(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-26
(45)【発行日】2024-07-04
(54)【発明の名称】自動運転車用自律放送システム
(51)【国際特許分類】
G05D 1/43 20240101AFI20240627BHJP
【FI】
G05D1/43
(21)【出願番号】P 2021540463
(86)(22)【出願日】2019-01-23
(86)【国際出願番号】 CN2019072793
(87)【国際公開番号】W WO2020150916
(87)【国際公開日】2020-07-30
【審査請求日】2021-07-12
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】519232057
【氏名又は名称】霊動科技(北京)有限公司
【氏名又は名称原語表記】LINGDONG TECHNOLOGY (BEIJING) CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】C4, Beijing Shangde Intelligent Manufacturing Industrial Park,No.10 Jiancaicheg East Road, Xisanqi, Haidian District, Beijing, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】チ オウ
(72)【発明者】
【氏名】チェン チャンリン
【審査官】大古 健一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0129201(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0353280(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0210382(US,A1)
【文献】特開2005-209090(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05D 1/00 - 1/87
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動運転システムであって、
1つ又は複数の電動式車輪を有する本体と、
前記本体の端部に直立位置で結合されたコンソールと、
前記コンソールに配置され、1つ又は複数のモバイルデバイスに通知を送信するように動作可能な放送システムと、を含み、
前記放送システムは、第1タイプの位置決めシステムを使用し、前記1つ又は複数のモバイルデバイスは、前記第1タイプの位置決めシステムとは異なる第2タイプの位置決めシステムを使用し、
前記第1タイプの位置決めシステムは、同時の位置推定と地図作成(SLAM)又は視覚SLAM(VSLAM)ベースのシステム、慣性計測システム、マーカー、又はそれらの任意の組み合わせを含む
位置決めシステムであり、
前記本体の高さを調整するように動作可能なアクチュエータと、
前記本体に着脱可能に配置され、車輪と在庫支持面を含む在庫ホルダーとをさらに含み、
前記放送システムの通知は放送範囲を有し、
予め定められた前記放送範囲内にいる作業者、又は指定エリアに責任のある作業者のみによって受信され、前記放送範囲は、前記本体から排出された前記在庫ホルダーに位置する中心を有する
ことを特徴とする自動運転システム。
【請求項2】
前記第2タイプの位置決めシステムは、WiFi/LiFiベースの位置決めシステム、ブルートゥース(登録商標)ビーコン、磁気位置決めシステム、推測航法技術を使用するシステム、又はそれらの任意の組み合わせを含む低精度位置決めシステムである、ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記1つ又は複数のモバイルデバイスは、携帯電話、タブレット、リストバンド、コンピュータ、又はそれらの任意の組み合わせを含む、ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記通知は放送範囲を有し、前記放送範囲は、前記本体に位置する中心を有する、ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
1つ又は複数の電動式車輪、第1端部、及び前記第1端部に対向する第2端部を有する本体と、
前記本体の第1端部に直立位置で結合されたコンソールと、
前記コンソールに配置された放送システムと、を含む自動運転システムであって、
前記放送システムは、推定距離が予め定められた範囲内にあるすべてのモバイルデバイスに通知を送信するように動作可能であり、前記推定距離は、前記モバイルデバイスと前記本体との間の距離を規定し、前記放送システムによって使用される第1タイプの位置決めシステム及び前記モバイルデバイスによって使用される第2タイプの位置決めシステムに基づいて決定され、前記第1タイプの位置決めシステムは、前記第2タイプの位置決めシステムとは異なり、
前記第1タイプの位置決めシステムは、同時の位置推定と地図作成(SLAM)又は視覚SLAM(VSLAM)ベースのシステム、慣性計測システム、マーカー、又はそれらの任意の組み合わせを含む
位置決めシステムであり、
前記モバイルデバイスのうちの1つ又は複数は、施設の第1指定エリアに対して責任のあるレシピエントに関連し、
前記通知は、前記第1指定エリアで実行されるジョブタスクに関する、
ことを特徴とする自動運転システム。
【請求項6】
