(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-26
(45)【発行日】2024-07-04
(54)【発明の名称】超音波溶接されたラベルシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
G06K 19/077 20060101AFI20240627BHJP
G09F 3/00 20060101ALI20240627BHJP
G06K 19/07 20060101ALI20240627BHJP
G06K 19/02 20060101ALI20240627BHJP
B32B 7/025 20190101ALI20240627BHJP
B32B 5/26 20060101ALI20240627BHJP
B65H 37/04 20060101ALI20240627BHJP
【FI】
G06K19/077 144
G09F3/00 M
G06K19/07 230
G06K19/02 070
G06K19/077 136
B32B7/025
B32B5/26
B65H37/04 Z
(21)【出願番号】P 2021523844
(86)(22)【出願日】2019-10-30
(86)【国際出願番号】 US2019058744
(87)【国際公開番号】W WO2020092489
(87)【国際公開日】2020-05-07
【審査請求日】2022-10-11
(32)【優先日】2018-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518000176
【氏名又は名称】エイヴェリー デニソン リテール インフォメーション サービシズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
【氏名又は名称原語表記】AVERY DENNISON RETAIL INFORMATION SERVICES LLC
【住所又は居所原語表記】8080 Norton Parkway, Mentor, Ohio 44060 Uni-ted States of America
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100101683
【氏名又は名称】奥田 誠司
(74)【代理人】
【識別番号】100155000
【氏名又は名称】喜多 修市
(74)【代理人】
【識別番号】100139930
【氏名又は名称】山下 亮司
(74)【代理人】
【識別番号】100188813
【氏名又は名称】川喜田 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100202142
【氏名又は名称】北 倫子
(72)【発明者】
【氏名】ロー,ヨク ユ
【審査官】小林 紀和
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-148735(JP,A)
【文献】特開2010-020717(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0344864(US,A1)
【文献】特開2007-018487(JP,A)
【文献】特開2010-257478(JP,A)
【文献】登録実用新案第3152962(JP,U)
【文献】特開2014-160515(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 19/077
G09F 3/00
G06K 19/07
G06K 19/02
B32B 7/025
B32B 5/26
B65H 37/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の
印刷織物層と、
前記第1の
印刷織物層に超音波溶接された第2の
印刷織物層と、
前記第1の
印刷織物層と前記第2の
印刷織物層との間に配置された少なくとも1つの無線周波数識別(「RFID」)インレイと、を含
み、
前記第1および第2の印刷織物層は、外向きの面にアートワークが印刷されている、
ラベル。
【請求項2】
前記少なくとも1つのRFIDインレイは、アンテナと電気的に通信するRFIDチップを含む、請求項1に記載のラベル。
【請求項3】
前記少なくとも1つのRFIDインレイは、アンテナと電気的に通信するRFIDストラップを含む、請求項1に記載のラベル。
【請求項4】
前記第1の印刷織物層に前記少なくとも1つのRFIDインレイを固定するように構成された接着剤をさらに含む、請求項
1に記載のラベル。
【請求項5】
前記少なくとも1つのRFIDインレイと、前記第2の印刷織物層との間に配置された
第1の防水層、をさらに含む、請求項
1に記載のラベル。
【請求項6】
