(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-26
(45)【発行日】2024-07-04
(54)【発明の名称】燃料電池システム
(51)【国際特許分類】
H01M 8/2475 20160101AFI20240627BHJP
H01M 8/04014 20160101ALI20240627BHJP
H01M 8/04 20160101ALI20240627BHJP
H01M 8/10 20160101ALN20240627BHJP
【FI】
H01M8/2475
H01M8/04014
H01M8/04 Z
H01M8/10 101
(21)【出願番号】P 2021099768
(22)【出願日】2021-06-15
【審査請求日】2023-09-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】岡田 直行
【審査官】篠原 将之
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-207582(JP,A)
【文献】特開2007-221858(JP,A)
【文献】特開平02-249755(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0304037(US,A1)
【文献】特開2011-258852(JP,A)
【文献】特開2009-090696(JP,A)
【文献】特開2009-038015(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 8/04 - 8/0668
H02M 3/00 - 3/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池と、
放熱部を有するスイッチング部、及びリアクトルを含み、前記燃料電池の出力電圧を変換する電圧変換装置と、
前記燃料電池、及び前記電圧変換装置を収容する筐体と、
前記電圧変換装置を前記筐体に取り付けるブラケットと、を有し、
前記筐体の内部に気流が発生する燃料電池システムであって、
前記スイッチング部は、前記放熱部を前記ブラケットに対向させて当該ブラケットに取り付けられ、
前記リアクトルは、前記筐体の内部での前記気流の流れ方向において前記スイッチング部よりも下流で前記ブラケットに取り付けられており、
対向した前記放熱部と前記ブラケットとの間には、前記筐体の内部での前記気流の流れ方向に延びる通風路が画成され、
前記通風路の入口は、前記筐体の内部での前記気流の流れ方向の前記放熱部よりも上流に配置され、前記通風路の出口は、前記筐体の内部での前記気流の流れ方向の前記放熱部よりも下流、かつ前記リアクトルよりも上流に配置されていることを特徴とする燃料電池システム。
【請求項2】
前記筐体には、前記燃料電池の発電に伴って生成された水が排出される排水タンクが収容され、前記ブラケットは、前記排水タンクと
接触による熱伝達を可能とするように結合されている請求項1に記載の燃料電池システム。
【請求項3】
前記ブラケットは、鉛直方向の前記排水タンクの底寄りに配置されている請求項2に記載の燃料電池システム。
【請求項4】
前記ブラケットは、前記スイッチング部及び前記リアクトルが取り付けられる取付板を有し、前記取付板は、前記気流の流れ方向に延びる凹部を有し、
前記凹部には、前記気流の流れ方向に並んで前記放熱部及び前記リアクトルが収容されるとともに、前記放熱部と前記凹部で囲まれた空間に前記通風路が画成されている請求項1~請求項3のうちいずれか一項に記載の燃料電池システム。
【請求項5】
前記取付板
は、前記放熱部
と接触による熱伝達を可能とするように結合されている請求項4に記載の燃料電池システム。
【請求項6】
外気と熱交換媒体との間で熱交換を行う熱交換器と、前記熱交換媒体を前記燃料電池と前記熱交換器との間で循環させる循環流路と、前記熱交換器に送風するファンと、を備え、前記熱交換器、前記循環流路及び前記ファンは前記筐体に収容され、前記筐体には通気口が形成されており、前記ファンの駆動により、前記通気口から前記ファンに向かう前記気流が前記筐体の内部に発生し、前記筐体の内部での前記気流の流れ方向の前記ファンと前記通気口との間に前記通風路が画成されている請求項1~請求項5のうちいずれか一項に記載の燃料電池システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、燃料電池車両に搭載される燃料電池システムは、リアクトルを含む電圧変換装置の一例としてDC/DCコンバータを備える。リアクトルの発熱によってリアクトルの温度が過度に上昇すると、DC/DCコンバータの出力性能を低下させるため、リアクトルの冷却性能を確保することが望まれている。
【0003】