前記モバイルデバイスのうちの1つ又は複数は、前記第1指定エリアに隣接する前記施設の第2指定エリアに対して責任のあるレシピエントに関連する、ことを特徴とする請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記第2タイプの位置決めシステムは、WiFi/LiFiベースの位置決めシステム、ブルートゥースビーコン、磁気位置決めシステム、推測航法技術を使用するシステム、又はそれらの任意の組み合わせを含む低精度位置決めシステムである、ことを特徴とする請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
前記コンソールに結合されたカメラをさらに含み、前記カメラは2つの回転軸を提供する、ことを特徴とする請求項5に記載のシステム。
【請求項9】
前記コンソールに枢動可能に結合されたハンドルをさらに含み、前記ハンドルは、自動運転モードと手動制御モードとの間で前記自動運転システムの動作を変更するように前記コンソールに対して移動可能である、ことを特徴とする請求項5に記載のシステム。
【請求項10】
自動運転システムを操作する方法であって、
施設の指定エリアへ自動運転モードで前記自動運転システムを操作するステップと、
前記自動運転システムから予め定められた放送範囲内に位置するすべてのモバイルデバイスに通知を放送するステップであって、前記予め定められた放送範囲は、前記自動運転システムによって使用される第1タイプの位置決めシステム及び前記モバイルデバイスによって使用される第2タイプの位置決めシステムから取得された情報に基づいて決定され、前記第1タイプの位置決めシステムは前記第2タイプの位置決めシステムとは異なるステップと、
前記第1タイプの位置決めシステムは、同時の位置推定と地図作成(SLAM)又は視覚SLAM(VSLAM)ベースのシステム、慣性計測システム、マーカー、又はそれらの任意の組み合わせを含む
位置決めシステムであり、
予め定められた数のモバイルデバイスが通知で提供されたジョブタスクを受け入れると、前記通知の放送を終了するステップとを含み、
前記予め定められた放送範囲は、前記自動運転システムから排出された在庫ホルダーに位置する中心を有する、
ことを特徴とする方法。
【請求項11】
前記ジョブタスクが予め定められた期間にわたって受け入れられない場合、又は前記ジョブタスクの重要性レベルが変更された場合、予め定められた放送範囲のカバレッジを拡大するステップをさらに含む、ことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記予め定められた放送範囲は、前記自動運転システムに位置する中心を有する、ことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記第2タイプの位置決めシステムは、WiFi/LiFiベースの位置決めシステム、ブルートゥースビーコン、磁気位置決めシステム、推測航法技術を使用するシステム、又はそれらの任意の組み合わせを含む低精度位置決めシステムである、ことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項14】
通知を放送する前記ステップは、
前記第1タイプの位置決めシステム又は前記第2タイプの位置決めシステムからの無線信号の強度を使用して、前記モバイルデバイスと前記自動運転システムとの間の距離を推定するステップと、
推定された距離が予め定められた範囲内にある場合、前記モバイルデバイスに通知を送信するステップと、をさらに含む、ことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示される実施形態は、自律放送システムを有する改良された自動運転車システムに関する。
【背景技術】
【0002】
無人搬送車(Automatic Guided Vehicle;AGV)は、施設内の指定された1つ又は複数のピックアップエリアから物品又は在庫アイテムを1つ又は複数の荷揚げエリアに搬送することができる、ドライブレスでプログラマブル制御車両である。しかしながら、従来のAGVには、棚から在庫アイテムを自律的に荷積み又は荷揚げするロボットメカニズムが装備されていないため、AGVは、指定されたエリアに作業者が到着してAGVによる在庫アイテムの荷積み又は荷揚げの支援を行うまで、長時間待機する必要がある。その結果、荷積み/荷揚げプロセスの効率が低下する。
【0003】
従って、荷積み/荷揚げプロセスの効率を向上させることができる改良されたAGVが必要となる
【発明の概要】
【0004】
本開示の実施形態は、放送システムを有する無人搬送車(AGV)を含む。一実施形態では、自動運転システムは、1つ又は複数の電動式車輪を有する本体と、前記本体の端部に直立位置で結合されたコンソールと、前記コンソールに配置され、1つ又は複数のモバイルデバイスに通知を送信するように動作可能な放送システムとを含む。前記放送システムは、第1タイプの位置決めシステムを使用し、前記1つ又は複数のモバイルデバイスは、前記第1タイプの位置決めシステムとは異なる第2タイプの位置決めシステムを使用する。
【0005】
別の実施形態では、自動運転システムは、1つ又は複数の電動式車輪、第1端部、及び前記第1端部に対向する第2端部を有する本体と、前記本体の第1端部に直立位置で結合されたコンソールと、前記コンソールに配置された放送システムとを含む。前記放送システムは、推定距離が予め定められた範囲内にあるすべてのモバイルデバイスに通知を送信するように動作可能であり、前記推定距離は、前記モバイルデバイスと前記本体との間の距離を規定し、前記放送システムによって使用される第1タイプの位置決めシステム及び前記モバイルデバイスによって使用される第2タイプの位置決めシステムに基づいて決定され、前記第1タイプの位置決めシステムは、前記第2タイプの位置決めシステムとは異なる。
【0006】