前記少なくとも1つのRFIDインレイと、前記第1の印刷織物層との間に配置された第2の防水層、をさらに含む、請求項
5に記載のラベル。
【請求項7】
前記ラベルは、4つの縁を有し、
前記第2の印刷織
物層は、実質的に前記ラベルの前記4つの縁に沿って前記第1の印刷織物層に超音波溶接される、請求項
1に記載のラベル。
【請求項8】
前記少なくとも1つのRFIDインレイは、複数のRFIDインレイを含み、
前記複数のRFIDインレイは、前記第1および第2の印刷織物層の前記外向きの面に印刷された前記アートワークに実質的に整列するように周期的に離隔している、請求項1に記載のラベル。
【請求項9】
第1の印刷織物ラベル層と、RFIDインレイと、第2の印刷織物ラベル層と、を収容し、また、
前記第1の印刷織物ラベル層
と前記第2の印刷織物ラベル層との間
でRFIDインレ
イを加圧して、
前記第1および第2の印刷織物ラベル層の外向きの面にアートワークが印刷されている結合されたラベルを形成するように構成された積層ロールと、
ラベルの連続ウェブを形成するために、1つ以上の対応する回転アンビルに対して前記第2の印刷織物ラベル層の部分を
前記第1の印刷織物
ラベル層に超音波溶接するように構成された1つ以上の超音波溶接機と、を含む、ロールツーロールラベル処理装置。
【請求項10】
前記連続ウェブの側面をトリミングするように構成されたエッジスリットローラをさらに含む、請求項9に記載のロールツーロールラベル処理装置。
【請求項11】
前記連続ウェブを収容するように構成された複数のウェブガイドと、
前記連続ウェブから個々のラベルを分離するように構成されたソニックナイフと、をさらに含み、
前記個々のラベルのそれぞれは、RFIDインレイを含む、請求項9に記載のロールツーロールラベル処理装置。
【請求項12】
前記連続ウェブを収容するように構成された複数のウェブガイドをさらに含み、
前記少なくとも1つの超音波溶接機は、前記連続ウェブから個々のラベルを分離するように構成されたソニックナイフを含む、請求項9に記載のロールツーロールラベル処理装置。
【請求項13】
前記RFIDインレイは、アンテナと電気的に通信するRFIDチップを含む、請求項9に記載のロールツーロールラベル処理装置。
【請求項14】
前記RFIDインレイは、アンテナと電気的に通信するRFIDストラップを含む、請求項9に記載のロールツーロールラベル処理装置。
【請求項15】
前記第1の印刷織物ラベル層は、前記第1の印刷織物層と、前記RFIDインレイとの間に配置されるように構成された防水層と、をさらに含む、請求項9に記載のロールツーロールラベル処理装置。
【請求項16】
前記第2の印刷織物ラベル層は、第2の印刷織物層と、前記RFIDインレイとの間に配置されるように構成された第2の防水層と、をさらに含む、 請求項15に記載のロール
ツーロールラベル処理装置。
【請求項17】
前記RFIDインレイは、前記第1の印刷織物層に前記RFIDインレイを固定するように構成された接着剤を含む、請求項9に記載のロールツーロールラベル処理装置。
【請求項18】
第1の印刷織物ラベル層と、複数のRFIDインレイと、第2の印刷織物ラベル層と、を積層ロールにより収容するステップと、
前記第1の印刷織物ラベル層と、前記複数のRFIDインレイと、前記第2の印刷織物ラベル層と
を、前記第1および第2の印刷織物ラベル層の外向きの面にアートワークが印刷されているように、前記積層ロールによって結合するステップと、
少なくとも1つのRFIDインレイをそれぞれ含む個々のラベルの連続ウェブを形成するために、
前記第1の印刷織物
ラベル層と
前記第2の印刷織物
ラベル層との間に1つ以上のRFIDインレイを密閉するように、前記第1の印刷織物ラベル層に前記第2の印刷織物
ラベル層の部分を超音波溶接機によって超音波溶接するステップと、を含む、方法。
【請求項19】
エッジスリットローラにより前記個々のラベルの連続ウェブの縁をトリミングするステップをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
ソニックナイフにより前記個々のラベルの連続ウェブから前記個々のラベルを分離するステップをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2018年10月30日付で出願された米国仮実用特許出願番号62/752,830の優先権及び利益を主張し、その全体が本明細書に参考として組み込まれる。
【0002】
本出願は、一般に、印刷されたラベルを生成するシステム及び方法に関し、特に、印刷されたラベルに無線周波数識別(「RFID」)装置を固定するために、超音波溶接を使用するシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