例えば、特許文献1に開示される燃料電池車両に搭載される燃料電池システムにおいて、複数のリアクトルは、冷却器の外面のうちの1つの面であるリアクトル冷却面の上に配置されている。冷却器は、リアクトル冷却面とは反対側の内面に接する冷媒流路を有している。冷却器において、リアクトル冷却面とは反対側の内面には、冷却フィンが設けられている。冷却フィンの長手方向と冷媒流路内の冷媒が流れる方向とは同じ方向である。これにより、冷媒流路の圧力損失の低減と熱伝達率の向上を両立させることができ、リアクトルの冷却性能を確保している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示される燃料電子システムでは、リアクトルの冷却性能を確保するために冷却器、及び冷却器に冷媒を流すための配管を必要とするとともに、燃料電池システムへの冷却器の搭載スペース、及び配管の配策スペースを必要とする。このため、特許文献1に開示される燃料電池システムは、リアクトルの冷却性能を確保するための費用が嵩む。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題点を解決するための燃料電池システムは、燃料電池と、放熱部を有するスイッチング部、及びリアクトルを含み、前記燃料電池の出力電圧を変換する電圧変換装置と、前記燃料電池、及び前記電圧変換装置を収容する筐体と、前記電圧変換装置を前記筐体に取り付けるブラケットと、を有し、前記筐体の内部に気流が発生する燃料電池システムであって、前記スイッチング部は、前記放熱部を前記ブラケットに対向させて当該ブラケットに取り付けられ、前記リアクトルは、前記筐体の内部での前記気流の流れ方向において前記スイッチング部よりも下流で前記ブラケットに取り付けられており、対向した前記放熱部と前記ブラケットとの間には、前記筐体の内部での前記気流の流れ方向に延びる通風路が画成され、前記通風路の入口は、前記筐体の内部での前記気流の流れ方向の前記放熱部よりも上流に配置され、前記通風路の出口は、前記筐体の内部での前記気流の流れ方向の前記放熱部よりも下流、かつ前記リアクトルよりも上流に配置されていることを要旨とする。
【0007】
これによれば、筐体の内部に発生した気流により、空気が通風路の入口から出口に向かって流れる。通風路には、当該通風路を画成する放熱部が露出するため、放熱部に沿って空気が流れる。すると、放熱部が空気と熱交換されることにより、スイッチング部が空冷される。また、通風路の出口より下流にリアクトルが位置するため、通風路を流れた後に出口を出た空気はリアクトルに沿って流れる。すると、リアクトルが空冷される。この空冷により、リアクトルの冷却性能を確保できる。つまり、気流の流れ方向において、スイッチング部よりも下流にリアクトルが配置され、しかもリアクトルが放熱部及び冷却器といった冷却のための専用の構造を有さないにも関わらず、リアクトルの冷却性能を確保できる。
【0008】
よって、燃料電池システムでは、リアクトルを水冷するための冷却器、及び冷却器に冷媒を流すための配管が不要になるとともに、燃料電池システムの筐体への冷却器の搭載スペース、及び配管の配策スペースも不要になる。したがって、リアクトルを水冷する場合と比べると、リアクトルの冷却性能を確保するための費用を低減できる。
【0009】
燃料電池システムについて、前記筐体には、前記燃料電池の発電に伴って生成された水が排出される排水タンクが収容され、前記ブラケットは、前記排水タンクと接触による熱伝達を可能とするように結合されていてもよい。
【0010】
これによれば、電圧変換装置で発生した熱はブラケットに伝わりやすい。ブラケットの熱は排水タンクに伝わるため、電圧変換装置で発生した熱によって排水タンクを加熱できる。このため、燃料電池システムが低温環境下に置かれたとき、排水タンク内の水の凍結を抑制できる。
【0011】
燃料電池システムについて、前記ブラケットは、鉛直方向の前記排水タンクの底寄りに配置されていてもよい。
これによれば、電圧変換装置で発生した熱によって排水タンクを底寄りから加熱できる。このため、排水タンク内の底に少量の水が溜まっていても、排水タンク内の水の凍結を抑制できる。
【0012】
燃料電池システムについて、前記ブラケットは、前記スイッチング部及び前記リアクトルが取り付けられる取付板を有し、前記取付板は、前記気流の流れ方向に延びる凹部を有し、前記凹部には、前記気流の流れ方向に並んで前記放熱部及び前記リアクトルが収容されるとともに、前記放熱部と前記凹部で囲まれた空間に前記通風路が画成されていてもよい。
【0013】
これによれば、凹部に放熱部を収容することで画成された通風路は、入口及び出口を除いて閉じた空間である。このため、通風路によって気流が拡散することが抑制される結果、空気を放熱部に沿って流すことができる。よって、放熱部を空冷しやすい。また、凹部にリアクトルが収容されているため、拡散が抑制されて通風路から流れて出た気流をリアクトルに向けて流すことができる。このため、リアクトルを効率良く冷却できる。
【0014】
燃料電池システムについて、前記取付板は、前記放熱部と接触による熱伝達を可能とするように結合されていてもよい。
これによれば、スイッチング部で発生した熱は、放熱部を経由して取付板に伝わる。取付板は、通風路を画成するため、通風路を流れる空気と取付板が熱交換される。その結果、取付板を空冷できるため、取付板を介してスイッチング部を冷却できる。
【0015】
