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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-26
(45)【発行日】2024-07-04
(54)【発明の名称】冷却プローブ
(51)【国際特許分類】
   A61B 10/02 20060101AFI20240627BHJP
   A61M 25/00 20060101ALI20240627BHJP
【FI】
A61B10/02 500
A61M25/00 540
【請求項の数】 15
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020123555
(22)【出願日】2020-07-20
(65)【公開番号】P2021035492
(43)【公開日】2021-03-04
【審査請求日】2023-01-30
(31)【優先権主張番号】19187779
(32)【優先日】2019-07-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】592245823
【氏名又は名称】エルベ エレクトロメディジン ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】Erbe Elektromedizin GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(72)【発明者】
【氏名】ヨルグ・クロネンタラー
(72)【発明者】
【氏名】マルクス・アドラー
【審査官】山口 裕之
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0228831(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0066896(US,A1)
【文献】特表2010-512873(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第102151172(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0206295(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 10/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
者の上部尿路における組織サンプリングのための冷却プローブ(11)であって、
管腔(21)を備え、末端(19)においてヘッド(20)が設けられるホース(18)と、
末端(23)で、前記ヘッド(20)と通じあうように配置され、前記ヘッド(20)に向かってまたは前記ヘッド(20)の中に冷却流体を導入す毛細管チューブ(22a)である流体溝(22)と、
前記ホース(18)に割り当てられ、少なくとも前記ホース(18)の区間の一部にわたって伸長するように配置された、少なくとも1つの引張部品(26)と、を有
前記引張部品(26)は、末端が前記ヘッド(20)または前記ヘッド(20)に接続された部品に接し、近位端が前記冷却プローブ(11)の近位端に接続されているワイヤ(27)であることを特徴とする、
冷却プローブ。
【請求項2】
前記毛細管チューブ(22a)は、前記管腔(21)を通して伸長し、前記管腔(21)の中で、張力を伝達するために配置されことを特徴とする、
請求項1に記載の冷却プローブ。
【請求項3】
前記毛細管チューブ(22a)は、前記毛細管チューブ(22a)の残りの部分の張力と比べて、張力および/または材料の弾力性が減じられる少なくとも1つの部分(25)を備えることを特徴とする、
請求項1または2に記載の冷却プローブ。
【請求項4】
前記毛細管チューブ(22a)は、鉄から成り、
前記少なくとも1つの部分(25)は軟化されていることを特徴とする、
請求項3に記載の冷却プローブ。
【請求項5】
前記引張部品(26)は、前記少なくとも1つの部分(25)に架かるように、プレテンションなしで配置されることを特徴とする、
請求項3または4に記載の冷却プローブ。
【請求項6】
前記引張部品(26)は、2つの端部を備え、
前記2つの端部のうち少なくとも1つは、前記毛細管チューブ(22a)に接続される、
