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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-26
(45)【発行日】2024-07-04
(54)【発明の名称】一時的な遮断の識別
(51)【国際特許分類】
   H04W 24/08 20090101AFI20240627BHJP
   H04W 24/02 20090101ALI20240627BHJP
   H04W 88/14 20090101ALI20240627BHJP
   H04W 76/18 20180101ALI20240627BHJP
【FI】
H04W24/08
H04W24/02
H04W88/14
H04W76/18
【請求項の数】 24
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021140852
(22)【出願日】2021-08-31
(65)【公開番号】P2022041994
(43)【公開日】2022-03-11
【審査請求日】2021-12-16
(31)【優先権主張番号】20205846
(32)【優先日】2020-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FI
(73)【特許権者】
【識別番号】513311642
【氏名又は名称】ノキア ソリューションズ アンド ネットワークス オサケユキチュア
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100158469
【弁理士】
【氏名又は名称】大浦 博司
(72)【発明者】
【氏名】アナンド ベデッカー
(72)【発明者】
【氏名】アナ シランパー
【審査官】竹内 亨
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/166079(WO,A1)
【文献】特表2019-536397(JP,A)
【文献】国際公開第2020/085627(WO,A1)
【文献】特表2009-536502(JP,A)
【文献】特開2017-034680(JP,A)
【文献】Ericsson,Mobility robustness optimization in NR,R3-193057,2019年05月04日
【文献】Interdigital,Report on email discussion on [108#99][V2X] HARQ bsed TX side RLM/RLF,R2-2002074,2020年02月19日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00-99/00
H04B 7/24-7/26
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一時的な遮断を識別するための通信システム内の装置であって、
プロセッサと、命令を含むメモリとを備え、前記命令が、前記プロセッサによって実行されると、前記装置に、
1つまたは複数の無線アクセスネットワーク(RAN)ノードによってサービスされる接続における急激なチャネル劣化イベントの発生を前記1つまたは複数のRANノードが検出するためのパラメータの、前記1つまたは複数のRANノードへの送信を制御することであって、前記急激なチャネル劣化イベントの発生を検出することは、
測定のために前記パラメータの一部である時間期間Tを使用すること、
前記時間期間T内に変調符号化方式が削減されたステップ数が、前記パラメータの一部である数N1を超えるかどうかを判定すること、
連続する不連続送信のシーケンスの長さが、前記パラメータの一部である値N2を超えるかどうかを判定すること、
連続する否定フィードバック送信のシーケンスの長さが、前記パラメータの一部である値N3を超えるかどうかを判定すること、
前記時間期間T内のフィードバック送信の総数に対する否定フィードバック送信の割合が、前記パラメータの一部である値F1を超えるかどうかを判定すること、
前記時間期間T内の送信の総数に対するアップリンク制御チャネルでのアップリンク不連続送信の割合が、前記パラメータの一部である値F2を超えるかどうかを判定すること、
急激なチャネル劣化が発生する前のユーザ機器の最小変調符号化方式を決定すること、
急激なチャネル劣化が発生する前のユーザ機器の最小信号レベルを決定すること、および、
イベントE1とイベントE2との間の時間の最大期間T2を決定することであって、
E1が、ユーザ機器が第2のビームを最強ビームとしてレポートするイベントであり、前記第2のビームが以前の最強の第1のビームの隣接ビームではなく、前記第2のビームの信号レベルが前記第1のビームよりも大幅に低く、
E2が、ユーザ機器が第3のビームを最強ビームとしてレポートするイベントであり、前記第3のビームが前記第1のビームの隣接ビームであり、前記第3のビームの信号レベルが前記第2のビームの前記信号レベルよりも大幅に良好であり、T2、E1、およびE2が前記パラメータの一部である、
最大期間T2を決定すること、
を含む、送信を制御することと、
前記1つまたは複数のRANノードによってサービスされる接続において検出された急激なチャネル劣化イベントに関連するチャネルまたは送信イベントに関するデータの、前記1つまたは複数のRANノードからの受信を制御することと、
前記受信したデータに基づいて、1つまたは複数のRANノードで高レベルの一時的な遮断がある可能性を決定することと
を実行させる、装置。
【請求項2】
前記メモリおよび前記命令が、前記プロセッサによって、前記装置に、
高レベルの一時的な遮断があると決定された1つまたは複数のRANノードの表示をネットワーク要素に送信することをさらに実行させるように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記メモリおよび前記命令が、前記プロセッサによって、前記装置に、
前記1つまたは複数のRANノードから受信したデータに基づいて前記パラメータを変更することをさらに実行させるように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記メモリおよび前記命令が、前記プロセッサによって、前記装置に、1つまたは複数のRANノードで高レベルの一時的な遮断がある前記可能性を決定するとき、
検出された急激なチャネル劣化イベントに関連するチャネルまたは送信イベントに関する前記データからイベントシグネチャを形成することと、
前記検出された急激な劣化イベントが一時的な遮断の発生であるかどうかを識別するために、前記イベントシグネチャを分類することと、
複数のイベントを一時的な遮断の発生とする前記分類を使用して、セル内の一時的な遮断の前記可能性またはレベルを決定することと、
複数のセルまたはRANノードの前記決定を使用して、1つまたは複数のRANノードで高レベルの一時的な遮断がある前記可能性を決定することと
をさらに実行させるように構成される、請求項1~3のいずれかに記載の装置。
【請求項5】
前記メモリおよび前記命令が、前記プロセッサによって、前記装置に、
前記1つまたは複数のRANノードのうちの1つによってサービスされるユーザ機器上でのデータのネットワークまたは1つまたは複数のRANノードからの受信を制御することと、
前記ネットワークおよび前記1つまたは複数のRANノードから受信した前記データに基づいて、前記ユーザ機器で高レベルの一時的な遮断がある可能性を決定することと、
高レベルの一時的な遮断の可能性がある前記決定されたユーザ機器の表示をネットワーク要素に送信することと
をさらに実行させるように構成される、請求項1~4のいずれかに記載の装置。
【請求項6】
前記メモリおよび前記命令が、前記プロセッサによって、前記装置に、前記ユーザ機器で高レベルの一時的な遮断がある前記可能性を決定するとき、
検出された急激なチャネル劣化イベントに関連するチャネルまたは送信イベントに関する前記データからイベントシグネチャを形成することと、
前記検出された急激な劣化イベントが一時的な遮断の発生であるかどうかを識別するために、前記イベントシグネチャを分類することと、
RANレベルのユーザ機器識別子を使用して、複数のセルにわたる複数のユーザ機器のそれぞれについて、複数の急激な劣化イベントの前記イベントシグネチャの前記分類の統計を算出することと、
複数のユーザ機器の前記算出された統計を使用して、各セルまたはRANノードにおいて1つまたは複数のユーザ機器で高レベルの一時的な遮断がある前記可能性を決定することと、
複数のセルまたはRANノードにおいてユーザ機器で高レベルの一時的な遮断があると決定された場合、前記ユーザ機器を、一時的な遮断の可能性が高いものとして識別することと
をさらに実行させるように構成される、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
通信システム内の装置であって、
プロセッサと、命令を含むメモリとを備え、前記命令が、前記プロセッサによって実行されると、前記装置に、
装置によってサービスされる接続における急激なチャネル劣化イベントの発生を前記装置が検出するためのパラメータの受信を制御することと、
前記受信したパラメータを使用して、急激なチャネル劣化イベントの1つまたは複数の発生を検出することであって、前記急激なチャネル劣化イベントの1つまたは複数の発生を検出することは、
測定のために前記パラメータの一部である時間期間Tを使用すること、
前記時間期間T内に変調符号化方式が削減されたステップ数が、前記パラメータの一部である数N1を超えるかどうかを判定すること、
連続する不連続送信のシーケンスの長さが、前記パラメータの一部である値N2を超えるかどうかを判定すること、
連続する否定フィードバック送信のシーケンスの長さが、前記パラメータの一部である値N3を超えるかどうかを判定すること、
前記時間期間T内のフィードバック送信の総数に対する否定フィードバック送信の割合が、前記パラメータの一部である値F1を超えるかどうかを判定すること、
前記時間期間T内の送信の総数に対するアップリンク制御チャネルでのアップリンク不連続送信の割合が、前記パラメータの一部である値F2を超えるかどうかを判定すること、
急激なチャネル劣化が発生する前のユーザ機器の最小変調符号化方式を決定すること、
急激なチャネル劣化が発生する前のユーザ機器の最小信号レベルを決定すること、および、
イベントE1とイベントE2との間の時間の最大期間T2を決定することであって、
E1が、ユーザ機器が第2のビームを最強ビームとしてレポートするイベントであり、前記第2のビームが以前の最強の第1のビームの隣接ビームではなく、前記第2のビームの信号レベルが前記第1のビームよりも大幅に低く、
E2が、ユーザ機器が第3のビームを最強ビームとしてレポートするイベントであり、前記第3のビームが前記第1のビームの隣接ビームであり、前記第3のビームの信号レベルが前記第2のビームの前記信号レベルよりも大幅に良好であり、T2、E1、およびE2が前記パラメータの一部である、
最大期間T2を決定すること、
を含む、検出することと、
前記1つまたは複数の検出された急激なチャネル劣化イベントに対応するチャネルまたは送信イベントに関するデータを集めることと、
前記装置によってサービスされる接続において検出された急激なチャネル劣化に関連するチャネルまたは送信イベントに関するデータの送信を制御することと
を実行させる、装置。
【請求項8】
急激なチャネル劣化に関連するチャネルまたは送信イベントに関する前記データが、
前記チャネル劣化イベント発生前のチャネルまたは送信イベントに関するデータ、
前記チャネル劣化イベント発生中のチャネルまたは送信イベントに関するデータ、および
前記チャネル劣化イベント発生後のチャネルまたは送信イベントに関するデータ
のうちの少なくとも1つを含む、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
接続において検出された急激なチャネル劣化に関連するチャネルまたは送信イベントに関する前記データが、
ユーザ機器の変調符号化方式が前記時間期間内にN1個のステップを超えて減少した発生にそれぞれ対応するエントリのリスト、
ユーザ機器について少なくともN2の長さの連続した不連続送信のシーケンスがあった発生にそれぞれ対応するエントリのリスト、
ユーザ機器について少なくともN3の長さの連続するハイブリッド自動再送要求否定フィードバックのシーケンスがあった発生にそれぞれ対応するエントリのリスト、
ユーザ機器について時間T2内にビームスイッチイベントE1およびビームスイッチイベントE2が生じた発生にそれぞれ対応するエントリのリスト
の1つまたは複数を含む、請求項7~8のいずれかに記載の装置。
【請求項10】
接続において検出された急激なチャネル劣化に関連するチャネルまたは送信イベントに関する前記データが、
各対応する発生前、発生中、または発生後に、1つまたは複数の信号レベルのシーケンス、
前記ユーザ機器との間の送信に使用される1つまたは複数の変調符号化方式のシーケンス、および/または、各発生前、発生中、もしくは発生後のチャネル品質インデックス、
前記発生後に前記接続が中断されたかどうかの表示
のうちの1つまたは複数を含む、請求項7~9のいずれかに記載の装置。
【請求項11】
接続において検出された急激なチャネル劣化に関連するチャネルまたは送信イベントに関する前記データが、
前記関連するUEのRANレベルユーザ機器識別子
のうちの1つまたは複数を含む、請求項7~10のいずれかに記載の装置。
【請求項12】
通信システム内の装置における方法であって、
ノードによってサービスされる接続における急激なチャネル劣化イベントの発生を1つまたは複数の無線アクセスネットワークRANノードが検出するためのパラメータの、前記1つまたは複数のRANノードへの送信を制御するステップであって、前記急激なチャネル劣化イベントの発生を検出することは、
測定のために前記パラメータの一部である時間期間Tを使用すること、
前記時間期間T内に変調符号化方式が削減されたステップ数が、前記パラメータの一部である数N1を超えるかどうかを判定すること、
連続する不連続送信のシーケンスの長さが、前記パラメータの一部である値N2を超えるかどうかを判定すること、
連続する否定フィードバック送信のシーケンスの長さが、前記パラメータの一部である値N3を超えるかどうかを判定すること、
前記時間期間T内のフィードバック送信の総数に対する否定フィードバック送信の割合が、前記パラメータの一部である値F1を超えるかどうかを判定すること、
前記時間期間T内の送信の総数に対するアップリンク制御チャネルでのアップリンク不連続送信の割合が、前記パラメータの一部である値F2を超えるかどうかを判定すること、
急激なチャネル劣化が発生する前のユーザ機器の最小変調符号化方式を決定すること、
急激なチャネル劣化が発生する前のユーザ機器の最小信号レベルを決定すること、および、
イベントE1とイベントE2との間の時間の最大期間T2を決定することであって、
E1が、ユーザ機器が第2のビームを最強ビームとしてレポートするイベントであり、前記第2のビームが以前の最強の第1のビームの隣接ビームではなく、前記第2のビームの信号レベルが前記第1のビームよりも大幅に低く、
E2が、ユーザ機器が第3のビームを最強ビームとしてレポートするイベントであり、前記第3のビームが前記第1のビームの隣接ビームであり、前記第3のビームの信号レベルが前記第2のビームの前記信号レベルよりも大幅に良好であり、T2、E1、およびE2が前記パラメータの一部である、
最大期間T2を決定すること、
を含む、送信を制御するステップと、
