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  • 特許-電気二重層キャパシタ 図1
  • 特許-電気二重層キャパシタ 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-26
(45)【発行日】2024-07-04
(54)【発明の名称】電気二重層キャパシタ
(51)【国際特許分類】
   H01G 11/42 20130101AFI20240627BHJP
   H01G 11/60 20130101ALI20240627BHJP
   H01G 11/38 20130101ALI20240627BHJP
【FI】
H01G11/42
H01G11/60
H01G11/38
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020153857
(22)【出願日】2020-09-14
(65)【公開番号】P2021057583
(43)【公開日】2021-04-08
【審査請求日】2023-07-13
(31)【優先権主張番号】P 2019180513
(32)【優先日】2019-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000190091
【氏名又は名称】ルビコン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001726
【氏名又は名称】弁理士法人綿貫国際特許・商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】牧野 浩之
(72)【発明者】
【氏名】川又 哲也
【審査官】上谷 奈那
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-183591(JP,A)
【文献】特開2000-235939(JP,A)
【文献】特開2010-245072(JP,A)
【文献】特開2010-245069(JP,A)
【文献】特開2010-087315(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01G 11/42
H01G 11/60
H01G 11/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
集電体上にバインダーで結着された活性炭からなる電極体が形成された正負の一対の分極性電極体と、これら分極性電極体の間に配置されたセパレータと、各分極性電極体およびセパレータに含浸された電解液とを有する電気二重層キャパシタであって、
前記電解液がγ-ブチロラクトンを溶媒に用いたγ-ブチロラクトン系電解液であり、
前記正負の一対の分極性電極体の内の正極における前記活性炭が0.28mmol/g未満の酸性官能基を有する活性炭であり、
製品容量(F)/製品内部体積(ml)が3以上6以下であること
を特徴とする電気二重層キャパシタ。
【請求項2】
前記バインダーがアクリル樹脂からなるバインダーもしくはアクリル樹脂を含むバインダーであること
を特徴とする請求項1記載の電気二重層キャパシタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電気二重層キャパシタに関する。
【背景技術】
【0002】
高容量かつ長期信頼性に優れた電気二重層キャパシタが求められている。
しかし、高容量の電気二重層キャパシタになるほどガス発生が大きくなり、長期信頼性に劣った製品となりやすい。
電気二重層キャパシタの電解液にプロピレンカーボネート(PC)を溶媒として用いた電気二重層キャパシタは高耐圧のものが得やすいが、このプロピレンカーボネート系電解液は電気分解されてCOやCO2ガスが発生しやすく、内圧が上昇し、長期信頼性に劣るという課題があった。
【0003】
そこで電気分解によるガス発生が少ないγ-ブチロラクトン(GBL)を溶媒に用いたγ-ブチロラクトン系電解液が検討されるようになった(特許文献1:特開2010-109355号公報)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2010-109355号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、γ-ブチロラクトン系電解液を用いた電気二重層キャパシタは、長期の信頼性に優れるが、プロピレンカーボネート系電解液に比して酸化分解しやすいため、寿命試験初期で官能基と反応し、ガス発生してしまうという課題が判明した。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで、本発明は上記課題を解決すべくなされたもので、その目的とするところは、高容量が得られ、寿命試験初期でのガス発生を抑え、かつ長期信頼性に優れる電気二重層キャパシタを提供することにある。
【0007】
