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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-26
(45)【発行日】2024-07-04
(54)【発明の名称】検索装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/29 20190101AFI20240627BHJP
【FI】
G06F16/29
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021533021
(86)(22)【出願日】2020-07-09
(86)【国際出願番号】 JP2020026901
(87)【国際公開番号】W WO2021010290
(87)【国際公開日】2021-01-21
【審査請求日】2023-05-11
(31)【優先権主張番号】P 2019130076
(32)【優先日】2019-07-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100121980
【弁理士】
【氏名又は名称】沖山 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100128107
【弁理士】
【氏名又は名称】深石 賢治
(72)【発明者】
【氏名】大西 杏菜
(72)【発明者】
【氏名】川崎 仁嗣
(72)【発明者】
【氏名】深澤 佑介
【審査官】齊藤 貴孝
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-160283(JP,A)
【文献】特開2018-055345(JP,A)
【文献】特開2017-091045(JP,A)
【文献】特開2016-091218(JP,A)
【文献】特開2013-077045(JP,A)
【文献】特開2006-277168(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00-16/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定の地点を示し1以上の所定の属性フィールドごとの属性情報が関連付けられた施設情報を検索する検索装置であって、
前記施設情報は、当該施設情報により示される地点の位置を示す位置情報を含み、
検索クエリを取得する取得部と、
前記検索クエリに、前記属性フィールドに対応する属性要素に該当する文字列が含まれている場合に、該文字列を特定クエリとして抽出する抽出部と、
前記特定クエリに基づく当該特定クエリが該当する属性要素に対応する前記属性フィールドの属性情報に対する検索を第1の検索として実施する検索部と、
前記第1の検索の結果に基づいて、施設情報を出力する出力部と、
地名と当該地名に該当する地理的範囲とを関連付けた地名情報を参照し、前記施設情報に含まれる位置情報が前記地名情報における地理的範囲に属する場合に、該地理的範囲に関連付けられた地名を地名の前記属性フィールドの属性情報として前記施設情報に関連付ける地名情報生成部と
備える検索装置。
【請求項2】
前記出力部は、前記属性フィールドの属性情報に対する前記特定クエリの一致度合いに基づいて、前記施設情報を出力する、
請求項1に記載の検索装置。
【請求項3】
前記1以上の属性フィールドは、地名を属性情報として前記施設情報に関連付けるための属性フィールドを含み、
前記抽出部は、前記検索クエリから、地名を表す文字列を特定クエリとして抽出し、
前記検索部は、前記地名を表す特定クエリに基づいて、地名の属性フィールドを検索する、
請求項1または2に記載の検索装置。
【請求項4】
前記1以上の属性フィールドは、地点のカテゴリを属性情報として前記施設情報に関連付けるための属性フィールドを含み、
前記抽出部は、前記検索クエリから、地点のカテゴリを表す文字列を特定クエリ要素として抽出し、
前記検索部は、前記カテゴリを表す特定クエリに基づいて、前記カテゴリの属性フィールドを検索する、
請求項1~3のいずれか一項に記載の検索装置。
【請求項5】
施設情報は、地点の名称を表す施設名称を、施設名称の属性フィールドの属性情報として含み、
前記検索装置は、
前記検索クエリをそれぞれが形態素からなる1以上のクエリ要素に分解する分解部、をさらに備え、
前記検索部は、前記検索クエリに含まれるクエリ要素に基づいて、前記施設名称の属性フィールドに対する検索を第2の検索として実施し、
前記出力部は、各施設情報における前記施設名称に対する前記クエリ要素の一致度合い及び前記属性フィールドの属性情報に対する前記特定クエリの一致度合いに基づいて、前記施設情報を出力する、
請求項1~4のいずれか一項に記載の検索装置。
【請求項6】
前記出力部は、前記検索部による検索において、前記特定クエリを含むクエリ要素の一の施設情報の各属性フィールドの属性情報に対する一致数の合計が予め設定された所定数以上である場合に、前記一の施設情報を検索の結果として出力する、
請求項1~のいずれか一項に記載の検索装置。
【請求項7】
前記抽出部は、前記検索クエリ中における前記特定クエリの含まれ方のパターンであるクエリパターンを予め複数規定したクエリパターン情報を参照し、前記取得部により取得された前記検索クエリに対応する前記クエリパターンに基づいて、該検索クエリから前記特定クエリを抽出する、