前記ノードによってサービスされる接続において検出された急激なチャネル劣化に関連するチャネルまたは送信イベントに関するデータの、前記1つまたは複数のRANノードからの受信を制御するステップと、
前記受信したデータに基づいて、1つまたは複数のRANノードで高レベルの一時的な遮断がある可能性を決定するステップと
を含む、方法。
【請求項13】
高レベルの一時的な遮断があると決定された1つまたは複数のRANノードの表示をネットワーク要素に送信するステップをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記1つまたは複数のRANノードから受信したデータに基づいて前記パラメータを変更するステップをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
1つまたは複数のRANノードで高レベルの一時的な遮断があることを決定するステップが、
検出された急激なチャネル劣化イベントに関連するチャネルまたは送信イベントに関する前記データからイベントシグネチャを形成することと、
前記検出された急激な劣化イベントが一時的な遮断の発生であるかどうかを識別するために、前記イベントシグネチャを分類することと、
複数のイベントを一時的な遮断の発生とする前記分類を使用して、セル内の一時的な遮断の前記可能性またはレベルを決定することと、
複数のセルまたはRANノードの前記決定を使用して、1つまたは複数のRANノードで高レベルの一時的な遮断がある前記可能性を決定することと
を含む、請求項12~14のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
前記1つまたは複数のRANノードのうちの1つによってサービスされるユーザ機器上でのデータのネットワークまたは1つまたは複数のRANノードからの受信を制御するステップと、
前記ネットワークおよび前記1つまたは複数のRANノードから受信した前記データに基づいて、前記ユーザ機器で高レベルの一時的な遮断がある可能性を決定するステップと、
高レベルの一時的な遮断の可能性がある前記決定されたユーザ機器の表示をネットワーク要素に送信するステップと
をさらに含む、請求項12~15のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
前記ユーザ機器で高レベルの一時的な遮断がある前記可能性を決定するステップが、
検出された急激なチャネル劣化イベントに関連するチャネルまたは送信イベントに関する前記データからイベントシグネチャを形成することと、
前記検出された急激な劣化イベントが一時的な遮断の発生であるかどうかを識別するために、前記イベントシグネチャを分類することと、
RANレベルのユーザ機器識別子を使用して、複数のセルにわたる複数のユーザ機器のそれぞれについて、複数の急激な劣化イベントの前記イベントシグネチャの前記分類の統計を算出することと、
複数のユーザ機器の前記算出された統計を使用して、各セルまたはRANノードにおいて1つまたは複数のユーザ機器で高レベルの一時的な遮断がある前記可能性を決定することと、
複数のセルまたはRANノードにおいてユーザ機器で高レベルの一時的な遮断があると決定された場合、前記ユーザ機器を、一時的な遮断の可能性が高いものとして識別することと
を含む、請求項12~16のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
通信システム内の装置における方法であって、
装置によってサービスされる接続における急激なチャネル劣化イベントの発生を前記装置が検出するためのパラメータの受信を制御するステップと、
前記受信したパラメータを使用して、急激なチャネル劣化イベントの1つまたは複数の発生を検出するステップであって、前記急激なチャネル劣化イベントの1つまたは複数の発生を検出するステップは、
測定のために前記パラメータの一部である時間期間Tを使用すること、
前記時間期間T内に変調符号化方式が削減されたステップ数が、前記パラメータの一部である数N1を超えるかどうかを判定すること、
連続する不連続送信のシーケンスの長さが、前記パラメータの一部である値N2を超えるかどうかを判定すること、
連続する否定フィードバック送信のシーケンスの長さが、前記パラメータの一部である値N3を超えるかどうかを判定すること、
前記時間期間T内のフィードバック送信の総数に対する否定フィードバック送信の割合が、前記パラメータの一部である値F1を超えるかどうかを判定すること、
前記時間期間T内の送信の総数に対するアップリンク制御チャネルでのアップリンク不連続送信の割合が、前記パラメータの一部である値F2を超えるかどうかを判定すること、
急激なチャネル劣化が発生する前のユーザ機器の最小変調符号化方式を決定すること、
急激なチャネル劣化が発生する前のユーザ機器の最小信号レベルを決定すること、および、
イベントE1とイベントE2との間の時間の最大期間T2を決定することであって、
E1が、ユーザ機器が第2のビームを最強ビームとしてレポートするイベントであり、前記第2のビームが以前の最強の第1のビームの隣接ビームではなく、前記第2のビームの信号レベルが前記第1のビームよりも大幅に低く、
E2が、ユーザ機器が第3のビームを最強ビームとしてレポートするイベントであり、前記第3のビームが前記第1のビームの隣接ビームであり、前記第3のビームの信号レベルが前記第2のビームの前記信号レベルよりも大幅に良好であり、T2、E1、およびE2が前記パラメータの一部である、
最大期間T2を決定すること、
を含む、検出するステップと、
前記1つまたは複数の検出された急激なチャネル劣化イベントに対応するチャネルまたは送信イベントに関するデータを集めるステップと、
前記装置によってサービスされる接続において検出された急激なチャネル劣化に関連する前記チャネルまたは送信イベントに関するデータの送信を制御するステップと
を含む、方法。
【請求項19】
急激なチャネル劣化に関連するチャネルまたは送信イベントに関する前記データが、
前記チャネル劣化イベント発生前のチャネルまたは送信イベントに関するデータ、
前記チャネル劣化イベント発生中のチャネルまたは送信イベントに関するデータ、および
前記チャネル劣化イベント発生後のチャネルまたは送信イベントに関するデータ
のうちの少なくとも1つを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
接続において検出された急激なチャネル劣化に関連するチャネルまたは送信イベントに関する前記データが、
ユーザ機器の変調符号化方式が前記時間期間内にN1個のステップを超えて減少した発生にそれぞれ対応するエントリのリスト、
ユーザ機器について少なくともN2の長さの連続した不連続送信のシーケンスがあった発生にそれぞれ対応するエントリのリスト、
ユーザ機器について少なくともN3の長さの連続するハイブリッド自動再送要求否定フィードバックのシーケンスがあった発生にそれぞれ対応するエントリのリスト、
ユーザ機器について時間T2内にビームスイッチイベントE1およびビームスイッチイベントE2が生じた発生にそれぞれ対応するエントリのリスト
の1つまたは複数を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
接続において検出された急激なチャネル劣化に関連するチャネルまたは送信イベントに関する前記データが、
各対応する発生前、発生中、または発生後に、1つまたは複数の信号レベルのシーケンス、
前記ユーザ機器との間の送信に使用される1つまたは複数の変調符号化方式のシーケンス、および/または、各発生前、発生中、もしくは発生後のチャネル品質インデックス、
前記発生後に前記接続が中断されたかどうかの表示
のうちの1つまたは複数を含む、請求項18~20のいずれかに記載の方法。
【請求項22】
接続において検出された急激なチャネル劣化に関連するチャネルまたは送信イベントに関する前記データが、
前記関連するUEのRANレベルユーザ機器識別子
のうちの1つまたは複数を含む、請求項18~21のいずれかに記載の方法。
【請求項23】
命令を含むコンピュータプログラムであって、前記命令が、装置に少なくとも、
ノードによってサービスされる接続における急激なチャネル劣化イベントの発生を1つまたは複数の無線アクセスネットワークRANノードが検出するためのパラメータの、前記1つまたは複数のRANノードへの送信を制御することであって、前記急激なチャネル劣化イベントの発生を検出することは、
測定のために前記パラメータの一部である時間期間Tを使用すること、
前記時間期間T内に変調符号化方式が削減されたステップ数が、前記パラメータの一部である数N1を超えるかどうかを判定すること、
連続する不連続送信のシーケンスの長さが、前記パラメータの一部である値N2を超えるかどうかを判定すること、
連続する否定フィードバック送信のシーケンスの長さが、前記パラメータの一部である値N3を超えるかどうかを判定すること、
前記時間期間T内のフィードバック送信の総数に対する否定フィードバック送信の割合が、前記パラメータの一部である値F1を超えるかどうかを判定すること、
前記時間期間T内の送信の総数に対するアップリンク制御チャネルでのアップリンク不連続送信の割合が、前記パラメータの一部である値F2を超えるかどうかを判定すること、
急激なチャネル劣化が発生する前のユーザ機器の最小変調符号化方式を決定すること、
急激なチャネル劣化が発生する前のユーザ機器の最小信号レベルを決定すること、および、
イベントE1とイベントE2との間の時間の最大期間T2を決定することであって、
E1が、ユーザ機器が第2のビームを最強ビームとしてレポートするイベントであり、前記第2のビームが以前の最強の第1のビームの隣接ビームではなく、前記第2のビームの信号レベルが前記第1のビームよりも大幅に低く、
E2が、ユーザ機器が第3のビームを最強ビームとしてレポートするイベントであり、前記第3のビームが前記第1のビームの隣接ビームであり、前記第3のビームの信号レベルが前記第2のビームの前記信号レベルよりも大幅に良好であり、T2、E1、およびE2が前記パラメータの一部である、
最大期間T2を決定すること、
を含む、送信を制御することと、
前記ノードによってサービスされる接続において検出された急激なチャネル劣化に関連するチャネルまたは送信イベントに関するデータの、前記1つまたは複数のRANノードからの受信を制御することと、
前記受信したデータに基づいて、1つまたは複数のRANノードで高レベルの一時的な遮断がある可能性を決定することと
を実行させるための命令である、コンピュータプログラム。
【請求項24】
命令を含むコンピュータプログラムであって、前記命令が、装置に少なくとも、
前記装置によってサービスされる接続における急激なチャネル劣化イベントの発生を前記装置が検出するためのパラメータの受信を制御することと、
前記受信したパラメータを使用して、急激なチャネル劣化イベントの1つまたは複数の発生を検出することであって、前記急激なチャネル劣化イベントの1つまたは複数の発生を検出することは、
測定のために前記パラメータの一部である時間期間Tを使用すること、
前記時間期間T内に変調符号化方式が削減されたステップ数が、前記パラメータの一部である数N1を超えるかどうかを判定すること、
連続する不連続送信のシーケンスの長さが、前記パラメータの一部である値N2を超えるかどうかを判定すること、
連続する否定フィードバック送信のシーケンスの長さが、前記パラメータの一部である値N3を超えるかどうかを判定すること、
前記時間期間T内のフィードバック送信の総数に対する否定フィードバック送信の割合が、前記パラメータの一部である値F1を超えるかどうかを判定すること、
前記時間期間T内の送信の総数に対するアップリンク制御チャネルでのアップリンク不連続送信の割合が、前記パラメータの一部である値F2を超えるかどうかを判定すること、
急激なチャネル劣化が発生する前のユーザ機器の最小変調符号化方式を決定すること、
急激なチャネル劣化が発生する前のユーザ機器の最小信号レベルを決定すること、および、
イベントE1とイベントE2との間の時間の最大期間T2を決定することであって、
E1が、ユーザ機器が第2のビームを最強ビームとしてレポートするイベントであり、前記第2のビームが以前の最強の第1のビームの隣接ビームではなく、前記第2のビームの信号レベルが前記第1のビームよりも大幅に低く、
E2が、ユーザ機器が第3のビームを最強ビームとしてレポートするイベントであり、前記第3のビームが前記第1のビームの隣接ビームであり、前記第3のビームの信号レベルが前記第2のビームの前記信号レベルよりも大幅に良好であり、T2、E1、およびE2が前記パラメータの一部である、
最大期間T2を決定すること、
を含む、検出することと、
前記1つまたは複数の検出された急激なチャネル劣化イベントに対応するチャネルまたは送信イベントに関するデータを集めることと、
前記装置によってサービスされる接続において検出された急激なチャネル劣化に関連する前記チャネルまたは送信イベントに関するデータの送信を制御することと
を実行させるための命令である、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の例示的かつ非限定的な実施形態は、一般に、ワイヤレス(無線)通信システムに関する。本発明の実施形態は、詳細には、ワイヤレス通信ネットワークにおける装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ワイヤレス通信システムは絶えず開発が進められている。容量を増加させる必要があることが一因となり、街灯柱または建物の側面などの道路レベルでの無線アクセスネットワーク(RAN)ノードの取付けなど、通信システムのための新しい技法が開発されている。多くの場合、良好なチャネル品質または信号品質を確保するには、特にミリメートル波帯域などの高帯域スペクトルが使用されている場合、ユーザ機器はRANノードまたはそのアンテナへの見通し線(line of sight)を必要とする場合がある。道路を移動するユーザ機器は、信号品質が良好なRANノードへの見通し線を有することがある。しかしながら、例えば移動中のトラックが見通し線を遮ることに起因して見通し線が遮断されると、妨害の時間中に信号品質が急速に低下するおそれがある。場合によっては、妨害およびその結果生じる信号の劣化が一時的に比較的短期間続く可能性があり、さらにワイヤレスリンクのパフォーマンスの急激な低下を引き起こすことになり、ユーザ体験に大きな影響を与える可能性がある。この種類の一時的な遮断(blockage)が比較的高い率で発生する領域またはセルを知ることは、例えばネットワーク計画において、またはユーザ体験を向上させるために有用である。他の場合において、ユーザ機器は、例えば、デバイスなどへのアンテナの不完全な実装または不適切な配置などに起因して、直接の妨害がない場合など他の点では安定した無線環境においてさえ、信号またはビームの一時的な損失を受ける可能性がある。このような一時的な劣化の可能性(likelihood)が高くなるユーザ機器を識別することは、ユーザ体験の向上にも有用である。
【発明の概要】
【0003】
本発明のいくつかの態様の基本的な理解を提供するために、本発明を簡略化した要約を以下に提示する。この要約は、本発明の広範な概要ではない。本発明の重要な/不可欠な要素を特定することも、本発明の範囲を線引きすることも意図していない。その唯一の目的は、本発明のいくつかの概念を、後で提示するさらに詳細な説明の前置きとして簡略化した形で提示することである。
【0004】
本発明の一態様によれば、請求項1および請求項7に記載の装置が提供される。
【0005】
本発明の一態様によれば、請求項13および請求項19に記載の方法が提供される。
【0006】
本発明の一態様によれば、請求項25および請求項26の命令を含むコンピュータプログラムが提供される。
