IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アドバンスト バッテリー コンセプツ エルエルシーの特許一覧

特許7510958一体型エッジシールを備えた電池アセンブリ及びそのシールの形成方法
<>
  • 特許-一体型エッジシールを備えた電池アセンブリ及びそのシールの形成方法 図1
  • 特許-一体型エッジシールを備えた電池アセンブリ及びそのシールの形成方法 図2
  • 特許-一体型エッジシールを備えた電池アセンブリ及びそのシールの形成方法 図3
  • 特許-一体型エッジシールを備えた電池アセンブリ及びそのシールの形成方法 図4
  • 特許-一体型エッジシールを備えた電池アセンブリ及びそのシールの形成方法 図5
  • 特許-一体型エッジシールを備えた電池アセンブリ及びそのシールの形成方法 図6
  • 特許-一体型エッジシールを備えた電池アセンブリ及びそのシールの形成方法 図7
  • 特許-一体型エッジシールを備えた電池アセンブリ及びそのシールの形成方法 図8
  • 特許-一体型エッジシールを備えた電池アセンブリ及びそのシールの形成方法 図9
  • 特許-一体型エッジシールを備えた電池アセンブリ及びそのシールの形成方法 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-26
(45)【発行日】2024-07-04
(54)【発明の名称】一体型エッジシールを備えた電池アセンブリ及びそのシールの形成方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/04 20060101AFI20240627BHJP
   H01M 50/184 20210101ALI20240627BHJP
   H01M 50/103 20210101ALI20240627BHJP
【FI】
H01M10/04 Z
H01M50/184 A
H01M50/103
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021569866
(86)(22)【出願日】2020-05-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-21
(86)【国際出願番号】 US2020034555
(87)【国際公開番号】W WO2020243093
(87)【国際公開日】2020-12-03
【審査請求日】2022-01-14
(31)【優先権主張番号】62/852,648
(32)【優先日】2019-05-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514105033
【氏名又は名称】アドバンスト バッテリー コンセプツ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100095614
【弁理士】
【氏名又は名称】越川 隆夫
(72)【発明者】
【氏名】エドワード シャッファー
(72)【発明者】
【氏名】ドン ホブディ
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン スターダバント
(72)【発明者】
【氏名】アダム カデーナ
【審査官】松嶋 秀忠
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2012/0156559(US,A1)
【文献】特開平03-088263(JP,A)
【文献】特開昭62-229772(JP,A)
【文献】特表平11-514132(JP,A)
【文献】特開2005-251465(JP,A)
【文献】特開平02-174052(JP,A)
【文献】米国特許第04164068(US,A)
【文献】特表2017-508241(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/04-39
H01M 50/10-198
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池アセンブリを形成する方法であって、
a)複数の電池プレートを積層して、複数の電気化学セルを形成することであって、
1つ以上の個別の電池プレートは、個別の電池プレートの外周部から1つ以上の隣接する電池プレートに向けて延出する複数の突出部を含み、
前記個別の電池プレートの前記複数の突出部は、前記個別の電池プレートの基板と一体に形成され、
積層すると、前記1つ以上の個別の電池プレートの前記複数の突出部は、前記複数の突出部が前記複数の電池プレートのスタックの外側に位置するように前記1つ以上の隣接する電池プレートの外面の周りに重なる、ことと
b)前記1つ以上の個別の電池プレートが前記1つ以上の隣接する電池プレートに結合されるように、前記複数の電池プレートの前記外周部の周りを溶着して、1つ以上の一体型エッジシールを形成することであって、
前記1つ以上の一体型エッジシールは、前記複数の突出部が重なる前記1つ以上の隣接する電池プレートの前記外に結合する前記複数の突出部によって形成される、ことと
を含む、方法。
【請求項2】
前記方法は、前記複数の電池プレートの周りにケーシング、メンブレン、またはその両方を配置することを含まない、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記方法は、前記1つ以上の一体型エッジシールを形成するために、前記電池プレートとは別の追加の材料を含まない、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記溶着は、熱溶着、溶媒溶着、またはそれらの組み合わせである、請求項1~3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記溶着は前記熱溶着であり、
前記熱溶着において、熱は、高温気体、高温液体、赤外線、レーザー、摩擦、振動、超音波誘導ワイヤループ、高周波、またはそれらのいずれかの組み合わせによって加えられる、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記1つ以上個別の電池プレートの前記複数の突出部は、前記1つ以上の隣接する電池プレートからの複数の他の突出部と嵌合するように構成され、前記複数の他の突出部は、前記1つ以上の隣接する電池プレートの外周部から延出し、前記1つ以上の隣接する電池プレートの前記外周部の周りに延在する、請求項1~5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記複数の電池プレートの前記積層は、前記1つ以上個別の電池プレートの前記複数の突出部を前記1つ以上の隣接する電池プレートの前記複数の他の突出部と嵌合することを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記複数の突出部と前記複数の他の突出部との前記嵌合は、相互にアライメントすること、連結すること、絡み合うこと、咬合すること、またはそれらの組み合わせを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記複数の突出部は、複数の指部、複数の歯部、またはそれらのいずれかの組み合わせである、請求項1~8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記複数の突出部は、互いに融着して前記1つ以上の一体型エッジシールを形成する、請求項1~9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
前記複数の突出部は、の突出部とスナップロックを形成する、請求項1~10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
前記一体型エッジシールは、前記複数の電気化学セルの周りに液密シール、気密シール、またはその両方を形成する、請求項1~11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
前記電池は、バイポーラ型電池である、請求項1~12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
前記方法は、前記複数の突出部を有する1つ以上の基板を形成することを含み、
前記1つ以上の基板は、前記1つ以上の基板のそれぞれの周辺部の周りに一体化されたフレームを含み、
前記複数の突出部は、前記フレームから突出前記フレームと一体である、
請求項1~13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
前記方法は、前記1つ以上の電池プレートの前記基板に1つ以上の活物質を配置することによって、前記複数の電池プレートを形成することを含み、
前記1つ以上の活物質は、フレーム、前記複数の突出部、またはその両方の内の前記基板に配置されている、
請求項1~14のいずれかに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、バイポーラ型電池アセンブリに有用な積層可能な電池プレート、及びそれらのような電池アセンブリの調製方法に関する。本開示は、電池プレートのスタックの周辺部の周りに一体化されたシールを提供することによって、外部メンブレンまたはケーシングを使用しなくなる、積層可能な電池プレートの調製に特定の用途を見いだすことができる。
【背景技術】
【0002】
バイポーラ型電池アセンブリは、通常、隣接する電気化学セルのスタックとして形成される。通常、バイポーラ型電池は、複数のバイポーラプレート、及び2つのモノポーラエンドプレートを含む。電池プレートは、1つのプレートのアノード物質がその次のプレートのカソード物質と向き合うようにスタック内に配列される。ほとんどの電池アセンブリでは、隣接するプレートの間に配置されている電池セパレータがあり、これらの電池セパレータにより、電解質はカソード物質からアノード物質に流れることができる。プレート間の空間内に配置されるのは電解質であり、この電解質は電子及びイオンがアノード物質とカソード物質との間を流れることを可能にする物質である。バイポーラプレートの隣接する表面は、それらのプレート間にセパレータ及び電解質が配置され、電気化学セルを形成し、この電気化学セルでは、電子及びイオンはアノード物質とカソード物質との間で交換される。電池プレートを積層して隣接する電気化学セルを形成することによって提示されるいくつかの課題は、セルからの電解質の流出を防ぐこと、電池アセンブリの動作の前に電気化学セルの周りにシールを維持すること(例えば、真空引きし、電解質を封入すると、電池プレートが内向きに湾曲することができる)、及び電池アセンブリが内圧のために外向きに膨らむ傾向がある場合、電池アセンブリの動作中に電気化学セルの周りにシールを維持することである。
【0003】
一部のバイポーラ型電池アセンブリは、固体電解質を使用して、この電池アセンブリの周りを封止する必要性を減らすことができる。固体電解質の使用は、漏れの懸念を解決することができるが、固体電解質は一般的に液体電解質ほどうまく機能しない。一例として、固体電解質は、液体電解質と同等、またはそれより高い導電率を達成することができない。
【0004】
他のバイポーラ型電池アセンブリは、対面する、隣接する表面に電池プレートを合わせて接着することができる。例えば、電池プレートは、米国特許出願公開第2017/0373298号の電池アセンブリのように、ほぼ平らで当接するフレームの表面に結合することができる。この結合は、別個の接着剤または他の結合方法によってもたらされてもよい。それらのようなシール設計に関する問題は、電池アセンブリの動作前及び動作中にフレームの表面間の結合を維持すること、ならびに液体電解質と協働することを含む。
【0005】
電気化学セルを封止する別の既知の方法は、スタックの周辺部の周りにメンブレン、ケーシング、またはその両方を使用することである。メンブレン、ケーシング、またはその両方は、電気化学セル内から電池プレートの外側へ、電池アセンブリから外部環境へ、またはその両方への電解質の漏れを防ぐことができる。また、メンブレン、ケーシング、またはその両方は、動作中に電池アセンブリに圧縮力を加えることができる。これらの圧縮力で、動作中の外向きの膨らみに抵抗することによって、電気化学セルの周りにシールを維持することが支援されることができる。メンブレン、ケーシング、またはその両方は、電池アセンブリが封入されるように、電池アセンブリの周辺部(すなわち、電池プレートのスタックの外部)上に成形される、その周辺部に接着される、またはその周辺部の周りに配置されることができる。メンブレンまたはケーシングは、電池プレートの周りの複数の外部フレームなどの一体または複数の部品として形成されることができる。一部の電池アセンブリは、固体電解質、この電解質の漏れを防ぐための、個別の電気化学セルの周りの個別のシール、メンブレン、及びケーシングの組み合わせでさえも必要とすることがある。例えば、US2017/0373298、WO1993/001624、WO2010/100979、WO2013/062623、EP2273580A2、JP2011-265693、JP2005-064208、及びJP2009-252548は、電池アセンブリの周りに配置されるさまざまな外部ケーシング及びメンブレンを教示する。上記にもかかわらず、追加のシール、メンブレン、ケーシング、または他の材料を必要としない、電気化学セルの周りを封止する方法を依然として開発する必要がある。別個のシールをなくすことで、部品の複雑さが軽減され、組み立てプロセスが減少し、組み立て全体が簡素化され、全体的なコストが削減される。
【0006】
必要なのは、電気化学セルの周辺部の周りを封止するために、電池アセンブリの1つ以上の構成要素に一体化されることができるシールである。必要なのは、電池アセンブリの1つ以上の電池プレートの一部として形成されることができるシールである。必要なのは、電解質との接触に耐え、電解質の周りにシールを維持することができるシールである。必要なのは、1つ以上の電池プレートと一体にすることができ、電池アセンブリの動作前及び動作中の1つ以上の電池プレートの内向き及び外向きの変形に耐えることができるシールである。必要なのは、複雑さ及びコストを減らすにもかかわらず、液体電解質の周りに効果的なシールを維持する、製造プロセスに簡単に統合されることができるシールである。
