(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-26
(45)【発行日】2024-07-04
(54)【発明の名称】流体管理システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
G01N 37/00 20060101AFI20240627BHJP
B81B 1/00 20060101ALI20240627BHJP
【FI】
G01N37/00 101
B81B1/00
(21)【出願番号】P 2020572933
(86)(22)【出願日】2020-01-03
(86)【国際出願番号】 US2020012209
(87)【国際公開番号】W WO2020146209
(87)【国際公開日】2020-07-16
【審査請求日】2022-12-21
(32)【優先日】2019-01-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500358711
【氏名又は名称】イルミナ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【氏名又は名称】松谷 道子
(72)【発明者】
【氏名】グレゴリー・エル・ホルスト
(72)【発明者】
【氏名】ジェイ・テイラー
【審査官】前田 敏行
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-180294(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0208831(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 37/00
B81B 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体を検出するための
流体検出システムであって、
流体保持境界を抜け出した漏出流体を第1位置から該第1位置と離れた第2位置に流体を引き込む
ように構成されたウィッキング材料
を備えるカートリッジと、
前記流体保持境界内の流体を光学的に分析する対象物と、
前記第2位置に設置されたリモート流体インジケータと、
光学センサと、を備えて成り、
前記ウィッキング材料は、前記第1位置から前記第2位置まで延在し、前記第1位置は、
前記流体保持境界から抜け出した
漏出流体に
前記ウィッキング材料が曝されるように前記流体保持境界に近接して配置され、
前記ウィッキング材料および関連する接着剤の厚さが200μm未満であり、
前記対象物は、前記流体保持境界から100μmから1000μmの位置に配置され、
前記リモート流体インジケータは、前記第2位置で前記ウィッキング材料の一部に接しており、前記リモート流体インジケータに流体が接触したときに、前記リモート流体インジケータに検出可能な変化が生じ、
前記光学センサは、前記検出可能な変化を検出するための光学センサであって、前記光学センサが前記リモート流体インジケータに物理的に接していない、システム。
【請求項2】
前記検出可能な変化は、色の変化を含んで成る、請求項1のシステム。
【請求項3】
前記リモート流体インジケータは、テープ・インジケータを含んで成る、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
前記光学センサが、比色反射光学センサを含んで成る、請求項1~3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記ウィッキング材料は、織り材料を含んで成る、請求項1~4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記ウィッキング材料は、ナイロン・メッシュ繊維材料を含んで成る、請求項
1に記載のシステム。
【請求項7】
前記ウィッキング材料は、親水性接着剤によって前記第1位置で表面に取り付けられている、請求項
1に記載のシステム。
【請求項8】
前記ウィッキング材料および前記親水性接着剤は、前記第1位置で約120μmの最大合計厚さを有する、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記第1位置の前記ウィッキング材料が流体センシティブ要素に近接している、請求項1~
4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
前記光学センサが前記検出可能な変化を検出したとき、信号を生成するために前記光学センサに結合された通信コンポーネントをさらに有して成る、請求項1~
4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
請求項1に記載のシステムを用いた流体を検出する方法であって、
流体が流体保持境界を抜け出した前記第1位置で前記
漏出流体を前記
カートリッジの前記ウィッキング材料と接触させること、
前記ウィッキング材料を介して前記第1位置から前記第2位置に前記流体を引き込むこと、
前記第2位置で前記ウィッキング材料と接しているリモート流体インジケータと流体を接触させること、
検出を行うこと、を含んで成り
、
前記リモート流体インジケータと前記流体との間の前記接触は、前記リモート流体インジケータに検出可能な変化を生じさせており、
前記検出は、リモート流体インジケータと動作可能に関連する光学センサを介して前記検出可能な変化を検出し、
前記光学センサは、リモート流体インジケータに物理的に接していない、方法。
【請求項12】
前記ウィッキング材料に接触する前記流体が約1~500μLの体積を有する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記リモート流体インジケータは、テープ・インジケータを含んで成る、請求項11または12に記載の方法。
【請求項14】
前記検出可能な変化は、色の変化を含み、前記光学センサは、比色反射光学センサを含んで成る、請求項11~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記ウィッキング材料は、織り材料を含んで成る、請求項11~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記ウィッキング材料は、親水性接着剤によって前記第1位置で表面に取り付けられ、前記ウィッキング材料および前記親水性接着剤は、前記第1位置で約120μmの最大合計厚さを有する、請求項11~
14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
流体分析システムであって、
流体チャネルを有する流体カートリッジと、流体デバイスと、ウィッキング材料と、流体保持境界内の流体を光学的に分析する対象物と、第2位置にあるリモート流体インジケータと、光学センサと、を備えてなり、
前記流体デバイスの一部が第1位置に配置され、
前記流体デバイスが前記流体カートリッジ内に配置され、前記流体デバイスが前記第1位置で前記流体チャネルに接続されており、
前記ウィッキング材料は、前記第1位置から該第1位置と離れた第2位置まで延在しており、
前記対象物は、前記流体保持境界から100μm~1000μmの位置に配置されており、
前記リモート流体インジケータは、前記第2位置にある前記ウィッキング材料の一部に接しており、流体が前記リモート流体インジケータに接触すると、前記リモート流体インジケータに検出可能な変化が生じ、
前記光学センサは、前記検出可能な変化を検出するための光学センサであって、前記リモート流体インジケータに物理的に接していない、流体分析システム。
【請求項18】
前記リモート流体インジケータは、テープ・インジケータを含んで成る、請求項17
に記載のシステム。
【請求項19】
前記検出可能な変化は、色の変化を含み、前記光学センサが比色反射光学センサを含んで成る、請求項17
または18に記載のシステム。
【請求項20】
ウィッキング材料が織り材料を含んで成る、請求項17
または18に記載のシステム。
【請求項21】
前記流体デバイスを取り囲む第2ウィッキング材料をさらに有して成り、前記リモート流体インジケータが前記第2位置で前記第2ウィッキング材料の一部に接している、請求項17
または18に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連する出願の相互参照