請求項2~4のいずれか1項に記載の冷却プローブ。
【請求項7】
前記引張部品(26)は、2つの端部を備え、
前記2つの端部のうち少なくとも1つは、前記毛細管チューブ(22a)に接続され、
前記引張部品(26)の両端は、前記少なくとも1つの部分(25)に前記引張部品(26)が架かっている前記毛細管チューブ(22a)に、溶接によって、接続されることを特徴とする、
請求項3または4に記載の冷却プローブ。
【請求項8】
前記引張部品(26)の前記2つの端部は、溶接シーム(28,29)を介して、前記少なくとも1つの部分(25)の外部で、前記毛細管チューブ(22a)に接続されることを特徴とする、
請求項7に記載の冷却プローブ。
【請求項9】
前記溶接シーム(28,29)は、前記毛細管チューブ(22a)を長手方向に配向することを特徴とする、
請求項8に記載の冷却プローブ。
【請求項10】
前記溶接シーム(28,29)は、前記毛細管チューブ(22a)の断面に関して同じ角度の位置に配置されることを特徴とする、
請求項8または9に記載の冷却プローブ。
【請求項11】
前記引張部品(26)は、引っ張り強さが900N/mmより大きいステンレス鋼から成る1つまたは複数のワイヤによって形成されることを特徴とする、
請求項1~10のいずれか1項に記載の冷却プローブ。
【請求項12】
前記引張部品(26)は、大部分は前記毛細管チューブ(22a)と平行に配置されることを特徴とする、
請求項1~11のいずれか1項に記載の冷却プローブ。
【請求項13】
1つの引張部品(26)が管腔(21)に配置されることを特徴とする、
請求項1~12のいずれか1項に記載の冷却プローブ。
【請求項14】
前記引張部品(26)の直径は、前記管腔(21)の直径と前記毛細管チューブ(22a)の外径との差より小さいことを特徴とする、
請求項1~13のいずれか1項に記載の冷却プローブ。
【請求項15】
前記ホースは、2つの管腔を備え、
前記2つの管腔は、前記管腔(21)および前記流体溝(22)であり、
前記引張部品(26)は、前記管腔(21)、前記流体溝(22)または前記ホース(18)の壁面を通って伸長することを特徴とする、
請求項1に記載の冷却プローブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、特に腎杯システムにおいて、高度に分岐した管システムで組織プローブをとるため、例えば、上部の尿路の中で組織サンプルをとるために特に適した冷却プローブに関する。
【背景技術】
【0002】
原理的には、組織生検のための冷却プローブが知られている。例えば、特許文献1には管腔を備えるホースを有し、ホースの末端においてカップの形をした金属ヘッド端が配置され、金属ヘッド端の直径がホースの直径に対応し、ホースの末端に丸い底を備える、弾力性のある冷却プローブが開示されている。ヘッドの内側の端部とホースの全長よりも延びる毛細管チューブが、ホースの中に配置されている。毛細管チューブは、ヘッドを冷却するために冷却流体をヘッドの中に導入する。
【0003】
同様の冷却プローブが、特許文献2、特許文献3および特許文献4で知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】独国特許第102011000004号明細書
【文献】欧州特許第2257235号明細書
【文献】欧州特許第2170197号明細書
【文献】欧州特許第2114276号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
組織サンプリングの間、サンプリングされる組織がプローブのヘッドに向かって凍るまで、プローブの末端は冷却される。その後、組織は、凍っていない組織から分離されなければならない。すなわち、組織は、断たれ、患者の内腔から、プローブと共に離される
【0006】
そこから、本発明の目的は、このような需要のある使用に適する冷却プローブを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、請求項1に係る冷却プローブが解決する。
【0008】
本発明の冷却プローブは、組織サンプリングを行う端部にヘッドが設けられたホースを備える。毛細管チューブは、冷却流体をヘッドに供給するために、ホースの管腔に沿って延びる。毛細管チューブは、コンダクタであり、その耐圧性は、使用済みの冷却流体に適している。