また別の実施形態では、自動運転システムを操作する方法が提供される。この方法は、施設の指定エリアへ自動運転モードで前記自動運転システムを操作するステップと、前記自動運転システムから予め定められた放送範囲内に位置するすべてのモバイルデバイスに通知を放送するステップであって、前記予め定められた放送範囲は、前記自動運転システムによって使用される第1タイプの位置決めシステム及び前記モバイルデバイスによって使用される第2タイプの位置決めシステムから取得された情報に基づいて決定され、前記第1タイプの位置決めシステムは前記第2タイプの位置決めシステムとは異なるステップと、予め定められた数のモバイルデバイスが通知で提供されたジョブタスクを受け入れると、前記通知の放送を終了するステップとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】一実施形態に係る無人搬送車(AGV)の斜視図である。
【
図2】一実施形態に係るAGVの移動ベースの上面に配置された在庫ホルダーの斜視図である。
【
図3】一実施形態に係る倉庫の受け取りエリアから保管エリアに移動するAGVの概略図である。
【
図4A】一実施形態に係る通知メカニズムの例を示す。
【
図4B】一実施形態に係る通知メカニズムの例を示す。
【
図5】AGVに作業者の支援が必要な幾つかのジョブタスクがあることを示す倉庫の一部を示す。
【
図6】AGVに作業者の支援が必要な幾つかのジョブタスクがあることを示す倉庫の一部を示す。
【
図7】一実施形態に係る通知放送のために使用できる通信システムを示す。
【
図8】別の実施形態に係る通知放送のために使用できる通信システムを示す。
【0008】
理解を容易にするために、可能な場合は、図面に共通する同一の要素を示すために同一の参照番号が使用されている。一実施形態で開示された要素は、特定の列挙なしに他の実施形態で有益に利用され得ると見られている。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の実施形態は、自律放送システムを有する無人搬送車(AGV)に関する。様々な実施形態では、AGVが指定エリアに到着すると、自律放送システムは、予め定められた範囲内の作業者又は指定エリアに責任のある作業者に放送通知を送信する。1つ又は複数の作業者は、ジョブタスクを受け入れ、要求されたタスクを実行するようにAGVに至る。自律放送システムは、荷積み/荷揚げプロセスの効率を向上させ、タスクが放置されることを防止することができる。AGVという用語が使用されているが、本開示の概念は、ドライバレスフォークリフトAGVなどの任意の自動運転システム、あるいは、自律ナビゲート移動ロボット、慣性誘導ロボット、遠隔制御移動ロボット、及びレーザーターゲティング、ビジョンシステム、又はロードマップによって誘導されるロボットなどの任意の移動ロボットに適用することができる。また、本開示の実施形態は、倉庫環境で在庫を移動するAGVに関して説明されているが、実施形態及び概念は、病院、空港、又はショッピングセンターなどの任意のタイプの環境でも使用され得る。様々な実施形態は、
図1~8に関して以下でより詳細に議論される。
【0010】
図1は、一実施形態に係る在庫ホルダー103と係合する前の無人搬送車(AGV)100の斜視図である。AGV100は、オペレーターなしで自身を運転するように適合されている。AGV100は、一般に、移動ベース102及びコンソール104を含む。移動ベース102は、後端193、及び後端193に対向する前端195を有する。コンソール104は、上部138及び本体140を有する。コンソール104の本体140は、起立又は直立構成で移動ベース102の前端195に結合される。1つ又は複数のロッド101は、オペレーターがAGV100の移動を動作することを可能にするように、本体140のいずれかの側に任意選択で提供される。
【0011】
コンソール104は、情報を表示するように構成されているディスプレイ108を有する。ディスプレイ108は、オペレーターがAGV100の操作を制御することを可能にする。ディスプレイ108は、操作タスク、施設の地図、ルーティング情報、在庫情報、及び在庫保管などに関連する情報を提供するための任意の適切なユーザー入力デバイスであり得る。AGVの手動使用が望まれる場合、オペレーターは、ディスプレイ108を介して更新されたコマンドを入力することで、又はコンソール104に枢動可能に結合された「U」字型のハンドル172を引き下げることで、AGV100の自動操作を無効にすることができる。「U」字型のハンドル172は、AGV100の操作モードを切り替えるように、退避位置(図示のように)と引き下げ位置との間でコンソール104に対して移動可能である。ハンドル172が引き下げ位置にあるとき、AGV100は、自己ナビゲーションモード、誘導モード、又は人間追従モードなどの任意の操作モードであり得る自動運転モードから、手動制御モードに切り替えられる。場合によっては、AGV100は、手動制御モードに切り替えられる前に、静止して、どの操作モードでもない場合がある。ハンドル172は、AGV100の操舵を制御するためにオペレーターによって操縦され得る操縦桿279を有する。
【0012】
移動ベース102は、1つ又は複数の電動式車輪110、及び複数の安定車輪112を有する。電動式車輪110は、AGV100を移動させるために任意の所与方向に回転及び/又は転がるように構成される。例えば、電動式車輪110は、Z軸の周りを回転し、X軸又はY軸に沿ってなど、任意の方向に沿って、そのアクセルスピンドルの周りで地面上を前後に転がることができる。本開示では、前方への移動は、前端195が誘導端であるときの状況を指し、後方への移動は、後端193が誘導端であるときの状況を指す。場合によっては、AGV100は、AGV100の移動を停止するために押すことができる1つ又は複数の緊急停止ボタン109を有する。電動式車輪110は、異なる速度で転がるように制御することができる。安定車輪112は、キャスタ式の車輪であり得る。必要に応じて、安定車輪112のいずれか又はすべてを電動化することができる。
