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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-26
(45)【発行日】2024-07-04
(54)【発明の名称】玩具及び玩具セット
(51)【国際特許分類】
   A63H 3/04 20060101AFI20240627BHJP
   A63H 3/16 20060101ALI20240627BHJP
【FI】
A63H3/04 A
A63H3/16
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2022046368
(22)【出願日】2022-03-23
(65)【公開番号】P2023140499
(43)【公開日】2023-10-05
【審査請求日】2022-03-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】古谷 純平
(72)【発明者】
【氏名】脇島 淳
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 洋太
【審査官】白形 優依
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-062400(JP,A)
【文献】中国実用新案第212395867(CN,U)
【文献】実開平02-020592(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2020/0188806(US,A1)
【文献】中国実用新案第215427322(CN,U)
【文献】中国実用新案第211357755(CN,U)
【文献】特開2013-223583(JP,A)
【文献】実開昭61-111481(JP,U)
【文献】中国実用新案第207356575(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第106955497(CN,A)
【文献】特開2016-049249(JP,A)
【文献】特開昭63-311983(JP,A)
【文献】特開昭49-012941(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63H 1/00 - 37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
他の玩具と結合可能に構成された玩具であって、
前記他の玩具と結合するための結合部を備え、
前記結合部は、
第1の凹部と、
第1の凸部と、
押圧可能に構成された突起部と、
を有し、
前記第1の凹部は、前記他の玩具の第2の凸部と係合し、
前記第1の凸部は、前記他の玩具の第2の凹部と係合し、
前記結合部が設けられた面に対する前記突起部の高さは、前記面に対する前記第1の凸部の高さよりも低く、
前記突起部の押圧に応じて展開可能に構成されたパーツを更に備え、
前記玩具は、前記突起部の押圧以前は第1の外観を有し、前記突起部の押圧に応じて前記パーツの係止が解除されて前記パーツが展開されることで第2の外観を有するように構成された、玩具。
【請求項2】
前記突起部は、前記第1の凹部と第1の凸部との間に配置されている、請求項1に記載の玩具。
【請求項3】
前記第1の凹部と第1の凸部との間に、前記他の玩具の前記突起部を押圧する押圧部を更に有し、
前記突起部と前記押圧部とは、前記第1の凹部と前記第1の凸部とを結ぶ直線上に配置されている、請求項1又は2に記載の玩具。
【請求項4】
前記突起部は、前記押圧部よりも前記第1の凸部寄りに配置されている、請求項3に記載の玩具。
【請求項5】
前記突起部及び前記第1の凸部と、前記押圧部及び前記第1の凹部とは、前記突起部と前記押圧部との境を中心として線対称に配置されている、請求項4に記載の玩具。
【請求項6】
前記押圧部は、平坦面、凸部、及び、凹部のいずれかとして構成される、請求項3から5のいずれか1項に記載の玩具。
【請求項7】
前記突起部の先端部は、平面または曲面により構成されている、請求項1から6のいずれか1項に記載の玩具。
【請求項8】
前記突起部は、前記玩具の内側から弾性体により直接的に、又は、間接的に付勢されている、請求項1から7のいずれか1項に記載の玩具。
【請求項9】
前記第1の凹部は、前記他の玩具の前記第2の凸部の先端と係合する係合部材を備える、請求項1から8のいずれか1項に記載の玩具。
【請求項10】