請求項1~のいずれか一項に記載の検索装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検索装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特定の地点を示しPOI(Point of Interest)と言われる施設情報の検索において、入力された文字列からなるクエリを形態素に分解し、登録されている施設情報の施設の名称の、クエリに含まれる形態素に対する一致の度合いに基づいて抽出された施設情報が検索結果として出力される。地点の検索の技術として、利用者が思いつくままに入力したキーワードに基づいて設定された検索条件に基づいて検索が行われる技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2005-265668号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
施設情報の検索において、施設のカテゴリ及び地名等に例示されるような施設の属性を示す語句が入力される場合がある。そのような語句を施設の名称に対するクエリとして検索が行われても、属性を示す語句が施設名称に含まれているとは限らないので、ユーザが所望するような検索結果が得られないこととなっていた。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、施設情報の検索において、ユーザの意図に沿う検索結果を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の一形態に係る検索装置は、特定の地点を示し1以上の所定の属性フィールドごとの属性情報が関連付けられた施設情報を検索する検索装置であって、検索クエリを取得する取得部と、検索クエリに、属性フィールドに対応する属性要素に該当する文字列が含まれている場合に、該文字列を特定クエリとして抽出する抽出部と、特定クエリに基づく当該特定クエリが該当する属性要素に対応する属性フィールドの属性情報に対する検索を第1の検索として実施する検索部と、第1の検索の結果に基づいて、施設情報を出力する出力部と、を備える。
【0007】
上記の形態によれば、施設情報における属性フィールドに対応する属性要素が検索クエリから特定クエリとして抽出される。これにより、属性フィールドの属性情報として含まれ得る文字列が特定クエリとして抽出される。そして、特定クエリに基づいて、当該特定クエリに対応する属性フィールドの属性情報に対する検索の結果に基づいて施設情報が出力される。従って、検索クエリに含まれている語句に基づく、その語句に対応する適切な属性フィールドに対する検索が行われることとなるので、ユーザの意図に沿う検索結果を得ることが可能となる。
【発明の効果】
【0008】
施設情報の検索において、ユーザの意図に沿う検索結果を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態の検索装置を含む検索システムの機能的構成を示すブロック図である。
図2】検索装置のハードブロック図である。
図3】検索クエリの例及び当該検索クエリを分解して得られるクエリ要素の例を示す図である。
図4】施設情報記憶部に記憶されている施設情報の例を示す図である。
図5図5(a)は、都道府県の名称を記憶している地名辞書の例を示す図である。図5(b)は、市区町村群の名称を記憶している地名辞書の例を示す図である。
図6】地名情報記憶部に記憶されている地名情報であって、地名ごとに地理的範囲が関連付けられた地名情報の例を示す図である。
図7】所定の提供元から提供された施設情報の例を示す図である。
図8図7に示す施設情報に対しての地名の関連付けの例を示す図である。
図9】クエリパターン情報の例を示す図である。
図10】検索装置における検索方法の処理内容を示すフローチャートである。
図11】検索プログラムの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明に係る検索装置の実施形態について図面を参照して説明する。なお、可能な場合には、同一の部分には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
【0011】
図1は、本実施形態に係る検索装置を含む検索システムの機能的構成を示す図である。図1に示すように、検索システム1は、検索装置10及び各種の記憶部20,30,50,60を含む。
【0012】
検索装置10は、特定の地点を示すPOIと言われる施設情報を検索する装置である。施設情報は、1以上の所定の属性フィールドごとの属性情報が関連付けられている。
【0013】
検索装置10に含まれる各機能部11~16は、各種の記憶部20,30,50,60にアクセス可能に構成されている。検索装置10及び各種の記憶部20,30,50,60は、1つの装置として構成されてもよいし、それぞれが別の装置に構成されてもよい。
【0014】
検索装置10は、図1に示すように、機能的には、取得部11、分解部12、抽出部13、検索部14、出力部15及び地名情報生成部16を備える。これらの各機能部11~16は、一つの装置に構成されてもよいし、複数の装置に分散されて構成されてもよい。
【0015】
なお、図1に示したブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的又は論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的又は間接的に(例えば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置又は上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
【0016】