【0013】
移動ベース102は、在庫ホルダー103の一部を支持するために使用することができる上面106を有する。在庫ホルダー103は、一般的に、支持プレート105、支持プレート105の一側に取り付けられたハンドル107、及び支持脚123を介して支持プレート105に結合された4つの車輪109を含む。支持プレート105は、在庫アイテム196を支持するための平坦な中実プレート又はグリル状の構造であり得る。在庫ホルダー103は、任意選択で、在庫ホルダー103の機械的強度を向上させるために、支持脚123を接続する1つ又は複数のロッド121を含み得る。在庫ホルダー103は、移動ベース102に対応するようなサイズにされる。例えば、支持プレート105の高さ及び前車輪109間の距離は、移動ベース102の一部(例えば、上面106)が支持プレート105の下に入ることを可能にするように構成することができる。
【0014】
AGV100は、在庫ホルダー103を配置するようにプログラム及び/又は制御される。在庫ホルダー103が配置されると、AGV100は、在庫ホルダー103と係合し、倉庫管理システム(WMS)であり得るリモートサーバーから受信された事前に格納されたコマンド又は指示に基づいて、施設内の指定エリアの間で在庫ホルダー103を自律的に移動させることができる。例えば、AGV100は、在庫ホルダー103を保管エリア、又は在庫アイテムが荷積み/荷揚げされる受け取りエリアに搬送することに関する指示を受信することができる。
【0015】
操作中、AGV100は、矢印111によって示された方向に沿って在庫ホルダー103に向かって移動してもよい。矢印111は、在庫ホルダー103の縦方向と平行である。AGV100は、仕様、寸法、又は形状などの在庫ホルダー103に関する情報を有するか、又は取得することができる。AGV100のセンサー又はカメラは、在庫ホルダー103を識別し、在庫ホルダー103とのAGV100のドッキング手順の案内を支援することができる。あるいは、オペレーターは、在庫ホルダー103をAGV100と手動でドッキングすることができる。いずれの場合も、移動ベース102の上面106が支持プレート105によって実質的にカバーされているとき、あるいはセンサー及び/又はカメラによって在庫ホルダー103との適切なドッキングの確立がAGV100に通知されたとき、在庫ホルダー103は、AGV100と適切にドッキングされていると見なされる。
【0016】
AGV100は、移動ベース102のハウジング内に配置されたリフトシステム(図示せず)を有する。リフトシステムは、アクチュエータを使用して、移動ベース102を地面に対して垂直に移動させ、それにより、移動ベース102の高さを調整する。在庫ホルダー103が移動ベース102とドッキングされた後、アクチュエータは、移動ベース102が支持プレート105の裏側と接触するように移動ベース102(従って上面106)を上に移動させ、それによって、在庫ホルダー103を地面から持ち上げる。
【0017】
あるいは、移動ベース102は、在庫ホルダー103が移動ベース102によって押され、引っ張られ、転がされ、運搬され、又は他の方法で移動され得るように、在庫ホルダー103と係合され得る。本開示で使用される「係合」という用語は、他の要素を介して直接的又は一体的に又は間接的に、一時的に、着脱可能に、又は永久的にさえも接続、取り付け、及び/又は結合される要素を指す。
【0018】
AGV100は、AGV100によって受信されたコマンド又は指示に基づいて、施設内の指定エリアの間で自律的に移動し得る。例えば、AGV100は、在庫ホルダー103を在庫保管、又は在庫アイテムが荷積み/荷揚げされるピックアップ/ドロップオフエリアに搬送するコマンドを受信し得る。指定エリアに到着すると、AGV100は、アクチュエータを使用して在庫ホルダー103を下げ、出発の場所又は他の予め定められた目的地に戻り得る。あるいは、在庫ホルダー103は、オペレーターによってAGV100から取り外され得る。
【0019】
図2は、一実施形態に係るAGV100の移動ベース102の上面106に配置された在庫ホルダー103の斜視図である。在庫(図示せず)は、在庫ホルダー103上に直接配置することができる。AGV100は、在庫及び/又は在庫ホルダー103を1つの場所から別の場所に移動させることができる。在庫ホルダー103は、車輪を有するハンドカートとして示されているが、在庫ホルダー103は、バスケット、ビン、あるいは在庫などのアイテムを収容、運搬及び/又は搬送するために使用することができる任意の他のタイプの車輪付きカート又はコンテナであり得る。
【0020】
図1に戻ると、AGV100は、AGV100の周囲の画像及び/又はビデオをキャプチャするための1つ又は複数のカメラを含む。幾つかの実施形態では、AGV100は、例えば、ディスプレイ108に隣接するエリアでコンソール104上に配置されたオーバービューカメラ137を含む。オーバービューカメラ137は、AGV100の後端193とは反対側に向き、物体/障害物の検出及び回避のために使用される。場合によっては、オーバービューカメラ137はまた、棚及び/又はオペレーターを識別するように構成することができ、それにより、AGV100は、人間追従モードなどの様々な操作モードでオペレーターとの適切な/予め定められた距離を維持することができる。
【0021】