前記玩具は、前記他の玩具と結合することにより、前記第1の外観から前記第2の外観に変形する、請求項1から9のいずれか1項に記載の玩具。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか1項に記載の玩具の組合せからなる玩具セットであって、外観が互いに異なる第1の玩具及び第2の玩具を少なくとも備える玩具セット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、玩具及び玩具セットに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数の玩具を合体させ、新たな外観の玩具を構成する形態変化玩具が提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特公平3-81396号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の玩具では、玩具を合体させるための機構が玩具ごとに異なっている。
【0005】
本発明は、玩具を合体させるための機構として、新規の合体機構を有する玩具、及び、当該玩具の組合せからなる玩具セットを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、他の玩具と結合可能に構成された玩具であって、前記他の玩具と結合するための結合部を備え、前記結合部は、凹部と、凸部と、押圧可能に構成された突起部とを有する。また、本発明は、上記の玩具の組合せからなる玩具セットであり、第1の玩具及び第2の玩具を備え、前記第1の玩具と前記第2の玩具とは外観が互いに異なる。
また、本発明は、他の玩具と結合可能に構成された玩具であって、前記他の玩具と結合するための結合部を備え、前記結合部は、第1の凹部と、第1の凸部と、押圧可能に構成された突起部と、を有し、前記第1の凹部は、前記他の玩具の第2の凸部と係合し、前記第1の凸部は、前記他の玩具の第2の凹部と係合し、前記結合部が設けられた面に対する前記突起部の高さは、前記面に対する前記第1の凸部の高さよりも低く、前記突起部の押圧に応じて展開可能に構成されたパーツを更に備え、前記玩具は、前記突起部の押圧以前は第1の外観を有し、前記突起部の押圧に応じて前記パーツの係止が解除されて前記パーツが展開されることで第2の外観を有するように構成されている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、玩具を合体させるための機構として、新規の合体機構を有する玩具、及び、当該玩具の組合せからなる玩具セットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態に対応する、第1の外観における第1の玩具の外観構成の一例を示すブロック図。
図2】実施形態に対応する、第3の外観における第2の玩具の外観構成の一例を示すブロック図。
図3】実施形態に対応する第1の玩具の断面構成、結合部の構成、及び、第2の外観における第1の玩具の外観構成の一例を示す図。
図4】実施形態に対応する第2の玩具の断面構成、結合部の構成、及び、第4の外観における第2の玩具の外観構成の一例を示す図。
図5】実施形態に対応する第1の玩具と第2の玩具との結合後の外観構成の一例を示す図。
図6】実施形態に対応する結合部における結合動作の概要を説明するための図、及び、結合部における要素の配置を説明するための図。
図7】実施形態に対応する結合部における凸部と凹部の構成を説明するための図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴うち二つ以上の特徴が任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0010】
また、各図において、紙面における上下左右方向を、本実施形態における部品(またはパーツ)の上下左右方向として、本文中の説明の際に用いることとする。なお本発明は、以下に説明する実施形態おいて成形材料としてABS(アクリロニトリル (Acrylonitrile)・ブタジエン (Butadiene)・スチレン (Styrene))樹脂及び、SBC(スチレン(styrene)・ブタジエン(butadiene)共重合体(copolymer)、スチレン系特殊透明樹脂)等を例示するがこれに限定されず、他の材質(ポリエチレン等の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、軟質樹脂、金属等)の利用を排除するものではない。また、本明細書においては、各部位の位置関係や移動方向等を説明するのに際して、前(前方)、後(後方)、左(左側方)、右(右側方)、上(上方)、下(下方)等と記載する場合があるが、(特に限定していない限り)これらの表現は各図面に示した玩具の向きを前(前方)と捉えた位置関係とする。よって、同一の玩具であっても、図面ごとに向きが変われば、前後左右上下の方向も異なる。
【0011】
<玩具の外観>
まず、図1を参照して、本実施形態に係る第1の玩具の外観構成の一例について説明する。図1(A)は第1の玩具である玩具100を斜め上側から見た場合の外観構成の一例を示す斜視図である。図1(B)は玩具100を斜め下側から見た場合の外観構成の一例を示す斜視図である。
【0012】