機能には、判断、決定、判定、計算、算出、処理、導出、調査、探索、確認、受信、送信、出力、アクセス、解決、選択、選定、確立、比較、想定、期待、見做し、報知(broadcasting)、通知(notifying)、通信(communicating)、転送(forwarding)、構成(configuring)、再構成(reconfiguring)、割り当て(allocating、mapping)、割り振り(assigning)などがあるが、これらに限られない。たとえば、送信を機能させる機能ブロック(構成部)は、送信部(transmitting unit)や送信機(transmitter)と呼称される。いずれも、上述したとおり、実現方法は特に限定されない。
【0017】
例えば、本発明の一実施の形態における検索装置10は、コンピュータとして機能してもよい。図2は、本実施形態に係る検索装置10のハードウェア構成の一例を示す図である。検索装置10は、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
【0018】
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。検索装置10のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
【0019】
検索装置10における各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることで、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信や、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び/又は書き込みを制御することで実現される。
【0020】
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)で構成されてもよい。例えば、図1に示した各機能部11~16などは、プロセッサ1001で実現されてもよい。
【0021】
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールやデータを、ストレージ1003及び/又は通信装置1004からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態で説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、検索装置10の各機能部11~16は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001で動作する制御プログラムによって実現されてもよい。上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001で実行される旨を説明してきたが、2以上のプロセッサ1001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップで実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されても良い。
【0022】
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)などの少なくとも1つで構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本発明の一実施の形態に係る検索方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
【0023】
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD-ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つで構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記憶媒体は、例えば、メモリ1002及び/又はストレージ1003を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
【0024】
通信装置1004は、有線及び/又は無線ネットワークを介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。
【0025】
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
【0026】
また、プロセッサ1001やメモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007で接続される。バス1007は、単一のバスで構成されてもよいし、装置間で異なるバスで構成されてもよい。
【0027】
また、検索装置10は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つで実装されてもよい。
【0028】
次に、検索装置10の各機能部について説明する。取得部11は、検索クエリを取得する。具体的には、取得部11は、ユーザの端末(図示せず)においてユーザにより入力された検索クエリを、ネットワークを介して取得する。検索装置10がユーザの端末に構成される場合には、取得部11は、検索装置10における入力装置1005を介して入力された検索クエリを取得する。
【0029】
分解部12は、検索クエリをそれぞれが形態素からなる1以上のクエリ要素に分解する。具体的には、分解部12は、例えば周知の形態素解析の手法により、検索クエリを形態素に分解する。図3は、検索クエリの例及び当該検索クエリを分解して得られるクエリ要素の例を示す図である。図3に示すように、取得部11は、例えば「横浜の携帯ショップ」といった検索クエリq1を取得する。分解部12は、検索クエリq1を、「横浜/携帯/ショップ」といった3つのクエリ要素el1に分解する。
【0030】