コンソール104の上部138の縦方向は、本体140の縦方向に対してある角度で保持される。この角度は、オーバービューカメラ137が近くの物体を効果的に識別できるように選択される。角度は、約120°~約150°など、約105°~約165°の範囲にあり得る。より広い又はより狭い範囲の角度が考えられ、用途に応じて調整することができる。
【0022】
AGV100は、近くの物体の存在を検出するため、及び/又は近くの物体らの距離を測定するために、1つ又は複数の近接センサーを含み得る。例えば、1つ又は複数のセンサー156は、移動ベース102の周りに提供され得る(2つの側のみが示される)。センサー156は、任意の適切なソナーセンサー、超音波センサー、赤外線センサー、レーダーセンサー、LiDARセンサー、及び/又は近くの物体の存在を検出するように構成することができる任意の適切な近接センサーであり得る各センサー156は、約90度よりも大きい視野を感知するように構成することができる。
【0023】
幾つかの実施形態では、1つ又は複数のセンサー144は、障害物回避のために、それぞれ、移動ベース102の前端195及び後端193にさらに提供され得る。例えば、センサー144は、前端195及び後端193(前端のみが示される)に提供され得る。センサー144は、コンソール104の下の切り欠き148に配置することができる。切り欠き150は、移動ベース102の幅を横切って延在し、センサー144から移動ベース102のエッジまで半径方向外向きに拡張し得る。切り欠き148の拡張は、センサーがAGV100により大きな感知領域を提供することを可能にする。あるいは、又はさらに、センサー144と同様又は同一のセンサー191を移動ベース102の1つ又は複数のコーナーに配置することができる。同様に、センサー144、191は、適切な距離を維持し、静止又は移動している近くの物体の存在を検出するように構成することができる任意のソナーセンサー、超音波センサー、赤外線センサー、レーダーセンサー、及び/又はLiDAR(光検出及び測距)センサーなどのレーザセンサーであり得る。各センサー144、191は、約90度よりも大きい、例えば、約270度の視野を感知するように構成することができる。
【0024】
コンソール104の上部138は、カメラ206を支持するように構成することができる。カメラ206は、少なくとも2つの回転軸(例えば、垂直回転及び水平回転)を有するように構成される。カメラ206は、光学ズームを有し、視覚画像を記録すること、及び/又は近くの物体の存在を検出することができる。カメラ206は、180度の視域、270度の視域、360度の視域、又は180度から360度の間の任意の視域を有することができる。カメラ206は、単眼カメラ、双眼カメラ、及び/又はステレオカメラを含み得る。一実施形態では、カメラ206は、移動中の物体(例えば、人間オペレーター)を検出し追従するように構成される。幾つかの実施形態では、カメラ206は、ビームポインター277をさらに含み得る。ビームポインター277は、タスク指示に基づいて物体を識別するためのレーザービームを生成するように動作可能である。カメラ206は、棚/AGV100に配置された1つ又は複数の物体のバーコード、マーカー、又は識別子、及び/又は棚に配置されたバーコード、マーカー、又は識別子をスキャンするように制御することができる。
【0025】
図3は、一実施形態に係る倉庫の受け取りエリア301から保管エリア304に移動するAGV100の概略図である。AGV100は、走行経路306をたどり、在庫ホルダー103及び/又は在庫196を1つ又は複数の在庫ラック又は棚310が配置されている保管エリア304に運ぶように、指示され、又はルーティング情報及びタスク指示を備えることができる。ルーティング情報は、リモートサーバー(例えば、倉庫管理システム(WMS))によって選択されるか、又はオペレーターによってAGV100に手動で入力され得る一実施形態では、
図3に示すように、AGV100には、放送システム315がさらに設備されている。放送システム315は、AGV100のコンソール104又は移動ベース102に配置され得る。放送システムは、無線通信デバイス312及び位置決めデバイス314を含む。保管エリア304に位置する1人又は複数の作業者316が示される。各作業者316は、無線通信デバイス318及び位置決めデバイス320が設備されたモバイルデバイス317を有する。タスク指示に応じて、AGV100の無線通信デバイス312は、タスク指示に関連する放送通知を、作業者316によって運ばれるモバイルデバイス317の無線通信デバイス318を介して、1人又は複数の作業者316に送信することができる。以下でより詳細に議論されるように、放送通知は、例えば、予め定められた放送範囲内にいる作業者、又は指定エリアに責任のある作業者のみによって受信され得る。
【0026】
モバイルデバイス317は、携帯電話、タブレット、リストバンド、コンピュータ、又は、AGV100の放送システム315と通信するために無線通信デバイス318及び位置決めデバイス320で構成することができる任意の他のデバイスであり得る。放送通知、タスク指示、又はコマンドは、インターネットを介して無線で、有線接続を介して、又はオペレーター若しくはWMSと通信するための適切な方法を使用して通信される。無線通信の例は、無線周波数識別(アクティブ及び/又はパッシブ)、WiFi、超広帯域、ブルートゥース(登録商標)、及び/又は任意の他の形態の通信を含み得るが、これらに限定されない。
【0027】
タスク指示及び/又は関連情報は、倉庫の様々な場所の間での、例えば、受け取りエリア301から保管エリア304へ、保管エリア304から梱包ステーション330へ、梱包ステーション330から出荷ステーション340への在庫アイテムの移動、又は、倉庫内でのAGV100の移動を伴う可能性のある任意の他のタスクを含み得るが、これらに限定されない。操作中、AGV100は、自己ナビゲーションモード、誘導モード、又は人間追従モードなどの任意の操作モードであることができる自動運転モードで在庫アイテムを自律的に搬送し得る。