燃料電池システムについて、外気と熱交換媒体との間で熱交換を行う熱交換器と、前記熱交換媒体を前記燃料電池と前記熱交換器との間で循環させる循環流路と、前記熱交換器に送風するファンと、を備え、前記熱交換器、前記循環流路及び前記ファンは前記筐体に収容され、前記筐体には通気口が形成されており、前記ファンの駆動により、前記通気口から前記ファンに向かう前記気流が前記筐体の内部に発生し、前記筐体の内部での前記気流の流れ方向の前記ファンと前記通気口との間に前記通風路が画成されていてもよい。
【0016】
これによれば、燃料電池の発電時、循環流路を循環して燃料電池内に流れ込んだ熱交換媒体は、燃料電池で発生した熱を吸収して燃料電池を冷却する。燃料電池から熱交換器内に流れ込んだ熱交換媒体は、熱交換器にてファンからの送風によって外気と強制的に熱交換されて冷却される。つまり、ファンは、熱交換媒体を冷却するために燃料電池システムに設けられる既存の構成である。そして、筐体の内部を流れる気流をファンによって強制的に発生させることができるとともに、通風路に気流を流すことができる。このため、既存の構成を有効利用してリアクトルの冷却性能を確保できる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、リアクトルの冷却性能を確保するための費用を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】実施形態の燃料電池システムを示す部分破断斜視図である。
【
図3】実施形態の燃料電池システムを通風路の入口側から示す側断面図である。
【
図4】実施形態の燃料電池システムを通風路の出口側から示す側断面図である。
【
図5】実施形態の燃料電池システムを示す平断面図である。
【
図6】実施形態の燃料電池システムを通風路の入口側から示す斜視図である。
【
図7】実施形態の燃料電池システムを通風路の出口側から示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、燃料電池システムを具体化した一実施形態を
図1~
図7にしたがって説明する。燃料電池システムは、図示しない産業車両に搭載される。
<燃料電池システムの全体構成>
図1及び
図2に示すように、燃料電池システム10は、筐体11、燃料電池スタック12、水素タンク13、エアコンプレッサ14、気液分離器15a、希釈器15、及び排水タンク16を備える。
【0020】
また、燃料電池システム10は、燃料電池スタック12の図示しないアノードと水素タンク13を接続する水素供給路17と、燃料電池スタック12の図示しないカソードとエアコンプレッサ14を接続するエア供給路18と、を備える。燃料電池システム10は、燃料電池スタック12と希釈器15を接続する排出路19aと、希釈器15と排水タンク16を接続する排水路19bと、を備える。
【0021】
また、燃料電池システム10は、外気と熱交換媒体との間で熱交換を行う熱交換器21と、熱交換器21に向けて送風するファン21aと、熱交換媒体を燃料電池スタック12と熱交換器21との間で循環させる循環流路22と、を備える。熱交換媒体としては冷却水が用いられるが、その他の媒体を用いてもよい。
【0022】
<筐体>
図1に示すように、筐体11は、底板11aと、天板11bと、底板11aの周縁と天板11bの周縁とを繋ぐ筒状の周壁11cと、を有する。燃料電池システム10が水平面上に置かれているものとして重力の方向をZ軸で示し、水平面に沿う方向をX軸とY軸で示す。X軸、Y軸、及びZ軸は、互いに直交する。以下の説明では、Z軸と平行な方向を鉛直方向Zともいい、X軸と平行な方向を水平方向Xともいう。また、Y軸と平行な方向を奥行方向Yともいう。したがって、奥行方向Yは、水平方向X及び鉛直方向Zの両方に直交する方向である。
【0023】
筐体11において、底板11aと天板11bとは鉛直方向Zに対向する。周壁11cは、水平方向Xに対向する第1側壁11d及び第2側壁11eと、奥行方向Yに対向する第3側壁11f及び第4側壁11gと、を有する。筐体11の第1側壁11dには、複数の通気口11hが配置されている。複数の通気口11hの各々は、第1側壁11dを板厚方向に貫通する。
【0024】
筐体11には、燃料電池スタック12、水素タンク13、エアコンプレッサ14、排水タンク16、熱交換器21、及びファン21aが収容されている。
図1には図示しないが、筐体11には、気液分離器15a、希釈器15、水素供給路17、エア供給路18、排出路19a、及び排水路19bが収容されている。
【0025】
<燃料電池システムの構成部品>
燃料電池スタック12は、図示しない産業車両に搭載される負荷に供給する電力を発電する。燃料電池スタック12は、複数の燃料電池セルをスタック化したものである。燃料電池セルは、固体分子型燃料電池である。燃料電池スタック12は、水素タンク13から水素供給路17を経由して供給される水素と、エアコンプレッサ14からエア供給路18を経由して供給される空気中の酸素とを反応させて直流の電気エネルギーを発生する。燃料電池スタック12では、水素を燃料ガス、空気中の酸素を酸化剤ガスとして発電が行われる。燃料電池スタック12では発電に伴って水が生成される。
【0026】
燃料電池スタック12及びエアコンプレッサ14は、電池用ブラケット40によって筐体11に取り付けられている。電池用ブラケット40は、底板11aに取り付けられている。電池用ブラケット40は、支持部41と、複数の脚部42と、を有する。複数の脚部42は底板11aに固定されている。また、複数の脚部42の各々は、底板11aから鉛直方向Zに突出している。支持部41は、複数の脚部42の上端に支持されている。
