における風量、運転時間等の排気条件を設定する。例えば、臭気程度情報420で示される臭気程度が高い場合(例えば、レベル10の強い臭気の場合)には、排気装置制御部406は、換気装置102における排気条件として、強い風量および/または長い運転時間を設定する。また、臭気種類情報421で示される臭気種類に応じた、重み情報422で示される重みが重い場合には、排気装置制御部406は、換気装置102における排気条件として、強い風量および/または長い運転時間を設定する。なお、換気装置102における排気条件の設定は、臭気程度情報420に基づいていればよく、臭気種類情報421や重み情報422には基づいていなくてもよい。
【0087】
加熱調理器10の制御装置60は、S12で設定された排気条件の情報をレンジフード40に送信する。レンジフード40の制御装置106は、加熱調理器10から受信する情報で示される排気条件に基づいて、換気装置102を制御する。具体的には、制御装置106は、排気条件で示される風量と運転時間に基づいてファン104を動作させる。
【0088】
S14では、制御装置60は、加熱調理器制御部407によって、加熱運転処理を実行する。加熱運転処理では、加熱調理器制御部407は、S8で取得された臭気程度情報420と、臭気種類情報421と、S10で取得された重み情報422に基づいて、加熱調理器10における火力、加熱時間等の加熱条件を設定する。例えば、臭気程度情報420で示される臭気程度が高い場合(例えば、レベル10の強い臭気の場合)には、排気装置制御部406は、加熱調理器10における排気条件として、弱い火力および/または短い加熱時間を設定する。また、臭気種類情報421で示される臭気種類に応じた、重み情報422で示される重みが重い場合には、排気装置制御部406は、加熱調理器10における加熱条件として、弱い火力および/または短い加熱時間を設定する。なお、換気装置102における加熱条件の設定は、臭気程度情報420に基づいていればよく、臭気種類情報421や重み情報422には基づいていなくてもよい。そして、加熱調理器制御部407は、設定された加熱条件に基づいて、加熱調理器10を制御する。具体的には、加熱調理器制御部407は、加熱条件で示される火力と加熱時間に基づいて、各コンロバーナおよびグリルバーナ29の動作を制御する。
【0089】
以下では図7を参照しながら、制御装置60の学習結果データ419を更新するために、サーバ装置300が実行する処理について説明する。
【0090】
S22では、制御装置308は、学習データ取得部321によって、低解像度撮像画像323と、補足情報324と、臭気程度情報325と、臭気種類情報335の組を、学習データ326として取得する。
【0091】
S24では、制御装置308は、学習処理部322によって、S22で取得した学習データ326を用いて、低解像度撮像画像323および補足情報324を入力すると、臭気程度情報325に対応する出力値および臭気種類情報335に対応する出力値を出力するように、ニューラルネットワーク327の学習処理を行う。学習処理部322は、学習処理によって得られたニューラルネットワーク327の構成、各ニューロン間の結合の重み、および各ニューロンの閾値を示す情報を学習結果データ419として取得する。
【0092】
S26では、制御装置308は、学習処理部322によって、取得された学習結果データ419を加熱調理器10の制御装置60に送信する。これによって、制御装置60の学習結果データ419が更新される。
【0093】
上記では、加熱調理器10の制御装置60が被調理物画像取得部401、画像解析部402、解像度変換部403、被調理物関連情報取得部404、臭気程度推定部405、排気装置制御部406、加熱調理器制御部407、臭気種類推定部408、重み情報取得部409を備える構成について説明した。これとは異なり、レンジフード40の制御装置106がこれらの構成要素を備えていてもよい。
【0094】
上記では、制御装置60が臭気種類推定部408、重み情報取得部409を備える構成について説明した。これとは異なり、臭気種類推定部408と重み情報取得部409が省略されてもよい。
【0095】
上記では、レンジフード40が加熱調理器10を介してインターネット150に接続する構成について説明した。これとは異なり、レンジフード40がWi-FiI/Fを備えている場合、レンジフード40は、加熱調理器10を介することなくインターネット150に接続してもよい。
【0096】
上記では、撮像装置200がレンジフード40に配置されている構成について説明した。これとは異なり、撮像装置200が例えば室内の天井に取り付けられていてもよい。
【0097】
上記では、被調理物画像が、レンジフード40や天井に取り付けられた撮像装置200によって撮像される場合について説明したが、これとは異なり、加熱調理器10(または、レンジフード40)と有線または無線によって通信可能なカメラ付きの携帯情報端末、例えばスマートフォン等によって、被調理物画像を撮像する構成としてもよい。
【0098】
以上、本発明の実施例について詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
【0099】
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0100】
2:システム、10:加熱調理器、11a:第1コンロ、11b:第2コンロ、11c:第3コンロ、20:コンロ操作部、22:パネル操作部、24:電源スイッチ、28:グリル、29:グリルバーナ、40:レンジフード、46:レンジカバー、60:制御装置、90:被調理物、102:換気装置、104:ファン、106:制御装置、120:換気装置、150:インターネット、200:撮像装置、202:カメラ、300:サーバ装置、302:入力装置、304:出力装置、306:通信I/F、308:制御装置、321:学習データ取得部、322:学習処理部、323:低解像度撮像画像、324:補足情報、325:臭気程度情報、326:学習データ、327:ニューラルネットワーク、328:全結合ニューラルネットワーク、329:畳み込みニューラルネットワーク、330:結合層、331:LSTMネットワーク、335:臭気種類情報、401:被調理物画像取得部、402:画像解析部、403:解像度変換部、404:被調理物関連情報取得部、405:臭気程度推定部、406:排気装置制御部、407:加熱調理器制御部、408:臭気種類推定部、409:重み情報取得部、410:撮像画像、411:被調理物関連情報、412:低解像度撮像画像、413:ニューラルネットワーク、414:補足情報、415:全結合ニューラルネットワーク、415a:入力層、415c:出力層、416:畳み込みニューラルネットワーク、416a:畳み込み層、416b:プーリング層、416c:全結合層、416d:出力層、417:結合層、418:LSTMネットワーク、418a:入力層、418b:LSTMブロック、418c:出力層、419:学習結果データ、420:臭気程度情報、421:臭気種類情報、422:重み情報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7