衣服及び織物のような、しかしこれらに限定されない消費者製品には、衣服のサイズ、原産国、ブランド情報、及び製品管理方法等についての詳細情報が表示されたラベルが含まれる。製造業者又は中間業者は、市場で製品を容易に識別し、追跡できるように、製品に配置するラベルを大量に購入する。ラベルは、数千個のラベルを含むことのできるバッチ(batch)又はラン(run)で生成され、個々のラベルを切り取って製品に固定できるロールで提供されることが多い。
【0004】
無線周波数識別(RFID)タグは、在庫管理、サプライチェーンのモニタリング、セキュリティ、販売時点プロセス(point of sale processes)、及び他の適用に有用なリモート電源供給トランスポンダであり得る。
【発明の概要】
【0005】
特定の実施形態によると、ラベルは、第1の印刷織物層と、第1の印刷織物層に超音波溶接された第2の印刷織物層と、第1の印刷織物ラベル層と第2の印刷織物層との間に配置された無線周波数識別(「RFID」)インレイと、を含む。ラベルは、RFIDインレイを第1の印刷織物層に固定するように構成された接着剤を含むことができる。ラベルは、RFIDインレイと印刷織物層の一方又は両方の間に配置された1つ以上の防水層を含むことができる。
【0006】
特定の他の実施形態において、ロールツーロール処理装置は、第1の印刷織物層と、RFIDインレイと、第2の印刷織物層と、を収容し、第1の印刷織物ラベル層と第2の印刷織物ラベル層との間のRFIDインレイを加圧して、結合されたラベルを形成するように構成された積層ロールを含む。ロールツーロール処理装置は、個々のラベルの連続ウェブを形成するために、対応する回転アンビルに対して、第2の印刷織物ラベルの部分を、第1の印刷織物層に溶接するように構成された1つ以上の超音波溶接機を含む。ロールツーロール処理装置は、連続ウェブの側面をトリミングするエッジスリットローラと、連続ウェブから個々のラベルを分離するように構成されたソニックナイフと、を含むことができる。
【0007】
さらに他の実施形態によると、前記方法は、積層ローラによって、第1の印刷織物ラベル層と、複数のRFIDインレイと、第2の印刷織物ラベル層と、を収容するステップを含む。前記方法は、積層ローラによって、第1の印刷織物ラベル層と、1つ以上のRFIDインレイと、第2の印刷織物ラベル層と、を結合するステップをさらに含む。前記方法は、第1の印刷織物層と第2の印刷織物層との間に1つ以上のRFIDインレイを密閉し、少なくとも1つのRFIDインレイをそれぞれ含む個々のラベルの連続ウェブを形成するために、超音波溶接機で回転アンビルに対して、第2の印刷織物層の部分を第1の印刷織物層に超音波溶接するステップをさらに含む。前記方法は、エッジスリットローラによって連続ウェブの縁をトリミングし、ソニックナイフによって連続ウェブから個々のラベルを分離するステップを含むことができる。
【0008】
様々な実施形態が、下記の説明、添付の請求範囲及び添付図面と共に、より十分に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】RFID装置を有する印刷織物ラベルの第1の実施形態を示す。
【
図2】RFID装置を有する印刷織物ラベルの第2の実施の形態を示す。
【
図3】RFID装置を有する印刷織物ラベルの第3の実施形態を示す。
【
図4】超音波溶接を用いたロールツーロール処理の第1の実施形態を示す。
【
図5】超音波溶接を用いたロールツーロール処理の第2の実施形態を示す。
【
図6】超音波溶接を用いたロールツーロール処理の第3の実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
RFIDタグを含む超音波溶接されたラベルを説明するシステム及び方法が、本明細書に開示されている。理解されるように、在庫管理、サプライチェーンのモニタリング及びセキュリティを改善するために、衣服及び織物ケアラベル等のラベルにRFIDタグを含むことが有利であり得る。超音波溶接を使用する場合、RFIDタグを組み込んだ公知のラベルに比べて、剛性及び耐久性の向上したラベルを容易に形成することができる。本明細書に記載された方法は、ロールツーロール処理に特に有用であり得る。
【0011】
前記システム及び方法は、
図1~
図6を参照して詳細に説明される。開示され記載された例示、配列、構成、構成要素、要素、装置、装置の方法、システム等に対する修正を適切に行うことができ、特定の適用等に望ましいことが理解されるであろう。本開示において、特定の技術、配列等の任意の識別は、提示された特定の例に関連しているか、又はそのような技術、配列等の単なる一般的な説明に過ぎない。特定の詳細又は例示の識別は、具体的に明示されていない限り、必須に又は限定的に解釈されることを意図しておらず、そのように解釈してはならない。
【0012】
