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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-26
(45)【発行日】2024-07-04
(54)【発明の名称】子供搬送装置
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/26 20060101AFI20240627BHJP
   A47D 13/02 20060101ALI20240627BHJP
   B62B 9/14 20060101ALI20240627BHJP
【FI】
B60N2/26
A47D13/02
B62B9/14
【請求項の数】 13
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020189072
(22)【出願日】2020-11-13
(65)【公開番号】P2021079941
(43)【公開日】2021-05-27
【審査請求日】2021-01-12
【審判番号】
【審判請求日】2022-09-07
(31)【優先権主張番号】201921970811.9
(32)【優先日】2019-11-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517042092
【氏名又は名称】ワンダーランド スイツァーランド アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】崔 宗旺
【合議体】
【審判長】一ノ瀬 覚
【審判官】北中 忠
【審判官】中村 則夫
(56)【参考文献】
【文献】実開平4-95874(JP,U)
【文献】特開2016-150654(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第103723181(CN,A)
【文献】米国特許第5553914(US,A)
【文献】中国特許出願公開第110254303(CN,A)
【文献】特開2019-73266(JP,A)
【文献】実開昭55-50864(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 2/26
A47D 13/02
B62B 9/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
子供搬送装置であって、
キャノピーマウントを有する子供支持部と、
前記子供支持部に着脱可能なキャノピーであって、前記キャノピーは結合部分を有し、
前記結合部分は、前記キャノピーが前記子供支持部に取り付けられる場合に前記キャノピーマウントに係合し、且つ、前記キャノピーが前記子供支持部から取り外される場合に前記キャノピーマウントから脱係合し、
前記結合部分は、前記子供支持部上の前記キャノピーの、異なる高さに対応する、前記キャノピーマウント上の複数の取り付け位置を有し、前記異なる高さは、前記結合部分が前記キャノピーマウントに対して移動可能である方向に沿っている、キャノピーと、
前記結合部分とともに担持されたラッチであって、前記結合部分を前記取り付け位置に保持するために、前記キャノピーマウント上の異なる箇所と係合するように操作可能である、ラッチと、
を備え、
前記ラッチは、前記結合部分と接続する弾性部を含み、前記キャノピーマウントに係合するか又は前記キャノピーマウントから脱係合するように弾性的に偏向可能であり、前記弾性部が前記結合部分から前記方向に沿って延在し、前記キャノピーマウントから脱係合するために移動するように操作可能である作動部分と接続された端部を有し、前記作動部分は、前記弾性部の前記端部において、前記キャノピーマウントから離れるように突出している、子供搬送装置。
【請求項2】
前記キャノピーマウント上で前記方向に沿って前記結合部分を摺動させることによって、前記キャノピーは前記子供支持部上に取り付けられる、
請求項1記載の子供搬送装置。
【請求項3】
前記キャノピーマウントは、前記子供支持部の側壁から突出しており、
前記結合部分は、前記キャノピーが前記子供支持部上に取り付けられる場合に前記キャノピーマウントを少なくとも部分的に受け容れるために適合された空洞を有する、
請求項1又は2記載の子供搬送装置。
【請求項4】
前記結合部分は、前記空洞に連通する開口を有し、
