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  • 特許-エアリークテスト装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-26
(45)【発行日】2024-07-04
(54)【発明の名称】エアリークテスト装置
(51)【国際特許分類】
   G01M 3/26 20060101AFI20240627BHJP
【FI】
G01M3/26 M
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020101813
(22)【出願日】2020-06-11
(65)【公開番号】P2021196229
(43)【公開日】2021-12-27
【審査請求日】2023-04-06
(73)【特許権者】
【識別番号】390019035
【氏名又は名称】株式会社フクダ
(74)【代理人】
【識別番号】100085556
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100115211
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 三十義
(74)【代理人】
【識別番号】100153800
【弁理士】
【氏名又は名称】青野 哲巳
(72)【発明者】
【氏名】原 努
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 孝彰
(72)【発明者】
【氏名】宮嶋 大亮
(72)【発明者】
【氏名】田辺 明満
【審査官】岩永 寛道
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-304633(JP,A)
【文献】特開2009-150229(JP,A)
【文献】特開2006-349180(JP,A)
【文献】特表2002-500764(JP,A)
【文献】特開昭52-036084(JP,A)
【文献】特表2017-526935(JP,A)
【文献】特開2017-211223(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0169543(US,A1)
【文献】特許第6228285(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01M 3/00- 3/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開閉可能なワークカプセルと、
設定圧を供給する圧力源と、
上記圧力源と上記ワークカプセルの間に配置された開閉弁およびオリフィスと、
上記ワークカプセル内の圧力を検出する圧力検出手段と、
制御・演算手段と、
を備え、
上記制御・演算手段は、上記ワークカプセルにワークを収容して密封し、上記開閉弁を開いて上記圧力源と上記ワークカプセルを連通させた状態を維持したまま、上記オリフィスにエアを流通させることにより、上記ワークカプセル内の圧力を変化させ、この圧力変化は、設定圧が正圧の場合には設定圧より低い圧力範囲での圧力上昇であり、設定圧が負圧の場合には、設定圧より高い圧力範囲での圧力低下であり、
さらに上記制御・演算手段は、上記ワークカプセル内の圧力が変化する過程で、上記圧力検出手段で検出した上記ワークカプセル内の圧力に基づき、上記ワークの気密性の良否を判定することを特徴とするエアリークテスト装置。
【請求項2】
上記制御・演算手段は、上記圧力源と上記ワークカプセルを連通させた状態での上記ワークカプセル内の圧力の変化の途中において、上記開閉弁の開き動作から設定時間経過時点で上記開閉弁を閉じ動作させ、
さらに、上記設定時間経過時点より前に、開き動作してから所定時間経過時点での上記検出圧力に基づき、上記ワークの気密性の良否を判定することを特徴とする請求項1に記載のエアリークテスト装置。
【請求項3】
上記制御・演算手段は、上記圧力源と上記ワークカプセルを連通させた状態での上記ワークカプセル内の圧力の変化の途中において、上記開閉弁の開き動作から設定時間経過時点で上記開閉弁を閉じ動作させ、
さらに、上記開閉弁の閉じ動作後の上記圧力検出手段の検出圧力に基づき、上記ワークの気密性の良否を判定することを特徴とする請求項1に記載のエアリークテスト装置。
【請求項4】
開閉可能なワークカプセルと、
設定圧を供給する圧力源と、
上記圧力源と上記ワークカプセルの間に配置された開閉弁およびオリフィスと、
上記ワークカプセル内の圧力を検出する圧力検出手段と、
制御・演算手段と、
を備え、
上記制御・演算手段は、上記ワークカプセルにワークを収容して密封し、上記開閉弁を開いて上記圧力源と上記ワークカプセルを連通させた状態を維持したまま、上記オリフィスにエアを流通させることにより、上記ワークカプセル内の圧力を変化させ、この圧力変化は、設定圧が正圧の場合には設定圧より低い圧力範囲での圧力上昇であり、設定圧が負圧の場合には、設定圧より高い圧力範囲での圧力低下であり、