本出願は、2019年1月7日に出願された「流体管理システムおよび方法」と題された米国仮特許出願第62/789,283号の優先権を主張し、その全内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
流体リークによる装置の信頼性の低下は、効率の低下およびコストの増加、例えば、装置の保守および損傷した部品の交換のコストにつながる。しかしながら、従来の流体センサーシステムは、スペースの制約があるリーク源のすぐ近くでは使用できず、流体センサをそのようなリーク源から離して配置すると、検出速度が遅くなり、検出前に大量の流体がリークし、流体センシティブ部品(fluid-sensitive parts)への損傷が大きくなる。さらに、スペースの制約は、センサーシステム、特に、流体との物理的接触に依存するセンサーシステムのリセットまたは交換において、困難をもたらす。
【0003】
例えば、フロートセンサは、浮力を作動するため、大量の流体を使用する場合がある。電気インピーダンスセンサおよび光学メニスカスセンサは、センサと流体とが接触するように配置でき、これにより、特に、蒸発後に残留物を残す可能性がある生理食塩水については、洗浄をリセットする必要がある。静電容量センサは、複雑な駆動回路を使用し、流体に近接するように配置できる。また、スペースの制約は、テープ・インジケータのようなセンサの目視検査を利用するセンサの狭いスペースでの使用を阻害する場合がある。
【発明の概要】
【0004】
したがって、狭いスペースで流体センシティブ部品に近接する少量の流体リークを効率的に検出できる流体検出システムおよび方法、ならびにそのようなシステムが消耗部品(consumable component)に含まれることが必要とされている。流体センシティブ部品への損傷も軽減するようなシステムおよび方法に対する必要性も存在する。
【0005】
以下は、本明細書に記載のいくつかの態様の基本的な理解を提供するために、簡略化された要約を提示する。この要約は、特許請求される主題の広範な概要ではない。特許請求された主題のキーまたは重要な要素を特定することも、その範囲を説明することも意図されていない。その唯一の目的は、後で提示されるより詳細な説明の前置きとして、いくつかの概念を簡略化された形式で提示することである。
【0006】
本開示の態様は、流体を検出するためのシステムを包含する。システムは、第1位置から該第1位置と離れた第2位置に流体を引き込むためのウィッキング材料(または吸上材料もしくは毛管作用による吸上材料、wicking material)を含み、ウィッキング材料は、第1位置から第2位置まで延在し、第1位置は、流体保持境界から抜け出した流体(fluid escaping the fluid retention boundary)に曝される(exposed)ように、流体保持境界に近接して配置される。例えば、第1位置は、故障する可能性のある流体デバイス、または、2つ以上の流体流動デバイスを接続する流体インターフェース、または、2つの流体デバイスの間に近接して配置し得る。システムは、第2位置に設置されたリモート流体インジケータ(remote fluid indicator)をさらに有して成り、リモート流体インジケータは、第2位置でウィッキング材料の一部に接しており、流体がリモート流体インジケータに接触すると、リモート流体インジケータに検出可能な変化(detectable alteration)が生じる。システムは、検出可能な変化を検出するための光学センサをさらに含んで成り、光学センサは、リモート流体インジケータに物理的に接していない。
【0007】
本開示の態様は、流体を検出する方法を包含する。方法は、流体が流体保持境界を抜け出した第1位置で流体をウィッキング材料と接触させることを含み、ウィッキング材料は、第1位置から該第1位置と離れた第2位置まで延在する。例えば、第1位置は、故障する可能性のある流体デバイス、または、2つ以上の流体流動デバイスを接続する流体インターフェース、または、2つの流体デバイスの間に近接して配置し得る。方法は、ウィッキング材料を介して第1位置から第2位置に流体を引き込むことをさらに含んで成る。方法は、第2位置でウィッキング材料と接触しているリモート流体インジケータと流体を接触させることをさらに含んで成り、流体とリモート流体インジケータとの間の接触は、リモート流体インジケータに検出可能な変化を生じさせる。方法は、リモート流体インジケータに動作可能に関連付けられた光学センサを介して検出可能な変化を検出することをさらに含んで成り、光学センサは、リモート流体インジケータに物理的に接していない。
【0008】
いくつかの例では、リモート流体インジケータは、テープ・インジケータを含んで成り、検出可能な変化は、色の変化を含んで成り、および/または、光学センサは、比色反射光学センサ(colorimetric reflective optical sensor)を含んで成る。いくつかの例では、ウィッキング材料は、織り材料(woven material)またはナイロン・メッシュ繊維材料(nylon mesh fiber material)を含んで成る。いくつかの例では、ウィッキング材料は、親水性接着剤によって第1位置で表面に取り付けられ、ウィッキング材料と親水性接着剤は、第1位置で約120μmの最大合計厚さを有することができる。いくつかの例では、第1位置のウィッキング材料は、光学的対象物から約100~約1000μmである画像または視認面(または表示面、imaging or viewing surface)などの流体センシティブ要素(fluid-sensitive element)に近接している。システムは、光学センサに結合された通信コンポーネント(communication component)をさらに含んで成り、光学センサが検出可能な変化を検出したときに信号を生成することができる。いくつかの例では、ウィッキング材料に接触する流体は、約1~500μLの体積を有している。
【0009】
本開示の態様は、流体分析システムを包含する。システムは、流体デバイスを含んで成り、流体デバイスの一部は、第1位置に配置されている。システムは、第1位置から該第1位置と離れた第2位置まで延在されているウィッキング材料をさらに有して成る。システムは、第2位置にリモート流体インジケータをさらに有して成り、リモート流体インジケータは、第2位置でウィッキング材料と接しており、流体がリモート流体インジケータに接触すると、リモート流体インジケータに検出可能な変化が生じる。システムは、検出可能な変化を検出するための光学センサをさらに有して成り、光学センサは、リモート流体インジケータに物理的に接していない。
【0010】
いくつかの例では、システムは、流体チャネルを備えた流体カートリッジをさらに有して成り、流体デバイスは、流体カートリッジ内に配置され、第1位置で流体チャネルに接続され、ウィッキング材料および第2位置は、流体カートリッジ内に配置されている。いくつかの例では、システムは、流体デバイス内の流体を光学的に分析するための光学的対象物をさらに有して成り、光学的対象物は、流体デバイスの画像または表示面から約100~約1000μmの位置に配置されている。システムは、流体デバイスを取り囲む第2ウィッキング材料をさらに含むことができ、リモート流体インジケータは、第2位置で第2ウィッキング材料の一部に接している。いくつかの例では、第1位置の隣にある流体チャネルの一部は、第1位置に向かって傾斜している。
【0011】
本開示の主題の他の特性及び特質、並びに動作方法、構造における要素の機能及び部品の組み合わせ、並びに製造における経済性は、その全てが本明細書の一部を形成し、同様の参照符号は様々な図面内の対応する部分を指す、添付図面を参照して以下の説明及び添付の特許請求の範囲を考慮した上で、より明白になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本明細書に組み込まれ、明細書の一部を形成する添付の図面は、本開示の主題の様々な例を示している。図面において、同様の参照符号は、同一または機能的に類似した要素を示す。
【0013】
【
図1】
図1は、流体分析装置用のカートリッジの斜視図である。
【
図2】
図2は、液体分析装置用の液体検出システムを備えたカートリッジの斜視図である。
【
図3】
図3は、
図2のA-A線に沿った、流体分析装置のための