本発明に係る電気二重層キャパシタは、集電体上にバインダーで結着された活性炭からなる電極体が形成された正負の一対の分極性電極体と、これら分極性電極体の間に配置されたセパレータと、各分極性電極体およびセパレータに含浸された電解液とを有する電気二重層キャパシタであって、前記電解液がγ-ブチロラクトンを溶媒に用いたγ-ブチロラクトン系電解液であり、前記正負の一対の分極性電極体の内の正極における前記活性炭が0.28mmol/g未満の酸性官能基を有する活性炭であり、製品容量(F)/製品内部体積(ml)が3以上6以下であることを特徴とする。
【0008】
γ-ブチロラクトン系電解液を用いた電気二重層キャパシタは、電気分解によるガス発生は少なく長期の信頼性に優れるが、上記のように、プロピレンカーボネート系電解液に比して酸化分解しやすいため、寿命試験初期で官能基と反応し、ガス発生してしまう。特に、活性炭の酸性官能基(カルボキシル基、フェノール性水酸基)が多く存在すると、γ-ブチロラクトン系電解液が関与する寿命試験初期のガス発生が促進されてしまうことが明らかになってきた。
しかしながら、発明者が鋭意検討したところ、γ-ブチロラクトン系電解液を用いた電気二重層キャパシタにおいても、正極に用いる活性炭における酸性官能基量を0.28mmol/g未満(ゼロを含む。もしくは0.01mmol/g以上)の少ない酸性官能基量とすることによって、寿命試験初期での電解液の酸化分解によるガス発生量をプロピレンカーボネート系電解液よりもかなり少なくでき、寿命試験初期でのガス発生を抑制できることを見いだした。
【0009】
特に、寿命試験において、負極に比べて正極の劣化が圧倒的に大きいことから、正極からガス発生していると考えられ、したがって、正極における活性炭の酸性官能基量を0.28mmol/g未満(ゼロを含む。もしくは0.01mmol/g以上)とするとよい。負極における活性炭の酸性官能基量は、少ないとキャパシタの容量が低下することから、正極における活性炭の酸性官能基量と同じ(すなわち同じ活性炭)か、それよりも大きくなる活性炭を選択するとよい。
【0010】
分極性電極体におけるバインダーとして、スチレンブタジエン(SBR)系のバインダーも用いることができるが、ジエン基を含まないアクリル樹脂からなるバインダーもしくはアクリル樹脂を含むバインダーを用いることで、よりガス発生を低減できることがわかった。
【0011】
また、製品容量(F)/製品内部体積(ml)が、3以上であると好適である。また、製品容量(F)/製品内部体積(ml)が6以下であると好適である。ここで製品内部体積(ml)は外装ケースや封口部材等で密閉された内部領域の体積である。
製品容量(F)/製品内部体積(ml)が3未満の場合には、もともとガス発生量が少ないことから、電解液溶媒はむしろ耐電圧特性に優れるプロピレンカーボネート(PC)を用いる方がよい。また、製品容量(F)/製品内部体積(ml)が6を超えるものは、酸性官能基量の少ない活性炭を用いてもガス発生を有効に抑制できなくなるので、製品容量(F)/製品内部体積(ml)を6以下とするのが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、次のような有利な作用効果を奏する。
すなわち、本発明によれば、γ-ブチロラクトン系電解液を用いた電気二重層キャパシタであって、高容量で、寿命試験初期における電解液の酸化分解によるガス発生量の少ない、かつ長期信頼性に優れる電気二重層キャパシタを提供できる。
特に、分極性電極体のバインダーとしてアクリル樹脂からなるバインダーもしくはアクリル樹脂を含むバインダーを用いることによって、電解液の酸化分解によるガス発生をさらに効果的に抑制できる電気二重層キャパシタを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】電解液溶媒がγ-ブチロラクトン(GBL)で、バインダーをSBRとし、活性炭の酸性官能基量を種々に設定した電気二重層キャパシタの寿命試験における製品膨れの計測結果を示すグラフである。
図2】製品容量(F)/製品内部体積(ml)が、4以上6以下に設定した各種電気二重層キャパシタの寿命試験における製品膨れの計測結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本実施の形態における電気二重層キャパシタの構造自体は公知の構造(図示せず)のものであってよい。その形態も、円筒型、コイン型、金属ケース型等を挙げることができる。
【0015】
本実施の形態における電解液は、上記のように、γ-ブチロラクトンを溶媒に用いたγ-ブチロラクトン系電解液を用いる。なお、γ-ブチロラクトンを主溶媒とすればよく、他の溶媒、例えばプロピレンカーボネート、リン酸トリメチル等との混合溶媒であってもよい。
【0016】
また、溶媒中に溶解する電解質としては、金属の陽イオン、4級アンモニウムカチオン、カルボニウムカチオン等のカチオンと、テトラフルオロボレート、ヘキサフロロフォスフェート等のアニオンの塩を挙げることができる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