さらに上記制御・演算手段は、上記圧力源と上記ワークカプセルを連通させた状態での上記ワークカプセル内の圧力の変化の途中において、上記開閉弁の開き動作から設定時間経過時点で上記開閉弁を閉じ動作させ、
上記開閉弁の閉じ動作に伴って生じる上記ワークカプセル内の圧力のピーク値を上記検出手段の検出圧力に基づき決定し、このピーク値に基づき、上記ワークの気密性の良否を判定することを特徴とするエアリークテスト装置。
【請求項5】
上記制御・演算手段は、上記開閉弁の閉じ動作後の上記圧力検出手段の検出圧力に基づき、上記ワークの気密性の良否を判定することを特徴とする請求項4に記載のエアリークテスト装置。
【請求項6】
上記制御・演算手段は、上記開閉弁の閉じ動作後の所定時間経過時点での上記検出圧力に基づき、上記ワークの気密性の良否を判定することを特徴とする請求項3または5に記載のエアリークテスト装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワークの気密性を検査するためのエアリークテスト装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示されているように、圧力源が設けられた主回路と、開閉可能なワークカプセルとマスタカプセルがそれぞれ設けられた一対の分岐回路と、を備えたエアリークテスト装置は公知である。ワークカプセルにワークを収容して密封し、ワークカプセルとマスタカプセルに圧力源からの設定圧を供給した後、一対の分岐回路を閉じ、ワークカプセルとマスタカプセルの差圧を差圧センサで検出し、この検出差圧に基づいてワークの密封性の良否を判定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】WO2017/208543号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された一般的なエアリークテスト装置では、設定圧の供給後、ワークカプセルおよびマスタカプセルの圧力が安定するのを待って分岐回路を閉じ、さらに所定時間経過を待って検出された差圧に基づき、ワークの密封性の良否を判定するため、1回のリークテストに要する時間が長くなる。そのため、例えば大量生産されたワークの全数検査が求められる場合に、それに応えることが困難であった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、開閉可能なワークカプセルと、
設定圧を供給する圧力源と、上記圧力源と上記ワークカプセルの間に配置された開閉弁およびオリフィスと、上記ワークカプセル内の圧力を検出する圧力検出手段と、制御・演算手段と、を備え、上記制御・演算手段は、上記ワークカプセルにワークを収容して密封した状態で上記開閉弁を開いて上記オリフィスにエアを流通させることにより、上記ワークカプセル内の圧力を変化させ、上記圧力検出手段で検出した上記ワークカプセル内の圧力に基づき、上記ワークの気密性の良否を判定する。
【0006】
上記構成によれば、オリフィスでのエア流通によりワークカプセル内の圧力を変化させ、この変化した圧力に基づいてワークの気密性の良否を判定するため、供給圧が安定するのを待つ従来のエアリークテスト方法に比べて格段に検査時間を短縮することができる。
【0007】
好ましくは、上記制御・演算手段は、上記オリフィスでエアが流通している時に、上記開閉弁を閉じ、この閉じ動作後に生じる上記検出圧力のピーク値に基づき、上記ワークの気密性の良否を判定する。
上記構成によれば、開閉弁の閉じ動作の検出圧力のピーク値に基づき、正確に検査を行なうことができる。
【0008】
好ましくは、上記制御・演算手段は、上記開閉弁の閉じ動作後の所定時間経過時点での上記検出圧力に基づき、上記ワークの気密性の良否を判定する。
上記構成によれば、より一層正確に検査を行なうことができる。
【0009】
好ましくは、上記制御・演算手段は、上記開閉弁の開き動作後、上記オリフィスにエアが流通している途中の所定時間経過時点での上記検出圧力に基づき、上記ワークの気密性の良否を判定する。
上記構成によれば、より一層短時間に検査を行なうことができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ワーク毎の気密性検査の時間を大幅に短縮できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態に係るエアリークテスト装置の回路構成図である。
図2】上記エアリークテスト装置により正圧の設定圧を用いて実行される検査工程において、ワークカプセルの圧力変化を示すグラフであり、良品と小漏れ品と大漏れ品の場合をそれぞれ示す。
図3】負圧の設定圧を用いた場合の図2相当のグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態に係るエアリークテスト装置について、図面を参照しながら説明する。本実施形態で検査対象となるワークは、例えば包装された医薬品や食品であり、包装の密封性の良否が検査される。
【0013】