ここで、図4を参照して、検索の対象となる施設情報について説明する。図4は、施設情報記憶部20に記憶されている施設情報の例を示す図である。即ち、施設情報記憶部20は、施設情報を記憶している記憶手段である。図4に示されるように、施設情報記憶部20は、各施設情報を識別するIDごとに、施設名称、都道府県、市区町村群及び最寄駅・周辺駅といった属性フィールドごとの属性情報を記憶している。これらの情報のうち、都道府県及び市区町村群の属性フィールドに記憶されている属性情報は、地名である。また、最寄駅・周辺駅の属性フィールドに記憶されている属性情報も地名として扱われてもよい。
【0031】
従来の施設情報の検索では、例えば、検索クエリに含まれるクエリ要素の、施設情報における施設名称のフィールドの属性情報に対する一致数の多い施設情報を上位とする検索結果が出力されていた。
【0032】
例えば、「横浜/携帯/ショップ」といった3つのクエリ要素の、ID「1」の施設情報の施設名称「携帯ショップ 渋谷店」に対する一致数は、「携帯」、「ショップ」の2である。同クエリ要素の、ID「2」の施設情報の施設名称「携帯ショップ 横浜店」に対する一致数は、「携帯」、「ショップ」、「横浜」の3である。同クエリ要素の、ID「3」の施設情報の施設名称「携帯ショップ 戸塚店」に対する一致数は、「携帯」、「ショップ」の2である。
【0033】
従って、一致数が最も多いID「2」の施設情報が検索結果において最上位となる。ID「1」とID「3」の施設情報のクエリ要素に対する一致数はともに2であるが、その場合には、例えばIDの昇順に順位が付されることとなるので、ID「1」の「携帯ショップ 渋谷店」の方が、ID「3」の「携帯ショップ 戸塚店」よりも上位となる。
【0034】
しかしながら、「横浜の携帯ショップ」という検索クエリを鑑みると、横浜市に所在する「携帯ショップ 戸塚店」の方が、「携帯ショップ 渋谷店」より上位となるような検索結果がユーザの意図に沿うものである。このように、従来の検索では、ユーザの意図しない検索結果が出力される場合があった。本実施形態の検索装置10は、このようなユーザの意図しない検索結果が出力されることを改善するものである。
【0035】
再び図1を参照して、抽出部13は、取得部11により取得された検索クエリに、施設情報の属性フィールドに対応する属性要素に該当する文字列が含まれている場合に、属性要素に該当する文字列を特定クエリとして抽出する。
【0036】
本実施形態では、施設情報が、地名を属性情報として含むための属性フィールドを有するので、抽出部13は、検索クエリに地名が含まれている場合に、地名を表す文字列を特定クエリとして抽出してもよい。抽出部13は、地名を表す文字列を特定クエリとして抽出するために、地名辞書記憶部30に記憶されている地名辞書を参照する。地名辞書記憶部30は、地名辞書を記憶している記憶手段である。図5(a)は、都道府県の名称を記憶している地名辞書の例を示す図である。図5(b)は、市区町村群の名称を記憶している地名辞書の例を示す図である。抽出部13は、図5(a)及び図5(b)に示される地名辞書を参照して、「横浜/携帯/ショップ」という3つのクエリ要素からなる検索クエリから、「横浜」を特定クエリとして抽出する。
【0037】
本実施形態では、地名を表す文字列からなるクエリ要素を特定クエリとして抽出することとしているが、例えば、施設情報により示される地点のカテゴリを表す文字列を特定クエリとして抽出することとしてもよい。カテゴリは、例えば、カフェ、レストラン、観光施設等の当該施設の種別を表す情報である。その場合には、検索装置10は、カテゴリを示す語を予め記憶しているカテゴリ辞書を有することとする。
【0038】
検索部14は、特定クエリに基づく当該特定クエリが該当する属性要素に対応する属性フィールドの属性情報に対する検索を実施する。本実施形態では、地名が特定クエリとして抽出されるので、検索部14は、地名の属性フィールドの属性情報に対して、特定クエリに基づく検索を実施する。例えば、「横浜」という語句が特定クエリとして抽出された場合には、検索部14は、特定クエリ「横浜」に基づいて、施設情報の「都道府県」及び「市区町村群」の属性フィールドを検索する。そして、検索部14は、施設情報ごとに、特定クエリ「横浜」の「都道府県」及び「市区町村群」の属性フィールドの属性情報に対する一致の度合い及び一致数等に基づくスコアを取得する。
【0039】
また、検索部14は、特定クエリによる、対応する属性フィールドの属性情報に対する検索と併せて、検索クエリに基づく施設名称(POI)に対する検索を実施して、一致の度合いに基づくスコアを取得してもよい。具体的には、検索部14は、検索クエリ「横浜の携帯ショップ」から得られるクエリ要素「横浜/携帯/ショップ」に基づいて、図4に示される施設情報における施設名称のフィールドに対する検索を実施する。そして、検索部14は、施設情報ごとに、クエリ要素「横浜/携帯/ショップ」の、施設名称のフィールドに記憶されている施設名称に対する一致の度合い及び一致数等に基づくスコアを取得する。
【0040】
このような、施設情報における特定のフィールドの属性情報に対するクエリによる検索を、(フィールド:クエリ)として表すと、上記のような検索における検索クエリ式は、以下のように表される。
(施設名称:横浜の携帯ショップ)OR((施設名称:横浜の携帯ショップ)AND(地名:横浜))
【0041】
「OR」より前の部分のクエリ式(施設名称:横浜の携帯ショップ)は、従来型の検索と捉えることができる。この検索クエリ式により、例えば、所在地を表す地名とは異なる地名が施設名称に含まれているような施設情報を検索することができる。また、「OR」より後の部分のクエリ式((施設名称:横浜の携帯ショップ)AND(地名:横浜))は、検索クエリに含まれる特定クエリに基づく特定の属性フィールドに対する検索のためである。検索部14は、「OR」より前の部分のクエリ式による検索及び「OR」より後の部分のクエリ式による検索をそれぞれ実施し、それぞれの検索における一致度合いに基づくスコアを独立して計算し、それらのスコアを合算したスコアを、上記の検索クエリ式による検索結果として出力してもよい。