【0027】
燃料電池スタック12及びエアコンプレッサ14は支持部41に支持されている。支持部41に燃料電池スタック12及びエアコンプレッサ14が支持されることにより、燃料電池スタック12及びエアコンプレッサ14は、電池用ブラケット40によって筐体11に取り付けられている。燃料電池スタック12及びエアコンプレッサ14は、電池用ブラケット40によって底板11aよりも上方に配置されている。水素タンク13は、第4側壁11gに近接している。水素タンク13は、底板11aに支持されている。
【0028】
図2に示すように、排出路19aは、燃料電池スタック12から排出された水素を含む排気であるアノードオフガスを希釈器15へ排出する。また、排出路19aは、燃料電池スタック12から排出された酸素と、燃料電池スタック12の発電に伴って生成された水を含む排気であるカソードオフガスを希釈器15へ排出する。
【0029】
希釈器15は、内部に気液分離器15aを有する。気液分離器15aは、希釈器15に排出されたカソードオフガスから酸素と水を分離する機能を有している。さらに、気液分離器15aは、希釈器15に排出されたアノードオフガスから水素を分離させる機能を有している。気液分離器15aによって分離された水は、排水路19bを介して排水タンク16に排出される。希釈器15は、気液分離器15aによって分離された水素を希釈する機能を有している。排水タンク16は、金属製である。なお、排水タンク16は、鉛直方向Zにおいて、燃料電池スタック12の下方に配置されている。
【0030】
循環流路22は、燃料電池スタック12と熱交換器21との間で冷却水を循環させる。循環流路22は、往路22aと、復路22bと、図示しないポンプと、燃料電池スタック12内及び熱交換器21内に取り回された図示しない熱交換流路と、を有する。往路22aは、熱交換器21から燃料電池スタック12に向けて冷却水を流すための流路である。復路22bは、燃料電池スタック12から熱交換器21に向けて冷却水を流すための流路である。図示しないポンプは、循環流路22で冷却水を循環させる。
【0031】
循環流路22を循環しつつ往路22aを通って燃料電池スタック12内の熱交換流路に流れ込んだ冷却水は、燃料電池スタック12で発生した熱を吸収して燃料電池スタック12を冷却する。復路22bを通って熱交換器21内の熱交換流路に流れ込んだ冷却水は、外気と熱交換されて冷却される。
【0032】
図1及び
図5に示すように、熱交換器21は、筐体11の第2側壁11eに配置されている。燃料電池スタック12と熱交換器21は、水平方向Xに並んで配置されている。ファン21aは、水平方向Xにおいて熱交換器21よりも燃料電池スタック12側に配置されている。熱交換器21及びファン21aと、通気口11hとは水平方向Xに対向している。
【0033】
燃料電池スタック12の発電時、ファン21aが駆動されることにより、筐体11の外部から通気口11hを介して筐体11の内部に吸気される。筐体11の内部には、通気口11hからファン21aに向かう気流が発生する。筐体11の内部において、通気口11hからファン21aに向かう気流が流れる方向を、気流の流れ方向Fとする。熱交換器21及びファン21aと、通気口11hとは、水平方向Xに対向しているため、気流の流れ方向Fは、水平方向Xと一致する。
【0034】
また、燃料電池スタック12から熱交換器21内に流れ込んだ冷却水は、熱交換器21にてファン21aからの送風によって外気と強制的に熱交換されて冷却される。
<DC/DCコンバータ及びコンバータ用ブラケット>
図3~
図7に示すように、燃料電池システム10は、燃料電池スタック12の出力電圧を変換する電圧変換装置としてのDC/DCコンバータ30を備える。DC/DCコンバータ30は、図示しないスイッチング素子を有するスイッチング部36と、複数のリアクトル35を構成部品として含む。スイッチング部36には放熱部32が熱的に結合されている。このため、スイッチング部36は放熱部32を有するといえる。放熱部32は、放熱部32をスイッチング部36に取り付けるための取付部材33と、取付部材33に一体の複数の放熱フィン34と、を有する。
【0035】
放熱部32は、金属製である。取付部材33は、板状である。取付部材33は、スイッチング部36の背面36aに固定されるとともに、スイッチング部36と熱的に結合されている。複数の放熱フィン34の各々は長四角板状のプレートフィンである。鉛直方向Zの上側から放熱フィン34を見た場合、放熱フィン34の長辺は水平方向Xに延びるとともに、放熱フィン34の短辺は奥行方向Yに延びる。複数の放熱フィン34は、鉛直方向Zに間隔を空けて並設されている。取付部材33から放熱フィン34の先端34aまでの寸法を放熱フィン34の高さ寸法とする。
【0036】
リアクトル35は、図示しないコアと、コアに巻回されたコイル部品とを有する。DC/DCコンバータ30は、リアクトル35を3つ有する。
<コンバータ用ブラケット>