図1(A)において、玩具100はリンゴを模した外観(第1の外観)を有しており、その表面は、複数のパーツ101、102、103、104に分離されている。また、図1(B)からも玩具100がパーツ102、103、104、105、106に分離されていることが分かる。また、玩具100のパーツ102の底面に相当する箇所には、図2に示す玩具200と結合するための結合部110が配置されている。結合部110は、凸部110a、凹部110b、突起部110c、押圧部110dの要素の集合として構成される。玩具100は、突起部110cを押圧することにより、リンゴを模した第1の外観から、各パーツが展開することにより第1の外観とは異なる第2の外観に変形可能に構成されている。
【0013】
次に、図2を参照して、本実施形態に係る第2の玩具の外観構成の一例について説明する。図2(A)は第2の玩具である玩具200を斜め上側から見た場合の外観構成の一例を示す斜視図である。図2(B)は玩具200を斜め下側から見た場合の外観構成の一例を示す斜視図である。
【0014】
図2(A)に示すように、玩具100はロブスターを模した外観(第3の外観)を有しており、その表面は、複数のパーツ201R、201L、202L、203、204、205に分離されている。また、図2(B)に示すように、玩具200はまた、パーツ201R、201L、202R、202L、203、204、205を備えている。また、玩具200のパーツ205の底面に相当する箇所には、図1に示す玩具100と結合するための結合部210が配置されている。結合部210は、凸部210a、凹部210b、突起部210c、押圧部210dの要素の集合として構成される。玩具200は、突起部210cを押圧することにより、ロブスターを模した第3の外観から、各パーツが展開することにより第3の外観とは異なる第4の外観に変形可能に構成されている。
【0015】
次に、図3を参照して、玩具100の他の構造について説明する。図3(A)は、図1(A)のA-A'線における玩具100の断面構造の一例を示す図である。図3(B)は、玩具100の結合部110を拡大して示す図である。図3(A)、(B)においては、玩具100の底面における結合部110の断面構造が示されており、凸部110a及び凹部110bは静的なパーツであって互いに位置が変化しない。一方、突起部110cは、図3(A)において上下方向に移動可能に構成されており、部材302を介して弾性体301により下方向に付勢されている。また、突起部110cは、確実に押圧されるよう上端部が平坦面となっている。図3(B)では、押圧部110dを点線で囲まれた領域として示しているが、押圧部110dは突起部110cの平坦面を確実に押圧するように構成される。図3(B)では、突起部110cと凹部110bとの間に、少なくとも突起部110cの幅と同等の間隔を設け、当該間隔により規定されるスペースを押圧部110dとして利用しているが、この構成に限定されない。その他にも突起部110cの平坦面を押圧するように、例えば、凸部分を設けるようにしてもよいし、或いは、突起部110cと係合する凹部を設けるようにしてもよい。また、突起部110cの上端部は、平坦面以外に、例えば任意の曲面としてもよい。
【0016】
突起部110cに付勢力を与える弾性体301については、図3(A)ではコイルバネを使用しているが、コイルバネに限らず、板バネ、皿バネ、ねじりバネ等の各種バネの他、ゴムやその他、力が加わることで変形が生じた際に、元の形に戻ろうとする復元力がはたらく任意の素材、材料、物質を使用することができる。また、図3(A)では、突起部110cに弾性体301が直接作用しておらず、部材302を介して付勢されているが、当該構成に限定されるものではない。即ち、突起部110cが玩具100の底面から突出するように、弾性体301により直接に突起部110cを付勢するようにしてもよい。
本実施形態では玩具100が玩具200と結合し、突起部110cが押圧部210dにより押圧されると、突起部110cは内側に押し込まれる。これによりパーツ302の底面の傾斜面と突起部110cの上端の傾斜面とが係合し、パーツ302が図の左側に移動する。その結果、パーツ302により支持されていた部材の保持状態が解除されて、パーツ101から106の係止が(直接的、又は、間接的に)解除され、各パーツが展開して図3(C)に示す状態となる。なお、パーツ101から106の係止が解除され、展開されるに際して、他の弾性体の付勢力を利用してもよい。
【0017】
次に、図4を参照して、玩具200の他の構造について説明する。図4(A)は、図2(A)のB-B'線における玩具200の断面構造の一例を示す図である。図4(B)は、玩具200の結合部210を拡大して示す図である。図4(A)においては、玩具200の底面における結合部210の断面構造が示されており、凸部210a及び凹部210bは静的なパーツであって互いに位置が変化しない。一方、突起部210cは、図4(A)の上下方向に移動可能に構成されており、ここでは弾性体401により下方向に直接に付勢されている。弾性体401を構成する材料については、図3(A)との関連で説明したのと同様である。また、突起部210c、押圧部210dについても図3(A)、図3(B)との関連で説明したのと同様である。
【0018】