一般に、本明細書に記載のシステム及び方法は、ラベルの1つ以上の層を共に結合するために、超音波溶接を使用するRFIDを含むラベルの形成を詳細に説明する。接着剤の使用とは対照的に、超音波溶接を使用することにより、デザインの改善だけでなく、望ましい剛性、耐久性、及び製造の容易性を備えた、RFIDを含むラベルの形成を容易にすることができる。超音波溶接は、ロールツーロール製造に大変適しているだけでなく、結合された表面の接着強度を可変にすることで、このような改善を促進することができる。
【0013】
本明細書に記載のラベルは、一般に、2つ又は3つの層を有するラベルをはじめ、1つよりも多くの層を有する任意のラベルを含むことができる。本発明は、任意の数の層に限定されないことに留意することが重要である。本明細書に記載の技術を使用して形成できるラベルは、十分な可撓性及び柔軟性を示す木材、紙又は炭素繊維等の他の材料で形成された多層ラベルだけでなく、多層印刷織物ラベルを含む。
図1~3は、印刷織物の層、RFIDタグ、接着剤、及び任意選択で防水層を含む多層印刷織物ラベルを示している。
【0014】
特定の実施形態において、ラベルは、衣服に取り付け可能な織物ラベルとして使用するのに特に有利であり得る。しかし、理解されるように、本明細書に記載の方法は、他のアプリケーション向けのラベルを代わりに形成するように適用することができる。
【0015】
ここで、
図1を参照すると、少なくとも1つのRFID装置を有する印刷織物ラベル100の第1の実施形態が示されている。ラベル100は、上層102及び下層108を含む。現在考慮される一実施形態において、上層102及び下層108は、いずれも織物製であり、現在考慮される他の実施形態において、層102及び108はいずれも印刷織物ラベルであるが、本発明はこれに限定されない。ラベル100が衣服に取り付けられると、アートワークは、層102、108の外向きに面した側に印刷され、消費者に衣服のサイズ、原産国、ブランド情報、及び衣服の最良の管理方法について詳細な情報を提供できる。特定の実施形態において、ラベル100は、アートワークのための少なくとも1つの印刷可能な表面を含む。層102、108は、織物の長さに沿って周期的に印刷された所望のアートワークを有する連続した長さの織物であり得る。一般に、ラベル100は、当業界で公知となっている任意の周知の織物材料及びインクで形成することができる。
【0016】
少なくとも1つの無線周波数識別(RFID)インレイ104が、上層102と下層108との間に配置される。複数のインレイが存在する場合、インレイ104は、印刷織物層102、108におけるアートワークと実質的に整列するように、周期的に離隔される。特定の実施形態において、少なくとも1つのRFIDインレイ104は、基材の長さに沿って周期的に配置されたRFID装置を含む連続した長さの基材上に搭載できる。当業界で理解されるように、当業界で公知の任意の適切なRFID装置が、RFIDインレイ104に使用できる。例えば、RFIDインレイ104は、ダイポールアンテナのような任意の特定サイズ又は形状の適切なRFIDアンテナとそれぞれ電気的に通信する少なくとも1つのRFIDチップを含むことができる。また、RFIDインレイ104は、対応するRFIDアンテナと電気的に通信するためにRFIDストラップを使用してRFIDチップを前記アンテナに取り付けることができる。実施形態において、多数のRFIDインレイ104は、それぞれ個別に印刷織物ラベル100内に配置できる。例えば、多数のRFIDインレイ104は、他の適用のために使用することができ、それぞれが異なる周波数を使用できる。
【0017】
RFIDインレイ104は、RFIDインレイ104を下部印刷織物層108に固定するように構成された接着層106を含むことができる。特定の構成において、接着層106は、RFIDインレイ104を上部印刷織物層102に固定するように構成でき、当業界で理解されるように、さらに又は代替的に、多数の接着層を使用することができる。一般に、接着層106は、例えば、感圧接着剤(「PSA」)、反応性接着剤、又はホットメルト接着剤のような任意の公知の接着剤で形成することができる。本発明は、接着層106がパターンコーティング又はカーテンコーティングできることを考慮する。一実施形態において、接着層106は、RFIDアンテナの形態である。
【0018】
接着層106は、以下でさらに詳細に論じられるように、上層102及び下層108を共に超音波溶接する場合、RFIDインレイ104が移動することを防ぐ上で有利である。有利なのは、層102、108を超音波溶接することにより、RFIDタグが衣類の物品に取り付けられている場合、多数の洗濯物の洗濯及び乾燥サイクル後でもRFIDインレイ104を破損せずに残せるようになる。特定の実施形態において、全体を通して印刷織物ラベル100とも称されるラベル100は、異なる環境に耐えられるように構成され得る。例えば、接着剤の強度及び特性は、所望の化学的、熱的、及び紫外線抵抗性のプロファイルに基づいて選択することができる。