【0042】
再び図1を参照して、出力部15は、検索部14による検索の結果に基づいて、施設情報を出力する。具体的には、出力部15は、属性フィールドの属性情報に対する特定クエリの一致度合いに基づいて、施設情報を出力する。例えば、出力部15は、施設名称を含む属性情報に対するクエリ要素の一致度合い及び一致数等に基づく施設情報ごとのスコアを、検索部14による検索結果として取得し、スコアの降順に施設情報を出力する。
【0043】
本実施形態の検索装置10により、検索クエリ「横浜の携帯ショップ」に基づいて図4に示される施設情報に対する検索の例を以下に説明する。取得部11による検索クエリ「横浜の携帯ショップ」が取得された場合には、「横浜/携帯/ショップ」といった3つのクエリ要素が取得されると共に特定クエリ「横浜」が抽出される。
【0044】
ID「1」の施設情報の施設名称「携帯ショップ 渋谷店」に対する「横浜/携帯/ショップ」といった3つのクエリ要素の一致数は、「携帯」、「ショップ」の2である。また、ID「1」の施設情報の地名のフィールド(都道府県、市町村群)の属性情報「東京都」、「渋谷区」に対する特定クエリ「横浜」の一致数は0である。従って、検索部14は、検索クエリ「横浜の携帯ショップ」に基づくID「1」の施設情報に対する検索結果として、スコア「2」を得る。
【0045】
ID「2」の施設情報の施設名称「携帯ショップ 横浜店」に対する「横浜/携帯/ショップ」といった3つのクエリ要素の一致数は、「携帯」、「ショップ」、「横浜」の3である。また、ID「2」の施設情報の地名のフィールド(都道府県、市町村群)の属性情報「神奈川県」、「横浜市、西区」に対する特定クエリ「横浜」の一致数は1である。従って、検索部14は、検索クエリ「横浜の携帯ショップ」に基づくID「2」の施設情報に対する検索結果として、スコア「4」を得る。
【0046】
ID「3」の施設情報の施設名称「携帯ショップ 戸塚店」に対する「横浜/携帯/ショップ」といった3つのクエリ要素の一致数は、「携帯」、「ショップ」の2である。また、ID「3」の施設情報の地名のフィールド(都道府県、市町村群)の属性情報「神奈川県」、「横浜市、戸塚」に対する特定クエリ「横浜」の一致数は1である。従って、検索部14は、検索クエリ「横浜の携帯ショップ」に基づくID「3」の施設情報に対する検索結果として、スコア「3」を得る。
【0047】
従って、出力部15は、スコアの降順に、以下のように施設情報を出力する。
1.ID「2」、施設名称「携帯ショップ 横浜店」、・・・
2.ID「3」、施設情報「携帯ショップ 戸塚店」、・・・
3.ID「1」、施設情報「携帯ショップ 渋谷店」、・・・
【0048】
このように、従来の検索では、「携帯ショップ 戸塚店」より「携帯ショップ 渋谷店」が上位に出力されていたところ、本実施形態の検索では、「携帯ショップ 戸塚店」が「携帯ショップ 渋谷店」より上位に出力される。従って、ユーザの意図に沿う施設情報の検索が実現される。
【0049】
なお、出力部15は、検索部14による検索において、特定クエリを含むクエリ要素の一の施設情報の各属性フィールドの属性情報に対する一致数の合計が予め設定された所定数以上である場合に、一の施設情報を検索の結果として出力することとしてもよい。以下、このような検索の結果の出力について説明する。
【0050】
従来の施設情報の検索では、検索クエリに含まれるクエリ要素の同フィールド内における属性情報との一致数が、検索結果として出力されることの条件として設定される場合があった。かかる条件のもとでは、ある施設情報の複数の属性フィールドのそれぞれにおいて、特定クエリを含むクエリ要素が属性情報に一致しても、各属性フィールドのそれぞれにおける一致数が条件として設定された一致数未満であった場合には、その施設情報は検索結果として出力されないこととなる。
【0051】
これに対して、本実施形態の検索では、出力部15が、特定クエリを含むクエリ要素の一の施設情報の各属性フィールドの属性情報に対する一致数の合計が予め設定された所定数以上である場合に、一の施設情報を検索の結果として出力するので、属性フィールドごとの属性情報に対するクエリ要素の一致度合いが低い場合であっても、複数の属性フィールドを跨いでクエリ要素の施設情報に対する一致度合いが判断されることとなり、入力された検索クエリに応じた、ユーザが意図するような施設情報を検索結果として得ることが可能となる。
【0052】
再び図1を参照して、地名情報生成部16は、所定の提供元から提供された施設情報が、属性情報としての地名を含んでおらず、緯度及び経度により表される位置情報を含んでいた場合に、適切な地名を、地名の属性フィールドの属性情報として施設情報に関連付ける。具体的には、地名情報生成部16は、地名と当該地名に該当する地理的範囲とを関連付けた地名情報を参照し、施設情報に含まれる位置情報が地名情報における地理的範囲に属する場合に、当該地理的範囲に関連付けられた地名を地名の属性フィールドの属性情報として施設情報に関連付ける。以下、具体的に説明する。
【0053】
図6は、地名情報記憶部50に記憶されている地名情報の例を示す図である。地名情報記憶部50は、地名情報を記憶している記憶手段である。図6に示すように、地名情報記憶部50は、グリッドIDごとに、地名を表す都道府県、市、区等の情報、及び、グリッドIDにより識別されるメッシュの地理的範囲を、地名情報として記憶している。地理的範囲は、緯度及び経度によりメッシュの範囲を特定する情報である。
【0054】