図2のシステムと同様の流体検出システムの断面図である。
【
図4】
図4は、流体分析装置用の流体検出システムの斜視図である。
【
図5】
図5は、
図4のC-C線に沿った、流体分析装置のための
図4の流体検出システムの部分断面図である。
【
図6】
図6は、流体分析装置用の
図4の流体検出システムを備えたカートリッジの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本開示の主題の態様は、様々な形態で具体化することができるが、以下の説明および添付の図面は、主題の特定の例としてこれらの形態のいくつかを開示することを単に意図している。したがって、本開示の主題は、そのように説明および図示された形式または例に限定されることを意図するものではない。
【0015】
別段の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語、表記法、および他の技術用語または用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書で参照されるすべての特許、出願、公開された出願、および他の刊行物は、参照によりその全体が組み込まれる。このセクションに記載されている定義が、参照により本明細書に組み込まれる特許、出願、公開された出願、および他の刊行物に記載されている定義に反するか、あるいは、矛盾する場合、このセクションに記載されている定義は、参照により本明細書に組み込まれている定義よりも優先される。
【0016】
別段の指示がない限り、または文脈が別の方法を示唆している場合を除き、本明細書で使用される場合、「a」または「an」は「少なくとも1つ」または「1つ以上」を意味する。
【0017】
この説明は、構成要素、装置、位置、特徴、またはそれらの一部の位置および/または向きを説明する際に、相対的な空間的および/または向きの用語を使用してもよい。明示的に記載されているか、または説明の文脈によって指示されない限り、上(top)、底(bottom)、上方(above)、下方(below)、下(under)、上部(on top of)、より上側(upper)、より下側(lower)、左(left of)、右(right of)、前(in front of)、後ろ(behind)、隣(next to)、隣にある(adjacent)、間(between)、水平(horizontal)、垂直(vertical)、斜め(diagonal)、縦方向(longitudinal)、横方向(transverse)、放射状(radial)、軸方向(axial)等を含むそのような用語は、図面中のそのような構成要素、装置、位置、特徴、またはその一部を参照するために便宜的に使用されており、限定することを意図していない。
【0018】
さらに、別段の記載がない限り、本明細書で言及された任意の特定の寸法は、単に本開示の側面を具現化する装置の例示的な実施態様を代表するものであり、限定することを意図するものではない。
【0019】
「約(about)」という用語の使用は、明示的に示されているか否かにかかわらず、ここで指定された全ての数値に適用される。この用語は、一般に、当業者が、本開示の文脈において、引用された数値に対する(すなわち、同等の機能または結果を有する)合理的な偏差と考えられる数値の範囲を示す。例えば、限定することを意図していないが、この用語は、そのような偏差が値の最終機能または結果を変更しないことを条件に、与えられた数値の±10%の偏差を含むと解釈することができる。したがって、当業者であれば理解できるような状況下では、約1%の値は0.9%から1.1%の範囲であると解釈することができる。
【0020】
本明細書で使用されるように、用語「隣にある(adjacent)」は、近くにある(near)か、または近接している(adjoining)ことを意味する。隣にある物体は、互いに間隔をあけて配置することができ、または実際にまたは直接的に互いに接触させることができる。いくつかの実施形態では、隣にある物体は、互いに結合することができ、または、互いに一体的に形成することができる。
【0021】
本明細書で使用されるように、用語「近接(proximate)」は、比較的または機能的に小さい距離または空間によって、近くにある(near)、隣接している(adjoining)、または、分離されること(separated)を示す。例えば、本開示に従って、第2物体に近接している第1物体は、第2物体に接することができるか、または、第1物体から第2物体までの距離または空間が、2つの物体がそれぞれの機能を果たし、または、それぞれの特性を示すことを許容するように、第2物体の距離内とすることができる。
【0022】
本明細書で使用される場合、「実質的に(substantially)」および「実質的な(substantial)」という用語は、かなりの程度または度合いを示す。例えば、事象(event)、状況(circumstance)、特性(characteristic)、または性質(property)と組み合わせて使用する場合、これらの用語は、事象、状況、特性、または性質が正確に発生する事例と、本明細書に記載される例の典型的な許容差レベルまたは変動性の説明など、事象、状況、特性、または性質が極めて近似的に発生する事例とを示すことができる。
【0023】
本明細書で使用されるように、用語「任意に(optionally)」及び「任意の(optional)」は、後で説明される、構成要素(component)、構造(structure)、要素(element)、事象、状況、特性、性質などが、含まれるか、もしくは発生することができ、又は、含まれないか、もしくは発生しなくても良く、説明は、構成要素、構造、要素、事象、状況、特性、性質などが、含まれるか、又は発生する場合と、それらが含まれないか、又は、発生しない場合を含む、ことを意味する。
【0024】
様々な例によれば、本明細書に記載されるようなアセンブリおよび装置(device)は、1つまたは複数の要素、例えば、1つまたは複数のチャネル(channel)、分岐チャネル(branch channel)、バルブ(valve)、フロー・スプリッタ(flow splitter)、ベント(vent)、ポート(port)、アクセス領域(access area)、ビア(via)、ビーズ(bead)、試薬含有ビーズ(reagent containing bead)、カバー層(cover layer)、反応コンポーネント(reaction component)、それらの任意の組み合わせなどを含んだ1つまたは複数の流体処理通路(fluid processing passageways)を有してよい流体カートリッジと組み合わせて使用してもよい。任意の要素が別の要素と流体連通していてもよい。
【0025】
本明細書に記載されているか、または特許請求の範囲に記載されている要素および構成要素のすべての可能な組み合わせが本開示の一部であると考えられ、示される。前述の概念および以下でより詳細に議論される更なる概念の全ての組み合わせが(そのような概念が相互に矛盾しないという条件で)、本明細書で開示される本発明の主題の一部であると考えられることを理解すべきである。特に、本開示の最後に記載されているクレームされている主題の全ての組み合わせが、本明細書に開示された本発明の主題の一部であると考えられる。
【0026】
添付の特許請求の範囲において、用語「含む(including)」とは、各用語「含む(comprising)」の平易な英語の同等語として使用される。用語「含む(comprising)」および「含む(including)」は、本明細書では、列挙された要素を含むだけでなく、任意の更なる要素を更に包含し、制約しないことを意図している。更に、以下の特許請求の範囲において、用語「第1」、「第2」、および「第3」等は、単にラベルとして使用されており、それらの対象に数値的要件を課すことを意図するものではない。
【0027】
用語「流体連通」(fluid communication)は、直接的な流体連通を意味し、例えば、2つの領域は、2つの領域を接続する遮るもののない流体処理通路を介して互いに流体連通し得るか、または、それらがその中に配置された弁を含み得る流体処理通路を介して接続されるとき、例えば、2つの領域は、互いに流体連通し得る、ここで、流体連通は、例えば、溶解性弁を溶解する、破裂性弁を破裂させる、またはそうでなければ、流体処理通路に配置された弁を開くことによって、弁を作動させるときに2つの領域間で確立し得る。