【発明の概要】
【0007】
本開示は、電池アセンブリを形成する方法に関し、この方法は、a)複数の電池プレートを積層して複数の電気化学セルを形成すること、及びb)複数の電池プレートの周縁部の周りを溶着して1つ以上の一体型エッジシールを形成することを含む。
【0008】
本開示は、電池アセンブリを形成する方法に関し、この方法は、a)複数の電池プレートを積層して複数の電気化学セルを形成することであって、1つ以上の個別の電池プレートは電池プレートの外周部から隣接する電池プレートに向けて延出する1つ以上の突出部を含み、積層すると、1つ以上の個別の電池プレートの1つ以上の突出部は隣接する電池プレートの外部の周りに重なる、形成すること、b)複数の電池プレートの外周部の周りを溶着して1つ以上の一体型エッジシールを形成することであって、一体型エッジシールは隣接する電池プレートに結合する1つ以上の突出部によって形成される、形成することを含む。
【0009】
本開示は、1つ以上の電気化学セルの周りに1つ以上の一体型エッジシールを含む電池アセンブリに関する。
【0010】
本開示の方法、電池アセンブリ、またはその両方は、以下の特徴のうちの1つ以上を任意の組み合わせで含むことができる。これらの特徴は、方法が複数の電池プレートの周りにケーシング、メンブレン、またはその両方を配置することを含まなくてもよいという特徴、方法が電池プレートとは別の追加の材料を含むことなく1つ以上の一体型エッジシールを形成することができるという特徴、溶着が熱溶着、溶媒溶着など、またはそれらの組み合わせであることができるという特徴、溶着が熱溶着であることができるという特徴、熱はプラテンを介して、高温気体、高温液体、赤外線、レーザー、摩擦、振動、超音波誘導ワイヤループ、高周波など、またはそれらの任意の組み合わせによって加えられることができるという特徴、複数の電池プレートの1つ以上の個別の電池プレートが外周部から突出する1つ以上の突出部を含むことができるという特徴、1つの電池プレートの1つ以上の突出部が隣接する電池プレートからの1つ以上の他の突出部と嵌合するように構成されることができるという特徴、複数の電池プレートの積層が1つの電池プレートの1つ以上の突出部を、隣接する電池プレートの1つ以上の他の突出部と嵌合させることを含むことができるという特徴、1つ以上の突出部と1つ以上の他の突出部との嵌合が相互にアライメントすること、連結すること、絡み合うこと、咬合することなど、またはそれらの組み合わせを含むことができるという特徴、1つの電池プレートの1つ以上の突出部が隣接する電池プレートの外面に重なるように構成されることができるという特徴、複数の電池プレートの積層が1つの電池プレートの1つ以上の突出部を隣接する電池プレートの外面と重ねることを含むことができるという特徴、1つ以上の突出部が指部、歯部、周辺唇部など、またはそれらの任意の組み合わせであることができるという特徴、1つ以上の突出部が互いに融着するという特徴、1つ以上の突出部が互いに融着して1つ以上の一体型エッジシールを形成することができるという特徴、1つ以上の突出部が1つ以上の他の突出部とスナップロックを形成することができるという特徴、一体型エッジシールが複数の電気化学セルの周りに液密シールを形成することができるという特徴、一体型エッジシールが複数の電気化学セルの周りに気密シールを形成することができるという特徴、電池がバイポーラ型電池であることができるという特徴、方法が1つ以上の突出部を有する1つ以上の基板を形成することを含むことができるという特徴、1つ以上の基板が各基板の周辺部の周りにフレームを含むことができるという特徴、1つ以上の突出部がフレームから突出することができるという特徴、方法が基板上に1つ以上の活物質を配置することによって複数の電池プレートを形成することを含むことができるという特徴、1つ以上の活物質がフレーム、1つ以上の突出部、またはその両方の内の基板上に配置されることができるという特徴、方法が集電体を基板上に配置することを含むことができ、次いで活物質が集電体上に配置されることができるという特徴、1つ以上の活物質が正極物質、負極物質、またはその両方であることができるという特徴、活物質がカソードを形成することができる正極活物質であることができるという特徴、活物質がアノードを形成することができる負極活物質であることができるという特徴、電池プレートがモノポーラプレート、バイポーラプレート、デュアルポーラプレート、またはそれらの組み合わせであることができるという特徴、セパレータが隣接する電池プレート対の間に配置されることができるという特徴、電解質が隣接する電池プレート対の間に配置されており、個別の電気化学セルを形成することができるという特徴、電解質が液体電解質であることができるという特徴、複数の電池プレートがアノードとして機能する基板の第一表面上の集電体上に配置される第一活物質、及びカソードとして機能する基板の対向する第二表面上の別の集電体上に配置される第二活物質を有する1つ以上のバイポーラプレートと、活物質のない基板の表面に対向するアノードとして機能する基板の第一表面上の集電体上に配置される第一活物質を有する第一モノポーラプレートと、活物質のない基板の表面に対向するカソードとして機能する基板の第二表面上の集電体上に配置される第二活物質を有する第二モノポーラプレートとを含むことができるという特徴、複数の電池プレートが基板の第一表面上の集電体上に配置される活物質、及び基板の対向する第二表面上の別の集電体上に配置される活物質を有する1つ以上のデュアルポーラプレートを含むことができ、基板の各表面の活物質及び集電体がカソードまたはアノードとして機能することができるという特徴、液体電解質が隣接する電池プレートの各対の間に配置され、アノード及びカソードが電池プレート対の間の空間内に配置されている状態で、電気化学セルのうちの1つを形成するように液体電解質が機能することができるという特徴、及び/またはセパレータが各電気化学セル内に配置されることができるという特徴であってもよい。
【0011】
本開示は、電池アセンブリの1つ以上の構成要素と一体である一体型エッジシールを提供する。一体型シールは、電池アセンブリの1つ以上の電気化学セルの周辺部の周りに液密及び/または気密シールを提供することができる。一体型エッジシールは、1つ以上の突出部によって形成されてもよい。1つ以上の突出部は、1つ以上の電池プレート、セパレータ、またはその両方から延出することができる。1つ以上の突出部は、電池アセンブリの1つ以上の他の構成要素と嵌合し、係合し、さらに結合し、一体型エッジシールを形成することができる。突出部、シール、またはその両方が電解質との接触に耐え、電解質の周りにシールを維持することができるように、1つ以上の突出部、一体型エッジシール、またはその両方は、電池プレート、セパレータ、またはその両方の1つ以上の基板と同じ材料から形成されることができる。1つ以上の一体型エッジシールは、2つ以上の隣接する電池プレートを結合することができる。結合されると(例えば、溶融接合されると)、一体型エッジシールは、電池アセンブリの動作前及び動作中に、1つ以上の電池プレートの内向き及び外向きの変形に抵抗することができてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1Aは、電池プレートの斜視図である。図1Bは、図1Aの電池プレートの部分図である。
図2図2Aは、電池プレートの斜視図である。図2Bは、図2Aの電池プレートの部分図である。
図3図3Aは、指状の突出部を含む、隣接する電池プレート対を示す。図3Bは、電気化学セルの周りに合わせて連結される、隣接する電池プレート対を示す。図3Cは、電気化学セルの周りに一体型エッジシールを含む、隣接する電池プレート対を示す。図3Dは、複数の電気化学セルの周りに一体型エッジシールを含む電池プレートのスタックを示す。
図4図4Aは、歯状の突出部を含む、隣接する電池プレート対を示す。図4Bは、電気化学セルの周りで互いに咬合する、隣接する電池プレート対を示す。図4Cは、電気化学セルの周りに一体型エッジシールを形成する、互いに溶融接合されている、隣接する電池プレート対を示す。図4Dは、互いにオフセットされた歯状の突出部を含む電池プレートのスタックの分解図を示す。図4Eは、互いに咬合する電池プレートのスタックを示す。
図5図5Aは、周辺突出部を含む電池プレートのスタックを示す。図5Bは、重なる周辺突出部を含む電池プレートのスタックを示す。図5Cは、複数の電気化学セルの周りに一体型エッジシールを形成する、互いに溶融接合される電池プレートのスタックを示す。
図6】電池アセンブリの部分分解図を示す。
図7】電池アセンブリの斜視図を示す。
図8】電池アセンブリの断面図を示す。
図9】電池アセンブリの部分分解図を示す。
図10】電池アセンブリの部分分解図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本明細書に提示される説明及び図解は、当業者に本教示、その原理、及びその実際の適用を知らせることを意図している。記載された本教示の特定の実施形態は、本教示を網羅または限定することを意図するものではない。本教示の範囲は、添付の特許請求の範囲によって権利が与えられる均等物の全体の範囲に沿って、そのような特許請求の範囲を参照して判定されるべきである。あらゆる論文や参考文献、例えば特許出願及び刊行物の開示は、あらゆる目的のために、参照により組み込まれる。それらの全体が援用される以下の特許請求の範囲から得られるように、他の組み合わせも可能であり、これらもまた、参照によりこの書面による説明に組み込まれる。
【0014】
<電池プレート>
本開示は、バイポーラプレート、モノポーラプレート、デュアルポーラプレートなど、またはそれらの任意の組み合わせとして使用するのに有用な電池プレートに関する。電池プレートは、1つ以上の電極として機能すること、1つ以上の電気活性物質を含むこと、電気化学セルの一部であること、1つ以上のシール構造体の一部を形成すること、またはそれらの任意の組み合わせであることができる。複数の電池プレートは、電池アセンブリ内で電流(すなわち、イオン及び電子の流れ)を伝導するように機能することができる。複数の電池プレートは、1つ以上の電気化学セルを形成することができる。例えば、電池プレート対は、それらの間にセパレータ及び/または電解質を含むことができ、電気化学セルを形成することができる。存在する電池プレートの数は、電池の所望の電圧を供給するように選択されることができる。電池アセンブリの設計により、生成されることができる電圧に融通性がもたらされる。複数の電池プレートは、任意の所望の断面形状を有することができ、この断面形状は、使用環境中で利用可能なパッケージングスペースに適合するように設計されることができる。断面形状は、シートの面の観点からのプレートの形状を指すことができる。融通の利く断面形状及びサイズにより、電池が利用されるシステムの電圧及びサイズのニーズに対応するように、開示される電池アセンブリの調製が可能になる。対向するエンドプレートは、それらの間に複数の電池プレートを挟装することができる。1つ以上の電池プレートは、1つ以上の非平面構造を含んでもよい。
【0015】
非平面構造は、電池プレートの表面形状が、プレートが機能することができる任意の形状であることができることを意味してもよい。非平面構造は、電池プレートの平面部分から突出する、及び/またはその平面部分内に陥没する任意の特徴であってもよい。非平面構造は、電池プレートが非平面電池プレートであることができることを意味してもよい。非平面構造は、プレートを通過する任意の平面に関して、1つ以上の凹んだ表面及び/または突出した表面を含んでもよい。1つ以上の非平面構造は、規則的な、または不規則な形状であってもよい。これらの形状は、1つ以上の凹面または凸面を含んでもよい。非平面構造に含まれるのは、矩形、円柱、半球、ピラミッド、鋸歯などである。1つ以上の非平面構造は、1つ以上のインサート、ボス、フレーム、突出部、開口部、リブ、コルゲート構造、またはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。1つ以上の非平面構造は、1つ以上のシール、チャネル、またはその両方を形成するように機能してもよい。1つ以上の非平面構造は、基板の一部であってもよい。1つ以上の非平面構造は、基板、電池プレート、またはその両方の全体的な表面積を増加させるように機能してもよい。例えば、コルゲート面を有する基板は、比較的平坦な表面を有する基板よりも大きな表面積を有することができる。表面積が大きいと、電圧、電流、またはその両方が増加することができる。1つ以上の非平面構造は、電池プレートの任意の部分内にあってもよい。電池プレートのスタック内では、電池プレートの平面及び/または非平面構造は、それらが形成を助ける電気化学セルの効率的な機能を提供するために同じであってもよい。複数の電池プレートは、1つ以上のモノポーラプレート、1つ以上のバイポーラプレート、またはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。
【0016】
1つ以上の電池プレートは、1つ以上のバイポーラプレートを含んでもよい。1つ以上のバイポーラプレートは、単一または複数のバイポーラプレートを含んでもよい。本明細書に使用される複数とは、1つより多いプレートが存在することを意味する。バイポーラプレートは基板を含む。基板は、2つの対向する面を有するシートの形態であってもよい。対向する面上に配置されているのは、カソード及びアノードである。カソード及びアノードは、基板、集電体、またはその両方の上に塗布されるペーストの形態であってもよい。基板は、アノードまたはカソードと基板との間に配置されている集電体を含んでもよい。カソード、アノード、またはその両方は、転写シートを含んでもよい。バイポーラプレートは、1つのバイポーラプレートのカソードがもう1つのバイポーラプレートまたはモノポーラプレートのアノードに面し、各バイポーラプレートのアノードがバイポーラまたはモノポーラプレートのカソードに面するように、1つ以上のスタック中の電池アセンブリ内に配列されることができる。
【0017】