【0007】
実装の1つまたは複数の例を、添付の図面および以下の説明においてさらに詳細に記載する。説明および図面ならびに特許請求の範囲から、他の特徴が明らかになるであろう。独立請求項の範囲に該当しない本明細書に記載の実施形態および/または例ならびに特徴がある場合それは、本発明の様々な実施形態を理解するのに有用な例として解釈されるべきである。
【0008】
本発明の実施形態を、添付の図面を参照して以下に単に一例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】通信システムの簡略化されたシステムアーキテクチャの例を示す図である。
図2】通信システムの簡略化されたシステムアーキテクチャの例を示す図である。
図3A】分散型およびクラウド型の無線アクセスネットワークの例を示す図である。
図3B】分散型およびクラウド型の無線アクセスネットワークの例を示す図である。
図3C】分散型およびクラウド型の無線アクセスネットワークの例を示す図である。
図4A】いくつかの実施形態を示す流れ図である。
図4B】いくつかの実施形態を示す流れ図である。
図4C】いくつかの実施形態を示す流れ図である。
図5】一実施形態を示す図である。
図6】一実施形態を示すシグナリング図である。
図7A】実施形態の例を示す図である。
図7B】実施形態の例を示す図である。
図8A】装置の例を示す図である。
図8B】装置の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、デバイス100およびデバイス102を示す。デバイス100および102は、例えば、ユーザデバイスまたはユーザ端末とすることができる。デバイス100およびデバイス102は、1つまたは複数の通信チャネル上でノード104とワイヤレス接続するように構成される。ノード104はさらにコアネットワーク106に接続される。一例において、ノード104は、セル内のデバイスにサービスする(e/g)ノードBなどのアクセスノードまたは無線アクセスネットワーク(RAN)ノードとすることができる。一例において、ノード104は、非3GPPアクセスノードとすることができる。信号がデバイスから(e/g)ノードBに送信される通信リンクはアップリンクまたはリバースリンクと呼ばれ、信号が(e/g)ノードBからデバイスに送信される通信リンクはダウンリンクまたはフォワードリンクと呼ばれる。(e/g)ノードBまたはその機能は、そのような使用法に適した任意のノード、ホスト、サーバ、またはアクセスポイントなどのエンティティを使用して実装され得ること理解されたい。
【0011】
通信システムは通常、2つ以上の(e/g)ノードBを含み、その場合、(e/g)ノードBは、目的のために設計された有線または無線リンクを介して相互に通信するように構成されてもよい。これらのリンクは、シグナリングの目的で使用されてもよい。(e/g)ノードBは、(e/g)ノードBが結合されている通信システムの無線リソースを制御するように構成されたコンピューティングデバイスである。ノードBは、基地局、アクセスポイント、またはワイヤレス環境で動作可能な中継局を含むその他のタイプのインターフェースデバイスと呼ばれることもある。(e/g)ノードBは、トランシーバを含むか、またはトランシーバに結合される。(e/g)ノードBのトランシーバから、デバイスへの双方向無線リンクを確立するアンテナユニットへの接続が提供される。アンテナユニットは、複数のアンテナまたはアンテナ要素を含んでもよい。(e/g)ノードBはさらに、コアネットワーク106(CNまたは次世代コアNGC)に接続される。
【0012】
デバイス(加入者ユニット、ユーザデバイス、ユーザ機器(UE)、ユーザ端末、端末デバイスなどとも呼ばれる)は、エアインターフェース上のリソースが割り当てられアサインされる何らかのタイプの装置を示しており、したがって、デバイスに関して本明細書で記載されているいずれの機能も、中継ノードなどの対応する装置を用いて実装されてもよい。このような中継ノードの一例は、基地局へのレイヤ3中継器(セルフバックホール中継器)である。
【0013】
デバイスとは、典型的には、汎用加入者識別モジュール(USIM:Universal Subscriber Identification Module)の有無にかかわらず動作するワイヤレスモバイル通信デバイスを含むデバイス(例えば、ポータブルまたは非ポータブルコンピューティングデバイス)を指し、次のタイプのデバイス、すなわち移動局(携帯電話)、スマートフォン、携帯情報端末(PDA:personal digital assistant)、ハンドセット、ワイヤレスモデムを使用するデバイス(アラームまたは測定デバイスなど)、ラップトップおよび/またはタッチスクリーンコンピュータ、タブレット、ゲームコンソール、ノート型パソコン、ならびにマルチメディアデバイスが含まれるが、これらに限定されない。デバイスが、ほぼ排他的なアップリンクのみのデバイスである場合もあることを理解されたい。このデバイスの例は、画像または映像クリップをネットワークにロードするカメラまたはビデオカメラである。デバイスは、モノのインターネット(IoT:Internet of Things)ネットワークで動作する機能を有するデバイスとすることもでき、IoTネットワークとは、人と人または人とコンピュータの相互接続を必要とせずにネットワークを介してデータを転送する機能がオブジェクトに提供されるシナリオであり、例えば、スマートパワーグリッドおよびコネクテッド車両で使用される。デバイスは、クラウドサービスを利用することもできる。いくつかの適用例では、デバイスは、無線部品(時計、イヤホン、または眼鏡など)を備えたユーザポータブルデバイスを含む場合があり、計算はクラウドサービスによって実行される。デバイス(またはいくつかの実施形態では、レイヤ3中継ノード)は、ユーザ機器機能のうちの1つまたは複数を実行するように構成される。
【0014】
本明細書に記載の様々な技法は、サイバーフィジカルシステム(CPS)(物理的エンティティを制御する計算要素を連携させるシステム)にも適用することができる。CPSは、様々な場所にある物理オブジェクトに埋め込まれた、相互接続された大量の情報通信技術(ICT:information and communications technology)デバイス(センサ、アクチュエータ、プロセッサ、マイクロコントローラなど)の実装および活用を可能にすることができる。問題としている物理システムが固有のモビリティを有するモバイルサイバーフィジカルシステムは、サイバーフィジカルシステムのサブカテゴリである。モバイルフィジカルシステムの例には、人間または動物によって移送されるモバイルロボットおよび電子機器が含まれる。
【0015】
さらに、装置は単一のエンティティとして描写されているが、異なるユニット、プロセッサ、および/またはメモリユニット(すべてが図1に示されているわけではない)が実装されてもよい。
【0016】
5Gによって、MIMO(Multiple Input - Multiple Output:多入力多出力)アンテナと、小規模局と連携して動作するマイクロサイトを含む、ロングタームエボリューション(LTE)(いわゆる、スモールセルコンセプト)よりもはるかに多くの基地局またはノードとを使用すること、ならびに、サービスのニーズ、ユースケース、および/または利用可能なスペクトルに応じて様々な無線技術を採用することが可能になる。5Gモバイル通信は、ビデオストリーミング、拡張現実、様々なデータ共有方法、および様々な形式のマシン型アプリケーション(車両の安全、様々なセンサ、およびリアルタイム制御を含む(大規模)マシン型通信(mMTC)などを含む、幅広いユースケースおよび関連アプリケーションをサポートする。5Gは、複数の無線インターフェースを有すること、および/または、例えば6GHz未満または24GHz超、cmWaveおよびmmWaveなど伝搬特性が大きく異なる多様なスペクトル帯域を利用することが期待され、LTEなどの既存のレガシー無線アクセス技術とも統合可能である。LTEとの統合は、少なくとも初期段階では、マクロカバレッジがLTEによって提供され、5G無線インターフェースアクセスがLTEへの集約によってスモールセルから到来するシステムとして実装されてもよい。言い換えると、5Gは、RAT間の運用性(LTE-5G間など)と、RI間の運用性(6GHz未満-cmWave間、6GHzまたは24GHz超-cmWaveおよびmmWave間などの無線インターフェース間の運用性)との両方をサポートするように計画される。5Gネットワークで使用されると考えられる概念の1つは、ネットワークスライシングであり、ネットワークスライシングでは、同じインフラストラクチャ内に複数の独立した専用の仮想サブネットワーク(ネットワークインスタンス)を作成して、レイテンシ、信頼性、スループット、およびモビリティについて異なる要件を有するサービスを実行することができる。
【0017】
LTEネットワークにおける現在のアーキテクチャは、無線で完全に分散され、コアネットワーク内に完全に集中化される。5Gにおける低遅延のアプリケーションおよびサービスではコンテンツを無線に近づける必要があり、これにより、ローカルブレイクアウトとマルチアクセスエッジコンピューティング(MEC)が実現する。5Gにより、分析および知識生成をデータのソースで行うことが可能になる。この手法では、ラップトップ、スマートフォン、タブレット、およびセンサなど、ネットワークに継続的に接続されない可能性のあるリソースを活用する必要がある。MECは、アプリケーションおよびサービスのホスティング用の分散コンピューティング環境を提供する。MECは、応答時間の短縮のためにセルラ加入者のすぐ近くにコンテンツを記憶し、処理する機能も有する。エッジコンピューティングは、ワイヤレスセンサネットワーク、モバイルデータ取得、モバイルシグネチャ分析、ローカルクラウド/フォグコンピューティングおよびグリッド/メッシュコンピューティングとしても分類可能な協調型分散ピアツーピアアドホックネットワーキングおよび処理、デューコンピューティング、モバイルエッジコンピューティング、クラウドレット、分散データの記憶および検索、自律自己修復ネットワーク、リモートクラウドサービス、拡張現実および仮想現実、データキャッシング、モノのインターネット(大規模接続性および/またはレイテンシクリティカル)、クリティカル通信(自律車両、交通安全、リアルタイム分析、タイムクリティカル制御、ヘルスケアアプリケーション)などの幅広い技術を包含する。
【0018】
通信システムは、公衆交換電話ネットワーク、またはVoIPネットワーク、またはインターネット、またはプライベートネットワークなどの他のネットワーク112と通信するか、またはそれらによって提供されるサービスを利用することも可能である。通信ネットワークは、クラウドサービスの使用をサポートすることも可能である場合があり、例えば、コアネットワーク動作の少なくとも一部は、クラウドサービスとして実行されてもよい(これは、図1において「クラウド」114によって示されている)。通信システムはまた、例えばスペクトル共有において異なるオペレータのネットワークが連携するための設備を提供する中央制御エンティティなどを含んでもよい。
【0019】
エッジクラウドの技術は、ネットワーク機能仮想化(NFV:network function virtualization)およびソフトウェア定義ネットワーキング(SDN:software defined networking)を利用することによって無線アクセスネットワーク(RAN)に組み込まれてもよい。エッジクラウドの技術を使用することは、アクセスノード動作が、無線部品を含むリモート無線ヘッドまたは基地局に動作可能に結合されたサーバ、ホスト、またはノードで少なくとも部分的に実行されることを意味する場合がある。ノード動作が複数のサーバ、ノード、またはホストに分散される可能性もある。クラウドRANアーキテクチャのアプリケーションによって、RANリアルタイム機能を、リモートアンテナサイトでまたはリモートアンテナサイトの近くで(分散ユニット(DU:distributed unit)108内で)実行し、非リアルタイム機能を、集約された方法で(集約ユニット(CU:centralized unit)110内で)実行することが可能になる。
【0020】
また、コアネットワーク運用と基地局運用の間との労力の配分は、LTEのものとは異なるか、存在しない場合もあることを理解されたい。使用される可能性のある他のいくつかの技術進歩は、ネットワークを構築および管理する方法を変える可能性がある、ビッグデータおよびオールIPである。5G(または新無線、NR)ネットワークは、複数の階層をサポートするように設計されており、コアと基地局またはノードB(gNB)との間にMECサーバを配置することができる。MECは4Gネットワークにも適用できることを理解されたい。
【0021】
5Gは、衛星通信を利用して、例えばバックホールを提供することによって、5Gサービスのカバレッジを強化または補完することもできる。実現可能なユースケースは、マシンツーマシン(M2M)もしくはモノのインターネット(IoT)デバイスに、もしくは車両に搭乗している乗客にサービスの継続性を提供すること、またはクリティカル通信、および将来の鉄道/海事/航空通信のサービスの可用性を確保することである。衛星通信は、静止地球軌道(GEO:geostationary earth orbit)衛星システムだけでなく低地球軌道(LEO:low earth orbit)衛星システム、具体的にはメガコンステレーション(数百の(ナノ)衛星が配備されているシステム)も利用することができる。メガコンステレーション内の各衛星は、地上セルを作成するいくつかの衛星対応ネットワークエンティティを包含する場合がある。地上セルは、地上中継ノードを介して、または地上もしくは衛星内に配置されたgNBによって作成されてもよい。
【0022】
描写したシステムは無線アクセスシステムの一部分の一例に過ぎず、実際にはシステムが複数の(e/g)ノードBを含む可能性があること、デバイスが複数の無線セルにアクセスする可能性があること、およびシステムが物理層中継ノードまたは他のネットワーク要素などの他の装置を含む可能性があることは、当業者には明らかである。(e/g)ノードBのうちの少なくとも1つは、またはホーム(e/g)ノードBである場合がある。さらに、無線通信システムの地理的領域内に、複数の異なる種類の無線セルおよび複数の無線セルが提供されてもよい。無線セルは、最大数十キロメートルの直径を有することもある大型セルまたはマイクロセル、フェムトセル、ピコセルなどの小型セルである、マクロセル(またはアンブレラセル)である場合がある。図1の(e/g)ノードBは、これらの任意の種類のセルを提供してもよい。セルラ無線システムは、いくつかの種類のセルを含む多層ネットワークとして実装されてもよい。通常、多層ネットワークでは、1つのアクセスノードが1種類の1つまたは複数のセルを提供し、したがって、このようなネットワーク構造を提供するには、複数の(e/g)ノードBが必要である。
【0023】
通信システムの展開および性能を改善する必要性を満たすために、「プラグアンドプレイ」(e/g)ノードBの概念が導入された。典型的には、「プラグアンドプレイ」(e/g)ノードBを使用できるネットワークには、ホーム(e/g)ノードB(H(e/g)ノードB)に加えて、ホームノードBゲートウェイまたはHNB-GW(図1には図示せず)を含む。典型的にはオペレータのネットワーク内にインストールされるHNBゲートウェイ(HNB-GW)は、多数のHNBからコアネットワークに戻るトラフィックを集約することがある。
【0024】