【0028】
狭いスペース(small spaces)、特にセンシティブ・コンポーネント(sensitive components)を有するスペース、または、近接するスペースにおいて、流体保持境界から抜け出したリーク流体のような流体の存在を検出することが可能な、改良された流体管理システム(fluid management system)が必要とされている。流体保持境界は、チャネル、ベセル(vessel)、チャンバ(chamber)、コンパートメント(compartment)、または、レセプタクル(receptacle)、または、それらのいくつかの組み合わせ、または、任意の2つ以上の流体チャネル、ベセル、チャンバ、コンパートメント、またはレセプタクルの間のインターフェースを備えてよく、そして、流体が収容されている、および/または、内部に有する、または、流体流動されている装置のような、流体装置の一部であってよい。本開示の態様は、リモート流体インジケータが第2位置に配置されている、または、第2位置に近接して配置されている、少なくとも1つのウィッキング材料を介して第1位置から第2位置に流体を引き込むことによって、そのような流体を検出し、そのようなコンポーネントを保護するシステム、方法、および機器を包含する。
【0029】
いくつかの例では、第1位置は、流体に関連するコンポーネントの位置、または、近接する位置である。いくつかの例では、第1位置は、流体チャネル、流体ポート、流体コンテナ、または他の流体デバイスなどの、1つまたは複数の流体流動または流体保持デバイスに近接している。流体デバイスや流体インターフェースなどのこれらの流体関連コンポーネントは、流体保持境界を含み、流体保持境界から抜け出した流体は、リーク流体を構成する。
したがって、そのような流体デバイスおよび流体インターフェースは、潜在的な流体リークの原因となり得ており、例えば、浸透(seepage)、詰まり(clogs)、腐食(corrosion)、劣化(deterioration)、圧力(pressure)、温度(temperature)、アセンブリの故障(assembly failure)、機械的ストレス(mechanical stress)、または、流体リークを引き起こす他の状態、によって引き起こされる流体リークの原因となり得る。例えば、流体リークは、損傷(damage)、誤動作(malfunction)、または、流体ポートおよび/またはチャネル間のシール(seals)または接続(connections)といった流体関連パーツの他の変化した状態から生じさせることが可能である。
【0030】
いくつかの例では、第1位置は、1つまたは複数のセンシティブ・コンポーネントの位置または近接する位置である。いくつかの例では、センシティブ・コンポーネントは、流体に曝されたときに、効力の低下(diminished efficacy)、誤動作(malfunctions)、損傷を被る(sustains damage)、または、他の構成要素の損傷に曝されるコンポーネントのような、流体にセンシティブなコンポーネントである。いくつかの例では、センシティブ・コンポーネントは、流体への曝露の結果としてコンポーネントに残る堆積物により、効力の低下、誤動作、損傷を被る、または、他の構成要素の損傷に曝されるコンポーネントのような、堆積物にセンシティブなコンポーネントである。いくつかの例では、第1位置は、対象物またはレンズ(objective or lens)、照明または照明要素(例えば、流体システム内の光学測定のためのレーザダイオード光源)、開口部(aperture)、コンデンサ(condenser)、画像または表示面、サーモサイクラーのようなサーマル要素(thermal element such as a thermocycler)、フィルタ、ミラー、カメラ、リニア・ポジショニング・ステージ(linear positioning stage)、アクチュエータ、または他の光学要素のような、画像または表示システム・コンポーネント(imaging or viewing system component)の位置、またはその近くの位置である。いくつかの例では、第1位置は、電源ユニット、コンピュータ/回路基板/チップ、モータ、ギア、ベアリング、または他のパワー・トランスミッション要素(other power transmission element)に近接している。いくつかの例では、センシティブ・コンポーネントは電気コンポーネントである。
【0031】
いくつかの例では、第1位置は、スペースの制約を示す。例えば、第1位置は、隣にある複数のコンポーネントの間、または、単一のコンポーネントにおける隣り合う複数の一部の間の狭いギャップ(small gap)、くぼみ(depression)、または開口(aperture)を包含し得る。スペースの制約は、流体デバイス、流体インターフェース、および/または、センシティブ・コンポーネントのうちの1つまたは複数に近接し得る。スペースの制約は、1つまたは複数の流体デバイス、流体インターフェース、および/または、センシティブ・コンポーネントの間のスペースに関連し得る。例えば、スペースの制約は、画像または表示面と光学的対象物との間のスペースに関連し得る。いくつかの例では、スペースの制約は、2500μm未満のギャップ、または約50μmから約2500μmの間のギャップなどの狭いギャップに関連し得る。いくつかの例では、スペースの制約は、2500μmを超えるギャップに関連し得る。いくつかの例では、スペースの制約は、約100μm~約2500μm、約100μm~約2000μm、約100μm~約1500μm、約100μm~約1000μm、約100μm~約700μm、約100μm~約350μm、約100μm~約240μm、約100μm~約180μm、または約50μm~約100μmの幅(width)を含んでいる。いくつかの例では、スペースの制約は、約2500μm、約2000μm、約1500μm、約1000μm、約700μm、約500μm、約350μm、約300μm、約250μm、約200μm、約150μm、約100μm、または約50μmの最大幅を含んでいる。
【0032】
いくつかの例では、ウィッキング材料は、織り材料および/または不織り材料を含む。いくつかの例では、ウィッキング材料は、ハイドロエンタングル材料(hydro-entangled material)を含む。いくつかの例では、ウィッキング材料は、疎水性材料および/または親水性材料を含む。いくつかの例では、ウィッキング材料は、ナイロン・メッシュ繊維材料を含む。いくつかの例では、ウィッキング材料は、ウィッキング材料のウィッキング性能を増加または最適化するサイズの細孔などの細孔を含み、そのような細孔は、pm、nm、μm、またはmmのスケールでサイズ決定され得る。例えば、ウィッキング材料は、約0.01μm、約0,1μm、約0.25μm、約0.5μm、約0.75μm、約1μm、約5μm、約10μm、約20μm、約40μm、約60μm、約80μm、約100μm、約125μm、約150μm、約175μm、約200μm、約225μm、約250μm、約300μm、約400μm、約500μm、約600μm、約700μm、約800μm、約1000μmの細孔を含み得る。例えば、ナイロン・メッシュ繊維材料のウィッキング材料は、約80μmの細孔を含み得る。いくつかの例では、ウィッキング材料は、1つの材料または2つ以上の材料の組み合わせを含む。例えば、ウィッキング材料は、ポリエステル、セルロース、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエーテルサルホン(PES)、および/またはナイロンのうちの1つ以上の材料を含み得る。いくつかの例では、ウィッキング材料は、第1材料および第2材料を含み、それぞれ約90%と約10%、約80%と約20%、約70%と約30%、約60%と約40%、約50%と約50%、約40%と約60%、約30%と約70%、約20%と約80%、または約10%と約90%の量である。例えば、ウィッキング材料は、約50%のポリエステルおよび約50%のセルロースのような、ポリエステルおよび/またはセルロースを含み得る。例えば、ウィッキング材料は、Texwipe(登録商標)社製のTechniCloth(登録商標) TX604 cleanroom wipeを含み得る。いくつかの例では、ウィッキング材料は、液体クロマトグラフィー・ペーパー(liquid chromatography paper)を含み得る。ウィッキング材料は、接着剤または表面へのウィッキング材料の塗布中、またはウィッキング材料の湿潤中を含めて、最小限の微粒子を排出するように設計し得る。いくつかの例では、ウィッキング材料は、流体、高温または低温、湿度、または、腐食性化学物質(corrosive chemicals)への曝露によって損なわれない。いくつかの例では、ウィッキング材料は、複数のウィッキング材料を含み、複数のウィッキング材料は、隣にある、または、層状にされ得る。