図4(A)の構成においては、玩具200が玩具100と結合し、突起部210cが押圧部110dにより押圧されると、突起部110cが内側に押し込まれる。これにより突起部210cの上側の端部により他の部材が押圧され、或いは、係合することで、パーツ201から205の係止が(直接的、又は、間接的に)解除され、各パーツが展開して図4(B)に示す状態となる。なお、パーツ201から205の係止が解除され展開されるに際して、他の弾性体の付勢力を利用してもよい。また、本実施形態では、パーツが展開して外観が変形する場合を説明したが、押圧部(操作部)による突起部への操作によりパーツが動作して外観が変形するものであれば特に限定されない。例えば、パーツが内側に閉じる方向に動作して変形するものであってもよい。
【0019】
図5は、玩具セットとして玩具100と玩具200とが提供される場合に、各玩具の結合部110と結合部210とを介して結合することで、新たな玩具500が形成される様子を例示する。玩具100は、結合部110の突起部110cを押圧することにより図1(A)の第1の外観から図3(C)のような第2の外観に変形し、玩具200は、結合部210の突起部210cを押圧することにより図2(A)の第3の外観から図4(C)のような第4の外観に変形する。そして、第2の外観の玩具100と第4の外観の玩具200とが組み合わされたロボット形態(第5の外観)の結合玩具が形成される。このような外観の変化は、玩具100と玩具200とを結合部を介して結合することにより、同時に達成することができる(パーツの微調整等、部分的に手動で変形する部分があってもよい)。なお、このとき玩具100は底面に結合部110が配置されているので、玩具200と結合する場合には、上下反転させて結合させることとなる。
【0020】
図6(A)及び図6(B)は、2つの玩具の結合部を結合させた場合の、互いの結合部の関係を説明するための図である。図6(A)及び図6(B)では、図5に示した玩具200が上側で、玩具100が下側で結合する場合と対応させて参照番号を付している。
【0021】
図6(A)は、結合部210と結合部110とが結合する前の配置状態を示している。玩具100と玩具200との結合では、凸部110aと凹部210bとが結合し、凸部210aと凹部110bとが結合することにより、結合位置を定める(位置決めする)ことができる。その際、凸部と凹部との間に配置されている突起部110cや210cと、押圧部110dや210dとが互いに位置決めされ、突起部110cの押圧部210dによる押圧と、突起部210cの押圧部110dによる押圧とが同時に実現される。本実施形態においては、押圧部110dや210dを平坦面としているが、上述のように凸部或いは凹部として形成してもよい。また、図6(A)に示されるように、結合部が設けられている面に対する突起部110cの高さは、凸部110aの高さよりも低くなっている。これにより、結合を行わない際には、凸部110aは、突起部110cに対する誤操作を防止するためのガードとしての役割を果たすことができる。
【0022】
図6(B)は、結合部210と結合部110とが結合した状態を示している。ここでは、凸部110aと凹部210bとが結合し、凸部210aと凹部110bとが結合している。また、突起部110cは押圧部210dにより押圧され、玩具100内に押し込まれている。また、突起部210cは押圧部110dにより押圧され、玩具200内に押し込まれている。これにより、突起部110cと突起部210cとをそれぞれ付勢していた弾性体が圧縮されている。玩具100と玩具200との結合が解除され、圧縮状態も解除されると再び突起部110cと210cとは外側に突出し、玩具の元の外観に復帰させることが可能となる。本実施形態では、凸部と凹部との間に突起部や押圧部を配置する例を示しているが、これに限られることはなく、例えば凹部側ではない凸部の隣に突起部を配置したり、突起部や押圧部を、凸部と凹部との間ではない位置に配置したりしてもよい。本実施形態のように凸部と凹部との間に突起部や押圧部を配置する場合、突起部をより確実に押圧できる。
【0023】
図6(C)は、結合部における凸部、凹部、突起部及び押圧部の配置について説明するための図である。図6(C)では、玩具100の結合部110に対応する参照場号を付しているが、玩具200の結合部210も同様の構造を有する。図6(C)では、凸部110aと凹部110bとを結ぶ直線601上に、突起部110cと押圧部110dとが配置されている。このような配置関係により、本実施形態に対応する結合部を複数の玩具に共通に持たせ、玩具同士を任意の組合せにおいて結合させることが可能となる。
【0024】
また、図6には(A)から(C)までに共通する一点鎖線600を付しているが、この一点鎖線600は突起部と押圧部との境を通過している。そして、図6からは結合部の構成が一点鎖線600に対して線対称に構成されていることが分かる。このように凸部と突起部、凹部と押圧部との組を線対称に配置することで、結合部間の結合を確実に確保できる。よって、結合部を複数の玩具に共通に利用した場合に、いずれの玩具とも結合が可能となる。なお、凸部、凹部と、突起部、押圧部との組み合わせを、凸部と押圧部、凹部と突起部の組に変更してもよい。