【0009】
加えて、ホースの管腔に、冷却プローブのヘッドと近位端との間で張力を伝達するためのプルワイヤが配置される。これは、1つまたは複数の部分において、または、全体が高度に弾力性のある一方で、凍った組織を凍っていない組織からヘッドに向かってはがし、それゆえ組織プローブを取るために、必要な張力を近位端からヘッドへ伝達する毛細管チューブの使用を可能にする。
【0010】
本発明の冷却プローブは、小さい力で大きな角度で折り曲げることが可能であり、かつ、大きな張力を合わせ持つような、弾力性がある。
【0011】
冷却プローブは、線状細工の手法で構成され得、非常に狭い内視鏡に使用できる1.2mmより小さい外径を持つ。曲げ角度、例えば150度以上で曲げること、好ましくは、160度以上で曲げることは、本発明のコンセプトで達成される。そのようにすることで、冷却プローブの高度な弾力性によって、角度は、内視鏡によって加えられる小さな力で実現される。
【0012】
好ましくは、毛細管チューブは、加熱処理等の作用によって、張力の増加、または減少を達成する材料から製造される。さらに好ましくは、材料の張力と毛細管チューブの曲げ抵抗が、張力の強さと残りの毛細管チューブの曲げ抵抗と比較して減少するような少なくとも一つの部分を備える毛細管チューブが、取り扱われ、または処理される。張力の強さを減少させるこの部分と、減少した曲げ抵抗とは、好ましくは、使用において内視鏡によって曲げられる末端部分に配置される。毛細管チューブは、例えば、鉄または張力と曲げ抵抗を持つ他の材料から成る。例えば、小さな曲げ半径でプローブが曲げられる部分において、鉄は、軟化焼鈍されうる。代わりに、他の材料、例えば、プラスチック、銅等でできた毛細管チューブの部品によってこの部分が形成されうる。
【0013】
プルワイヤは、プローブの近位端からヘッドへ張力を伝達する。プルワイヤは、少なくとも1つの毛細管チューブの柔らかい部分に架かるように配置される。このために、プルワイヤは、耐張力性を有する方法で、末端にある器具のヘッドと接続される。このために、プルワイヤは、ヘッド、または、順にヘッドに接続される毛細管チューブの耐張力性を有する部分と直接接している。
【0014】
プルワイヤの末端は、プローブの末端を引き伸ばすことができ、または、好ましくは、毛細管チューブの耐張力性を有する末端に接続される。それゆえ、プルワイヤは、少なくとも曲げ抵抗が減じられた毛細管の一部にかかる。
【0015】
プルワイヤは、耐張力性を有する方法で毛細管チューブに接続される。例えば、プルワイヤは、溶接点、溶接シームまたは他の種類の接続を介して接続される。好ましくは、プルワイヤは、毛細管チューブに平行に配置される。すなわち、プルワイヤと毛細管チューブの間の接続箇所は、毛細管に対して同じ角度で配置された断面である。このようにすることで、全ての放射状の方向における自由な角度をもったプローブの動きが可能となる。
【0016】
基本的に、複数のプルワイヤが、毛細管チューブの角度が可変な部分に架かることが可能であるが、好ましくは、1つのプルワイヤのみが供される。このようにすることで、全ての方向において、冷却プローブの良好な運動性が獲得される。
【0017】
プルワイヤの直径は、好ましくは、管腔の直径と毛細管チューブの外径の差より小さい。このようにすることで、毛細管チューブはプルワイヤと同様に、管腔内部の放射方向または円周方向において可動である。プローブを曲げる間、プローブの中にプルワイヤが、曲げ半径に関して放射状に外側に向かって配置されており、少なくともプルワイヤの中央部が管腔の中で可動であり、管腔の反対側に届き得る。そのようにすることで、この場合もまた、プルワイヤは、曲げ抵抗に抵抗しない。
【0018】
本発明のより詳細な有利な実施の形態は、図面、明細書の記述および請求項からもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、本発明のプローブが用いられた内視鏡の概要を示す透視図である。
図2図2は、折り曲げられた状態のプローブが用いられた内視鏡の末端を示す図である。
図3図3は、プローブの末端の概要を示す長手方向の断面図である。
図4図4は、プローブの末端の一部の概要を示す長手方向の断面図である。
図5図5は、図4に係るプローブの、V-V線に沿った断面図である。