前記キャノピーマウント上で前記方向に沿って前記結合部分を摺動させることによって、前記キャノピーマウントは前記開口を介して前記空洞内に挿入可能である、
請求項3記載の子供搬送装置。
【請求項5】
前記キャノピーマウントは前記側壁と固定的に接続されている、
請求項3又は4記載の子供搬送装置。
【請求項6】
前記作動部分には、すべり止め構造が設けられている、
請求項1乃至5いずれか1項記載の子供搬送装置。
【請求項7】
前記弾性部を含む前記ラッチは、前記結合部分と一体的に形成されている、
請求項1乃至6いずれか1項記載の子供搬送装置。
【請求項8】
前記キャノピーマウントは、それぞれ前記取り付け位置に対応する複数のロック開口を有し、
前記ラッチは、前記結合部分を前記キャノピーマウントにロックするために、前記ロック開口のうちのいずれかと係合するように移動可能である、
請求項1乃至7いずれか1項記載の子供搬送装置。
【請求項9】
記結合部分は、前記キャノピーマウントが少なくとも部分的に空洞に受け容れられている間に、前記取り付け位置間の調整のために摺動可能である、
請求項1乃至8いずれか1項記載の子供搬送装置。
【請求項10】
前記作動部分は、前記ラッチと一体的に形成されている、
請求項1乃至9いずれか1項記載の子供搬送装置。
【請求項11】
前記キャノピーは、前記結合部分と枢動可能に接続された支持フレームと、前記支持フレームに取り付けられたカバーと、を含む、
請求項1乃至10いずれか1項記載の子供搬送装置。
【請求項12】
前記子供支持部は、
互いに固定的に接続されたシート部及び背もたれ部を有するシートシェルと、
前記背もたれ部から前方に突出し、前記背もたれ部の頂部から前記シート部に向かって延在する側壁であって、前記キャノピーマウントが前記側壁と固定的に接続されている、側壁と、
を有する、
請求項1乃至11いずれか1項記載の子供搬送装置。
【請求項13】
チャイルドシートとして実装されている子供搬送装置であって、
前記側壁は、側方衝突の間に衝撃力を消散させるのに適合した側突保護部分を有し、
前記キャノピーマウントは、前記側突保護部分の上方で前記側壁上に配置されている、
請求項12項記載の子供搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2019年11月14日に出願された中国特許出願第201921970811.9号に基づく優先権を主張する。
【0002】
1. 技術分野
本発明はキャノピーを有する子供搬送装置に関する。
【背景技術】
【0003】
2. 背景技術
チャイルドシート、ベビーカー等の子供搬送装置は、子供を外光から保護するためのキャノピーを有し得る。キャノピーは、通常、子供搬送装置に固定位置で取り付けられ、所望のように折り畳んだり、展開したりすることができ、外光の方向に応じてその角度位置を調整するために旋回することができる構造を有する。残念ながら、従来のキャノピーは、例えば子供が成長し、キャノピーの位置がもはや背の高い子供に保護を提供するように適合されなくなった場合など、特定の状況での使用には適合しないことがある。
【0004】
したがって、よりフレキシブルな使用を提供し、操作が容易であり、少なくとも前述の問題に対処する改良された設計が必要である。
【発明の概要】
【0005】
本願は、使用中に、よりフレキシビリティを提供するキャノピーを有する子供搬送装置を記載する。
【0006】
一実施形態によれば、子供搬送装置(child conveyance apparatus)は、キャノピーマウントを有する子供支持部と、子供支持部に着脱可能なキャノピーであって、前記キャノピーは結合部分を有し、結合部分は、キャノピーが子供支持部に取り付けられる場合にキャノピーマウントに係合し、且つ、キャノピーが子供支持部から取り外される場合にキャノピーマウントから脱係合し、結合部分は、子供支持部上のキャノピーの異なる高さに対応する、キャノピーマウントに関する複数の取り付け位置を有する、キャノピーと、キャノピーマウント及び結合部分のうちの一方に設けられているラッチであって、結合部分を取り付け位置に保持するために、キャノピーマウント及び結合部分のうちの他方の上の異なる箇所(different locations)と係合するように操作可能である、ラッチと、
を備える。
【0007】
一実施形態によれば、キャノピーマウント上で(over)結合部分を摺動させることによって、キャノピーは子供支持部上に取り付けられる。
【0008】