【0025】
上述の実施形態において、結合部110及び210がそれぞれ有する凸部110a、210aと、凹部110b、210bとは、結合時に係合するように構成されていてもよい。例えば、凸部に突起部を設け、凹部に突起部が挿入される挿入部を設け、挿入部に突起部が挿入された場合に挿入状態を保持可能に構成することができる。当該構成を以下、図7を参照して説明する。
【0026】
図7は、突起部と挿入部との断面構造の一例を示す。図7(A)は、凸部110aと凹部210bとが結合する以前の状態を示しており、図7(B)は凸部110aと凹部210bとが結合した状態を示している。凸部110aは、例えば先端部701の断面を曲面とし、当該曲面の内径よりも小さい径の軸部材702により支持して構成することができる。一方、凹部210bは、凹部の内壁の上側に、向かい合うように突出部710a、710bを設けることができる。凸部110aの先端部701が突出部710a、710bを通過すると、突出部710a、710bにより軸部材702が支持され、凸部110aが凹部210bに挿入された状態が保持される。この構成によれば、凸部と凹部との係合状態を安定的に保持することができる。
【0027】
上記の実施形態において、凹部201bは、2つの幅を有する突起部を互いに平行に配置し、2つの突起部に挟まれる空間を凹部として利用する構成(第1の構成)としてもよいし、突起部を略円周状に連続して配置することで、突起部により囲まれる空間を凹部として利用する構成(第2の構成)としてもよい。また、凸部101aは、凹部201bの構成に対応し、凹部201bが第1の構成の場合は、凹部201bの2つの突起部に挟まれる空間に挿入可能な幅を有する凸部として構成される。一方、凹部201bが第2の構成の場合は、凹部201bの空間に挿入可能な軸状の凸部として構成される。
【0028】
以上に説明した実施形態によれば、本実施形態に対応する玩具は、凸部、凹部、押圧可能に構成された突起部、突起部を押圧可能な押圧部とからなる結合部を共通に有する。当該結合部を利用することで、結合しようとする玩具の結合方向を容易に決定して結合することができる。その際、結合部はその構造により結合方向が一意に定まるので、誤った方向で結合することがない。また、突起部が押圧されることにより玩具が第1の外観(或いは第3の外観)から第2の外観(或いは第4の外観)に変形するので、玩具を結合すると共に、玩具の外観を異ならせることができる。また、本実施形態の結合部を利用することで、使用者が好きな玩具同士の組み合わせで、自由な発想で玩具同士を組み合わせた結合玩具遊びをすることができる。
【0029】
また、本実施形態では、押圧可能な突起部が、凸部と凹部との間に配置されるため、確実に押圧することができる。また、実施形態の一つにおいては、突起部は凸部寄りに配置されており、突出している部材をまとめて配置しているために、見た目のまとまりを出すことができる。また、結合部が設けられている面に対する高さは凸部の方が突起部よりも高いので、突起部を凸部寄りに配置することで凸部を突起部に対する誤操作を防止するカードとして利用することができる。具体的には、玩具を結合しない場合であっても、凸部が突起部の近傍に配置されているので、突起部が誤って操作されることを効果的に防止することができる。
【0030】
上述の実施形態では、結合部を底面に配置する場合を説明したが、この構成以外にも、玩具の構造によっては背面、或いは、その他の面に配置してもよい。例えば、自動車を模した外観を有する玩具については、結合部を設ける面は底面であってもよいし、背面であってもよい。
【0031】
また、上述の実施形態では、第1の玩具100をリンゴを模した玩具とし、第2の玩具200をロブスターを模した玩具としたが、玩具の外観は任意の、動物、植物、生物、乗り物(車両、飛行機、船、戦闘車両等)、仮想のキャラクタ(所定のロボットやキャラクタ)、文房具(消しゴムや鉛筆、定規、コンパス等)、食べ物(ハンバーガー等)、任意の動産(自動販売機等)、不動産(ビル、マンション、駅、ランドマーク、その他の建築物)とすることができる。また、変形後の第1の玩具100と第2の玩具200とが組み合わされて得られる結合玩具の外観についても、上記実施形態に限定されず任意の形状とすることができる。また、上記では、第1の玩具と第2の玩具との2つの玩具の組合せによる玩具セットについて説明したが、玩具セットは3以上の玩具の組合せからなるように構成されてもよい。その場合、例えば、1つの玩具に2つ以上の結合部を設けて1つの玩具に2つ以上の玩具が接続される構成としても良いし、3つ以上の玩具が連なって連結されるように構成されていてもよい。
【0032】
発明は上記の実施形態に制限されるものではなく、発明の要旨の範囲内で、種々の変形・変更が可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7