図2は、5Gネットワークコンポーネントに基づく通信システムの一例を示す。ユーザ端末またはユーザ機器100は、5Gネットワーク202を介してデータネットワーク112と通信する。ユーザ端末100は、1つまたは複数のユーザプレーン機能208を介してネットワーク112への接続をユーザ端末に提供する、(e/g)ノードB206などの無線アクセスネットワークRANノードに接続される。ユーザ端末100は、(無線)アクセスネットワーク用の制御プレーンコアコネクタであるコアアクセスおよびモビリティ管理機能、AMF(Core Access and Mobility Management Function)210にさらに接続され、この観点から、LTEにおけるモビリティ管理エンティティ、MME(Mobility Management Entity)の5Gバージョンとして見ることができる。5Gネットワークはさらに、セッションの確立、変更、および解放などの加入者セッションを担当するセッション管理機能、SMF(Session Management Function)212と、制御プレーン機能にポリシールールを提供することによってネットワークの挙動を統制するように構成されるポリシー制御機能214とを含む。
【0025】
図3A図3B、および図3Cは、5Gベース通信システムのさらなる例を示す。一実施形態において、RANノードまたはgNBは、分散RAN(D-RANとしても知られる)またはクラウドRANアーキテクチャ(またはC-RAN)のいずれかに展開することができる。
【0026】
図3Aは、クラウド型RANアーキテクチャの一例を示す。クラウド型RANアーキテクチャにおいて、gNBは、CU(central unit:中央ユニット)110と分散ユニット(DU)108とに分解される。DUは、F1インターフェース300を介してCUと通信する。典型的には、DUはレイヤ2およびレイヤ1の機能を実行し、CUはレイヤ3の機能を実行する。
【0027】
図3Bは、分散型RANアーキテクチャの一例を示す。gNB304、306は、CU機能とDU機能の両方を含むと見なすことができる。gNB304、306は、Xnインターフェース308を介して互いに通信することができる。
【0028】
図3Cは、5Gアーキテクチャのさらなる例を示す。この例では、アーキテクチャは、非リアルタイムRANインテリジェントコントローラ、RIC-non-RT310と、準リアルタイム(near-real-time)RANインテリジェントコントローラ、RIC-near-RT312とを含み、これらは、インターフェースA1 312およびE2 314を介してRANノード318と対話する。一実施形態において、RIC-near-RTはまた、RANノードと統合されてもよい。
【0029】
5Gネットワークがエンベロープ(envelope)および計画されるとき、新しいタイプの技術が導入されている。これらの例には、例えば、デュアル/マルチ接続、高帯域(mmWave)スペクトルの使用、大規模多入力多出力(MIMO)、およびビームフォーミングが含まれる。このため、5Gのユーザ体験を妨げるおそれがある問題が多数発生する可能性がある。
【0030】
5Gなどの新無線アクセス技術に基づく新しいネットワークが導入されると、特定の新しいUE実装が、適切に機能しないか、または異常な挙動を起こす。典型的な原因は、市場投入早期化の必要性によるチップセットの実装の未熟さ、コストによるアンテナ数におけるUEサポートの制限、市場投入早期化の圧力、ハンドセットへの新しいアンテナタイプの配置の問題、コスト節約のための簡略化されたアルゴリズムおよび低性能の回路の使用、コストと市場投入早期化の圧力による標準機能に対するサポートの制限である。さらに、柔軟なニューメロロジーの観点での5G無線技術の技術的な複雑さ、頻繁なビーム切り替えなどの様々なソリューションオプション、1つのアップリンク対LTE-5Gデュアルコネクティビティによる複数のアップリンク、アナログビームフォーミング対デジタルビームフォーミング、固有ベースビームフォーミング対グリッドオブビーム、バッテリー消費対無線リンク管理改善のための頻繁な測定、様々な組合せの全体的な波及、ならびにその組合せが屋内、屋外、妨害がある状態、負荷状態で、様々な実生活の条件でどのように機能するかはすべて、5Gハードウェアの開発の初期段階での実装が困難である可能性のある特徴である。
【0031】
ネットワークが成熟しても、一部のUE実装が正常に機能しない場合がある。より安価または低コストの実装が広く利用可能になると、実装の品質はしばしば低下する。
【0032】
特に5Gミリ波の場合、多数のアンテナおよび高帯域/大帯域幅スペクトルを使用するため、RF環境の次元が大幅に増え、その結果、アナログビームフォーミング、狭ビーム、ビームトラッキングなどの必要な新機能を扱うために、UEにおいて高品質の高度なアルゴリズムおよび回路がより必要になる。それに対応して、正しい挙動およびパフォーマンスを保証するための試験および検証にも大きな負担がかかる。
【0033】
未成熟なUEの実装が増え、市場投入時期の圧力により急速化し、安価で低品質のUEチップセットが普及するにつれて、実装を簡素化してコストを節約するために、アルゴリズムおよび回路の高度化について妥協が生じる可能性が非常に高くなる。これにより、いくつかの点でUEによる挙動が不良となり、ユーザ体験が低下し、ネットワークオペレータにとってトラブルシューティング費用がかかることになる。
【0034】
特定した問題は、ミリ波では他の無線帯域および他の無線アクセス技術よりも頻繁に発生する可能性が高いが、これらの他の帯域およびRATにおいても発生することがある。
【0035】
都心または繁華街、公園、および大勢の人が集まる会場などのホットスポットで大容量を提供するために、5Gでは高帯域ミリ波スペクトル(6GHz以上、例えば28GHz以上)が使用される。大量の帯域幅(100MHz~1GHzなど)が利用可能である可能性があるため、ミリ波は大容量を提供するのに魅力的なものとなる。
【0036】
通常、ミリ波を利用するRANノードは、街灯柱または建物の側面などの道路レベルでトランシーバを取り付けて展開される。ハイタワー設置も可能であるが、ミリ波スペクトルの伝搬範囲が制限されるため、トランシーバをより低い高さのUE位置の近くに配置することが有用である。
【0037】
周波数が高いため、ミリ波スペクトルを利用するRANノードの範囲は非常に狭く、最良の場合で約100~200メートルになる可能性がある。ミリ波スペクトルにより、多数のアンテナを備えた大規模MIMO(多入力多出力)アンテナアレイの使用が可能になるため、狭ビームを形成して送信エネルギーを集束させることができる。これにより、伝搬損失をある程度克服することができる。範囲が制限されるため、ネットワークオペレータは、適切なカバレッジを提供するために多数のミリ波ノードを展開しなければならない可能性がある。
【0038】
ミリ波ノードの範囲が制限されるため、ミリ波セルにおける接続の障害または問題の主な原因は、例えばUEがダウンリンクビームの到達範囲外に移動したとき、またはアップリンク受信の範囲外に移動したときの、カバレッジの持続的な損失である可能性がある。このような場合、信号の損失は一時的な劣化ではなく、信号の損失は、UEがセルのカバレッジ範囲に戻るまでのおおよそ永続的な損失である。
【0039】
ミリ波スペクトルでの電磁伝搬は、材料を透過する能力が非常に低くなっている。したがって、様々な材料が送信信号を遮断し、信号のほぼ完全な損失につながる。したがって、所与のセルについてのUEの最強ビームは、通常、遮断がない場合の直接の見通し線経路になる。しかしながら、障害物が経路を遮断すると、最強ビームはひどく劣化するおそれがある。
【0040】
ミリ波スペクトルは、ガラス/建物などの表面で反射する可能性もある。この反射は、潜在的な代替の見通し線経路が発生させる可能性があり、これによって、非見通し線の方式による障害物の周囲でのビーム伝送が潜在的に可能になる場合がある。
【0041】
道路レベルのセルでは、移動している障害物によって、UEのRANノードへの見通し線が遮られる可能性がある。障害物は移動する可能性があるので、妨害は短時間、例えば1~5秒継続する可能性がある。
【0042】
例えば、UEは静止しているが、トラックもしくはバスまたは他の車両通行がUEを追い越して移動している可能性がある。この場合、UEの送信は数秒間遮断されるが、その後解消される可能性がある。
【0043】
別の例では、UEは歩行者であり歩いている可能性があり、UEの最強ビームを遮断するバス停または露店/販売機または広告などの静止した障害物の後ろを移動する。
【0044】
このタイプの妨害が発生すると、UEの最強ビームは、スペクトル効率の急激な低下を突然受けることになる。これは、UEとRANノードとの間の接続に様々な重大な影響を与える可能性がある。例えば、物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH:Physical Downlink Shared Channel)でのダウンリンク送信において一連の復号失敗が発生し、アップリンクがまだ機能している場合にハイブリッド自動再送要求(HARQ:Hybrid automatic repeat request)の否定応答(NACK:negative acknowledgement)につながる可能性がある。最悪の場合、HARQのACK/NACKを伝送するUEの物理アップリンク制御チャネル(PUCCH:Physical Uplink Control Channel)送信も妨害によって失敗し、PUCCHの復号失敗(または不連続送信、DTX:discontinuous transmission)につながる可能性がある。
【0045】
UEは、PUCCHに関するチャネル状態情報(CSI:Channel State Information)レポートによって、チャネル品質の急激な低下をレポートできる場合がある。しかしながら、最悪の場合、遮断が原因でPUCCH送信も失敗する可能性があり、しがたってRANノードはチャネル品質の更新を全く受信できない可能性がある。
【0046】
RANノードは、チャネル劣化を相殺するために、UEの変調符号化方式(MCS:modulation and coding scheme)を迅速に低減するように構成されてもよい。劣化が深刻な場合、RANノードは、MCS0まで低下させなければならない場合さえもある。最悪の場合、UEは物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH:Physical Downlink Control Channel)を復号できないか、または無線リンク制御(RLC:Radio Link Control)ステータスパケットを送信できず、ミリ波リンクで無線リンク障害につながる可能性がある。
【0047】
この状況は、障害物がなくなるまで短時間(例えば数秒)続くことがある。この時間中、ミリ波リンク上のUEとの間の送信は完全に停止する可能性がある。したがって、UEは十分にRANノードのカバレッジ範囲内にある可能性があるものの、このような障害物の一時的な発生が、UEのトラフィックを著しく混乱させる可能性がある。
【0048】
遮られた状況では、UEのダウンリンクスループットは突然低下する。例えば、見通し線がはっきりしている場合、スループットは1Gb/sをはるかに超える可能性があるが、障害物が出現すると、スループットは100Mbpsをはるかに下回る可能性がある(または最悪の場合、ミリ波リンクのスループットは0であるが、UEは依然として、利用可能な場合に低帯域リンクで数Mb/sを実行できる可能性がある)。通常、インターネット接続で使用される伝送制御プロトコル(TCP:Transmission Control Protocol)は、このようなリンクパフォーマンスの大きな変化に対してロバストではなく、TCPスループットが完全に停止することさえある。
【0049】
障害物がなくなると、リンクのリンクレベルパフォーマンスが再び非常に迅速に向上する。しかしながら、リンク品質自体が改善された場合でも、停止後のTCP回復アルゴリズムに起因して、UEのエンドツーエンドのスループットが、リンクが提供できるフルスループットに回復するまでに、さらに数秒かかる場合がある。したがって、エンドツーエンドの観点では、UEのスループットおよびユーザ体験が長時間悪化する可能性がある。
【0050】
いくつかの事例では、物理環境に反射経路があり、その1次ビームが一時的な遮断を受けた場合に、信号強度が低下した(かつ、スペクトル効率が低下した)2次ビームに対してUEがラッチすることができる可能性がある。この場合でも、代替ビームをスキャンし、十分に強力なビームを識別し、ランダムアクセスまたは他のビーム回復手順を実行して代替ビームに切り替えることが可能になるまでに依然として時間がかかる。この間、UEへの送信は大幅に劣化し、2次ビームは第1のビームよりもはるかに弱い可能性があるため、UEが2次ビームにラッチした後でも、その接続品質は不十分である可能性がある。
【0051】
いくつかの事例では、例えば、UEがミリ波セルと低帯域セルとの間でデュアルコネクティビティまたはキャリアアグリゲーションを実行している場合、UEは、はるかに優れた伝搬特性を備えた低帯域スペクトルセル(例えば、マクロRANノードによって維持されるアンブレラセルなど)への接続も利用できる場合がある。この低帯域リンクは引き続き機能し、UEにある程度の接続を可能にするが、通常、ミリ波リンクが提供できるよりもはるかに低いスループットを提供することになる。
【0052】
上記の問題は、ミリ波帯域において特に顕著である。しかしながら、他の帯域でも同様の問題が発生する可能性がある。以下ではミリ波帯域について説明するが、同様の問題が他の帯域にも当てはまることを当業者は十分認識している。
【0053】
一部のセルは、他のセルよりも一時的な障害物の上記の特徴を引き起こしやすい可能性がある。一時的な障害物は、この種類の一時的な妨害が頻繁に発生しない他のミリ波セルと比較して、非常に予測できないユーザ体験をもたらす可能性がある。例えば、ほぼすべてのユーザがミリ波アンテナに見通し線を有する可能性がある屋外競技場または公園にミリ波が展開されている場合、そのような一時的な障害物は存在しない可能性があり、UEは中断することなく一貫して高いスループットを得ることができる。
【0054】
オペレータは多数のミリ波セルを展開することになるので、このような一時的な障害に起因したUE体験に一貫性がなく予測できないセルを手動で識別することは不可能である。したがって、一時的な遮断または劣化の可能性が高いセルを自動的に識別できることが有利であり、その結果、適切なアクションを(自動的に、またはオペレータの介入によって)呼び出して、これらのセルのユーザ体験を向上させることができる。
【0055】
ミリ波リンクを遮る一時的な遮断による信号品質の急激な低下は、ミリ波セルカバレッジの端でのカバレッジ損失に起因してUEのミリ波セルへの接続が中断することとは全く異なることに留意されたい。
【0056】
すべてのミリ波セル(および他の周波数帯域を利用するセル)は通常、UEがセルのカバレッジ範囲外に移動するたびに、重大な接続損失を示す。ミリ波セルのカバレッジは非常に限られており、UEが突然カバレッジの端に到達し、ミリ波接続の中断につながる可能性がある。セルの端でUEのミリ波セルへの接続を終了させる可能性のあるイベントの典型的な例は、次のとおりである。
【0057】
セルから一定の距離では、UEで受信されたダウンリンク信号は、送信電力およびビームフォーミング利得が高いために依然として強い可能性があるが、UEがその電力制限に達し、物理アップリンク共有チャネル(PUSCH:Physical Uplink Shared Channel)送信またはPUCCH送信を維持できないとき、RANノードで受信されたアップリンク信号は大幅に劣化する。UEがこの距離を超えて移動し続けると、RANノードへのダウンリンク+アップリンク接続を維持することは不可能である。これが発生する距離は、セルの環境および伝搬特性、ならびにRANノードでのベンダーアルゴリズム実装にも依存する場合がある。