【0019】
ここで、
図2を参照すると、RFID装置を有する印刷織物ラベル200の第2の実施形態が示されている。印刷織物ラベル200は、上述のように、上部印刷織物層202と、RFIDインレイ206と、下部印刷織物層210と、を含む。また、印刷織物ラベル200は、RFIDインレイ206の水分バリアの役割をするように構成された防水層204を含む。実施形態において、防水層204は、上部印刷織物層202に適用されるプラスチックフィルム等のフィルムであり得る。一実施形態において、フィルムはポリウレタンを使用して構成される。防水層204は、ラベル200が水と接触する際に、RFIDインレイ206のRFIDチップ及びアンテナの損傷を防止できる。RFIDインレイ206の作動を保証することに加えて、防水層204は、ユーザが印刷織物ラベル200を含む衣服を洗濯した後、印刷織物ラベル200に起こり得る変色を防止できる。有利なのは、防水層204は、RFIDインレイ206のRFIDチップ及びアンテナが、多数の洗濯物の洗濯及び乾燥サイクル後にも、継続して作動することを可能にする。特定の実施形態において、印刷織物ラベル200は、前記開示のように、接着層208を含むことができる。特定の実施形態において、接着層208は、RFIDインレイ206の水分バリアとして機能するように構成でき、別途の防水層204を含む必要がなくなる。
【0020】
特定の実施形態において、RFIDインレイ206は、基材上に搭載でき、前記基材は、水分バリアと同様に機能することができる。例えば、前記基材は、中心線のあたりで共に折り畳んで溶接できる少なくとも2つの部分を含むことができる。この例において、前記基材は、溶接時にRFIDインレイ206を保護するように構成できる。溶接部は、RFIDインレイ206を密閉するように構成できるか、又はエポキシ等の別の材料を防水のためにRFIDインレイ206の上に配置することができる。これらの基材に適した材料の例は、W.L. Gore and Associates(デラウェア州ニューアーク所在)製のGore‐tex(登録商標)がある。理解されるように、その他の変形の例において、前記基材は、折り畳んで超音波溶接できるさらなる折り目を含むことができる。
【0021】
有利なのは、層202、210を超音波溶接することにより、RFIDインレイ206に水が触れることを防ぐ防水シールをRFIDインレイの周囲に形成することができる。特定の実施形態において、前記層の一部又は全部は、層を共に固定する構成で溶接できるが、RFIDインレイ206を取り囲まない。様々な実施形態において、溶接部は、縁を含む印刷織物ラベル200上の任意の適切な場所に形成でき、縁から近距離の内側、又は印刷織物ラベル200上の任意で所望のパターン若しくは位置に配置することができる。一実施形態において、ラベルは、少なくとも4つの縁の周囲に溶接される。また、本発明は、ラベルがその全周に溶接されるのではなく、むしろ縁のみを選択することを考慮している。溶接は、連続的又は間欠的に行うことができる。
【0022】
ここで、
図3を参照すると、RFID装置を有する印刷織物ラベル300の第3の実施形態が示されている。印刷織物ラベル300は、前記開示のように、上部印刷織物層302と、RFIDインレイ306と、下部印刷織物層312と、を含む。印刷織物ラベル300は、第1の防水層304と、第2の防水層310と、を含み、これらの各々が、上述のようにRFIDインレイ306の水分バリアの役割をするように構成される。印刷織物ラベル300は、前記開示のように、接着層308を含むことができる。接着層308及びRFIDインレイ306の基材は、水分バリアと同様に機能することができる。
【0023】
理解されるように、
図1~
図3の印刷織物層は、所望の最終用途に適している場合、プラスチック、紙等で形成されたもの等、他の公知の層に置き換えることができる。例えば、軟化したプラスチックは、特定の衣服に有用であり得る。これらの層を使用すると、これらの材料が本質的にそのような機能を提供できるため、接着剤及び/又は防水層を含む必要がなくなる。
【0024】
一般に、超音波溶接は、当業界で公知のように行うことができる。例えば、本明細書に記載されている超音波溶接を形成するための適切な超音波溶接機は、米国特許番号9,902,512 B2及び米国特許出願公開番号2017/0305068 A1に記載のものを含み、これらの各々が、本明細書に参照として組み込まれる。
【0025】
本明細書に記載の方法は、大量生産に特に有利であり、例えば、ロールツーロール処理システムを用いて行うことができる。
【0026】