【0028】
AGV100は、AGV100が目的地(例えば、保管エリア304)に到着したときに、タスク指示に関連する放送通知を作業者(例えば、作業者316)に送信するようにプログラム又は制御される。幾つかの実施形態では、AGV100は、AGV100が目的地に到着しようとしているときに、放送通知を送信するようにプログラム又は制御される。幾つかの実施形態では、AGV100は、目的地に到着する前にいつでも、放送通知を送信するようにプログラム又は制御される。AGV100が目的地に到着すると、AGV100は、作業者がタスクを完了するまで目的地に留まり得る。あるいは、AGV100は、在庫ホルダー103を荷揚げし、走行経路307に従って次の目的地に進み得る。
【0029】
放送通知は、AGV(例えば、AGV100)から在庫棚への在庫アイテムの移動、在庫ホルダー(例えば、在庫ホルダー103)から在庫棚への在庫アイテムの移動、又は、レシピエントが倉庫内で実行する必要がある可能性のある任意の他のタスクを含み得るが、これらに限定されない。例えば、放送通知の例は、「エリアA2の棚12に置く必要のあるアイテムがある」であり得る。放送通知は、1つ又は複数の作業者316によって同時に受信することができる。作業者は、モバイルデバイス317上に示されるアイテムリストを見て、ジョブタスクを受け入れることができる。アイテムリストは、棚310に移動される、及び/又は移動された在庫アイテムに関する任意の情報を含み得る。ジョブタスクを受け入れた作業者は、目的地に進み、受信した放送通知に基づいてタスクを実行してもよい。場合によっては、ジョブタスクは、作業量とWMSによって設定された要件に応じて、複数のレシピエント、又は任意の数のレシピエントによって受け入れられ得る。
【0030】
放送通知は、予め定められた持続時間の基本的な時間間隔、例えば、約5分~約10分など、約1分~約60分で繰り返し送信することができる。放送の周波数は、重要性のレベル又はWMSの所望の他の要因に基づいて調整することができる。ジョブタスクが作業者又は予め定められた数の作業者によって受け入れられると、放送範囲内の残りの作業者は、通知を受信できなくなる可能性がある。場合によっては、モバイルデバイス317は、受け入れ通知などを、AGV100のWMS及び/又は放送システム315に送信してもよい。放送システム315は、通知の放送を終了するように指示又はプログラムされる。
【0031】
放送システム315の無線通信デバイス312は、放送範囲322を有する放送通知を送信するようにプログラム又は制御することができる。放送範囲322の近く又は放送範囲322内のすべての作業者は、それに応じて放送通知を受信する。放送範囲322は、中心がAGV100に位置する180度の放射状のカバレッジを有してもよい。AGV100が在庫ホルダー103をドロップオフして次の目的地に向かって出発するようにプログラム又は指示される幾つかの実施形態では、放送範囲322の中心は、在庫ホルダー103、又は処理されることを待っている任意の在庫アイテムに設定することができる。このような場合、AGV100は、AGV100自体の場所の代わりに、AGV100から排出された在庫ホルダー103(又は在庫アイテム)の場所を放送する。
【0032】
放送範囲322は、約20メートル~約300メートルなど、約5メートル~約800メートルの半径距離範囲を有してもよい。放送範囲322は、タスクの本質及び/又はタスクを完了するために必要とされる作業者の数に応じて、より狭い又はより広いカバレッジを有するようにプログラム又は制御することができると考えられる。放送範囲322は、タスクの重要性又は緊急レベルに応じて拡大することができる。例えば、
図4Aに示される一実施形態では、初期放送範囲402は、「通常の」重要性として分類されたジョブタスクを有するすべての放送通知に割り当てることができる。より広い放送範囲404は、「重要な」重要性として分類されたジョブタスクを有するすべての放送通知に割り当てることができる。放送範囲406の最大のカバレッジは、「緊急の」重要性として分類されたジョブタスクを有するすべての放送通知に割り当てることができる。
【0033】
あるいは、放送範囲は、ジョブタスクが予め定められた期間内に受け入れられない場合、時間の経過とともに拡大することができる。例えば、
図4Bに示される一実施形態では、放送通知が送信され、例えば、ジョブタスクが10分を超えて受け入れられない場合、放送範囲は、初期初期放送範囲(例えば、
図3Aの初期放送範囲402)からより広い放送範囲408に拡大され得る。放送通知が送信され、例えば、ジョブタスクが30分を超えて受け入れられない場合、放送範囲は、放送範囲408から最大放送範囲410に拡大され得る。予め定められた期間は、約2分~約2時間の範囲であり得、重要性のレベル又はWMSの所望の他の要因に基づいて調整することができる。
【0034】
本開示に記載された実施形態のいずれかと組み合わせることができる幾つかの実施形態では、AGV100は、指定作業エリアに責任のある作業者によってのみ受信され得る放送通知を送信するようにプログラム又は制御される。言い換えると、放送通知は、選択されたモバイルデバイス(従って、選択された作業者)に送信される。