【0058】
第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)の5G仕様は、再送信および反復を送信するためのUEフィードバック、例えば、様々なレポート間隔、レポートタイプ、およびフィードバックの詳細レベル、データ複製などを要求および使用するためのビームフォーミングアルゴリズムおよびスケジューリングアルゴリズムにおける、様々な参照信号ならびにその送信タイプおよび間隔、シングルユーザ/マルチユーザMIMOなどの様々な機能をサポートするために、RANノードでのベンダー実装に高い自由度を提供する。RANノードのアルゴリズム実装は、都市部および他の地域における様々に変化する条件を意識することなくサポートすることができる。
【0059】
3GPPの5G仕様はまた、例えば、サポートする機能および態様、アルゴリズムの詳細など、標準機能を実装するための多くの可能性をUEベンダーに提供する。
【0060】
したがって、通常、セルの端では、UEがミリ波セルカバレッジの境界に到達したときに一定数のミリ波接続が中断または終了することはごく普通のことである。これはミリ波セルのセル端での典型的な挙動であり、オペレータは通常、中断された接続を追跡する統計を保持する。オペレータは通常、平均セルおよびユーザスループットおよびセル内のMCS分布などの主要性能指標(KPI)も保持する。しかしながら、UEが十分にミリ波セルのカバレッジ範囲内にあるときでも一時的な遮断の発生により突然急激に劣化することは、オペレータが通常監視する中断された接続またはスループット/MCSタイプのKPIに関する従来の統計では追跡されない質的に異なる現象である。5Gミリ波セルでのこのような一時的な遮断によるユーザ体験の劣化は、オペレータにとって懸念される現象である。しかしながら、従来のネットワークでオペレータが監視する典型的なKPIおよび統計から、この現象が過度に発生しているミリ波セルを識別する簡単な方法はなく、この現象は、5Gネットワークが多数のミリ波セルを有する可能性があるという事実によって悪化する。
【0061】
同様の問題は、UEに関連するものである。多くのUE実装では、UEがセルのカバレッジ範囲内にある場合でも、大容量の5Gミリ波セルへの安定した高性能接続を維持する際に問題が発生する可能性がある。新しいUEの実装では、市場投入早期化の必要性によるチップセットの実装の未熟さ、新しいアンテナタイプの配置に関する問題および(例えば)ハンドセットでサポートされるアンテナの数に制限に関する問題、コスト節約のための簡略化されたアルゴリズムおよび低性能の回路の使用、5Gの柔軟なニューメロロジーと、多数の新機能と、5GベンダーのRANノード実装の違いとに起因する最適ではない機能の組合せの使用、ならびにUEに対して実行される厳密さに欠ける試験および検証など様々な原因で、パフォーマンスが不十分な挙動を示す可能性がある。
【0062】
いくつかの事例では、不十分なパフォーマンスは個々のUEで発生する場合があり、いくつかの事例では、不十分なパフォーマンスは、例えばUEおよび/またはネットワークが劣化からどれだけ迅速に回復できるかに応じて、特定のチップセット/ファームウェア、特定のメーカーおよびモデル、特定の機能の組合せのサポートを備えたすべてのUEなど、あるクラスのUEに影響を与える場合がある。
【0063】
上記によって起こり得る結果の1つは、ミリ波セル内のUEの無線周波数条件が安定している場合でもUEがパフォーマンスの急激で一時的な劣化を示す可能性があることである。例えば、強い/直接の見通し線ビームを介したダウンロードの途中で、UEは短時間(例えば、数百ミリ秒~数秒)スループットの突然の損失を示し、その後フルスループット回復する場合がある。リンクレベルでは劣化が短時間しか続かない場合でも、エンドツーエンドレベルでは、この種類の大きい変動は、TCPスループットを停止させるのに十分である可能性があり、リンクレベルのパフォーマンスが復帰した後でも、エンドツーエンドのTCPスループットの回復にはさらに時間がかかる場合がある。
【0064】
これらの急激で一時的な劣化の問題は、例えばビームの回復、さらにはRRC接続の再確立、セルの変更などを必要とする無線接続の損失にまでエスカレートする可能性がある。
【0065】
信号強度が低下した2次ビームにUEがラッチすることを可能にする反射経路が存在する上記の状況に関して、例えばUEの実装が不十分または未成熟であるために、UEのチャネル推定およびビーム追跡アルゴリズムにノイズが多い場合、これによりUEが、異なるビームが直接ビームよりも良好になったと誤って瞬間的に検知する可能性がある。この検知によって、UEは、そのビームが切り替わったことをRANノードにレポートし、新しいビームを介して接続を試みることになる。反射ビームは不安定である可能性があるので、切り替えを試みると、UEは、この代替ビームが実際にはもはや強くないことを認識し、次いでUEは、1次ビームに戻ろうとする可能性がある。その間、UEはスループットの突然の損失を経験し、1次ビームが再び取得されると回復する。
【0066】
さらに、実装が不十分なUEでのビーム追跡アルゴリズムの不安定性により、歩行者UEが移動している間に、歩行者UEはその現在のビームが弱くなったことを検出する場合があるが、新しい位置どの代替ビームが強いビームであるかを迅速に識別するのは難しい場合がある。新しいビームを探すのに時間がかかりすぎる場合、UEはスループットの突然の低下を経験し、UEが最終的に何とか新しいビームを見つけることができたときに良好なスループットが再開される可能性がある。
【0067】
さらに、ミリ波の伝搬は遮断に影響を受けやすいので、非常に急速な遮蔽(鳥がUEを通過するなど)でもビームを妨げる可能性がある。実装が不十分なUEは、ビーム障害を即座に誤って検出する、かつ/または新しいビームを探す可能性があり、実際の遮蔽よりもはるかに長い劣化のユーザ体験の低下につながる。最終的に、UEは、その元のビームが再びその最強ビームになっていることを検出する場合がある。アルゴリズムがUEでどれだけロバストであるかに応じて、UEは、そのような遮蔽を克服して、ビームでの送信をより迅速に再開できる場合がある。
【0068】
さらに、UEでのノイズの多いビーム信号強度測定アルゴリズムによって、UEは、その1次直接ビームもまた依然として強い場合でも、何らかの他のビームが十分に強くなったと誤って測定する可能性がある。これによって、RANノードは、他のビームの使用を試みる可能性がある(例えば、ビーム間で負荷分散を行うため、またはそのUEの送信を周波数領域で他のビーム上の他のUEと多重化することによってスペクトル効率を最大化するためなど)。これによって、1次ビームが依然として強い場合でも、UEのパフォーマンスが意図せず低下する可能性がある。
【0069】
ユーザの観点からは、上記の急激な一時的な劣化の経験は、ユーザによって5Gネットワークのパフォーマンスの低下と解釈される。さらに、一部のユーザ機器は、1つのセルだけでなく複数のセルにおいても急激な一時的な劣化の問題が発生する傾向または可能性が高くなり、これらのユーザはより広範囲にユーザ体験を低下させることにつながる可能性がある。ネットワークオペレータは、この急激な一時的な劣化の問題が未成熟または不十分なUE実装によるものであると考える場合があるが、これが事実であることを正確に特定すること、またはこれを引き起こしているUEでの根本的なビーム劣化を特定することは非常に困難である。さらに、5Gは多数のUEを有することが予想され、十分なカバレッジを提供するためにミリ波セルが多数/高密度で展開されることが予想されるので、このような問題を診断できるようにすることは、ネットワークオペレータにとって非常に複雑になる可能性がある。したがって、一時的な劣化を経験する可能性が高いUEを自動的に識別できる必要がある。
【0070】
したがって、上記の急激な一時的な劣化を経験しやすいセルとUEの両方を識別し、問題を解決するための対策を講じる必要がある。
【0071】
図4Aの流れ図は一実施形態を示す。流れ図は、一時的な遮断を識別するための通信システムにおける装置の動作の一例を示す。一実施形態において、装置は、RIC-near RT、またはRANノードのCUに配置されてもよい。
【0072】
ステップ400において、装置は、ノードによってサービスされる接続における、かつ/または無線アクセスネットワークRANノードによってサービスされるセルにおける急激なチャネル劣化イベントの発生を1つまたは複数のRANノードが検出するためのパラメータの、1つまたは複数のRANノードへの送信を制御するように構成される。装置がCUに配置されている場合、送信はCUによって制御されるDUに対して行われる。
【0073】
ステップ402において、装置は、ノードによってサービスされる接続において、かつ/もしくはRANノードによってサービスされるセルにおいて検出された急激なチャネル劣化に関連するチャネルまたは送信イベントに関するデータの、1つまたは複数のRANノードからの受信を制御するように構成される。装置がCUに配置されている場合、データはCUによって制御されるDUから受信される。
【0074】
一実施形態において、装置は、ネットワークから上記のパラメータの値を受信してもよい。一実施形態において、パラメータの値は、ネットワークのオペレータによって設定されてもよい。一実施形態において、装置は、パラメータの値を動的に適合させてもよい。例えば、ネットワークのオペレータは、比較的低い初期値を構成することによってシステムを起動することができ、より多くのデータが集められ、ネットワーク内で典型的な指標が観察されると、測定レポートにおけるノイズまたは変動を低減するために、装置によって値を徐々に増加させることができる。
【0075】
ステップ404において、装置は、受信したデータに基づいて、1つまたは複数のRANノードおよび/または1つまたは複数のRANノードによってサービスされる1つまたは複数のセルで高レベルの一時的な遮断が起こる可能性(likelihood:尤度など)を決定するように構成される。
【0076】
任意選択のステップ406において、装置は、高レベルの一時的な遮断を有するRANノードによってサービスされる決定された1つまたは複数のRANノードもしくはセルに関するデータ、またはその決定された1つまたは複数のRANノードもしくはセルに関する表示を、ネットワーク管理エンティティなどのネットワーク要素に送信するように構成されてもよい。
【0077】
一実施形態において、データまたは表示は、ネットワーク要素をトリガして、それらのセルおよび/またはRANノードにおけるユーザ体験を向上させるための修正アクションまたは対応策を呼び出す。これらの修正アクションには、RANノードまたはセルのパラメータもしくは位置の自動化されたもしくは手動ガイドによる再計画または最適化、より広いビームを使用するかより低いランクのMIMO送信を使用すること、ダウンリンク/アップリンク送信のためによりロバストな変調符号化方式を使用すること、復調参照信号(DMRS:demodulation reference signal)などの追加のパイロット信号を使用してより良好なチャネル推定を可能にすること、より良好なビーム追跡のために追加のもしくはより頻繁なパイロット信号または参照信号を使用することなどの無線リソース管理パラメータの適応、特定の追加の機能またはアルゴリズムの有効化などが含まれることがある。
【0078】
図4Bの流れ図は、一実施形態を示す。流れ図は、一時的な遮断を識別するための通信システムにおける装置の動作の別の例を示す。
【0079】
ステップ420において、装置は、1つまたは複数のRANノードのうちの1つによってサービスされるユーザ機器上でのデータのネットワークからの受信を制御するように構成される。
【0080】
ステップ422において、装置は、ステップ420でネットワークから受信したデータおよび/またはステップ402で1つまたは複数のRANノードから受信したデータに基づいて、ユーザ機器で高レベルの一時的な劣化が起こる可能性を決定するように構成される。
【0081】
ステップ424において、装置は、ネットワーク管理エンティティなどのネットワーク要素に、例えば、高レベルの一時的な遮断の可能性があると決定されたユーザ機器に関するデータまたは表示を送信するように構成される。
【0082】
一実施形態において、データまたは表示は、ネットワーク要素をトリガして、ユーザ体験を向上させるか、または決定されたユーザ機器への影響を低減するための修正アクションまたは対応策を呼び出す。修正アクションには、ユーザの加入者プロファイルまたはQoSプロファイルの変更、RANノードに追加のユーザ固有のポリシーを提供して、例えばユーザ機器への送信をよりロバストにするように無線リソース管理パラメータを調整すること、(より広いビームを使用するかより低いランクのMIMO送信を使用すること、ダウンリンク/アップリンク送信のためによりロバストな変調符号化方式を使用すること、復調参照信号(DMRS)などの追加のパイロット信号を使用してより良好なチャネル推定を可能にすること、より良好なビーム追跡のために追加のもしくはより頻繁なパイロット信号または参照信号を使用することなど)、ユーザ機器の不良な挙動に関連する検出されたパフォーマンス低下の通知をユーザに提供すること、ユーザ機器をアップグレードするための提案をユーザに提供すること、またはサービスもしくは課金プランを変更することなどが含まれることがある。
【0083】
図4Cの流れ図は、一実施形態を示す。流れ図は、一時的な遮断を識別するための通信システムにおける装置の動作の一例を示す。一実施形態において、装置は、RANノードまたはRANノードのDUである。
【0084】
ステップ430において、装置は、装置によってサービスされる接続および/または装置によってサービスされるセルにおける急激なチャネル劣化のイベントの発生を装置が検出するためのパラメータの受信を制御するように構成される。
【0085】
ステップ432において、装置は、1つまたは複数の急激なチャネル劣化のイベントを検出するように構成される。
【0086】
ステップ434において、装置は、1つまたは複数のイベントに関連するデータを集めるように構成される。
【0087】
ステップ436において、装置は、装置によってサービスされる接続において検出された急激なチャネル劣化に関連するチャネルまたは送信イベントに関するデータの送信を制御するように構成される。
【0088】
このように、一時的な遮断を経験する可能性のあるセルを識別する装置を提案する。さらに、一実施形態において、装置は、一時的な遮断または劣化のリスクを有するUEを識別することができる。装置は、一時的な遮断/劣化を伴うミリ波セル/UEを識別するためのモジュール(MIMCTB:Module for Identifying MmWave Cells/UEs with Transient Blockage/Degradation)として示される場合がある。
【0089】
一実施形態において、装置は、セル内の一時的な遮断という現象と、UEがセルのカバレッジから「正常に」移動したシナリオとを区別してもよい。前者は、他の点では良好な信号における急激な劣化という特徴的な性質を有し、この急激な劣化は一定時間持続し、再び良好なレベルに回復する可能性が高い。一方、後者は通常、UEがミリ波RANノードのダウンリンクまたはアップリンク信号範囲から回復不能に移動したときに発生する。装置は、ミリ波セルにサービスする各RANノードから特定のイベント統計または測定に関連する適切な情報を抽出することよって、セルのカバレッジ範囲内であってもユーザ体験を混乱させる一時的な遮断の発生率がネットワーク内のどのセルで比較的高いかを識別してもよい。