図1に示すように、エアリークテスト装置は、ワークWを収容する開閉可能なワークカプセル10を備えている。本実施形態のワークカプセル10は、カプセル本体11と、蓋体12とを有している。図示しない昇降手段によりカプセル本体11と蓋体12のいずれかが昇降され、これにより、ワークカプセル10内が密封され、開放される。
【0014】
ワークカプセル10には、圧力供給回路20が接続されている。圧力供給回路20には、ワークカプセル10に向かって順に設定圧を供給する圧力源21と開閉弁22とオリフィス23が設けられている。
ワークカプセル10には、ワークカプセル10内の圧力、例えば絶対圧を検出する圧力計25(圧力検出手段)が接続されている。
ワークカプセル10には、ワークカプセル10と大気との間を連通、遮断する開閉弁26が接続されている。
【0015】
エアリークテスト装置は、さらに制御・演算手段30を備えている。この制御・演算手段30は、ワークカプセル10を開閉するための昇降手段の昇降制御、開閉弁22,26の開閉制御を実行するとともに、圧力計25からの検出圧力に基づくワークWの密封性の良否判定を行なう。
【0016】
上記構成をなすエアリークテスト装置において、制御・演算手段30で実行される検査工程について詳述する。本実施形態では設定圧を大気圧の5倍以上の正圧、例えば約700KPaとする。
【0017】
ワークWをワークカプセル10に収容してワークカプセル10を密封した後、開閉弁22を開く。すると、設定圧がオリフィス23の一端に付与される。オリフィス23の他端に連なるワークカプセル10内は大気圧であるので、オリフィス23には、設定圧と大気圧との差と、オリフィス23の寸法(断面積、長さ)によって決定される流量のエアが、オリフィス23を流れてワークカプセル10に向かう。
【0018】
ワークカプセル10には、オリフィス23によって流量を制限された正圧のエアが供給されるため、ワークカプセル10の圧力は、図2に曲線で示すように上昇する。図2において曲線Aは、ワークWが良品である場合すなわち包装に欠陥がない場合の圧力変化を示し、曲線BはワークWの包装に微小のピンホールが形成されている場合(以下、このようなワークWを小漏れ品と言う。)の圧力変化を示し、曲線CはワークWの包装に大きな欠陥がある場合(以下、このようなワークWを大漏れ品と言う。)の圧力変化を示す。
【0019】
図2に示すように、ワークカプセル10の圧力上昇の曲線は、良品と大漏れ品と小漏れ品で異なる。ワークWが良品の場合、ワークカプセル10内の正圧のエアがワークWの包装内の密封空間に入り込まないので、曲線Aに示すように、上記オリフィス23での正圧のエア流入に対応して圧力が上昇する。
【0020】
ワークWが小漏れ品の場合、ワークカプセル10内の正圧のエアが、ワークWの包装のピンホールから包装内の密封空間へ少量ずつ入り込む。そのため、ワークカプセル10内の圧力は、曲線Bに示すように、ワークWの密封空間へと入り込む分だけ良品の場合(曲線A参照)より低くなる(圧力上昇が遅れる)。
【0021】
ワークWが大漏れ品の場合、ワークカプセル10内の正圧のエアが、ワークWの包装の大きな欠陥から包装内の密封空間へと一気に入り込む。そのため、ワークカプセル10内の圧力は、曲線Cに示すように、ワークWの密封空間へとエアが一気に入り込んだ分だけ良品の場合(曲線A参照)および小漏れ品の場合(曲線B参照)より低くなる(圧力上昇が遅れる)。
【0022】
上記開閉弁22の開き動作後、所定時間t(1秒)経過した時点で、開閉弁22を再び閉じる。この時のワークカプセル10内の圧力は、大気圧の2倍弱例えば1.4~1.5倍程度であり、圧力源21の設定圧力より遥かに低い。
開閉弁22が閉じ動作をすると、若干のタイムラグ(数10msec)を経て圧力曲線A,B,Cはピークを迎える。なお、タイムラグは開閉弁22の動作遅れ時間を含む。
制御・演算手段30は、圧力計25からの検出圧力の情報を極めて短時間毎(例えば1msec毎)に獲得する。制御・演算手段30では、この検出圧力の変化から、ピーク値を演算することができる。
【0023】
上記検出圧力のピーク値は、開閉弁22の閉じ動作前の圧力上昇の仕方を反映しており、良品の場合が最も高く、大漏れ品の場合が最も低く、小漏れ品の場合が中間である。制御・演算手段30では、このピーク値を閾値と比較し、閾値より高い場合には良品と判断し、閾値より低い場合には不良品(小漏れ品または大漏れ品)と判断する(一回目の良否判定)。
なお、小漏れ品と大漏れ品の区別が必要な場合には、上記閾値を第1の閾値とし、さらにこの第1の閾値より低い第2の閾値を設定し、検出圧力のピーク値が第2の閾値より高い場合には小漏れ品と判定し、低い場合には大漏れ品と判定する。
【0024】
開閉弁22の閉じ動作後、ワークカプセル10の圧力は、上記ピーク値から時間の経過とともに低下する傾向がある。この過程での圧力は、上記ピーク値を反映しており、良品の場合が最も高く、大漏れ品の場合が最も低く、小漏れ品の場合が中間である。なお、小漏れ品の場合は、この過程でもワークカプセル10内の正圧のエアが、ワークWのピンホールからワークWの密封空間へと少量ずつ入り込むため、良品と大漏れ品に比べて圧力低下が大きくなり、曲線Bは曲線Aから離れて曲線Cに近づく傾向にある。