図5は、AGV100が倉庫500のエリアCに到着し、作業者の支援を必要とする幾つかのジョブタスクを有することを示す倉庫500の一部を示す。このような場合、AGV100は、エリアCに責任のある作業者504、505に放送通知を送信するようにプログラム又は制御することができる。作業者506、508、510及び512は、それぞれ異なるエリア、例えば、エリアA、B、D、及びEに責任があるため、放送通知を受信しない場合がある。必要に応じて、AGV100は、放送通知を倉庫内のすべての作業者に送信するようにプログラム又は制御することができる。このような場合、エリアC(又はエリアCでの特定の棚)に責任のある作業者、及びエリアCに隣接するエリアに責任のある作業者の両方は、放送通知を受信する場合がある。ジョブタスクが作業者504によって受け入れられると、作業者505は、ジョブタスクを引き受けない場合がある。逆も同様である。
【0035】
本開示に記載の実施形態のいずれかと組み合わせることができる幾つかの実施形態では、AGV100は、予め定められた範囲内にある推定距離(AGV100とモバイルデバイス317との間)を有するモバイルデバイス317を持っている作業者に放送通知を送信するように、プログラム又は制御される。推定距離は、AGV100によって使用される高/低精度位置決めシステムとモバイルデバイス315との間のデータ/信号強度を使用して計算することができる。計算は、リモートサーバー又はP2P通信を使用して実行することができる。これについては、
図7及び8に関して以下で詳しく説明する。
【0036】
本開示に記載の実施形態のいずれかと組み合わせることができる幾つかの実施形態では、放送通知は、ジョブタスクを実行するのに適した作業者、及び/又はジョブタスクに関連する作業エリア又はその近くの作業者のみによって受信されることがある。
図6は、AGV100が倉庫600のエリアCに到着し、作業者の支援を必要とする幾つかのジョブタスクを有することを示す倉庫600の一部を示す。この実施形態では、AGV100は、エリアB、C及びEをカバーしている放送範囲602で放送通知を送信するようにプログラム又は制御される。これは、これらのエリアで実行されるジョブタスクが密接に関連しているためである。このような場合、作業者604、606、610は放送通知を受信する。作業者608、612は、エリアA及びD(これらのエリアで実行されるジョブタスクがエリアCで実行されるジョブタスクに関連しない可能性がある)にいるため、放送通知を受信しない場合がある。場合によっては、作業者612は、エリアCの近くにいるので、依然として放送通知を受信し得、ジョブタスクが予め定められた期間にわたって受け入れられていない場合に支援を提供し得るように、AGV100はプログラム又は制御される。場合によっては、すべての作業者は、受け入れられたタスク、及び受け入れを待っている近くのタスクをかれらのモバイルデバイスで見ることができる。いずれの場合も、ジョブタスクが作業者604によって受け入れられると、作業者606、610は、ジョブタスクを引き受けない場合がある。逆も同様である。
【0037】
図7は、一実施形態に係る通知放送のために使用できる通信システム700を示す。通信システム700は、リモートサーバー702によって管理され、AGV703とモバイルデバイス705の位置を決定又は推定するために使用することができる。リモートサーバー702は、倉庫管理システムなどの倉庫で使用される適切なサーバーである。リモートサーバー702は、管理モジュール704と通信モジュール706を含む。管理モジュール704は、タスク指示に関連する情報、地図情報、ルーティング情報、人間認識情報、在庫情報、及び倉庫の操作を実行するために必要とされ得る任意の他の情報を記憶、プロセス及び制御するように動作可能である。通信モジュール706は、管理モジュール704からAGV703又はモバイルデバイス705へ情報及び/又はタスク指示を伝送又は受信するために無線技術を使用する任意の適切な通信デバイスであることができる。
【0038】
AGV703は、上記のAGV100などの自律車両である。AGV703は、AGV703の放送システムとして機能する通信モジュール708及び位置決めモジュール710を含む。AGV703は、ナビゲーションモジュール712をさらに含む。AGV703の通信モジュール708(例えば、上記の無線通信デバイス312)は、リモートサーバー702から情報/指示を伝送又は受信することができる。AGV703の位置決めモジュール710(例えば、位置決めデバイス314)は、AGV703の位置に関する情報を通信モジュール708に通信することができる。ナビゲーションモジュール712は、AGV703の現在の場所、ターゲットの目的地、及び場所に依存するナビゲーションオプションに関連する情報を含み得る。通信モジュール708、位置決めモジュール710、及びナビゲーションモジュール712は、AGV703が様々な動作モード、例えば、自己ナビゲーションモードを実行することを可能にする。
【0039】
モバイルデバイス705は、通信モジュール714、位置決めモジュール716、及びタスク情報モジュール718を含む。モバイルデバイス705の通信モジュール714(例えば、上記の無線通信デバイス318)は、リモートサーバー702から情報/指示を伝送又は受信することができる。モバイルデバイス705の位置決めモジュール716(例えば、位置決めデバイス320)は、モバイルデバイス705の位置に関する情報を通信モジュール714に通信することができる。タスク情報モジュール718は、リモートサーバー702を介して、オペレーター720又はAGV703から情報/指示を受信し、記憶し、伝送し、表示することができる。タスク情報モジュール718はまた、受け入れられたタスクを示すことができ、受け入れられることを待っている近くのタスクを示すことができる。
【0040】