【0090】
提案する方法は、一時的な遮断のレベルが高いかまたは可能性が高いセルを識別するために使用できるいくつかの主要な情報要素を識別し、これによってネットワーク内の他のセルよりも広い範囲または大きい範囲で影響を受けるセルを識別する自動式の方法である。
【0091】
さらに、装置は、ビーム劣化の主要な指標である特定のタイプの劣化イベントに関連するメトリックまたは測定値に関連する適切な情報をユーザごとに各ミリ波セルから抽出することによって、ユーザがセルのカバレッジ範囲内にいる場合でもユーザ体験を混乱させる可能性のある一時的なビーム劣化が発生する可能性が通常よりも比較的高いUEを識別してもよい。提案する方法は、高レベルの一時的なビーム劣化を伴うUEを識別するための鍵となるいくつかの主要な情報要素を識別する。
【0092】
一実施形態において、装置は、一時的なビーム劣化に関して異常に不良な挙動を起こすUEが、1つまたは少数のセルだけでなく複数のセルにわたってこの挙動をより頻繁に示す可能性が高いと判断してもよい。一実施形態において、提案する解決策は、複数の接続にわたりかつ/または複数のセルにおいてUEが経験する一時的なビーム劣化のレベルを決定し、これを使用して、複数の接続わたり複数のセルにわたってこのような一時的なビーム劣化が通常よりも発生しているUEを決定するために、検出された一時的なビーム劣化イベントと併せてUE識別子を使用する。
【0093】
さらに、一時的な遮断は、UEのMCS、MIMOランク値、およびRANノードへの他のレポートにさらに影響を与え、エアインターフェース容量の使用およびエンドユーザ体験が最適ではなくなる可能性がある。
【0094】
通信ネットワークは、UEの「恒久的な」識別情報、および場合によってはその属するクラスの識別子などの他の情報にアクセスすることができる。UEの識別子またはクラス識別子に関するこの情報にアクセスすることによって、複数のセルにわたる同じUEのビーム劣化イベントを関連付けることが可能である。提案する方法は、これを使用して、異常に高いレベルの一時的なビーム劣化が起こるUEを識別する。
【0095】
無線アクセスネットワークは、状況に様々に影響を与え得る追加情報も使用することができる。UE関連の情報には、特にレイヤ1~レイヤ3のエアインターフェース上で使用される機能に関するUE機能およびUEユーザ接続の詳細が含まれてもよい。UE位置のセル関連の情報には、周波数帯域、FDD/TDDモード、屋内/屋外などが含まれてもよい。
【0096】
図5は一例を示す。前述のように、一実施形態において、MIMCTB500は、RANノードにインターフェースする準リアルタイムインテリジェントコントローラ、RIC-near-RT314に配置される。それらの間の通信は、E2インターフェース314を介して行われる。
【0097】
一実施形態において、MIMCTB500は、クラウドRANアーキテクチャ内のCUに配置され、F1インターフェース300を介してDUにインターフェースする。
【0098】
一実施形態において、MIMCTB500は、ネットワークサーバまたは管理エンティティ502と、AMFまたはSMFのいずれかのコアネットワーク106とに接続されてもよい。
【0099】
図6は、一実施形態を示すシグナリング図である。
【0100】
RANノード(またはRANノードのDU)およびUEは、RRC接続を確立している600。良好なチャネル品質を備えた進行中のデータ転送がある602。次に、一時的な遮断が発生し604、チャネル品質が急速に低下する。
【0101】
RANノード(またはRANノードのDU)は、チャネルの急激な劣化または何らかの伝送障害を検出する606。RANノードは、急激なチャネル劣化に関連する主要なメトリックを収集するように構成される608。一実施形態では、RANノードは、MIMCTBからすでにメトリックを受信している。RANノードは、急激なチャネル劣化の発生に関するレポートおよび関連するメトリックを送信する610。一実施形態において、レポートは、問題としてるUEのRANレベルの識別情報を含む。
【0102】
MIMCTB500は、複数の急激なチャネル劣化イベントのメトリックを集めるように構成される612。一実施形態において、メトリックは、複数のRANノードから集められる。
【0103】
MIMCTB500は、1つまたは複数のRANノードに関して、一時的な遮断が発生する可能性が高いという分類または可能性を決定するようにさらに構成される614。
【0104】
一実施形態において、MIMCTB500は、1つまたは複数のRANノードによってサービスされる1つまたは複数のセルにおける一時的な遮断の可能性が高いとの決定をネットワークサーバ502に通知するようにさらに構成される616。
【0105】
一実施形態において、ネットワークサーバ502は、一時的な遮断の可能性があるセルに対して対応策を開始するように構成される618。
【0106】
図4のステップ400に関連して上述したように、MIMCTBは、RANノードが急激なチャネル劣化イベントの発生を検出することを可能にするパラメータを、1つまたは複数のRANノード(またはDU)に提供してもよい。一実施形態において、急激なチャネル劣化イベントの発生を検出することに関連するパラメータには、以下のうちの1つまたは複数が含まれる。
・回数および平均などの特定のメトリック(以下に示す)がRANノードによって計算されるウィンドウの時間期間T。Tの値は異なる場合がある。例えば、T=0.1秒または0.5秒である。スライディングウィンドウを使用してもよいが、代替として時定数Tの指数平均を使用することもできる。
・時間期間T内に変調符号化方式(MCS)を削減すべきステップの最小数N1。代替として、時間期間内の最大MCSと最小MCSとの間の最小差。最小MCSは、最大MCSに時間的に続いて発生する。
・PUCCH/PUSCH送信(CSIレポート用のPUCCH、ACK/NACKレポート用のPUCCHなど)の不連続送信(DTX)の連続実行(すなわち、一連の逐次DTX)のシーケンスの最小長N2。DTXは、RANノードがスケジューリングに基づいてUEがPUCCHまたはPUSCH送信を送信すると予想していたが何も正常に復号できなかったイベントである。これは、UEは送信したがアップリンクチャネルが劣化して復号失敗につながったか(アップリンクチャネル劣化の表示)、UEが元のダウンリンクPDCCH/PDSCH送信を復号することさえしておらず、そのためアップリンク上で送信もしなかったか(ダウンリンクチャネル劣化の表示)のいずれかを意味する。
・連続するHARQ否定フィードバックのシーケンスの最小長N3。
・時間期間T内のHARQフィードバックの総数に対するHARQ否定フィードバックの最小の割合F1。
・時間期間T内の送信の総数に対するアップリンク制御チャネルでのアップリンク不連続送信の最小の割合F2。
・急激なチャネル劣化が発生する前のユーザ端末の最小変調符号化方式。
・急激なチャネル劣化が発生する前のユーザ機器の最小信号レベル。
・イベントE1-1とイベントE1-2との間の時間の最大期間T1。
- E1-0:UEは、第1のビームをその最強ビームとしてレポートする。
- E1-1:同じUEは、第2のビームをその最強ビームとしてレポートする。第2のビームは第1のビームの隣接ビームではなく、第2のビームの信号レベルは第1のビームよりも大幅に低い。
- E1-2:同じUEは、第3のビームをその最強ビームとしてレポートする。第3のビームは第1のビームの隣接ビームであり、第3のビームの信号レベルは第2のビームの信号レベルよりも大幅に良好である(第3のビームは第1のビームと同じである可能性がある)。
・イベントE1とイベントE2との間の時間の最大期間T2。
- E0:UEは、第1のビームをその最強ビームとしてレポートする。
- E1:同じUEは、第2のビームをその最強ビームとしてレポートする。第2のビームは第1のビームの隣接ビームではなく、第2のビームの信号レベルは第1のビームよりも大幅に低い。
- E2:同じUEは、第3のビームをその最強ビームとしてレポートする。第3のビームは第1のビームの隣接ビームであり、第3のビームの信号レベルは第2のビームの信号レベルよりも大幅に良好である。
・イベントE3-1とイベントE3-2との間の最大時間T3。
- E3-0:UEは、第1のビームをその最強ビームとしてレポートする。
- E3-1:同じUEは、第1のビーム上のビーム障害をレポートし、異なるビームを最強ビームとして表示してもよい。
- E3-2:同じUEの第1のビームが再び最強ビームになる。
【0107】
上記の各パラメータについて、MIMCTBによってRANノードに複数の値が提供される可能性がある。この場合、RANノードは、パラメータの異なる値ごとに決定されたイベントの発生をレポートする。
【0108】
上記のステップ402で述べたように、MIMCTBは、ノードによってサービスされる接続において検出された急激なチャネル劣化に関連するチャネルまたは送信イベントに関するデータを、1つまたは複数のRANノード(またはDU)から受信する。データは、1つまたは複数のセル内の1人または複数のユーザのミリ波リンク上で検出された急激なチャネル劣化イベントに関連するメトリックとすることができる。
【0109】
一実施形態において、メトリックは、以下のうちの1つまたは複数を含んでもよい。
・エントリのリストL1。エントリはそれぞれ、ユーザ端末の変調符号化方式が時間期間T内にN1個のステップを超えて減少した発生に対応する。一実施形態において、各エントリは、(PDSCHおよび/またはPUSCH上の)UEのMCSが期間Tの時間ウィンドウ内でN1個のステップを超えて減少した発生に対応してもよい。
・エントリのリストL2。エントリはそれぞれ、ユーザ機器について少なくともN2の長さの連続した不連続送信のシーケンスがあった発生に対応する。一実施形態において、各エントリは、UEについて、少なくともN2の長さの、(CSIレポートまたはACK/NACKレポートの)PUCCH/PUSCHのDTXの実行があった発生に対応してもよい。長いPUCCHと短いPUCCHの両方が使用されている場合、これは短いPUCCHと長いPUCCHについて別々にレポートされてもよい。
・エントリのリストL3。エントリはそれぞれ、ユーザ機器について少なくともN3の長さの連続するHARQ否定フィードバックのシーケンスがあった発生に対応する。
・エントリのリストL4。エントリはそれぞれ、UEについて時間T2内にビームスイッチイベントE1およびビームスイッチイベントE2が生じた発生に対応する。E1、E2は上記で定義されている。
【0110】
一実施形態において、メトリックは、以下のうちの1つまたは複数を含んでもよい。
・エントリのリストL11。エントリはそれぞれ、UEについて時間T1内にイベントE1-1およびイベントE1-2が生じた発生に対応する(E1-1、E1-2は上記で定義されている)。
・エントリのリストL12。エントリはそれぞれ、UEについて時間T1内にイベントE2-1およびイベントE2-2が生じた発生に対応する(E2-1、E2-2は上記で定義されている)。
・エントリのリストL13。エントリはそれぞれ、UEについて時間T1内にイベントE3-1およびイベントE3-2が生じた発生に対応する(E3-1、E3-2は上記で定義されている)。
【0111】
一実施形態において、RANノードは、上記のリストそれぞれの各エントリに対して、以下を追加として提供してもよい。
・対応する発生の前の最後のL1信号レベル
・発生前の最後のMCSおよび/またはチャネル品質指標(CQI:Channel Quality Indicator)(これは、発生前のチャネルの時間トレースを提供するための、1つのMCS/CQI値、または最後のN値を伴うリストである可能性がある)
・リストL11/L21/L31のエントリの場合:(リストL11/L21/L31内のエントリそれぞれのE1-0/E2-0/E3-0にそれぞれ対応する)初期ビームの識別情報(ID)
・リストL11/L12内のエントリの場合:(E1-1/E2-1に対応する)切り替え済みビームのID
・発生後に接続が中断されたかどうかの表示
・関連するUEのRANレベルUE識別子(セル無線ネットワーク一時識別子C-RNTIまたは、N2AP UE ID、またはS1AP UE IDなど)、および任意選択で、関連するUE機能(例えば、様々な関連機能)、RRC構成(例えば、CSIレポート)
・セル情報。例えば、セルグローバル識別情報(GCI:Cell Global Identity)または物理セルId(PCI:Physical Cell Id)などのセル識別情報
・同期信号ブロック(SSB:Synchronization Signal Block)ビームの情報、例えば識別情報
・チャネル状態情報参照信号(CSI-RS:Channel State Information Reference Signal)情報
・チャネル状態情報/ダウンリンク制御情報/アップリンク制御情報(CSI/DCI/UCI)
【0112】
一実施形態において、上記のメトリックは、RANノードによってMIMCTBに、定期的に、例えば、5分間隔もしくは15分間隔で、または任意の適切な時間スケールでレポートされてもよい。一実施形態において、より詳細な情報を得るために、より速いレポートが使用されてもよい。
【0113】
RANノードに複数のセルがある場合、セルごとに情報が提供されてもよい。ユーザ全体の回数は、ユーザごとに集計および/またはレポートすることができる。
【0114】
RANノードは、メトリック情報をMIMCTBに送信するとき、最後にメトリック情報がレポートされてから観察された各タイプの発生をレポートすることができる。さらに、RANノードは、最後のメッセージからの経過時間をレポートするか、またはメッセージにタイムスタンプを追加してもよい。
【0115】
一実施形態において、発生ごとに追加情報(最後の信号レベルまたはMCSなど)とともに発生のリストをレポートする代わりに、RANnideは、最後のレポート以降の各タイプの発生の累計回数のみをレポートしてもよい。これにより、提供される情報の量を削減することができるが、より適切な意思決定に役立つ可能性のある詳細度が失われる。
【0116】
一実施形態において、各レポート間隔内に、M1のような回数が算出される期間T1の複数のウィンドウが存在してもよい。この場合、適用可能であれば、メトリックM1、M2、...をウィンドウごとにレポートすることができる。
【0117】
さらに、RANノードは、ビーム障害レポートを含むUEがレポートしたドライブテスト最小化(MDT:Minimization of Drive Test)測定値などの情報をMIMCTBに送信することができ(または、MIMCTBは、トレース収集エンティティなどの別のエンティティから取得することができ)、MIMCTBもまた、その情報を使用することができる。
【0118】
上記のステップ404で述べたように、MIMCTBは、受信した情報に基づいて、RANノードの1つまたは複数で高レベルの一時的な遮断が起こる分類または可能性を決定するように構成されてもよい。
【0119】
決定の一例を以下に示す。一実施形態において、MIMCTBのための機械学習アルゴリズムを利用して決定を実行してもよい。以下では、受信した情報は、単なる累積回数ではなく上記のリストの形式で提供されることを前提としている。
【0120】
一実施形態において、どのセルで高レベルの一時的な遮断が起こる可能性が高いかを判断するために、MIMCTBは以下を実行することができる。
・レポートされたセルごとに:
・レポートされた各リスト内のイベントごとに:
・イベントに至るまで、イベント中、およびイベント後の一連のチャネル条件で構成されるイベントシグネチャを形成する。イベント前のチャネル条件が十分に良好であったかどうか、ならびに劣化の大きさおよび劣化の期間に応じて、イベントを急激な劣化としてマーク付けまたはタグ付けする。例えば、発生前の最後のMCSが少なくとも最小値Mであり、最後の信号強度またはL1-RSRPが少なくとも最小値Sであった場合、イベントは急激な劣化としてマーク付けされてもよい。チャネル条件が十分に良好でなかった場合、これは、UEがすでにセル端に比較的近く、したがって一時的な遮断を識別するのに適していないことを示している可能性がある。さらに、MCSまたはL1-RSRPの減少の大きさが少なくともある最小値であった場合、かつ/または劣化イベントの期間(すなわち、劣化の開始から、信号が劣化前のレベルと同様の良好なレベルに回復するまでに経過した時間量)が一定の値を下回る場合、イベントは急激な劣化イベントとしてマーク付けされてもよい。
・イベントの後に続いて接続損失が生じなかった場合、「急激な劣化」イベントを一時的な遮断としてマーク付けする。
・リスト(L1、L2、L3、L4)内で一時的な遮断としてマーク付けされたイベントの回数を、メッセージ間の時間およびセルに接続されているユーザ数で除算したものをそれぞれ(r1、r2、r3、r4)とする。これは、「1ユーザあたりの単位時間あたりの一時的な遮断の割合」、またはセル内の一時的な遮断の可能性またはレベルの表現と見なすことができる。次に、これを使用して、次のように他のセルと比較して一時的な遮断の可能性またはレベルが高いセルを決定または分類することができる。
・複数のレポートにわたるすべてのセルにわたる(r1、r2、r3、r4)を組み合わせて、(r1、r2、r3、r4)の多次元分布を構築する。
・分布から、第P百分位数(例えば、P=75またはP=60)に対応する(例えば、多次元ガウスフィットに基づく)包線(envelope:包絡線など)を決定する。包線の外側の点は、レポートされたイベントの率が統計的に高かったレポートに対応する。
・包線の外側の点の中から、各セルに対応する点の数をカウントすることが可能である。
・点の数に基づいてセルを降順でランク付けし、上位X%のセル(例えばX=5%)を選んで一時的な遮断の発生率が高すぎるものとしてマーク付けする。
【0121】
図7Aは、ステップ404に対する代替手法を示す一実施形態を示す。一実施形態において、MIMCTBは、人工知能/機械学習(AI/ML)モデルを使用して、RANノード/DUによってレポートされた潜在的な各イベントを一時的な遮断イベントであるかどうかに分類することができる。
【0122】
潜在的イベントごとにRANノード/DUによってレポートされたメトリック700は、「イベントシグニチャ」に形成されることが可能であり702、「イベントシグネチャ」は、イベント発生前の一連のチャネル関連または無線関連または無線リソース管理関連のデータ/測定値/観察結果(例えば、MCS/CQI、HARQのAck/Nack、PUCCHのDTX、ビームRSRP、L1-RSRP、受信したアップリンク信号強度、RSSIなど)と、例えばイベント中の観測結果と、(イベント後に接続が中断されたかどうかを含む)イベント後の観察結果とを含む。
【0123】
さらに、例えば、周波数、時分割複信/周波数分割複信(TDD:Time Division Duplex/FDD:Frequency Division Duplex)、セル負荷、セル干渉などの現在のセルの条件に関する情報、ならびに、UE情報、UEのアクティブ化された機能、および使用された参照信号、MIMO、帯域幅部分(BWP:Bandwidth Part)、CSIレポート、UEが検出した干渉などのUEがレポートした情報を考慮に入れることができる。
【0124】
UEが、例えばデュアルコネクティビティまたはキャリアアグリゲーションを用いて、いくつかのダウンリンク/アップリンクキャリアがアクティブ化されている場合、キャリアに関する上記の情報と、UE全体の状況を推定するためのUEレポートとの組合せを考慮に入れることができる。
【0125】
このイベントシグネチャは、ニューラルネットワークなどの第1のAI/MLモデル704への入力として使用することができ、第1のAI/MLモデルは、そのようなイベントが実際に一時的な遮断を表すかどうかの分類を作成することができる。代替または追加として、AI/MLモデルは、一時的な遮断を表すイベントの可能性を出力することができる。
【0126】
次いで、MIMCTBは、各セルで観察されたイベントの収集ごとの分類または可能性706を、(同様にAI/MLに基づく可能性がある)第2のモデルへの入力として使用することができる。次いで、この第2のモデルは、1つまたは複数のセルについて、セルで高レベルの一時的な遮断があるという分類または可能性を出力する。この第2のモデルは、所与のセルが一時的な遮断のレベルまたは可能性が高いと見なされるべきかどうかを判定するために、複数のセルからのデータおよび/または分類もしくは可能性を使用して、例えば、所与のセルの可能性がネットワーク内の他のセルと比較して比較的高いかどうかを判定すること、または、例えば所与のセルの可能性が、同じセル内で過去に決定された一時的な遮断の可能性と比較して時間の経過とともに高くなったかどうかを判定することなどができる。一実施形態において、オフラインで収集されたイベントシグネチャを使用して、またはイベントシグネチャの進行中の収集に基づいて、AI/MLモデルを訓練または更新することができる708。訓練は、例えば、RIC非リアルタイムエンティティまたはオープンネットワークオートメーションプラットフォーム(ONAP)で実行することができる。
【0127】
さらに、いくつかのUEに関するデータを使用して、平均と分散、または統計的分布など、一時的な遮断の期間および重大度の特性を推定することが可能である。これらは、劣化イベントを識別および分類する際に使用されるパラメータ(時間ウィンドウTおよびT2、またはパラメータN1/N2/N3など)をさらに更新および微調整するのに有用である可能性がある。
【0128】
上記のステップ406で述べたように、MIMCTBは、ネットワークサーバ(例えば、ネットワーク管理エンティティ)への、1つまたは複数のセルに高レベルの一時的な遮断があるとの決定に関する通知を生成するように構成されてもよい。ネットワークサーバは、例えば、ネットワーク管理システム(NMS)またはオープンネットワークオートメーションプラットフォーム(ONAP)とすることができる。ネットワークサーバは、通知を受信したときに修正アクションまたは対応策を呼び出すように構成されてもよい。
【0129】
一実施形態において、識別されたセルに対する修正アクションおよび対応策は、以下のうちの1つまたは複数を含んでもよい。
・セルの再計画を開始して、同様のエリアでカバレッジを提供するが一時的な遮断のリスクは低くなるように送信機の場所を別の場所に再配置する(例えば、より高い場所に移動する)。
・一時的な遮断に遭遇したUEが第2のセルに迅速に切り替えることができるように、例えば追加のミリ波キャリアを使用して、同じカバレッジエリアに第2のセルを追加する。
・ネットワークアーキテクチャに応じて、例えば集中型RANを使用する場合、UEが2つ以上のRANノードに同時に接続できるように、セル間でキャリアアグリゲーションまたはマルチ接続を実行することも可能である場合がある。
・ビームを拡大する。障害物を回避する能力が向上する代わりに、ビームフォーミング利得の一部が損われる可能性がある。
・RANノードでの無線リソース管理(RRM)およびテレコムアルゴリズムの微調整、ならびにUEの機能のアクティブ化、例えば、ビーム管理(例えば、ビーム選択、ビームステアリング、ビーム幅(例えば、より広いビームの使用)、粗いビームの使用対微細なビームの使用、ビーム切り替え)、参照信号の使用、MCSの選択(例えば、よりロバストなMCSを使用する)、SU/MU-MIMOの使用、MIMO送信のランクの適応(例えば、ユーザがより高いランクを使用する可能性を示している場合でもより低いランクを使用する)、デュアルコネクティビティおよびキャリアアグリゲーションの使用、ならびに1次セルおよび2次セルの選択(例えば、他のセルを介してユーザとの間で送信するためのよりロバストな代替経路を提供するため)。上記のいずれも、例えば、UEタイプ番号、ソフトウェアバージョンに基づいて、または例えばQoSプロファイルもしくはUEの加入プロファイルに基づいて、セル内のすべてのUE、または特定のタイプのUEなどのUEのサブセットのいずれかに適用されてもよい。
【0130】
上記のステップ420で述べたように、MIMCTBは、1つまたは複数のRANノードのうちの1つによってサービスされるユーザ機器上のデータのネットワークからの受信を制御するように構成されてもよい。
【0131】
一実施形態において、MIMCTBは、コアネットワーク機能(AMFまたはSMFなど)から、UEの恒久的な識別子またはUEが属するクラスの識別子を受信してもよい。
【0132】
無線アクセスネットワークRANによって使用される識別情報は通常、一過性であり、RRC接続の期間のみ持続し、同じセル内の同じUEまたは異なるセル内の同じUEによる後続の接続は、異なるRANレベル接続識別子を取得する。しかしながら、コアネットワーク識別子は、複数のセル内のUEによる複数の接続にわたって恒久的または長期的である可能性がある。UEの恒久的な識別子は通常、コアネットワークで利用可能である。一実施形態において、UEの恒久的な識別子は、例えば、国際モバイル機器識別情報(IMEI:International Mobile Equipment Identity)またはデバイス識別、または国際モバイル加入者識別情報(IMSI:International Mobile Subscriber Identity)とすることができる。
【0133】
いくつかの事例では、グローバル固有一時識別子(GUTI:Global Unique Temporary Identifier)などの恒久的であるが永続的ではない識別子も使用されることがある。GUTIは、コアネットワークによっていつでも変更されることが可能であるが、コアネットワークは、UEの真の(永続的)識別情報を認識しており、必要に応じてGUTIを永続的な識別子にマッピングすることができる。GUTIなどの恒久的であるが永続的ではない識別子の使用は、UEにさらなるプライバシー保護を提供するのに役立つが、追加のマッピング機能が必要になる場合がある。
【0134】
UEが属するクラスの識別子は、例えば、UEタイプ/ソフトウェアバージョン/メーカーおよびモデル/チップセットバージョンとすることができる。
【0135】
UEまたはUEのクラスの識別子を取得するために、MIMCTBは、この情報にアクセスできるAMFまたはSMFなどの適切なコアネットワーク機能に照会するように構成されてもよい。コアネットワーク機能は、場合によっては認証チェックの後に、要求された情報を返すことになる。
【0136】
MIMCTBは、恒久的な識別子を使用して、同じセルまたは複数のセル内のUEによる複数の接続にわたって所与のUE(またはUEのクラス)のメトリックまたは統計を関連付けることができる。例えば、同じ恒久的な識別子を有する接続はすべて、同じUEに関連するものとして扱うことができ、したがってMIMCTBは、同じUEの異なる接続のメトリック/統計を蓄積または相関させることができる。
【0137】
上記のステップ422で述べたように、MIMCTBは、ステップ420でネットワークから受信したデータおよびステップ402で1つまたは複数のRANノードから受信したデータに基づいて、ユーザ機器で高レベルの一時的な遮断が起こる可能性を決定するように構成されてもよい。
【0138】
MIMCTBがこの決定を実行するための例示的な解決策を以下に示す。この解決策は、例えば、機械学習アルゴリズムを利用して実装されてもよい。情報は上記のようにリストの形式で提供されることを前提としている。MIMCTBは、次のことを実行することができる。
・レポートに含まれているUEiごとに:
- 恒久的なUE識別子に基づいて、様々なセルからの様々なレポートから、そのUEに対応するすべてのイベントを収集する。
- (場合によっては様々なセルから)UEiについてレポートされた各リスト内のイベントEごとに:
・(i)イベント前のチャネル条件が十分に良好であったかどうか、(ii)イベントの後に接続損失が生じたかどうかに応じて、一時的なビーム劣化としてさらに検討するイベントを選択する。例えば、発生前の最後のMCSが少なくとも最小値Mであり、イベント前の最後の信号強度またはL1-RSRPが少なくとも最小値Sであった場合、イベントを選択する。チャネル条件が十分に良好でなかった場合、またはイベントの後に接続損失が生じた場合、ビーム劣化イベントの検出前にUEがすでに比較的不良なチャネル条件にあったことを示している可能性があり、したがって、このイベントを「一時的な」ビーム劣化として分類することは適切ではなく、したがって、このようなイベントを以降の処理から除外することができる。
- リスト(L11、L12、L13、L1、...)内で一時的な遮断としてマーク付けされたイベントの回数を、UEの接続の合計時間期間で除算したものをそれぞれ(r1、r2、r3、r4、...)とする。これは、ユーザiの「単位時間あたりの一時的なビーム劣化の割合」と見なすことができる。
・複数のレポートにわたるすべてのUEにわたる(r1、r2、r3、r4、...)を組み合わせて、(r1、r2、r3、r4、...)の多次元分布を構築する。
・分布から、第P百分位数(例えば、P=75またはP=60)に対応する(例えば、多次元ガウスフィットに基づく)包線を決定する。包線の外側の点は、レポートされたイベントの率が統計的に異常に高かったレポートに対応する。
・包線の外側にあるUEをランク付けする。これらは、ビーム劣化の発生する可能性が過度にまたは異常に高いと見なされる可能性のあるUEである。
・必要に応じて、これらのUEから、すべてのタイプのイベントの合計率に基づいて(すなわち、sum(r1+r2+...)に基づいて)上位X%のUE(例えば、X=5%またはX=10%)をさらに選ぶ。
・このように識別されたUEの中で、イベントがある特定のセルにおいて異常に高いかどうか、またはイベントが複数のセルにわたって妥当な規則性を伴って発生するかどうかをさらに調査することが可能である。例えば、上記の手順と同様に、UEiごとに、セルjごとに、セルj内のUEiについてレポートされたイベントのみを考慮して率(r1(j)、r2(j)、...)を算出する。次いで、例えばsum(r1(j)+r2(j)+...)の変動係数を調査することによって、1つまたはいくつかのセルでの率が残りのセルと比較して不自然に高いかどうかを調査することが可能である。一連の数値の変動係数は、標準偏差と平均の比と定義される。変動係数が高い場合、例えば0.5を超える場合、イベントの率はセルごとに大きく異なる(UEのイベントの率が他のセルよりもあるセルではるかに大きいことを示す)と見なされてもよい。その一方で、変動係数が低い場合、UEは、ビーム劣化の発生が多くのセルにわたって合理的に分散していると仮定されてもよい。したがって、後者の特性を有するUEは、一時的なビーム劣化のレベルまたは可能性が高いと識別または分類されてもよく、前者の特性を有するUEの場合、いくつかのセル内でのUEの挙動は不良であるが、全体としては不良ではないと見なされてもよい。この場合、UEではなくセルが、異常である可能性があるものとして調査されてもよい。
【0139】