一実施形態によれば、キャノピーマウントは、子供支持部の側壁から突出しており、結合部分は、キャノピーが子供支持部上に取り付けられる場合にキャノピーマウントを少なくとも部分的に受け容れるために適合された空洞を有する。
【0009】
一実施形態によれば、結合部分は、空洞に連通する開口を有し、キャノピーマウント上で(over)結合部分を摺動させることによって、キャノピーマウントは開口を介して空洞内に挿入可能である。
【0010】
一実施形態によれば、キャノピーマウントは、子供支持部の側壁と固定的に接続される。
【0011】
一実施形態によれば、ラッチは、結合部分とともに担持され、キャノピーマウントと係合し又はキャノピーマウントから脱係合するように移動可能である。
【0012】
一実施形態によれば、ラッチは、結合部分と接続する弾性部を含み、ラッチは、キャノピーマウントに係合するか又はキャノピーマウントから脱係合するように弾性的に偏向可能である。
【0013】
一実施形態によれば、弾性部を含む前記ラッチは、結合部分と一体的に形成されている。
【0014】
一実施形態によれば、キャノピーマウントは、それぞれ取り付け位置に対応する複数のロック開口を有し、ラッチは、結合部分をキャノピーマウントにロックするために、ロック開口のうちのいずれかと係合するように移動可能である。
【0015】
一実施形態によれば、結合部分は、空洞に連通する開口をさらに有し、キャノピーマウントは、キャノピーマウント上で結合部分を摺動させることによって、開口を介して空洞内に挿入可能であり、キャノピーマウントとともに摺動する結合部分は、取り付け部分間の調整のために少なくとも部分的に空洞に受け容れられる。
【0016】
一実施形態によれば、ラッチは、キャノピーマウントから脱係合するために移動するように操作可能である作動部分と接続されている。
【0017】
一実施形態によれば、作動部分は、ラッチと一体的に形成されている。
【0018】
一実施形態によれば、キャノピーは、結合部分と枢動可能に接続された支持フレームと、支持フレームに取り付けられたカバーと、を含む。
【0019】
一実施形態によれば、子供支持部は、互いに固定的に接続されたシート部及び背もたれ部を有するシートシェルと、背もたれ部から前方に突出し、背もたれ部の頂部からシート部に向かって延在する側壁であって、キャノピーマウントが側壁に固定的に接続されている、側壁と、を備える。
【0020】
一実施形態によれば、チャイルドセーフティーシートとして実装されている子供搬送装置であって、側壁は、側方衝突の間に衝撃力を消散させる(dissipate)のに適合した側突保護部分を有し、キャノピーマウントは、側突保護部分の上方で側壁上に配置されている。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】キャノピーを有する子供搬送装置の一実施形態を斜視図で示す図である。
図2図1に示される子供搬送装置の側面図で示す図である。
図3】キャノピーの無い状態の、図1に示される子供搬送装置を斜視図で示す図である。
図4】キャノピー単体を斜視図で示す図である。
図5】キャノピーを取り付けるための、子供搬送装置の子供支持部に設けることができるキャノピーマウントを示す斜視図で示す図である。
図6】キャノピーの構造詳細の一部を斜視図で示す図である。
図7図6に示すものとは反対側に設けられたキャノピーのさらなる構造詳細を別の斜視図で示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1及び図2は、それぞれ、子供搬送装置100の一実施形態を示す斜視図及び側面図である。図1及び図2を参照すると、子供搬送装置100は、子供支持部102と、子供支持部102に結合されたキャノピー104とを含むことができる。子供搬送装置100は、例示的にチャイルドシートであり、子供支持部102は、互いに固定的に接続されたシート部108と、背もたれ部110とを有するシートシェル106を含むことができる。しかしながら、子供搬送装置100は、限定されるものではないが、ベビーカー、ベビーベッド、ベビーサークル(play yard)、小児用ハイチェア等を含むことができることが理解されよう。
【0023】
子供支持部102は、シートシェル106の左側及び右側にそれぞれ設けられた2つの側壁112を有することができる。2つの側壁112は、背もたれ部110と固定的に接続されており、それぞれ、シートシェル106の左側及び右側において背もたれ部110から前方に向かって突出し、かつ、背もたれ部110の頂部からシート部108に向かって延在する。2つの側壁112は、2つの側壁112の間で、シートシェル106上に座る子供の横方向の動きを制限することができる。