図7は、所定の提供元から提供された施設情報(POI)の例を示す図である。図7に示されるように、提供された施設情報は、施設名称「携帯ショップ 長津田店」及び当該施設の所在位置を示す緯度「35.495」及び経度「139.562」の情報を有している。
【0055】
地名情報生成部16は、図6に例示した地名情報の地理的範囲を参照して、提供された施設情報の緯度及び経度が該当するグリッドID並びに都道府県、市及び区として表される地名を抽出する。具体的には、地名情報生成部16は、緯度「35.495」及び経度「139.562」が地理的範囲「lat1lng3」に該当することに基づいて、都道府県「神奈川県」、市「横浜市」及び区「緑区」という地名の情報を取得する。そして、図8の施設情報に示されるように、地名情報生成部16は、都道府県「神奈川県」、市「横浜市」及び区「緑区」という地名の情報を、施設名称「携帯ショップ 長津田店」に属性情報として関連付けて、施設情報記憶部20に施設情報として記憶させる(図8の施設情報において矢印により示されるレコードを参照)。
【0056】
次に、検索クエリに基づく特定クエリの抽出及び検索クエリ式の生成の例について説明する。抽出部13は、クエリパターン情報を参照し、取得部11により取得された検索クエリに対応するクエリパターンに基づいて、検索クエリから特定クエリを抽出してもよい。クエリパターン情報は、検索クエリ中における特定クエリの含まれ方のパターンであるクエリパターンを予め複数規定した情報である。クエリパターン記憶部60は、クエリパターン情報を記憶している記憶手段である。
【0057】
図9は、クエリパターン記憶部60に記憶されているクエリパターン情報の例を示す図である。図9に示されるように、クエリパターン情報は、規定されたクエリパターンを識別するIDごとに、クエリパターン及びクエリ式を含む。
【0058】
抽出部13は、例えば、取得部11により検索クエリ「横浜にあるカフェ」が取得された場合には、クエリパターン情報のクエリパターンを参照して、該当するID「1」のクエリパターン「A:location,(の/にある/…):助詞,B:category」を抽出する。そして、抽出部13は、クエリパターンの「A」に相当する「横浜」を、「location(地名)」の属性フィールドを検索するための特定クエリとして抽出する。また、抽出部13は、クエリパターンの「B」に相当する「カフェ」を、「category(カテゴリ)」の属性フィールドを検索するための特定クエリとして抽出する。
【0059】
検索部14は、クエリパターン情報に規定された検索クエリ式に基づいて施設情報の検索を実施してもよい。図9における検索クエリ式では、特定のフィールドの属性情報に対するクエリによる検索を、(フィールド:クエリ)として表される。例えば、ID「1」の検索クエリ式「(address:A OR par_1:A OR par_2:A)) AND (category:B)」において、address、par_1、par_2はそれぞれ、住所、都道府県、市区町村群の属性フィールドを表す。また、categoryは、カテゴリの属性フィールドを表す。従って、検索部14は、検索クエリ「横浜にあるカフェ」に基づいて、クエリパターンの「A」に相当する「横浜」を特定クエリとして、住所、都道府県又は市区町村群の属性フィールドを検索し、且つ、クエリパターンの「B」に相当する「カフェ」を特定クエリとして、カテゴリの属性フィールドを検索する。
【0060】
このように、予め設定されたクエリパターン情報を参照することにより、自由に入力された検索クエリからの特定クエリの抽出が容易となる。
【0061】
図10は、検索装置10における検索方法の処理内容を示すフローチャートである。
【0062】
ステップS1において、取得部11は、検索クエリを取得する。続くステップS2において、抽出部13は、取得部11により取得された検索クエリに、施設情報の属性フィールドに対応する属性要素に該当する文字列が含まれている場合に、属性要素に該当する文字列を特定クエリとして抽出する。
【0063】
ステップS3において、検索部14は、特定クエリに基づく当該特定クエリが該当する属性要素に対応する属性フィールドの属性情報に対する検索を実施する。
【0064】
ステップS4において、出力部15は、ステップS4における検索部14による検索の結果に基づいて、施設情報を出力する。具体的には、出力部15は、属性フィールドの属性情報に対する特定クエリの一致度合いに基づいて、施設情報を出力する。
【0065】
次に、コンピュータを、本実施形態の検索装置10として機能させるための検索プログラムについて説明する。図11は、検索プログラムの構成を示す図である。
【0066】
検索プログラムP1は、検索装置10における検索処理を統括的に制御するメインモジュールm10、取得モジュールm11、分解モジュールm12、抽出モジュールm13、検索モジュールm14、出力モジュールm15、地名情報生成モジュールm16を備えて構成される。そして、各モジュールm11~m16により、取得部11、分解部12、抽出部13、検索部14、出力部15、地名情報生成部16のための各機能が実現される。
【0067】
なお、検索プログラムP1は、通信回線等の伝送媒体を介して伝送される態様であってもよいし、図11に示されるように、記録媒体M1に記憶される態様であってもよい。
【0068】
以上説明した本実施形態の検索装置10、検索方法及び検索プログラムP1では、施設情報における属性フィールドに対応する属性要素が検索クエリから特定クエリとして抽出される。これにより、属性フィールドの属性情報として含まれ得る文字列が特定クエリとして抽出される。そして、特定クエリに基づいて、当該特定クエリに対応する属性フィールドの属性情報に対する検索の結果に基づいて施設情報が出力される。従って、検索クエリに含まれている語句に基づく、その語句に対応する適切な属性フィールドに対する検索が行われることとなるので、ユーザの意図に沿う検索結果を得ることが可能となる。