燃料電池システム10は、コンバータ用ブラケット50を備える。コンバータ用ブラケット50は、DC/DCコンバータ30を筐体11の底板11aに取り付けるためのブラケットである。
【0037】
コンバータ用ブラケット50は、金属板製である。コンバータ用ブラケット50は、矩形状の金属体を折り曲げて形成されている。コンバータ用ブラケット50は、底板11aにコンバータ用ブラケット50を固定するための固定板51と、固定板51から鉛直方向Zの上方へ突出してスイッチング部36及びリアクトル35が取り付けられる取付板61と、を有する。
【0038】
固定板51は、鉛直方向Zの上方から見た平面視で長四角板状である。平面視では、固定板51の長辺は水平方向Xに延びる。固定板51を板厚方向に貫通させたボルト51aを底板11aに螺合することにより、固定板51が底板11aに固定されている。なお、底板11aに対する固定板51の固定方法は、ボルト51aによる固定に限られない。固定板51を底板11aに溶接して固定してもよいし、固定板51を接着剤によって底板11aに接着して固定してもよい。
【0039】
鉛直方向Zの上方からコンバータ用ブラケット50を見た平面視において、取付板61は、固定板51の一対の長縁のうち、第3側壁11fよりも第4側壁11gに近い長縁から突出している。取付板61は、奥行方向Yに固定板51と反対側へ凹む凹部62を有するように折り曲げ成形されている。
【0040】
取付板61は、鉛直方向Zの上方から見た平面視で長四角板状である。平面視では、取付板61の長辺は水平方向Xに延びる。
取付板61は、固定板51から上方に向けて鉛直方向Zに突出する第1取付片63と、第1取付片63の上端から固定板51と反対側に向けて奥行方向Yに延出する第1延出片64と、を有する。また、取付板61は、第1延出片64の延出先から上方に向けて鉛直方向Zに突出する連結片65と、連結片65の上端から固定板51に向けて奥行方向Yに延出する第2延出片66と、を有する。取付板61は、第2延出片66の延出先から上方に向けて鉛直方向Zに突出する第2取付片67を有する。鉛直方向Zの上方からコンバータ用ブラケット50を見た平面視において、第1取付片63、第1延出片64、連結片65、第2延出片66、及び第2取付片67は、水平方向Xに長辺が延びる長四角板状である。
【0041】
第1取付片63と第2取付片67は、第1延出片64と連結片65と第2延出片66を間に挟むことによって、鉛直方向Zに離間している。連結片65は、第1延出片64及び第2延出片66によって、第1取付片63及び第2取付片67に対し、固定板51とは反対側に位置している。そして、第1延出片64と連結片65と第2延出片66が形成されるように金属板が折り曲げられることによって、取付板61に凹部62が画成されている。つまり、凹部62は、第1延出片64と連結片65と第2延出片66が形成されるように金属板が屈曲することによって画成されている。よって、取付板61は、折り曲げられることによって気流の流れ方向Fに延びる凹部62を画成しているといえる。凹部62は、第1取付片63及び第2取付片67から固定板51に対して離れるように凹む。
【0042】
上記したように、平面視では、第1延出片64、連結片65、及び第2延出片66の長辺は水平方向Xに延びる。このため、それら第1延出片64と連結片65と第2延出片66によって画成された凹部62の長辺は水平方向Xに延びる。上記したように、ファン21aの駆動によって発生する気流の流れ方向Fは、水平方向Xと一致する。したがって、凹部62は、気流の流れ方向Fに延びるといえる。また、凹部62は、第1延出片64と連結片65と第2延出片66によって画成されているため、凹部62は鉛直方向Zの上下両側と奥行方向Yの一方側は閉じられる一方で、水平方向Xの両端は開口している。
【0043】
第1取付片63は、板厚方向の両面のうち、第4側壁11gよりも第3側壁11fに近い面に第1取付面63aを有する。第2取付片67は、板厚方向の両面のうち、第4側壁11gよりも第3側壁11fに近い面に第2取付面67aを有する。第1取付面63a及び第2取付面67aは同一仮想面上に位置している。凹部62は、第1取付面63a及び第2取付面67aから窪んでいる。
【0044】
連結片65は、板厚方向の両面のうち、凹部62に臨む面に内面65aを有するとともに、内面65aと反対側に外面65bを有する。内面65aは、連結片65の板厚方向の両面のうち、第4側壁11gよりも第3側壁11fに近い面である。外面65bは、連結片65の板厚方向の両面のうち、第3側壁11fよりも第4側壁11gに近い面である。第1取付面63a又は第2取付面67aから内面65aまでの最短距離を凹部62の深さ寸法とする。
【0045】
連結片65は、第1取付片63及び第2取付片67から奥行方向Yに離間している。この離間により、連結片65の外面65bは、排水タンク16の側面に接触している。このため、コンバータ用ブラケット50と排水タンク16は熱的に結合されている。連結片65の外面65bは、排水タンク16の側面のうち、排水タンク16の底16a寄りに接触しているのが好ましい。連結片65は、排水タンク16の底16aを基準として鉛直方向Zの上下両側に延出している。
【0046】
コンバータ用ブラケット50の固定板51は、鉛直方向Zの支持部41より下方で底板11aに固定されている。したがって、コンバータ用ブラケット50は、支持部41の下方に配置されている。