図6図6は、図4に係るプローブの、VI-VI線に沿った断面図である。
図7図7は、器具の他の実施形態を示す図である。
図8図8は、図7に係る器具の横方向の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、冷却プローブ11が中に挿入された内視鏡10を示す。冷却プローブ11は、内視鏡10の近位端12から、操作部品13によって可動である末端14に向かって伸びる。内視鏡10は、冷却プローブ11がその溝に沿って導かれる長軸のシャフト15を備える。冷却プローブ11の末端16は、シャフト15の中に納まり、または、シャフト15の外に切替えられる。冷却プローブ11の外径は、好ましくは、シャフト15の中にある溝の内径より僅かに小さい。
【0021】
操作部品13は、シャフト15の末端14を制御するように働き、特に、軸方向17に関して選択的に冷却プローブ11を折り曲げ、図2に示されるように、シャフト15に沿って冷却プローブ11を伸ばす。それによって達成される角度αは、好ましくは、90度より大きく、より好ましくは、140度より大きく、好ましい例は、160度より大きい。それによって、曲げ半径は20mmより小さく、好ましくは、シャフト15の外径が3.3mmより小さい場合、15mmより小さい。
【0022】
図3において、冷却プローブ11は、末端16の部分において、個別に示される。冷却プローブ11は、末端19にヘッド20が液密に装着されるホース18を備える。ホース18は、管腔21を囲み、少なくともヘッド20に隣接する部分において、少なくとも高度に柔軟に構成される。図3にヘッド20の概略が示される。ヘッド20は好ましくはホース18の外径に対応した外径を備える。ヘッド20の末端において、ヘッド20は、平面、局面またはそのほかの構成の底面によって閉鎖される。
【0023】
加えて、ホース18は、ヘッド20に向かってまたはヘッド20の中に冷却流体を導入する流体溝22とともに供される。流体溝22は、ホース18の管腔21を通して延びる毛細管チューブ22aによって形成される。毛細管チューブ22aは、ヘッドサイド端23においてヘッド20に接続される。接続は、より詳細に描かれない接続要素、または、図3から明らかなように、溶接シーム24、溶接点またはそのようなものによって、直接的に確立される。
【0024】
毛細管チューブ22aは、毛細管チューブ22aの末端において開放され得、または、ノズルとともに供される。ノズルは、また、毛細管チューブの上に形成される。好ましくは、毛細管チューブ22aは、例えばX2CrNiMo1.4404又はX2CrNiMo1.4401のような耐張力性を有する鉄等から成る。好ましくは、毛細管チューブ22aの材料は、900N/mmより大きな張力を有する。毛細管チューブ22aは、生検サンプリングの間張力を伝達するためであるのと同様に、それを冷却するために、冷却流体をヘッド20の内部空間に導入するように働く。
【0025】
しかしながら、毛細管チューブ22aは、耐張力性を有するような方法で連続的に構成されない。図4に個別に示される、毛細管チューブの部分25において、毛細管チューブ22aは、例えば、軟化等の加熱処理によって、自身の張力を減じ、それゆえ、曲げ抵抗を減ずる。好ましくは、この部分での張力は、700N/mmより小さい。このようにすることで、毛細管チューブ22aはまた、冷却流体によって引き起こされる圧力に抵抗することができる部分25の中に存在する。加えて、図2で示されるように、毛細管チューブ22aは、小さな曲げ半径で冷却プローブが折り曲げられ得るほど弾力性がある。しかしながら、部分25は、生検サンプリングのために必要な張力を伝達するために、十分な張力を持っていない。
【0026】
部分25は、本実施の形態においてプルワイヤ27である引張部品26が架けられる。部分25は、毛細管チューブ22aとの接続における弾性応力内で、生検サンプリングに必要な張力を伝達する、耐張力性を持つ材料で構成される。プルワイヤ27は、例えば、溶接シームである溶接接続28および29によって、弾性応力内の張力を伝達する毛細管チューブ22aと、2つの端部において接続される。しかしながら、引張部品26は、毛細管チューブ22aの軟化箇所から離れた広い範囲において引張応力を維持する。しかしながら、毛細管チューブ22aの長さに沿って計測された溶接シーム28及び29の互いの距離は、自身の張力と曲げ抵抗を減じる部分の長さより、残りの毛細管チューブ22aと比較して、大きい。