1つ以上の電池プレートは、1つ以上のモノポーラプレートであってもよい。1つ以上のモノポーラプレートは、単一または複数のモノポーラプレートを含んでもよい。1つ以上のモノポーラプレートは、複数の電池プレートの対向する各端部に配置されているモノポーラプレートを含んでもよい。対向するモノポーラプレートは、それらの間に配置されている1つ以上のバイポーラプレートを含んでもよい。1つ以上のモノポーラプレートは、1つ以上のエンドプレートに隣接して配置されていること、1つ以上のエンドプレートの一部であること、または1つ以上のエンドプレートであることができる。例えば、モノポーラプレートのそれぞれは、隣接するエンドプレートと隣接するバイポーラプレートとの間に配置されていてもよい。1つ以上のモノポーラプレートを1つ以上のエンドプレートに取り付けることができる。1つ以上のモノポーラエンドプレートは、全体があらゆる目的のために参照により本明細書に援用されている、米国特許第8,357,469号、第9,553,329号、及び米国特許出願公開第2017/0077545号のいずれかに教示されているようなエンドプレートに添着されることができる。1つ以上のモノポーラエンドプレートは、米国特許出願公開第2017/0077545号に開示されているような1つ以上の補強構造を含んでもよい。1つ以上のモノポーラプレートは、1つ以上のバイポーラプレートに使用されるものと同じ基板、アノード、及びカソードから調製されることができる。電池アセンブリの1つのモノポーラプレートは、その上に配置されるカソードを備えた基板を含んでもよい。電池アセンブリの1つのモノポーラプレートは、その上に配置されるアノードを備えた基板を含んでもよい。カソード、アノード、またはその両方は、基板上に塗布されるペーストの形態であってもよい。カソード、アノード、またはその両方は、転写シートを含んでもよい。アノードまたはカソードに対向する、及び/またはエンドプレートに面するモノポーラプレートの表面または側面は、基板の露出面であってもよい。
【0018】
1つ以上の電池プレートは、1つ以上のデュアルポーラプレートを含んでもよい。デュアルポーラ電池プレートは、電池プレートの1つ以上のスタックを電池プレートの1つ以上の他のスタックと電気的に接続することを容易にするように機能すること、2つ以上のスタックの製造及び組み立てを単純化するように機能すること、またはその両方をすることができる。デュアルポーラプレートのスタックを使用して電池プレートの2つ以上のスタックを電気的に接続することにより、電池プレートの個別のスタックを、標準サイズ(例えば、プレート及び/または電気化学セルの数)として形成し、次に、組み立ててバイポーラ型電池アセンブリを形成すること、電池プレートの個別のスタックの数を簡単に変更して、バイポーラ型電池アセンブリによって発生する電力を増加させる、もしくは減少させること、またはその両方をすることができる。デュアルポーラプレートは、1つ以上の基板を含んでもよい。1つ以上の基板は、単一の基板または複数の基板を含んでもよい。1つ以上の基板は、1つ以上の導電性基板、1つ以上の非導電性基板、またはその両方の組み合わせを含んでもよい。複数の導電性基板は、第一導電性基板及び第二導電性基板を含んでもよい。例えば、デュアルポーラプレートは、第一導電性基板、及び第二導電性基板を含んでもよく、それらの間には非導電性基板が配置されている。別の例として、デュアルポーラプレートは、非導電性基板を含んでもよい。別の例として、デュアルポーラプレートは、単一の導電性基板を含んでもよい。デュアルポーラプレートの1つ以上の基板は、対向する表面を含む。対向する表面は、その表面の一部に対して析出する、及び/または接触する、アノード、カソード、電流導体、集電体、またはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。デュアルポーラプレートの導電性基板は、1つの表面の上に、または対向する両方の表面の上に堆積されるアノードまたはカソードを含んでもよい。対向する表面の上に同じアノードまたはカソードを含むことにより、必要なのは、1つ以上のスタックの別の電流導体(例えば、正もしくは負の電流導体、またはモノポーラプレートの端子)に対して1つの電気接続(例えば、正または負の電流導体を介して)のみであることで、製造が単純になることができる。デュアルポーラプレートの基板は、一方または両方の対向する表面の上に配置される集電体を含んでもよい。集電体は、カソードまたはアノードと基板の表面との間に配置されることができる。例示的なデュアルポーラプレート、及びその電池アセンブリ内への一体化は、米国特許第9,685,677号、第9,825,336号、及び米国特許出願公開第2018/0053926号に開示されており、それらの全体は、すべての目的のために参照により本明細書に援用されている。
【0019】
1つ以上の電池プレートは、1つ以上の基板を含む。1つ以上の基板は、カソード及び/またはアノードに構造上の支持を提供するように機能することができ、隣接する電気化学セル間の電解質の流れを防ぐためのセルパーティションとして機能することができ、他の電池部品と協働して、電池の外面にあることができる電解液密シールを電池プレートのエッジの周りに形成するように機能することができ、いくつかの実施形態では、一方の表面から他方の表面に電子を送るように機能することができる。基板は、機能または電池の化学的性質に応じて、さまざまな材料から形成されることができる。基板は、所望の電池プレートのバックボーンを提供するのに十分に構造上頑強であり、電池構造に使用されるあらゆる導電性材料の融点を超える温度に耐え、電解質(硫酸溶液など)との接触時に基板が劣化しないように、電解質との接触中に高い化学的安定性を有する材料から形成されることができる。基板は、適切な材料から形成されることができる、及び/または基板の1つの表面から対向する基板の表面への電気の伝導を可能にする方法で構成される。基板は、導電性材料、例えば、金属材料から形成されてもよい、または非導電性材料から形成されてもよい。例示的な非導電性材料は、熱硬化性ポリマー、エラストマーポリマー、もしくは熱可塑性ポリマーなどのポリマー、またはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。基板は、一般に非導電性基板(例えば、誘電体基板)を含んでもよい。非導電性基板は、その中に、またはその上に構築される導電性の特徴を含んでもよい。用いられることができるポリマー材料の例は、ポリアミド、ポリエステル、ポリスチレン、ポリエチレン(ポリエチレンテレフタレート、高密度ポリエチレン及び低密度ポリエチレンを含む)、ポリカーボネート(PC)、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、バイオベースプラスチック類/バイオポリマー類(例えば、ポリ乳酸)、シリコーン、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、またはPC/ABS(ポリカーボネート類とアクリロニトリルブタジエンスチレン類の配合物類)などのそれらの任意の組み合わせを含む。複合基板を利用することができる。複合材料は、補強材料を含んでもよく、これらの補強材料は、熱硬化性コア、及び熱硬化性ポリマーの周辺部の周りの熱可塑性シェルもしくは熱可塑性エッジなどの2つの異なるポリマー材料、または非導電性ポリマー内に配置される導電性材料という、当該技術で一般に知られている繊維またはフィラーなどである。基板は、プレートのエッジに、結合可能である、好ましくは溶融接合可能である熱可塑性材料を含む、または備えることができる。1つ以上の基板は、1つ以上の非平面構造体を含んでもよい。1つ以上の非平面構造体は、基板と一体であってもよい、または基板に添着されてもよい。1つ以上の非平面構造体は、基板の一部として成形されてもよい。1つ以上の非平面構造体は、1つ以上の隆起したエッジ、フレーム、インサート、突出部、開口部など、またはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。
【0020】
電池プレートの積層、及び電気化学セルの形成を容易にするために、1つ以上の基板は、周辺部の周りに隆起したエッジを含んでもよい。この文脈で使用される隆起したエッジは、プレートの2つの対向する表面のうちの少なくとも1つの上に隆起したエッジを意味する。隆起したエッジは、別の基板材料の周りに形成される熱可塑性エッジ部分を含んでもよい。隆起したエッジは、本明細書に記載されるように、セパレータプレートとして機能してもよい。基板、またはこの基板の周辺部は、非導電性材料であってもよいし、熱可塑性材料であってもよい。1つ以上の基板は、フレームを含んでもよい。フレームは、隆起したエッジを含んでもよいし、含まなくてもよい。フレームは、隆起したエッジを指すことがある。フレームは、基板の周辺部の周りにあってもよい。フレームは、基板に添着されてもよい、及び/または基板と一体にしてもよい。フレームは、熱可塑性材料などの非導電性材料からなってもよい。非導電性材料の使用により、電池スタックの外側の封止が強化される。フレームは、その中に形成される1つ以上の組み立て補助具を含んでもよい。組み立て補助具は、積層して電池アセンブリを形成する間、1つ以上の基板、セパレータ、またはその両方を適所にアライメントして保定するのを助けるように機能してもよい。組み立て補助具は、1つ以上の突出部、陥没部、またはその両方を含んでもよい。例えば、フレームの1つの表面からの1つ以上の雄型突出部は、隣接する基板及び/またはセパレータのフレームの1つ以上の雌型穴部内にアライメントして配置されてもよい。フレームの1つ以上の雌型穴部は、1つ以上の雄型突出部と対向するフレームの表面上に配置されていてもよい。フレームを使用して、一体型エッジシールを形成してもよい。1つ以上のフレームは、1つ以上の一体型エッジシールを形成するのに有用な1つ以上の突出部を含んでもよい。
【0021】
1つ以上の電池プレートは、1つ以上の突出部を含んでもよい。1つ以上の突出部は、1つ以上の他の突出部と係合する、及び/または嵌合する機能、別の(例えば、隣接する)電池プレートと嵌合する機能、組み立て中に電池プレートを電池プレートのスタック内にアライメントする機能、1つ以上の電気化学セルの周りにシールを形成する機能、またはそれらの組み合わせの機能を果たしてもよい。1つ以上の突出部は、機能するために必要な任意の適切なサイズ、形状、及び/または配置を有してもよい。1つ以上の突出部は、1つ以上の隆起したエッジ、唇部、タブ、指部、歯部、ポスト、起伏部、穴部など、またはそれらの任意の組み合わせとして形成されてもよい。1つ以上の突出部は、電池プレートの任意の表面から延出してもよい。1つ以上の突出部は、電池プレートの外面、内面、またはその両方から延出してもよい。1つ以上の突出部は、電池プレートの外周部から延出してもよい。1つ以上の突出部は、電池プレートのフレーム、隆起したエッジ、基板、任意の他の部分、またはそれらの任意の組み合わせから延出してもよい。1つ以上の突出部は、フレームの外面、フレームの内向き面、またはその両方から延出してもよい。1つ以上の突出部は、電池プレートの一部に対して任意の角度で延出することができることにより、これらの突出部は、1つ以上の他の突出部、外面、フレーム、隆起したエッジ、基板、またはそれらの任意の組み合わせに対して、係合する、嵌合する、接触する、重なる、またはそれらの任意の組み合わせを行うことができる。積層すると、個別の電池プレートの1つ以上の突出部は、隣接する電池プレートの外部の周りに重なることができる。そのようなことは、電気化学セルを形成する積層時に起こる。1つ以上の突出部は、隣接する電池プレートに向けて延出してもよい。1つ以上の突出部は、基板に対してある角度で延出してもよい。1つ以上の突出部は、基板に対して一般に鋭角、垂直、または鈍角でさえある角度で延出してもよい。1つ以上の突出部は、この角度が変化するように変形されてもよい。例えば、1つ以上の突出部は、基板に対する角度が低下するように、熱を加えるときに変形されてもよい。1つ以上の突出部は、電池プレートの1つ以上の側面から延出してもよい。1つ以上の突出部は、電池プレートの1つの側面、2つの側面、3つの側面、4つの側面、または任意の他の数の側面の周りに延在してもよい。1つ以上の突出部は、電池プレートの1つ、いくつか、またはすべての側面の周りに延在してもよい。1つ以上の突出部は、1つ以上の基板、隆起したエッジ、フレームなど、またはそれらの組み合わせに適した任意の材料から作製されてもよい。例えば、1つ以上の突出部は、熱可塑性材料からなってもよい。熱可塑性材料は、溶融接合性などの結合性であってもよい。1つ以上の突出部は、電池プレートの周りに連続していること、電池プレートの周りに間隔をあけて置かれること、またはその両方であることができる。連続しているのは、電池プレートの周辺部全体の周りであってもよい。例えば、1つ以上の突出部は、電池プレートの周辺部全体の周りにフレームまたは基板から延出する周辺唇部を含んでもよい。電池プレートの周りに間隔をあけて置かれることは、複数の突出部が電池プレートの周辺部の周りに分布することを意味することができる。例えば、1つ以上の突出部は、電池プレートの周辺部の周りに均一に、または不均一に分布する複数のタブを含んでもよい。別の例として、1つ以上の突出部は、電池プレートの周辺部の周りに均一に、または不均一に分布する複数の歯部を含んでもよい。1つ以上の突出部は、1つ以上の電池プレートに取り付けられること、一体化されること、またはその両方をされることができる。1つ以上の突出部は、電池プレートの1つ以上のフレーム、隆起したエッジ、基板、任意の他の部分、またはそれらの任意の組み合わせに取り付けられること、それらと一体であること(例えば、それらとともに形成されること)、またはその両方であることができる。例えば、1つ以上の突出部はフレームに一体化して形成されることができ、また、このフレームが基板と一体化して形成されることにより、1つ以上の突出部は基板と一体化して形成される。
【0022】