【0017】
正負の分極性電極体における活性炭の酸性官能基としては、カルボキシル基、フェノール性水酸基などが挙げられる。酸性官能基の量は、公知の中和滴定で測定できる。
【0018】
導電助剤としては、アセチレンブラックなどのカーボンブラック、天然黒鉛、人工黒鉛、ケッチェンブラック、炭素繊維、金属繊維などを用いることができる。
【0019】
セパレータとしてはセルロース、ポリプロピレン、ポリエチレンなどからなる部材を用いることができる。
【0020】
バインダーとしては、アクリル樹脂からなるバインダーもしくはアクリル樹脂を含むバインダーを用いると特に好適である。
その他、フッ素系ゴム、スチレンブタジエンゴム、ポリテトラフルオロエチレンなどの含フッ素ポリマー、ポリオレフィン樹脂、ニトリル樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、エポキシ樹脂などを単独あるいは混合して使用してもよい。
【実施例
【0021】
<電気二重層キャパシタの作製>
カルボキシメチルセルロース(CMC)と活性炭とアセチレンブラックとバインダーを混合することによりスラリーを作製した。
作製したスラリーを、アルミニウム箔(集電体)両面上に塗布し、乾燥して、正極、負極となる分極性電極体を得た。その際、このシートの厚さが120μmとなるようにスラリー量を調整した。
【0022】
正極、負極の分極性電極体に接続端子を取り付け、これらを対向配置し、その間にセルロース系セパレータを介在させた状態で巻回し、キャパシタセルを作製した。
このキャパシタセルにγ-ブチロラクトンを溶媒とした電解液を導入し、さらに円筒状のアルミニウム外装ケース内に挿入し、ケース開口部を封口部材で封止し、上記接続端子を外部に引き出して電気二重層キャパシタを作製した。
【0023】
<具体的なサンプルの作製>
上記電気二重層キャパシタの作製において、電解液溶媒にプロピレンカーボネート(PC)を用い、正負電極体の活性炭の酸性官能基量をそれぞれ0.04mmol/g、0.40mmol/g、バインダーをアクリル樹脂とした比較例1および比較例2の電気二重層キャパシタを各5個ずつ作製した。
電解液溶媒にγ-ブチロラクトン(GBL)を用い、正負電極体の活性炭の酸性官能基量をそれぞれ0.04mmol/g、0.40mmol/g、バインダーをアクリル樹脂とした実施例1および比較例3の電気二重層キャパシタを各5個ずつ作製した。
さらに、電解液溶媒にγ-ブチロラクトン(GBL)を用い、正負電極体の活性炭の酸性官能基量をそれぞれ0.04mmol/g、0.40mmol/g、バインダーをスチレンブタジエンゴム(SBR)とした実施例2および比較例4の電気二重層キャパシタを各5個ずつ作製した。
【0024】
<製品膨れの計測>
上記各電気二重層キャパシタに、70℃で2.7Vの電圧を250時間印加した後における、縦方向(軸方向)の製品膨れ(電圧印加後、常温に戻したときの寸法-常温での初期寸法)を計測した結果を表1に示す。この製品膨れを計測して、ガス発生の有無およびその量の相対的な比較をした。なお、製品膨れは各5個ずつのサンプルの平均値を示す。各実施例、比較例において、アルミニウム外装ケースは初期状態において同一寸法のケースを用いている。
【0025】
【表1】
【0026】
表1の比較例2~4から明らかなように、活性炭の酸性官能基量が0.40 mmol/gの場合は、電解液溶媒がPC、GBLいずれの場合も、製品膨れが大きく、ガス発生量が多い。またこのように活性炭の酸性官能基量が多い(0.40 mmol/g)場合には、電解液溶媒にGBLを用いた方がPCを用いた場合よりもガス発生量が多い。
【0027】
しかしながら、活性炭の酸性官能基量を0.04 mmol/gにする(少なくする)と、上記と逆に、電解液溶媒にGBLを用いた方がPCを用いた場合よりも製品膨れが小さくなり、ガス発生量が少ないことがわかった。
この現象は特に、電解液溶媒がGBLで、バインダーにアクリル樹脂を用いた場合(実施例1)、製品膨れが格段に小さくなり、ガス発生を有効に抑制できることがわかる。
【0028】
さらに、上記各サンプルを引き続き70℃で2.7Vの電圧を印加したところ、比較例1~4のサンプルは合計750時間までに全数防爆弁が作動してしまったが、実施例1および実施例2のサンプルは、合計750時間はもとより、合計1500時間においても全数防爆弁が作動せず、より高いレベルの長期信頼性を有していることが示された。このように、電解液溶媒がγ-ブチロラクトン(GBL)で、かつ活性炭の酸性官能基量を0.04 mmol/gと少なくすることにより、電解液の酸化分解を抑制でき、ガス発生量を低減でき、長期信頼性に優れる電気二重層キャパシタを提供できる。
一方、電解液溶媒がプロピレンカーボネート(PC)の場合、活性炭の酸性官能基量を0.04 mmol/gと少なくしても、70℃、2.7V、1500時間の加速試験では全数防爆弁が作動してしまい、それだけ長期信頼性に劣るものとなってしまった。
【0029】