【0033】
いくつかの例では、第2位置は、第1位置から離れ得る。例えば、第2位置は、第1位置から少なくとも約0.5mm、1mm、1.5mm、2mm、3mm、4mm、5mm、7.5mm、10mm、25mm、50mm、75mm、100mm、150mm、200mm、250mm、300mm、350mm、400mm、450mm、または500mmの距離で離され得る。いくつかの例では、第2位置は、第1位置にあるか、または、第1位置に近接している1つ以上のセンシティブ・コンポーネントおよび/または流体コンポーネントに近接していなくてもよい。例えば、第2位置またはコンポーネントに近接していない位置またはコンポーネントは、第2位置またはコンポーネントから約0.01mm、0.05mm、0. 1mm、0.25mm、0.5mm、0.75mm、1mm、1.5mm、2mm、3mm、4mm、5mm、7.5mm、10mm、25mm、50mm、75mm、100mm、150mm、200mm、250mm、300mm、350mm、400mm、450mm、500mm、または500mm以上の距離で離され得る。
【0034】
いくつかの例では、第2位置は、第1位置によって示されるスペースの制約を示さなくてよく、または第2位置は、第1位置よりも少ないスペースの制約を示してもよい。例えば、第2位置は、第1位置によって示される1つまたは複数の幅よりも大きい1つまたは複数の幅を示し得る。いくつかの例では、第2位置は、スペースの制約のために第1位置にフィットしないコンポーネント、例えば、液体インジケータおよび/またはセンサ・コンポーネントなどのコンポーネントを収容するためにサイズ設定し得る。
【0035】
いくつかの例では、リモート流体インジケータは、第2位置に位置するか、または第2位置に近接する位置であってよい。例えば、リモート流体インジケータを第2位置の表面に取り付け得る。いくつかの例では、リモート流体インジケータと流体との間の接触は、リモート流体インジケータに1つ以上の検出可能な変化を生じさせるか、または引き起こすことができる。例えば、検出可能な変化は、リモート流体インジケータのいくつかの品質または特性の変化であってよい。例えば、検出可能な変化は、色、大きさ、導電率、抵抗率、または他の光学的、電気的、機械的、電磁的、磁気的、静電的、誘導的、容量性、または熱的特性の変化であってもよい。いくつかの例では、検出可能な変化は、流体がリモート流体インジケータに接触した後、約120秒未満、約100秒未満、約80秒未満、約60秒未満、約40秒未満、約20秒未満、約10秒未満、約5秒未満、約1秒未満、約0.5秒未満、約0.25秒未満、約0.1秒未満、約0.05秒未満、または約0.01秒未満で発生するか、または実質的に完了する。いくつかの例では、検出可能な変化は不可逆的であってもよい。テープ・インジケータは、リモート流体インジケータの一例である。いくつかの例では、リモート流体インジケータは、高温または低温および/または湿度にセンシティブではない場合がある。
【0036】
1つ以上のウィッキング材料は、第1位置から第2位置まで延在し得る。ウィッキング材料は、2つの位置の間で直接的に延在し得て、または2つの位置の間で間接的に延在し得ており、例えば、ウィッキング材料の少なくとも一部が最初に第1位置から離れて延び、第2位置の方向には延在しないようにすることができる。いくつかの例では、1つまたは複数のウィッキング材料が、第1位置から第2位置以外の位置まで延在する。いくつかの例では、第1ウィッキング材料は、第1位置から第2ウィッキング材料まで延在し、第2ウィッキング材料は、第2位置まで延在することができる。
【0037】
ウィッキング材料の一部は、1つ以上の流体デバイスまたは流体インターフェースの隣にある、または、近接した第1位置に配置し得る。ウィッキング材料の一部は、1つ以上のセンシティブ・コンポーネントの隣にある、または、近接して第1位置に配置し得る。いくつかの例では、ウィッキング材料の一部は、流体デバイス、流体インターフェース、および/またはセンシティブ・コンポーネントのうちの1つ以上の間、隣にある、または、近接するスペース内の第1位置に配置され、そのスペースは、上述のようなスペースの制約、例えば上述のような幅を示し得る。いくつかの例では、ウィッキング材料の一部は、流体デバイスまたは流体インターフェースからの流体、例えば、流体デバイスまたは流体インターフェースから漏れた流体など、がウィッキング材料に接触するように、第1位置に配置され得る。
【0038】
ウィッキング材料の一部は、1つまたは複数のリモート流体インジケータに隣にある、または、近接する第2位置に配置され得る。例えば、第2位置にあるウィッキング材料の一部は、リモート流体インジケータの下方または上方に延在し得、および/または、リモート流体インジケータの側面の隣とする(abut)ことができる。いくつかの例では、ウィッキング材料の一部は、ウィッキング材料中またはウィッキング材料上の流体がリモート流体インジケータに接触するように、第2位置に配置し得る。
【0039】
いくつかの例では、ウィッキング材料は、1つまたは複数の接着剤によって表面に取り付け得る。例えば、1つまたは複数の接着剤は、ウィッキング材料を、第1位置の表面、第2位置の表面、および/または、第1位置から第2位置に延在する表面に取り付け得る。いくつかの例では、流体デバイスまたはリモート流体インジケータなどの本明細書に記載の他の構成要素は、1つまたは複数の接着剤によって1つまたは複数の表面に取り付けられている。いくつかの例では、接着剤は親水性であり得る。いくつかの例では、接着剤は、流体、高温または低温、湿度、または腐食性化学物質への曝露によって損なわれない。いくつかの例では、接着剤は、両面テープまたは単層転写テープ(single-layer transfer tape)であり得る。例えば、好ましい接着剤には、AdhesivesResearch(登録商標)によって製造されたARflow(登録商標)93049 Hydrophilic Pressure-Sensitive Adhesiveが含まれ得る。いくつかの例では、単層転写テープ接着剤は、第1位置で表面にウィッキング材料の一部を取り付け、表面は、上述したようなスペースの制約、例えば上述したような幅、を示し得る。
【0040】
いくつかの例では、ウィッキング材料は、約1000μm未満、例えば、約500μm、約450μm、約400μm、約350μm、約300μm、約250μm、約200μm、約150μm、約120μm、約100μm、約80μm、約50μm、約25μm、または約10μmの厚さを示す。いくつかの例では、接着剤は、約1000μm、約500μm、約450μm、約400μm、約350μm、約300μm、約250μm、約200μm、約150μm、約120μm、約100μm、約80μm、約50μm、約25μm、または約10μm未満の厚さを示す。いくつかの例では、ウィッキング材料と接着剤の組み合わせの厚さは、約1000μm未満、例えば、約750μm、約600μm、約500μm、約450μm、約400μm、約350μm、約300μm、約250μm、約200μm、約150μm、約120μm、約100μm、約80μm、または約50μmの厚さを示す。
【0041】