図4を参照すると、ロールツーロール処理400の第1の実施形態が示されている。ロールツーロール処理400において、積層ロール408は、上部印刷織物ラベル層402と、RFIDインレイ404を有する基材と、下部印刷織物ラベル層406と、を収容する。積層ロール408は、上部印刷織物ラベル層402、RFIDインレイ404を有する基材、及び下部印刷織物ラベル層406を共に加圧又は結合して、結合されたラベルを形成する。特定の実施形態において、防水層(図示せず、
図2及び3を参照)は、上部印刷織物ラベル層402とRFIDインレイ404、及び/又は下部印刷織物ラベル層406とRFIDインレイ404との間に配置することができる。実施形態において、防水層は、上部印刷織物ラベル層402及び/又は下部印刷織物ラベル層406に予め適用することができる。
【0027】
結合されたラベルは、超音波溶接機412と回転アンビル410との間を通過する。超音波溶接機412は、上部印刷織物ラベル層402を下部印刷織物ラベル層406に溶接し、RFIDインレイ404のRFIDチップ及びアンテナのいずれかの周りにシールを形成する。実施形態において、超音波溶接部は、1つ以上の他の層、例えば、RFIDインレイ404及び防水層(存在する場合)を介して拡張される。溶接部は、任意の適切な形状、例えば、実質的に矩形の溶接部であり得る。任意の適切な数の超音波溶接機412が活用できる。例えば、実施形態において、第1の超音波溶接機412は、結合されたラベルの縁を密閉し、第2の超音波溶接機412は、結合されたラベルの端部を密閉する。密閉されると、ラベルは、連続ウェブ418として、超音波溶接機412及び回転アンビル410を通り抜ける。エッジスリットローラ414は、連続ウェブ418の縁をトリミングし、スリット廃棄物416は、廃棄される。個別に密閉されたラベルの連続ウェブ418は、巻かれるか、後日の使用のために適切に梱包することができる。例えば、連続ウェブ418は、連続ウェブ418から個々のラベルを切断できる衣服製造業者に配送され、衣服製造業者によって衣服に取り付けられる。
【0028】
ここで、
図5を参照すると、ロールツーロール処理500の第2の実施形態が示されている。上述のように、ロールツーロール処理500において、上部印刷織物ラベル層502、RFIDインレイ504を有する基材、及び下部印刷織物ラベル層506が、積層ロール508によって共に加圧及び結合され、超音波溶接機512と回転アンビル510との間で溶接される。エッジスリットローラ514は、連続ウェブ518の縁をトリミングし、スリット廃棄物516は、廃棄される。連続ウェブ518は、ウェブガイド520の間を通過し、ソニックナイフ522は、連続ウェブ518を切断して、それぞれRFIDチップ及びアンテナを含む個々のラベル524とする。個々のラベル524は、ウェブガイド520によって分配され、その後、個々のラベル524は、衣服に取り付けられるか、又は衣服製造業者に配送するために共に梱包することができる。
【0029】
ここで、
図6を参照すると、ロールツーロール処理600の第3の実施形態が示されている。上述のように、ロールツーロール処理600において、上部印刷織物ラベル層602、RFIDインレイ604を有する基材、及び下部印刷織物ラベル層606が積層ロール608によって共に加圧及び結合される。まず、第1の超音波溶接機612及び第1の回転アンビル610によって側面に沿って溶接される。その後、溶接された側面は、エッジスリットローラ614によってトリミングされ、スリット廃棄物616は、廃棄される。連続ウェブ618は、第1の対のウェブガイド620の間を通過し、第2の超音波溶接機622は、第2の回転アンビル626に対して連続ウェブ618の個々のラベル624の端部を溶接する。第2の超音波溶接機622は、連続ウェブ618から個々のラベル624を形成するために、溶接された端部を切断するソニックナイフを含む。個々のラベル624は、ウェブガイド620によって分配され、その後、個々のラベル624は、衣服に取り付けられるか、又は衣服製造業者に配送するために共に梱包することができる。理解されるように、超音波溶接機は、個々のラベルを実質的に同時に溶接及び切断するか、又は、別のステップで超音波溶接及び音波切断を行うことができる。
【0030】
実施形態及び実施例における上述の説明は、説明の目的で提示されている。記載の形態を網羅したり限定することを意図するものではない。上記の教示に照らして多くの変形が可能である。これらの変形の一部が論じられ、他の部分は当業者によって理解されるであろう。実施形態は、様々な実施形態の例示のために選択され、説明されている。当然、この範囲は本明細書に記載の例又は実施形態に限定されるものではなく、当業者による多くの適用及び均等物に採用することができる。むしろ、本明細書に添付された特許請求の範囲によって範囲が定義されることを意図している。