AGV703の位置決めモジュール710、及びモバイルデバイス705の位置決めモジュール716は、同じ又は異なるタイプの位置決めシステムを使用してもよい。幾つかの実施形態では、AGV703の位置決めモジュール710は、高精度位置決めシステムを使用してもよく、モバイルデバイス705の位置決めモジュール716は、低精度位置決めシステムを使用してもよい。高精度位置決めシステムの例は、AGV100の1つ又は複数のセンサー(例えば、近接センサー156)及び/又はカメラ(例えば、カメラ137)を使用し得る同時の位置推定と地図作成(SLAM)又は視覚SLAM(VSLAM)ベースのシステム、ジャイロスコープを使用する慣性計測システム、車輪エンコーダ(オドメーター)及び加速度計(慣性計測ユニット(IMU)と総称される)、倉庫内に配置された様々なマーカー、又は任意の適切な屋内位置決めシステムを含むが、これらに限定されない。マーカーは、反射マーカー、又は在庫もしくは棚情報を含む任意の適切な識別子であり得る。情報は、在庫のタイプ、在庫の量、棚の場所、及び/又は在庫に関する任意の指示、例えば、在庫、作業者及び/又はAGVに関連するルーティング及び/又はタスク指示などを含むが、これらに限定されない。
【0041】
低精度位置決めシステムの例は、WiFi/LiFiベースの位置決めシステム、ブルートゥースビーコン(又は任意の低エネルギーベースの近接検知システム)、磁気位置決めシステム、推測航法技術を使用するシステム、又は任意の適切な屋内位置決めシステムを含み得るが、これらに限定されない。幾つかの実施形態では、AGV703の位置決めモジュール710はまた、WiFiベースの又はブルートゥースベースの位置決めシステムなどの1つ又は複数の低精度位置決めシステムを使用し得る。GPSなどの他の適切な位置決め技術も、AGV703及び/又はモバイルデバイス705の場所を決定するために使用され得る。
【0042】
幾つかの実施形態では、リモートサーバー702は、AGV703の場所を決定又は推定するために1つ又は複数の高精度位置決めシステムを使用し得る。リモートサーバー702は、モバイルデバイス705の場所(従って、作業者の場所)を決定又は推定するために1つ又は複数の低精度位置決めシステムを使用し得る。AGV703及びモバイルデバイス705の場所は、本開示の様々な実施形態に記載の通知の放送を実行するために、放送範囲の距離/カバレッジ及び放送通知のレシピエントを決定するように使用することができる。
【0043】
図8は、別の実施形態に係る通知放送のために使用できる通信システム800を示す。AGV100などのAGV803は、通信モジュール808、位置決めモジュール810、及びナビゲーションモジュール812を含み、これらは、
図7で説明された通信モジュール708、位置決めモジュール710、及びナビゲーションモジュール712と同一又は機能的に類似することができる。AGV803は、運ばれている在庫アイテム又はAGV803によって運ばれる在庫アイテムに関連する情報を含む情報モジュール813をさらに含む。モバイルデバイス317などのモバイルデバイス805は、通信モジュール814、位置決めモジュール816、及びタスク情報モジュール818を含み、これらは、
図7で説明された通信モジュール714、位置決めモジュール716、及びタスク情報モジュール718と同一又は機能的に類似することができる。AGV803の通信モジュール808とモバイルデバイス805の通信モジュール814は無線通信を介して互いに通信することができる。無線通信は、無線周波数識別(アクティブ及び/又はパッシブ)、WiFi、超広帯域、ブルートゥース、及び/又は任意の他の形式の通信を含むが、これらに限定されない。
【0044】
この実施形態では、リモートサーバーは、AGV803及びモバイルデバイス805の場所を決定するために使用されない。代わりに、WiFi信号又はブルートゥース信号などの無線信号の強度は、AGV803とモバイルデバイス805との間の距離を推定するために使用される。このような場合、AGV805とモバイルデバイス805との間の距離は、AGV805及びモバイルデバイス805によって使用される任意の1つ又は複数の高/低精度位置決めシステムから得られたデータを使用して計算することができる。推定距離の計算は、AGV803、モバイルデバイス805、その両方によって行うことができる。AGV803は、予め定められた範囲内にある推定距離を有するすべてのモバイルデバイス805に放送通知を送信する。予め定められた範囲は、約5メートル~約200メートルなど、約2メートル~約500メートルの範囲にあり得る。モバイルデバイスで放送通知を受信する作業者は、タスクを受け入れ、それに応じてタスクを実行し得る。
【0045】
放送通知が指定作業エリアごとに送信される場合、AGV803は、タスク(及びタスクに関連する棚情報)に関する放送通知を施設内のすべてのモバイルデバイス805に送信し得る。指定作業エリアに責任のある作業者、指定作業エリアにおける棚に責任のある作業者、指定作業エリアに隣接するエリアに責任のある作業者、及び/又はタスクの実行に適した作業者はすべて、放送通知を受信する。1人又は複数の作業者は、タスクを受け入れ、それに応じてタスクを実行し得る。
【0046】
要約すると、本開示の実施形態は、自律放送システムを有する無人搬送車(AGV)を提供する。AGVが指定エリアに到着すると、AGVは放送通知を送信するようにプログラム又は制御される放送通知は、予め定められた範囲内の作業者、又は指定エリアに責任のある作業者によって受信され得る。1人又は複数の作業者は、放送通知に記載されているジョブタスクを受け入れ、要求されたタスクを実行するようにAGVに至る。放送の周波数及び予め定められた範囲は、例えば、重要性のレベルに応じて拡大され得る。自律放送システムは、施設内の荷積み/荷揚げプロセスの効率を向上させ、タスクが放置されることを防止することができる。
【0047】
以上は、本開示の実施形態に向けられているが、本開示の他の及び更なる実施形態は、その基本的な範囲から逸脱することなく考え出すことができ、その範囲は、以下の特許請求の範囲によって決定される。