いくつかの例では、検出可能な変化を生成するためのリモート流体インジケータに接触するため、第1位置における最小量の流体は、ウィッキング材料を介して第2位置に引き込まれるのに十分であり得る。いくつかの例では、流体の最小量は、約500μL、約450μL、約400μL、約350μL、約300μL、約250μL、約200μL、約150μL、約100μL、約80μL、約60μL、約40μL、約20μL、約10μL、または約1μLとし得る。いくつかの例では、ウィッキング材料に接触する流体の量は、約1μL、約50μL、約100μL、約250μL、約500μL、約1000μL、約1500μL、約2000μL、約3000μL、約4000μL、約5000μL、またはそれ以上の体積を有する。いくつかの例では、ウィッキング材料に接触する流体の量(例えば 第1位置でウィッキング材料に接触させる)は、約1μL~約1000μL、約1μL~約500μL、約1μL~約450μL、約1μL~約400μL、約1μL~約350μL、約1μL~約300μL、約1μL~約250μL、約1μL~約200μL、約1μL~約150μL、または約1μL~約100μLの体積を有する。
【0042】
いくつかの例では、センサは、リモート流体インジケータに操作的に関連づけられ得る。例えば、センサは、リモート流体インジケータの検出可能な変化を検出し得る。いくつかの例では、センサは、リモート流体インジケータに物理的に接触しない。いくつかの例では、センサは、光学センサ、光電センサ、または電気センサであり得る。いくつかの例では、光学センサのようなセンサを、光ファイバを介してリモート流体インジケータに操作的に関連付けられ得る。いくつかの例では、センサは、水蒸気または湿度センサ(water vapor or humidity sensor)、静電容量センサ(capacitance sensor)、または誘導センサ(inductive sensor)であり得る。いくつかの例では、センサは、比色反射光学センサ(colorimetric reflective optical sensor)であり得る。比色反射光学センサは、光源と、回路基板上に実装された光学カラー検出器(optical color detector)とを含み得る。
【0043】
いくつかの例では、通信コンポーネントがセンサに結合され得る。例えば、通信コンポーネントは、有線接続または無線接続を介してセンサに操作的に関連付けられ得る。通信コンポーネントは、光学センサが検出可能な変化を検出したときに信号を生成し得る。いくつかの例では、信号は電気信号(electronic signal)とすることができ、電気信号は、アラームを作動させること、第1位置の流体デバイスへの流体フローを停止させること、および/または第1位置の流体デバイスから流体を除去することなどの、流体の検出に対する機能的応答をトリガすることが可能なシステム・コンポーネントに送信され得る。いくつかの例では、通信コンポーネントは、流体分析装置(fluid analysis apparatus)におけるコンピュータまたは処理システムなどのコンピュータまたは処理システムを含むこと、または接続し得る。通信コンポーネントは、1つ以上のロジック要素、例えば、コンピュータ、組み込みコントローラ、アプリケーション固有の集積回路などを介して実装されてよく、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、フラッシュメモリ、および現在知られているかまたは後に開発された他のタイプのメモリを含むことができるデータストレージメモリを含む、または、アクセスしてよい。
【0044】
本開示の態様はまた、流体分析装置に組み込み可能であり、上記システムの1つ以上の構成要素を含む消耗品カートリッジ(consumable cartridge)またはキャリア・プレート(carrier plate)を包含する。いくつかの例では、流体分析装置は、光学分析(例えば、イメージング)または化学分析のための装置であり得る。いくつかの例では、以下のうちの1つ以上をカートリッジまたはキャリア・プレート内に配置することができる:流体デバイスまたは流体デバイスの一部;2つ以上の流体デバイス間のインターフェース;第1位置;第2位置およびリモート流体インジケータ;ウィッキング材料またはウィッキング材料の一部;および/またはセンサ。いくつかの例では、カートリッジは、流体デバイスと、流体インターフェースで流体デバイスに接続された少なくとも1つの流体チャネルまたは流体ポートと、流体デバイスと流体チャネルとの間の流体インターフェースに近接した第1位置と、第1位置から離れたカートリッジ内の第2位置にあるリモート流体インジケータと、第1位置から第2位置に延在するウィッキング材料とを含む。いくつかの例では、流体分析装置は、装置内に設置可能なカートリッジ内に設置されたリモート流体インジケータと操作可能に関連したセンサを含み、センサは、カートリッジの外側に装置内に取り付けられ、および/または、センサがリモート流体インジケータと接触しないように組み込まれ得る。いくつかの例では、装置内に組み込まれたカートリッジ内でリークが発生または検出された後(例えば、流体がカートリッジ内に配置されたウィッキング材料および/またはリモート流体インジケータに接触した後)、カートリッジを装置から取り外し、リークが発生または検出されていない同様のカートリッジと交換し得ており、センサは、例えば、センサのクリーニングを必要とせずに、再使用のために所定の位置に留まり得る。
【0045】
本開示の態様はまた、上述のシステムに関連する方法を包含する。いくつかの例では、流体が第1位置で流体保持境界を抜け出した後(例えば、流体が流体フローまたは流体保持装置からリークした後、または、2つ以上の流体装置の間のインターフェースでリークした後)、流体は、第1位置で、または第1位置に近接して、ウィッキング材料の一部と接触し得る。ウィッキング材料は、第1位置から第2位置まで延在し得ており、流体は、ウィッキング材料を介して第1位置から第2位置まで引き込まれ得る。いくつかの例では、次に、流体は、第2位置でウィッキング材料に接触しているリモート流体インジケータに接触する。次に、流体をリモート流体インジケータと接触させた結果として、リモート流体インジケータに対する検出可能な変化を生じさせ得る。いくつかの例では、次に、検出可能な変化は、リモート流体インジケータに動作可能に関連付けられた光学センサによって検出し得る。
【0046】
図1に示すように、流体分析装置用の例示的なカートリッジ200は、第1流体ポート206を介して流体デバイス210に接続する第1流体チャネル204および第2流体ポート209を介して流体デバイス210に接続する第2流体チャネル207のような流体コンポーネントを有している。例えば、流体は、第1流体チャネル204を通り、第1流体ポート206を通って流体デバイス210に流れ、第2流体ポート209を通り、第2流体チャネル207に流れ込むことができる。第1および第2流体チャネル204、207は、流体チャネルを包囲するチャネル積層体216内に形成されている。カートリッジ200はさらにキャリア・プレート202を含み、流体デバイス210はキャリア・プレート202上に配置され得る。第1および第2流体チャネル204、207と流体デバイス210との間の接続は、流体デバイス210を横切って延在するチャネル積層体216の部分218を含み、流体デバイス210内の流体チャネルと第1および第2流体チャネル204、207との間に流体インターフェース(例えば、第1および第2流体ポート206、209を含む)を形成する。
【0047】
一例では、カートリッジ200は、カートリッジ・インターフェース・モジュール(例えば、カートリッジ流体システムに接続する自動化されたモータ、ギア、およびインターフェースを備えたアセンブリ)などの処理機器(processing instrument)に置かれてよい。そのようなモジュール内のモータおよびベアリングは、カートリッジ内の機能を作動させるため、またはカートリッジを操作するために、用いられるパワー・トランスミッション要素を含んでよい。
【0048】
限定することを意図するものではないが、本開示に関連するように、「第1位置」は、(1)ウィッキング材料の一部に近接した位置、(2)流体デバイス、流体インターフェース、および/またはセンシティブ・コンポーネントのうちの1つ以上に近接した位置、および(3)リモート流体インジケータから離れた位置であり得る位置を包含する。
図2~6に示すように、「第1位置」は、(1)ウィッキング材料の一部(例えば ウィッキング材料220、220’、および/または226)に近接する位置、(2)流体デバイス210に接続された第1流体チャネル204の一部、第1流体ポート206、流体デバイス210に接続された第2流体チャネル207の一部、第2流体ポート209、および/または、第1流体チャネル204に接続された、または、第2流体チャネル207に接続された流体デバイス210の一部を含む、チャネル積層体216の部分218に近接する位置、および、(3)リモート流体インジケータ228から離れた位置である。一般に、「第1位置」および「第2位置」という用語は、互いに物理的に離れている(例えば、互いに直接物理的に接触していない)2つの異なる位置を伝達する(convey)ことを意図している。