図1は、電解液溶媒がGBLで、バインダーをSBRとし、活性炭の酸性官能基量をそれぞれ0.04 mmol/g、0.08 mmol/g、0.10 mmol/g、0.14 mmol/g、0.16 mmol/g、0.18 mmol/g、0.20 mmol/g、0.23 mmol/g、0.26 mmol/g、0.28 mmol/g、0.30 mmol/g、0.33 mmol/g、0.36 mmol/gとして上記のように作成した電気二重層キャパシタ(各5個ずつ)の、70℃で2.7Vの電圧を250時間印加した後の製品膨れの計測結果を示すグラフである。
【0030】
また表2は、その計測結果を示すデータである。
【表2】
【0031】
図1、表2から明らかなように、活性炭の酸性官能基量が0.28mmol/gよりも小さい場合、ガス発生量が有意に少ないことがわかった。また、活性炭の酸性官能基量が0.16 mmol/g以下の場合、製品膨れを1.5mmよりも小さくでき、ガス発生量が特に少ないことがわかる。
従って、本実施の形態に係る電気二重層キャパシタは、電解液がγ-ブチロラクトンを溶媒に用いたγ-ブチロラクトン系電解液であり、前記正負の一対の分極性電極体の内の少なくとも正極における前記活性炭に0.28mmol/g未満(ゼロを含む。もしくは0.01mmol/g以上)の酸性官能基を有する活性炭を用いることが重要となる。
さらに好適には、正極における前記活性炭の酸性官能基量は、0.01mmol/g以上0.16mmol/g以下が好適であり、特に、0.04mmol/g以上0.16mmol/g以下が好適である。
図1、表2に示す計測結果の数値は、表1に示す結果と若干異なるが、バラツキの範囲内と考えられる。
【0032】
図2に、電解液溶媒がGBLで、バインダーをアクリル樹脂あるいはSBRとし、分極性電極体の内の正極における活性炭の酸性官能基量を0.04 mmol/g、あるいは0.40 mmol/gとした電気二重層キャパシタであって、製品容量(F)/製品内部体積(ml)が、4以上6以下に設定した各種電気二重層キャパシタの、70℃で2.7Vの電圧を250時間印加した後の製品膨れの計測結果を示すグラフである。なお、製品容量は、例えば分極性電極体の内の負極における活性炭の酸性官能基量を調整すること等によって可変できる。
【0033】
図2に示すように、製品容量(F)/製品内部体積(ml)が、4以上6以下となる各種電気二重層キャパシタを作製できると共に、正極における活性炭の酸性官能基量を0.04 mmol/gとした場合に、バインダーをSBRとしたときには製品膨れが1mm前後の小さなものとすることができる。また、特に、バインダーをアクリル樹脂とした場合には、製品膨れを0.5mm以下の小さなものとでき、必要な容量を確保した上で、製品膨れの小さな、寿命試験初期における酸化分解によるガス発生量の少ない、かつ長期信頼性に優れる電気二重層キャパシタを提供できる。
【0034】
しかしながら、電解液溶媒がGBLであっても、正極における活性炭の酸性官能基量を0.40 mmol/gとした電気二重層キャパシタの場合には、製品容量(F)/製品内部体積(ml)が、4以上6以下となる各種電気二重層キャパシタを作製はできるが、バインダーがアクリル樹脂、SBRのいずれの場合であっても製品膨れが2mmを超え、寿命試験初期における酸化分解によるガス発生量の多く、かつ長期信頼性にも欠けるものとなってしまう。
【0035】
なお、製品容量(F)/製品内部体積(ml)が3未満の場合には、もともとガス発生量が少ないことから、電解液溶媒はむしろ負荷特性に優れるPCを用いる方がよい。また、製品容量(F)/製品内部体積(ml)が6を超えるものは、酸性官能基量の少ない活性炭を用いてもガス発生を有効に抑制できなくなるので、製品容量(F)/製品内部体積(ml)を6以下とするのが好ましい。したがって、製品容量(F)/製品内部体積(ml)は、3以上6以下とするのが好ましい。
【0036】
表3は、電解液溶媒がGBLで、バインダーをSBRとし、分極性電極体の内の正極における活性炭の酸性官能基量を0.04 mmol/gとした電気二重層キャパシタであって、製品容量(F)/製品内部体積(ml)を振った各種電気二重層キャパシタの、70℃で2.7Vの電圧を1000時間印加した後の製品膨れの計測結果を示すデータである。なお、製品容量は、例えば分極性電極体の内の負極における活性炭の酸性官能基量を調整すること等によって可変できる。
【0037】
【表3】
【0038】
表3に示すように、製品容量(F)/製品内部体積(ml)を5未満とした場合には、70℃で2.7Vの電圧を1000時間印加するような厳しい要求に対しても防爆弁作動には至らず、より高いレベルの信頼性を維持できる。また、製品容量(F)/製品内部体積(ml)を4.5以下とした場合には、70℃で2.7Vの電圧を1000時間印加するような厳しい要求に対しても製品膨れを1.5mmよりも小さくでき、ガス発生量が特に少ないことがわかる。
したがって、製品容量(F)/製品内部体積(ml)は、3以上5未満(特には4.5以下)がさらに好適である。
図1
図2