1つ以上の突出部は、1つ以上の他の突出部、フレーム、基板、外面、またはそれらの任意の組み合わせと協働して、1つ以上の一体型エッジシールを形成すること、1つ以上の電気化学セルを封止すること、またはそれらの任意の組み合わせをすることができる。1つ以上の突出部は、1つ以上の他の突出部、電池プレート、セパレータなど、またはそれらの任意の組み合わせと係合するのに適している任意のサイズ及び/または構成を有してもよい。1つ以上の突出部は、隣接する電池プレート、セパレータ、またはその両方と重なるのに適した長さを有してもよい。1つ以上の突出部は、1つ以上の他の突出部と嵌合するのに適した長さ、深さ、またはその両方を有してもよい。例えば、1つ以上の突出部は、1つ以上の他の突出部の1つ以上の歯部と同様の長さを有する1つ以上の穴部を含んでもよい。1つ以上の突出部は、隣接する電池プレート、セパレータ、またはその両方の1つ以上の他の突出部と係合してもよい、及び/または嵌合してもよい。例えば、複数の電池プレートを積層することは、1つの電池プレートの1つ以上の突出部を、隣接する電池プレートの1つ以上の他の突出部と嵌合させることを含んでもよい。1つ以上の突出部は、1つ以上の他の突出部に対してオフセットされていてよい、アライメントされてもよい、またはその両方をされてもよい。例えば、1つの電池プレートの1つ以上の突出部は、もう1つの電池プレートの1つ以上の他の突出部からオフセットされていてよい。別の例として、1つの電池プレートの1つ以上の突出部は、もう1つの電池プレートの1つ以上の他の突出部とアライメントされてもよい(例えば、中央にアライメントされてもよい)。1つ以上の突出部は、1つ以上の他の突出部と、相互にアライメントされること、絡み合うこと、連結すること、咬合すること、重なること、スナップフィットすることなど、またはそれらの任意の組み合わせを介して係合してもよい、及び/または嵌合してもよい。例えば、1つの電池プレートの歯部として形成される突出部は、隣接する電池プレートの歯部として形成される突出部と係合してもよい。1つ以上の突出部は、重なること、当接すること、摩擦嵌合すること、スナップフィットすること(例えば、スナップロックすること)など、またはそれらの任意の組み合わせによって、1つ以上の外面と係合してもよい、及び/または嵌合してもよい。例えば、1つの電池プレートの周辺部の周りから延出する周辺唇部として形成される1つ以上の突出部は、スナップフィット接合を用いて隣接する電池プレートの周辺部を受容してもよい。1つ以上の突出部は、1つ以上の他の突出部に結合されてもよい。結合は、突出部の一部と同じ材料、別の接着剤、またはその両方を介して行われてもよい。結合は、溶着によって行われてもよい。結合は、溶融接合を有してもよい。1つ以上の突出部を1つ以上の他の突出部と融着することにより、1つ以上の電池プレートを、1つ以上の他の電池プレート、セパレータ、またはその両方に一体化して取り付けてもよい。1つ以上の突出部は、合わせて融着、外面と融着、またはその両方で融着し、1つ以上の一体型エッジを形成してもよい。1つ以上の突出部を1つ以上の他の突出部に融着することにより、1つ以上の電気化学セルの周りに1つ以上の一体型エッジシールを形成してもよい。
【0023】
1つ以上の突出部は、1つ以上のセパレータの一部であってもよい。セパレータに関連する突出部の1つ以上の特徴は、1つ以上の電池プレートに関連するものと同じであってもよい、または類似していてもよい。
【0024】
1つ以上の電池プレートは、1つ以上の活物質を含んでもよい。1つ以上の活物質は、電池プレートのカソードまたはアノードとして機能することができる。1つ以上の活物質は、アノード、カソード、またはその両方として機能するために電池で一般的に使用される任意の形態であってもよい。バイポーラプレートは、カソードとして機能する表面上に1つ以上の活物質、及びアノードとして機能する対向する表面上に1つ以上の活物質を含んでもよい。モノポーラプレートは、カソードまたはアノードとして機能する表面上に1つ以上の活物質を含み、対向する表面はアノード及びカソードの両方が露出されていてよい。デュアルポーラプレートは、カソードまたはアノードとして機能する表面上に1つ以上の活物質があり、1つ以上の同様の活物質は、カソードまたはアノードとしても機能する対向する表面上にある。1つの電池プレートのカソードは、もう1つの電池プレートのアノードに対向していてもよい。カソードは、1つ以上の正極活物質(PAM)と称されることがある。アノードは、1つ以上の負極活物質(NAM)と称されることがある。1つ以上の活物質は、同じ電気化学セルの電解質、対向する1つ以上の活物質、またはその両方との電気化学反応を促進する任意の適切な活物質を含んでもよい。1つ以上の活物質は、電解質との還元及び/または酸化反応を有するように選択されてもよい。1つ以上の活物質は、鉛電池、リチウムイオン電池、及び/またはニッケル水素電池を含む、二次電池で通常使用される1つ以上の物質を含んでもよい。1つ以上の活物質は、リチウム、鉛、炭素、または遷移金属の複合酸化物、硫酸化合物、またはリン酸化合物を含んでもよい。複合酸化物の例は、LiCoOなどのLi/Co系複合酸化物、LiNiOなどのLi/Ni系複合酸化物、スピネルLiMnなどのLi/Mn系複合酸化物、及びLiFeOなどのLi/Fe系複合材料を含む。遷移金属及びリチウムの例示的なリン酸化合物及び硫黄化合物は、LiFePO、V、MnO、TiS、MoS、MoO、PbO、AgO、NiOOHなどを含む。例えば、鉛電池では、1つ以上の活物質は、二酸化鉛(PbO)、三塩基性酸化鉛(3PbO)、三塩基性硫酸鉛(3PbO・3PbSO)、四塩基性酸化鉛(4PbO)、四塩基性硫酸鉛(4PbO・4PbSO)、またはそれらの任意の組み合わせであってもよい、またはそれらを含んでもよい。1つ以上の活物質は、1つ以上の活物質が電気化学セルのカソード、アノード、またはその両方として機能することを可能にする任意の形態であってもよい。例示的な形態は、ペースト形態の成形部品、プレハブ式シートもしくはフィルム、スポンジ、またはそれらの任意の組み合わせを含む。例えば、1つ以上の活物質は、スポンジ状鉛を含んでもよい。スポンジ状鉛は、その多孔質のために有用であることがある。1つ以上の活物質は多孔質であってもよい。多孔質は、表面積を増加させるのに有利であることができる。表面積が大きくなると、イオンが移動する距離が短くなるため、1つ以上の活物質の電力及びエネルギー密度が増加することができる。1つ以上の活物質は、1つ以上の他の活物質と比較して、より低い、ほぼ等しい、またはより高い細孔表面積を有することができる。電気化学セルのアノードまたはカソードの少なくとも1つの1つ以上の活物質のペースト形態は、複数の活物質の簡単な塗布を可能にすること、非平面形状を形成すること、非平面基板に適合させること、1つの活物質を別の活物質と容易に区別させること、1つ以上の非活物質がその中に配置されることを可能にすること、またはそれらの任意の組み合わせをすることができるため、特に有利であることができる。1つ以上の活物質は、1つ以上の添加剤を含んでもよく、これら1つ以上の添加剤は、補強、安定性、導電性、またはそれらの組み合わせを提供する、または改善するのに有益であることができる。1つ以上の添加剤は、補強を改善するために綿状物またはガラス繊維を含んでもよい。1つ以上の添加剤は、ペーストの安定性のためにさまざまなリガノ(ligano)有機化合物を含んでもよい。1つ以上の添加剤は、導電性を改善するために、炭素、非炭素、非酸化ケイ素、ナノ酸化チタン、ナノポリマーなど、またはそれらの組み合わせを含んでもよい。電気化学セルを含む回路が形成されると、アノード及びカソードで使用するために選択される1つ以上の活物質は、合わせて協働し、電気化学セルとして機能するように選択されてもよい。1つ以上の活物質は、基板、集電体、またはその両方に配置されてもよい。電池プレート及び/または電池アセンブリを形成する方法は、1つ以上の活物質を基板上に配置することを含んでもよい。1つ以上の活物質は、フレーム、隆起したエッジ、1つ以上の突出部など、またはそれらの組み合わせ内に配置されることができる。それらの内は、基板の表面上に配置されながら、フレーム、隆起したエッジ、突出部など、またはそれらの組み合わせによって画定される周辺部内として画定されてもよい。
【0025】
<電池アセンブリ>
電池アセンブリは、複数の電池プレートを積層して複数の電気化学セルを形成することによって形成されることができる。電池プレートは、本教示による1つ以上の電池プレートを含んでもよい。電池アセンブリは、1つ以上の電気化学セルを含んでもよい。電気化学セルは、対向する電池プレート対によって形成されることができ、その間に対向するアノード及びカソードの対がある。電気化学セルの空間(すなわち、対向するアノード及びカソードの対の間)は、1つ以上のセパレータ、転写シート、電解質、またはそれらの組み合わせを含んでもよい。1つ以上の電気化学セルは封止されてもよい。電気化学セルは、1つ以上のチャネルの周りに形成される1つ以上のシール、電池プレート、セパレータもしくはその両方の1つ以上のフレーム及び/またはエッジ、1つ以上の一体型エッジシール、またはそれらの任意の組み合わせを通して封止され、閉じた電気化学セルを形成することができる。電気化学セルの周辺部は、1つ以上の一体型エッジシールによって封止されてもよい。1つ以上の一体型エッジシールは、1つ以上の電気化学セルの周りに、液密シール、気密シール、またはその両方を設けることができる。閉じた電気化学セルは、セルの漏れ及び短絡を防ぐために環境から封止されることができる。
【0026】
電池アセンブリは、電解質を含んでもよい。電解質は、電子及びイオンがアノードとカソードとの間を流れることを可能にしてもよい。電解質は、電気化学セル内に配置されることができる。1つ以上の電気化学セルを封止することができる場合、電解質は液体電解質であってもよい。電解質は、利用されるアノード及びカソードとの電気化学反応を促進する任意の液体電解質であることができる。電解質は、水系または有機系であることができる。本明細書に有用な有機系電解質は、有機溶媒中に溶解した電解質塩を含む。リチウムイオン二次電池では、電解質塩中にリチウムが含まれている必要がある。例えば、リチウム含有電解質塩には、LiPF、LiClO、LiBF、LiAsF、LiSOCF及びLiN(CFSOを使用することができる。これらの電解質塩類は、単独で、または2つ以上の組み合わせで使用されることができる。有機溶媒は、セパレータ、転写シート、カソード及びアノード、ならびに電解質塩と親和性がある必要がある。高電圧を印加しても分解しない有機溶媒を使用することが好ましい。例えば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート及びエチルメチルカーボネートなどのカーボネート類と、テトラヒドロフラン(THF)及び2-メチルテトラヒドロフランなどの環状エーテル類と、1,3-ジオキソラン及び4-メチルジオキソランなどの環状エステル類と、γ-ブチロラクトンなどのラクトン類と、スルホランと、3-メチルスルホランと、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、エトキシメトキシエタン及びエチルジグライムと、を使用することが好ましい。これらの溶媒は、単独で、または2つ以上の組み合わせで使用されてもよい。液体電解質中の電解質の濃度は、好ましくは0.3から5mol/lである必要がある。通常、電解質は、1mol/l付近で最も高い導電率を示す。液体電解質は、好ましくは、電解質の30から70重量パーセント、特に40から60重量パーセントを占める必要がある。水性電解質は、セルの機能を強化する水中の酸類または塩類を含む。好ましい塩類及び酸類は、硫酸、硫酸ナトリウムまたは硫酸カリウム塩類を含む。塩または酸は、セルの動作を容易にするのに十分な量で存在する。濃度は、電解質の重量に基づいて約0.5重量パーセント以上、約1.0重量パーセント以上、または約1.5重量パーセント以上であってもよい。鉛電池中の好ましい電解質は、水中の硫酸である。電解質は、電気化学セルの1つ以上のセパレータ、転写シート、またはその両方を通過することができてもよい。1つ以上の一体型エッジシールは、電解質が電池アセンブリの外部に漏れるのを封止してもよい。1つ以上の一体型エッジシールを形成した後、1つ以上の電気化学セルに電解質を封入することができる。
【0027】
電池アセンブリは、1つ以上の一体型エッジシールを含んでもよい。1つ以上の一体型エッジシールは、1つ以上の電気化学セルの周りにシールを設ける機能、1つ以上の電池プレート及び/またはセパレータが互いに分離するのを防ぐ機能、またはその両方の機能を果たす。一体型エッジシールは、複数の電気化学セルの周りに液密シール、気密シール、またはその両方を形成するのに特に有用であることができる。1つ以上の一体型エッジシールは、1つ以上の突出部、電池プレート、セパレータ、またはそれらの任意の組み合わせによって形成されることができる。一体型エッジシールは、電気化学セルの周辺部の一部または全部の周りに形成されることができる。一体型エッジシールは、電気化学セルの周りのすべての周縁部の周りに形成されることができる。周縁部は、電気化学セルを形成する、隣接する電池プレート、セパレータ、またはその両方によって画定される接合部及び/またはシームであってもよい。1つ以上の一体型エッジシールは、電解質に曝露されるのに適した任意の材料からなってもよい。1つ以上の一体型エッジシールは、1つ以上の基板、フレーム、隆起したエッジ、突出部、セパレータなど、またはそれらの組み合わせに適した同じ材料によって形成されることができる。
【0028】
一体型エッジシールは、1つ以上の電池プレートを1つ以上の他の電池プレート、セパレータ、またはその両方の内に積層させると、形成されることができる。1つ以上の一体型エッジシールは、1つ以上の突出部を、1つ以上の隣接する電池プレート、セパレータ、またはその両方の1つ以上の他の突出部、フレーム、隆起したエッジ、外面、及び/または同様のものと嵌合する、係合する、及び/または結合することによって形成されることができる。一体型エッジシールは、1つ以上の突出部を、電池プレート、セパレータ、またはその両方の1つ以上の他の突出部、外面、フレーム、隆起したエッジ、基板、または任意の他の部分と結合するのに適した任意の方法によって形成されることができる。結合は、別個の接着剤、溶融接合、またはその両方の使用を含んでもよい。結合は、任意の溶着方法で行われることができる。溶着は、熱溶着、溶媒溶着など、または任意の組み合わせを含んでもよい。溶着は、摩擦もしくは振動、超音波、高周波、誘導ループワイヤ、溶媒など、またはそれらの任意の組み合わせによって熱が発生し、プラテンが加熱されることによって達成されることができる。例えば、熱は、プラテンを介して、高温気体、高温液体、赤外線、レーザー、摩擦、振動、超音波誘導ワイヤループ、高周波など、またはそれらの任意の組み合わせによって加えられてもよい。例えば、電池プレートを形成することは、複数の電池プレートの外周部の周りを溶着して、1つ以上の一体型エッジシールを形成することを含んでもよい。溶着時に、1つ以上の突出部が隣接する電池プレートに結合することによって、一体型エッジシールを形成してもよい。1つ以上の一体型エッジシールは、電池プレートとは別の材料を含まなくてもよい。例えば、1つ以上の一体型エッジシールは、溶着または他の結合時に1つ以上の突出部によって形成され、いかなる他のシールまたはシーラント材料も含まなくてもよい。溶着または他の結合方法により、1つ以上の電気化学セルの周辺部の周りに連続して一体化されたシールが設けられてもよい。溶着または他の結合方法により、1つ以上の電気化学セルの周辺部の周りに機械的に強いシールが設けられてもよい。