【0024】
子供支持部102の背もたれ部110は、2つの側壁112の間に配置されたヘッドレスト113と接続され得る。ヘッドレスト113は、子供の大きさに応じて背もたれ部110上で垂直に調節されることができる。
【0025】
図1及び図2を参照すると、2つの側面衝撃保護部分114が、2つの側壁112に設けられ得る。二つの側面衝撃保護部分114は、同じ構造を有することができ、二つの側壁112上の対称位置にそれぞれ配置されることができる。より具体的には、対応する側面衝撃保護部分114のアセンブリを受け容れるために、各側壁1301はその外側に設けられた開口116を有することができる。側面衝撃保護部分114は、側壁112に移動可能に接続され、緩衝効果を提供するように適合された任意の適切な構造を有することができる。側面衝撃保護部114を製造するための適切な材料の例としては、プラスチックが挙げられるが、これに限定されない。側面衝撃保護部分114は、側壁112の外側においてシートシェル106に対して移動可能である。例えば、側面衝撃保護部分114は、収納位置(図1に示すように)と展開位置(図示せず)との間を移動することができる。収納位置では、側面衝撃保護部分114は、側壁112に向かって格納され、コンパクトな収納のために開口116内に実質的に受け容れられる。展開位置では、側面衝撃保護部分114は、側壁112から外方及び側方に突出することができる。側方衝突の間、展開位置における側面衝撃保護部分114は、車体(例えば、車両ドアパネル)に対して押圧され、その結果、衝撃エネルギーの一部を消散させるために、変形し、クラッシュし、及び/又は、側面衝撃保護部分114の周囲のシートシェル106の一部を変形させる。構造の例によれば、側面衝撃保護部分114は、側壁112と枢動可能に接続され、収納位置と展開位置との間で回転可能である。
【0026】
キャノピー104は、子供支持部102に結合することができ、子供支持部102の上方及び前方に延在し、子供支持部102を少なくとも部分的に守り(shelter)、子供に対する保護を提供することができる。より具体的には、子供支持部102は、子供支持部102の左側及び右側の2つの側壁112上にそれぞれ設けられた2つのキャノピーマウント120を含むことができ、キャノピー104は、2つのキャノピーマウント120にそれぞれ接続できる2つの結合部分122を含むことができる。図1及び図2に関連して、図3は、キャノピー104を有さない状態の子供搬送装置100を示す斜視図であり、図4は、キャノピー104の構造詳細の一部を示す斜視図であり、図5は、キャノピーマウント120の構造詳細の一部を示す斜視図であり、図6及び7は、1つの連結部分122を含むキャノピー104のさらなる構造詳細を示す2つの斜視図である。
【0027】
図1図7を参照すると、キャノピー104は、必要に応じて、子供支持部102に取り付けられ、子供支持部102から取り外されることができる。例えば、2つの連結部分122は、それぞれ、キャノピー104を子供支持部102に取り付けるために、2つのキャノピーマウント120と係合することができ、また、それぞれ、キャノピー104を子供支持部102から取り外すために、2つのキャノピーマウント120から脱係合することができる。2つのキャノピーマウント120は、それぞれ、側壁の外側表面上で、2つの側面衝撃保護部分114の上方において、2つの側壁112と固定的に接続することができ、構造において類似することができる。キャノピー104とともに担持される(carried with the canopy)2つの連結部分122は、2つのキャノピーマウント120と解放可能に係合するように適合された構造を有することができ、構造において類似することができる。構造の例によれば、各キャノピーマウント120は、側壁112の外側表面から突出し、スロット124を有することができ、対応する結合部分122は、キャノピーマウント120を少なくとも部分的に受け容れるように適合された空洞126を有するハウジングを含むことができる。スロット124は、結合部分122がキャノピーマウント120に取り付けられる場合に空洞126に受け容れられることができる。構造の例によれば、キャノピーマウント120は、子供支持部102の側壁112に固定され得る単一の部品として一体的に形成され得る。構造の別の例によれば、キャノピーマウント120は、子供支持部102の側壁112と一体的に形成され得る。