【0027】
これは、プルワイヤ27の2つの端部において溶接接続28及び29が、毛細管チューブ22aの同じ放射状の位置に配置されることを明確にする図5及び図6に示される。図3に示されるように、2つの溶接接続28および29の間で、プルワイヤ27は、張力を持たず(たるんでおり)、毛細管チューブ22aに接触して横方向に可動であるか、または、そこに向かって延びる。この方向において、プルワイヤ27は、主として毛細管チューブ22aに対して並行に方向づけられる。
【0028】
生検サンプリングのために、冷却プローブ11は、内視鏡10とともに、患者の内腔に挿入され、末端16はサンプリングされる患者の組織と接触、または貫通する。内視鏡10の中に冷却プローブ11を挿入することは、特に、およそ全長にわたって毛細管チューブ22aの硬さに対応して、つまり部分25より硬いように、冷却プローブ11が硬直していることにおいて単純化される。しかしながら、器具は、全体として弾力性がある。部分25により定義される区間の一部のみが、より少ない曲げ抵抗を有し、折り曲げやすい。
【0029】
図2に描かれるように、もし必要であれば、内視鏡は、160度以上の角度で折り曲げられる。そのようにすることで、内視鏡10および冷却プローブ11は、患者の狭い血管または高度に分岐した血管に挿入されることができる。それによって、冷却プローブ11は、部分25が内視鏡の折り曲げ箇所の領域に位置するような寸法に形成される。それにより、部分25の長さは、好ましくは、ヘッド20が図1及び図2で示されるように、シャフト15から切り替えられるときと同じように、ヘッド20がまだシャフト15の末端14の開口部に位置するときに折り曲げが可能になる程長い。好ましくは、部分25の長さは、数センチ、好ましくは10cm以上である。部分25が対応する弾力性のある方法により構成されることにより、内視鏡10を折り曲げることは、毛細管チューブ22aの剛性によりわずかに妨害されるだけである。ホース18はまた、内視鏡を折り曲げることをわずかにしか妨害しない、好ましくはプラスチック、PEEKまたはPAである弾力性(柔軟性)のある材料で生成される。耐張力性を有するプルワイヤ27はまた、その小さな直径により、著しい曲げ抵抗に対抗しない。引張部品26、特にプルワイヤ27の直径は、毛細管チューブ22aの直径より小さい。
【0030】
サンプリングのために、内側において、ヘッド20に、毛細管チューブ22aを通してヘッド20の中に挿入された冷却流体が塗布される。ヘッド20を冷却した結果、サンプリングされた組織の一部は、ヘッド20に対して凍結する。
【0031】
サンプリングのために、冷却プローブ11は近位方向に動かされる。そうすることで、ヘッド20に対して凍結した組織は、残りの組織からはがされる。このために必要な力は、最初に、毛細管チューブ22aを通して、溶接接続29に対して伝達され、そこからプルワイヤ27を通して、溶接接続28に向かって伝達される。力の流れは、そこから、毛細管チューブ22aを通して、ヘッド20までである。それゆえ、力の伝達に関して、プルワイヤ27は、耐張力性を有しない部分25を架ける。
【0032】
引張部品26を、接続箇所28だけにおいて毛細管チューブ22aと接続すること、および、引張部品26を、冷却プローブ11の全長を通して、近位端に導くことが、可能である。この場合、毛細管チューブ22aは、近位端から接続箇所28、または1つまたは複数の、残りの毛細管チューブ22aよりも弾力性のある金属または非金属材料でできた部分に向かって完全に構成されうる。
【0033】
引張部品26の近位端が溶接接続29または他の接続を介して毛細管チューブ22aと接続される一方で、引張部品26の末端をヘッド20に直接接続することが可能である。この場合、毛細管チューブ22aは、溶接接続29または他の接続箇所から始まり、毛細管チューブ22aの末端まで完全に、または、残りの毛細管チューブ22aよりも、より弾力性があり、少ない耐張力性をもつ材料の一部まで、構成されうる。
【0034】
さらに、毛細管チューブ22aは完全に、または、1つまたは複数の部分において、弾力性があり、非曲げ抵抗があり、非張力トルク耐性をもつ材料から形成されうる。この場合、引張部品26は、末端がヘッド20またはヘッド20に接続された部品に接し、一方で、近位端が冷却プローブ11の近位端に接続されている。