【0049】
図2に示すように、カートリッジ200は、第1ウィッキング材料220を含む。第1ウィッキング部材220は、第1位置(流体チャネル204、207と流体デバイス210(第1および第2流体ポート206,209を含む)との間の流体インターフェースに近接する位置)から、第1位置と離れた第2位置まで延在している。リモート流体インジケータ228は、第2位置に配置され、第2位置で第1ウィッキング材料220の一部に接触し得る。例えば、第1流体チャネル204、第2流体チャネル207、流体デバイス210、またはこれらの流体コンポーネント間のインターフェース(第1および第2流体ポート206、209を含む)から第1位置の近くでリークした流体は、第1位置で第1ウィッキング材料220に接触し、第1位置から第2位置に流体を引き込み、その位置で流体はリモート流体インジケータ228に接触する。示された実施形態では、リモート流体インジケータ228は、可逆的または不可逆的に変化することができる他のリモート流体インジケータ228を利用し得てよいが、流体との接触時に不可逆的に色を変化させる色変化テープ・インジケータ(color-changing tape indicator)とし得る。
【0050】
図2に示すように、カートリッジ200は、さらに第2ウィッキング材料226を含む。第2ウィッキング材料226は、第1および第2流体チャネル204、207に接続された流体デバイス210を取り囲むキャリア・プレート202上に配置し得て、第1および第2流体チャネル204、207に接続された流体デバイス210の一部に近接することを含んでいる。第2ウィッキング材料226もまた、第2位置に配置され、リモート流体インジケータ228に接触し得る。第1位置に近接してリークした流体、または、キャリア・プレート202上の任意の位置にある流体デバイス210からリークした流体は、第2ウィッキング部材226に接触し、流体をリモート流体インジケータ228に引き込む。
【0051】
図2に示すように、一例では、ウィッキング材料220は、クロスセグメント221および長手方向セグメント222を有する「T」構成である。クロスセグメント221の一端は、第1位置で流体リークの検出を容易にするために、チャネル積層体216の部分218から流体デバイス210の一方側を越えてリモート流体インジケータ228まで延在している。クロスセグメント221の反対側の端部は、チャネル積層体216の部分218から第2位置のリモート流体インジケータ228に対向する流体デバイス210の反対側を越えて延在し、第2ウィッキング材料226の一部に接触して、第1位置のリーク源から流体を引き込むことに役立ち、それによって流体センシティブ・コンポーネントを保護する。
【0052】
図1および
図2に示すように、一例では、チャネル積層体216は、流体デバイス210、チャネル積層体216の部分218、および、キャリア・プレート202から離れて下向きに傾斜する、第1チャネル積層体傾斜部分205(first channel laminate incline portion 205)および第2チャネル積層体傾斜部分208(second channel laminate incline portion 208)を含む。第1位置からリークした流体は、第1位置、流体デバイス210、およびキャリア・プレート202から離れて、第1チャネル積層体傾斜部205および第2チャネル積層体傾斜部208を流れ落ち、そして、流体を吸収して保持するように設計された材料を含む任意の吸収性パッド214によって吸収され得るカートリッジ200の下部に流れ落ちる。
【0053】
図2に示されるように、第1ウィッキング材料220は、長手方向セグメント222を含み得る。長手方向セグメント222は、キャリア・プレート202と、第1および第2流体チャネル204、207と流体デバイス210との間の接続部と、から離れて延在している。長手方向セグメント222は、キャリア・プレート202から離れてカートリッジ200の下部に向けて下方に延在し、吸収性パッド214に接触してよい。長手方向セグメント222は、第1および第2チャネル積層体傾斜部205,208を覆っている。長手方向セグメント222は、第1位置、流体デバイス210、および/または、キャリア・プレート202から、カートリッジ200の下部に向けて、および/または、そうでなければ、第1位置および対応する構成要素から離れるようにして、リークした流体を下方に逃がしている。
【0054】
図2に示すように、カートリッジ200は、吸収性パッド214に加えて、または、吸収性パッド214に代えて、少なくとも1つのドレイン開口部212を含んでよい。第1ウィッキング材料220、第2ウィッキング材料226、および/または、吸収パッド210によって吸収されない流体などのカートリッジ200内の過剰な流体は、ドレイン開口部212を通してカートリッジ200から排出され得る。いくつかの例では、ドレイン・パン(図示せず)は、ドレイン開口部212を介してカートリッジ200から流出する流体、またはカートリッジ・インターフェース・モジュールの他の構成要素から流出する流体を受け取るために配置され得る(例えば、カートリッジ200の下方に配置され得る)。そのようなドレイン・パンは、ウィッキング材料、リモート流体インジケータ、センサ、および/または吸収パッドを含み得る。カートリッジ200は、カートリッジ・インターフェース・モジュール内のローディング・ピン(loading pin)またはデータム・ピン(datum pin)などのピン(図示せず)と合う(又は、登録される、registers with)少なくとも1つのピン・ホール213をさらに含んでよく、いくつかの例では、ピンは、センシティブ・コンポーネントであり得る。
【0055】
図3は、
図2のシステムと同様のリーク検出システムを、
図2の線A-Aに沿った断面図である。
図3に示すように、第1位置は、流体デバイス210の一部、流体デバイス210に接続された第1および第2流体チャネル204、207の一部、チャネル積層体216の部分218、および/または、対象物240に近接し得ており、第1位置は、対象物240の底部とチャネル積層体216の部分218の上部との間のスペースの制約を示していてよい。第1ウィッキング材料220’は、スペースの制約を示す第1位置の一部を含む第1位置から、第1位置と離れた第2位置のリモート流体インジケータ228まで延在している。
図3の第1ウィッキング材料220’は、リモート流体インジケータ228に対向する流体デバイス210の反対側を越えて延在するクロスセグメント221または長手方向セグメント222を含まない。第2位置は、対象物240とチャネル積層体216の部分218との間に示されるスペースの制約を示さない。スペースの制約を示す第1位置の一部のリーク流体を含む第1位置に近接する流体リークは、第1ウィッキング部材220’によって第2位置に引き込まれ、流体はリモート流体インジケータ228に接触し、これにより、リモート流体インジケータ228は、その特性の検出可能な変化を受ける。第2ウィッキング材料226は、流体デバイス210を取り囲むキャリア・プレート202上に配置し得て、第2位置でリモート流体インジケータ228まで延在する。第1位置に近接するリークした流体、流体デバイス210の周囲のリークした流体、および/または、第1ウィッキング材料220’内の流体は、第2ウィッキング材料226に接触し、流体が第2位置に引き込まれ、流体がリモート流体インジケータ228に接触し、これにより、リモート流体インジケータ228は、その特性の検出可能な変化を受ける。
【0056】
図3に示すように、光学センサ250は、プリント回路基板255に接続されたカラーセンサ252(例えば、フォトダイオード)および光源254を含む。リモート流体インジケータ228の色が変化すると、光源254からの入射光は、異なって吸収、または、反射され、そして、反射光の差がカラーセンサ252で検出される。光学センサ250は、リモート流体インジケータ228に接触しない。
【0057】
図4~6は、
図2のシステムと同様のリーク検出システムを示す。
図4および