【0028】
図3図7を参照すると、構造の例によれば、軸128に沿って結合部分122を摺動させることによって、結合部分122はキャノピーマウント120上に取り付けられることができる。例えば、結合部分122は、空洞126に連通する開口130をさらに有し、軸128に沿ってキャノピーマウント120に略平行に結合部分122を摺動させることによって、キャノピーマウント120は開口130を介して空洞126内に挿入されることができる。キャノピーマウント120は、結合部分122の空洞126の幅に実質的に一致する幅を有する細長い形状を有し得、したがって、結合部分122がキャノピーマウント120の上に(over)取り付けられた場合に、結合部分122がキャノピーマウント120に対して回転するのを防止することができる。
【0029】
使用中にフレキシビリティを提供するために、キャノピー104は、子供支持部102上の異なる高さに配置されることができ、これは、左側及び右側の各々におけるキャノピーマウント120に対する結合部分122の異なる取り付け位置に対応し得る。この目的のために、キャノピーマウント120及び結合部分122のうちの一方は、結合部分122を異なる取り付け位置に保持するために、キャノピーマウント120及び結合部分122のうちの他方上の異なる箇所に係合するように操作可能な(operable)ラッチを有することができる。このようにして、キャノピー104の高さは、例えば、異なるサイズの子供を収容するために、必要に応じて調節することができる。
【0030】
構造の例によれば、キャノピーマウント120は、取り付け位置にそれぞれ対応する複数のロック開口132を有することができ、結合部分122は、ロック開口132のいずれかと係合するか、又はロック開口132から脱係合するように移動可能なラッチ134を坦持することができる。ロック開口132は、例示的に、スロット124の下方に配置され、軸128に沿って互いに離間され得る。ラッチ134は、結合部分122上で空洞126の隣に設けられることができ、結合部分122がキャノピーマウント120上で(over)軸128に沿って摺動することで、ロック開口132のいずれかと係合することができる。構造の一例によれば、ラッチ134は、結合部分122に接続された弾性部136を含むことができ、キャノピーマウント120に係合し、かつ、キャノピーマウント120から脱係合するため弾性的に偏向することができる。例えば、弾性部136は、キャノピーマウント120上のロック開口132と係合又は脱係合できる突起138が設けられる端部を有することができる。弾性部136及び突起138を含むラッチ134は、例えば、結合部分122と一体に形成されることができる。ラッチ134は、結合部分122に対して弾性的に偏向し、突起138をロック開口132のいずれかと係合させるか、又は突起138をロック開口132から脱係合させることができる。突起138とロック開口132のうちのいずれか1つとの係合は、対応する1つの取り付け位置で結合部分122をキャノピーマウント120にロックすることができる。
【0031】
図1~7を参照すると、ラッチ134は、キャノピーマウント120から脱係合するためにラッチ134を移動させるように操作可能である作動部分140と接続されることができる。より具体的には、介助者は、作動部140を操作することができ、ラッチ134をキャノピーマウント120から離れるように偏向させるように圧迫し、したがって突起138はロック開口132のいずれかから脱係合することができる。作動部140は、ラッチ134の弾性部136(例えば、その端部)に設けられ、突起138のそれとは反対側に突出することができる。構造の例によれば、作動部140は、ラッチ134と一体的に形成され得る。介助者は、ラッチ134をキャノピーマウント120から脱係合させるために、作動部140を把持し及び引っ張ることができる。構造の例によれば、作動部140は、手動操作を容易にするための滑り止め構造142を備えた表面を有し得る。
【0032】
変形構成によれば、ロック開口132とラッチ134の配置を交換することができ、例えば、ロック開口は結合部分122に設けられることができ、キャノピーマウント120に設けられたラッチは、所望の取り付け位置において結合部分122をキャノピーマウント120にロックするために、任意のロック開口と係合することができる。