【0029】
電池アセンブリは、1つ以上のセパレータを含んでもよいし、含まなくてもよい。1つ以上のセパレータは、電気化学セルを仕切る(すなわち、電気化学セルのカソードを電気化学セルのアノードから分離する)機能、樹状突起形成によるセルの短絡を防ぐ機能、液体電解質、イオン、電子、もしくはこれらの要素の任意の組み合わせが通過することを可能にする機能、またはそれらの任意の組み合わせの機能を果たすことができる。列挙された機能のうちの1つ以上を実行する任意の既知の電池セパレータを、本教示の電池アセンブリに利用することができる。1つ以上のセパレータは、電気化学セルのアノードとカソードとの間に配置されることができる。1つ以上のセパレータは、隣接する電池プレート対の間に配置されることができ、この対の間は、バイポーラプレート間、またはバイポーラプレートとモノポーラプレートとの間を含んでもよい。セパレータは、多孔質ポリマーフィルム、ガラスマット、多孔質ゴム、イオン導電性ゲル、または木材のような天然材料などの非導電性材料から調製されることができる。セパレータはセパレータを通る細孔または蛇行経路を含んでもよく、これらの細孔または蛇行経路により、電解質、イオン、電子、またはそれらの組み合わせがセパレータを通過することを可能にする。セパレータとして有用な例示的な材料の中には、吸着性ガラスマット(AGM)、及び多孔質超高分子量ポリオレフィン膜などがある。セパレータは、それらの周辺部及び/または内部の周りで、1つ以上のエンドプレート、電池プレート、他のセパレータ、またはそれらの任意の組み合わせに取り付けられることができる。セパレータは、それを介して1つ以上のポストを受容してもよい。例えば、1つ以上のエンドプレート、1つ以上の電池プレート、及び/または1つ以上のセパレータのスタックを通って延出する1つ以上のポストは、複数の電池プレート及び1つ以上のセパレータを合わせたスタックを保定することができる。セパレータは、隣接するカソード及びアノードの面積よりも大きい断面または表面積を有してもよい。面積が大きいことで、同じ電気化学セルのカソードからアノードを単離することが可能になる。セパレータは、セルのカソード部分をセルのアノード部分から完全に分離することができる。セパレータのエッジは、隣接する電池プレートの周縁部に接触してもよい。セパレータのエッジは、電池プレートの1つ以上のフレーム、突出部、またはその両方に接触する、及び/または隣接して配置されることができる。セルのアノード部分をセルのカソード部分から完全に分離するために、セパレータ、電池プレート、またはその両方のエッジは、その上に配置されるアノードまたはカソードを含まなくてもよい。活物質を転写シートに塗布してから、転写シートを基板に適用することは、セパレータ及び電池プレートのエッジが活物質を含まないことを確実にするのに特に有利であることができる。電気化学セル内で1つ以上の転写シートを使用することにより、必要に応じて、電気化学セルがセパレータを含まないことが可能になる。
【0030】
1つ以上のセパレータは、1つ以上のフレームを含んでもよいし、含まなくてもよい。フレームは、隣接する電池プレートのエッジまたはフレームと整合する機能、及び電気化学セルと電池の外側との間にシールを形成する機能を果たすことができる。フレームは、セパレータに取り付けられてもよい、またはセパレータと一体にしてもよい。セパレータをフレームに結合する任意の手段を使用して、フレームは、シートの周辺部の周りでセパレータに取り付けられ、電解質溶液への曝露に耐えることができるセパレータを形成することができる。例えば、フレームは、セパレータの周辺部の周りにフレームを接着結合すること、溶融接合すること、または成形することによって取り付けられることができる。フレームは、熱成形、射出成形、ロトモールド、ブロー成形、圧縮成形などの任意の既知の成形技術によって適所に成形されることができる。フレームは、射出成形によってセパレータシートの周りに形成されることができる。フレームは、電池プレートの基板の周辺部の周りに配置される隆起したエッジに整合するように適合される、隆起したエッジを含んでもよい。電池プレートの基板の一方または両方の隆起したエッジ、及びセパレータのフレームを整合して、電池スタックの共通のエッジを形成し、電気化学セルと電池の外側との間のシールを強化することができる。複数の電池プレート及び1つ以上のセパレータのエッジの周りを封止して電気化学セルからの電解質及び発生した気体の漏れを防ぎ、電気化学セルを単離して短絡を防ぐために、物品は、参照により全体が援用されている、共同所有されている米国特許公開第2010/0183920号、第2014/0349147号、第2015/0140376号、及び第2016/0197373号に開示されている、エンドまたはエクソスケルトンシールシステムを使用して封止されることができる。1つ以上のフレームがないことにより、1つ以上のセパレータを電池プレートの内部内に配置することができる。この内部は、電池プレートの1つのフレーム、1つ以上の突出部、またはその両方によって画定されることができる。1つ以上のフレームがないことにより、電池プレートの1つ以上の突出部は隣接する電池プレートの外面とよりよく重なること、一体型シールはより容易に形成されること、一体型シールは隣接する電池プレートのより大きな表面積にわたり広がり、より強力なシールを提供すること、またはそれらの任意の組み合わせをすることができる。
【0031】
電池アセンブリは、1つ以上のインサートを含んでもよい。1つ以上のインサートは、複数のインサートを含んでもよい。1つ以上のインサートは、1つ以上の他のインサートと連結する機能、スタックを通過する1つ以上のチャネルの一部を画定する機能、1つ以上のチャネルに沿って漏れ止めシールを形成する機能、1つ以上のバルブと協働する機能、またはそれらの任意の組み合わせをする機能を果たすことができる。1つ以上のインサートは、1つ以上のエンドプレート、電池プレート、セパレータ、またはそれらの任意の組み合わせの一部であってもよい。1つ以上のインサートは、活物質、転写シート、またはその両方を含んでいなくてもよい。1つ以上のインサートの任意のサイズ及び/または形状は、電池プレート、エンドプレート、セパレータもしくはそれらの組み合わせの1つ以上のインサートと連結するもの、チャネルの一部を形成するもの、1つ以上のチャネルに沿って漏れ止めシールを形成するもの、1つ以上のバルブと協働するもの、またはそれらの任意の組み合わせのものであってもよい。1つ以上のインサートは、エンドプレート、電池プレートの基板、セパレータ、またはそれらの組み合わせに形成されてもよい、または取り付けられてもよい。1つ以上のインサートは、電池プレート、セパレータ、エンドプレート、またはそれらの組み合わせの周辺部の内に配置されることができる。1つ以上のインサートは、基板、セパレータ、エンドプレート、またはそれらの組み合わせの表面から突出することができることで、1つ以上の隆起したインサートを形成することができる。1つ以上のインサートは、電池プレートの基板、セパレータの中央部分、またはその両方から突出することができる。1つ以上のインサートは、基板、セパレータ、エンドプレート、またはそれらの組み合わせの表面から実質的に直交して、または斜めに突出することができる。1つ以上のインサートは、電池プレート、セパレータ、エンドプレート、またはそれらの組み合わせの一部に取り付けられてもよい、またはその一部と一体にされてもよい。インサートは、表面と一体であり、その表面から突出することで、ボスとして画定されてもよい。対向する表面は、そこからインサートが突出するため、相反した陥没部を有することができ、ボスの形成を可能にする。相反した陥没部は、その中に別のインサートを受容することができるため、チャネルの形成を可能にする。1つ以上のインサートは、それを通る1つ以上の開口部を含んでもよい。1つ以上のインサートは同心であり、1つ以上の開口部の周りに形成されてもよい。1つ以上のインサートは、開口部の長さを延伸することができる。シール面は、1つ以上の開口部の外径と1つ以上のインサートの内部との間に形成されることができる。例えば、基板、エンドプレート、及び/またはセパレータの表面は、インサートと開口部との間に配置されている電池アセンブリの長手方向軸に実質的に垂直であってもよく、シール面であってもよい。1つ以上のインサートは、隣接する電池プレート、セパレータ、及び/またはエンドプレートの1つ以上のインサートと連結して、チャネルの周りに漏れ止めシールを形成することができる。例えば、1つ以上の電池プレートは、セパレータ、電池プレート、及び/またはエンドプレートのボス、インサート、スリーブ、またはブッシングのために、インサートと対向する表面に合う陥没部を含むように機械加工されてもよい、または形成されてもよい。1つ以上のインサートは、1つ以上の活物質、転写シート、またはその両方の1つ以上の非平面構造体を通過することができる。例えば、1つ以上のインサートは、活物質及び転写シートの開口部(例えば、空隙部)を通過することができることにより、隣接するインサートと連結することが可能になる。1つ以上の適切なインサートは、あらゆる目的のために全体が参照により本明細書に援用されている、米国特許第8,357,469号、第9,553,329号、及び米国特許出願公開第2017/0077545号に開示されているものであってもよい。1つ以上のインサートは、1つ以上の通気孔を含んでもよい。1つ以上のセパレータの1つ以上のインサートは、1つ以上の通気孔を含んでもよい。1つ以上の通気孔は、1つ以上の電気化学セルから1つ以上のチャネルへの選択された流体の連通を可能にしてもよい。電気化学セルのそれぞれは、独立して電気化学的に形成されることができる。
【0032】
電池アセンブリは、1つ以上の開口部を含んでもよい。1つ以上の開口部は、複数の開口部を含んでもよい。開口部は、1つ以上のチャネルを形成する機能、1つ以上のシールを収容する機能、1つ以上のエンドプレート、電池プレート、セパレータ、もしくはそれらの組み合わせを互いに添着する機能、またはそれらの任意の組み合わせをする機能を果たすことができる。1つ以上の開口部は、エンドプレート、電池プレート、セパレータ、活物質、転写シート、またはそれらの任意の組み合わせのうちの1つ以上の内に形成されることができる。エンドプレート、電池プレート、セパレータ、活物質、転写シート、またはそれらの組み合わせのうちの1つ以上の開口部は、1つ以上の他のエンドプレート、電池プレート、セパレータ、活物質、転写シート、またはそれらの任意の組み合わせとアライメントすることができる(すなわち、実質的に同心であることができる)。1つ以上の開口部は、電池アセンブリの長さにわたって横方向にアライメントすることができる。横方向は、物品の長手方向軸に実質的に平行であってもよい。横方向は、カソード及び/またはアノードが析出することができる基板の対向する表面に実質的に垂直であることができる。開口部は、機械加工(例えば、フライス加工)されること、基板の製造中に形成されること(例えば、成形または整形操作によって)、またはその他の方法で製造されることができる。ペースト中の開口部は、過去の塗布プロセス中に形成されてもよい。開口部は、真っ直ぐな、及び/または滑らかな内壁部または表面を含んでもよい。基板内に形成される開口部のサイズ及び頻度は、電池の抵抗率に影響することがある。1つ以上の開口部は、それを通してポストを受容することができる直径を有してもよい。活物質及び/または転写シート内の1つ以上の開口部は、それを通してポスト、インサート、またはその両方を受容することができる直径を有してもよい。開口部は、約0.2mm以上、約1mm以上、約2mm以上、またはさらに約5mm以上の直径を有してもよい。開口部は、約30mm以下、約25mm以下、またはさらに約20mm以下の直径を有してもよい。転写シート及び/または活物質(例えば、ペースト)の1つ以上の開口部は、セパレータ、基板、電池プレート、エンドプレート、またはそれらの組み合わせの開口部及び/またはインサートの直径よりも大きい直径を有してもよい。電池プレート及び/または基板の1つ以上の開口部は、同じ電池プレート及び/または基板の1つ以上の他の開口部よりも大きな直径を有してもよい。開口部は、別の開口部よりも少なくとも約1.5倍、少なくとも約2倍、またはさらに少なくとも約2.5倍大きくてもよい。開口部は、別の開口部よりも約4倍以下、約3.5倍以下、またはさらに約3倍以下の大きさであってもよい。開口部は、1cmあたり少なくとも約0.02個の開口部の密度を有するように形成されてもよい。開口部は、1cmあたり約4個未満の開口部密度を有するように形成されてもよい。開口部は、1cmあたり約2.0個の開口部の密度から1cmあたり約2.8個の開口部の密度までを有するように形成されることができる。
【0033】