【0035】
プルワイヤ27の代わりに、耐張力性を有する金属の帯、ワイヤ束、ロープ、管またはそのようなものもまた、引張部品26に使用される。また、金属製の引張部品26の代わりに、非金属性の引張部品26が使用され得、引張部品26の端部は、少なくとも部分25、毛細管チューブ22aのより長い部分、または、毛細管チューブ22a全体に架かるように、毛細管チューブ22aに接続もされている。引張部品26は、モノフィラメントまたは、非金属材料、もしくは、例えば、繊維複合材料である複合材料から成るロープとして構成されてもよい。
【0036】
好ましい実施形態としては、毛細管チューブ22aは、部分25においてのみ弾力性を持つ。部分25は、典型的は、長さ10cmから30cmであり、内視鏡の中の能動的に屈曲可能な部分の長さと、使用中の内視鏡10の外側の冷却プローブ11の最大伸長の長さの和によって獲得される長さに制限される。引張部品26の長さは、少なくとも毛細管チューブ22aの弾力性のある部分25の全長に架かるような寸法に形成される。そのようにすることで、弾力性のある部分25がヘッド20まで伸長していない場合、引張部品26は、力を伝達するように、毛細管チューブ22aに近位に固定され、ヘッド20または毛細管チューブ22aに遠位に固定される。毛細管チューブ22aが部分25でのみ弾力性があり、部分25から離れると硬いため、冷却プローブ11は、通常の方法で扱われる。引張部品26が管腔21の断面がホース18の短手方向のみに沿うように制限することを保証する。
【0037】
図7は、導入された参照番号に基づいて、上述の器具11に適用される実施の形態の変形例を示す。しかしながら、図7に係る器具11は、図3から図6に係る器具11と比較して、改良されている。器具11のホース18は、流体溝22が管腔21に平行に配置されるような、2つの管腔で構成される。図8は、典型的な溝の配置の拡大された断面図を示す。流体溝22は、例えば、環状の横断面を備え得、管腔21の横断面は、図8に示されるように環状の形状から逸脱する方法で、または環状に構成されうる。
【0038】
図7および図8に係る器具11の実施の形態は、再び引張部品26をホース28に、例えば、管腔21を通して伸長することができ、その末端がヘッド20と溶接シーム24において接続されうる例えばプルワイヤ27の形態で割り当てる。ホース18の近位端からヘッド20まで張力を伝達するために、プルワイヤ27は、ホース18の近位端まで伸長しうる。
【0039】
さらに、耐張力性を有する部品は、例えば、帯、プロファイルワイヤ、ワイヤ束、ロープ等である引張部品26として想定される。引張部品26の材料は、金属、または、炭素繊維、アラミド繊維等の非金属でありうる。代わりに、引張部品26は、ホース18の壁面に埋め込まれていてもよい。しかしながら、図3から図8に係る全ての実施の形態の中で、引張部品26は、好ましくは、引張部品26が直線方向に配置される器具11の長手方向に配置される。好ましくは、引張部品26は、管腔21または流体溝22のどちらも取り囲まず、そこに実質的に平行に配置される。
【0040】
本発明の冷却プローブは、毛細管チューブ22aを介して、冷却流体が供給されるヘッド20を備える。ホース18は、毛細管チューブ22aが管腔21を通って延びることで、冷却流体を除去するように作動する。毛細管チューブ22aは、引張部品26が架けられている弾力性のある部分25を備える。この方法で、冷却プローブ11は、うまく操作されることができ、簡単に、非常に大きく曲げられ得、サンプル摘出に、必要な張力を伝達することが獲得される。
【符号の説明】
【0041】
10 内視鏡
11 冷却プローブ
12 内視鏡10の近位端
13 操作部品
14 内視鏡10の末端
15 シャフト
16 冷却プローブ11の末端
17 シャフト15の長手方向
α 角度
18 ホース
19 ホース18の末端
20 ヘッド
21 ホース18の管腔
22 流体溝
22a 毛細管チューブ
23 毛細管チューブ22aのヘッド側の端部
24 溶接シーム
25 部分
26 引張部品
27 プルワイヤ
28、29 溶接接続
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8