【0069】
また、別の形態に係る検索装置では、出力部は、属性フィールドの属性情報に対する特定クエリの一致度合いに基づいて、施設情報を出力することとしてもよい。
【0070】
上記形態によれば、特定クエリに対する一致度合いが高い属性情報を有する施設情報が出力されるので、ユーザの意図に沿う検索結果を得ることができる。
【0071】
また、別の形態に係る検索装置では、1以上の属性フィールドは、地名を属性情報として施設情報に関連付けるための属性フィールドを含み、抽出部は、検索クエリから、地名を表す文字列を特定クエリとして抽出し、検索部は、地名を表す特定クエリに基づいて、地名の属性フィールドを検索することとしてもよい。
【0072】
上記形態によれば、検索クエリとして入力された地名を属性情報として有する施設情報が出力される。従って、ユーザが検索結果に対して所望する地名に関連がある施設情報を検索結果として得ることができる。
【0073】
また、別の形態に係る検索装置では、1以上の属性フィールドは、地点のカテゴリを属性情報として施設情報に関連付けるための属性フィールドを含み、抽出部は、検索クエリから、地点のカテゴリを表す文字列を特定クエリ要素として抽出し、検索部は、カテゴリを表す特定クエリに基づいて、カテゴリの属性フィールドを検索することとしてもよい。
【0074】
上記形態によれば、検索クエリとして入力されたカテゴリを属性情報として有する施設情報が出力される。従って、ユーザが検索結果に対して所望するカテゴリに関連がある施設情報を検索結果として得ることができる。
【0075】
また、別の形態に係る検索装置では、施設情報は、地点の名称を表す施設名称を、施設名称の属性フィールドの属性情報として含み、検索装置は、検索クエリをそれぞれが形態素からなる1以上のクエリ要素に分解する分解部、をさらに備え、検索部は、検索クエリに含まれるクエリ要素に基づいて、施設名称の属性フィールドに対する検索を第2の検索として実施し、出力部は、各施設情報における施設名称に対するクエリ要素の一致度合い及び属性フィールドの属性情報に対する特定クエリの一致度合いに基づいて、施設情報を出力することとしてもよい。
【0076】
上記形態によれば、検索クエリに含まれるクエリ要素に基づく施設名称に対する検索が第2の検索として更に実施され、第1の検索における特定クエリの属性情報に対する一致度合い及び第2の検索におけるクエリ要素の施設名称に対する一致度合いを併せた検索結果に基づいて、施設情報が出力される。これにより、ユーザが検索結果に対して所望する名称及び属性情報を有する施設情報を、検索結果として得ることが可能となる。
【0077】
また、別の形態に係る検索装置では、施設情報は、当該施設情報により示される地点の位置を示す位置情報を含み、検索装置は、地名と当該地名に該当する地理的範囲とを関連付けた地名情報を参照し、施設情報に含まれる位置情報が地名情報における地理的範囲に属する場合に、該地理的範囲に関連付けられた地名を地名の属性フィールドの属性情報として施設情報に関連付ける地名情報生成部、を更に備えることとしてもよい。
【0078】
上記形態によれば、位置情報が関連付けられた施設情報に対して、当該位置情報により示される位置が属する地名を、施設情報に属性情報として関連付けることができる。従って、地名を含む検索クエリによって、施設情報を検索することが可能となる。
【0079】
また、別の形態に係る検索装置では、出力部は、検索部による検索において、特定クエリを含むクエリ要素の一の施設情報の各属性フィールドの属性情報に対する一致数の合計が予め設定された所定数以上である場合に、一の施設情報を検索の結果として出力することとしてもよい。
【0080】
上記形態によれば、属性フィールドごとの属性情報に対するクエリ要素の一致度合いが低い場合であっても、複数の属性フィールドを跨いでクエリ要素の施設情報に対する一致度合いが判断されるので、入力された検索クエリに応じた、ユーザが意図するような施設情報を検索結果として得ることが可能となる。
【0081】
また、別の形態に係る検索装置では、抽出部は、検索クエリ中における特定クエリの含まれ方のパターンであるクエリパターンを予め複数規定したクエリパターン情報を参照し、取得部により取得された検索クエリに対応するクエリパターンに基づいて、該検索クエリから特定クエリを抽出することとしてもよい。
【0082】
上記形態によれば、自由に入力された検索クエリからの特定クエリの抽出が容易となる。
【0083】
以上、本実施形態について詳細に説明したが、当業者にとっては、本実施形態が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本実施形態は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本実施形態に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【0084】
本明細書で説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE-A(LTE-Advanced)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4G、5G、FRA(Future Radio Access)、W-CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi-Fi)、IEEE 802.16(WiMAX)、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及び/又はこれらに基づいて拡張された次世代システムに適用されてもよい。