1つ以上の開口部は、導電性材料、例えば、金属含有材料で充填されてもよい。導電性材料は、基板の熱分解温度よりも低い温度で相変態を受ける材料であることができるため、相変態温度よりも低い電池アセンブリの動作温度では、誘電体基板は、基板の第一表面と第二表面との間に材料混合物を介した導電路を有する。さらに、相変態温度を超える温度では、導電性材料の混合物は、導電路を介した導電性を無効にする相変態を受ける。例えば、導電性材料は、はんだ材料であってもよく、またはこれを含んでもよく、このはんだ材料は、例えば、鉛、スズ、ニッケル、亜鉛、リチウム、アンチモン、銅、ビスマス、インジウム、もしくは銀のうちの少なくとも1つ、またはこれらのうちのいずれか2つ以上の混合物を含む。導電性材料は、いかなる鉛も実質的に含まなくてもよい(すなわち、最大で痕跡量の鉛を含む)、または機能的に動作可能な量の鉛を含んでもよい。材料は、鉛及びスズの混合物を含んでもよい。例えば、それは、大部分のスズ及びほんの一部の鉛(例えば、約55から約65重量部のスズ、及び約35から約45重量部の鉛)を含んでもよい。材料は、約240℃未満、約230℃未満、約220℃未満、210℃未満、またはさらには約200℃未満(例えば、約180~約190℃の範囲内)の溶融温度を示すことができる。材料は、共融混合物を含んでもよい。開口部を充填する導電性材料としてはんだを使用することの特徴は、使用されるはんだの種類に応じて、電池の継続動作に安全でない可能性のある温度で溶融するように調整されることができる、規定された溶融温度をはんだが有することである。はんだが溶融すると、この溶融したはんだを含む基板の開口部は導電性でなくなり、電池プレート内に開回路をもたらす。開回路は、バイポーラ型電池内の抵抗を劇的に増加させるように動作することができることによって、それ以上の電気の流れを停止させ、電池内の安全でない反応をシャットダウンすることができる。したがって、開口部を充填するために選択される導電性材料の種類は、そのような内部シャットダウン機構を電池内に含むことが望ましいかどうか、そしてもしそうであれば、どの温度でそのような内部シャットダウンを引き起こすことが望ましいかに応じて異なることができる。基板は、所定の条件を上回る動作条件の場合には、基板による導電性を中断することによって、基板が電池の動作を無効にする機能を果たすように構成される。例えば、誘電体基板内のホールを充填する導電性材料が相変態を受ける(例えば、それが溶融する)ことで、基板全体の導電性は中断する。中断の程度は、部分的に、または全体的にさえ、基板を介して電気を伝導する機能を無効にするまでであってもよい。
【0034】
電池アセンブリは、1つ以上のチャネルを含んでもよい。1つ以上のチャネルは、1つ以上の通気、充填、及び/または冷却チャネルとして機能すること、1つ以上のポストを収容すること、電池アセンブリの内部全体に1つ以上のポストを分布させること、液体電解質が1つ以上のポストもしくは他の構成要素と接触するのを防ぐこと、またはそれらの任意の組み合わせをすることができる。1つ以上のチャネルは、アライメントされる、1つ以上のエンドプレート、電池プレート、及び/またはセパレータの1つ以上の開口部によって形成されてもよい。1つ以上のチャネルは、活物質、転写シート、またはその両方の1つ以上の開口部を通って延在することができる。1つ以上のチャネルは、1つ以上の一体型チャネルと称されることができる。1つ以上のチャネルは、1つ以上の電気化学セルを通過することができる。1つ以上のチャネルは、液体電解質を通過することができる。電解質、及び動作中に発生する気体がチャネルに入るのを防ぐようにチャネルを封止することができる。この目的を達成するいずれかの封止方法を利用することができる。1つ以上のエンドプレート、電池プレート、及びセパレータのインサートなどの1つ以上のシールは、液体電解質が1つ以上のチャネルに漏れるのを防ぐために、1つ以上のチャネルを連結して囲むことができる。1つ以上のチャネルは、電池アセンブリを横方向に通過して、1つ以上の横方向チャネルを形成することができる。チャネルのサイズ及び形状は、1つ以上のポストを収容することを可能にする任意のサイズまたは形状であることができる。チャネルの形状は、円形、楕円形、または正方形、矩形、六角形などの多角形であってもよい。1つ以上のポストを収容するチャネルのサイズは、使用されるポストに対応するように選択される。チャネルの直径は、1つ以上のチャネルを形成するようにアライメントする開口部の直径に等しくてもよい。1つ以上のチャネルは、構成要素内に一連の開口部を含み、これら一連の開口部は、形成されるチャネル内にポストが置かれることができるように配列され、流体が冷却、及び/または通気及び充填のためにチャネルを通って送られることができるように配列される。エンドプレート、ならびにエンドプレート、電池プレート、及びセパレータのエッジを支持し、電解質、及び動作中に発生する気体の漏れを防ぎ、動作中に発生する圧縮力が個別の電気化学セルの構成要素及びシールに損傷を与えるのを防ぐように、チャネルの数が選択される。動作中に発生する圧縮力を分散させるために、複数のチャネルが存在してもよい。チャネルの数及び設計は、シールの疲労強度を上回るエッジ応力を最小にするのに十分である。複数のチャネルの位置は、動作中に発生する圧縮力を分散させるように選択される。チャネルは、応力をより適切に処理するために、スタック全体に均等に分散されることができる。複数のチャネルは、約2mm以上、約4mm以上、または約6mm以上の断面サイズを有してもよい。チャネルの断面サイズの上限は実用性である。サイズが大きすぎると、電池アセンブリの効率が低下する。チャネルは、約30mm以下、約25mm以下、またはさらに約20mm以下の断面サイズを有してもよい。活物質の非平面の表面は、チャネルがより大きな断面サイズを有しながら、補償または効率の向上を可能にすることができる。例えば、活物質のコルゲート形態により、表面積が増加することが可能になるため、電池アセンブリの効率が向上することができる。
【0035】
電池アセンブリは、1つ以上のチャネルと1つ以上のポストとの間にシールを含んでもよい。1つ以上のシールは、チャネル内、チャネルの外部の周り、及び/またはポストの周りに配置されることができる。シールは、電解質、及び動作中に発生する気体が電気化学セルから漏れるのを防ぐ任意の材料または形態を含むことができる。シールは、メンブレン、スリーブであることができる、またはシールは、エンドプレート、電池プレート、及び/またはセパレータ内の一連のマッチするインサートであることができる、またはシールはチャネル内に挿入されることができる。メンブレンはエラストマーであることができる。チャネルは、一連のスリーブ、ブッシング、インサート及び/またはボスによって形成されることができ、プレート及び/またはセパレータ内に挿入される、または一体化されることができる。インサート及び/またはボスは、チャネルに沿って漏れ止めシールを形成するために、互いに圧縮可能であってもよい、または互いに連結可能であってもよい。インサート及び/またはボスは、それらを適所に成形することなどによって、電池プレート及び/またはセパレータ内の適所に形成されることができる。インサート及び/またはボスは、射出成形によって適所に成形されることができる。シールは、電解質への曝露、電気化学セルの動作条件、及びチャネル内にポストを挿入することによって加えられる力、またはポストによってチャネルに加えられる力に耐えることができる任意の材料から調製されることができる。ポスト及び基板に有用であると記載されているポリマー材料が好ましい。シールは、バイポーラプレートとモノポーラプレートとの間に配置されるスリーブ、インサート、またはブッシングによって形成されることができる。スリーブまたはインサートは比較的剛性であることができ、ブッシングは一般にエラストマーである。インサート、ボス、スリーブ、及び/またはブッシングは、バイポーラ及びモノポーラのプレート及び/またはセパレータ内の陥没部内に嵌合するように、またはプレートの開口部に挿入して1つ以上のチャネルを作製する端部を有するように適合されることができる。デュアルポーラ、バイポーラ及びモノポーラのプレートは、ボス、インサート、スリーブ、及び/またはブッシングに合う陥没部を含むように形成される、または機械加工されることができる。ボス、インサート、スリーブ、またはブッシングを用いてプレートのスタックを組み立てると、締まりばめが作製され、チャネルが効果的に封止されることができる。あるいは、ボス、インサート、スリーブ及び/またはブッシングは、接合部にシールを形成するように、プレートに溶融接合されてもよい、または接着結合されてもよい。あるいは、ボス、インサート、スリーブ及び/またはブッシングは、チャネルを封止するように機能するコーティングを用いて内側にコーティングされることができる。上記のように、ポストはチャネルを封止するように機能することができる。これらのシーリング溶液の組み合わせが単一のチャネル内で、または異なるチャネル内で利用されることができることが企図される。デュアルポーラ、モノポーラプレート及びバイポーラプレートを含むプレートのスタックの構成要素は、好ましくは、同じ形状及び共通のエッジを含む。これにより、エッジのシールが容易になる。セパレータが存在する場合、それらは、横方向チャネルの形成または作製に対応するために電池プレートと同様の構造を一般に有する。シールは、ボルトと横方向チャネルとの間に注入されるエポキシ、ポリウレタンまたはアクリルポリマーなどの熱硬化性ポリマーであってもよい。インサート、ボス、スリーブ及び/またはブッシングが1つ以上の電池プレート及び/または1つ以上のセパレータ内の開口部に結合される、開口部内で結合される、及び/または開口部と一体化して結合されることによって、1つ以上のチャネルが形成されてもよい。1つ以上のチャネル内の1つ以上のポストは、インサート、ホール、ボス、スリーブ及び/またはブッシングを適所に保持して封止された通路を形成するのに十分な圧力を加えることができる。1つ以上のチャネルは、1つ以上の電池プレート及び1つ以上のセパレータに結合される、及び/または一体化されるインサート及び/またはボスから形成されてもよい。1つ以上のポストは、熱可塑性ポリマーの接着結合によって、または融着によって、またはその両方によって、電池の1つ以上のインサート、ボス及び/または基板に結合されてもよい。インサート及び/またはボスは、締まりばめによって1つ以上の電池プレート及び/またはセパレータに挿入されてもよい、または接着剤によって適所に結合されてもよい。1つ以上のセパレータ内のインサート及び/またはボスは、1つ以上の電気化学セルと1つ以上のチャネルとの間の連通を可能にすることができる1つ以上の通気孔を含んでもよい。1つ以上の通気孔は、1つ以上の電気化学セルから1つ以上のチャネルに気体を通すことを可能にし、1つ以上の電気化学セルから1つ以上のチャネルに1つ以上の液体(すなわち、電解質)を通すことを防ぐことができる。
【0036】
電池アセンブリは、メンブレンを含んでもよい。メンブレンは、1つ以上のエンドプレート、複数の電池プレート、1つ以上のセパレータ、1つ以上の転写シート、1つ以上のチャネル、またはそれらの任意の組み合わせのエッジの周りを封止するように機能してもよい。メンブレンは、エンドプレート、電池プレート、及びセパレータのエッジを封止して1つ以上の電気化学セルを単離するいずれかの手段によって、1つ以上のエンドプレート、複数の電池プレート、及び/または1つ以上のセパレータのエッジに結合されてもよい。例示的な結合方法は、とりわけ、接着結合、溶融接合、振動溶着、RF溶着、及びマイクロ波溶着を含む。メンブレンは、ポリマー材料のシートであってもよく、このポリマー材料は、エンドプレート、モノポーラプレート、及びバイポーラプレートのエッジを封止することができ、電解質への曝露、及び電池が内部及び外部に曝露される条件に耐えることができる。電池プレートの基板に有用な同じ材料をメンブレンに利用することができる。メンブレンは、モノポーラ及びバイポーラのプレートの基板の周りに溶融接合される、振動溶着される、または成形されることができる熱可塑性ポリマーであってもよい。同じ熱可塑性ポリマーをモノポーラ及びバイポーラの基板及びメンブレンに利用することができる。例示的な材料は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ABS及びポリエステルであり、ABSが最も好ましい。メンブレンは、それらが結合されるスタックの側面のサイズであってもよい。メンブレンは、スタックの各側面に結合されてもよい。隣接するメンブレンのエッジを封止することができる。エッジは、接着剤、溶融接合、または成形プロセスを使用して封止されることができる。メンブレンは、スタックの周辺部全体の周りに巻装される単一のシートを含んでもよい。メンブレンは、前縁部及び後縁部を含んでもよい。前縁部は、スタックと接触している第一エッジであってもよい。後縁部は、スタックに適用されるメンブレンの端部または最後の部分であってもよい。前縁部及び後縁部をスタックに、互いに、またはその両方に結合して、スタックの周りにメンブレンのシールを完成させることができる。これは、接着剤の使用、溶融接合、または成形プロセスによって実行されることができる。溶融接合では、メンブレン及び/またはスタックのエッジの表面を、一方または両方の表面が溶融するようになる条件にさらしてから、これらの表面が溶融している間に、メンブレン及びスタックのエッジを接触させる。メンブレン及びスタックのエッジは、表面が凍結すると結合することで、構成要素を合わせて封止することができる結合を形成する。メンブレンは、メンブレン材料の連続シートから取り出され、所望の長さに切断されてもよい。メンブレンの幅は、モノポーラ及びバイポーラのプレートのスタックの高さと一致してもよい。メンブレンは、セルを単離するためにモノポーラ及びバイポーラのシートのスタックのエッジをシールするのに十分な厚さを有する。メンブレンは、スタックのエッジを囲む保護ケースとして機能してもよい。メンブレンは、約1mm以上、約1.6mm以上、または約2mm以上の厚さを有してもよい。メンブレンは、約5mm以下、4mm以下、または約2.5mm以下の厚さを有してもよい。メンブレンがスタックのエッジに結合されているときに、電解質への曝露、及びセルの動作条件に耐えることができる任意の接着剤が使用されてもよい。例示的な接着剤は、プラスチックセメント、エポキシ、シアノアクリレートグルー、またはアクリレート樹脂である。あるいは、メンブレンは、電池プレートのスタックの一部または全部の周りに熱可塑性または熱硬化性の材料を成形することによって形成されてもよい。熱成形、反応射出成形、射出成形、ロトモールド、ブロー成形、圧縮成形などを含む任意の既知の成形方法を使用することができる。メンブレンは、電池プレートのスタックの一部または全部の周りにメンブレンを射出成形することによって形成されてもよい。メンブレンがプレートのスタックの一部の周りに形成される場合、それは、電池プレートのエッジまたは電池プレート及びセパレータの周りに形成されてもよい。電池アセンブリは、メンブレンを含まなくてもよい。1つ以上の一体型シールは、メンブレンとして機能することができ、メンブレンを必要としないようにしてもよい。電池アセンブリを形成する方法は、電池プレートのスタック、電池アセンブリ、またはその両方をメンブレン内に配置する必要がない場合がある。