【0047】
<DC/DCコンバータの配置>
DC/DCコンバータ30は、コンバータ用ブラケット50によって底板11aに取り付けられている。この取付により、DC/DCコンバータ30は、支持部41の下方及び排水タンク16の側方に配置されている。
【0048】
スイッチング部36の上部は、取付部材33の上部を挟んで第2取付片67に取り付けられるとともに、スイッチング部36の下部は、取付部材33の下部を挟んで第1取付片63に取り付けられている。スイッチング部36の上部は、取付部材33の上部を介して第2取付面67aに接触するとともに、スイッチング部36の下部は、取付部材33の下部を介して第1取付面63aに接触している。このため、取付板61には、放熱部32が熱的に結合されている。その結果、スイッチング部36と取付板61は熱的に結合されている。
【0049】
そして、スイッチング部36は、放熱部32を取付板61に対向させてコンバータ用ブラケット50に取り付けられている。このため、凹部62は、連結片65とは奥行方向Yの反対側から放熱部32によって閉じられている。
【0050】
放熱部32のうちの全ての放熱フィン34は、凹部62に収容されている。凹部62の深さ寸法は、放熱フィン34の高さ寸法よりも大きい。このため、放熱フィン34の先端34aと、連結片65の内面65aとは奥行方向Yに離間している。放熱フィン34の先端34aと連結片65の内面65aとの間、及び鉛直方向Zに隣り合う放熱フィン34同士の間には、通風路70が画成されている。つまり、放熱部32と凹部62で囲まれた空間に通風路70が画成されている。
【0051】
上記したように、凹部62は、第1延出片64と連結片65と第2延出片66によって、鉛直方向Zの上下両側と奥行方向Yの一方側が閉じられるとともに、奥行方向Yの他方側は放熱部32によって閉じられている。このため、通風路70は、奥行方向Yの両側及び鉛直方向Zの両側が閉じられた空間であるとともに、水平方向Xの両端は開口している。水平方向Xへの通風路70の寸法は、水平方向Xへのスイッチング部36の寸法と同じである。
【0052】
通風路70は、水平方向Xの両側に開口する通路である。また、ファン21aの駆動によって発生する気流の流れ方向Fは、水平方向Xと一致する。したがって、放熱部32と、コンバータ用ブラケット50の取付板61との間には、気流の流れ方向Fに延びる通風路70が画成されているといえる。
【0053】
通風路70の入口70aは、気流の流れ方向Fの放熱部32の放熱フィン34よりも上流に配置されている。また、通風路70の出口70bは、気流の流れ方向Fの放熱部32の放熱フィン34よりも下流に配置されている。
【0054】
3つのリアクトル35は凹部62に収容されている。したがって、放熱部32及び3つのリアクトル35は、気流の流れ方向Fに並んで凹部62に収容されている。3つのリアクトル35は、連結片65の内面65aに取り付けられている。3つのリアクトル35は、連結片65と熱的に結合されている。3つのリアクトル35は、取付板61の長手方向に沿って一列に並んでいる。上記したように、取付板61の長辺は水平方向Xに延びるため、取付板61の長手方向に沿って一列に並ぶ3つのリアクトル35は、水平方向Xに一列に並んでいる。よって、スイッチング部36と3つのリアクトル35は、水平方向Xに一列に並んでいる。そして、スイッチング部36と3つのリアクトル35は、気流の流れ方向Fに一列に並んでいるともいえる。
【0055】
3つのリアクトル35は、気流の流れ方向Fに沿って一列に並んでいる。3つのリアクトル35は、連結片65の内面65aのうち、鉛直方向Zの中央に取り付けられている。3つのリアクトル35のうち、スイッチング部36に最も近いリアクトル35は、通風路70の出口70bと水平方向Xに重なっている。したがって、通風路70の出口70bは、3つのリアクトル35のうち、気流の流れ方向Fの最上流に位置するリアクトル35に向けて開口している。
【0056】
水平方向XにDC/DCコンバータ30を外側から見た場合、リアクトル35と通風路70は重なっている。通風路70の出口70bと、スイッチング部36に最も近いリアクトル35との間には部材が配置されていないため、スイッチング部36に最も近いリアクトル35は、通風路70の出口70bに面している。
【0057】
<作用>
次に、燃料電池システム10の作用を説明する。
燃料電池スタック12の発電時、ファン21aが駆動されることにより、筐体11の外部から通気口11hを介して筐体11の内部に吸気される。筐体11の内部には、通気口11hからファン21aに向かう気流が発生する。
【0058】
この気流によって、熱交換器21を空気が通過する。これにより、熱交換器21が空冷される。すると、熱交換器21内の熱交換流路での冷却水の冷却効率が高められる。その結果、冷却水を用いて冷却される燃料電池スタック12も効率良く冷却できる。
【0059】
DC/DCコンバータ30のスイッチング部36及びリアクトル35は、燃料電池スタック12の発電に伴い発熱する。スイッチング部36で発生した熱は、放熱部32に伝わるとともに、取付部材33を経由して第1取付片63及び第2取付片67に伝わる。つまり、スイッチング部36で発生した熱は、取付板61に伝わる。また、リアクトル35で発生した熱は、連結片65に伝わる。つまり、リアクトル35で発生した熱は、取付板61に伝わる。