【0025】
制御・演算手段30は、開閉弁22の開き動作から所定時間t例えば1.5秒した経過した時点、すなわち開閉弁22の閉じ動作から0.5秒経過した時点で、ワークカプセル10の検出圧力を獲得する。この検出圧力を他の閾値と比較して、ワークWが良品か不良品(小漏れ品または大漏れ品)かを判断を行なう。(二回目の良否判定)
なお、小漏れ品と大漏れ品の区別が必要な場合には、上記ピーク値に基づく判定の場合と同様に2つの閾値を用いる。
【0026】
制御・演算手段30は、開閉弁22の開き動作から所定時間t例えば1.7秒経過した時点、すなわち二回目の判定を実行してから所定時間例えば0.2秒経過した時点で、開閉弁26を開いてワークカプセル10内の正圧のエアを排気し、ワークカプセル10内を大気圧に戻す。その直後にワークカプセル10を開き、検査済のワークWを取り出し、次に検査すべきワークWをセットする。
【0027】
上述したように、ワークWの気密性の検査を極めて短時間で実行することができる。また、ワークWが小漏れ品または大漏れ品のいずれであっても、上記検査工程だけで良品と識別することができる。
【0028】
上記実施形態で、制御・演算手段30は、2回の良否判定を行なうことにより、判定の精度を高めているが、いずれかの良否判定だけを実行してもよい。検出圧力のピーク値だけに基づき良否判定を行なう場合には、この良否判定の直後に開閉弁26を開いてワークカプセル1内の排気を行なうので、検査工程に要する時間をより一層短縮することができる。
【0029】
上記実施形態では、開閉弁22を閉じてオリフィス23での正圧のエアの流通を停止させた後のワークカプセル10内の検出圧力に基づき、ワークWの良否判定を行なっているが、開閉弁22を閉じる前のワークカプセル10内の検出圧力に基づき、上記と同様にしてワークWの良否判定を行なってもよい。この場合には、さらに検査時間を短縮することができる。
【0030】
図1に示すように、ワークカプセル10に校正回路50,60を接続してもよい。
校正回路50は、ワークカプセル10から順に開閉弁51とオリフィス52と可変容器53を有している。オリフィス52は、検査対象となるワークWで許容限界例えば50μm径のピンホールに相当する流通抵抗を有している。可変容器53は、マイクロねじにより容積を高精度に調節でき、検査対象のワークWの密閉空間と等しい容積例えば2mlを有している。開閉弁51は手動でもよい。
ワークカプセル10に良品のワークWを収容し、開閉弁51を開いた状態で、上述した検査工程を実行し、良否判定時点での検出圧力を第1閾値とすることができる。
【0031】
校正回路60は、ワークカプセル10から順に開閉弁61と可変容器63を有している。可変容器63は、校正回路50の可変容器53と同様に、マイクロねじにより容積を高精度に調節でき、検査対象のワークWの密閉空間と等しい容積を有している。開閉弁61は手動でもよい。
ワークカプセル10に良品のワークWを収容し、開閉弁61を開いた状態で、上述したリークテストを実行し、良否判定時点での検出圧力を第2閾値とする。
【0032】
上記校正回路50,60は、必要に応じてまたは工場出荷の際にだけ接続するようにしてもよい。この場合、開閉弁51,61を省くことができる。
【0033】
次に、設定圧を負圧例えば20KPaにした場合の検査工程を説明する。この場合、開閉弁22が開かれると、密閉されたワークカプセル10内のエアがオリフィス23を通って出ていくので、ワークカプセル10内の検出圧力は図3に示すように低下する。
検査工程でのエアリークテスト装置の各構成要素の動作は、設定圧が正圧の場合と同様であるので、詳細な説明を省略する。
【0034】
良品の場合、曲線A’で示すように、上記オリフィス23を介してのエア流出に対応して圧力が低下する。
小漏れ品の場合、ワークWの密封空間のエアがワークWの包装のピンホールからワークカプセル10へと少量ずつ流出するので、ワークカプセル10内の圧力は、曲線B’に示すように、ワークWの密封空間からのエアの流出分だけ良品の場合(曲線A’参照)より高くなる。
大漏れ品の場合、ワークWのピンホールからワークWの密封空間のエアがワークカプセル10内へと一気に流出するため、ワークカプセル10内の圧力は、曲線C’に示すように、ワークWの密封空間から一気にエアが流出する分だけ良品の場合(曲線A’参照)および小漏れ品の場合(曲線B’参照)より高くなる。
【0035】
検出圧力のピーク値に基づく良否判定、t2での良品判定は正圧の場合と同様であるので、詳細な説明を省略する。
【0036】
本発明は、前記実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改変をなすことができる。本発明は、ワークは電子部品等、包装されないワークの内部空間の気密性の良否を判定する場合にも適用できる。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明は、医薬品等の気密性検査に適用できる。
【符号の説明】
【0038】
10 ワークカプセル
21 圧力源
22 開閉弁
23 オリフィス
W ワーク
図1
図2
図3