【0037】
形成された電池を保護するために、封止された電池アセンブリをケース内に置くことができる。あるいは、スタックの端部にあるモノポーラプレート上の保護カバーと組み合わせてメンブレンを、電池のケースとして使用することができる。モノポーラプレートは、アノードまたはカソードの対向する表面に取り付けられる、または結合されるのに適切な保護カバーを含んでもよい。カバーは、メンブレンと同じ材料、またはメンブレンに接着結合される、もしくは溶融接合されることができ、メンブレンについて記載された範囲内の厚さを有することができる材料であってもよい。カバーは、プレートの端部に添着される場合、重なる部分を有するポストを含む、任意の機械的なアタッチメントを用いて添着されることができる。ケースは、電池プレートのスタック、及び/またはモノポーラプレートの対向する側面の周りにメンブレンを成形することによって形成されてもよい。電池アセンブリは、ケースを含まなくてもよい。1つ以上の一体型シールは、ケースとして機能することができ、ケースを必要としないようにしてもよい。電池アセンブリを形成する方法は、電池プレートのスタック、電池アセンブリ、またはその両方をケース内に配置することを含まなくてもよい。
【0038】
電池アセンブリは、1つ以上のポストを含んでもよい。1つ以上のポストは、構成要素への損傷またはスタックの構成要素のエッジ間のシールの破損が防止され、セパレータ材料にわたって均一な圧縮を確実にし、セパレータ材料の均一な厚さを確実にするような方法で構成要素を合わせたスタックを保持するように機能してもよい。1つ以上のポストは、各エンドプレートのシール面など、対向するエンドプレートの外面を係合する重複部分を各端部に含んでもよい。重複部分は、構成要素への損傷、またはスタックの構成要素のエッジ間のシールの破損を防止し、電池動作中のスタックの膨らみ、または他の変位を防止するような方法で、対向するエンドプレートの外面上に圧力を加えるように機能してもよい。重複部分は、エンドプレートのシール面と接触していてもよい。スタックはモノポーラエンドプレート上に別個の構造用または保護用のエンドピースを含んでもよく、重複部分は構造用または保護用のエンドピースの外面と接触する。重複部分は、ポストと組み合わせて、構成要素への損傷、またはスタックの構成要素のエッジ間のシールの破損を防ぐ、任意の構造であることができる。例示的な重複部分は、ボルトヘッド、ナット、成形ヘッド、ブラッド、コッターピン、シャフトカラーなど含む。ポストは、スタック全体を通過する長さである。1つ以上のポストの長さは、電池の所望の容量に基づいて異なってもよい。ポストは、チャネルを充填するような断面形状及びサイズを示してもよい。ポストが1つ以上のチャネルに締まりばめを形成するように、ポストは1つ以上のチャネルの断面サイズよりも大きい断面サイズを有してもよい。エンドプレート、及び基板のエッジを支持して、電解質、及び動作中に発生する気体の漏れを防ぎ、動作中に発生する圧縮力が個別の電気化学セルの構成要素及びシールに損傷を与えるのを防ぎ、シールの疲労強度を超えるエッジ応力を最小にするようなポストの数が選択される。動作中に発生する圧縮力を分散させるために、複数のポストが存在してもよい。1つ以上のチャネルが冷却チャネルまたは通気/充填チャネルとして利用されるチャネルよりもポストを少なくすることができる。例えば、4つのチャネルがあることができ、3つのチャネルがその中に配置されている1つのポストを含み、1つのチャネルが冷却、通気、及び/または充填チャネルとして使用されてもよい。ポストは、必要な機能を実行する任意の材料を含んでもよい。ポストを利用してチャネルを封止する場合、使用される材料は、セルの動作条件に耐えるように選択され、電解質に曝露されても腐食せず、セルの動作中に発生する温度及び圧力に耐えることができる。ポストがシール機能を実行する場合、ポストは、記載された条件に耐えることができるポリマーまたはセラミック材料を含んでもよい。この実施形態では、材料は、セルの短絡を防ぐために非導電性でなければならない。ポストは、熱硬化性ポリマーまたは熱可塑性材料などのポリマー材料を含んでもよい。ポストは、熱可塑性材料を含んでもよい。例示的な熱可塑性材料は、ABS(アクリロニトリル-ブタジエン-スチレンコポリマー)、ポリプロピレン、ポリエステル、熱可塑性ポリウレタン類、ポリオレフィン類、複合熱可塑性樹脂類、ポリカーボネート類などを含む。ABSが最も好ましい。チャネルが別個に封止される場合、ポストは、所望の機能を実行するための構造健全性を有する任意の材料を含むことができる。上記に列挙されるポリマー材料のうち、セラミック類及び金属類を利用することができる。適切な金属類は、鋼、真鍮アルミニウム、銅などであってもよい。ポストは、成形ポスト、ねじ付きポスト、または1つ以上のエンドアタッチメントを備えたポストを含むことができる。ポストは、スタックの一部、例えば、チャネル内の基板、インサート、またはボスなどに結合されることができる。結合は、熱可塑性材料などのポリマー材料の接着剤または融合物から形成されることができる。1つ以上の開口部は、ねじ付き面を含んでもよい。ねじ付きの場合、1つ以上のポストにもねじ山を付け、ねじ付き開口部と係合してもよい。ポストは、ナットに対向する1つの端部にヘッドもしくはナット、ブラッド、コッターピンのためのホールなど、またはそれらの組み合わせを含んでもよい。これは、通常、非成形ポストに当てはまる。ポストは、短くすることはできるが長くすることはできない一方向ラチェット装置であるような方法で構成されることができる。そのようなポストが設置され、スタックが圧縮されると、ポストは、短くなるため、スタック上の圧力を維持する。この実施形態のポストは、ポストがジップタイ様構造の一部として機能することを可能にするようにラチェットを容易にする隆起部を含んでもよい。ポストと合うナット及び/またはワッシャを使用して、適所にあるときに隣接するプレートを圧縮することができる。ナット及び/またはワッシャがポストの上で一方向に動き、ナット及び/またはワッシャがポストに沿ってその他の方向に移動するのを防ぐ、隆起部が存在してもよい。使用中、ポスト内のホールは、記載された機能を実行するのに適切なブラッド、コッターピンなどを含む。ポストは、成形される場合、別個に、または適所に成形されることができる。適所に成形された場合、原位置で、溶融したプラスチックを適所に保持する、シールがチャネル内に存在する必要がある場合がある。シールは、連結するインサート、その中の別個のシール、またはその両方によって形成されることができる。ねじ山を付けられる非導電性ポストは、使用されてもよく、必要なシールを提供することができる。あるいは、予成形された非導電性ポリマー製のポストは、チャネルを封止するような方法でチャネルに締まりばめを形成するように設計されてもよい。ポストは、射出成形などの成形によって適所に形成されることができる。
【0039】
電池アセンブリは、1つ以上のバルブを含んでもよい。1つ以上のバルブは、電池アセンブリの内部から真空引きする機能、電池アセンブリに電解質を封入する機能、及び/または動作中に電池アセンブリを通気する機能を果たすことができる。1つ以上のバルブは、圧力開放弁、逆止弁、充填弁、ポップ弁など、またはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。1つ以上のバルブは、エンドプレート、電池プレート、セパレータ、またはそれらの任意の組み合わせの1つ以上の開口部によって形成される1つ以上のチャネルに連結されてもよい、及び/またはその1つ以上のチャネルと連通してもよい。1つ以上のバルブは、そこを通るポストを含む、またはポストを含まないチャネルなどのチャネルと連通していてもよい。この物品は、すべての目的のために全体が参照により本明細書に援用されている、米国特許出願公開第2014/0349147号に記載されている1つ以上のバルブを含んでもよい。この組み立て体は、セルが危険な内圧に達する場合に圧力を開放するために、1つ以上のセルに圧力開放弁を含むことができる。圧力開放弁は、電池が使用されているシステムに損傷を与えるような破局的な不具合を防ぐように設計される。圧力開放弁が開放されると、電池は機能しなくなる。開示されている組み立て体は、危険な圧力に達するときに、またはそれに達する前に、組み立て体全体から圧力を開放する単一の逆止弁を含んでもよい。いくつかの例示的で適切なバルブは、米国特許第8,357,469号、第9,553,329号、第9,685,677号、第9,825,336号、及び米国特許出願公開第2018/0053926号に開示されており、それら全体がすべての目的のために参照により本明細書に援用されている。
【0040】
この物品は、1つ以上の端子を含んでもよい。この組み立て体は、導電性端子の1つ以上の対を含んでもよく、各対は正及び負の端子に接続される。1つ以上の端子は、電気化学セル内で生成される電子をシステムに送るように機能することができ、このシステムは生成された電子を電気の形態で利用する。これらの端子は、負荷に、本質的には、セルで発生した電気を利用するシステムに、各電池スタックを接続するように適合される。1つ以上の端子は、1つ以上のエンドプレート、1つ以上の電池プレート、メンブレン、及び/またはケースを通過することができる。1つ以上の端子は、電池プレートをエンドプレートから外側に通過してもよい、またはエンドプレートの平面に実質的に平行な組み立て体の周りのケースもしくはメンブレンの側面を通過してもよい。端子は、モノポーラプレート、デュアルポーラプレート、バイポーラプレート、またはそれらの組み合わせのアノードまたはカソードの極性に合う。端子は、組み立て体内の導電性コンジットと接触している。モノポーラプレートのカソード、及び1つ以上のバイポーラプレートのカソードは、カソード集電体を備え、独立した正端子に接続されることができる。モノポーラプレートのアノード、及び1つ以上のバイポーラプレートのアノードは、アノード集電体を備え、独立した負端子に接続されることができる。カソード集電体は接続されることができ、アノード集電体は並列に接続されることができる。個別の端子は、単一の接続された正端子、及び単一の接続された負端子のみが露出したまま、メンブレンに覆われてもよい。いくつかの例示的で適切な端子組み立て体は、米国特許第8,357,469号、第9,553,329号、第9,685,677号、第9,825,336号、及び米国特許出願公開第2018/0053926号に開示されており、それら全体がすべての目的のために参照により本明細書に援用されている。
【0041】
電池アセンブリは、1つ以上の導電性コンジットを含んでもよい。導電性コンジットは、カソードと接触している集電体から1つ以上の正端子に電子を送るように機能してもよい。典型的なバイポーラ型電池は、基板を介してセルからセルに電子を流すことができる。基板は、導電性材料を少なくとも部分的に含むか、基板を通る導電路を含むかいずれかである。セルを含む回路が閉じられると、電子は、セルからセルに基板を通って正端子に流れる。組み立て体が電子を、基板及びセルを介して流すこと、集電体を介して電流導体に流すこと、またはその両方に流すことができることが企図される。2つ以上のスタックを含む本明細書に開示される電池では、各スタックは、負端子を備えたアノードと接触する集電体に接触する電流導体及び/または導電性コンジット、及び正端子を備えたカソードと接触する集電体に接触する電流導体及び/または導電性コンジットを含む。2つ以上のスタックからの導電性コンジットは、並列または直列に配列されることができる。並列回路は、互いに接続されていない2つ以上の回路を含む。直列回路は、電子が回路を通して逐次流れるように配列される2つ以上の回路を含む。導電性コンジットが直列配置で配列される場合、電池は1つの負端子及び1つの正端子のみを含んでもよい。導電性コンジットが並列方式で配列される場合、電池は単一の正及び負の端子を含んでもよく、その電池では各回路は負または正の端子のそれぞれに接続する。あるいは、各回路は別個の負及び正の端子を含んでもよい。端子は、通常、電池に蓄電される電気を利用する負荷に接続されることができる。並列配置でカソードと接触する集電体と接触する電流導体及び/または電流コンジットのそれぞれは、別個の正端子と接触することができる。並列配置でアノードと接触する集電体と接触する電流導体及び/または電流コンジットのそれぞれは、別個の負端子と接触することができる。
【0042】
<例示的な実施例>
図1Aは、電池プレート10を示す。電池プレート10は、基板11を含む。この基板11から延出するのは、複数の突出部21である。突出部21は、基板11のフレーム20から延出する。突出部21は、フレーム20の一部として一体化して形成される。突出部21は、フレーム20の、内向きの表面20a(示されるように)及び/または外向きの表面20bから延出することができる。突出部21は、電池プレート10の周辺部の周りに突出する。突出部21は、電池プレート10の指部のように、フレーム20から延出する。図1Bに示されるように、突出部21は、基板11に対して角度θにある。この例では、突出部21は、基板11の表面に対して実質的に垂直に延出する。
【0043】
図2Aは、電池プレート10を示す。電池プレート10は、基板11を含む。この基板11から延出するのは、複数の突出部21である。突出部21は反対方向に延出する。突出部21は、基板11のフレーム20から延出する。突出部21は、フレーム20の一部として一体化して形成される。突出部21は、電池プレート10の周辺部の周りに突出する。突出部21は、電池プレート10の指部のように延出する。図2Bに示されるように、突出部21は、基板11に対して角度θにある。この例では、突出部21は、基板11の表面に対して鈍角で、そして電池プレート10の内部から離れる角度で延出する。
【0044】
図3A~3Dは、突出部21を含む電池プレート10を示し、これらの突出部21を互いに融着して、電気化学セル2の周りに配置されている相互に融着したエッジを形成する。図3Aは、電池プレート10の周辺部の周りに突出する突出部21を示す。突出部21は、電池プレート10の指部のように延出する。突出部21は、電池プレート10の基板11と一体である。図3Bは、突出部21が絡み合う、または連結するような互いに咬合する方法(例えば、連結する指部)を示す。また、図3Bは、電池プレート10の周辺部への熱22の印加を示す。熱22のために突出部21が互いに溶融することにより、それらが相互に融着し、図3Cに示されるように、電池プレート10の周辺部の周りに一体型エッジシール23を形成する。図3Dは、複数の一体型エッジシール23を含む電池プレート10のスタックを示す。