図7Bは、ステップ422に対する代替手法を示す実施形態を示す。一実施形態において、MIMCTBは、人工知能/機械学習(AI/ML)モデルを使用して、RANノード/DUによってレポートされた各潜在的イベントを一時的なビーム劣化イベントであるかどうかに分類することができる。
【0140】
図7Aの例に関連して上記と同様に、潜在的イベントごとにRANノード/DUによってレポートされたメトリック710は、「イベントシグニチャ」に形成されることが可能であり712、「イベントシグネチャ」は、発生前の一連のMCS/CQI、イベント中の観察結果(例えば、HARQのACK/NACKもしくはPUCCHのDTX、または前述の他のチャネル/無線/無線リソース管理関連の属性)、および、イベント後に接続が中断されたかどうかを含む、イベント後の観測結果を含む。
【0141】
さらに、例えば、周波数、TDD/FDD、セル負荷、セル干渉、UE情報などの現在のセルの特性および条件に関する情報、ならびに、UE情報、UEのアクティブ化された機能、およびUEのパワーヘッドルーム、使用された参照信号、MIMO、BWP、CSIレポート、UEが検出した干渉などのUEがレポートした情報を考慮に入れることができる。
【0142】
UEが、例えばデュアルコネクティビティまたはキャリアアグリゲーションを用いて、いくつかのダウンリンク/アップリンクキャリアがアクティブ化されている場合、キャリアに関する上記の情報と、UE全体の状況を推定するためのUEレポートとの組合せを考慮に入れることができる。
【0143】
イベントシグネチャは、ニューラルネットワークなどの第1のAI/MLモデル714への入力として使用することができ、第1のAI/MLモデルは、そのようなイベントが実際に一時的なビーム劣化を表すかどうかの分類を作成することができる。代替として、AI/MLモデルは、一時的なビーム劣化を表すイベントの(分類ではなく)可能性を出力することができる。
【0144】
さらに、いくつかのUEのデータを使用して、平均と分散、または統計的分布など、一時的な遮断の期間および重大度の特性を推定してもよい。これらは、劣化イベントを識別および分類する際に使用されるパラメータ(例えば、時間ウィンドウTおよびT2、またはパラメータN1/N2/N3など)をさらに更新および微調整するのに有用である可能性がある。
【0145】
次いで、MIMCTBは、各UEで観察されたイベントの収集ごとの分類または可能性を、(同様にAI/MLに基づく可能性がある)第2のモデル716への入力として使用することができる。次いで、この第2のモデルは、1つまたは複数のセルについて、UEで高レベルの一時的な遮断があるという分類または可能性を出力する。
【0146】
一実施形態において、オフラインで収集されたイベントシグネチャを使用して、またはイベントシグネチャの進行中の収集に基づいて、AI/MLモデルを訓練または更新することができる718。訓練は、例えば、RIC非リアルタイムエンティティまたはオープンネットワークオートメーションプラットフォーム(ONAP)で実行することができる。
【0147】
上記のステップ424で述べたように、MIMCTBは、ネットワークサーバ(ネットワーク管理エンティティなど)への、1つまたは複数のUEの高レベルの一時的なビーム劣化があるとの決定に関する通知を生成するように構成されてもよい。ネットワークサーバは、例えば、ネットワーク管理システム(NMS)またはオープンネットワークオートメーションプラットフォーム(ONAP)とすることができる。一実施形態において、UEの恒久的な識別子は、通知とともに提供することができる。一実施形態において、ネットワークサーバは、通知を受信したときに修正アクションまたは対応策を呼び出すように構成されてもよい。
【0148】
ネットワークサーバはまた、蓄積カウンタをさらに使用して、UEについて受信したビーム劣化通知の数、またはUEの合計接続期間に対する劣化通知の数の割合(これは「ビーム劣化通知の率」と見なされる場合がある)を経時的に追跡するように構成されてもよい。UE。これが高いUEの場合、修正アクションを呼び出すことができる。
【0149】
識別されたUEに対する修正アクションおよび対応策には、例えば以下のアクションが含まれてもよい。
・UEの加入プロファイルまたはIMEIレジストリを更新または変更して、ビームの劣化に関してパフォーマンスが低いことが分かっているものとしてUEをマーク付けする。
・更新された加入プロファイルに基づいて、後続の接続試行でUEを異なる方法で処理するようにRANに命令する。例えば、RANは、いくつか例を挙げると、よりロバストな送信パラメータ、よりロバストなビーム選択メカニズム(例えば、より広いビームの使用)、UEのCSIレポート間隔、ロバストな代替経路を提供するためのキャリアアグリゲーション/デュアルコネクティビティのより積極的な呼び出しを使用するように命令されてもよい。
・特定のクラス(例えば、同じメーカー/モデルまたは同じチップセットバージョンなど)の十分に多くの数(または割合)のUEに重大な一時的なビーム劣化の挙動が見られる場合、オペレータは、改善またはテスト/検証を要求するために、メーカーまたはチップセットベンダーとともにその問題に対処する可能性がある。
・オペレータは、例えばユーザ体験を向上させるためにUEをよりパフォーマンスの良好なUEにアップグレードするためのプロモーション広告をUEのユーザに提供しようと試みるか、または、ユーザが体験してるパフォーマンスに見合った課金/加入プランに変更するための提案を提供してもよい。
【0150】
図8Aは、一実施形態を示す。この図は、本発明の実施形態を適用する装置の簡略化された例を示す。いくつかの実施形態において、装置は、RANノードまたはRANノードのDUに配置されたMIMCTBとすることができる。
【0151】
装置は、いくつかの実施形態を説明する例として本明細書に示されていることを理解されたい。装置が他の機能および/または構造も含む可能性があり、記載されたすべての機能および構造が必要とされるわけではないことは、当業者には明らかである。装置は1つのエンティティとして描写されているが、異なるモジュールおよびメモリが1つまたは複数の物理エンティティまたは論理エンティティに実装されてもよい。
【0152】
例の装置500は、装置の動作の少なくとも一部を制御するように構成された制御回路800を含む。
【0153】
装置は、データを記憶するためのメモリ802を含んでもよい。さらに、メモリは、制御回路800によって実行可能なソフトウェア804を記憶してもよい。メモリは、制御回路に統合されてもよい。
【0154】
装置は、1つまたは複数のインターフェース回路806を含んでもよい。インターフェース回路は、制御回路800に動作可能に接続される。インターフェース回路は、装置が他のネットワーク要素と通信することを可能にすることができる。
【0155】
一実施形態において、ソフトウェア804は、装置の制御回路800に上記の実施形態の少なくともいくつかを実現させるように適合されたプログラムコード手段を含むコンピュータプログラムを含んでもよい。
【0156】
図8Bは、一実施形態を示す。この図は、本発明の実施形態を適用する装置の簡略化された例を示す。いくつかの実施形態において、装置は、RANノードまたはRANノードの一部とすることができる。
【0157】
装置は、いくつかの実施形態を説明する例として本明細書に示されていることを理解されたい。装置が他の機能および/または構造も含む可能性があり、記載されたすべての機能および構造が必要とされるわけではないことは、当業者には明らかである。装置は1つのエンティティとして描写されているが、異なるモジュールおよびメモリが、1つまたは複数の物理エンティティまたは論理エンティティに実装されてもよい。
【0158】
例の装置318は、装置の動作の少なくとも一部を制御するように構成された制御回路810を含む。
【0159】
装置は、データを記憶するためのメモリ812を含んでもよい。さらに、メモリは、制御回路810によって実行可能なソフトウェア814を記憶してもよい。メモリは、制御回路に統合されてもよい。
【0160】
装置は、1つまたは複数のインターフェース回路816、818を含んでもよい。インターフェース回路は、制御回路801に動作可能に接続される。インターフェース回路818は、装置が他のネットワーク要素と通信することを可能にすることができる。インターフェース回路816は、無線通信ネットワークのUEと通信するように構成されたトランシーバのセットとすることができる。インターフェース回路816は、アンテナ構成(図示せず)に接続されてもよい。装置はまた、トランシーバの代わりに送信機への接続を含んでもよい。
【0161】
一実施形態において、ソフトウェア814は、装置の制御回路800に上記の実施形態の少なくともいくつかを実現させるように適合されたプログラムコード手段を含むコンピュータプログラムを含んでもよい。
【0162】
上記および添付の図に記載のステップならびに関連する機能は、絶対的な時系列順ではなく、ステップのいくつかは、同時に実行されるか、または所与の順序とは異なる順序で実行されてもよい。ステップ間またはステップ内で他の機能を実行することもできる。ステップのいくつかを、省略するか、または対応するステップに置き換えることもできる。
【0163】
上記のステップを実行することが可能な装置またはコントローラは、ワーキングメモリ(ランダムアクセスメモリ、RAM)、中央処理装置(CPU)、およびシステムクロックを含み得る、電子デジタルコンピュータ、処理システム、または回路として実装されてもよい。CPUは、レジスタのセット、算術論理ユニット、およびコントローラを含んでもよい。処理システム、コントローラ、または回路は、RAMからCPUに転送される一連のプログラム命令によって制御される。コントローラは、基本的な動作のためのいくつかのマイクロ命令を含んでもよい。マイクロ命令の実装は、CPUの設計によって異なる場合がある。プログラム命令は、プログラミング言語によってコード化されてもよく、プログラミング言語は、C、Javaなどの高水準プログラミング言語、または機械語などの低水準プログラミング言語、またはアセンブラとすることができる。電子デジタルコンピュータはまた、プログラム命令で書かれたコンピュータプログラムにシステムサービスを提供できるオペレーティングシステムを有してもよい。
【0164】
本出願において使用される「回路」という用語は、以下のすべて、すなわち、(a)アナログおよび/またはデジタル回路のみでの実装などのハードウェアのみの回路実装、ならびに(b)(適用可能な場合)装置に様々な機能を実行させるために連携して動作するデジタル信号プロセッサ、ソフトウェア、およびメモリを含む(i)プロセッサの組合せ、または(ii)プロセッサ/ソフトウェアの一部など、回路とソフトウェア(および/またはファームウェア)の組合せ、ならびに(c)ソフトウェアまたはファームウェアが物理的に存在しない場合でも動作にソフトウェアまたはファームウェアを必要とするマイクロプロセッサまたはマイクロプロセッサの一部などの回路を指す。
【0165】
この「回路」の定義は、本出願におけるこの用語のすべての使用に適用される。さらなる例として、本出願で適用される場合、「回路」という用語は、単にプロセッサ(もしくは複数のプロセッサ)またはプロセッサの一部、ならびにその(もしくはそれらの)付随するソフトウェアおよび/またはファームウェアの実装も包含する。「回路」という用語はまた、例えば、特定の要素に適用可能である場合、携帯電話用のベースバンド集積回路もしくはアプリケーションプロセッサ集積回路、またはサーバ、セルラネットワークデバイス、もしくは別のネットワークデバイス内の同様の集積回路も包含する。
【0166】
一実施形態は、電子装置にロードされると上記の実施形態を実行するように装置を制御するように構成されたプログラム命令を含む、非一過性のコンピュータ可読媒体などの配布媒体上に具現化されたコンピュータプログラムを提供する。
【0167】
コンピュータプログラムは、ソースコード形式、オブジェクトコード形式、または何らかの中間形式とすることができ、プログラムを保持することが可能な任意のエンティティまたはデバイスであり得る何らかのキャリアに記憶されてもよい。このようなキャリアには、例えば、記録媒体、コンピュータメモリ、読み取り専用メモリ、およびソフトウェア配布パッケージが含まれる。必要な処理能力に応じて、コンピュータプログラムは、単一の電子デジタルコンピュータで実行されてもよく、またはいくつかのコンピュータに分散されてもよい。
【0168】
装置はまた、特定用途向け集積回路ASICなどの1つまたは複数の集積回路として実装されてもよい。別個の論理コンポーネントで構築された回路など、他のハードウェアの実施形態も実現可能である。これらの異なる実装のハイブリッドも実現可能である。実装の方法を選択する際、当業者は、例えば、装置のサイズおよび電力消費、必要な処理能力、生産コスト、および生産量について設定された要件を考慮することになる。
【0169】
一実施形態において、通信システム内の装置は、ノードによってサービスされる接続における急激なチャネル劣化イベントの発生を1つまたは複数の無線アクセスネットワークRANノードが検出するためのパラメータの、1つまたは複数のRANノードへの送信を制御し、ノードによってサービスされる接続において検出された急激なチャネル劣化に関連するチャネルまたは送信イベントに関するデータの、1つまたは複数のRANノードからの受信を制御し、受信したデータに基づいて、1つまたは複数のRANノードで高レベルの一時的な遮断がある可能性を決定するように構成された手段を含む。
【0170】
一実施形態において、通信システム内の装置は、装置によってサービスされる接続における急激なチャネル劣化イベントの発生を装置が検出するためのパラメータの受信を制御し、1つまたは複数の急激なチャネル劣化イベントを検出し、1つまたは複数のイベントに関連するデータを集め、装置によってサービスされる接続において検出された急激なチャネル劣化に関連するチャネルまたは送信イベントに関するデータの送信を制御するように構成された手段を含む。
【0171】
技術が進歩するにつれて、本発明の概念が様々な方法で実施され得ることは当業者には明らかであろう。本発明およびその実施形態は、上記の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲内で変更することができる。
【符号の説明】
【0172】
100 デバイス
100 ユーザ端末
100 ユーザ機器
102 デバイス
104 ノード
106 コアネットワーク
108 分散ユニット
110 中央ユニット
112 ネットワーク
114 クラウド
202 5Gネットワーク
206 ノードB
208 ユーザプレーン機能
210 コアアクセスおよびモビリティ管理機能
212 セッション管理機能
214 ポリシー制御機能
300 F1インターフェース
304 gNB
306 gNB
308 インターフェース
310 非リアルタイムRANインテリジェントコントローラ
312 準リアルタイムRANインテリジェントコントローラ(RIC-near-RT)、インターフェースA1
314 E2インターフェース、準リアルタイムインテリジェントコントローラ
318 RANノード、装置
500 一時的な遮断/劣化を伴うミリ波セル/UEを識別するためのモジュール(MIMCTB)
502 管理エンティティ
502 ネットワークサーバ
700 メトリック
710 メトリック
800 制御回路
802 メモリ
804 ソフトウェア
806 インターフェース回路
810 制御回路
812 メモリ
814 ソフトウェア
816 インターフェース回路
818 インターフェース回路
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図5
図6
図7A
図7B
図8A
図8B