【0085】
本明細書で説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本明細書で説明した方法については、例示的な順序で様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0086】
入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルで管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、または追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
【0087】
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:trueまたはfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0088】
本明細書で説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
【0089】
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示が本開示中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本開示は、請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とするものであり、本開示に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【0090】
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
【0091】
また、ソフトウェア、命令などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア及びデジタル加入者回線(DSL)などの有線技術及び/又は赤外線、無線及びマイクロ波などの無線技術を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び/又は無線技術は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0092】
本開示において説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0093】
なお、本開示において説明した用語及び/又は本明細書の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。
【0094】
本明細書で使用する「システム」および「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
【0095】
また、本明細書で説明した情報、パラメータなどは、絶対値で表されてもよいし、所定の値からの相対値で表されてもよいし、対応する別の情報で表されてもよい。
【0096】
本開示で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up、search、inquiry)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。また、「判断(決定)」は、「想定する(assuming)」、「期待する(expecting)」、「みなす(considering)」などで読み替えられてもよい。
【0097】
本開示で使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0098】
本明細書で「第1の」、「第2の」などの呼称を使用した場合においては、その要素へのいかなる参照も、それらの要素の量または順序を全般的に限定するものではない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本明細書で使用され得る。したがって、第1および第2の要素への参照は、2つの要素のみがそこで採用され得ること、または何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
【0099】
「含む(include)」、「含んでいる(including)」、およびそれらの変形が、本明細書あるいは特許請求の範囲で使用されている限り、これら用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本明細書あるいは特許請求の範囲において使用されている用語「または(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0100】
本明細書において、文脈または技術的に明らかに1つのみしか存在しない装置である場合以外は、複数の装置をも含むものとする。
【0101】
本開示の全体において、文脈から明らかに単数を示したものではなければ、複数のものを含むものとする。
【符号の説明】
【0102】
1…検索システム、10…検索装置、11…取得部、12…分解部、13…抽出部、14…検索部、15…出力部、16…地名情報生成部、20…施設情報記憶部、30…地名辞書記憶部、50…地名情報記憶部、60…クエリパターン記憶部、M1…記録媒体、m10…メインモジュール、m11…取得モジュール、m12…分解モジュール、m13…抽出モジュール、m14…検索モジュール、m15…出力モジュール、m16…地名情報生成モジュール、P1…検索プログラム。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11