【0045】
図4A~4Eは、突出部21を含む電池プレート10を示し、これらの突出部21を咬合して、電気化学セル2の周りに溶融接合した周縁部を形成する。図4Aは、電池プレート10の周辺部の周りに突出する突出部21を示す。突出部21は、電池プレート10から歯のような態様で延出する。突出部21は、電池プレート10の基板11と一体である。1つの電池プレート10の突出部21は、隣接する電池プレート10の突出部21からオフセットされている。突出部21は、電池プレート10が積層されるときに、図4Bに示されるように、突出部21が互いに咬合するように、互いにオフセットされている。また、図4Bは、電池プレート10の周辺部への熱22の印加を示す。熱22で突出部21が互いに融着することにより、それらが溶融接合され、図4Cに示されるように、電池プレート10の周辺部の周りに一体型エッジシール23を形成する。図4Dは、電池プレート10のスタックの分解図を示し、電気化学セル2を画定する、突出部21及びそれらの間のギャップがオフセットされている。図4Eは、溶融接合されて一体型エッジシール23を形成する前に、複数の突出部21が互いに咬合している電池プレート10のスタックを示す。
【0046】
図5A~5Cは、突出部21が隣接する電池プレート10に重なり、一体型エッジシール23を形成する、電池プレート10を示す。図5Aは、電池プレート10の周辺部の周りに突出する突出部21を示す。突出部21は、電池プレート10の周辺部の周りに間隔をおいて置かれる複数の突出部21であってもよい(図示されるような)。突出部21は、電池プレート10の周辺部の周りに突出する単一の突出部であってもよい。突出部21は、電池プレート10の基板11と一体である。電池プレートが積層されると、図3Bに示されるように、突出部21は隣接する電池プレート10と重なる。突出部21は、隣接する電池プレート10の外周面と重なり、当接する。突出部21は、隣接する電池プレート10のフレーム20の外周面と重なり、当接してもよい。また、図3Bは、電池プレート10の周辺部への熱22の印加を示す。熱22で突出部21が隣接する電池プレート10に溶融接合する。突出部21は、基板11の外周面に溶融接合することができる。突出部21は、フレーム20の外周面に溶融接合することができる。突出部21は、また、隣接する電池プレート10の隣接する突出部21に溶融接合することもできる。溶融接合時に、突出部21は一体型エッジシール23を形成する。
【0047】
図6及び図7は、電池アセンブリ1を形成する電池プレート10及びセパレータ14のスタックを示す。図6はスタックの部分分解図を示し、図7はスタックの斜視図を示す。示されるのは、ボルト及びナット19の形態でポスト17用の端子ホール42及びホール39を含むエンドプレート25である。エンドプレート25に隣接するのは、電池プレート10であり、この電池プレート10は、隆起したエッジを備えたフレーム20を含むモノポーラプレート43である。モノポーラプレート43は、ホール40を囲む隆起したインサート41を含み、これら隆起したインサート41は、横方向チャネル16及びポスト17をホール内に形成するために使用される。モノポーラプレート43に隣接するのはセパレータ14である。セパレータ14は、周辺部の周りにフレーム34を含む。セパレータ14は、フレーム34内に中央部分を有する吸着性ガラスマット36を含む。成形インサート35は、成形インサートホール37を囲み、横方向チャネル16を形成することが示される。セパレータ14に隣接するのは、バイポーラプレート44である。バイポーラプレート44は、周辺部の周りにフレーム20を含む。フレーム20は隆起した表面である。隆起したインサート41は、横方向チャネル16を形成するために隆起している。隆起したインサート41は、横方向チャネル用の隆起したインサートホール40を形成する。図7は、電池プレート10及びセパレータ14のスタックを示す。示されるのは、エンドプレート25、電池プレート基板フレーム20、セパレータフレーム34、ポスト17、及びこれらのポスト17の周りのナット19である。エンドプレート25内の端子ホール42は、その中に配置されている電池端子33を含む。
【0048】
図8は、電池アセンブリ1を形成する電池プレート10のスタックの側面図を示す。電池プレートは、1つ以上の突出部21(図1A~5Cに示されるような)を含んでもよい。電池プレート10は、電池プレート10のスタックの対向する端部にモノポーラプレート43を含む。対向するモノポーラプレート43の間には、複数のバイポーラプレート44がある。電池プレート10のそれぞれは、基板11を含む。バイポーラプレート44の各基板11に隣接するのは、アノード12及びカソード13である。アノード12及びカソード13の各対の間に配置されるのは、セパレータ14である。セパレータ14は、内部に液体電解質を有する吸着性ガラスマットとして示されている。アノード12及びカソード13の各対は、それらの間に電解質を含み、電気化学セルを形成する。また、示されるのは横方向チャネル16である。チャネルシール15は、横方向チャネル16内に配置される。チャネルシール15はゴム管として形成される。チャネルシール15の内側に配置されているのはポスト17である。ポスト17は、ねじ付きボルトの形態である。ポスト17の端部には、ボルトヘッド18及びナット19の形態の重複部分がある。モノポーラプレート43及びバイポーラプレート44の両方の基板11のエッジの周りには、フレーム20がある。
【0049】
図9は、電池アセンブリ1を形成する電池プレート10の部分分解されたスタックを示す。電池プレートは、1つ以上の突出部21(図1A~5Cに示されるような)を含んでもよい。電池プレート10は、スタックの両端部に対向するモノポーラプレート43、及びそれらの間にバイポーラプレート44を含む。電池プレート10は、セパレータ14と交互に配列される。セパレータ14は、電池プレート10の各対の間に配置されている。
【0050】
示されるのはエンドプレート25である。エンドプレート25はモノポーラプレート43である。エンドプレート25は、内部補強構造体52を含む。モノポーラプレート43は、複数の開口部(ホール)40を含む。開口部40のいくつかは、インサート41によって囲まれてもよい。インサート41は、モノポーラプレート43の基部54から隆起して、突出してもよい。基部54は、モノポーラプレート43の基板11でもある。
【0051】
モノポーラプレート43に隣接するのはセパレータ14である。セパレータ14はフレーム34を含む。フレーム34は、セパレータ14の周辺部の周りに隆起したエッジを形成する。セパレータ14はシート55を含む。シート55は、吸着性ガラスマット(AGM)36などのガラスマットであってもよい。シート55は、フレーム34の内部に隣接して配置されている。シート55は、フレーム34と一体であってもよい、またはそれに添着されてもよい。セパレータ14は、複数の開口部(ホール)37を含む。開口部37のいくつかは、インサート35によって少なくとも部分的に囲まれてもよい。インサート35はセパレータ14から突出する。インサート35はシート55から突出する。セパレータ14に隣接するのは、バイポーラプレート44である。
【0052】
バイポーラプレート44は、基板11及びフレーム20を含む。フレーム20は、バイポーラプレート44の基板11の周辺部の周りに隆起したエッジを形成する。バイポーラプレート44は、複数の開口部(例えば、「インサートホール」)40を含む。開口部40のいくつかは、インサート41によって少なくとも部分的に囲まれてもよい。インサート41は、バイポーラプレート44の基板11から突出する。
【0053】
インサート35、41及び開口部40、37はアライメントする。インサート35、41は連結して、電池プレート10のスタックを通る1つ以上のチャネル16を形成する。チャネル16は、電池アセンブリ1を横方向に通過する(すなわち、横方向チャネルを形成する)。1つ以上のチャネル16は、それを介して1つ以上のポスト17(図示せず)を受容することができる。1つ以上のポスト24(図示せず)は、1つ以上のチャネル16を通って延出することができる。電池プレート10は、基板11上に1つ以上の活物質を含む。活物質は、アノード12またはカソード13(図示せず)であってもよい。
【0054】
図10は、電池アセンブリ1を形成する電池プレート10の部分分解されたスタックを示す。電池プレート10は、1つ以上の突出部21(図1A~5Cに示されるような)を含んでもよい。電池プレート10は、スタックの両端部に対向するモノポーラプレート43、及びそれらの間にバイポーラプレート44を含む。電池プレート10は、セパレータ14と交互に配列される。セパレータ14は、電池プレート10の各対の間に配置されている。
【0055】
示されるのはエンドプレート25である。エンドプレート25はモノポーラプレート43である。エンドプレート25は、内部補強構造体52を含む。モノポーラプレート43は、複数の開口部(ホール)40を含む。開口部40のいくつかは、インサート41によって囲まれてもよい。インサート41は、モノポーラプレート43の基部54から隆起して、突出してもよい。基部54は、モノポーラプレート43の基板11でもある。
【0056】
モノポーラプレート43に隣接するのはセパレータ14である。セパレータ14はシート55を含む。シート55は、吸着性ガラスマット(AGM)36などのガラスマットであってもよい。セパレータ14は、電池プレート10のフレーム20内に嵌合するようなサイズに作られる。セパレータ14は、複数の開口部(ホール)37を含む。セパレータ14に隣接するのは、バイポーラプレート44である。
【0057】
バイポーラプレート44は、基板11及びフレーム20を含む。フレーム20は、バイポーラプレート44の基板11の周辺部の周りに隆起したエッジを形成する。バイポーラプレート44は、複数の開口部(例えば、「インサートホール」)40を含む。開口部40のいくつかは、インサート41によって少なくとも部分的に囲まれてもよい。インサート41は、バイポーラプレート44の基板11から突出する。
【0058】
開口部40、37はアライメントして1つ以上のチャネル16を形成する。インサート41は連結して1つ以上のチャネル16を形成する。チャネル16は、電池プレート10のスタックを通過する。チャネル16は、電池アセンブリ1を横方向に通過する(すなわち、横方向チャネルを形成する)。1つ以上のチャネル16は、それを介して1つ以上のポスト17(図示せず)を受容することができる。1つ以上のポスト24(図示せず)は、1つ以上のチャネル16を通って延出することができる。電池プレート10は、基板11上に1つ以上の活物質を含む。活物質は、アノード12またはカソード13(図示せず)であってもよい。
【0059】
上記の出願に記載されているいずれの数値でも、いずれかの下側の値といずれかの上側の値の間に少なくとも2単位の隔たりがある場合、下側の値から上側の値までのすべての値が、1単位刻みで含まれる。これらは具体的に意図されたものの単なる例であり、列挙された最小値と最大値の間の数値のすべての可能な組み合わせは、同様の方法で本願に明示的に記載されていると見なされるべきである。特に明記されていない限り、すべての範囲には、エンドポイントと、エンドポイント間のすべての数字との両方が含まれる。
【0060】
角度の測定を説明するための「略」または「実質的に」という用語は、約+/-10°以下、約+/-5°以下、さらには約+/-1°以下を意味し得る。角度の測定を説明するための「略」または「実質的に」という用語は、約+/-0.01°以上、約+/-0.1°以上、さらには約+/-0.5°以上を意味し得る。線形測定値、パーセンテージ、または比率を説明するための「略」または「実質的に」という用語は、約+/-10%以下、約+/-5%以下、さらには約+/-1%以下を意味する場合がある。線形測定値、パーセンテージ、または比率を説明するための「略」または「実質的に」という用語は、約+/-0.01%以上、約+/-0.1%以上、さらには約+/-0.5%以上を意味し得る。
【0061】
組み合わせを説明するための「本質的になる」という用語は、識別された要素、成分、構成要素、またはステップ、及び組み合わせの基本的かつ新規の特性に実質的に影響を及ぼさないそのような他の要素、成分、構成要素、またはステップを含むものとする。本明細書の要素、成分、構成要素、またはステップの組み合わせを説明するための「含む(comprise)」または「含む(include)」という用語の使用はまた、本質的に要素、成分、構成要素、またはステップからなる実施形態を企図する。
【0062】
複数の要素、成分、構成要素、またはステップは、単一の一体型の要素、成分、構成要素、またはステップによって提供され得る。あるいは、単一の一体型の要素、成分、構成要素、またはステップは、別個の複数の要素、成分、構成要素、またはステップに分割され得る。要素、成分、構成要素、またはステップを説明するための「1つ(a)」または「1つ(one)」の開示は、追加の要素、成分、構成要素、またはステップを排除することを意図するものではない。
【符号の説明】
【0063】
1 電池アセンブリ
2 電気化学セル
10 電池プレート
11 電池プレートの基板
12 アノード
13 カソード
14 セパレータ
15 チャネルシール
16 横方向チャネル
17 ポスト
18 ボルトヘッド
19 ナット
20 電池プレートのフレーム
21 電池プレートの突出部
22 熱
23 一体型エッジシール
25 エンドプレート
33 電池端子
34 セパレータのフレーム
35 セパレータのインサート
36 吸着性ガラスマット
37 セパレータ内のインサートホール
39 ホール
40 電池プレートのインサートホール
41 電池プレートのインサート
42 端子ホール
43 モノポーラプレート
44 バイポーラプレート
52 内部補強構造体
54 基部
55 シート
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10