図6に示すように、第1および第2流体チャネル204、207は、キャリア・プレート202上に配置された流体デバイス210に接続する。
図4および
図5は、明瞭のために他の部分を除去したカートリッジ200の一部のみを描いている。キャリア・プレート202の下方およびカートリッジ200の外側には、ペルチェ熱電冷却器のようなサーマル要素244があり、これは流体分析装置の一部であり得る。他の実施形態では、サーマル要素244は、カートリッジ200内に含まれてもよく、カートリッジ200が流体分析装置に組み込まれるか、または挿入されていることに対応して流体分析装置によって制御されてよい。例示的な流体分析装置は、カートリッジ200の外側に取り付けられ、流体デバイス210の上面の画像または表示面部分の上に配置され得る光学的対象物240を含む。さらに、対象物240およびサーマル要素244のみが示されているが、流体分析装置は、流体デバイス210内の材料を分析するための複数の他の構成要素を含んでいてよい。第1ウィッキング材料220’は、第1位置[例えば、流体デバイス210の一部の一または複数に近接する位置、流体デバイス210に接続された第1および第2流体チャネル204、207の一部、流体デバイス210と第1および第2流体チャネル204、207との間の流体インターフェース(第1および第2流体ポート206、209を含み、
図4または
図6では符号が付されていない)、および/または、対象物240に近接する位置]から、第1位置と離れた第2位置にあるリモート流体インジケータ228まで延在する。
図4~6の例では、第1ウィッキング材料220’は、リモート流体インジケータ228に対向する流体デバイス210の反対側を越えて延在するクロスセグメント221を含まず、そして、第1ウィッキング材料220’は、第1および第2チャネル積層体傾斜部分205、208上に配置された、
図2の長手方向セグメント222のような長手方向セグメントを含まない。第2ウィッキング材料226は、流体デバイス210を取り囲むキャリア・プレート202上に配置され、そして、第2位置でリモート流体インジケータ228まで延在し得る。第1ウィッキング材料220’および第2ウィッキング材料226は、流体リークが対象物240、流体デバイス210の上部の画像または表示面部分、または、サーマル要素244のようなセンシティブ・コンポーネントに接触したり、損傷したりする前に、リークを検出し得るように、第1位置から、および流体デバイス210の周囲から、リモート流体インジケータ228に流体を引き込む。また、引き込まれた流体リークを対象物240や流体デバイス210の上面の画像または表示面部分のようなセンシティブ・コンポーネントから遠ざけることにより、第1ウィッキング材料220’のようなウィッキング材料は、流体リークからセンシティブ・コンポーネントを受動的に保護する。いくつかの例では、ウィッキング材料によって吸収されない、またはウィッキング材料を過剰に飽和させるリーク流体は、チャネル積層体216の第1および第2チャネル積層体傾斜部分205、208を流れ落ち、第1の位置およびキャリア・プレート202から遠ざけ得る。
【0058】
図4および5に示すように、光学センサ250は、リモート流体インジケータ228に近接し得るが、リモート流体インジケータ228に接触しない。光学センサ250は、カートリッジ200の外側の流体分析装置に取り付けられ得る。
【0059】
図5は、
図4の線C-Cに沿った、
図4のリーク検出システムの部分断面図である。
図5に示すように、第1位置は、流体デバイス210の一部、第2流体チャネル207の一部、流体デバイス210と第2流体チャネル207との間の流体インターフェース(第2流体ポート209を含む)、および/または、対象物240に近接し得ており、第1位置は、対象物240の底部と第2流体チャネル207の上部との間のスペースの制約を示す。第1ウィッキング材料220’は、スペースの制約を示す第1位置の一部を含む第1位置から、第1位置と離れた第2位置のリモート流体インジケータ228まで延在している。第2位置は、対象物240と第2流体チャネル207との間に示されるスペースの制約を示さない。第1位置のスペースの制約を示す一部にリークした流体を含んでいる第1位置に近接してリークした流体は、第1ウィッキング部材220’によって第2位置に引き込まれ、流体がリモート流体インジケータ228に接触し、その特性の検出可能な変化を受ける。第2ウィッキング材料226は、流体デバイス210を取り囲むキャリア・プレート202上に配置され、第2位置でリモート流体インジケータ228まで延在され得る。第1位置に近接してリークした流体、流体デバイス210の周囲にリークした流体、および/または、第1ウィッキング材料220’内の流体は、第2ウィッキング材料226に接触し、流体が第2位置に引き込まれ、流体がリモート流体インジケータ228に接触し、その特性の検出可能な変化を受ける。リモート流体インジケータ228の色が変化したときに、光学センサ250は、リモート流体インジケータ228と操作的に関連付けられ得て、検出し得る。
【0060】
第1ウィッキング材料220’は、ナイロン・メッシュ材料であってもよく、第2流体チャネル207の上面および第2ウィッキング材料226に、親水性単層転写テープ(hydrophilic single-layer transfer tape)のような接着剤によって取り付けられてよい。第2ウィッキング材料226は、ポリエステルとセルロースの50%/50%混合物であってよく、接着剤によってキャリア・プレート202の上面に取り付けられてよい。流体デバイス210は、接着剤によってキャリア・プレート202の上面に取り付けられてよい。
【0061】
第1ウィッキング材料220’およびそれに関連する接着剤の厚さ[D]は、約200μm以下、例えば約100μm以下であってよい。第2ウィッキング材料226およびそれに関連する接着剤の厚さ[C]は、約500μm未満、例えば約350μm未満であってよい。いくつかの実施形態では、第1および第2ウィッキング材料220’、226および両方の関連する接着剤の合計厚さ[B]は、約500μm未満、例えば約450μm未満であってよい。対象物240の底面からキャリア・プレート202の上面までのスペースの幅[A]は、約2500μm以下であってよい。対象物240の底面から画像または表示面242までのスペースの幅[G]、すなわち流体デバイス210の上面の幅[G]は、約1000μm以下であってよい。第2流体流路207(積層体に包まれた)の厚さ[H]は、約400μmのように約500μm以下であってよく、対象物240の底面から第2流体流路207の上面までの間のスペースの制約幅は、約340μmのように約500μm以下であってよい。したがって、第1ウィッキング材料220’およびそれに関連する接着剤が、対象物240と第2流体チャネル207との間のスペースの制約を示す第1位置の一部に延在するとき、対象物240の底部と第1ウィッキング材料220’の頂部との間のギャップ[F]は、例えば、約240μmのように、約250μm未満であってよい。
【0062】
前述の寸法はすべて例示および実例であり、限定することを意図するものではないことを理解されたい。
【0063】
前述の概念および以下でより詳細に議論される追加の概念のすべての組み合わせ(そのような概念が相互に矛盾しないという条件で)は、本明細書に開示される本発明の主題の一部であると考えられる。特に、本開示の最後に現れる請求項の主題のすべての組み合わせは、本明細書に開示された本発明の主題の一部であると考えられる。また、本明細書で明示的に使用される用語は、参照により組み込まれる任意の開示に現れてもよく、本明細書で開示される特定の概念と最も一致する意味が与えられるべきである。
【0064】
本開示の主題は、特徴の様々な組み合わせおよび副組み合わせを含む特定の例示的な例を参照して、かなり詳細に説明され示されているが、当業者は、他の例およびその変形および修正を、本開示の範囲が包括するものとして容易に理解するであろう。さらに、そのような例、組み合わせ、および副組み合わせの説明は、請求項の主題が請求項で明示的に列挙されたもの以外の特徴または特徴の組み合わせを必要とすることを意図しない。したがって、本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲の精神および範囲内に含まれるすべての修正および変形を含むものとする。