【0060】
通気口11hからファン21aに向かう気流の発生に伴い、通風路70には流れ方向Fに気流が発生する。すると、空気が通風路70の入口70aから出口70bに向かって流れる。通風路70には、放熱部32が露出するため、放熱部32の放熱フィン34及び取付部材33に沿って空気が流れる。すると、放熱フィン34及び取付部材33が空気と熱交換される。その結果、放熱部32によってスイッチング部36が空冷される。
【0061】
また、通風路70は、取付板61の凹部62によって画成されているため、通風路70には、取付板61が露出する。このため、取付板61に沿って空気が流れる。すると、取付板61が空気と熱交換されて取付板61が空冷されるため、スイッチング部36が空冷される。
【0062】
また、通風路70は、放熱フィン34の先端34aと連結片65の内面65aとの間にも画成されている。つまり、気流の中にも放熱フィン34に接触しない空気もある。そして、通風路70の出口70bより下流にリアクトル35が位置するため、通風路70を流れた後に出口70bを出た空気は、凹部62内で3つのリアクトル35に沿って流れる。詳細には、通風路70の出口70bから出た空気は、凹部62内において、3つのリアクトル35に沿って以下の順番で流れる。空気は、凹部62内において、流れ方向Fの上流に位置するリアクトル35、上流側のリアクトル35の隣にあるリアクトル35、及び流れ方向Fの下流に位置するリアクトル35の順番に流れる。その結果、3つのリアクトル35が空冷される。
【0063】
<実施形態の効果>
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)コンバータ用ブラケット50の取付板61と、DC/DCコンバータ30の放熱部32との間に通風路70を画成した。そして、通風路70の入口70aを、気流の流れ方向Fの放熱部32よりも上流に配置するとともに、通風路70の出口70bを、気流の流れ方向Fの放熱部32よりも下流、かつリアクトル35よりも上流に配置した。これにより、筐体11の内部に発生した気流を、通風路70の入口70aから出口70bに向かって流すことができる。その結果、筐体11の内部に発生した気流を、放熱部32に沿って流した後、リアクトル35に沿って流すこともできる。したがって、水冷方式を採用しなくてもリアクトル35の冷却性能を確保できる。よって、燃料電池システム10では、リアクトル35を水冷するための冷却器、及び冷却器に冷媒を流すための配管が不要になるとともに、燃料電池システム10への冷却器の搭載スペース、及び配管の配策スペースも不要になる。このため、リアクトル35の冷却性能を確保するための費用を低減できる。
【0064】
(2)DC/DCコンバータ30を筐体11に取り付けるためのコンバータ用ブラケット50に凹部62を設けた。この凹部62にDC/DCコンバータ30の放熱フィン34を収容させたときに形成される隙間を通風路70として有効利用した。よって、部品点数を増加させることなくリアクトル35の冷却性能を確保できる。
【0065】
(3)筐体11には、燃料電池システム10を構成する多くの部品が収容されているため、部品間には小さな隙間が多く存在する。コンバータ用ブラケット50の凹部62は、DC/DCコンバータ30の放熱フィン34を収容するために形成されており、隙間に比べて大きい空間である。そして、この凹部62を用いて画成される通風路70は、部品間の隙間に比べると比較的大きい。このため、筐体11の内部に気流が発生すれば、気流は通風路70に流れやすくなる。よって、通風路70を設けることでリアクトル35を効率良く冷却できる。
【0066】
(4)コンバータ用ブラケット50の連結片65は、排水タンク16と熱的に結合されている。このため、DC/DCコンバータ30で発生した熱は、コンバータ用ブラケット50を経由して排水タンク16に伝わる。よって、DC/DCコンバータ30で発生した熱によって排水タンク16を加熱できる。このため、燃料電池システム10が低温環境下に置かれたとき、排水タンク16内の水の凍結を抑制できる。
【0067】
(5)コンバータ用ブラケット50の連結片65は、排水タンク16の底16aを挟んで上下両側に延出している。つまり、連結片65は、排水タンク16の底16a寄りに配置されている。このため、DC/DCコンバータ30で発生した熱によって排水タンク16を底16aから加熱できる。このため、排水タンク16内の底16aに少量の水が溜まっている場合であっても、燃料電池システム10が低温環境下に置かれたときの排水タンク16内の水の凍結を抑制できる。
【0068】
(6)ファン21aは、循環流路22を循環する冷却水を冷却するために燃料電池システム10に設けられる既存の構成である。そして、筐体11の内部を流れる気流をファン21aによって強制的に発生させることができるとともに、通風路70に気流を流すことができる。このため、既存の構成を有効利用してリアクトル35の冷却性能を確保できる。
【0069】