【0033】
図1~7を参照すると、キャノピー104は、カバー150(図1及び図2において想像線で示される)及び支持フレーム152をさらに含むことができる。カバー150は、支持フレーム152に取り付けられ、支持フレーム152にわたって(over)引き伸ばされることができる。カバー150のための好適な材料の例は、限定されるものではないが、織物のような軟質材料を含むことができる。支持フレーム152は、少なくとも2つのロッド154及び156を含み、これらは、左側及び右側において2つの結合部分122のそれぞれに接続され、カバー150は、ロッド154及び156に取り付けられている。構造の実施例によれば、支持フレーム152は、結合部分122と枢動可能に接続されることができる。例えば、ロッド154は、それぞれ2つの接続部160に取り付けられる2つの反対端部を有することができ、各接続部160は、対応する結合部分122に枢動可能に接続されることができ、したがって、ロッド154が調整のために結合部分122に対して回転可能となる。同様に、ロッド156は、それぞれ、2つの接続部162に取り付けられる2つの反対端部を有することができ、各接続部162は、対応する結合部分122に枢動可能に接続されることができ、したがって、ロッド156が、調整のために結合部分122及びロッド154に対して回転可能となる。ロッド154及び156は、互いに及び結合部分122に対して回転可能であり、所望に応じてカバー150を折り畳み又は拡張し、及び/又は子供支持部102に対するカバー150の角度位置を変更することができる。
【0034】
キャノピー104の例示的な動作は、図1~7を参照して以下に説明される。キャノピー104が子供搬送装置100の子供支持部102上に設置されるべき場合、介助者は、キャノピー104の左側及び右側の各々において、対応するキャノピーマウント120上で(over)軸128に沿って結合部分122を摺動させることができ、したがって、キャノピーマウント120が結合部分122の空洞126内に少なくとも部分的に受け容れられる。結合部分122は、結合部分122とともに坦持されるラッチ134がキャノピーマウント120上のロック開口132の1つと係合するまで摺動することができ、それにより、結合部分122をキャノピーマウント120にロックすることができる。
【0035】
子供支持部102上のキャノピー104の高さを変更するために、介助者は、作動部140を引っ張ることができ、したがって、ラッチ134がキャノピーマウント120から脱係合し、結合部分122をアンロックする。キャノピーマウント120は、結合部分122の空洞126内に少なくとも部分的に受け容れられたままであるが、ロックされていない結合部分122は、キャノピー104の高さを調整するために、キャノピーマウント120に対して軸128に沿って摺動することができる。例えば、キャノピー104は、キャノピー104がヘッドレスト113及び背もたれ部110の頂部の上方で延在する高さに調整され得る。キャノピー104が所望の高さに調整されると、ラッチ134は、キャノピーマウント120上のロック開口132のうちの1つと係合して、結合部分122を対応する取り付け位置にロックすることができる。
【0036】
子供支持部102からキャノピー104を取り外すために、介助者は、作動部分140を引っ張ることができ、したがって、ラッチ134がキャノピーマウント120から脱係合し、結合部分122をアンロックする。その後、キャノピー104を上方に移動させることができ、これにより、結合部分122を、上方に摺動させ、キャノピーマウント120から取り外すことができる。これにより、キャノピー104は、子供支持部102から取り外されることができる。
【0037】
本明細書に記載される子供搬送装置の利点は、構造が比較的簡単である取り外し可能なキャノピーを提供する能力を含む。キャノピーは、簡単に着脱することができ、必要に応じて高さを都合よく調整することができ、使用に際してより柔軟性を提供することができる。
【0038】
子供搬送装置の実現は、特定の実施形態の文脈において説明されてきた。これらの実施形態は、例示的なものであり、限定的なものではない。多くの変形、変更、追加及び改良が可能である。これらの及び他の変形、変更、追加、及び改良は、特許請求の範囲に定義される本発明の範囲内にあり得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7