(7)凹部62は、第1延出片64と、連結片65と、第2延出片66と、を有するように折り曲げて取付板61に形成されている。そして、通風路70は、凹部62と放熱部32とを用いて画成されるため、入口70a及び出口70bを除いて閉じた空間である。このため、通風路70を流れる気流が拡散することを抑制できる。よって、通風路70により、空気を放熱部32に沿って流すことができるとともに、リアクトル35に向けて気流を流すことができる。
【0070】
(8)コンバータ用ブラケット50は、固定板51と取付板61とを有する。そして、取付板61は、放熱部32とともに通風路70を画成する凹部62を有する。したがって、取付板61にスイッチング部36及びリアクトル35を取り付けたコンバータ用ブラケット50を、固定板51によって底板11aに固定するだけで、通風路70を筐体11の内部に形成できる。つまり、コンバータ用ブラケット50を用いてDC/DCコンバータ30を筐体11に取り付けるだけで、リアクトル35の冷却性能を確保できる。
【0071】
(9)スイッチング部36で発生した熱は、放熱部32に伝わるとともに、取付部材33を経由して第1取付片63及び第2取付片67に伝わる。つまり、スイッチング部36で発生した熱は、放熱部32を経由して取付板61に伝わる。取付板61は、通風路70を画成するため、通風路70を流れる空気と取付板61が熱交換される。その結果、取付板61を空冷できるため、取付板61を介してスイッチング部36を冷却できる。
【0072】
なお、本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
○ 放熱フィン34をプレートフィンにより形成したが、放熱フィン34はピンフィン及び波形フィンに変更してもよい。
【0073】
○ コンバータ用ブラケット50の取付板61について、DC/DCコンバータ30を取付板61に取り付けることができれば、第2取付片67は無くてもよい。
○ リアクトル35の数は、スイッチング部36に応じて変更してもよい。
【0074】
○ リアクトル35は、気流の流れ方向Fに一列に並んでいなくてもよく、気流の流れ方向Fの上流に2つのリアクトル35を鉛直方向Zに並べて配置するとともに、それら2つのリアクトル35より下流に1つのリアクトル35を配置してもよい。又は、3つのリアクトル35を鉛直方向Zに並べて配置してもよい。
【0075】
○ コンバータ用ブラケット50の連結片65は、鉛直方向Zにおける排水タンク16の上部と熱的に結合されていてもよい。
○ コンバータ用ブラケット50の連結片65は、排水タンク16と熱的に結合されていなくてもよい。
【0076】
○ 排水タンク16は樹脂製でもよい。
○ スイッチング部36は、取付板61の第1取付片63及び第2取付片67から取付部材33が離間するように取付板61に取り付けられていてもよい。そして、取付板61には、放熱部32が熱的に結合されていなくてもよい。
【0077】
○ 放熱部32の取付部材33を、鉛直方向Zへの凹部62の寸法より小さくしてもよい。そして、放熱部32のうちの取付部材33及び放熱フィン34を凹部62に収容してもよい。
【0078】
○ 取付板61は凹部62が形成されていない平板状であってもよい。この場合、スイッチング部36の取付部材33と、取付板61との間に、介装部材を介装して取付部材33を取付板61に取り付ける。このようにしても、放熱部32と取付板61との間には通風路70が画成される。
【0079】
○ 取付板61は、複数枚の金属板を接合して形成されていてもよい。この場合、第1取付片63と、第1延出片64と、連結片65と、第2延出片66と、第2取付片67とを別々に製造する。そして、第1取付片63と、第1延出片64と、連結片65と、第2延出片66と、第2取付片67を互いに接合して凹部62を有する取付板61としてもよい。
【0080】
○ コンバータ用ブラケット50は、取付板61だけを有していてもよい。この場合、コンバータ用ブラケット50は、固定板51を有さないため、コンバータ用ブラケット50の底板11aへの取り付けは、第1取付片63の下端を底板11aに溶接することで行ってもよい。
【0081】
○ ファン21aによって筐体11の内部に吸気することで、筐体11の内部に気流を発生させたが、第1側壁11dにファン21aを配置するとともに、第1側壁11dから第2側壁11eに向けてファン21aによって送気して気流を発生させてもよい。
【0082】
○ 産業車両の走行に伴って発生する走行風を筐体11の内部に導入して気流を発生させてもよい。
○ 燃料電池は、複数の燃料電池セルをスタックしたものではなく、1つの燃料電池セルでもよい。
【0083】
○ 燃料電池システム10は、気液分離器15aを備えていなくてもよい。この場合、排出路19aは希釈器15に接続される。
【符号の説明】
【0084】
10…燃料電池システム、11…筐体、11h…通気口、12…燃料電池としての燃料電池スタック、16…排水タンク、16a…底、21…熱交換器、22…循環流路、21a…ファン、30…電圧変換装置としてのDC/DCコンバータ、32…放熱部、35…リアクトル、36…スイッチング部、50…コンバータ用ブラケット、61…取付板、62…凹部、70…通風路、70a…入口、70b…出口。